JP2019085492A - トリアジン環含有重合体を含む膜形成用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明導電膜等の無機物層を含んで構成される多層膜構造体における無機物層の視認性を改善し得るとともに、無機物層のクラック抑制効果をも有する膜を与える膜形成用組成物を提供すること。【解決手段】 例えば、下記式[4]で表されるような繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物である膜形成用組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、トリアジン環含有重合体を含む膜形成用組成物に関する。
近年、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、タッチパネル、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、および有機薄膜トランジスタ(TFT)等の電子デバイスを開発する際に、高機能な高分子材料が要求されるようになってきた。
求められる具体的な特性としては、1)耐熱性、2)透明性、3)高屈折率、4)高溶解性、5)低体積収縮率、6)高温高湿耐性、7)高膜硬度などが挙げられる。
この点に鑑み、本発明者らは、トリアジン環および芳香環を有する繰り返し単位を含む重合体が高屈折率を有し、ポリマー単独で高耐熱性、高透明性、高屈折率、高溶解性、低体積収縮を達成でき、電子デバイスを作製する際の膜形成用組成物として好適であることを既に見出している(特許文献1)。
求められる具体的な特性としては、1)耐熱性、2)透明性、3)高屈折率、4)高溶解性、5)低体積収縮率、6)高温高湿耐性、7)高膜硬度などが挙げられる。
この点に鑑み、本発明者らは、トリアジン環および芳香環を有する繰り返し単位を含む重合体が高屈折率を有し、ポリマー単独で高耐熱性、高透明性、高屈折率、高溶解性、低体積収縮を達成でき、電子デバイスを作製する際の膜形成用組成物として好適であることを既に見出している(特許文献1)。
ところで、液晶表示素子における、スペーサー、絶縁膜、保護膜などでは、高屈折率材料を有機溶媒に溶かした組成物を用い、塗布法によって薄膜を作製することが一般的であるが、透明導電膜の種類によっては高極性の溶媒を使用することができない場合があり、特に、最近汎用されている金属ナノワイヤを用いた透明導電膜では、高極性の溶媒により、金属ナノワイヤのバインダーが溶け出してくる場合があった。
また、塗布装置を用いて高屈折ポリマーを含む膜形成用組成物を塗布した後に、装置のライン洗浄溶媒として低極性溶媒等が用いられることがあり、そのような溶媒に対する溶解性が低いポリマーであると、ラインが目詰まりしてしまうという問題が生じることもあった。
また、塗布装置を用いて高屈折ポリマーを含む膜形成用組成物を塗布した後に、装置のライン洗浄溶媒として低極性溶媒等が用いられることがあり、そのような溶媒に対する溶解性が低いポリマーであると、ラインが目詰まりしてしまうという問題が生じることもあった。
これらの点に鑑み、本発明者らは、トリアジン環末端の少なくとも一部がフッ素原子含有アリールアミノ基で封止されたトリアジン環含有重合体を用いることで、高屈折率で透明性に優れた薄膜を形成し得るとともに、各種有機溶媒に対する溶解性に優れたトリアジン環含有重合体が得られ、このトリアジン環含有重合体を含む組成物から得られた薄膜が、ITOや銀ナノワイヤ等の透明導電膜の保護膜や屈折率調整層として好適であることを既に見出している(特許文献2)。
しかし、スマートフォンやタブレット用ディスプレイのフレキシブル化の流れに伴い、繰り返し折り曲げに対して強い材料の開発が求められているところ、上記特許文献2の材料は、良好な視認性改善効果を発揮するものの、透明導電膜等の無機物層のクラック抑制効果という点ではさらなる改善の余地があった。
しかし、スマートフォンやタブレット用ディスプレイのフレキシブル化の流れに伴い、繰り返し折り曲げに対して強い材料の開発が求められているところ、上記特許文献2の材料は、良好な視認性改善効果を発揮するものの、透明導電膜等の無機物層のクラック抑制効果という点ではさらなる改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透明導電膜等の無機物層を含んで構成される多層膜構造体における無機物層の視認性を改善し得るとともに、無機物層のクラック抑制効果をも有する膜を与える膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定のトリアジン環含有重合体と、ポリエチレンオキサイド鎖を有する所定の架橋剤とを含む組成物が、無機物層の視認性を改善し得る膜を与えるだけでなく、低硬度で無機物層の耐クラック抑制効果を有する膜を与えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基で封止されているトリアジン環含有重合体、または式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、
前記架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物、
{式中、RおよびR′は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表し、
Ar′は、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基を表し、
Arは、式(2)〜(13)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す。
〔式中、R1〜R92は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、
R93およびR94は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、
W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR95R96(R95およびR96は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR97(R97は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)を表し、
X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、または式(14)
(式中、R98〜R101は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、
Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)で示される基を表す。〕
2. 前記式(1)で表されるトリアジン環含有重合体のトリアジン環末端の少なくとも1つが、フッ素原子含有アリールアミノ基で封止されている1の膜形成用組成物、
3. 前記Ar′が、フッ素原子含有アリールアミノ基である1の膜形成用組成物、
4. 前記フッ素原子含有アリールアミノ基が、式(15)で示される2または3の膜形成用組成物、
(式中、R102は、フッ素原子または炭素数1〜10のフルオロアルキル基を表す。)
5. 前記フッ素原子含有アリールアミノ基が、式(16)で示される4の膜形成用組成物、
(式中、R102は、前記と同じ意味を表す。)
6. 前記R102が、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である4または5の膜形成用組成物、
7. 前記Arが、式(17)で示される1〜6のいずれかの膜形成用組成物、
8. 前記架橋剤が、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む1〜7のいずれかの膜形成用組成物、
9. 前記架橋剤が、下記式(A)で示されるポリエチレングリコールジアクリレートを含む1〜8のいずれかの膜形成用組成物、
(式中、nは、2〜25の整数を表す。)
10. 前記有機溶媒が、グリコールエステル系溶媒、ケトン系溶媒、およびエステル系溶媒から選ばれる少なくとも1種である1〜9のいずれかの膜形成用組成物、
11. 1〜10のいずれかの膜形成用組成物から得られる薄膜、
12. 基材と、この基材上に形成された11の薄膜とを備える電子デバイス
を提供する。
1. 下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基で封止されているトリアジン環含有重合体、または式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、
前記架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物、
Ar′は、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基を表し、
Arは、式(2)〜(13)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す。
