JP2019085090A - 駆動機構及びシートベルト用リトラクタ - Google Patents

駆動機構及びシートベルト用リトラクタ Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数の削減により、小型・軽量化、低コスト化を図りながら、作動軸に伝達する出力の大きさを変更できる駆動機構、及び、該駆動機構を適用して、プリテンショナとプリ‐プリテンショナの構成の簡略化を図ったシートベルト用リトラクタを提供する。【解決手段】動力伝達機構20は、モータ15の回転によりファイナルギヤ31、32の回転方向が逆で、且つギヤレシオが異なる2つのギヤ機構21、22と、各ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との間に、ファイナルギヤ31、32がA方向に回転したときONになり、ファイナルギヤ31、32が逆のB方向に回転したときOFFになるクラッチ41、42と、を備える。そして、1つのモータ15の回転方向の切り換えにより、大トルクでスピンドル12を巻き取り方向に回転させるプリテンション機能と、小トルクでスピンドル12を巻き取り方向に回転させるプリ−プリテンション機能の両方を実現する。【選択図】図3

Description

本発明は、電動アクチュエータの回転方向の切り換えにより被駆動部材である作動軸への出力(回転トルク)の大きさを変更できる駆動機構、及び、該駆動機構を適用したシートベルト用リトラクタに関する。
従来、シートベルト装置に設けられたシートベルト用リトラクタは、スピンドルの回転によりシートベルトの巻き取り・引き出しを行うと共に、車両衝突などの緊急時にロック機構により、スピンドルの回転をロックして、シートベルトの引き出しを阻止する。
また、このようなシートベルト用リトラクタとして、車両の急減速状態をセンサで検出した際に、電動アクチュエータによってスピンドルを巻き取り方向に回転させ、シートベルトを一定量巻き取って乗員を軽拘束すると共に、衝突検出時に、火薬式のプリテンショナを作動させて、シートベルトを強く巻き取って乗員を確実に拘束するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、前者の急減速状態検出時にシートベルトを軽く巻き取る機能を「プリ−プリテンション(PP)機能」といい、後者の衝突検出時にシートベルトを強く巻き取る機能を「プリテンション(PT)機能」という。
即ち、特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、プリテンション(PT)機能を果たす手段であるプリテンショナは、緊急時に高圧ガスを発生するガスジェネレータを駆動源として構成されている。また、プリ−プリテンション(PP)機能を果たす手段であるプリ−プリテンショナは、電動アクチュエータを駆動源として構成されている。
特開2011−162157号公報
上述のように、従来のシートベルト用リトラクタでは、プリテンショナとプリ−プリテンショナは、別々の駆動源を用いて構成されていた。そのため、部品点数が多くなり、小型・軽量化が難しい上、高コストになりやすいという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数の削減により、小型・軽量化、低コスト化を図りながら、作動軸に伝達する出力の大きさを変更できる駆動機構、及び、該駆動機構を適用して、プリテンショナとプリ−プリテンショナの構成の簡略化を図ったシートベルト用リトラクタを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(2) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(1)に記載の駆動機構。
(3) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(1)または(2)に記載の駆動機構。
(4) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(5) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(4)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(6) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(4)または(5)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(7) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記作動軸と一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記作動軸と一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(8) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(7)に記載の駆動機構。
(9) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(7)に記載の駆動機構。
(10) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(7)乃至(9)のいずれかに記載の駆動機構。
(11) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(7)乃至(10)のいずれかに記載の駆動機構。
(12) 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記作動軸との間、又は前記第2クラッチと前記作動軸との間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする(7)乃至(11)のいずれかに記載の駆動機構。
(13) 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする(12)に記載の駆動機構。
(14) 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算により求められることを特徴とする(13)に記載の駆動機構。
(15) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記スピンドルと一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記スピンドルと一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(16) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(15)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(17) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(15)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(18) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(15)乃至(17)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(19) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(15)乃至(18)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(20) 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記スピンドルとの間、又は前記第2クラッチと前記スピンドルとの間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする(15)乃至(19)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(21) 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする(20)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(22) 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算による求められることを特徴とする(21)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(23) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(24) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
