JP2019083721A - キク科植物の水耕栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キク科植物の根の生育に適したキク科植物の水耕栽培方法を提供する。【解決手段】キク科植物の水耕栽培方法であって、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して栽培する水耕栽培工程を含む、キク科植物の水耕栽培方法。【選択図】なし

Description

本発明は、キク科植物の水耕栽培方法に関する。
現在、産業的に利用されている天然ゴムは、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来である。しかしながら、パラゴムノキは栽培可能地域が限られていることから、天然ゴムを産生する代替植物の必要性が叫ばれている。
天然ゴムを産生する代替植物の1つとして、根から天然ゴムの採取が可能であり、また栽培地域として温帯地域も選択可能であるロシアタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)が注目されており、ゴムの抽出方法の開発が進められている。更には、例えば、ロシアタンポポにジャスモン酸やその誘導体を接触させることでラテックス産生を促進させてラテックスを増産する方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−142173号公報
ロシアタンポポは、根から天然ゴムが採取されるが、ロシアタンポポの根からゴムを採取する際には、細い根を切ってもゴム成分はほとんど回収できず、根の大きさ(太さ)がゴムの収量に大きな影響を与えることになるため、ロシアタンポポから効率的にゴムを回収するためには、根が太くなるように栽培する必要がある。
しかしながら、ロシアタンポポなどのキク科植物の根の生育に適した栽培方法はこれまで十分に検討されているとはいえず、検討の余地があった。
本発明は、前記課題を解決し、キク科植物の根の生育に適したキク科植物の水耕栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者は、これまで検討されてこなかったキク科植物の根の生育に適した栽培方法について鋭意検討した結果、水耕栽培において、栽培中、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して栽培することにより、主根の生育を促進でき、長く、太い主根を形成させることができて、更にはゴム合成を活発化することができ、結果、根に蓄積されるゴムの重量を増加させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、キク科植物の水耕栽培方法であって、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して栽培する水耕栽培工程を含む、キク科植物の水耕栽培方法に関する。
上記キク科植物は、Taraxacum kok−saghyz、又はTaraxacum brevicorniculatumであることが好ましい。
上記水耕栽培工程における栽培温度は、25℃以下であることが好ましい。
また、上記水耕栽培工程における光条件は、日長時間が15時間以上、葉の位置での照度が6,000lx以上であることが好ましい。
本発明のキク科植物の水耕栽培方法は、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して水耕栽培することにより、主根の生育を促進でき、長く、太い主根を形成させることができて、更にはゴム合成を活発化することができ、結果、根に蓄積されるゴムの重量を増加させることができる。
本発明のキク科植物の水耕栽培方法は、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して水耕栽培することにより、主根の生育を促進でき、長く、太い主根を形成させることができて、更にはゴム合成を活発化することができ、結果、根に蓄積されるゴムの重量を増加させることができる。
水耕栽培の場合、根が分岐する岐根が発生することがあるが、本発明のように、主根の先端部分(主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分)が養液に浸り、根本のような主根の残りの部分は養液に浸らず、気体(空気)に暴露した状態で水耕栽培することで、主根の先端方向への生長を促し、余分な岐根の発生を抑制することができる。また、本発明の水耕栽培方法では、根が接するのは養液と気体(空気)であるため、根の生育進行方向に物理的な障害は存在しないことから、根の生育進行方向に固い障害物が存在するために発生してしまう岐根が発生することはない。更には、養液として滅菌、殺菌した養液を用いることで、根が病気になる確率を下げることができる。
また、本発明の水耕栽培方法においては、主根の先端部分(主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分)が養液に浸り、主根の残りの部分は養液に浸らず、気体(空気)に暴露した状態で水耕栽培するため、根の呼吸を助け、根腐れを防ぐことができる。
