JP2019082717A - 眼鏡レンズおよび眼鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】青色光による眼への負担を軽減可能であると共に、装用感が良好な眼鏡レンズを提供する。【解決手段】青色光吸収性化合物を含むレンズ基材と膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜とを有し、青色光カット率が35.0%以上である眼鏡レンズ。【選択図】なし

Description

本発明は、眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
近年のデジタル機器のモニター画面はブラウン管から液晶に替わり、最近はLED液晶も普及しているが、液晶モニター、特にLED液晶モニターは、青色光と呼ばれる短波長光を強く発光する。そのため、デジタル機器を長時間使用する際に生じる眼精疲労や眼の痛みを効果的に低減するためには、青色光による眼への負担を軽減するための対策を講じるべきである。なお一般に、400〜500nmの波長域の光またはこの波長域付近の光が、青色光と呼ばれる。
上記の点に関して、例えば、特許文献1には、波長400〜450nmの光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜をプラスチック基材の両表面上に有する光学物品が提案されている。
特開2013−8052号公報
青色光による眼への負担を軽減するための手段としては、眼鏡レンズにおいて、特許文献1に記載されているように、レンズ基材の両表面上に青色光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜を設けることが挙げられる。
しかるに、レンズ基材の両表面上に青色光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜を設けると、眼鏡レンズの装用感が低下する傾向がある。詳しくは、かかる眼鏡レンズを備えた眼鏡を装用した装用者が、ゴーストと呼ばれる二重像を視認しやすくなるため、装用感が低下する傾向がある。
本発明の一態様は、青色光による眼への負担を軽減可能であるとともに、装用感が良好な眼鏡レンズを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
青色光吸収性化合物を含むレンズ基材と、
膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜と、
を有し、
青色光カット率が35.0%以上であり、
物体側から測定して求められる物体側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が15.00〜25.00%の範囲であり、かつ
物体側から測定して求められる眼球側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が2.00%未満である、眼鏡レンズ、
に関する。
上記眼鏡レンズの青色光カット率は35.0%以上である。このように高い青色光カット率で青色光を遮断することができるため、上記眼鏡レンズによれば、この眼鏡レンズを備えた眼鏡の装用者の眼に入射する青色光の光量を低減して青色光による装用者の眼への負担を軽減することができる。
この35.0%以上の青色光カット率が実現できることには、
(i)レンズ基材が青色光吸収性化合物を含むこと、
(ii)物体側から測定して求められる物体側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が15.00〜25.00%の範囲であること、および
(iii)膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜を有すること、
が主に寄与し得る。(iii)に関しては、金属は、可視領域の光を吸収する性質を有するため、青色光も吸収することができる。このことが、眼鏡レンズの青色光カット率を高めることに寄与し得る。また、金属層を厚膜にすると眼鏡レンズの透過率(例えば視感透過率)を大きく低下させるおそれがあるが、膜厚1.0〜10.0nmの金属層であれば、眼鏡レンズの透過率が大きく低下することを防ぐことができる。
また、レンズ基材の両表面上に青色光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜を設けた眼鏡レンズにおけるゴースト(二重像)の主な発生原因は、眼鏡レンズの物体側表面で反射されずに眼鏡レンズ内部に入射した青色光が、眼鏡レンズ内部で、青色光を強く反射する性質を有する多層膜が設けられた両表面の間で多重反射することにあると考えられる。これに対し、上記眼鏡レンズは、上記(i)〜(iii)により、レンズ基材の眼球側表面において青色光を選択的に強く反射することを要さずに35.0%以上の青色光カット率を実現できる。これにより、眼鏡レンズ内部での青色光の多重反射により結像するゴースト(二重像)が視認される強度を下げることができるか、または視認されないほど強度を下げることが可能になる。
本発明の更なる態様は、上記眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
本発明の一態様によれば、青色光による眼への負担を軽減することができ、かつ装用感が良好な眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡を提供することができる。
実施例1の眼鏡レンズについて得られた反射分光スペクトル(物体側から測定)。 実施例2の眼鏡レンズについて得られた反射分光スペクトル(物体側から測定)。
[眼鏡レンズ]
本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、青色光吸収性化合物を含むレンズ基材と膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜とを有し、青色光カット率が35.0%以上であり、物体側から測定して求められる物体側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が15.00〜25.00%の範囲であり、かつ物体側から測定して求められる眼球側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が2.00%未満である眼鏡レンズである。
本発明および本明細書における用語の定義および/または測定方法を、以下に説明する。
「物体側表面」とは、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、「眼球側表面」とは、その反対、即ち眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面である。面形状に関して、一態様では、物体側表面は凸面であり、眼球側表面は凹面である。ただし、この態様に限定されるものではない。
「青色光吸収性化合物」とは、400〜500nmの波長域に吸収を有する化合物をいう。
「青色光カット率」とは、日本医用光学機器工業会の規格にしたがって、下記式1により求められる。
(式1)
青色光カット率C=1−τ
式1中、τは、日本医用光学機器工業会の規格に規定されている眼に有害な青色光の重み付き透過率であり、下記式2により算出される。式2中、WB(λ)は、重み付け関数であり、下記式3により算出される。τ(λ)は、分光光度計により測定される波長λnmにおける透過率である。したがって、青色光カット率Cには、吸収による青色光のカット率と反射による青色光のカット率が合算されている。
式3中、Esλ(λ)は、太陽光の分光放射照度であり、B(λ)はブルーライトハザード関数である。Esλ(λ)、B(λ)およびWB(λ)は、JIS T 7333附属書Cに記載されている。Esλ(λ)、B(λ)およびWB(λ)を用いて値を算出する場合、分光光度計による測定は、1〜5nmの測定波長間隔(ピッチ)で、少なくとも波長380nmから500nmまで行うものとする。
眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における波長400〜500nmの波長域での平均反射率は、物体側から直入射する光(即ち入射角度が0°)に対する物体側表面における平均反射率であって、眼鏡レンズの物体側から分光光度計を用いて波長400〜500nmの波長域で物体側表面において測定される反射率の算術平均である。眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における波長400〜500nmの波長域における平均反射率は、物体側から直入射する光に対する眼球側表面における平均反射率であって、眼鏡レンズの物体側から分光光度計を用いて波長400〜500nmの波長域で眼球側表面において測定される反射率の算術平均である。以下において、波長400〜500nmの波長域における平均反射率を、「青色光反射率」とも記載する。
また、後述の眼球側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率は、眼球側から直入射する光に対する眼球側表面における平均反射率であって、眼鏡レンズの眼球側から分光光度計を用いて波長400〜500nmの波長域で眼球側表面において測定される反射率の算術平均である。後述の眼球側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率は、眼球側から直入射する光(即ち入射角度が0°)に対する物体側表面における平均反射率であって、眼鏡レンズの眼球側から分光光度計を用いて波長400〜500nmの波長域で物体側表面において測定される反射率の算術平均である。
レンズ反射率測定装置(例えばオリンパス社製USPM−RU)による測定において、焦点位置を測定対象面(物体側表面または眼球側表面)に合わせることにより、同じ方向から入射する光に対する物体側表面における反射率および眼球側表面における反射率を、それぞれ測定することができる。また、測定にあたり、測定波長間隔(ピッチ)は、任意に設定可能である。例えば、1〜5nmの範囲で設定することができる。
後述の「主波長」とは、人の眼で感じる光の色の波長を数値化した指標であり、JIS Z 8781−3:2016の附属書JAにしたがって測定される。
後述の「視感反射率」は、JIS T 7334:2011にしたがい測定され、「視感透過率」は、JIS T 7333:2005にしたがい測定される。
後述の「YI(Yellowness Index)値」とは、JIS K 7373:2006にしたがい測定される。YI値は、黄色みの強さを示す数値である。YI値が高いほど、黄色みが強いことを意味する。
本発明および本明細書において、「膜厚」は、物理膜厚である。膜厚は、公知の膜厚測定法によって求めることができる。例えば膜厚は、光学式膜厚測定器によって測定された光学膜厚を物理膜厚に換算することにより求めることができる。
以下において、膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜を、「金属層入り多層膜」とも記載し、その他の多層膜を「他の多層膜」とも記載する。
以下、上記眼鏡レンズについて、更に詳細に説明する。
<青色光カット率>
上記眼鏡レンズの青色光カット率は、35.0%以上である。青色光カット率が35.0%以上の眼鏡レンズによれば、この眼鏡レンズを備えた眼鏡を装用者が装用することにより、装用者の眼に入射する青色光の光量を低減し、装用者の眼への青色光による負担を軽減することができる。青色光カット率は、36.0%以上であることが好ましく、37.0%以上であることがより好ましく、38.0%以上であることが更に好ましい。また、青色光カット率は、例えば80.0%以下、60.0%以下、50.0%以下または45.0%以下であることができる。ただし、装用者の眼に入射する青色光の光量を低減する観点からは青色光カット率は高いほど好ましいため、上記に例示された上限を超えてもよい。
<青色光反射率>
上記眼鏡レンズにおいて、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率は、2.00%未満である。先に記載したように、レンズ基材の両表面上に青色光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜を設けると、眼鏡レンズの装用感は低下してしまう。これに対し、上記眼鏡レンズは、上記(i)〜(iii)により、眼鏡レンズの眼球側表面における青色光反射率を高くすることを要さずに、35.0%以上の青色光カット率を実現することができる。これにより、ゴースト(二重像)の発生により眼鏡レンズの装用感が低下することを抑制することができる。眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率は、ゴーストの発生をより一層抑制する観点からは、1.50%以下であることが好ましく、1.00%以下であることが更に好ましい。また、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率は、例えば0.10%以上または0.20%以上であることができる。ただし、ゴーストの発生を抑制する観点からは、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率が低いことが好ましいため、上記に例示した下限を下回ってもよい。
なお眼球側表面における青色光反射率を、眼球側とは逆側の物体側から測定する理由は、物体側から入射した光が眼鏡レンズ内部で多重反射することに対しては、眼球側から測定される青色光反射率より物体側から測定される青色光反射率が、より大きく影響すると考えられるためである。
一方、上記眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率は、15.00%以上25.00%以下である。この青色光反射率が15.00%以上であることは、物体側から入射する青色光を反射することにより、眼鏡レンズの青色光カット率を高めることに寄与し得る。この点から、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率は、16.00%以上であることが好ましく、16.50%以上であることがより好ましく、17.00%以上であることが更に好ましい。また、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率が25.00%以下であることは、ゴースト(二重像)の発生を抑制することに寄与し得る。この点から、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率は、23.00%以下であることが好ましく、20.00%以下であることがより好ましい。
上記眼鏡レンズが、眼鏡レンズの眼球側表面における青色光反射率を高くすることを要さずに35.0%以上の青色光カット率を示すことには、レンズ基材が青色光吸収性化合物を含むこと(上記(i))、および上記眼鏡レンズが多層膜の中の一層として金属層を含む多層膜(金属層入り多層膜)を有すること(上記(iii))も寄与し得る。上記レンズ基材および金属層入り多層膜について、詳細は後述する。
<レンズ基材>
