JP7262737B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機には、始動口(入球口)への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、大当たり当選である場合に大入賞口を開放させる大当たり遊技を実行するものがある。この種のパチンコ遊技機において、例えば下記特許文献1では、始動口への遊技球の入球に基づいて小当たりであるかの判定処理を実行し、小当たり当選である場合に大入賞口(特別入賞口)を開放させる小当たり遊技を実行するようになっている。
特開2006-180907号公報
ところで、上記特許文献1に記載の遊技機のように、小当たり遊技では、特別入賞口(大入賞口)が極短時間(最大で1.8秒)しか開放することがない。しかしながら、小当たり遊技が頻繁に実行されれば、遊技者は特別入賞口への入球に基づく賞球を多く獲得できることになる。よって、小当たり遊技を利用した遊技興趣には、改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
遊技領域に配された入球口及び特別入賞口と、
前記入球口への入球に基づいて判定処理を実行可能な遊技制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示可能であり、
前記判定処理により大当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能であり、
前記判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
通常遊技状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い第1小当たり入賞容易状態に制御可能であり、
前記第1小当たり入賞容易状態にて前記判定処理で大当たりと判定されたことにより、当該判定処理の結果が大当たりであることを示す特別図柄の変動表示の間、当該第1小当たり入賞容易状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態に移行させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、遊技興趣を向上させることが可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 (A)は電チューの開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図であり、(B)は電チューの開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。 図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 第1小当たりラッシュ状態を説明するためのタイムチャートである。 第2小当たりラッシュ状態(1)を説明するためのタイムチャートである。 第2小当たりラッシュ状態(2)を説明するためのタイムチャートである。 各種の演出モードが設定されているときの背景画像を示す図である。 第1小当たりラッシュ状態での演出例を説明するための図である。 第2小当たりラッシュ状態(1)での演出例を説明するための図である。 第2小当たりラッシュ状態(2)での演出例を説明するための図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 第1特別動作処理のフローチャートである。 第2特別動作処理のフローチャートである。 第1特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1大当たり判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 第2特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2大当たり判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 第1特別図柄変動中処理のフローチャートである。 第2特別図柄変動中処理のフローチャートである。 第1特別図柄確定処理のフローチャートである。 特図2強制停止処理のフローチャートである。 遊技状態リセット処理のフローチャートである。 第2特別図柄確定処理のフローチャートである。 特図1強制停止処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 第2形態に係る遊技盤の正面図である 第2形態に係る当たり種別判定テーブルである。
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(他の入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄(第1識別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の下方には、第1大入賞口14(他の特別入賞口)を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、第1特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述するように、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の小当たり遊技の実行中に開放するものの、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の小当たり遊技の実行中に開放することはない。また大当たり遊技の実行中に開放することはない。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞口15を、第2特別入賞口ともいう。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図5参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述するように、大当たり遊技の実行中に開放すると共に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の小当たり遊技の実行中に開放する。なお第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の小当たり遊技の実行中に開放することはない。
また、遊技領域6における第2大入賞口15の右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口、第2入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄(第2識別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における第2始動口12(電チュー12D)の上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
また本形態では、遊技領域6における第2大入賞口15の左下方で、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口20(第1入球口)を備える第3始動入賞装置20Dが設けられている。第3始動口20を、第3入球口や、固定入球口ともいう。また第3始動入賞装置20Dを、第3入球手段や、第3始動入賞装置ともいう。第3始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)、アウト口19とが配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11、一般入賞口10、第1大入賞口14への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15、第3始動口20、第1大入賞口14への入賞を狙うことができる。なお本形態では、第1流路R1を流下する遊技球、又は第2流路R2を流下する遊技球は、何れも第1大入賞口14に入球することが可能になっているが、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数は「0」に設定されている。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている第2大入賞口15、及び第3始動口20(図2参照)の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほとんど第2始動口12に入球して、第3始動口20に入球することがほぼない。つまり、第3始動口20への入球に基づく第1特別図柄の抽選が実行されない。そして、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放しても、遊技球が第2大入賞口15に入球することがほぼない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、第2大入賞口15の方に向かうと共に、第3始動口20(図2参照)の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、第3始動口20に入球することが可能である。つまり、第3始動口20への入球に基づく第1特別図柄の抽選が実行される。更に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放すると、遊技球が第2大入賞口15に入球することが可能である。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11又は第3始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第1大入賞口14又は第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンと、小当たり遊技における第1大入賞口14又は第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11又は第3始動口20への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ20aは、第3始動口20内に設けられて、第3始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。本形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選の何れであっても、小当たりに当選することがある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の第2大入賞口15の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また第1特別図柄の抽選にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「小当たり遊技」が実行される。一方、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に移行させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)に移行させる大当たりである。
図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種類には、2種類ある。具体的に、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄」が停止表示される。これに対して、第1特別図柄の抽選で通常大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種類には、2種類ある。具体的には、第2特別図柄の抽選で確変大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄」が停止表示される。これに対して、第2特別図柄の抽選で通常大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図2_通常図柄」が停止表示される。
そして、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が100回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(規定回数)のことである。
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「通常遊技状態」や「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、通常遊技状態である。
図7に示すように、第1特別図柄の抽選で、確変大当たり1に当選する場合(特図1_確変図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。この場合には、高確率状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっている。なおこの場合には、時短回数が設定されることはない。
一方、第1特別図柄の抽選で、通常大当たり1に当選する場合(特図1_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合には、時短回数が100回に設定される。なお、特図1_確変図柄と、特図1_通常図柄に対する振分率は、65%:35%に設定されている。
第2特別図柄の抽選で、確変大当たり2に当選する場合(特図2_確変図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。この場合には、高確率状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっている。なおこの場合には、時短回数が設定されることはない。
一方、第2特別図柄の抽選で、通常大当たり2に当選する場合(特図2_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合には、時短回数が100回に設定される。なお、特図2_確変図柄と、特図2_通常図柄に対する振分率は、65%:35%に設定されている。
また図7に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり1又は通常大当たり1の何れであっても、16R(実質8R)大当たりである。この16R(実質8R)大当たりでは、1Rから8Rまでは第2大入賞口15を最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは第2大入賞口15を最大0.1秒にわたって開放する。従って、9Rから16Rまでは、第2大入賞口15の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は8Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり2又は通常大当たり2の何れであっても、16R大当たりである。この16R大当たりでは、1Rから16Rまで第2大入賞口15を最大29.5秒にわたって開放する。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は後述する小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