そして更には、主根の先端部分(主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分)が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒される状態で水耕栽培するためには、養液の液量を調整すれば足りるため、養液を霧状に噴霧して栽培する噴霧法や水耕栽培時にマイクロバブルを供給しながら栽培を行うマイクロバブル法などのように特別な装置を用意する必要がない。また、土耕栽培のように土を掘り起こす必要がないため、抜くのが簡単で、収穫時に根部分に傷がつきにくい。更には根の生長の過程を見ることが可能であるため、生育の不良な個体を事前に間引くことも可能である。
このように、本発明では、水耕栽培時の養液の液量を調整する、という簡便な手法により、キク科植物の主根の生育を促進でき、長く、太い主根を形成させることができて、更にはゴム合成を活発化することができ、結果、根に蓄積されるゴムの重量を増加させることができる。
本発明の方法が適用できるキク科(Asteraceae)植物としては、特に限定されないが、Sonchus属、Solidago属、Helianthus属、Taraxacum属、Lactuca属に属する植物等が挙げられる。
Sonchus属に属する植物としては、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ハチジョウナ(Sonchus brachyotus)、タイワンハチジョウナ(Sonchus arvensis)等が挙げられる。
Solidago属に属する植物としては、セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica)、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa)、キリガミネアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa f. paludosa)、オオアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. gigantea)、オオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait. var. leiophylla Fernald)等が挙げられる。
Helianthus属に属する植物としては、ヒマワリ(Helianthus annuus)、シロタエヒマワリ(Helianthus argophyllus)、ヘリアンサス・アトロルベンス(Helianthus atrorubens)、ヒメヒマワリ(Helianthus debilis)、コヒマワリ(Helianthus decapetalus)、ジャイアントサンフラワー(Helianthus giganteus)等が挙げられる。
Taraxacum属に属する植物としては、タンポポ(Taraxacum)、エゾタンポポ(Taraxacum venustum H.Koidz)、シナノタンポポ(Taraxacum hondoense Nakai)、カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonicum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)、ロシアタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)、Taraxacum brevicorniculatum等が挙げられる。
Lactuca属に属する植物としては、レタス(Lactuca sativa)、アキノノゲシ(Lactuca indica)等が挙げられる。
なかでも、本発明の方法は、Taraxacum属に属する植物に好適に適用でき、ロシアタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)、又はTaraxacum brevicorniculatumにより好適に適用できる。
本発明のキク科植物の水耕栽培方法は、水耕栽培工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
本発明における水耕栽培工程に供されるキク科植物としては、通常水耕栽培に供されるステージのものを用いることができるが、例えば、種子の休眠を打破した後、発根させた幼植物体を上記水耕栽培工程に供することができる。
なお、上記種子としては、遺伝子組換え種子であってもよいし、非遺伝子組換え種子であってもよい。また、上記幼植物体を用意するまでの、種子を播く工程(播種工程)や、休眠を打破する工程(休眠打破工程)、発根させる工程(発根工程)などは、各キク科植物において通常採用される方法により行うことができる。
本発明における水耕栽培工程は、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒されるように養液の液量を調整して栽培する限り、特に制限されないが、水耕栽培が行われている期間中、実質的に常に、主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒される状態で栽培することが好ましい。
ここで、本明細書において、「主根」とは、胚から直接形成された第一次根が発達し、根本の部分の太さが最も太い根を意味する。
