1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞口15を、第2特別入賞口ともいう。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図5参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、第1特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている一般入賞口10や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球して、一般入賞口10に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、一般入賞口10の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、一般入賞口10に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。但し本形態では、第2特別図柄の抽選がなされる場合に限って、第2特別図柄表示器41bに小当たり図柄が停止表示されることがあって、第1特別図柄の抽選がなされる場合には、第1特別図柄表示器41aに小当たり図柄が停止表示されることはない。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に移行させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)に移行させる大当たりである。
図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、4種類ある。具体的に、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄1」が停止表示される。また第1特別図柄の抽選で確変大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄2」が停止表示される。また第1特別図柄の抽選で確変大当たり3となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄3」が停止表示される。これらに対して、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなる場合に、大当たり図柄として「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には、5種類ある。具体的には、第2特別図柄の抽選で確変大当たり4となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄1」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり5となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄2」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり6となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄3」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり7となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄4」が停止表示される。これらに対して、第2特別図柄の抽選で通常大当たりとなる場合には、大当たり図柄として「特図2_通常図柄」が停止表示される。
そして、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が10000回又は100回或いは40回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(規定回数)のことである。
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「通常遊技状態」や「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、通常遊技状態である。
図7に示すように、第1特別図柄の抽選で、確変大当たり1に当選する場合(特図1_確変図柄1(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合には、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回(第1規定回数)に設定される。
また第1特別図柄の抽選で、確変大当たり2に当選する場合(特図1_確変図柄2が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回に設定される。
また第1特別図柄の抽選で、確変大当たり3に当選する場合(特図1_確変図柄3(第2大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が40回(第2規定回数)に設定される。
これらに対して、第1特別図柄の抽選で、通常大当たりに当選する場合(特図1_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が設定されることはない。なお、特図1_確変図柄1と、特図1_確変図柄2と、特図1_確変図柄3と、特図1_通常図柄に対する振分率は、20%:20%:25%:35%に設定されている。
また図7に示すように、第2特別図柄の抽選で、確変大当たり4に当選する場合(特図2_確変図柄1(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合には、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回(第1規定回数)に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり5に当選する場合(特図2_確変図柄2が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり6に当選する場合(特図2_確変図柄3(第2大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が40回(第2規定回数)に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり7に当選する場合(特図2_確変図柄4が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が設定されることはない。
これらに対して、第2特別図柄の抽選で、通常大当たりに当選する場合(特図2_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)に制御される。なお、特図2_確変図柄1と、特図2_確変図柄2と、特図2_確変図柄3と、特図2_確変図柄4と、特図2_通常図柄に対する振分率は、20%:20%:20%:5%:35%に設定されている。
また図7に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり又は通常大当たりの何れであっても、16R(実質8R)大当たりである。この16R(実質8R)大当たりでは、1Rから8Rまでは第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは第1大入賞口14を最大0.1秒にわたって開放する。従って、9Rから16Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は8Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり又は通常大当たりの何れであっても、16R大当たりである。この16R大当たりでは、1Rから16Rまで第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
また本形態では、上述したように、第2特別図柄の抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図7に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図8(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。図8(B)に示すように、当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図9(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図9(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図9(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では1.1秒であるのに対して、時短状態では1.0秒である。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図11に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図11参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図11に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ところで本形態では、非入球容易状態であっても、右打ちされた遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球し得るように設定されている。即ち、図9(C)に示すように、非時短状態であっても、時短状態と同様に、普通図柄の抽選でほぼ当たりと判定され得る。また図9(D)に示すように、普通図柄の変動時間も、時短状態と同様に、比較的短い時間(1.1秒)に設定されている。但し時短状態と比べて、非時短状態での補助遊技では、電チュー12Dの開放時間が1秒であって、1回しか開放しない。こうして、非入球容易状態、即ち非入球容易状態を伴う非時短状態であっても、右打ちされた遊技球が、電チュー12Dにある程度入球可能に設定されている。この理由については、後述する。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
電サポ制御状態を伴う高確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(図10
参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
本形態では、第2特別図柄の抽選において、図9(A)に示すように、約5分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的に頻繁に当選することが可能である。そのため、第2特別図柄の抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
ここで電サポ制御状態を伴う高確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入賞することがほとんどない。つまり、特図2の抽選が頻繁に実行されて、小当たり遊技によって第2大入賞口15が比較的頻繁に開放しても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることができない。
これに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。そのため、第2特別図柄の抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放し得る。この場合、右打ちされた遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞させることができる。こうして非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることできる。更に本形態では、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、一般入賞口10にもある程度入球し得るように設定されている。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、電サポ制御状態を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態(特別遊技状態)は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態」とも称する。
ここで本形態では、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、図10に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
ところで本形態では、時短状態の終了条件として、上述したように特別図柄の変動表示の実行回数(以下「特図の変動回数」と呼ぶ)が規定回数(10000回又は100回或いは40回)に至る通常終了条件の他、以下の特別終了条件が設けられている。即ち、時短状態に制御されてから、小当たり当選と判定された回数が特定回数(本形態では10回又は3回或いは1回)に至るという終了条件である。言い換えれば、時短状態に制御された後、特図2の抽選により予め定められた特定回数だけ小当たりに当選すると、非時短状態に移行する。このような特別終了条件を設けたのは、以下の理由に基づく。
本形態では、上述したように、高確非時短状態(第2遊技状態,特別遊技状態)が高確時短状態(第1遊技状態,特定遊技状態)よりも、遊技者に有利になるように設定している。そして、高確非時短状態は、高確時短状態から移行できる点に特徴がある。即ち、高確時短状態において、小当たり当選と判定された回数が特定回数に達すると、時短状態から非時短状態に切替わるため、高確非時短状態になる。従って、遊技者から見れば、高確時短状態において、特図2の抽選で小当たりに特定回数だけ当選すれば、有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することができる。こうして、高確時短状態において、遊技者には敢えて小当たりの当選を期待させる遊技性(ゲーム性)になり、斬新な興趣性を提供することが可能である。
また、高確時短状態において、仮に小当たりに特定回数だけ当選できなくても、特図の変動回数が規定回数(時短回数)に至れば、時短状態から非時短状態に切替わるため、高確非時短状態になる。従って、遊技者から見れば、小当たりになかなか当選しなくても、時短回数を全て消化すれば、有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することができる。こうして、高確時短状態において、遊技者には時短回数を積極的に消化させて、所謂「天井」のように特図の変動回数が規定回数に達することを期待させる遊技性になる。よって、従来にはない斬新な興趣性を提供することが可能である。
ここで従来の一般的な遊技性と、本形態の遊技性との違いについて説明する。従来の一般的な遊技性では、遊技者は通常遊技状態での特別図柄の抽選で、確変大当たりを狙う。確変大当たりであれば、大当たり遊技後に高確時短状態に制御される。この高確時短状態においては、時短回数やST回数(高確率状態が継続することが可能な特別図柄の変動表示の上限実行回数)が消化されるまでの間に、次回の大当たりの当選を狙うことになる。時短回数やST回数は、大当たりへの当選時点で決められるため、従来では大当たり⇒高確時短状態⇒大当たりを繰り返すという単調な遊技性になっている。
これに対して本形態では、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されても、その後に更に有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行させることができる。その高確非時短状態に移行させるためには、高確時短状態で、小当たりに特定回数だけ当選するという第1条件を満たすか、時短回数を全て消化するという第2条件を満たす必要がある。従って、高確時短状態における遊技者のツキ(引き)次第で、大当たり遊技後の遊技状態(高確時短状態)よりも、更に有利な遊技状態(高確非時短状態)に移行できる遊技性である。従って、大当たり⇒高確時短状態⇒大当たりを繰り返すという遊技性ではなく、従来にない斬新な遊技性を提供することができる。
即ち、従来の一般的な遊技性では、大当たり当選時にその後の遊技の流れが決まってしまうのに対して、本形態の遊技性では、大当たりに当選した後(高確時短状態)に、小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)への移行に自力で抽選により獲得できるという遊技の流れであるため、従来に無いドキドキ感を体感することが可能である。
更に、従来の一般的なST機(高確率状態に制御されてから特別図柄の変動表示が上限実行回数に至るまで高確率状態が継続するパチンコ遊技機)では、高確時短状態において特別図柄の変動表示が実行される度に、通常確率状態への移行に近づく焦燥感を与える遊技性である。また従来の一般的なループ機(高確率状態が実質的に次回の大当たりに当選するまで継続するパチンコ遊技機)では、高確時短状態においてできるだけ早く次回の大当たりの当選を期待させる遊技性である。これに対して本形態では、高確時短状態において、ハズレを示す特別図柄の変動表示が実行される度に、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)への移行に近づく高揚感を与える遊技性である。そして高確非時短状態になれば、できるだけ次回の大当たりの当選を引かずに、小当たり当選になるのを期待させる遊技性である。以上により遊技者には、従来の一般的な遊技性とは逆の感覚を与えることが可能であり、斬新な興趣性を提供することが可能である。
そして本形態では、大当たり図柄の種類に応じて、時短状態の特別終了条件が異なるようにしている。即ち、図7に示すように、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合には、小当たり当選と判定された回数が10回(第1の特定回数)に達すると、時短状態から非時短状態に切替わるように設定されている。また特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、小当たり当選と判定された回数が3回に達すると、時短状態から非時短状態に切替わるように設定されている。また特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、小当たり当選と判定された回数が1回(第2の特定回数)に達すると、時短状態から非時短状態に切替わるように設定されている。ここで以下では、時短状態から非時短状態に切替わるための小当たりへの当選回数を、「時短小当たり回数」と呼ぶことにする。
こうして本形態では、時短回数や時短小当たり回数がより少なく設定される大当たり図柄の方が、高確非時短状態へ移行し易くなる。従って、確変図柄1(第1の大当たり当選)⇒確変図柄2⇒確変図柄3(第2の大当たり当選)の順に有利な大当たり図柄となる。よって、大当たり図柄の種類によって、高確時短状態から小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)への移行のし易さが異なるという斬新なゲーム性であり、遊技者にはどの大当たり図柄に当選したのかに注目させること可能である。
その上で本形態では、高確時短状態を経由しないでも、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することが可能になっている。具体的には、図7に示すように、第2特別図柄の抽選で、特図2_大当たり図柄4に当選すれば、大当たり遊技の直後に高確非時短状態に制御される。従って遊技者には、第2特別図柄の抽選において、いきなり小当たりラッシュ状態を獲得できる特図2_大当たり図柄4への当選を最も期待させる。こうして、大当たり遊技後に高確時短状態を経由して小当たりラッシュ状態を獲得する場合の他、大当たり遊技後にいきなり小当たりラッシュ状態を獲得できる場合があることで、遊技者には多様性のあるゲームの流れを体感させることが可能である。
なお図7
