JP7174406B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機には、始動口(入球口)への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、当該判定処理の結果を示す特別図柄(識別図柄)を変更表示させることが可能な遊技制御用マイコン(遊技制御手段)を備えるものがある。例えば下記特許文献1に記載の遊技機において、大当たり遊技後に特別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御可能であり、時短状態に制御されてから特別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより非時短状態に制御されるようになっている。
特開2016-016034号公報
ところで、上記特許文献1に記載の遊技機では、時短状態にて判定処理で大当たりになった方が、非時短状態にて判定処理で大当たりになる場合よりも、遊技者にとって有利になり易いようなゲーム性になっている。従って遊技者には、時短状態にて識別図柄(特別図柄)の変動表示の回数が所定の上限回数に達する前に、大当たりへの当選を期待させることになる。しかしながら、時短状態では識別図柄の変動表示が実行される度に遊技者に焦燥感を与えることになり、このようなゲーム性には改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、斬新な遊技興趣を提供することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
第1入球口と、
第2入球口と、
前記第1入球口への入球に基づいて第1判定処理の結果を示す第1識別図柄を変動表示可能であり、前記第2入球口への入球に基づいて第2判定処理の結果を示す第2識別図柄を変動表示可能な遊技制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
大当たりと判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能であり、
非入球容易状態よりも遊技球が前記第1入球口に入球し易い入球容易状態に制御可能であり、
通常確率状態よりも大当たりと判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
前記高確率状態且つ前記入球容易状態に制御されてから前記第1識別図柄又は前記第2識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達する終了条件が成立すると、前記第2入球口が前記第1入球口よりも入球し易い前記高確率状態且つ前記非入球容易状態に制御可能であり、
前記高確率状態且つ前記入球容易状態にて前記第1判定処理で大当たりと判定された場合よりも、前記終了条件の成立によって前記高確率状態且つ前記非入球容易状態に移行した後に前記第2判定処理で大当たりと判定された場合の方が、前記大当たり遊技後に前記高確率状態に移行し易いことを特徴とする遊技機である
本発明の遊技機によれば、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 (A)は電チューの開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図であり、(B)は電チューの開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。 (A)は振分部材が第1状態であるときの遊技球の流れを示す図であり、(B)は振分部材が第2状態であるときの遊技球の流れを示す図である。 図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 遊技の流れを説明するための図である。 各演出モードでの背景画像を示す図である。 演出例を説明するための図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 第1特別動作処理のフローチャートである。 第2特別動作処理のフローチャートである。 第1特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1大当たり判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 第2特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2大当たり判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 第1特別図柄変動中処理のフローチャートである。 第2特別図柄変動中処理のフローチャートである。 第1特別図柄確定処理のフローチャートである。 特図2強制停止処理のフローチャートである。 遊技状態リセット処理のフローチャートである。 第2特別図柄確定処理のフローチャートである。 特図1強制停止処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 第2形態に係る当たり種別判定テーブルである。
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、大入賞口14(特別入賞口)を備えた大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、大入賞口ソレノイド14s(図6参照)により駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中に開放する。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(第1入球口)を備える第2始動入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、可変入球口ともいう。また電チュー12Dを、可変入球手段ともいう。第2始動口12(入球口))への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。
電チュー開閉部材12k(開閉部材)は、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
また本形態では、遊技領域6における大入賞装置14Dの左下方で、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口20(第2入球口)を備える第3始動入賞装置20Dが設けられている。第3始動口20を、固定入球口ともいう。また第3始動入賞装置20Dを、固定入球手段ともいう。第3始動口20への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2(特定流路)上には、ゲート13と、大入賞口14(大入賞装置14D)と、第2始動口12(第1入球口)と、第3始動口20(第2入球口)と、一般入賞口10と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12(電チュー12D)、大入賞口14、第3始動口20、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている大入賞口14及び第3始動口20(図2参照)の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほぼ第2始動口12に入球して、第3始動口20に入球することがほぼない。更に後述するように、電チュー12D(第2始動口12)への入球に基づく特図1の抽選では、小当たりに当選することがないため(図10(A)参照)、電サポ制御状態を伴う高確時短状態では大入賞口14に入球することはほぼない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、大入賞口14の方に向かうと共に、第3始動口20(図2参照)の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖していることで、第3始動口20に入球することが可能である。更に後述するように、第3始動口20への入球に基づく特図2の抽選では、小当たりに頻繁に当選するため(図10(A)参照)、電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態では大入賞口14に入球することが可能である。
続いて、図4に基づいて、大入賞口14に入球した遊技球の流れについて説明する。図4(A)(B)に示すように、大入賞装置14Dの内部には、大入賞口14を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)16および非特定領域17が形成されている。なお、大入賞装置14Dにおいて、特定領域16および非特定領域17の上流には、大入賞口14への遊技球の入賞を検知する大入賞口センサ14aが配されている。また、特定領域16には、特定領域16への遊技球の通過を検知する特定領域センサ16aが配されている。また、非特定領域17には、非特定領域17への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ17aが配されている。大入賞装置14Dは、大入賞口14を通過した遊技球を特定領域16または非特定領域17のいずれかに振り分ける振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16s(図4(A)(B)では図示省略))とを備えている。
図4(A)は、振分ソレノイド16sの通電時を示している。図4(A)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、大入賞口14に入賞した遊技球は、大入賞口センサ14aを通過したあと特定領域16を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、振分ソレノイド16sの非通電時を示している。図4(B)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kの特定領域16への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、大入賞口14に入賞した遊技球は、大入賞口センサ14aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域16への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域16は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域17は、確変作動口ではない。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいい、第1特別図柄と第2特別図柄とをまとめて「特別図柄(識別図柄)」ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第3始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄(識別図柄)を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11又は第2始動口12への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第3始動口20への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、特定領域センサ16a、および非特定領域センサ17aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ20aは、第3始動口20内に設けられて、第3始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ16aは、特定領域16内に設けられて、特定領域16を通過する遊技球を検出するものである。非特定領域センサ17aは、非特定領域17内に設けられて、非特定領域17を通過する遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および大入賞口ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。振分ソレノイド16sは、大入賞装置14Dの振分部材16kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」、「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」であるときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。但し本形態では、第2特別図柄の抽選がなされる場合に限って、第2特図表示器81bに小当たり図柄が停止表示されることがあって、第1特別図柄の抽選がなされる場合には、第1特図表示器81aに小当たり図柄が停止表示されることはない。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて大入賞口14を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、大入賞口14を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図8に示すように複数の種類がある。本形態では、大きく分けて2つの種類がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)でAT開閉部材14kを作動させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)でAT開閉部材14kを作動させる大当たりである。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中の特定領域16への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記の確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
