以下、本発明について図面を参照して説明する。
<第1の実施例>
図2を参照して、図1に示したプロジェクタ101〜109のハードウェア構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態におけるプロジェクタのハードウェア構成を示す図である。
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM202あるいは情報記憶媒体207には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、入力コントローラ(入力C)205は、操作部209からの入力を制御する。
出力コントローラ(出力C)206は、投影部210等の表示器への表示を制御する。
情報記憶媒体207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する。
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。他の情報処理装置との情報通信や、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、投影部210上での表示を可能としている。
本発明を実現するためのプログラムは情報記憶媒体207に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明で生成されるプログラムやプロキシクラスファイル、プログラムが用いる定義ファイル及び各種情報テーブルは情報記憶媒体207に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
なお、図2の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは云うまでもない。その他の構成例として、プロジェクタが、ネットワークと接続され、通信可能な不図示のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置からプログラム生成命令を受けることによって、プログラムの生成を行うことも可能である。
すなわち、本発明の機能が実現されるものであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、ネットワークを介して処理が行われるシステムであっても本発明を適用することができる。以上で、図2のハードウェア構成図の説明を終える。
次に、図3を参照して、図2に示したプロジェクタへ指示を出すリモートコントローラの操作パネルのイメージを説明する。
図3は、本発明の実施形態におけるプロジェクタが操作される操作パネルを有するリモートコントローラの例である。
図3の301は、リモートコントローラのユーザインタフェースパネルの例であり、302はプロジェクタの電源ON/OFFを切り替える[電源]ボタンである。[アナログ]ボタン303や[デジタル]ボタン304は、プロジェクタへの入力端子をアナログRGB端子(VGA端子)とするか、デジタル端子(たとえば、DVI端子)入力とするかを切り替えるボタンである。他にもLANから投影情報を取得する方法やHDMI(登録商標)端子を使って投影情報を取得する方法がある。305は、本発明におけるOSDメニュー画面において、OSDメニューのカーソルを操作する際に利用するカーソルキーである。中心の[OK]ボタンを押下すると、OSDメニューのカーソル位置での設定値の変更を開始したり、設定値を確定したりすることができる。306はプロジェクタに情報を送信するためのテンキーである。以上で、図3のリモートコントローラ操作パネルの説明を終える。
次に、図4を参照して、本発明を機能させるマスタプロジェクタもしくは情報処理端末120が有するデータベースの例を説明する。
図4は、本発明の実施形態における投影システムのマスタプロジェクタもしくは情報処理端末120が有するデータベース400を示すデータ構成図の例である。
図4の400のデータは、以下の構成からなる。プロジェクタのID401と、それぞれのプロジェクタの役割402、それぞれのプロジェクタのIPアドレス403、その他本発明で設定されるパラメータ群404である。プロジェクタの役割402には、マスタプロジェクタとスレーブプロジェクタがあり、マスタプロジェクタがマルチプロジェクションの処理の中心的な役割を果たす。たとえば、情報処理端末120などから送信された情報は、まずマスタプロジェクタが受信し、マスタプロジェクタ以外のスレーブプロジェクタに情報を分配する構成もある。また、マスタプロジェクタは、本発明のOSDメニュー画面のみを制御する形でも良い。IPアドレス403はそれぞれのプロジェクタにアクセスするためのアドレスであり、プロジェクタ毎に異なる値が設定されている。パラメータ群404は、本発明によって設定されるパラメータの例であり、たとえば「コントラスト」や「輝度」、「色の濃さ」などがあり、他に設定する項目は複数あっても良い(パラメータ管理部)。
この実施例ではID401がPJ1であるプロジェクタ101をマスタプロジェクタとし、他のプロジェクタ102〜109をスレーブプロジェクタと設定されているとして説明する。図4のマスタプロジェクタが有するデータベース400の説明を終える。
次に、図5〜図8を参照して、本発明の実施形態におけるマルチプロジェクションを構成する投影システムのOSDメニュー画面を表示し、設定されたパラメータを反映する処理を説明する。
図5は、本発明の実施形態における投影システムのマスタプロジェクタで動作するデータベース400を生成する処理の流れを示す第1のフローチャートである。なお、図5のフローチャートはマスタプロジェクタであるプロジェクタ101のCPU201により実行されるものであり、図中のS501からS504はそれぞれの処理ステップを示す。
図5の処理は、たとえば、プロジェクタ101が、リモートコントローラ301において、所定の操作によりマスタプロジェクタとして指定された際に開始されるフローチャートである。
まず、図5のステップS501において、プロジェクタ101のCPU201は、接続されているプロジェクタの台数とIPアドレス403を取得する。プロジェクタの台数とIPアドレスの取得は、ユーザによるリモートコントローラからのIPアドレス403の入力をリモートコントローラ301のテンキー306によって受け付けても良いし、プロジェクタID401の入力を受け付けてIPアドレス403を特定しても良い。また、ネットワーク上の同一セグメントにあるプロジェクタを取得して接続されているプロジェクタの台数などを取得しても良く、どのような方法で情報を取得しても良い。
次に、ステップS502において、プロジェクタ101のCPU201は、ステップS501で取得したプロジェクタの中でプロジェクタの現在の設定値404以降を取得していないものがないか確認する。未取得の設定値404以降がある場合(ステップS502でYes)は、ステップS503へと処理を遷移し、未取得の設定値404以降がなければ(ステップS502でNo)は、図5のフローチャートを終える。当初は全てのプロジェクタの情報を有していないはずなので、ステップS503へと処理を遷移する。
