1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図5参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。また第1始動口11の左方には、一般入賞口10が設けられている。
また、遊技領域6における画像表示装置50の右方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、第1特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(第1AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図6参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技以外では開放することはない。また、第1大入賞口14は、大当たり遊技の実行中に右打ちで打ち込んだ遊技球が入球可能となるように配置されている。さらに、第1大入賞口14は、大当たり遊技の実行中に左打ちで打ち込んだ遊技球が入球不能となるように配置されている。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの下方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(第1入球口)を備える第2始動入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、可変入球口ともいう。また電チュー12Dを、可変入球手段ともいう。第2始動口12(入球口))への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。
電チュー開閉部材12k(開閉部材)は、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図6参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中に開放する。
また本形態では、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方で、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口20(第2入球口)を備える第3始動入賞装置20Dが設けられている。第3始動口20を、固定入球口ともいう。また第3始動入賞装置20Dを、固定入球手段ともいう。第3始動口20への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選や小当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2(特定流路)上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(第1入球口)と、第3始動口20(第2入球口)と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19と順に配置されている(図2参照)。本形態では、右遊技領域6Rに向けて発射された遊技球が第2流路R2の上流に到達し、第2流路R2の上流から下流へと流下していった遊技球が第2流路R2に配置されたゲート13、第1大入賞口14、第2始動口12、第3始動口20、第2大入賞口15などに入球することが可能となっている。そのため、遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12(電チュー12D)、第1大入賞口14、第2大入賞口15、第3始動口20、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球し得る。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている第3始動口20及び第2大入賞口15(図2参照)の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほとんど第2始動口12に入球して、第3始動口20に入球することがほとんどない。更に後述するように、電チュー12D(第2始動口12)への入球に基づく特図1の抽選では、小当たりに当選することがないため(図8参照)、電サポ制御状態を伴う高確時短状態では第2大入賞口15に入球することはほぼない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、第2大入賞口15の方に向かうと共に、第3始動口20(図2参照)の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖していることで、第3始動口20に入球することが可能である。更に後述するように、第3始動口20への入球に基づく特図2の抽選では、小当たりに頻繁に当選するため(図8参照)、電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態では第2大入賞口15に入球することが可能である。
続いて、図4に基づいて、第2大入賞口15に入球した遊技球の流れについて説明する。図4(A)(B)に示すように、第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)16および非特定領域17が形成されている。なお、第2大入賞装置15Dにおいて、特定領域16および非特定領域17の上流には、第2大入賞口15への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ15aが配されている。また、特定領域16には、特定領域16への遊技球の通過を検知する特定領域センサ16aが配されている。また、非特定領域17には、非特定領域17への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ17aが配されている。第2大入賞装置15Dは、第2大入賞口15を通過した遊技球を特定領域16または非特定領域17のいずれかに振り分ける振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16s(図4(A)(B)では図示省略))とを備えている。
図4(A)は、振分ソレノイド16sの通電時を示している。図4(A)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、振分ソレノイド16sの非通電時を示している。図4(B)に示すように、振分ソレノイド16sの通電時には、振分部材16kの特定領域16への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと非特定領域17を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本形態のパチンコ遊技機PY1では、特定領域16への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域16は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域17は、確変作動口ではない。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいい、第1特別図柄と第2特別図柄とをまとめて「特別図柄(識別図柄)」ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第3始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14、第2大入賞口15を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14、第2大入賞口15の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄(識別図柄)を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11又は第2始動口12への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第3始動口20への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ600、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a、特定領域センサ16a、および非特定領域センサ17aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ20aは、第3始動口20内に設けられて、第3始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ16aは、特定領域16内に設けられて、特定領域16を通過する遊技球を検出するものである。非特定領域センサ17aは、非特定領域17内に設けられて、非特定領域17を通過する遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、および第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。振分ソレノイド16sは、第2大入賞装置15Dの振分部材16kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ600から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ600から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ600を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」、「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」であるときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。但し本形態では、第2特別図柄の抽選がなされる場合に限って、第2特図表示器81bに小当たり図柄が停止表示されることがあって、第1特別図柄の抽選がなされる場合には、第1特図表示器81aに小当たり図柄が停止表示されることはない。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて、第1大入賞口14、第2大入賞口15を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。そして本形態では、奇数回のラウンド遊技(1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド)において第1大入賞口14が開放される(図8参照)。また偶数回のラウンド遊技(2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド)において第2大入賞口15が開放される(図8参照)。
また特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図8に示すように複数の種類がある。本形態では、大きく分けて2つの種類がある。「Vロング大当たり」と「Vショート大当たり」である。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)で第2AT開閉部材15kを作動させる大当たりである。所謂、「確変大当たり」のことである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)で第2AT開閉部材15kを作動させる大当たりである。所謂、「通常大当たり」のことである。本形態のVショート大当たりは、第2大入賞口15の開放時間が極めて短く入賞し難いことから、出玉が少ない大当たりである(図8参照)。これに対してVロング大当たりは、Vショート大当たりよりも出玉を獲得することが可能な大当たりである(図8参照)。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中の特定領域16への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記の確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域16へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
そして大当たりの種類(種別)に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が、後述する時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがある。また大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が100回に設定されることがある。時短回数(所定の上限回数)とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。つまり本形態では、時短状態の終了条件として、特別図柄の変動表示の実行回数(以下「特図の変動回数」とも呼ぶ)が特定回数(100回)に至るまでという通常終了条件が設けられている。
本形態では、時短状態の終了条件として、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件の他、特別終了条件が設けられている。特別終了条件とは、時短状態に制御されてから、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回又は100回)に至るという終了条件である。言い換えれば、時短状態に制御された後、特図2の抽選により予め定められた規定回数だけ小当たりに当選すると、非時短状態に移行する。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて4つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技後における高確率状態の連続回数が制限回数(本実施では、3回)に到達して、その後に実行された大当たり遊技後に低確率状態に移行するパチンコ遊技機(所謂、確変リミッタ機)である。本形態の遊技制御基板100の遊技用RAM104には、大当たり遊技後における高確率状態の連続回数をカウントアップするリミッタ作動カウンタが設けられている。大当たり遊技後に低確率状態に移行すると、リミッタ作動カウンタの値が初期値である「0」にリセットされる。図8に示すリミッタ未到達とは、リミッタ作動カウンタの値が、制限回数(本形態では、3回)に到達していないことを示す。一方、図8に示すリミッタ到達とは、リミッタ作動カウンタの値が、制限回数(本形態では、3回)に到達していることを示す。
第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的には、「Vロング大当たり1」、又は「Vショート大当たり」がある。
図8に示すように、「Vロング大当たり1」は、6R(ラウンド)大当たりであり、奇数ラウンド(1、3、5R)は第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、偶数ラウンド(2、4、6R)は第2大入賞口15を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。偶数ラウンドでは、第2大入賞口15の開放時間が約29.5秒と十分に長いため、本形態では4R目に第2大入賞口15内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。なお4R目以外ではV入賞できないように、振分部材16k(図4(B)参照)の作動が制御されている。
本形態では、リミッタ未到達である場合に、「Vロング大当たり1」に当選して、V入賞のときには、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数が100回に設定される。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「Vロング大当たり1」に当選した場合には、第1特図表示器81aに特図停止図柄データ(11H)に応じた大当たり図柄が停止表示される。
一方、リミッタ到達した場合に、「Vロング大当たり1」に当選して、V入賞しても、大当たり遊技後の遊技状態は低確時短状態に制御される。このときは、時短回数が100回に設定される。
