1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞口15を、第2特別入賞口ともいう。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図5参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、第1特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、第1始動口11の左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左下方には、遊技球が入球可能な役物作動口20が設けられている。役物作動口20への遊技球の入球が第2大入賞口15を開放するための実行契機となっている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という(図2参照)。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、役物作動口20と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、役物作動口20、第2大入賞口15への入球を狙うことができる。本形態では、第2始動口12(入球口)、役物作動口20(特定入球口)、第2大入賞口15(特別入賞口)が順に同じ流下経路(第2流路R2)に配置されている(図2参照)。ここで「同じ流下経路に配置」されているとは、左遊技領域6L又は右遊技領域6Rのうち、例えば右遊技領域6Rに向けて発射された遊技球が第2流路R2の上流に到達し、第2流路R2の上流から下流へと流下していった遊技球が第2流路R2に配置された入球口、特定入球口、及び特別入賞口などにも入球し得るように配置されていることをいう。そのため、例えば遊技盤1に植設された釘などに衝突して弾かれ、入球口に入球することなく下流へと流下した遊技球が、特定入球口や特別入賞口などに入球しないように配置されていたとしても「同じ流下経路に配置」に含まれるものとする。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている役物作動口20や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、ほとんど第2始動口12に入球して、役物作動口20に入球することがほとんどない。そのため、役物作動口20への入球に基づいて後述する小当たり遊技の実行が行われることはほとんどない。これにより、小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、役物作動口20の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、役物作動口20に入球することが可能である。そのため、役物作動口20への入球に基づいて後述する小当たり遊技の実行が可能である。これにより、小当たり遊技の実行によって、開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技の実行中に入賞があった場合と、役物作動口20への入球に基づく小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、役物作動口センサ20a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。役物作動口センサ20aは、役物作動口20内に設けられて、役物作動口20に入球した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。本形態では、第1始動口11への遊技球の入球により3個の賞球が払い出される。また第2始動口12への遊技球の入球により1個の賞球が払い出される。役物作動口20への遊技球の入球により1個の賞球が払い出される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図6に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図5及び図6は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図5及び図6に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図5又は図6に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図5又は図6に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(大当たりOPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(大当たりEDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また本形態では、役物作動口20に遊技球が入球すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。本形態の小当たり遊技は、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル、小当たりOPとも表記する)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル、小当たりEDとも表記する)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態(高確率遊技状態)に移行させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態、低確率状態、低確率遊技状態)に移行させる大当たりである。
そして本形態では、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。また大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する高確率遊技状態又は低確率遊技状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が10000回又は100回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(規定回数)のことである。
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて4つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「通常遊技状態」や「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下、「低確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態(第1遊技状態)」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態(第2遊技状態)」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、通常遊技状態である。
図7(A)に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、3種類ある。具体的に、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄1」が停止表示される。また第1特別図柄の抽選で確変大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄2」が停止表示される。これらに対して、第1特別図柄の抽選で通常大当たり1となる場合に、大当たり図柄として「特図1_通常図柄1」が停止表示される。
また、図7(B)に示すように、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には、2種類ある。具体的には、第2特別図柄の抽選で確変大当たり3となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄」が停止表示される。それに対して、第2特別図柄の抽選で通常大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図2_通常図柄」が停止表示される。
図7(A)に示すように、第1特別図柄の抽選で、確変大当たり1に当選する場合(特図1_確変図柄1(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合には、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回に設定される。
また第1特別図柄の抽選で、確変大当たり2に当選する場合(特図1_確変図柄2が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回(規定回数)に設定される。
これらに対して、第1特別図柄の抽選で、通常大当たり1に当選する場合(特図1_通常図柄1が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回に設定される。なお、特図1_確変図柄1と、特図1_確変図柄2と、特図1_通常図柄1に対する振分率は、40%:25%:35%に設定されている。
また図7(B)に示すように、第2特別図柄の抽選で確変大当たり3に当選する場合(特図2_確変図柄(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が設定されることはない。
また図7(B)に示すように、第2特別図柄の抽選で通常大当たり2に当選する場合(特図2_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、低確率状態且つ時短状態(低確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回に設定される。なお、特図2_確変図柄と特図2_通常図柄の振分率は、65%:35%に設定されている。
また図7(A)に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する確変大当たり1又は確変大当たり2は8R大当たりである。この8R大当たりでは、1Rから8Rまで第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。そのため、実質的なラウンド数は8Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。また図7(A)に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する通常大当たり1は4R大当たりである。この4R大当たりでは、1Rから4Rまで第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。
また図7(B)に示すように、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりが確変大当たり3又は通常大当たり2であれば、16R大当たりとなる。この16R大当たりでは、1Rから16Rまで第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。そのため、実質的なラウンド数は16Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。なお大当たり遊技の1ラウンド中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
次に、図8に基づいて小当たり遊技の内容について説明する。本形態では、上述したように、遊技領域6に配置された役物作動口20への遊技球の入球を契機に小当たり遊技が実行されることになる。ここで本形態の小当たり遊技の開放パターンは、図8に示す通りである。パチンコ遊技機PY1の遊技状態が低確非時短状態である場合に、役物作動口20への遊技球の入球に基づいて、先ず600秒の小当たりオープニングが実行される。次に第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけ小当たりエンディングが実行される。また、パチンコ遊技機PY1の遊技状態が低確時短状態、高確時短状態、又は高確非時短状態の何れの場合であっても、役物作動口20への遊技球の入球に基づいて、先ず0.004秒の小当たりオープニングが実行される。次に第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけ小当たりエンディングが実行される。なお小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。図9(A)に示すように、当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態(高確率遊技状態)」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態、低確率遊技状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器82(以下、普図表示器82ともいう)の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。なお本形態では、非時短状態での普通図柄抽選における当選確率は約1/1.1となっている(図10(C)参照)。一方、時短状態での普通図柄抽選における当選確率は約1/1となっている(図10(C)参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図10(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では1.1秒であるのに対して、時短状態では1.0秒である。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ところで本形態では、非入球容易状態であっても、右打ちされた遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球し得るように設定されている。即ち、図10(C)に示すように、非時短状態であっても、普通図柄の抽選で当たりと判定される確率が高めに設定されている。また図10(D)に示すように、普通図柄の変動時間は、時短状態と同様に、比較的短い時間(1.1秒)に設定されている。但し時短状態と比べて、非時短状態での補助遊技では、電チュー12Dの開放時間が1秒であって、1回しか開放しない。こうして、非入球容易状態、即ち非入球容易状態を伴う非時短状態であっても、右打ちされた遊技球が、電チュー12Dにある程度入球可能に設定されている。この理由については、後述する。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
電サポ制御状態を伴う高確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。なぜなら、仮に第2始動口12に遊技球が入賞しても、通常遊技状態での第2特別図柄の変動時間(「600000ms(10分)」、図11参照)が極めて長く設定されているため、非効率的な遊技を行うことになるからである。さらに、通常遊技状態で右打ちを行い、役物作動口20に遊技球が入球しても、600秒という極めて長い小当たりOPが実行されてしまい、通常遊技状態にて第2大入賞口15に遊技球を入球させることが極めて困難となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
本形態では上述したように、役物作動口20に遊技球が入球すると、小当たり遊技が実行されるように設定されているため、高確非時短状態において、比較的頻繁に小当たり遊技が実行することが可能である。そのため、役物作動口20に遊技球が入球させていく限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
ここで電サポ制御状態を伴う高確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放することで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、役物作動口20と小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入球することがほとんどない。つまり高確時短状態の場合、役物作動口20に遊技球が入球しないか、又は仮に役物作動口20に遊技球が入球して小当たり遊技が実行されたとしても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることが出来ない。