ステップS503へと処理を遷移すると、プロジェクタ101のCPU201は、通信可能なプロジェクタ(たとえば、プロジェクタ102)の現在のプロジェクタの設定値(コントラストや輝度、色の濃さなどの設定値404以降)のデータを取得し、次のステップS504において、データベース400に格納する。(パラメータ取得部)
データベース400に設定値を格納後は再びステップS502へと処理を遷移し、次のプロジェクタ(たとえば、プロジェクタ103)の現在の設定値を取得する。この処理を繰り返し、図1の例では、スレーブプロジェクタ102〜109の設定値を取得するまで繰り返す。その後、ステップS502の処理でNoに遷移し、図5のフローチャートの処理を終える。以上で図5のフローチャートの説明を終える。
次に、図6のフローチャートで、本発明の実施形態における投影システムでOSDメニュー画面を表示して、設定されたパラメータを反映する処理を説明する。
図6は、本発明の実施形態における投影システムの各プロジェクタで設定値(パラメータ値)を変更し、変更を反映する処理の流れを示す第1のフローチャートである。なお、図6のフローチャートはマスタプロジェクタであるプロジェクタ101のCPU201もしくは、スレーブプロジェクタ102〜109のCPU201により実行されるものであり、図中のS601からS612はそれぞれの処理ステップを示す。
図6の処理は、たとえば、マスタプロジェクタであるプロジェクタ101において、ユーザがリモートコントローラ301の所定の操作によりマスタプロジェクションのOSDメニュー画面を表示しようとした際に開始されるフローチャートである。なお、図6のフローチャートの動作前に、それぞれのプロジェクタはテスト画像などをスクリーンに投影しているものとする。
まず、図6のステップS601において、プロジェクタ101のCPU201は、データベース400から、操作対象のプロジェクタの現在の設定値を取得し記憶する。
次にステップS602において、プロジェクタ101のCPU201は、ユーザによる各プロジェクタの設定値の変更を受け付ける。各プロジェクタでユーザの設定値を受け付ける方法は図7と図8で後述する。
次に、ステップS603において、プロジェクタ101のCPU201は、設定値の変更されたプロジェクタに対して変更された設定値を通知する(パラメータ送信部)。
通知された設定値を受け取ったスレーブプロジェクタであるプロジェクタ102〜109のCPU201は、ステップS611において、通知された設定値を反映してスクリーンに投影する。
次に、ステップS604において、プロジェクタ101のCPU201は、ユーザから設定値の変更操作が完了したか判断の結果を受け付ける。設定値の変更にユーザが引き続いて行う入力を受け付けた場合(ステップS604でNo)、ステップS602へと処理を戻し、再びユーザによる各プロジェクタの設定値の変更を受け付ける。一方、ユーザがプロジェクタの設定値の入力をやめる、もしくは設定値の変更が完了したという判断を受け付けた場合(たとえば、カーソルキー305の中央にある[OK]ボタンの押下など)は、次のステップS605へと処理を遷移する。
ステップS605において、プロジェクタ101のCPU201は、ユーザの操作により決定キー(図示しない確認画面に表示される[決定]ボタン)が押下されたか、キャンセルキー(図示しない確認画面に表示される[キャンセル]ボタン)が押下されたかを判断する。決定キーが押されると(ステップS605でYes)、変更された設定値を反映しているスレーブプロジェクタ102〜109はそのままで、本発明の処理を終了する。この処理により、ユーザは複数のプロジェクタの設定値を変更して投影することができる。
一方、ステップS605において、キャンセルキーが押下された場合(ステップS605でNo)は、変更された設定値より元の設定値が良いと判断した場合であり、変更された設定値を元に戻すために、ステップS606へと処理を遷移する。
ステップS606に遷移すると、プロジェクタ101のCPU201は、ステップS601で取得し、記憶している設定値を操作対象にしたスレーブプロジェクタ102〜109に通知する。
通知された設定値を受け取ったスレーブプロジェクタ102〜109のCPU201は、ステップS612において、通知された設定値を反映してスクリーンに投影し、本発明の処理を終える。
次に、ステップS602におけるユーザによるパラメータの設定値の変更を受け付ける処理を、図7及び図8(第2の実施例)を参照して説明する。
図7は、本発明の実施形態における投影システムのマスタプロジェクタで動作するOSDメニュー画面を表示し、ユーザから設定値を受け付ける処理の流れを示す第1のフローチャートである。なお、図7のフローチャートはマスタプロジェクタであるプロジェクタ101のCPU201により実行されるものであり、図中のS701から705はそれぞれの処理ステップを示す。
図7の処理は、図6のステップS602へと処理を遷移した際に開始される第1の実施例のフローチャートであり、パラメータ設定画面を表示し、そのパラメータ設定画面にユーザからの入力を受け付け、パラメータの変更値を受け付ける処理である。
まず、ステップS701において、プロジェクタ101のCPU201は、ステップS601で記憶したデータベース400のデータを取得する。また、取得したデータベース400をパラメータ毎に分類する処理を行う。たとえば、404のコントラストであれば、各プロジェクタのコントラストの列だけを分類して抽出し、輝度であれば、各プロジェクタの輝度だけ分類して抽出する(パラメータ別分類部)。
次に、ステップS702において、プロジェクタ101のCPU201は、パラメータ設定画面を表示する(パラメータ別投影部)。表示する画面イメージを図9を参照して説明する。
図9は、本発明の実施形態における投影システムのOSDメニュー画面の一例を示す第1のイメージ図の例である。
図9の900の投影図(画面)は、各パラメータをタブ(901〜905)で切り替えるように表示している。それぞれのパラメータの各プロジェクタの値をリスト形式で905〜914に表示している。たとえば、900の図では、902の明るさタブ(輝度に該当)が投影されており、それぞれの行の数値を変更すると、それぞれのプロジェクタの明るさ(輝度)が変更された値に変わることになる。なお、900の投影図は、プロジェクタ101により投影されている。すなわち、複数のプロジェクタに表示されるわけではないので、ユーザは1つの投影面(図1でいうと「プロジェクタ1」欄)のみを見てパラメータの設定ができる。ユーザはプロジェクタ101の投影面でパラメータを調整しながら、複数の投影面に投影されているテスト画像を元に輝度調整や色の濃さ調整が行える利点を有する。