に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、ラウンド数が16Rであるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が8Rである。また第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できる大当たり図柄(特図2_大当たり図柄4)があるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、高確非時短状態に移行できる大当たり図柄が無い。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さと、より有利な遊技状態に移行できることにより、第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
5.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機PY1の遊技の流れについて、図12に基づいて説明する。図12に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、高確時短状態と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)との間を移行しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒高確時短状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。なお図12では、高確時短状態に移行する場合を白抜きの矢印で示していて、高確非時短状態に移行する場合を斜線付きの矢印で示していて、低確非時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示している。
低確非時短状態では、第1始動口11や一般入賞口10へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。図12に示すように、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図1_確変図柄1になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が10000回に設定されると共に、時短小当たり回数が10回に設定される。従って、実質的に時短回数の消化によって高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できないものの、次回の大当たりを引き当てる前に特図2の抽選で小当たりに10回当選すれば、高確非時短状態に移行することができる。
また、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、20%の確率で特図1_確変図柄2になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が100回に設定されると共に、時短小当たり回数が3回に設定される。従って次回の大当たりを引き当てる前に、時短回数である100回を全て消化するか、又は特図2の抽選で小当たりに3回当選すれば、高確非時短状態に移行することができる。
また、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、20%の確率で特図1_確変図柄3になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が40回に設定されると共に、時短小当たり回数が1回に設定される。従って次回の大当たりを引き当てる前に、時短回数である40回を全て消化するか、又は特図2の抽選で小当たりに1回当選すれば、高確非時短状態に移行することができる。
これらに対して、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特図1_通常図柄になる。この場合、大当たり遊技後に再び低確非時短状態(通常遊技状態)に制御される。従って、遊技者は左打ちを行って、特図1の抽選で再び大当たりへの当選を狙うことになる。
ここで高確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
これに対して、高確非時短状態でも、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。但し本形態では、非電サポ制御状態でも、電チュー12Dにある程度入球して、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することができる。従って、高確非時短状態が続く限り(次回の大当たりを引き当てない限り)、遊技者は、一般入賞口10や第2大入賞口15への入賞によって、持ち球を徐々に増やす(ベースが1を超える)ことが可能である。
図12に示すように、高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄1になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄1に当選した場合と同様である。また高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄2になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄2に当選した場合と同様である。また高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄3になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄3に当選した場合と同様である。
ここで、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に限り、5%の確率で特図2_大当たり図柄4になる。この場合には、大当たり遊技後に、高確時短状態を経由しないで、いきなり最も有利な高確非時短状態に移行することが可能である。これらに対して、高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特図2_通常図柄になる。この場合には、上記した特図1_通常図柄に当選した場合と同様、大当たり遊技後に低確非時短状態(通常遊技状態)に制御される。
本形態では各遊技状態に対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50の表示画面50aに表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図13に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態に対応する宇宙モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図13(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。
夜モードに設定されているときには、図13(B)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(高確時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図13(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。
また宇宙モードに設定されているときには、図13(C)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像H3が表示される。そのため、宇宙背景画像H3を見た遊技者に対して、最も有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に制御されていると認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図13(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D、一般入賞口10、及び第2大入賞口15への入賞を狙うことが可能である。なお一般入賞口10や第2大入賞口15への入賞を促す演出は、右打ち画像Raの表示に限られず、その他の画像の表示や、特定のランプの発光や特定の音声の出力等であっても良い。
6.時短状態の終了タイミング
次に、本パチンコ遊技機PY1における時短状態の終了タイミングについて説明する。従来の一般的なパチンコ遊技機では、時短状態の終了条件として、時短回数が規定回数に至る終了条件が成立した場合に、規定回数に至った特別図柄の停止表示が終了したタイミング(停止時間が終了するタイミング)で時短状態から非時短状態に切替えている。しかしながら、この時短状態の終了タイミングでは、時短状態の終了条件が成立したタイミングと時間的なずれがある。つまり、規定回数に至った特別図柄の変動表示の開始タイミング(時短状態の終了条件が成立したタイミング)から、規定回数に至った特別図柄の停止表示が終了したタイミング(時短状態の終了タイミング)までの間に、時短状態が未だ残って継続する残存期間がある。この残存期間では、未だ電サポ制御状態であるため、電チューに遊技球が入球してしまい、第2特図保留が貯まる可能性がある。よって、パチンコメーカーの設計者や開発者は、このような残存期間での第2特図保留も考慮して、開発を行う必要があり、開発負担となっていた。
そこで本形態では、時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態に切替えるようにしている。つまり、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、時短状態の終了タイミングとを一致させるようにしている。なお時短状態の終了タイミングは、厳密に言えば、遊技制御用マイコン101が後述する特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図2大当たり判定処理(S1502)を行った後で、時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を開始するための処理(第1特別図柄変動中処理(S1005)及び第2特別図柄変動中処理(S1105))を実行する前になる。
本形態では、上述したように時短状態の終了条件として、時短状態に制御されてから特図の変動回数が規定回数(時短回数)に至る通常終了条件と、時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数)に至る特別終了条件がある。従って、上記2つの終了条件が成立した場合の時短状態の終了タイミングを、図14に基づいて説明する。なお図14では、確変図柄2(特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2)に当選した場合を例として示している。上述したように、確変図柄2に当選した場合には、時短回数が100回に設定されると共に、時短小当たり回数が3回に設定される(図7参照)。
図14(A)に示すように、時短状態にて第2特別図柄の変動表示が99回実行された後、第2特別図柄が100回目として変動表示を開始することとする。この場合には、第2特別図柄が変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態に切替える。こうして、通常終了条件が成立したタイミングと時短状態の終了タイミングとを一致させることで、第2特別図柄が停止表示を終了するタイミングよりも前に、時短状態を終了させている。これにより、100回目の第2特別図柄の変動表示中及び停止表示中に、時短状態が残存することを考慮して開発する負担を無くすことが可能である。
特に本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1であるため、100回目の第2特別図柄の変動表示が開始された直後に、図14(C)に示すように、イレギュラーとして遊技球が第1始動口11に入球して、第1特別図柄の変動表示が開始される場合が有り得る。この場合、仮に従来のように、100回目の第2特別図柄の停止表示が終了するタイミングで時短状態が終了すると、イレギュラーの第1特別図柄の変動表示が時短状態で実行されてしまう。そうなると、時短回数が100回に設定されているにも拘わらず、時短状態で101回の特別図柄の変動表示を許容することになってしまう。そこで本形態のように、100回目の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示を開始するタイミングで、時短状態を終了させることで、特図の変動回数が100回である規定回数を超えるのを確実に防ぐことが可能である。つまり、上述したイレギュラーの第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。
また図14(B)に示すように、時短状態において第2特別図柄の抽選で3回目の小当たりに当選して、その小当たり当選を示す第2特別図柄が変動表示を開始することとする。この場合には、小当たり当選を示す第2特別図柄が変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態に切替える。こうして、特別終了条件が成立したタイミングと時短状態の終了タイミングとを一致させることで、小当たり当選を示す第2特別図柄が停止表示を終了するタイミングよりも前に、時短状態を終了させている。これにより、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示中及び停止表示中に、時短状態が残存することを考慮して開発する負担を無くすことが可能である。
特に本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1であるため、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示が開始された直後に、図14(C)に示すように、イレギュラーとして遊技球が第1始動口11に入球して、第1特別図柄の変動表示が開始される場合があり得る。この場合、仮に従来のように、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の停止表示が終了するタイミングで時短状態が終了すると、イレギュラーの第1特別図柄の変動表示が時短状態で実行されてしまう。そうなると、時短状態の特別終了条件が成立しているにも拘わらず、時短状態での新たな特別図柄(第1特別図柄)の変動表示を許容することになってしまう。そして仮に第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選可能な遊技機の場合には、万一第1特別図柄の抽選で小当たりに当選してしまうと、時短状態での小当たり当選の回数が特定回数である3回を超えてしまう。そこで本形態のように、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示を開始するタイミングで、時短状態を終了させることで、時短状態の特別終了条件が成立しているにも拘わらず、時短状態での新たな特別図柄の変動表示が実行されるのを確実に防ぐことが可能である。そして、仮に第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選可能な遊技機の場合では、時短状態での小当たり当選の回数が特定回数である3回を超えるのを防ぐことが可能である。
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図15〜図40に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図15に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図16に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図15参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図17に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図8(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図16参照)。図18に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図9(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図9(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図19に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。図19に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図20に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図20に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D,第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図21に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図22に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図26のステップS1605参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1308)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特図2の変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1306)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1308に進む。ステップS1308では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図23および図24に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図23に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1406と同様の流れで処理(S1407〜S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図10に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図10の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図10の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図25に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図26に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図22のステップS1305参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1604)及び小当たりの当否判定(S1608)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。これにより、大当たり当選を示す特図1の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1606)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1607)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1604でNO)、ステップS1608に進む。
ステップS1608では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(24H)をセットして(S1610)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1608でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図27〜図29に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