また図8に示すように、「Vショート大当たり」は、6R(ラウンド)大当たりであり、奇数ラウンド(1、3、5R)は第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、偶数ラウンド(2、4、6R)は第2大入賞口15を最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。従って、偶数ラウンドでは、第2大入賞口15の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は3Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では第1大入賞口14が8個、第2大入賞口15が3個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。Vショート大当たりにおける4R目では、第2大入賞口15の開放タイミングと振分部材16kの作動タイミング(第2状態(図4(B)参照)から第1状態(図4(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域16に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。そのため、リミッタ未到達であった場合に、「Vショート大当たり」に当選したときには、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。このとき時短回数は100回に設定される。但し、イレギュラーな場合として、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。なお「Vショート大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに特図停止図柄データ(12H)に応じた大当たり図柄が停止表示される。
以上、第1特別図柄の抽選で当選可能な大当たりの種類について説明したが、続いて、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別について説明する。特図2の抽選で当選可能な大当たりは1種類である。具体的には、「Vロング大当たり2」がある。つまり、特図2の抽選で当選した大当たりは、何れであっても大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過が容易な大当たりになる。
図8に示すように、「Vロング大当たり2」は、10R大当たりであり、奇数ラウンド(1、3、5、7、9R)は第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、偶数ラウンド(2、4、6、8、10R)は第2大入賞口15を最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。上述したように4R目には、第2大入賞口15内の特定領域16への通過(V入賞)が容易にできるように振分部材16k(図4(A)参照)の作動が制御されている。本形態ではリミッタ未到達である場合に、「Vロング大当たり2」に当選し、V入賞したときには、大当たり遊技後の遊技状態が高確時短状態に制御される。このときは、時短回数は100回に設定される(図8参照)。但しイレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確時短状態に制御される。なお「Vロング大当たり2」に当選した場合には、第2特図表示器81bに特図停止図柄データ(21H)に応じた大当たり図柄が停止表示される。
一方、リミッタ到達した場合に、「Vロング大当たり2」に当選して、V入賞しても、大当たり遊技後の遊技状態は低確時短状態に制御される。このときは、時短回数が100回に設定される。
本形態では、大当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、先ず、4.0秒だけオープニングが実行される。その後、大当たりの種類に応じて上述したように第1AT開閉部材14k、第2AT開閉部材15kが開放する。最後に、1.5秒だけエンディングが実行される。
また図8に示すように、特図1の抽選における各大当たりの振分率では、Vロング大当たり1が50%である一方、Vショート大当たりが50%である。また特図2の抽選における大当たりの振分率では、Vロング大当たり2=100%である。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回第2大入賞口15を開放させることがあってもよい。
そして本形態では、図8に示すように、リミッタ未到達である場合に、特図の抽選により大当たりに当選して、実行された大当たり遊技終了後には時短状態に制御される。この時短状態の終了条件は、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件と、時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が1回に至る特別終了条件(以下、第1特別終了条件と称する)とが設けられている。
一方、図8に示すように、リミッタ到達した場合に、特図の抽選により大当たりに当選して、実行された大当たり遊技終了後には時短状態に制御される。この時短状態の終了条件は、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件と、時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が100回に至る特別終了条件(以下、第2特別終了条件と称する)とが設けられている。
また本形態では、上述したように、第2特別図柄の抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特図表示器81bにて特図停止図柄データ22Hに対応する小当たり図柄が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図9(B)に示すように、当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図10(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では10秒であるのに対して、時短状態では1秒である。なお普通図柄の停止時間は、時短状態である場合に8msに設定され、非時短状態である場合に500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
本形態において、電サポ制御状態を伴う高確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中(大当たり遊技状態)でも、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入賞を狙って右打ちを行う。また電サポ制御状態を伴う低確時短状態でも、高確時短状態と同様、電チュー12Dへの入球を狙って、右打ちを行う。
ここで電サポ制御状態を伴う高確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほぼ第2始動口12に入球する。従って本形態では、特図1の抽選が頻繁に実行される。そして、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dよりも左下方に向かうことがないため、第3始動口20に入球する可能性が極めて低い。従って、高確時短状態では、第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行される可能性はほぼ無い。つまり、特図2の抽選に基づいて小当たりと判定されるほぼ無い。
一方、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で仮に右打ちを行うと、第2流路R2を流下する遊技球は、第3始動口20に入球し得る。これにより、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されることになるが、このときには600000ms(図11参照)という極めて長い間、第2特別図柄の変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができない。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
これらに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、ほぼ電チュー12Dに入球することができない(図3(B)参照))。そのため、第2流路R2を流下する遊技球は、電チュー12Dの左下方に向かって、第3始動口20(図2参照)に入球し得る。なお本形態では、右打ちされた遊技球が第3始動口20へ入球する確率は、左打ちされた遊技球が第1始動口11に入球する確率よりも高くなるように、第3始動口20及び遊技くぎが配置されている。つまり、第3始動口20は、第1始動口11よりも入球し易くなるように配置されている。よって、高確非時短状態では、第3始動口20への入球に基づいて、第2特別図柄の抽選が比較的頻繁に実行される。
本形態では、第2特別図柄の抽選において、図10(A)に示すように、約1分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、小当たりに頻繁に当選することが可能である。そのため、小当たり遊技が頻繁に実行されて、第2大入賞口15が頻繁に開放し得る。その結果、高確非時短状態では、第2流路R2を流下する遊技球は、開放している第2大入賞口15に多数入賞することが可能である。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、電サポ制御状態を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、小当たり遊技で開放する第2大入賞口15への入賞により、ベースが「1」を超えることができるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態(小当たり入賞容易状態)」とも称する。
ここで本形態では、高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度第3始動口20に入球し得るように設定したため、通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が第3始動口20に入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、図11に示すように、低確非時短状態(通常遊技状態)における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態で遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをして、遊技球を第3始動口20へ入球させても、遊技者に不当な利益を与えることがない。そして遊技者が通常遊技状態で誤って右打ちを行って、第2特別図柄が10分間変動表示を続けても、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっているため、第1特別図柄の抽選結果については通常通りに得ることができる。
本形態では図8に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が10Rであるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が3R又は6Rである。また第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、V入賞が可能であり、実質的に100%の確率で大当たり遊技後に高確率状態に移行することができる。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、Vロング大当たり1である場合にだけV入賞が可能であり、実質的に50%の確率で大当たり遊技後に高確率状態に移行することができる。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さと、より有利な遊技状態(高確率状態)への移行のし易さにより、第2特別図柄の抽選は第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
そして高確非時短状態は、ベースが1を超える小当たりラッシュ状態であるため、高確時短状態よりも有利である。また高確時短状態では、大当たりへの当選確率が高くなっているため、低確時短状態よりも有利である。また低確時短状態は、電チュー12Dへの入球が容易な電サポ制御状態を伴うため、低確非時短状態(通常遊技状態)よりも有利である。以上により本形態では、通常遊技状態⇒低確時短状態⇒高確時短状態⇒高確非時短状態の順番に、遊技者にとって有利な遊技状態になっている。
5.遊技の流れ
次に本形態の基本的な遊技の流れについて、図13に基づいて説明する。図13に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、低確時短状態と、高確時短状態と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)との間を移行しながら遊技を行うことになる。なお図13では、高確時短状態に移行する場合を白抜きの矢印で示している。また高確非時短状態に移行する場合を斜線付きの矢印で示している。さらに低確時短状態(リミッタ未到達での低確時短状態、リミッタ到達による低確時短状態)に移行する場合にはドット付きの矢印で示している。また低確非時短状態に移行する場合を黒の矢印で示している。また本形態では、特図停止図柄データが第1特別図柄に関するデータなのか、又は第2特別図柄に関するデータなのか理解し易いようにするために、図13では特図停止図柄データ11Hを「特図1_11H」と示している。また図13では特図停止図柄データ12Hを「特図1_12H」と示している。図13では特図停止図柄データ21Hを「特図2_21H」と示している。
本形態では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数(リミッタ作動カウンタの値)が制限回数(本実施では、3回)に到達して(図13では、「リミッタ作動」と示している)、その後に実行された大当たり遊技後は、V入賞しても、低確率状態に移行する。また、大当たり遊技後に低確率状態に移行すると、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が初期値である「0」にリセットされる。
図13の説明では、図8に示す特図停止図柄データ11H又は特図停止図柄データ21Hに対応する大当たり図柄が停止表示された場合に、実行される大当たり遊技では必ずV入賞することとする。また図13の説明では、特図停止図柄データ12Hに対応する大当たり図柄が停止表示された場合に、実行される大当たり遊技ではV入賞しないこととする。
そして本形態の大当たり遊技の実行中は、右打ちによって第2流路R2に遊技球を流下させる(図2、図3(B)参照)。このとき電チュー開閉部材12kが閉状態であるため、左方に流下した遊技球は、第2大入賞口15の方に向かうと共に、第3始動口20(図2参照)の方に向かう(図3(B)参照)。そのため、大当たり遊技の実行中に、第3始動口20に遊技球が入球することで、特図2保留球数が加算され得る。これにより、その大当たり遊技の終了後に移行した遊技状態(例えば、高確時短状態)にて、当該大当たり遊技の実行中に加算された特図2の保留記憶が消化されて、特図2の抽選が行われる。そのため、高確時短状態にて第3始動口20に遊技球が入球する可能性が低くても、第1特別終了条件(時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が1回に至る)が成立し易くなっている。よって本形態では、大当たり遊技の実行中に特図2保留を貯めておくことで、その大当たり遊技後に移行した高確時短状態にて早期に特図2の抽選で小当たり当選と判定されることで、直ぐに高確非時短状態に移行することが可能となっている。
図13に示すように、通常遊技状態(低確非時短状態)では、遊技者は左打ちによって第1流路R1に遊技球を流下させて、第1始動口11への入球を狙う。これにより特図1の抽選が実行される。ここで特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ11H(図13に示す特図1_11H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。そして、実行された大当たり遊技後に高確時短状態に移行する。一方、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ12H(図13に示す特図1_12H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)未満にかかわらず、実行された大当たり遊技後に低確時短状態(以下、「リミッタ未到達での低確時短状態」とも称する)に移行することになる。