また本形態では、図7に示すように、第1特別図柄の抽選で小当たり1に当選することがある。この場合の開放パターンは、図7に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第1大入賞口14が0.1秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第1特別図柄の抽選で小当たり1に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_小当たり図柄」が停止表示される。
一方、第2特別図柄の抽選で小当たり2に当選し得る。この場合の開放パターンは、図7に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たり2に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図8(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図8(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図9(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図9(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図9(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では1.1秒であるのに対して、時短状態では1.0秒である。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図11に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図11参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図11に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ところで本形態では、非入球容易状態であっても、右打ちされた遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球し得るように設定されている。即ち、図9(C)に示すように、非時短状態であっても、時短状態と同様に、普通図柄の抽選でほぼ当たりと判定され得る。また図9(D)に示すように、普通図柄の変動時間も、時短状態と同様に、比較的短い時間(1.1秒)に設定されている。但し時短状態と比べて、非時短状態での補助遊技では、電チュー12Dの開放時間が1秒であって、1回しか開放しない。こうして、非入球容易状態、即ち非入球容易状態を伴う非時短状態であっても、右打ちされた遊技球が、電チュー12Dにある程度入球可能に設定されている。この理由については、後述する。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
電サポ制御状態(後述する低確時短状態)では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
ここで電サポ制御状態を伴う低確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほぼ第2始動口12に入球する。従って、特図2の抽選が頻繁に実行される。このとき、特図2の抽選により小当たりに頻繁に当選して(図9(A)参照)、第2大入賞口15が頻繁に開放するものの、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dよりも左下方に向かうことがほぼない。よって、第2大入賞口15に入賞することがない。更に、第3始動口20(図2参照)に入球することがほぼないため、特図1の抽選が実行されることがない。つまり、特図1の抽選で小当たりと判定されることはない。
これに対して、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(図10参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
その一方で、電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御状態を伴っていなくても(非入球容易状態であっても)、第2流路R2を流下する遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球することができると共に、上述したように、第2特別図柄の変動表示で600000ms(図10参照)という極めて長い間、変動表示が継続されることはないためである。
そして、高確非時短状態では、右打ちされた遊技球は、比較的頻繁に電チュー12Dに入球することで、特図2の抽選により小当たりに比較的頻繁に当選する。そのため、第2大入賞口15がある程度開放し易くなっていて、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、当該第2大入賞口15よりも左下方に向かって、第2大入賞口15に比較的頻繁に入球する。こうして、高確非時短状態では、第2流路R2を流下する遊技球は、開放している第2大入賞口15に入賞することが可能である。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、低確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、小当たり遊技で開放する第2大入賞口15への入賞により、ベースが「1(100%)」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態(小当たり入賞容易状態)」とも称する。
ここで、小当たりラッシュ状態(後述する第1小当たりラッシュ状態、第2小当たりラッシュ状態(1)、第2小当たりラッシュ状態(2))では、遊技者は右打ちを行うことになる。本形態では第2流路R2(特定流路)に、ゲート13、電チュー12D(第2始動口12)、第2大入賞口15、第3始動口20が配置されている。従って、小当たりラッシュ状態において、右打ちによって第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dや第2大入賞口15に入球するだけでなく、第3始動口20にも入球し得る。遊技球が第3始動口20へ入球すると特図1の抽選が実行されることになり、特図1の抽選では小当たりに当選することがある(図9(A)参照)。
本形態では、特図1の抽選で小当たりに当選すると第1大入賞口14が開放するものの、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数は「0」に設定されている。そのため、小当たりラッシュ状態で、第2流路R2を流下する遊技球が、第1大入賞口14に入球しても、遊技者は賞球を得ることができない。これに対して、第2大入賞口15への入球に基づく賞球数は「10」に設定されている。そのため、小当たりラッシュ状態で、第2流路R2を流下する遊技球が、特図2の抽選に基づく小当たり遊技によって第2大入賞口15に入球すると、遊技者は10球もの賞球を得ることができる。以上により、小当たりラッシュ状態では、第2始動口12への入球に基づく小当たりを有利にする一方、第1始動口11への入球に基づく小当たりを不利にしている。
ここで第1大入賞口14は、第2流路R2に配置されているだけでなく、第1流路R1にも配置されている。つまり、第1大入賞口14は、第1流路R1と第2流路R2との合流部に配置されている。そのため通常遊技状態では、遊技者は左打ちによって第1始動口11への入球を狙うことになるが、第1始動口11への入球に基づく特図1の抽選により、小当たりに当選すると第1大入賞口14が開放する。このとき、第1流路R1を流下する遊技球が第1大入賞口14に入球することがあり得るが、遊技球が第1大入賞口14に入球しても、遊技者は賞球を得ることができない。こうして本形態では、第1大入賞口14が第1流路R1を流下する遊技球又は第2大入賞口15を流下する遊技球の何れも入球し得るように配置しつつ、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数を「0」に設定することで、通常遊技状態でベースが「1(100%)」を超えないようにしている。
5.第1小当たりラッシュ状態と第2小当たりラッシュ状態
次に、本形態の特徴である第1小当たりラッシュ状態(第1小当たり入賞容易状態)と第2小当たりラッシュ状態(第2小当たり入賞容易状態)について説明する。上述した小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)の中には、第1小当たりラッシュ状態と、第1小当たりラッシュ状態よりも第2大入賞口15への入賞頻度が高い第2小当たりラッシュ状態とがある。
先ず、第1小当たりラッシュ状態について図12に基づいて説明する。高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)では、上述したように、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dに比較的頻繁に入球するため、特図2の抽選により小当たりに比較的頻繁に当選する(図12参照)。また第2流路R2を流下する遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、第2大入賞口15に向かうと共に、第3始動口20に向かう。そのため、遊技球が第3始動口20に入球することにより、特図1の抽選が実行される。ここで本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1であるため、特図2の変動表示中であっても、特図1の抽選が実行され得るようになっていて、特図1の抽選では、約2分の1の確率で小当たりに当選するように設定されている。
従って、図12に示すように、例えば、特図2の抽選で小当たりと判定されたことに基づく特図2の変動表示(特図2の小当たり変動表示)中であっても、特図1の抽選で小当たりと判定されることがある。ところで本形態では、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選で小当たりと判定されると、変動表示中の特図2はハズレに変更されて、強制的に停止表示される(図12参照)。つまり、特図2の抽選で小当たりと判定されたにも拘わらず、特図2が変動時間を経て小当たり態様で停止表示するわけではなく、変動途中でハズレ態様として強制的に停止表示される。従って、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されなくなり(無効化されて)、開放するはずの第2大入賞口15が開放しなくなる。こうして、特図1の抽選で小当たりに当選することにより、第2大入賞口15の開放頻度が低くなる。以上により、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)の中でも、特図1の抽選で小当たりに当選することがあって、第2大入賞口15の開放頻度が低く抑えられている状態が、「第1小当たりラッシュ状態」である。なお、特図1の抽選で小当たりと判定されたことに基づく特図1の変動表示(特図1の小当たり変動表示)中であっても、特図2の抽選で小当たりと判定されると、変動表示中の特図1はハズレに変更されて、強制的に停止表示されることになる。
次に、第2小当たりラッシュ状態について説明する。第2小当たりラッシュ状態の中には、第2小当たりラッシュ状態(1)と第2小当たりラッシュ状態(2)とがある。先ず、第2小当たりラッシュ状態(1)について、図13に基づいて説明する。図13に示すように、第2小当たりラッシュ状態(1)では、特図1の抽選で小当たりと判定されずに、連続してハズレと判定される状態のことである。つまり、特図2の小当たり変動表示は頻繁に実行されているものの、図12に示す第1小当たりラッシュ状態と異なり、特図1の抽選で小当たりに当選しないため、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて、強制的に停止表示することはない。よって、第2小当たりラッシュ状態(1)では、第1小当たりラッシュ状態のように第2大入賞口15の開放頻度が低く抑えられているわけではなく、第1小当たりラッシュ状態よりも第2大入賞口15に多くの遊技球が入球可能である。この第2小当たりラッシュ状態(1)は、特図1の抽選で小当たりに当選するまで、継続することになる。
次に、第2小当たりラッシュ状態(2)について、図14に基づいて説明する。図14に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選すると、大当たりと判定されたことに基づく特図1の変動表示(特図1の大当たり変動表示)が実行される。ここで本形態では、特図1の大当たり変動表示中には、上述した第2小当たりラッシュ状態(1)と同様、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて、強制的に停止表示することはないようにしている。つまり、特図2の小当たり変動表示を経て、特図2が小当たり態様で停止表示することで、小当たり遊技が実行される。そして特図1の大当たり当選に基づく変動時間は比較的長く設定されるため(図10参照)、その長い変動時間の分だけ、特図1の抽選で小当たりに当選することができないことになる。よって、第2小当たりラッシュ状態(2)でも、第1小当たりラッシュ状態のように第2大入賞口15の開放頻度が低く抑えられているわけではなく、第1小当たりラッシュ状態よりも第2大入賞口15に多くの遊技球が入球可能である。この第2小当たりラッシュ状態(2)は、特図1が大当たり態様で停止表示して、大当たり遊技が開始されるまで、継続することになる。
こうして本形態では、確変大当たりに当選すると、大当たり遊技後に高確非時短状態に移行する。このとき、第1小当たりラッシュ状態になる。この第1小当たりラッシュ状態では、右打ちで100球の遊技球が第2流路R2を流下するように打ち込んだときに、電チュー12Dへ入球する遊技球の数が約10球(所謂スタート「10」)になるように、電チュー12Dや遊技釘等が配置されている。そして、右打ちで100球の遊技球が第2流路R2を流下するように打ち込んだときに、第3始動口20へ入球する遊技球の数が約5球(所謂スタート「5」)になるように、第3始動口20や遊技釘等が配置されている。また特図1の抽選では、約2分の1の確率で小当たりに当選し(図9(A)参照)、非時短状態での特図1の小当たり変動表示による変動時間(600ms)は、高確非時短状態での特図2の小当たり変動表示による変動時間(50000ms、8000ms、7000ms、5000ms)よりも短い(図10参照)。
