JP2019081832A - 樹脂組成物、成形体及びその製造方法、並びに、モールドコイル及びその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形体及びその製造方法、並びに、モールドコイル及びその製造方法 Download PDF

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Yasunori Kawabata
泰典 川端
達仁 福原
Tatsuhito Fukuhara
達仁 福原
香澄 中村
Kasumi Nakamura
香澄 中村
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Naohide Iwatani
尚英 岩谷
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邦幸 小林
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Hisahiro Kimura
尚弘 木村
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Abstract

【課題】微細な隙間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることができる注型用の樹脂組成物を提供すること。【解決手段】熱硬化性成分と、難燃剤と、を含有し、上記難燃剤がホスファゼン化合物を含み、B型粘度計を用いて40℃、60rpmの条件で測定した場合の粘度が5.0Pa・s以下である、注型用の樹脂組成物。【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂組成物、成形体及びその製造方法、並びに、モールドコイル及びその製造方法に関する。
フィルムコンデンサ等の電子部品は、例えば、太陽電池、産業機器、電気自動車等における電力変換装置(パワーコンディショナ)に用いられている。電子部品として用いられる成形体は、例えば、素子と、素子を封止する封止部とを備えている。例えば、フィルムコンデンサは、フィルムコンデンサ素子と、フィルムコンデンサ素子を封止する封止部とを備えており、フィルムコンデンサ素子を収容する空間を有する型部材の上記空間内にフィルムコンデンサ素子を配置した後に上記空間に封止材を供給して封止部を形成することにより得ることができる(例えば、下記特許文献1参照)。封止部としては、樹脂材料を含む硬化性の樹脂組成物の硬化物を用いることができる。
また、イグニッションコイル等の変圧器、モーター、リアクトル、車載用コンピューター(ECU)などの電気・電子部品は、部品の信頼性を向上させるために、内部の電気・電子部材を樹脂材料が含まれる硬化性の樹脂組成物によって封止する(例えば、下記特許文献2参照)。樹脂材料としては例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられており、硬化性の樹脂組成物を注型することで電気・電子部材が封止された成形体を得ることができる。例えばイグニッションコイルは、自動車に用いられる点火コイルであり、ボビンに巻線したコイルが封止部で封止された構造を有している。このようにコイルを樹脂で封止した成形体は、モールドコイルと呼ばれる。
上述した電気・電子部品における封止部を形成する樹脂組成物に要求される特性としては、例えば、フィルムコンデンサ等の電子部品においては型部材に素子を配置した後の微細な空間に、イグニッションコイル等のモールドコイルにおいてはボビンに巻線したコイルの微細なコイル巻き線間に、樹脂組成物を充分に含浸できる含浸性、及び、難燃性が挙げられる。封止部の難燃性を高めるために、樹脂組成物への難燃剤の添加が検討されている。樹脂組成物に添加する難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、赤リン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤が検討されている(例えば、下記特許文献3参照)。
特開平7−161578号公報 特開2000−252395号公報 特開2004−269852号公報
近年、フィルムコンデンサ等の電子部品の小型化が進んでおり、上述した難燃剤を用いた従来の樹脂組成物では、電子部品の微細な隙間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることが困難であった。また、イグニッションコイル等のモールドコイルは、コイル間ギャップがマイクロレベルであり、上述した難燃剤を用いた従来の樹脂組成物では、微細なコイル巻き線間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることが困難であった。注型する空間内に樹脂組成物が充分に含浸されずに空隙が生じていると、耐水性及び耐クラック性等の特性が低下しやすい。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、微細な隙間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることができる注型用の樹脂組成物、成形体及びその製造方法、並びに、モールドコイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、熱硬化性成分と、難燃剤と、を含有し、上記難燃剤がホスファゼン化合物を含み、B型粘度計を用いて40℃、60rpmの条件で測定した場合の粘度が5.0Pa・s以下である、注型用の樹脂組成物を提供する。
本発明者らは、注型用の樹脂組成物において、微細な隙間への含浸性と難燃性とを両立できる最適な組成について鋭意研究した結果、難燃剤としてハロゲン系難燃剤、赤リン系難燃剤、金属水酸化物等を用いた場合には樹脂組成物の粘度が上昇し且つ含浸性が低下するのに対し、ホスファゼン化合物を用いた場合には樹脂組成物の粘度が低下し且つ含浸性が向上することを見出した。そして、上記ホスファゼン化合物を用いつつ、樹脂組成物の粘度を特定の範囲とすることにより、難燃性を確保しつつ微細な隙間への含浸性を向上できることを見出した。また、ホスファゼン化合物は、物性への悪影響が少なく且つ充分なリン含有量を有しているため、物性低下を招くことなく優れた難燃性を樹脂組成物及びその硬化物に付与でき、フィルムコンデンサ及びモールドコイル等の電子部品における封止部を形成する材料として好適であることを見出した。すなわち、かかるホスファゼン化合物と熱硬化性成分とを含有し、且つ、特定の粘度を有する本発明の注型用の樹脂組成物によれば、微細な隙間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることができる。また、上記樹脂組成物によれば、ホスファゼン化合物を用いることにより、吸水率の低い封止部を形成することができる。更に、上記樹脂組成物は含浸性に優れるため、注型作業性を向上させることができる。
上記樹脂組成物において、上記ホスファゼン化合物の含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、1.0〜20.0質量%であることが好ましい。なお、本明細書において、樹脂組成物の全質量とは、樹脂組成物が有機溶剤等の溶剤を含む場合、溶剤を除く樹脂組成物の全質量を意味する。
上記樹脂組成物において、上記熱硬化性成分(熱硬化性樹脂及び硬化剤)及び上記難燃剤の全質量を基準としたリンの含有量は、1.0〜5.0質量%であることが好ましい。
上記樹脂組成物において、上記ホスファゼン化合物は、シクロホスファゼン化合物を含むことが好ましい。
上記樹脂組成物は、フィラーを更に含有することが好ましい。上記フィラーは、平均粒径30μm以下の無機フィラーを含むことが好ましい。また、上記フィラーの含有量は、樹脂組成物の全質量(溶剤を除く)を基準として、30〜80質量%であることが好ましい。
上記樹脂組成物は、コイルモールド用であることが好ましい。