上記眼鏡レンズに含まれるレンズ基材は、青色光吸収性化合物を含むものである限り、特に限定されない。レンズ基材は、プラスチックレンズ基材またはガラスレンズ基材であることができる。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材であることができる。レンズ基材としては、軽量で割れ難く、かつ青色光吸収性化合物の導入が容易であるという観点から、プラスチックレンズ基材が好ましい。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)を挙げることができる。硬化性組成物は、重合性組成物ともいうことができる。なおレンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.60〜1.75程度であることができる。ただしレンズ基材の屈折率は、上記範囲に限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。本発明および本明細書において、屈折率とは、波長500nmの光に対する屈折率をいうものとする。また、レンズ基材は、屈折力を有するレンズ(いわゆる度付レンズ)であってもよく、屈折力なしのレンズ(いわゆる度なしレンズ)であってもよい。
上記眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等の各種レンズであることができる。レンズの種類は、レンズ基材の両面の面形状により決定される。また、レンズ基材表面は、凸面、凹面、平面のいずれであってもよい。通常のレンズ基材および眼鏡レンズでは、物体側表面は凸面、眼球側表面は凹面である。ただし、本発明は、これに限定されるものではない。
(青色光吸収性化合物)
上記レンズ基材は、青色光吸収性化合物を含む。このことが、上記眼鏡レンズに35.0%以上の青色光カット率をもたらすことができる理由の1つである。青色光吸収性化合物は、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、インドール化合物等の青色光の波長域に吸収を有する各種化合物を挙げることができ、好ましい青色光吸収性化合物としてはベンゾトリアゾール化合物およびインドール化合物を挙げることができ、より好ましい青色光吸収性化合物としてはベンゾトリアゾール化合物を挙げることができる。ベンゾトリアゾール化合物としては、下記式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
式(1)において、Xは、共鳴効果を付与する基を表す。Xの置換位置は、好ましくはトリアゾール環の5位である。
Xの例としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、スルホ基、カルボキシ基、ニトリル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、臭素原子、フッ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(1)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、アルキル基およびアルコキシ基のそれぞれについて、炭素数1〜8が好ましく、炭素数2〜8がより好ましく、炭素数4〜8が更に好ましい。
アルキル基およびアルコキシ基は、分岐であっても直鎖であってもよい。アルキル基およびアルコキシ基の中でも、アルキル基が好ましい。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられ、これらの中でも、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、および1,1,3,3−テトラメチルブチル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、および1,1,3,3−テトラメチルブチル基がより好ましく、tert−ブチル基が更に好ましい。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基が挙げられ、これらの中でもブトキシ基、またはエトキシ基が好ましい。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、3位,4位または5位が好ましい。
式(1)において、Rは、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、これらの具体例としては、Rについて挙げた上記例のうち炭素数が適合するものが挙げられる。これらの中でもメチル基またはエチル基が好ましい。
式(1)において、mは0または1の整数を表す。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、5位が好ましい。
nはRの価数を表し、1または2である。
式(1)において、Rは、水素原子、または炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表す。nが1の場合、Rは水素原子を表し、nが2の場合、炭素数1〜8の2価の炭化水素基を表す。
で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基が挙げられる。Rで表される炭化水素基の炭素数は、炭素数1〜8であり、炭素数1〜3であることが好ましい。
で表される2価の炭化水素基の例としては、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基等が挙げられ、これらの中でもメタンジイル基が好ましい。
式(1)において、Rの置換位置は、ベンゾトリアゾリル基の置換位置を基準として、3位が好ましい。
は、好ましくは水素原子であり、この場合nは1である。
ベンゾトリアゾール化合物は、好ましくは、下記式(1−1)で示されるベンゾトリアゾール化合物である。
式(1−1)において、R、R、mは、それぞれ上記と同義であり、例示および好ましい態様も上記と同様である。
式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(tert−ブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル]、メチレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル]、フェニレンビス[3−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−2−ヒドロキシフェニル]、および下記式(1−1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例が挙げられる。
式(1−1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジエチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、および5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記の中でも、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(4−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、および2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
上記レンズ基材は、例えば、レンズ基材を構成する樹脂(または樹脂を得るための重合性化合物)100質量部に対して、青色光吸収性化合物を0.05〜3.00質量部含むことができ、0.05〜2.50質量部含むことが好ましく、0.10〜2.00質量部含むことがより好ましく、0.30〜2.00質量部含むことが更に好ましい。ただし、眼鏡レンズの青色光カット率を35.0%以上とすることができればよいため、上記範囲の含有量に限定されるものではない。青色光吸収性化合物を含むレンズ基材の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、硬化性組成物を硬化してレンズ形状の成形品としてレンズ基材を得る方法において、硬化性組成物に青色光吸収性化合物を添加することにより、青色光吸収性化合物を含むレンズ基材を得ることができる。または、一般にレンズ基材の染色方法として用いられる各種湿式または乾式の方法により、レンズ基材に青色光吸収性色素を導入することができる。例えば、湿式の方法の一例としてはディップ法(浸漬法)を挙げることができ、乾式の方法の一例としては昇華染色法を挙げることができる。