以上により、第1小当たりラッシュ状態では、上記した各スタート、小当たりへの当選確率、変動時間に基づいて、10回分の特図2の小当たり変動表示のうち、5回分の特図2の小当たり変動表示が、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技によってハズレとして強制的に停止表示されるように設定している。要するに、特図2の小当たり変動表示の半分が、特図1の小当たり当選を契機にして、ハズレで強制的に停止表示されるように設定している。これにより、第1小当たりラッシュ状態では、ベースが「約2(200%)」になる。
そして上述したように、特図1の抽選で連続してハズレになれば、第2小当たりラッシュ状態(1)になり、特図2の抽選で大当たりに当選すれば、第2小当たりラッシュ状態(2)になる。これら第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2)では、特図2の小当たり変動表示がハズレで強制的に停止表示されることがないため、ベースが「約4(400%)」になる。
よって本形態では、第1小当たりラッシュ状態から、第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行することで、ベースが約2倍に増加する。つまり、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放頻度が高くなって、第2大入賞口15へ遊技球が入賞し易くなる。こうして遊技者には、2種類の小当たりラッシュ状態を堪能させることが可能である。更に、第1小当たりラッシュ状態から、ベースが約2倍になる第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行することで、小当たりラッシュ状態での出玉感が急に高まるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
特に本形態では、第1小当たりラッシュ状態から第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行した場合、第2小当たりラッシュ状態(2)が終了すると、大当たり遊技が開始される。特図2の抽選大当たりに当選した場合、16R大当たりであるため、この場合の大当たり遊技でのベースは、「約8(800%)」になる。従って、ベースは、「第1小当たりラッシュ状態での約2(200%)」⇒「第2小当たりラッシュ状態での約4(400%)」⇒「大当たり遊技での約8(800%)」に変化していく。こうして、ベースが3段階に増加していくという極めて斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態では、特図1の抽選によりSPリーチハズレを示す変動パターン(例えば変動パターンP6、図10参照)が選択されると、変動時間が長く設定される。そのため、第1小当たりラッシュ状態のときに、SPリーチハズレを示す特図1の長い変動表示中には、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて強制的に停止表示されることはない。よって、実質的に第2小当たりラッシュ状態(2)と同様の状態になる。但しこの場合には、特図1が停止表示すると、大当たり遊技が実行されるわけではなく、第1小当たりラッシュ状態に戻ることになる。つまり、第2小当たりラッシュ状態(2)から第1小当たりラッシュ状態へ移行することで、ベースが約2分の1に減少する。よって、小当たりラッシュ状態での出玉感が高くなる場合だけでなく、低くなる場合もあることで、緊迫感のある遊技を提供することが可能である。
なお本形態では上述したように、右打ちで100球の遊技球が第2流路R2を流下するように打ち込んだときに、第3始動口20へ入球する遊技球の数が約5球(所謂スタート「5」)になるように、第3始動口20や遊技釘等が配置されている。これに対して、左打ちで100球の遊技球が第1流路R1を流下するように打ち込んだときに、第1始動口11へ入球する遊技球の数が約8球(所謂スタート「8」)になるように、第1始動口11や遊技釘等が配置されている。こうして、第3始動口20に対するスタートを、第1始動口11に対するスタートよりも小さくしている。これにより、通常遊技状態において、仮に遊技者が右打ちによって第3始動口20への入球を狙っても、左打ちによって第1始動口11への入球を狙った場合よりも、遊技球が入球し難くなる。このようにして、通常遊技状態において遊技者が右打ちにより第3始動口20への入球を狙うのを防ぐことが可能である。
6.演出モード及び小当たりラッシュ状態での演出の流れ
次に図15に基づいて、演出モードについて説明する。本形態では、各遊技状態に対応して、演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)に対応する昼モードと、低確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に対応する宇宙モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図15(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像Haが表示される。そのため、昼背景画像Haを見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードに設定されているときには、図15(B)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像Hbが表示される。そのため、夜背景画像Hbを見た遊技者に対して、低確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図15(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入球を狙うことが可能である。
また宇宙モードに設定されているときには、図15(C)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像Hcが表示される。そのため、宇宙背景画像Hcを見た遊技者に対して、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に制御されていると認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図15(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D、第2大入賞口15、第3始動口20への入賞を狙うことが可能である。
次に、図16~図18に基づいて、小当たりラッシュ状態での演出の流れについて説明する。先ず、図16に基づいて、第1小当たりラッシュ状態での演出例について説明する。大当たり遊技後に高確非時短状態に移行すると、宇宙モードの設定により、図16(A)に示すように、表示画面50aに宇宙背景画像Hcが表示される。また第2流路R2を流下する遊技球が電チュー12Dに入球すると、特図2の変動表示に同期して演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が表示画面50aの中央にて変動表示する。つまり、表示画面50aの中央にて、特図2の抽選に基づく変動演出が実行される。また第2流路R2を流下する遊技球が第3始動口20に入球すると、特図1の変動表示に同期して特別な演出図柄EZ4が、表示画面50aの下側にて変動表示する。つまり、表示画面50aの下側にて、特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。こうして本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1であるため、特図1の抽選に基づく変動演出と特図2の抽選に基づく変動演出とが同時に実行され得る。
ここで、特図2の抽選で小当たりに当選しているものとする。また特図1の抽選ではハズレであるものとして、特図2の変動表示中に、特図1がハズレ態様で停止表示したこととする。この場合、図16(B)に示すように、表示画面50aの下側にて、特別な演出図柄EZ4が天使のキャラクタを示す態様(以下「天使態様」と呼ぶ)で停止表示する。天使態様は、遊技者にとって有利であることを意味している。こうして、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示した場合、特図2の小当たり変動表示がハズレとして強制的に停止表示しないことを遊技者に認識させることが可能である。
またこの場合、表示画面50aの下側にて、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示した回数(図16(A)では「1」)を示す回数画像COが表示される。つまり、回数画像COにより、特図1の抽選でハズレとなった回数が示される。こうして遊技者には、回数画像COにより、特図1の抽選で遊技者に有利な結果(ハズレ)が連続して何回得られたかを把握させることが可能である。その結果、回数画像COが示す回数の増加に興味を抱かせることが可能である。
図16(B)の後、特図1の保留がある場合、又は第2流路R2を流下する遊技球が第3始動口20に入球すると、特図1の変動表示の開始に伴って、図16(C)に示すように、特別な演出図柄EZ4が変動表示を開始する。また特図2が小当たり態様で停止表示すると、図16(C)に示すように、変動表示中であった演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が小当たり態様(「135」)で停止表示する。これにより、小当たり遊技が実行されて、開放した第2大入賞口15に遊技球が入球可能になる。またこのときには、表示画面50aの右下部に、右下向きの矢印を示す矢印画像MSが表示される。矢印画像MSは、第2大入賞口15の位置を分かり易く示すものである。この矢印画像MSにより、遊技者は、第2大入賞口15へ遊技球を入球させる状況を把握することが可能である。
図16(C)の後、特図2の保留がある場合、又は第2流路R2を流下する遊技球が第3始動口20に入球すると、特図2の変動表示の開始に伴って、図16(D)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示を開始する。ここで、特図1の抽選では小当たりに当選していて、図16(D)では、特図1の小当たり変動表示に同期して、特別な演出図柄EZ4が変動表示しているものとする。
図16(D)の後、特図1が小当たり態様で停止表示すると、図16(E)に示すように、表示画面50aの下側にて、特別な演出図柄EZ4がドクロのキャラクタを示す態様(以下「ドクロ態様」と呼ぶ)で停止表示する。ドクロ態様は、遊技者にとって不利であることを意味している。またこのときには、特図2の小当たり変動表示が、ハズレとして強制的に停止表示するため、表示画面50aの中央にて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がハズレ態様(「638」)で停止表示する。こうして、特別な演出図柄EZがドクロ態様で停止表示すると共に、変動途中の演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が急にハズレ態様で停止表示した場合、特図2の小当たり変動表示がハズレとして強制的に停止表示したことを遊技者に認識させることが可能である。その結果、特図2の抽選で小当たりに当選したにも拘わらず、小当たり遊技が実行されなくなり、第2大入賞口15の開放頻度が抑えられることになる。
図16(E)の後、図16(F)に示すように、特図2の変動表示の開始に伴って演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示を開始すると共に、特図1の変動表示の開始に伴って特別な演出図柄EZ4が変動表示を開始する。そしてこのときには、特図1が小当たり態様で停止表示した後であって、特別な演出図柄EZ4が天使態様で連続的に停止表示した回数がリセットされていることとして、回数画像COが表示されない。
以上により、第1小当たりラッシュ状態では、特図1の抽選がハズレであったり、小当たりに当選したりする。そのため、表示画面50aの下側では、図16(B)に示すように、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示したり、図16(E)に示すように、特別な演出図柄EZ4がドクロ態様で停止表示する。こうして遊技者には、同時変動による変動演出(特図1の変動表示に基づく変動演出と特図2の変動表示に基づく変動演出)を見せながら、天使態様である特別な演出図柄EZ4を見せた場合には安堵させる一方、ドクロ態様である特別な演出図柄EZ4を見せた場合には落胆させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
次に、図17に基づいて、第2小当たりラッシュ状態(1)での演出例について説明する。特図1が小当たり態様で停止表示した後、図17(A)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示していると共に、特別な演出図柄EZ4が変動表示していることとする。ここで特図1の抽選でハズレであるものとする。この場合、特図1が停止表示すると、図17(B)に示すように、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示すると共に、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示した回数が「1」であることを示す回数画像COが表示される。従って、特図2の小当たり変動表示がハズレとして強制的に停止表示されるわけではない。
そして、変動表示中であった特図2が小当たり態様で停止表示すると、図17(C)に示すように、変動表示中であった演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が小当たり態様(「135」)で停止表示すると共に、右下向きの矢印を示す矢印画像MSが表示される。これにより、小当たり遊技の実行によって開放する第2大入賞口15へ入賞させることが可能である。
その後、特図2の抽選では小当たりに当選し続ける一方、特図1の抽選では連続3回ハズレになったこととする。この場合、図17(C)に示すように、特別な演出図柄EZ4が天使態様で連続的に停止表示した回数が「4」であることを示す回数画像COが表示される。続いて、図17(D)に示すように、変動表示中であった特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示すると、特別な演出図柄EZ4が天使態様で停止表示した回数が「5」であることを示す回数画像COが表示される。
以上により、第2小当たりラッシュ状態(1)では、特図2の抽選では頻繁に小当たりに当選しつつ、特図1の抽選では連続的にハズレになる。このとき、回数画像COで示される回数(特別な演出図柄EZ4が天使態様で連続的に停止表示した回数)が増加していくことで、遊技者に第2小当たりラッシュ状態(1)であることを把握させることが可能である。言い換えると、回数画像COで示される回数が多いほど、長い間、第2小当たりラッシュ状態(1)による多くの出玉を獲得できていることになり、遊技者に高揚感を与えることが可能である。