これに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。また、図3(B)に示すように、高確非時短状態では電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出している場合、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下して、役物作動口20に入球することが可能となっている。その後、流下した遊技球が役物作動口20に入球すると、小当たり遊技が実行され、第2大入賞口15が開放し得る(図3(B)参照)。そして、右打ちされた遊技球が電チュー12D及び役物作動口20に入球することなく左方へと流下して、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞することが可能となる。このように非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができるだけでなく、役物作動口20にもある程度入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることできる。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、電サポ制御状態を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態(特別遊技状態)は、役物作動口20への遊技球の入球に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態」とも称する。
ここで本形態では、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、図11に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。それ以外にも、右遊技領域6Rに配置した釘等によって、通常遊技状態で遊技者が右打ちを行っても、遊技者に不当な利益を与えないように施しても良い。ただしその場合、通常遊技状態以外の遊技状態で右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させても有利に遊技を進行できるようにする。
また本形態では、非時短状態中に右打ちを行うことで役物作動口20や第2大入賞口15に遊技球を入球させることを可能となるように設定したため、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が役物作動口20や第2大入賞口15に入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、上述したように、第2始動口12、役物作動口20、及び第2大入賞口15を同じ第2流路R2に順に配置した。さらに、低確非時短状態での役物作動口20への遊技球の入球に基づいて実行される小当たり遊技の小当たりオープニング時間を「600秒」という極めて長い時間に設定している(図8参照)。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行い、役物作動口20に遊技球が入球しても、役物作動口20に遊技球を入球させても極めて長い時間である「600秒」を経過するまで第2大入賞口15が開放されない。そのため、役物作動口20に入球した遊技球よりも第2流路R2の上流に他の遊技球が流下していたとしても、第2大入賞口15に到達するまでに第2大入賞口15が開放されることはないため、当該他の遊技球が第2大入賞口15に入球することはない。つまり、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)では、役物作動口20に遊技球を入球させても第2大入賞口15に遊技球を入球させることは困難となっている。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
ところで本形態では、時短状態の終了条件として、上述したように特別図柄の変動表示の実行回数(以下「特図の変動回数」と呼ぶ)が規定回数(10000回又は100回)に至る終了条件が設けられている。その他に、本形態では特別図柄の大当たり変動の開始に伴って時短状態を終了させる終了条件も設けられている。
本形態では、上述したように、高確非時短状態(第2遊技状態,特別遊技状態)が高確時短状態(第1遊技状態,特定遊技状態)よりも、遊技者に有利になるように設定している。そして、高確非時短状態は、高確時短状態から移行できる点に特徴がある。即ち、高確時短状態において、特図の変動回数が規定回数(時短回数)に至れば、時短状態から非時短状態に切替わるため、高確非時短状態になる。従って、遊技者から見れば、時短回数を全て消化すれば、有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することができる。こうして、高確時短状態において、遊技者には時短回数を積極的に消化させて、所謂「天井」のように特図の変動回数が規定回数に達することを期待させる遊技性になる。よって、従来にはない斬新な興趣性を提供することが可能である。
なお図7(B)に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が16Rであるのに対して、図7(A)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数は4R又は8Rである。また第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、実行された大当たり遊技の終了後に65%の確率で高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することが可能である(図7(B)参照)。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、25%の確率で移行した高確時短状態で特別図柄の変動回数が100回に到達することで、高確非時短状態に移行することが可能となる(図7(A)参照)。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さと、より有利な遊技状態への移行確率も高いため、第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
5.遊技の流れ1の説明
次に、本パチンコ遊技機PY1の遊技の流れの一つについて、図13に基づいて説明する。図13に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、低確時短状態と、高確時短状態と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)との間を移行しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒低確時短状態⇒高確時短状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。なお図13では、高確時短状態に移行する場合を白抜きの矢印で示していて、高確非時短状態に移行する場合を斜線付きの矢印で示していて、低確時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示していて、低確非時短状態に移行する場合を黒の矢印で示している。
低確非時短状態では、第1始動口11や一般入賞口10へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。図13に示すように、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、40%の確率で特図1_確変図柄1になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が10000回に設定される。従って、実質的に時短回数の消化によって高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できない。
また、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、25%の確率で特図1_確変図柄2になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が100回に設定される。従って次回の大当たりを引き当てる前に、時短回数である100回を全て消化すれば、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することができる。
これらに対して、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特図1_通常図柄1になる。この場合、大当たり遊技後に再び低確時短状態に制御される。この場合、大当たり遊技後の低確時短状態では、時短回数が100回に設定される。従って、遊技者は右打ちを行って、特図2の抽選で大当たりへの当選を狙うことになる。
ここで低確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、役物作動口20や第2大入賞口15に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
また高確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、役物作動口20や第2大入賞口15に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
これらに対して、高確非時短状態でも、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。但し本形態では、非電サポ制御状態でも、電チュー12Dにある程度入球するが、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、役物作動口20や第2大入賞口15に入賞することができる。従って、高確非時短状態が続く限り(次回の大当たりを引き当てない限り)、遊技者は、役物作動口20や第2大入賞口15への入賞によって、持ち球を徐々に増やす(ベースが1を超える)ことが可能である。
図13に示すように、低確時短状態、又は高確時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、65%の確率で特図2_確変図柄になる。この場合、大当たり遊技後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することができる。また低確時短状態、又は高確時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で特図2_通常図柄になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_通常図柄1に当選した場合と同様である。
図13に示すように、高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、65%の確率で特図2_確変図柄になる。この場合、大当たり遊技後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することができる。また高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、35%の確率で特図2_通常図柄になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_通常図柄1に当選した場合と同様である。
本形態では各遊技状態に対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50の表示画面50aに表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図14に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、低確時短状態に対応する森モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態に対応する宇宙モードと、高確非時短状態での第2特別図柄の大当たり変動中に対応する空モード(示唆演出)とが存在する。なお大当たり変動とは、大当たりを示す特別図柄の変動表示のことである。
昼モードに設定されているときには、図14(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。
森モードに設定されているときには、図14(B)に示すように、表示画面50aに森を示す森背景画像H2が表示される。そのため、森背景画像H2を見た遊技者に対して、低確時短状態に制御されていると認識させることが可能である。また森モードの設定中には、図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。
夜モードに設定されているときには、図14(C)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H3が表示される。そのため、夜背景画像H3を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(高確時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。
また宇宙モードは遊技者に高確非時短状態であることを示唆する演出モードである。宇宙モードに設定されているときには、図14(D)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像H4が表示される。そのため、宇宙背景画像H4を見た遊技者に対して、最も有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に制御されていることを把握させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図14(D)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D、役物作動口20、及び第2大入賞口15への入賞を狙うことが可能である。なお役物作動口20や第2大入賞口15への入賞を促す演出は、右打ち画像Raの表示に限られず、その他の画像の表示や、特定のランプの発光や特定の音声の出力等であっても良い。
また空モードは遊技者に大当たり変動中に高確非時短状態であることを示唆する演出モードである。空モードに設定されているときには、図14(E)に示すように、表示画面50aに空を示す空背景画像H5が表示される。そのため、空背景画像H5を見た遊技者に対して、大当たり変動中に最も有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に制御されていることを把握させることが可能である。また空モードの設定中には、図14(E)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D、役物作動口20、及び第2大入賞口15への入賞を狙うことが可能である。また図14(E)に示すように、表示画面50aに、大当たりに係る特図変動パターンに含まれる変動時間を示唆する期間示唆画像OTが表示される。図14(E)に示すように、表示画面50aに表示された期間示唆画像OTには「01:20」と表示されている。なお本形態の期間示唆画像OTはカウントダウンタイマーとなっている。従って、期間示唆画像OTが「00:00」の表示になることで、遊技者に大当たり変動中の高確非時短状態が終了し得ることを把握させることが可能である。また図14(E)に示すように、獲得チャンス演出として、「獲得チャンス」の第1文字画像NGAが表示される。この獲得チャンス演出により、遊技者には高確非時短状態での第2特別図柄の大当たり変動中に、小当たり遊技が実行されると出玉が増えるチャンスであることを把握させることが可能である。なお役物作動口20や第2大入賞口15への入賞を促す演出は、右打ち画像Raの表示に限られず、その他の画像の表示や、特定のランプの発光や特定の音声の出力等であっても良い。
6.時短状態から非時短状態への切り替え
従来の一般的なパチンコ遊技機では、遊技状態が高確時短状態である場合に、特図の抽選で大当たりに当選し、特別図柄の停止表示が終了すると、高確率遊技状態が終了して低確遊技状態に切替えると共に、時短状態が終了して非時短状態に切替えている。また、遊技状態が低確時短状態である場合に、特図の抽選で大当たりに当選し、特別図柄の停止表示が終了すると、時短状態が終了して非時短状態に切替えている。