ここでリミッタ未到達での低確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。これにより、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、第3始動口20や第2大入賞口15に入賞する可能性は極めて低い。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
リミッタ未到達での低確時短状態で、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ11H(図13に示す特図1_11H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合、実行された大当たり遊技後に高確時短状態に移行する。
一方、リミッタ未到達での低確時短状態で、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ12H(図13に示す特図1_12H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合、実行された大当たり遊技の終了後にリミッタ未到達での低確時短状態に移行することになる。
高確時短状態では、遊技者は右打ちによって第2流路R2に遊技球を流下させる。このとき電サポ制御状態によって電チュー12Dが頻繁に開放するため、第2流路R2に向かって打ち込まれた遊技球は、ほぼ電チュー12Dに入球して、電チュー12Dよりも左下方に向かう可能性は極めて低い。そのため、電チュー12Dよりも左下方に配置されている第2大入賞口15及び第3始動口20(図2参照)に向かう可能性は極めて低い(図3(B)参照)。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。そして電チュー12Dの入球に基づいて特図1の抽選が実行される。
高確時短状態で、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ11H(図13に示す特図1_11H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合に、リミッタ未到達であれば、実行された大当たり遊技終了後に高確時短状態に移行する。
一方、高確時短状態で、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ12H(図13に示す特図1_12H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合には、実行された大当たり遊技の終了後にリミッタ未到達での低確時短状態に移行することになる。
高確時短状態にて、特別図柄の変動表示が100回実行されて時短回数である100回が全て消化されるか(通常終了条件)、又は特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が1回に到達すると(第1特別終了条件)、非時短状態に移行する。その一方で、高確率状態は実質的に次回の大当たりへの当選まで継続するため、通常確率状態に移行することはない。以上により、時短状態で、特別図柄の変動表示が100回実行されて時短回数である100回が全て消化されるか、又は特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が1回に到達すると、高確非時短状態に移行することになる。
高確非時短状態では、遊技者は右打ちによって第2流路R2に遊技球を流下させる。このとき非電サポ制御状態になっているため、電チュー12Dがほぼ開放せずに、第2流路R2に向かって打ち込まれた遊技球は、電チュー12Dよりも左下方に向かう。つまり、電チュー12Dよりも左下方に配置されている第3始動口20及び第2大入賞口15(図2参照)に向かう(図3(B)参照)。そのため、第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行される。
高確非時短状態において特図2の抽選が実行されると、小当たりに頻繁に当選できるようになっている(図10(A)参照)。そのため、小当たり遊技の実行によって、第2大入賞口15が頻繁に開放するため、第2流路R2を流下する遊技球は第2大入賞口15に入球可能である。よって、非電サポ制御状態であるにも拘わらず、遊技者は多数の賞球を得ることが可能である。このようにして小当たりラッシュ状態になって、ベースが1よりも多くなって、高確時短状態よりも持ち球を増やすことが可能である。
高確非時短状態で、特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、100%の確率で、特図停止図柄データ21H(図13に示す特図2_21H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合、リミッタ未到達であれば、高確時短状態に移行することになる。
そして、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数(リミッタ作動カウンタの値)が、制限回数(本実施では、3回)に到達して、その後に実行された大当たり遊技後に低確時短状態(以下、「リミッタ到達による低確時短状態」とも称する)に移行する。
図13に示すように、リミッタ到達による低確時短状態では、特別図柄の変動表示が100回実行されて時短回数である100回が全て消化されるか(通常終了条件)、又は特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が100回に到達するまで(第2特別終了条件)、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。そして、特別図柄の変動表示が100回実行されて時短回数である100回が全て消化されるか、又は特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が100回に到達すると、図13に示すように、低確非時短状態に移行する。
一方、リミッタ到達による低確時短状態にて、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ11H(図13に示す特図1_11H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合、実行された大当たり遊技終了後に高確時短状態に移行する。
またリミッタ到達による低確時短状態にて、特図1の抽選で大当たりに当選した場合には、50%の確率で、特図停止図柄データ12H(図13に示す特図1_12H)に対応する大当たり図柄が停止表示される(図8参照)。この場合、実行された大当たり遊技の終了後にリミッタ未到達での低確時短状態に移行する。
よって本形態では、リミッタ到達による時短状態において特別図柄の変動表示が100回実行されて時短回数である100回が全て消化されるか(通常終了条件)、又は特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が100回に到達する(第2特別終了条件)までに、大当たりを引き戻すことが可能となっている。大当たりを引き戻すことができれば、遊技者にとって最も不利な通常遊技状態に移行することなく、遊技者にとって有利な遊技状態での遊技を継続することが可能となる。
また図13に示すように、高確時短状態での時短状態を終了させるための条件と、リミッタ到達による低確時短状態での時短状態を終了させるための条件が異なっている(図13参照)。ここで高確時短状態での時短状態を終了させるための条件とは、時短回数である100回を消化する(通常終了条件)か、又は特図2の抽選により小当たり当選と判定された回数が1回に到達する(第1特別終了条件)かである。また、リミット到達による低確時短状態での時短状態を終了させるための条件とは、時短回数である100回を消化する(通常終了条件)か、又は特図2の抽選により小当たり当選と判定された回数が100回に到達するか(第2特別終了条件)である。これにより、高確時短状態から遊技者にとってより有利な高確非時短状態に移行する場合と、低確時短状態から遊技者にとってより不利な低確非時短状態に移行する場合とでは、時短状態が終了する条件が異なっている。このように、高確率状態と低確率状態によって、時短状態を終了させる条件を異ならせることで、遊技者には最も有利な遊技状態又は遊技者にとって最も不利な遊技状態を提供して、遊技者に面白みを与えることが可能である。
さらにリミッタ到達による低確時短状態での時短状態が終了する条件は、高確時短状態での時短状態が終了する条件よりも困難である(図8、図13参照)。そのため、遊技者には最も有利な遊技状態である高確非時短状態に移行し易くし、遊技者にとって最も不利な遊技状態である低確非時短状態に移行し難くすることが可能となる(図8、図13参照)。そのため、高確時短状態又は高確非時短状態からリミッタ到達による低確時短状態に移行してしまったときの遊技者の落胆を少しでも配慮することが可能となる。
6.演出モード及び演出例
次に図14に基づいて、演出モードについて説明する。本形態では、各遊技状態にそれぞれ対応して、演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)に対応する昼モードと、リミッタ未到達での低確時短状態に対応する森モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に対応する宇宙モードと、リミッタ到達による低確時短状態に対応する空モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図14(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていることを認識させることが可能である。また森モードに設定されているときには、図14(B)に示すように、表示画面50aにて森を示す森背景画像H2が表示される。そのため、森背景画像H2を見た遊技者に対して、リミッタ未到達での低確時短状態に制御されていることを認識させることが可能である。また森モードの設定中には、図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入球を狙うことが可能である。
夜モードに設定されているときには、図14(C)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H3が表示される。そのため、夜背景画像H3を見た遊技者に対して、高確時短状態に制御されていることを認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入球を狙うことが可能である。
宇宙モードに設定されているときには、図14(D)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像H4が表示される。そのため、宇宙背景画像H4を見た遊技者に対して、高確非時短状態に制御されていることを認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図14(D)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口20及び第2大入賞口15への入球を狙うことが可能である。
空モードに設定されているときには、図14(E)に示すように、表示画面50aに空を示す空背景画像H5が表示される。そのため、空背景画像H5を見た遊技者に対して、リミッタ到達による低確時短状態に制御されていることを認識させることが可能である。また空モードの設定中には、図14(E)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D(第2始動口12)への入賞を狙うことが可能である。また図14(E)に示すように、表示画面50aには「時短残り100回」の文字を示す時短カウントダウン示唆文字画像KMが表示される。これにより、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り変動回数を遊技者に示唆することが可能となる。時短カウントダウン示唆文字画像KMの上方には、図14(E)に示すように、表示画面50aにて「小当たり残り100回」の文字を示す小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示される。これにより、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り小当たり当選と判定される回数を遊技者に示唆することが可能となる。
次に本形態の演出例について図15に基づいて説明する。まず大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数(リミッタ作動カウンタの値)は「0」であることを前提条件とする。図15(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、表示画面50aにて特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。そして、通常遊技状態にて特図1の抽選でVロング大当たり1に当選し、大当たり遊技が実行される。実行された大当たり遊技にてV入賞することで、大当たり遊技後に高確時短状態に移行することとする。そして、リミッタ作動カウンタの値は「1」となる。
特図1の抽選でVロング大当たり1に当選して、実行された大当たり遊技の実行中に、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて遊技球を発射すると、流下する遊技球は大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)だけでなく、第3始動口20に入球し得る。これにより、大当たり遊技の実行中に特図2保留を貯めることが可能となる。
大当たり遊技後に高確時短状態に制御されると、図15(B)に示すように夜モードに設定される。大当たり遊技の実行中に特図2保留を貯めていた場合には、その大当たり遊技後に移行した高確時短状態にて、その特図2の保留記憶が消化されて、特図2の抽選によって小当たり当選と判定されることになる。これにより、特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に至ることで(第1特別終了条件)、高確時短状態での時短状態が終了することになる。よって、大当たり遊技の実行中に特図2保留を貯めておくことで、その大当たり遊技後に移行した高確時短状態にて早期に特図2の抽選で小当たり当選と判定され、直ぐに高確時短状態から高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行されることになる。そして高確非時短状態に制御されると、図15(C)に示すように宇宙モードに設定される。また高確時短状態にて、特図2の抽選で小当たり当選と判定されなくても、特別図柄の変動表示の実行回数が100回に到達して時短回数が100回消化されると、高確時短状態から高確非時短状態に移行される。
その後、リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)に到達して、特図の抽選によって大当たり当選となる。この場合、表示画面50aにて特図の抽選に基づく変動演出が実行されて、図15(D)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が大当たり当選を示す大当たり態様(「777」)で停止表示される。リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)に到達して(リミッタ作動)、特図の抽選によって大当たり当選となり、実行された大当たり遊技の終了後にはリミッタ到達による低確時短状態に移行する。
リミッタ到達による低確時短状態では、図15(E)に示すように、空モードが設定される。空モードが設定されているときには、表示画面50aにて空背景画像H5が表示される。これにより、大当たり遊技終了後に高確率状態の連続回数が3回に到達したこと把握させると共に、その後に実行された大当たり遊技の終了後にリミッタ到達による時短状態であることを遊技者に把握させることが可能となる。また図15(E)に示すように、表示画面50aには「時短残り100回」の文字を示す時短カウントダウン示唆文字画像KMが表示される。これにより、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り変動回数を遊技者に示唆することが可能となる。時短カウントダウン示唆文字画像KMの上方には、図15(E)に示すように、表示画面50aにて「小当たり残り100回」の文字を示す小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示される。これにより、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り小当たり当選と判定される回数を遊技者に示唆することが可能となる。