一方、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図10に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22,P23が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図28に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
またステップS1710において、小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1712)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1712でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1713)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1712でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図29に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1708〜S1714と同様の流れで処理(S1715〜S1721)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
また小当たりフラグがONであれば(S1717でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで図9(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」〜「10」であり、非時短状態であれば「1」〜「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の直後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
図30に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2203で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2209に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「40」又は「100」或いは「10000」にセットされるようになっている。
ステップS2009では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2009でYES)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2010)。つまり、小当たりに当選した状況であるか否かを判定する。小当たりフラグがONであれば(S2010でYES)、時短状態中に小当たりに当選した回数をカウントする時短小当たりカウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2011)、時短小当たりカウンタの値が「0」か否か判定する(S2012)。「0」であれば(S2012でYES)、時短フラグをOFFする(S2013)。本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短小当たりカウンタの値が「1」又は「3」或いは「10」にセットされるようになっている。このようにして、時短状態にて小当たりに当選した回数が特定回数(1回又は3回又は10回)に達すると、時短状態から非時短状態に移行することが可能である。ステップS2009又はS2010或いはS2012の判定結果がNOであれば、ステップS2214に進む。
ステップS2214では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短小当たりカウンタの情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図31に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図19に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図31に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図40のステップS2913参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図31に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図32に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図33に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図34に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図35に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットする(S2406)。更に、時短小当たりカウンタの値を「0」にリセットして(S2407)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図36に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図35に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2511)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図7参照)をセットして(S2512)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2513)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図37に示すように、特図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図38に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2703での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図7参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図20に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図19に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(図7参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、高確時短状態又は高確非時短状態或いは低確非時短状態(通常遊技状態)に制御するための処理である。図39に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1が停止表示しているか否かを判定する(S2801)。
ステップS2801の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2802)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2803)。そして、時短フラグをONにして(S2804)、時短カウンタの値に「10000」をセットする(S2805)。これにより、高確時短状態に制御される。続いて、時短小当たりカウンタの値に「10」をセットして(S2806)、ステップS2822に進む。こうして、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合には、時短小当たり回数が10回に設定されることになる。
ステップS2801の判定結果がNOであれば、続いて、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2が停止表示しているか否かを判定する(S2807)。ステップS2807の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2808)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2809)。そして、時短フラグをONにして(S2810)、時短カウンタの値に「100」をセットする(S2811)。これにより、高確時短状態に制御される。続いて、時短小当たりカウンタの値に「3」をセットして(S2812)、ステップS2822に進む。こうして、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、時短小当たり回数が3回に設定されることになる。
ステップS2807の判定結果がNOであれば、続いて、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3が停止表示しているか否かを判定する(S2813)。ステップS2813の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2814)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2815)。そして、時短フラグをONにして(S2816)、時短カウンタの値に「40」をセットする(S2816)。これにより、高確時短状態に制御される。続いて、時短小当たりカウンタの値に「1」をセットして(S2818)、ステップS2822に進む。こうして、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、時短小当たり回数が1回に設定されることになる。
ステップS2813の判定結果がNOであれば、続いて、特図2_確変図柄4が停止表示しているか否かを判定する(S2819)。ステップS2819の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2820)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2821)。そして、ステップS2822に進む。なおこのときには、時短フラグをONにしない。こうして、特図2_確変図柄4に当選した場合には、大当たり遊技後に高確非時短状態に制御されることになる。
ステップS2819の判定結果がNOであれば、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄に当選していることになり、ステップS2822に進む。なおこのときには、確変フラグをONにせず、時短フラグもONにしない。こうして、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄に当選した場合には、大当たり遊技後に低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されることになる。
ステップS2822では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短小当たりカウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2716)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図40に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図7参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図7の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図7参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。また小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2912)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2913)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図19に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
8.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図41〜図52に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図42に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図43に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40a(図6参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図6参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図44に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図45に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド,特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド,特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から小当たり遊技終了コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する宇宙モード移行設定処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述するラウンド遊技演出選択処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、低確非時短状態に制御されているときに昼モード(図13(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また高確時短状態に制御されているときに夜モード(図13(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また高確非時短状態に制御されているときに宇宙モード(図13(C)参照)に設定する場合には、モードステータスに「3」をセットする。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
図46に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。次に、遊技状態指定コマンドに含まれている情報(確変カウンタの値の情報、時短カウンタの値の情報、時短小当たりカウンタの値の情報)に基づいて、各種演出カウンタの値の情報を更新する(S4503)。具体的には、確変カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている確変演出カウンタの値を更新する。また、時短カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている時短演出カウンタの値を更新する。また時短小当たりカウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている時短小当たり演出カウンタの値の情報を更新する。
続いて、遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4504)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(確変フラグがONか否かの情報、時短フラグがONか否かの情報)が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4504でYES)、ステップS4505に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4504でNO)、本処理を終える。
ステップS4505では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4505でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4506)、左打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4507)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aの左上部に左打ち画像(図示省略)を所定時間だけ表示する。この左打ち画像の表示により、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行したときに、遊技者に左打ちを促すことが可能である。
ステップS4507を経て、ステップS4514に進むと、昼モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図13(A)に示すように、表示画面50aに昼背景画像H1を表示する。こうして遊技者には、昼背景画像H1の表示により、演出モードが昼モード(通常遊技状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
またステップS4505でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4508)。高確時短状態の情報であれば(S4508でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4509)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4510)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図13(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
ステップS4510を経て、ステップS4514に進むと、夜モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図13(B)に示すように、表示画面50aに夜背景画像H2を表示する。こうして遊技者には、夜背景画像H2の表示により、演出モードが夜モード(高確時短状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
またステップS4508でNOと判定された場合、高確非時短状態であることになる。この場合、ステップS4511にて大当たり遊技が終了する状況であるか否かを判定する(S4511)。大当たり遊技が終了する状況であれば(S4511でYES)、モードステータスに「3」をセットして(S4512)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4513)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図13(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
ステップS4513を経て、ステップS4514に進むと、宇宙モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図13(C)に示すように、表示画面50aに宇宙背景画像H3を表示する。こうして遊技者には、宇宙背景画像H3の表示により、演出モードが宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
ステップS4511でNOと判定された場合、背景演出コマンドをセットすることなく、本処理を終える。なおステップS4511でNOと判定される場合とは、時短状態にて小当たりに特定回数(時短小当たり回数)だけ当選して、時短状態から非時短状態に移行する場合である。この場合については、後述する。
[変動演出開始処理]図47に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図22参照)や特図2大当たり判定処理(図26参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図23参照)や特図2変動パターン選択処理(図27参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
