以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65等の入球部への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
具体的には、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、下側作動入球部62への入球が発生した場合には4個の遊技球の払い出しが実行され、右側作動入球部63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払い出しが実行され、上側可変入賞装置64への入球が発生した場合には14個の遊技球の払い出しが実行され、下側可変入賞装置65への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行される。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に配設された下側作動入球部62と、可変表示ユニット67の右方に配設された右側作動入球部63とに大別され、特に右側作動入球部63には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が併設されている。電動役物71は、シャッタと当該シャッタを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、シャッタの位置が駆動部によって変更されることにより、右側作動入球部63(右作動口63a)への入球が可能となる開状態(受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非受入状態)とに切替可能となっている。なお、右側作動入球部63に付属の電動役物71を、右作動口63aへの入球が容易な状態とそれよりも入球が困難な状態とに切替可能としてもよい。
遊技領域PE(詳しくは後述する右ルート)において右側作動入球部63よりも上流側、詳しくは可変表示ユニット67の側方(右方)となる位置には上記スルーゲート66が配設されている。スルーゲート66は、上下方向に遊技球が通過可能となっており、スルーゲート66に入賞した遊技球は遊技領域PEから排出されることなく、遊技領域PEにおける下流側に流下するようになっている。遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
右ルートにてスルーゲート66と右側作動入球部63との間となる位置には、上記上側可変入賞装置64が配設されている。上側可変入賞装置64には、複数の遊技球が同時に入球可能な上大入賞口が形成され、当該上大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口用の開閉部材としてのシャッタを有してなる。シャッタは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタが閉状態のまま維持され、上記内部抽選において開閉実行モード(特別遊技状態又は開閉実行状態)への移行結果となった場合に開状態に切り替えられるようになっている。
右ルートにて右側作動入球部63の下流側となる位置には、上記下側可変入賞装置65が配設されている。下側可変入賞装置65には、複数の遊技球が同時に入球可能な下大入賞口が形成され、当該下大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口用の開閉部材としてのシャッタを有してなる。シャッタは、遊技球の入球が可能となる開状態(受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非受入状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタが閉状態のまま維持され、上記内部抽選において開閉実行モード(特別遊技状態又は開閉実行状態)への移行結果となった場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり又は特別当たりとなった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置65の開放態様としては、例えば所定期間(本実施の形態においては30sec又は0.8sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては9個)の入賞を1ラウンドとして、所定数のラウンド(本実施の形態においては1,2,6,8,16ラウンド)を上限としてシャッタが開放されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75を有している。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が縦方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりや特別当たりとなった場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モードに移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する左ルートに大別されている。
なお、上述した右側作動入球部63,可変入賞装置64,65、スルーゲート66については右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球についてはそれら右側作動入球部63,可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入賞が回避される。一方、下側作動入球部62については、左ルートに配置されており、右ルートを流下する遊技球は下側作動入球部62への入賞が回避される。遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の発射先(遊技球の流下経路)を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
遊技領域PEの外側に配設された誘導レール100用の保護部材には主表示ユニット81が配設されている。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、その対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部Dの表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部Dは、下側作動入球部62(下作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下側作動入球部62(下作動口62a)への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
主表示ユニット81の主表示部Dには下作動口用保留数表示部SL及び右作動口用保留数表示部SRが設けられている。下作動口用保留数表示部SLは、下作動口62aに対応しており遊技球が下作動口62aに入賞した回数は最大4回まで保留され下作動口用保留数表示部SLの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右作動口用保留数表示部SRは、右作動口63aに対応しており、遊技球が右作動口63aに入賞した回数は最大4回まで保留され右作動口用保留数表示部SRの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
主表示ユニット81の主表示部には上記各種表示部以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部63に付属の上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示するスルーゲート用保留数表示部SSが設けられている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
本実施の形態においては、右ルートに配設された右側作動入球部63、可変入賞装置64,65に係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図5~図8の概略図を参照して、それら各種入球部について補足説明する。図5は上側可変入賞装置64の正面図、図6は入球ユニットの正面図、図7(a)は右側作動入球部63を正面側から見た斜視図、図7(b)は右側作動入球部63における通路構造を示す概略図、図8は通路長と通過所要時間との関係を示す概略図である。
(上側可変入賞装置64)
上側可変入賞装置64は、内部に遊技球が通過する球通路312が形成されたハウジング310を有してなり、このハウジング310が遊技盤60の前面から遊技機前方へ膨出するようにして当該遊技盤60に取り付けられている。ハウジング310は透明な合成樹脂製となっており、ハウジング310の外郭部分を通じて球通路312を流下する遊技球等が視認可能となっている。
ハウジング310にて遊技盤60の前面側へ膨出している部分には、球通路312の入口部分を構成する上大入賞口311が形成されている。上大入賞口311は右ルートにおける中流部分(上下に延びている部分)に対して遊技機側方(右方)から対峙しており、当該上大入賞口311を当該右ルートにおける遊技球の流下領域側(右方)から覆うようにしてシャッタ315が配設されている。
シャッタ315は遊技盤60の前面と平行に回動可能となるように軸支されており、その軸支箇所を中心とした回動によって上大入賞口311への遊技球の流入を阻止する閉位置と上大入賞口311への遊技球の流入を許容する開位置とに変位する構成となっている。
シャッタ315用の駆動部(詳しくはソレノイド)は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。シャッタ315は主制御装置162から駆動信号が出力されていない状態(非励磁状態)では、閉位置に待機するように構成されている。
シャッタ315が開位置へ配置された状態(開状態)では、右ルートの中流部分における流下領域(流路)のおよそ半分が当該シャッタ315によって寸断され、当該右ルートを流下する遊技球のほとんどが上大入賞口311を通じて上側可変入賞装置64(球通路312)へ流入する構成となっている。
球通路312はその途中位置にて第1分岐通路313及び第2分岐通路314に分岐している。この分岐部分には遊技球の流下先を第1分岐通路313及び第2分岐通路314に切替可能な流路切替部材316が配設されている。流路切替部材316用の駆動部(詳しくはソレノイド)は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。流路切替部材316は、主制御装置162から駆動信号が出力されていない状態(非励磁状態)では、球通路312へ突出する突出位置にて待機するように構成されている。
流路切替部材316が突出位置に配置されている状態では、当該流路切替部材316によって第2分岐通路314の入口部分が塞がれている。この状態では、分岐部分に到達した遊技球の第2分岐通路314への流入が回避され、それら遊技球は第1分岐通路313へ流入することとなる。
主制御装置162から流路切替部材316用の駆動部駆動信号が出力されると、流路切替部材316が球通路312への突出が回避された退避位置へ移動し、第2分岐通路314の入口部分が開放される。これにより、遊技球の流入先が変更される。この状態では、分岐部分に到達した遊技球の第1分岐通路313への流入が回避され、それら遊技球は第2分岐通路314へ流入することとなる。
ここで、流路切替部材316の動きは、大当たり結果の種類によって予め規定されている。具体的には、後述する通常大当たり結果となった場合には、シャッタ315の閉位置から開位置への移動に伴って流路切替部材316が退避位置へ移動し、当該流路切替部材316はその直後に突出位置へ復帰するように規定されている。具体的には、流路切替部材316の突出位置への復帰に要する時間は、上大入賞口311に流入した遊技球が分岐部分に到達するまでに要する所要時間よりも短くなっている。このため、通常大当たり結果となった場合には第2分岐通路314への流入が実質的に回避されることとなる。
これに対して、後述する確変大当たり結果となった場合には、シャッタ315の閉位置から開位置への移動に伴って流路切替部材316が退避位置へ移動するものの、その後はシャッタ315が閉位置に復帰するまで突出位置に待機するように規定されている。このため、確変大当たり結果となった場合には上大入賞口311へ流入した遊技球のほとんどは第2分岐通路314へ流入することとなる。
球通路312にて分岐部分よりも上流側となる部分には上流側検知センサ317が配設されており、分岐部分よりも下流側となる部分、具体的には第1分岐通路313及び第2分岐通路314には下流側検知センサ318,319が配設されている。上流側検知センサ317及び下流側検知センサ318,319は主制御装置162に接続されており、主制御装置162では上流側検知センサ317からの検知情報(検知信号)に基づいて上側可変入賞装置64への入賞の有無を特定し、入賞が発生した場合には所定数の遊技球の払い出しを行う。また、上流側検知センサ317及び下流側検知センサ318,319からの検知情報(検知信号)に基づいて遊技球の残存状況を監視している。
本実施の形態に示す主制御装置162においては、第1分岐通路313に付属の下流側検知センサ318からの検知情報(検知信号)に基づき開閉実行モード中に第2分岐通路314への入球が発生したことを特定した場合には、開閉実行モード終了後に抽選モードが低確率モードから高確率モードへ切り替わる。詳細については後述するが、高確率モードにおいては低確率モードと比べて大当たり結果となる確率が高くなり、遊技者は遊技を有利に進めることが可能となる。以下、説明の便宜上、第2分岐通路314を「有利入球部314」と称する。
右ルートへ発射された遊技球のうち上側可変入賞装置64を素通りした遊技球のほとんどは、当該右ルートにて上側可変入賞装置64の下流側に配設された入球ユニット70へ向かうこととなる。入球ユニット70は上述した右側作動入球部63と下側可変入賞装置65とが一体化されてなる。以下、図6を参照して、入球ユニット70について説明する。
(入球ユニット70)
入球ユニット70は、右ルートの一部(詳しくは下流領域)を構成する球通路321が形成されたハウジング320有してなり、当該ハウジング320が遊技盤60の前面よりも前方へ膨出した状態で当該遊技盤60に固定されている。球通路321は、遊技領域PEの外側(右側)から中央側(左側)へ延びている。ハウジング320の上記膨出部分の右上部には入球ユニット70(球通路321)の入口部分321aが上向きとなるように形成され、左下部には入球ユニット70(球通路321)の出口部分321bが左向きとなるように形成されている。
出口部分321bは下側作動入球部62の直下に位置しており、出口部分321bから流出した遊技球は下側作動入球部62の下方へ案内される。これにより、球通路321を通過した遊技球の下側作動入球部62への入球が回避されている。
なお、ハウジング320は透明な合成樹脂製となっており、当該ハウジング320の内部(例えば球通路321を流下する遊技球等)を遊技機前方から視認可能となるように構成されている。因みに、右側作動入球部63及び下側可変入賞装置65の一体感を強調する上では、ハウジング320を不透明とし、内部構造を視認困難又は不可となるように構成してもよい。
球通路321は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように通路幅や通路高さ等が規定されており、通路方向における途中位置に段差が生じるようにクランク状に形成されている。具体的には、球通路321には、当該球通路321の上流部分を構成し遊技機中央側へ下り傾斜となる横長の上流側通路部322と、球通路321の下流部分を構成し遊技機中央側へ下り傾斜となる横長の下流側通路部324とが前者が上側且つ後者が下側となるように高低差が生じるようにして上下左右にずらして設けられており、それら上流側通路部322及び下流側通路部324が縦方向に延びる中間通路部323(「連絡通路部」に相当)によって連結されてなる。
上流側通路部322には上記右側作動入球部63が併設されている。具体的には、右側作動入球部63の右作動口63aは上方に開放されており、当該右作動口63aの上方を横切るようにして上流側通路部322が形成されている。右側作動入球部63に付属の電動役物71については、前後(遊技盤60の厚さ方向)にスライド移動可能なシャッタ331と、当該シャッタ331用の電動役物駆動部332(ソレノイド)とを有してなる。電動役物駆動部332は、主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162から駆動信号が出力されていない非駆動状態(非励磁状態)においては、シャッタ331が右作動口63aを上方から覆う閉位置に配置され、駆動信号が出力されて電動役物駆動部332が駆動状態(励磁状態)となることで右作動口63aを覆わない開位置へ移動(後退)する。
ここで、シャッタ331が閉位置に配置された状態では当該シャッタ331によって上流側通路部322の底部、すなわち遊技球の転動面が形成される。詳しくは、図7(a)に示すように、ハウジング320には上流側通路部322の通路方向にて右作動口63aよりも上流側の底部を形成する上流側底部322aと、右作動口63aよりも下流側の底部を形成する下流側底部322bとが設けられており、これら上流側底部322a、下流側底部322b、シャッタ331によって遊技球の転動面が形成されている。以下の説明では、上流側通路部322にてシャッタ331により流路が形成(補完)される領域、すなわち上流側通路部322にてシャッタ331を挟んで右作動口63aと対峙する領域を「第1特定領域SE1」という(図6参照)。
シャッタ331が開位置へ配置されて上流側通路部322(詳しくは転動面)が寸断されている状況下にて第1特定領域SE1に到達した遊技球は、上流側通路322の通路方向への移動が困難となり、右作動口63aへ流入することとなる。
本実施の形態では、第1特定領域SE1には当該第1特定領域SE1を通過する遊技球を減速させて右作動口63aへの入賞機会を増やす工夫がなされている。以下、図7(b)を参照して、当該工夫について説明する。なお、図6(b)においては、遊技球が通過する経路(流路)を一点鎖線を用いて例示している。
ハウジング320にて上流側通路部322の通路を区画形成している前壁部335及び後壁部336には、第1特定領域SE1側へ突出する突条部335a,336aが配設されている。突条部335a,336aは、上流側通路部322の通路方向と直交するようにして上下に延びている。以下の説明では、前壁部335に配設された突条部335aを「前側突条部335a」と称し、後壁部336に配設された突条部336aを「後側突条部336a」と称する。
後壁部336と前側突条部335aとの隙間寸法D1は、遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定され、前壁部335と後側突条部336aとの隙間寸法D2についても遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定されている。前側突条部335aについては上流側通路322の通路方向(案内方向)にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では2つ)配列されており、後側突条部336aについても上流側通路322の通路方向(案内方向)にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では2つ)配列されている。これら前側突条部335a及び後側突条部336aが交互に配置されることで、遊技球の流下経路が上流側通路322の通路方向に対して前後に蛇行するように工夫されている。
ここで、前側突条部335aの突出量と後側突条部336aの突出量と遊技球の直径寸法Dとを足した場合には、上流側通路322の通路幅よりも大きくなるように構成されている(D3 < D)。これにより、遊技球が突条部335a,336aとの衝突を回避するようにして第1特定領域SE1を駆け抜けることが回避されている。
上流側通路322を通過する遊技球については、突条部335a,336aに衝突する。このような衝突によって第1特定領域SE1における遊技球の移動速度が低下する(減速する)。つまり、上流側通路322の第1特定領域SE1は遊技球を強制的に減速させる減速区間として機能している。このようにして上流側通路322を通過する遊技球を減速させる構成とすることで、突条部335a,336aが不具備である場合と比べて遊技球が第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間を引き延ばしている。
なお、突条部335a,336aについては第1特定領域SE1にて中間通路部323寄りとなる位置へ偏倚させて配設されている。これにより、中間通路部323の直上流位置にて遊技球が減速する構成となっている。
本実施の形態においては、減速の度合いについては以下のように規定されている。すなわち、遊技球が第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間が、低頻度サポートモードにおけるスルーゲート用表示部DSの絵柄の変動表示時間と確定表示時間との和(1.2sec)よりも短く、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長くなるように規定されている。詳細については後述するが、これにより低頻度サポートモード中に右ルートへ遊技球を連続発射している場合には、右ルートを流下する遊技球が右側作動入球部63を素通りして下側可変入賞装置65に到達し、且つ右側作動入球部63が開状態となった場合のほとんどにて少なくとも1個の入球が発生する構成となっている。
右作動口63aに流入しなかった遊技球は、そのまま球通路321に沿った移動を続け、そのほとんどが下流側通路部324へ到達する。ここで、再び図6を参照して、下流側通路部324及びそれに付随する下側可変入賞装置65について説明する。
下側可変入賞装置65の下大入賞口341は上方に開放されており、当該下大入賞口341の上方を横切るようにして下流側通路部324が形成されている。下側可変入賞装置65は、前後(遊技盤60の厚さ方向)にスライド移動可能なシャッタ345と、当該シャッタ345用の駆動部(ソレノイド)とを有してなる。シャッタ345用の駆動部は、主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162から駆動信号が出力されていない非駆動状態(非励磁状態)においては、シャッタ345が下大入賞口341を上方から覆う閉位置に配置され、駆動信号が出力されて当該駆動部が駆動状態(励磁状態)となることで下大入賞口341を覆わない開位置へ移動(後退)する。
ここで、シャッタ345が閉位置に配置された状態では当該シャッタ345によって下流側通路部324の底部、すなわち遊技球の転動面が形成される。詳しくは、ハウジング320には下流側通路部324の通路方向にて下大入賞口341よりも下流側の底部を形成する下流側底部が設けられており、これら下流側底部及びシャッタ345によって遊技球の転動面が形成されている。以下の説明では、下流側通路部324にてシャッタ345により流路が形成(補完)される領域、すなわち下流側通路部324にてシャッタ345を挟んで下大入賞口341と対峙する領域を「第2特定領域SE2」という。
シャッタ345が開位置へ配置されて下流側通路部324(詳しくは転動面)が寸断されている状況下にて第2特定領域SE2に到達した遊技球は、下流側通路部324の通路方向への移動が困難となり、下大入賞口341へ流入することとなる。
なお、第2特定領域SE2にも突条部375a,376a(図8参照)からなる減速区間が設けられているが、当該減速区間に係る具体的構成については第1特定領域SE1と同様であるため説明を援用する。
上述した中間通路部323はシャッタ345の上流側端部から上方に延びている。中間通路部323を形成する左側の通路壁面は、上流側通路部322の延長上に位置しており、上流側通路部322を通過した遊技球は、当該左側の通路壁面に衝突することで向きを変え、シャッタ345へ向けて当該中間通路部323を落下することとなる。
中間通路部323を形成する右側の通路壁面には遊技球が通過可能な開口が形成されており、中間通路部323を通過する遊技球の一部が当該開口へ流入する。右側作動入球部63と下側可変入賞装置65との間には、上記開口に流入した遊技球は入球ユニット70から排出する排出通路が形成されている。球通路321を流下する遊技球の一部は、下側可変入賞装置65(シャッタ345)に到達する前に、開口→排出通路を通じて入球ユニット70から排出されることとなる。なお、この排出通路を通過する遊技球については、そのまま遊技盤60の背面側へと案内されるため、アウト口68への移動が回避される。
次に図8を参照して、球通路321の各部分の通路長と、遊技球の通過所要時間との関係について補足説明する。図8は入球ユニット70の内部構造を正面から見た概略図である。以下の説明では、遊技機正面視における第1特定領域SE1の通路長を「通路長PL1」、第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間を「所要時間T1」、遊技機正面視における第2特定領域SE2の通路長を「通路長PL3」、第2特定領域SE2を通過するのに要する所要時間を「所要時間T3」、第1特定領域SE1と第2特定領域SE2との間の通路長を「通路長PL2」、第1特定領域SE1と第2特定領域SE2との間を通過するのに要する所要時間を「所要時間T3」と称する。
通路長PL1~PL3を比較すると、通路長PL2 < 通路長PL1 < 通路長PL3の順に長くなっている。既に説明したように、第1特定領域SE1及び第2特定領域SE2については遊技球の通過経路が蛇行しているが、この蛇行分を加味したとしても、通路長PL2 < 通路長PL1 < 通路長PL3の順に長くなっている。
そして、詳細については後述するが、第1特定領域SE1における所要時間T1については、低頻度サポートモードにて右側作動入球部63が連続して開放される場合の最小インターバル時間(0.7sec)よりも長く且つ高頻度サポートモードにて右側作動入球部63が連続して開放される場合の最小インターバル時間(1.2sec)よりも短くなるように設定され、第2特定領域SE2における所要時間T3は特別当たりが連続する場合に下側可変入賞装置65が連続して開放される場合の最小インターバル時間(1.5sec)よりも短くなるように設定されている。
例えば、下側可変入賞装置65が開状態となっている場合には、右側作動入球部63を回避した遊技球が当該下側可変入賞装置65に向かうこととなる。右側作動入球部63と下側可変入賞装置65との離れを小さくすることにより、右側作動入球部63を回避した遊技球は速やかに下側可変入賞装置65へと向かうとの印象を与えやすくなっている。これにより、下側可変入賞装置65への入賞の期待感を好適に高めることができる。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ391a、下側作動入球部62用の検知センサ391b、右側作動入球部63用の検知センサ391c、上側可変入賞装置64用の検知センサ317~318、下側可変入賞装置65用の検知センサ391d、スルーゲート66用の検知センサ391eが接続されており、これら各種検知センサ317~318,391a~391eからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)等が実行される。また、MPU602では、下側作動入球部62(下作動口62a)及び右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板651)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上大入賞口311への入賞を特定した場合には14個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下大入賞口341への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが出力され、下作動口62aへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口63aへの入賞を特定した場合には1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、右側作動入球部63に付随した電動役物71を駆動させる電動役物駆動部332、上側可変入賞装置64のシャッタ315を駆動させる可変入賞駆動部451、上側可変入賞装置64の流路切替部材316を駆動させる流路切替用駆動部452、下側可変入賞装置65のシャッタ345を駆動させる可変入賞駆動部461、主表示ユニット81等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては上大入賞口311や下大入賞口341が開閉されるように、MPU602において上側可変入賞装置64の可変入賞駆動部451や下側可変入賞装置65の可変入賞駆動部461の駆動制御が実行される。また、例えば各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRの表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、例えば遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置143、表示制御装置710に送信されることとなる。
報知・演出制御装置143は、MPU652が搭載された報知・演出制御基板651を有してなり、MPU652には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM653、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM654などが内蔵されている。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置710を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置710に転送する。
表示制御装置710はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置75の表示内容について説明する。図柄表示装置75の表示画面75aには、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(例えば上から下)にスクロールするように変動表示される。
また、表示画面75aは、図柄列毎に1個の図柄が停止表示されるようになっており、計3個の図柄が停止表示されるようになっている。右図柄列→左図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、有効ラインに所定の図柄組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果や特別当たり結果に対応した特別遊技状態への移行を示す動画等が表示される。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、左図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、右図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
因みに、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を縦並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を横方向に設定してもよい。
表示画面75aの下部には、保留表示領域が設定されている。当該保留表示領域は、遊技球が下作動口62aに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示された上作動口用の保留数表示領域と、遊技球が右作動口63aに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示された下作動口用の保留数表示領域とによって構成されている。
具体的には、遊技球が下作動口62aに入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて下側作動口用の保留数表示領域には、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。また、遊技球が右作動口63aに入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて右側作動口用の保留数表示領域には、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口62aに入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が下作動口62aに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域~第4単位保留表示領域の全てにおいて所定の保留用画像が表示される構成となっている。
(各種カウンタについて)
次に、図10の概略図を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作に係る構成について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、特別遊技状態(開閉実行モード)への移行抽選、主表示ユニット81(主表示部D)の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりや特別当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり結果となった場合にその種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ表示の発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の入球部用表示部における絵柄の変動表示時間及び図柄表示装置75における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部63に付属の電動役物71を開状態とするか否かの抽選に使用する開放乱数カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1~C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。