また、上記レンズ基材には、眼鏡レンズのレンズ基材に一般に含まれることがある各種添加剤が含まれていてもよい。例えば、レンズ基材を、重合性化合物と青色光吸収性化合物を含む硬化性組成物を硬化して成形する場合、かかる硬化性組成物に、例えば、特開平7−063902号公報、特開平7−104101号公報、特開平9−208621号公報、特開平9−255781号公報等に記載されている重合触媒、特開平1−163012号公報、特開平3−281312号公報等に記載されている内部離型剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤等の添加剤の一種以上を添加してもよい。これら添加剤の種類および添加量、ならびに硬化性組成物を用いるレンズ基材の成形方法については、公知技術を適用することができる。
<多層膜>
(金属層入り多層膜)
上記眼鏡レンズは、膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜を有する。
金属層入り多層膜は、眼鏡レンズの物体側表面上に位置することができ、眼球側表面上に位置することもでき、両表面上に位置することもできる。また、一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面および物体側表面の一方の表面上に金属層入り多層膜が位置し、他方の表面上に他の多層膜が位置することができる。他の一態様では、眼鏡レンズの眼球側表面および物体側表面の一方の表面上に金属層入り多層膜が位置し、他方の表面上には金属層入り多層膜も他の多層膜も位置しないこともあり得る。一態様では、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率を2.00%未満に制御することの容易性の観点からは、金属層入り多層膜は、眼鏡レンズの少なくとも眼球側表面上に位置することが好ましく、眼球側表面上のみに位置することがより好ましい。金属層入り多層膜および他の多層膜は、いずれもレンズ基材の表面上に直接位置してもよく、一層以上の他の層を介して間接的にレンズ基材の表面上に位置してもよい。レンズ基材と多層膜との間に形成され得る層としては、例えば、偏光層、調光層、ハードコート層等を挙げることができる。ハードコート層を設けることにより眼鏡レンズの耐久性(強度)を高めることができる。ハードコート層は、例えば硬化性組成物を硬化した硬化層であることができる。ハードコート層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報の段落0025〜0028、0030を参照できる。また、レンズ基材と上記多層膜との間には、密着性向上のためのプライマー層を形成してもよい。プライマー層の詳細については、例えば特開2012−128135号公報の段落0029〜0030を参照できる。
本発明および本明細書において、「金属層」は、金属元素の単体(純金属)、複数の金属元素の合金、および一種以上の金属元素の化合物からなる群から選ばれる成分(以下において、「金属成分」とも記載する。)を任意の成膜方法によって堆積させて形成された膜を意味し、成膜時に不可避的に混入する不純物および成膜を補助するために任意に使用される公知の添加剤を除けば、金属成分からなる膜である。例えば、金属層は、膜の質量に対して90〜100質量%を金属成分が占める膜であり、95〜100質量%を金属成分が占める膜であることもできる。金属元素としては、遷移元素、例えば、クロム族元素(例えばCr、Mo、W)、鉄族元素(例えばFe、Co、Ni)、貴金属元素(例えばCu、Ag、Au)等を挙げることができる。金属層の具体的態様としては、例えば、クロム層、ニッケル層および銀層を挙げることができる。クロム層に含まれる金属成分は、クロムの単体(即ち金属Cr)、クロム酸化物、およびこれらの混合物であることができる。ニッケル層に含まれる金属成分は、ニッケルの単体(即ち金属Ni)、ニッケル酸化物、およびこれらの混合物であることができる。銀層に含まれる金属成分は、銀の単体(即ち金属Ag)、銀の酸化物、およびこれらの混合物であることができる。金属層に含まれる金属成分は、金属元素の単体であることがより好ましい。
金属層入り多層膜の成膜方法としては、公知の成膜方法を用いることができる。成膜の容易性の観点からは、成膜は蒸着により行うことが好ましい。即ち、金属層は、金属成分の蒸着膜であることが好ましい。蒸着膜とは、蒸着によって成膜された膜を意味する。本発明および本明細書における「蒸着」には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が含まれる。真空蒸着法では、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。以上の点は、下記の高屈折率層および低屈折率層の成膜についても同様である。
金属層入り多層膜に含まれる金属層は、膜厚が1.0〜10.0nmである。以下において、膜厚1.0〜10.0nmの金属層を、単に金属層とも記載する。眼鏡レンズの透過率(例えば視感透過率)の観点からは、金属層の膜厚は9.0nm以下であることが好ましく、8.0nm以下であることがより好ましく、7.0nm以下であることが更に好ましく、6.0nm以下であることが一層好ましく、5.0nm以下であることがより一層好ましく、4.0nm以下であることが更に一層好ましく、3.0nm以下であることが更により一層好ましい。また、金属層の膜厚は、金属層による青色光等の吸収効率の観点から1.0nm以上であり、1.1nm以上であることが好ましい。金属層入り多層膜には、膜厚1.0〜10.0nmの金属層が一層のみ含まれることが好ましいが、一態様では、かかる金属層が二層以上に分割されて、分割された層の間に他の層が存在していることもあり得る。この場合、二層以上に分割された金属層の合計膜厚が1.0〜10.0nmである。
金属層入り多層膜は、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された多層膜の中に金属層を含む多層膜であることが好ましい。本発明および本明細書において、「高屈折率」および「低屈折率」に関する「高」、「低」とは、相対的な表記である。即ち、高屈折率層とは、同じ多層膜に含まれる低屈折率層より屈折率が高い層をいう。換言すれば、低屈折率層とは、同じ多層膜に含まれる高屈折率層より屈折率が低い層をいう。高屈折率層を構成する高屈折率材料の屈折率は、例えば1.60以上(例えば1.60〜2.40の範囲)であり、低屈折率層を構成する低屈折率材料の屈折率は、例えば1.59以下(例えば1.37〜1.59の範囲)であることができる。ただし上記の通り、高屈折率および低屈折率に関する「高」、「低」の表記は相対的なものであるため、高屈折率材料および低屈折率材料の屈折率は、上記範囲に限定されるものではない。
高屈折率材料および低屈折率材料としては、無機材料、有機材料または有機・無機複合材料を用いることができ、成膜性等の観点からは無機材料が好ましい。即ち、金属層入り多層膜は、無機多層膜であることが好ましい。具体的には、高屈折率層を形成するための高屈折率材料としては、ジルコニウム酸化物(例えばZrO)、タンタル酸化物(Ta)、チタン酸化物(例えばTiO)、アルミニウム酸化物(Al)、イットリウム酸化物(例えばY)、ハフニウム酸化物(例えばHfO)、およびニオブ酸化物(例えばNb)からなる群から選ばれる酸化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。一方、低屈折率層を形成するための低屈折率材料としては、ケイ素酸化物(例えばSiO)、フッ化マグネシウム(例えばMgF)およびフッ化バリウム(例えばBaF)からなる群から選ばれる酸化物またはフッ化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。なお上記の例示では、便宜上、酸化物およびフッ化物を化学量論組成で表示したが、化学量論組成から酸素またはフッ素が欠損もしくは過多の状態にあるものも、高屈折率材料または低屈折率材料として使用可能である。