続いて、モードステータスの値を参照する(S4602)。そして、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、後述する変動演出パターン選択処理を実行する(S4604)。次に、予告演出の選択を行う(S4605)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出の例としては、大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄EZによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
ステップS4605に続いて、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とに基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4606)、本処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[変動演出パターン選択処理]図48に示すように、変動演出パターン選択処理(S4604)ではまず、演出制御用マイコン121は、小当たりに当選している状況かを判定する(S4701)。なお小当たりに当選しているか否かは、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの情報や、特図停止図柄データの情報に基づいて判断すれば良い。小当たりに当選している状況であれば(S4701でYES)、続いて、モードステータスの値が「2」であるか否かを判定する(S4702)。モードステータスの値が「2」であれば(S4702でYES)、ステップS4703に進む。要するに、高確時短状態で小当たりに当選している状況であれば、ステップS4703に進むことになる。
ステップS4703では、時短小当たり演出カウンタの値を参照する。そして、参照した時短小当たり演出カウンタの値の情報を含む獲得成功演出の変動演出パターンを選択して(S4704)、ステップS4705に進む。獲得成功演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、獲得成否演出の後に獲得成功演出を伴う変動演出を実行する。
ここで、獲得成否演出と獲得成功演出について説明する。獲得成否演出は、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、小当たりに当選したか否かを煽る演出である。本形態では上述したように、高確時短状態において、小当たりに当選した回数が多いほど、遊技者にとって有利な高確非時短状態への移行に近づくことになる。従って、獲得成否演出の実行により、遊技者には、高確時短状態での小当たりに当選していることを期待させるようにしている。本形態の獲得成否演出では、図53(F)に示すように、主人公キャラと敵キャラとが戦って、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得できるか否かを煽る演出画像KHが表示画面50aに表示される。
獲得成功演出(示唆演出)は、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、小当たりに当選したことを示して、宇宙モード(高確非時短状態)への移行に近づくことを示唆する演出である。本形態の獲得成功演出では、図53(G)に示すように、主人公キャラが敵キャラに勝利して、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得したことを示す演出画像KSが表示画面50aに表示される。この獲得成功演出により、遊技者には、高確時短状態で小当たりに当選したことにより高揚感を与えることが可能である。そして本形態では、エンブレムを獲得した数によって、高確時短状態で小当たりに当選した回数を示すようにしている。よって演出画像KSでは、時短小当たり演出カウンタの値に対応して、「GET×(時短小当たり演出カウンタの値)」の文字画像MGが併せて表示される。この文字画像MGにより、遊技者は、高確時短状態で小当たりに何回当選したのかを把握することが可能である。
図48の説明に戻る。ステップS4705では、時短小当たり演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。「0」でなければ(S4705でNO)、本処理を終える。「0」であれば(S4705でYES)、高確時短状態で小当たりに特定回数(時短小当たり回数)だけ当選している状況であり、小当たり契機移行演出の変動演出パターンを選択して(S4706でYES)、本処理を終える。小当たり契機移行演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、獲得成功演出の後に小当たり契機移行演出を実行する。
小当たり契機移行演出は、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、小当たりに時短小当たり回数(特定回数)だけ当選したことにより、宇宙モード(高確非時短状態)への移行を示唆する演出である。本形態の小当たり契機移行演出では、図53(J)に示すように、「(小当たりに当選した回数)個GETで宇宙モード突入」の文字画像KKが表示画面50aに表示される。この小当たり契機移行演出により、遊技者には、小当たり当選を契機として、宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることを把握させることが可能である。この小当たり契機移行演出が、「小当たり当選と判定された回数が特定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出」に相当する。
ステップS4702の判定結果がNOであれば、続いて、モードステータスの値が「3」であるか否かを判定する(S4707)。モードステータスの値が「3」であれば(S4707でYES)、ステップS4708に進む。要するに、高確非時短状態で小当たりに当選している状況であれば、ステップS4708に進むことになる。ステップS4708では、獲得チャンス演出の変動演出パターンを選択して、本処理を終える。獲得チャンス演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、獲得チャンス演出を伴う変動演出を実行する
獲得チャンス演出は、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、小当たりに当選したことを示す演出である。本形態の獲得チャンス演出では、図55(B)に示すように、表示画面50aにて、演出図柄EZの変動表示が実行された後、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(例えば「135」)が停止表示されると共に、「獲得チャンス」の文字画像NGが表示される。この獲得チャンス演出により、遊技者には、高確非時短状態で小当たりに当選したことによる高揚感を与えることが可能である。つまり小当たりラッシュ状態で出玉が増えるチャンスを把握させることが可能である。
ステップS4701でNOと判定されると、続いて、モードステータス値が「2」であって且つハズレである状況かを判定する(S4709)。なおハズレであるか否かは、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの情報や、特図停止図柄データの情報に基づいて判断する。ステップS4709の判定結果がYESであれば、続いて、確変図柄2,3(特図1_確変図柄2,3又は特図2_確変図柄2,3)で当選したのかを否かを判定する(S4710)。ステップS4710の判定結果がYESであれば、確変図柄2,3に当選した後に高確時短状態でハズレを示す変動演出が実行される状況であり、ステップS4711に進む。
ステップS4711では、時短演出カウンタの値を参照する。そして、参照した時短演出カウンタの値の情報を含む回数示唆演出の変動演出パターンを選択して(S4712)、ステップS4713に進む。回数示唆演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、回数示唆演出を伴う変動演出を実行する。
回数示唆演出(変動示唆演出)は、確変図柄2,3への当選を契機として夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数を示して、宇宙モード(高確非時短状態)への移行に近づくことを示唆する演出である。本形態では、確変図柄2,3への当選を契機として、高確時短状態に移行した場合、特別図柄の変動表示が実行される度に、遊技者にとって有利な高確非時短状態への移行に近づく。従って、回数示唆演出の実行により、遊技者には、残り何回実行されれば高確非時短状態に移行できるのかを把握させると共に、高確非時短状態への移行に徐々に近づく期待感を抱かせることが可能である。本形態の回数示唆演出では、時短演出カウンタの値に基づいて、例えば図54(C)に示すように、表示画面50aの右下部にて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)回目」の文字画像KMが表示される。
ステップS4713では、時短演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。「0」であれば(S4713でYES)、高確時短状態で時短回数を消化した状況であり、変動契機移行演出の変動演出パターンを選択して(S4714)、本処理を終える。変動契機移行演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、変動演出の最後に変動契機移行演出を実行する。
変動契機移行演出は、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、特図の変動回数が時短回数に達したことにより、宇宙モード(高確非時短状態)への移行を示唆する演出である。本形態の変動契機移行演出では、図54(I)に示すように、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHが表示画面50aに表示される。この変動契機移行演出により、遊技者には、特別図柄の変動表示が時短回数に達することを契機として、宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることを把握させることが可能である。この変動契機移行演出が、「識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出」に相当する。
ステップS4707、S4709、S4710、S4713でNOと判定されると、その他の変動演出パターンを選択して(S4715)、本処理を終える。具体的にステップS4715では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの各値)および変動パターンの種類(図10のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、SPリーチの種類の詳細等を含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。なお夜モードに設定されているときに小当たりに当選した場合には、図53(F)に示す獲得成否演出を経て図53(G)に示す獲得成功演出が実行される場合を示したが、夜モードに設定されているときにハズレである場合には、図53(F)に示す獲得成否演出を経て、小当たり当選でないことを示す獲得失敗演出(図示省略)が実行される場合もあり得る。
[宇宙モード移行設定処理]宇宙モード移行設定処理(S4408)は、遊技制御基板100から小当たり遊技終了コマンドを受信したときに、宇宙モードに移行するか否かを決める処理である。図49に示すように、宇宙モード移行設定処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン121は、モードステータスの値が「2」であるか否かを判定する(S4801)。「2」でなければ(S4801でNO)、本処理を終える。一方、「2」であれば(S4801でYES)、高確時短状態であることになり、続いて、時短小当たり演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4802)。「0」でなければ(S4802でNO)、夜モードから宇宙モードへ切替えるタイミングでないため、本処理を終える。
一方、時短小当たり演出カウンタの値が「0」であれば(S4802でYES)、モードステータスの値を「3」にセットする(S4803)。これにより高確時短状態にて、小当たりに時短小当たり回数だけ当選した後、小当たり遊技が終了したタイミングで、夜モードから宇宙モードに切替えられる。ステップS4803の後、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4804)。そして、背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4805)、本処理を終える。これにより、右打ち表示コマンド及び宇宙モードの設定に基づく背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、図55(A)に示すように、表示画面50aにて、宇宙背景画像H3が表示されると共に、右打ち画像Raが表示される。こうして、夜モードで小当たりに時短小当たり回数だけ当選した場合には、小当たり遊技の終了時点で、宇宙モードに切替わるようにしている。
[オープニング演出選択処理]図50に示すように、オープニング演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを解析する(S5001)。なお本形態では、オープニングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、モードステータスの値が「3」で小当たりに当選している状況か否かを判定する。ステップS5002の判定結果がYESであれば、宇宙モード(高確非時短状態)で小当たり遊技が開始される状況であり、入球チャンス演出パターンを選択して(S5003)、ステップS5007に進む。
ステップS5003を経てステップS5007に進むと、入球チャンス演出パターンにて、小当たり遊技中の演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5007)、本処理を終える。このオープニング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、小当たり遊技の実行中に、表示画面50aにて入球チャンス演出を実行する。入球チャンス演出は、宇宙モード(高確非時短状態)にて、小当たり遊技中に第2大入賞口15への入賞が可能であることを示唆する演出である。本形態の入球チャンス演出では、図55(C)に示すように、表示画面50aにて「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。この入球チャンス演出により、遊技者には、第2大入賞口15への打込みを促すと共に、第2大入賞口15に入賞できることによる高揚感を与えることが可能である。
ステップS5002の判定結果がNOであれば、続いて、大当たりに当選した状況か否かを判定する(S5004)。ステップS5004の判定結果がYESであれば、大当たり遊技が開始される状況であり、バトル突入演出パターンを選択して(S5005)、ステップS5007に進む。ステップS5005を経てステップS5007に進むと、バトル突入演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5005)、本処理を終える。このオープニング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、オープニング演出として、表示画面50aにてバトル突入演出を実行する。バトル突入演出は、バトル演出の開始を示す演出であり、バトル演出は、後述するように当選した大当たり図柄が確変図柄(確変図柄1,2,3,特図2_確変図柄4、図7参照)であるか否かを煽る演出である。
ステップS5004の判定結果がNOであれば、その他のオープニング演出パターンを選択して(S5006)、ステップS5007に進む。ステップS5007では、上述したように、オープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[ラウンド演出選択処理]図51に示すように、ラウンド演出選択処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン121は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5101)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、当選した大当たり図柄が確変図柄1,2,3(特図1_確変図柄1,2,3又は特図2_確変図柄1,2,3)であるか否かを判定する(S5102)。
ステップS5102の判定結果がYESであれば、バトル勝利演出の演出パターンを選択して(S5103)、ステップS5107に進む。そして、バトル勝利演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出を経てバトル勝利演出を実行する。
本形態のバトル演出では、図53(B)に示すように、表示画面50aにて、主人公キャラと敵キャラとが戦う演出画像BTが表示される。バトル勝利演出は、主人公キャラが敵キャラに勝利することを示す演出である。本形態のバトル勝利演出では、表示画面50aにて、「勝利」の文字画像BSが表示される。このバトル勝利演出により、遊技者には、確変図柄1,2,3に当選したことを把握させることが可能である。
ステップS5102の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が特図2_確変図柄4(図7参照)であるか否かを判定する。上述したように、特図2_確変図柄4に当選した場合、大当たり遊技後にいきなり高確非時短状態に移行できるため、遊技者にとっては最も有利な大当たり図柄に当選したことになる。ステップS5104の判定結果がYESであれば、覚醒バトル勝利演出の演出パターンを選択して(S5105)、ステップS5107に進む。そして、覚醒バトル勝利演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出から覚醒演出を経てバトル勝利演出を実行する。
覚醒演出は、バトル勝利演出の前に、主人公キャラが覚醒することを示す演出である。本形態の覚醒演出では、図55(F)に示すように、覚醒した主人公キャラを示す演出画像KQが表示される。この覚醒演出により、遊技者には、特図2_確変図柄4に当選したことを把握させることが可能であり、確変図柄1,2,3に当選した場合よりも、高揚感を与えることが可能である。本形態では、特図2_確変図柄4は、特図2の抽選で当選する大当たり図柄の中で最も振分率が低い大当たり図柄である(図7参照)。そのため、覚醒演出を見た遊技者には、希少価値のある特図2_確変図柄4を引き当てたことによる達成感を与えることが可能である。
ステップS5104の判定結果がNOであれば、通常図柄(特図1_通常図柄,特図2_通常図柄)に当選していることになる。この場合には、バトル敗北演出の演出パターンを選択して(S5106)、ステップS5107に進む。そして、バトル敗北演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出を経てバトル敗北演出を実行する。本形態のバトル敗北演出では、表示画面50aにて、「敗北」の文字画像(図示省略)が表示される。このバトル敗北演出により、遊技者には、通常図柄に当選したことを把握させることが可能である。
[エンディング演出選択処理]図52に示すように、エンディング演出選択処理(S4414)ではまず、演出制御用マイコン121は、エンディングコマンドを解析する(S5201)。なお本形態では、エンディングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、当選した大当たり図柄が確変図柄1(特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1)であるか否かを判定する(S5202)。ステップS5202の判定結果がYESであれば、第1移行告知演出パターンを選択して(S5203)、ステップS5211に進む。そして、第1移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5211)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて第1移行告知演出を実行する。