RAM604には、下作動口用保留エリアRaと、右作動口用保留エリアRbと、下作動口用保留エリアRa用の第1実行エリアAE1と、右作動口用保留エリアRb用の第2実行エリアAE2と、総保留数記憶領域とからなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下作動口62a又は右作動口63aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」~「599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=「0」~「599」)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口62a又は右作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値や特別当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図11及び図12の概略図を用いて説明する。当否テーブルとしては、下作動口62a用の当否テーブル(図11参照)及び右作動口63a用の当否テーブル(図12参照)が設けられており、下作動口62aへの入球に基づく抽選においては下作動口62a用の当否テーブルが参照され、右作動口63aへの入球に基づく抽選においては右作動口63a用の当否テーブルが参照される。
(下作動口用の当否テーブル)
抽選モードが低確率モードとなっている場合に参照される下作動口62a用の当否テーブルにおいては、図11(a)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」及び「507」の2個である。すなわち、「0」~「599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は2/600となっている。下作動口62a用の低確率モード対応当否テーブルには、特別当たり結果に対応する乱数の値は設けられておらず、大当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果に対応している。
抽選モードが高確率モードとなっている場合に参照される下作動口62a用の当否テーブルにおいては、図11(b)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」の6個である。すなわち、「0」~「599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は6/600となっている。下作動口62a用の高確率モード対応当否テーブルには、特別当たり結果に対応する乱数の値が設けられておらず、大当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果に対応している。
(右作動口用の当否テーブル)
抽選モードが低確率モードとなっている場合に参照される右作動口63a用の当否テーブルにおいては、図12(a)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」及び「507」の2個である。すなわち、「0~599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は2/600となっている点で下作動口62a用の当否テーブルと同様である。但し、右作動口63a用の当否テーブルにおいては、「1」,「2」,「3」・・・「597」,「598」,「599」が特別当たり結果に対応しており、特別当たり結果となる確率は593/600となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び特別当たり結果となる乱数の値以外、詳しくは「4」,「104」,「204」,「404」,「504」は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
抽選モードが高確率モードとなっている場合に参照される右作動口63a用の当否テーブルにおいては、図12(b)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」の6個である。すなわち、「0」~「599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は6/600となっている点で下作動口62a用の当否テーブルと同様である。但し、右作動口63a用の当否テーブルにおいては、「1」,「2」,「3」・・・「597」,「598」,「599」が特別当たり結果に対応しており、特別当たり結果となる確率は593/600となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び特別当たり結果となる乱数の値以外、詳しくは「404」は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
このように、下作動口62a及び右作動口63aの何れに入賞した場合であっても、大当たり結果となる確率は共通である。但し、下作動口62a及び右作動口63aを比較した場合には、特別当たり結果となる可能性が右作動口63aの方が高く設定されている。つまり、幾らかの出球が期待できる確率で比較すれば下作動口62aよりも右作動口63aの方が優遇されている。
再び図10の説明に戻り、当たり種別カウンタC2は、「0」~「99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口62a又は右作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。本実施の形態では、当たり種別カウンタC2及び振分テーブルを参照して、大当たり結果の種別が決定される。大当たり結果としては、2R通常大当たり結果,8R通常大当たり結果,2R確変大当たり結果,6R確変大当たり結果A,6R確変大当たり結果B,6R確変大当たり結果C,6R確変大当たり結果D,6R確変大当たり結果E,8R確変大当たり結果,16R確変大当たり結果A,16R確変大当たり結果Bが設けられている。
(下作動口用振分テーブル)
図13(a)に示すように、下作動口用振分テーブルでは、「0」~「99」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「49」の計50個が8R通常大当たり結果に対応しており、「50」~「59」の計10個が6R確変大当たり結果Aに対応しており、「60」~「67」の計8個が6R確変大当たり結果Bに対応しており、「68」~「73」の計6個が6R確変大当たり結果Cに対応しており、「74」~「77」の計4個が6R確変大当たり結果Dに対応しており、「78」~「79」の計2個が6R確変大当たり結果Eに対応しており、「80」~「97」の計18個が16R確変大当たり結果Aに対応しており、「98」~「99」の計2個が16R確変大当たり結果Bに対応している。
(右作動口用振分テーブル)
図13(b)に示すように、右作動口用振分テーブルでは、「0」~「99」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「34」の計35個が2R通常大当たり結果に対応しており、「35」~「39」の計5個が2R確変大当たり結果に対応しており、「40」~「49」の計10個が6R確変大当たり結果Aに対応しており、「50」~「53」の計4個が6R確変大当たり結果Bに対応しており、「54」~「56」の計3個が6R確変大当たり結果Cに対応しており、「57」~「58」の計2個が6R確変大当たり結果Dに対応しており、「59」が6R確変大当たり結果Eに対応しており、「60」~「95」が16R確変大当たり結果Aに対応しており、「96」~「99」の計4個が16R確変大当たり結果Bに対応している。
再び図10の説明に戻り、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下作動口62a又は右作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチ表示(リーチ状態)を発生させるか否かを決定することとしている。
ここで、リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時(図柄表示装置75による図柄の変動開始時)における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物71用の開放乱数カウンタC4は、例えば、0~249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役用記憶エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された開放乱数カウンタC4の値と、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に格納されているサポート用の抽選テーブル(当否情報群)とを参照して電動役物71を開状態に制御するか否かの開放抽選(サポート抽選)が行われる。なお、高頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは249/250)は、低頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは248/250)よりも高くなっており、高頻度サポートモードの方が優遇されている。
(主制御装置162のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ(例えば上記検知センサ317~319,391a~391e)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、下作動口62aへの入賞が発生したと判定した場合にはRAM604の各種フラグ格納エリア635に下作動口用の入賞検知フラグを格納し、右作動口63aへの入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に右作動口用の入賞検知フラグを格納し、上側可変入賞装置64への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に上大入賞口用の入賞検知フラグを格納し、有利入球部314への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に有利入球部用の入賞検知フラグを格納し、下側可変入賞装置65への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に下大入賞口用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4を更新する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にてスルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行し、続くステップS105にて作動口62a,63aへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(スルー用の入賞処理)
ステップS104のスルー用の入賞処理においては先ず、遊技球がスルーゲート66に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート66に入賞し、且つ、役物保留記憶数SNが上限(詳しくは4)未満である場合には、役物保留記憶数SNを1インクリメントし、上記ステップS103にて更新した開放乱数カウンタC4の値をRAM604の電役用記憶エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
遊技球がスルーゲート66に入賞していないと判定した場合、又はスルーゲート66に入賞したと判定したものの役物保留記憶数SNが上限に達している場合には、開放乱数カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、主表示ユニット81のスルーゲート用保留数表示部SSの表示制御処理を実行する。具体的には4つの発光体(LED)からなるスルーゲート用保留数表示部SSについて役物保留記憶数SNと同じ数の発光体が点灯した状態となるように発光制御処理を実行する。
(作動口用の入賞処理)
作動口用の入賞処理においては先ず、遊技球が下側作動入球部62(下作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリア635に下作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が下側作動入球部62(下作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、下側作動入球部62(下作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部62(下作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下作動口用の保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値(始動保留記憶数)を更新(1加算)する。続いて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア635に下作動口用の入賞検知フラグが格納されていない場合であって、右作動口用の入賞検知フラグが格納されている場合には、払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に送信される。
続いて、右側作動入球部63(右作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、右作動口用の保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値(始動保留記憶数)を更新(1加算)する。続いて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、下側作動入球部62及び右側作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動口用表示部DL,DRなどの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
続くステップS205では、右側作動入球部63に付属の電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役用記憶エリアに格納されている情報を用いて電動役物71を開状態とするか否かの判定を行い、電動役物71の開閉処理及びスルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS211にてタイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
ここで、図16~図20のフローチャートを参照して、ステップS203の遊技回制御処理について補足説明する。図16に示すように、本実施の形態に示す遊技回制御処理では、先ずステップS301にて特別遊技状態(開閉実行モード)中である否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
ステップS301にて肯定判定をした場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。ステップS301にて否定判定をした場合には、ステップS302にて下側作動入球部62(下作動口62a)への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(下作動口対応遊技回制御処理,下作動口用制御処理)を実行し且つステップS303にて右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(右作動口対応遊技回制御処理、右作動口用制御処理)を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。これら2つの制御処理については、基本的な流れが共通となっている。以下、先ず図17及び図18を参照して下作動口用制御処理について説明し、その後、図19及び図20を参照して下作動口用制御処理との相違点を中心に右作動口用制御処理について説明する。
(下作動口用制御処理)
図17に示すように、下作動口用制御処理では、先ずステップS401にて、下作動口62aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の下作動口用表示部DLが変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に下作動口用の遊技回中フラグ(遊技回中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。下作動口用の遊技回中フラグは、下作動口用表示部DLにて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
遊技回中でない場合には、ステップS401にて否定判定をして、ステップS402に進む。ステップS402では、右作動口63aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の右作動口用表示部DRが変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に右作動口用の遊技回中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。右作動口用の遊技回中フラグは、右作動口用表示部DRにて変動表示を開始させる場合に格納され、抽選結果(遊技結果)に対応した絵柄等が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
ステップS402にて肯定判定をした場合にはステップS403に進む。ステップS403では右作動口63aに係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS403にて肯定判定をした場合には、そのまま本下作動口用制御処理を終了する。ステップS403又はステップS402にて否定判定をした場合には、ステップS404に進む。ステップS404では、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である下作動口用保留記憶数CRN(詳しくは下作動口62aに係る保留情報の数)が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数CRNが「0」である場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。一方、下作動口用保留記憶数CRNが「0」でない場合には、ステップS405に進む。ステップS405ではデータ設定処理を行う。
下作動口62aのデータ設定処理では、先ず下作動口用保留記憶数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを第1実行エリアAE1(図10参照)に移動し、下作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、下作動口用の保留数表示部にて点灯中のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、保留情報が追加された際に実行される点灯処理とは逆に、下作動口用の保留数表示部SLのLEDが下側から順に消灯させる。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS406にて下作動口用表示部DLにおける絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための下作動口用の変動開始処理(下作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、図18を参照して、ステップS406の下作動口用変動開始処理について説明する。
(下作動口用変動開始処理)
下作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS501にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、下作動口用の当否テーブルを参照して、第1実行エリアAE1に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS501における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS502にて肯定判定をしてステップS503に進む。
ステップS503では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第1実行エリアAE1に格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が、8R通常大当たり結果に対応した情報群、6R確変大当たり結果Aに対応した情報群、6R確変大当たり結果Bに対応した情報群、6R確変大当たり結果Cに対応した情報群、6R確変大当たり結果Dに対応した情報群、6R確変大当たり結果Eに対応した情報群、16R確変大当たり結果Aに対応した情報群、16R確変大当たり結果Bに対応した情報群の何れに含まれているかを特定する。
ステップS504では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS504では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS504では、今回の遊技結果が、8R通常大当たり結果、6R確変大当たり結果A、6R確変大当たり結果B、6R確変大当たり結果C、6R確変大当たり結果D、6R確変大当たり結果E、16R確変大当たり結果A、16R確変大当たり結果Bの何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、8R通常大当たり結果である場合には8R通常フラグを格納し、6R確変大当たり結果Aである場合には6R確変Aフラグを格納し、6R確変大当たり結果Bである場合には6R確変Bフラグを格納し、6R確変大当たり結果Cである場合には6R確変Cフラグを格納し、6R確変大当たり結果Dである場合には6R確変Dフラグを格納し、6R確変大当たり結果Eである場合には6R確変Eフラグを格納し、16R確変大当たり結果Aである場合には16R確変Aフラグを格納し、16R確変大当たり結果Bである場合には16R確変Bフラグを格納する。
ステップS504の設定処理を実行した後は、ステップS505に進む。ステップS505では右作動口63aに係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定をした場合には、ステップS506に進む。ステップS506ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に強制終了フラグを格納する。右作動口63aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が実行されている場合には、この強制終了フラグに基づいて右作動口63aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が途中で強制的に終了されることとなる。より詳しくは、下作動口62aに係る遊技回が大当たり結果に対応している場合であって且つ当該遊技回における確定表示が行われるタイミングを超えて右作動口63aに係る遊技回が実行され得る場合には、右作動口63aに係る遊技回が短縮され下作動口62aに係る遊技回の終了とともに右作動口63aに係る遊技回についても終了することとなる。このような場合には、右作動口63aに係る遊技回にて停止表示される絵柄は外れ結果に対応するものとなる。
ステップS502の説明に戻り、ステップS501における判定結果が外れ結果である場合には当該ステップS502にて否定判定をし、ステップS507に進む。ステップS507では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。
具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS506,S507の処理を実行した後、又はステップS505にて否定判定をした場合には、ステップS508に進む。ステップS508では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。この設定処理についての詳細は後述する。
ステップS508の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS509にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS509の設定処理を実行した後は、ステップS510に進み、主表示ユニット81における下作動口用表示部DLの変動表示を開始した後、本下作動口用変動開始処理を終了する。ステップS510の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に下作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では下作動口62aに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
再び図17の説明に戻り、ステップS401にて肯定判定をした場合、すなわち下作動口62aに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS407に進む。ステップS407では、右作動口63aに係る遊技回にて特別当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS407にて否定判定をした場合には、ステップS408に進む。ステップS408では右作動口63aに係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS407及びステップS408にて否定判定をした場合には、ステップS409に進む。
ステップS409では上記ステップS508にて設定された変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS409にて否定判定をした場合には、ステップS410にて変動表示用処理を実行した後、本下作動口用制御処理を終了する。ステップS410の変動表示用処理においては、下作動口用表示部DLを構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
ステップS409にて肯定判定をした場合にはステップS412に進む。ステップS412では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして下作動口用表示部DLにて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。すなわち、例えば抽選結果(遊技結果)に対応する絵柄の確定表示が実行される。なお、RAM604の各種フラグ格納エリア635に格納されている下作動口用の遊技回中フラグについては、当該確定表示が終了した際に消去される。
続くステップS413にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS413にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置710に送信され、表示制御装置710では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置710にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
ステップS407及びステップS408のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS410にて停止絵柄の書替処理を実行し、上記ステップS412及びステップS413の各処理を実行した後、本下作動口用制御処理を終了する。停止結果の書替処理においては先ず、今回の遊技回が特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合には、下作動口用変動開始処理にて決定された停止絵柄(外れ結果に対応する絵柄)の書き替えが回避される。これに対して、今回の遊技結果が特別当たり結果に対応している場合には、下作動口用変動開始処理にて決定された停止絵柄(特別当たり結果に対応する絵柄)を外れ結果に対応する絵柄に書き替える。
次に、図19及び図20を参照して、右作動口用制御処理について説明する。
(右作動口用制御処理)
図19に示すように、右作動口用制御処理では、先ずステップS601にて右作動口63aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の右作動口用表示部DRが変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に右作動口用の遊技回中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。右作動口用の遊技回中フラグは、右作動口用表示部DRにて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
遊技回中でない場合には、ステップS601にて否定判定をしてステップS602に進む。ステップS602では、下作動口62aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の下作動口用表示部DLが変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。
ステップS602にて肯定判定をした場合にはステップS603に進む。ステップS603では下作動口62aに係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合には、そのまま本右作動口用制御処理を終了する。ステップS603にて否定判定をした場合、又はステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である右作動口用保留記憶数CRN(詳しくは右作動口63aに係る保留情報の数)が「0」か否かを判定する。右作動口用保留記憶数CRNが「0」である場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。一方、右作動口用保留記憶数CRNが「0」でない場合には、ステップS605に進む。ステップS605ではデータ設定処理を行う。
右作動口63aのデータ設定処理では、先ず右作動口用保留記憶数CRNを1ディクリメントする。その後、右作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを第2実行エリアAE2(図10参照)に移動し、右作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、右作動口用の保留数表示部にて点灯中のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、保留情報が追加された際に実行される点灯処理とは逆に、右作動口用の保留ランプ部のLEDが下側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS606にて主表示ユニット81(主表示部D)における絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための右作動口用の変動開始処理(右作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、図20を参照して、ステップS606の右作動口用変動開始処理について説明する。
(右作動口用変動開始処理)
右作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS701にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、右作動口用の当否テーブルを参照して、第2実行エリアAE2に格納された各種情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS701における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS702にて肯定判定をしてステップS703に進む。
ステップS703では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第2実行エリアAE2に格納された各種情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルとを参照して、上記把握した種別判定用の情報が2R通常大当たり結果に対応した情報群、2R確変大当たり結果に対応した情報群、6R確変大当たり結果Aに対応した情報群、6R確変大当たり結果Bに対応した情報群、6R確変大当たり結果Cに対応した情報群、6R確変大当たり結果Dに対応した情報群、6R確変大当たり結果Eに対応した情報群、16R確変大当たり結果Aに対応した情報群、16R確変大当たり結果Bに対応した情報群の何れに含まれているかを特定する。