次にステップS703において、プロジェクタ101のCPU201は、ユーザからパラメータ調整を行うタブの項目を受け付ける。図9のイメージ図と図3のリモートコントローラを参照して、ステップS703〜S705の処理を説明する。
図9の900のOSDメニュー画面がスクリーンに投影されている状態で、ユーザが図3のリモートコントローラ301などから操作する。
たとえば、900が投影されている状態でリモートコントローラ301のカーソルキー305の左右のキーを操作すると、投影面のカーソルは901から905の間を行き来する(ステップS703の調整するパラメータの受付処理)。900の画面イメージでは902の「明るさ」調整パラメータが選択されている。
次に、カーソルキー305の上下のキーを操作すると、パラメータを設定するプロジェクタを選択する処理(ステップS704の調整するプロジェクタの選択受付処理)に移行する。900の画面イメージでは、カーソルキー305を上下に数回押下することにより、909の位置にカーソルが移動している。すなわち「プロジェクタ4」に対する「明るさ」のパラメータ設定を変更することが指定されている。
次に、OSDメニュー画面900のカーソルが909にあるような状態でカーソルキー305の左右のキーを操作すると、900の例では、「プロジェクタ4」の「明るさ」の設定値を変更することができる(ステップS705のパラメータ変更受付処理)。たとえば、900の909にカーソルがある状態で、カーソルキー305の右側を押下すると、「プロジェクタ4」の「明るさ」が「+3」から「+4」に変わる。
以上の処理により、図7のフローチャートで個別のプロジェクタのパラメータを変更する処理を終わり、図6のフローチャートに戻る。次のステップS603において、プロジェクタ101のCPU201は、変更されたパラメータの設定値をスレーブプロジェクタに送信する。通知を受信したスレーブプロジェクタ(900の例の場合はプロジェクタ4への指示なので、プロジェクタ104)はパラメータを変更して、投影面に変更されたパラメータの設定値でテスト画像などを投影する。図9の900と図1の投影面の例で説明すると、図1の110の投影面のプロジェクタ1の下に表示されているプロジェクタ4の投影面の明るさをステップS705で変更されたパラメータの設定値に変更して投影する。
以上のように、1つのプロジェクタに投影されたパラメータ設定画面(OSDメニュー画面)から複数のプロジェクタのパラメータを変更でき、かつ個別のプロジェクタのパラメータの設定値を複数のプロジェクタと比較して表示し、変更された設定値を直ぐに反映できることにより、特許文献1のように、それぞれのプロジェクタの設定画面に切り替えることなく容易にパラメータの設定値を変更することが可能となる。
なお、図9の915の欄は、パラメータを全体的に変更する際に有効な設定画面である。この設定の際には、905〜914のパラメータの差をそのままで、全体のパラメータを相対変更させる。たとえば、900の段階で、915にカーソルを移動し、プラス方向に一段階移動させると、プロジェクタ1は明るさが「+0」から「+1」に、プロジェクタ2は明るさが「−1」から「0」に、プロジェクタ3は明るさが「+1」から「+2」に、と以下同様に設定値を変化させる。この処理により、筐体ごとの使用歴の差異による明るさの違いなどがある場合でも、一度明るさを調整した後であれば、全体の輝度を変更する場合もある程度、筐体の差を吸収して輝度調整などが可能となり、投影面の輝度のばらつきなどを減らすことができる。
<第2の実施例>
図8は、本発明の実施形態における投影システムのマスタプロジェクタで動作するOSDメニュー画面を表示し、ユーザから設定値を受け付ける処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、図8のフローチャートはマスタプロジェクタであるプロジェクタ101のCPU201により実行されるものであり、図中のS801から808はそれぞれの処理ステップを示す。
図8の処理は、図6のステップS602へと処理を遷移した際に開始される第2の実施例のフローチャートであり、パラメータ設定画面(OSDメニュー画面)を表示し、そのパラメータ設定画面にユーザからの入力を受け付け、パラメータの変更値を受け付ける処理である。
図8の処理の前に、まず、マスタプロジェクタのCPU201は、図4のデータベース400の401からパラメータ404以降を取得する。すなわち、ステップS701と同様の処理を実行する。加えて、図8のフローチャートでは、プロジェクタの投影位置405までの情報も取得する。プロジェクタの投影位置405とは、マルチプロジェクションにおいて投影される位置を(横,縦)座標で指定されているデータである。400の例は、図1の110のデータを元に設定されている。
まず、ステップS801において、プロジェクタ101のCPU201は、マスタプロジェクタであるプロジェクタ101の投影面に、各プロジェクタを配置した配置イメージを表示する。この配置データは、事前に取得したプロジェクタの投影位置情報405を使用する。表示する画面イメージを図10を参照して説明する。
図10は、本発明の実施形態における投影システムのOSDメニュー画面(パラメータ変更メニュー)の一例を示す第2のイメージ図の例である。
図10の1000の投影画面は、マスタプロジェクタであるプロジェクタ101の投影面だけに投影されるものであり、各パラメータをタブ(1001〜1005)で切り替えるように表示している。それぞれのパラメータのタブ欄内には、それぞれのプロジェクタの投影位置にタブで選択されたパラメータの設定値1006が行列として投影されている。ステップS802以降の処理を図10のイメージ図を参照して説明する。
図10の1000のように各プロジェクタのタブで選択されたパラメータの設定値を1006のような行列として表示したあとで、1007〜1023のパラメータ変更表示をするために、次のステップS802〜S806の処理を実行する。
ステップS802において、プロジェクタ101のCPU201は、プロジェクタの投影位置が2列以上あるかどうかを判断する。列が2列以上ある場合、すなわち、プロジェクタの投影位置405の投影される位置の「縦」の種類が2つ以上ある場合は、ステップS803へと処理を遷移し(プロジェクタ統一管理部)、1列しかない場合には、ステップS804へと処理を遷移する。
ステップS803へと処理を遷移すると、プロジェクタ101のCPU201は、各行ごとにパラメータを一括設定するための項目を表示(投影)する処理を実行する(プロジェクタ位置メニュー投影部)。行毎にパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1000において、1007,1008,1009が、行毎にパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS807で「特定の行」を選択したとして、1007にカーソルを移動させると、1010のように指定された位置のプロジェクタのパラメータを変更することを意味する。ステップS807の処理は後述する。ステップS803の処理が終わると、ステップS804の処理へと遷移する。