そして、大当たりの種類(種別)に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が10000回又は100回或いは50回に設定されることがある。時短回数(所定の上限回数)とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ここで本パチンコ遊技機1の遊技状態は、大きく分けて4つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的には、「確変大当たり1」、又は「通常大当たり」がある。
図8に示すように、「確変大当たり1」は、16R(ラウンド)大当たりであり、1~9Rは大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、10Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。1R~9Rでは、大入賞口14の開放時間が29.5秒と十分長くて、本形態では9R目に大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。なお9R目以外ではV入賞できないように、振分部材16k(図4(B)参照)の作動が制御されている。
本形態では、「確変大当たり1」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数が100回に設定される。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり1」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示される。
また図8に示すように、「通常大当たり」は、16R(ラウンド)大当たりであり、1~8Rは大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。従って、9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は8Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。通常大当たりにおける9R目では、大入賞口14の開放タイミングと振分部材16kの作動タイミング(第2状態(図4(B)参照)から第1状態(図4(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域16に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。但し、イレギュラーな場合として、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。なお「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
以上、第1特別図柄の抽選で当選可能な大当たりの種類について説明したが、続いて、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別について説明する。特図2の抽選で当選可能な大当たりには、4種類ある。具体的には、「確変大当たり2」、「確変大当たり3」、「確変大当たり4」、「確変大当たり5」がある。つまり、特図2の抽選で当選した大当たりは、何れであっても大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易な大当たりになる。
図8に示すように、「確変大当たり2」は、16R大当たりであり、1R~16Rにわたって大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように9R目には、大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。本形態では「確変大当たり2」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。このときは、時短回数が設定されることはない。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「確変大当たり2」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄1」が停止表示される。
また「確変大当たり3」は、16R大当たりであり、1R~16Rにわたって大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように9R目には、大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。本形態では「確変大当たり3」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数が50回に設定される。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり3」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄2」が停止表示される。
また「確変大当たり4」は、16R大当たりであり、1R~16Rにわたって大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように9R目には、大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。本形態では「確変大当たり4」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数が100回に設定される。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり4」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄3」が停止表示される。
また「確変大当たり5」は、16R大当たりであり、1R~16Rにわたって大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように9R目には、大入賞口14内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。本形態では「確変大当たり5」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときには、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回に設定されることになる。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「確変大当たり5」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄4」が停止表示される。
本形態では、大当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、先ず、4.0秒だけオープニングが実行される。その後、大当たりの種類に応じて上述したようにAT開閉部材14kが開放する。最後に、1.5秒だけエンディングが実行される。
また図8に示すように、特図1の抽選における各大当たりの振分率では、確変大当たり1が50%である一方、通常大当たりが50%である。また特図2の抽選における各大当たりの振分率では、確変大当たり2:確変大当たり3:確変大当たり4:確変大当たり5=10%:20%:30%:40%である。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回大入賞口14を開放させることがあってもよい。
また本形態では、上述したように、第2特別図柄の抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、まず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、大入賞口14が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。なお小当たりに当選した場合には、大入賞口14に入賞した遊技球が特定領域16を通過しないように、振分部材16kの作動が制御されている。つまり本形態では、小当たり遊技の実行中にV入賞することがないように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図9(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図10(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では10秒であるのに対して、時短状態では1秒である。なお普通図柄の停止時間は、時短状態である場合に8msに設定され、非時短状態である場合に500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
本形態において、電サポ制御状態を伴う高確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中(大当たり遊技状態)でも、大入賞口14への入賞を狙って右打ちを行う。また電サポ制御状態を伴う低確時短状態でも、高確時短状態と同様、電チュー12Dへの入球を狙って、右打ちを行う。
ここで電サポ制御状態を伴う高確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほぼ第2始動口12に入球する。従って本形態では、特図1の抽選が頻繁に実行される。そして、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dよりも左下方に向かうことがほぼないため、第3始動口20に入球することはない。従って、高確時短状態では、第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行されることはほぼない。つまり、特図2の抽選に基づいて小当たりと判定されることはない。
一方、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で仮に右打ちを行うと、第2流路R2を流下する遊技球は、第3始動口20に入球し得る。これにより、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されることになるが、このときには600000ms(図10参照)という極めて長い間、第2特別図柄の変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができない。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