ステップS704では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(右作動口用表示部DR)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS704では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS704では、今回の遊技結果が、2R通常大当たり結果、2R確変大当たり結果、6R確変大当たり結果A、6R確変大当たり結果B、6R確変大当たり結果C、6R確変大当たり結果D、6R確変大当たり結果E、16R確変大当たり結果A、16R確変大当たり結果Bの何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、2R通常大当たり結果である場合には2R通常フラグを格納し、2R確変大当たり結果である場合には2R確変フラグを格納し、6R確変大当たり結果Aである場合には6R確変Aフラグを格納し、6R確変大当たり結果Bである場合には6R確変Bフラグを格納し、6R確変大当たり結果Cである場合には6R確変Cフラグを格納し、6R確変大当たり結果Dである場合には6R確変Dフラグを格納し、6R確変大当たり結果Eである場合には6R確変Eフラグを格納し、16R確変大当たり結果Aである場合には16R確変Aフラグを格納し、16R確変大当たり結果Bである場合には16R確変Bフラグを格納する。
ステップS704の設定処理を実行した後は、ステップS705に進む。ステップS705では下作動口62aに係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS705にて肯定判定をした場合には、ステップS706に進む。ステップS706ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に強制終了フラグを格納する。下作動口62aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が実行されている場合には、この強制終了フラグに基づいて下作動口62aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が途中で強制的に終了されることとなる。より詳しくは、右作動口63aに係る遊技回が大当たり結果に対応している場合であって且つ当該遊技回における確定表示が行われるタイミングを超えて下作動口62aに係る遊技回(外れ結果対応)が実行され得る場合には、下作動口62aに係る遊技回が短縮され右作動口63aに係る遊技回の終了とともに下作動口62aに係る遊技回についても終了することとなる。このような場合には、下作動口62aに係る遊技回にて停止表示される絵柄は外れ結果に対応するものとなる。
ステップS702の説明に戻り、ステップS701における判定結果が特別当たり結果である場合には、ステップS702にて否定判定且つステップS707にて肯定判定をして、ステップS708に進む。
ステップS708では特別当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(右作動口用表示部DR)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている特別当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この特別当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS703では、特別当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。なお、今回の遊技結果が特別当たり結果である場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に特別当たりフラグを格納する。
ステップS707の処理を実行した後は、上述したステップS704,S705の処理を実行する。
ステップS701における判定結果が外れ結果であった場合には、ステップS702及びステップS707にて否定判定をし、ステップS709に進む。ステップS709では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(右作動口用表示部DR)に最終的に停止表示させる絵柄を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS706又はステップS709の処理を実行した後、又はステップS705にて否定判定をした場合には、ステップS710に進む。ステップS710では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。この変動表示時間の設定処理についての詳細は後述する。
ステップS710の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS711にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS711の設定処理を実行した後は、ステップS712に進み、主表示ユニット81における右作動口用表示部DRの変動表示を開始した後、本右作動口用変動開始処理を終了する。ステップS712の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に右作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では右作動口63aに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
再び図19の説明に戻り、ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわち右作動口63aに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS608に進む。ステップS608では下作動口62aに係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS608にて否定判定をした場合には、ステップS609に進む。
ステップS609では変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS609にて否定判定をした場合には、ステップS610にて変動表示用処理を実行した後、本右作動口用制御処理を終了する。ステップS610の変動表示用処理においては、右作動口用表示部DRを構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
ステップS609にて肯定安定をした場合にはステップS612に進む。ステップS612では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして右作動口用表示部DRにて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。
続くステップS613にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS613にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置710に送信され、表示制御装置710では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置710にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
ステップS608の説明に戻り、当該ステップS608にて肯定判定をした場合にはステップS611に進む。すなわち、下作動口62aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングである場合には、ステップS611に進む。ステップS611では停止結果の書替処理を行う。
停止結果の書替処理においては先ず、今回の遊技回が特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合には、右作動口用変動開始処理にて決定された停止絵柄(外れ結果に対応する絵柄)の書き替えが回避される。これに対して、今回の遊技結果が特別当たり結果に対応している場合には、右作動口用変動開始処理にて決定された停止絵柄(特別当たり結果に対応する絵柄)を外れ結果に対応する絵柄に書き替える。ステップS611の処理を実行した後は、上記ステップS612及びステップS613の各処理を実行した後、本右作動口用制御処理を終了する。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図21~図25のフローチャートを参照して説明する。既に説明したように、本実施の形態においては作動口62a,63aへの入球に基づいて遊技が進行する通常遊技状態と、可変入賞装置64,65が開放される特別遊技状態(開閉実行モード)とが設けられている。通常遊技状態については、抽選モードが低確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第1通常遊技状態、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなる第2通常遊技状態、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第3通常遊技状態、抽選モードが低確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなる第4通常遊技状態とで構成されており、大当たり結果対応の特別遊技状態等を経由してこれら第1通常遊技状態~第4通常遊技状態の切り替えがなされる。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合にはステップS802に進み、遊技回(詳しくは確定表示)が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示時間(確定表示時間)が経過したタイミングである場合には、ステップS803に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が特別遊技状態(開閉実行モード)への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、上述した8R通常フラグ、2R通常フラグ、2R確変フラグ、6R確変Aフラグ、6R確変Bフラグ、6R確変Cフラグ、6R確変Dフラグ、6R確変Eフラグ、16R確変Aフラグ、16R確変Bフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれも格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置65の上大入賞口311の開放を開始することなく当該可変入賞装置65を待機させるためのオープニング用待機時間(開始用待機時間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
本実施の形態におけるオープニング用の待機時間(オープニング時間)については当たりの種別によって異なっている。具体的には、大当たり結果である場合のオープニング用の待機時間は5secとなっているのに対して、特別当たり結果である場合のオープニング用の待機時間はそれよりも短い時間、詳しくは8msecとなっている。
続くステップS805では、今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS806に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられたラウンド数カウンタRCに今回の大当たり結果に対応する値をセットする。具体的には、今回の大当たり結果が2R大当たり結果である場合にはラウンド数カウンタRCに「2」をセットし、今回の大当たり結果が6R大当たり結果である場合にはラウンド数カウンタRCに「6」をセットし、今回の大当たり結果が8R大当たり結果である場合にはラウンド数カウンタRCに「8」をセットし、今回の大当たり結果が16R大当たり結果である場合にはラウンド数カウンタRCに「16」をセットする。ラウンド数カウンタRCはラウンドが進むごとに減算され、当該ラウンド数カウンタRCの値が「0」になった場合に今回の特別遊技状態が終了することとなる。
続くステップS807では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグが格納されている場合には、当該高頻度サポートモードフラグを消去する。これにより、大当たり結果に対応した特別遊技状態中はサポートモードが低頻度サポートモードに維持される。
ステップS805の説明に戻り、当該ステップS805にて否定判定をした場合、すなわち特別当たり結果を契機とした特別遊技状態である場合には、ステップS808に進む。ステップS808ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に第2入賞モードフラグをセットする。その後、ステップS809では、ラウンド数カウンタに「1」をセットする。以降の処理では第2入賞モードフラグがセットされていることに基づいて、今回の特別遊技状態が特別当たり結果に対応していると判断する。
ステップS807又はステップS809の処理を実行した後は、ステップS810へ進む。ステップS810では、オープニングコマンドの設定処理を行う。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置710に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置710に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置710では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。
ステップS810にてオープニングコマンド設定処理を実行した後はステップS811にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS811の外部信号設定処理では、RAM604に、上記各種大当たりフラグ及び特別当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たり又は特別当たりが発生した旨を示す信号が出力される。この外部信号を受信することにより当該管理制御装置にて、特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行した旨が把握される。
ステップS801の説明に戻り、開閉実行モード中である場合には当該ステップS801にて肯定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS813にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、図22~図24のフローチャートを参照して大入賞口開閉処理について説明する。
(大入賞口開閉処理)
図22に示すように、大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS901にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に第2入賞モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS902に進み、第1開閉処理を実行する。第1開閉処理は、大当たり結果に対応した特別遊技状態(開閉実行モード)である場合に実行される処理である。
(第1開閉処理)
図23に示すように、第1開閉処理においては先ず、ステップS1001にて上側可変入賞装置64(上大入賞口311)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、上側可変入賞装置64の可変入賞駆動部451の駆動状態に基づいて係る判定を行う。上大入賞口311が開放中でない場合には、ステップS1002にてラウンド数カウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、そのまま本第1開閉処理を終了する。
ステップS1002にて否定判定をした場合にはステップS1003に進む。ステップS1003ではRAM604の各種カウンタエリア634に設けられたタイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1は、上大入賞口311の開放時間やインターバル時間(ラウンド間インターバル時間)等を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図14参照)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS1003にて否定判定をした場合には、本第1開閉処理を終了する。
ラウンド数カウンタRCの値が「0」ではなく且つタイマカウンタTC1の値が「0」である場合には、ステップS1004に進み、上側可変入賞装置64(上大入賞口311)の開放処理を実行する。具体的には、上大入賞口311を開放すべく可変入賞駆動部451を駆動状態とする。
その後、上側可変入賞装置64(上大入賞口311)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS1005~ステップS1006の処理を実行する。具体的には、ステップS1005ではタイマカウンタTC1に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS1006にて入賞カウンタPCに「9」をセットする。
続くステップS1007では、今回の特別遊技状態における最初のラウンド(第1ラウンド)であるか否かを判定する。ステップS1007にて肯定判定をした場合には、ステップS1008に進む。ステップS1008では今回の特別遊技状態が確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1008にて肯定判定をした場合にはステップS1009にて確変用流路切替処理を実行する。確変用流路切替処理では、流路切替用駆動部452に駆動信号を出力して流路切替部材316を突出位置から退避位置へ移動させ、当該駆動信号の出力を継続する継続時間を設定する。この継続時間については、上大入賞口311の最大開放時間と同じ長さとなっている。このため、右ルートへ遊技球を連続して発射している場合には、そのほとんどにて有利入球部314への入賞が発生し、高確率モードへの移行が確定することとなる。
ステップS1008にて否定判定をした場合にはステップS1010にて通常用流路切替処理を実行する。通常用流路切替処理では、確変用流路切替処理と同様に、流路切替用駆動部452に駆動信号を出力して流路切替部材316を突出位置から退避位置へ移動させ、当該駆動信号の出力を継続する継続時間を設定する。この継続時間については、上大入賞口311の最大開放時間よりも短くなっている。より詳しくは、上大入賞口311に流入した遊技球が有利入球部314(詳しくは検知センサ319の検知領域)へ到達するのに要する時間よりも短い時間が設定される。このため、右ルートへ遊技球を連続して発射している場合であっても、基本的に有利入球部314への入賞が回避される。
ステップS1009,S1010にて流路切替処理を実行した後、又はステップS1007にて否定判定をした場合には、ステップS1011に進む。ステップS1011では、上側可変入賞装置64(上大入賞口311)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本第1開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図15参照)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、上記受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて上側可変入賞装置64(上大入賞口311)が開放中であると判定した場合にはステップS1012に進む。ステップS1012では流路切替部材316を突出位置へ復帰させるタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ステップS1009,S1010にて設定された継続時間を経過したか否かを判定する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて流路切替用駆動部452への駆動信号の出力を停止し、流路切替部材316を突出位置へ復帰させる。
ステップS1012にて否定判定をした場合、又はステップS1013の復帰処理を実行した後は、ステップS1014に進む。ステップS1014では、タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合にはステップS1015に進み、上大入賞口311に遊技球が入賞したか否かを上側可変入賞装置64に配設された上流側の検知センサ317からの検知情報(検知信号)に基づいて判定する。
入賞が発生している場合には、ステップS1016にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、報知・演出制御装置143では当該入賞コマンドに基づいて図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示を変更する。
ステップS1016にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS1017に進む。ステップS1017では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS1018にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1018にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS1014にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS1019にて上側可変入賞装置64(上大入賞口311)を閉鎖すべく可変入賞駆動部451を非駆動状態とする。
続くステップS1020では流路切替部材316が退避位置に配置されているか否かを判定する。ステップS1020にて肯定判定をした場合にはステップS1021にて流路切替用駆動部452への駆動信号の出力を停止し、流路切替部材316を突出位置へ復帰させる。
ステップS1021の復帰処理を実行した後、又はステップS1020にて否定判定をした場合には、ステップS1022に進み、ラウンド数カウンタRCの更新処理を実行する。具体的には、ラウンド数カウンタRCの値が「0」でない場合には当該ラウンド数カウンタRCを1ディクリメントするとともにラウンド数カウンタRCの値が「0」である場合には当該ラウンド数カウンタRCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS1023では更新されたラウンド数カウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1023にて否定判定をした場合にはステップS1024に進み、タイマカウンタTC1に「1000」(2.0secに相当)をセットする。
ステップS1024の処理を実行した後は、ステップS1025にて閉鎖コマンドを設定し、本第1開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1023の説明に戻り、当該ステップS1023にてラウンド数カウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1026に進む。ステップS1026ではエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間(本実施の形態では5sec)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS1027にて、エンディングコマンドを設定した後に、本第1開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
図22の説明に戻り、ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS903の第2開閉処理を実行する。以下、図24のフローチャートを参照して第2開閉処理について説明する。
(第2開閉処理)
第2開閉処理においては先ず、ステップS1101にて下側可変入賞装置65(下大入賞口341)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、下側可変入賞装置65の可変入賞駆動部461の駆動状態に基づいて係る判定を行う。下大入賞口341が開放中でない場合には、ステップS1102にて下側可変入賞装置65(下大入賞口341)の開放処理を実行する。具体的には、下大入賞口341を開放すべく可変入賞駆動部461を駆動状態とする。
その後、下側可変入賞装置65(下大入賞口341)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS1103~ステップS1104の処理を実行する。具体的には、ステップS1103ではタイマカウンタTC1に「400」(0.8secに相当)をセットし、続くステップS1104にて入賞カウンタPCに「9」をセットする。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて下側可変入賞装置65(下大入賞口341)が開放中であると判定した場合にはステップS1105に進み、タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合にはステップS1106に進み、下大入賞口341に遊技球が入賞したか否かを下側可変入賞装置65に配設された入球検知センサからの検知信号に基づいて判定する。
入賞が発生している場合には、ステップS1107にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、報知・演出制御装置143では当該入賞コマンドに基づいて図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示を変更する。
ステップS1107にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS1108に進む。ステップS1108では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS1109にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本第2開閉処理を終了する。
ステップS1109にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS1105にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS1110にて下側可変入賞装置65(下大入賞口341)を閉鎖すべく可変入賞駆動部461を非駆動状態とする。
続くステップS1111ではエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間(本実施の形態では0.2sec)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS1112にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
再び図21の説明に戻り、ステップS813の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS814に進む。ステップS814ではラウンド数カウンタRCが「0」になっているか否かを判定する。ステップS814にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS814にて肯定判定をした場合には、ステップS815に進む。ステップS815ではエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。エンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンド数カウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS816にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。ここで、図25を参照して、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
(開閉実行モード終了時の移行処理)
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の特別遊技状態が第1入賞モードに対応していたか否かを判定する。第1入賞モードに対応していた場合には、ステップS1201にて肯定判定をしてステップS1202に進む。ステップS1202では今回の特別遊技状態中に有利入球部314への入球が発生したか否かを判定する。有利入球部314への入球が発生している場合には、ステップS1203にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モードフラグをセットする。これにより、以降の通常遊技状態では抽選モードが高確率モードとなる。
ステップS1203の処理を実行した後、又はステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204では今回の特別遊技状態が高頻度サポートモードへの移行に対応しているか否かを判定する。ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1205にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットし、続くステップS1206にてRAM604の各種カウンタエリア634に設けられた遊技回数カウンタに今回の大当たり結果に対応した値をセットする。遊技回数カウンタは遊技回が実行される度に減算され、当該遊技回数カウンタの値が「0」となった場合に高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行することとなる。
なお、詳細については後述するが、本実施の形態では例えば上記第2通常遊技状態~第3通常遊技状態にて右作動口63aへの入球に基づいて16R確変大当たり結果となった場合には、高頻度サポートモードへの移行が回避される構成となっている。
ステップS1206の処理を実行した後、又はステップS1201,S1204にて否定判定をした場合には、ステップS1207に進む。ステップS1207では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に記憶されている特別遊技状態用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
次に、図26~図28を参照して、通常処理(図15参照)のステップS205にて実行される電役サポート用処理について説明する。図26は電役サポート用処理を示すフローチャート、図27は低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードを比較した概略図、図28は電役開閉処理を示すフローチャートである。
(電役サポート用処理)
電役サポート用処理においては先ず、ステップS1301にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右作動口63aに付属の電動役物71を開状態へ切り替える際に格納され、閉状態へ復帰させる際に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1302に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物71を開状態とするか否かの開放抽選に当選した場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1303に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられたタイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
タイマカウンタTC2の値が「0」である場合にはステップS1304に進み、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1305にて、外れ表示を設定し且つタイマカウンタTC2に「250」(0.5secに相当)をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより外れ表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了され、この外れ表示が0.5secに亘って継続されることとなる(図27参照)。
タイマカウンタTC2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合にはステップS1306に進み、上記役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1307にてサポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。
高頻度サポートモード中である場合にはステップS1307にて肯定判定をし、ステップS1308に進む。ステップS1308では電動役物71によるサポートを行うか否かを抽選(開放抽選)により決定する。具体的には、電役用記憶エリア633の役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた開放乱数カウンタC4の値とROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶されている高頻度サポートモード用の抽選テーブルとを参照して当該開放抽選を行う。また、開放抽選と同時にタイマカウンタTC2に「100」(0.2secに相当)をセットする。なお、タイマカウンタTC2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。以降は、タイマカウンタTC2の値が「0」になるまで、すなわち0.2secに亘ってスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が継続される(図27参照)。