次に、ステップ804において、プロジェクタ101のCPU201は、プロジェクタの投影位置が2行以上あるかどうかを判断する。行が2行以上ある場合、すなわち、プロジェクタの投影位置405の投影される位置の「横」の種類が2つ以上ある場合は、ステップS805へと処理を遷移し(プロジェクタ統一管理部)、1行しかない場合には、ステップS806へと処理を遷移する。
ステップS805へと処理を遷移すると、プロジェクタ101のCPU201は、各列ごとにパラメータを一括設定するための項目を表示(投影)する処理を実行する(プロジェクタ位置メニュー投影部)。列毎にパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1020において、1021,1022,1023が、列毎にパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS807で「特定の列」を選択したとして、1021にカーソルを移動させると、1024のように指定された位置のプロジェクタのパラメータを変更することを意味する。ステップS807の処理は後述する。ステップS805の処理が終わると、ステップS806の処理へと遷移する。
ステップS803やステップS805で行毎や列毎の一括設定項目である1007,1008,1009,1021,1022,1023を表示(投影)すると、次に、ステップS806において、プロジェクタ101のCPU201は、全部の投影面のパラメータを一括で変更するための項目を表示(投影)する処理を実行する。全投影面のパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1000において、1011が全投影面のパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS807で「全投影面」が選択されると、投影面の全てのプロジェクタの、タブ1002で指定されているパラメータを相対変化させることを意味する。
次に、ステップS807において、プロジェクタ101のCPU201は、ユーザから、「特定の行」のパラメータを変更させるのか、「特定の列」のパラメータを変更させるのか、「全投影面」ののパラメータか、もしくは「個別の投影面」のパラメータかを受け付ける。
この選択受付方法以降の処理を図10のイメージ図と図3のリモートコントローラを参照して説明する。
ステップS807において、図10のイメージ図が表示されている場合に、第1の実施例のように、まず、リモートコントローラ301のカーソルキー305の左右の操作により、調整するパラメータのタブで指定を受け付ける。1000の場合は1002のように「明るさ」のパラメータが設定されている。
次に、カーソルキー305の上下の操作により、OSDメニュー画面上でカーソルを移動させる。移動させる順番は任意で良いが、たとえば、最初に下キーを押下すると1007がアクティブになり(カーソルが移動し)、次の下キー押下では1008、次は1009と移動させ、次の下キー押下では、1021、次は1022、次は1023、とカーソルを移動させる。次の下キー押下で1011をアクティブにし、さらに下キーを押下すると、プロジェクタ1のみをアクティブにし、次の下キー押下でプロジェクタ2のみをアクティブにするという順番でアクティブにするプロジェクタを変えても良い。この例では、下キーを押下していくと、まず行毎の一括設定を選択させ、次に列毎の一括設定を選択、次に全投影面を選択させ、最後に各プロジェクタ毎に選択させる例となる。
次のステップS808において、プロジェクタ101のCPU201は、選択されたプロジェクタのパラメータの設定値をユーザの指示通りに変更する処理を行う(プロジェクタ統一パラメータ変更受付部)。ステップS808の処理を図10を参照して説明する。
図10のOSDメニュー画面1000では、カーソルが1007にある状態であり、この状態でカーソルキー305の左右のキーを操作すると、1000の例では、「プロジェクタ1」、「プロジェクタ2」、「プロジェクタ3」の「明るさ」の設定値を変更することができる(ステップS808のパラメータの変更受付処理)。たとえば、OSDメニュー画面1000の1007にカーソルがある状態で、カーソルキー305の右側のキーを一度押下すると、「プロジェクタ1」の「明るさ」を「+0」から「+1」に、「プロジェクタ2」の「明るさ」を「−1」から「+0」に、「プロジェクタ3」の「明るさ」を「+1」から「+2」にそれぞれ変更させる。
同様に、図10のOSDメニュー画面1020では、カーソルが1021にある状態であり、この状態でカーソルキー305の左右のキーを操作すると、1020の例では、「プロジェクタ1」、「プロジェクタ4」、「プロジェクタ7」の「明るさ」の設定値を変更することができる。たとえば、OSDメニュー画面1020の1021にカーソルがある状態で、カーソルキー305の右側のキーを一度押下すると、「プロジェクタ1」の「明るさ」を「+0」から「+1」に、「プロジェクタ4」の「明るさ」を「+3」から「+4」に、「プロジェクタ7」の「明るさ」を「−3」から「−2」にそれぞれ変更させる。
以上の処理により、図8のフローチャートで個別のプロジェクタのパラメータを変更する処理を終わり、図6のフローチャートに戻る。次のステップS603において、プロジェクタ101のCPU201は、変更されたパラメータの設定値をスレーブプロジェクタに送信する。通知を受信したスレーブプロジェクタ(1000の例の場合はプロジェクタ1,2,3への指示なので、プロジェクタ101(すなわち、自分自身)、プロジェクタ102、プロジェクタ103)はパラメータを変更して、投影面に変更されたパラメータの設定値でテスト画像などを投影する。
以上のように、1つのプロジェクタに投影されたパラメータ設定画面(OSDメニュー画面)から所定の領域のパラメータを容易に、変更された設定値を直ぐに反映できることにより、所定の領域の輝度だけを上げたり、色の濃さを濃くしたりすることが容易にできる。たとえば、3×3のマルチプロジェクションの場合に、天井付近だけ明るいため、上3つの輝度や色の濃さを上げ、また、窓際は光が入り、全面同じ色の濃さでは見難くなる場合などに、窓際だけ(たとえば右側だけ)を色の濃さを濃くすることなどが容易にできるなどの効果がある。
<第3の実施例>
前記第1の実施例、第2の実施例はプロジェクタの内の1台がマスタプロジェクタとして処理を行う例であるが、マスタプロジェクタで行う処理を情報処理端末120が行っても良い。以下は情報処理端末120が処理主体となる場合の例である。
図11を参照して、情報処理端末120のハードウェア構成を説明する。
図11は、本発明の実施形態における情報処理端末120に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成である。