これらに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、ほぼ電チュー12Dに入球することができない(図3(B)参照))。そのため、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dの左下方に向かって、第3始動口20(図2参照)に入球し得る。なお本形態では、右打ちされた遊技球が第3始動口20へ入球する確率は、左打ちされた遊技球が第1始動口11に入球する確率よりも高くなるように、第3始動口20及び遊技くぎが配置されている。つまり、第3始動口20は、第1始動口11よりも入球し易くなるように配置されている。よって、高確非時短状態では、第3始動口20への入球に基づいて、第2特別図柄の抽選が比較的頻繁に実行される。
本形態では、第2特別図柄の抽選において、図10(A)に示すように、約2分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、小当たりに比較的に頻繁に当選することが可能である。そのため、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、大入賞口14が頻繁に開放し得る。その結果、高確非時短状態では、第2流路R2を流下する遊技球は、開放している大入賞口14に多数入賞することが可能である。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、電サポ制御状態を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、小当たり遊技で開放する大入賞口14への入賞により、ベースが「1」を超えることができるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく大入賞口14の開放により、大入賞口14へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態(小当たり入賞容易状態)」とも称する。
ここで本形態では、高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度第3始動口20に入球し得るように設定したため、通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が第3始動口20に入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、図11に示すように、低確非時短状態(通常遊技状態)における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態で遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをして、遊技球を第3始動口20へ入球させても、遊技者に不当な利益を与えることがない。そして遊技者が通常遊技状態で誤って右打ちを行って、第2特別図柄が10分間変動表示を続けても、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっているため、、第1特別図柄の抽選結果については通常通りに得ることができる。
本形態では図3に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、ラウンド数が16Rであるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が9R又は8Rである。また第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、何れの大当たりであってもV入賞が可能であり、実質的に100%の確率で大当たり遊技後に高確率状態に移行することができる。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、確変大当たり1である場合にだけV入賞が可能であり、50%の確率で大当たり遊技後に高確率状態に移行することができる。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さと、より有利な遊技状態(高確率状態)への移行のし易さにより、第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
そして高確非時短状態は、ベースが1を超える小当たりラッシュ状態であるため、高確時短状態よりも有利である。また高確時短状態では、大当たりへの当選確率が高くなっているため、低確時短状態よりも有利である。また低確時短状態は、電チュー12Dへの入球が容易な電サポ制御状態を伴うため、低確非時短状態(通常遊技状態)よりも有利である。以上により本形態では、通常遊技状態⇒低確時短状態⇒高確時短状態⇒高確非時短状態の順番に、遊技者にとって有利な遊技状態になっている。
5.遊技の流れ
次に、本形態の遊技の流れについて、図13に基づいて説明する。図13に示すように、通常遊技状態では、遊技者は左打ちによって第1流路R1に遊技球を流下させて、第1始動口11への入球を狙う。これにより特図1の抽選が実行される。ここで特図1の抽選で大当たりに当選した場合、50%の確率で確変大当たり1に当選して、大当たり遊技後に高確時短状態に移行することができる。一方、特図1の抽選で大当たりに当選した場合、50%の確率で通常大当たりに当選して、大当たり遊技後に低確時短状態に移行することになる。
高確時短状態では、遊技者は右打ちによって第2流路R2に遊技球を流下させる。このとき電サポ制御状態によって電チュー12Dが頻繁に開放するため、第2流路R2に向かって打ち込まれた遊技球は、ほぼ電チュー12Dに入球して、電チュー12Dよりも左下方に向かうことがない。つまり、電チュー12Dよりも左下方に配置されている大入賞口14及び第3始動口20(図2参照)に向かうことがほぼない(図3(B)参照)。そのため、電チュー12Dの入球に基づいて特図1の抽選が実行される。
ここで、特図1の抽選で確変大当たり1に当選した場合には、時短回数が「100回」に設定される高確時短状態に制御される。この場合、特別図柄の変動表示が100回実行されると、時短回数である100回が全て消化されるため、非時短状態に移行する。その一方で、高確率状態は実質的に次回の大当たりへの当選まで継続するため、通常確率状態に移行することはない。以上により、時短回数である100回が消化されると、高確非時短状態に移行することができる。
高確非時短状態では、遊技者は右打ちによって第2流路R2に遊技球を流下させる。このとき非電サポ制御状態になっているため、電チュー12Dがほぼ開放せずに、第2流路R2に向かって打ち込まれた遊技球は、電チュー12Dよりも左下方に向かう。つまり、電チュー12Dよりも左下方に配置されている大入賞口14及び第3始動口20(図2参照)に向かう(図3(B)参照)。そのため、第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行される。
高確非時短状態において特図2の抽選が実行されると、小当たりに比較的頻繁に当選できるようになっている(図10(A)参照)。そのため、小当たり遊技の実行によって、大入賞口14が頻繁に開放するため、第2流路R2を流下する遊技球は大入賞口14に入球可能である。よって、非電サポ制御状態であるにも拘わらず、遊技者は多数の賞球を得ることが可能である。このようにして小当たりラッシュ状態になって、ベースが1よりも多くなって、高確時短状態よりも持ち球を増やすことが可能である。
ところで本形態では、特図2の抽選によって当選する大当たりでは、大当たり遊技後にほぼ必ず高確率状態に移行できるようになっている(図8参照)。即ち、高確非時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり2に当選すれば、再び高確非時短状態に移行できる。また高確非時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり3に当選すれば、時短回数が50回に設定される高確時短状態に移行できる。また高確非時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり4に当選すれば、時短回数が100回に設定される高確時短状態に移行できる。また高確非時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり5に当選すれば、実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態が継続する高確時短状態に移行できる。
そして本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たりに当選するまで継続する確変ループタイプのパチンコ遊技機PY1である。以上のことから、高確時短状態にて時短回数である100回を消化して、高確非時短状態に移行すると、特図2による次回の大当たりへの当選が保証されているだけでなく、大当たり遊技後に高確率状態に移行できることも保証されていることになる。言い換えれば、高確時短状態で時短回数である100回を消化すると、高確率状態への移行が確定するという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
要するに、従来のパチンコ遊技機においては、高確時短状態において、時短回数を消化すると通常遊技状態に移行するのが一般的であった。従って、時短回数が消化される度に、遊技者は焦燥感を覚えていくことになり、時短回数が全て消化される前に大当たりに早く当選するのを期待させるゲーム性になっていた。
これに対して本パチンコ遊技機PY1においては、高確時短状態において、特図1の抽選が実行されるため、特図1の抽選で大当たりに当選しても、確変大当たり1又は通常大当たりである。ここで50%の振分率で確変大当たり1に当選すれば、大当たり遊技後に再び高確時短状態に移行できるものの、50%の振分率で通常大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に低確時短状態に移行してしまう。こうして、時短回数が消化する前では、高確率状態への移行が確定しているわけではない。
よって、高確時短状態においては、遊技者には時短回数の消化を期待させることになり、特図1の抽選では大当たりへの当選を期待させないことなる。そして上述したように、時短回数である100回を消化すると高確率状態への移行が確定するため、時短回数の消化が高確率状態への移行のカウントダウンのようになる。このようにして遊技者には、時短回数を全て消化すれば、高確率状態を獲得できるという従来には無い特典を付与することが可能である。
ここで本形態では、特図2の抽選で当選する大当たりのうち、確変大当たり2が遊技者にとって最も有利である。確変大当たり2に当選すれば、大当たり遊技後に最も有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できるからである。また特図2の抽選で当選する大当たりのうち、確変大当たり5⇒確変大当たり4⇒確変大当たり3の順番に遊技者にとって有利になる。確変大当たり3に当選すれば、大当たり遊技後の高確時短状態で50回の時短回数を消化すれば高確非時短状態に移行でき、確変大当たり4に当選すれば、大当たり遊技後の高確時短状態で100回の時短回数を消化すれば高確非時短状態に移行でき、確変大当たり5に当選すれば、大当たり遊技後の高確時短状態では時短回数の消化で実質的に高確非時短状態に移行できないからである。よって、高確時短状態に移行しても、時短回数が少ないほど遊技者に有利という斬新なゲーム性を提供することが可能である。
6.演出モード及び演出例
次に図14に基づいて、演出モードについて説明する。本形態では、各遊技状態にそれぞれ対応して、演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)に対応する昼モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に対応する宇宙モードと、低確時短状態に対応する空モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図14(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードに設定されているときには、図14(B)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、高確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入球を狙うことが可能である。