ところが、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態が高確時短状態である場合、図15(A)に示すように、特図の抽選で大当たりに当選すると、特別図柄の変動時間の開始に伴い、時短状態が終了して非時短状態に切替えている。これに対して、図15(A)に示すように、特図の抽選で大当たりに当選して、特別図柄の大当たり変動が開始されても高確率遊技状態のままであるが、特別図柄が停止表示すると、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に切替えている。
一方、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態が低確時短状態である場合、図15(B)に示すように、特図の抽選で大当たりに当選すると、大当たりを示す特別図柄の変動時間の開始に伴い、時短状態が終了して非時短状態に切替えている。
また従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機の小当たりラッシュ状態への突入契機は大当たり遊技の終了後であった。ところが本形態では、パチンコ遊技機PY1の遊技状態が時短状態である場合に、特図の抽選で大当たりに当選すると、大当たりを示す特別図柄の変動時間の開始に伴って時短状態から非時短状態に切替えるという特徴を用いる。これにより、今までとは異なる遊技状況から小当たりラッシュ状態に突入することが可能となっている。
具体的には、高確時短状態で特図2の抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、時短状態から非時短状態に切替わることで、高確非時短状態に移行する(図15(A)参照)。そして、図11に示すように、高確非時短状態での大当たりを示す第2特別図柄の変動時間を「120000ms」(2分間)という、低確時短状態や高確時短状態での第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が選択される。従って本形態では、高確時短状態で特図2の抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、高確非時短状態での大当たり変動中(2分間)に小当たり遊技にて第2大入賞口15に遊技球を入賞させることができる。これにより、徐々に持ち球を増やし続けることが可能となる小当たりラッシュ状態に移行させることが可能となる。その結果、遊技者は大当たり遊技の開始される前である大当たり変動中に賞球を得ることが可能となる。
7.遊技の流れ2の説明
次に、本パチンコ遊技機PY1の遊技状態が高確時短状態で特図2の抽選で大当たりに当選した場合の遊技の流れの一つについて、図16に基づいて説明する。図16に示すように本形態では、高確時短状態から高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)への移行と、高確非時短状態から大当たり遊技状態(低確非時短状態)への移行と、大当たり遊技状態(低確非時短状態)から高確非時短状態又は低確時短状態への移行が可能となっている。なお図16では、高確非時短状態に移行する場合を斜線付きの矢印で示していて、低確時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示していて、大当たり遊技状態(低確非時短状態)に移行する場合を黒の矢印で示している。
図16に示すように、高確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、遊技状態は高確時短状態から高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行する。そして第2特別図柄で大当たり図柄が停止表示すると、遊技状態は高確非時短状態から低確非時短状態に移行して、大当たり遊技状態が実行されることになる。なお大当たり遊技状態でのパチンコ遊技機PY1の遊技状態は低確非時短状態である。その後、第2特別図柄で停止表示された大当たり図柄が振分率65%の確率で特図2_確変図柄であれば、大当たり遊技後の遊技状態は高確非時短状態に設定される。それに対して、第2特別図柄で停止表示された大当たり図柄が振分率35%の確率で特図2_通常図柄であれば、大当たり遊技後の遊技状態は低確時短状態に設定される。
上述したように、本形態では高確時短状態である場合に、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行すると、その大当たり変動中に小当たり遊技を発生させて、徐々に持ち球を増やしていくことが可能となる。その後大当たり遊技状態が実行されると、その大当たり遊技状態中に大量の持ち球を増やすことが可能となる。そして大当たり遊技状態の終了後に高確非時短状態に移行すれば、再び小当たり遊技の実行によって徐々に持ち球を増やし続けることが可能となる。さらに、高確非時短状態で特図2の抽選で確変大当たり3に当選すれば、その大当たり遊技の終了後には再度高確非時短状態に移行することになる。つまり、本形態では一度高確非時短状態に突入し、高確非時短状態で確変大当たり3に当選し続ければ、高確非時短状態を繰り返し可能な状態となり、本形態ではその状態を「プレミアムループ」と称する。
8.演出例など
<演出例1>
次に本形態の演出例1について、図17に基づいて説明する。先ず図17(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、表示画面50aにて特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。この特図1の抽選では、特図1_確変図柄2に当選することを前提条件とする。そして図17(B)に示すように、大当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「555」)が停止表示される。その後、大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技後に高確時短状態に移行する。
高確時短状態に移行すると、図17(C)に示すように、夜モードに設定される。そして変動演出が実行される度に、表示画面50aの右下部にて、回数示唆演出が実行されるようになっている。つまり図17(C)に示すように、高確時短状態に移行してから初めて特別図柄の変動表示が実行されると、「1回目」の文字画像KMが表示される。文字画像KMにて「〇回目」と表示することで、遊技者には、変動演出が実行される度に、宇宙モードへの移行に徐々に近づくことを把握させて、高揚感を徐々に高めることが可能である。よって、高確時短状態での演出に飽きさせないようにすることが可能である。その後、図17(D)に示すように、抽選の結果がハズレであったことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「678」)が停止表示される。
ここで、夜モードに設定されてから、図17(E)に示すように、特別図柄の変動表示が99回実行されたこととする。そして図17(F)(G)に示すように、100回目の変動演出が実行されると、図17(H)に示すように変動演出の最後に変動契機移行演出が実行される。この変動契機移行演出では、「100変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHが表示画面50aに表示される。これにより遊技者には、特別図柄の100回の変動表示を契機として宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることによる達成感を与えることが可能である。つまり、特別図柄の変動表示を100回実行したことによって、より有利な遊技状態への移行を獲得できたという満足感を与えることが可能である。
こうして本パチンコ遊技機PY1では、夜モード(高確時短状態)おいて、遊技者にとっては、大当たりに当選するよりも、特別図柄の変動表示が時短回数(規定回数)だけ実行されるのを望む遊技性(ゲーム性)になっている。即ち、大当たりを引き当てる前に、ハズレによって特別図柄の変動表示を消化するのを期待させる遊技性になっている。こうして本パチンコ遊技機PY1では、ハズレを規定回数だけ引き続けると、有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できるという斬新な期待感を遊技者に抱かせることが可能である。
<演出例2>
次に本形態の演出例2について、図18に基づいて説明する。この演出例では、図18(A)に示すように、森モードに設定されていて、表示画面50aに森背景画像H2が表示されている。ここで、特図2の抽選で特図2_確変図柄に当選したことを前提条件とする。この場合、図18(A)に示すように、大当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「777」)が停止表示される。その後、大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると、図18(B)に示すように、オープニング演出が実行される。図18(B)に示すように、オープニング演出に係るオープニング画像Iが表示される。また図18(B)に示すように、「〇△□」の状態確定表示画像Jが表示される。なお本形態では、特図2の抽選で確変大当たりになると、表示画面50aに「〇△□」の状態確定表示画像Jが表示される。状態確定表示画像Jが表示画面50aに表示されることで、獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行されること、その大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行すること、及び高確非時短状態で次に大当たりに当選すると、獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行されることを遊技者に把握させることが可能となる。そして本形態では、遊技状況に応じて状態確定表示画像Jに係る「〇△□」の表示形態を変化させることで、大当たり遊技状態中であることや、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中であることなどを遊技者に報知する。また表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
そして大当たり遊技の1ラウンドが開始されると、図18(C)に示すように、表示画面50aにてラウンド演出が実行される。図18(C)に示すように、表示画面50aにラウンド演出に係るラウンド画像Kが表示される。そして、図18(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。また、図18(C)に示すように、表示画面50aには「●△□」の状態確定表示画像Jが表示される。本形態では、図18(C)に示すように、大当たり遊技の1ラウンドが開始されると状態確定表示画像Jの表示態様は「〇△□」から「●△□」に変化される。これにより、今回の大当たり遊技が、獲得賞球が最大となる16Rの大当たり遊技が確定であることや、その大当たり遊技の実行中であることを遊技者に把握させることが可能となる。本形態では、図18(C)に示すように、ラウンド演出で、表示画面50aに表示される状態確定表示画像Jの表示態様は「●△□」となっていた。これに限定されるものではなく、ラウンド演出で、表示画面50aに表示される状態確定表示画像Jの表示態様は「●▲□」であっても良い。これにより、今回の大当たり遊技が、獲得賞球が最大となる16Rの大当たり遊技が確定であること、その大当たり遊技の実行中であること、及び大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行することを遊技者に把握させることが可能となる。
そして、最終ラウンドである16ラウンドを終了すると、図18(D)に示すように、エンディング演出が表示される。図18(D)に示すように、表示画面50aにエンディング演出に係るエンディング画像Lが表示される。ここで、特図2の抽選で特図2_確変図柄に当選しているため、大当たり遊技後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行することになる。また図18(D)に示すように、エンディング演出の実行開始に伴って、表示画面50aに表示された状態確定表示画像Jの表示態様は「●△□」から「●▲□」に変化される。これにより、実行中の大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)で確定であることを遊技者に把握させることが可能となる。
大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行すると、図18(E)に示すように、宇宙モードに設定され、変動演出が開始される。図18(E)に示すように、表示画面50aに「●▲□」の表示態様からなる状態確定表示画像Jが表示される。これにより、遊技者に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中であることを把握させることが可能となっている。そして、右打ちを行って、役物作動口20に遊技球が入球すると、図18(E)に示すように、獲得チャンス演出として、「獲得チャンス」の第2文字画像NGBが表示される。これにより遊技者には、宇宙モードにて第2大入賞口15へ入賞させるチャンスが生じたことを把握させることが可能である。
その後、図18(F)に示すように、入球チャンス演出が実行される。即ち、「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。これにより遊技者には、遊技領域6(図2参照)の右下側にある第2大入賞口15が開放することを把握させて、出玉を増やすことができるという小当たりラッシュ状態を堪能させることが可能である。なお小当たり遊技が終了すると、「入球チャンス」の文字画像NTと矢印画像YGは表示されなくなる。
そして、宇宙モードに設定されているときに、特図2の抽選で大当たりに当選したこととする。この場合には、図18(G)に示すように、大当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「222」)が停止表示される。その後、大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると、図18(H)に示すように、オープニング演出が実行される。図18(H)に示すように、オープニング演出に係るオープニング画像Iが表示される。また図18(H)に示すように、「●▲■」の状態確定表示画像Jが表示される。本形態では、高確非時短状態で再度大当たりに当選すると、表示画面50aに表示された状態確定表示画像Jの表示態様は「●▲□」から「●▲■」に変化される。これにより、実行される大当たり遊技が、獲得賞球数が最大となる16Rの大当たり遊技で確定していること、及びその大当たり遊技の終了後に低確時短状態又は高確非時短状態の何れかに移行することを遊技者に把握させることが可能となる。その後、高確非時短状態で当選した大当たりが確変大当たり3であれば、表示画面50aに「●△□」の表示態様からなる状態確定表示画像Jが再度表示される。一方、高確非時短状態で当選した大当たりが通常大当たり2であれば、表示画面50aには状態確定表示画像Jは表示されない。
<演出モードの変更タイミング>
次に、高確時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり3に当選し、大当たり変動が開始された場合の演出モードの変更タイミングについて、図19に基づいて説明する。先ず、高確時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり3に当選することを前提条件とする。本形態では、図19に示すように、高確時短状態では夜モードに設定される。そして、高確時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり3に当選して第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、時短状態が終了して非時短状態に切替えられている。そのため、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、パチンコ遊技機PY1の遊技状態は高確時短状態から高確非時短状態へ移行している。この場合、本形態では演出モードとして夜モード(高確時短状態)から空モード(高確非時短状態)に変更される。その後、第2特別図柄の変動時間を経過して、第2特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、空モードは終了となる。
<演出例3>