続くステップS1309では、ステップS1308の開放抽選の結果が当選結果(サポート当選)であるか否かを判定する。サポート当選でない場合にはそのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1310にてRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグをセットして本電役サポート用処理を終了する。
低頻度サポートモード中である場合にはステップS1307にて否定判定をし、ステップS1311に進む。ステップS1311では電動役物71によるサポートを行うか否かを抽選(開放抽選)により決定する。具体的には、電役用記憶エリア633の役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた開放乱数カウンタC4の値とROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶されている低頻度サポートモード用の抽選テーブルとを参照して当該開放抽選を行う。また、開放抽選と同時にタイマカウンタTC2に「350」(すなわち0.7secに相当)をセットする。以降は、タイマカウンタTC2の値が「0」になるまで、すなわち0.7secに亘ってスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が継続される(図27参照)。
続くステップS1312では、ステップS1311の開放抽選の結果が当選結果(サポート当選)であるか否かを判定する。サポート当選でない場合にはそのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1313にてRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグをセットして本電役サポート用処理を終了する。
なお、高頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは249/250)は、低頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは248/250)よりも高くなっており、高頻度サポートモードの方が優遇されている。
図26のステップS1302の説明に戻り、RAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1302にて肯定判定をし、ステップS1314に進み、タイマカウンタTC2の値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。タイマカウンタTC2の値が「0」である場合には、ステップS1315にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1316では、各種フラグ格納エリア635にサポート中フラグをセットし、当該各種フラグ格納エリア635に格納されているサポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1301の説明に戻り、当該ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわちRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1317に進み、電動役物71を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。以下、図28を参照して、電役開閉処理について説明する。
(電役開閉処理)
電役開閉処理においては先ず、ステップS1401にて電動役物71が開放中であるか否かを判定する。電動役物71が開放中であるか否かは、電動役物駆動部332が駆動状態であるか否かで判定する。電動役物71が開放されている場合にはステップS1402に進み、電動役物71が付属の右作動口63aについて開放後の入賞数が上限(本実施の形態では「10」個)に達しているか否かを判定する。ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1403に進みタイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。
タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。これに対して、タイマカウンタTC2の値が「0」である場合、又はステップS1402にて入賞数が上限に達していると判定している場合には、ステップS1404に進む。ステップS1404では、電動役物71を閉状態に切り替える(復帰させる)閉鎖処理を行う。その後、ステップS1405にて各種フラグ格納エリア635に格納されているサポート中フラグを消去し、本電役開閉処理を終了する。
ステップS1401の説明に戻り、電動役物71が開放中でない場合にはステップS1401にて否定判定をし、ステップS1406に進む。ステップS1406では、タイマカウンタTC2が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTC2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。タイマカウンタTC2が「0」である場合には、ステップS1407にて、電動役物71を開状態に切り替える開放処理を実行する。
その後、ステップS1408にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。高頻度サポートモード中である場合には、ステップS1409にてタイマカウンタTC2に「2850」(5.7secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、低頻度サポートモード中である場合には、ステップS1410にてタイマカウンタTC2に「40」(0.08secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する(図27参照)。
(遊技状態と変動表示時間との関係)
既に説明したように、本実施の形態においては下作動口62a及び右作動口63aへの入球に基づいて保留情報が取得され、それら取得された保留情報に基づいて遊技回における絵柄や図柄の変動表示~確定表示が実行される構成となっている。ここで、絵柄や図柄の変動表示時間については、遊技状態に応じて設定される構成となっている。以下、図29~図31を参照して、変動表示時間等の設定に係る構成(下作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理(図18参照)及び上作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理(図19参照))について補足説明する。図29は下作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理(下作動口用の変動表示時間設定処理)を示すフローチャート、図30は右作動口用の変動表示時間設定処理を示すフローチャート、図31は遊技状態と変動表示時間との関係を示す概略図である。
(下作動口用の変動表示時間設定処理)
図29に示すように、下作動口用の変動表示時間設定処理においては先ず、ステップS1501にて低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第1通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合にはステップS1502にて第1通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第1通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第1通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、RAM604の保留球格納エリア632における下作動口用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数、当否抽選の結果、リーチ発生の有無に応じて変動表示時間を設定する。
変動表示時間については、大当たり結果と外れ結果とを比較した場合には後者よりも前者の方が長くなりやすい構成となっており、外れ結果の場合であってリーチ表示が発生しない場合(完全外れの場合)には記憶されている保留情報の数が多くなるほど短くなるように構成されている。図31(a1)においては、第1通常遊技状態にて完全外れである場合の変動表示時間を例示している。例えば、記憶されている保留情報の数が「0」又は「1」となっている場合には変動表示時間として「12,13,14sec」の何れかが設定され、記憶されている保留情報の数が「2」となっている場合には変動表示時間として「7,8,9sec」の何れかが設定され、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」の場合には変動表示時間として「3,4,5sec」の何れかが設定される。なお、第1通常遊技状態においては下作動口用表示部DLにおける絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間は「0.5sec」となるように構成されている。
図29の説明に戻り、ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の上記第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1503にて肯定判定をした場合にはステップS1504にて第2通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第2通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第2通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第2通常遊技状態においては、第1通常遊技状態とは異なり、記憶されている保留情報の数や当否抽選の結果等の各種条件に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第2通常遊技状態においては何れの遊技回についても、変動表示時間が「0.5sec」且つ確定表示時間が「0.5sec」となるように構成されており(図31(a2)参照)、第1通常遊技状態と比べて変動表示時間が短くなっている。
詳細については後述するが、第2通常遊技状態においては、遊技領域PEに形成された右ルートへ遊技球を発射することにより、左ルートを狙った場合と比較して遊技者に有利に遊技が進むこととなる。右ルートへ発射された遊技球は、右作動口63aへ入賞し、遊技が主として右作動口63aに係る保留情報に基づいて進行する。このような状況下にて右作動口63aよりも有利度の低い下作動口62aに対応した遊技回が割り込むことで遊技者が困惑する可能性がある。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、第2通常遊技状態への移行後は下作動口62aに対応した遊技回を早々に消化させることで、上記不都合の発生を抑制している。
図29のステップS1503にて否定判定をした場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第3通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合にはステップS1506にて第3通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第3通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第3通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第3通常遊技状態においては、第1通常遊技状態とは異なり、記憶されている保留情報の数や当否抽選の結果等の各種条件に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第3通常遊技状態においては何れの遊技回についても、変動表示時間が「0.5sec」且つ確定表示時間が「0.5sec」となるように構成されている(図31(a3)参照)。
図29のステップS1505にて否定判定をした場合、すなわち低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の上記第4通常遊技状態である場合には、ステップS1507に進み、第4通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第4通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第4通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第4通常遊技状態においては、第1通常遊技状態とは異なり、記憶されている保留情報の数や当否抽選の結果等の各種条件に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第4通常遊技状態においては何れの遊技回についても、変動表示時間が「0.5sec」且つ確定表示時間が「0.5sec」となるように構成されている(図31(a4)参照)。
(右作動口用の変動表示時間設定処理)
図30に示すように、右作動口用の変動表示時間設定処理においては先ず、ステップS1601にて低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第1通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合にはステップS1602にて第1通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第1通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第1通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、変動表示時間を設定する。なお、右作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルについては下作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルとは別のテーブルである。
第1通常遊技状態においては、RAM604の保留球格納エリア632における右作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数、当否抽選の結果、リーチ発生の有無等の各種条件に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第1通常遊技状態においては何れの遊技回についても、変動表示時間が「600sec」且つ確定表示時間が「1sec」となるように構成されている(図31(b1)参照)。第1通常遊技状態にて右ルートへ発射された遊技球は、右作動口63aへ入賞し得るものの、右作動口63aへの入賞によって獲得できる賞球は「1」個であり、且つ右作動口63aへの入賞に基づく抽選結果が出るまでには600sec待つ必要がある。これにより、第1通常遊技状態にて右ルートを狙って遊技球を発射して、遊技を有利に進めようとする行為を抑制している。
図30の説明に戻り、ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603では高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の上記第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合にはステップS1604にて第2通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第2通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第2通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第2通常遊技状態における変動表示時間については、大当たり結果と特別当たり結果及び外れ結果とを比較した場合には後者よりも前者の方が長くなりやすい構成となっている。特に、外れ結果の場合であってリーチ表示が発生しない場合(完全外れの場合)には記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。また、特別当たり結果の場合には完全外れと同様にリーチ表示が発生しない構成となっており、この場合にも記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。
図31(b2)においては、第1通常遊技状態にて特別当たり又は完全外れとなる場合の変動表示時間を示している。例えば、記憶されている保留情報の数が「0」となっている場合には変動表示時間として「13sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「1」となっている場合には変動表示時間として「8sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「2」の場合には変動表示時間として「4sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」となっている場合には変動表示時間として「1sec」が設定される。なお、第2通常遊技状態においては右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間については何れも「1sec」となるように統一されている。
図30のステップS1603にて否定判定をした場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第3通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1605にて肯定判定をした場合にはステップS1606にて第3通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第3通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第3通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第3通常遊技状態における変動表示時間については、大当たり結果と特別当たり結果及び外れ結果とを比較した場合には後者よりも前者の方が長くなりやすい構成となっている。特に、外れ結果の場合であってリーチ表示が発生しない場合(完全外れの場合)には記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。また、特別当たり結果の場合には完全外れと同様にリーチ表示が発生しない構成となっており、この場合にも記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。
図31(b3)においては、第3通常遊技状態にて特別当たり又は完全外れとなる場合の変動表示時間を示している。例えば、記憶されている保留情報の数が「0」~「2」となっている場合には変動表示時間として「4sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「3」~「4」となっている場合には変動表示時間として「0.5sec」が設定される。なお、第3通常遊技状態においては右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間は何れも「1sec」となるように統一されている。
図30のステップS1605にて否定判定をした場合、すなわち低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の上記第4通常遊技状態である場合には、ステップS1607に進み、第4通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
第4通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第4通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
第4通常遊技状態における変動表示時間については、大当たり結果と特別当たり結果及び外れ結果とを比較した場合には後者よりも前者の方が長くなりやすい構成となっている。特に、外れ結果の場合であってリーチ表示が発生しない場合(完全外れの場合)には記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。また、特別当たり結果の場合には完全外れと同様にリーチ表示が発生しない構成となっており、この場合にも記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。
図31(b4)においては、第1通常遊技状態にて完全外れである場合の変動表示時間を示している。例えば、記憶されている保留情報の数が「0」となっている場合には変動表示時間として「13sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「1」となっている場合には変動表示時間として「8sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「2」の場合には変動表示時間として「4sec」が設定され、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」となっている場合には変動表示時間として「2.5sec」が設定される。なお、第2通常遊技状態においては右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間は何れも「1sec」となるように統一されている。
本実施の形態においては、第1通常遊技状態~第4通常遊技状態の切り替えがなされることで、遊技の多様化が実現されている。特に、第2通常遊技状態を経て第3通常遊技状態へ移行する場合には、そのハードルが高頻度サポートモードが継続される遊技回数(以下、「時短回数」という)に依存する構成となっている。以下、図32の概略図を参照して、大当たり結果の種類と時短回数との関係について説明する。
(時短回数)
下作動口62aへの入賞に基づいて8R通常大当たり結果となった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「50」回が設定される。なお、上述したように8R通常大当たり結果に対応する特別遊技状態(開閉実行モード)においては、有利入球部314が一時的に開放されるものの上大入賞口311へ流入した遊技球が有利入球部314へ到達する前に当該有利入球部314が閉鎖されること構成となっており、実質的に当該有利入球部314への入球が回避されることとなる。
下作動口62aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Aとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「100」回が設定される。6R確変大当たり結果Bとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「70」回が設定される。6R確変大当たり結果Cとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「50」回が設定される。6R確変大当たり結果Dとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「30」回が設定される。6R確変大当たり結果Eとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「10」回が設定される。
なお、上述したように6R確変大当たり結果A~6R確変大当たり結果Eに対応する特別遊技状態(開閉実行モード)においては、右ルートへ向けた遊技球の発射が継続的に行われている場合には、そのほとんどにて有利入球部314への入球が発生する構成となっており、確変大当たり結果となったにも関わらず高確率モードへの移行が回避されることを抑制している。
下作動口62aへの入賞に基づいて16R確変大当たり結果A又は16R確変大当たり結果Bとなった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「0」回が設定される。つまり、これらの大当たり結果では、特別遊技状態(開閉実行モード)終了後に高頻度サポートモード対応の通常遊技状態へは移行しない。具体的には、有利入球部314への入球が発生した場合には高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ移行し、有利入球部314への入球が発生しなかった場合には低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態へ移行する。
右作動口63aへの入賞に基づいて2R通常大当たり結果となった場合には、上記有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「50」回が設定される。なお、上述したように2R通常大当たり結果に対応する特別遊技状態(開閉実行モード)においては、有利入球部314が一時的に開放されるものの上大入賞口311へ流入した遊技球が有利入球部314へ到達する前に当該有利入球部314が閉鎖されること構成となっており、実質的に当該有利入球部314への入球が回避されることとなる。
右作動口63aへの入賞に基づいて2R確変大当たり結果となった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「50」回が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Aとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定される。6R確変大当たり結果Aとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、6R確変大当たり結果Aとなった時点での遊技状態によって設定される時短回数が相違する。第1通常遊技状態中に6R確変大当たり結果Aとなった場合には、時短回数として「1000」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態中に6R確変大当たり結果Aとなった場合には、時短回数として「100」回が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Bとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に応じて時短回数が設定される。具体的には、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Bとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Bとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「70」回が設定される。これに対して、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Bとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「1000」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Bとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「70回」が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Cとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に応じて時短回数が設定される。具体的には、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Cとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Cとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「50」回が設定される。これに対して、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Cとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「1000」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Cとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「50回」が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Dとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に応じて時短回数が設定される。具体的には、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Dとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Dとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「30」回が設定される。これに対して、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Dとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「1000」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Dとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「30回」が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて6R確変大当たり結果Eとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に応じて時短回数が設定される。具体的には、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Eとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Eとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「10」回が設定される。これに対して、第1通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Eとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「1000」回が設定され、第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Eとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「10回」が設定される。
右作動口63aへの入賞に基づいて16R確変大当たり結果Aとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や当選時の遊技状態に応じて時短回数が設定される。具体的には、第1通常遊技状態にて16R確変大当たり結果Aとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「100」回が設定され、高頻度サポートモードへ移行する(第4通常遊技状態へ移行する)。第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて6R確変大当たり結果Aとなったにも関わらず有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、時短回数として「0」回が設定され、高頻度サポートモードへ移行しない(第1通常遊技状態へ移行する)。これに対して、第1通常遊技状態にて16R確変大当たり結果Aとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「1000」回が設定され、高頻度サポートモードへ移行する(第2通常遊技状態へ移行する)。第2通常遊技状態~第4通常遊技状態にて16R確変大当たり結果Aとなり有利入球部314への入球が発生した場合には、時短回数として「0」回が設定され、高頻度サポートモードへ移行しない(第2通常遊技状態へ移行する)。
右作動口63aへの入賞に基づいて16R確変大当たり結果Bとなった場合には、有利入球部314への入球の有無や、当選時の遊技状態に関係なく、時短回数として「0」回が設定される。具体的には、有利入球部314への入球が発生しなかった場合には低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態へ移行し、有利入球部314への入球が発生した場合には高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ移行する。
ここで、本実施の形態においては大当たり結果となった場合に移行する特別遊技状態(開閉実行モード)は、開放対象とする可変入賞装置及び開閉態様が異なる第1入賞モード及び第2入賞モードに大別される。大当たり結果となった場合には第1入賞モード対応の特別遊技状態へと移行する。第1入賞モード対応の特別遊技状態(以下、第1特別遊技状態という)では、開放対象として上側可変入賞装置64が設定され、所定の開放時間(詳しくは30sec)の経過又は所定数(詳しくは9個)の入球発生を1ラウンドとして複数ラウンドを上限として開放が繰り返される。これに対して、特別当たり結果となった場合には第2入賞モード対応の特別遊技状へと移行する。第2入賞モード対応の特別遊技状態(以下、第2特別遊技状態という)では、開放対象として下側可変入賞装置65が設定され、所定の開放時間(詳しくは0.8sec)の経過又は所定数(詳しくは9個)の入球発生の何れかが成立した場合に当該第2特別遊技状態が終了する。このように、第1特別遊技状態は入賞頻度が相対的に高くなるように設定され、第2特別遊技状態では入賞頻度が相対的に低くなるように設定されており、獲得できる賞球数に差が設けられている。