宇宙モードに設定されているときには、図14(C)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像H3が表示される。そのため、宇宙背景画像H3を見た遊技者に対して、高確非時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口20及び大入賞口14への入球を狙うことが可能である。
空モードに設定されているときには、図14(D)に示すように、表示画面50aに空を示す空背景画像H4が表示される。そのため、空背景画像H4を見た遊技者に対して、低確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また空モードの設定中には、図14(D)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入賞を狙うことが可能である。
次に、図15に基づいて、演出例について説明する。前提条件として、通常遊技状態にて特図1の抽選で確変大当たり1に当選して、大当たり遊技後に高確時短状態に移行したこととする。この場合、夜モードに設定されるため、図15(A)に示すように、表示画面50aにて夜背景画像H2が表示される。更に、時短回数が100回に設定される高確時短状態に移行していることから、表示画面50aには「宇宙モードまで残り100回」の文字を示す移行条件示唆画像UMが表示される。移行条件示唆画像UMは、宇宙モードに移行するために必要な特別図柄の変動表示の回数を示唆するものである。なお移行条件示唆画像UMは、確変大当たり3に当選した場合には、同様に「宇宙モードまで残り100回」の文字を示すことになり、確変大当たり2に当選した場合には、「宇宙モードまで残り50回」の文字を示すことになる。
そして、電チュー12Dへの入球により、特図1の抽選が実行されると、特図1の変動表示に同期して、図15(B)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示する。これにより、表示画面50aの上部には、「残り99回」の文字を示すカウントダウン画像COが表示される。カウントダウン画像COは、宇宙モードに移行するまでに残り何回特別図柄の変動表示が必要であるかを示唆するものである。従って、高確時短状態で特別図柄の変動表示が実行される度に、カウントダウン画像COで示される数字が減算されて表示されることになる。こうしてカウントダウン画像COにより、遊技者には高確率状態への移行の確定がカウントダウンされているように見せることが可能であり、時短回数の消化に伴って徐々に宇宙モードへ近づく高揚感を与えることが可能である。
その後、高確時短状態で大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が100回実行されると、図15(C)に示すように、「残り0回」の文字を示すカウントダウン画像COが表示される。そして、ハズレ態様を示す演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示された後、高確非時短状態に移行する。これにより、宇宙モードに設定されるため、図15(D)に示すように、表示画面50aにて宇宙背景画像H3が表示されると共に、「宇宙モード突入」の文字を示す移行達成画像UTが表示される。移行達成画像UTは、宇宙モードへの移行が達成できたことを示唆するものである。この移行達成画像UTにより、遊技者には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できたことを把握させると共に、次回の大当たり遊技後でも高確率状態を獲得できることを把握させることが可能である。またこのときには、スピーカ610から「キュイーン」という特別音が出力される。この特別音は、次回の大当たり遊技後に高確率状態に移行できることが確定したことを示唆するものである。この特別音により、上述した移行達成画像UTとの相乗効果で、遊技者に大きな高揚感を与えることが可能である。上述した移行達成画像UTの表示、及び特別音の出力が、高確率状態に制御されることを示唆する「高確率状態示唆」に相当する。
そして、高確非時短状態(宇宙モード)では、第2流路R2を流下する遊技球が、電チュー12Dに入球できなくなる反面、第3始動口20に入球できるようになる。これにより、特図2の抽選が実行されて、特図2の変動表示に同期して、図15(E)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示する。そして、特図2の抽選では小当たりに当選し易いように設定されているため(図10(A)参照)、特図2の抽選で小当たりに当選していれば、図15(F)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が小当たり当選を示す小当たり態様(「135」)で停止表示する。これにより、小当たり遊技が実行されて、大入賞口14が開放することになるため、表示画面50aの右下部には、右下向きの矢印を示す打ち込み示唆画像MSが表示される。打ち込み示唆画像MSは、大入賞口14の位置を指し示すことで、遊技者に大入賞口14に入球させる状況を示唆することが可能である。
その後、特図2の変動表示に同期して、図15(G)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が変動表示する。このとき、特図2の抽選では大当たりに当選していることとする。この場合、図15(H)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が大当たり当選を示す大当たり態様(「777」)で停止表示する。このとき、大当たり遊技後に高確率状態への移行が確定している状況であるため、停止表示する演出図柄EZ1、EZ2、EZ3は、高確率状態への移行を示唆する確変停止態様(「777」又は「333」等)で停止表示するようになっている。そして、大当たり遊技後が開始されて、大当たり遊技後には高確率状態に移行することになる。
8.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図16~図42に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。そして後述する特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図9(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11又は第2始動口12の何れにも遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11又は第2始動口12の何れかに遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第3始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第3始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第3始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第3始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図17参照)。図19に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図20に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。図20に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図21に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図21に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(大入賞装置14D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図22に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図23に示すように、特図1大当たり判定処理(判定処理、S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1303)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1303でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1304)。第1大当たりフラグは、特図1の抽選で大当たりに当選したことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1305)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1306)、本処理を終える。
これに対してステップS1303において、「大当たり」でないと判定すれば(S1303でNO)、ステップS1309に進む。ステップS1309では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図24および図25に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図24に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図25に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402~S1406と同様の流れで処理(S1407~S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図26に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図27に示すように、特図2大当たり判定処理(判定処理、S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1603でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1604)。第2大当たりフラグは、特図2の抽選で大当たりに当選したことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1605)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1606)、本処理を終える。
これに対して、ステップS1603にて大当たりでないと判定すれば、ステップS1607に進む。ステップS1607では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1607でYES)、小当たりフラグをONする(S1608)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(25H、図8参照)をセットして(S1611)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1607でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1610)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図28~図30に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図28に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
一方、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図11に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22,P23が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図29に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