好ましくは、高屈折率層は高屈折率材料を主成分とする膜であり、低屈折率層は低屈折率材料を主成分とする膜である。ここで主成分とは、膜において最も多くを占める成分であって、通常は膜の質量に対して50質量%程度〜100質量%、更には90質量%程度〜100質量%を占める成分である。上記高屈折率材料または低屈折率材料を主成分とする成膜材料(例えば蒸着源)を用いて成膜を行うことにより、そのような膜(例えば蒸着膜)を形成することができる。なお成膜材料に関する主成分も、上記と同様である。膜および成膜材料には、不可避的に混入する不純物が含まれる場合があり、また、主成分の果たす機能を損なわない範囲で他の成分、例えば他の無機物質や成膜を補助する役割を果たす公知の添加成分が含まれていてもよい。成膜は、公知の成膜方法により行うことができ、成膜の容易性の観点からは、蒸着により行うことが好ましい。
金属層入り多層膜は、例えば、高屈折率層と低屈折率層が交互に合計3〜10層積層された多層膜であることができる。高屈折率層の膜厚および低屈折率層の膜厚は、層構成に応じて決定することができる。詳しくは、多層膜に含まれる層の組み合わせ、および各層の膜厚は、高屈折率層および低屈折率層を形成するための成膜材料の屈折率と、多層膜を設けることにより眼鏡レンズにもたらしたい所望の反射特性および透過特性に基づき、公知の手法による光学的シミュレーションにより決定することができる。
金属層入り多層膜の層構成としては、例えば、レンズ基材側からレンズ最表面側に向かって、
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)/第六層(高屈折率層)/第七層(金属層)/第八層(低屈折率層)、
等を挙げることができる。なお、上記の層構成の例示において、「/」との表記は、「/」の左に記載されている層と右に記載されている層が隣接する場合と、「/」の左に記載されている層と右に記載されている層の間に後述する導電性酸化物層が存在す場合とを包含する意味で用いられている。
金属層入り多層膜に含まれる低屈折率層と高屈折率層の組み合わせの好ましい一例としては、ケイ素酸化物を主成分とする膜(低屈折率層)とジルコニウム酸化物を主成分とする膜(高屈折率層)との組み合わせを挙げることができる。また、ケイ素酸化物を主成分とする膜(低屈折率層)とニオブ酸化物を主成分とする膜(高屈折率層)との組み合わせを挙げることもできる。上記組み合わせの二層の膜が隣接する積層構造を少なくとも1つ含む多層膜を、金属層入り多層膜の好ましい一例として例示することができる。
金属層入り多層膜は、以上説明した金属層、高屈折率層および低屈折率層に加えて、導電性酸化物を主成分とする層(導電性酸化物層)、好ましくは導電性酸化物を主成分とする蒸着源を用いる蒸着により形成された導電性酸化物の蒸着膜の一層以上を、多層膜の任意の位置に含むこともできる。この点は、他の多層膜についても同様である。なお導電性酸化物層に関して記載する主成分についても、上記と同様である。
導電性酸化物層としては、眼鏡レンズの透明性の観点から、膜厚10.0nm以下の酸化インジウムスズ(tin−doped indium oxide;ITO)層、膜厚10.0nm以下のスズ酸化物層、および膜厚10.0nm以下のチタン酸化物層が好ましい。酸化インジウムスズ(ITO)層とは、ITOを主成分として含む層である。この点は、スズ酸化物層、チタン酸化物層についても同様である。金属層入り多層膜および他の多層膜は、導電性酸化物層を含むことにより、眼鏡レンズが帯電し塵や埃が付着することを防ぐことができる。なお本発明および本明細書において、金属層入り多層膜および他の多層膜に含まれる「金属層」、「高屈折率層」および「低屈折率層」としては、膜厚10.0nm以下の酸化インジウムスズ(ITO)層、膜厚10.0nm以下のスズ酸化物層、および膜厚10.0nm以下のチタン酸化物層は考慮されないものとする。即ち、これらの層の一層以上が金属層入り多層膜または他の多層膜に含まれる場合であっても、これらの層は「金属層」、「高屈折率層」または「低屈折率層」とは見做さないものとする。膜厚10.0nm以下の上記の導電性酸化物層の膜厚は、例えば0.1nm以上であることができる。
(他の多層膜)
上記眼鏡レンズが、物体側表面および眼球側表面の一方の表面上に金属層入り多層膜を有し、他方の表面上に他の多層膜を有する場合、他の多層膜としては、青色光を強く反射する性質を有する多層膜、眼鏡レンズに反射防止膜として通常設けられる多層膜等を挙げることができる。反射防止膜としては、可視光(380〜780nmの波長域の光)に対して反射防止効果を発揮する多層膜を挙げることができる。他の多層膜は、例えば無機多層膜であることができる。青色光を強く反射する性質を有する多層膜および反射防止膜として機能する多層膜の構成は公知である。例えば、他の多層膜としては、高屈折率層と低屈折率層が交互に合計3〜10層積層された多層膜を挙げることができる。高屈折率層および低屈折率層の詳細は、先に記載した通りである。例えば、レンズ基材の眼球側表面上に金属層入り多層膜を設ける場合には、物体側表面上に青色光を強く反射する性質を有する多層膜を設けることにより、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率を15.0〜25.0%の範囲とすることができる。そのような多層膜の層構成としては、例えば、
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)/第六層(高屈折率層)/第七層(低屈折率層)の順に積層された構成;
第一層(高屈折率層)/第二層(低屈折率層)/第三層(高屈折率層)/第四層(低屈折率層)/第五層(高屈折率層)/第六層(低屈折率層)の順に積層された構成;
第一層(低屈折率層)/第二層(高屈折率層)/第三層(低屈折率層)/第四層(高屈折率層)/第五層(低屈折率層)の順に積層された構成;
等を挙げることができる。
また、他の多層膜に含まれる低屈折率層と高屈折率層の組み合わせの好ましい一例としては、ケイ素酸化物を主成分とする膜(低屈折率層)とジルコニウム酸化物を主成分とする膜(高屈折率層)との組み合わせを挙げることができる。また、ケイ素酸化物を主成分とする膜(低屈折率層)とニオブ酸化物を主成分とする膜(高屈折率層)との組み合わせを挙げることもできる。上記組み合わせの二層の膜が隣接する積層構造を少なくとも1つ含む多層膜を、他の多層膜の好ましい一例として例示することができる。
更に、金属層入り多層膜上および/または他の多層膜上には、更なる機能性膜を形成することもできる。そのような機能性膜としては、撥水性または親水性の防汚膜、防曇膜等の各種機能性膜を挙げることができる。これら機能性膜については、いずれも公知技術を適用することができる。
<眼鏡レンズの各種特性>
(視感透過率)
上記眼鏡レンズは、一態様では、高い視感透過率を有する透明性に優れた眼鏡レンズであることができる。上記眼鏡レンズの視感透過率は、例えば35.0%以上であり、40.0%以上であることが好ましく、45.0%以上であることがより好ましく、50.0%以上であることが更に好ましく、55.0%以上であることが一層好ましく、60.0%以上であることがより一層好ましく、65.0%以上であることが更に一層好ましく、70.0%以上であることが更により一層好ましく、75.0%以上であることがなお一層好ましく、80.0%以上であることがなお更に一層好ましく、85.0%以上であることがなお更により一層好ましい。また、上記眼鏡レンズの視感透過率は、例えば95.0%以下であり、90.0%以下であることもできる。金属層入り多層膜に含まれる金属層を薄膜(詳しくは膜厚1.0〜10.0nm)とすることにより、視感透過率を大きく下げることなく先に記載した青色光カット率を実現することができる。
(視感反射率)
