1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50は、パチンコ遊技機1の外郭を形成するものであり、図示しない外枠及び内枠と、外枠及び内枠の前面側に配されている前枠(前扉部)51とを備えている。前枠51は、外枠及び内枠に対して回動自在になっている。前枠51の中央部には、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように、透明のガラス板(窓部)55が取付けられている。
前枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(遊技球打込手段)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63及びセレクトボタン(図示省略)が設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前枠51には、装飾用の枠ランプ66及び音を出力するスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図15参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(図6参照)にて表示される第1特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。なお本形態では、後述の第2特別図柄表示器41b(図6参照)にて表示される第2特別図柄の可変表示の結果に対応して、変動演出を実行しないようになっている。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。なお本形態では、後述する第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像については表示しないようになっている。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。上述したように第2特別図柄の可変表示に同期した変動演出や、第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像の表示を行わない理由については、後述する。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技盤2の上部には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が配されている。盤可動体15は初期状態において、図2に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図14参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口や、第1入球口、第1固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や第1固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(第1識別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図13参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口30は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また図3(A),(B)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図13参照)とを備えている。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、後述する第2大入賞装置36には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図2に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の右斜め上方には、第2始動口(入球口や、第2入球口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第1特別図柄(第1識別図柄)の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図14参照)により駆動される。
図4(A)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が後方に退避した退避状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になっている。すなわち開閉部材23が退避状態にある(電チュー22が開放している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、第2始動口21へ入球する。なお電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21aが配されている。
一方図4(B)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能になっている。すなわち開閉部材23が進出状態にある(電チュー22が閉鎖している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、開閉部材23の左方へ転動して、後述する第1大入賞口30、第3始動口25、第2大入賞口35へ向かう。
こうして電チュー22では、開閉部材23が開状態(退避状態)にあるときにのみ、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(進出状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。よって、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材23を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また図2に示すように、遊技領域3における電チュー22(開閉部材23)の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方で、左右方向の中央には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開放状態と閉鎖状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図14参照)により駆動される。
そのため図5(A)に示すように、第2大入賞口35(特別入球口)は、開閉部材37が前方に傾動した開放状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になる。一方図5(B)に示すように、第2大入賞口35は、開閉部材37が遊技盤2の起立した前面と同一平面を形成する閉鎖状態(閉状態)であるときには、遊技球が入球不可能になる。この第2大入賞口35は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
ここで本形態では、遊技領域3における第2大入賞口35の右方に、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口(入球口、第2固定入球口ともいう)25を備える第3始動入賞装置(第3入球手段や第2固定入球手段ともいう)26が設けられている。第3始動口25への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口20や第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第1大入賞口30(第1大入賞装置31)と、第3始動口25と、第2大入賞口35と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、第3始動口25、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また本形態では、右打ちで第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が、ほぼ必ずゲート28を通過するようにゲート28を配している。上記したほぼ必ずゲート28を通過するとは、第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が100%の確率でゲート28を通過するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)でゲート28を通過するという意味である。よって右打ちされた遊技球が、高い確率でゲート28を通過して、その通過を契機として普通図柄抽選が実行されるという条件を満たせば、高い確率でゲート28を通過後にそのまま電チュー22へ入球し得ることになる。
また図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1識別図柄表示手段)41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2識別図柄表示手段)41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第3始動口25への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)又は特図ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放パターンと小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄(ハズレ停止態様の特別図柄)を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21或いは第3始動口25への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図13参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20又は第2始動口21への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(第1判定情報記憶手段、図13参照)に記憶され、第3始動口25への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(第2判定情報記憶手段、図13参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。電チュー22(第2始動口21)の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した態様(普通当たり停止態様)である普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した態様である普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図13参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図13及び図14に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図13及び図14に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図13に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ25aは、第3始動口25内に設けられて、第3始動口25に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第1大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第1大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、および特図保留表示器43が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。
また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図14に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン(図示省略)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図13及び図14は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図13及び図14に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図13又は図14に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図13又は図14に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また特別図柄抽選にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。Vロング大当たり(特定大当たり)と、Vショート大当たり(通常大当たり)である。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
そして、大当たりの種別と当選時の遊技状態に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。また、時短状態に制御されたときに時短回数が10000回又は150回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ここで本パチンコ遊技機1の遊技状態は、大きく分けて4つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」と呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」と呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」と呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」呼ぶ)とがある。なお初期設定では、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別は、1種類だけである。具体的には、「Vロング2R大当たり」である。
図8に示すように、「Vロング2R大当たり」は、2R(ラウンド)大当たりであり、1Rから2Rまで第1大入賞口30を最大24.0秒にわたって開放する大当たりである。そして、Vロング2R大当たりでの1R目において、遊技球が第1大入賞口30内の特定領域39に容易に通過(V入賞)できるように、振分部材71(図3参照)の作動が制御されている。なお、2R目においては、V入賞できないように、振分部材71の作動が制御されている。
図7に示すように、低確非時短状態、又は高確時短状態、或いは高確非時短状態で「Vロング2R大当たり」に当選して、特定領域39へ遊技球が通過した場合(V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ時短回数が150回に設定される時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球が通過しなかった場合(非V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、且つ非時短状態に制御される。
一方、低確時短状態で「Vロング2R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「Vロング2R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示される。
以上本形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、必ずVロング2R大当たりであるため、基本的には(イレギュラー場合でない限り)大当たり遊技後に、高確率状態に制御されることになる。
続いて、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別について説明する。特図2の抽選で当選可能な大当たりには、2種類ある。具体的には、「Vショート2R時短大当たり」、「Vショート2R通常大当たり」がある。つまり、特図2の抽選で当選した大当たりは、何れであっても大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難なVショート大当たりになる。
図7に示すように、何れの遊技状態でも「Vショート時短2R大当たり」に当選して、特定領域39へ遊技球が通過しなかった場合(非V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、且つ時短回数が10000回に設定される時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球が通過した場合(V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ非時短状態に制御される。
一方、何れの遊技状態でも「Vショート通常2R大当たり」に当選して、特定領域39へ遊技球が通過しなかった場合(非V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、且つ非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球が通過した場合(V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ非時短状態に制御される。
以上本形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、Vショート時短2R大当たりであれば、基本的には(イレギュラー場合でない限り)大当たり遊技後に、時短回数が10000回である高確非時短状態に制御される。一方、Vショート通常2R大当たりであれば、基本的には(イレギュラー場合でない限り)大当たり遊技後に、通常遊技状態に制御される。
また本形態では、図8に示すように、特図1の抽選又は特図2の抽選の何れであっても、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、特図1の抽選で小当たりに当選すると、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口35が0.1秒だけ1回開放して、ラウンドインターバルとして0.3秒だけ閉鎖する。最後に0.004秒だけエンディングが実行される。
こうして、特図1の抽選で小当たりに当選した場合、第2大入賞口35が0.1秒しか開放しないため、遊技球が第2大入賞口35に入賞し難い。特に、第1流路R1を流下する遊技球は、第2大入賞口35に到達し難いように、遊技釘や第2大入賞口35が配置されている。従って本形態では、左打ちの遊技において、特図1の抽選で小当たりに当選しても、遊技球がほぼ第2大入賞口35に入賞することがないようにしている。そして、特図1の抽選で小当たりに当選した場合、小当たり遊技の実行時間(オープニングの開始からエンディングの終了までの時間)を、合計0.408秒という非常に短い時間にしている。これにより遊技者には、特図1の抽選が実行されるときの遊技では、小当たり遊技の実行をできるだけ意識させないようすることが可能である。なお特図1の抽選で小当たりに当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_小当たり図柄」が停止表示される。
一方、特図2の抽選で小当たりに当選すると、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口35が1.6秒だけ1回開放して、ラウンドインターバルとして0.3秒だけ閉鎖する。最後に0.004秒だけエンディングが実行される。