R93およびR94は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、
W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR95R96(R95およびR96は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR97(R97は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)を表し、
X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、または式(14)
Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)で示される基を表す。〕
2. 前記式(1)で表されるトリアジン環含有重合体のトリアジン環末端の少なくとも1つが、フッ素原子含有アリールアミノ基で封止されている1の膜形成用組成物、
3. 前記Ar′が、フッ素原子含有アリールアミノ基である1の膜形成用組成物、
4. 前記フッ素原子含有アリールアミノ基が、式(15)で示される2または3の膜形成用組成物、
5. 前記フッ素原子含有アリールアミノ基が、式(16)で示される4の膜形成用組成物、
6. 前記R102が、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である4または5の膜形成用組成物、
7. 前記Arが、式(17)で示される1〜6のいずれかの膜形成用組成物、
9. 前記架橋剤が、下記式(A)で示されるポリエチレングリコールジアクリレートを含む1〜8のいずれかの膜形成用組成物、
10. 前記有機溶媒が、グリコールエステル系溶媒、ケトン系溶媒、およびエステル系溶媒から選ばれる少なくとも1種である1〜9のいずれかの膜形成用組成物、
11. 1〜10のいずれかの膜形成用組成物から得られる薄膜、
12. 基材と、この基材上に形成された11の薄膜とを備える電子デバイス
を提供する。
本発明の膜形成用組成物を用いることで、透明導電膜等の無機物層の視認性を改善し得るだけでなく、低硬度で無機物層の耐クラック抑制効果を有する膜を作製することができる。
本発明の膜形成用組成物から作製された薄膜は、高耐熱性、高屈折率、低体積収縮という特性を発揮し得るため、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、タッチパネル、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)、レンズ、プリズム、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置等を作製する際の一部材など、電子デバイスや光学材料の分野に好適に利用できる。
特に、本発明の膜形成用組成物から作製された薄膜は透明性および屈折率が高く、また低硬度であるため、ITOや銀ナノワイヤ等の透明導電膜の保護膜や屈折率調整層等の光学調整層として使用することで、視認性を改善することができるとともに、その劣化を抑制することができ、さらに透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することができる。
本発明の膜形成用組成物から作製された薄膜は、高耐熱性、高屈折率、低体積収縮という特性を発揮し得るため、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、タッチパネル、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)、レンズ、プリズム、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置等を作製する際の一部材など、電子デバイスや光学材料の分野に好適に利用できる。
特に、本発明の膜形成用組成物から作製された薄膜は透明性および屈折率が高く、また低硬度であるため、ITOや銀ナノワイヤ等の透明導電膜の保護膜や屈折率調整層等の光学調整層として使用することで、視認性を改善することができるとともに、その劣化を抑制することができ、さらに透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る膜形成用組成物は、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、アリールアミノ基で封止されているトリアジン環含有重合体、または式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、前記架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする。
本発明に係る膜形成用組成物は、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、アリールアミノ基で封止されているトリアジン環含有重合体、または式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、前記架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする。
上記各式中、RおよびR′は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基を表すが、屈折率をより高めるという観点から、ともに水素原子であることが好ましい。
本発明において、アルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、その構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
本発明において、アルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、その構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
上記アルコキシ基の炭素数としては特に限定されるものではないが、炭素数1〜20が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数1〜10がより好ましく、1〜3がより一層好ましい。また、そのアルキル部分の構造は、鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が挙げられる。
上記アリール基の炭素数としては特に限定されるものではないが、6〜40が好ましく、ポリマーの耐熱性をより高めることを考慮すると、炭素数6〜16がより好ましく、6〜13がより一層好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル、p−ビフェニリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル基等が挙げられる。
アラルキル基の炭素数としては特に限定されるものではないが、炭素数7〜20が好ましく、そのアルキル部分は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
その具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
その具体例としては、ベンジル、p−メチルフェニルメチル、m−メチルフェニルメチル、o−エチルフェニルメチル、m−エチルフェニルメチル、p−エチルフェニルメチル、2−プロピルフェニルメチル、4−イソプロピルフェニルメチル、4−イソブチルフェニルメチル、α−ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記Arは、式(2)〜(13)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す。
上記R1〜R92は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、R93およびR94は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR95R96(R95およびR96は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR97(R97は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
なお、アルキル基、アルコキシ基としては上記と同様のものが挙げられる。
また、X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、または式(14)で示される基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
なお、アルキル基、アルコキシ基としては上記と同様のものが挙げられる。
また、X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、または式(14)で示される基を表す。
上記R98〜R101は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す。これらハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基としては上記と同様のものが挙げられる。
炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン基等が挙げられる。
これらの中でも、R1〜R92およびR98〜R101としては、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、炭素数1〜5のアルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
特に、Arとしては、式(2)、(5)〜(13)で示される少なくとも1種が好ましく、式(2)、(5)、(7)、(8)、(11)〜(13)で示される少なくとも1種がより好ましい。上記式(2)〜(13)で表されるアリール基の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、より高い屈折率のポリマーが得られることから、下記式で示されるアリール基がより好ましい。
また、上記式(1)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体は、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基で封止され、また式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体は、トリアジン環を構成する3つの炭素原子のうちの1つがフッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基Ar′で封止されている。
これらアリールアミノ基におけるアリール基としては、上記と同様のものが挙げられるが、特に、フェニル基が好ましい。
特に、屈折率を維持しつつ溶媒への溶解性を高めることを考慮すると、式(1)の繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体は、そのトリアジン環末端の少なくとも一部がフッ素原子含有アリールアミノ基で封止されていることが好ましく、式(2)で表されるトリアジン環含有重合体のAr′は、フッ素原子含有アリールアミノ基であることが好ましい。
これらアリールアミノ基におけるアリール基としては、上記と同様のものが挙げられるが、特に、フェニル基が好ましい。
特に、屈折率を維持しつつ溶媒への溶解性を高めることを考慮すると、式(1)の繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体は、そのトリアジン環末端の少なくとも一部がフッ素原子含有アリールアミノ基で封止されていることが好ましく、式(2)で表されるトリアジン環含有重合体のAr′は、フッ素原子含有アリールアミノ基であることが好ましい。
これらフッ素原子含有アリールアミノ基におけるフッ素原子含有基としては、フッ素原子、フルオロアルキル基等のフッ素原子含有炭化水素基などが挙げられるが、フッ素原子、炭素数1〜10のフルオロアルキル基が好ましい。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
特に、屈折率を維持しつつトリアジン環含有重合体の低極性溶媒等に対する溶解性を高めることを考慮すると、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が最適である。
フッ素原子含有基の数は特に限定されるものではなく、アリール基上に置換可能な任意の数とすることができるが、屈折率維持と溶媒に対する溶解性とのバランスを考慮すると、1〜4個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個がより一層好ましい。
好適なフッ素原子含有アリールアミノ基としては、式(15)で示されるものが挙げられ、特に、アミノ基に対してパラ位にフッ素原子含有基を有する式(16)で示されるものが好ましい。
具体的なフッ素原子含有アリールアミノ基としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、フッ素原子含有アリールアミノ基は、後述の製造法において、対応するフッ素原子含有アリールアミノ化合物を用いて導入することができる。
フッ素原子含有アリールアミノ化合物の具体例としては、4−フルオロアニリン、4−トリフルオロメチルアニリン、4−ペンタフルオロエチルアニリン等が挙げられる。
フッ素原子含有アリールアミノ化合物の具体例としては、4−フルオロアニリン、4−トリフルオロメチルアニリン、4−ペンタフルオロエチルアニリン等が挙げられる。
本発明において、特に好適なトリアジン環含有重合体としては、式(18)〜(25)で示されるものが挙げられる。
本発明におけるトリアジン環含有重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜500,000が好ましく、500〜100,000がより好ましく、より耐熱性を向上させるとともに、収縮率を低くするという点から、2,000以上が好ましく、より溶解性を高め、得られた溶液の粘度を低下させるという点から、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、10,000以下がより一層好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
本発明のトリアジン環含有重合体は、上述した特許文献1に開示された手法に準じて製造することができる。
例えば、下記スキーム1に示されるように、ハイパーブランチ型のトリアジン環含有重合体(20)は、トリアジン化合物(26)およびアリールジアミノ化合物(27)を適当な有機溶媒中で反応させた後、末端封止剤であるフッ素原子含有アニリン化合物(28)と反応させて得ることができる。
例えば、下記スキーム1に示されるように、ハイパーブランチ型のトリアジン環含有重合体(20)は、トリアジン化合物(26)およびアリールジアミノ化合物(27)を適当な有機溶媒中で反応させた後、末端封止剤であるフッ素原子含有アニリン化合物(28)と反応させて得ることができる。
上記反応において、アリールジアミノ化合物(27)の仕込み比は、目的とする重合体が得られる限り任意であるが、トリアジン化合物(26)1当量に対し、アリールジアミノ化合物(27)0.01〜10当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
アリールジアミノ化合物(27)は、ニートで加えても、有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
反応温度は、用いる溶媒の融点から溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、−30〜150℃程度が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。
アリールジアミノ化合物(27)は、ニートで加えても、有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
反応温度は、用いる溶媒の融点から溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、−30〜150℃程度が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。
有機溶媒としては、この種の反応において通常用いられる種々の溶媒を用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,N’−テトラメチルマロン酸アミド、N−メチルカプロラクタム、N−アセチルピロリジン、N,N−ジエチルアセトアミド、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルホルムアミド、N,N’−ジメチルプロピレン尿素等のアミド系溶媒、およびそれらの混合溶媒が挙げられる。
中でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびそれらの混合系が好ましく、特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好適である。
中でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびそれらの混合系が好ましく、特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好適である。
また、上記スキーム1の1段階目の反応では、重合時または重合後に通常用いられる種々の塩基を添加してもよい。
この塩基の具体例としては、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムエトキシド、酢酸ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、酸化アルミニウム、アンモニア、n−プロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。