第1移行告知演出は、大当たり遊技後の夜モード(高確時短状態)にて、小当たりに10回当選すると宇宙モード(高確非時短状態)に移行できることを告知する演出である。本形態の第1移行告知演出では、図53(D)に示すように、表示画面50aにて、「エンブレム10個GETで宇宙モードへのチャンス」の文字画像E1が表示される。この第1移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後に小当たりに10回当選すれば、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。
ステップS5202の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が確変図柄2(特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2)であるか否かを判定する(S5204)。ステップS5204の判定結果がYESであれば、第2移行告知演出パターンを選択して(S5205)、ステップS5211に進む。そして、第2移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5211)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて第2移行告知演出を実行する。
第2移行告知演出は、大当たり遊技後の夜モード(高確時短状態)にて、小当たりに3回当選するか、又は特別図柄の変動表示が100回実行されると、宇宙モード(高確非時短状態)に移行できることを告知する演出である。本形態の第2移行告知演出では、図54(D)に示すように、表示画面50aにて、「エンブレム3個GET又は100変動で宇宙モードへのチャンス」の文字画像E2が表示される。この第2移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後に小当たりに3回当選する、又は特別図柄の変動表示を100回実行すれば、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。
ステップS5204の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が確変図柄3(特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3)であるか否かを判定する(S5206)。ステップS5206の判定結果がYESであれば、第3移行告知演出パターンを選択して(S5207)、ステップS5211に進む。そして、第3移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5211)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて第3移行告知演出を実行する。
第3移行告知演出は、大当たり遊技後の夜モード(高確時短状態)にて、小当たりに1回当選するか、又は特別図柄の変動表示が40回実行されると、宇宙モード(高確非時短状態)に移行できることを告知する演出である。本形態の第3移行告知演出では、表示画面50aにて、「エンブレム1個GET又は40変動で宇宙モードへのチャンス」の文字画像(図示両略)が表示される。この第3移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後に小当たりに1回当選する、又は特別図柄の変動表示を40回実行すれば、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。以上、大当たり図柄の種類に応じて、エンディング演出として第1移行告知演出又は第2移行告知演出或いは第3移行告知演出を実行することで、遊技者には、大当たり遊技後の高確時短状態から更に有利な高確非時短状態へどのくらい移行し易いのかを把握させることが可能である。
ステップS5206の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が特図2_確変図柄4であるか否かを判定する(S5208)。ステップS5208の判定結果がYESであれば、特別移行告知演出パターンを選択して(S5209)、ステップS5211に進む。そして、特別移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5211)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて特別移行告知演出を実行する。
特別移行告知演出は、大当たり遊技後にいきなり宇宙モード(高確時短状態)に突入することを告知する演出である。本形態の第1移行告知演出では、図55(H)に示すように、表示画面50aにて、「宇宙モード突入」の文字画像UTが表示される。この特別移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後にいきなり宇宙モードに移行できることを把握させることが可能である。
ステップS5208の判定結果がNOであれば、当選した大当たり図柄が通常図柄(特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄)であることになる。この場合には、ステップS5210に進み、通常移行告知演出パターンを選択して(S5210)、ステップS5211に進む。そして、通常移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5211)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて通常移行告知演出を実行する。通常移行告知演出は、大当たり遊技後に昼モード(低確非時短状態、通常遊技状態)に移行することを告知する演出である。
9.演出例
<演出例1>
次に本形態の演出例1について、図53に基づいて説明する。先ず図53(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、表示画面50aにて特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。この特図1の抽選では、特図1_確変図柄1に当選したこととする。この場合、大当たりへの当選を示す変動演出を経て、大当たり遊技が開始される。そして図53(B)に示すように、ラウンド演出としてバトル演出が開始される。その後図53(C)に示すように、バトル勝利演出が実行される。これにより遊技者は、この時点において、特図1_確変図柄1又は特図1_確変図柄2或いは特図1_確変図柄3の何れかに当選したと把握することが可能である。
その後、図53(D)に示すように、エンディング演出として第1移行告知演出が実行される。この第1移行告知演出では、「エンブレム10個GETで宇宙モードへのチャンス」の文字画像E1が表示される。これにより、遊技者は、確変図柄1に当選していて、小当たりに10回当選できれば宇宙モード(高確非時短状態)に移行できるのを把握することが可能である。
そして大当たり遊技後に、高確時短状態に移行すると、図53(E)に示すように、夜モードに設定される。つまり表示画面50aに夜背景画像H2が表示される。夜モードに設定されているときには、基本的に特図2の抽選に基づく変動演出が実行される。なお確変図柄1の当選を契機として夜モードに移行しているため、特別図柄が変動表示しても、回数示唆演出が実行されることはない。特別図柄の変動表示が10000回に達して、高確非時短状態に移行することは実質的に不可能だからである。
ここで夜モードにおいて、特図2の抽選で小当たりに当選したこととする。この場合には、図53(F)に示すように、先ず獲得成否演出が実行される。これにより遊技者には、小当たりに当選しているのか否かに注目させることが可能である。そして、図53(G)に示すように、獲得成功演出により、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得したことを示す演出画像KSが表示されると共に、「GET×1」の文字画像MGが表示される。
こうして遊技者には、夜モードで小当たりに1回当選して、宇宙モードへの移行に近づいたことを把握させることが可能である。なお本形態では、図53(H)に示すように、表示画面50aの下部にて、獲得したエンブレムの演出画像G1を表示する小当たり回数示唆演出が実行される。よって遊技者は、夜モードにおいて何回小当たりに当選したのかを常に把握することが可能である。また小当たりに当選せずに、ハズレである場合には、獲得成否演出が実行された後に、獲得失敗演出が実行され得るようになっている。獲得示唆演出では、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得できなかったことを示す演出画像(図示省略)が表示される。
ところで本パチンコ遊技機PY1において、夜モードにおいて、高確率状態は実質的に次回の大当たりの当選まで継続する。しかしながら遊技者にとっては、大当たりに当選するよりも、宇宙モード(高確非時短状態)への移行を望む遊技性(ゲーム性)になっている。即ち、大当たりを引き当てる前にできるだけ多く小当たりに当選するのを期待させる遊技性になっている。こうして本パチンコ遊技機PY1では、夜モード(高確時短状態)おいて、大当たりへの当選よりも、小当たりへの当選を期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
夜モードにおいて、小当たりに10回当選したこととする。この場合には、図53(I)に示すように、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得したことを示す演出画像KSが表示されると共に、「GET×10」の文字画像MGが表示される。その後、図53(J)に示すように、小当たり契機移行演出が実行される。こうして遊技者には、夜モードにおいて小当たりに10回当選したことを契機として、宇宙モードに移行するのを把握させることが可能である。
<演出例2>
次に本形態の演出例2について、図54に基づいて説明する。この演出例では、確変図柄2に当選したこととする。この場合には、図54(A)に示すように、ラウンド演出としてバトル勝利演出が実行される。その後、図54(B)に示すように、エンディング演出として第2移行告知演出が実行される。この第2移行告知演出では、「エンブレム3個GET又は100変動で宇宙モードへのチャンス」の文字画像E2が表示される。これにより、遊技者は、確変図柄1よりも有利な確変図柄2に当選していて、小当たりに3回当選するか、又は特別図柄の変動表示を100回実行すれば宇宙モード(高確非時短状態)に移行できるのを把握することが可能である。
そして大当たり遊技後に、高確時短状態に移行すると、図54(C)に示すように、夜モードに設定される。この場合において、変動演出が実行される度に、表示画面50aの右下部にて、回数示唆演出が実行されるようになっている。つまり図54(C)に示すように、高確非時短状態に移行してから初めて特別図柄の変動表示が実行されると、「1回目」の文字画像KMが表示される。その後、図53(D)に示すように、変動演出が終了した後、図53(E)に示すように、次の変動演出が開始されると、「2回目」の文字画像KMが表示される。こうして遊技者には、変動演出が実行される度に、宇宙モードへの移行に徐々に近づくことを把握させて、高揚感を徐々に高めることが可能である。よって、高確時短状態での演出に飽きさせないようにすることが可能である。
ここで、夜モードに設定されてから、小当たりに全く当選せずに、図54(F)に示すように、特別図柄の変動表示が99回実行されたこととする。そして、図54(G)(H)に示すように、100回目の変動演出が実行されると、図54(I)に示すように、変動演出の最後に変動契機移行演出が実行される。この変動契機移行演出では、「100変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHが表示画面50aに表示される。これにより遊技者には、特別図柄の100回の変動表示を契機として宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることによる達成感を与えることが可能である。つまり、小当たりになかなか当選できなくても、特別図柄の変動表示を100回実行したことによって、より有利な遊技状態への移行を獲得できたという満足感を与えることが可能である。
こうして本パチンコ遊技機PY1では、夜モード(高確時短状態)おいて、遊技者にとっては、大当たりに当選するよりも、特別図柄の変動表示が時短回数(規定回数)だけ実行されるのを望む遊技性(ゲーム性)になっている。即ち、大当たりを引き当てる前に、できるだけハズレによって特別図柄の変動表示を消化するのを期待させる遊技性になっている。こうして本パチンコ遊技機PY1では、ハズレを規定回数だけ引き続けると、有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
<演出例3>
次に本形態の演出例3について、図55に基づいて説明する。この演出例では、図55(A)に示すように、宇宙モードに設定されていて、表示画面50aに宇宙背景画像H3が表示されている。ここで、特図2の抽選で小当たりに当選したこととする。この場合には、図55(B)に示すように、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「135」)が停止表示される。更に、獲得チャンス演出として、「獲得チャンス」の文字画像NGが表示される。これにより遊技者には、第2大入賞口15へ入賞させるチャンスが生じたことを把握させることが可能である。
その後、小当たり遊技が開始されると、図55(C)に示すように、入球チャンス演出が実行される。即ち、「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。これにより遊技者には、遊技領域6(図3参照)の右下側にある第2大入賞口15が開放することを把握させて、出玉を増やすことができるという小当たりラッシュ状態を堪能させることが可能である。なお小当たり遊技が終了すると、図55(D)に示すように、「入球チャンス」の文字画像NTと矢印画像YGは表示されなくなる。
そして、宇宙モードに設定されているときに、特図2の抽選で、特図2_確変図柄4に当選したこととする。この場合には、図55(E)に示すように、ラウンド演出としてバトル演出が実行された後、図55(F)に示すように、ラウンド演出として覚醒演出が実行される。続いて、図55(G)に示すように、バトル勝利演出が実行される。こうして、覚醒演出を見た遊技者には、単にバトル演出からバトル勝利演出だけが実行される場合に比して、有利になること把握させることが可能である。
その後、図55(H)に示すように、エンディング演出として特別移行告知演出が実行される。特別移行告知演出では、「宇宙モード突入」の文字画像UTが表示される。これにより遊技者には、大当たり遊技後に夜モードを経由しないでも、いきなり宇宙モードに移行できることを把握させることが可能である。即ち、大当たり図柄の中でも最も有利な大当たり図柄(特図2_確変図柄4)を引き当てたことによる満足感を与えることが可能である。
10.本形態の効果
<A>以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態において、小当たりに予め定められた時短小当たり回数(特定回数)だけ当選すると、高確時短状態から高確非時短状態に移行する。つまり図12に示すように、例えば特図1の抽選で、特図1_確変図柄1に当選して、大当たり遊技後に高確時短状態に制御された場合、小当たりに10回だけ当選すると、高確時短状態から高確非時短状態に移行する。従って遊技者には、高確時短状態での小当たりへの当選回数に注目させることが可能であり、小当たりに対する新たな遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態は、高確時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(小当たりラッシュ状態)である。従って遊技者には、高確時短状態において早く小当たりに時短小当たり回数だけ当選するのを期待させるゲーム性になり、新たな遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図12に示すように、特図1_確変図柄1に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、小当たりに10回だけ当選すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄2に当選した場合、大当たり遊技後に高確時短状態において、小当たりに3回だけ当選すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄3に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、小当たりに1回だけ当選すると、有利な高確非時短状態に移行する。つまり、特図1_確変図柄1⇒特図1_確変図柄2⇒特図1_確変図柄3の順番に、高確非時短状態に移行し易くなる。こうして、どの大当たり図柄に当選したかによって、小当たりの当選回数に基づく高確非時短状態への移行のし易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態では、小当たりの当選に基づく第2大入賞口15の開放によって、遊技球が第2大入賞口15に入賞し易くなる(図3(B)参照)。つまり、高確非時短状態では、小当たりラッシュ状態になる。よって、持ち球を増やしつつ(ベースが「1」以上になって)、次回の大当たり当選を狙うことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、小当たりに当選する度に、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する獲得成功演出(図53(G)参照)が実行される。そのため、獲得成功演出を把握した遊技者には、有利な高確非時短状態への移行に近づく高揚感を与えることが可能である。
<B>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放によって、遊技球が第2大入賞口15に入賞し易くなる。この高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)は、大当たり遊技後に、すぐに移行するわけではなく、高確時短状態を経て移行し得る。従って遊技者には、図12に示すように、大当たり遊技後に、高確時短状態から有利な高確非時短状態への移行を期待させるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。即ち、従来のほとんどのパチンコ遊技機では、大当たり遊技後に最も有利な遊技状態に移行し得る。これに対して本形態では、大当たり遊技後の高確時短状態を経て、最も有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行し得る。従って、遊技者が抱く固定概念を覆すことができ、斬新な印象を抱かせることが可能である。
ところで一般的に、時短状態から非時短状態に移行すると、持ち球が減り易くなって遊技者に不利になる場合が多い。しかしながら本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、時短状態を含む高確時短状態から、非時短状態を含む高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することで、持ち球を徐々に増やすことが可能な有利な遊技状態になる。これにより、非時短状態への移行を期待させるという従来とは逆の興趣性を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態から、高確非時短状態に移行すれば、高確率状態を維持しつつ、小当たり当選に基づいて持ち球を徐々に増やすことが可能である。言い換えると、従来の一般的な高確非時短状態では、潜伏確変状態のようになっていて、持ち球が増えることがない。よって、従来の高確非時短状態とは全く異なる状態になって、遊技者に高確非時短状態への移行を最も期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、特別図柄の変動表示の実行回数が時短回数(規定回数)に達すれば、高確非時短状態に移行する。つまり図12に示すように、例えば特図1の抽選で、特図1_確変図柄2に当選して、大当たり遊技後に高確時短状態に制御された場合、特別図柄の変動表示が100回実行されると、高確非時短状態に移行する。こうして遊技者に対して、高確時短状態においてなかなか小当たりに当選しなくても、特別図柄の変動表示を時短回数だけ実行すれば、有利な高確非時短状態に移行できるという斬新な期待感を抱かせることが可能である。