次に本形態の演出例3について、図20に基づいて説明する。この演出例では、図20(A)に示すように、夜モードに設定されていて、表示画面50aに夜背景画像H3が表示されている。ここで、特図2の抽選で特図2_確変図柄に当選したことを前提条件とする。図20(A)に示すように、抽選の結果がハズレであったことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「235」)が停止表示される。また図20(A)に示すように表示画面50aの右下部にて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)回目」の文字画像KMが表示される。文字画像KMには「30回」と表示されている。
その後、高確時短状態にて特図2の抽選で特図2_確変図柄の当選に基づいて、特図2の大当たり変動が開始されると、図20(B)に示すように、空モードに設定される。これにより、表示画面50aに空背景画像H5が表示されている。また表示画面50aにて、「空モード突入」の文字画像STが表示される。こうして、遊技者に高確時短状態にて特図2の抽選で確変大当たり3に当選し、大当たり変動が開始されると共に、高確非時短状態に移行したことを把握させることが可能となっている。本形態では、空モードが設定されると、表示画面50aには、空背景画像H5が表示されるだけでなく、期間示唆画像OTと「獲得チャンス」の第1文字画像NGAが表示される(図14(E)参照)。本形態では、高確非時短状態での大当たり変動中に小当たり遊技の実行が行われると、期間示唆画像OTの表示時間が中断される。その後小当たり遊技の実行が終了すると、中断中の期間示唆画像OTの表示時間の減算が再開される。そのため本形態では、高確非時短状態での大当たりを示す第2特別図柄の変動時間は120秒に設定されているが、大当たり変動中に小当たり遊技が実行されることによって第2特別図柄の大当たり変動が中断されるため、実際は高確時短状態にて第2特別図柄の大当たり変動が開始されることに伴って、高確時短状態から高確非時短状態に移行して経過した時間が120秒以上となる場合がある。
そして高確非時短状態に移行して、表示画面50aに表示された期間示唆画像OTの表示時間が90秒減算された後には、「00:30」と表示された期間示唆画像OTが表示画面50aに表示される。これにより、遊技者に第2特別図柄の残り変動時間を把握させると共に、期間示唆画像OTの表示時間が「00:00」となると、高確非時短状態が終了することを把握させることができる。また大当たり変動中の高確非時短状態であり、大当たり遊技の実行中でもないため、表示画面50aには獲得チャンス演出として、「獲得チャンス」の第1文字画像NGAが表示されている。この獲得チャンス演出により、遊技者には高確非時短状態での第2特別図柄の大当たり変動中に、小当たり遊技が実行されると出玉が増えるチャンスであることを把握させることが可能である。
第2特別図柄の大当たり変動中の高確非時短状態で、役物作動口20に遊技球を入球させて小当たり遊技が実行されると、図20(D)に示すように、表示画面50aには「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。この入球チャンス演出により、遊技者には、第2大入賞口15への打込みを促すと共に、第2大入賞口15に入賞できることによる高揚感を与えることが可能である。
そして、第2特別図柄で大当たり図柄が停止表示する、即ち大当たり変動中の高確非時短状態が終了すると、図20(E)に示すように、表示画面50aには「00:00」と表示された期間示唆画像OTが表示される。これにより、遊技者に大当たり変動中の高確非時短状態が終了したことを把握させることが可能となる。そして、図20(F)に示すように、表示画面50aには期間示唆画像OTが表示されなくなるが、大当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「777」)と共に、「空モード終了」と表示された文字画像SSが表示される。この後に、16ラウンドの大当たり遊技が実行されることになる。
ところで、従来のパチンコ遊技機では大当たり遊技の終了後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行させ、高確非時短状態で特図の抽選によって大当たりに当選するまで又は高確非時短状態での特別図柄の変動回数が所定回数に到達するまでに小当たり遊技を実行させて徐々に持ち球を増やし続けることが可能となっていた。そのため、従来のパチンコ遊技機では、高確非時短状態への突入契機は大当たり遊技の終了後だけとなっていた。つまり、従来のパチンコ遊技機の高確非時短状態にて持ち球を増やすことが可能な期間は、高確非時短状態で特図の抽選によって大当たりに当選するまでや高確非時短状態での特別図柄の変動回数が所定回数に到達するまでであった。これにより、従来のパチンコ遊技機のように、小当たりラッシュ状態への突入契機や持ち球も増やし続けるための期間も限られているため、そのような遊技機だけでは独創性や新鮮味もなく、小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機の遊技興趣が低下する可能性がある。
そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1では、従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機とは異なり、高確時短状態で特図2の抽選によって大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動が開始されることに伴って、大当たり変動中に高確非時短状態に移行可能とした。そして、高確非時短状態での大当たりを示す第2特別図柄の変動時間(120000ms、図11参照)を低確時短状態や高確時短状態での大当たりを示す第2特別図柄の変動時間(40000ms、図11参照)よりも長い時間に設定した。これにより、大当たりを示す第2特別図柄の変動時間が長くなれば、より大当たり変動中での高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)も長くすることが可能となる。そのため、遊技者には大当たりに当選するまでだけでなく、大当たり変動中も高確非時短状態であれば、持ち球を徐々に増やし続けることが可能な期間が延びることになる。
さらに、高確非時短状態で特図2の抽選で確変大当たりの当選を繰り返せば、プレミアムループとなる、つまり高確非時短状態で確変大当たり3に当選し続ければ、高確非時短状態が継続し続けることになる。これにより、従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機とは異なり、一度でも高確非時短状態に突入できれば、大当たりに当選するまでだけでなく、大当たり変動中でも高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を堪能できる期間を延ばし続けることが可能となる。
さらに、本形態では小当たりラッシュ状態が終了する期間を、大当たりを示す第2特別図柄が停止表示するまでという、今までにない斬新な期間を設定することが可能となる。そのため遊技者にとって従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機とは異なり、独創性や新鮮味を与える斬新なパチンコ遊技機を遊技者に提供することが可能となり、小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機の遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、従来のパチンコ遊技機と同様に、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行可能だけでなく、移行した高確非時短状態で大当たりに当選しても大当たりを示す特別図柄の一変動中にも高確非時短状態を与えることが可能である。そのため、従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機よりも、持ち球の増加速度や持ち球の増加率を高めることが可能となる。これにより、従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機よりも、小当たりラッシュ状態への突入契機を増やし、小当たりラッシュ状態で獲得可能となる賞球を増加させることが可能な高性能パチンコ遊技機を遊技者に提供することが可能となる。
本形態では、大当たりを示す第2特別図柄の変動表示の開始に伴って、高確非時短状態に移行可能であるため、第2特別図柄の大当たり変動中に小当たり遊技を頻繁に実行されることが可能である。そのため、従来のパチンコ遊技機のように、大当たり変動中に持ち球を減らさないように遊技球の発射を止める場合などと比べて、大当たり変動中に持ち球をより増やし続けることが可能となる。
上述したように本形態では、第2始動口12(入球口)、役物作動口20(特定入球口)、第2大入賞口15(特別入賞口)が右遊技領域6Rの同じ流下経路(第2流路R2)に順に配置されている(図2参照)。そのため、高確時短状態にて第2特別図柄の大当たり変動が開始されることに伴って、高確非時短状態に移行すると、遊技者はそのまま右打ちを行って、第2始動口12の左下方に配置されている役物作動口20に遊技球を入球させることで小当たり遊技が実行されることになる。さらに、遊技者はそのまま右打ちを行うことで、第2始動口12と役物作動口20の左下流に配置されている第2大入賞口15に遊技球を入球させることで、小当たり遊技で持ち球を増やし続けることが可能となる。これにより、遊技者は高確非時短状態にて左右に打ち分けて遊技を行う必要がなくなるため、無駄玉の発生を軽減することが可能となる。
また本形態では、高確時短状態にて大当たりを示す第2特別図柄の変動表示が開始されて高確非時短状態に移行する場合には空モードが設定され(図14(E)参照)、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行する場合には宇宙モードが設定される(図14(D)参照)。そして空モードと宇宙モードは、高確非時短状態であることを示唆する演出モードである。演出モードとして空モードが設定されていれば、大当たり変動中という今までにない遊技状況下で持ち球を増やすことが可能であることに興味を持たせることが可能である。さらに、大当たり変動中の高確非時短状態が終了しても、大当たり遊技でより持ち球を増やすことが可能となる面白さを与えることが可能となる。また、宇宙モードが設定されていれば、高確非時短状態で何としても持ち球を増やしたいという気持ちをかき立てることが可能となる。
また本形態では、空モードが設定されると、表示画面50aに期間示唆画像OTが表示される。これによって、遊技者に大当たり変動中の高確非時短状態が終了するまで期間を把握させることが可能となる。さらに、大当たり遊技が実行されるまでの期間も確認することが可能となる。そのため、遊技者には大当たり変動中の高確非時短状態で持ち球を増やしつつ、大当たり遊技が実行されるまでの期間を有意義な時間にさせることが可能となる。
また本形態における高確非時短状態への突入契機は、大当たり遊技の終了後、高確時短状態での特別図柄の変動回数が規定回数に到達すること、及び高確時短状態での大当たりを示す第2特別図柄の変動表示の開始となっている。よって本形態のように、高確非時短状態への突入契機が3種類存在することで、従来の小当たりラッシュ状態に移行可能なパチンコ遊技機とは異なり、独創的で新鮮味のある今までにないパチンコ遊技機を提供することが可能となる。さらに、3種類の高確非時短への突入契機が存在することで、遊技者にとってはどのタイミングで高確非時短状態に移行するのかという期待を膨らませることが可能となる。
9.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図21〜図46に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図21に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図22に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a、役物作動口センサ20a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図21の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する第1センサ検出処理(S104)、後述する第2センサ検出処理(S105)、普通動作処理(S106)、特別動作処理(S107)、特別電動役物処理2(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図21参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[第1センサ検出処理]図23に示すように、第1センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いて第1センサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[第2センサ検出処理]図24に示すように、第2センサ検出処理(S105)ではまず、遊技球が役物作動口20に入賞したか否か、即ち、役物作動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S301)。役物作動口20に遊技球が入賞した場合には(S301でYES)、第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスが「4」であるか否かを判定する(S302)。一方、役物作動口20に遊技球が入賞していない場合には(S301でNO)、そのまま本処理を終え、ステップS106(図22参照)に進む。なお第1特別動作ステータスは、第1特別図柄の抽選に対応する特別動作ステータスのことであり、第2特別動作ステータスは第2特別図柄の抽選に対応する特別動作ステータスのことである。本形態では、第1特別動作ステータスが「4」であれば、後述するように特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「4」であれば、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。
第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスが「4」ではない場合には(S302でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S303)。ここで小当たりフラグがONであるのは、小当たり遊技が実行中であることを意味する。一方、第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスが「4」である場合には(S302でYES)、そのまま本処理を終え、ステップS106(図22参照)に進む。小当たりフラグがONではない、即ち小当たりフラグがOFFである場合には(S303でNO)、パチンコ遊技機PY1の遊技状態を参照して遊技状態に応じた小当たりオープニング時間(図8参照)を選択する(S304)。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S305)、ステップS304で選択した小当たり遊技のオープニング時間を開始する(S306)。そして、小当たり遊技に応じた開放パターン(詳しくは図8参照)をセットし(S307)、小当たりフラグをONにして(S308)、本処理を終えて図22の普通動作処理(S106)に進む。一方、小当たりフラグがONである場合には(S303でYES)、既に小当たり遊技が実行中であるため、直ちに本処理を終え、ステップS106(図22参照)に進む。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、第2センサ検出処理(S105)に次いで普通動作処理(S106)を行う(図22参照)。図25に示すように、普通動作処理(S106)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S106)に次いで特別動作処理(S107)を行う(図22参照)。特別動作処理には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理があり、以下では図26を用いてまとめて説明する。本形態の図26に示す特別動作処理(S107)では、第1特図表示器81aおよび大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。また、本形態の図26に示す特別動作処理(S107)では、第2特図表示器81bおよび大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