塩基の添加量は、トリアジン化合物(26)1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
得られる重合体には、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
この塩基の具体例としては、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムエトキシド、酢酸ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、酸化アルミニウム、アンモニア、n−プロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。
塩基の添加量は、トリアジン化合物(26)1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
得られる重合体には、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
フッ素原子含有アニリン化合物(28)を用いた末端封止方法としては、公知の方法を採用すればよい。
この場合、末端封止剤の使用量は、重合反応に使われなかった余剰のトリアジン化合物由来のハロゲン原子1当量に対し、0.05〜10当量程度が好ましく、0.1〜5当量がより好ましく、0.5〜2当量がより一層好ましい。
反応溶媒や反応温度としては、上記スキーム1の1段階目の反応で述べたのと同様の条件が挙げられ、また、末端封止剤は、アリールジアミノ化合物(27)と同時に仕込んでもよい。
なお、フッ素原子を有しないアリールアミノ化合物を用い、2種類以上の基で末端封止を行ってもよい。この置換基を有しないアリールアミノ化合物のアリール基としては上記と同様のものが挙げられる。
この場合、末端封止剤の使用量は、重合反応に使われなかった余剰のトリアジン化合物由来のハロゲン原子1当量に対し、0.05〜10当量程度が好ましく、0.1〜5当量がより好ましく、0.5〜2当量がより一層好ましい。
反応溶媒や反応温度としては、上記スキーム1の1段階目の反応で述べたのと同様の条件が挙げられ、また、末端封止剤は、アリールジアミノ化合物(27)と同時に仕込んでもよい。
なお、フッ素原子を有しないアリールアミノ化合物を用い、2種類以上の基で末端封止を行ってもよい。この置換基を有しないアリールアミノ化合物のアリール基としては上記と同様のものが挙げられる。
一方、リニア型のトリアジン環含有重合体(24)は、下記スキーム2に示されるように、トリアジン化合物(26)と、フッ素原子含有アニリン化合物(28)とを、適当な有機溶媒中で反応させた後、アリールジアミノ化合物(27)と反応させて得ることができる。
上記反応において、フッ素原子含有アニリン化合物(28)の使用量は、トリアジン化合物(26)のハロゲン原子1当量に対し、0.05〜0.5当量程度が好ましく、0.1〜0.4当量がより好ましい。
また、アリールジアミノ化合物(27)の仕込み比は、目的とする重合体が得られる限り任意であるが、トリアジン化合物(26)1当量に対し、アリールジアミノ化合物(27)0.01〜10当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
アリールジアミノ化合物(27)は、ニートで加えても、有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
反応温度は、用いる溶媒の融点から溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、−30〜150℃程度が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。
また、アリールジアミノ化合物(27)の仕込み比は、目的とする重合体が得られる限り任意であるが、トリアジン化合物(26)1当量に対し、アリールジアミノ化合物(27)0.01〜10当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
アリールジアミノ化合物(27)は、ニートで加えても、有機溶媒に溶かした溶液で加えてもよいが、操作の容易さや反応のコントロールのし易さなどを考慮すると、後者の手法が好適である。
反応温度は、用いる溶媒の融点から溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、−30〜150℃程度が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。
有機溶媒としては、上記スキーム1で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、上記反応でも、重合時または重合後に通常用いられる種々の塩基を添加してもよく、塩基の具体例としても、上記スキーム1で例示したものと同様のものが挙げられる。
塩基の添加量は、トリアジン化合物(26)1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
得られる重合体には、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
また、上記反応でも、重合時または重合後に通常用いられる種々の塩基を添加してもよく、塩基の具体例としても、上記スキーム1で例示したものと同様のものが挙げられる。
塩基の添加量は、トリアジン化合物(26)1当量に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。なお、これらの塩基は水溶液にして用いてもよい。
得られる重合体には、原料成分が残存していないことが好ましいが、本発明の効果を損なわなければ一部の原料が残存していてもよい。
反応終了後、生成物は再沈法等によって容易に精製できる。
本発明の膜形成用組成物では、得られる膜の硬度を下げて曲げ耐性を向上させることを考慮し、架橋剤としてエチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物が用いられる。
特に、得られる膜のマルテンス硬度を下げて曲げ耐性をより高め、透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することを考慮すると、2官能のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(A)で示されるポリエチレングリコールジアクリレートがより好ましい。
特に、得られる膜のマルテンス硬度を下げて曲げ耐性をより高め、透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することを考慮すると、2官能のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(A)で示されるポリエチレングリコールジアクリレートがより好ましい。
式(A)において、nは、2〜25の整数を表すが、得られる膜のマルテンス硬度をより低下させることを考慮すると、4〜25が好ましく、9〜23がより好ましい。
本発明で用いることができるエチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリアクリレート、ポリグリセリンポリエチレングリコールポリアクリレート等が挙げられる。
また、本発明で用いる多官能(メタ)アクリル化合物は、市販品として入手が可能であり、その具体例としては、NKエステルA−200、同A−400、同A−600、同A−1000、同ABE−300、同A−BPE−4、同A−BPE−6、同A−BPE−10、同A−BPE−20、同A−BPE−30、同BPE−80N、同BPE−100N、同BPE−200、同BPE−500、同BPE−900、同BPE−1300N、同1G、同2G、同3G、同4G、同9G、同14G、同23G(以上、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
上述した架橋剤は単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。架橋剤の使用量は、トリアジン環含有重合体100質量部に対して、1〜100質量部が好ましいが、得られる膜のマルテンス硬度をより低下させることを考慮すると、その下限は、好ましくは1質量部、より好ましくは2質量部であり、より一層好ましくは3質量部であり、さらには、屈折率をコントロールすることを考慮すると、その上限は好ましくは50質量部、より好ましくは30質量部である。
なお、本発明では、架橋剤として、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物以外の多官能(メタ)アクリル化合物を併用することもできるが、得られる膜のマルテンス硬度をより低下させることを考慮すると、使用する全ての架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。
なお、本発明では、架橋剤として、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物以外の多官能(メタ)アクリル化合物を併用することもできるが、得られる膜のマルテンス硬度をより低下させることを考慮すると、使用する全ての架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。
