JP2019085090A - 駆動機構及びシートベルト用リトラクタ - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(2) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(1)に記載の駆動機構。
(3) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(1)または(2)に記載の駆動機構。
(4) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(5) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(4)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(6) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(4)または(5)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(7) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記作動軸と一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記作動軸と一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(8) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(7)に記載の駆動機構。
(9) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(7)に記載の駆動機構。
(10) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(7)乃至(9)のいずれかに記載の駆動機構。
(11) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(7)乃至(10)のいずれかに記載の駆動機構。
(12) 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記作動軸との間、又は前記第2クラッチと前記作動軸との間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする(7)乃至(11)のいずれかに記載の駆動機構。
(13) 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする(12)に記載の駆動機構。
(14) 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算により求められることを特徴とする(13)に記載の駆動機構。
(15) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記スピンドルと一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記スピンドルと一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(16) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(15)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(17) 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする(15)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(18) 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える(15)乃至(17)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(19) 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする(15)乃至(18)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(20) 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記スピンドルとの間、又は前記第2クラッチと前記スピンドルとの間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする(15)乃至(19)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(21) 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする(20)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(22) 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算による求められることを特徴とする(21)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(23) 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。
(24) シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
図1及び図2に示すように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10は、シートベルト1を巻き取るスピンドル12と、スピンドル12をシートベルト1の巻き取り方向へ付勢する巻き取りバネ装置13と、不図示の加速度センサによって検出される加速度に応じてシートベルト1の引出動作をロックするロック機構14と、スピンドル12を回転させる動力を発生する電動アクチュエータとしてのモータ15と、モータ15とスピンドル12との間で動力を伝達可能な動力伝達機構20と、を有している。ここでは、モータ15及び動力伝達機構20が、プリテンショナとプリ−プリテンショナとを兼ねており、従来の火薬式のプリテンショナは設けられていない。
また、図3及び図4に示すように、モータ15は正逆回転可能で、正方向の回転(正回転)を矢印符号N1で表し、逆方向の回転(逆回転)を矢印符号N2で表す。なお、正回転、及び逆回転とは、単に一方向の回転と、他方向の回転を便宜上定義するに過ぎない。
第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32は、それぞれ、第1クラッチ41と第2クラッチ42を介してスピンドル12に連結されている。いずれのクラッチ41、42も、ファイナルギヤ31、32がA方向に回転したとき、ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との接続をON(クラッチON)し、ファイナルギヤ31、32がB方向に回転したとき、ファイナルギヤ31、32とスピンドル12との接続をOFF(クラッチOFF)するように構成されている。
まず、図5に示すように、ファイナルギヤ31、32が回転していないとき、パウル50は、パウル摺動溝36の最奥部に位置している。この場合、パウル50の係合爪51は、クラッチハウジング43の内歯43aより内方に位置し、クラッチハウジング43とパウル50は非係合であり、クラッチOFFの状態にある。このため、モータ15やギヤ機構21、22の影響を受けることなく、スピンドル12と一体のクラッチハウジング43のみが回転可能となり、シートベルト1の通常の巻き取り及び引き出しが可能となる。
このシートベルト用リトラクタ10では、図3に示すように、モータ15を正回転(回転N1)させたとき、第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31がA方向に回転し、第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32がB方向に回転する。この場合、第1クラッチ41がONとなり、第2クラッチ42がOFFとなる。従って、第1クラッチ41がONとなることで、第1ファイナルギヤ31がスピンドル12と接続され、スピンドル12が第1ギヤ機構21の動力を受けて低速且つ高トルクでA方向に回転し、シートベルト1を高い張力T1で巻き取る。