こうして、特図2の抽選で小当たりに当選した場合、第2大入賞口35が1.6秒開放するため、遊技球が第2大入賞口35に入賞することができる。特に、第2流路R2を流下する遊技球は、第2大入賞口35に到達し易いように、遊技釘や第2大入賞口35が配置されている。従って本形態では、右打ちの遊技(後述する高確非時短状態での遊技)において、特図2の抽選で小当たりに当選すると、遊技球が頻繁に第2大入賞口35に入賞することができるようにしている。なお、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機1では、図10(A)に示すように、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図10(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、特別図柄抽選の結果が大当たりでない場合、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む特図変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)と普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む普図変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くすることが可能となる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図10(E)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では84msであるのに対して、時短状態では80msである。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー22が200msだけ1回開放する補助遊技が行われる。これに対して時短状態では、電チュー22が2000msだけ3回開放する補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が開放され易くなり、第2始動口21へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放回数増加機能、電チュー22の開放時間延長機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。なお入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
なお、電源投入後の初期状態では(工場出荷後又はRAMクリアが実行された場合には)、遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ非入球容易状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
ここで本形態では、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が予め定められたリミッタ回数(具体的には3回)に制限されるリミッタ機能が設けられている。即ち、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が3回に達した後、大当たりに当選して、大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過したこととする。この場合、その大当たり遊技後に高確率状態に制御されるようにも思われるが、リミッタ機能の作動により、大当たり遊技後に通常確率状態に制御される。本形態において、リミッタ機能が設けられている理由については、後に詳述する。
5.時短移行到達
次に、時短移行到達について説明する。時短移行到達とは、大当たり遊技後(又はRAMクリア後)から、特別図柄が変動表示を経て、大当たり図柄(大当たり態様)以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄、非大当たり態様)で停止表示した連続回数が、或る特定回数に達すると、時短状態に移行することである。従来のパチンコ遊技機では、時短状態は、大当たり遊技を経由しなければ、移行することはなかった。そこで本形態では、時短移行到達によって、大当たり遊技を経由しないでも、時短状態に移行できるようにして、なかなか大当たりを引き当てることができない遊技者に対して、時短移行到達になるまで遊技を継続したいと思わせることが可能である。なお時短状態は、高ベース状態を伴うため、第2始動口21(電チュー22)に遊技球が入球し易い遊技状態ともいえる。
ここで、時短移行到達は、通常遊技状態である場合に限り、実行される。つまり、通常遊技状態以外の遊技状態で時短移行到達が実行されることはなく、時短移行状態が実行される際には、通常遊技状態から低確時短状態(通常確率状態且つ時短状態)に移行することになる。また、時短移行到達までに要する特定回数は、大当たり図柄の種別に依存する。但し本形態では、何れの大当たり図柄であっても、時短移行到達までに要する特定回数は、900回に設定される。従って、大当たり遊技後に大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が、900回に達すると、通常遊技状態から低確時短状態に移行可能である。なお、RAMクリアが実行された場合でも、大当たり遊技後に大当たり図柄以外の図柄で停止表示した連続回数が、900回に達すると、低確時短状態に移行可能である。
6.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機1の遊技の流れについて、図15に基づいて説明する。先ず、通常遊技状態では、遊技球が第1流路R1を流下するように左打ちを行い、第1始動口20への入球を狙う。そのため、図15に示すように、通常遊技状態(第1遊技状態)では、第1始動口20への入球に基づいて、特図1の抽選が実行される。つまり、特図1遊技となる。なお通常遊技状態で、特図1の抽選で小当たりに当選することがあるが、上述したように、第1流路R1を流下する遊技球が、小当たり遊技によって開放する第2大入賞口35に入球することはほぼない。
通常遊技状態において特図1の抽選で大当たりに当選すると、大当たりの種別は、必ずVロング2R大当たりである(図7参照)。そのため、イレギュラーな場合を除いて、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中に、遊技球を特定領域39に通過させることが可能である。従って、大当たり遊技後に、時短回数が150回に設定される高確時短状態に制御される。つまり、初当たり(通常遊技状態での大当たり)の場合には、大当たり遊技後に、時短回数が150回に設定される高確時短状態に移行する。
ここで、本パチンコ遊技機1では、時短状態が2種類ある。時短回数が150回に設定される時短状態と、時短回数が10000回に設定される時短状態と、である。時短回数が150回に設定される時短状態では、特別図柄の変動表示が150回実行されることにより、非時短状態に移行することがあり得る。従って、時短回数が150回に設定される時短状態を、「時短限定状態」と呼ぶことができ、時短回数が150回に設定される高確時短状態を、「高確時短限定状態」と呼ぶことができる。また後述するように、時短回数が150回に設定される低確時短状態を、「低確時短限定状態」と呼ぶことができる。
一方、時短回数が10000回に設定される時短状態では、特別図柄の変動表示が10000回実行される前に、大当たりに当選するため、非時短状態に移行することは実質的にない。従って、時短回数が10000回に設定される時短状態を、「時短次回状態」と呼ぶことができ、後述するように、時短回数が10000回に設定される低確時短状態を、「低確時短次回状態」と呼ぶことができる。
初当たり後の高確時短限定状態では、高ベース状態であるため、電チュー22が頻繁に開放する。そのため、遊技球が第2流路R2を流下するように右打ちを行い、第2始動口21への入球を狙う。そのため、図15に示すように、高確時短限定状態では、第2始動口21への入球に基づいて、特図1の抽選が実行される。つまり、特図1遊技となる。なお、高確時短限定状態で右打ちされた遊技球は、ほぼ電チュー22に入球して、電チュー22よりも下方へこぼれることがほとんどない。従って、右打ちされた遊技球が、第3始動口25や第2大入賞口35にほとんど向かわないようになっている。
初当たり後の高確時短限定状態では、高確率状態であるため、特図1の抽選で大当たりに当選し易い。なお本形態おいて、高確率状態は、実質的に次回の大当たりに当選するまで、継続する。従って、基本的には、150回の時短回数が消化されるまでに、特図1の抽選で、Vロング2R大当たりに当選する(図7参照)。従って、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中にV入賞させることで、大当たり遊技後に再び高確時短限定状態に移行する。
以後同様に、初当たり後の2回目の高確時短限定状態では、基本的には、150回の時短回数が消化されるまでに、特図1の抽選で、Vロング2R大当たりに当選する(図7参照)。従って、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中にV入賞させることで、大当たり遊技後に再び高確時短限定状態に移行する。
また同様に、初当たり後の3回目の高確時短限定状態では、基本的には、150回の時短回数が消化されるまでに、特図1の抽選で、Vロング2R大当たりに当選する(図7参照)。従って、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中にV入賞させることになる。しかしながらこの場合、V入賞させても、既に大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が3回になっているため、リミッタ機能が作動することになる。
よって、図15に示すように、初当たり後の3回目の高確時短限定状態でVロング2R大当たりに当選して、V入賞させても、大当たり遊技後に低確時短状態に移行することになる。このとき、リミッタ機能によって、時短回数が150回に設定される低確時短状態であるため、「低確時短限定状態」となる。以上、初当たりした場合、基本的には、大当たり遊技とその後の高確時短限定状態とを3回繰返し、4回目の大当たり遊技後に低確時短限定状態となる。
低確時短限定状態では、高ベース状態であるため、電チュー22が頻繁に開放する。そのため、遊技球が第2流路R2を流下するように右打ちを行い、第2始動口21への入球を狙う。そのため、図15に示すように、低確時短限定状態では、第2始動口21への入球に基づいて、特図1の抽選が実行される。つまり、特図1遊技となる。なお、低確時短限定状態で右打ちされた遊技球は、ほぼ電チュー22に入球して、電チュー22よりも下方へこぼれることがほとんどない。従って、右打ちされた遊技球が、第3始動口25や第2大入賞口35にほとんど向かわないようになっている。
ここで、低確時短限定状態では、通常確率状態であって、時短回数が150回に設定されるため、特別図柄の変動表示が150回実行されると(時短消化になると)、通常遊技状態に移行する。つまり、遊技者にとっては、次回の大当たりへの当選が保証されているわけではなく、時短消化されるまでに、特図1の抽選で大当たりに当選する必要がある。上述したように、特図1の抽選で大当たりになると、大当たりの種別は、必ずVロング2R大当たりである(図7参照)。そのため、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中に、イレギュラーな場合を除いて、遊技球を特定領域39に通過させることが可能である。ここで、低確時短限定状態にてVロング2R大当たりの場合には、その他の遊技状態でVロング2R大当たりの場合と異なり、大当たり遊技後に、非常に有利な遊技状態である高確非時短状態に制御される(図7参照)。よって、低確時短限定状態では、図15に示すように、時短消化されるまでに大当たりに当選するか否かに応じて、その後に移行する遊技状態(通常遊技状態又は高確非時短状態)が分岐することになる。
高確非時短状態では、低ベース状態であるため、電チュー22がほぼ開放しない。しかしながら、電チュー22よりも下方へ流下した遊技球は、第3始動口25や第2大入賞口35に向かうことができる。よって、遊技者は、遊技球が第2流路R2を流下するように右打ちを行い、第3始動口25への入球を狙う。そのため、図15に示すように、高確非時短状態では、第3始動口25への入球に基づいて、特図2の抽選が実行される。つまり、特図2遊技となる。本形態では、特図2の抽選で小当たりに当選する確率は、図10(A)に示すように、約2/3に設定されていて、頻繁に小当たりに当選する。よって、小当たり遊技によって頻繁に第2大入賞口35が開放して、第2流路R2を流下する遊技球が第2大入賞口35に頻繁に入賞する。従って、高確非時短状態では、高確時短状態(高確時短限定状態)と異なり、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えることになり、高確時短状態よりも有利な遊技状態といえる。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口35の開放により、第2大入賞口35へ入賞し易い小当たりラッシュ状態ということができる。
高確非時短状態(第3遊技状態、小当たり入球容易状態)は、上述したように、高確時短限定状態(第2遊技状態、高確時短状態)よりも有利な遊技状態である。そして、高確時短限定状態は、高確率状態を伴うため、低確時短限定状態よりも有利な遊技状態である。そして、低確時短限定状態は、高ベース状態を伴うため、通常遊技状態(第1遊技状態)よりも有利である。但し、以上により、本形態では、通常遊技状態<低確時短限定状態<高確時短限定状態<高確非時短状態の順番に、より有利な遊技状態になるように設定されている。
高確非時短状態では、特図2の抽選で大当たりへの当選を狙うことになる。なお高確率状態は、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続するため、次回の大当たりへの当選が保証されていることになる。上述したように、特図2の抽選で大当たりになると、80%の振分率でVショート時短2R大当たりになり、20%の振分率でVショート通常2R大当たりになる(図7参照)。何れもVショート大当たりであるため、イレギュラーな場合を除いて、大当たり遊技の実行中に、遊技球を特定領域39に通過させることができない。よって、大当たり遊技後に、通常確率状態(低確率状態)に制御されることになる。
但し、Vショート時短2R大当たりの場合には、大当たり遊技後に、通常確率状態且つ時短回数が10000回に設定される時短状態に制御される。時短回数が10000回(所定回数)に設定される時短状態では、時短回数を消化することが実質的に不可能であるため、次回の大当たりへの当選が保証されている。従って、通常確率状態且つ時短回数が10000回に設定される時短状態を、「低確時短次回状態」と呼ぶ。一方、Vショート通常2R大当たりの場合には、大当たり遊技後に、通常確率状態且つ非時短状態、即ち通常遊技状態に移行する。
低確時短次回状態(第2遊技状態、特定遊技状態)では、高ベース状態であるため、電チュー22が頻繁に開放する。そのため、遊技球が第2流路R2を流下するように右打ちを行い、第2始動口21への入球を狙う。そのため、図15に示すように、低確時短次回状態では、第2始動口21への入球に基づいて、特図1の抽選が実行される。つまり、特図1遊技となる。そして、低確時短状態(低確時短次回状態)において特図1の抽選で大当たりに当選すると、大当たりの種別は、必ずVロング2R大当たりである(図7参照)。そのため、イレギュラーな場合を除いて、Vロング2R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中に、遊技球を特定領域39に通過させることが可能である。そして、低確時短次回状態にてVロング2R大当たりの場合には、大当たり遊技後に、必ず(100%の振分率で)高確非時短状態に制御される(図7参照)。よって、低確時短次回状態は、次回の大当たりへの当選が保証されていて、且つ大当たり遊技後に必ず高確非時短状態に移行する遊技状態といえる。
以上、図15に示すように、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)では、次回の大当たりへの当選が保証されていて、大当たり遊技後に、80%の振分率で低確時短次回状態に移行する一方、20%の振分率で通常遊技状態に移行(転落)する。そして、低確時短次回状態に移行した場合には、次回の大当たりへの当選が保証されていて、大当たり遊技後に、必ず(100%の振分率で)高確非時短状態に移行する。従って、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)と低確時短次回状態とを、1つのスーパーラッシュ状態と見れば、本形態では、スーパーラッシュ状態を、2回の大当たり遊技を経て80%の確率(ループ率)で、ループさせることが可能である。
ここで、従来のラッシュ状態のループについて、説明する。ラッシュ状態は、有利な遊技状態のことであり、従来のパチンコ遊技機では、高確時短状態や高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に相当する。従来のラッシュ状態のループでは、次回の大当たりへの当選が保証されていて、大当たり遊技後に所定のループ率(例えば80%)で再びラッシュ状態に移行し、所定の転落確率(例えば20%)でラッシュ状態よりも不利な遊技状態(例えば通常遊技状態)に移行(転落)するようになっている。そのため、ラッシュ状態⇒大当たり遊技⇒(80%の振分率で)ラッシュ状態⇒大当たり遊技⇒(80%の振分率で)ラッシュ状態というように、ラッシュ状態を80%のループ率でループさせる。
しかしながら、従来のラッシュ状態のループでは、ラッシュ状態が大当たり遊技を経て繰返し実行されることになり、遊技者がラッシュ状態に飽き易いという問題点があった。つまり、大当たり遊技を除けば、同じ遊技状態であるラッシュ状態が頻繁に繰り返されることで、遊技者に単調な遊技(ループ)であると感じさせ易くなっていた。
そこで本形態では、図15に示すように、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)と低確時短次回状態とからなるスーパーラッシュ状態を、80%の確率(ループ率)で、ループさせる。即ち、高確非時短状態⇒大当たり遊技⇒(80%の振分率で)低確時短次回状態⇒大当たり遊技⇒高確非時短状態⇒大当たり遊技⇒(80%の振分率で)低確時短次回状態⇒高確非時短状態というように、スーパーラッシュ状態を80%のループ率(所定確率)でループさせる。従って、従来のラッシュ状態のループと異なり、有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)や高確時短状態が大当たり遊技を経て繰返し実行されるわけではない。即ち、ループする際に、高確非時短状態と低確時短状態とを行き来するため、同じ遊技状態が繰り返されるわけではない。また1回のループにおいて、大当たり遊技が2回実行される。こうして、本形態のスーパーラッシュ状態により、斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また本形態では、高確非時短状態において、小当たりラッシュ状態であることから、遊技者にとっては、頻繁に小当たりに当選して、できるだけ長く大当たりに当選しないことが好ましい。一方、低確時短次回状態において、時短回数を消化することが実質的に不可能であって、次回の大当たりへの当選が保証されているため、できるだけ早く大当たりに当選することが好ましい。以上により、スーパーラッシュ状態をループする場合には、小当たりラッシュ状態により、できるだけ早く大当たりに当選したくない状況と、低確時短次回状態によりできるだけ早く大当たりに当選したい状況とを交互に繰り返すという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また本形態では、低確時短次回状態において、時短回数が10000回に設定されていて、且つ特図1の抽選で大当たりに当選したときに必ず(100%の振分率)で、小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に移行する。即ち、従来において、低確時短状態では、時短回数の上限が100回に定められていたため、低確時短状態から小当たりラッシュ状態への移行が保証されることはなかった。そこで本形態のように、低確時短状態での時短回数を10000回に設定することで、低確時短次回状態に移行すれば、小当たりラッシュ状態を必ず獲得できるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
ところで本形態では、上述したように、時短移行到達として、特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が900回に達すると、通常遊技状態から低確時短状態に移行することができる。この時短移行到達によって移行する低確時短状態では、時短回数が10000回に設定される。つまり、図15に示すように、遊技者が通常遊技状態にて時短移行到達を獲得すると、低確時短次回状態に移行する。低確時短次回状態では、上述したように、次回の大当たりへの当選が保証されていて、大当たり遊技後に必ず(100%の振分率で)高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行する。そして、高確非時短状態では、次回の大当たりへの当選が保証されていて、大当たり遊技後に80%の振分率で低確時短次回状態に移行する一方、20%の振分率で通常遊技状態に移行(転落)する。