続いて、図18に基づいて、第2小当たりラッシュ状態(2)での演出例について説明する。第2小当たりラッシュ状態(2)は、高確非時短状態にて特図1の抽選で大当たり又はSPリーチハズレとなることを契機として移行する。この場合、図18(A)に示すように、表示画面50aの上側に、「スーパーラッシュ突入」の文字を示す移行画像SRが表示される。この移行画像SRは、特図1の抽選で大当たり又はSPリーチハズレとなって、第2小当たりラッシュ状態(2)に移行したことを示唆するものである。この移行画像SRにより、遊技者には第1小当たりラッシュ状態から第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行したことによる高揚感を与えることが可能である。
ここで特図1の抽選で大当たりに当選した場合に、変動時間が50000ms(50秒)である変動パターンP1(図10参照)が選択されたこととする。また特図1の抽選でSPリーチハズレとなった場合に、変動時間が50000ms(50秒)である変動パターンP6(図10参照)が選択されたこととする。これらの場合には、図18(B)に示すように、表示画面50aの上側にて、「スーパーラッシュ 残50」を示す残時間画像SZが表示される。残時間画像SZは、特図1が停止表示されるまでの目安となる時間を示すものであり、言い換えると、第2小当たりラッシュ状態(2)の継続時間の目安を示すものである。なお残時間画像SZが、あくまで目安の継続時間であるのは、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されている間は、特図1の変動時間が実質的に延長されることになるためである。つまり、「スーパーラッシュ 残50」を示す残時間画像SZが表示されても、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技の実行時間の分だけ、特図1が停止表示されるまでに要する時間が延長されて、実質50秒を超えるからである。
特図1が変動表示を開始してから1秒が経過すると、図18(C)に示すように、表示画面50aの上側では、「スーパーラッシュ 残49」を示す残時間画像SZが表示される。こうして残時間画像SZは、カウントダウンによって、特図1が停止表示されるまでに要する時間の目安を示すようになっている。なお図18(C)では、特図2が小当たり態様で停止表示することに伴って、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が小当たり態様(「135」)で停止表示していることが示されている。こうして、特図1が変動表示している間、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が頻繁に小当たり態様で停止表示して、第2大入賞口15が頻繁に開放することになる。
その後、特図1の抽選が大当たり又はSPリーチハズレの何れであるかによって、演出が図18(D)又は図18(E)に分岐することになる。特図1の抽選が大当たりである場合には、特図1の停止表示に伴って、図18(D)に示すように、特別な演出図柄EZ4が星を示す態様(以下「星態様」と呼ぶ)で停止表示する。星態様は、特図1の抽選で大当たりに当選したことを示唆するものである。従って、特別な演出図柄EZが星態様であることを見た遊技者は、特図1の抽選で大当たりに当選したことを把握して、高揚感を覚えることになる。そして図18(D)の後、大当たり遊技が実行される。
なお図18(D)に示す状況では、特図1が大当たり態様で停止表示することにより、特図2の変動表示(主に小当たり変動表示)がハズレで強制的に停止表示される。そのため、変動表示中の演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が、ハズレ態様で急に停止表示する。また図18(D)では、特図1が変動表示を開始してから50秒以上が経過しているため、「スーパーラッシュ 残0」を示す残時間画像SZが既に表示されていることになる。
一方、特図1の抽選がSPリーチハズレである場合には、特図1の停止表示に伴って、図18(E)に示すように、特別な演出図柄EZ4が「終了」の文字を示す態様(以下「終了態様」と呼ぶ)で停止表示する。終了態様は、第2小当たりラッシュ状態(2)が終了したことを示すものである。従って、特別な演出図柄EZ4が終了態様であることを見た遊技者は、第2小当たりラッシュ状態が終了したことを把握して、落胆することになる。そして図18(E)の後、再び第1小当たりラッシュ状態に戻ることになる。なお図18(E)では、特図1が変動表示を開始してから50秒以上が経過しているため、「スーパーラッシュ 残0」を示す残時間画像SZが既に表示されていることになる。
以上により、第2小当たりラッシュ状態(2)では、「スーパーラッシュ突入」の文字を示す移行画像SRの表示によって、遊技者には、第2小当たりラッシュ状態(2)に移行できたことによる高揚感を与えることが可能である。そして、残時間画像SZの表示によって遊技者には、第2小当たりラッシュ状態(2)の終了時期の目安を把握させることが可能である。そして、特図1の停止表示に伴って、図18(D)に示すように、特別な演出図柄EZ4が星態様で停止表示すれば、遊技者は第2小当たりラッシュ状態(2)から、更に有利な大当たり遊技状態に移行することによる大きな高揚感を覚える。その一方で、特図1の停止表示に伴って、図18(E)に示すように、特別な演出図柄EZ4が終了態様で停止表示すれば、遊技者は第2小当たりラッシュ状態(2)から不利な第1小当たりラッシュ状態に移行することを把握して落胆することになる。こうして、第2小当たりラッシュ状態(2)を経て、有利な状態又は不利な状態に分岐することで、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図19~図44に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図19に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図20に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図19の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図19参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図21に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図8(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11又は第3始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11a又は第3始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11又は第3始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11又は第3始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図20参照)。図22に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図9(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図9(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図11の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図23に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図23に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、第1特別動作ステータスが「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、第1特別動作ステータスが「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、第1特別動作ステータスが「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、第1特別動作ステータスが「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図24に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図24に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、第1特別動作ステータスが「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第1特別動作ステータスが「5」であれば(S1101でYES)、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1101でNO)、第2特別動作ステータスが「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、第2特別動作ステータスが「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、第2特別動作ステータスが「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図25に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11又は第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11又は第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図26に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1303)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1303でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。第1大当たりフラグは、特図1の抽選で大当たりと判定されたことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1305)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1306)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1303でNO)、ステップS1307に進む。
ステップS1307では、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1307でYES)、第1小当たりフラグをONする(S1308)。第1小当たりフラグは、特図1の抽選で小当たりと判定されたことを示すフラグである。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(23H)をセットして(S1309)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1307でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1310)、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図27および図28に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図27に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、第1小当たりフラグがONか否かを判定する(S1404)。ONであれば(S1404でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、第1小当たりフラグがONでなければ(S1404でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図28に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402~S1408と同様の流れで処理(S1409~S1415)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1409でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。
また第1小当たりフラグがONであれば(S1411でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1412)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1413でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1413でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すように、選択した変動パターン(特図1変動パターン)をセットして(S1416)、本処理を終える。ステップS1416でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図10に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図10の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図10の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図29に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図30に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図9(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。第2大当たりフラグは、特図2の抽選で大当たりと判定されたことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1606)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1607)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1604でNO)、ステップS1608に進む。
ステップS1608では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、第2小当たりフラグをONする(S1609)。第2小当たりフラグは、特図2の抽選で小当たりと判定されたことを示すフラグである。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(23H)をセットして(S1610)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1608でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図31~図33に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図31に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