例えば、第1ギヤ機構21のギヤレシオが第2ギヤ機構22のギヤレシオの10倍であるとし、第2クラッチ42がON/OFFするためにモータが1回転する必要があるとした場合、第1クラッチ41がON/OFFするためには、モータが10回転する必要がある。
図10に示すように、第2実施形態のシートベルト用リトラクタ110は、第1ギヤ機構121及び第2ギヤ機構122の構成において第1実施形態のシートベルト用リトラクタ10と異なる。
その他の構成は、第1実施形態のシートベルト用リトラクタ10と同様であるので、詳細な説明を省略する。
図11に示すように、第3実施形態のシートベルト用リトラクタ210は、第1ギヤ機構221による出力トルクT1をプリテンショナ(PT)として利用し、第2ギヤ機構22による出力トルクT2を、プリ−プリテンショナ(PP)として利用する点は、第1実施形態のものと同じであるが、動力伝達機構の構成において第1実施形態のものと異なる。
即ち、シートベルト用リトラクタ210は、第1実施形態と同様に、第1ギヤ機構221のギヤレシオ(減速比)は、第2ギヤ機構222のギヤレシオよりも約10倍大きく設定されている(条件2)。一方、シートベルト用リトラクタ210は、制御ギヤ231を備え、電動アクチュエータの回転方向に応じて、制御ギヤ231を介して第1クラッチ241と第2クラッチ242のいずれか一方を係合、いずれか他方を係合解除し、電動アクチュエータの動力を第1ギヤ機構221又は第2ギヤ機構222のいずれかを介して選択的にスピンドル12に伝達している。
以下、第3実施形態のシートベルト用リトラクタ210について、動力伝達機構220の構成を中心に説明する。
なお、本実施形態では、スピンドル12が、B方向(図11において、リトラクタ10を左方から見て時計方向)に回転することで、シートベルト1を巻き取り、A方向(反時計方向)に回転することで、シートベルト1を引き出す。
図14(a)及び図15(a)に示すように、モータ15が停止しているとき、第1結合部材244及び第2結合部材246は、フリクションバネ248の作用により、第1結合部材244の係合爪244aと第1ラッチギヤ243の外周歯243aとの係合が解除(第1クラッチOFF)されると共に、第2結合部材246の係合爪246aと第2ラッチギヤ245の外周歯245aとの係合が解除(第2クラッチOFF)された位置にある。即ち、第1クラッチ241及び第2クラッチ242は共にOFF状態にある。従って、第1ギヤ機構221及び第2ギヤ機構222の各ギヤは自由に回転することができ、シートベルト1の引き出し、巻き取りによりスピンドル12は自由に回転可能である。図14(a)の矢印Lは、この時の動力の伝達経路を示している。
第2初段ギヤ235の回転角度=Gb/Ga×第2回転角センサ252の検出値
ここで、Gbは第2ギヤ機構222のギヤレシオ、Gaは第1ギヤ機構221のギヤレシオである。
このように、第2回転角センサ252をギヤレシオが高い第1ギヤ機構221側に設けることにより精度よく角度検出することが可能となる。
図17に示すように、第4実施形態のシートベルト用リトラクタ310では、動力伝達機構320は、制御ギヤ331を備え、電動アクチュエータの回転方向に応じて、制御ギヤ331を介して第1クラッチ341と第2クラッチ342のいずれか一方を係合、いずれか他方を係合解除し、電動アクチュエータの動力を第1ギヤ機構321又は第2ギヤ機構322のいずれかを介して選択的にスピンドル12に伝達している点において、第3実施形態と同様であるが、具体的な構成において第3実施形態と異なっている。
なお、図19(b)、(d)、(f)は、制御ギヤ331の軸方向中間位置で第2クラッチ342を左方向から見た模式的な正面図である。
図19(a),(b)に示すように、モータ15が停止して、第1クラッチ341及び第2クラッチ342が共にOFF状態にあるとき、第1ギヤ機構321及び第2ギヤ機構322の各ギヤは自由に回転することができ、スピンドル12の回転によりシートベルト1の引き出し、巻き取りが可能である。
例えば、上記実施形態では、シートベルト用リトラクタに駆動機構を適用した場合を説明したが、本発明の駆動機構は、それ以外の、2つの可変出力トルクを必要とする駆動系に広く利用可能である。
即ち、第1実施形態は、条件1『第1ギヤ機構21の第1ファイナルギヤ31と第2ギヤ機構22の第2ファイナルギヤ32は、モータ15が回転した際に互いに逆回転するように、第1ギヤ機構21のギヤ列と第2ギヤ機構22のギヤ列とが構成されている』を満たす構成としているが、第3及び第4実施形態から明らかなように、本発明はこれに限定されるものではない。
10,110,210,310 シートベルト用リトラクタ
12 スピンドル
15 モータ(電動アクチュエータ)
20,120,220,320 動力伝達機構
21,121,221,321 第1ギヤ機構
22,122,222,322 第2ギヤ機構
30,130,230,330 入力ギヤ
31,131,234,335 第1ファイナルギヤ
32,132,236,337 第2ファイナルギヤ
33 アイドルギヤ
41,241,341 第1クラッチ
42,242,342 第2クラッチ
43 クラッチハウジング
43a 内歯
50 パウル
133,233,334 中間ギヤ(アイドルギヤ)
211 支持軸
231,331 制御ギヤ
232,333 第1初段ギヤ
235,336 第2初段ギヤ
243 第1ラッチギヤ
243a,245a 外周歯
244 第1結合部材
245 第2ラッチギヤ
246 第2結合部材
251 第1回転角センサ
252 第2回転角センサ
343 第1クラッチハウジング
343a,347a 内周歯
346 第1パウル(第1結合部材)
347 第2クラッチハウジング
348 第2パウル(第2結合部材)
N1 正回転
N2 逆回転
θoff クラッチ解除角度
Ga 第1ギヤ機構のギヤレシオ
Gb 第2ギヤ機構のギヤレシオ
Claims (24)
- 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記作動軸との間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記作動軸に対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。 - 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項1に記載の駆動機構。
- 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記作動軸との接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動機構。
- シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがA方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第1ファイナルギヤがB方向に回転する第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがB方向に回転し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記電動アクチュエータからの動力の伝達により第2ファイナルギヤがA方向に回転する第2ギヤ機構と、
前記第1ギヤ機構の第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第1ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第1ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構の第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの間に介在され、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してA方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をONし、前記第2ファイナルギヤが前記スピンドルに対してB方向に相対回転するとき、前記第2ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。 - 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項4に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項4または5に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記作動軸と一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記作動軸と一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。 - 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の駆動機構。 - 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤと同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の駆動機構。 - 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項7乃至9のいずれか1項に記載の駆動機構。