また、本明細書において、「水耕栽培が行われている期間中、実質的に常に」とは、水耕栽培が行われている期間の長さの70%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、最も好ましくは100%)を意味する。
なお、本明細書において、「キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸」るとは、キク科植物の主根の根本から主根の先端までの根全体の長さに対して、主根の先端から1〜5割の長さのところまで養液に浸っていることを意味しており、本発明においては、養液の液量は主根の長さを基準として調整されている。
また、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒される状態で水耕栽培するためには、養液の液量を調整すればよく、養液の液量の調整方法は特に限定されず、通常用いられる方法により養液を適宜追加したり抜いたりすればよい。
本発明における水耕栽培工程においては、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒されるように養液の液量を調整して栽培されるが、養液に浸るのは、主根の根全体のうちの先端から2割以上の部分であることが好ましく、2割5分以上であることがより好ましい。他方、4割以下であることが好ましく、3割5分以下であることがより好ましい。
上記気体としては、キク科植物の根が呼吸に用いることができる気体、すなわち、適当な濃度の酸素を含む気体であれば特に制限されないが、代表的には空気である。
上記養液は、植物が生長するために必要な養分を含む肥料を水に溶かして調製したものであり、各キク科植物の生育に適した養液であれば特に限定されず、従来公知のものを使用できるが、例えば、カネコ養液栽培用肥料ファームエース1号(カネコ種苗(株)製)、カネコ養液栽培用肥料ファームエース2号(カネコ種苗(株)製)、養液栽培用肥料OATハウス1号(OATアグリオ(株)製)、養液栽培用肥料OATハウス2号(OATアグリオ(株)製)などが使用できる。
例えば、OATハウス1号は、窒素全量10.0質量%、水溶性リン酸8.0質量%、水溶性カリウム27.0質量%、水溶性苦土4.0質量%、水溶性マンガン0.10質量%、水溶性ホウ素0.10質量%、鉄分0.18質量%、銅分0.002質量%、亜鉛分0.006質量%、モリブデン分0.002質量%を含む粉末状の肥料である。
また、OATハウス2号は、窒素全量11.0質量%、石灰23.0質量%を含む粉末状肥料である。
例えば、OATハウス1号とOATハウス2号とを用いて、養液を調製する場合には、公知の処方(例えば、A処方やC処方など)に従って、水にOATハウス1号を溶解させた後、その溶液にOATハウス2号を添加して溶解させる。
一例として、OATハウス1号(OATアグリオ(株)製)及びOATハウス2号(OATアグリオ(株)製)のA処方の成分組成を下記する。
窒素全量(TN):260ppm
(内アンモニア性窒素(AN):23ppm、硝酸性窒素(NN):233ppm)
リン酸(P):120ppm
加里(KO):405ppm
石灰(CaO):230ppm
苦土(MgO):60ppm
マンガン(MnO):1.5ppm
ホウ素(B):1.5ppm
鉄(Fe):2.7ppm
銅(Cu):0.03ppm
亜鉛(Zn):0.09ppm
モリブデン(Mo):0.03ppm
EC値(dS/m):2.6
上記養液中の水溶性リン酸含有量は、90〜200ppmであることが好ましい。水溶性リン酸含有量がこのような範囲であると、キク科植物の根の生育を特に良好なものとすることができる。水溶性リン酸含有量として、より好ましくは100〜160ppmであり、更に好ましくは110〜140ppmである。
上記養液中の水溶性カリウム含有量は、350〜500ppmであることが好ましい。水溶性カリウム含有量がこのような範囲であると、キク科植物の根の生育を特に良好なものとすることができる。水溶性カリウム含有量として、より好ましくは360〜490ppmであり、更に好ましくは400〜485ppmである。
上記養液中の石灰含有量は、150〜300ppmであることが好ましい。石灰含有量がこのような範囲であると、キク科植物の根の生育を特に良好なものとすることができる。石灰含有量として、より好ましくは160〜250ppmであり、更に好ましくは180〜230ppmである。
上記養液中の水溶性苦土含有量は、30〜200ppmであることが好ましい。ゴム合成に関与するシス型プレニルトランスフェラーゼの酵素活性には2価の陽イオンが必要であり、特にマグネシウムイオンが適しているといわれているため、ゴム合成のためにはマグネシウムイオンの供給が重要である一方、マグネシウムイオンが過剰に供給されてしまうと、別の栄養素であるカルシウムイオンの吸収阻害が引き起こされる場合があるといわれている。そのような中、水溶性苦土含有量がこのような範囲であると、キク科植物の根の生育を特に良好なものとすることができ、更にはゴム合成をより活発化させることができる。水溶性苦土含有量として、より好ましくは40〜150ppmであり、更に好ましくは50〜100ppmである。
上記養液のpHは、4.0〜7.0であることが好ましい。pHがこのような範囲であると、キク科植物の根の生育を特に良好なものとすることができる。pHとしてより好ましくは、5.0〜6.5である。