図11において、1101はCPUで、システムバス1104に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM1103あるいは外部メモリ1111には、CPU1101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、情報処理端末120が実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
1102はRAMで、CPU1101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU1101は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM1103あるいは外部メモリ1111からRAM1102にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、1105は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置1109からの入力を制御する。1106はビデオコントローラで、ディスプレイ装置1110等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
1107はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ1111へのアクセスを制御する。
1108は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN100)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU1101は、例えばRAM1102内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置1110上での表示を可能としている。また、CPU1101は、ディスプレイ装置1110上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ1111に記録されている。そして、必要に応じてRAM1102にロードされることによりCPU1101によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ1111に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
次に、情報処理端末120で本発明を実施する場合の外部メモリ1111に記憶されているデータの例を図4で説明する。
情報処理端末120で本発明を実施する場合、図4の400のデータの役割402は不要になり、プロジェクタは一律に管理される。他の図4のデータは、第1の実施例と同じように保持している。
図12〜図15を参照して、本発明の実施形態における情報処理端末120でマルチプロジェクションを構成する投影システムのOSDメニュー画面を表示し、設定されたパラメータを反映する処理を説明する。
図12は、本発明の実施形態における投影システムの情報処理端末120で動作するデータベース400を生成する処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、図12のフローチャートは情報処理端末120のCPU1101により実行されるものであり、図中のS1201からS1204はそれぞれの処理ステップを示す。
図12の処理は、たとえば、情報処理端末120が、複数のプロジェクタに接続されて、接続されたプロジェクタのOSDメニュー画面を表示するアプリケーションを起動した際に開始されるフローチャートである。
まず、図12のステップS1201において、情報処理端末120のCPU1101は、接続されているプロジェクタの台数とIPアドレス403を取得する。プロジェクタの台数とIPアドレスの取得は、図示しない入力画面からユーザの入力により取得してもよいし、予め図4の401及び403のようなデータを保持している場合はそのデータを使用しても良い。また、ネットワーク上の同一セグメントにあるプロジェクタを取得して接続されているプロジェクタの台数やIPアドレスなどを取得しても良く、どのような方法で情報を取得しても良い。
次に、ステップS1202において、情報処理端末120のCPU1101は、ステップS1201で取得したプロジェクタの中でプロジェクタの現在の設定値404以降を取得していないものがないか確認する。未取得の設定値404以降がある場合(ステップS1202でYes)は、ステップS1203へと処理を遷移し、未取得の設定値404以降がなければ(ステップS1202でNo)は、図12のフローチャートを終える。当初は全てのプロジェクタの情報を有していないはずなので、ステップS1203へと処理を遷移する。
ステップS1203へと処理を遷移すると、情報処理端末120のCPU1101は、通信可能なプロジェクタ(たとえば、プロジェクタ101)の現在のプロジェクタの設定値(コントラストや輝度、色の濃さなどの設定値404以降)のデータを取得し(パラメータ取得部)、次のステップS1204において、データベース400に格納する。
データベース400に設定値を格納後は再びステップS1202へと処理を遷移し、次のプロジェクタ(たとえば、プロジェクタ102)の現在の設定値を取得する。この処理を繰り返し、図1の例では、プロジェクタ101〜109の設定値を取得するまで繰り返す。その後、ステップS1202の処理でNoに遷移し、図12のフローチャートの処理を終える。以上で図12のフローチャートの説明を終える。
次に、図13のフローチャートで、本発明の実施形態における投影システムでOSDメニュー画面を表示して、設定されたパラメータを反映する処理を説明する。
図13は、本発明の実施形態における投影システムの各プロジェクタで設定値(パラメータ値)を変更し、変更を反映する処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、図13のフローチャートは情報処理端末120のCPU1101もしくは、プロジェクタ101〜109のCPU201により実行されるものであり、図中のS1301からS1312はそれぞれの処理ステップを示す。
図13の処理は、たとえば、マスタプロジェクタである情報処理端末120において、ユーザがプロジェクタのOSDメニュー画面をディスプレイ装置1110もしくはプロジェクタの投影面に表示しようとした際に開始されるフローチャートである。なお、図13のフローチャートの動作前に、それぞれのプロジェクタはテスト画像などをスクリーンに投影していても良い。
まず、図13のステップS1301において、情報処理端末120のCPU1101は、データベース400から、操作対象のプロジェクタの現在の設定値を取得し記憶する。
次にステップS1302において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザによる各プロジェクタの設定値の変更を受け付ける。各プロジェクタでユーザの設定値を受け付ける方法は図14と図15及び図16で後述する。