またステップS1710において、小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1712)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1712でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1713)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1712でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
また図28に示すステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図30に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1708~S1714と同様の流れで処理(S1715~S1721)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
また小当たりフラグがONであれば(S1717でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」~「10」であり、非時短状態であれば「1」~「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図28に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の直後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。
図31に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2003で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2209に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「10000」又は「100」或いは「50」にセットされるようになっている。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図32に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図20に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図32に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図37のステップS2513参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図32に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図33に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図34に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図35に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレであることを示す第2特別図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図36に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図37に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図36に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2511)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2512)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2513)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図38に示すように、特図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレを示す第1特別図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図39に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技が確変大当たり(図8参照)としての大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。確変大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、確変大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な9R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。9R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、9R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、確変大当たりの9R目における大入賞口14の開放中及び大入賞口14の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図42)参照)ということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に大入賞口14の閉塞後の数秒間を含めているのは、大入賞口14の閉塞直前に大入賞口14へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域16への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図40参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(大入賞口14)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。確変大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第9ラウンドにおいて、大入賞口14に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、通常大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第9ラウンドにおいて、大入賞口14に入賞することがほぼできないようにAT開閉部材14kが開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が大入賞口14に入賞できたとしても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、大入賞口14の開放中であれば、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2720)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図21に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図20に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類に基づいて(図8参照)、大当たり遊技後の遊技状態を、高確時短状態、高確非時短状態、低確時短状態、又は通常遊技状態に制御するための処理である。図40に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、確変カウンタに「10000」をセットする。これにより、実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続することになる。そして、VフラグをOFFにして(S2804)、ステップS2805に進む。一方、VフラグがONでない場合には(S2801でNO)、確変フラグをONすることなく、ステップS2805に進む。
ステップS2805では、確変大当たり1又は確変大当たり4(図8参照)であるか否かを判定する。確変大当たり1又は確変大当たり4であれば(S2805でYES)、時短フラグをONにする(S2806)。そして、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2817に進む。こうして、確変大当たり1又は確変大当たり4に当選して、V入賞した場合には、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される高確時短状態に移行することになる。一方、V入賞しないイレギュラーな場合には、時短回数が100回に設定される低確時短状態に移行する。
ステップS2805でNOと判定された場合、ステップS2808に進む。ステップS2808では、確変大当たり3(図8参照)であるか否かを判定する。確変大当たり3であれば(S2808でYES)、時短フラグをONにする(S2809)。そして、時短カウンタに「50」をセットして(S2810)、ステップS2817に進む。こうして、確変大当たり3に当選して、V入賞した場合には、大当たり遊技後に時短回数が50回に設定される高確時短状態に移行することなる。一方、V入賞しないイレギュラーな場合には、時短回数が50回に設定される低確時短状態に移行する。
ステップS2808でNOと判定された場合、ステップS2811に進む。ステップS2811では、確変大当たり5(図8参照)であるか否かを判定する。確変大当たり5であれば(S2811でYES)、時短フラグをONにする(S2812)。そして、時短カウンタに「10000」をセットして(S2813)、ステップS2817に進む。こうして、確変大当たり3に当選して、V入賞した場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態が継続する高確時短状態に移行することなる。一方、V入賞しないイレギュラーな場合には、実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態が継続する低確時短状態に移行する。
ステップS2811でNOと判定された場合、ステップS2814に進む。ステップS2814では、通常大当たり(図8参照)であるか否かを判定する。通常大当たりであれば(S2814でYES)、時短フラグをONにする(S2815)。そして、時短カウンタに「50」をセットして(S2816)、ステップS2817に進む。こうして、通常大当たりに当選した場合には、時短回数が50回に設定される低確時短状態に移行することになる。
ステップS2814でNOと判定された場合、確変大当たり2(図8参照)に当選していることになる。この場合、時短フラグをONにすることなく、ステップS2817に進む。こうして、確変大当たり2に選して、V入賞した場合には、大当たり遊技後に高確非時短状態に移行することなる。一方、V入賞しないイレギュラーな場合には、通常遊技状態(低確非時短状態)に移行する。
ステップS2817では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図41に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たりの欄参照)に従って大入賞口14を開放させる(S2904)。
ステップS2902において大入賞口14の開放中であれば(S2902でYES)、大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、大入賞口14の開放時間が経過したか否か(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、大入賞口14の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は大入賞口14の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における大入賞口14の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、大入賞装置14D内へ入賞した遊技球が当該大入賞装置14D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。また小当たりフラグをOFFする(S2911)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図20に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