本発明の組成物は、開始剤を使用せずとも光硬化が進行して硬化膜を与えるものであるが、その場合に開始剤を使用しても差し支えない。
開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤としても、公知のものから適宜選択して用いればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、アミロキシムエステル、オキシムエステル類、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン類等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(159頁、発行人:高薄一弘、発行所:(株)技術情報協会、1991年発行)に記載されている。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、BASF社製 商品名:イルガキュア 127、184、369、379、379EG、651、500、754、819、903、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、OXE01、OXE02、ダロキュア 1116、1173、MBF、BASF社製 商品名:ルシリン TPO、UCB社製 商品名:ユベクリル P36、フラテツリ・ランベルティ社製 商品名:エザキュアー KIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤を用いる場合、多官能(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.1〜200質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜150質量部の範囲で使用することがより好ましい。
開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤としても、公知のものから適宜選択して用いればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、アミロキシムエステル、オキシムエステル類、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン類等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、最新UV硬化技術(159頁、発行人:高薄一弘、発行所:(株)技術情報協会、1991年発行)に記載されている。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、BASF社製 商品名:イルガキュア 127、184、369、379、379EG、651、500、754、819、903、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、OXE01、OXE02、ダロキュア 1116、1173、MBF、BASF社製 商品名:ルシリン TPO、UCB社製 商品名:ユベクリル P36、フラテツリ・ランベルティ社製 商品名:エザキュアー KIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤を用いる場合、多官能(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.1〜200質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜150質量部の範囲で使用することがより好ましい。
本発明の組成物には、各種溶媒を添加し、トリアジン環含有重合体を溶解させて使用することが好ましい。
溶媒としては、例えば、水、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルブチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
溶媒としては、例えば、水、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルブチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
上述したとおり、本発明のトリアジン環含有重合体は、有機溶媒に対する溶解性に優れているため、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル系溶媒にもよく溶解するため、これらの溶媒が必要とされる部位に薄膜を形成する場合に特に適している。
この際、組成物中の固形分濃度は、保存安定性に影響を与えない範囲であれば特に限定されず、目的とする膜の厚みに応じて適宜設定すればよい。具体的には、溶解性および保存安定性の観点から、固形分濃度0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜40質量%である。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、トリアジン環含有重合体、架橋剤および溶媒以外のその他の成分、例えば、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤などの添加剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製(旧(株)ジェムコ製))、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、R−40、F−553、F−554、RS−75、RS−72−K(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−375、BYK−378(ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製(旧(株)ジェムコ製))、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30、R−40、F−553、F−554、RS−75、RS−72−K(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、BYK−302、BYK−307、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−333、BYK−370、BYK−375、BYK−378(ビックケミー・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の使用量は、トリアジン環含有重合体100質量部に対して0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部がより一層好ましい。
本発明の膜形成用組成物は、基材に塗布し、その後、必要に応じて加熱して溶剤を蒸発させた後、加熱または光照射して所望の硬化膜とすることができる。
組成物の塗布方法は任意であり、例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、ジェットディスペンサー法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。
組成物の塗布方法は任意であり、例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、ジェットディスペンサー法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。
また、基材としては、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)が成膜されたガラス、インジウム亜鉛酸化物(IZO)が成膜されたガラス、金属ナノワイヤ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、プラスチック、ガラス、石英、セラミックス等からなる基材等が挙げられ、可撓性を有するフレキシブル基材を用いることもできる。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では特に限定されず、例えば110〜400℃で行うことができる。
焼成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、大気、窒素等の不活性ガス、真空中等の適切な雰囲気下で蒸発させればよい。
焼成温度および焼成時間は、目的とする電子デバイスのプロセス工程に適合した条件を選択すればよく、得られる膜の物性値が電子デバイスの要求特性に適合するような焼成条件を選択すればよい。
光照射する場合の条件も特に限定されるものではなく、用いるトリアジン環含有重合体および架橋剤に応じて、適宜な照射エネルギーおよび時間を採用すればよい。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では特に限定されず、例えば110〜400℃で行うことができる。