<C>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、特別図柄の変動表示の実行回数が時短回数(規定回数)に達すれば、高確非時短状態になって、小当たりラッシュ状態になる。これにより、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易くなって、持ち球を徐々に増やすことが可能である。従って、高確時短状態において、特別図柄の変動表示を時短回数だけ実行してでも、高確非時短状態を獲得しようとする遊技意欲を掻き立てることが可能である。即ち遊技者には、高確時短状態にて所謂「天井」に到達するかのような印象を抱かせて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1_確変図柄1に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特別図柄の変動表示を10000回実行すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄2に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特別図柄の変動表示を100回実行すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄3に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特別図柄の変動表示を40回実行すると、有利な高確非時短状態に移行する。つまり、特図1_確変図柄1⇒特図1_確変図柄2⇒特図1_確変図柄3の順番に、高確非時短状態に移行し易くなる。こうして、どの大当たり図柄に当選したかによって、特図の変動回数に基づく高確非時短状態への移行のし易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図1_確変図柄1に当選した場合、高確時短状態において、特別図柄の変動表示を10000回まで実行することは実質的に不可能である。従ってこの場合には、特別図柄の変動表示を契機として、有利な高確非時短状態へ移行することができない。これに対して、特図1_確変図柄3に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特別図柄の変動表示を40回実行することは可能である。従ってこの場合には、特別図柄の変動表示を契機として、有利な高確非時短状態へ移行することができる。よって、特図1_確変図柄1又は特図1_確変図柄3のどちらに当選したかによって、遊技者の有利な度合いが大きく異なり、斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、確変図柄2又は確変図柄3への当選を契機として高確時短状態に移行した場合、特別図柄が変動表示する度に、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する回数示唆演出(図54(C)(D)(E)参照)が実行される。そのため、回数示唆演出を把握した遊技者には、有利な高確非時短状態への移行に近づく高揚感を与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、特別図柄の変動表示の実行回数が時短回数(規定回数)に達する前であっても、小当たりに時短小当たり回数(特定回数)だけ当選すると、有利な高確非時短状態に移行することができる。こうして、有利な高確非時短状態への移行方法が、特別図柄の変動表示に基づく場合と、小当たりの当選に基づく場合とがあり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、小当たりに時短小当たり回数だけ当選すると、高確時短状態が終了する際の演出として、小当たり契機移行演出(図53(J)参照)が実行される。一方、高確時短状態において、特別図柄の変動表示が時短回数だけ実行されると、高確時短状態が終了する際の演出として、変動契機移行演出(図53(I)参照)が実行される。これら小当たり契機移行演出と変動契機移行演出とは、時短状態が終わるという状況は同じであっても、異なる演出になっている。従って遊技者にとっては、上記のどちら(小当たり又は特別図柄の変動表示)を契機として、高確非時短状態に移行するのかを把握し易くすることが可能である。
<D>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図14に示すように、高確時短状態の終了契機となる特別図柄(第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行させる。これにより、時短状態の終了条件(上述した通常終了条件又は特別終了条件)が成立したタイミングと時短状態の終了タイミングとを一致させることが可能である。こうして、高確時短状態の終了契機となる特別図柄の変動表示中及び停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができ、時短状態の残存に対する開発負担を無くすことが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に実行可能なものである。従って、図14(A)に示すように、例えば高確時短状態で100回目の第2特別図柄の変動表示が実行されたタイミングで時短状態が終了することで、その直後に図14(C)に示すようにイレギュラーで第1特別図柄が変動表示する場合があり得る。この場合には、その第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。よて、時短状態で101回目の特別図柄の変動表示が許容されてしまう事態を防ぐことが可能である。
更に、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、例えば確変図柄2に当選した後、図14(B)に示すように、高確時短状態で3回の小当たりに当選すると、3回目の小当たり当選を示す特別図柄が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態が終了する。これにより、時短状態の終了条件(特別終了条件)が成立したタイミングと、時短状態の終了タイミングとが一致することになり、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示中や停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図56に基づいて第2形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂ループ機であった。これに対して第2形態では、特別図柄の変動表示が所定の上限実行回数(ST回数)に至るまで継続する所謂ST機になっている。
図56に示すように、第2形態におけるST回数は、200回に設定されている。具体的には、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が200回で、時短小当たり回数が10回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、高確時短状態に移行してから特図の変動回数が200回に至るまでに、小当たりに10回当選しない限り、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できないことになる。言い換えれば、上述した200回の変動回数のうち、できるだけ早く小当たりに10回当選すると、ST回数がより多く残る高確非時短状態に移行できることになる。従ってこのときには、残ったST回数が全て消化されるまで、より長く小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。
また、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が100回で、時短小当たり回数が3回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、高確時短状態に移行してから変動回数が100回に至れば、高確非時短状態に移行することができる。従ってこの場合には、100回分の残ったST回数の分だけ、小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。一方、高確時短状態に移行してから変動回数が100回に至る前であっても、小当たりに3回当選すれば、ST回数が100回以上残る高確非時短状態に移行することができる。こうして、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合よりも、ST回数がより多く残った高確非時短状態に移行し易くて、小当たりラッシュ状態が長くなり易いという点で有利である。
また、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が40回で、時短小当たり回数が1回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、高確時短状態に移行してから変動回数が40回に至れば、高確非時短状態に移行することができる。従ってこの場合には、160回分の残ったST回数の分だけ、小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。一方、高確時短状態に移行してから変動回数が40回に至る前であっても、小当たりに1回当選すれば、ST回数が160回以上残る高確非時短状態に移行することができる。こうして、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合よりも、ST回数がより多く残った高確非時短状態に移行し易くて、小当たりラッシュ状態が長くなり易いという点で有利である。
また、特図2_確変図柄4に当選した場合には、大当たり遊技後に、ST回数が200回に設定される高確非時短状態に移行する。即ち、高確時短状態を経ないで、200回分のST回数の全てにおいて、小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。こうして、特図2_確変図柄4に当選した場合には、その他の確変図柄に当選した場合よりも、小当たりラッシュ状態を長く楽しむことができるという点で最も有利である。
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、確変図柄1,2,3に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、できるだけ早く高確非時短状態に移行できれば、より長く小当たりラッシュ状態を堪能することができる。即ち、上記第1形態と異なり、高確率状態が実質的に次回の大当たりに当選するまで継続するわけではないため、小当たりにできるだけ早く且つ多く当選できるほど、その後の小当たりラッシュ状態を堪能できる長さが異なることになる。よって遊技者に対して、できるだけ早く高確時短状態から高確非時短状態へ移行するのを期待させるという斬新な遊技性(ゲーム性)を提供することが可能である。
ここで、第1形態のパチンコ遊技機PY1では、高確非時短状態で、大当たりに当選しなければ小当たりラッシュ状態が続くため、大当たりに当選しないほど有利になるという遊技性であった。これに対して、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態で、大当たりに当選しないでST回数を全て消化してしまうと、通常遊技状態に転落してしまう。よって、高確非時短状態において、小当たりラッシュ状態を長く楽しみたいものの、大当たりを引き当てなければ通常遊技状態に転落してしまうというスリリングな遊技性(ゲーム性)を実現することが可能である。
<第3形態>
図57に基づいて第3形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、図14に示すように、高確時短状態の終了契機となる特別図柄(主に第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行した。これに対して第3形態では、図57に示すように、高確時短状態の終了契機となる特別図柄が変動表示を終了するタイミング(特別図柄が停止表示を開始するタイミング)で、高確時短状態から高確非時短状態へ移行する。
具体的には、図57(A)に示すように、確変図柄2に当選した場合に、高確時短状態にて第2特別図柄が100回目として変動表示を開始した後、変動表示を終了する(停止表示を開始する)こととする。この場合には、100回目の第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態に切替える。こうして、時短状態の終了契機となる第2特別図柄(100回目の第2特別図柄)が停止表示を終了するタイミングよりも前に、高確非時短状態に切替える。その結果、時短状態の終了契機となる第2特別図柄の停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができて、時短状態の残存に対する開発負担を軽減することが可能である。つまり図57(C)に示すように、100回目の第2特別図柄の停止表示中に、仮に第1特別図柄がイレギュラーで変動表示を開始しても、その第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。
また図57(B)に示すように、確変図柄2に当選した場合に、高確時短状態にて小当たりに3回当選して、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄が変動表示を開始した後、変動表示を終了する(停止表示を開始する)こととする。この場合には、第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態に切替える。こうして、時短状態の終了契機となる第2特別図柄(3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄)が停止表示を終了するタイミングよりも前に、高確非時短状態に切替える。その結果、時短状態の終了契機となる第2特別図柄の停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができて、時短状態の残存に対する開発負担を軽減することが可能である。つまり図57(C)に示すように、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の停止表示中に、仮に第1特別図柄がイレギュラーで変動表示を開始しても、その第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、時短状態の終了条件として、通常終了条件(図57(A)参照)又は特別終了条件(図57(B)参照)の何れが成立しても、時短状態の終了契機となる第2特別図柄の停止表示中には、非時短状態として扱う。こうして従来に比べて、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、非時短状態へ切替えるタイミングとのずれを少しでも小さくして、時短状態の残存による不具合を生じ難くすることが可能である。
<第4形態>
図58に基づいて第4形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、図14(B)に示すように、高確時短状態にて、3回目の小当たり当選を示す特別図柄(第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行した。しかしながら遊技者から見れば、3回目の小当たり遊技が終了していないにも拘わらず、高確非時短状態に移行していることなる。つまり、3回目の小当たり遊技によって第2大入賞口15が開放する前から、高確非時短状態に移行しているため、遊技者にはどのタイミングで高確非時短状態に移行したのかが分かり難い。
そこで第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図58に示すように、3回目の小当たり当選を示す特別図柄(第2特別図柄)が変動表示を経て停止表示した後、その小当たり遊技(3回目の小当たり遊技)が終了したタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行する。これにより遊技者にとっては、小当たり当選を契機として、どのタイミングで高確時短状態から高確非時短状態に移行したのかが分かり易くなる。特に本形態では、高確時短状態で3回目の小当たりに当選した場合には、3回目の小当たり遊技が終了したタイミングで、高確非時短状態を示唆する宇宙背景画像H3(図13(C)参照)を表示するようにしている(図49のステップS4805参照)。従って、高確非時短状態を示唆する演出(宇宙背景画像H3の表示)の開始時点と、3回目の小当たり遊技が終了して高確非時短状態に移行するタイミングとを合わせることで、遊技者に高確非時短状態への移行時点を正確に把握させることが可能である。
<第5形態>
図59に基づいて第5形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、図14に示すように、時短状態の通常終了条件(図14(A)参照)又は時短状態の特別終了条件(図14(B)参照)の何れが成立する場合であっても、時短状態の終了契機となった特別図柄(第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行した。これに対して、第5形態のパチンコ遊技機PY1では、時短状態の通常終了条件(図59(A)参照)が成立した場合には、時短状態の終了契機となった特別図柄(例えば100回目の第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行する。一方、高確時短状態にて、時短状態の特別終了条件(図59(B)参照)が成立した場合には、時短小当たり回数(例えば3回目)に対応する小当たり遊技が終了する時点で、高確時短状態から高確非時短状態へ移行する。
この第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図59(A)に示すように、例えば高確時短状態で100回目の第2特別図柄の変動表示が開始されたタイミングで高確時短状態が終了することで、100回目の第2特別図柄の変動表示中や停止表示中に、万一第1特別図柄の変動表示が開始されても、非時短状態での第1特別図柄の変動表示として扱うことが可能である。従って、時短状態で101回目の特別図柄の変動表示が許容されてしまう事態を防ぐことが可能である。そして、図59(B)に示すように、高確時短状態で3回目の小当たり遊技が終了したタイミングで高確時短状態が終了することで、高確非時短状態に移行するタイミングと高確非時短状態を示唆する演出(宇宙背景画像H3の表示)の開始時点とを合わせることができる。従って、遊技者にとっては、小当たり当選を契機として、どのタイミングで高確時短状態から高確非時短状態に移行したのかが分かり易くなる。以上要するに、時短状態から非時短状態への切替えタイミングにおいて、第1形態で説明した作用効果と、第4形態で説明した作用効果とを併せ持つことが可能である。
<その他の変形例>
上記各形態では、図9(A)に示すように、特図2の抽選では小当たりに当選することがあるものの、特図1の抽選では小当たりに当選することがないように設定されていた。しかしながら、特図1の抽選でも小当たりに当選することがあるように設定しても良い。この場合には、図14(B)に示すように、例えば確変図柄2で当選した場合の高確時短状態において、3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示が開始したタイミングで、高確非時短状態に移行すると良い。3回目の小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示中や停止表示中に、万一特図1の抽選で小当たりに当選したとしても、その特図1の変動表示を非時短状態での小当たり当選と扱うことができるためである。つまり、時短状態にも拘わらず、小当たり当選の回数が、時短小当たり回数である3回を超えて、4回になる事態を確実に防ぐことができるためである。