次に、ステップS1303において、情報処理端末120のCPU1101は、設定値の変更されたプロジェクタに対して変更された設定値を通知する(パラメータ送信部)。
通知された設定値を受け取ったプロジェクタ101〜109のCPU201は、ステップS1311において、通知された設定値を反映してスクリーンに投影する。
次に、ステップS1304において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザから設定値の変更操作が完了したか判断の結果を受け付ける。設定値の変更にユーザが引き続いて行う入力を受け付けた場合(ステップS1304でNo)、ステップS1302へと処理を戻し、再びユーザによる各プロジェクタの設定値の変更を受け付ける。一方、ユーザがプロジェクタの設定値の入力をやめる、もしくは設定値の変更が完了したという判断を受け付けた場合(たとえば、図16のキャンセルボタン1602もしくは決定ボタン1601の押下など)は、次のステップS1305へと処理を遷移する。
ステップS1305において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザの操作により決定ボタン1601が押下されたか、キャンセルボタン1602が押下されたかを判断する。決定ボタン1601が押されると(ステップS1305でYes)、変更された設定値を反映しているプロジェクタ101〜109はそのままで、ステップS1307へと遷移し、現在のそれぞれのプロジェクタの設定値をDB400に保存して本発明の処理を終了する。この処理により、ユーザは複数のプロジェクタの設定値を一度に変更して投影することができる。
一方、ステップS1305において、キャンセルボタン1602が押下された場合(ステップS1305でNo)は、変更された設定値より元の設定値が良いとユーザが判断した場合であり、変更された設定値を元に戻すために、ステップS1306へと処理を遷移する。
ステップS1306に遷移すると、情報処理端末120のCPU1101は、ステップS1301で取得し、記憶している設定値を操作対象にしたプロジェクタ101〜109に通知する。
通知された設定値を受け取ったプロジェクタ101〜109のCPU201は、ステップS1312において、通知された設定値を反映して(すなわち、元の設定値に戻して)スクリーンに投影し、本発明の処理を終える。
次に、ステップS1302におけるユーザによるパラメータの設定値の変更を受け付ける処理を、図14及び図15(第4の実施例)、図16(第5の実施例)を参照して説明する。
図14は、本発明の実施形態における投影システムの情報処理端末120で動作するOSDメニュー画面を表示し、ユーザから設定値を受け付ける処理の流れを示す第1のフローチャートである。なお、図14のフローチャートは情報処理端末120のCPU1101により実行されるものであり、図中のS1401からS1405はそれぞれの処理ステップを示す。
図14の処理は、図13のステップS1302へと処理を遷移した際に開始される第3の実施例のフローチャートであり、パラメータ設定画面をディスプレイ装置1110もしくはプロジェクタで投影面に表示し、そのパラメータ設定画面にユーザからの入力を受け付け、パラメータの変更値を受け付ける処理である。処理の詳細は図7のマスタプロジェクタ101のCPU201の処理と同様である。
まず、ステップS1401において、情報処理端末120のCPU1101は、ステップS1301で記憶したデータベース400のデータを取得する。また、取得したデータベース400をパラメータ毎に分類する処理を行う。たとえば、404のコントラストであれば、各プロジェクタのコントラストの列だけを分類して抽出し、輝度であれば、各プロジェクタの輝度だけ分類して抽出する(パラメータ別分類部)。
次に、ステップS1402において、情報処理端末120のCPU1101は、パラメータ設定画面を表示する(パラメータ別表示制御部)。表示する画面イメージを図9を参照して説明する。
図9は、本発明の実施形態における投影システムのOSDメニュー画面の一例を示す第1のイメージ図の例である。
図9の900の画面は、各パラメータをタブ(901〜905)で切り替えるように表示している。それぞれのパラメータの各プロジェクタの値をリスト形式で905〜914に表示している。たとえば、900の図では、902の明るさタブ(輝度に該当)が投影されており、それぞれの行の数値を変更すると、それぞれのプロジェクタの明るさ(輝度)が変更された値に変わることになる。なお、900の投影図は、情報処理端末120のディスプレイ装置1110に表示してもよいし、プロジェクタの投影面に投影されても良い。複数のプロジェクタの投影面にOSDメニュー画面を表示せず、情報処理端末120のディスプレイ装置1110に表示することにより、複数の投影面に投影されているテスト画像をユーザが比較して輝度調整やコントラスト調整を行う行為が容易になる。
次にステップS1403において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザからパラメータ調整を行うタブの項目を受け付ける。図9のイメージ図を参照して、ステップS1403〜S1405の処理を説明する。
図9の900のOSDメニュー画面がディスプレイ装置1110に表示されている状態で、ユーザが入力装置1109(たとえば、マウスやキーボードなど)を使用してパラメータ調整をする項目のタブの押下を受け付ける。
たとえば、900が投影されている状態でマウスカーソルを操作し、902の明るさタブを押下する(ステップS1403の調整するパラメータの受付処理)。900の画面イメージは902の「明るさ」調整パラメータが選択された例である。
次に、マウスカーソルを操作し、パラメータを設定するプロジェクタを選択する処理(ステップS1404の調整するプロジェクタの選択受付処理)に移行する。900の画面イメージでは、マウスカーソル909の位置に移動している。すなわち「プロジェクタ4」に対する「明るさ」のパラメータ設定を変更することが指定されている。
次に、OSDメニュー画面900上のマウスカーソルにより、「プロジェクタ4」909の右側にある[+]と[−]部分を操作すると、900の例では、「プロジェクタ4」の「明るさ」の設定値を変更することができる(ステップS1405のパラメータの変更受付処理)。たとえば、「プロジェクタ4」909の右側にある[+]部分がマウスのクリックなどで押下されると、「プロジェクタ4」の「明るさ」が「+3」から「+4」に変わる。