一方、第2小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図10に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP41,P42,P43が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行うと、電チュー12Dに入球してしまい、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図32に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONでなければ(S1710でYNO)、高確非時短状態中ハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
またステップS1710において、小当たりフラグがONであれば(S1710でYES)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1712)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1712でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中小当たりリーチ有りハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たり且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1713)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1712でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中小当たりリーチ無しハズレテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たり且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図33に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1703~S1707と同様の流れで処理(S1715~S1721)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
また第2小当たりフラグがONでなければ(S1717でNO)、時短状態中ハズレテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。また第2小当たりフラグがONであって(S1717でYES)、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中小当たりリーチ有りハズレテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
また第2小当たりフラグがONであって(S1717でYES)、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中小当たりリーチ無しハズレテーブル(図10の特図2且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで図9(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」~「10」であり、非時短状態であれば「1」~「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図31に示すように、選択した変動パターン(特図2変動パターン)をセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の直後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
図34に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2003で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFして(S2008)、ステップS2009に進む。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2009に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「50」又は「10000」にセットされるようになっている。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図35に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図23に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図35に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図44のステップS2913参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図31に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図36に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図37に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第2大入賞口15の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、第1小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2109)。ONであれば(S2109でYES)、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2110)、第1特別図柄ステータスを「5」にセットする(S2111)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2112)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図7参照)をセットして(S2113)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104,S2110)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。第1大当たりフラグがONである場合の特図2強制停止処理(S2104)と、第1小当たりフラグがONである場合の特図2強制停止処理(S2110)とは同様の処理であるため、以下ではまとめて説明する。
図38に示すように、特図2強制停止処理(S2104,S2110)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的にハズレ態様で停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。こうして本形態では、第1小当たりラッシュ状態において、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技が開始されるときに、特図2の小当たり変動がハズレで強制的に停止表示されることになる。
[遊技状態リセット処理]図39に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図40に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図39に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第2大入賞口15の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第2小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。第2小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2510)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2511)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2512)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図7参照)をセットして(S2513)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び第2小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2514)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504,S2510)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。第2大当たりフラグがONである場合の特図1強制停止処理(S2504)と、第2小当たりフラグがONである場合の特図1強制停止処理(S2510)とは同様の処理であるため、以下ではまとめて説明する。
図41に示すように、特図1強制停止処理(S2504,S2510)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的にハズレ態様で停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図42に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7参照)に従って大入賞口(第2大入賞口15)を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2703での第2大入賞口15の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第2大入賞口15の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第2大入賞口15の開放中であれば(S2206でYES)、第2大入賞口15の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第2大入賞口15を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(図7参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第2大入賞口15の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
これに対して、第2大入賞口15の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図24に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図23に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(図7参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、高確非時短状態又は低確時短状態に制御するための処理である。図43に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、特図1_確変図柄又は特図2_確変図柄が停止表示しているか否かを判定する(S2801)。
ステップS2801の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2802)、確変カウンタの値に「10000」をセットして(S2803)、ステップS2806に進む。こうして、特図1_確変図柄又は特図2_確変図柄に当選した場合には、高確非時短状態に制御されることになる。一方、ステップS2801の判定結果がNOであれば、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄が停止表示していることになり、ステップS2804に進む。ステップS2804では、時短フラグをONにして、時短カウンタの値に「100」をセットして(S2805)、ステップS2806に進む。こうして、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄に当選した場合には、時短回数が100回に設定された低確時短状態に制御されることになる。
ステップS2806では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2716)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1010)と、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1110)とをまとめて説明する。図44に示すように、特別電動役物処理2(S1010,S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。なお上述したように、特図1の抽選に基づく小当たり遊技では第1大入賞口14が開放し、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では第2大入賞口15が開放することになる。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して大入賞口の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図7参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図7の小当たりの欄参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を開放させる(S2904)。