特別動作処理(S107)において先ず、遊技制御用マイコン101は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する。小当たりフラグがONであれば(S1001でYES)、そのまま本処理を終え、図22に示す特別電動役物処理2(S108)に進む。また小当たりフラグがOFFである場合には(S1001でNO)、特別動作ステータスが「1」であるか、即ち第1特別動作ステータスが「1」、又は第2特別動作ステータスが「1」であるか否かを判定する(S1002)。つまり、小当たり遊技の実行中には、特図の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理は行われないことになる。第1特別動作ステータスが「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行う(S1003)。また第2特別動作ステータスが「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行う(S1003)。また第1特別動作ステータス又第2特別動作ステータスが「1」ではない場合には(S1002でNO)、ステップS1004に進む。
次にステップS1004では、特別動作ステータスが「2」であるか、即ち第1特別動作ステータスが「2」、又は第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する。第1特別動作ステータスが「2」である場合には(S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行う(S1005)。また第2特別動作ステータスが「2」である場合には(S1004でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行う(S1005)。一方、第1特別動作ステータス又第2特別動作ステータスが「2」ではない場合には(S1004でNO)、ステップS1006に進む。
続くステップS1006では、特別動作ステータスが「3」であるか、即ち第1特別動作ステータスが「3」、又は第2特別動作ステータスが「3」であるか否かを判定する。第1特別動作ステータスが「3」である場合には(S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行う(S1007)。また第2特別動作ステータスが「3」である場合には(S1006でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行う(S1007)。一方、第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスが「3」ではない場合には(S1006でNO)、後述する特別電動役物処理1(大当たり遊技)を行う(S1008)。
[第1特別図柄待機処理]図27に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図28に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図32のステップS1607参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1310)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特図2の変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S1305)。時短フラグがONである場合には(S1305でYES)、時短フラグをOFFにし(S1306)、ステップS1307に進む。また時短フラグがOFFである場合には(S1305でNO)、第1大当たりフラグをONする(S1307)。なお本形態では、時短フラグがONであれば、パチンコ遊技機PY1の遊技状態は時短状態である。また時短フラグがOFFであれば、パチンコ遊技機PY1の遊技状態は非時短状態である。その後、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(A)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1308)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7(A)参照)をセットして(S1309)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1310に進む。ステップS1310では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図29および図30に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図30に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1406と同様の流れで処理(S1407〜S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図29に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図31に示すように、第2特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図32に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図28のステップS1307参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1604)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1610)、処理を終える。これにより、大当たり当選を示す特図1の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S1605)。時短フラグがONである場合には(S1605でYES)、時短フラグをOFFにし(S1606)、ステップS1607に進む。また時短フラグがOFFである場合には(S1605でNO)、第2大当たりフラグをONする(S1607)。なお本形態では、時短フラグがONであれば、パチンコ遊技機PY1の遊技状態は時短状態である。また時短フラグがOFFであれば、パチンコ遊技機PY1の遊技状態は非時短状態である。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1608)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7(B)参照)をセットして(S1609)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1604でNO)、ステップS1610に進む。ステップS1610では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図33〜図35に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図33に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1705)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図11に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図34に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1706)。ONであれば(S1706でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。本形態のステップS1707では、低確時短状態又は高確時短状態に選択される変動パターンよりも、120000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP31が選択されるようにしている。
第2大当たりフラグがOFFである場合には(S1706でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1708)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1708でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1708でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1710)。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図35に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1706〜S1710と同様の流れで処理(S1711〜S1715)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1711でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1713でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1713でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。ここで図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」〜「10」であり、非時短状態であれば「1」〜「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図33に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1716)、本処理を終える。ステップS1716でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の直後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1005)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
図36に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S1801)。ONであれば(S1801でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1802)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S1803)。「0」であれば(S1803でYES)、確変フラグをOFFする(S1804)。ステップS1801又はS1803の判定結果がNOであれば、ステップS1805に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS1803で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S1805)。ONであれば(S1805でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1806)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1807)。「0」であれば(S1807でYES)、時短フラグをOFFする(S1808)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS1805又はS1807の判定結果がNOであれば、ステップS1809に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」又は「10000」にセットされるようになっている。
ステップS1809では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図37に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第1特別図柄を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止表示させて(S1905)、この処理を終える。
[第2特別図柄変動中処理]図38に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S2001)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S2002)。「0」でなければ(S2002でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S2002でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S2003)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S2004)。そして、第2特別図柄を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止表示させて(S2005)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図39に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7(A)を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図40に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2201)。「2」でなければ(S2201でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2201でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2202)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2203)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2204)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図41に示すように、遊技状態リセット処理(S2105,S2405)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2301)、確変フラグがONであれば(S2301でYES)、確変フラグをOFFする(S2302)。一方、確変フラグがONでなければ、即ち確変フラグがOFFの場合には(S2301でNO)、そのままステップS2303に進む。また、ステップS2303では時短フラグがONか否かを判定し(S2303)、時短フラグがONであれば(S2303でYES)、時短フラグをOFFする(S2304)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。一方、時短フラグがONでなければ、即ち時短フラグがOFFの場合には(S2303でNO)、そのままステップS2305に進む。その後、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2305)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2306)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図42に示すように、第2特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2401)。経過していなければ(S2401でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2401でYES)、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2402でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2403)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2404)、遊技状態リセット処理を行う(S2405)。遊技状態リセット処理(S2405)は、図41に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2406)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2407)。