ここで従来のパチンコ遊技機には、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりであるか否かの判定を行い、その判定にて大当たり当選である場合に大当たり遊技を実行し、その大当たり遊技の終了後に高確率状態且つ非入球容易状態に移行可能となっているものがある。そして、従来のパチンコ遊技機では、大当たり遊技の終了後に、小当たり遊技にて開放された大入賞口に遊技球を入賞させることで、徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能な高確率状態且つ非入球容易状態(所謂、「小当たりラッシュ状態」)に移行可能なものがある。ただし、小当たりラッシュ状態に移行可能な従来のパチンコ遊技機では、単に小当たりラッシュ状態にて淡々と持ち球が増えていくだけで、遊技者を十分に楽しませているとはいい難いところがあった。また、小当たりラッシュ状態が大当たり遊技を経て継続し続けると、遊技者と遊技店のうち、遊技者に利益が偏ってしまうため、遊技者と遊技店の利益バランスが保つことが困難となっている。
ところで従来には、確変リミッタを備えたパチンコ遊技機が存在している。この確変リミッタとは、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数をカウントするカウンタのことである。その確変リミッタによりカウントされた回数が所定回数に達すると、その後特図の抽選にて大当たり当選して、実行された大当たり遊技の終了後には、高確率状態ではなく、低確率状態に移行することになる。また確変リミッタを備えたパチンコ遊技機には、確変リミッタが所定回数に達することで低確率状態に移行するだけでなく、低確率状態且つ時短状態に移行可能となっているものがある。これにより、その時短状態にて、再度大当たりの引き戻しを期待することが可能となっている。
上述した小当たりラッシュ状態への移行が可能なパチンコ遊技機にて、小当たりラッシュ状態が継続し続けることを回避するために、上述した確変リミッタを備えることが考えられる。ところが、小当たりラッシュ状態への移行が可能なパチンコ遊技機に確変リミッタを備えたパチンコ遊技機は今まで存在しない。そのため、その確変リミッタによりカウントされた回数が所定回数に達して、その後特図の抽選にて大当たり当選して、実行された大当たり遊技の終了後に低確率状態且つ時短状態に移行可能であるか不明である。そのため、その時短状態にて、再度大当たりの引き戻しを期待することが可能であるか否かも不明である。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図の抽選にて大当たり当選すると、実行された大当たり遊技の終了後に高確時短状態に移行可能とし、時短状態の終了条件である通常終了条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至る)又は第1特別終了条件(時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が1回に至る)が成立することで、高確率状態且つ非時短状態に移行する。そして高確率状態且つ非時短状態(所謂、「小当たりラッシュ状態」)では、第3始動口20に遊技球を入球させて、第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技を頻繁に実行させる。これにより、第2大入賞口15に遊技球を入球させることで、徐々に持ち球を増やすことが可能となっている。そのため遊技者には、高確時短状態で時短回数を全て消化するか(通常終了条件)、又は特図2の抽選にて小当たり当選と1回判定されるか(第1特別終了条件)によって、高確非時短状態が獲得できるという、従来には無い特典を付与することが可能である。こうして、今までにない遊技状況からの高確非時短状態が獲得できるという面白みを遊技者に与えることが可能となり、遊技者を十分に楽しませることが可能となる。
そして本形態の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に到達し、その後に特図の抽選により大当たり当選した場合には、実行された大当たり遊技の終了後に低確時短状態(リミット到達による低確時短状態、図13参照)に移行することが可能となっている(図8参照)。つまり従来には存在しなかった、小当たりラッシュ状態に移行可能な確変リミッタを備えたパチンコ遊技機を作成することが可能となったといえる。これにより、小当たりラッシュ状態が大当たり遊技を経て継続し続けることで、遊技者と遊技店のうち、遊技者への利益が偏ってしまうことを回避することが可能となっている。そして本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に到達して、その後に実行された大当たり遊技後にリミット到達による低確時短状態に移行する。これにより、そのリミット到達による低確時短状態で再度大当たりの引き戻しを期待することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本実施では、3回)に到達して、その後に実行された大当たり遊技後に、リミッタ到達による時短状態に移行する(図8、図13参照)。そして、リミッタ到達による時短状態の終了条件である通常終了条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至る)又は第2特別終了条件(時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が100回に至る)が成立することで、非時短状態に移行することになる。そしてリミッタ到達による時短状態では、右打ち中に第3始動口20に遊技球が入球してしまっても、特図2の抽選で小当たり当選と判定された回数が100回に到達するまで低確非時短状態に移行しない。そのため、リミッタ到達による時短状態にて、電チュー12Dの入球で実質的に特図1の抽選を100回実行可能であり、再度大当たりの引き戻しを期待することが可能となっている。こうして、リミッタ到達による時短状態にて右打ちを行っても、時短状態を十分に楽しみながら遊技を行うことが可能となる。さらに、リミッタ到達による時短状態にて、何としても引き戻したいという遊技者の欲求をかき立てることが可能となる。
さらに本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態がリミッタ到達による時短状態であるときには、空モードが設定される(図14(E)、図15(E)参照)。空モードが設定されると、表示画面50aにて空背景画像H5が表示されると共に、時短カウントダウン示唆文字画像KMと小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示される(図14(E)、図15(E)参照)。これにより、遊技者は時短カウントダウン示唆文字画像KMを確認することで、リミッタ到達による時短状態の通常終了条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至る)が成立するまでを把握することが可能となる。さらに遊技者は小当たりカウントダウン示唆文字画像KNを確認することで、リミッタ到達による時短状態の第2特別終了条件(時短状態に制御されてから小当たり当選と判定された回数が100回に至る)が成立するまでを把握することが可能となる。そのため、リミッタ到達による時短状態にて、ドキドキさせながら、遊技を行わせることが可能となる。
本形態のパチンコ遊技機PY1において、仮に高確時短状態、高確非時短状態、及び低確時短状態などに応じて、左遊技領域6L又は右遊技領域6Rに遊技球を打ち分けて遊技を行うようにすると、遊技者にとって手間となる。さらに、遊技状態に応じて左右に打ち分けることで無駄玉が多くなってしまう。
そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1では、右遊技領域6Rに向けて発射された遊技球が第2流路R2の上流に到達し、第2流路R2の上流から下流へと流下していった遊技球が入球可能となるように、右遊技領域6Rにゲート13、第2始動口12(電チュー12D)、第1大入賞口14、第2大入賞口15、第3始動口20が配置されている(図2参照)。これにより、大当たり遊技の実行中、小当たり遊技の実行中、低確時短状態、高確時短状態、及び高確非時短状態でも、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて遊技球を発射することになる。そのため、左打ちによって左遊技領域6Lに向けて遊技球を発射する必要がない。こうして、高確時短状態、高確非時短状態、及び低確時短状態などに応じて、左右に打ち分ける必要がなくなるため、遊技者にとって手間にはならない。さらに、高確時短状態、高確非時短状態、及び低確時短状態などに応じて、左右に打ち分けることにならないため、無駄玉となってしまうことを防ぐことが可能となる。
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図16~図42に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第3始動口センサ20a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。そして後述する特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図9(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11又は第2始動口12の何れにも遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)、ステップS209に進むが、第1始動口11又は第2始動口12の何れかに遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第3始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第3始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第3始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第3始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図17参照)。図19に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図20に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。図20に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図21に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図21に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図22に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図23に示すように、特図1大当たり判定処理(判定処理、S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1303)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1303でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1304)。第1大当たりフラグは、特図1の抽選で大当たりに当選したことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1305)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1306)、本処理を終える。
これに対してステップS1303において、「大当たり」でないと判定すれば(S1303でNO)、ステップS1309に進む。ステップS1309では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図24および図25に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図24に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図25に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402~S1406と同様の流れで処理(S1407~S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図26に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第3始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図27に示すように、特図2大当たり判定処理(判定処理、S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1603でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1604)。第2大当たりフラグは、特図2の抽選で大当たりに当選したことを示すフラグである。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1605)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1606)、本処理を終える。
これに対して、ステップS1603にて大当たりでないと判定すれば、ステップS1607に進む。ステップS1607では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1607でYES)、小当たりフラグをONする(S1608)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(25H、図8参照)をセットして(S1611)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1607でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1610)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図28~図30に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図28に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
一方、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図11に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22,P23が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、第3始動口20に入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図29に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
またステップS1710において、小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1712)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1712でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1713)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1712でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
また図28に示すステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図30に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1708~S1714と同様の流れで処理(S1715~S1721)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