- 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の駆動機構。
- 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記作動軸との間、又は前記第2クラッチと前記作動軸との間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の駆動機構。 - 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする請求項12に記載の駆動機構。
- 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算により求められることを特徴とする請求項13に記載の駆動機構。
- シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記スピンドルと一体回転可能な第1ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記スピンドルと一体回転可能な第2ファイナルギヤを有し、前記電動アクチュエータからの動力を伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータと前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構との間に配置され、前記電動アクチュエータの回転を前記第1ギヤ機構と前記第2ギヤ機構に伝えるための制御ギヤと、
前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第1クラッチと、
前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの間に介在され、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をONし、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構と前記制御ギヤとの接続をOFFする第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。 - 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1ラッチギヤと、前記第1ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2ラッチギヤと、前記第2ラッチギヤの外周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤに同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項15に記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記第1クラッチは、前記第1ギヤ機構の第1初段ギヤと一体的に回転する第1クラッチハウジングと、前記第1クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第1結合部材と、を備え、
前記第2クラッチは、前記第2ギヤ機構の第2初段ギヤと一体的に回転する第2クラッチハウジングと、前記第2クラッチハウジングの内周歯と結合可能で、前記制御ギヤと一体的に回転可能な第2結合部材と、を備え、
前記第1初段ギヤおよび第2初段ギヤは、前記制御ギヤに同軸に設けられており、
前記第1結合部材と前記第2結合部材とは互いに連結されていることを特徴とする請求項15に記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構のいずれか一方は、前記電動アクチュエータと前記第1ファイナルギヤまたは前記第2ファイナルギヤとの間に、前記電動アクチュエータの出力軸の回転方向を逆向きにするアイドルギヤを備える請求項15乃至17のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記第1クラッチと第2クラッチは、同特性を有するクラッチであり、前記電動アクチュエータがOFFのとき、前記第1クラッチ及び第2クラッチは共に、前記各ファイナルギヤと前記スピンドルとの接続をOFFにした状態に保持可能であることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記第1及び第2クラッチと前記電動アクチュエータとの間に配設されて回転角度を検出する第1回転角センサと、
前記第1クラッチと前記スピンドルとの間、又は前記第2クラッチと前記スピンドルとの間のいずれか一方に配設されて回転角度を検出する第2回転角センサと、
を備え、
前記第1回転角センサと前記第2回転角センサとの相対角度差が所定値に達したとき、前記電動アクチュエータによる前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの係合解除回転を停止することを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。 - 前記第2回転角センサは、前記第1ギヤ機構及び前記第2ギヤ機構の内、前記ギヤレシオが大きな側の前記ギヤ機構に配置されることを特徴とする請求項20に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 前記第2回転角センサを備えない前記第1ギヤ機構または前記第2ギヤ機構の回転角は、前記第2回転角センサの検出角度と、前記第1ギヤ機構の前記ギヤレシオと前記第2ギヤ機構の前記ギヤレシオとの比と、から演算による求められることを特徴とする請求項21に記載のシートベルト用リトラクタ。
- 回転方向の一方向をA方向とし他方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされた作動軸と、
前記作動軸を回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記作動軸との間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記作動軸へ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記作動軸への動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とする駆動機構。 - シートベルトの巻き取り方向をA方向としシートベルトの引き出し方向をB方向とするときA方向及びB方向に回転可能とされたスピンドルと、
前記スピンドルを回転させるために正方向及び逆方向に回転出力を発生する電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータと前記スピンドルとの間で動力を伝達する動力伝達機構と、
を備え、
前記動力伝達機構は、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第1ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータからの動力を前記スピンドルへ伝達可能な第2ギヤ機構と、
前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第1ギヤ機構の動力伝達を解除する第1クラッチと、
前記電動アクチュエータが逆方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構が前記アクチュエータから前記スピンドルへの動力伝達を行うように結合し、前記電動アクチュエータが正方向に回転するとき、前記第2ギヤ機構の動力伝達を解除する第2クラッチと、
を有し、
前記第1ギヤ機構のギヤレシオと前記第2ギヤ機構のギヤレシオとが互いに異なる値に設定されていることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
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