(遊技の流れ)
次に図33を参照して、基本的な遊技の流れについて説明する。図33は遊技の流れを示すブロック図である。
低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態では、遊技領域PE(左ルート)に配設された下作動口62aへの入賞が発生することにより、大当たり抽選が実行される。第1通常遊技状態は他の通常遊技状態と比べて遊技者の有利度が低くなるように設定されている。
第1通常遊技状態にて各種大当たり結果となった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。第1特別遊技状態では、大当たり結果の種類に応じて有利入球部314が開放される。第1特別遊技状態中に有利入球部314への入球が発生した場合には、第1特別遊技状態終了後の抽選モードが高確率モードとなる。第1特別遊技状態中に有利入球部314への入球が発生しなかった場合には、第1特別遊技状態終了後の抽選モードが低確率モードとなる。
詳しくは、今回の第1特別遊技状態が8R通常大当たり結果又は2R通常大当たり結果を契機としたものである場合には、実質的に有利入球部314への入球が回避される。このため、第1特別遊技状態終了後の遊技状態は低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第4通常遊技状態となる。第4通常遊技状態にて実行された遊技回が規定数(本実施の形態では50回)に達するまで当該第4通常遊技状態が維持され、実行された遊技回が規定数に達した場合に当該第4通常遊技状態よりも遊技者の有利度が低くなるように設定された第1通常遊技状態へ移行する。第4通常遊技状態については、遊技回数に上限が設けられてはいるものの、電動役物71のサポートによって持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。そして、大当たり結果の振り分けが遊技者に有利となるように優遇されている右作動口63aへの入球が期待できるため、第4通常遊技状態よりも有利な第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態へ移行するチャンスとなる。
既に説明したように、右作動口63aへの入賞が発生した場合には、それら入賞に基づく抽選のほとんどにて特別当たり結果となる。つまり、第4通常遊技状態においては、ほぼ全ての遊技回にて特別当たり結果となって、都度の遊技回にて第2特別遊技状態へと移行する。第2特別遊技状態に移行した場合には、下側可変入賞装置65が開放されることとなるが、右ルートへ発射された遊技球のほとんどは右作動口63aへ入賞して遊技領域PEから排出されることとなり、下側可変入賞装置65への入賞が抑制されている。以下、図34の概略図を参照して、第4通常遊技状態における遊技球の動きについて説明する。
第4通常遊技状態においては、電動役物71の開放時間が0.08secから5.7secに拡大されることにより右作動口63aへの入賞数が増える。そして、スルーゲート用表示部DSの変動表示時間が0.7secから0.2secに短縮されることで電動役物71が閉状態に維持される時間(第1インターバル時間)が短くなり、右作動口63aを素通りする遊技球の数が減る。これにより、右ルートへ発射された遊技球のほとんどが右作動口63aに入球することとなる。
具体的には、図34(a)→図34(b)→図34(c)に示すように、スルーゲート66を遊技球が通過したことに基づいて電動役物71のシャッタ331が閉位置から開位置へと移動し、上流側通路部322が寸断される。これにより、上流側通路部322を通過する遊技球は右作動口63aへ流入することとなる。ここで、シャッタ331上(上記第1特定領域SE1)を遊技球が通過するのに要する時間については、上記第1インターバル時間よりも僅かに長くなるように設定されているため、右ルートへ向けて遊技球を連続して発射している場合には、それら遊技球のほとんどが右作動口63aへと流入し、下側可変入賞装置65側への移動が回避されることとなる。
下側可変入賞装置65(下大入賞口341)への入賞によって払い出される賞球の数は「10」個であり、右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞によって払い出される賞球の数は「1」個よりも多くなっている。しかしながら、上述したように、右ルートへ発射された遊技球のほとんどは右作動口63aへ入賞し、下大入賞口341への入賞による賞球については稀となる。故に、第4通常遊技状態においては持ち球の減りを抑えながら遊技を進行させることができるものの、持ち球を増加させることは実質的に困難となっている。
なお、本実施の形態においては第4通常遊技状態にて右ルートへ遊技球が連続して発射されている場合の発射インターバル時間は「0.6sec」、電動役物71の閉鎖時間はおよそ「0.7sec」、電動役物71の開放時間は「5.7sec」、遊技回の所要時間は「2sec」且つ第2特別遊技状態の所要時間は「0.8sec」となっている。以上の理由から、第4通常遊技状態にて右ルートへ遊技球を連続して発射している場合には、右作動口63aの保留上限を超える入賞、すなわち新たに保留情報が取得されないオーバー入賞が多発することとなる。この場合であっても、右作動口63aへの入賞に基づく賞球は担保されるため、持ち球の減少スピードが明らかに遅くなる。
図33の説明に戻り、今回の第1特別遊技状態が6R確変大当たり結果A~6R確変大当たり結果E又は2R確変大当たり結果を契機としている場合には、右ルートへ向けた遊技球の発射を継続してさえいれば有利入球部314への入球が発生する。このため、ほとんどのケースにおいて、第1特別遊技状態終了後の遊技状態は高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態となる。
第2通常遊技状態においては、当該第2通常遊技状態にて実行された遊技回が規定数(本実施の形態では10~100回)に達するまで当該第2通常遊技状態が維持され、実行された遊技回が規定数に達した場合に第2通常遊技状態よりも遊技者に有利な第3通常遊技状態に移行する。
第2通常遊技状態中は、上記規定数に到達するまでの残り遊技回数に対応する情報として遊技回カウンタが図柄表示装置75の表示画面75aに表示される。表示されている遊技回カウンタについては遊技回が進むごとにカウントダウン表示され、規定数に到達して残り回数が「0回」となった場合に第3通常遊技状態への移行に対応する表示演出が実行されることとなる。これにより、第3通常遊技状態への移行が明示される。
第2通常遊技状態についても、第4通常遊技状態と同様に高頻度サポートモードに対応しており、電動役物71のサポートによって持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。この際、右作動口63aへの入賞によって下側可変入賞装置65が開放されるものの、右ルートへ発射された遊技球のほとんどは右作動口63aへ入賞し、右作動口63aの下流側へ配設された下側可変入賞装置65への到達が抑制されている。このため、第2通常遊技状態においても第4通常遊技状態と同様に、持ち球を増加させることは実質的に困難となっている。なお、第2通常遊技状態における遊技球の流れについては、図34を参照されたい。
なお、第2通常遊技状態においては保留情報の数(保留数)が「3」~「4」個の場合には、変動表示時間が「1sec」となり、第4通常遊技状態における変動表示時間(「2.5sec」)よりも短くなっている。このように変動表示時間が短縮されることにより、第2通常遊技状態においては、第4通常遊技状態よりも遊技の進行速度が速くなるように差別化されている。
第2通常遊技状態にて大当たり結果となることなく消化した遊技回が規定数に達した場合には、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わる。本実施の形態においては、高頻度サポートモードとは異なり高確率モードに遊技回の上限が設定されていない。このため、規定数に達することで、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へと移行する。
既に説明したように、右作動口63aへの入賞が発生した場合には、それら入賞に基づく抽選のほとんどにて特別当たり結果となる。つまり、第3通常遊技状態においては、ほぼ全ての遊技回にて特別当たり結果となって、都度の遊技回にて第2特別遊技状態へと移行する。この点については、上記第2通常遊技状態や第4通常遊技状態と同様である。
但し、第2特別遊技状態に移行した場合には、下側可変入賞装置65が開放されることとなるが、右ルートへ発射された遊技球の一部は右作動口63aを素通りして下側可変入賞装置65へ向かい、当該下側可変入賞装置65への入賞によって持ち球が増加に転じることとなる。以下、図35~図36の概略図を参照して、第3通常遊技状態における遊技球の動きについて説明する。
第3通常遊技状態については低頻度サポートモードに対応しており、電動役物71の開放時間が「5.7sec」から「0.08sec」に短縮され、且つスルーゲート用表示部DSの変動表示時間が「0.2sec」から「0.7sec」に延長される。すなわち、電動役物71が閉状態となっている期間が長くなり、開状態となっている期間が短くなる。ここで、上述したようにスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示時間「0.7sec」と確定表示時間「0.5sec」との和「1.2sec」がシャッタ331が閉状態に維持される時間、すなわち実質的なインターバル時間(以下、第2インターバル時間という)となる。この第2インターバル時間については、遊技球がシャッタ331の上方(第1特定領域SE1)を通過するのに必要な所要時間よりも長くなるように設定されている。このため、右ルートへ発射された遊技球の一部は右作動口63aを素通りして下側可変入賞装置65へ向かうこととなる。つまり、右作動口63aへの入賞数が減り、右作動口63aを素通りする遊技球が増える。この結果、下大入賞口341への入賞数が増える。
具体的には、図35(a)→図35(b)→図35(c)に示すように、スルーゲート66を遊技球が通過したことに基づいて電動役物71のシャッタ331が閉位置から開位置へと移動し、上流側通路部322が寸断される。これにより、上流側通路部322を通過する遊技球は右作動口63aへ流入することとなる。右作動口63aへの入賞が発生すると、抽選結果のほとんどが特別当たり結果となり、下側可変入賞装置65が開放される。
図35(d)→図36(e)に示すように、右作動口63aを素通りした遊技球が下側可変入賞装置65側へ入賞すると「10」個の賞球が払い出されることとなる。下側可変入賞装置65(下大入賞口341)への入賞によって払い出される賞球の数は、右側作動入球部63(右作動口63a)への入賞によって払い出される賞球の数は「1」個よりも多くなっている。これにより、持ち球が増加することとなる。
ここで、第1特定領域SE1の通過に要する所要時間については遊技球の発射周期「0.6sec」よりも長くなっており、電動役物71が開状態→閉状態→開状態となるまでのインターバル時間については「1.2sec」である。そして、電動役物71が開状態に維持される時間「0.08sec」は、シャッタ331に載っている遊技球が右作動口63aを通過するのに必要な時間よりも長くなっている。このため、右ルートへ遊技球を連続して発射している場合には、電動役物71が開状態となる度に右作動口63aへ1の入賞が発生し、入球ユニット70に到達した遊技球のおよそ半分が右作動口63aへ入賞することとなる。
また、第3通常遊技状態では、記憶されている保留情報の数(保留数)が「3」~「4」の場合の右作動口用表示部DRの絵柄の変動表示時間が0.5secであり、確定表示時間が1secとなる。つまり、第2特別遊技状態への移行が連続する場合に下側可変入賞装置65が受入状態→非受入状態→受入状態となるのに要するインターバル時間については「1.5secc」となる。そして、下側可変入賞装置65に到達した遊技球が第2特定領域SE2を通過するに必要な所要時間についてはそのインターバル時間よりも長くなっている。このため、右作動口63aを素通りした遊技球のうち下側可変入賞装置65に到達した遊技球については、そのほとんどが下大入賞口341へ入賞することとなる(図36(e),図36(f)参照)。総じて、若干の間引きは発生し得るものの、右ルートに発射され入球ユニット70に到達した遊技球のおよそ2つに1つが右作動口63aへ入賞し、およそ2つに1つが下大入賞口341へ入賞する構成が実現されている。
なお、第3通常遊技状態においては右作動口63aへの入賞数及び入賞率については第2通常遊技状態や第4通常遊技状態には及ばないものの、右作動口63aへの入球がコンスタントに発生し、右作動口63aに係る保留情報の数(保留数)が「3」~「4」を推移するようにして遊技が進行する。但し、厳密には第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態においては保留数の上限を大きく超えるようにして入賞が多発する構成であったのに対して、第3通常遊技状態では保留数の上限を僅かに上回る程度の入賞が発生するにとどまる。しかしながら、上限を超える入賞が発生した場合には保留情報が新たに取得されない点に鑑みれば、実際の保留数の推移については入賞数や入賞率の差ほどの影響を受けない。言い換えれば、第2通常遊技状態や第4通常遊技状態では、保留数の上限を超えるようにして入賞が発生しやすい構成であり、第3通常遊技状態と比較して保留情報が取得されない入賞が多くなるように差別化されている。
ここで、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行するための条件は、第2通常遊技状態への移行時に設定された上限(規定回数又は時短回数)の遊技回を消化することにあるが、この上限については当該第2通常遊技状態への移行契機となった大当たり結果の種類によって異なる。例えば、2R確変大当たり結果では上限として「50」回が設定され、6R確変大当たり結果Aでは上限として「100」回が設定され、6R確変大当たり結果Bでは上限として「70」回が設定され、6R確変大当たり結果Cでは上限として「50」回が設定され、6R確変大当たり結果Dでは上限として「30」回が設定され、6R確変大当たり結果Eでは上限として「10」回が設定される。つまり、6R確変大当たり結果A < 6R確変大当たり結果B < 6R確変大当たり結果C,2R確変大当たり結果 < 6R確変大当たり結果D < 6R確変大当たり結果Eの順に第3通常遊技状態への移行確率が高くなるように構成されている。このように第3通常遊技状態への移行ハードルに差を設けることにより、遊技の多様化を実現している。
第3通常遊技状態にて大当たり結果となった場合には第1特別遊技状態へと移行する。今回の第1特別遊技状態が16R確変大当たり結果A又は16R確変大当たり結果Bを契機としている場合には、第1特別遊技状態が終了した後は直ちに第3通常遊技状態へと復帰して、持ち球を増やすチャンスとなる。これに対して、今回の第3通常遊技状態が2R確変大当たり結果、6R確変大当たり結果A~6R確変大当たり結果Eの何れかを契機としている場合には、第1特別遊技状態が終了した後は第2通常遊技状態へ移行し、再び第3通常遊技状態への移行を目指して遊技が行われることとなる。
本実施の形態においては、第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態の何れの通常遊技状態についても第3通常遊技状態への復帰のチャンスが残っているものの、第2通常遊技状態を経由した第3通常遊技状態への復帰を加味した場合、第4通常遊技状態よりも第2通常遊技状態の方が復帰が容易となるように差が設けられている。
以上詳述したように、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、持ち球の増加態様の異なる2つの状態が発生する構成となっており、これら2つの増加態様の組み合わせにより遊技者に有利な遊技状態での遊技進行が単調になることを抑制している。ここで、図37を参照して、本パチンコ機10にて遊技の流れと持ち球との関係について補足説明する。
第1通常遊技状態にて左ルートへ遊技球を発射している場合には、遊技進行に伴って持ち球が減少することとなる。このように投資が続いている状況下にて大当たり結果となり、第1特別遊技状態へ移行すると、上側可変入賞装置64への入賞が頻発することにより持ち球が大きく増加する。具体的には、第1特別遊技状態は、ラウンド遊技中に実質的に9個の入球が発生し得る構成となっている。1個の入賞によって14個の遊技球が払い出されるため、1ラウンドにて126個の遊技球を獲得できる。そして、2secのインターバル時間を経てこのラウンド遊技が複数回繰り返されることとなるため、一度に大量の遊技球を獲得できるチャンスとなる。
第1特別遊技状態における最初のラウンドでは有利入球部314が開放される。このラウンドにて有利入球部314への入球が発生した場合には、第1特別遊技状態終了後に第2通常遊技状態へ移行する。第2通常遊技状態においては電動役物71のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。高頻度サポートモードでは、右ルートへ発射された遊技球のほとんどが右作動口63aへ入賞することとなるが、右作動口63aへの入賞によって払い出される賞球の数は1個である。そして、右ルートへ発射された遊技球の一部は何れの賞球対応の入球部へも入賞することなく遊技領域PEから排出される点に鑑みれば、第2通常遊技状態においても持ち球は徐々に減少することとなる。但し、右作動口63aへの入賞によって賞球を獲得できるため、第1通常遊技状態と比較した持ち球の減少速度は緩やかとなる。
既に説明したように、第2通常遊技状態移行後に大当たり結果となることなく消化された遊技回が上記上限に達した場合には、第3通常遊技状態へと移行する。第3通常遊技状態では、高確率モードは維持されるもののサポートモードが低頻度サポートモードへ切り替わり、右作動口63aを素通りする遊技球の数が増える。そして、右作動口63aを素通りした遊技球についてはそのほとんどが下大入賞口341へ入賞することとなる。上述したように入球ユニット70に到達した遊技球については、そのおよそ半分が下側可変入賞装置65へと向かい、第2特別遊技状態となって下側可変入賞装置65が受入状態となる度におよそ1個の入賞が発生することとなる。下側可変入賞装置65への入賞によって払い出される賞球の数は10個であるため、第2特別遊技状態へ移行する度に持ち球が10個増える。つまり、遊技回毎に持ち球がおよそ10個増える。このような事情に鑑みれば、第3通常遊技状態に移行した場合には、次の大当たり結果となるまでの間に特別当たり結果となって第3特別遊技状態への移行が繰り返されることが持ち球を大きく増やすチャンスとなる。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上記第2通常遊技状態については高確率モードに対応しているため本来であれば早々に大当たり結果となることが期待できるものの、場合によっては運悪く大当たり結果にならないまま遊技が進む場合がある。大当たり結果となることへの期待が高まっている状態であるにも関わらず、大当たり結果となることなく遊技が進み、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替わってしまった場合には、遊技者の遊技意欲が著しく低下すると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態にて当選結果となることなく遊技回数が基準回数に達した場合には、基準回数到達を契機として高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。第3通常遊技状態では第2通常遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されており、第3通常遊技状態への格上げによって遊技を更に有利に進めることが可能となる。このような構成として遊技者の救済を図ることにより、遊技意欲の低下を抑制できる。
具体的には、第3通常遊技状態においては、右作動口63aの開放頻度が低下することで当該右作動口63aを素通りする遊技球が増え、当該右作動口63aを素通りした遊技球については、そのほとんどが下大入賞口341へと入球することとなる。つまり、入球ユニット70全体では入賞確率がほとんど変化しないものの、入賞先の内わけが変化し、下大入賞口341への入賞数が増える。下大入賞口341については賞球数が右作動口63aよりも多くなるように優遇されており、結果として、同じ投資によって得られる特典(賞球)については第2通常遊技状態よりも増えることとなる。具体的には、上述したように第2通常遊技状態では遊技進行に伴って持ち球が徐々に減少する一方、第3通常遊技状態では遊技進行に伴って持ち球が徐々に増加する。第3通常遊技状態については、少なくとも次回大当たり結果となるまで継続され、持ち球を増やすチャンスとなる。
また、第3通常遊技状態においては、第2通常遊技状態と比べて僅かながら遊技回の所要時間が短くなるように構成されており、第2特別遊技状態の介入が連続する場合であっても遊技進行が遅くなるといった不都合の発生が抑制されている。
なお、第3通常遊技状態においては、下大入賞口341の開放が右作動口63aへの入球を契機としている。ここで、第2通常遊技状態と比べて右作動口63aへの入賞確率は低下するものの当該入賞確率の低下は右作動口63aに係る保留情報を十分に取得できる程度となるように抑えられている。つまり、右作動口63aへの入賞確率の低下によって下大入賞口341の開放頻度が低下するといった不都合が抑制されている。
第3通常遊技状態中に大当たり結果となった場合には、そのほとんど(2R通常大当たり結果や16R確変大当たり結果を除く)にて第2通常遊技状態へ移行することとなり、上述した救済機能が過剰となることが回避されている。但し、第3通常遊技状態から降格になったとしても、その移行先が第2通常遊技状態となれば、再び第3通常遊技状態への移行し得るため、第3通常遊技状態からの降格によって遊技者の遊技意欲が一気に低下することを抑制できる。
第3遊技状態中は左ルートと比較して右ルートの方が遊技者に有利となるように優遇されているため、遊技球の発射先は主として右ルートになると想定される。右ルートへ発射された遊技球については下作動口62aへの入球が回避され、右作動口63aへ入球することとなる。ここで、右作動口63aに係る遊技回にて大当たり結果となった場合に設定される時短回数については下作動口62aに係る遊技回にて大当たり結果となった場合に設定される時短回数よりも総じて少なくなるように偏重されている。このため、第3通常遊技状態にて大当たり結果となった場合には、それを契機として第2通常遊技状態へ降格するものの、再設定される時短回数については比較的少なくなるように優遇されている。この結果、第1通常遊技状態から移行した第2通常遊技状態よりも第3通常遊技状態から移行した第2通常遊技状態の方が上記救済機能が発動するハードルが低くなる。これは、第3通常遊技状態の終了に伴う遊技意欲の低下を緩和する工夫である。
また、本実施の形態においては、第3通常遊技状態にて2R通常大当たり結果となった場合には第1通常遊技状態へ移行し時短回数として50回が設定され、第3通常遊技状態にて2R確変大当たり結果となった場合には第2通常遊技状態へ移行し時短回数として同じく50回が設定される構成となっている。これら各通常遊技状態においては、図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示演出やスピーカ部29から出力されるBGM等が共通化されており、外観から何れの通常遊技状態であるかを識別することが困難となっている。このため、設定された時短回数を消化するまで第3通常遊技状態へ昇格するかそれとも第1通常遊技状態へ降格するかが不明となる。このように、同じ時短回数が設定されたとしても遊技状態によって時短回数消化後の遊技状態が有利側/不利側に分かれる構成とすることにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度向上に寄与できる。
上述したように、時短回数消化によって有利側/不利側に遊技状態が変化し得る構成においては、遊技者の注目が時短回数消化までの残り回数に向きやすい。このように遊技への注目が高まっている状況下にて持ち球が大きく減少してしまった場合には、遊技への注目が高まっていることをも相まって遊技意欲の低下を招きやすくなると想定される。そこで、本実施の形態に示すように、2R通常大当たり結果を契機として移行する第4通常遊技状態及び2R確変大当たり結果を契機として移行する第2通常遊技状態の何れについても高頻度サポートモードに対応させて持ち球の減りを抑えることでそのような不都合の発生を抑制できる。
また、時短回数消化によって遊技状態が変化する構成においては、その過程で遊技進行が間延びすることがインパクトを低下させて、遊技への注目度向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、時短回数消化までの遊技進行が変動表示時間の短縮等によって円滑化されていることにより、そのような懸念を好適に払拭できる。
更には、時短回数消化によって遊技状態が有利側/不利側に分かれる構成においては、遊技への注目度の向上が期待できる反面、当該時短回数消化までの時間が間延びすることで遊技者の疲労が増すと懸念される。この点、上記構成によって遊技進行の円滑化を図ることは、遊技回の間延びを抑制し、時短回数消化までの過程短縮することで、遊技者の疲労を軽減する上で有利である。また、分岐発生となる時短回数をある程度多く設定する上でも好ましい。
なお、第2通常遊技状態と第4通常遊技状態とを比較した場合、前者は高確率モードに対応している一方、後者は低確率モードに対応している。このため、上述したように表示演出等を共通化して何れの遊技状態であるかを識別困難としても、当該遊技状態中に大当たり結果となる機会に差を設け遊技の多様化に貢献することができる。
上述したように、第1通常遊技状態から第1特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ移行した後は、当該第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が上限(時短回数)に達することで更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へと移行する。上記上限として「100回」、「70回」、「50回」、「30回」、「10回」を含み、何れの上限が設定されるかによって第3通常遊技状態への移行ハードルに差が生じる。つまり、第3通常遊技状態へ移行しやすい第2通常遊技状態や第3通常遊技状態へ移行しにくい第2通常遊技状態が発生することとなる。このようにして第2通常遊技状態の多様化を図り、第3通常遊技状態への移行ハードルを複数設けることにより、通常遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
有利度の過度の偏りを抑えつつ遊技のメリハリを強化する上では、設定される上限をある程度高くして上限到達確率を抑えることが好ましい。しかしながら、その反面、上限が大きくなりすぎると、上限到達までの遊技が間延びしたり実質的に到達が不可能であるとの印象が強くなったりすることにより、遊技の多様化によって遊技の興趣向上を図るという効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、第2通常遊技状態における抽選モードを高確率モードとなるように規定すれば、上限を低くしても上限到達が頻発することを抑制できるため、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
第3通常遊技状態への移行(昇格)にはある程度の緊張感を伴うところ、このような緊張感が過度に長く続くことは遊技者の疲労を増大させる要因になる。そこで、第2通常遊技状態では右作動口63aへの入球に基づいて実行される遊技回数に上限を設定する構成にて、当該第2通常遊技状態では右作動口63aへの入球が容易となる構成とすることにより、遊技を速やかに進行させることができる。これにより、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した上記疲労を緩和させることができる。
また、第2通常遊技状態では第1通常遊技状態よりも図柄の変動表示時間が短縮される構成とすることにより、遊技を速やかに進行させることができる。これにより、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した上記疲労を緩和させることができる。
特に、高頻度サポートモードとの組み合わせによれば、右作動口63aへの入球頻度が高くなることに併せて変動表示時間が短縮される構成とすることで、上限到達を期待して行われる第2通常遊技状態での遊技を円滑に進行させることができる。これにより、上記疲労緩和の効果を一層好適に発揮させることができる。
第4通常遊技状態にて第1特別遊技状態への移行抽選に当選することなく時短回数を消化する経験をした遊技者に対して、第2通常遊技状態となった場合に上限到達が現実的なものであるとの印象を与えることができる。このような構成とすれば、第2通常遊技状態移行時の遊技への注目度の向上が期待できる。
第2通常遊技状態中に大当たり結果となった場合には第1特別遊技状態へと移行し、第1特別遊技状態終了後は第2通常遊技状態へ復帰する場合と、第4通常遊技状態へ移行する(降格となる)場合との分岐が生じることとなる。これにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。また、第2通常遊技状態にて上限を目指して遊技を進めている最中に大当たり結果になった場合であっても、再び第2通常遊技状態へ復帰する可能性がある。第2通常遊技状態へ復帰した場合には、上限が新たに設定されることにより、第3通常遊技状態への移行へ再チャレンジすることができる。故に、第1特別遊技状態への移行に起因した遊技意欲の低下を好適に抑制できる。
第2通常遊技状態から最も有利な第3通常遊技状態に移行するための移行条件ついては、第2通常遊技状態にて大当たり結果となり特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ復帰した場合に緩和されることがある。このように第2通常遊技状態がループした場合に第3通常遊技状態へのハードルが引き下げられる構成とすれば複数の通常遊技状態を併用して遊技の単調化を抑制する効果を好適に発揮させることができる。
本実施の形態に示したように、大当たり結果となることが第2通常遊技状態から第1通常遊技状態への移行(降格)の契機となっている遊技機においては、第2通常遊技状態にて大当たり結果とならないことに期待して遊技が行われる。ここで、大当たり結果となった場合には、第1通常遊技状態へ降格し得る一方で、第2通常遊技状態へ復帰し且つ第3通常遊技状態への移行条件が緩和される場合がある。このような構成とすることで、第2通常遊技状態にて大当たり結果となった場合に遊技者の遊技意欲が急速に低下することを抑制できる。
なお、第2通常遊技状態にて当選結果となった場合には、必ずしも第3通常遊技状態へのハードルが引き下げられるだけでなく、引き上げられる場合を設けることにより、遊技に緊張感を付与することができる。
第1通常遊技状態→第2通常遊技状態→第3通常遊技状態の順にステップアップする構成にて、第2通常遊技状態へ移行したにも関わらず大当たり結果となることで第3通常遊技状態への移行が遠ざかるといった事象が多発した場合には、第2通常遊技状態における遊技が間延びしたような印象となりやすい。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、本実施の形態に示したように第2通常遊技状態中に大当たり結果となった場合にはハードル引き下げの割合いがハードル引き上げの割合いよりも高くすることにより、複数の通常遊技状態を併用しつつ、遊技状態のステップアップを軽快なものとすることができる。
第1通常遊技状態にて左ルートに遊技球が発射されている場合には下作動口62aへの入球に基づいて大当たり抽選が実行される。この抽選にて大当たり結果となり第2通常遊技状態へ移行する場合には、相対的に成立が困難な移行条件(時短回数)が設定されやすい。これに対して、第2通常遊技状態への移行後は、右ルートに遊技球が発射されることで遊技球の主たる入球先が右作動口63aとなる。右作動口63aへの入球に基づいて大当たり抽選が実行され、大当たり結果となり、第1特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ復帰する場合には、相対的に成立が容易な移行条件(時短回数)が設定されやすくなっている。このような構成とすれば、遊技機における既存の構成を利用することで構成の複雑化等を回避しつつ上述した各種技術的思想を好適に具現化できる。
本実施の形態に示す入球ユニット70においては、右ルートを流下する遊技球が右側作動入球部63のシャッタ331上(特定領域SE1)を通過するのに要する所要時間が高頻度サポートモード中のスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示時間と確定表示時間との和よりも長くなっている。このため、高頻度サポートモード中は入球ユニット70(右側作動入球部63)に到達した遊技球のほとんどが右作動口63aへ入球することとなる。つまり、高頻度サポートモード中に右ルートへ発射された遊技球は右作動口63aへ流入し下大入賞口341への入球が抑制される。一方、上記所要時間は低頻度サポートモードにおける変動表示時間と確定表示時間との和よりも短くなっている。このため、低頻度サポートモード中は右側作動入球部63が連続して受入状態に切り替わる場合であってもシャッタ331に到達した遊技球の一部は右側作動入球部63を素通りして下大入賞口341へ向かう。このように、高頻度サポートモード中は下大入賞口341への入球が抑制される一方で、低頻度サポートモード中は下大入賞口341への入球が増加することにより、遊技進行に明確な差を生じさせることができる。