ステップS2902において大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放中であれば(S2902でYES)、大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放時間が経過したか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態において、特図1の抽選に基づく小当たり遊技では、閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図7参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、大入賞装置(第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15D)内へ入賞した遊技球が当該大入賞装置外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。また小当たりフラグをOFFする(S2911)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図24に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図23に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
8.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図45~図50に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図45に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図46に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図47に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(図6参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図48に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図49に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。
モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、モードステータスの値に応じて、演出モードを設定するようになっている。具体的に、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を「1」、「2」、又は「3」に設定する。より詳細には、初期設定又は通常遊技状態に移行した場合に、モードステータスの値を「1」に設定する。この場合、昼モードに設定して、表示画面50aに図15(A)に示す昼背景画像Haを表示するように制御する。また大当たり遊技後に低確時短状態に移行した場合に、モードステータスの値を「2」に設定する。この場合、夜モードに設定して、表示画面50aに図15(B)に示す夜背景画像Hbを表示するように制御する。また大当たり遊技後に高確非時短状態に移行した場合に、モードステータスの値を「3」に設定する。この場合、宇宙モードに設定して、表示画面50aに図15(C)に示す宇宙背景画像Hcを表示するように制御する。なお夜背景画像Hb、宇宙背景画像Hcを表示するときには、右打ち画像Raが併せて表示されることになる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S14412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図50に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図26参照)や特図2大当たり判定処理(図30参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図27参照)や特図2変動パターン選択処理(図31参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
続いて、モードステータスの値を参照する(S4602)。そして、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
但し本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1である。そのため、昼モード(通常遊技状態)に設定されているときには、主に特図1の変動表示及び停止表示に同期して、特図1の抽選に基づく演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が、表示画面50aの中央にて変動表示及び停止表示することになる(図15(A)参照)。そして例外的に、特図2の抽選が実行された場合には、特図2の変動表示及び停止表示に同期して、特図2の抽選に基づく小さい演出図柄(図示省略)が、表示画面50aの端部にて変動表示及び停止表示することになる。
また、夜モード(低確時短状態)に設定されているときには、主に特図2の変動表示及び停止表示に同期して、特図2の抽選に基づく演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が、表示画面50aの中央にて変動表示及び停止表示することになる(図15(B)参照)。そして例外的に、特図1の抽選が実行された場合には、特図1の変動表示及び停止表示に同期して、特図1の抽選に基づく小さい演出図柄(図示省略)が、表示画面50aの端部にて変動表示及び停止表示することになる。
また、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときには、特図2の変動表示及び停止表示に同期して、特図2の抽選に基づく演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が、表示画面50aの中央にて変動表示及び停止表示することになる(図15(C)参照)。更に、特図1の変動表示及び停止表示に同期して、特図1の抽選に基づく特別な演出図柄EZ4が、表示画面50aの下側にて変動表示及び停止表示することになる(図15(C)参照)。ここで、特図1の抽選がハズレであれば、特別な演出図柄EZ4は天使態様で停止表示することになる(図16(B)参照)。また特図1の抽選が小当たりであれば、特別な演出図柄EZ4はドクロ態様で停止表示することになる(図16(E)参照)。また特図1の抽選が大当たりであれば、特別な演出図柄EZ4は星態様で停止表示することになる(図18(D)参照)。また特図1の抽選がSPリーチハズレであれば、特別な演出図柄EZ4は終了態様で停止表示することになる(図18(E)参照)。
図50の変動演出開始処理(S4404)の説明に戻る。演出制御用マイコン121は、ステップS4603の後、変動演出パターン選択処理を実行する(S4604)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理(S4604)の後、予告演出の選択を行う(S4605)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出としては、例えば、大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄EZによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
演出制御用マイコン121は、予告演出の選択(S4605)をした後、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているか否かを判定する(S4606)。宇宙モードに設定されていなければ(S4606でNO)、ステップS4609に進む。一方、宇宙モードに設定されていれば(S4606でYES)、続いて、特図1の抽選で大当たり又はSPリーチハズレと判定された状況か否かを判定する(S4607)。特図1の抽選で大当たりと判定された状況ではなく、且つ特図1の抽選でSPリーチハズレと判定された状況でもない場合には(S4607でNO)、ステップS4609に進む。これに対して、特図1の抽選で大当たりと判定された状況、又は特図1の抽選でSPリーチハズレと判定された状況である場合には(S4607でYES)、第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行することになるため、第2小当たりラッシュ状態(2)への移行設定処理を行う(S4608)。
第2小当たりラッシュ状態(2)への移行設定処理(S4608)では、演出制御用マイコン121は、移行画像SR(図18(A)参照)、及び残時間画像SZ(図18(B)参照)を表示するための移行設定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4608)。これにより、移行設定コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて、「スーパーラッシュ突入」の文字を示す移行画像SR(図18(A)参照)を表示した後、時間の経過に伴ってカウントダウンされる残時間画像SZ(図18(B)参照)を表示する。こうして、移行画像SRを見た遊技者に、第2小当たりラッシュ状態(2)へ移行したことを把握させることが可能であり、残時間画像SZを見た遊技者に、第2小当たりラッシュ状態(2)が終了するまでに残っている時間の目安を把握させることが可能である。
ステップS4609では、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄EZ(特別な演出図柄EZ4を含む)と変動演出パターンと予告演出とに基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。ステップS4609でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
9
.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たりラッシュ状態の中に、第1小当たりラッシュ状態と、その第1小当たりラッシュ状態よりも第2大入賞口15の開放頻度が高い第2小当たりラッシュ状態(第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2))とがある。従って、遊技者には、2種類の小当たりラッシュ状態を楽しませることが可能であり、遊技興趣を向上させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1小当たりラッシュ状態であるときに、特図1の抽選で大当たりに当選する又はSPリーチハズレになると、当該第1小当たりラッシュ状態から第2小当たりラッシュ状態(2)に移行する(図14参照)。これにより、小当たり当選に基づく第2大入賞口15への入賞が急に多くなる。よって遊技者には、小当たりラッシュ状態での賞球が急に増加する斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1小当たりラッシュ状態であるときに、特図1の抽選でSPリーチハズレになると、当該第1小当たりラッシュ状態から第2小当たりラッシュ状態(2)に移行する。しかしながら、特図1の抽選でSPリーチハズレになっている場合には、SPリーチハズレに基づく特図1の変動時間が経過すると、再び第1小当たりラッシュ状態に戻ることになる(図18(E)参照)。こうして、第2小当たりラッシュ状態(2)を、小当たりラッシュ状態の中の限定的(一時的)な状態にしている。よって、有利な第2小当たりラッシュ状態(2)を獲得した遊技者に対して、不利な第1小当たりラッシュ状態(1)に戻るかもしれないという緊迫感を与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1小当たりラッシュ状態は、図12に示すように、特図1の抽選で小当たりと判定されることに基づいて、特図2の小当たり変動表示が、ハズレに変更されて停止表示することがある状態である。一方、第2小当たりラッシュ状態(1)は、図13に示すように、ハズレを示す特図1の変動表示が連続的に行われることによって、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されずに停止表示する状態である。こうして、特図1が小当たり又はハズレであるかによって、第1小当たりラッシュ状態又は第2小当たりラッシュ状態(1)を作り出すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1小当たりラッシュ状態は、図12に示すように、特図1の抽選で小当たりと判定されることに基づいて、特図2の小当たり変動表示が、ハズレに変更されて停止表示することがある状態である。一方、第2小当たりラッシュ状態(2)は、図14に示すように、SPリーチハズレ又は大当たりを示す特図1の変動表示が長時間にわたって行われることによって、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されずに停止表示する状態である。こうして、特図1が小当たりであれば第1小当たりラッシュ状態を作り出すことができ、特図1が長時間にわたって変動表示されれば、第2小当たりラッシュ状態(2)を作り出すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態において、第2始動口12(電チュー12D)への入球に基づいて小当たりになると、小当たり遊技の実行により第2大入賞口15が開放する。従って、遊技者は第2始動口12への入球に基づいて小当たりに頻繁に当選することを期待する。しかしながら、図2に示すように、第2流路R2には、第2始動口12と第2大入賞口15だけでなく、第3始動口20も配置されているため、第3始動口20への入球に基づいて小当たりに当選することがある。そのため、第3始動口20への入球に基づいて小当たりに当選したときには、特図2の小当たり変動表示は、ハズレに変更されて強制的に停止表示する。つまり、第3始動口20への入球に基づく小当たりにより、第2始動口12への入球に基づく小当たりが無効化されて、第2大入賞口15が頻繁に開放しなくなる。こうして、第3始動口20への入球に基づいて小当たりに当選する頻度(確率)に応じて、第2大入賞口15からの出玉が変化するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態において、第2始動口12への入球に基づいて小当たりに当選すると、小当たり遊技の実行により、第2流路R2に配置されている第2大入賞口15が開放する。一方、第3始動口20への入球に基づいて小当たりに当選すると、小当たり遊技の実行により、第2流路R2に配置されている第1大入賞口14が開放する。ここで、第2大入賞口15への入球に基づく賞球数(「10」)は、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数(「0」)よりも多いため、遊技者には第2大入賞口15への入球を期待させることになる。特に本形態では、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数は「0」である。こうして、第2始動口12への入球に基づく小当たりを有利にする一方、第3始動口20への入球に基づく小当たりを不利にするというゲーム性を顕著に作り出すことが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