本発明の駆動機構及びシートベルト用リトラクタによれば、電動アクチュエータの回転方向の切り換えにより、作動軸やスピンドルに対して伝達する出力の大きさを変更できる。例えば、ギヤレシオの設定の仕方により、電動アクチュエータを正方向に回転させたときには、作動軸やスピンドルに対して小トルクを伝達し、電動アクチュエータを逆方向に回転させたときには、作動軸やスピンドルに対して大トルクを伝達することができる。そのため、構成の簡略化による部品点数の削減を図ることができ、それにより小型・軽量化が可能であり、低コスト化を実現できる。従って、シートベルト用リトラクタに適用することで、1つの電動アクチュエータの回転方向の切り換えにより、プリ−プリテンション(PP)機能とプリテンション(PT)機能の両機能を果たすことができる。
本発明の第1実施形態に係るシートベルト用リトラクタの概略側面図である。 同リトラクタの動力伝達機構の原理構成を示す斜視図である。 モータが正回転したときの動力伝達機構の各要素の回転方向の説明図である。 モータが逆回転したときの動力伝達機構の各要素の回転方向の説明図である。 クラッチの説明図で、ファイナルギヤが回転していないときのクラッチOFFの状態を示す正面図である。 クラッチの説明図で、ファイナルギヤがA方向(巻き取り方向)に回転することで、クラッチONとなり、スピンドルに連結されたクラッチハウジングがA方向(巻き取り方向)に回転することを示す正面図である。 クラッチの説明図で、ファイナルギヤがB方向(解除方向)に回転することで、クラッチONからクラッチOFFに移行し始める初期の時点の状態を示す正面図である。 クラッチの説明図で、ファイナルギヤがB方向(解除方向)に更に回転することで、完全にクラッチOFFになった状態を示す正面図である。 モータの回転に従って、2つのクラッチのON/OFF状態が切り替わる様子を説明するための特性図である。 本発明の第2実施形態のシートベルト用リトラクタの概略側面図である。 本発明の第3実施形態のシートベルト用リトラクタの概略側面図である。 図11の動力伝達機構の一部を示す斜視図である。 第1及び第2クラッチが共にOFF状態にある動力伝達機構の一部を制御ギヤを除いて示す斜視図である。 (a)はモータ停止中で第1及び第2クラッチが共にOFF状態にあるとき、スピンドルの回転による動力伝達経路の説明図、(b)はモータが正回転及び逆回転したときの動力伝達経路の説明図である。 第1及び第2クラッチの作動説明図であり、(a)〜(c)は制御ギヤがA方向に回転したとき第1クラッチの接続がONになる状態を示す正面図、(d)〜(f)は制御ギヤがB方向に回転したとき第2クラッチの接続がONになる状態を示す正面図である。 第1及び第2回転角センサによる制御ギヤ及び初段ギヤの検出角度及び両者の相対回転角度と、時間との関係を示すグラフである。 本発明の第4実施形態のシートベルト用リトラクタの概略側面図である。 (a)は、第1及び第2クラッチが内蔵された制御ギヤの斜視図であり、(b)は、第1及び第2結合部材の斜視図である。 (a)はOFF状態の第1クラッチの正面図、(b)はOFF状態の第2クラッチの正面図、(c)は制御ギヤの反時計方向回転によりON状態となる第1クラッチの正面図、(d)は制御ギヤの反時計方向回転により完全にOFF状態となる第2クラッチの正面図、(e)は制御ギヤの時計方向回転により完全にOFF状態となる第1クラッチの正面図、(f)は制御ギヤの時計方向回転によりON状態となる第2クラッチの正面図である。
次に、本発明の各実施形態に係るシートベルト用リトラクタについて図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10は、シートベルト1を巻き取るスピンドル12と、スピンドル12をシートベルト1の巻き取り方向へ付勢する巻き取りバネ装置13と、不図示の加速度センサによって検出される加速度に応じてシートベルト1の引出動作をロックするロック機構14と、スピンドル12を回転させる動力を発生する電動アクチュエータとしてのモータ15と、モータ15とスピンドル12との間で動力を伝達可能な動力伝達機構20と、を有している。ここでは、モータ15及び動力伝達機構20が、プリテンショナとプリ−プリテンショナとを兼ねており、従来の火薬式のプリテンショナは設けられていない。
スピンドル12は、両端がリトラクタフレーム11Aによって回転可能に支持されている。スピンドル12内には、エネルギ吸収機構を構成するトーションバー(図示せず)が設けられている。リトラクタフレーム11Aの一端側には動力伝達機構20が配置されている。動力伝達機構20は、リトラクタフレーム11Aに結合されたギヤカバー11Bの内部に収容されている。ギヤカバー11Bの外側には巻き取りバネ装置13が取り付けられている。
ここで、図1及び図2において、リトラクタ10を左方から見て反時計方向に回転するスピンドル12の回転方向をA方向とし、時計方向に回転するスピンドル12の回転方向をB方向とすると、スピンドル12は、A方向及びB方向に回転自在とされている。即ち、本実施形態のスピンドル12は、A方向に回転することで、シートベルト1を巻き取り、B方向に回転することで、シートベルト1を引き出す。
また、図3及び図4に示すように、モータ15は正逆回転可能で、正方向の回転(正回転)を矢印符号N1で表し、逆方向の回転(逆回転)を矢印符号N2で表す。なお、正回転、及び逆回転とは、単に一方向の回転と、他方向の回転を便宜上定義するに過ぎない。
動力伝達機構20は、第1ギヤ機構21と、第2ギヤ機構22と、第1クラッチ41と、第2クラッチ42と、を有する。第1ギヤ機構21は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ30から第1ファイナルギヤ31までのギヤ列で構成されている。第2ギヤ機構22は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ30から第2ファイナルギヤ32までのギヤ列で構成されている。
第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32は、モータ15が回転した際に互いに逆回転するように、第1ギヤ機構21のギヤ列と第2ギヤ機構22のギヤ列とが構成されている(この構成を「条件1」と呼ぶ)。また、第1ギヤ機構21のギヤレシオ(減速比)は、第2ギヤ機構22のギヤレシオよりも約10倍大きく設定されている(この構成を「条件2」と呼ぶ)。
なお、ギヤレシオ=(出力ギヤ歯数)/(入力ギヤ歯数)である。例えば、第1ギヤ機構21のギヤレシオが第2ギヤ機構22のギヤレシオの10倍大きいとした場合、同じモータ回転数に対して、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31は、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32の1/10の回転数で10倍のトルクを出力することになる。
図2〜図4に示す例においては、第1ギヤ機構21は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ30と、入力ギヤ30に噛合する第1ファイナルギヤ31との組み合わせで構成されている。また、第2ギヤ機構22は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ30と、入力ギヤ30に噛合するアイドルギヤ33と、アイドルギヤ33に噛合する第2ファイナルギヤ32との組み合わせで構成されている。第2ギヤ機構22のギヤ列にアイドルギヤ33を設けることで、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32とが互いに反対方向に回転する。