ここで特別電動役物処理2(S1110)では、振分部材16kは、大入賞口14に入賞した遊技球が特定領域16を通過しないように動作している。また上述した特別電動役物処理1(S1009,S1109)と異なり、V有効期間が設定されることはない。従って、小当たり遊技後の実行中に、遊技球が特定領域16を通過することがなく、万一遊技球が特定領域16を通過したとしても、V有効期間が設定されていないため、VフラグがONされることはない。以上により、小当たり遊技を契機として、高確率状態に移行することはないように設定している。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン101は、図17に示すように、第1特別動作処理(S106)及び第2特別動作処理(S107)に次いで、特定領域センサ検出処理を行う(S108)。特定領域センサ検出処理(S108)では、図42に示すように、まず特定領域センサ16aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材16kが図4(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONする(S3003)。そして、V通過コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S3004)、本処理を終える。V通過コマンドは、演出制御基板120にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
9.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図43~図48に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図44に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図45に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図46に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図47に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。
モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、モードステータスの値に応じて、演出モードを設定するようになっている。具体的に、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を「1」、「2」、「3」、又は「4」に設定する。より詳細には、初期設定の場合又は通常遊技状態に移行した場合に、モードステータスの値を「1」に設定する。この場合、昼モードに設定して、表示画面50aに図14(A)に示す昼背景画像H1を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。また大当たり遊技後に高確時短状態に移行した場合に、モードステータスの値を「2」に設定する。この場合、夜モードに設定して、表示画面50aに図14(B)に示す夜背景画像H2を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。
なお、高確時短状態に移行する場合であって、確変大当たり1又は確変大当たり4に当選している場合には、「宇宙モードまで残り100回」の文字を示す移行条件示唆画像UM(図15(A)参照)を表示するための移行条件示唆コマンドを演出用RAM124にセットする。これにより、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに上記した移行条件示唆画像UMを表示する。その結果、遊技者には、特別図柄の変動表示が100回行われると、高確非時短状態に移行できると共に、高確率状態への移行が確定するのを把握させることが可能である。また、高確時短状態に移行する場合であって、確変大当たり3に当選している場合には、「宇宙モードまで残り50回」の文字を示す移行条件示唆画像(図示省略)を表示するための移行条件示唆コマンドを演出用RAM124にセットする。これにより、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに上記した移行条件示唆画像を表示する。その結果、遊技者には、特別図柄の変動表示が50回行われると、高確非時短状態に移行できると共に、高確率状態への移行が確定するのを把握させることが可能である。
またモードステータス設定処理(S4402)において、大当たり遊技後に高確非時短状態に移行した場合に、モードステータスの値を「3」に設定する。この場合、宇宙モードに設定して、表示画面50aに図14(C)に示す宇宙背景画像H3を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。更にこの場合には、「宇宙モード突入」の文字を示す移行達成画像UT(図15(D)参照)を表示するための移行達成コマンドを演出用RAM124にセットする。これにより、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに上記した移行達成画像UTを表示する。その結果、遊技者には、高確非時短状態に移行できたことを把握させると共に、高確率状態への移行を獲得できたことを把握させることが可能である。またこのときには、スピーカ610から「キュイーン」という特別音を出力するための音声データを音声制御基板161に出力する。これにより、音声制御基板161は、図示しない音声制御回路を介してスピーカ610から「キュイーン」という特別音を出力させる。その結果、遊技者には、視覚だけでなく聴覚によっても、高確率状態への移行を獲得できたことによる高揚感を与えることが可能である。
またモードステータス設定処理(S4402)において、大当たり遊技後に低確時短状態に移行した場合に、モードステータスの値を「4」に設定する。この場合、空モードに設定して、表示画面50aに図14(D)に示す空背景画像H4を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。なお夜背景画像H2、宇宙背景画像H3、空背景画像H4を表示するときには、右打ち画像Raが併せて表示されることになる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S14412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4414)。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域16への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面50aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ610から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図48に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図23参照)や特図2大当たり判定処理(図27参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図24参照)や特図2変動パターン選択処理(図28参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
続いて、モードステータスの値を参照する(S4602)。そして、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1である。従って、通常遊技状態(低確非時短状態)である場合には、特図1の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面50aの中央部にて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3(図14(A)参照)を変動表示及び停止表示させる。そしてイレギュラーな場合として、特図2が変動表示及び停止表示した場合には、表示画面50aの端部にて、小さい演出図柄(図示省略)を変動表示及び停止表示させることになる。
また高確時短状態である場合には、特図1の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面50aの中央部にて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3(図14(B)参照)を変動表示及び停止表示させる。そしてイレギュラーな場合として、特図2が変動表示及び停止表示した場合には、表示画面50aの端部にて、小さい演出図柄(図示省略)を変動表示及び停止表示させることになる。
また、高確非時短状態である場合には、特図2の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面50aの中央部にて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3(図14(C)参照)を変動表示及び停止表示させる。そしてイレギュラーな場合として、特図1が変動表示及び停止表示した場合には、表示画面50aの端部にて、小さい演出図柄(図示省略)を変動表示及び停止表示させることになる。ここで本形態では、高確非時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、高確率状態への移行が確定しているため、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3は、「777」又は「333」等の確変停止態様(図15(H)参照)で停止表示されることになる。また高確非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3は、小当たりに当選したことを示唆するために、「135」」等の小当たり態様(図15(F)参照)で停止表示されることになる。
また低確時短状態である場合には、特図1の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面50aの中央部にて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3(図14(D)参照)を変動表示及び停止表示させる。そしてイレギュラーな場合として、特図2が変動表示及び停止表示した場合には、表示画面50aの端部にて、小さい演出図柄(図示省略)を変動表示及び停止表示させることになる。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理を実行する(S4604)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
本形態では、演出制御用マイコン121は、夜モード(高確時短状態)に移行してから演出図柄EZの変動表示の回数をカウントする。そして、確変大当たり1又は確変大当たり4に当選したことを契機として夜モードに移行している場合には、100回に対して、カウントした演出図柄EZの変動表示の回数を減算する。その上で、減算された回数を、カウントダウン画像COを表示するための情報として、変動演出パターンに含める。一方、確変大当たり3に当選したことを契機として夜モードに移行している場合には、50回に対して、カウントした演出図柄EZの変動表示の回数を減算する。その上で、減算された回数を、カウントダウン画像COを表示するための情報として、変動演出パターンに含める。こうして、カウントダウン画像COを表示するための情報が変動演出パターンに含まれている場合には、変動演出に伴ってカウントダウン画像CO(図15(B)(C)参照)が表示される。その結果、遊技者には高確率状態への移行の確定がカウントダウンされていく高揚感を与えることが可能である。
また本形態では、演出制御用マイコン121は、高確非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選している場合には、図15(F)に示す打ち込み示唆画像MSを表示するための変動演出パターンを選択する。これにより、高確時短状態にて小当たりに当選すれば、打ち込み示唆画像MSが表示画面50aの右下部にて表示される。その結果、遊技者には、大入賞口14に入球させる状況(小当たり遊技の実行により大入賞口14が開放している状況)を把握させることが可能である。