焼成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブンを用いて、大気、窒素等の不活性ガス、真空中等の適切な雰囲気下で蒸発させればよい。
焼成温度および焼成時間は、目的とする電子デバイスのプロセス工程に適合した条件を選択すればよく、得られる膜の物性値が電子デバイスの要求特性に適合するような焼成条件を選択すればよい。
光照射する場合の条件も特に限定されるものではなく、用いるトリアジン環含有重合体および架橋剤に応じて、適宜な照射エネルギーおよび時間を採用すればよい。
以上のようにして得られた本発明の薄膜や硬化膜は、高耐熱性、高屈折率、および低体積収縮を達成できるため、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、タッチパネル、光半導体(LED)素子、固体撮像素子、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜トランジスタ(TFT)、レンズ、プリズムカメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置などを作製する際の一部材など、電子デバイスや光学材料分野に好適に利用できる。
特に、本発明の組成物から作製された薄膜や硬化膜は、透明性が高く、屈折率も高いため、ITOや銀ナノワイヤ等の透明導電膜の保護膜や光学調整層として用いた場合に、その視認性を改善し、透明導電膜の劣化を抑制することができるとともに、透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することができる。
透明導電膜としては、ITOフィルム、IZOフィルム、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤ、金属ナノメッシュ等の導電性ナノ構造を有する透明導電膜が好ましく、導電性ナノ構造を有する透明導電膜がより好ましい。導電性ナノ構造を構成する金属は特に限定されないが、銀、金、銅、ニッケル、白金、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、これらの合金等が挙げられる。すなわち、銀ナノ粒子、銀ナノワイヤ、銀ナノメッシュ、金ナノ粒子、金ナノワイヤ、金ナノメッシュ、銅ナノ粒子、銅ナノワイヤ、銅ナノメッシュ等を有する透明導電膜が好ましく、特に銀ナノワイヤを有する透明導電膜が好ましい。
特に、本発明の組成物から作製された薄膜や硬化膜は、透明性が高く、屈折率も高いため、ITOや銀ナノワイヤ等の透明導電膜の保護膜や光学調整層として用いた場合に、その視認性を改善し、透明導電膜の劣化を抑制することができるとともに、透明導電膜等の無機物層のクラック発生を抑制することができる。
透明導電膜としては、ITOフィルム、IZOフィルム、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤ、金属ナノメッシュ等の導電性ナノ構造を有する透明導電膜が好ましく、導電性ナノ構造を有する透明導電膜がより好ましい。導電性ナノ構造を構成する金属は特に限定されないが、銀、金、銅、ニッケル、白金、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、これらの合金等が挙げられる。すなわち、銀ナノ粒子、銀ナノワイヤ、銀ナノメッシュ、金ナノ粒子、金ナノワイヤ、金ナノメッシュ、銅ナノ粒子、銅ナノワイヤ、銅ナノメッシュ等を有する透明導電膜が好ましく、特に銀ナノワイヤを有する透明導電膜が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
[1H−NMR]
装置:Varian NMR System 400NB(400MHz)
JEOL−ECA700(700MHz)
測定溶媒:DMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[GPC]
装置:東ソー(株)製 HLC−8200 GPC
カラム:Shodex KF−804L+KF−805L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
[エリプソメーター]
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASE
[硬度計]
装置:島津製作所(株)製 ダイナミック微小硬度計DUH−211
圧子:三角すい圧子 稜間角115°
先端曲率半径0.1μm以下
質量 2.1±0.1g
[1H−NMR]
装置:Varian NMR System 400NB(400MHz)
JEOL−ECA700(700MHz)
測定溶媒:DMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm)
[GPC]
装置:東ソー(株)製 HLC−8200 GPC
カラム:Shodex KF−804L+KF−805L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
[エリプソメーター]
装置:ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製 多入射角分光エリプソメーターVASE
[硬度計]
装置:島津製作所(株)製 ダイナミック微小硬度計DUH−211
圧子:三角すい圧子 稜間角115°
先端曲率半径0.1μm以下
質量 2.1±0.1g
200mL四口フラスコに、m−フェニレンジアミン[3](6.00g、0.055mol、AminoChem社製)、およびジメチルアセトアミド78.88g(DMAc、純正化学(株)製)を加え、窒素置換した後、m−フェニレンジアミン[3]をDMAcに溶解させた。その後、エタノール−ドライアイス浴により−10℃まで冷却し、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン[1](9.22g、0.05mol、エポニックデグザ社製)をバス温が0℃以上にならないよう確認しながら投入した。1時間撹拌後、反応溶液を、予めDMAc64.16gを加え、窒素置換後、オイルバスで85℃に設定した500mL四口フラスコに滴下した。1時間撹拌後、4−トリフルオロメチルアニリン[3](23.90g、0.15mol、Tianjin Jiahan Chemical社製)を滴下し、3時間撹拌した。その後、室温まで降温し、n−プロピルアミン(13.0g、東京化成工業(株)製)を滴下し、1時間撹拌後、撹拌を停止した。反応溶液をイオン交換水(910g)に滴下して再沈殿させた。沈殿物をろ過し、THF(73.75g)に再溶解させ、その溶液を、メタノール(300g)およびイオン交換水(200g)の混合溶液中に滴下し、再度、再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で120℃、6時間乾燥し、目的とする高分子化合物[4](以下、TDF111という)16.7gを得た。TDF111の1H−NMRスペクトルの測定結果を図1に示す。
TDF111のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,300、多分散度Mw/Mnは4.4であった。
TDF111のGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,300、多分散度Mw/Mnは4.4であった。
窒素下、500mL四口フラスコにジメチルアセトアミド(DMAc)83.37gを加え、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン[1](18.47g、0.1mol、エボニック・デグサ製)を0℃以下で溶解させた。温度を0℃以下に制御した状態で4−トリフルオロメチルアニリン[3](16.16g、0.1mol、Tianjin Jiahan Chemical Co.,Ltd製)を滴下し、1時間反応させた。その後、NMP120.57gに溶解させたm−フェニレンジアミン[2](11.90g、0.11moL、AminoChem製)を、フラスコ内温を30℃以下で制御した状態で滴下した。滴下後、90℃に加温して1時間反応させ、その後、n−プロピルアミン(18.32g、東京化成工業(株)製)を30℃以下に制御した反応系へ滴下し、1時間撹拌した。
得られた反応液をイオン交換水1251gに滴下し、再沈殿を行った。得られた沈殿物をろ過し、ろ物をテトラヒドロフラン233.32gに再溶解させ、イオン交換水1892gに再沈殿した。その後、ろ過により得られた生成物を120℃で10時間乾燥し、目的の高分子化合物[5]29.97gを得た(以下、L−TDF)。
L−TDFの1H−NMRスペクトルの測定結果を図2に示す。得られたL−TDFは式(2)で表される構造単位を有する化合物である。L−TDFのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,700、多分散度Mw/Mnは1.95であった。
得られた反応液をイオン交換水1251gに滴下し、再沈殿を行った。得られた沈殿物をろ過し、ろ物をテトラヒドロフラン233.32gに再溶解させ、イオン交換水1892gに再沈殿した。その後、ろ過により得られた生成物を120℃で10時間乾燥し、目的の高分子化合物[5]29.97gを得た(以下、L−TDF)。