なお、第1ギヤ機構21のギヤ列や第2ギヤ機構22のギヤ列の構成は、上記の条件1と条件2を満たすものであればいずれでもよく、レイアウトの関係やギヤレシオの関係などに応じて、より複雑なギヤの組み合わせが採用されてもよい。
このような条件1を満たす構成を採用することで、図3及び図4に示すように、第1ギヤ機構21では、モータ15が正方向に回転(正回転N1)するとき、モータ15からの動力の伝達により第1ファイナルギヤ31がA方向に回転し、モータ15が逆方向に回転(逆回転N2)するとき、モータ15からの動力の伝達により第1ファイナルギヤ31がB方向に回転する。また、第2ギヤ機構22では、モータ15が正方向に回転(正回転N1)するとき、モータ15からの動力の伝達により第2ファイナルギヤ32がB方向に回転し、モータ15が逆方向に回転(逆回転N2)するとき、モータ15からの動力の伝達により第2ファイナルギヤ32がA方向に回転する。
また、条件2を満たすこと、つまり、第1ギヤ機構21のギヤレシオが第2ギヤ機構22のギヤレシオより大きく設定されていることにより、図3に示すように、第1ギヤ機構21で伝達される駆動力によってスピンドル12がA方向に回転するとき、大きなトルクでスピンドル12が回転する。それにより、シートベルト1を大きな張力T1を掛けながら巻き取ることができる。また、図4に示すように、第2ギヤ機構22で伝達される駆動力によってスピンドル12が回転するとき、小さなトルクでスピンドル12が回転する。それにより、シートベルト1を小さな張力T2を掛けながら巻き取ることができる。
即ち、第1ギヤ機構21のギヤレシオ>第2ギヤ機構22のギヤレシオに設定することで、第1ギヤ機構21による出力トルクT1>第2ギヤ機構22による出力トルクT2の関係が成立する。
そこで、このリトラクタ10では、第1ギヤ機構21による出力トルクT1はプリテンショナ(PT)として利用し、第2ギヤ機構22による出力トルクT2は、プリ−プリテンショナ(PP)として利用する。
次にクラッチ41、42について説明する。
第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32は、それぞれ、第1クラッチ41と第2クラッチ42を介してスピンドル12に連結されている。いずれのクラッチ41、42も、ファイナルギヤ31、32がA方向に回転したとき、ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との接続をON(クラッチON)し、ファイナルギヤ31、32がB方向に回転したとき、ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との接続をOFF(クラッチOFF)するように構成されている。
具体的には、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31とスピンドル12との間に介在された第1クラッチ41は、第1ファイナルギヤ31がスピンドル12に対してA方向に相対回転するとき、第1ファイナルギヤ31とスピンドル12との接続をONし(図3の状態)、第1ファイナルギヤ31がスピンドル12に対してB方向に相対回転するとき、第1ファイナルギヤ31とスピンドル12との接続をOFFする(図4の状態)。また、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32とスピンドル12との間に介在された第2クラッチ42は、第2ファイナルギヤ32がスピンドル12に対してA方向に相対回転するとき、第2ファイナルギヤ32とスピンドル12との接続をONし(図4の状態)、第2ファイナルギヤ32がスピンドル12に対してB方向に相対回転するとき、第2ファイナルギヤ32とスピンドル12との接続をOFFする(図3の状態)。なお、クラッチ41、42の接続動作は、スピンドル12が止まっているときだけでなく、巻き取りバネ装置13の付勢力などにより回転しているときにも行われる。
第1クラッチ41と第2クラッチ42は、同特性を有するクラッチであり、モータ15がOFFのとき、つまり、ファイナルギヤ31、32が回転していないとき、共に、各ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との接続をOFFにした状態に保持可能なものである。
クラッチ41、42としては、任意の種類のものを採用することができるが、図5〜図8に一例を挙げる。図5〜図8を参照して、このクラッチ41、42の構成と動作を説明する。このクラッチ41、42は、原理的には、特許文献1に示したものと同様に、2つのパウル50とフリクションリング60とによって、クラッチONとクラッチOFFとを切り換える。
各クラッチ41、42は、図5〜図8に示すように、ファイナルギヤ31、32に一体的に設けられた内側円筒壁35と、内側円筒壁35に形成されたパウル摺動溝36にそれぞれ摺動可能に収容された2つのパウル50と、内側円筒壁35の内周側に配置されたフリクションリング60と、内側円筒壁35の外周側に配置されたクラッチハウジング43の外側円筒壁と、フリクションリング60の内周側に位置するようにリトラクタフレーム11Aやギヤカバー11Bなどの固定側部材に設けられた固定リング5と、を含んで構成されている。ファイナルギヤ31、32は、モータ15によってA方向(巻き取り方向)またはB方向(引き出し方向=解除方向)に回転駆動される。
クラッチハウジング43は、スピンドル12と一体回転するように結合されており、外側円筒壁の内周面に、パウル50が係合する内歯43aを有する。クラッチハウジング43には、巻き取りバネ装置13のスプリングコア(図示せず)が連結されており、巻き取りバネ装置13は、スピンドル12及びクラッチハウジング43を常に巻き取り方向(A方向)に付勢している。
ファイナルギヤ31、32の内側円筒壁35の外周面は、クラッチハウジング43の内歯43aと相対回転自在に対向している。ファイナルギヤ31、32の内側円筒壁35には、一対のパウル50を保持する一対のパウル摺動溝36が形成されている。一対のパウル摺動溝36は、円周方向において180°対向する位置に配置されている。パウル50は、一端側がパウル摺動溝36に収容され、他端側の係合爪51がパウル摺動溝36の外側に延出している。そして、係合爪51がクラッチハウジング43の内歯43aに臨むように各パウル50が配置されている。パウル50は、係合爪51が内歯43aに係合する径方向外方位置と、係合爪51が内歯43aに係合しない径方向内方位置との間で変位可能とされている。
フリクションリング60は、環状部61と、環状部61の外周の対極位置(180°対向する位置)に突設された一対の突起部62と、環状部61の内周に延設された複数の接触片63と、を備えている。各接触片63は、固定リング5の外周面に押圧接触している。従って、接触片63は、回転方向の力を受けると、固定リング5との間で、回転方向と逆方向の摩擦力を発生する。フリクションリング60の外周側に設けられた一対の突起部62は、各パウル50の係合溝52内に挿入されている。
次に、クラッチ41、42の動作について図5〜図8を参照して説明する。
まず、図5に示すように、ファイナルギヤ31、32が回転していないとき、パウル50は、パウル摺動溝36の最奥部に位置している。この場合、パウル50の係合爪51は、クラッチハウジング43の内歯43aより内方に位置し、クラッチハウジング43とパウル50は非係合であり、クラッチOFFの状態にある。このため、モータ15やギヤ機構21、22の影響を受けることなく、スピンドル12と一体のクラッチハウジング43のみが回転可能となり、シートベルト1の通常の巻き取り及び引き出しが可能となる。
次に、図6に示すように、ファイナルギヤ31、32がA方向(巻き取り方向)に回転すると、パウル50を保持する内側円筒壁35がA方向に回転し、フリクションリング60の一対の突起部62に対して各パウル50がA方向に変位する。突起部62に、パウル50の係合溝52のB方向(A方向の反対方向)の内壁が当たると、パウル50がフリクションリング60をA方向に押すが、フリクションリング60の接触片63が固定リング5の外周に押圧接触しているので、接触片63と固定リング5との間の摩擦付勢力により、フリクションリング60がその場に留まろうとする。従って、ファイナルギヤ31、32のA方向への回転に伴って、パウル50がパウル摺動溝36内をB方向に相対的に摺動し、パウル摺動溝36に案内されて、パウル50の係合爪51が径方向外方に変位する。