以上の処理のように、図14のフローチャートにより、個別にプロジェクタのパラメータを変更する処理を終わり、図13のフローチャートに戻る。次のステップS1303において、情報処理端末120のCPU1101は、変更されたパラメータの設定値をプロジェクタに送信する。通知を受信したプロジェクタ(900の例の場合はプロジェクタ4への指示なので、プロジェクタ104)はパラメータを変更して、投影面に変更されたパラメータの設定値でテスト画像などを投影する。図9の900と図1の投影面の例で説明すると、図1の110の投影面のプロジェクタ1の下に表示されているプロジェクタ4の投影面の明るさをステップS1405で変更されたパラメータの設定値に変更して投影する。
以上のように、情報処理端末120のディスプレイ装置1110またはプロジェクタにより投影されたパラメータ設定画面(OSDメニュー画面)から複数のプロジェクタのパラメータを変更でき、かつ個別のプロジェクタのパラメータの設定値を複数のプロジェクタと比較して表示し、変更された設定値を直ぐに反映できることにより、特許文献1のように、それぞれのプロジェクタの設定画面に切り替えることなく容易にパラメータの設定値を変更することが可能となる。
なお、図9の915の欄は、パラメータを全体的に変更する際に有効な設定項目である。この設定の際には、905〜914のパラメータの差をそのままで、全体のパラメータを相対変更させる。たとえば、900の段階で、915にマウスカーソルを移動し、[+]部分を1回押下すると、プロジェクタ1は明るさが「+0」から「+1」に、プロジェクタ2は明るさが「−1」から「0」に、プロジェクタ3は明るさが「+1」から「+2」に、と以下同様に設定値を変化させる。この処理により、プロジェクタの筐体ごとの使用歴の差異による明るさの違いなどがある場合でも、プロジェクタの投影面の輝度などを一度調整した後であれば、全体の輝度を変更する場合もある程度、筐体の差を吸収して輝度調整などが可能となり、投影面の輝度のばらつきなどを減らすことができる。
<第4の実施例>
図15は、本発明の実施形態における投影システムの情報処理端末120で動作するOSDメニュー画面を表示し、ユーザから設定値を受け付ける処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、図15のフローチャートはマスタプロジェクタである情報処理端末120のCPU1101により実行されるものであり、図中のS1501からS1508はそれぞれの処理ステップを示す。
図15の処理は、図13のステップS1302へと処理を遷移した際に開始される第4の実施例のフローチャートであり、パラメータ設定画面(OSDメニュー画面)を表示し、そのパラメータ設定画面にユーザからの入力を受け付け、パラメータの変更値を受け付ける処理である。
図15の処理の前に、まず、情報処理端末120のCPU1101は、図4のデータベース400の401からパラメータ404以降を取得する。すなわち、ステップS1301の処理を実行する。加えて、図15のフローチャートでは、プロジェクタの投影位置405の情報も取得する。プロジェクタの投影位置405とは、マルチプロジェクションにおいて投影される位置を(横,縦)座標で指定されているデータである。400の例は、図1の110のデータを元に設定されている。
まず、ステップS1501において、情報処理端末120のCPU1101は、情報処理端末120のディスプレイ装置1110もしくは任意のプロジェクタの投影面に、各プロジェクタを配置した配置イメージを表示する。この配置データは、事前に取得したプロジェクタの投影位置情報405を使用する。表示する画面イメージを図10を参照して説明する。
図10は、本発明の実施形態における投影システムのOSDメニュー画面の一例を示す第2のイメージ図の例であり、第2の実施例と同様である。
図10の1000の投影画面は、情報処理端末120のディスプレイ装置1110もしくは任意のプロジェクタの投影面に投影されるものであり、各パラメータをタブ(1001〜1005)で切り替えるように表示している。それぞれのパラメータのタブ欄内には、それぞれのプロジェクタの投影位置にタブで選択されたパラメータの設定値1006が行列として投影されている。ステップS1502以降の処理を図10のイメージ図を参照して説明する。
図10の1000のように各プロジェクタのタブで選択されたパラメータの設定値を1006のような行列として表示したあとで、1007〜1023のパラメータ変更表示をするために、次のステップS1502〜S1506の処理を実行する。
ステップS1502において、情報処理端末120のCPU1101は、プロジェクタの投影位置が2列以上あるかどうかを判断する。列が2列以上ある場合、すなわち、プロジェクタの投影位置405の投影される位置の「縦」の数字が2つ以上ある場合は、ステップS1503へと処理を遷移し(プロジェクタ統一管理部)、1列しかない場合には、ステップS1504へと処理を遷移する。
ステップS1503へと処理を遷移すると、情報処理端末120のCPU1101は、各行ごとにパラメータを一括設定するための項目を表示(投影)する処理を実行する(プロジェクタ位置メニュー表示制御部)。行毎にパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1000において、1007,1008,1009が、行毎にパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS1507で「特定の行」を選択して変更する例として、1007にマウスカーソルを移動させて操作する(1007内の[+]や[−]を押下する)と、1010のように指定された位置のプロジェクタのパラメータを変更することを意味する。ステップS1507の処理は後述する。ステップS1503の処理が終わると、ステップS1504の処理へと遷移する。
次に、ステップ804において、情報処理端末120のCPU1101は、プロジェクタの投影位置が2行以上あるかどうかを判断する。行が2行以上ある場合、すなわち、プロジェクタの投影位置405の投影される位置の「横」の数字が2つ以上ある場合は、ステップS1505へと処理を遷移し(プロジェクタ統一管理部)、1行しかない場合には、ステップS1506へと処理を遷移する。
ステップS1505へと処理を遷移すると、情報処理端末120のCPU1101は、各列ごとにパラメータを一括設定するための項目を表示(投影)する処理を実行する(プロジェクタ位置メニュー表示制御部)。列毎にパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1020において、1021,1022,1023が、列毎にパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS1507で「特定の列」を選択して変更する例として、1021にマウスカーソルを移動させて操作する(1020内の[+]や[−]を押下する)と、1024のように指定された位置のプロジェクタのパラメータを変更することを意味する。ステップS1507の処理は後述する。ステップS1505の処理が終わると、ステップS1506の処理へと遷移する。