演出制御用マイコン121は、変動演出パターン選択処理(S4604)の後、予告演出の選択を行う(S4605)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出の例としては、大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄EZによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
ステップS4605に続いて、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄EZと変動演出パターンと予告演出とに基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4606)、本処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図13に示すように、高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりになると、高確率状態への移行確率は50%であり、大当たり遊技でのラウンド数は実質8R又は9Rである(図8参照)。これに対して、高確時短状態から50回又は100回である時短回数を消化することができれば、高確非時短状態に移行することができて、高確非時短状態では特図2の抽選での大当たりが保証されている。そのため、特図2の抽選で大当たりになると、高確率状態への移行確率は100%であり、大当たり遊技でのラウンド数は16Rである。よって、高確時短状態にて時短回数を消化すると、高確率状態への移行確率が上昇すると共に、大当たり遊技でのラウンド数が増加するという特典が付与されることになり、遊技者にとって有利になる。従って遊技者には、高確時短状態において、時短回数の消化を期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態から50回又は100回である時短回数を消化することにより高確非時短状態に移行すると、その高確非時短状態にて大当たりに当選した場合の大当たり遊技後には、実質的に100%の確率で高確率状態に制御されて、通常確率状態に制御されることはほぼない。従って遊技者には、時短回数の消化によって、大当たり遊技後の高確率状態への移行を確定させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態にて時短回数の消化によって高確非時短状態に移行すると、表示画面50aにて「宇宙モード突入」の文字を示す移行達成画像UT(図15(D)参照)が表示される。更に、スピーカ610から「キュイーン」という特別音が出力される。これら移行達成画像UT及び「キュイーン」という特別音は、次回の大当たり遊技後の遊技状態が実質的に高確率状態に制御されることを示唆するものである。こうして、移行達成画像UT及び特別音により、時短回数の消化で高確率状態への移行を獲得できたことを遊技者に分かり易く示すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態から、時短回数の消化によって非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態に移行すると、電チュー12Dに遊技球が入球し難くなる分だけ、賞球を獲得し難くなる。しかしながら、この高確非時短状態では、小当たりラッシュ状態になっているため、小当たり遊技によって開放する大入賞口14に遊技球を入球させて、賞球を獲得することが可能である。よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態に移行しても、遊技者は持ち球を減らすことなく遊技を行うことが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
上記形態(第1形態)では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続くパチンコ遊技機PY1(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成した。しかしながら、図49に示す第2形態のように、高確率状態に制御された後に特別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数(ST回数)に達すると、通常確率状態に移行するパチンコ遊技機PY1(いわゆるSTタイプの遊技機)として構成しても良い。
第2形態では、図49に示すように、確変大当たり1、確変大当たり2、確変大当たり3、確変大当たり4、確変大当たり5に当選した場合、大当たり遊技後に特別図柄の変動表示の回数が160回(ST回数)に達すると、通常確率状態(詳細には通常遊技状態)に移行するようになっている。従って上記形態(第1形態)と異なり、高確時短状態に移行した後、時短回数を消化して高確非時短状態に移行しても、次回の大当たりへの当選が必ず保証されているわけではない。
例えば、通常遊技状態にて特図1の抽選で確変大当たり1に当選したこととする。そして、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されて、高確時短状態にて時短回数である100回を消化したこととする。この場合、高確非時短状態に制御されて、特図2の抽選が実行されることになるが、高確非時短状態に移行した時点でST回数が残り60回になっている。従って、この60回であるST回数が消化されるまでに、特図2の抽選で大当たりに当選できれば次回の高確率状態への移行を獲得できる。その一方で、60回であるST回数が消化されるまでに、特図2の抽選で大当たりに当選できなければ通常遊技状態に移行(転落)してしまう。
よって、第2形態では、高確時短状態にて時短回数を消化しても、その時点で高確率状態への移行が確定しているわけではなく、更にST回数を消化するまでに大当たりへの当選を条件に、高確率状態への移行が確定することになる。従って、時短回数を消化した後に緊迫感のある遊技興趣を提供することが可能である。なお高確非時短状態では、大当たりに早く当選しないほど小当たりラッシュ状態が長く続く。その一方で、大当たりに早く当選しないとST回数が消化されていく。よって第2形態において、遊技者にとっては、小当たりラッシュ状態をできるだけ長く継続させつつ、ST回数が消化する前に大当たりに当選したいという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
<その他の変形例>
上記各形態では、高確非時短状態では、特図2の抽選で頻繁に小当たりに当選して、小当たりラッシュ状態になるようにした。しかしながら、高確非時短状態では、特図2の抽選で小当たりに当選せずに、小当たりラッシュ状態にならないようにしても良い。この場合、高確非時短状態では、遊技者が持ち球を大きく減らすおそれがある。そこで、電チュー12Dに入球しなかった遊技球が一般入賞口10に頻繁に入球できるように当該一般入賞口10を配置すると良い。これにより、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態であっても、遊技者が持ち球を大きく減らすことなく遊技できるためである。
また上記各形態では、時短回数の消化によって高確非時短状態に移行すると、高確率状態に制御されることの示唆(高確率状態示唆)として、表示画面50aに「宇宙モード突入」の文字を示す移行達成画像UTを表示すると共に、スピーカ610(音出力手段)から「キュイーン」という特別音を出力した。しかしながら、高確率状態示唆は、上記した演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示画面50aに特別なエフェクト画像やレインボー画像を表示したり、枠ランプ212や盤ランプ54等の発光手段を用いて特別な発光態様で発光させるようにしても良い。
また上記各形態では、時短回数が消化することにより高確非時短状態に移行した後に大当たりと判定された場合には、大当たり遊技後に実質的に高確率状態に制御して、実質的に通常確率状態に制御されることがないようにした。しかしながら、大当たり遊技後に通常確率状態に制御されることがあり得るようにしても良い。但しこの場合には、高確非時短状態で大当たりに当選したときに高確率状態に移行できる確率(振分率)が、高確時短状態で大当たりに当選したときに高確率状態に移行できる確率(振分率)よりも高くなるように設定されていると良い。高確時短状態にて時短回数を消化すると遊技者に特典を付与するというゲーム性を提供できるからである。
また上記各形態では、図8に示すように、時短回数(所定の上限回数)が50、100回、10000回に設定されるようにした。しかしながら、時短回数は上記した回数に限られるものではなく、適宜変更可能である。また上記第2形態では、ST回数が160回に設定されるようにした。しかしながら、ST回数は上記した回数に限られるものではなく、適宜可能である。但し、ST回数は、設定される時短回数の少なくとも1つよりも多いと良い。時短回数が消化された後に、残っているST回数分だけ高確率状態が継続することになり、この間に大当たりを引き当てることができるか否かというゲーム性を担保できるからである。
また上記各形態では、高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合の高確率状態への移行確率が50%であり、高確非時短状態にて特図2の抽選で大当たりになった場合の高確率状態への移行確率が100%であるように設定した。しかしながら、上記した高確率状態への移行確率は、適宜変更可能である。但し、高確非時短状態にて特図2の抽選で大当たりになった場合の高確率状態への移行確率が、高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりになった場合の高確率状態への移行確率よりも高くなるように設定すると良い。高確時短状態にて時短回数を消化すると、高確率状態への移行確率が上昇するという特典を付与することができるからである。
また上記各形態では、特図1の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技のラウンド数は、実質8R又は実質9Rであり、特図2の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技のラウンド数は、実質16Rであった。しかしながら、大当たり遊技でのラウンド数(実質のラウンド数)は、適宜変更可能である。但し、特図2の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技のラウンド数は、特図1の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技のラウンド数よりも多くなり易いように設定されると良い。高確時短状態にて時短回数を消化すると、より多いラウンド数である大当たり遊技が実行され易いという特典を付与することができるからである。
また上記各形態では、高確非時短状態にて大当たりに当選した場合には、高確時短状態にて大当たりに当選した場合よりも、高確率状態への移行確率が高いと共に、ラウンド数が多い大当たり遊技が実行されるようにした。しかしながら、高確率状態への移行確率や大当たり遊技でのラウンド数以外の方法で、遊技者にとって有利になるようにしても良い。例えば、大当たり確率に対応する設定値が設定されている遊技機において、高確非時短状態にて大当たりに当選した場合には、高確時短状態にて大当たりに当選した場合よりも、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出が実行され易いようにしても良い。
また上記各形態では、第2流路R2上に第3始動口20を設けて、第3始動口20への入球に基づく小当たりへの当選によって、小当たりラッシュ状態を作り出していた。しかしながら、第3始動口20に替えて、遊技球が入球可能な役物作動口を設ける。そして、役物作動口への入球によって抽選を行うことなく小当たり遊技が実行されるようにすることで、小当たりラッシュ状態を作り出すようにしても良い。
また上記各形態では、右遊技領域6Rに設けられた第2流路R2(特定流路)に、ゲート13と、第2始動口12と、電チュー開閉部材12k(電チュー12D)と、大入賞口14と、第3始動口20とを配置した。しかしながら、これらゲート13と、第2始動口12と、電チュー開閉部材12kと、大入賞口14と、第3始動口20の配置は適宜変更可能であり、ゲート13と、第2始動口12と、電チュー開閉部材12kと、大入賞口14と、第3始動口20の全部、又はそれらの一部を、左遊技領域6Lの第1流路R1に配置しても良い。