ファイナルギヤ31、32がA方向に所定の角度(ここでは、35.7°±2.2°)まで回転すると、パウル50の係合爪51がクラッチハウジング43の内歯43aと係合し、完全にクラッチONの状態となる。従って、この状態が成立することで、クラッチハウジング43(スピンドル12)がファイナルギヤ31、32の回転を受けて、A方向(巻き取り方向)に回転する。その際、フリクションリング60は、固定リング5の外周との間で摩擦付勢力を受けながら摺動回転することで、クラッチONの状態を維持する。
次に、クラッチONの状態から、図7に示すように、ファイナルギヤ31、32がB方向(引き出し方向)に回転すると、パウル50を保持する内側円筒壁35がB方向に回転し、フリクションリング60の一対の突起部62に対して各パウル50がB方向に変位する。そして、ファイナルギヤ31、32がB方向にさらに回転することで、フリクションリング60の突起部62にパウル50の係合溝52のA方向の内壁が当たると、パウル50がフリクションリング60をB方向に押すことになるが、フリクションリング60の接触片63が固定リング5の外周に押圧接触しているので、接触片63と固定リング5との間の摩擦付勢力により、フリクションリング60がその場に留まろうとする。従って、ファイナルギヤ31、32のB方向への回転に伴って、パウル50がパウル摺動溝36内をA方向に相対的に摺動し、パウル摺動溝36に案内されて、パウル50の係合爪51が径方向内方に変位し始める。この段階のファイナルギヤ31、32のB方向への回転角度は、例えば10°±2.2°である。
そして、図8に示すように、ファイナルギヤ31、32がB方向に所定の角度(ここでは、25°±2.2°)まで回転すると、パウル50の係合爪51がクラッチハウジング43の内歯43aから離れて、完全にクラッチOFFの状態となる。従って、この状態が成立することで、クラッチハウジング43(スピンドル12)がファイナルギヤ31、32から切り離されて自由に回転できるようになる。この場合も、フリクションリング60は、固定リング5の外周との間で摩擦付勢力を受けながら摺動回転することで、クラッチOFFの状態を維持する。
2つのクラッチ41、42は、一方のファイナルギヤ31(または32)がA方向に回転しているとき、他方のファイナルギヤ32(または31)がB方向に回転しているので、必ず、一方がONになり、他方がOFFになる。つまり、モータ15(ファイナルギヤ31、32)が回転している限りは、この状態が維持される。また、モータ15が停止しているときには、シートベルト1の引き出し動作ができる状態にしておく必要があるので、両方のクラッチ41、42が共にOFFになる区間が確保されていることが条件である。
次に、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10の全体の作動について説明する。
このシートベルト用リトラクタ10では、図3に示すように、モータ15を正回転(回転N1)させたとき、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31がA方向に回転し、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32がB方向に回転する。この場合、第1クラッチ41がONとなり、第2クラッチ42がOFFとなる。従って、第1クラッチ41がONとなることで、第1ファイナルギヤ31がスピンドル12と接続され、スピンドル12が第1ギヤ機構21の動力を受けて低速且つ高トルクでA方向に回転し、シートベルト1を高い張力T1で巻き取る。
次に、図4に示すように、モータ15を逆回転(回転N2)させたとき、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31がB方向に回転し、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32がA方向に回転する。この場合、第1クラッチ41がOFFとなり、第2クラッチ42がONとなる。従って、第2クラッチ42がONとなることで、第2ファイナルギヤ32がスピンドル12と接続され、スピンドル12が第2ギヤ機構22の動力を受けて高速且つ低トルクでA方向に回転し、シートベルト1を低い張力T2で巻き取る。
実際の運用では、図示しない監視センサ等によって衝突の可能性が検出されると、図示しないECUによって衝突前に、図4に示すように、モータ15を逆回転(矢印N2)させ、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32を介してスピンドル12を巻き取り方向(A方向)に低トルクで回転させて、シートベルト1を軽い張力T2で巻き取る。この機能がプリ−プリテンション(PP)である。また、衝突の可能性がなくなると、僅かにモータ15を反対に正回転(第1クラッチ41がONする手前まで)させて、シートベルト1を引き出し可能な状態に戻す。
一方、衝突時には、図3に示すように、モータ15を正回転(矢印N1)させ、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31を介してスピンドル12を巻き取り方向(A方向)に高トルクで回転させて、シートベルト1を強い張力T1で巻き取る。これにより、乗員拘束力を確保することができる。この機能がプリテンション(PT)である。
このPT(プリテンショナ)作動時、第1クラッチ41がONの状態でシートベルト1に設定値以上の引き出し方向への入力があると、クラッチハウジング43に設けた図示しない破断部が破断して、モータ15や動力伝達機構20をスピンドル12から切り離す。これにより、モータ15や動力伝達機構20が、ロードリミッター又はエネルギ吸収機構の特性に影響を与えないようにすることができる。
図9は、モータの回転に従って、2つのクラッチのON/OFF状態が切り替わる様子を説明するための特性図である。
例えば、第1ギヤ機構21のギヤレシオが第2ギヤ機構22のギヤレシオの10倍であるとし、第2クラッチ42がON/OFFするためにモータが1回転する必要があるとした場合、第1クラッチ41がON/OFFするためには、モータが10回転する必要がある。
図9に示すように、衝突可能性を検出した場合、最初はモータを逆回転(N2)させてプリ−プリテンションを行う。その場合、モータを逆回転させると、モータが1回転する間に、第2クラッチ42がOFFからONに切り替わる。そして、シートベルト1の軽い張力での巻き取りが行われる(プリ−プリテンションPP)。
次に、引き続き衝突を検出した場合は、モータが逆回転(N2)から正回転(N1)に切り換わる。そうすると、モータが1回転する間に、第2クラッチ42がONからOFFに切り替わり、同時に、第1クラッチ41がOFFからONに切り替わり始める。このとき、第1クラッチ41がONになるまでには、モータが5回転程度する時間が必要になるので、両方のクラッチ41、42が共にOFFになる区間が存在する。このように両クラッチが共にOFFになる区間は、スピンドル12が両方のギヤ機構21、22から自由になる区間を意味する。従って、その区間を利用することで、シートベルト1を乗員が簡単に引き出すことができると共に、巻き取りバネ装置13によってシートベルト1を巻き取ることができる。
以上説明したように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10によれば、モータ15の回転方向を切り換えることにより、プリ−プリテンション機能とプリテンション機能の両方を実現することができる。そのため、従来の火薬式のプリテンショナを不要にすることができ、構成の簡略化を図ることができる。従って、部品点数の削減と、それによる小型・軽量化、並びに低コスト化の実現を図ることができる。
(第2実施形態)
図10に示すように、第2実施形態のシートベルト用リトラクタ110は、第1ギヤ機構121及び第2ギヤ機構122の構成において第1実施形態のシートベルト用リトラクタ10と異なる。