ここで、各サポートモードの差別化を図るべく低頻度サポートモード中に右作動口63aを素通りして下大入賞口341へ向かう遊技球(零れ)を減らす上では、上記変動表示時間や確定表示時間を短くすればよい。しかしながら、単にそれらの時間を短くしてしまうと、スルーゲート用表示部DSに表示された結果に応じて発射/停止を行うこと(少しでも遊技者に有利となるようにして遊技を進めること)が困難となり、スルーゲート用表示部DSを設けている意義が薄れてしまう。この点、本実施の形態に示した構成によれば、上記零れを抑えつつもスルーゲート用表示部DSにおける変動表示時間や確定表示時間が極端に短くなることを抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上を好適に実現できる。
下大入賞口341への入球が右作動口63aへの入球よりも優遇されている構成においては、遊技者は下大入賞口341への入球を期待して遊技が行うものと想定される。このような構成にて、下大入賞口341への入球が過剰に発生することは遊技のバランスを崩す要因になるため好ましくない。この点、右側作動入球部63を受入状態とする時間を極力短くしつつも、下大入賞口341へ向けた遊技球の移動を回避できるため、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。そして、受入状態とする時間を短くすることは、あたかも下大入賞口341へ向けて遊技球が流下するように遊技者の期待を促す上で有利であり、受入状態となる時間が長くなって下大入賞口341への入球の期待が削がれることを好適に抑制できる。
右側作動入球部63と下側可変入賞装置65とを繋ぐ中間通路部323の通路長を特定領域SE1に係る通路長よりも短くすることで、下側可変入賞装置65が開放されている状況下にて右側作動入球部63に到達した遊技球が当該右側作動入球部63を素通りできれば直ちに第1入球部へ入球できるとの印象を遊技者に与えやすくなり、右側作動入球部63のシャッタ331や当該右側作動入球部63に到達した遊技球の挙動への注目度の向上に寄与できる。
入球ユニット70に流入した遊技球のほとんどが右作動口63a及び下大入賞口341の何れかに入球し得るため、右作動口63a及び下大入賞口341の組み合わせによって1の大型入球部が構築されているように見せることができる。大型入球部によって遊技球の入球機会が確保されているかのように見せることは、遊技者の満足感を向上させる上で有利である。ここで、上記中間通路部323の通路長を各シャッタにより構成されている通路部(特定領域SE1,SE2)の通路長よりも短くすることで、両入球部(右作動口63a及び下大入賞口341)の一体感を強化できる。これにより、上記印象を強めることができる。
この種の大型入球部においては、状況に応じて主たる入球先を右作動口63a/下大入賞口341で切り替える場合に、下大入賞口341への入球が発生すべきでない状況にて当該下大入賞口341への入球が発生することで、遊技ホールが不利益を被る可能性が高まる。このような事情に配慮した場合には、下大入賞口341及び右作動口63aの間に連絡通路(中間通路部323)を設けて、下大入賞口341へ向けた遊技球の移動を遅らせたり間引いたりすることに技術的意義がある。中間通路部323をある程度長くすればそれらの機能を好適に発揮させることはできるものの、その反面、両入球部(右作動口63a及び下大入賞口341)の一体感が低くなって1の大型入球部であるとの印象が薄くなると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、両入球部(右作動口63a及び下大入賞口341)のシャッタが各々左方向に下り傾斜し中間通路部323が傾斜方向と交差する方向に延びる構成として、入球部(右作動口63a及び下大入賞口341)の位置を上下にオフセットさせる構成とすることで、中間通路部323の通路長を稼ぎつつ両入球部(右作動口63a及び下大入賞口341)の一体感の低下を軽減できる。
中間通路部323の途中位置に設けられた排出通路へ流入した遊技球については、そのまま遊技領域PEから排出され、下大入賞口341への到達が回避されることとなる。このように右側作動入球部63を素通りした遊技球の一部については下大入賞口341に流入することなく遊技領域PEから排出される構成とすることにより、中間通路部323に流入した遊技球がアウト口68に向かう構成と比較して上述した1の大型入球部であるとの印象を強化できる。
右作動口63aよりも下大入賞口341の方が遊技者に有利となるように優遇されている構成では、遊技球が右作動口63aを素通りして下大入賞口341へ向かうことに期待して発射操作が実行され、右作動口63aから中間通路部323への遊技球の動きに遊技者の注目が向きやすくなると想定される。ここで、シャッタ331により形成された通路部(特定領域SE1)に減速部(突条部335a,336a)を設けて通過所要時間を引き延ばす構成においては、当該減速部を中間通路部323側へ偏倚するようにして配設することにより、遊技者の注目度が向きやすい箇所で遊技球の動きを目で追いやすくすることができる。これにより、更なる注目度の向上に寄与できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態においては遊技進行に伴って持ち球が減少する(微減となる)構成とした。これを変更し、第2通常遊技状態においても遊技進行に伴って持ち球が増加する構成とすることも可能である。但し、第2通常遊技状態と第3通常遊技状態との間に後者の方が有利となるような有利度の差を設ける上では、例えば第2通常遊技状態における持ち球の増加速度が第3通常遊技状態における持ち球の増加速度よりも低くなるように抑える構成とすることが好ましい。
(2)上記実施の形態では、高確率モードへ移行したにも関わらず大当たり結果となることなく時短を終了した場合には、その救済の意味を含めて更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へ移行する構成とした。このような救済機能に鑑みれば、第3通常遊技状態においては少なくとも第1通常遊技状態よりは遊技者に有利になるように構成されていれば足り、例えば第2通常遊技状態と比べると持ち球の減少速度が遅い構成とすることも可能である。なお、上述した変形例(1)に示したように第2通常遊技状態においても持ち球が増加する構成を併用する場合には、第3通常遊技状態における持ち球の増加速度が第2通常遊技状態よりも低くなるように構成してもよい。
(3)上記実施の形態では、例えば16R確変大当たり結果Bとなった場合には高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態を経ることなく高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する構成としたが、これに限定されるものではない。何れの大当たり結果となった場合であっても第3通常遊技状態への移行には第2通常遊技状態を経由する必要がある構成とすることも可能である。
(4)上記実施の形態では、第3通常遊技状態へ移行するためのハードルとして機能する時短回数、すなわちサポートモードが高頻度サポートモードに維持される遊技回数を大当たり結果の種類によって相違させたが、時短回数を大当たり結果の種類に関係なく一定とすることも可能である。例えば、2R確変大当たり結果、6R確変大当たり結果、16R確変大当たり結果の何れの場合であっても、高頻度サポートモードに維持される遊技回数をN回となるように統一するとよい。なお、このような変更を行う場合には、2R通常大当たり結果や8R通常大当たり結果を経て第4通常遊技状態へ移行する場合に高頻度サポートモードに維持される遊技回数と統一することが好ましい。
(5)上記実施の形態では、高確率モード対応の通常遊技状態中に大当たり結果となった場合に低確率モード対応の通常遊技状態に移行し得る構成とした。すなわち第3通常遊技状態が大当たり結果を契機として終了し得る構成とした。これに加えて又はこれに代えて、高確率モードへの移行後に実行された遊技回数が所定回数(例えばM回)となった場合に低確率モードへ移行する構成としてもよい。この場合、高確率モードが維持される遊技回数を高頻度サポートモードが維持される遊技回数(時短回数)よりも多くすることにより、第2通常遊技状態を経て回数制限付きの第3通常遊技状態へ移行する構成を実現することができる。
(6)上記実施の形態では、下作動口62aへの入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数の範囲及び右作動口63aへの入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数の範囲が何れも「0」~「100」回となるように構成した上で、時短回数の配分が前者よりも後者の方が少ない側に偏るように差別化することにより下作動口62aに対する右作動口63aの優位性を確保した。第2特別遊技状態にて確変大当たり結果となって再び第2特別遊技状態へ移行した場合に、確変大当たり結果となる前よりも第3通常遊技状態への移行ハードルが低くなる期待、すなわち第3通常遊技状態に移行する上で必要な遊技回数が少なくなる期待を高める上では、右作動口63aへの入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数の最大値を下作動口62aへの入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数の最大値よりも少なくなるように構成してもよい。なお、右作動口63aへの入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合には、何れも時短回数が「0」、すなわち第3通常遊技状態への移行が確定する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、第2通常遊技状態にて確変大当たり結果となった場合の一部では時短回数が短縮されない構成としたが、第2通常遊技状態にて確変大当たり結果となった場合の全てにて時短回数が短縮される構成とすることも可能である。例えば、下作動口62aへの入球に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される第1時短回数(例えば50回)が右作動口63aへの入球に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される第2時短回数(例えば30回)よりも多くなるように規定してもよい。なお、第2通常遊技状態にて確変大当たり結果となった時点で残存する時短回数が第2通常遊技状態への復帰時に短縮されたかのように見せる上では、右作動口63aへの入球に基づいて確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数を何れも「0」回に設定することも可能である。
(7)上記実施の形態では、第2通常遊技状態と比べて第3通常遊技状態の方が右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間が短くなるように構成することにより、第3通常遊技状態における遊技進行の円滑化を図ったが、これに限定されるものではない。第2通常遊技状態と比べて第3通常遊技状態の方が右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間が長くなるように構成したり、第2通常遊技状態と第3通常遊技状態とで右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示時間が同じ長さとなるように構成したりすることも可能である。
(8)第2通常遊技状態にて2R通常大当たり結果となった場合に設定される時短回数及び2R確変大当たり結果となった場合に設定される時短回数はいずれも「50」回である。この場合、特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ復帰した場合及び第4通常遊技状態へ移行(降格)した場合の何れにおいても図柄表示装置75の表示画面75aやスピーカ部29にて遊技状態を示唆する演出等を同様のものとして、遊技者が第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態の何れであるかを識別困難又は不可となるように構成してもよい。このようにして遊技状態を非明示とすれば、時短回数が「0」になった時点で第2通常遊技状態よりも更に有利な第3通常遊技状態に移行(昇格)するか、それとも第2通常遊技状態よりも不利な第1通常遊技状態に移行(降格)するかの分岐が生じることとなる。これにより、遊技状態移行時に設定された時短回数を消化した際の緊張感を好適に高めることができる。
(9)上記実施の形態では、スルーゲート66への入賞に基づく抽選の結果等が主表示ユニット81のスルーゲート用表示部DSにて表示される構成としたが、これに限定されるものではない。スルーゲート66への入賞に基づく抽選の結果等を図柄表示装置75の表示画面75a等の別の表示部にて表示する構成とすることも可能である。
(10)上記実施の形態では、上側可変入賞装置64及びスルーゲート66を右ルートにて右側作動入球部63よりも上流側に配設したが、これに限定されるものではない。それら上側可変入賞装置64及びスルーゲート66を右ルートにて右側作動入球部63よりも下流側に配設することも可能である。
(11)上記実施の形態においては、下作動口用表示部DLにおける絵柄の確定表示時間が右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間よりも短くなるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間が下作動口用表示部DLにおける絵柄の確定表示時間よりも短くなるように構成してもよし、右作動口用表示部DR及び下作動口用表示部DLにおける絵柄の確定表示時間を揃える構成としてもよい。
また、上記実施の形態では何れの通常遊技状態であっても、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける絵柄の確定表示時間を変更しない構成としたが、通常遊技状態の種類に応じて下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRの確定表示時間を変更する構成としてもよい。例えば、第1通常遊技状態→第2通常遊技状態→第3通常遊技状態の順に確定表示時間が短くなるように構成してもよい。
(12)上記実施の形態においては、第2特別遊技状態にて下側可変入賞装置65を開放する構成とし、当該下側可変入賞装置65に向かう流路(右ルート)上に右側作動入球部63を配設したが、これに限定されるものではない。例えば、右側作動入球部63に向かう流路上に下側可変入賞装置65に相当する構成を配設することも可能である。
(13)上記実施の形態においては、右側作動入球部63のシャッタ331上を転動する遊技球を減速させる減速手段として突条部335a,336aを設けたが、シャッタ331上を通過するのに要する所要時間を稼ぐための具体的構成については任意である。例えば、シャッタ331の上限に凹凸を設けて流路を上下に蛇行させてもよい。
また、突条部335a,336aを上流側通路部322における下流部分(中間通路部323側)に偏倚させて配置したが、突条部335a,336aを上流側通路部322における上流部分や中流部分に配置することも可能である。
(14)上記実施の形態では、右側作動入球部63と下側可変入賞装置65とを上下にずらして配置し、入球ユニット70における球通路を上下にクランクさせる構成としたが、これら右側作動入球部63と下側可変入賞装置65を一列に並べて配置することも可能である。
(15)上記実施の形態では、「連絡通路部」としての中間通路部323を途中位置にて分岐させて、当該中間通路部323を通過する遊技球の一部が下側可変入賞装置65に案内されることなく遊技領域PEから排出される構成としたが、中間通路部323に上述した分岐を形成する必要はからならずしもない。
また、中間通路部323を通じて球通路の途中位置から流出した遊技球は、アウト口68を経由することなく遊技領域PEから排出される構成としたが、それら遊技球がアウト口68へ案内される構成としてよい。
(16)上記実施の形態に示した右側作動入球部63については、シャッタ331が前後方向にスライドすることで開状態/閉状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、シャッタが左右方向又は上下方向にスライド移動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としてもよい。なお、シャッタ331をスライド式とする必要は必ずしもなく回動式とすることも可能である。
同様に、下側可変入賞装置65のシャッタ345が前後方向にスライドすることで開状態/閉状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、シャッタが左右方向又は上下方向にスライド移動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としてもよい。なお、シャッタ345をスライド式とする必要は必ずしもなく回動式とすることも可能である。
また、上記実施の形態に示した上側可変入賞装置64は、シャッタ315が遊技盤60の前面と平行に回動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、シャッタが遊技盤の前面と交差する方向に回動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としてもよい。なお、シャッタ315を回動式とする必要は必ずしもなくスライド式とすることも可能である。
(17)上記実施の形態では、右側作動入球部63のシャッタ331上を遊技球が通過するのに要する所要時間を、高頻度サポートモードにてシャッタ331が閉状態に維持されるインターバル時間よりも長く、低頻度サポートモードにてシャッタ331が閉状態に維持されるインターバル時間よりも短くしたが、当該所定時間については任意に変更してもよい。
(18)上記実施の形態においては、上側可変入賞装置64に設けられた有利入球部314への入球によって高確率モードへの移行が確定する構成としたが、有利入球部314を省略し、確変大当たり結果となった場合に高確率モードへの移行が確定する構成とすることも可能である。
(19)上記実施の形態においては、下作動口62aへの入球に基づく抽選においては特別当たり結果とならない構成としたが、これを変更し、下作動口62aへの入球に基づく抽選においても特別当たり結果となる構成としてもよい。
(20)上記実施の形態では、図柄表示装置75の表示画面75aにて残り時短回数、すなわち第3通常遊技状態移行までの残り遊技回数を表示する構成とした。表示画面75aに表示される残り回数については、必ずしも残り時短回数と一致させる必要はなく、残り時短回数を示唆するものであってもよい。
この場合、例えば時短回数として「100回」、「70回」、「50回」、「30開」、「10回」の何れが設定されているかを当該表示から識別することを困難とすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。このような表示を行う場合には、例えば実行された遊技回が「10回」、「30回」、「50回」、「70回」となった場合に、第3通常遊技状態へ移行する可能性がある旨の表示演出を実行することにより第2通常遊技状態中の遊技の単調化を抑制できる。
なお、時短回数が「50回」となる第2通常遊技状態において例えば時短回数に対応する表示として「100回」を表示すれば、実際の時短回数が「10回」、「30回」、「50回」、「70回」、「100回」の何れである可能性も残る。この場合、対応する表示については例えば実行された遊技回が特定数に達した後は1遊技回中に複数減算される数を増やす構成とし、時短消化時には当該表示として「0回」を表示することも可能である。
(21)上記実施の形態では、第2通常遊技状態と第4通常遊技状態とで保留数が「3」以上の場合の変動表示時間に差を設けたが、これに限定されるものではない。保留数が「3」以上の場合であっても変動表示時間を共通とすることも可能である。
(22)第2通常遊技状態にて大当たり結果となった場合に、残っていた時短回数よりも新たに設定される時短回数の方が少なくなる場合には、その旨を遊技者に報知して第3通常遊技状態が近づいたことを明示する構成とするとよい。
(23)上記実施の形態では、サポートモード及び抽選モードの組み合わせにより、第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の差別化を図ったが、これに限定されるものではない。各通常遊技状態について、第1通常遊技状態 < 第2通常遊技状態 < 第3通常遊技状態の順に遊技者に有利となるような差が確保されるのであれば、具体的構成については任意である。例えば、抽選モードとして低確率モードよりも当選結果となる確率が高く且つ高確率モードよりも当選結果となる確率が低い中確率モードを設け、第1通常遊技状態が低確率モード、第2通常遊技状態が中確率モード、第3通常遊技状態が高確率モードに各々対応するようにして差別化を図ってもよい。この場合であっても、中確率モードへ移行したにも関わらず大当たり結果となることなく基準回数の遊技回を経過した場合に高確率モード対応の第3通常遊技状態へ移行する構成とすることで遊技者の遊技意欲の低下を好適に抑制できる。なお、このような構成とする場合には、上述した有利不利の関係を確保できるのであれば、各通常遊技状態を高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードの何れに対応させるかについては任意である。
(24)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.所定の取得条件(作動口62aへの入球)が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態)と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態)と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態(高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記特別遊技状態の終了に伴って遊技状態を前記第2通常遊技状態へ移行させる第2通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と、
前記第2通常遊技状態移行手段により前記第2通常遊技状態へ移行させる場合に、当該第2通常遊技状態における遊技回数の上限(時短回数)を設定する上限設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記上限設定手段により前記上限として第1上限が設定されている場合に、前記第2通常遊技状態における遊技回数が前記第1上限に達したことに基づいて遊技状態を当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態に移行させ、前記上限設定手段により前記上限として前記第1上限よりも多い第2上限が設定されている場合に、前記第2通常遊技状態における遊技回数が前記第2上限に達したことに基づいて遊技状態を当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態に移行させる第3通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1通常遊技状態から特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ移行した後は、当該第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が上限に達することで更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へと移行する。上記上限として第1上限及び第2上限を含み、第1上限が設定された場合と第2上限が設定された場合とで第3通常遊技状態への移行ハードルに差が生じる。つまり、第3通常遊技状態へ移行しやすい第2通常遊技状態と、第3通常遊技状態へ移行しにくい第2通常遊技状態とが発生することとなる。このようにして第2通常遊技状態の多様化を図り、第3通常遊技状態への移行ハードルを複数設けることにより、通常遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域が形成されている遊技盤と、前記遊技領域に設けられた始動入球部への入球が発生した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段と、前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段とを備え、前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態とが設けられており、遊技の状況に応じて、遊技状態を前記第1通常遊技状態、前記第2通常遊技状態及び前記第3通常遊技状態に切り替える手段を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態)と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態)と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態(高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記特別遊技状態の終了に伴って遊技状態を前記第2通常遊技状態へ移行させる第2通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と、
前記第2通常遊技状態移行手段により前記第2通常遊技状態へ移行させる場合に、当該第2通常遊技状態における遊技回数の上限(時短回数)を設定する上限設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記上限設定手段により前記上限として第1上限が設定されている場合に、前記第2通常遊技状態における遊技回数が前記第1上限に達したことに基づいて遊技状態を当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態に移行させ、前記上限設定手段により前記上限として前記第1上限よりも多い第2上限が設定されている場合に、前記第2通常遊技状態における遊技回数が前記第2上限に達したことに基づいて遊技状態を当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態に移行させる第3通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、第1通常遊技状態から特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ移行した後は、当該第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が上限に達することで更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へと移行する。上記上限として第1上限及び第2上限を含み、第1上限が設定された場合と第2上限が設定された場合とで第3通常遊技状態への移行ハードルに差が生じる。つまり、第3通常遊技状態へ移行しやすい第2通常遊技状態と、第3通常遊技状態へ移行しにくい第2通常遊技状態とが発生することとなる。このようにして第2通常遊技状態の多様化を図り、第3通常遊技状態への移行ハードルを複数設けることにより、通常遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、入球が不可となる閉状態とに切替可能な可変入球部(上側可変入賞装置64)と、
前記特別遊技状態となっている場合に前記可変入球部を前記閉状態及び前記開状態に切り替える開閉制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記開閉制御手段は、前記特別遊技状態を経て前記第2上限に対応した前記第2通常遊技状態に移行する場合に当該特別遊技状態における前記可変入球部の開閉態様を所定態様とし、前記特別遊技状態を経て前記第1上限に対応した前記第2通常遊技状態に移行する場合に当該特別遊技状態における前記可変入球部の開閉態様を前記所定態様とする手段を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A1等に示したように、第3通常遊技状態への移行ハードルに差を設ける構成によれば、遊技の単調化を好適に抑制できる。しかしながら、仮に第2通常遊技状態への移行前に特別遊技状態における可変入球部の開閉態様(挙動)等から当該ハードルを特定可能となっては、第2通常遊技状態における遊技への注目度が低下すると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1上限及び第2上限の何れが設定される場合であっても可変入球部の開閉態様を同一とすることにより、可変入球部の開閉態様から上限が事前に特定されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A4.前記第2通常遊技状態は、前記判定手段により前記判定が行われる場合に前記第1通常遊技状態よりも前記所定の判定情報に対応する判定結果になりやすい遊技状態(高確率モード対応の通常遊技状態)であることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
有利度の過度の偏りを抑えつつ遊技のメリハリを強化する上では、設定される上限をある程度高くして上限到達確率を抑えることが好ましい。しかしながら、その反面、上限が大きくなりすぎると、上限到達までの遊技が間延びしたり実質的に到達が不可能であるとの印象が強くなったりすることにより、遊技の多様化によって遊技の興趣向上を図るという効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定の判定情報に対応する結果になりやすい遊技状態(高確率モード)となるように設定すれば、上限を低くしても上限到達が頻発することを抑制できるため、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A5.前記第2通常遊技状態は、前記第1通常遊技状態よりも前記始動入球部への入球が容易となる遊技状態であることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
第3通常遊技状態への移行(昇格)にはある程度の緊張感を伴うところ、このような緊張感が過度に長く続くことは遊技者の疲労を増大させる要因になる。そこで、第2通常遊技状態では始動入球部への入球に基づいて実行される遊技回数に上限を設定する構成にて、当該第2通常遊技状態では始動入球部への入球が容易となる構成とすることにより、遊技を速やかに進行させることができる。これにより、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した上記疲労を緩和させることができる。
特徴A6.前記第2通常遊技状態は、前記第1通常遊技状態よりも遊技回毎の前記絵柄の可変表示期間(変動表示時間)が短くなるように構成された遊技状態であることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
第3通常遊技状態への移行(昇格)にはある程度の緊張感を伴うところ、このような緊張感が過度に長く続くことは遊技者の疲労を増大させる要因になる。そこで、第2通常遊技状態では始動入球部への入球に基づいて実行される遊技回に上限を設定する構成にて、当該第2通常遊技状態では第1通常遊技状態よりも絵柄の可変表示期間が短縮される構成とすることにより、遊技を速やかに進行させることができる。これにより、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した上記疲労を緩和させることができる。
特に、特徴A5との組み合わせにおいては、始動入球部への入球頻度が高くなることに併せて可変表示期間が短縮される構成とすることで、上限到達を期待して行われる第2通常遊技状態での遊技を円滑に進行させることができる。これにより、上記疲労緩和の効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A7.前記通常遊技状態として、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利であり、且つ前記第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態よりも遊技者に不利な第4通常遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第4通常遊技状態)が設けられており、
前記特別遊技状態を経て前記第4通常遊技状態へ移行させる第4通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて通常大当たり結果を契機として第4通常遊技状態へ移行させる機能)と、
前記第4通常遊技状態における遊技回数が規定回数(例えば50回)に達した場合に、前記第1通常遊技状態へ移行させる第1通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて高頻度サポートモード終了後に第1通常遊技状態へ移行させる機能)と
を備え、
前記上限設定手段は、前記第1上限及び前記第2上限の少なくとも一方が前記規定回数よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
第4通常遊技状態にて特別遊技状態への移行抽選に当選することなく規定回数に達する経験をした遊技者に対して、第2通常遊技状態となった場合に上限到達が現実的なものであるとの印象を与えることができる。このような構成とすれば、第2通常遊技状態移行時の遊技への注目度の向上が期待できる。
特徴A8.前記通常遊技状態として、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利であり、且つ前記第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態よりも遊技者に不利な第4通常遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第4通常遊技状態)が設けられており、
前記所定の判定情報として、第1判定情報(確変大当たり結果に対応する情報)及び第2判定情報(通常大当たり結果に対応する情報)を含み、