また小当たりフラグがONであれば(S1717でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」~「10」であり、非時短状態であれば「1」~「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図28に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の後であって、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
図31に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2003で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。
ステップS2009では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2009でYES)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2010)。つまり、小当たりに当選した状況であるか否かを判定する。小当たりフラグがONであれば(S2010でYES)、時短状態中に小当たりに当選した回数をカウントする時短小当たりカウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2011)、時短小当たりカウンタの値が「0」か否か判定する(S2012)。「0」であれば(S2012でYES)、時短フラグをOFFする(S2013)。本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短小当たりカウンタの値が「1」又は「100」にセットされるようになっている。このようにして、時短状態にて小当たりに当選した回数が規定回数(1回又は100回)に達すると、時短状態から非時短状態に移行することが可能である。ステップS2009又はS2010或いはS2012の判定結果がNOであれば、ステップS2014に進む。
ステップS2014では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短小当たりカウンタの情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図32に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図20に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図32に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図37のステップS2513参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図32に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図33に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図34に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタ(第1大入賞口開放カウンタ、第2大入賞口開放カウンタ)の値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図35に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレであることを示す第2特別図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図36に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットする(S2406)。更に、時短小当たりカウンタの値を「0」にリセットして(S2407)、本処理を終える。本形態では、第1特別図柄確定処理(S1007)における遊技状態リセット処理(S2105)が終了した場合には、図34のステップS2106に進む。また第2特別図柄確定処理(S1107)における遊技状態リセット処理(S2505)が終了した場合には、図37のステップS2506に進む。
[第2特別図柄確定処理]図37に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図36に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタ(第1大入賞口開放カウンタ、第2大入賞口かカウンタ)の値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2511)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2512)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2513)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図38に示すように、特図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレを示す第1特別図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図39に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14又は第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14又は第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(Vロング大当たり1又はVロング大当たり2、図8参照)としての大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な4R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。4R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、4R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たり(Vロング大当たり1又はVロング大当たり2、図8参照)の4R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図42)参照)ということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口15の閉塞直前に第2大入賞口15へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域16への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図40参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第4ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるように第2AT開閉部材15kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第4ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞することがほぼできないように第2AT開閉部材15kが開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口15に入賞できたとしても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対する第1AT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では第1大入賞口14が開放される1R当たり8個、第2大入賞口15が開放される1R当たり3個)に達したこと、又は、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2720)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図21に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図20に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2719)は、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類に基づいて(図8参照)、大当たり遊技後の遊技状態を、高確時短状態、高確非時短状態、低確時短状態、又は通常遊技状態に制御するための処理である。図40に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2803)。これにより、実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続することになる。そして、VフラグをOFFにして(S2804)、ステップS2805に進む。一方、VフラグがONでない場合には(S2801でNO)、確変フラグをONすることなく、ステップS2808に進む。
ステップS2805では、リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、「3」)であるか否かを判定する。リミッタ作動カウンタとは、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数をカウントするカウンタである。本形態では、リミッタ作動カウンタの値は「0」が初期値である。リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)に至っていれば(S2805でYES)、確変フラグをONからOFFにし(S2806)、確変カウンタを「0」にリセットする(S2807)。従って本形態では、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御され得る回数の上限は3回となっている。すなわち、初当たりを含めた大当たりの連チャン回数が4回に至ると、4回目の大当たり遊技中に特定領域16への遊技球の通過がなされていても(所謂、V入賞)、その大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に制御する(高確率状態に制御しない)パチンコ遊技機となっている。またリミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)に至っていなければ(S2805でNO)、そのままステップS2808に進む。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、電サポ制御状態(時短状態且つ電サポ制御状態)に移行させるか否かを判定する。本形態では、電サポ制御状態に移行させるか否かは、図8に示すように、大当たりの種類(セットされている特図停止図柄データ)によって決められている。図8に示すテーブルに照らして電サポ制御状態に移行させると判定した場合には(S2808でYES)、時短フラグをONにすると共に(S2809)、時短カウンタに「100」をセットし(S2810)、その後ステップS2811に進む。また電サポ制御状態に移行させないと判定した場合には(S2808でNO)、時短フラグをONすることなく、ステップS2811に進む。こうして、Vロング大当たり1又はVロング大当たり2に当選して、V入賞した場合には、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される電サポ制御状態を伴う高確時短状態に移行することになる。一方、V入賞しなかった場合には、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される電サポ制御状態を伴う低確時短状態に移行することになる。またVショート大当たりに当選し、V入賞しなかった場合には、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される電サポ制御状態を伴う低確時短状態に移行する。仮にV入賞した場合には大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される電サポ制御状態を伴う高確時短状態に移行する。
ステップS2811では、遊技制御用マイコン101は、リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、「3」)であるか否かを判定する。リミッタ作動カウンタの値が制限回数でなければ(S2811でNO)、時短小当たりカウンタに「1」をセットし(S2812)、ステップS2815に進む。即ち、特図の抽選によって大当たりに当選し、リミッタ作動カウンタの値が制限回数に至っていない場合には、時短小当たり回数が1回に設定されることになる。またリミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、「3」)であれば(S2811でYES)、時短小当たりカウンタに「100」をセットする(S2813)。即ち、特図の抽選によって大当たりに当選し、リミッタ作動カウンタが制限回数(本形態では、「3」)に至っている場合には、時短小当たり回数が100回に設定されることになる。その後、遊技制御用マイコン101は、リミッタ作動コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S2813)、ステップS2815に進む。ここでリミッタ作動コマンドには、リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では、3回)となり、特図の抽選によって大当たり当選し、実行された大当たり遊技の終了後に低確時短状態に移行する情報が含まれている。
ステップS2815では、遊技制御用マイコン101は、確変フラグがONとなっているか否かを判定する(S2815)。確変フラグがONではない場合、即ち確変フラグがOFFの場合には(S2815でNO)、リミッタ作動カウンタの値を「0」にし(S2816)、ステップS2818に進む。また確変フラグがONである場合には(S2815でYES)、リミッタ作動カウンタの値を「1」加算して(S2817)、ステップS2818に進む。
ステップS2818では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値、時短小当たりカウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図41に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターンに従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。その後、小当たりフラグをOFFする(S2911)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図20に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
ここで特別電動役物処理2(S1110)では、振分部材16kは、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過しないように動作している。また上述した特別電動役物処理1(S1009,S1109)と異なり、V有効期間が設定されることはない。従って、小当たり遊技後の実行中に、遊技球が特定領域16を通過することがなく、万一遊技球が特定領域16を通過したとしても、V有効期間が設定されていないため、VフラグがONされることはない。以上により、小当たり遊技を契機として、高確率状態に移行することはないように設定している。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン101は、図17に示すように、第1特別動作処理(S106)及び第2特別動作処理(S107)に次いで、特定領域センサ検出処理を行う(S108)。特定領域センサ検出処理(S108)では、図42に示すように、まず特定領域センサ16aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ16aによる遊技球の検知は、振分部材16kが図4(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONする(S3003)。そして、V通過コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S3004)、本処理を終える。V通過コマンドは、演出制御基板120にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