こうして本形態では、通常遊技状態で、時短移行到達として、特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が900回に達すると、低確時短次回状態を介して、必ず高確非時短状態(ラッシュ状態)に移行することが可能である。従って、通常遊技状態で長い間、特別図柄の抽選で大当たりに当選しないほど、時短移行到達を獲得する可能性が高くなっていき、有利なラッシュ状態(高確非時短状態)への移行に近づいていくことになる。よって、時短移行到達を契機に、有利なラッシュ状態に移行できるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
特に本形態では、時短移行到達によって獲得できるラッシュ状態は、小当たりラッシュ状態である。こうして、通常遊技状態において、特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が多くなるほど(ハマればハマるほど)、小当たりラッシュ状態への移行に近づくという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
更に本形態では、時短移行到達によって低確時短次回状態に移行すると、図15に示すように、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)と低確時短次回状態とからなるスーパーラッシュ状態を、80%の確率(ループ率)で、ループさせることが可能である。よって、特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が多くなるほど(ハマればハマるほど)、スーパーラッシュ状態に移行する可能性が高くなるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また本形態では、図15に示すように、高確時短限定状態において、大当たりに当選する確率が高くなっていて(約1/50、図10(A)参照)、時短回数が150回に設定されている。従って、基本的には、150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選することが可能である。なお本形態において、150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選する確率は、約95.2%である。その一方で、150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選しない場合には、時短状態から非時短状態に移行するため、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行する。
こうして、高確時短限定状態においては、150回である時短状態を消化できれば、小当たりラッシュ状態に移行することができることになり、更にはスーパーラッシ状態を獲得できるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。なお本形態において、150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選しない確率、言い換えると、時短消化によって高確時短限定状態から高確非時短状態への移行確率は、約4.8%である。
更に、本形態では、図15に示すように、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまで、高確時短限定状態を3回繰り返すことになる。そのため、各々の高確時短限定状態において、150回である時短回数を消化できれば、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)及びスーパーラッシュ状態を獲得できることなる。従って、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまでにおいて、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)及びスーパーラッシュ状態への合算移行確率は、約4.8%+約4.8%+約4.8%=約14.4%である。こうして、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまでの各々の高確時短限定状態において、時短回数が消化されるのを積極的に期待させるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
以上本形態では、図15に示すように、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態も含む)への移行の仕方が、全部で3通りある。第1に、初当たり後の3回連続する高確時短限定状態を経て、リミッタ機能が作動して、低確時短限定状態において150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選する方法である。なお、150回である時短回数が消化するまでに、特図1の抽選で大当たりに当選する確率は、約39.4%に設定されている。よって、第1の方法で、スーパーラッシュ状態に移行できる確率は、約95.2%×約95.2%×約95.2%×約39.4%=約34%である。こうして、第1の方法では、最も移行し易いルートして、初当たり後に約34%の確率で、スーパーラッシュ状態に移行できる。
また第2に、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまでに3回繰り返される高確時短限定状態で、150回である時短回数を消化する方法である。よって、第2の方法では、2番目に移行し易いルートとして、スーパーラッシュ状態に移行できる確率(合算移行確率)は、上述したように、約14.4%である。
また第3に、通常遊技状態で、時短移行到達になる(特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が900回に達する)方法である。なお、特別図柄が大当たり図柄以外の図柄で停止表示した連続回数が900回になる確率は、約4.8%に設定されている。よって、第3の方法では、3番目に移行し易いルートして、スーパーラッシュ状態に移行できる確率は、約4.8%である。
こうして本形態では、様々な方法でスーパーラッシュ状態を獲得することができる。言い換えると、スーパーラッシュ状態を除く全ての遊技状態(通常遊技状態、3回の高確時短限定状態、低確時短限定状態)で、スーパーラッシュ状態に移行できるチャンスがある。従って、遊技者には、遊技中、どの遊技状態からでも、スーパーラッシュ状態を狙うことができるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
また本形態では、それぞれ異なる移行確率である3つの方法で、スーパーラッシュ状態を獲得することができる。よって、スーパーラッシュ状態への移行の難易度がそれぞれ異なることで、スーパーラッシュ状態への移行の仕方を飽きさせ難くすることが可能である。言い換えると、経験豊富な遊技者には、1番移行し難い時短移行到達によって、スーパーラッシュ状態を獲得したいという気持ちを掻き立てることが可能である。なお、スーパーラッシュ状態に移行できる合計移行確率は、約39.4%+約4.8%+約14.4=53.2%であり、従来のパチンコ遊技機におけるラッシュ状態への移行確率と同程度に設定されている。但し、上記した移行確率は、適宜変更可能であり、第1の方法による移行確率、又は第2の方法による移行確率を1番低くしたり、第2の方法による移行確率、又は第3の方法による移行確率を1番高くしても良い。
ここで本形態において、リミッタ機能が設けられている理由について説明する。先ず本形態では、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、高確率状態が次回の大当たりに当選するまで継続することを前提にしている。また、低確時短次回状態において、特図1の抽選で大当たりに当選すると、必ず(100%の振分率で)高確非時短状態に移行することを前提としている。よって、特図1の抽選で大当たりに当選した場合の高確率状態への移行確率を、100%にしている。
このようにした場合、通常遊技状態において、特図1の抽選で初当たり(大当たり)した場合、大当たり遊技後に100%の移行確率で高確率状態になると共に、その高確率状態は次回の大当たりに当選するまで継続することになる。ここで仮に、リミッタ機能が作動しないパチンコ遊技機として構成すると、初当たり後の特図1遊技では、常に高確率状態が維持されてしまい、高確率状態が終了する機会がない。そこで本形態では、初当たり後の特図1遊技で、高確率状態が終了する機会を設けるべく、リミッタ機能が作動するようにしている。
また本形態では、特図1の抽選で当選する大当たり(Vロング2R大当たり、図7参照)、特図2の抽選で当選する大当たり(Vショート時短2R大当たり、Vショート通常2R大当たり、図7参照)は、何れも2R大当たりである。2R大当たりによる大当たり遊技で獲得できる賞球数は、約240個に設定されている。これに対して、1回の小当たりラッシュ状態で獲得できる賞球数の平均(ベース)は、約240個よりも多くなるように(例えば600個)になるように設定されている。
以上により本形態では、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球数は非常に少なくて、基本的には、スーパーラッシュ状態の小当たりラッシュ状態で、より多くの賞球数を獲得するというゲーム性にしている。言い換えると、基本的に、大当たり遊技(特別遊技状態)で持ち球を増やすのではなく、小当たりラッシュ状態(及びスーパーラッシュ状態)で持ち球を増やしていく。よって、大当たり遊技を数多く実行させるというよりも、小当たりラッシュ状態を長く且つ数多くループさせるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
なお本形態では、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまで、Vロング2R大当たり(図7参照)による大当たり遊技が4回連続して行われる。このとき、4回のVロング2R大当たりによる大当たり遊技で獲得できる賞球数は、約240×4=約960個である。従って、遊技者は、初当たりした場合、約240×4=約960個の賞球数を必ず獲得することができる。こうして、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球数が非常に少なく設定しても、リミッタ機能により、4回の大当たり遊技の実行を保証することで、初当たりのときに遊技者に十分な賞球数を獲得させることが可能である。
次に、本形態のおける各遊技状態での演出について、図16に基づいて、説明する。図16(A)に示すように、通常遊技状態では、演出モードとして昼モードに設定されていて、表示画面7aでは昼モードに対応した演出が実行される。具体的に、表示画面50aには、昼を示す昼背景画像H1が表示されていて、昼背景画像H1により、遊技者に通常遊技状態(昼モード)であることを容易に把握させることが可能である。
また通常遊技状態では、表示画面50aの右下部に、「スーパーラッシュまで1/900」を示す通常残ラッシュ画像CXが表示される。通常残ラッシュ画像CXは、通常遊技状態からスーパーラッシュ状態(又は小当たりラッシュ状態)に移行するまでに必要な特別図柄の変動表示の回数を示唆するものである。言い換えれば、通常残ラッシュ画像CXは、時短移行到達を獲得するために大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示する連続回数を示唆するものである。従って、通常残ラッシュ画像CXでは、特別図柄の変動表示が実行される度に、分母「900」に対する分子の値がカウントアップされていく。こうして、通常残ラッシュ画像CXにより、遊技者には、あとどのくらい特別図柄が変動表示されれば、通常遊技状態からスーパーラッシュ状態に移行できるのかを容易に把握させることが可能である。なお、図16(A)では、表示画面50aの左上部に、「左打ち」の文字と左向きの矢印とを示す左打ち画像Laが表示されている。この左打ち画像Laは、通常遊技状態に移行してから所定時間(例えば15秒)だけ表示されるものであり、遊技者に右打ちから左打ちに戻すことを促すことが可能である。
図16(B)に示すように、高確時短限定状態では、演出モードとして夕方モードに設定されていて、表示画面7aでは夕方モードに対応した演出が実行される。具体的に、表示画面50aには、夕方を示す夕方背景画像H2が表示されていて、夕方背景画像H2により、遊技者に高確時短限定状態(夕方モード)であることを容易に把握させることが可能である。
また高確時短限定状態では、表示画面50aの右下部に、「スーパーラッシュまで1/150」を示す高確時短残ラッシュ画像CBが表示される。高確時短残ラッシュ画像CBは、高確時短限定状態からスーパーラッシュ状態(又は小当たりラッシュ状態)に移行するまでに必要な特別図柄の変動表示の回数を示唆するものである。言い換えれば、高確時短残ラッシュ画像CBは、高確時短限定状態において時短回数が消化されるまでに要する特別図柄の変動回数を示唆するものである。従って、高確時短残ラッシュ画像CBでは、特別図柄の変動表示が実行される度に、分母「150」に対する分子の値がカウントアップされていく。こうして、高確時短残ラッシュ画像CBにより、遊技者には、あとどのくらい特別図柄が変動表示されれば、高確時短限定状態からスーパーラッシュ状態に移行できるのかを容易に把握させることが可能である。
また高確時短限定状態では、表示画面50aの左下部に、「残チャンス3回」を示す時短消化チャンス回数画像CAを表示する。時短消化チャンス回数画像CAは、時短消化によってスーパーラッシュ状態への移行を獲得できる高確時短限定状態の回数を示唆するものである。言い換えれば、時短消化チャンス回数画像CAは、リミッタ機能が作動するまでに高確時短限定状態が残り何回設定されるのかを示唆するものである。
従って、初当たり後の1回目の高確時短限定状態であれば、「残チャンス3回」を示す時短消化チャンス回数画像CAが表示され、初当たり後の2回目の高確時短限定状態であれば、「残チャンス2回」を示す時短消化チャンス回数画像CAが表示され、初当たり後の3回目の高確時短限定状態であれば、「残チャンス1回」を示す時短消化チャンス回数画像CAが表示される。こうして、時短消化チャンス回数画像CAにより、遊技者には、時短回数の消化によりスーパーラッシュ状態を獲得できる高確時短限定状態が、残り何回続くのかを容易に把握させることが可能である。なお、図16(B)に示すように、高確時短限定状態では、表示画面50aの右上部に、「右打ち」の文字と右向きの矢印とを示す右打ち画像Raが表示されている。この右打ち画像Raの表示により、高確時短限定状態(夕方モード)において、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
図16(C)に示すように、低確時短限定状態では、演出モードとして夜モードに設定されていて、表示画面7aでは夜モードに対応した演出が実行される。具体的に、表示画面50aには、夜を示す夜背景画像H3が表示されていて、夜背景画像H3により、遊技者に低確時短限定状態(夜モード)であることを容易に把握させることが可能である。
また低確時短限定状態では、表示画面50aの右下部に、「残149回」を示す残時短回数示唆画像CDが表示される。残時短回数示唆画像CDは、時短回数が残り何回であるかを示唆するものである。言い換えれば、残時短回数示唆画像CDは、通常遊技状態に移行(転落)するまでの特別図柄の変動表示の回数を示唆するものである。従って、残時短回数示唆画像CDでは、特別図柄の変動表示が実行される度に、「残 回」の値がカウントダウンされていく。こうして、残時短回数示唆画像CDにより、遊技者には、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行するために、残り何回の特別図柄の変動回数で大当たりを引き当てなければならないかを容易に把握させることが可能である。
また低確時短限定状態では、表示画面50aの左下部に、「残チャンス0回」を示す時短消化チャンス終了画像CEを表示する。時短消化チャンス終了画像CEは、時短消化によってスーパーラッシュ状態への移行を獲得できる高確時短限定状態が終了してしまったことを示唆するものである。こうして、遊技者には、時短消化チャンス終了画像CEの表示により、リミッタ機能が作動してしまっていて、時短消化ではスーパーラッシュ状態への移行を獲得できないことを把握させることが可能である。なお、図16(C)に示すように、低確時短限定状態では、表示画面50aの右上部に、「右打ち」の文字と右向きの矢印とを示す右打ち画像Raが表示されている。この右打ち画像Raの表示により、低確時短限定状態(夜モード)において、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
図16(D)に示すように、高確非時短状態では、演出モードとして宇宙モードに設定されていて、表示画面7aでは宇宙モードに対応した演出が実行される。具体的に、表示画面50aには、宇宙を示す宇宙背景画像H4が表示されていて、宇宙背景画像H4により、遊技者に高確非時短状態(宇宙モード)であること、即ち小当たりラッシュ状態であることを容易に把握させることが可能である。なお、図16(D)に示すように、高確非時短状態では、表示画面50aの右上部に、「右打ち」の文字と右向きの矢印とを示す右打ち画像Raが表示されている。この右打ち画像Raの表示により、高確非時短状態(宇宙モード)において、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
また高確非時短状態では、表示画面50aの右下部に、「宇宙モード1回目」を示す宇宙モード回数画像UT1を表示する。宇宙モード回数画像UT1は、スーパーラッシュ状態に移行してから宇宙モード(小当たりラッシュ状態)が何回設定されているのかを示すものである。従って、宇宙モード回数画像UT1では、スーパーラッシュ状態がループしていて、宇宙モードが設定される度に、「宇宙モード 回目」の値がカウントアップされていく。こうして、宇宙モード回数画像UT1により、遊技者には、宇宙モード(小当たりラッシュ状態)が何回継続しているのかを容易に把握させことが可能である。
図16(E)に示すように、低確時短次回状態では、演出モードとして街モードに設定されていて、表示画面7aでは街モードに対応した演出が実行される。具体的に、表示画面50aには、街を示す街背景画像H5が表示されていて、街背景画像H5により、遊技者に低確時短次回状態(街モード)であることを容易に把握させることが可能である。なお、図16(E)に示すように、低確時短次回状態では、表示画面50aの右上部に、「右打ち」の文字と右向きの矢印とを示す右打ち画像Raが表示されている。この右打ち画像Raの表示により、低確時短次回状態(街モード)において、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
また低確時短次回状態では、表示画面50aの右下部に、「街モード1回目」を示す街モード回数画像MT1を表示する。街モード回数画像MT1は、スーパーラッシュ状態に移行してから街モード(低確時短次回状態)が何回設定されているのかを示すものである。従って、街モード回数画像MT1では、スーパーラッシュ状態がループしていて、街モードが設定される度に、「街モード 回目」の値がカウントアップされていく。こうして、街モード回数画像MT1により、遊技者には、街モード(低確時短次回状態)が何回継続しているのかを容易に把握させことが可能である。
ところで、従来においては、低確時短状態で時短回数が101回以上に設定されることはなかった。これに対して、本形態では、時短回数が101回以上に設定される低確時短状態として、低確時短限定状態と低確時短次回状態との2種類がある。そこで本形態では、上述したように、低確時短限定状態では夜モード(図16(C)参照)に設定して、低確時短次回状態では街モード(図16(E)参照)に設定して、低確時短限定状態と低確時短次回状態とで異なる演出モードに設定している。こうして、演出モード(具体的には背景画像)を異ならせることで、低確時短限定状態での遊技と、低確時短次回状態での遊技とが、全く異なる状況であることを遊技者に分かり易く示すことが可能である。