また上記各形態では、特図2の抽選で小当たりに当選することがある一方、特図1の抽選で小当たりに当選することがないように設定した。しかしながら、特図1の抽選でも小当たりに当選することがあるようにしても良い。或いは、特図1の抽選でのみ小当たりに当選することがあるようにしても良い。また図10(A)に示すように、小当たりに当選する確率を約2分の1に設定したが、2分の1以下又は2分の1以上に(例えば大当たりへの当選を除いて100%小当たりに当選するように)設定しても良く、適宜変更可能である。
また上記各形態では、大入賞口14が1つだけ設けられていた。しかしながら、第1大入賞口と第2大入賞口という2つの大入賞口を設けるようにしても良い。この場合、大当たり遊技によって第1大入賞口を開放し、小当たり遊技によって第2大入賞口を開放するようにしても良い。或いは、大当たり遊技では、ラウンドによって第1大入賞口の開放と第2大入賞口の開放とを切替えるようにしても良い。また第1大入賞口と第2大入賞口とを設ける場合、何れか一方に特定領域16を設けるようにすれば良い。
また上記各形態では、大入賞口14内への特定領域16への通過に基づいて、高確率状態に制御する遊技機(所謂V確機)として構成した。しかしながら、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類でのみ高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したり、当選した大当たりの種類と当選時の遊技状態とに基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成しても良い。
また上記各形態では、図8又は図49に示すように、大当たりの種類(大当たり図柄の種類)を設けた。しかしながら、図8又は図49に示す大当たりの種類はあくまで一例であって、適宜変更可能である。
また上記形態では、小当たり遊技における大入賞口14の開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、大入賞口14の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、転落機、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
また上記各形態において、第1特図保留又は第2特図保留があって、同じ種類の特別図柄が変動表示中ではなく、且つ大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中でない場合には、「所定の判定条件が成立」していることとして、大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202)又は特図2大当たり判定処理(S1502)、判定処理)を実行可能である。
本発明における「特別遊技後(大当たり遊技)後の遊技状態を実質的に高確率状態に制御して、特別遊技後の遊技状態を実質的に通常確率状態に制御することがない」とは、特定領域16への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技後に高確率状態に制御される遊技機(V確機)において、遊技者が通常通りに遊技を行っていれば、大当たり遊技中に特定領域16へ遊技球を通過させることができて、大当たり遊技後に高確率状態に制御されることを意味する。即ち、イレギュラーな場合として、大当たり遊技中に特定領域16へ遊技球を通過させることができなくて、大当たり遊技後に通常確率状態に制御されることまでを意味したものではない。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の判定条件の成立に基づいて判定処理(大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202)又は特図2大当たり判定処理(S1502))を行うと、当該判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
非時短状態よりも前記識別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御可能であり、
前記時短状態に制御されてから前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数(時短回数)に達すると、前記非時短状態に制御可能であり、
前記時短状態にて前記判定処理で大当たりと判定された場合よりも、前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより前記非時短状態に移行した後に前記判定処理で大当たりと判定された場合の方が、遊技者にとって有利にし易い(図8、図13参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態にて大当たりになるよりも、その時短状態から識別図柄の変動表示が所定の上限回数に達すること(時短回数消化)により移行した非時短状態にて大当たりになった方が、遊技者にとって有利になり易い。従って遊技者には、時短状態において、時短回数消化を期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により大当たりと判定されると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
通常確率状態よりも前記判定処理により大当たりと判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
前記時短状態にて前記判定処理で大当たりと判定された場合よりも、前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより前記非時短状態に移行した後に前記判定処理で大当たりと判定された場合の方が、前記特別遊技後に前記高確率状態に制御し易い(図8、図13参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態にて大当たりになるよりも、時短回数消化により移行した非時短状態にて大当たりになった方が、特別遊技後に高確率状態に制御され易い。従って遊技者には、時短回数消化によって高確率状態への移行のし易さが上昇するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより前記非時短状態に移行した後に前記判定処理で大当たりと判定された場合には、前記特別遊技後の遊技状態を実質的に前記高確率状態に制御して、実質的に前記通常確率状態に制御することがない(図8、図13参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短回数消化により移行した非時短状態にて大当たりになると、特別遊技後の遊技状態が実質的に高確率状態に制御されて、実質的に通常確率状態に制御されることがない。従って遊技者には、時短回数消化によって、特別遊技後の高確率状態への移行を確定させることができるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより前記非時短状態に移行した場合には、前記特別遊技後の遊技状態が実質的に前記高確率状態に制御されることを示唆する高確率状態示唆(移行達成画像UTの表示、特別音の出力、図15(D)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短回数消化により非時短状態に移行すると、次回の特別遊技後の遊技状態が実質的に高確率状態に制御されることを示唆する高確率状態示唆が実行される。こうして、時短回数消化で高確率状態への移行を獲得できたことを遊技者に分かり易く示すことが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
入球口(第2始動口12)と特別入賞口(大入賞口14)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理で小当たりと判定すると、前記特別入賞口を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
非入球容易状態(非電サポ制御状態)よりも前記入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態(電サポ制御状態)に制御可能であり、
前記識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより前記非入球容易状態を伴う前記非時短状態に移行した場合には、通常遊技状態よりも前記小当たり遊技にて前記特別入賞口に入賞し易い小当たり入賞容易状態(小当たりラッシュ状態)にすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短回数消化により非入球容易状態を伴う非時短状態に移行すると、入球口に遊技球が入球し難くなる分だけ、賞球を獲得し難くなる。しかしながら、このときの非時短状態では、小当たり入賞容易状態であるため、小当たり遊技によって開放する特別入賞口に遊技球を入球させて、賞球を獲得することが可能である。よって、非入球容易状態を伴う非時短状態に移行しても、遊技者は持ち球を減らすことなく遊技を行うことが可能である。
ところで、特開2016-016034号公報に記載の遊技機では、時短状態にて判定処理で大当たりになった方が、非時短状態にて判定処理で大当たりになる場合よりも、遊技者にとって有利になり易いようなゲーム性になっている。従って遊技者には、時短状態にて識別図柄(特別図柄)の変動表示の回数が所定の上限回数に達する前に、大当たりへの当選を期待させることになる。しかしながら、時短状態では識別図柄の変動表示が実行される度に遊技者に焦燥感を与えることになり、このようなゲーム性には改善の余地があった。そこで上記したA1~A5に係る発明は、特開2016-016034号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、時短状態にて判定処理で大当たりと判定された場合よりも、識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達することにより非時短状態に移行した後に判定処理で大当たりと判定された場合の方が、遊技者にとって有利にし易い点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
6…遊技領域
11…第1始動口
12…第2始動口
14…大入賞口
20…第3始動口
50…画像表示装置
50a…表示画面
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
R1…第1流路
R2…第2流路

Claims (1)

  1. 第1入球口と、
    第2入球口と、
    前記第1入球口への入球に基づいて第1判定処理の結果を示す第1識別図柄を変動表示可能であり、前記第2入球口への入球に基づいて第2判定処理の結果を示す第2識別図柄を変動表示可能な遊技制御手段と、を備える遊技機において、
    前記遊技制御手段は、
    大当たりと判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能であり、
    非入球容易状態よりも遊技球が前記第1入球口に入球し易い入球容易状態に制御可能であり、
    通常確率状態よりも大当たりと判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
    前記高確率状態且つ前記入球容易状態に制御されてから前記第1識別図柄又は前記第2識別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数に達する終了条件が成立すると、前記第2入球口が前記第1入球口よりも入球し易い前記高確率状態且つ前記非入球容易状態に制御可能であり、
    前記高確率状態且つ前記入球容易状態にて前記第1判定処理で大当たりと判定された場合よりも、前記終了条件の成立によって前記高確率状態且つ前記非入球容易状態に移行した後に前記第2判定処理で大当たりと判定された場合の方が、前記大当たり遊技後に前記高確率状態に移行し易いことを特徴とする遊技機。
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