ステップS2407に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7(B)を参照)をセットして(S2408)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
また、第2大当たりフラグがONでなければ(S2402でNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2409)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2404)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図43に示すように、特図1強制停止処理(S2404)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2501)。「2」でなければ(S2501でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2501でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2502)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2503)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2504)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1とをまとめて説明する。図44に示すように、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の移行のための特別電動役物処理1(S1008)、又は特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1008)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2601)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2601でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2602)。開放中でなければ(S2602でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2603)。
ステップS2603の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2603の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2604)。続いてステップS2605では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2605)では、ステップS2603での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2605では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1008)のステップS2602おいて、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2606)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図7参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2606でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2606でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2607)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2608)。終了していなければ(S2608でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2608でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2609)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2610)。「0」でなければ(S2610でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2610でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2611)、大当たりのエンディングを開始する(S2612)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2613)、処理を終える。
またステップS2601において大当たり終了フラグがONであれば(S2601でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2614)、エンディング時間が経過していなければ(S2614でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2614でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2615)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2616)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2617)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、又は特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2618)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図26に示す特図2の抽選に基づく大当たり遊技の移行のための特別動作処理(S107)における各処理S1003,S1005,S1007,S1008が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図26に示す特図1の抽選に基づく大当たり遊技の移行のための特別動作処理(S107)における各処理S1003,S1005,S1007,S1008が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]図45に示すように遊技状態設定処理(S2616)では先ず、特図の抽選による大当たり当選時の遊技状態が低確非時短状態、低確時短状態、高確非時短状態、又は高確時短状態の何れであるかを参照する(S2701)。次に大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7を参照)を参照する(S2702)。ステップS2701で参照した遊技状態や、ステップS2702で参照した特図停止図柄データをもとに大当たり遊技後の遊技状態を設定する(S2703)。しかし、本形態ではステップS2702で参照した特図停止図柄データのみで大当たり遊技後の遊技状態を設定している(S2703)。ステップS2704に進み、本処理を終え、図44のステップS2617に進む。
具体的には、特図1の抽選で当選した特図1の停止図柄が特図1_確変図柄1であるときは、大当たり遊技後の遊技状態を高確時短状態に設定する。この場合、確変フラグをONにし、確変カウンタの値に「10000」をセットする。さらに、時短フラグをONにし、時短カウンタの値に「10000」をセットする。こうして、特図1_確変図柄1に当選したときは、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されることになる。
また、特図1の抽選で当選した特図1の停止図柄が特図1_確変図柄2であるときは、大当たり遊技後の遊技状態を高確時短状態に設定する。この場合、確変フラグをONにし、確変カウンタの値に「10000」をセットする。さらに、時短フラグをONにし、時短カウンタの値に「100」をセットする。こうして、特図1_確変図柄2に当選したときは、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されることになる。
また、特図1の抽選で当選した特図1の停止図柄が特図1_通常図柄1であるときは、大当たり遊技後の遊技状態を低確時短状態に設定する。この場合、時短フラグをONにし、時短カウンタの値に「100」をセットする。一方、確変フラグをONにはしない。こうして、特図1_通常図柄1に当選した場合には、大当たり遊技後に低確時短状態に制御されることになる。
特図2の抽選で当選した特図2の停止図柄が特図2_確変図柄であるときには、大当たり遊技後の遊技状態を高確非時短状態に設定する。この場合、確変フラグをONにし、確変カウンタの値に「10000」をセットする。一方、時短フラグをONにはしない。こうして、特図2_確変図柄に当選すると、大当たり遊技後に高確非時短状態に制御されることになる。
特図2の抽選で当選した特図2の停止図柄が特図2_通常図柄であるときには、大当たり遊技後の遊技状態を低確時短状態に設定する。この場合、時短フラグをONにし、時短カウンタの値に「100」をセットする。一方、確変フラグはONにしない。こうして、特図2_通常図柄に当選したときには、大当たり遊技後に低確時短状態に制御されることになる。
ステップS2704では、遊技制御用マイコン101は、ステップS2703で設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図46に示すように、特別電動役物処理2(S108)ではまず、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2801)。小当たりフラグがONではない、即ち小当たりフラグがOFFである場合には(S2801でNO)、そのまま本処理を終え、図22のその他の処理(S109)に進む。また小当たりフラグがONである場合には(S2801でYES)、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2802)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2802でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2803)。開放中でなければ(S2803でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の小当たりオープニング時間(図8参照)が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2804)。本形態では、パチンコ遊技機PY1の遊技状態が低確非時短状態である場合の小当たりオープニング時間(小当たりOP時間)は「600秒」であり(図8参照)、極めて長い時間に設定している。なお本形態では、低確非時短状態で遊技者により右打ちが行われて、低確非時短状態にて小当たり遊技が実行され、第2大入賞口15に遊技球が入球し、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策として、低確非時短状態である場合の小当たりオープニング時間(小当たりOP時間)を極めて長い時間に設定している。また、パチンコ遊技機PY1の遊技状態が低確時短状態、高確時短状態、又は高確非時短状態の何れ遊技状態でも小当たりオープニング時間(小当たりOP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2804の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2804の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たり遊技の内容を示すテーブルを参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2805)。
ステップS2803において第2大入賞口15の開放中であれば(S2803でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2806)。規定入賞個数に達していなければ(S2806でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2807)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2807でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2806でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2807でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2808)。そして、小当たり終了フラグをONして(S2809)、本処理を終える。
またステップS2802において小当たり終了フラグがONであれば(S2802でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の小当たりエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2810)、小当たりエンディング時間が経過していなければ(S2810でNO)、本処理を終える。本形態では小当たりエンディング時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なお小当たりED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、小当たりエンディング時間が経過していれば(S2810でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2811)。その後小当たりフラグをOFFする(S2812)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S2813)、本処理を終える。
10.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図47〜図51に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図47に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図48に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図49に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40a(図6参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図6参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図50に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図51に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、モードステータス設定処理を行う(S4402)。ここでモードステータス設定処理(S4402)では、受信した遊技状態指定コマンドを解析して、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。演出制御用マイコン121は、低確非時短状態に制御されているときに昼モード(図14(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また低確時短状態に制御されているときに森モード(図14(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また高確時短状態に制御されているときに夜モード(図14(C)参照)に設定する場合には、モードステータスに「3」をセットする。また高確非時短状態に制御されているときに宇宙モード(図14(D)参照)に設定する場合には、モードステータスに「4」をセットする。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。また、ステップS4402において、演出制御用マイコン121は、各種演出カウンタの値の情報を更新する。具体的には、確変カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている確変演出カウンタの値を更新する。また、時短カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている時短演出カウンタの値を更新する。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、モードステータスを「5」に変更するか否かを判定する(S4404)。なお変動開始コマンドには、大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理(S1202)、特図2大当たり判定処理(S1502))でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理(S1203)、特図2変動パターン選択処理(S1503))でセットされた変動パターンの情報(特図の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。ここでステップS4404において、演出制御用マイコン121がモードステータスを「5」に変更すると判定する場合とは、夜モード(高確時短状態)が設定されているときに、受信した特図2変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データの情報が特図2_確変図柄又は特図2_通常図柄の場合のことである。