次に、スーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様について、図54に基づいて説明する。図15に示すように、低確時短限定状態にて、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選すると、スーパーラッシュ状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できることなる。そのため、この場合には、表示画面50aにて、演出図柄8が大当たり態様(ゾロ目)で停止表示した後や、Vロング2R大当たりによる大当たり遊技の終了時に(エンディング演出等に)、図54(A)に示すように、「スーパーラッシュ獲得」を示すスーパーラッシュ獲得画像SR1が表示される。
また図15に示すように、初当たり後の3回の高確時短限定状態の何れかで、時短消化になると、スーパーラッシュ状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できることなる。そのため、この場合には、表示画面50aにて、時短消化の契機となる演出図柄8が大当たり図柄以外の図柄で停止表示した後、図54(B)に示すように、「スーパーラッシュ到達」を示すスーパーラッシュ到達画像SR2が表示される。
また図15に示すように、通常遊技状態において、時短移行到達になると、スーパーラッシュ状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できることなる。そのため、この場合には、表示画面50aにて、時短移行到達の契機となる演出図柄8が大当たり図柄以外の図柄で停止表示した後、図54(C)に示すように、「スーパーラッシュ開始」を示すスーパーラッシュ開始画像SR3が表示される。
こうして本形態では、低確時短限定状態からスーパーラッシュ状態に移行する場合の演出態様(図54(A)参照)と、高確時短限定状態からスーパーラッシュ状態に移行する場合の演出態様(図54(B)参照)と、通常遊技状態からスーパーラッシュ状態に移行する場合の演出態様(図54(C)参照)と、をそれぞれ異ならせている。よって、遊技者には、どの遊技状態から(何を契機に)スーパーラッシュ状態に移行したのかを、それぞれ認識(区別)できるように示すことが可能である。
また本形態では、図15(A)(B)(C)に示すように、スーパーラッシュ状態に移行する場合、更にはスーパーラッシュ状態が繰り返される(ループする)場合、表示画面50aの下部に、「スーパーラッシュ1回目」を示すスーパーラッシュ回数画像SSが表示される。このスーパーラッシュ回数画像SSでは、スーパーラッシュ状態(高確非時短状態と低確非時短状態とで構成される遊技状態)がループする度に、「スーパーラッシュ 回目」の値がカウントアップされていく。こうして、スーパーラッシュ回数画像SSにより、遊技者には、小当たりラッシュ状態の回数とは別に、スーパーラッシュ状態が何回ループしているのかを容易に把握させることが可能である。
次に、スーパーラッシュ状態が継続する際の演出態様について、図55(A)に基づいて説明する。図15に示すように、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)にて、特図2の抽選でVショート時短2R大当たりに当選すると、通常遊技状態に移行しないで、低確時短次回状態に移行できることなる。そのため、この場合には、表示画面50aにて、演出図柄8が大当たり態様(ゾロ目)で停止表示した後、又はVショート時短2R大当たりに基づく大当たり演出中(ラウンド演出又はエンディング演出)に、図55(A)に示すように、「スーパーラッシュ継続」を示すスーパーラッシュ継続画像RKが表示される。こうして、スーパーラッシュ継続画像RKにより、遊技者には、スーパーラッシュ状態が終了しないで、継続できることを容易に把握させることが可能である。
続いて、小当たりラッシュ状態に移行する際の演出態様について、図55(B)に基づいて説明する。図15に示すように、低確時短次回状態にて、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選すると、大当たり遊技後に必ず小当たりラッシュ状態に移行する。そのため、この場合には、表示画面50aにて、Vロング2R大当たりによる大当たり遊技の終了時に(エンディング演出等に)、図55(B)に示すように、「小当たりラッシュ移行」を示す小当たりラッシュ移行画像KRが表示される。こうして、小当たりラッシュ移行画像KRにより、遊技者には、スーパーラッシュ状態での小当たりラッシュ状態に移行するのを容易に把握させることが可能である。
7.特別図柄の変動表示中に大当たり判定処理を実行する場合
次に、本パチンコ遊技機1において、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理を実行する場合について、図17及び図18に基づいて説明する。本パチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能である。つまり、所謂特図1と特図2の同時変動を実行し得るものである。
図17に示すように、一方の特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合を想定する。この場合、一方の特別図柄について、小当たりの当選に基づく変動表示(以下「小当たり変動表示」と呼ぶ)が開始される。そして、一方の特別図柄の小当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されることとする。このとき、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されないようにすることが可能である。即ち、一方の特別図柄の小当たり変動表示中には、他方の特別図柄の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。例えば、特図1の小当たり変動表示中に特図2の抽選が実行されても、特図2で大当たりと判定されることはない。但し、一方の特別図柄の小当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されるとき、その大当たり判定処理で小当たりであるかの判定は行われるようになっている。
そして、一方の特別図柄の小当たり変動表示が終了すれば、停止時間(確定時間)を経て、小当たり遊技が開始される。この小当たり遊技の開始タイミングで、他方の特別図柄の変動表示がなされていることとする。この場合、小当たり遊技の実行時間だけ、他方の特別図柄の変動表示を延長するようにしている。例えば、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技の開始タイミングで、特図2の変動表示が実行されていることとする。この場合、特図2の変動時間の計測を、小当たり遊技の実行開始とともに一時的に中断して、小当たり遊技の実行終了とともに再開する。従って一方の特別図柄に基づく小当たり遊技の実行開始では、他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了させないようにしている。
また本形態において、図18に示すように、一方の特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合を想定する。この場合、一方の特別図柄について、大当たりの当選に基づく変動表示(以下「大当たり変動表示」と呼ぶ)が開始される。そして、一方の特別図柄の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されることとする。このとき、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されることはない。更に小当たりと判定されることもない。従ってハズレと判定されるようにしている。例えば、特図1の大当たり変動表示中に特図2の大当たり判定処理が実行されると、特図2で必ずハズレと判定されることになる。
そして、一方の特別図柄の大当たり変動が終了すれば、停止時間を経て、大当たり遊技が開始される。この大当たり遊技の開始タイミングで、他方の特別図柄の変動表示がなされていることとする。この場合、他方の特別図柄は、大当たり遊技の開始タイミングで強制的に変動表示を終了して、ハズレ図柄で停止表示するようになっている。例えば、特図1の大当たり当選に基づく大当たり遊技の開始タイミングで、特図2の変動表示が実行中であっても、特図2がハズレ図柄で強制的に停止表示することになる。このようにして本形態では、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36の両方が同時に作動する場合が生じないようにすることが可能である。
8.通常遊技状態での右打ち対策
本形態では、高確非時短状態にて右打ちで特図2の抽選を行わせるべく、第2流路R2に第3始動口25を比較的入球し易いように配置している。しかしながら、第3始動口25を配したことで、遊技者が通常遊技状態(低確非時状態)から右打ちを行って、第3始動口25への入球を狙うおそれがある。つまり通常遊技状態で遊技者が左打ちを行わず、意図しない遊技が行われるおそれがある。そこで以下のように、通常遊技状態での右打ち対策を行っている。
即ち、通常遊技状態で右打ちされた遊技球は、第2流路R2を流下して、電チュー22(第2始動口21)に入球しないで、第3始動口25へ入球する。そして、第3始動口25への入球に基づいて、第2特別図柄が変動表示を開始することになる。ここで、図11に示すように、通常遊技状態における第2特別図柄の変動時間は、大当たり、小当たり、又はハズレの何れの判定結果であっても、「60000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、通常遊技状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、通常遊技状態での専用の特図変動パターン判定テーブルを備えている。従って、通常遊技状態で遊技者が右打ちを行って、遊技球を第3始動口25に入球させても、第2特別図柄が10分間、変動表示し続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い時間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちしても、遊技者に不当な利益を与えないようにすることが可能で
9.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図19~図47に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図19に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図20に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図13参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図19の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器43をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図19参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図21に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄の変動表示中又は電チュー22の作動中(補助遊技の実行中)であるか否かを判定する(S202)。判定結果がYESであれば(S202でYES)、本パチンコ遊技機1は普図保留が生じないものであるため、ステップS203をパスして、ステップS204に進む。一方、判定結果がNOであれば、普図関係乱数取得処理を行う(S203)。普図関係乱数取得処理(S203)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図9(B)参照)、及び普図変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-J1)を取得し、それら取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
ステップS204では、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S204)。第1始動口20又は第2始動口21の何れにも遊技球が入賞していない場合には(S204でNO)ステップS208に進むが、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S204でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S205)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S205でYES)、ステップS208に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S205でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S206)。
続いて特図1関係乱数取得処理を行う(S207)。特図1関係乱数取得処理(S207)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第3始動口25に遊技球が入賞したか否か、即ち、第3始動口センサ25aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第3始動口25に遊技球が入賞していない場合には(S208でNO)本処理を終えるが、第3始動口25に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第2上限数)に達しているか否かを判定する(S209)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S209でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S209でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S211)。特図2関係乱数取得処理(S211)では、特図1関係乱数取得処理(S207)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図20参照)。図22に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態と当たり判定の結果とに応じて、普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図23に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図23に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41(主に第1特別図柄表示器41a)および大入賞装置(第1大入賞装置31,第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006でNO、S1008でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1009)、「第1特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1002,S1004,S1006,S1008で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1010)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図24に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図24に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特別図柄表示器41(主に第2特別図柄表示器41b)および大入賞装置(第1大入賞装置31,第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第1特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第1特別動作ステータスが「5」であれば(S1101でYES)、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図25に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1204)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1205)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理を実行する(S1206)。特図1変動開始処理(S1206)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特別図柄表示器41a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1206)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図26に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部85aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図30のステップS1606参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1305)及び小当たりの当否判定(S1309)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1312)、処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には図18に示すように、特図2の大当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、続いて第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。第2小当たりフラグは、後述する特図2の抽選において小当たりと判定されたことを示すフラグである(図30のステップS1610参照)。この第2小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1305)。これに対して、第2小当たりフラグがONであれば(S1304でYES)、ステップ1305の大当たりの当否判定をパスして、ステップS1309に進む。こうして、特図2の抽選で小当たりと判定されている状況では、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。具体的には図17に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、大当たりと判定されないことを意味している。
ステップS1305の大当たりの当否判定においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1305でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1306)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1307)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1308)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1305でNO)、ステップS1309に進む。