8.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図43~図45に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ600から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4008)において、演出制御用マイコン121は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。
1msタイマ割り込み処理(S4009)において、演出制御用マイコン121は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず入力処理を行う。入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う。ランプデータ出力処理では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う。駆動制御処理では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図44に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ600からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図45に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、モードステータス設定処理を行う(S4402)。また遊技状態指定コマンドを受信していなければ(S4401でNO)、そのままステップS4403に進む。
モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、モードステータスの値に応じて、演出モードを設定するようになっている。具体的に、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を「1」、「2」、「3」、「4」、又は「5」に設定する。より詳細には、初期設定の場合又は通常遊技状態に移行した場合に、モードステータスの値を「1」に設定する。この場合、昼モードに設定して、表示画面50aに図14(A)に示す昼背景画像H1を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。また大当たり遊技後に低確時短状態に移行した場合に、演出制御用マイコン121はリミッタ作動コマンドを受信していなければ、モードステータスの値を「2」に設定する。この場合、森モードに設定して、表示画面50aに図14(B)に示す森背景画像H2を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。森モードに設定されている場合は、リミッタ未到達での低確時短状態である(図14(B)参照)。
また高確時短状態に移行する場合に、モードステータスの値を「3」に設定する。この場合、夜モードに設定して、表示画面50aに図14(C)に示す夜背景画像H3を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。またモードステータス設定処理(S4402)では、高確時短状態にて時短回数が100回消化、又は小当たり当選したと判定された回数が1回となって高確非時短状態に移行した場合にはモードステータスの値を「4」に設定する。この場合、宇宙モードに設定して、表示画面50aに図14(D)に示す宇宙背景画像H4を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。またこのときには、スピーカ600から「キュイーン」という特別音を出力するための音声データを音声制御基板161に出力する。これにより、音声制御基板161は、図示しない音声制御回路を介してスピーカ600から「キュイーン」という特別音を出力させる。その結果、遊技者には、視覚だけでなく聴覚によっても、高確非時短状態への移行を獲得できたことによる高揚感を与えることが可能である。
また大当たり遊技後に低確時短状態に移行した場合に、演出制御用マイコン121はリミッタ作動コマンドを受信していれば、そのリミッタ作動コマンドに含まれている情報をもとに、演出制御用マイコン121はモードステータスの値を「5」に設定する。ここでモードステータスの値が「5」に設定されるときは、リミッタ到達による低確時短状態である。この場合、空モードに設定して、表示画面50aに図14(E)に示す空背景画像H5を表示するための背景コマンドを演出用RAM124にセットする。
本形態では、表示画面50aにて森背景画像H2、夜背景画像H3、宇宙背景画像H4、空背景画像H5を表示するときには、右打ち画像Raが併せて表示されることになる(図14(B)、図14(C)、図14(D)、図14(E)参照)。また空背景画像H5を表示するときには、リミッタ到達による低確時短状態での小当たり当選と判定された回数を示唆する小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが併せて表示されることになる(図14(E)、図15(E)参照)。さらにまた空背景画像H5を表示するときには、リミッタ到達による低確時短状態での残り変動回数を遊技者に示唆する時短カウントダウン示唆文字画像KMが併せて表示されることになる(図14(E)、図15(E)参照)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、変動演出開始処理を行い(S4404)、ステップS4405に進む。また受信していなければ(S4403でNO)、そのままステップS4405に進む。変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、変動演出終了処理を行い(S4406)、ステップS4407に進む。また受信していなければ(S4405でNO)、そのままS4407に進む。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、オープニング演出選択処理を行い(S4408)、ステップS4409に進む。また受信していなければ(S4407でNO)、そのままS4409に進む。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば(S4409でYES)、ラウンド演出選択処理を行い(S4410)、そのままS4411に進む。また受信していなければ(S4409でNO)、そのままS4411に進む。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば(S4411でYES)、エンディング演出選択処理を行い(S4412)、そのままS4413に進む。また受信していなければ(S4412でNO)、そのままS4413に進む。エンディング演出選択処理(S4413)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えばV通過コマンド、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終え、図44のステップS4302に進む。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図13に示すように、特図の抽選によって大当たり当選すると、実行された大当たり遊技の終了後に高確時短状態に移行する場合がある(図8参照)。そして、高確時短状態にて、特図の変動回数が特定回数(100回)に至ったか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(1回)に至った場合には、高確非時短状態に移行することができる。そして、高確非時短状態にて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技を実行することで、徐々に持ち球を増やし続けることが可能となる。そして、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に至り、高確率状態での特図の抽選によって大当たり当選した場合には、実行された大当たり遊技の終了後に低確時短状態に移行することになる(図8、図13参照)。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に至り、特図の抽選で大当たり当選するまでは、高確率状態を継続させることが可能となる。そのため、遊技者は大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に至り、特図の抽選で大当たり当選するまでは高確率状態を楽しむことが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。さらに、遊技者は大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に至り、特図の抽選で大当たり当選するまで、高確非時短状態にて持ち球を増やし続けることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、図13に示すように、大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(本形態では、3回)に至り、高確率状態での特図の抽選によって大当たり当選した場合には、実行された大当たり遊技の終了後にリミッタ到達による低確時短状態に移行することになる(図8、図13参照)。そして、リミッタ到達による低確時短状態で特図の変動回数が特定回数(100回)に至ったか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(100回)に至った場合には、低確非時短状態に移行することになる。これにより、リミッタ到達による低確時短状態では特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(100回)に至るまで、低確時短状態での遊技を継続させることが可能となる。そのため、リミッタ到達による低確時短状態が終了する前に、大当たりを引き戻すことができれば、遊技者にとって最も不利な低確非時短状態(大当たり遊技状態を除く)での遊技を回避することが可能となる。その場合、リミッタ到達による低確時短状態から低確非時短状態に移行する前に、何としてもリミッタ到達による低確時短状態で大当たりを引き戻したいという、遊技者の強い気持ちをかき立てることが可能となる。
さらに本形態のパチンコ遊技機PY1では、高確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が規定回数(100回)に至る、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に至る、図8参照)と、リミッタ到達による低確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が規定回数(100回)に至る、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に至る、図8参照)とは異なっている。つまり遊技者にとってより有利な遊技状態に移行する場合(高確時短状態から高確非時短状態に移行する場合)と、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する場合(低確時短状態から低確非時短状態に移行する場合)とで時短状態を終了させる条件が異なることになる。こうして、時短状態の終了条件を変えることで、遊技者に異なる遊技状況を提供することが可能となり、従来のパチンコ遊技機では提供することができない面白さを与えることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、図13に示すリミッタ到達による低確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至る、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(100回)に至る、図8参照)は、図13に示す高確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至る、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(1回)に至る、図8参照)よりも時短状態が終了し難い条件となっている。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行し易く、遊技者にとって有利な遊技状態から不利な遊技状態へ移行し難くすることが可能となる。そのため、高確時短状態に移行した場合にはより良い遊技状態である高確非時短状態に移行し易くすることで遊技者を楽しませることが可能となり、リミッタ到達による低確時短状態に移行した場合には、遊技者にとって有利な低確時短状態が終了し難くすることで、低確時短状態に移行してしまったことへの遊技者の落胆を少しでも軽減することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1の右遊技領域6Rでは、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2始動口12と、第3始動口20と、第2大入賞口15とが配置されている(図2参照)。本形態では、右遊技領域6Rに向けて発射された遊技球が第2流路R2の上流に到達し、第2流路R2の上流から下流へと流下していった遊技球が第2流路R2に配置されたゲート13、第1大入賞口14、第2始動口12、第3始動口20、第2大入賞口15に入球することが可能となっている。そのため大当たり遊技の終了後に移行した高確時短状態にて右打ちを行って、特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(1回)に至ると、高確非時短状態に移行する(図8、図13参照)。そのため、高確非時短状態でも右打ちによって第3始動口20に遊技球を入球させることに基づいて、小当たり遊技を実行させる。そして、実行された小当たり遊技にて開放される第2大入賞口15に遊技球を入賞させることで、持ち球を徐々に増やすことが可能となる。その後、高確率状態からリミッタ到達による低確時短状態に移行しても、右打ちを行って第2始動口12に遊技球を入球させて、特図1の抽選が行われることになる。本形態の低確非時短状態以外の遊技状態(低確時短状態、高確時短状態、高確非時短状態)では、右打ちによって遊技を進めていくことになるため、左右に打ち分けて遊技を進めることを極めて少なくすることが可能となっている。そのため、左右に打ち分けることで生じる無駄玉を減らすことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、図13に示すように、リミッタ到達による低確時短状態では、空モードが設定される(図14(E)、図15(E)参照)。これにより、遊技者にリミッタ到達による低確時短状態であることを把握させることが可能となる。そして、空モードが設定されると、表示画面50aにて時短カウントダウン示唆文字画像KMが表示される(図13(E)、図14(E)参照)。これにより、遊技者は時短カウントダウン示唆文字画像KMを確認することで、リミッタ到達による時短状態から低確非時短状態に移行するまでの残り特図の変動回数を把握することが可能となる。また空モードが設定されると、表示画面50aにて小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示される(図13(E)、図14(E)参照)。これにより、遊技者は小当たりカウントダウン示唆文字画像KNを確認することで、リミッタ到達による時短状態から低確非時短状態に移行するまでの残り小当たり当選と判定される回数を把握することが可能となる。表示画面50aにて時短カウントダウン示唆文字画像KMと、小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示されることで、時短カウントダウン示唆文字画像KM又は小当たりカウントダウン示唆文字画像KNに示された回数に到達するまでに、何としても大当たりを引き戻したいという気持ちになり、遊技者の遊技意欲をかき立てることが可能となる。