モードステータスを「5」に変更する場合には(S4404でYES)、空モード変更処理を行う(S4405)。ここで空モード変更処理(S4405)において、演出制御用マイコン121は、空モード(図14(E)参照)を設定する場合であるため、モードステータスを「5」にセットする。これにより、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(E)に示すように表示画面50aに空モードに対応する空背景画像H5を表示する。こうして遊技者には、空背景画像H5の表示により、演出モードが空モードに設定されていることを把握させることが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、モードステータスを「4」に変更するか否かを判定する(S4406)。ここでステップS4406において、演出制御用マイコン121がモードステータスを「4」に変更すると判定する場合とは、夜モード(確変大当たり2に当選した後の高確時短状態)が設定されているときに、演出用RAM124に設けられている時短演出カウンタの値が「0」である場合のことである。
モードステータスを「4」に変更する場合には(S4406でYES)、宇宙モード変更処理を行う(S4407)。ここで宇宙モード変更処理(S4407)において、演出制御用マイコン121は、宇宙モード(図14(D)参照)を設定する場合であるため、モードステータスを「4」にセットする。これにより、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(D)に示すように表示画面50aに宇宙モードに対応する宇宙背景画像H4を表示する。こうして遊技者には、宇宙背景画像H4の表示により、演出モードが宇宙モードに設定されていることを把握させることが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、変動演出開始処理を行う(S4408)。ここで変動演出開始処理(S4408)において、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、変動開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに変動演出を表示する。ここで、空モード変更処理(S4405)にて空モードに変更された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(E)に示すように表示画面50aの左下部に、「01:20」の期間示唆画像OTを表示する。こうして遊技者には、期間示唆画像OTの表示により、大当たりを示す第2特別図柄の変動表示が開始されたことに伴い、移行した高確非時短状態が終了するまでの期間を把握させることが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば(S4409でYES)、変動演出終了処理(S4410)を行う。変動演出終了処理(S4410)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば(S4411でYES)、オープニング演出選択処理(S4412)を行う。なお本形態のオープニングコマンドには、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。一方、受信していなければ(S4411でNO)、そのままS4413に進む。オープニング演出選択処理(S4412)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。本形態では、オープニングコマンドに含まれている特図停止図柄データに含まれている情報が特図2_確変図柄である場合には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図18(B)に示すように表示画面50aの右下部に、「〇△□」の状態確定表示画像Jを表示する。こうして遊技者には、「〇△□」の状態確定表示画像Jの表示により、獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行されること、その大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行すること、その高確非時短状態で大当たりに当選すると獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行されることを把握させることが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば(S4413でYES)、ラウンド演出選択処理(S4414)を行う。一方、受信していなければ(S4413でNO)、そのままS4415に進む。なお本形態では、ラウンド指定コマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。そしてラウンド演出選択処理(S4414)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。本形態では、表示画面50aの右下部に「〇△□」の表示態様の状態確定表示画像Jを表示している場合には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図18(C)に示すように表示画面50aの右下部に表示された状態確定表示画像Jの「〇△□」の表示態様を「●△□」に変更する。こうして遊技者には、「●△□」の状態確定表示画像Jの表示により、獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行中であること把握させることが可能となる。また本形態では、表示画面50aの右下部に「●▲□」の表示態様の状態確定表示画像Jを表示している場合には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図18(H)に示すように表示画面50aの右下部に表示された状態確定表示画像Jの「●▲□」の表示態様を「●▲■」に変更する。こうして遊技者には、「●▲■」の状態確定表示画像Jの表示により、獲得賞球数が最大である16Rの大当たり遊技が実行されること、その大当たり遊技の終了後に高確非時短状態又は低確時短状態の何れかに移行することを把握させることが可能となる。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば(S4415でYES)、エンディング演出選択処理(S4416)を行う。一方、受信していなければ(S4415でNO)、そのままステップS4417に進む。なお本形態では、エンディングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。そしてエンディング演出選択処理(S4416)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング時間に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また本形態では、表示画面50aの右下部に「●△□」の表示態様の状態確定表示画像Jを表示している場合には、画像制御基板140の画像用CPU141は、図18(D)に示すように表示画面50aの右下部に表示された状態確定表示画像Jの「●△□」の表示態様を「●▲□」に変更する。こうして遊技者には、「●▲□」の状態確定表示画像Jの表示により、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行することが確定であることを把握させることが可能となる。なお大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行しても、引き続き表示画面50aの右下部に「●▲□」の表示態様からなる状態確定表示画像Jが表示されることになる。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4417)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
11.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1では、高確時短状態で特図2の抽選によって大当たりに当選し、大当たりを示す第2特別図柄の変動表示が開始されることに伴って、小当たり遊技にて持ち球を徐々に増やし続けることが可能となる高確非時短状態に移行可能となる。よって高確時短状態にて第2特別図柄の大当たり変動が開始されれば、持ち球を徐々に増やし続けることが可能となる高確非時短状態に移行できるという、今までにない遊技状況下での期待感を与えることが可能となる。さらに、高確時短状態にて何とか大当たりとなり、大当たり変動中に高確非時短状態に移行して欲しいという、遊技者の気持ちを高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技領域6における第2流路R2に第2始動口12、役物作動口20、及び第2大入賞口15が配置されている。高確時短状態にて第2始動口12に遊技球を入球させて、特図2の抽選によって大当たりに当選すると、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って、高確時短状態から高確非時短状態に移行される。その場合、遊技者はそのまま右打ちを行うことで役物作動口20に遊技球を入球させることが可能となる。役物作動口20に遊技球が入球して小当たり遊技が実行されて第2大入賞口15が開放されても、遊技者はそのまま右打ちを継続して行うことで第2大入賞口15に遊技球を入球させることが可能となる。そして、第2特別図柄で大当たり図柄が停止表示して、大当たり遊技が実行されても、遊技者は右打ちを継続して行うことで第1大入賞口14に遊技球を入球させることが可能となる。さらに、その大当たり遊技の終了後に高確非時短状態又は低確時短状態に移行したとしても、第2始動口12に遊技球を入球させることになるため、引き続き右打ちを行う必要がある。つまり、本形態では通常遊技状態から高確時短状態に一度移行すると、再度通常遊技状態(大当たり遊技状態を除く)に戻るまでは左右に打ち分ける必要がないため、無駄玉が発生してしまうことを抑制することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技状態が高確非時短状態に移行すると、高確非時短状態であることを示唆する演出モードとして空モードが設定されることになる(図14(E)参照)。これにより、遊技者に大当たり変動中に高確非時短状態であることを把握させることが可能となる。そのため、遊技者に高確非時短状態中に何とか持ち球を増やしたいという気持ちを高めることが可能となる。また空モードが設定されていれば、遊技者に高確非時短状態にて第2特別図柄の大当たり変動中であることも把握させることが可能となる。そのため特別図柄の変動時間が経過すれば、大当たり遊技が実行され、大当たり遊技にて持ち球を増やすことができるという喜びを与えることでき、遊技機の遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、高確時短状態で特図2の抽選によって大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って高確非時短状態に移行し、第2特別図柄が停止表示することに伴って高確非時短状態は終了となる。大当たり変動の開始に伴って高確非時短状態に移行すると、表示画面50aに期間示唆画像OTが表示される(図14(E)参照)。図14(E)に示すように、期間示唆画像OTには「01:20」と表示され、これは大当たりを示す第2特別図柄の変動時間、即ち第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って移行した高確非時短状態が終了するまでの期間を示唆するものである。表示画面50aにて期間示唆画像OTが表示されることで、遊技者は高確非時短状態がいつまで継続するのか把握することが可能となる。そのため、遊技者にその期間内に何としても持ち球を増やしたいという気持ちを高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、高確時短状態で特図2の抽選によって大当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動の開始に伴って高確非時短状態に移行させる場合だけでなく、高確時短状態での特別図柄の変動回数が100回に到達する場合にも高確非時短状態に移行させることが可能となる。こうして遊技者には高確時短状態であるときに、特図2の抽選で大当たりに当選するのか、又は特別図柄の変動回数が100回に到達するのかに注目させることが可能となり、高確非時短状態に移行できるかもしれないと遊技者を待望させることが可能となる。
12.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、非時短状態での普通図柄抽選における当選確率は約1/1.1となっている。一方、時短状態での普通図柄抽選における当選確率は約1/1となっていた。本形態では非時短状態でも普通図柄抽選に当選する確率が高いため、高確非時短状態で右打ちを行うと役物作動口20や第2大入賞口15に入球する前に、第2始動口12に入球してしまうことがあった。そこで、非時短状態での普通図柄抽選における当選確率を低くしても良い。例えば、非時短状態での普通図柄抽選における当選確率を約1/30000とすると、高確非時短状態で右打ちを行っても、普通図柄抽選に当選する確率が極めて低いため、高確非時短で電チュー開閉部材12kの作動する頻度が極めて少なくなるため、第2大入賞口15や役物作動口20に入球する前に第2始動口12に入球する可能性を極めて低くすることが可能となる。そのため、高確非時短状態にて役物作動口20や第2大入賞口15に的確に遊技球を入球させることが可能となる。
上記形態では、特図1の抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の終了後に高確時短状態又は低確時短状態に移行した。しかしながらこれに限定されるものではない。例えば、特図1の抽選により大当たりに当選した場合には大当たり遊技の終了後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行可能であっても良い。また特図1の抽選により大当たりに当選した場合には大当たり遊技の終了後に低確非時短に移行可能であっても良い。