ステップS1309の小当たりの当否判定においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1309でYES)、第1小当たりフラグをONする(S1310)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(17H)をセットして(S1311)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1309でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1312)、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図27及び図28に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図27に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、第1小当たりフラグがONか否かを判定する(S1404)。ONであれば(S1404でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1404において、第1小当たりフラグがONでなければ(S1404でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1407)。なお図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「5」であり、非時短状態であれば「0」~「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも小当たり変動表示中の変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1408)。Nなおリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図28に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402~S1408と同様の流れで処理(S1409~S1415)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1409でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1410)。
また第1小当たりフラグがONであれば(S1411でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1412)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1413でYES)、時短状態中リーチ有りテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1414)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1413でNO)、時短状態中リーチ無しテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1415)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図27に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1416)、本処理を終える。ステップS1416でセットした特図変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1206でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチには、弱SPリーチと強SPリーチとがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり期待度が異なっている。具体的には、弱SPリーチよりも強SPリーチの方が大当たり期待度が高くなっている。つまり本パチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ、弱SPリーチ、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなるように各種の特図変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図29に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1504)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1505)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理を実行する(S1506)。特図2変動開始処理(S1506)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特別図柄表示器41b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1506)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図30に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部85bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図26のステップS1306参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1605)及び小当たりの当否判定(S1609)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1612)、処理を終える。これにより図16に示すように、特図1の大当たり変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて第1小当たりフラグがONか否かを判定する(S1604)。第1小当たりフラグは、上述した特図1の抽選において小当たりと判定されたことを示すフラグである(図26のステップS1310参照)。この第1小当たりフラグがONでなければ(S1604でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1605)。これに対して、第1小当たりフラグがONであれば(S1604でYES)、ステップ1605の大当たりの当否判定をパスして、ステップS1609に進む。こうして、特図1の抽選で小当たりと判定されている状況では、特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。具体的には図17に示すように、特図1の小当たり変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、大当たりと判定されないことを意味している。
ステップS1605の大当たりの当否判定においては、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1605でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1606)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1607)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1608)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1605でNO)、ステップS1609に進む。
ステップS1609の小当たりの当否判定においては、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1609でYES)、第2小当たりフラグをONする(S1610)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(24H)をセットして(S1611)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1609でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1612)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図31~図33に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図31に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(確変フラグがONか否か)を判定する(S1702)。高確率状態なければ(S1702でNO)、通常遊技状態であることになり、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、通常遊技状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ通常遊技状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES) 、通常遊技状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ通常遊技状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1706)。
一方、第2小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、通常遊技状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ通常遊技状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1707)。本形態において、通常遊技状態にて選択される特図2の変動パターンの変動時間は、図11に示すように60000msという極めて長い時間に設定される。これは上述したように、通常遊技状態において右打ちを行って、第3始動口25への入球によって不当な利益を得るのを防止するためである。
またステップS1702において、遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S1702でYES)には、高確非時短状態であることになり、図32に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを高確非時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち高確非時短状態に該当する部分)にする。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1709)。
また第2小当たりフラグがONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1711)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1710でYES)、高確非時短状態中リーチ有りテーブル(図11の特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1713)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1710でNO)、高確非時短状態中リーチ無しテーブル(図11の特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1714)。
また図31に示すステップS1701において、遊技状態が時短状態(高確時短限定状態、高確時短次回状態、低確時短状態)であると判定した場合(S1701でYES)には、図33に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1716)。
また第2小当たりフラグがONであれば(S1717でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1718)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1720)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1721)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図31に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした特図変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1506でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[第1特別図柄変動中処理]図34に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特別図柄表示器41aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、図17で説明したように、特図1の小当たり変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図23に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図34に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図46のステップS2912参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図34に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の小当たり変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の小当たり変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図35に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特別図柄表示器41bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
本形態では、図17で説明したように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第1特別動作ステータスが「5」になることで、図24に示すステップS1101でYESと判定されることになる。これにより、第2特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第2特別図柄変動中処理(S1105)が実行されない。つまり、図35に示すステップS1901で、特図2変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図1の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第1特別動作ステータスが「1」になる(図46のステップS2912参照)。その結果、第2特別図柄変動中処理(S1105)が再開され、図35に示すステップS1901で、特図2変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図2の小当たり変動表示中に特図1の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図2の小当たり変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第1特別図柄確定処理]図36に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S2102)。
次に、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2103)。第1大当たりフラグがONであれば(S2103でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2104)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2105)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2106)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2107)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2108)。
ステップS2108に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2109)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2103において第1大当たりフラグがONでなければ(S2103でNO)、第1小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2110)。第1小当たりフラグがONであれば(S2110でYES)、第1特別動作ステータスを「5」にセットする(S2111)。そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2112)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2113)、本処理を終える。
また、第1大当たりフラグ及び第1小当たりフラグが共にONでなければ(S2103及びS2110で共にNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2114)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図37に示すように、遊技状態管理処理(S2102)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2201)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2202)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2203)。「0」であれば(S2203でYES)、確変フラグをOFFする(S2204)。ステップS2201又はS2203の判定結果がNOであれば、ステップS2205に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2205)。ONであれば(S2205でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2206)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2207)。「0」であれば(S2207でYES)、時短フラグをOFFする(S2208)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2205又はS2207の判定結果がNOであれば、図38に示すステップS2209に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「150」又は「10000」にセットされるようになっている。
図38に示すように、ステップS2209では、通常遊技状態であるか否かを判定する。即ち、時短フラグがOFFであると共に確変フラグがOFFであるか否かを判定する。通常遊技状態でなければ(S2209でNO)、ステップS2215に進む。一方、通常遊技状態であれば(S2209でYES)、時短移行到達カウンタの値を「1」だけ加算して(S2210)、ステップS2211に進む。時短移行到達カウンタは、時短移行到達になるまでの特別図柄の変動表示の回数(変動回数)をカウントするものである。ステップS2211では、時短移行到達カウンタの値が「900」であるか否かを判定する。「900」でなければ(S2211でNO)、時短移行到達ではないため、ステップS2215に進む。