L−TDFの1H−NMRスペクトルの測定結果を図2に示す。得られたL−TDFは式(2)で表される構造単位を有する化合物である。L−TDFのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,700、多分散度Mw/Mnは1.95であった。
[2]膜形成組成物の調製および硬化膜の作製
[実施例1−1]
合成例1で得られたTDF111 4.0gにPGMEA16.0gを加え、20質量%PGMEA溶液(TDF111V2)を調製した。
得られたTDF111V2 3.49g、架橋剤として60質量%PGMEA溶液のポリエチレングリコールジアクリレート(A−200、24mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.23gおよび10質量%PGMEA溶液のEHPE3150(ダイセル(株)製)0.21g、光ラジカル重合開始剤として5質量%PGMEA溶液のIrgacure 2959(BASF社製)0.70g、界面活性剤として1質量%PGMEA溶液のメガファックF−559(DIC(株)製)0.70g、並びにPGMEA0.67gを加えて目視で溶解したことを確認し、固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF11VF1という)。
このTDF11VF1を無アルカリガラス基板上にスピンコーターにて200rpmで5秒間、700rpmで30秒間スピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で3分間焼成した。その後、高圧水銀ランプにより、積算露光量800mJ/cm2で硬化させて硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.763であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、716N/mm2であった。
[実施例1−1]
合成例1で得られたTDF111 4.0gにPGMEA16.0gを加え、20質量%PGMEA溶液(TDF111V2)を調製した。
得られたTDF111V2 3.49g、架橋剤として60質量%PGMEA溶液のポリエチレングリコールジアクリレート(A−200、24mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.23gおよび10質量%PGMEA溶液のEHPE3150(ダイセル(株)製)0.21g、光ラジカル重合開始剤として5質量%PGMEA溶液のIrgacure 2959(BASF社製)0.70g、界面活性剤として1質量%PGMEA溶液のメガファックF−559(DIC(株)製)0.70g、並びにPGMEA0.67gを加えて目視で溶解したことを確認し、固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF11VF1という)。
このTDF11VF1を無アルカリガラス基板上にスピンコーターにて200rpmで5秒間、700rpmで30秒間スピンコートし、ホットプレートを用いて120℃で3分間焼成した。その後、高圧水銀ランプにより、積算露光量800mJ/cm2で硬化させて硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.763であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、716N/mm2であった。
[実施例1−2]
ポリエチレングリコールジアクリレートA−200をポリエチレングリコールジアクリレートA−400(58mPa・s、新中村化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF111VF2という)。
このTDF111VF2を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.745であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、655N/mm2であった。
ポリエチレングリコールジアクリレートA−200をポリエチレングリコールジアクリレートA−400(58mPa・s、新中村化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF111VF2という)。
このTDF111VF2を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.745であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、655N/mm2であった。
[実施例1−3]
ポリエチレングリコールジアクリレートA−200をポリエチレングリコールジアクリレートA−600(97mPa・s、新中村化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF111VF3という)。
このTDF111VF3を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.742であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、592N/mm2であった。
ポリエチレングリコールジアクリレートA−200をポリエチレングリコールジアクリレートA−600(97mPa・s、新中村化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(TDF111VF3という)。
このTDF111VF3を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.742であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、592N/mm2であった。
[実施例1−4]
実施例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.776であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、713N/mm2であった。
実施例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.776であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、713N/mm2であった。
[実施例1−5]
実施例1−2で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.765であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、652N/mm2であった。
実施例1−2で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.765であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、652N/mm2であった。
[実施例1−6]
実施例1−3で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.752であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、578N/mm2であった。
実施例1−3で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.752であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、578N/mm2であった。
[実施例1−7]
TDF111を、合成例2で得られたL−TDFに変更した以外は、実施例1−3と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(LTDF111VF1という)。
このLTDF111VF1を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.659であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、607N/mm2であった。
TDF111を、合成例2で得られたL−TDFに変更した以外は、実施例1−3と同様にして固形分15質量%のワニス6.0gを調製した(LTDF111VF1という)。
このLTDF111VF1を用いた以外は、実施例1−1と同様にして硬化膜を作製し、その屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.659であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、607N/mm2であった。
[実施例1−8]
実施例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.665であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、489N/mm2であった。