第2実施形態のシートベルト用リトラクタ110の動力伝達機構120は、第1ギヤ機構121が、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ130と、入力ギヤ130に噛合する第1中間ギヤ133と、第1中間ギヤ133と同軸回転する第2中間ギヤ134と、第2中間ギヤ134に噛合する第3中間ギヤ135と、第3中間ギヤ135に噛合する第1ファイナルギヤ131と、で構成されている。また、第2ギヤ機構122が、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ130と、入力ギヤ130に噛合する第1中間ギヤ133と、第1中間ギヤ133に噛合する第2ファイナルギヤ132と、で構成されている。この場合も、モータ15の回転時に第1ファイナルギヤ131と第2ファイナルギヤ132が逆方向に回転する条件1と、第1ギヤ機構121のギヤレシオが第2ギヤ機構122のギヤレシオより大きいという条件2を満たすように構成されている。
その他の構成は、第1実施形態のシートベルト用リトラクタ10と同様であるので、詳細な説明を省略する。
(第3実施形態)
図11に示すように、第3実施形態のシートベルト用リトラクタ210は、第1ギヤ機構221による出力トルクT1をプリテンショナ(PT)として利用し、第2ギヤ機構22による出力トルクT2を、プリ−プリテンショナ(PP)として利用する点は、第1実施形態のものと同じであるが、動力伝達機構の構成において第1実施形態のものと異なる。
即ち、シートベルト用リトラクタ210は、第1実施形態と同様に、第1ギヤ機構221のギヤレシオ(減速比)は、第2ギヤ機構222のギヤレシオよりも約10倍大きく設定されている(条件2)。一方、シートベルト用リトラクタ210は、制御ギヤ231を備え、電動アクチュエータの回転方向に応じて、制御ギヤ231を介して第1クラッチ241と第2クラッチ242のいずれか一方を係合、いずれか他方を係合解除し、電動アクチュエータの動力を第1ギヤ機構221又は第2ギヤ機構222のいずれかを介して選択的にスピンドル12に伝達している。
以下、第3実施形態のシートベルト用リトラクタ210について、動力伝達機構220の構成を中心に説明する。
なお、本実施形態では、スピンドル12が、B方向(図11において、リトラクタ10を左方から見て時計方向)に回転することで、シートベルト1を巻き取り、A方向(反時計方向)に回転することで、シートベルト1を引き出す。
シートベルト用リトラクタ210は、シートベルト1を巻き取るスピンドル12と、スピンドル12を回転させる動力を発生する電動アクチュエータとしてのモータ15と、モータ15とスピンドル12との間で動力を伝達可能な動力伝達機構220と、を有する。
動力伝達機構220は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ230と、該入力ギヤ230に噛合する制御ギヤ231と、モータ15の動力をスピンドル12へ伝達可能な第1ギヤ機構221及び第2ギヤ機構222と、第1ギヤ機構221及び第2ギヤ機構222の動力伝達を切り換える第1クラッチ241及び第2クラッチ242と、を有する。
第1ギヤ機構221は、第1初段ギヤ232と、第1初段ギヤ232に噛合し、スピンドル12と一体回転可能な第1ファイナルギヤ234のギヤ列で構成される。また、第2ギヤ機構222は、第2初段ギヤ235と、第2初段ギヤ235に噛合する中間ギヤ233と、中間ギヤ233に噛合し、スピンドル12と一体回転可能な第2ファイナルギヤ236のギヤ列で構成される。
制御ギヤ231は、モータ15と第1ギヤ機構221及び第2ギヤ機構222との間に配置され、モータ15の回転を第1ギヤ機構221と第2ギヤ機構222に伝達する。
また、制御ギヤ231の近傍には、制御ギヤ231の回転角度を検出可能な第1回転角センサ251が配設され、第1ギヤ機構221の第1初段ギヤ232の近傍には、第1初段ギヤ232の回転角度を検出可能な第2回転角センサ252が配設されている。
第1クラッチ241は、制御ギヤ231と第1ギヤ機構221の第1初段ギヤ232との間に配設され、第2クラッチ242は、制御ギヤ231と第2ギヤ機構222の第2初段ギヤ235との間に配設される。第1ギヤ機構221の第1初段ギヤ232、制御ギヤ231、及び第2ギヤ機構222の第2初段ギヤ235は、同一の支持軸211上に配設される。
図12及び図13に示すように、第1クラッチ241と第2クラッチ242とは、制御ギヤ231を挟んで両側に、制御ギヤ231と同軸に配置されている。第1クラッチ241は、第1ギヤ機構221と制御ギヤ231との間に介在され、外周に複数の外周歯243aが形成された第1ラッチギヤ243と、該第1ラッチギヤ243の外周歯243aと係合する係合爪244aを有する第1結合部材244と、第1結合部材244を係合方向に付勢するフリクションバネ248と、を備える。第1クラッチ241は、モータ15が正方向に回転するとき、第1ギヤ機構221と制御ギヤ231との接続をONし、モータ15が逆方向に回転するとき、第1ギヤ機構221と制御ギヤ231との接続をOFFする。
また、第2クラッチ242は、第2ギヤ機構222と制御ギヤ231との間に介在され、外周に複数の外周歯245aが形成された第2ラッチギヤ245と、該第2ラッチギヤ245の外周歯245aと係合する係合爪246aを有する第2結合部材246と、第1結合部材244を係合方向に付勢するフリクションバネ248と、を備える。第2クラッチ242は、モータ15が逆方向に回転するとき、第2ギヤ機構222と制御ギヤ231との接続をONし、モータ15が正方向に回転するとき、第2ギヤ機構222と制御ギヤ231との接続をOFFする。
第1クラッチ241の第1ラッチギヤ243と、第2クラッチ242の第2ラッチギヤ245は、その外周歯243a,245aが互いに周方向で逆方向に向いて形成されている。また、第1ラッチギヤ243には、第1初段ギヤ232が一体回転するように形成され、第2ラッチギヤ245には、第2初段ギヤ235が一体回転するように形成される。
第1結合部材244と第2結合部材246は、それぞれの係合爪244a,246aを周方向反対方向に向けて制御ギヤ231を挟むように配置され、その基端部244b,246b同士が、制御ギヤ231の側面を貫通する連結ピン247により一体に連結されている。従って、第1結合部材244と第2結合部材246は、連結ピン247を中心として互いに反対方向に揺動すると共に、制御ギヤ231の回転に伴って制御ギヤ231と共に同方向に回転する。
また、フリクションバネ248は、一端248aが係合爪244a,246aに当接し、他端248bが支持軸211に巻き掛けられている。フリクションバネ248は、支持軸211が回転したとき、支持軸211とフリクションバネ248の他端248bとの摩擦抵抗により、支持軸211の回転方向に従って、係合爪244aを第1ラッチギヤ243の外周歯243aと係合する方向に、または係合爪246aを第2ラッチギヤ245の外周歯245aと係合する方向に付勢する。
これにより、モータ15の正回転(矢印N1)によって制御ギヤ231がA方向に回転するときには、第1結合部材244と第1ラッチギヤ243が係合し(第1クラッチ241がON)、第2結合部材246と第2ラッチギヤ245と係合が解除される(第2クラッチ242がOFF)。また、モータ15の逆回転(矢印N2)によって制御ギヤ231がB方向に回転するときには、第1結合部材244と第1ラッチギヤ243との係合が解除され(第1クラッチ241がOFF)、第2結合部材246と第2ラッチギヤ245とが係合する(第2クラッチ242がON)。即ち、第1クラッチ241と第2クラッチ242とは、制御ギヤ231の回転によりON、OFFが切り換えられ、同時に接続がONになることはない。
次に、動力伝達機構220の作用について図14及び図15を参照して説明する。
図14(a)及び図15(a)に示すように、モータ15が停止しているとき、第1結合部材244及び第2結合部材246は、フリクションバネ248の作用により、第1結合部材244の係合爪244aと第1ラッチギヤ243の外周歯243aとの係合が解除(第1クラッチOFF)されると共に、第2結合部材246の係合爪246aと第2ラッチギヤ245の外周歯245aとの係合が解除(第2クラッチOFF)された位置にある。即ち、第1クラッチ241及び第2クラッチ242は共にOFF状態にある。従って、第1ギヤ機構221及び第2ギヤ機構222の各ギヤは自由に回転することができ、シートベルト1の引き出し、巻き取りによりスピンドル12は自由に回転可能である。図14(a)の矢印Lは、この時の動力の伝達経路を示している。