10.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また下記にて説明する変形例のパチンコ遊技機にて、適切な遊技が行われるようにするため、適宜大当たり確率を変更することが可能となっている。
上記形態では、高確時短状態での時短状態が終了する条件として、特別図柄の変動表示の実行回数(以下「特図の変動回数」とも呼ぶ)が特定回数(100回)に至る通常終了条件と、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至るという第1特別終了条件とが設けられている(図8、図13参照)。これに限定されることはない。特定回数は100回未満でも良いし、100回以上でも良い。また規定回数は特定回数を超えなければ、1回以上であっても良い。
上記形態では、高確時短状態での時短状態が終了する条件として、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件と、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至るという第1特別終了条件とが設けられている(図8、図13参照)。これに限定されることはない。例えば、高確時短状態での時短状態が終了する条件として、通常終了条件だけ設けられていても良い。
上記形態では、大当たり遊技の終了後に移行した高確時短状態にて特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至る場合に、高確非時短状態に移行可能となっていた。これに限定されることはない。例えば、従来のように、実行された大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行可能であっても良い(特許文献1参照)。その他にも、大当たり遊技の終了後に移行した高確時短状態にて特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至る場合に、高確非時短状態に移行可能であって、従来のように実行された大当たり遊技の終了後にも高確非時短状態に移行可能でも良い。
上記形態では、大当たり遊技後における高確率状態の連続回数が制限回数(本実施では、3回)に到達して(大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御して、所定の条件が成立すること)、その後に実行された大当たり遊技後に低確率状態に移行した。これに限定されることはない。例えば、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御して、所定の条件が成立することとは、高確率状態での特図の抽選にて大当たり当選した連続回数が制限回数に到達することであっても良い。
上記形態では、大当たり遊技後における高確率状態の連続回数が制限回数(本実施では、3回)に到達して、その後に実行された大当たり遊技後に低確時短状態に移行した。これに限定されることはない。制限回数は3回未満でも良いし、3回以上であっても良い。
上記形態のリミッタ作動カウンタの初期値が「0」である。そして、大当たり遊技後に高確率状態に制御されることに伴い「1」加算される、所謂アップカウンタである。これに限定されることはない。例えば、リミッタ作動カウンタの初期値を「3」とし、大当たり遊技後に高確率状態に制御されることに伴い「1」減算される、所謂ダウンカウンタでも良い。
上記形態では、大当たり遊技後における高確率状態の連続回数が制限回数(本実施では、3回)に到達すると(大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御して、所定の条件が成立すること)、その後に実行された大当たり遊技後に低確時短状態に移行した。これに限定されることはない。例えば、制限回数目(3回目)の大当たり遊技後に低確非時短状態に移行しても良い。また大当たり遊技後における高確率状態の連続回数が制限回数(本実施では、3回)に到達すると、その後に実行された大当たり遊技後に低確時短状態又は低確非時短状態に移行しても良い。
上記形態では、リミッタ到達による低確時短状態(図13を参照)にて時短状態が終了する条件として、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件か、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では100回、所定の規定回数)に至る第2特別終了条件が成立することで、低確非時短状態に移行することになっていた(図8、図13参照)。これに限定されることはない。例えば、特定回数は100回未満でも良いし、100回以上でも良い。また規定回数は特定回数を超えることがなければ、100回未満でも良いし、100回以上であっても良い。
上記形態では、リミッタ到達による低確時短状態(図13を参照)にて時短状態が終了する条件として、特図の変動回数が特定回数(100回)に至る通常終了条件か、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では100回、所定の規定回数)に至る第2特別終了条件が成立することで、低確非時短状態に移行することになっていた(図8、図13参照)。これに限定されることはない。例えば、リミッタ到達による時短状態(図13を参照)にて時短状態が通常終了条件のみが成立することで、低確非時短状態に移行しても良い。
上記形態では、高確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至る)と、リミッタ到達による時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では100回)に至る)とは異なっていた(図13参照)。これに限定されることはない。例えば、高確時短状態にて時短状態が終了する条件とリミッタ到達による時短状態にて時短状態が終了する条件は同じであっても良い。
リミッタ到達による時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では100回)に至る)は、高確時短状態にて時短状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、小当たり当選と判定された回数が規定回数(本形態では1回)に至る)よりも時短状態が終了し難い条件となっている(図13参照)。これに限定されることはない。例えば、高確時短状態にて時短状態が終了する条件は、リミッタ到達による時短状態にて時短状態が終了する条件よりも時短状態が終了し易い条件でも良い。
上記形態では、ゲート13、第2始動口12、第3始動口20、及び第2大入賞口15は、右遊技領域6Rを流下する遊技球が入球可能となるように、第2流路R2に配置されていた(図2参照)。これに限定されることはない。例えば、ゲート13、第2始動口12、第3始動口20、及び第2大入賞口15は、左遊技領域6Lを流下する遊技球が入球可能となるように、第1流路R1に配置されていても良い。
上記形態では、ゲート13、第2始動口12、第3始動口20、第2大入賞口15の順に第2流路R2の上流から下流への流下する遊技球が入球可能となるように、第2流路R2に配置されていた(図2参照)。これに限定されることはなく、適宜変更可能である。例えば、ゲート13は、第2大入賞口15よりも下流に配置するようにしても良い。
上記形態では、リミッタ到達による低確時短状態に移行すると(図13参照)、リミッタ到達による低確時短状態であることを示唆する空モードが設定される(図13、図14(E)、図15(E)参照)。そして、空モードが設定されると、表示画面50aにてリミッタ到達による低確時短状態であることを示唆する空背景画像H5が表示される。これに限定されることはない。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ600から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、リミッタ到達による低確時短状態であることを示唆しても良い。
上記形態では、空モードが設定されると、表示画面50aにて時短カウントダウン示唆文字画像KMが表示される。これに限定されることはない。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ600から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り特図の変動回数を遊技者に示唆することが可能であっても良い。
上記形態では、空モードが設定されると、表示画面50aにて小当たりカウントダウン示唆文字画像KNが表示される。これに限定されることはない。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ600から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、リミッタ到達による低確時短状態から通常遊技状態に移行するまでの残り小当たり当選と判定される回数を遊技者に示唆することが可能であっても良い。
上記形態の高確時短状態、又は低確時短状態では、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放されるため、第2流路R2に向けて打ち込まれた遊技球が電チュー12Dよりも左下方に向かうことがない。これにより、第3始動口20に入球する可能性は極めて低い。そのため、時短状態にて第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行される可能性はほぼ無い。これに限定されることはない。例えば、高確時短状態、又は低確時短状態での電チュー開閉部材12kの開放頻度を下げること(例えば、普通図柄の抽選によって当選する確率を低くするなど)で、第2流路R2に向けて打ち込まれた遊技球が電チュー12Dよりも左下方に向かう可能性をあっても良い。これにより、時短状態にて第3始動口20に入球する可能性が生じることで、時短状態にて第3始動口20への入球に基づいて特図2の抽選が実行される場合が生じる。そして、時短状態にて第2大入賞口15に入球する場合がある。これにより、遊技者が右打ちを行って遊技球を打ち込んだタイミングによっては、時短状態でも電チュー12Dに入球せずに流下した遊技球が第3始動口20又は第2大入賞口15に入球する場合が生じる。ただし、時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているものとする。
上記形態では、大当たり遊技の実行中に第3始動口20に遊技球が入球させて、特図2保留を貯めておく。そして大当たり遊技後の高確時短状態で貯めておいた特図2保留が消化され、特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に至ることで、高確非時短状態に移行することができた。これらに限定されることはない。例えば、図2に示すゲート13の配置箇所を第2大入賞口15よりも下流にする。これにより、高確時短状態にて、右打ちしても第2大入賞口15の下流に配置されたゲート13を通過させなければ、電チュー開閉部材12kが開放されないようにすることが可能となる。そのため高確時短状態にて、電チュー開閉部材12kが開放される前に、第3始動口20に遊技球を入球させることが可能となる。こうして、第3始動口20に遊技球を入球させて、特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に到達すると、高確時短状態から高確非時短状態に移行するようにしても良い。その他にも、例えば、図2に示す第2流路R2に配置されたゲートの上流に植設された釘の調整によって、第2流路R2を流下する遊技球がゲート13を通過し難くしても良い。これにより、時短状態にて、電チュー開閉部材12kが開放され難くすることができる。そのため、高確時短状態にて、第2始動口12に入球することなく下流へ流下し、第3始動口20に入球する可能性が高くなる。こうして、第3始動口20に遊技球を入球させて、特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が1回に到達すると、高確非時短状態に移行するようにしても良い。
上記形態では、リミッタ未到達で、特図1の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が50%で、低確時短状態に移行する確率は50%である。これに限定されるものではなく、高確時短状態に移行する確率は適宜変更可能である。例えば、リミッタ未到達で、特図1の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が100%でも良い。
上記形態では、リミッタ未到達で、特図2の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が100%である。これに限定されるものではなく、高確時短状態に移行する確率は適宜変更可能である。例えば、リミッタ未到達で、特図2の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が50%で、低確時短状態に移行する確率は50%でも良い。
上記形態では、リミッタ未到達で、特図2の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が100%である。これに限定されるものではなく、高確時短状態に移行する確率は適宜変更可能である。例えば、リミッタ未到達で、特図2の抽選で大当たり当選した場合には、高確時短状態に移行する確率が50%で、高確非時短状態に移行する確率は50%でも良い。この場合、リミッタ到達したときには、特図2の抽選で大当たり当選し、実行された大当たり遊技の終了後には、低確時短状態に移行する確率は50%で、低確非時短状態に移行する確率は50%としても良い。またリミッタ未到達で、特図2の抽選で大当たり当選した場合には、高確非時短状態に移行する確率が100%でも良い。この場合、リミッタ到達したときには、特図2の抽選で大当たり当選し、実行された大当たり遊技の終了後には、低確非時短状態に移行する確率は100%にしても良い。
上記形態では、第3始動口20への入賞であれば第2特図保留として、第2特図保留記憶部105bに記憶される。第2特図保留記憶部105bに記憶可能な第2特図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっていた。これに限定されることはない。例えば、第3始動口20への入賞であれば第2特図保留として、第2特図保留記憶部105bに記憶されないようにしても良い。この場合、第2特図保留記憶部105bは設けないこととする。
また上記各形態では、特図2の抽選で小当たりに当選することがある一方、特図1の抽選で小当たりに当選することがないように設定した。しかしながら、特図1の抽選でも小当たりに当選することがあるようにしても良い。或いは、特図1の抽選でのみ小当たりに当選することがあるようにしても良い。また図10(A)に示すように、特図2の抽選によって小当たりに当選する確率を約1分の1(例えば大当たりへの当選を除いて100%小当たりに当選するように)に設定したが、小当たりに当選する確率は、適宜変更しても良い。
また上記各形態では、第2流路R2上に第3始動口20を設けて、第3始動口20への入球に基づく小当たりへの当選によって、小当たりラッシュ状態を作り出していた。しかしながら、第3始動口20に替えて、遊技球が入球可能な役物作動口を設ける。そして、役物作動口への入球によって抽選を行うことなく小当たり遊技が実行されるようにすることで、小当たりラッシュ状態を作り出すようにしても良い。
上記各形態では、高確非時短状態では、特図2の抽選で頻繁に小当たりに当選して、小当たりラッシュ状態になるようにした。しかしながら、高確非時短状態では、特図2の抽選で小当たりに当選せずに、小当たりラッシュ状態にならないようにしても良い。この場合、高確非時短状態では、遊技者が持ち球を大きく減らすおそれがある。そこで、電チュー12Dに入球しなかった遊技球が一般入賞口10に頻繁に入球できるように当該一般入賞口10を配置すると良い。これにより、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態であっても、遊技者が持ち球を大きく減らすことなく遊技できるためである。
また上記各形態では、第2流路R2上に第3始動口20を設けて、第3始動口20への入球に基づく小当たりへの当選によって、小当たりラッシュ状態を作り出していた。しかしながら、第3始動口20に替えて、遊技球が入球可能な役物作動口を設ける。そして、役物作動口への入球によって抽選を行うことなく小当たり遊技が実行されるようにすることで、小当たりラッシュ状態を作り出すようにしても良い。