実施例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.665であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、489N/mm2であった。
[比較例1−1]
TDF111V2(3.96g)に、架橋剤として20質量%PGMEA溶液のエトキシ化グリセリントリアクリレート(A−GLY−20E、200mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.14gおよび10質量%PGMEA溶液のエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(ATM−35E、350mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.08g、光ラジカル重合開始剤として5質量%PGMEA溶液のイルガキュア2959(BASF社製)0.45g、界面活性剤として1質量%PGMEA溶液のメガファックR−559(DIC(株)製)0.833g、並びにPGMEA0.33gを加えて目視で溶解したことを確認し、固形分15質量%のワニスを調製した。
このワニスを無アルカリガラス基板上にスピンコーターにて200rpmで5秒間、1000rpmで30秒間スピンコートし、オーブンを用いて120℃で3分間焼成した。その後、高圧水銀ランプにより、積算露光量200mJ/cm2で硬化させて硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.709であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、659N/mm2であった。
TDF111V2(3.96g)に、架橋剤として20質量%PGMEA溶液のエトキシ化グリセリントリアクリレート(A−GLY−20E、200mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.14gおよび10質量%PGMEA溶液のエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(ATM−35E、350mPa・s、新中村化学工業(株)製)0.08g、光ラジカル重合開始剤として5質量%PGMEA溶液のイルガキュア2959(BASF社製)0.45g、界面活性剤として1質量%PGMEA溶液のメガファックR−559(DIC(株)製)0.833g、並びにPGMEA0.33gを加えて目視で溶解したことを確認し、固形分15質量%のワニスを調製した。
このワニスを無アルカリガラス基板上にスピンコーターにて200rpmで5秒間、1000rpmで30秒間スピンコートし、オーブンを用いて120℃で3分間焼成した。その後、高圧水銀ランプにより、積算露光量200mJ/cm2で硬化させて硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.709であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、659N/mm2であった。
[比較例1−2]
比較例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.697であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、567N/mm2であった。
比較例1−1で得られた硬化膜を、ホットプレートを用いて230℃で、10分焼成した。焼成後の硬化膜の屈折率を測定したところ、550nmにおける屈折率は1.697であった。
また、得られた硬化膜のマルテンス硬度を測定したところ、567N/mm2であった。
上記各実施例および比較例のまとめを表1に示す。
表1に示されるように、架橋剤を選択することで、硬化膜のマルテンス硬度を調整できることがわかる。ポリエチレンオキサイド(PEG)鎖を有する2官能アクリレート架橋剤を用いることで低硬度化が可能であり、特にPEG鎖が長い架橋剤ほど、大きな屈折率低下を招くことなく、低硬度化可能であることがわかる。
本発明の膜形成用組成物から得られる硬化膜を用いることで、ITO電極のような積層膜において無機物層を含む積層状態でも、曲げ時のクラック耐性を有することが期待できる。
本発明の膜形成用組成物から得られる硬化膜を用いることで、ITO電極のような積層膜において無機物層を含む積層状態でも、曲げ時のクラック耐性を有することが期待できる。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される繰り返し単位構造を含み、少なくとも1つのトリアジン環末端を有し、このトリアジン環末端の少なくとも一部が、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基で封止されているトリアジン環含有重合体、または式(2)で表される繰り返し単位構造を含むトリアジン環含有重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含み、
前記架橋剤が、エチレンオキサイド鎖をスペーサーとして有する多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
Ar′は、フッ素原子を含んでいてもよいアリールアミノ基を表し、
Arは、式(2)〜(13)で示される群から選ばれる少なくとも1種を表す。
R93およびR94は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、
W1およびW2は、互いに独立して、単結合、CR95R96(R95およびR96は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、これらは一緒になって環を形成していてもよい。)を表す。)、C=O、O、S、SO、SO2、またはNR97(R97は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)を表し、
X1およびX2は、互いに独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、または式(14)
Y1およびY2は、互いに独立して、単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)で示される基を表す。〕 - 前記式(1)で表されるトリアジン環含有重合体のトリアジン環末端の少なくとも1つが、フッ素原子含有アリールアミノ基で封止されている請求項1記載の膜形成用組成物。
- 前記Ar′が、フッ素原子含有アリールアミノ基である請求項1記載の膜形成用組成物。
- 前記R102が、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である請求項4または5記載の膜形成用組成物。
- 前記架橋剤が、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む請求項1〜7のいずれか1項記載の膜形成用組成物。
- 前記有機溶媒が、グリコールエステル系溶媒、ケトン系溶媒、およびエステル系溶媒から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか1項記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の膜形成用組成物から得られる薄膜。
- 基材と、この基材上に形成された請求項11記載の薄膜とを備える電子デバイス。
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JP2017214730A JP2019085492A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | トリアジン環含有重合体を含む膜形成用組成物 |
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JP2020164868A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日産化学株式会社 | トリアジン環含有重合体およびそれを含む膜形成用組成物 |
EP4050057A4 (en) * | 2019-10-25 | 2023-11-15 | Nissan Chemical Corporation | TRIAZINE RING CONTAINING POLYMER AND FILM-FORMING COMPOSITION THEREFOR |
JP7484332B2 (ja) | 2019-03-29 | 2024-05-16 | 日産化学株式会社 | トリアジン環含有重合体およびそれを含む膜形成用組成物 |
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- 2017-11-07 JP JP2017214730A patent/JP2019085492A/ja active Pending
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