上記水耕栽培工程における養液の温度は、25℃以下であることが好ましい。より好ましくは、23℃以下である。また、養液の温度は、20℃以上が好ましく、22℃以上がより好ましい。水耕栽培工程における養液の温度がこのような範囲であると、生育障害を起こすことなく、良好に生育させることができる。
上記水耕栽培工程における葉の位置での照度は、6,000lx以上であることが好ましい。より好ましくは6,500lx以上であり、更に好ましくは7,000lx以上である。また、葉の位置での照度は、20,000lx以下が好ましく、18,000lx以下がより好ましく、15,000lx以下が更に好ましく、12,000lx以下がより更に好ましく、10,000lx以下が特に好ましい。水耕栽培工程における葉の位置での照度がこのような範囲であると、光障害を生じさせることなく、良好に生育させることが可能である。
なお、本発明において、葉の位置での照度は、JIS C 7612に準拠して測定した。
上記照度を得るための光源としては、特に限定されず、自然光を利用しても、人工光を利用しても、これらを組み合わせて利用してもよい。人工光を用いる場合、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプ、白熱電球、蛍光灯、アーク灯、無電極放電灯、低圧放電灯、冷陰極型蛍光管、外部電極型蛍光管、エレクトロルミネセンスライト、及びHIDランプ等を使用することができる。HIDランプとしては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び高圧ナトリウムランプ等が挙げられる。これらの光源は、1種類のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記水耕栽培工程における日長時間は、15時間以上であることが好ましい。より好ましくは16時間以上である。また、日長時間の上限は特に限定されないが、22時間以下が好ましく、20時間以下がより好ましい。水耕栽培工程における日長時間がこのような範囲であると、生育障害を起こすことなく、良好に生育させることができる。
上記水耕栽培工程における栽培温度は、25℃以下であることが好ましい。より好ましくは、23℃以下である。また、栽培温度は、20℃以上が好ましく、22℃以上がより好ましい。水耕栽培工程における栽培温度がこのような範囲であると、生育障害を起こすことなく、良好に生育させることができる。
上記水耕栽培工程における栽培期間は、1ヶ月以上が好ましく、3ヶ月以上がより好ましく、4ヶ月以上が更に好ましい。水耕栽培工程における栽培期間がこのような範囲であると、枯れてしまったりせずに、十分に生育させ、ゴムを根に蓄積させることができる。なお、上限については特に限定されない。
その他の水耕栽培条件としては、特に限定されず、各キク科植物の生育に適した通常採用される条件により栽培することができる。また、水耕栽培を行う装置等についても特に限定されず、通常水耕栽培に用いられる装置等を用いることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
[播種・休眠打破・発根・移植]
シャーレに濾紙2〜3枚を重ねて敷き、脱イオン水で湿らせた。濾紙上に、ロシアタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)の種子(United States department of agriculture, animal and plant health inspection service, Plant protection and quarantineより入手)を互いに1.5cm以上離して置いた。シャーレのふたをしてパラフィルムでシールした。シャーレを冷蔵庫(4℃)に3日間入れておき、休眠打破した。休眠打破処理後は、種を置いたシャーレを16℃〜22℃の培養機内に置いた。
[栽培]
発根後、根が1cm以上伸びた後に、水耕栽培用ウレタンマットに定植した。水耕栽培用の養液としては、OATハウス1号(OATアグリオ(株)製)及びOATハウス2号(OATアグリオ(株)製)のA処方を用いた。
OATハウス1号(OATアグリオ(株)製)及びOATハウス2号(OATアグリオ(株)製)のA処方の成分組成を下記する。
窒素全量(TN):260ppm
(内アンモニア性窒素(AN):23ppm、硝酸性窒素(NN):233ppm)
リン酸(P):120ppm
加里(KO):405ppm
石灰(CaO):230ppm
苦土(MgO):60ppm
マンガン(MnO):1.5ppm
ホウ素(B):1.5ppm
鉄(Fe):2.7ppm
銅(Cu):0.03ppm
亜鉛(Zn):0.09ppm
モリブデン(Mo):0.03ppm
EC値(dS/m):2.6
23℃で、明条件16時間、暗条件8時間の条件下で5ヶ月水耕栽培した。明条件時の葉の位置での照度は7,000〜10,000lxを維持した。暗条件時の葉の位置での照度は1lx以下を維持した。そして、水耕栽培中、栽培中のロシアタンポポの主根の根全体のうちの先端から2〜4割の部分が実質的に常に養液に浸っており、主根の残りの部分が空気に晒される状態となるよう、養液の液量を調整した。
[主根の太さ・長さ、地下部(根全体)の重量測定]
上述のように5ヶ月水耕栽培したロシアタンポポの主根の太さ、長さを、また、地下部(根全体)の重量を測定した。測定結果を表1に示す。