一方、時短移行到達カウンタの値が「900」であれば(S2211でYES)、時短フラグをONにして、時短カウンタの値に「10000」をセットする。これにより、低確時短次回状態になる。そして、時短移行到達カウンタの値に「0」をセットして、ステップS2215に進む。ステップS2215において、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短移行到達カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2105)は、図17で説明したように、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図39に示すように、特図2強制停止処理(S2105)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図2変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特別図柄表示器41bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2304)を行うとともに、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2305)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2304)は、図37及び図38に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[遊技状態リセット処理]図40に示すように、遊技状態リセット処理(S2106)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして時短移行到達カウンタの値に「0」をセットして(S2405)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図41に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、遊技状態管理処理を行う(S2502)。遊技状態管理処理(S2502)は、図37及び図38に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
次に、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2503)。第2大当たりフラグがONであれば(S2503でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2504)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2505)、遊技状態リセット処理を行う(S2506)。遊技状態リセット処理(S2506)は、図40に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2507)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2508)。
ステップS2508に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2509)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2503において第2大当たりフラグがONでなければ(S2503でNO)、第2小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2510)。第2小当たりフラグがONであれば(S2510でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2511)。そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2512)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2513)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び第2小当たりフラグが共にONでなければ(S2503及びS2510で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2514)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2505)は、図16で説明したように、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図42に示すように、特図1強制停止処理(S2505)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特別図柄表示器41aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2604)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2605)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2604)は、図37及び図38に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図43に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域39への通過が可能な1R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。1R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、1R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの1R目における第1大入賞口30の開放中及び第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図47)参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を含めているのは、第1大入賞口30の閉塞直前に第1大入賞口30へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図44及び図45参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30)を開放させる。なお、振分部材71は、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第1ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材32が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第1ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞することがほぼできないように開閉部材32が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第1大入賞口30に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材32の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2707での第1大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口30の開放中であれば、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2716)。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2720)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2720)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図24に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図23に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2719)は、上述した各種の大当たり(図7参照)の当選に基づく大当たり遊技の終了後に、遊技状態を高確時短限定状態、低確時短限定状態、高確非時短状態、低確時短次回状態、通常遊技状態に制御するための処理である。図44に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、特図1の抽選で大当たりに当選したか否か、つまり第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S2801)。
特図1の抽選で大当たりに当選していれば(S2801でYES)、次に、当選時の遊技状態が低確非時短状態(通常遊技状態)であるか否かを判定する(S2802)。低確非時短状態でなければ(S2802でNO)、高確時短状態、高確非時短状態、低確時短状態であることになり、ステップS2803に進む。ステップS2803では、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する。ONであれば(S2803でYES)、確変フラグをONするとともに(S2804)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2805)。確変カウンタに「10000」がセットされると、実質的に次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が続くことを意味する。なお確変カウンタをONにする際に(S2804)、VフラグをOFFにする。
続いて、リミッタカウンタの値を「1」だけ加算して(S2806)、リミッタカウンタの値が「4」であるか否かを判定する(S2807)。リミッタカウンタは、高確率状態に制御される連続回数をカウントするものである。リミッタカウンタの値が「4」であれば(S2807でYES)、リミッタ機能が作動することになり、確変フラグをOFFにする(S2808)。続いて、確変カウンタの値及びリミッタカウンタの値を「0」にリセットして(S2809)、ステップS2810に進む。一方、リミッタカウンタの値が「4」でなければ(S2807でNO)、リミッタ機能が作動しないことになり、ステップS2810に進む。ステップS2810では、時短フラグをONにして、時短カウンタの値に「150」をセットして(S2811)、ステップS2844に進む。こうして、高確時短状態において、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選した場合であって、リミッタ機能が作動しない場合には、基本的に、大当たり遊技後に高確時短限定状態に制御されることになる。一方、高確時短状態において、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選した場合であって、リミッタ機能が作動する場合には、基本的に、大当たり遊技後に低確時短限定状態に制御されることになる。
ステップS2803において、VフラグがONでなければ、イレギュラーな場合であることなり、ステップS2812に進む。ステップS2812では、リミッタカウンタの値を「0」にリセットして、ステップS2844に進む。
ステップS2802において、当選時の遊技状態が低確非時短状態(通常遊技状態)であれば(S2802でYES)、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2813)。ONであれば(S2813でYES)、確変フラグをONするとともに(S2814)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2815)。なお確変カウンタをONにする際に(S2805)、VフラグをOFFにする。
続いて、リミッタカウンタの値を「1」だけ加算して(S2816)、リミッタカウンタの値が「4」であるか否かを判定する(S2817)。リミッタカウンタの値が「4」であれば(S2817でYES)、リミッタ機能が作動することになり、確変フラグをOFFにする(S2818)。続いて、確変カウンタの値及びリミッタカウンタの値を「0」にリセットして(S2819)、ステップS2820に進む。一方、リミッタカウンタの値が「4」でなければ(S2817でNO)、リミッタ機能が作動しないことになり、ステップS2820に進む。ステップS2820では、時短フラグをONにして、時短カウンタの値に「150」をセットして(S2821)、ステップS2844に進む。こうして、通常遊技状態において、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選した場合(初当たりの場合)には、基本的に、大当たり遊技後に高確時短限定状態に制御されることになる。
ステップS2803において、VフラグがONでなければ、イレギュラーな場合であることなり、ステップS2822に進む。ステップS2822では、リミッタカウンタの値を「0」にリセットして、ステップS2844に進む。
またステップS2801において、特図1の抽選で大当たりに当選していなければ(S2801でNO)、特図2の抽選で大当たりに当選していることになり、図45に示すステップS2823に進む。ステップS2823では、特図2の抽選で当選した大当たりの種別が、Vショート時短2R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する。Vショート時短2R大当たりであれば(S2823でYES)、続いて、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2824)。ONであれば(S2824でYES)、イレギュラーな場合であることになり、確変フラグをONするとともに(S2825)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2826)。なお確変カウンタをONにする際に(S2825)、VフラグをOFFにする。
続いて、リミッタカウンタの値を「1」だけ加算して(S2827)、リミッタカウンタの値が「4」であるか否かを判定する(S2828)。リミッタカウンタの値が「4」であれば(S2828でYES)、リミッタ機能が作動することになり、確変フラグをOFFにする(S2829)。続いて、確変カウンタの値をリセットし(S2830)、リミッタカウンタの値を「0」にリセットして(S2831)、図44に示すステップS2844に進む。一方、リミッタカウンタの値が「4」でなければ(S2828でNO)、リミッタ機能が作動しないことになり、図44に示すステップS2844に進む。
またステップS2824において、VフラグがONでなければ(S2824)、リミッタカウンタの値を「0」にリセットする(S2832)。続いて、時短フラグをONにして(S2833)、時短カウンタの値に「10000」をセットして(S2834)、図44に示すステップS2844に進む。こうして、特図2の抽選でVショート時短2R大当たりに当選した場合には、基本的に、大当たり遊技後に低確時短次回状態に制御されることになる。
またステップS2823において、特図2の抽選で当選した大当たりの種別が、Vショート時短2R大当たり(図7参照)でなければ(S2823でNO)、Vショート通常2R大当たり(図7参照)であることになり、ステップS2835に進む。ステップS2835では、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する。ONであれば(S2835でYES)、イレギュラーな場合であることになり、確変フラグをONするとともに(S2836)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2837)。なお確変カウンタをONにする際に(S2837)、VフラグをOFFにする。
続いて、リミッタカウンタの値を「1」だけ加算して(S2838)、リミッタカウンタの値が「4」であるか否かを判定する(S2839)。リミッタカウンタの値が「4」であれば(S2839でYES)、リミッタ機能が作動することになり、確変フラグをOFFにする(S2840)。続いて、確変カウンタの値をリセットし(S2841)、リミッタカウンタの値を「0」にリセットして(S2842)、図44に示すステップS2844に進む。一方、リミッタカウンタの値が「4」でなければ(S2839でNO)、リミッタ機能が作動しないことになり、図44に示すステップS2844に進む。
またステップS2835において、VフラグがONでなければ(S2835でNO)、リミッタカウンタの値を「0」にリセットして(S2843)、図44に示すステップS2844に進む。こうして、特図2の抽選でVショート通常2R大当たりに当選した場合には、基本的に、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されることになる。
図44に示すステップS2844では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値、リミッタカウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1010)と、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1110)とをまとめて説明する。図46に示すように、特別電動役物処理2(S1010又はS1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口35の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置36内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置36外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。そして、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第1小当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第2小当たりフラグをOFFする(S2911)。また、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図24に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図23に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、第1特別動作処理(S106)及び第2特別動作処理(S107)に次いで、特定領域センサ検出処理を行う(S108)。特定領域センサ検出処理(S108)では、図47に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図3(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONして(S3003)、本処理を終える。
10.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図48~図53に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図48に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図49に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)処理を終え、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図50に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図14参照)やセレクトボタン検出スイッチ64a(図14参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動モータ15aの駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図51に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図52に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。モードステータス設定処理(S4402)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。具体的に、モードステータスの値は、通常遊技状態であれば「1」に設定され、高確時短限定状態であれば「2」に設定され、低確時短限定状態であれば「3」に設定され、高確非時短状態であれば「4」に設定され、低確時短次回状態であれば「5」に設定される。こうして演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドに基づいて、現時点での遊技状態を把握することが可能である。また遊技状態指定コマンドには、確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短移行到達カウンタの値の情報が含まれている。そのため、演出制御用マイコン91は、これら確変カウンタの値時短カウンタの値、時短移行到達カウンタの値の情報に基づいて、時短回数が消化されるまでに要する特別図柄の変動回数や、時短移行到達になるまでに要する特別図柄の変動回数を把握できるようになっている。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[変動演出開始処理]図53に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4701)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図26及び図30参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4702)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4703)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動パターンの情報、モードステータスの値、確変カウンタ又は時短カウンタの情報に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択するための変動演出パターン選択処理を実行する(S4704)。こうして、変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