上記形態では、特図2の抽選により大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)又は低確時短状態に移行した。しかしながらこれに限定されるものではない。例えば、特図2の抽選により大当たりに当選していた場合には大当たり遊技の終了後に高確時短状態に移行可能であっても良い。ここで高確時短状態にて大当たり遊技の終了後に高確時短状態に移行する大当たりに当選し続ければ、高確時短状態を繰り返し可能な状態となり、この状態を「基本ループ」と称する。そして、特図2の抽選により大当たり遊技の終了後に高確非時短状態に移行する大当たり(確変大当たり3)に当選し続ければ、上述した「プレミアムループ」となる。一方、特図2の抽選により大当たり遊技の終了後に高確時短状態に移行する大当たりに当選し続ければ、上述した「基本ループ」となる。これにより、遊技者に2種類のループを提供可能とした独創的で斬新なパチンコ遊技機を提供することが可能となり、遊技機の遊技興趣を高めることが可能となる。
また上記形態では、図15(A)に示すように、高確時短状態(第1遊技状態)に特図(特図1、特図2)の抽選で大当たりに当選すると、大当たりを示す特別図柄が変動表示を開始させることに伴って、高確非時短状態(第2遊技状態)に移行可能となっていたが、これに限定されない。例えば、高確時短状態にて一方の特図(例えば、特図2)の抽選で大当たり当選すると、大当たりを示す一方の特別図柄の変動表示が開始されることに伴って、高確非時短状態に移行させるが、高確時短状態にて他方の特図(例えば、特図1)の抽選で大当たり当選すると、大当たりを示す他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が開始されても高確時短状態のままで、大当たりを示す他方の特別図柄(第1特別図柄)が停止表示されると、高確時短状態を終了させるようにしても良い。これにより、高確時短状態にて一方の特図の抽選で大当たりに当選すると、大当たりを示す特別図柄が変動表示を開始させることに伴って、高確非時短状態に移行可能だが、高確時短状態にて他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選して、大当たりを示す特別図柄が変動表示を開始されても高確非時短状態に移行できないといった遊技性を遊技者に与えることが可能となる。これにより、より遊技者に独創的で新鮮味のあるパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
上記形態では、役物作動口20(特定入球口)への遊技球の入球が第2大入賞口15(特別入賞口)を開放させる小当たり遊技を実行するための所定の条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、特定入球口(第1始動口11又は第2始動口12)に遊技球が入球すると、抽選を行い、小当たり遊技を実行するという抽選の結果になった場合に小当たり遊技を実行しても良い。
また上記形態では、第2始動口12(入球口)、役物作動口20(特定入球口)、第2大入賞口15(特別入賞口)の順に同じ第2流路R2(流下経路)に配置されていたがこれに限定されるものではない。例えば、第1流路R1に入球口、特定入球口、特別入賞口の順に配置しても良い。また入球口、特定入球口、特別入賞口の順に配置する必要はなく、例えば、入球口、特別入賞口、特定入球口の順で配置しても良い。また入球口、特定入球口、及び特別入賞口を同じ流下経路に配置しなくても良い。
また上記形態では、高確非時短状態である場合に高確非時短状態であることを示唆する演出モードとして空モード(示唆演出)が実行された。示唆演出は演出モードに限定されることはなく、例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確非時短状態であることを示唆しても良い。
また上記形態では、高確非時短状態での第2特別図柄の大当たり変動中に、表示画面50aにて高確非時短状態の終了までの期間を示唆する期間示唆画像OT(示唆演出)を表示した(図14(E)、図20(C)から図20(E)参照)。そして本形態の示唆演出の表示態様は、カウントダウンタイマー画像となっていた。しかしながら、これに限定されるものではない(図14(E)、図20(C)から図20(E)参照)。例えば、示唆演出の表示態様は、カウントアップタイマー画像を表示したり、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確非時短状態の終了までの期間を示唆しても良い。
また上記形態では、高確非時短状態での大当たり変動中に小当たり遊技の実行が行われると、期間示唆画像OTの表示時間が中断された。その後小当たり遊技の実行が終了すると、中断中の期間示唆画像OTの表示時間の減算が再開された。これに限定されるものではない。例えば、高確非時短状態での大当たり変動中に小当たり遊技の実行が行われても、期間示唆画像OTの表示時間が経過しても良い。その場合、小当たり遊技の実行が終了すると、小当たり遊技の実行の開始から終了までにかかった時間が期間示唆画像OTの表示時間に加算されるようにしても良い。
また上記形態では、高確時短状態での特別図柄の変動回数が100回(規定回数)に到達すると、高確非時短状態に移行可能であったが、これに限定されるものではない。例えば、規定回数は100回以外の回数であっても良い。また、上記形態の規定回数は100回のみとなっていたが、これに限定されるものではない。例えば、40回、100回といったように複数の規定回数を設けても良い。
また上記形態では、図8に示した小当たりオープニング時間や小当たりエンディング時間は限定されるものではなく、他の時間に設定されていても良い。ただし、低確非時短状態の小当たりオープニング時間と小当たりエンディング時間を合計した時間が他の遊技状態の小当たりオープニング時間と小当たりエンディング時間を合計した時間よりも極めて長い時間であることが必要である。また本形態の低確非時短状態の小当たりオープニング時間を極めて長く、小当たりエンディング時間が極めて短い時間に設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、小当たりオープニング時間を極めて短くし(例えば、0.004秒)、小当たりエンディング時間を極めて長く(例えば、600秒)設定されていても良い。また低確非時短状態の小当たりオープニング時間と小当たりエンディング時間の両方とも極めて長い時間(例えば、600秒)に設定されていても良い。
また上記形態では、一方の特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、変動中の他方の特別図柄を強制的にハズレ図柄で停止表示させたが、これに限定されるものではない。例えば、一方の特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、他方の特別図柄の変動時間タイマの減算を中断して、一方の特別図柄で停止表示された大当たり図柄に基づく大当たり遊技が終了した後に中断中の特別図柄の変動時間タイマの減算を再開するようにしても良い。また上記形態では、一方の特別図柄の抽選による抽選結果が大当たりであった場合には、他方の特別図柄で大当たりとなるか否かの抽選は行われなかったが、これに限定されるものではない。一方の特別図柄の抽選による抽選結果が大当たりであった場合には、他方の特別図柄で大当たりとなるか否かの抽選を行っても良い。この場合、一方の特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、他方の特別図柄を大当たり図柄ではなく強制的にハズレ図柄で停止表示させても良い。また一方の特別図柄で大当たり図柄が停止表示されると、他方の特別図柄の変動時間タイマの減算を中断して、その大当たり図柄に基づく大当たり遊技が終了した後に、中断中の他方の特別図柄の変動時間タイマの減算を再開しても良い。
また上記形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の総開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、第2大入賞口15の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定されるパチンコ遊技機PY1であったが、いわゆるV確機(大入賞装置の内部に設けられた特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御するパチンコ遊技機)であっても良い。
また上記形態では、1種類のみの大当たり判定テーブルが設定されていたが、設定値を変更することで、設定値ごとに設けられた大当たり判定テーブルを変更可能としてもよい。なお、大当たり判定テーブルが変更されることで大当たり判定処理にて大当たりと判定される確率が変更される。その場合、遊技制御基板100に設定値の変更を可能とするための設定値シリンダを設けてもよい。設定値シリンダには、専用の設定鍵を挿入させる挿入穴が設けられている。挿入穴に設定鍵を挿入すると、設定値シリンダを基準の待機状態から90度時計回りに回転させることができる。そして、設定値シリンダを待機状態から90度時計回りに回転させると設定状態となる。これにより、RAMクリアスイッチの操作によって設定値の設定変更を可能としてもよい。RAMクリアスイッチは押下操作可能に構成してもよい。さらに、遊技制御基板100の表面に、現在の設定値を表示する設定値表示器を搭載してもよい。また設定値表示器は、赤色7セグメント表示器で構成されていてもよい。また役物作動口20に遊技球が入球すると、特図の抽選によって小当たりと判定されるか否かの判定処理が行われ、小当たりと判定された場合に、特別図柄が変動表示され、小当たり図柄が停止表示すると、小当たり遊技が実行されるようにしても良い。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
13.上記した実施形態に示されている発明
上記した実施形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)に配置された入球口(第2始動口12)への入球に基づいて判定処理を行うと、その判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示させることを可能とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
所定の第1遊技状態(高確時短状態)にて前記判定処理で大当たりと判定し、大当たりを示す特別図柄の変動表示を開始させることに伴って、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態(高確非時短状態)に移行可能とし、
所定の条件(役物作動口20への遊技球の入球)が成立すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能とし(ステップS108の特別電動役物処理2を実行可能)、
前記第2遊技状態は、前記小当たり遊技にて前記特別入賞口に入賞し易い遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定の第1遊技状態にて大当たりと判定されて、大当たりを示す特別図柄の変動表示が開始されることに伴って、第1遊技状態よりも小当たり遊技で特別入賞口に入賞し易い遊技状態となる第2遊技状態に移行され、持ち球を徐々に増やし続けることが可能となる。こうして遊技者に対して、第1遊技状態において大当たりと判定されて特別図柄の変動表示が開始されれば、遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行できるという斬新な期待感を抱かせることが可能となる。さらに、何とか第2遊技状態に移行して欲しいという、遊技者の欲求をかき立てることが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記所定の条件とは、前記入球口と異なる特定入球口(役物作動口20)への入球に基づくこととし、
前記入球口、前記特定入球口、及び前記特別入賞口は前記遊技領域における同じ流下経路(第2流路R2)に配置されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技領域における同じ流下経路に入球口、特定入球口、及び特別入賞口が配置されている。ここで入球口に遊技球を入球させて大当たりと判定され、大当たりを示す特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行する。その場合、遊技者は入球口、特定入球口、及び特別入賞口が配置されている流下経路に向けて遊技球を発射させることで、特定入球口に遊技球を入球させることが可能となる。さらに、特定入球口に遊技球を入球させることで、第2遊技状態にて特別入賞口に遊技球を入球させることが可能となる。これにより、第2遊技状態に移行したときに、遊技者に打ち方を変えさせることにならないため、無駄玉が発生してしまうことを抑制することが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記第2遊技状態であるときに、前記第2遊技状態であることを示唆する示唆演出(空モード,図14(E)参照)を実行可能な状態示唆演出実行手段(ステップS4404を実行可能な演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態であるときに、第2遊技状態であること示唆する示唆演出が実行される。これにより、第2遊技状態であることを遊技者に把握させることが可能となる。そのため、特別入賞口に遊技球を入球させることで持ち球を徐々に増やしていくことが可能な遊技状態であることを遊技者に把握させることで、第2遊技状態中に持ち球を増やしたいという欲求をかき立てることが可能となる。
手段A4に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第2遊技状態を前記大当たりを示す特別図柄が停止表示させることに伴って、終了させることを可能とし、
前記第2遊技状態であるときに、前記第2遊技状態の終了までの期間を示唆する示唆演出(期間示唆画像OT,図14(E)参照)を実行可能な期間示唆演出実行手段(ステップS4404を実行可能な演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態は大当たりを示す特別図柄が停止表示されることに伴って終了することが可能となる。また第2遊技状態であるときに、第2遊技状態の終了までの期間を示唆する示唆演出が実行される。これにより、第2遊技状態がいつまで継続するのかを遊技者に把握させることが可能となる。そのため、遊技者に第2遊技状態が継続する期間を把握させることで、第2遊技状態が終了するまでの間に特別入賞口に遊技球を入球させて持ち球を何としても増やしたいという欲求をかき立てることが可能となる。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1遊技状態であるときに前記特別図柄の変動表示の実行回数が規定回数(時短回数,例えば100回参照)に達すると、前記第2遊技状態に移行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態にて大当たりと判定され、大当たりを示す特別図柄の変動表示が開始される場合だけでなく、第1遊技状態であるときに特別図柄の変動表示回数が規定回数に達する場合にも第2遊技状態への移行が可能となっている。こうして遊技者には第1遊技状態にて大当たりと判定されるかとともに、第1遊技状態にて特別図柄の変動回数が規定回数に達するかについても注目させることができるため、遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行できるのかという期待を膨らませることが可能となる。
ところで、特開2015−013042号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりであるかの判定処理を実行し、大当たり当選である場合に大入賞口を開放させる大当たり遊技を実行し、その大当たり遊技の終了後に始動口への遊技球の入球に基づく判定処理で小当たりに当選して開放した大入賞口に遊技球を入球させることで徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能な遊技状態に移行可能となっている。しかしながら、上記特許文献に記載の遊技機のように、小当たりに当選して開放した大入賞口に遊技球を入球させることで徐々に遊技者の持ち球を増やすことが可能な遊技状態に移行する契機などが限られているため、遊技者を飽きさせるものになり得る。そこで上記したA1〜A5に係る発明は、特開2015−013042号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、所定の第1遊技状態にて大当たり当選と判定し、大当たりを示す特別図柄の変動表示を開始させることに伴って、第1遊技状態から小当たり遊技にて特別入賞口に入賞し易い第2遊技状態に移行可能であるという点で相違している。これにより、小当たり当選に対する新たな遊技興趣を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。