[ゴムの採取]
上述のように5ヶ月水耕栽培したロシアタンポポの根(根全体)を切断し、ラテックスを採取した。根の切断は根の先端から開始し、植物に残存する根の長さが3.0cmとなるまで5mm程度の間隔で切断し、ラテックスを採取した。採取したラテックスにエタノールを加え遮光して静置した。エタノール浸漬したラテックス溶液から、エタノールを含む溶液を取り除き、蒸発乾固させた後、ゴム重量を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
水耕栽培中、栽培中のロシアタンポポの主根の根全体のうちの先端から9〜10割(根全体)の部分が実質的に常に養液に浸っており、主根の残りの部分が空気に晒される状態となるよう、養液の液量を調整した以外、実施例1と同様に栽培し、得られた主根の太さ、長さ、地下部(根全体)の重量を測定し、また、ゴムを採取しゴム重量を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
[播種・休眠打破・発根・移植]
シャーレに濾紙2〜3枚を重ねて敷き、脱イオン水で湿らせた。濾紙上に、ロシアタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)の種子(United States department of agriculture, animal and plant health inspection service, Plant protection and quarantineより入手)を互いに1.5cm以上離して置いた。シャーレのふたをしてパラフィルムでシールした。シャーレを冷蔵庫(4℃)に3日間入れておき、休眠打破した。休眠打破処理後は、種を置いたシャーレを16℃〜22℃の培養機内に置いた。
[栽培]
発根後、根が1cm以上伸びた後に、バーミキュライトの入った鉢に定植した。
23℃で、明条件16時間、暗条件8時間の条件下で5ヶ月栽培(土耕栽培)した(栽培中、ロシアタンポポの根は全体が土に埋まっている)。明条件時の葉の位置での照度は7,000〜10,000lxを維持した。暗条件時の葉の位置での照度は1lx以下を維持した。栽培中、液肥として、適宜、ハイポニカ(協和(株)製)を500倍に希釈したものを与えた。
[主根の太さ・長さ、地下部(根全体)の重量測定]
上述のように5ヶ月土耕栽培したロシアタンポポの主根の太さ、長さを、また、地下部(根全体)の重量を測定した。測定結果を表1に示す。
[ゴムの採取]
上述のように5ヶ月土耕栽培したロシアタンポポの根(根全体)を切断し、ラテックスを採取した。根の切断は根の先端から開始し、植物に残存する根の長さが3.0cmとなるまで5mm程度の間隔で切断し、ラテックスを採取した。採取したラテックスにエタノールを加え遮光して静置した。エタノール浸漬したラテックス溶液から、エタノールを含む溶液を取り除き、蒸発乾固させた後、ゴム重量を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2019083721
表1より、主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒されるように養液の液量を調整して水耕栽培した実施例1では、主根の根全体を養液に浸して水耕栽培した比較例1や土耕栽培した比較例2に比べて、主根の太さが太く、主根の長さが長くなっており、地下部(根全体)の重量も増加していた。また、ゴムの重量も増加していた。ロシアタンポポでは根にゴムが蓄積するため、主根の太さ、長さ、根全体の重量が増加することにより、ゴムの重量も増加したものと考えられる。更には、比較例1、2に比べて、実施例1では、根の重量(地下部の重量)に対するゴムの重量の割合が増加しているが、これは、主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体(空気)に晒される状態で水耕栽培することにより、ゴム合成が活発になったためと推測される。
このように、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して水耕栽培することにより、主根の生育を促進でき、長く、太い主根を形成させることができて、更にはゴム合成を活発化することができ、結果、根に蓄積されるゴムの重量を増加させることができることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. キク科植物の水耕栽培方法であって、キク科植物の主根の根全体のうちの先端から1〜5割の部分が養液に浸り、主根の残りの部分が気体に晒されるように養液の液量を調整して栽培する水耕栽培工程を含む、キク科植物の水耕栽培方法。
  2. 前記キク科植物が、Taraxacum kok−saghyz、又はTaraxacum brevicorniculatumである請求項1記載のキク科植物の水耕栽培方法。
  3. 前記水耕栽培工程における栽培温度が、25℃以下である請求項1又は2記載のキク科植物の水耕栽培方法。
  4. 前記水耕栽培工程における光条件は、日長時間が15時間以上、葉の位置での照度が6000lx以上である請求項1〜3のいずれかに記載のキク科植物の水耕栽培方法。

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