前記第2通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した判定結果となった場合に、遊技状態を前記特別遊技状態を経て前記第2通常遊技状態に移行させる手段と、
前記第2通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記第2判定情報に対応した判定結果となった場合に、遊技状態を前記特別遊技状態を経て前記第4通常遊技状態に移行させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2通常遊技状態中に当選結果となった場合には特別遊技状態へと移行する。特別遊技状態終了後は第2通常遊技状態へ復帰する場合と、第4通常遊技状態へ移行する(降格となる)場合との分岐が生じることとなる。これにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴A9.前記上限設定手段は、当該上限設定手段が設定した上限に到達する前に前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した判定結果となった場合であって前記特別遊技状態を経て前記第2通常遊技状態となる場合に、前記第2通常遊技状態における上限を再設定する手段を有していることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第2通常遊技状態にて上限を目指して遊技を進めている最中に所定の判定情報に対応した判定結果になった場合であっても、再び第2通常遊技状態へ復帰する可能性がある。第2通常遊技状態へ復帰した場合には、上限が新たに設定されることにより、第3通常遊技状態への移行へ再チャレンジすることができる。故に、特別遊技状態への移行に起因した遊技意欲の低下を好適に抑制できる。
特徴A10.前記第1上限と前記第2上限との差は、前記第1上限よりも小さいことを特徴とする特徴A2乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1上限に対応した遊技回に到達した場合に第3通常遊技状態へ移行しなかった場合であっても、そこから第2上限に対応した遊技回に到達するまでのハードルが低くなることで、第2上限到達への期待感が低下することを抑制できる。これにより、複数のハードルを用いる場合であっても、第1のハードルが不発であった場合に遊技意欲が低下することを好適に抑制できる。
特徴A11.前記上限設定手段により前記上限として前記第2上限が設定されている場合に、前記第1上限に対応する遊技回及び前記第2上限に対応する遊技回にて所定の報知を行う手段を備えていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2等に示したように、第3通常遊技状態へ移行するためのハードルを複数設けている場合には、例えば第1上限に達していない場合であっても当該第1上限にて第3通常遊技状態へ移行する可能性があることを示唆することにより、遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A12.所定の取得条件(作動口62aへの入球)が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の第1通常遊技状態)と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の第2通常遊技状態)と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態(低頻度サポートモード且つ高確率モード対応の第3通常遊技状態)とを有し、
前記特別遊技状態の終了に伴って遊技状態を前記第2通常遊技状態へ移行させる第2通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と、
前記第2通常遊技状態移行手段により前記第2通常遊技状態へ移行させる場合に、当該第2通常遊技状態における遊技回数の上限(時短回数)を設定する上限設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記第2通常遊技状態における遊技回数が前記上限に達したことに基づいて遊技状態を当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態に移行させる第3通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態への移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記上限が複数設けられており、前記上限設定手段はそれら複数の上限の何れかを前記第2通常遊技状態における遊技回数の上限として設定するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A12によれば、第1通常遊技状態から特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ移行した後は、当該第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が上限に達することで更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へと移行する。上記上限は複数設けられており、それら上限の何れが設定されるかによって第3通常遊技状態への移行ハードルに差が生じる。つまり、第3通常遊技状態へ移行しやすい第2通常遊技状態と、第3通常遊技状態へ移行しにくい第2通常遊技状態とが発生することとなる。このようにして第2通常遊技状態の多様化を図り、第3通常遊技状態への移行ハードルを複数設けることにより、通常遊技状態における遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、特徴A3~特徴A11に示した各技術的思想を特徴A12に適用することも可能である。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態)と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態)と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態(高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1通常遊技状態から前記第2通常遊技状態へ移行する場合に、前記第3通常遊技状態への移行条件を設定する移行条件設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)を備え、
前記移行条件設定手段は、前記第2通常遊技状態にて、前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり前記特別遊技状態を経て当該第2通常遊技状態となる場合に、前記第3通常遊技状態への移行条件を緩和させる緩和手段(右作動口63aに係る大当たり結果となった場合に設定される時短回数が下作動口62aに係る大当たり結果となった場合に設定される時短回数よりも優遇されている構成)を有していることを特徴とする遊技機。
本特徴に示すように、第1通常遊技状態→第2通常遊技状態→第3通常遊技状態に移行することで有利度が上昇する構成とすることで、遊技の単調化を抑制できる。ここで、第2通常遊技状態から最も有利な第3通常遊技状態に移行するための移行条件ついては、第2通常遊技状態にて所定の判定情報に対応した判定結果(以下、当選結果という)となり特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ復帰した場合に緩和されることがある。このように第2通常遊技状態がループした場合に第3通常遊技状態へのハードルが引き下げられる構成とすれば複数の通常遊技状態を併用して遊技の単調化を抑制する効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域が形成されている遊技盤と、前記遊技領域に設けられた始動入球部への入球が発生した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段と、前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段とを備え、前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態とが設けられており、遊技の状況に応じて、遊技状態を前記第1通常遊技状態、前記第2通常遊技状態及び前記第3通常遊技状態に切り替える手段を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.前記移行条件設定手段は、前記第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態への前記移行条件として、前記第2通常遊技状態にて実行される遊技回の上限を設定するものであり、
前記緩和手段は、前記第1通常遊技状態から前記第2通常遊技状態に移行する場合に設定される前記上限よりも、前記第2通常遊技状態から前記特別遊技状態を経由して当該第2通常遊技状態となる場合に設定される上限の方が低くなるようにする手段であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
本特徴に示すように第2通常遊技状態にて実行された遊技回が上限に達した場合に第3通常遊技状態へ移行する構成においては、この上限に到達できるか否かが遊技を有利に進める上で重要となる。ここで、本特徴に示す構成では、第2通常遊技状態にて当選結果となり特別遊技状態から第2通常遊技状態へ復帰する場合に上記上限が引き下げられる場合があり、このような事象が発生することで第3通常遊技状態移行への期待感を高めることができる。
特徴B3.前記所定の判定情報として、第1判定情報(確変大当たり結果に対応する情報)及び第2判定情報(通常大当たり結果に対応する情報)を含み、
前記第2通常遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した判定結果となった場合に、前記特別遊技状態を経て当該第2通常遊技状態へ移行させる手段と、
前記第2通常遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記第2判定情報に対応した判定結果となった場合に、前記特別遊技状態を経て前記第1通常遊技状態へ移行させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、当選結果となることが第2通常遊技状態から第1通常遊技状態への移行(降格)の契機となっている遊技機においては、第2通常遊技状態にて当選結果とならないことに期待して遊技が行われる。ここで、当選結果となった場合には、第1通常遊技状態へ降格し得る一方で、第2通常遊技状態へ復帰し且つ第3通常遊技状態への移行条件が緩和される場合がある。このような構成とすることで、第2通常遊技状態にて当選結果となった場合に遊技者の遊技意欲が急速に低下することを抑制できる。
特徴B4.前記移行条件設定手段は、前記第2通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり前記特別遊技状態を経て当該第2通常遊技状態となる場合に、前記移行条件設定手段により設定された移行条件よりも成立が困難な移行条件を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2通常遊技状態にて当選結果となった場合には、必ずしも第3通常遊技状態へのハードルが引き下げられるだけでなく、引き上げられる場合を設けることにより、遊技に緊張感を付与することができる。
特徴B5.前記第2通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり前記特別遊技状態を経て当該第2通常遊技状態となる場合に、前記緩和手段によって前記移行条件が緩和される確率は、前記移行条件設定手段により事前に設定された移行条件よりも成立が困難な移行条件が設定される確率よりも高くなるように構成されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B1に示したように、第1通常遊技状態→第2通常遊技状態→第3通常遊技状態の順にステップアップする構成にて、第2通常遊技状態へ移行したにも関わらず当選結果となることで第3通常遊技状態への移行が遠ざかるといった事象が多発した場合には、第2通常遊技状態における遊技が間延びしたような印象となりやすい。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、本特徴に示すように第2通常遊技状態中に当選結果となった場合にはハードル引き下げの割合いがハードル引き上げの割合いよりも高くすることにより、複数の通常遊技状態を併用しつつ、遊技状態のステップアップを軽快なものとすることができる。
特徴B6.前記始動入球部として、前記遊技領域における第1流路(左ルート)に配設された第1始動入球部(下作動口62a)と、前記第1流路とは異なる第2流路(右ルート)に配設された第2始動入球部(右作動口63a)とを有し、
前記移行条件として、第1移行条件(例えば時短回数「50」回)と当該第1移行条件よりも成立が容易な第2移行条件(例えば時短回数「30」,「10」,「0」回)とが設けられており、
前記緩和手段は、前記第2始動入球部への入球に対応する特別情報にて前記所定の判定情報に対応する判定結果となった場合には、前記第1始動入球部への入球に対応する特別情報にて前記所定の判定情報に対応する判定結果となった場合よりも前記移行条件として第2移行条件を設定をする割合いが高くなるように構成されており、
前記第1通常遊技状態では前記第2流路よりも前記第1流路へ遊技球を発射した方が前記判定手段による判定機会が多くなり、前記第2通常遊技状態では前記第1流路よりも前記第2流路へ遊技球を発射した方が前記判定手段による判定機会が多くなるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1通常遊技状態にて第1流路に遊技球が発射されている場合には第1始動入球部への入球に基づいて特別遊技状態への移行抽選が実行される。この抽選にて当選結果となり第2通常遊技状態へ移行する場合には、相対的に成立が困難な第1移行条件が設定されやすい。これに対して、第2通常遊技状態への移行後は、第2流路に遊技球が発射されることで遊技球の主たる入球先が第2始動入球部となる。第2始動入球部への入球に基づいて特別遊技状態への移行抽選が実行され、当選結果となり、特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ復帰する場合には、移行条件として相対的に成立が容易な第2移行条件が設定されやすくなっている。このような構成とすれば、遊技機における既存の構成を利用することで構成の複雑化等を回避しつつ特徴B1に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴B7.前記第2移行条件が複数設けられており、
前記緩和手段は、前記第2始動入球部への入球に対応する特別情報にて前記所定の判定情報に対応する判定結果となった場合に前記移行条件として複数の前記第2移行条件のうち成立が最も容易な移行条件が設定される確率が、他の移行条件が設定される確率よりも高くなるように構成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、最初に第2通常遊技状態に移行した際に設定された移行条件よりも第2通常遊技状態をループした際に設定される移行条件の方が成立容易となる機会が増える。これにより、特徴B1に示した緩和機能を好適に発揮させることができる。
特徴B8.前記移行条件設定手段によって設定された移行条件に対応する移行条件対応情報を表示する対応情報表示手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示したように移行条件が緩和され得る構成においては、移行条件に対応した移行条件対応情報を表示することにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、特徴B1~特徴B8に示した各技術的思想を上記特徴A群に適用してもよい。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切り替える切替手段(電動役物71)と、
前記切替手段を制御する切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による前記切替手段の切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記非受入状態である期間が短い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モードとして、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードと前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードとが設けられており、
前記通常遊技状態として、前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1通常遊技状態と、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応した第2通常遊技状態と、前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応した第3通常遊技状態とが設けられており、
前記第2通常遊技状態は、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利且つ前記第3通常遊技状態よりも遊技者に不利となるように構成されており、
前記第1通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となった場合に、当該第1通常遊技状態から前記特別遊技状態を経て前記第2通常遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態へ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第1通常遊技状態から前記第2通常遊技状態に移行する場合に、基準回数(時短回数)を設定する基準回数設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が前記基準回数となった場合に、当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態へ移行させる処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態にて当選結果となることなく遊技回数が基準回数に達した場合には、基準回数到達を契機として高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。第3通常遊技状態では第2通常遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。つまり、高確率モード(有利側の遊技状態)となったにも関わらず、その恩恵を得られなかった場合には、第3通常遊技状態への格上げによって遊技を更に有利に進めることが可能となる。このような構成として遊技者の救済を図ることにより、遊技意欲の低下を抑制できる。
本特徴に示す第3通常遊技状態については、第1切替モード且つ高確率モードに対応しており、切替制御モード及び判定モードの組み合わせの違いによって第2通常遊技状態との差別化が図られている。このような構成とすれば、遊技に係る構成が過度に複雑になることを抑制しつつ遊技を多様化することができ、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
特徴C2.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特別入球部(下側可変入賞装置65)を備え、当該特別入球部は前記始動入球部よりも遊技者に有利となるように構成されており、
前記始動入球部は前記遊技領域にて前記特別入球部へと続く所定の流路(右ルート)上に配設されており、当該始動入球部が前記受入状態となることにより前記所定の流路を経由した前記特別入球部への流下が制限される構成となっており、
前記第3通常遊技状態では、前記第2通常遊技状態と比べて前記所定の流路へ発射された遊技球が前記始動入球部へ入球する機会が減る一方、前記特別入球部へ入球する機会が増えるように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第2通常遊技状態では始動入球部よりも有利度が高く設定された特別入球部への入球が当該始動入球部によって規制され、第3通常遊技状態へ移行することで当該規制が緩和されることとなる。このようにして、特別入球部への入球機会が増えることで第2通常遊技状態に対する第3通常遊技状態の優位性を確保できる。
特徴C3.前記所定の判定情報として、第1情報(大当たり結果に対応する情報)及び第2情報(特別当たり結果に対応する情報)が設けられており、
前記第2移行手段は、前記第2通常遊技状態にて前記第1情報に対応する判定結果となることなく実行された遊技回数が前記基準回数となった場合に、当該第2通常遊技状態から前記第3通常遊技状態へ移行させる構成となっており、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態と当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態とに切替可能な特別入球部(下側可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果が前記第2情報に対応する判定結果となった場合に、前記特別入球部を前記受入状態に切り替える入球制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記始動入球部への入球に基づいて第1所定数の遊技球を払い出し、前記特別入球部への入球に基づいて前記第1所定数よりも多い第2所定数の遊技球を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備え、
前記始動入球部は前記遊技領域にて前記特別入球部へと続く所定の流路(右ルート)上に配設されており、当該始動入球部が前記受入状態となることにより前記所定の流路を経由した前記特別入球部への流下が制限される構成となっており、
前記第3通常遊技状態では、前記第2通常遊技状態と比べて、前記所定の流路へ向けて発射された遊技球について前記特別入球部へ入球する遊技球の割合が増える構成となっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第2通常遊技状態では始動入球部よりも有利度が高く設定された特別入球部への入球が当該始動入球部によって規制され、第3通常遊技状態へ移行することで当該規制が緩和されることとなる。このようにして、特別入球部への入球機会が増えることで第2通常遊技状態に対する第3通常遊技状態の優位性を確保できる。
特徴C4.前記判定手段による判定結果が前記第2情報に対応する判定結果となって移行した特別遊技状態においては、前記切替制御モードを当該特別遊技状態移行前の切替制御モードに維持する手段を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2通常遊技状態中に第2情報に対応する判定結果となった場合と第3通常遊技状態中に第2情報に対応する判定結果となった場合とで、入球頻度の差を大きくすることができる。これは、特徴C2等に示したように特別入球部の優位性を強調する上で好ましい。
特徴C5.前記基準回数設定手段は、第1設定手段であり、
前記基準回数に到達する前に前記判定手段による判定結果が前記第1情報に対応する判定結果となり、前記特別遊技状態を経て前記第2通常遊技状態となる場合に、基準回数(時短回数)を新たに設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態から第1特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へ移行する際に時短回数を再設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、救済機能が発動する前に当選結果となり特別遊技状態を経て第2通常遊技状態に復帰する場合には、基準回数が再設定される。これにより、例えば特徴C1に示した救済機能が過剰になることを抑制できる。
特徴C6.前記基準回数設定手段は、第1設定手段であり、
前記第3通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記第1情報に対応する判定結果となった場合に前記特別遊技状態を経て前記第2通常遊技状態に移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態へ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第3移行手段により前記第2通常遊技状態に移行する場合に、前記基準回数を新たに設定する第3設定手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する際に時短回数を再設定する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴C3乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
救済中に当選結果となった場合に第2通常遊技状態へ移行し、第3通常遊技状態への復帰の道を残すことにより、第3通常遊技状態終了に伴って遊技者の遊技意欲が急速に低下することを抑制できる。
特徴C7.前記第3設定手段は、前記第1設定手段により設定される基準回数よりも少なくなるようして基準回数を設定する手段を有いていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
第3通常遊技状態→第2通常遊技状態となった場合には、基準回数が比較的少なくなるように優遇されることにより、遊技状態の降格が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを抑制できる。
特徴C8.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切り替える切替手段(電動役物71)と、
前記切替手段を制御する切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による前記切替手段の切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)及び当該第1切替モードよりも前記非受入状態である期間が短い第2切替モード(高頻度サポートモード)が設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モードとして、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードと前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードとが設けられており、
前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となった場合に、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応した第2通常遊技状態に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行させる処理を実行する機能)と、
前記第1移行手段により前記第1通常遊技状態から前記第2通常遊技状態に移行させる場合に、基準回数(時短回数)を設定する基準回数設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記第2通常遊技状態にて前記所定の判定情報に対応した判定結果となることなく実行された遊技回数が前記基準回数に達した場合に、前記切替制御モードを前記第2切替モードから前記第1切替モードに切り替える一方で前記判定モードを前記高確率定モードに維持することにより当該第2通常遊技状態から前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応した第3通常遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行させる処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2通常遊技状態は、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利且つ前記第3通常遊技状態よりも遊技者に不利となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C8によれば、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態にて当選結果となることなく遊技回数が基準回数に達した場合には、基準回数到達を契機として高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。第3通常遊技状態では第2通常遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。つまり、高確率モード(有利側の遊技状態)となったにも関わらず、その恩恵を得られなかった場合には、第3通常遊技状態への格上げによって遊技を更に有利に進めることが可能となる。このような構成として遊技者の救済を図ることにより、遊技意欲の低下を抑制できる。
本特徴に示す第3通常遊技状態については、第1切替モード且つ高確率モードに対応しており、切替制御モード及び判定モードの組み合わせの違いによって第2通常遊技状態との差別化が図られている。このような構成とすれば、遊技に係る構成が過度に複雑になることを抑制しつつ遊技を多様化することができ、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
なお、特徴C1~特徴C8に示した各技術的思想を上記特徴A群~B群に適用してもよい。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記始動入球部は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能となっており、
前記切替手段を制御する切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記切替制御手段による切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記非受入状態である期間が短い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記通常遊技状態として、前記第1切替モード対応の第1種通常遊技状態と、前記第2切替モード対応の第2種通常遊技状態とが設けられており、
前記第2種通常遊技状態へ移行する場合に、当該第2種通常遊技状態が継続される遊技回数として基準回数(時短回数)を設定する基準回数設定手段(主制御装置162のMPU602にて時短回数を設定する機能)と、
前記第2種通常遊技状態から当該第2種通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態へ移行させることが可能な第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2種通常遊技状態から当該第2種通常遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態へ移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2種通常遊技状態にて実行された遊技回数が前記基準回数に達した場合に前記第1移行手段及び前記第2移行手段の何れかによって遊技状態を移行させる構成となっていることを特徴とする遊技機。
第2種通常遊技状態においては始動入球部への入球が容易となり、遊技が円滑に進行することとなる。この第2種通常遊技状態にて実行された遊技回数が基準回数に達した場合には、第2種通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態又は遊技者に不利な遊技状態へ移行することとなる。このようにして遊技の多様化を図ることにより、遊技が単調化を抑制して遊技への注目度向上に寄与できる。
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
表示部(例えば作動口用表示部DR)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば主表示ユニット81)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行用の処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の通常遊技状態)と、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の通常遊技状態)と、前記第2通常遊技状態よりも遊技者に有利な第3通常遊技状態(高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の通常遊技状態)と、前記第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第4通常遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第4通常遊技状態)とが設けられており、
前記第2通常遊技状態へ移行する場合に、当該第2通常遊技状態が継続される遊技回数として基準回数(時短回数)を設定する第1設定手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態への移行に応じて時短回数を設定する機能)と、