眼鏡レンズの外観品質向上の観点からは、眼鏡レンズの物体側表面において測定される視感反射率は低いことが好ましい。また、眼鏡レンズの装用感の更なる向上の観点からは、眼鏡レンズの眼球側表面において測定される視感反射率は低いことが好ましい。外観品質向上の観点からは、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における視感反射率は、2.00%以下であることが好ましく、1.80%以下であることがより好ましく、1.50%以下であることが更に好ましく、1.30%以下であることが一層好ましい。一方、装用感の更なる向上の観点からは、眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる眼球側表面における視感反射率は、2.00%以下であることが好ましく、1.80%以下であることがより好ましく、1.50%以下であることが更に好ましく、1.30%以下であることが一層好ましい。
眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における視感反射率および眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる眼球側表面における視感反射率は、それぞれ、例えば0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、または0.50%以上であることができるが、上記の下限は例示であって、これらに限定されるものではない。レンズ基材の物体側表面上および/または眼球側表面上に設けられる金属層入り多層膜または他の多層膜の膜設計によって、上記視感反射率を実現することができる。膜設計は、公知の方法による光学的シミュレーションによって行うことができる。
(YI値)
上記眼鏡レンズは、35.0%以上の青色光カット率を示すため、眼鏡装用者の眼に入射する青色光の光量を低減することができる。この点に関して、レンズ基材の両表面上に青色光を選択的に強く反射する性質を有する多層膜を設けると、眼鏡レンズの青色光カット率を高めることはできるものの、眼鏡装用者の視界が黄色み(以下、単に「黄色み」とも記載する。)を帯びる傾向がある。これは、可視領域の様々な波長の光の中の青色光がカットされることにより、相対的に緑色光と赤色光の割合が高くなる結果、赤色と緑色の混色の黄色みが視認されやすくなるためである。これに対し、本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、35.0%以上の青色光カット率を示しつつ、黄色みの低減も可能である。金属は、可視領域の光を吸収する性質を有する。そのため、上記眼鏡レンズに含まれる金属層入り多層膜は、金属層により、青色光のみならず緑色光や赤色光等も吸収することができる。このことが、35.0%以上の青色光カット率を実現しつつ、眼鏡装用者の視界が黄色みを帯びることを抑制することに寄与すると考えられる。好ましくは、上記眼鏡レンズは、27.0%以下のYI値を示すことができる。YI値は、26.0%以下であることがより好ましく、25.0%以下であることが更に好ましい。また、YI値は、例えば15.0%以上または20.0%以上であることができるが、YI値が低いほど黄色みが低減され好ましいため、上記の例示した下限を上回ってもよい。
(主波長)
上記眼鏡レンズは、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率が15.0〜25.0%であり、物体側表面において青色光を強く反射する性質を有する。このような眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における主波長は、青色光の波長域である400.0〜500.0nmの範囲にあることができる。
一方、眼鏡レンズの外観品質向上の観点からは、眼鏡レンズの両表面において測定される主波長が大きく異ならないことが好ましい。この点から、上記眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における主波長も、400.0〜500.0nmの範囲にあることが好ましい。
また、眼鏡レンズの装用感をより一層向上する観点からは、眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる両表面における主波長が大きく異ならないことが好ましい。この点からは、上記眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる物体側表面における主波長および眼球側から測定して求められる眼球側表面における主波長も、400.0〜500.0nmの範囲にあることが好ましい。
上記の各主波長は、例えば410.0nm以上または420.0nm以上であることができ、また例えば490.0nm以下または485.0nm以下であることができる。
主波長に関しては、金属層がレンズ基材に近い位置にある場合とレンズ基材から遠い位置にある場合とを対比すると、金属層がレンズ基材からより遠い位置にある場合に、主波長がより短波長側にある傾向がある。
[眼鏡]
本発明の更なる態様は、上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。この眼鏡に含まれる眼鏡レンズの詳細については、先に記載した通りである。上記眼鏡レンズは、かかる眼鏡レンズを備えることにより、眼鏡装用者の眼への青色光による負担を軽減することができる。また、上記眼鏡に備えられた眼鏡レンズは、眼鏡レンズ内部での青色光の多重反射により結像するゴースト(二重像)が眼鏡装用者に視認される強度を下げることができるか、または視認されないほど強度を下げることができる。フレーム等の眼鏡の構成については、特に制限はなく、公知技術を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。ただし本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)青色光吸収性化合物を含むレンズ基材(レンズ基材A)の作製
ビス−(β−エピチオプロピル)スルフィド100.00質量部、青色光吸収性化合物である2−(3−tertブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール0.40質量部を攪拌混合した後、触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニュウムブロマイド0.05質量部を添加し、10mmHgの減圧下で3分間攪拌混合し、レンズ用モノマー組成物(硬化性組成物)を調製した。次いで、このレンズ用モノマー組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットから構成されるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚2.0mmに設定)の中に注入し、炉内温度20℃〜100℃の電気炉中で20時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケットおよびモールドを取り外した後、110℃で1時間熱処理してプラスチックレンズ(レンズ基材A)を得た。得られたレンズ基材Aは、物体側表面が凸面、眼球側表面が凹面、屈折率は1.60であった。
(2)多層膜の成膜
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表1(表1−1、表1−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(クロム(金属Cr)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例1の眼鏡レンズを得た。