ここで、モータ15が正回転(矢印N1)すると、図14(b)及び図15(a)〜(c)に示すように、制御ギヤ231が第1結合部材244及び第2結合部材246と共にA方向に回転して、第1結合部材244の係合爪244aと第1ラッチギヤ243の外周歯243aとが係合して第1クラッチ241がONとなる。これにより、第1ラッチギヤ243と一体成型された第1初段ギヤ232がA方向に回転する。一方、第2クラッチ242は、第2結合部材246の係合爪246aが第2ラッチギヤ245の外周歯245aから離間して係合が完全に解除される(第2クラッチOFF)。
第1初段ギヤ232のA方向への回転は、第1ファイナルギヤ234に伝達されて第1ファイナルギヤ234がB方向に回転する。これにより、スピンドル12が第1ギヤ機構221の動力を受けて低速且つ高トルクでB方向に回転し、シートベルト1を高い張力T1で巻き取る(プリテンションPT)。その際、第2クラッチ242はOFF状態にあるので、第2ファイナルギヤ236、中間ギヤ233、及び第2初段ギヤ235は自由回転する。図14(b)の矢印Mは、この時の動力の伝達経路を示している。
また、モータ15を逆回転(矢印N2)すると、先とは逆の順序(図15(c)〜(a))で、第1クラッチ241及び第2クラッチ242が共にOFF状態(図15(a))に戻る。
更に、モータ15が逆回転(矢印N2)すると、図14(b)及び図15(d)〜(f)に示すように、制御ギヤ231が第1結合部材244及び第2結合部材246と共にB方向に回転して、第2結合部材246の係合爪246aが第2ラッチギヤ245の外周歯245aに係合して第2クラッチ242がONとなり、第2ラッチギヤ245と一体成型された第2初段ギヤ235がB方向に回転する(図15(f))。一方、第1クラッチ241は、第1結合部材244の係合爪244aが第1ラッチギヤ243の外周歯243aから離間して係合が完全に解除される(第1クラッチOFF)。
第2初段ギヤ235のB方向の回転は、中間ギヤ233を介して第2ファイナルギヤ236に伝達されて第2ファイナルギヤ236がB方向に回転する。これにより、スピンドル12が第2ギヤ機構222の動力を受けて高速かつ低トルクでB方向に回転し、シートベルト1を軽い張力T2で巻き取る(プリ−プリテンションPP)。その際、第1クラッチ241はOFF状態にあるので、第1ファイナルギヤ234、及び第1初段ギヤ232は自由に回転可能である。図14(b)の矢印Nは、この時の動力の伝達経路を示している。
続いて、モータ15を正回転(矢印N1)すると、先とは逆の順序(図15(f)〜(d))で第1クラッチ241及び第2クラッチ242が共にOFF状態(図15(d))に戻る。
また、シートベルト1の自由な引き出し、巻き取りを可能とするため、モータ15によるスピンドル12の駆動時以外では、第1クラッチ241、及び第2クラッチ242を共に非係合(OFF)の状態で保持する必要がある。第1クラッチ241、及び第2クラッチ242の係合解除は、係合状態にある第1クラッチ241又は第2クラッチ242の係合を解除する方向にモータ15を回転させることで行われる。しかし、モータ15が中立点(第1及び第2クラッチ241,242が共にOFF状態)を越えて回転し過ぎると、非係合状態にあった他方のクラッチがONになってしまうため、適度な回転位置でモータ15を停止する必要がある。
例えば、第1クラッチ241の係合を解除する場合、第1回転角センサ251で制御ギヤ231の回転角度を検出し、第2回転角センサ252で第1初段ギヤ232の回転角度を検出する。そして、図16に示すように、第1回転角センサ251で検出した制御ギヤ231の回転角度と、第2回転角センサ252で検出した第1初段ギヤ232の回転角度との相対回転角度が、所定のクラッチ解除角度θoffに達したとき、モータ15の回転を停止する。これにより、第1及び第2クラッチ241,242が共にOFF状態で保持される。
第2クラッチ242の係合を解除する場合も同様に、制御ギヤ231の回転角度と、第2初段ギヤ235の回転角度との相対回転角度が所定のクラッチ解除角度θoffに達したとき、モータ15の回転を停止する。しかし、第2初段ギヤ235は回転角センサを備えないため、第1初段ギヤ232に設けられた第2回転角センサ252が検出した第1初段ギヤ232の回転角度から下式に従って第2初段ギヤ235の回転角度を演算により求めてモータ15の回転を停止する。
第2初段ギヤ235の回転角度=Gb/Ga×第2回転角センサ252の検出値
ここで、Gbは第2ギヤ機構222のギヤレシオ、Gaは第1ギヤ機構221のギヤレシオである。
このように、第2回転角センサ252をギヤレシオが高い第1ギヤ機構221側に設けることにより精度よく角度検出することが可能となる。
したがって、本実施形態のシートベルト用リトラクタ210においても、モータ15の回転方向を切り換えることにより、プリ−プリテンション機能とプリテンション機能の両方を実現することができる。そのため、従来の火薬式のプリテンショナを不要にすることができ、構成の簡略化を図ることができる。従って、部品点数の削減と、それによる小型・軽量化、並びに低コスト化の実現を図ることができる。
(第4実施形態)
図17に示すように、第4実施形態のシートベルト用リトラクタ310では、動力伝達機構320は、制御ギヤ331を備え、電動アクチュエータの回転方向に応じて、制御ギヤ331を介して第1クラッチ341と第2クラッチ342のいずれか一方を係合、いずれか他方を係合解除し、電動アクチュエータの動力を第1ギヤ機構321又は第2ギヤ機構322のいずれかを介して選択的にスピンドル12に伝達している点において、第3実施形態と同様であるが、具体的な構成において第3実施形態と異なっている。
シートベルト用リトラクタ310は、シートベルト1を巻き取るスピンドル12と、スピンドル12を回転させる動力を発生する電動アクチュエータとしてのモータ15と、モータ15とスピンドル12との間で動力を伝達可能な動力伝達機構320と、を有する。
動力伝達機構320は、モータ15の出力軸15aに取り付けられた入力ギヤ330と、該入力ギヤ330に噛合する制御ギヤ331と、第1ギヤ機構321と、第2ギヤ機構322と、第1クラッチ341と、第2クラッチ342と、を有する。
第1ギヤ機構321は、第1初段ギヤ333と、第1初段ギヤ333に噛合する第1ファイナルギヤ335のギヤ列で構成される。また、第2ギヤ機構322は、第2初段ギヤ336と、第2初段ギヤ336に噛合する中間ギヤ334と、中間ギヤ334に噛合する第2ファイナルギヤ337のギヤ列で構成される。
図19(a)、(c)、(e)に示すように、第1クラッチ341は、第1ギヤ機構321の第1初段ギヤ333と一体的に回転する第1クラッチハウジング343と、第1クラッチハウジング343の内周歯343aと結合可能な第1パウル346を備える。第1パウル346は、制御ギヤ331に形成されたパウル摺動溝331aに摺動自在に挿入されて、制御ギヤ331と一体的に回転する。
また、図19(b)、(d)、(f)に示すように、第2クラッチ342は、第2ギヤ機構322の第2初段ギヤ336と一体的に回転する第2クラッチハウジング347と、第2クラッチハウジング347の内周歯347aと結合可能な第2パウル348を備える。第2パウル348は、制御ギヤ331に形成されたパウル摺動溝331aに摺動自在に挿入されて、制御ギヤ331と一体的に回転する。
なお、図19(b)、(d)、(f)は、制御ギヤ331の軸方向中間位置で第2クラッチ342を左方向から見た模式的な正面図である。
図18(b)に示すように、第1パウル346及び第2パウル348は、第1クラッチハウジング343の内周歯343aに結合可能な係合爪346aと、第2クラッチハウジング347の内周歯347aに結合可能な係合爪348aとが、互いに反対方向に向けられ、それぞれの基端部同士が連結部350により一体に連結されている。
制御ギヤ331、第1初段ギヤ333、および第2初段ギヤ336は、同一軸311上に設けられている。この軸311には、該軸311と摩擦接触するフリクションリング349が嵌合している。図19(a)も参照して、フリクションリング349の突起部349aは第1パウル346の係合溝346bに係合している。なお、本実施形態の第1パウル346及び第2パウル348とフリクションリング349の構成及び作用は、第1パウル346及び第2パウル348が一体で作動する点以外は、図5に示す第1実施形態の構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、動力伝達機構320の作用について図17及び図19を参照して説明する。