ステップS1503やステップS1505で行毎や列毎の一括設定項目である1007,1008,1009,1021,1022,1023を表示(投影)すると、次に、ステップS1506において、情報処理端末120のCPU1101は、全部の投影面のパラメータを一括で変更するための項目を表示(投影)する処理を実行する。全投影面のパラメータを一括設定するための項目表示を図10を参照して説明する。
図10の1000において、1011が全投影面のパラメータを一括設定する項目である。たとえば、後ほどのステップS1507で全投影面の操作である1011が操作されると、投影面の全てのプロジェクタの、タブ1001〜1005で指定されているパラメータを相対変化させることを意味する。具体的にはは図9の915と同じであるため、説明を省略する。
次に、ステップS1507において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザから、マウスカーソルなどで指定されたパラメータ調整の項目タブの選択を受け付ける。図10は、1002の明るさタグが指定されている例である。
次に、ステップS1508において、情報処理端末120のCPU1101は、ユーザから、マウスカーソルなどで指定されたパラメータの設定値を変更する処理を行う。図10を参照してステップS1508の処理を説明する。
図10のイメージ図が表示されている場合に、行毎の設定である1007,1008,1009、列毎の設定である1021,1022,1023、全ての投影面の設定である1011,個別のプロジェクタ毎の設定である1006などにユーザがマウスカーソルを移動させ、それぞれの設定値を[+]、[−]を押下することパラメータ(図10の場合「明るさ」)の設定値を変更する。具体的には、マウスカーソルが1007の位置にあり、[+]か[−]を押下することで関係するプロジェクタの表示されているパラメータの設定値を変更する。OSDメニュー画面1000の例では、「明るさ」の設定値を変更する。OSDメニュー画面1000の1007の[+]上にマウスカーソルがある状態で、マウスを一度クリックすると、「プロジェクタ1」の「明るさ」を「+0」から「+1」に、「プロジェクタ2」の「明るさ」を「−1」から「+0」に、「プロジェクタ3」の「明るさ」を「+1」から「+2」にそれぞれ変更させる。
同様に、図10のOSDメニュー画面1020では、カーソルが1021にある状態であり、この状態でカーソルキー305の左右のキーを操作すると、1020の例では、「プロジェクタ1」、「プロジェクタ4」、「プロジェクタ7」の「明るさ」の設定値を変更することができる。たとえば、OSDメニュー画面1020の1021の[+]上にマウスカーソルがある状態で、マウスを一度クリックすると、「プロジェクタ1」の「明るさ」を「+0」から「+1」に、「プロジェクタ4」の「明るさ」を「+3」から「+4」に、「プロジェクタ7」の「明るさ」を「−3」から「−2」にそれぞれ変更させる。
以上の処理により、図15のフローチャートで個別のプロジェクタのパラメータを変更する処理を終わり、図13のフローチャートに戻る。次のステップS1303において、情報処理端末120のCPU1101は、変更されたパラメータの設定値をプロジェクタに送信する。通知を受信したプロジェクタ(1000の例の場合はプロジェクタ1,2,3への指示なので、プロジェクタ101、プロジェクタ102、プロジェクタ103)はパラメータを変更して、投影面に変更されたパラメータの設定値でテスト画像などを投影する。
以上のように、情報処理端末120のディスプレイまたは1つのプロジェクタに投影されたパラメータ設定画面(OSDメニュー画面)から所定の領域のパラメータを容易に、変更された設定値を直ぐに反映できることにより、所定の領域の輝度だけを上げたり、コントラストを変更したりすることが容易にできる。たとえば、3×3のマルチプロジェクションの場合に、天井付近だけ明るいため、上3つの輝度や色の濃さを上げ、また、窓際は光が入り、全面同じ色の濃さでは見難くなる場合などに、窓際だけ(たとえば右側だけ)を色の濃さを濃くすることなどが容易にできるなどの効果がある。
<第5の実施例>
別の実施例として、ユーザのマウスによる任意のプロジェクタを指定して、そのパラメータを変える例を説明する。
図16は、本発明の実施形態における投影システムのOSDメニュー画面の一例を示す第3のイメージ図の例である。
図16は、ユーザにより任意のプロジェクタが指定されて、そのパラメータのみ変更する例である。この実施例は、プロジェクタの使用歴により輝度がたりないプロジェクタが複数ある場合などにまとめて輝度を変更することができる実施例である。
1600のOSDメニュー画面は図9の900において、プロジェクタ毎に選択できるように、たとえば1603〜1606などのチェックボックスを付け、選択されているプロジェクタが分かるようにしている。なお選択されているプロジェクタが分かるような仕様であれば、チェックボックスでなくても、たとえば1608のプロジェクタボックスがトグルスイッチのようにON/OFFが分かるような仕様であっても良い。
1600の場合は、チェックボックス1603〜1606がチェックされているので、それぞれプロジェクタ2、プロジェクタ3、プロジェクタ6、プロジェクタ8の輝度(明るさ)のみ変更する。次に、ユーザから1607の選択プロジェクタだけの設定値を変更するボタンの押下を受け付ける。たとえば、1600の状態で1607の[+]ボタンがマウスでクリックされると、「プロジェクタ2」の「明るさ」を「−1」から「0」に、「プロジェクタ3」の「明るさ」を「+1」から「+2」に、「プロジェクタ6」の「明るさ」を「+1」から「+2」に、「プロジェクタ8」の「明るさ」を「+5」から「+6」に、それぞれ変更させる。
同様な実施例として、1610のOSDメニュー画面を説明する。OSDメニュー画面1610は、図10の1000において、プロジェクタが単体毎に選択できるように、それぞれの行列内にチェックボックスが設けられている。1610の場合、プロジェクタ2、プロジェクタ3、プロジェクタ6、プロジェクタ8の輝度(明るさ)を調整する画面イメージであり、設定値を調整するスライダー1611により、それぞれのプロジェクタのみ設定値を変更する事ができる。
以上、図16のような第5の実施例により、プロジェクタの使用歴により輝度にばらつきがある場合などに、複数のプロジェクタのパラメータをまとめて変更でき、また、パラメータを変更するプロジェクタとしないプロジェクタを簡単に選択することが可能になり、複数のプロジェクタのパラメータを容易に変更することが可能となる。
以上、いくつかの実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータもディレクトリなどに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態におけるフローチャートに示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。