本実施例では、凸面側、凹面側とも、多層蒸着膜は、レンズ基材側(ハードコート層側)から眼鏡レンズの表面側に向かって、1層、2層・・・の順に積層し、眼鏡レンズ表面側の最外層が表1中の最下欄に記載の層になるように形成した。また、本実施例では、不可避的に混入する可能性のある不純物を除けば表1に示す酸化物またはクロム(金属Cr)からなる蒸着源(成膜材料)を使用して成膜を行った。したがって、ここで形成された金属層は、クロム層(金属Cr層)である。各酸化物の屈折率および各層の膜厚を表1に示す。これらの点は、後述の実施例および比較例についても同様である。
[実施例2]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表2(表2−1、表2−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(クロム(金属Cr)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例2の眼鏡レンズを得た。
[実施例3]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表3(表3−1、表3−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(クロム(金属Cr)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例3の眼鏡レンズを得た。
[実施例4]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表4(表4−1、表4−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(ニッケル(金属Ni)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例4の眼鏡レンズを得た。
[実施例5]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表5(表5−1、表5−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(銀(金属Ag)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例5の眼鏡レンズを得た。
[実施例6]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表6(表6−1、表6−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(クロム(金属Cr)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例6の眼鏡レンズを得た。
[実施例7]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表7(表7−1、表7−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側に金属層(クロム(金属Cr)層)入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する実施例7の眼鏡レンズを得た。
[比較例1]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表8に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、物体側および眼球側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する比較例1の眼鏡レンズを得た。
[比較例2]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表9に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、物体側および眼球側に他の多層膜(金属層を含まない)を有する比較例2の眼鏡レンズを得た。
[比較例3]
レンズ基材Aの両表面を光学的に加工(研磨)して光学面とした後に、両表面上にそれぞれ膜厚3000nmのハードコート層(硬化性組成物を硬化した硬化層)を形成した。
物体側のハードコート層表面上および眼球側のハードコート層表面上に、それぞれ、アシストガスとして酸素ガスおよび窒素ガスを用いて、イオンアシスト蒸着により表10(表10−1、表10−2)に示す構成の多層蒸着膜を成膜した。
こうして、眼球側にクロム層入り多層膜を有し、物体側に他の多層膜(クロム層を含まない)を有する比較例3の眼鏡レンズを得た。
比較例3の眼鏡レンズの眼球側に位置する金属層入り多層膜は、2層目に金属層(クロム層)を有する点で、実施例2の眼鏡レンズの眼球側に位置するクロム層入り多層膜(7層目にクロム層を有する)と相違する。
表1〜表10に記載の膜厚は、光学式膜厚測定器によって測定された光学膜厚を物理膜厚に換算して求めた値(単位:nm)である。各層の厚みは成膜時間によって制御した。
[評価方法]
<1.眼鏡レンズの青色光カット率、視感透過率>
実施例および比較例の各眼鏡レンズの直入射透過分光特性を、日立製作所製分光光度計U4100を用いて、眼鏡レンズの物体側の表面側(凸面側)から物体側表面の光学中心に光を入射させて波長380nmから780nmまで1nmピッチで測定した。
測定結果を用いて、先に記載した方法により、青色光カット率および視感透過率を求めた。
<2.眼鏡レンズの物体側表面および眼球側表面において測定される青色光反射率>
実施例および比較例の各眼鏡レンズの物体側から、物体側表面(凸面側)および眼球側表面(凹面側)において、それぞれ光学中心における直入射反射分光特性を測定した。
測定結果を用いて、先に記載した方法により、400〜500nmの波長域における物体側から測定される物体側表面および眼球側表面における平均反射率(青色光反射率)を、それぞれ求めた。
また、実施例および比較例の各眼鏡レンズの眼球側から、物体側表面(凸面側)および眼球側表面(凹面側)において、それぞれ光学中心における直入射反射分光特性を測定した。
測定結果を用いて、先に記載した方法により400〜500nmの波長域における眼球側から測定される物体側表面および眼球側表面における平均反射率(青色光反射率)を、それぞれ求めた。
上記測定は、オリンパス社製レンズ反射率測定器USPM−RUを用いて行った(測定ピッチ:1nm)。測定時、分光光度計の試料台の高さを調整することにより、測定対象面に焦点位置を合わせた。
実施例1の眼鏡レンズについて得られた反射分光スペクトル(物体側から測定)を図1に示し、実施例2の眼鏡レンズについて得られた反射分光スペクトル(物体側から測定)を図2に示す。
<3.視感反射率>
上記2.で得られた物体側から測定された物体側表面における直入射反射分光特性の測定結果を用いて、先に記載した方法により、物体側から測定して得られる物体側表面における視感反射率を求めた。
また、上記2.で得られた眼球側から測定された眼球側表面における直入射反射分光特性の測定結果を用いて、先に記載した方法により、眼球側から測定して得られる眼球側表面における視感反射率を求めた。
<4.主波長>
眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における主波長は、上記2.で眼鏡レンズの物体側から測定して物体側表面について得られた直入射反射分光特性の測定結果を用いて、JIS Z 8781−3:2016の附属書JAにしたがい求めた。
眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における主波長は、上記2.で眼鏡レンズの物体側から測定して眼球側表面について得られた直入射反射分光特性の測定結果を用いて、JIS Z 8781−3:2016の附属書JAにしたがい求めた。
眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる物体側表面における主波長は、上記2.で眼鏡レンズの眼球側から測定して物体側表面について得られた直入射反射分光特性の測定結果を用いて、JIS Z 8781−3:2016の附属書JAにしたがい求めた。
眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる眼球側表面における主波長は、上記2.で眼鏡レンズの眼球側から測定して眼球側表面について得られた直入射反射分光特性の測定結果を用いて、JIS Z 8781−3:2016の附属書JAにしたがい求めた。
<5.ゴースト評価>
実施例および比較例の各眼鏡レンズを、暗室において蛍光灯下30cmの位置で眼球側から観察し、ゴースト(二重像)の発生の有無および程度を、以下の評価基準に基づき官能評価した。
A+:ゴーストが観察されない。または薄いゴーストが観察されるがAより軽度である。
A:明瞭なゴーストは観察されない。薄いゴーストが観察される。
B:明瞭なゴーストが観察される。
<YI値>
上記1.で得られた直入射透過分光特性の測定結果を用いて、JIS K 7373:2006にしたがいYI値を求めた。具体的には、直入射透過分光特性の測定により得られた透過スペクトルから、JIS Z 8701:1999の式(3)にしたがって、X, Y, Zを算出し、JIS K 7373:2006の6.1節の計算式により、D65光源に対するYI値を算出した。
以上の結果を、表11に示す。
表11中、比較例2の眼鏡レンズは、青色光カット率が35.0%を下回っている。これに対し、比較例1の眼鏡レンズは、比較例2の眼鏡レンズと比べて高い青色光カット率を示している。しかし、比較例1の眼鏡レンズは、ゴースト評価結果がBであった。これは、眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率が2.00%以上であるためと考えられる。
比較例3の眼鏡レンズは、眼球側に位置する金属層入り多層膜が2層目に金属層(クロム層)を有する点で、7層目に金属層(クロム層)を有する実施例2の眼鏡レンズの眼球側に位置する金属層入り多層膜と相違する。このことが、比較例3の眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率が2.00%以上であることの理由と推察され、これにより、比較例3の眼鏡レンズのゴースト評価結果がBになったと考えられる。
これに対し、表11に示されている結果から、実施例1〜7の眼鏡レンズは、35.0%以上の高い青色光カット率を示すものの、ゴーストの発生が抑制されていることが確認できる。
また、表11に示されている各種青色光反射率の測定値から、眼鏡レンズの物体側表面について、物体側から測定して求められる青色光反射率と眼球側から測定して求められる青色光反射率は異なることが確認できる。同様のことは、眼鏡レンズの眼球側表面について測定される青色光反射率についても当てはまる。
眼鏡の装用者の後方から眼鏡レンズの物体側表面に入射する青色光が眼鏡レンズの眼球側表面で反射されて装用者の眼に入射する青色光の光量を低減する観点からは、眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる眼球側表面における青色光反射率は5.00%以下であることが好ましい。上記青色光反射率は、例えば2.00%未満であることができ、これより更に低くてもよい。
また、眼鏡の装用者の後方から眼鏡レンズに入射し物体側表面で反射されずに眼球側表面で反射されて物体側表面から出射して装用者の眼に入射する青色光の光量を低減する観点からは、眼鏡レンズの眼球側から測定して求められる物体側表面における青色光反射率は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下であることがより好ましい。かかる青色光反射率は、例えば5.00%以下であることができ、これより更に低くてもよい。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、青色光吸収性化合物を含むレンズ基材と膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜とを有し、青色光カット率が35.0%以上であり、物体側から測定して求められる物体側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が15.00〜25.00%の範囲であり、かつ物体側から測定して求められる眼球側表面における400〜500nmの波長域での平均反射率が2.00%未満である眼鏡レンズが提供される。
上記眼鏡レンズは、青色光による眼への負担を軽減することができ、かつ、この眼鏡レンズを備えた眼鏡の装用者に良好な装用感をもたらすことができる。
一態様では、上記眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における主波長は、400.0〜500.0nmの範囲である。
一態様では、上記眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における主波長は、400.0〜500.0nmの範囲である。
一態様では、上記眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における主波長、および物体側から測定して求められる眼球側表面における主波長は、いずれも400.0〜500.0nmの範囲である。
一態様では、上記眼鏡レンズのYI値は、27.0%以下である。
一態様では、上記眼鏡レンズにおいて、レンズ基材の物体側表面上および眼球側表面上に多層膜が位置し、上記金属層を含む多層膜は、レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜である。
一態様では、上記金属層は、クロム層である。
一態様では、上記金属層は、ニッケル層である。
一態様では、上記金属層は、銀層である。
一態様では、上記眼鏡レンズの視感透過率は、80.0%以上である。
一態様によれば上記眼鏡レンズを備えた眼鏡が提供される。
本明細書に記載の各種態様は、任意の組み合わせで2つ以上を組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、眼鏡レンズおよび眼鏡の製造分野において有用である。

Claims (9)

  1. 青色光吸収性化合物を含むレンズ基材と、
    膜厚1.0〜10.0nmの金属層を含む多層膜と、
    を有し、
    青色光カット率が35.0%以上である、眼鏡レンズ。
  2. 眼鏡レンズの物体側から測定して求められる物体側表面における主波長は、400.0〜500.0nmの範囲である、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 眼鏡レンズの物体側から測定して求められる眼球側表面における主波長は、400.0〜500.0nmの範囲である、請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記レンズ基材の物体側表面上および眼球側表面上に多層膜が位置し、
    前記金属層を含む多層膜は、前記レンズ基材の眼球側表面上に位置する多層膜である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  5. 前記金属層は、クロム層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  6. 前記金属層は、ニッケル層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  7. 前記金属層は、銀層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  8. 視感透過率が80.0%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の眼鏡レンズを備えた眼鏡。
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