図19(a),(b)に示すように、モータ15が停止して、第1クラッチ341及び第2クラッチ342が共にOFF状態にあるとき、第1ギヤ機構321及び第2ギヤ機構322の各ギヤは自由に回転することができ、スピンドル12の回転によりシートベルト1の引き出し、巻き取りが可能である。
ここでモータ15が正回転(矢印N1)すると、図19(c),(d)に示すように、制御ギヤ331が第1パウル346及び第2パウル348と共にA方向に回転する。このとき、フリクションリング349の作用により第1パウル346がパウル摺動溝331a内で移動して係合爪346aが第1クラッチハウジング343の内周歯343aに結合して(第1クラッチ341がON)、第1クラッチハウジング343が第1初段ギヤ333と共にA方向に回転する。同時に、第2パウル348の係合爪348aが第2クラッチハウジング347の内周歯347aから完全に離間する(第2クラッチ342がOFF)。第1初段ギヤ333のA方向への回転は、第1ファイナルギヤ335に伝達されて第1ファイナルギヤ335がB方向に回転する。これにより、スピンドル12が第1ギヤ機構321の動力を受けて低速且つ高トルクでB方向に回転し、シートベルト1を高い張力T1で巻き取る(プリテンションPT)。
また、第1クラッチ341及び第2クラッチ342が共にOFF状態にあるとき(図19(a),(b)参照)、モータ15が逆回転(矢印N2)すると、図19(e),(f)に示すように、制御ギヤ331が第1パウル346及び第2パウル348と共にB方向に回転して、フリクションリング349の作用により第1及び第2パウル346,348がパウル摺動溝331a内で、上記と逆方向に移動して第1パウル346の係合爪346aが第1クラッチハウジング343の内周歯343aから完全に離間すると共に(図19(e))、第2パウル348の係合爪348aが第2クラッチハウジング347の内周歯347aに結合して、第2クラッチハウジング347が第2初段ギヤ336と共にB方向に回転する(図19(f))。
第2初段ギヤ336のB方向回転は、中間ギヤ334を介して第2ファイナルギヤ337に伝達されて第2ファイナルギヤ337がB方向に回転する。これにより、スピンドル12が第2ギヤ機構322の動力を受けて高速且つ低トルクでB方向に回転し、シートベルト1を軽い張力T2で巻き取る(プリ−プリテンションPP)。
したがって、本実施形態のシートベルト用リトラクタ310においても、モータ15の回転方向を切り換えることにより、プリ−プリテンション機能とプリテンション機能の両方を実現することができる。そのため、従来の火薬式のプリテンショナを不要にすることができ、構成の簡略化を図ることができる。従って、部品点数の削減と、それによる小型・軽量化、並びに低コスト化の実現を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、上記実施形態では、シートベルト用リトラクタに駆動機構を適用した場合を説明したが、本発明の駆動機構は、それ以外の、2つの可変出力トルクを必要とする駆動系に広く利用可能である。
さらに、第1実施形態では、アイドルギヤ33は、第2ギヤ機構22において、モータ15の出力軸15aと第2ファイナルギヤ32との間に設けられているが、これに限定されない。即ち、本発明は、第1ギヤ機構または第2ギヤ機構のいずれか一方が、電動アクチュエータと第1ファイナルギヤまたは第2ファイナルギヤとの間に、電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える構成であればよい。
また、第3実施形態では、第1回転角センサ251は制御ギヤ231の近傍に、第2回転角センサ252は、第1初段ギヤ232の近傍に配置したが、これに限定されず、第1回転角センサ251はモータ15の出力軸15aや入力ギヤ230の近傍であってもよく、第2回転角センサ252はギヤレシオが高い第1ギヤ機構221の第1ファイナルギヤ234の近傍に配置してもよい。第1及び第2回転角センサ251,252としては、磁気式角度センサや光学式角度センサが使用可能である。
なお、本発明の前記動力伝達機構は、『前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸(前記スピンドル)へ伝達可能な第1ギヤ機構と、前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸(前記スピンドル)へ伝達可能な第2ギヤ機構と、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸(前記スピンドル)への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸(前記スピンドル)への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、』を有する構成であればよい。
即ち、第1実施形態は、条件1『第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32は、モータ15が回転した際に互いに逆回転するように、第1ギヤ機構21のギヤ列と第2ギヤ機構22のギヤ列とが構成されている』を満たす構成としているが、第3及び第4実施形態から明らかなように、本発明はこれに限定されるものではない。
1 シートベルト
10,110,210,310 シートベルト用リトラクタ
12 スピンドル
15 モータ(電動アクチュエータ)
20,120,220,320 動力伝達機構
21,121,221,321 第1ギヤ機構
22,122,222,322 第2ギヤ機構
30,130,230,330 入力ギヤ
31,131,234,335 第1ファイナルギヤ
32,132,236,337 第2ファイナルギヤ
33 アイドルギヤ
41,241,341 第1クラッチ
42,242,342 第2クラッチ
43 クラッチハウジング
43a 内歯
50 パウル
133,233,334 中間ギヤ(アイドルギヤ)
211 支持軸
231,331 制御ギヤ
232,333 第1初段ギヤ
235,336 第2初段ギヤ
243 第1ラッチギヤ
243a,245a 外周歯
244 第1結合部材
245 第2ラッチギヤ
246 第2結合部材
251 第1回転角センサ
252 第2回転角センサ
343 第1クラッチハウジング
343a,347a 内周歯
346 第1パウル(第1結合部材)
347 第2クラッチハウジング
348 第2パウル(第2結合部材)
N1 正回転
N2 逆回転
θoff クラッチ解除角度
Ga 第1ギヤ機構のギヤレシオ
Gb 第2ギヤ機構のギヤレシオ

Claims (24)

  1. 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
    前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
    前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第1クラッチと、
    前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
  2. 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項1に記載の駆動機構。
  3. 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動機構。
  4. シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
    前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
    前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第1クラッチと、