また上記各形態では、図9(A)に示すように、特図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていたが、適宜変更可能である。例えば、小当たりに当選する確率を5分の1よりも低い確率に設定しても良い。この場合には、高確時短状態において、小当たり当選の回数が小当たり時短回数に到達し易くなり、更に、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放がより頻繁に実行され易い遊技性となる。一方、小当たりに当選する確率を5分の1よりも高い確率に設定しても良い。この場合には、高確時短状態において、小当たり当選の回数が小当たり時短回数に到達し難くなり、更に、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放がより頻繁には実行され難い遊技性となる。なお特図1の抽選で小当たりに当選することがある場合でも、小当たりに当選する確率は適宜変更可能である。
また上記各形態では、図9(A)に示すように、遊技状態に拘わらず、特図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていた。しかしながら、遊技状態に応じて、特図2の抽選において小当たりに当選する確率を変えても良い。例えば、高確時短状態において、特図2の抽選で小当たりに当選する確率を約10分の1に設定する。これにより、高確時短状態では、小当たりになかなか当選し難くなって、小当たり当選の回数が小当たり時短回数に到達し難いゲーム性になる。一方、高確非時短状態において、特図2の抽選では、大当たり当選を除いて、ほぼ小当たりに当選するように設定しても良い。これにより、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15が頻繁に開放されるようになって、遊技者の持ち球が増え易いゲーム性になる。
また上記各形態では、図7又は図56に示すように、各種の大当たり図柄(確変図柄,通常図柄)に当選した場合の時短回数、時短小当たり回数(時短状態が終了するまでの小当たりへの当選回数)、ST回数を設定した。しかしながら、図7又は図56に示す回数は、あくまで一例であって、勿論その他の回数に適宜設定しても良い。つまり、第1の特定回数(10回)、第2の特定回数(1回)、第1規定回数(10000回)、第2規定回数(40回)は、適宜変更可能である。例えば、確変図柄1(特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1)に当選した場合、時短小当たり回数を10回に設定したが、実質的に到達不可能な100000回に設定しても良い。この場合には、確変図柄1に当選した場合には、大当たり遊技後の高確時短状態から高確非時短状態に移行することが実質的に不可能になる。このように、高確非時短状態に移行することが不可能な大当たり図柄があるようにしても良い。なお大当たり図柄の種類も、特図1_確変図柄1〜3、特図2_確変図柄1〜4に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記各形態では、図3(B)に示すように、小当たり遊技によって開放する第2大入賞装置15D(第2大入賞口15)を電チュー12Dよりも下方に配置して、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに遊技球が第2大入賞口15の方へ流下するように設定した。しかしながら、第2大入賞装置15Dと電チュー12Dとの位置関係は、適宜変更可能である。従って、第2大入賞装置15Dを電チュー12Dよりも上方に配置しても良い。この場合には、高確時短状態では、特図2の抽選でほぼ小当たりに当選しないように設定し、高確非時短状態では、特図2の抽選で小当たりに当選し易いように設定すれば良い。このようにすれば、高確時短状態では小当たりラッシュ状態にならず、高確非時短状態では小当たりラッシュ状態にすることが可能である。
また上記各形態では、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、遊技球が第2大入賞口15へ入賞し易い小当たりラッシュ状態になるという点で、遊技者に有利であった。しかしながら、高確非時短状態において、必ずしも小当たりラッシュ状態になる必要はなく、通常遊技状態や高確時短状態よりも有利になっていれば良い。例えば、高確非時短状態で大当たりに当選した場合には、通常遊技状態や高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、出玉(実質的なラウンド数)が多い大当たりに当選し易かったり、高確率状態への移行割合が高いように設定されていても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態では、高確時短状態よりも遊技者に有利になるように設定した。しかしながら、高確非時短状態では、高確時短状態よりも遊技者に不利になるように設定しても良い。この場合には、高確時短状態にて、遊技者は高確非時短状態に転落しないように、できるだけ小当たりに当選しないことを期待するゲーム性になる。
また上記各形態では、高確時短状態(第1遊技状態)で、小当たりに時短小当たり回数だけ当選すると、高確非時短状態(第2遊技状態)に移行するようにした。しかしながら、高確時短状態で、小当たりに時短小当たり回数だけ当選すると、通常遊技状態(低確非時短状態、第2遊技状態)に移行するようにしても良い。
また上記各形態では、高確時短状態において、図53(G)に示すように、小当たりに当選する度に、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する獲得成功演出(示唆演出)を実行した。具体的には、表示画面50aにて、主人公キャラが敵キャラに勝利して、主人公キャラが敵キャラからエンブレムを獲得したことを示す演出画像KSを表示した。しかしながら、小当たり当選を契機として、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する示唆演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「1つ目ゲット」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆しても良い。
また上記各形態では、通常確率状態(低確率状態)且つ時短状態(以下「低確時短状態」と呼ぶ)に制御されることがないパチンコ遊技機PY1であった。しかしながら、低確時短状態に制御されることがあり得るパチンコ遊技機PY1としても良い。この場合には、低確時短状態において、小当たりに当選した回数が時短小当たり回数(特定回数)に達すると、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)に制御しても良い。
また上記各形態では、確変図柄2又は確変図柄3への当選を契機として高確時短状態に移行した場合、図54(C)(D)(E)に示すように、特別図柄が変動表示する度に、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する回数示唆演出(変動示唆演出)を実行した。具体的には、表示画面50aの右下部にて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)回目」の文字画像KMを表示した。しかしながら、特別図柄の変動表示を契機として、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する変動示唆演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、カウントアップの表示に替えて、カウントダウンの表示にして、「宇宙到達まで残り〜回」の演出画像を表示しても良い。また特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「1回目」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆しても良い。
また上記各形態では、高確時短状態において、特別図柄の変動表示が時短回数だけ実行されると、図54(I)に示すように、変動契機移行演出(識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出)を実行した。具体的には、表示画面50aにて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHを表示した。しかしながら、変動契機移行演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「終了」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確時短状態の終了を示唆しても良い。
また上記各形態では、高確時短状態において、小当たりに時短小当たり回数だけ当選すると、図53(J)に示すように、小当たり契機移行演出(小当たり当選と判定された回数が特定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出)を実行した。具体的には、表示画面50aにて、「(小当たりに当選した回数)個GETで宇宙モード突入」の文字画像KKを表示した。しかしながら、小当たり契機移行演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「終了」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確時短状態の終了を示唆しても良い。
また上記各形態では、高確時短状態を終了する演出として、変動契機移行演出(図54(I)参照)又は時短小当たり契機移行演出(図53(J)参照)を実行したが、これらの演出は互いに異なっていた。しかしながら、これらの演出を同一又は実質的に同一になるようにしても良い。即ち、小当たり契機移行演出の演出態様を、変動契機移行演出の演出態様と同一又は実質的に同一になるようにしても良い。この場合には、小当たり契機移行演出を初めて見た遊技者には、変動契機移行演出と同様の演出態様であることを認識させることが可能である。その結果、小当たりに時短小当たり回数だけ当選した場合に、高確時短状態が終了するのを遊技者に分かり易く示すことが可能である。要するに、小当たり当選を契機としても、高確時短状態が終了するゲーム性を理解し易くすることが可能である。なお演出が実質的に同一とは、演出態様が完全に一致していないが、同様の演出態様であると認識できる程度に似ていることを意味する。
また上記各形態では、時短状態の通常終了条件が成立した場合の時短状態(高確時短状態)の終了タイミングと、時短状態の特別終了条件が成立した場合の時短状態(高確時短状態)の終了タイミングについて、図14,図54〜図59を用いて説明した。しかしながら、時短状態の通常終了条件が成立した場合と、時短状態の特別終了条件が成立した場合とにおける時短状態の終了タイミングを、以下に示す各パターンを適宜組み合わせて、実施しても良い。即ち、(1)時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を開始するタイミング、(2)時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を終了(停止表示を開始)するタイミング、(3)時短状態の終了契機となった特別図柄の停止表示を終了するタイミング、(4)時短状態の特別終了条件が成立した場合に限り、小当たり遊技が終了するタイミング、という(1)〜(4)を適宜組み合わせて実施しても良い。
また上記各形態では、時短回数として、特図1の変動回数と特図2の変動回数との合計変動回数をカウントする構成とした。しかしながら、特図1の変動回数だけをカウントする構成や、特図2の変動回数だけをカウントする構成としてもよい。
また上記各形態では、時短小当たり回数として、特図1の抽選に基づいて当選した小当たりの回数と、特図2の抽選に基づいて当選した小当たりの回数との合計回数をカウントする構成とした。しかしながら、特図1の抽選に基づいて当選した小当たりの回数だけをカウントする構成や、特図2の抽選に基づいて当選した小当たりの回数だけをカウントする構成としても良い。
また上記各形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の総開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、第2大入賞口15の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定されるパチンコ遊技機PY1であったが、いわゆるV確機(大入賞装置の内部に設けられた特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御するパチンコ遊技機)であっても良い。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技領域(6)に配された入球口(第1始動口11,第2始動口12)及び特別入賞口(第2大入賞口15)と、
前記入球口への入球に基づいて判定処理を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
所定の第1遊技状態(高確時短状態)に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数,例えば10回,図7参照)に達すると、前記第1遊技状態から第2遊技状態(高確非時短状態)に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1遊技状態において、小当たりに特定回数だけ当選すると、第1遊技状態から第2遊技状態に移行する。従って遊技者には、第1遊技状態での小当たりへの当選回数に注目させることが可能であり、小当たり当選に対する新たな遊技興趣を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1遊技状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が前記特定回数に達すると、前記第1遊技状態よりも有利な前記第2遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1遊技状態において、小当たりに特定回数だけ当選すると、有利な第2遊技状態に移行する。従って遊技者には、第1遊技状態において早く小当たりに特定回数だけ当選するのを期待させるゲーム性になり、新たな遊技興趣を提供することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により大当たり当選であると判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能(ステップS1009,S1109の特別電動役物処理1を実行可能)であり、
前記大当たり当選のうち第1の大当たり当選(確変図柄1,図7参照)又は第2の大当たり当選(確変図柄2,図7参照)である場合には、前記大当たり遊技後に前記第1遊技状態に制御可能であり、
前記第1の大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、小当たり当選と判定された回数が第1の特定回数(10回)に達すると、前記第2遊技状態に制御する一方、
前記第2の大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、小当たり当選と判定された回数が前記第1の特定回数よりも少ない第2の特定回数(1回)に達すると、前記第2遊技状態に制御する(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1の大当たり当選の場合、大当たり遊技後に第1遊技状態に制御され得る。この場合、小当たりに第1の特定回数だけ当選すると、有利な第2遊技状態に移行する。一方、第2の大当たり当選の場合、大当たり遊技後に第1遊技状態に制御され得る。この場合、小当たりに第1の特定回数よりも少ない第2の特定回数だけ当選すると、有利な第2遊技状態に移行する。つまり、第1の大当たり当選よりも、早く第2遊技状態に移行し易くなる。こうして、第1の大当たり当選と第2の大当たり当選のどちらであるかによって、小当たりの当選回数に基づく第2遊技状態への移行し易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、小当たり当選に基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い遊技状態(小当たりラッシュ状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第2遊技状態に移行すれば、小当たり当選に基づく特別入賞口の開放によって、遊技球が特別入賞口に入賞し易くなる。そのため、持ち球を徐々に増やすことが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
前記第1遊技状態に制御されているときに小当たり当選に基づいて、前記第2遊技状態への移行に近づくことを示唆する示唆演出(獲得成功演出,図53(G)参照)を実行可能な示唆演出実行手段(ステップS4704を実行可能な演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1遊技状態において、小当たりに当選する度に、第2遊技状態への移行に近づくことを示唆する示唆演出が実行される。そのため、示唆演出を把握した遊技者には、有利な第2遊技状態への移行に近づく高揚感を与えることが可能である。
ところで、特開2006−180907号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて小当たりであるかの判定処理を実行し、小当たり当選である場合に大入賞口を開放させる小当たり遊技を実行するようになっている。しかしながら、小当たり遊技を実行可能な遊技機においては、小当たりに当選しても、小当たり遊技前と小当たり遊技後とで遊技状態が変化することはない。従って、遊技者は小当たり当選の意味をほとんど意識しておらず、煩わしさすら感じることがある。よって、遊技者に小当たり当選に対する興味を抱かせて、遊技興趣を改善する余地があった。そこで上記したA1〜A5に係る発明は、特開2006−180907号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、所定の第1遊技状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数に達すると、第1遊技状態から第2遊技状態に制御可能であるという点で相違している。これにより、小当たり当選に対する新たな遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技領域に配された入球口(第1始動口11,第2始動口12)及び特別入賞口(第2大入賞口15)と、
前記入球口への入球に基づいて判定処理を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
通常遊技状態よりも、小当たり当選に基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い特別遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、特別遊技状態では、小当たり当選に基づく特別入賞口の開放によって、遊技球が特別入賞口に入賞し易くなる。これにより遊技者には、小当たり当選に基づいて持ち球を徐々に増やすという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により大当たり当選であると判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能(ステップS1009,S1109の特別電動役物処理1を実行可能)であり、
前記大当たり遊技後に特定遊技状態(高確時短状態)に制御した後、前記特定遊技状態から前記特別遊技状態に移行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、大当たり遊技後に、すぐに特別遊技状態に移行するわけではなく、特定遊技状態を経て特別遊技状態に移行し得る。従って遊技者には、大当たり遊技後に、特定遊技状態から有利な特別遊技状態への移行を期待させるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理を実行すると、その判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能であり、
非時短状態よりも前記識別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御可能であり、
前記特定遊技状態は、前記時短状態を含む遊技状態であり、
前記特別遊技状態は、前記非時短状態を含む遊技状態であることを特徴とする遊技機である。