上記形態(第1形態)では、図2に示すように、特図2の抽選で小当たりに当選したときに開放する第2大入賞口15が、電チュー12Dよりも下方に配置されていた。これに対して第2形態では、図51に示すように、特図2の抽選で小当たりに当選したときに開放する第2大入賞口15が、電チュー12Dよりも上流に配置されている。
ここで第2形態を説明する前に、第1形態の問題点について説明する。第1形態では、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、特図2の抽選に基づく小当たり遊技によって第2大入賞口15が頻繁に開放するが、電チュー12Dが第2大入賞口15よりも上方にて第2流路R2上に配置されているため、電チュー12Dに入球しなかった遊技球が第2大入賞口15に向かうことになる。つまり、電チュー12Dへの入球によって遊技球が吸収される分、第2大入賞口15へ到達できる遊技球の数が減ることになる。この場合、第2大入賞口15へ到達できる遊技球の数が減った状態で、第1小当たりラッシュ状態ではベースを「2(200%)」にして、第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2)ではベースを「4(400%)」になるように、第2大入賞口15への入賞率を調整するのが難しいという問題点があった。
そこで第2形態では、図51に示すように、第2大入賞口15を、電チュー12Dよりも上方に配置している。これにより、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dに到達する前に、第2大入賞口15に到達する。そのため第1形態のように、電チュー12Dによって第2大入賞口15へ到達できる遊技球の数が減ることがない。その結果、第1形態の遊技盤1の配置よりも、第1小当たりラッシュ状態ではベースを「2(200%)」にして、第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2)ではベースを「4(400%)」になるように、第2大入賞口15への入賞率を調整し易くすることが可能である。
なお第2形態の遊技盤1の配置では、以下の問題点がある。即ち、仮に電サポ制御状態を伴う時短状態(低確時短状態又は高確時短状態)を考慮すると、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12D(第2始動口12)に入球し得る。この場合、特図2の抽選により頻繁に小当たりに当選して、第2大入賞口15が頻繁に開放する。そして、第2大入賞口15が電チュー12Dよりも上方に配置されているため、第1形態と異なり、第2流路R2を流下する遊技球が、電チュー12Dによって妨げられることなく、第2大入賞口15に入球してしまう。従って、電サポ制御状態を伴う時短状態(低確時短状態又は高確時短状態)において、第2大入賞口15に頻繁に入球することで、ベースが「1(100%)」を超えるおそれがある。
そこで第2形態では、電サポ制御状態を伴う時短状態(低確時短状態又は高確時短状態)に制御されないようにしている。具体的には、図52に示すように、特図1の抽選で確変大当たり1に当選した場合(特図1_確変図柄が停止表示される場合)、大当たり遊技後の遊技状態は、高確非時短状態に制御される。また特図1の抽選で通常大当たり1に当選した場合(特図1_通常図柄が停止表示される場合)、大当たり遊技後の遊技状態は、通常遊技状態(低確非時短状態)に制御される。また特図2の抽選で確変大当たり2に当選した場合(特図2_確変図柄が停止表示される場合)、大当たり遊技後の遊技状態は、高確非時短状態に制御される。また特図2の抽選で通常大当たり2に当選した場合(特図2_通常図柄が停止表示される場合)、大当たり遊技後の遊技状態は、通常遊技状態(低確非時短状態)に制御される。以上により第2形態では、電サポ制御状態を伴う時短状態に制御しないことで、当該時短状態でベースが「1(100%)」を超えるという問題が生じるのを防いでいる。
<その他の変形例>
上記各形態では、高確非時短状態において、特図2の小当たり変動表示が、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されると(特図1が小当たり態様で停止表示すると)、ハズレに変更されて強制的に停止表示する。これにより、第1小当たりラッシュ状態を作り出していた。しかしながら、特図1の関係と特図2の関係とを逆にしても良い。つまり、高確非時短状態において、特図1の小当たり変動表示が、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されると(特図2が小当たり態様で停止表示すると)、ハズレに変更されて強制的に停止表示する。これにより、第1小当たりラッシュ状態を作り出すようにしても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態において、特図2の小当たり変動表示が、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されたタイミングで(特図1が小当たり態様で停止表示したタイミングで)、ハズレに変更されて強制的に停止表示した。しかしながら、特図2の小当たり変動表示が、特図1の抽選で小当たりと判定されたタイミングで(特図1が小当たり態様で変動表示を開始したタイミングで)、ハズレに変更されて強制的に停止表示するようにしても良い。
また上記各形態では、第1小当たりラッシュ状態でのベースが「2(200%)」になり、第2小当たりラッシュ状態(第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2))でのベースが「4(400%)」になるように設定した。しかしながら、第1小当たりラッシュ状態でのベース、及び第2小当たりラッシュ状態でのベースは、上記した値に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、本形態とは異なり、第2小当たりラッシュ状態でのベースを、第1小当たりラッシュ状態でのベースの2倍未満にしても良いが、その場合、遊技者が第2小当たりラッシュ状態を獲得したときの高揚感が少なくなる。従って、第2小当たりラッシュ状態でのベースを、第1小当たりラッシュ状態でのベースの2倍以上にすることが好ましい。
また上記各形態では、特図1の抽選で約2分の1の確率で小当たりに当選するように設定した(図9(A)参照)。しかしながら、特図1の抽選で小当たりに当選する確率は、適宜変更可能である。例えば、約6分の1の確率にしたり、大当たり又はハズレを除いて、実質的に100%の確率で小当たりに当選するように設定しても良い。なおこれらの場合、特図1の抽選で小当たりに当選する確率、特図2の抽選で小当たりに当選する確率、第2流路R2を流下する遊技球の第3始動口20への入球率、特図1の変動時間、特図2の変動時間を適宜設定することで、第1小当たりラッシュ状態でのベースを調整すると良い。
また上記各形態では、特図2の抽選で大当たり又はハズレを除いて、実質的に100%の確率で小当たりに当選するように設定した(図9(A)参照)。しかしながら、特図2の抽選で小当たりに当選する確率は、適宜変更可能である。なおこの場合、特図1の抽選で小当たりに当選する確率、特図2の抽選で小当たりに当選する確率、第2流路R2を流下する遊技球の第3始動口20への入球率、特図1の変動時間、特図2の変動時間を適宜設定することで、第1小当たりラッシュ状態でのベースを調整すると良い。
また上記各形態では、ゲート13と、電チュー12D(第2始動口12)と、第2大入賞口15と、第3始動口20、第1大入賞口14は、第2流路R2上に配置されていた。しかしながら、これらの配置は適宜変更可能である。例えば、ゲート13と、電チュー12D(第2始動口12)と、第2大入賞口15と、第3始動口20、第1大入賞口14を、第1流路R1上に配置しても良い。
また上記各形態では、電チュー12Dへの入球に基づいて特図2の抽選が実行され、第3始動口20への入球に基づいて特図1の抽選が実行された。しかしながら、電チュー12D(可変始動口)への入球に基づいて特図1の抽選が実行され、第3始動口20(固定始動口)への入球に基づいて特図2の抽選が実行されるようにしても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態にて特図1の抽選でSPリーチハズレになると、第2小当たりラッシュ状態(2)になるようにした。しかしながら、特図1の抽選でSPリーチハズレではなく、変動時間が長い(例えば3分)ドハズレ(所謂「ロング変動」)になると、第2小当たりラッシュ状態(2)になるようにしても良い。
また上記各形態では、特図1の抽選に基づく小当たり当選によって開放する第1大入賞口14(他の特別入賞口)では、賞球数が「0」に設定されていた。一方、特図2の抽選に基づく小当たり当選によって開放する第2大入賞口15(特別入賞口)では、賞球数が「10」に設定されていた。しかしながら、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入球に基づく賞球数は、適宜変更可能である。例えば、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数を「1」以上にしても良い。但し、第2大入賞口15への入球に基づく賞球数が、第1大入賞口14への入球に基づく賞球数よりも、多い方が良い。高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、第2始動口12への入球に基づく小当たりを有利にする一方、第3始動口20への入球に基づく小当たりを不利にするというゲーム性を顕著に作り出することができるためである。
また上記各形態では、小当たりラッシュ状態の中に、第1小当たりラッシュ状態と、第1小当たりラッシュ状態よりも小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放頻度が高い第2小当たりラッシュ状態(第2小当たりラッシュ状態(1)又は第2小当たりラッシュ状態(2))とがあった。しかしながら、第2小当たりラッシュ状態よりも小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放頻度が更に高い第3小当たりラッシュ状態を設けるようにしても良い。なお小当たり遊技が実行される場合の第2大入賞口15の開放パターンの種類を複数設けることで、遊技状態に応じて小当たり遊技が実行される場合の第2大入賞口15の開放パターンを変化させることで、第3小当たりラッシュ状態に移行できるようにすれば良い。
また上記各形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の総開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、第2大入賞口15の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、小当たり遊技における第1大入賞口14の総開放時間を0.1秒とした。しかしながら、少なくとも1球の遊技球が入球する可能性がある時間であれば、適宜変更可能である。小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)では、第1大入賞口14への入賞を狙うわけではないため、第1大入賞口14の総開放時間は、第2大入賞口15の総開放時間よりも短い方が良く、できるだけ短い時間に設定することが望ましい。
また上記各形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定されるパチンコ遊技機PY1であったが、いわゆるV確機(大入賞装置の内部に設けられた特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御するパチンコ遊技機)であっても良い。
また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。但し、ST機や転落機よりも、本形態のように確変ループタイプの遊技機の方が好ましい。即ち、高確非時短状態では、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技により、当該特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて強制的に停止することになる。このとき仮にST機であると、特図2がハズレとして強制的に停止表示された上で、高確率状態が終了するまでの回数(ST回数)も減ることになり、遊技者にとって不利益となる。また仮に転落機であると、高確非時短状態で転落抽選を実行した後に特図1の抽選が実行されるため、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて強制的に停止表示する状況であっても、転落抽選が既に実行されていることになり、遊技者にとって不利益である。以上により、確変ループタイプの遊技機であれば、特図2の小当たり変動表示がハズレに変更されて強制的に停止表示しても、実質的に遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
また上記各形態では、大入賞口(大入賞装置)が複数(第1大入賞口14、第2大入賞口15)であった。しかしながら大入賞口は、1つであってもよい。この場合には、特図1の抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合に、その大入賞口が開放することになり、特図2の抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合にも、その大入賞口が開放することになる。
また上記形態では、図7に示すように、大当たりの種類、大当たり遊技での開放パターン、ラウンド数、小当たりの種類、小当たり遊技での開放パターン等が設定されていた。しかしながら、これらはあくまで一例であって、適宜変更可能である。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技領域(3)に配された入球口(第2始動口12)及び特別入賞口(第2大入賞口15)と、
前記入球口への入球に基づいて判定処理(大当たり判定処理)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
通常遊技状態よりも、小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い小当たり入賞容易状態(小当たりラッシュ状態、高確非時短状態)に制御可能であり、
前記小当たり入賞容易状態には、