前記第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が前記基準回数に達した場合に前記第3通常遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第4通常遊技状態へ移行する場合に、当該第4通常遊技状態が継続される遊技回数として前記基準回数を設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU602にて第4通常遊技状態への移行に応じて時短回数を設定する機能)と、
前記第4通常遊技状態にて実行された遊技回数が前記基準回数に達した場合に前記第1通常遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
第2通常遊技状態にて実行された遊技回数が基準回数に達した場合には当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態へ移行(昇格)する。これに対して、第4通常遊技状態にて実行された遊技回数が基準回数に達した場合には第1通常遊技状態へ移行(降格)する。第2通常遊技状態では基準回数到達を期待しながら遊技が行われることとなり、第4通常遊技状態では基準回数到達の回避を期待しながら遊技が行われることとなる。このように、同じ基準回数が設定されたとしても遊技状態によって基準回数到達後の遊技状態が有利側/不利側に分かれる構成とすることにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域が形成されている遊技盤と、前記遊技領域に設けられた始動入球部への入球が発生した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段と、前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記遊技回制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段とを備え、前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態と、当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態と、当該第2通常遊技状態よりも更に遊技者に有利な第3通常遊技状態とが設けられており、遊技の状況に応じて、遊技状態を前記第1通常遊技状態、前記第2通常遊技状態及び前記第3通常遊技状態に切り替える手段を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴D3.前記始動入球部は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能となっており、
前記始動入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記切替制御手段による切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記非受入状態である期間が短い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記第1通常遊技状態及び前記第3通常遊技状態は、前記切替制御モードが前記第1切替モードとなる遊技状態であり、
前記第2通常遊技状態及び前記第4通常遊技状態は、前記切替制御モードが前記第2切替モードとなる遊技状態であり、
前記第1設定手段は、前記第2通常遊技状態にて前記第2切替モードが継続される遊技回として前記基準回数を設定する構成となっており、
前記第2設定手段は、前記第4通常遊技状態にて前記第2切替モードが継続される遊技回として前記基準回数を設定する構成となっていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D2に示したように、基準回数到達によって有利側/不利側に遊技状態が変化し得る構成においては、遊技者の注目が基準回数到達までの残り回数に向きやすい。このように遊技への注目が高まっている状況下にて持ち球が大きく減少してしまった場合には、遊技への注目が高まっていることをも相まって遊技意欲の低下を招きやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態では、切替制御モードを第2切替モードとして、持ち球の減りを抑えることでそのような不都合の発生を抑制できる。
また、基準回数到達によって遊技状態が変化する構成においては、その過程で遊技進行が間延びすることがインパクトを低下させて、遊技への注目度向上効果を発揮させる上で妨げになると懸念される。この点、本特徴に示すように、基準回数到達までの遊技進行が円滑化されることとなり、そのような懸念を好適に払拭できる。
特徴D4.前記遊技回制御手段は、前記第2通常遊技状態及び前記第4通常遊技状態における前記絵柄の可変表示期間が前記第1通常遊技状態における前記絵柄の可変表示期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D3に示したように、第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態では持ち球の減りを抑えながら遊技を行うことができれば、遊技者の主たる注目を基準回数到達の有無に向けやすくなる。このような状況にて、絵柄の可変表示期間が短縮される構成とすれば、遊技回が間延びして緊張が続くことにより基準回数到達までの過程にて遊技者が過度に疲労することを好適に抑制できる。これは、基準回数をある程度多く設定して、特徴D2等に示した注目度向上効果を発揮させる上で好ましい構成である。
特徴D5.前記判定手段は、前記第2通常遊技状態にて前記判定を行う場合に前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率と、前記第4通常遊技状態にて前記判定を行う場合に前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率とが異なる構成となっていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D5によれば、第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行する場合と、第4通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行する場合とでは、同じ基準回数が設定されたとしても、基準回数到達の確率に差が生じることとなる。これにより、遊技の単調化を抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴D6.前記判定手段は、前記第2通常遊技状態にて前記判定を行う場合に前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が、前記第4通常遊技状態にて前記判定を行う場合に前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率よりも高くなるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行する場合と、第4通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行する場合とでは、同じ基準回数が設定されたとしても、基準回数到達の確率に差が生じることとなる。これにより、遊技の単調化を抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
特に、第2通常遊技状態から有利側である第3通常遊技状態へ移行する場合には基準回数到達の可能性が相対的に低くなり、第4通常遊技状態から不利側である第1通常遊技状態へ移行する場合には基準回数到達の可能性が相対的に高くなる。このような構成とすれば、同じ基準回数到達を前提とした場合であっても、第3通常遊技状態への移行のハードルを比較的高くすることができ、第3通常遊技状態への移行に対する期待感を好適に煽ることができる。
特徴D7.前記第2通常遊技状態及び前記第4通常遊技状態となっている場合に、それら第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態の何れであるかを遊技者が識別困難又は不可となるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、第2/第4の何れの通常遊技状態であるかを非明示(特定困難)とすることにより、基準回数到達後に移行する遊技状態が第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態の何れであるかを推測する遊技が追加される。基準回数到達まで有利側/不利側のどちらに移行するか、すなわち昇格/降格の何れとなるかが不明となることにより、基準回数到達時の注目度の更なる向上に寄与できる。
特徴D8.前記第2通常遊技状態となっている場合に、当該第2通常遊技状態にて実行される複数の遊技回に亘って当該第2通常遊技状態に対応した所定演出を実行する手段と、
前記第4通常遊技状態となっている場合に前記所定演出を実行する手段と
を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8に示すように、第2通常遊技状態と第4通常遊技状態とでは同様の表示演出(所定演出)を実行し、何れの通常遊技状態であるかを非明示(特定困難)とすることにより、基準回数到達後に移行する遊技状態が第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態の何れであるかを推測する遊技が追加される。基準回数到達まで有利側/不利側のどちらに移行するか、すなわち昇格/降格の何れとなるかが不明となることにより、基準回数到達時の注目度の更なる向上に寄与できる。
特徴D9.前記所定の判定情報として、第1判定情報(確変大当たり結果に対応する情報)及び第2判定情報(通常大当たり結果に対応する情報)を含み、
前記第1通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した判定結果となった場合に前記特別遊技状態を経て当該第1通常遊技状態から前記第2通常遊技状態へ移行させる手段と、
前記第1通常遊技状態にて前記判定手段による判定結果が前記第2判定情報に対応した判定結果となった場合に前記特別遊技状態を経て当該第1通常遊技状態から前記第4通常遊技状態へ移行させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴D7又は特徴D8に記載の遊技機。
第1通常遊技状態にて所定の判定情報に対応する判定結果となった場合に第2通常遊技状態又は第4通常遊技状態に移行する。このように第1通常遊技状態から第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態への移行パターンを共通化することにより、第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態へ移行する前に何れの遊技状態であるかを分かりにくくすることができる。これにより、特徴D7等に示した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴D10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える入球制御手段と
を備え、
前記入球制御手段は、前記第1判定情報に対応する判定結果となった場合に移行する前記特別遊技状態と、前記第2判定情報に対応する判定結果となった場合に移行する前記特別遊技状態とでは、前記可変入球部の切替態様が共通となるように構成されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10に示すように、第2通常遊技状態へ移行する場合と第4通常遊技状態へ移行する場合とで可変入球部の挙動を共通とすることにより、可変入球部の挙動から第2通常遊技状態及び第4通常遊技状態の何れへ移行するかが露呈することを回避できる。これにより、特徴D9に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D11.前記基準回数到達までの残り回数を示唆する示唆手段を備え、
前記示唆手段により示唆態様として、前記残り回数を明示する第1示唆態様と、前記残り回数を非明示とする第2示唆態様とが設けられており、
前記示唆手段は、それら第1示唆態様及び第2示唆態様に切替可能となっていることを特徴とする特徴D7乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7等に示したように基準回数到達によって有利側/不利側に分かれる構成においては、基準回数到達までの残り回数を明示/非明示に切り替えることにより、基準回数到達までの過程にて遊技への注目度を好適に向上させることができる。
なお、特徴D1~特徴D11に示した各技術的思想を上記特徴A群~C群に適用してもよい。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な第1入球部(下側可変入賞装置65)と、
前記遊技領域にて前記第1入球部へ向かう所定の流路(右ルート)上に配設され、当該所定の流路に沿って流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な第2入球部(右側作動入球部63)と、
前記遊技領域に配設された所定の通過部(スルーゲート66)を遊技球が通過した場合に所定情報(開放乱数カウンタC4の値)を取得する所定情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて開放乱数カウンタC4の値を取得する機能)と、
前記所定情報取得手段により取得された所定情報を記憶する情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における電役用記憶エリア633)と、
前記情報記憶手段に記憶されている所定情報に基づいて前記第2入球部を前記受入状態に切り替えるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU602にてサポート抽選を実行する機能)と、
表示部(スルーゲート用表示部DS)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示可能な可変表示手段(主表示ユニット81)と、
前記抽選手段による抽選に先立って又は抽選手段により抽選が行われたことに基づいて前記表示部における絵柄の可変表示を開始し、前記抽選手段による抽選結果に対応した絵柄を確定表示させる表示制御手段(主制御装置162のMPU602にて絵柄の表示処理を実行する機能)と、
前記表示部に当選結果に対応した絵柄が確定表示された場合に前記第2入球部を前記受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも入球が発生しやすい第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記表示制御手段は、前記第1切替モードにおける前記絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和である第1特定期間よりも前記第2切替モードにおける前記絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和である第2特定期間の方が短くなるように構成されており、
前記第1入球部への入球は、前記第2入球部への入球よりも遊技者に有利となるように構成されており、
前記第2入球部は、複数の遊技球が同時に通過可能な開口(作動口63a)と当該開口を開閉するシャッタ(シャッタ331)とを有し、当該シャッタが閉位置に配置されることで前記非受入状態となり、当該シャッタが開位置に配置されることで前記受入状態となるように構成されており、
前記第2入球部が前記非受入状態となっている場合に、前記シャッタによって前記所定の流路における遊技球の転動面の一部が形成され、
前記所定の流路を流下する遊技球が前記シャッタ上を通過するのに要する所要期間が、前記第2特定期間よりも長く且つ前記第1特定期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、所定の流路を流下する遊技球がシャッタ上を通過するのに要する所要期間が第2切替モードにおける絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和(第2特定期間)よりも長くなっている。このため、第2切替モード中は第2入球部に到達した遊技球のほとんどが当該第2入球部へ入球することとなる。つまり、第2切替モード中に所定の流路へ発射された遊技球は第2入球部へ流入し第1入球部への入球が抑制される。一方、上記所要期間は第1切替モードにおける絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和(第1特定期間)よりも短くなっている。このため、第1切替モード中は第2入球部が連続して受入状態に切り替わる場合であってもシャッタに到達した遊技球の一部は第2入球部を素通りして第1入球部へ向かう。このように、第1切替モード中は相対的に有利な第1入球部への入球が発生する一方で、第2切替モード中は第1入球部への入球が抑制されることにより、遊技進行に明確な差を生じさせることができる。
ここで、各切替モードの差別化を図るべく第2切替モード中に第2入球部を素通りして第1入球部へ向かう遊技球(零れ)を減らす上では、特定期間を短くすればよい。しかしながら、単に特定期間を短くしてしまうと、表示部に表示された結果に応じて発射/停止を行うこと(少しでも遊技者に有利となるようにして遊技を進めること)が困難となり、表示部を設けている意義が薄れてしまう。この点、本特徴に示す構成によれば、上記零れを抑えつつも絵柄の可変表示期間や確定表示期間が極端に短くなることを抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上を好適に実現できる。
特徴E2.前記切替制御手段は、前記第1入球部が前記受入状態となっているか否かに関係なく前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2入球部を前記受入状態に切り替える構成となっていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2に示すように、抽選結果に応じて第1入球部が受入状態となる場合とならない場合とが発生する構成においては、遊技者の注目が抽選結果の表示に向きやすくなる。このような構成に対して、特徴E1に示した技術的思想を適用して特定期間が極端に短くなることを抑制することには技術的意義がある。
特徴E3.前記第1入球部への入球に基づいて第1所定数(例えば10個)の遊技球を払い出し、前記第2入球部への入球に基づいて前記第1所定数よりも少ない第2所定数(例えば1個)の遊技球を払い出す払出手段(払出装置222)を備え、
前記払出手段によって払い出される遊技球の数の差によって、前記第1入球部への入球が前記第2入球部への入球よりも遊技者に有利となっていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3に示すように、第1入球部への入球が第2入球部への入球よりも優遇されている構成においては、遊技者は第1入球部への入球を期待して遊技が行うものと想定される。このような構成にて、第1入球部への入球が過剰に発生することは遊技のバランスを崩す要因になるため好ましくない。この点、特徴E1との組み合わせによれば、第2入球部を受入状態とする期間を極力短くしつつも、第1入球部へ向けた遊技球の移動を回避できるため、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。そして、受入状態とする期間を短くすることは、あたかも第1入球部へ向けて遊技球が流下するように遊技者の期待を促す上で有利であり、受入状態となる期間が長くなって第1入球部への入球の期待が削がれることを好適に抑制できる。
特徴E4.前記所定の流路において前記第1入球部及び前記第2入球部を繋ぐ連絡通路部の通路長は、前記所定の流路において前記第2入球部のシャッタにより構成されている通路部の通路長よりも短くなっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E4に示すように、連絡通路部の通路長を第2入球部に係る上記通路長よりも短くすることで、第1入球部が開放されている状況下にて第2入球部に到達した遊技球が当該第2入球部を素通りしさえすれば直ちに第1入球部へ入球できるとの印象を遊技者に与えやすくなり、第2入球部のシャッタや当該第1入球部に到達した遊技球の挙動への注目度の向上に寄与できる。
特徴E5.前記第1入球部は、複数の遊技球が同時に通過可能な開口(大入賞口)と当該開口を開閉するシャッタ(シャッタ)とを有し、当該シャッタが閉位置に配置されることで前記非受入状態となり、当該シャッタが開位置に配置されることで前記受入状態となるように構成されており、
前記第1入球部が前記非受入状態となっている場合に、当該第1入球部のシャッタによって前記所定の流路における遊技球の転動面の一部が形成され、
前記所定の流路において前記第1入球部及び前記第2入球部を繋ぐ連絡通路部の通路長は、前記所定の流路において前記第1入球部のシャッタにより構成されている通路部の通路長及び前記所定の流路において前記第2入球部のシャッタにより構成されている通路部の通路長の何れよりも短くなっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E4のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の流路を流下する遊技球のほとんどが第1入球部及び第2入球部の何れかに入球し得るため、第1入球部及び第2入球部の組み合わせによって1の大型入球部が構築されているように見せることができる。大型入球部によって遊技球の入球機会が確保されているかのように見せることは、遊技者の満足感を向上させる上で有利である。ここで、連絡通路部の通路長を各シャッタにより構成されている通路部の通路長よりも短くすることで、両入球部の一体感を強化できる。これにより、上記印象を強めることができる。
また、連絡通路部の通路長を第2入球部に係る上記通路長よりも短くすることで、第1入球部が開放されている状況下にて第2入球部に到達した遊技球が当該第2入球部さえ素通りできれば直ちに第1入球部へ入球できるとの印象を遊技者に与えやすくなり、第2入球部のシャッタや当該第1入球部に到達した遊技球の挙動への注目度の向上に寄与できる。
特徴E6.前記第1入球部は、複数の遊技球が同時に通過可能な開口(大入賞口)と当該開口を開閉するシャッタ(シャッタ)とを有し、当該シャッタが閉位置に配置されることで前記非受入状態となり、当該シャッタが開位置に配置されることで前記受入状態となるように構成されており、
前記第1入球部が前記非受入状態となっている場合に、当該第1入球部のシャッタによって前記所定の流路における遊技球の転動面の一部が形成され、
前記第1入球部のシャッタ及び前記第2入球部のシャッタは所定方向に延び且つ前記連絡通路部は前記所定方向と交差する方向に延びていることを特徴とする特徴E4又は特徴E5に記載の遊技機。
上述したように所定の流路を流下する遊技球のほとんどが第1入球部及び第2入球部の何れかに入球し得る構成とすれば、第1入球部及び第2入球部の組み合わせによって1の大型入球部が構築できる。大型入球部によって遊技球の入球機会が確保されているかのように見せることは、遊技者の満足感を向上させる上で有利である。
この種の大型入球部においては、状況に応じて主たる入球先を第1入球部/第2入球部で切り替える場合に、第1入球部への入球が発生すべきでない状況にて当該第1入球部への入球が発生することで、遊技ホールが不利益を被る可能性が高まる。このような事情に配慮した場合には、第1入球部及び第2入球部の間に連絡通路を設けて、第1入球部へ向けた遊技球の移動を遅らせたり間引いたりすることに技術的意義がある。連絡通路をある程度長くすればそれらの機能を好適に発揮させることはできるものの、その反面、両入球部の一体感が低くなって1の大型入球部であるとの印象が薄くなると懸念される。この点、本特徴に示すように、両入球部のシャッタが各々所定方向に延び且つ連絡通路部が所定方向と交差する方向に延びる構成として、入球部の位置をずらす(例えば上下にオフセットする)構成とすることで、連絡通路の通路長を稼ぎつつ両入球部の一体感の低下を軽減できる。
特徴E7.前記遊技領域の最下流部分には、当該遊技領域から遊技球が排出される排出口(アウト口68)が形成されており、
前記連絡通路部の途中位置には、分岐通路部が形成されており、当該分岐通路部に流入した遊技球は、前記排出口へ到達することなく前記遊技領域から排出される構成となっていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
連絡通路部の途中位置に設けられた分岐通路部へ流入した遊技球については、そのまま遊技領域から排出され、第1入球部への到達が回避されることとなる。このように第2入球部を素通りした遊技球の一部については第1入球部に流入することなく遊技領域から排出される構成とすることにより、分岐通路部に流入した遊技球が上記排出口に向かう構成と比較して上述した1の大型入球部であるとの印象を強化できる。
特徴E8.前記所定の流路において前記第2入球部のシャッタにより通路部が形成されている部分には、遊技球を減速させる減速部(突条部335a,336a)が設けられており、
前記減速部は、前記連絡通路部寄りとなる位置に配されていることを特徴とする特徴E4乃至特徴E7のいずれか1つに記載の遊技機。
第2入球部よりも第1入球部の方が遊技者に有利となるように優遇されている構成では、遊技球が第2入球部を素通りして第1入球部へ向かうことに期待して発射操作が実行され、第2入球部から連絡通路部への遊技球の動きに遊技者の注目が向きやすくなると想定される。ここで、シャッタにより形成された通路部に減速部を設けて通過所要期間を引き延ばす構成においては、当該減速部を連絡通路部側へ偏倚するようにして配設することにより、遊技者の注目度が向きやすい箇所で遊技球の動きを目で追いやすくすることができる。これにより、更なる注目度の向上に寄与できる。
特徴E9.前記第1入球部は前記第2入球部への入球に基づいて前記受入状態に切り替わる構成となっており、
前記第1切替モードにて前記第2入球部が前記受入状態となる期間は、前記所定の流路において前記第2入球部のシャッタにより通路部が形成されている部分を遊技球が通過するのに要する所要期間よりも短く且つ前記第1入球部が前記受入状態となる期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1切替モードにて第2入球部が受入状態となる期間を、所定の流路において第2入球部のシャッタにより通路部が形成されている部分を遊技球が通過するのに要する所要期間よりも短くしたとしても、シャッタ上に位置する遊技球については第1入球部が受入状態に切り替わった際に当該第1入球部へ入球することとなる。故に、受入状態とする期間を短くして第1入球部へ移動する遊技球を増やしつつも、第2入球部への入球を確保することができる。
また、第1切替モードにて第2入球部が受入状態となる期間は第1入球部が受入状態となる期間よりも短くなるように設定されているため、第1入球部への入球が発生しやすい状況である旨をそれら2つの入球部の挙動から把握しやすくなり、第1入球部への入球に遊技者の注目を向けやすくさせることができる。
特徴E10.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば右作動口63a)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する第1取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記第1取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な第1記憶手段(RAM604の保留球格納エリア632)と、
前記第1記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う第1判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示可能な第1表示部(例えば作動口用表示部DR)と、
前記第1判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記第1判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記第1表示部において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記第1表示部の表示制御を行う第1表示制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な特別入球部(下側可変入賞装置65)と、
前記第1判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果となり、前記第1表示制御手段によって当該判定結果に対応する絵柄が停止表示されたことに基づいて前記特別入球部を前記受入状態に切り替える第1切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて下側可変入賞装置65の開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記始動入球部は、前記特別入球部へ向かう所定の流路(右ルート)上に配設され、当該所定の流路を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能となっており、
前記遊技領域に設けられた所定の通過部(スルーゲート66)を遊技球が通過した場合に所定情報(開放乱数カウンタC4の値)を取得する第2取得手段(主制御装置162のMPU602にて開放乱数カウンタC4の値を取得する機能)と、
前記第2取得手段により取得された所定情報を記憶する第2記憶手段(主制御装置162のRAM604における電役用記憶エリア633)と、
前記第2記憶手段に記憶されている所定情報に基づいて前記始動入球部を前記受入状態に切り替えるか否かの判定を行う第2判定手段(主制御装置162のMPU602にてサポート抽選を実行する機能)と、
絵柄を可変表示可能な第2表示部(スルーゲート用表示部DS)と、
前記第2判定手段による判定に先立って又は前記第2判定手段により判定が行われたことに基づいて前記第2表示部における絵柄の可変表示を開始し、前記第2判定手段による判定結果に対応した絵柄を確定表示させる第2表示制御手段(主制御装置162のMPU602にて絵柄の表示処理を実行する機能)と、
前記第2表示部に当選結果に対応した絵柄が確定表示された場合に前記始動入球部を前記受入状態に切り替える第2切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2切替制御手段による切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記始動入球部が前記非受入状態となる期間が短い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記第2表示制御手段は、前記第1切替モードとなっている場合の前記第2表示部における絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和である第1特定期間よりも前記第2切替モードとなっている場合の前記第2表示部における絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和である第2特定期間の方が短くなるように構成されており、
前記始動入球部への入球に基づいて第1所定数(例えば1個)の遊技球を払い出し、前記特別入球部への入球に基づいて前記第1所定数よりも多い第2所定数(例えば10個)の遊技球を払い出す払出手段(払出装置222)を備え、
前記始動入球部は、複数の遊技球が同時に通過可能な開口(右作動口63a)と当該開口を開閉するシャッタ(シャッタ331)とを有し、前記シャッタが閉位置に配置されることで前記非受入状態となり、前記シャッタが開位置に配置されることで前記受入状態となるように構成されており、
前記始動入球部が前記非受入状態となっている場合に、前記シャッタによって前記所定の流路における遊技球の転動面の一部が形成され、
前記所定の流路を流下する遊技球が前記シャッタ上を通過するのに要する所要期間が、前記第2特定期間よりも長く且つ前記第1特定期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E10によれば、所定の流路を流下する遊技球がシャッタ上を通過するのに要する所要期間が第2切替モードにおける絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和(第2特定期間)よりも長くなっている。このため、第2切替モード中は第2入球部に到達した遊技球のほとんどが当該第2入球部へ入球することとなる。つまり、第2切替モード中に所定の流路へ発射された遊技球は第2入球部へ流入し第1入球部への入球が抑制される。一方、上記所要期間は第1切替モードにおける絵柄の可変表示期間と確定表示期間との和(第1特定期間)よりも短くなっている。このため、第1切替モード中は第2入球部が連続して受入状態に切り替わる場合であってもシャッタに到達した遊技球の一部は第2入球部を素通りして第1入球部へ向かう。このように、第1切替モード中は相対的に有利な第1入球部への入球が発生する一方で、第2切替モード中は第1入球部への入球が抑制されることにより、遊技進行に明確な差を生じさせることができる。
ここで、各切替モードの差別化を図るべく第2切替モード中に第2入球部を素通りして第1入球部へ向かう遊技球(零れ)を減らす上では、特定期間を短くすればよい。しかしながら、単に特定期間を短くしてしまうと、表示部に表示された結果に応じて発射/停止を行うこと(遊技を有利に進めること)が困難となり、表示部を設けている意義が薄れてしまう。この点、本特徴に示す構成によれば、上記零れを抑えつつも絵柄の可変表示期間や確定表示期間が極端に短くなることを抑制することができる。これにより、遊技への注目度の向上を好適に実現できる。
なお、本特徴に上記特徴E2~特徴E9に示した各技術的思想を適用することも可能である。
また、特徴E1~特徴E10に示した各技術的思想を上記特徴A群~D群に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。