一般的に、時短状態から非時短状態に移行すると、持ち球が減り易くなって遊技者に不利になる場合が多い。しかしながらこの構成の遊技機によれば、時短状態を含む特定遊技状態から、非時短状態を含む特別遊技状態に移行することで、持ち球を徐々に増やすことが可能な有利な遊技状態になる。これにより、非時短状態への移行を期待させるという従来とは逆の興趣性を提供することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
通常確率状態よりも、前記判定処理により大当たり当選であると判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
前記特定遊技状態は、前記高確率状態且つ前記時短状態であり、
前記特別遊技状態は、前記高確率状態且つ前記非時短状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態且つ時短状態から、高確率状態且つ非時短状態に移行すれば、高確率状態を維持しつつ、小当たり当選に基づいて持ち球を徐々に増やすことが可能である。これにより、高確率状態且つ非時短状態への移行を期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B3又は手段B4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記時短状態を含む前記特定遊技状態(高確時短状態)に制御しているときに前記識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数(時短回数,例えば100回,図7参照)に達すると、前記非時短状態を含む前記特別遊技状態(高確非時短状態)に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定遊技状態において、識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達すれば、特別遊技状態に移行する。こうして遊技者に対して、特定遊技状態において識別図柄の変動表示を規定回数だけ実行できれば、有利な特別遊技状態に移行できるという斬新な期待感を抱かせることが可能である。
ところで、特開2006−180907号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて小当たりであるかの判定処理を実行し、小当たり当選である場合に大入賞口を開放させる小当たり遊技を実行するようになっている。しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機では、小当たりに当選しても、遊技者に対して特典が付与されることがほぼない。つまり、仮に小当たり遊技が実行されても、開放した大入賞口(特別入賞口)に遊技球を入賞させることが想定されていない。従って、遊技者から見れば、何のために小当たりに当選するのかが把握し難く、煩わしさすら感じることがある。よって、小当たり当選に基づくゲーム性には改善の余地があった。そこで上記したB1〜B5に係る発明は、特開2006−180907号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、通常遊技状態よりも、小当たり当選に基づく特別入賞口の開放により特別入賞口へ入賞し易い特別遊技状態に制御可能である点で相違している。これにより、小当たり当選に基づく斬新なゲーム性を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
入球口への入球に基づいて判定処理を実行すると、その判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
所定の第1遊技状態(高確時短状態)に制御しているときに前記識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数(時短回数,例えば100回,図7参照)に達すると、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態(高確非時短状態)に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態において、識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達すれば、有利な第2遊技状態に移行する。こうして遊技者に対して、第1遊技状態において識別図柄の変動表示を規定回数だけ実行できれば、有利な第2遊技状態に移行できるという斬新な期待感を抱かせることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、小当たり当選に基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態から第2遊技状態に移行すると、小当たり当選に基づく特別入賞口の開放によって、遊技球が特別入賞口に入賞し易くなって、持ち球を徐々に増やすことが可能である。従って、第1遊技状態において識別図柄の変動表示を規定回数だけ実行してでも、第2遊技状態を獲得しようとする遊技意欲を掻き立てることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により大当たり当選であると判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能(ステップS1009,S1109の特別電動役物処理1を実行可能)であり、
前記大当たり当選のうち第1大当たり当選(確変図柄1,図7参照)又は第2大当たり当選(確変図柄3,図7参照)である場合には、前記大当たり遊技後に前記第1遊技状態に制御可能であり、
前記第2大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御された場合には、前記第1大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御された場合よりも、前記第2遊技状態に制御され易い(時短回数及び時短小当たり回数が少ない,図7参照)ように設定されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1大当たり当選又は第2大当たり当選の何れであっても、大当たり遊技後に第1遊技状態に制御される。この場合、第2大当たり当選であれば、第1大当たり当選よりも、有利な第2遊技状態に制御され易いように設定されている。こうして、第1大当たり当選と第2大当たり当選のどちらに当選したかによって、第2遊技状態への移行し易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、前記識別図柄の変動表示の実行回数が第1規定回数(10000回)に達すると、前記第2遊技状態に制御する一方、
前記第2大当たり当選に基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、前記識別図柄の変動表示の実行回数が前記第1規定回数よりも少ない第2規定回数(40回)に達すると、前記第2遊技状態に制御することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1大当たり当選である場合、大当たり遊技後に第1遊技状態に制御され得る。この場合、識別図柄の変動表示を第1規定回数だけ実行すると、有利な第2遊技状態に移行する。一方、第2大当たり当選である場合、大当たり遊技後に第1遊技状態に制御され得る。この場合、識別図柄の変動表示を第1規定回数よりも少ない第2規定回数だけ実行すると、有利な第2遊技状態に移行する。つまり、第1大当たり当選よりも、早く第2遊技状態に移行することができる。こうして、第1大当たり当選と第2大当たり当選のどちらであるかによって、識別図柄の変動表示の回数に基づいて第2遊技状態への移行し易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C4に記載の遊技機において、
前記第1規定回数は、前記第1遊技状態にて前記判定処理により大当たり当選であると判定される前に、実質的に到達不可能な回数(10000回)である一方、
前記第2規定回数は、前記第1遊技状態にて前記判定処理により大当たり当選であると判定される前に、到達可能な回数(40回)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1大当たりに当選した場合、大当たり遊技後の第1遊技状態では、識別図柄の変動表示を第1規定回数まで実行することは実質的に不可能である。従って、識別図柄の変動表示を契機として、有利な第2遊技状態へ移行することができない。これに対して、第2大当たりに当選した場合、大当たり遊技後の第1遊技状態では、識別図柄の変動表示を第2規定回数まで実行することが可能である。従って、識別図柄の変動表示を契機として、有利な第2遊技状態へ移行することができる。よって、第1大当たり又は第2大当たりのどちらに当選したかによって、遊技者の有利な度合いが大きく異なり、斬新なゲーム性を提供することが可能である。
手段C6に係る発明は、
手段C1乃至手段C5の何れかに記載の遊技機において、
前記第1遊技状態に制御されているときに前記識別図柄が変動表示されると、前記第2遊技状態への移行に近づくことを示唆する変動示唆演出(回数示唆演出,図54(C)(D)(E)参照)を実行可能な変動示唆演出実行手段(ステップS4712を実行可能な演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態において、識別図柄が変動表示する度に、第2遊技状態への移行に近づくことを示唆する変動示唆演出が実行される。そのため、変動示唆演出を把握した遊技者には、有利な第2遊技状態への移行に近づく高揚感を与えることが可能である。
手段C7に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
前記第1遊技状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数,例えば10回,図7参照)に達すると、前記第1遊技状態よりも有利な前記第2遊技状態に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態において、識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達する前であっても、小当たりに特定回数だけ当選すると、有利な第2遊技状態に移行することができる。こうして、有利な第2遊技状態への移行方法が、識別図柄の変動表示に基づく場合と、小当たりの当選に基づく場合とがあり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C8に係る発明は、
手段C7に記載の遊技機において、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記識別図柄の変動表示の実行回数が前記規定回数に達することに基づいて前記第1遊技状態が終了する際に実行する演出(変動契機移行演出,図54(I)参照)と、小当たり当選と判定された回数が前記特定回数に達することに基づいて前記第1遊技状態が終了する際に実行する演出(小当たり移行契機演出,図54(J)参照)とを、異ならせることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態が終了する際に実行される演出が、識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達した場合、又は、小当たりに特定回数だけ当選した場合において異なる。従って、遊技者にとって、上記2つの場合のうちどちらを契機として第2遊技状態に移行するのかを把握し易くすることが可能である。
手段C9に係る発明は、
手段C7に記載の遊技機において、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記識別図柄の変動表示の実行回数が前記規定回数に達することに基づいて前記第1遊技状態が終了する際に実行する演出(変動契機移行演出)と、小当たり当選と判定された回数が前記特定回数に達することに基づいて前記第1遊技状態が終了する際に実行する演出(小当たり移行契機演出)とを、同一又は実質的に同一にすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小当たりに特定回数だけ当選した場合に第1遊技状態が終了する際の演出が、識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達した場合に第1遊技状態が終了する際の演出と同一(又は実質的に同一)になる。従って、小当たりに特定回数だけ当選した場合であっても第1遊技状態が終了するのを遊技者に分かり易く示すことが可能である。
ところで、特開2010−172644号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態(第1遊技状態)に移行したあと、所定の上限実行回数(所謂「ST回数」)だけ特別図柄(識別図柄)の変動表示が実行されると、遊技者にとって不利な通常確率状態且つ非時短状態(第2遊技状態)に移行する。従って、高確率状態且つ時短状態では、特別図柄の変動表示が実行される度に、遊技者に焦燥感を与えることになる。即ち、高確率状態且つ時短状態において、特別図柄の変動表示の実行回数が多くなる程、遊技者に危機感を覚えさせるというゲーム性がありきたりになっていた。そこで上記したC1〜C9に係る発明は、特開2010−172644号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、所定の第1遊技状態に制御しているときに識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達すると、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御可能である点で相違している。これにより、識別図柄の変動表示が実行されると、斬新な期待感を抱かせるという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
入球口(第1始動口11,第2始動口12)への入球に基づいて判定処理を実行すると、その判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示したあと停止表示させることが可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
非時短状態又は前記非時短状態よりも前記識別図柄の変動表示が短くなり易い時短状態に制御可能であり、
前記時短状態の終了契機となる前記識別図柄が停止表示を終了したタイミングと異なるタイミングで、前記時短状態から前記非時短状態へ制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、識別図柄が停止表示を終了したタイミングで時短状態から非時短状態へ移行するわけではない。そのため、時短状態から非時短状態への移行タイミングに自由度を持たせることができて、改善を図ることが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記時短状態の終了契機となる前記識別図柄が変動表示を開始するタイミングで、前記時短状態から前記非時短状態へ制御可能である(図14(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態の終了契機となる識別図柄が変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態へ移行させる。これにより、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、時短状態の終了タイミングとを一致させることが可能である。こうして、時短状態の終了契機となる識別図柄の変動表示中及び停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができ、時短状態の残存に対する開発負担を無くすことが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
前記時短状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数,例えば3回,図7参照)に達して、小当たり当選を示す前記識別図柄が変動表示を開始するタイミングで、前記非時短状態へ制御可能である(図14(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態で特定回数の小当たりに当選することを契機として、非時短状態に移行する。これにより、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、時短状態の終了タイミングとが一致することになり、小当たり当選を示す識別図柄の変動表示中や停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
前記時短状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数,例えば3回,図7参照)に達して、前記特定回数の前記小当たり遊技が終了するタイミングで、前記非時短状態へ制御可能である(図58参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態において、特定回数の小当たり遊技が終了するタイミングで非時短状態に移行する。そのため遊技者にとっては、小当たりの当選を契機として、どのタイミングで時短状態から非時短状態に移行したのかが分かり易くなる。
手段D5に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記時短状態の終了契機となる前記識別図柄が変動表示を終了するタイミングで、前記時短状態から前記非時短状態へ制御可能である(図57(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態の終了契機となる識別図柄が変動表示を終了するタイミングで、時短状態から非時短状態へ移行させる。これにより、時短状態の終了契機となる識別図柄が停止表示を終了するタイミングで非時短状態へ移行させる場合よりも、非時短状態への移行タイミングが早くなる。その結果、時短状態の終了契機となる識別図柄の停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができ、時短状態の残存に対する開発負担を軽減することが可能である。
手段D6に係る発明は、
手段D5に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たり当選であると判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)であり、
前記時短状態に制御しているときに小当たり当選と判定された回数が特定回数(時短小当たり回数,例えば3回,図7参照)に達して、小当たり当選を示す前記識別図柄が変動表示を終了するタイミングで、前記時短状態から前記非時短状態へ制御可能である(図57(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態で特定回数の小当たりに当選して、小当たり当選を示す識別図柄が変動表示を終了するタイミングで、非時短状態に移行する。これにより、小当たり当選を示す識別図柄が停止表示を終了するタイミングで非時短状態へ移行させる場合よりも、非時短状態への移行タイミングが早くなる。その結果、小当たり当選を示す識別図柄の停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができ、時短状態の残存に対する開発負担を軽減することが可能である。
ところで、特開2010−172644号公報に記載の遊技機のように、ほとんどの遊技機においては、非時短状態から時短状態に移行するタイミングは、時短状態の終了契機となる特別図柄(識別図柄)の停止表示が終了したタイミングになっている。即ち、時短状態の終了契機となる特別図柄が変動表示を開始するタイミングで、時短状態の終了条件が成立しているにも拘わらず、時短状態の終了契機となる特別図柄が停止表示を終了するタイミングで、時短状態を終了させている。従って、時短状態から非時短状態への移行タイミングには、改善を図る余地があった。そこで上記したD1〜D6に係る発明は、特開2010−172644号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、時短状態の終了契機となる識別図柄が停止表示を終了したタイミングと異なるタイミングで、時短状態から非時短状態へ制御可能である点で相違している。これにより、時短状態から非時短状態への移行タイミングに改善を図るという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。