また上記各形態では、第1大入賞口14と第2大入賞口15が2つ設けられていた。そして、大当たり遊技では奇数のラウンドでは第1大入賞口14の開放、偶数のラウンドでは第2大入賞口15の開放に切替えるようなっていた(図8参照)。これに限定されることはない。例えば、大当たり遊技が開始されて所定のラウンド数までは第1大入賞口14又は第2大入賞口15のうち、一方の大入賞口が開放されるようにしても良い。この場合、所定のラウンド数以降は、他方の大入賞口が開放されるようにしても良い。また第2大入賞口15に特定領域16を設けていたが、これに限定されることはない。第1大入賞口14に特定領域16を設けるようにしても良い。しかしながら、一つの大入賞口を設けるようにしても良い。この場合、大当たり遊技によって第1大入賞口を開放し、小当たり遊技によって第2大入賞口を開放するようにしても良い。
また上記各形態では、第2大入賞口15内への特定領域16への通過に基づいて、高確率状態に制御する遊技機(所謂V確機)として構成した。しかしながら、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類でのみ高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したり、当選した大当たりの種類と当選時の遊技状態とに基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成しても良い。
また上記各形態では、図8に示すように、大当たりの種類(大当たり図柄の種類)を設けた。しかしながら、図8に示す大当たりの種類はあくまで一例であって、適宜変更可能である。
上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続くパチンコ遊技機PY1(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成した。しかしながら、高確率状態に制御された後に特別図柄の変動表示の回数が所定の上限回数(ST回数)に達すると、通常確率状態に移行するパチンコ遊技機PY1(いわゆるSTタイプの遊技機)として構成しても良い。また確変リミッタを備えていないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、第2大入賞口15の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。また小当たり遊技にて第2大入賞口15が開放されるが、これに限定されるものではない。小当たり遊技にて第1大入賞口14が開放されるようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12或いは第3始動口20への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、転落機、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
また上記形態では、1種類のみの大当たり判定テーブルが設定されていたが(図10(A)参照)、設定値を変更することで、設定値ごとに設けられた大当たり判定テーブルを変更可能としてもよい。なお、大当たり判定テーブルが変更されることで大当たり判定処理にて大当たりと判定される確率が変更される。その場合、遊技制御基板100に設定値の変更を可能とするための設定値シリンダを設けてもよい。設定値シリンダには、専用の設定鍵を挿入させる挿入穴が設けられている。挿入穴に設定鍵を挿入すると、設定値シリンダを基準の待機状態から90度時計回りに回転させることができる。そして、設定値シリンダを待機状態から90度時計回りに回転させると設定状態となる。これにより、RAMクリアスイッチの操作によって設定値の設定変更を可能としてもよい。RAMクリアスイッチは押下操作可能に構成してもよい。さらに、遊技制御基板100の表面に、現在の設定値を表示する設定値表示器を搭載してもよい。また設定値表示器は、赤色7セグメント表示器で構成されていてもよい。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)に配置された入球口(第2始動口12)への入球に基づいて判定処理を行い、その判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示させ、大当たり図柄が停止表示されると、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行可能とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記入球口は、入球の容易さが変化可能とし、
前記遊技領域には、前記入球口とは異なる所定の入球口(第3始動口20)が配置され、
前記遊技制御手段は、
通常確率状態よりも前記判定処理にて大当たり当選と判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
非入球容易状態(非電サポ制御状態)よりも前記入球口へ入球し易い入球容易状態(電サポ制御状態)に制御可能であり、
前記所定の入球口への入球に基づいて前記判定処理にて小当たり当選と判定し、その判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示させ、小当たり図柄が停止表示されると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放する小当たり遊技を実行可能とし、
前記高確率状態且つ前記入球容易状態であるときに、前記判定処理にて小当たり当選と判定された回数が規定回数(1回、図8参照)に到達した場合に、前記高確率状態且つ前記非入球容易状態に制御可能とし、
前記高確率状態且つ前記非入球容易状態は、前記小当たり遊技にて前記特別入賞口に入球し易い遊技状態であり、
前記大当たり遊技の終了後に前記高確率状態に制御して、所定の条件が成立すること(大当たり遊技後の遊技状態が連続して高確率状態に制御された回数が制限回数(3回)に到達すること)に基づいて、前記大当たり遊技の終了後に前記通常確率状態且つ前記入球容易状態に制御可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態且つ入球容易状態から高確率状態且つ非入球容易状態にするのは、高確率状態且つ入球容易状態であるときに、判定処理にて小当たり当選と判定された回数が規定回数に達することが条件となっている。そして高確率状態且つ非入球容易状態は、小当たり遊技にて特別入賞口に入球し易い遊技状態となっている。また、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御され、所定の条件が成立することに基づいて、通常確率状態且つ入球容易状態に制御され得る。これにより、高確率状態且つ入球容易状態であるときに小当たり当選と判定された回数が規定回数に達することで、持ち球を徐々に増やし続けることが可能な高確率状態且つ非入球容易状態になり得る。さらに、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御され、所定の条件が成立するまで、高確率状態を継続させることが可能となっている。そのため、所定の条件が成立するまで、高確率状態且つ非入球容易状態が継続させることができれば、高確率状態且つ非入球容易状態の継続に伴って、持ち球を徐々に増やし続けることが可能となり、遊技機の遊技興趣を高めることが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記所定の条件が成立したことに基づいて制御した前記通常確率状態且つ前記入球容易状態であるときに、前記判定処理にて小当たり当選と判定された回数が所定の規定回数(100回、図8参照)に到達するまで、前記通常確率状態且つ前記非入球容易状態を継続可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定の条件が成立したことに基づいて制御された通常確率状態且つ入球容易状態での判定処理にて小当たり当選と判定された回数が規定回数よりも多い所定の規定回数に到達した場合には、通常確率状態且つ非入球容易状態に制御可能となっている。これにより、所定の条件が成立したことに基づいて制御された通常確率状態且つ入球容易状態での判定処理にて小当たり当選と判定された回数が所定の規定回数に到達するまでは、通常確率状態且つ入球容易状態を継続させることが可能となる。そのため、通常確率状態且つ非入球容易状態に制御される前に、判定処理にて大当たり当選と判定されれば、通常確率状態且つ非入球容易状態に制御されないことが可能となる。これにより、所定の条件が成立したことに基づいて制御された通常確率状態且つ入球容易状態にて、何としても大当たり当選させたいという遊技者の気持ちをかき立てることが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段により前記遊技領域に配置されたゲート(ゲート13)への入球に基づいて抽選が行われ、その抽選に当選した場合に、遊技球の入球が容易となった前記所定の入球口への入球が可能となり、
前記遊技領域は、遊技球を打ち分け可能な第1遊技領域(左遊技領域6L)と第2遊技領域(右遊技領域6R)を含み、
前記ゲート、前記入球口、前記所定の入球口、及び前記特別入賞口は、前記第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能となるように配置されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技領域に配置されたゲートへの遊技球の入球に基づいて抽選が行われ、その抽選に当選した場合には、所定の入球口への遊技球の入球が可能となる。ゲート、入球口、所定の入球口、及び特別入賞口は、第2遊技領域を流下する遊技球が入球可能となるように配置されている。これにより、高確率状態且つ入球容易状態であるときに、判定処理にて小当たり当選と判定された回数が規定回数に到達して、高確率状態且つ非入球容易状態に制御されたとしても、遊技者は打ち分けることなく、そのまま高確状態且つ非入球容易状態にて実行された小当たり遊技で持ち球を徐々に増やし続けることが可能となる。さらに、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御され、所定の条件が成立することに基づいて、大当たり遊技の終了後に通常確率状態且つ入球容易状態に制御されたとしても、遊技者は打ち分けることなく、そのまま通常確率状態且つ入球容易状態にて遊技を続けることが可能となる。こうして、遊技状態の変化に応じて第1遊技領域又は第2遊技領域に打ち分けることにはならないため、無駄玉を生じてしまうことを防止することが可能となる。
手段A4に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
所定の演出を実行可能とする演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記所定の条件が成立したことに基づいて制御された前記通常確率状態且つ前記入球容易状態であるときに、当該通常確率状態且つ当該入球容易状態であることを示唆する示唆演出(空モード、図13、図14(E)、図15(E)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定の条件が成立したことに基づいて制御された通常確率状態且つ入球容易状態であるときに、当該通常確率状態且つ当該入球容易状態であることを示唆する示唆演出が実行される。これにより、所定の条件が成立したことに基づいて制御された通常確率状態且つ入球容易状態であることを把握させることが可能となる。そのため、小当たり当選と判定された回数が所定の規定回数に到達するまでに、何としても、再度大当たりを引き戻したいという遊技者の欲求をかき立てることが可能となる。
手段A5に係る発明は、
所定の判定処理により大当たりと判定されると、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行し、前記判定処理により小当たりと判定されると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放する小当たり遊技を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
通常確率状態よりも前記判定処理により大当たりと判定される確率が高い高確率状態に制御可能であり、
非入球容易状態(非電サポ制御状態)よりも特定の入球口(第2始動口12)へ入球し易い入球容易状態(電サポ制御状態)に制御可能であり、
前記高確率状態且つ前記非入球容易状態であるときに、小当たりに基づく前記特別入賞口の開放により前記特別入賞口へ入賞し易い小当たり入賞容易状態にすることが可能であり、
前記高確率状態且つ前記入賞容易状態であるときに当該入球容易状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(1回)に至る、図8、図13参照)と、前記小当たり入賞容易状態から前記大当たり遊技を経て前記通常確率状態且つ前記入球容易状態に制御された場合に当該入球容易状態が終了する条件(特図の変動回数が特定回数(100回)に至るか、又は特図2の抽選によって小当たり当選と判定された回数が規定回数(100回)に至る、図8、図13参照)と、が異なることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態且つ非入球容易状態に制御されると、小当たりに基づく特別入賞口の開放により特別入賞口へ入賞し易い小当たり入賞容易状態にすることが可能となる。また高確率状態且つ入球容易状態であるときにその入球容易状態が終了する条件と、小当たり入賞容易状態から大当たり遊技を経て通常確率状態且つ入球容易状態であるときにその入球容易状態が終了する条件が異なる。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態になる場合と、遊技者にとって不利な遊技状態になる場合とで入球容易状態を終了させる条件を異ならせることになる。こうして、入球容易状態を終了させる条件を変化させることで、遊技者に異なる遊技状況を提供することが可能となり、遊技機の遊技興趣を高めることが可能となる。
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機において、
前記小当たり入賞容易状態から前記大当たり遊技を経て前記通常確率状態且つ前記入球容易状態に制御された場合に当該入球容易状態が終了する条件は、前記高確率状態且つ前記入球容易状態に制御された場合に当該入球容易状態が終了する条件よりも、前記入球容易状態が終了し難い条件であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小当たり入賞容易状態から大当たり遊技を経て通常確率状態且つ入球容易状態に制御された場合の入球容易状態が終了する条件は、高確率状態且つ入球容易状態に制御された場合に入球容易状態が終了する条件よりも困難となっている。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態が継続し易く、有利な遊技状態から不利な遊技状態となってしまうのを困難にすることが可能となる。つまり、小当たり入賞容易状態という有利な遊技状態から大当たり遊技を経て通常遊技状態且つ入球容易状態という不利な遊技状態になっても、遊技者の落胆を軽減することが可能となる。
ところで、特開2015-013042号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技の終了後に高確率状態且つ非入球容易状態に移行可能となっている。そして、高確率状態且つ非入球容易状態は、小当たり遊技にて大入賞口に入賞し易い遊技状態である。遊技者はその高確率状態且つ非入球容易状態で実行された小当たり遊技にて開放された大入賞口に遊技球を入球させることで、徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能となっている。ところが、小当たり遊技にて大入賞口に入賞し易い遊技状態に移行可能な遊技機は、遊技興趣を高めることが可能な改善の余地がある。そこで上記した手段A1~手段A6に係る発明は、特開2015-013042号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、高確率状態且つ入球容易状態であるときに判定処理で小当たりと判定された回数が規定回数に到達した場合に、小当たり遊技に大入賞口に入球し易い高確率状態且つ非入球容易状態に制御可能である。さらに、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御され、所定の条件が成立することに基づいて、大当たり遊技の終了後に通常確率状態且つ入球容易状態に制御可能である点で相違している。これにより、遊技興趣を高めるという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。