    前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  5. 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項4に記載のシートベルト用リトラクタ。
  6. 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項4または5に記載のシートベルト用リトラクタ。
  7. 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
    前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記作動軸と一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
    前記作動軸と一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
    前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
    前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
  8. 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
    前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
    前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の駆動機構。
  9. 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
    前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
    前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の駆動機構。
  10. 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項7乃至9のいずれか1項に記載の駆動機構。
  11. 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の駆動機構。
  12. 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
    前記第1クラッチと前記作動軸との間、又は前記第2クラッチと前記作動軸との間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
    を備え、
    前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の駆動機構。
  13. 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする請求項12に記載の駆動機構。
  14. 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算により求められることを特徴とする請求項13に記載の駆動機構。
  15. シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
    前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記スピンドルと一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
    前記スピンドルと一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
    前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
    前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  16. 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
    前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
    前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤに同軸に設けられており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項15に記載のシートベルト用リトラクタ。
  17. 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
    前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
    前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤに同軸に設けられており、
    前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項15に記載のシートベルト用リトラクタ。
  18. 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項15乃至17のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
  19. 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
  20. 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
    前記第1クラッチと前記スピンドルとの間、又は前記第2クラッチと前記スピンドルとの間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
    を備え、
    前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
  21. 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする請求項20に記載のシートベルト用リトラクタ。
  22. 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算による求められることを特徴とする請求項21に記載のシートベルト用リトラクタ。
  23. 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
    前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第1ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第2ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
    前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
  24. シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
    前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
    を備え、
    前記動力伝達機構は、
    前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第1ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第2ギヤ機構と、
    前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
    前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
    を有し、
    前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
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