そして予告演出選択処理を実行する(S4706)。予告演出選択処理(S4506)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4706)、本処理を終える。ステップS4706でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
11.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、図15に示すように、低確時短次回状態で、特図1の抽選により大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に、実質的に(イレギュラーな場合でない限り)必ず高確非時短状態に移行する。そして、高確非時短状態で、特図2の抽選で大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に80%の振分率(確率)で、低確時短次回状態に再び移行する。以後、同様に低確時短次回状態で大当たりに当選すれば、高確非時短状態に移行して、高確非時短状態で大当たりに当選すれば、80%の振分率で低確時短次回状態に移行することを繰り返すことが可能である。こうして、低確時短次回状態と高確非時短状態とを1つの複合遊技状態(スーパーラッシュ状態)とみなして、この複合遊技状態を80%の確率でループさせるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、低確時短次回状態で設定される時短回数は、大当たり判定確率(約1/300、図10(A)参照)の分母の値(300)の値の10倍以上である10000回である。従って、低確時短次回状態では、時短回数を消化することは実質的に不可能であり、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されている。従って、低確時短状態から高確非時短状態へ確実に移行させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、低確時短次回状態では、時短状態により特別図柄の変動表示が頻繁に(短い変動時間で)実行され易い。一方、高確非時短状態では、高確率状態により大当たりに当選し易い。こうして、時短状態を含む低確時短次回状態と、高確率状態を含む高確非時短状態と、で構成される複合遊技状態(スーパーラッシュ状態)を80%の確率でループさせるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技者は、時短状態を含む低確非時短状態では、できるだけ早く大当たりに当選して、小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)に早く移行することを希望する。一方、小当たりラッシュ状態では、できるだけ大当たりに当選しないで、多く小当たりに当選することを希望する。従って、早く大当たりに当選することを期待させる低確時短次回状態と、早く大当たりに当選しないことを期待させる小当たりラッシュ状態とを繰り返すという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図15に示すように、通常遊技状態で特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が900回になると、時短移行到達として、低確時短次回状態に移行することができる。そして低確時短次回状態で、特図1の抽選で大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に必ず高確非時短状態に移行する。従って、通常遊技状態で大当たりに当選しない回数が多くなるほど、低確時短次回状態を経て、最も有利な高確非時短状態への移行に近づくという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短移行到達によって移行する低確時短次回状態では、時短回数が、大当たり判定確率(約1/300、図10(A)参照)の分母の値(300)の値の10倍以上である10000回に設定される。従って、低確時短次回状態では、時短回数を消化することは実質的に不可能であり、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されている。以上により、通常遊技状態で特別図柄が大当たり図柄以外の図柄で停止表示した連続回数が900回になることを契機に、低確時短次回状態を経て、高確非時短状態へ確実に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態で特別図柄が大当たり図柄以外の図柄で停止表示した連続回数が900回になると、低確時短次回状態に移行することができる。そして低確時短次回状態で大当たりに当選すれば、必ず小当たりラッシュ状態に移行することができる。よって、従来にはない移行の仕方で(時短移行到達⇒低確時短次回状態⇒小当たりラッシュ状態)、小当たりラッシュ状態を獲得することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図15に示すように、時短状態を含む低確時短次回状態にて、特図1の抽選で大当たりに当選すると、大当たり遊技後に、必ず小当たりラッシュ状態に移行する。即ち、従来のパチンコ遊技機では、時短状態を含む遊技状態で大当たりに当選した場合、小当たりラッシュ状態に移行する場合があっても、必ず(100%の振分率で)小当たりラッシュ状態に移行するものは存在していなかった。従って本形態では、遊技者に対して、低確時短次回状態であるときに、大当たりに当選することを強く期待させることができて(小当たりラッシュ状態を確実に且つ早く獲得したいという気持ちを掻き立てて)、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、上述したように、低確時短次回状態で設定される時短回数は、大当たり判定確率(約1/300、図10(A)参照)の分母の値(300)の値の10倍以上である10000回である。そのため、低確時短次回状態では、時短回数を消化することは実質的に不可能であり、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されている。従って、低確時短次回状態から小当たりラッシュ状態へ確実に移行させることが可能である。以上により、低確時短次回状態に移行すれば、確実に小当たりラッシュ状態に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
12.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、図15に示すように、第3遊技状態である高確非時短状態と、第2遊技状態である低確時短次回状態と、を1つのスーパーラッシュ状態(複合遊技状態)とみなして、スーパーラッシュ状態を所定確率(80%)でループさせた。しかしながら、第3遊技状態と第2遊技状態との関係は、高確非時短状態と低確時短次回状態とに限られるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、高確時短状態と低確時短状態とを、第3遊技状態と第2遊技状態としても良い。この場合、パチンコ遊技機を、高確率状態に制御されてから特別図柄の変動表示が一定回数実行されると、通常確率状態に移行するST機として構成しても良い。そのようにした場合、高確時短状態(所謂ST状態)にて、特別図柄の変動表示が一定回数実行されると、通常遊技状態(第3遊技状態)に移行してしまう。そこで、特別図柄の変動表示が一定回数実行されるまでの間に特別図柄の抽選で大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に、低確時短次回状態(第2遊技状態)に移行させるようにする。この場合には、高確時短状態(ST状態)に移行すれば、所定確率(=ST継続率)で低確時短次回状態に移行することになり、低確時短次回状態に移行すれば必ず(イレギュラーな場合を除き)高確時短状態に移行することができ、スーパーラッシュ状態を所定確率でループさせることが可能である。
また例えば、高確時短状態と高確非時短状態とを、第3遊技状態と第2遊技状態としても良い。この場合、高確時短状態を、上述したようにST状態としても良い。また例えば、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)と高確時短状態とを、第3遊技状態と第2遊技状態としても良い。
上記形態では、第1遊技状態を通常遊技状態(低確非時短状態)としたが、第1遊技状態が第2遊技状態よりも不利な遊技状態であれば、通常遊技状態に限られず、適宜変更可能である。
上記形態では、第2遊技状態と第3遊技状態とからなるスーパーラッシュ状態(複合遊技状態)を、80%の確率(ループ率、所定確率)でループさせた。しかしながら、スーパーラッシュ状態は、80%以外の所定確率でループさせても良い。但し、極めて有利なスーパーラッシュ状態をループさせるという観点から、ループさせる所定確率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であれば更に好ましく、80%以上であれば非常に好ましい。
上記形態では、時短状態を含む低確時短次回状態(特定遊技状態)で、大当たりに当選すると、大当たり遊技後に必ず、小当たりラッシュ状態(小当たり入球容易状態)に制御された。しかしながら、時短状態を含む高確時短状態(特定遊技状態)で、大当たりに当選すると、大当たり遊技後に必ず、小当たりラッシュ状態(小当たり入球容易状態)に制御されるようにしても良い。
上記形態では、高確非時短状態(第3遊技状態)を、通常遊技状態よりも小当たりへの当選により遊技球が第2大入賞口35に入賞し易い小当たりラッシュ状態(小当たり入球容易状態)とした。しかしながら、高確非時短状態は、小当たりラッシュ状態でなくても良い。この場合、高確非時短状態を第3遊技状態とした場合、第2遊技状態(高確時短状態や低確時短状態)よりも、遊技者に付与する特典が多くなるようにすれば良い。つまり、高確非時短状態で大当たりに当選した場合には、第2遊技状態で大当たりに当選した場合よりも、賞球数(ラウンド数)が多い大当たり遊技が実行され易くなるようにしたり、大当たり後に有利な遊技状態(例えば時短回数が多い時短状態)に移行し易いように構成しても良い。
上記形態では、図15に示すように、低確時短次回状態(第2遊技状態、特定遊技状態)では、時短回数が10000回(所定回数)に設定されて、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されるようになっていた。しかしながら、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されないように、時短回数が、大当たり確率(1/300)の分母の値の10倍未満に設定される低確時短状態(低確時短限定状態)としても良い。但し、低確時短状態(第2遊技状態、特定遊技状態)から、より有利な第3遊技状態(小当たり入球容易状態)に移行できるチャンスができるだけ多くなるように(できるだけ次回の大当たりへの当選が保証され易くなるように)、時短回数は101回(所定回数)以上であることが好ましい。なお低確時短状態(第2遊技状態、特定遊技状態)での時短回数は、100回以下であっても良い。
上記形態では、通常遊技状態(第1遊技状態)で特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数が900回になると、時短移行到達として、低確時短次回状態に移行できるようにした。しかしながら、時短移行到達になるための上記した連続回数は、900回に限られるものではなく、適宜変更可能である。但し、通常遊技状態から低確時短状態に容易に移行できないように、時短移行到達になるための上記した連続回数は、通常遊技状態での大当たり判定確率(1/300)の分母の値の2.5倍から3倍までの範囲であることが好ましい。なお、特別図柄が、大当たり図柄及び小当たり図柄の両方を除いたハズレ図柄で停止表示した連続回数が900回になると、時短移行到達になるようにしても良い。
上記形態では、時短移行到達になるために特別図柄が大当たり図柄以外の図柄(ハズレ図柄又は小当たり図柄)で停止表示した連続回数(以下「時短移行到達回数」と呼ぶ)は、大当たり図柄の種別に依存することなく、1種類(本形態では「900回」)に定められていた。しかしながら、時短移行到達回数は、停止表示した大当たり図柄の種別に依存して、異なる時短移行到達回数が設定される場合があるようにしても良い。
例えば、第1大当たり図柄が停止表示された場合には、時短移行到達回数を第1設定回数(例えば900回)に設定し、第2大当たり図柄が停止表示された場合には、時短移行到達回数を第1設定回数よりも少ない第2設定回数(例えば800回)に設定する。こうして、第2大当たり図柄が停止表示された場合には、第1大当たり図柄が停止表示される場合よりも、早く時短移行到達になり易く、低確時短次回状態を経て、スーパーラッシュ状態又は小当たりラッシュ状態に移行し易くなる。よって、遊技者には、第1大当たり図柄よりも、スーパーラッシュ状態又は小当たりラッシュ状態に移行し易い第2大当たり図柄に当選するのを期待させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。また上記した場合において、遊技者には、遊技中に時短移行到達回数を容易に把握できないようにして、演出制御用マイコン91が、遊技中に演出手段(表示画面7等)を用いて、時短移行到達回数を示唆する回数示唆演出を実行するようにしても良い。こうして、回数示唆演出により、遊技者には、遊技中にどのくらいの時短移行到達回数なのかに大きな関心を抱かせることが可能である。
上記形態では、図15に示すように、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が3回に制限されるリミッタ機能が設けられていた。しかしながら、リミッタ機能によって、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が3回に限られるものではなく、1回、2回、或いは4回以上であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、図15に示すように、リミッタ機能では、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が、3回という1種類だけであった。しかしながら、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が、第1回数(例えば2回)と第2回数(例えば4回)という2種類設けられているようにしても良い。この場合、大当たり図柄の種類によって、第1回数と第2回数とが異なるようにすれば良い。このようにすることで、当選した大当たり図柄の種類によって、初当たりからリミッタ機能が作動するまでの高確時短限定状態の回数が異なることになる(図15参照)。その結果、時短消化により、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行できる高確時短限定状態の回数(チャンス)が異なってきて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。つまり、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が多いほど、時短消化により、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行できる可能性が高くなるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。なお、リミッタ機能として、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が、3種類以上設けられているようにしても良い。
上記形態では、時短移行到達によって、大当たり遊技を経ないで、低確時短状態(低確次回状態)に移行できるようにした。しかしながら、特別図柄の抽選で特別ハズレ図柄を引くことで、大当たり遊技を経ないで、低確時短状態に移行できるようにしても良い。即ち、特別図柄の抽選で引くハズレ図柄には、通常ハズレ図柄(通常ハズレ態様)と、特別図柄ハズレ図柄(特別ハズレ態様)と、を設ける。そして通常遊技状態において、特別図柄が変動表示を経て、通常ハズレ図柄で停止表示しても、従来と同様に、遊技状態が変わることがない。しかしながら、通常遊技状態において、特別図柄が変動表示を経て、特別ハズレ図柄で停止表示すると、大当たり遊技を経ないで、低確時短状態に移行できるようにする。こうして、特別図柄の抽選で特別ハズレ図柄を引くと低確時短次回状態に移行できる点を、本実施形態に適用すると、時短移行到達によって低確時短次回状態に移行できる場合と同様、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。即ち、通常遊技状態において、特別図柄の抽選で特別ハズレ図柄を引くと、低確時短次回状態を介して、スーパーラッシュ状態や小当たりラッシュ状態に移行することができ、斬新なゲーム性を提供することが可能である。
ここで、特別図柄の抽選で特別ハズレ図柄を引く確率は、大当たり判定確率(約1/300)よりも低い確率(例えば1/1000)であると良い。この場合には、特別ハズレ図柄を引き当てることが極めて難しく、遊技者に過剰な利益を与えないことが可能である。その一方で、特別図柄の抽選で特別ハズレ図柄を引く確率は、大当たり判定確率(約1/300)よりも高い確率(例えば1/200)であっても良い。この場合には、特別図柄の抽選で大当たりを引く場合よりも、特別ハズレを引く場合の方が、遊技者にとって有利であるという斬新なゲームを提供することが可能である。
上記形態では、高確時短限定状態において、時短回数が150回に設定されるようにした。しかしながら、高確時短限定状態で設定される時短回数は、150回に限られるものではなく、適宜変更可能である。なお、150回よりも少ないと、本形態よりも、時短消化によってスーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行し易くなり、150回よりも多いと、本形態よりも、時短消化によってスーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行し難くなる。その一方で、150回よりも少ないと、低確時短限定状態での時短回数が少なくなるため、特図1の抽選で大当たりに当選するチャンスが少なくなり、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行し難くなる。また150回よりも多いと、低確時短限定状態での時短回数が多くなるため、特図1の抽選で大当たりに当選するチャンスが多くなり、スーパーラッシュ状態(小当たりラッシュ状態)に移行し易くなる。
上記形態において、図7に示す当たりの種別、振分率は、あくまで一例であって、本形態の特徴を踏まえた変更は、適宜可能である。例えば、特図1の抽選で当選する大当たりの種類は、1種類(Vロング2R大当たり)に限られず、2種類以上であっても良い。また特図2の抽選で当選する大当たりの種類は、2種類(Vショート時短2R大当たり、Vショート通常2R大当たり)に限られず、1種類、又は3種類以上であっても良い。また、特図1の抽選で当選する大当たりの種類の中には、実質的に大当たり遊技後に通常確率状態に制御される大当たりがあるようにしても良い。また、特図2の抽選で当選する大当たりの種類の中には、実質的に大当たり遊技後に高確率状態に制御される大当たりがあるようにしても良い。