第1小当たり入賞容易状態(第1小当たりラッシュ状態)と、前記第1小当たり入賞容易状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態(第2小当たりラッシュ状態(1)、第2小当たりラッシュ状態(2))と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、小当たり入賞容易状態の中に、第1小当たり入賞容易状態と、その第1小当たり入賞容易状態よりも特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態とがある。従って、遊技者には第1小当たり入賞容易状態と第2小当たり入賞容易状態という2種類の小当たり入賞容易状態を楽しませることが可能であり、遊技興趣を向上させることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1小当たり入賞容易状態から前記第2小当たり入賞容易状態に移行することがある(図14参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1小当たり入賞容易状態から第2小当たり入賞容易状態に移行することで、小当たり当選に基づく特別入賞口への入賞が急に多くなる。よって遊技者には、小当たり入賞容易状態での賞球が急に増加するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1小当たり入賞容易状態から前記第2小当たり入賞容易状態に移行した後に、前記第1小当たり入賞容易状態に移行する(図13、図14参照)ことがあることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1小当たり入賞容易状態から第2小当たり入賞容易状態を経て、再び第1小当たり入賞容易状態に戻ることがある。こうして、第2小当たり入賞容易状態を、小当たり入賞容易状態の中の限定的(一時的)な状態にしている。よって、有利な第2小当たり入賞容易状態を獲得した遊技者に対して、遊技の緊迫感による遊技興趣を提供することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記入球口とは異なる他の入球口(第3始動口20)があり、
前記他の入球口への入球に基づく第1判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202))で小当たりと判定されることがあり、
前記入球口への入球に基づく第2判定処理(特図2大当たり判定処理(S1502))で小当たりと判定されることがあり、
前記遊技制御手段は、
前記第1判定処理の結果を示す第1識別図柄の変動表示中であっても、前記第2判定処理の結果を示す第2識別図柄の変動表示を実行可能であると共に、前記第2識別図柄の変動表示中であっても前記第1識別図柄の変動表示を実行可能であり(同時変動可能であり)、
前記第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、前記第2判定処理で小当たりと判定された変動表示中の前記第2識別図柄をハズレにして停止表示可能であり、
前記第1小当たり入賞容易状態は、前記小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレにされて停止表示することがある状態であり、
前記第2小当たり入賞容易状態(第2小当たりラッシュ状態(1))は、ハズレを示す前記第1識別図柄の変動表示により、前記小当たりと判定された第2識別図柄がハズレにされずに停止表示する状態である(図13参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1小当たり入賞容易状態は、第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレに変更されて停止表示することがある状態である。一方、第2小当たり入賞容易状態は、ハズレを示す第1識別図柄の変動表示によって、小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレに変更されずに停止表示する状態である。こうして、第1識別図柄が小当たり又はハズレであるかによって、第1小当たり入賞容易状態又は第2小当たり入賞容易状態を作り出すことが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記入球口と異なる他の入球口(第3入球口)があり、
前記他の入球口への入球に基づく第1判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202))で小当たりと判定されることがあり、
前記入球口への入球に基づく第2判定処理(特図2大当たり判定処理(S1502))で小当たりと判定されることがあり、
前記遊技制御手段は、
前記第1判定処理の結果を示す第1識別図柄の変動表示中であっても、前記第2判定処理の結果を示す第2識別図柄の変動表示を実行可能であると共に、前記第2識別図柄の変動表示中であっても前記第1識別図柄の変動表示を実行可能であり(同時変動可能であり)、
前記第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、前記第2判定処理で小当たりと判定された変動表示中の前記第2識別図柄をハズレにして停止表示可能であり、
前記第1小当たり入賞容易状態は、前記小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレにされて停止表示することがある状態であり、
前記第2小当たり入賞容易状態(第2小当たりラッシュ状態(2))は、大当たりを示す前記第1識別図柄の変動表示により、前記小当たりと判定された第2識別図柄がハズレにされずに停止表示する状態である(図14参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1小当たり入賞容易状態は、第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレに変更されて停止表示することがある状態である。一方、第2小当たり入賞容易状態は、大当たりを示す第1識別図柄の変動表示によって、小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレに変更されずに停止表示する状態である。こうして、第1識別図柄が大当たり又はハズレであるかによって、第1小当たり入賞容易状態又は第2小当たり入賞容易状態を作り出すことが可能である。
ところで、特開2006-180907号公報に記載の遊技機のように、小当たり遊技では、特別入賞口(大入賞口)が極短時間(最大で1.8秒)しか開放することがない。しかしながら、小当たり遊技が頻繁に実行されれば、遊技者は特別入賞口への入球に基づく賞球を多く獲得できることになる。よって、小当たり遊技を利用した遊技興趣には、改善の余地があった。そこで上記したA1~A5に係る発明は、特開2006-180907号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、通常遊技状態よりも、小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い小当たり入賞容易状態に制御可能であり、前記小当たり入賞容易状態には、第1小当たり入賞容易状態と、前記第1小当たり入賞容易状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態と、があるという点で相違している。これにより、遊技興趣を向上させるという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技領域に配された第1入球口(第3始動口20)と第2入球口(第2始動口12)と特別入賞口(第2大入賞口15)と、
前記第1入球口への入球に基づく第1判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202))により小当たりと判定することがあると共に、前記第2入球口への入球に基づく第2判定処理(特図2大当たり判定処理(S1502))により小当たりと判定することがある遊技制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第2判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
前記第1判定処理の結果を示す第1識別図柄の変動表示中であっても、前記第2判定処理の結果を示す第2識別図柄の変動表示を実行可能であると共に、前記第2識別図柄の変動表示中であっても前記第1識別図柄の変動表示を実行可能であり(同時変動可能であり)、
前記第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、前記第2判定処理で小当たりと判定された変動表示中の前記第2識別図柄をハズレにして停止表示可能であり、
前記第1入球口と前記第2入球口と前記特別入賞口とは、前記遊技領域のうち特定流路(第2流路R2)に配置されていることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第2入球口への入球に基づいて小当たりになると、小当たり遊技の実行により特別入賞口が開放する。従って、遊技者は第2入球口への入球に基づいて小当たりに頻繁に当選することを期待する。しかしながら、特定流路には、第2入球口と特別入賞口だけでなく第1入球口も配置されているため、第1入球口への入球に基づいて小当たりに当選することがある。この場合、第2入球口への入球に基づいて小当たりと判定された変動表示中の第2識別図柄がハズレなって停止表示される。つまり、第1入球口への入球に基づく小当たりにより、第2入球口への入球に基づく小当たりが無効化されて、特別入賞口が頻繁には開放しなくなる。こうして、第1入球口への入球に基づいて小当たりに当選する頻度に応じて、特別入賞口からの出玉が変化するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記特定流路には、他の特別入賞口(第1大入賞口14)が配置されていて、
前記遊技制御手段は、
前記第1判定処理により小当たりと判定すると、前記他の特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
前記特別入賞口への入球に基づく賞球数(「10」)は、前記他の特別入賞口への入球に基づく賞球数(「0」)よりも多いことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1入球口への入球に基づいて小当たりに当選すると、小当たり遊技の実行により、特定流路に配置されている他の特別入賞口が開放する。しかしながら、特別入賞口への入球に基づく賞球数は、他の特別入賞口への入球に基づく賞球数よりも多いため、遊技者には特別入賞口への入球の方を期待させることになる。こうして、第2入球口への入球に基づく小当たりを有利にする一方、第1入球口への入球に基づく小当たりを不利にするというゲーム性を顕著に作り出すことが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1又は手段B2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
通常遊技状態よりも、前記第2判定処理で小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い小当たり入賞容易状態(小当たりラッシュ状態)に制御可能であり、
前記小当たり入賞容易状態には、
第1小当たり入賞容易状態(第1小当たりラッシュ状態)と、前記第1小当たり入賞容易状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態(第2小当たりラッシュ状態(1)、第2小当たりラッシュ状態(2))と、があることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小当たり入賞容易状態の中に、第1小当たり入賞容易状態と、その第1小当たり入賞容易状態よりも特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態とがある。従って、遊技者は特定流路に遊技球を打ち込むときに、第1小当たり入賞容易状態と第2小当たり入賞容易状態という2種類の小当たり入賞容易状態を楽しむことが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1小当たり入賞容易状態から前記第2小当たり入賞容易状態に移行することがある(図14参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1小当たり入賞容易状態から第2小当たり入賞容易状態に移行することで、小当たり当選に基づく特別入賞口への入賞が急に多くなる。よって、遊技者には小当たり当選に基づく賞球が急に増加する斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
ところで、特開2006-180907号公報に記載の遊技機のように、小当たり遊技では、特別入賞口(大入賞口)が極短時間(最大で1.8秒)しか開放することがない。しかしながら、小当たり遊技が頻繁に実行されれば、遊技者は特別入賞口への入球に基づく賞球を多く獲得できることになる。よって、小当たり遊技を利用した遊技興趣には、改善の余地があった。そこでB1~B4に係る発明は、特開2006-180907号公報に記載の遊技機に対して、前記遊技制御手段は、前記第2判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、前記第1判定処理の結果を示す第1識別図柄の変動表示中であっても、前記第2判定処理の結果を示す第2識別図柄の変動表示を実行可能であると共に、前記第2識別図柄の変動表示中であっても前記第1識別図柄の変動表示を実行可能であり、前記第1判定処理で小当たりと判定されることに基づいて、前記第2判定処理で小当たりと判定された変動表示中の前記第2識別図柄をハズレにして停止表示可能であり、前記第1入球口と前記第2入球口と前記特別入賞口とは、前記遊技領域のうち特定流路に配置されているという点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
6…遊技領域
11…第1始動口
12…第2始動口
12D…電チュー
20…第3始動口
14…第1大入賞口
15…第2大入賞口
50…画像表示装置
50a…表示画面
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン

Claims (1)

  1. 遊技領域に配された入球口及び特別入賞口と、
    前記入球口への入球に基づいて判定処理を実行可能な遊技制御手段と、を備える遊技機において、
    前記遊技制御手段は、
    前記判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示可能であり、
    前記判定処理により大当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能であり、
    前記判定処理により小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
    通常遊技状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い第1小当たり入賞容易状態に制御可能であり、
    前記第1小当たり入賞容易状態にて前記判定処理で大当たりと判定されたことにより、当該判定処理の結果が大当たりであることを示す特別図柄の変動表示の間、当該第1小当たり入賞容易状態よりも小当たりに基づく前記特別入賞口の開放頻度が高い第2小当たり入賞容易状態に移行させることが可能であることを特徴とする遊技機。
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