上記形態において、図8に示すように、当選する大当たりは、全て2R大当たりであるように設定した。しかしながら、大当たりでのラウンド数は、2Rに限られるものではなく、適宜変更可能であり、10Rであっても良い。また上記形態では、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球数は非常に少なくて、基本的には、スーパーラッシュ状態の小当たりラッシュ状態で、より多くの賞球数を獲得するというゲーム性にした。しかしながら、1回の大当たり遊技でもある程度の賞球を獲得しつつ、スーパーラッシュ状態の小当たりラッシュ状態でも、多くの賞球数を獲得するというゲーム性にしても良い。
上記形態において、通常遊技状態での大当たり判定確率を約1/300に設定し、高確率状態での大当たり判定確率を約1/50に設定し、特図1の抽選での小当たり判定確率を約1/10に設定し、特図2の抽選での小当たり判定確率を約2/3に設定した(図10(A)参照)。しかしながら、上記した判定確率は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。例えば、特図2の抽選での小当たり判定確率を、大当たりと判定される場合を除き、約1/1に設定するようにしても良い。
上記形態において、通常遊技状態で特図2の抽選が実行されることは実質的になかった。しかしながら、通常遊技状態で特図2の抽選が実行される場合があるようにしても良い。具体的に、第1流路R1上にも、ゲート28を設けて、通常遊技状態でも、普通図柄の抽選で当たりと判定されることがあり得るようにする(例えば約1/10で当たりと判定されるようにする)。そして、普通図柄の抽選で当たりである場合には、右打ちを行って、遊技球を第3始動口25に入球させる。これにより、特図2の抽選が実行されて、大当たりに当選すると、80%の振分率で低確時短次回状態(即ちスーパーラッシュ状態)に移行できるようにしても良い。
上記形態において、図15に示すように、大当たり遊技後に高確率状態に制御される連続回数が3回に制限されるリミッタ機能(所謂高確リミッタ機能)が設けられていた。しかしながら、大当たり遊技後に時短状態に制御される連続回数が3回(特定回数)に制限されるリミッタ機能(所謂時短リミッタ機能)を設けるようにしても良い。この場合には、初当たりしてから4回目の大当たり遊技が実行された後、時短リミッタ機能により、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行する。従って、時短リミッタ機能が作動することで、小当たりラッシュ状態、更にスーパーループ状態に移行するという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。言い換えると、初当たりによって、必ず(100%の振分率で)スーパーループ状態及び小当たりラッシュ状態に移行できるゲーム性にすることが可能である。
上記形態において、低確時短限定状態からスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様を、図54(A)で示したが、この演出態様は適宜変更可能である。また通常遊技状態から時短移行到達によりスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様を、図54(B)で示したが、この演出態様は適宜変更可能である。また高確時短限定状態から時短消化によりスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様を、図54(C)に示したが、この演出態様は適宜変更可能である。要するに、上記形態では、低確時短限定状態からスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様と、通常遊技状態から時短移行到達によりスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様と、高確時短限定状態から時短消化によりスーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様と、をそれぞれ異ならせたが、3つ全ての演出態様を同じにしたり、何れか2つの演出態様を同じにしても良い。なお、スーパーラッシュ状態に移行する際の演出態様として、スピーカ67から特別音声を出力したり、枠ランプ66又は盤ランプを特別発光態様で発光させるようにしても良い。
上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると実質的に次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、抽選によって高確率状態への制御が終了する遊技機(いわゆる転落タイプの遊技機)として構成しても良い。
また上記形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
13.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理)により大当たりと判定すると、大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
第1遊技状態(通常遊技状態)、又は前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態(低確時短次回状態)、或いは前記第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態(高確非時短状態)に制御可能であり、
前記第2遊技状態(低確時短次回状態)で前記判定処理により大当たりと判定されると、前記大当たり遊技後に、前記第3遊技状態(高確非時短状態)に移行させて(図15参照)、
前記第3遊技状態(高確非時短状態)に移行した場合には、所定確率(80%)で、前記第2遊技状態(低確時短次回状態)に移行させる(図15参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態で大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に必ず第3遊技状態に移行する。そして、第3遊技状態に移行すれば、所定確率で第2遊技状態に再び移行する。以後、同様に第2遊技状態で大当たりに当選すれば、第3遊技状態に移行して、第3遊技状態から所定確率で第2遊技状態に移行することを繰り返すことが可能である。こうして、第2遊技状態と第3遊技状態とを1つの複合遊技状態とみなして、この複合遊技状態を所定確率でループさせるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示することが可能であり、
前記第2遊技状態(低確時短次回状態)に移行してから前記識別図柄の変動表示が所定回数(10000回)実行されると(時短回数が消化されると)、前記第1遊技状態(通常遊技状態)に移行させ、
前記所定回数は、101回以上であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態では、識別図柄の変動表示が101回以上実行されないと、第1遊技状態に移行しない。従って、第2遊技状態で大当たりに当選できるチャンスが多くて、第3遊技状態に移行し易くすることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記所定回数は、前記第2遊技状態で前記判定処理により大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上(10000回)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態では、識別図柄の変動表示が大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上実行されることは実質的に不可能である。従って、第2遊技状態から第3遊技状態へ確実に移行させることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示することが可能であり、
通常確率状態、又は前記通常確率状態よりも前記判定処理により大当たりと判定され易い高確率状態に制御可能であり、
非時短状態、又は前記非時短状態よりも前記識別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御可能であり、
前記第3遊技状態は、前記高確率状態を含む遊技状態(高確非時短状態)であり、
前記第2遊技状態は、前記時短状態を含む遊技状態(低確時短次回状態)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態では、時短状態により識別図柄の変動表示が頻繁に実行され易い。一方、第3遊技状態では、高確率状態により大当たりに当選し易い。こうして、時短状態を含む第2遊技状態と、高確率状態を含む第3遊技状態と、で構成される複合遊技状態を所定確率でループさせるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たりと判定すると、特別入球口(第2大入賞口35)を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
前記第3遊技状態(高確非時短状態)は、前記第1遊技状態(通常遊技状態)よりも、小当たりへの当選により遊技球が前記特別入球口に入球し易い小当たり入球容易状態(小当たりラッシュ状態)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技者は、時短状態を含む第2遊技状態では、できだけ早く大当たりに当選して、小当たり入球容易状態に早く移行することを希望する。一方、小当たり入球容易状態では、できるだけ大当たりに当選しないで、多く小当たりに当選することを希望する。従って、早く大当たりに当選することを期待させる第2遊技状態と、早く大当たりに当選しないことを期待させる第3遊技状態とを繰り返すという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
ところで、特開2016-159083号公報に記載の遊技機では、通常確率状態且つ非時短状態である通常遊技状態(第1遊技状態)、又は通常遊技状態よりも有利な通常確率状態且つ時短状態(第2遊技状態)、或いは通常確率状態且つ時短状態よりも有利である高確率状態且つ時短状態(第3遊技状態)に制御可能である。そして、高確率状態且つ時短状態で大当たりに当選すると、大当たり遊技後に、87%という所定確率で再び高確率状態且つ時短状態に制御されるようになっている。しかしながら、特開2016-159083号公報に記載の遊技機のように、有利な第3遊技状態で大当たりに当選すると、所定確率で有利な第3遊技状態を繰り返すというゲーム性は、既にありきたりになっている。つまり、有利な第3遊技状態で大当たりに当選しても、遊技者には、大当たり遊技後に再び同じ第3遊技状態での遊技を強いることになり、第3遊技状態での遊技が飽き易い。従って、遊技状態をループさせるゲーム性には、遊技興趣を高めるべく、改善の余地があった。そこで手段A1~A5に係る発明は、特開2016-159083号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、第2遊技状態で判定処理により大当たりと判定されると、大当たり遊技後に、第3遊技状態に移行させて、第3遊技状態に移行した場合には、所定確率で、第2遊技状態に移行させる点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理)により大当たりと判定すると、大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示することが可能であり、
第1遊技状態(通常遊技状態)、又は前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態(低確時短次回状態)、或いは前記第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態(高確非時短状態)に制御可能であり、
前記第1遊技状態で前記識別図柄が前記大当たり態様と異なる非大当たり態様(大当たり図柄以外の図柄、小当たり図柄及びハズレ図柄)で停止表示する連続回数が特定回数(900回)になると、前記第2遊技状態(低確時短次回状態)に移行させて、
前記第2遊技状態(低確時短次回状態)で前記判定処理により大当たり(Vロング2R大当たり、図7参照)と判定されると、前記大当たり遊技後に前記第3遊技状態(高確非時短状態)に移行させる(図15参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態で識別図柄が非大当たり態様で停止表示する連続回数が特定回数になると、第2遊技状態に移行することができる。そして第2遊技状態で大当たりに当選すれば、大当たり遊技後に必ず第3遊技状態に移行する。従って、第1遊技状態で大当たりに当選しない回数が多くなるほど、第2遊技状態を経て、最も有利な第3遊技状態への移行に近づくという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第2遊技状態(低確時短次回状態)に移行してから前記識別図柄の変動表示が所定回数(10000回)実行されると(時短回数が消化されると)、前記第1遊技状態(通常遊技状態)に移行させ、
前記所定回数は、101回以上であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態では、識別図柄の変動表示が101回以上実行されないと、第1遊技状態に移行しない。従って、第2遊技状態で大当たりに当選できるチャンスが多くて、第3遊技状態に移行し易くすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記所定回数は、前記第2遊技状態で前記判定処理により大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上(10000回)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態で、識別図柄の変動表示が大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上実行されることは実質的に不可能である。従って、第2遊技状態から第3遊技状態へ確実に移行させることが可能である。以上により、第1遊技状態で識別図柄が非大当たり態様で停止表示する連続回数が所定回数になることを契機に、第2遊技状態を経て第3遊技状態へ確実に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1乃至手段B3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理により小当たりと判定すると、特別入球口(第2大入賞口35)を開放させる小当たり遊技を実行可能であり、
前記第3遊技状態(高確非時短状態)は、前記第1遊技状態(通常遊技状態)よりも、小当たりへの当選により遊技球が前記特別入球口に入球し易い小当たり入球容易状態(小当たりラッシュ状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態で識別図柄が非大当たり態様で停止表示する連続回数が所定回数になると、第2遊技状態に移行することができる。そして第2遊技状態で大当たりに当選すれば、必ず小当たり入球容易状態に移行することができる。よって、従来にはない移行の仕方で、小当たり入球容易状態を獲得することが可能である。
ところで、特開2016-159083号公報に記載の遊技機では、通常確率状態且つ非時短状態である通常遊技状態(第1遊技状態)、又は通常遊技状態よりも有利な通常確率状態且つ時短状態(第2遊技状態)、或いは通常確率状態且つ時短状態よりも有利である高確率状態且つ時短状態(第3遊技状態)に制御可能である。しかしながら、特開2016-159083号公報に記載の遊技機では、第1遊技状態で大当たりに当選すると、大当たり遊技後に、所定の割合で、有利な第3遊技状態に移行することができる。言い換えると、有利な第3遊技状態に移行するためには、第1遊技状態で大当たりに当選する必要がある。しかしながら、このように第1遊技状態から第3遊技状態の移行の仕方は既にありきたりになっていて、第3遊技状態への移行の仕方には、遊技興趣を高めるべく、改善の余地があった。そこで手段B1~B4に係る発明は、特開2016-159083号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、第1遊技状態で識別図柄が大当たり態様と異なる非大当たり態様で停止表示する連続回数が特定回数になると、第2遊技状態に移行させて、第2遊技状態で前記判定処理により大当たりと判定されると、大当たり遊技後に第3遊技状態に移行させる点で相違している。これにより、斬新な遊技興趣を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理)により大当たりと判定すると大当たり遊技を実行可能であり、前記判定処理により小当たりと判定すると特別入球口(第2大入賞口35)を開放させる小当たり遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
非時短状態、又は前記非時短状態よりも前記識別図柄の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御可能であり、
前記時短状態を含む特定遊技状態(低確時短次回状態)で前記判定処理により大当たり(Vロング2R大当たり、図7参照)と判定されると、前記大当たり遊技後に、小当たりへの当選により遊技球が前記特別入球口に入球し易い小当たり入球容易状態(小当たりラッシュ状態)に移行させる(図15参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、時短状態を含む特定遊技状態で大当たりに当選すると、大当たり遊技後に、必ず小当たり入球容易状態に移行する。従って、遊技者には、特定遊技遊技状態であるときに、大当たりに当選することを強く期待させることができて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示することが可能であり、
前記特定遊技状態(低確時短次回状態)に移行してから前記識別図柄の変動表示の回数が所定回数(10000回)実行されると、前記非時短状態に移行させ、
前記所定回数は、101回以上であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定遊技状態では、識別図柄の変動表示が101回以上実行されないと、非時短状態に移行しない。従って、特定遊技状態で大当たりに当選できるチャンスが多くて、小当たり入球容易状態に移行し易くすることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記所定回数は、前記特定遊技状態で前記判定処理により大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上(10000回)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定遊技状態で、識別図柄の変動表示が大当たりと判定される確率の分母の値の10倍以上実行されることは実質的に不可能である。従って、特定遊技状態から小当たり入球容易状態へ確実に移行させることが可能である。以上により、特定遊技状態に移行すれば、確実に小当たり入球容易状態に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
ところで、特開2019-208744号公報の記載の遊技機では、通常確率状態且つ非時短状態である通常遊技状態、又は高確率状態且つ時短状態(特定遊技状態)、或いは高確率状態且つ非時短状態に制御可能である。そして、高確率状態且つ非時短状態では、小当たりへの当選により、遊技球が大入賞口(特別入球口)に入球し易い小当たり入球容易状態になっている。しかしながら、特開2019-208744号公報の記載の遊技機では、時短状態を含む特定遊技状態で大当たりと判定されると、大当たり遊技後に、所定の割合で、小当たり入球容易状態に制御される。即ち、時短状態を含む特定遊技状態で大当たりと判定されても、必ず(100%の割合で)小当たり入球容易状態に制御されるわけではない。従って、小当たり入球容易状態への移行の仕方には、遊技興趣を高めるべく、改善の余地があった。そこで手段C1~C3に係る発明は、特開2019-208744号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、時短状態を含む特定遊技状態で前記判定処理により大当たりと判定されると、大当たり遊技後に、小当たりへの当選により遊技球が特別入球口に入球し易い小当たり入球容易状態に移行させる点で相違している。これにより、遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。