本発明はまた、素子と、上記素子を封止する封止部と、を備え、上記封止部が、上記本発明の樹脂組成物又はその硬化物を含む、成形体を提供する。
本発明はまた、上記本発明の樹脂組成物を注型して成形体を得る、成形体の製造方法を提供する。
本発明はまた、コイルと、上記コイルを封止する封止部と、を備え、上記封止部が、上記本発明の樹脂組成物又はその硬化物を含む、モールドコイルを提供する。
本発明は更に、上記本発明の樹脂組成物を注型して、コイルを封止する封止部を備えたモールドコイルを得る、モールドコイルの製造方法を提供する。
本発明によれば、微細な隙間への含浸性と難燃性とを高水準で両立させることができる注型用の樹脂組成物、成形体及びその製造方法、並びに、モールドコイル及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る成形体を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る成形体を示す端面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る成形体の製造方法を示す斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るモールドコイルを示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、注型用の樹脂組成物である。本実施形態に係る樹脂組成物を注型することにより成形体を得ることができる。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物であり、硬化性の樹脂組成物を硬化させることにより得ることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化性成分と、ホスファゼン化合物を含む難燃剤と、を含有し、B型粘度計を用いて40℃、60rpmの条件で測定した場合の粘度が5.0Pa・s以下である。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、微細な隙間に樹脂組成物を含浸する場合に、含浸性と難燃性とを高水準で両立させることができる。以下、樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
(硬化性成分)
硬化性成分は、例えば、硬化性樹脂及び硬化剤を含むことができる。硬化剤を用いることなく硬化性樹脂が硬化可能である場合には、硬化剤を用いなくてもよい。
硬化性成分としては、熱硬化性成分又は光硬化性成分を用いることが可能であり、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を用いることができる。硬化性成分としては、硬化性に優れる観点から、熱硬化性成分が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。硬化性成分は、硬化物の透湿性が低く、硬化物により素子を封止した際に素子の劣化を防ぎやすい観点から、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールPH型エポキシ樹脂、ビスフェノールTMC型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ヘキサンジオールビスフェノールSジグリシジルエーテル等)、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂(ビキシレノールジグリシジルエーテル等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等)、これら樹脂の二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂の含有量は、吸水率の低い硬化物を得やすい観点から、硬化性樹脂の全質量を基準として、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。エポキシ樹脂の含有量は、硬化性樹脂の全質量を基準として100質量%であってもよい。
硬化性樹脂の含有量は、微細な隙間に樹脂組成物を含浸させやすい観点から、樹脂組成物の全質量(溶剤の質量を除く)を基準として、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。硬化性樹脂の含有量は、吸水率の低い硬化物を得やすい観点から、樹脂組成物の全質量(溶剤の質量を除く)を基準として、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が特に好ましい。これらの観点から、硬化性樹脂の含有量は、10〜60質量%が好ましい。
硬化剤としては、グリシジル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができる。硬化剤としては、フェノール樹脂、酸無水物等が挙げられる。
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する樹脂を用いることができる。フェノール樹脂としては、フェノール類及び/又はナフトール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる樹脂、ビフェニル骨格型フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、キシリレン変性ナフトール樹脂等が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。ナフトール類としては、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。
酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、硬化性樹脂の硬化性に優れる観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として、10〜55質量%が好ましく、12〜40質量%がより好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。
硬化性成分は、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、4級アンモニウム塩、アミン系の硬化促進剤、リン系の硬化促進剤等が挙げられる。アミン系の硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、脂肪族アミン、芳香族アミン、変性アミン、ポリアミド樹脂等が挙げられる。リン系の硬化促進剤としては、ホスフィンオキサイド、ホスホニウム塩、ダイホスフィン等が挙げられる。
(難燃剤)
(ホスファゼン化合物)
ホスファゼン化合物は、リン原子と窒素原子とが二重結合で結合した構造を有する化合物であり、難燃剤としての機能を有する。ホスファゼン化合物としては、下記一般式(1)で表される環状又は鎖状ホスファゼン化合物、上記環状又は鎖状ホスファゼン化合物が重合されたホスファゼン重合体、及び、上記環状及び/又は鎖状ホスファゼン化合物とエポキシ化合物、フェノール化合物、アミン化合物及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種の化合物との反応物、等が挙げられる。ホスファゼン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2019081832
式(1)中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜18のアルケニルアリール基、アミノ基置換フェニル基、アミノアルキル基置換フェニル基(置換されるアミノアルキル基の炭素数は1〜6である)、ヒドロキシ基置換フェニル基、ヒドロキシアルキル基置換フェニル基(置換されるヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜6である)、グリシジルオキシ基置換フェニル基、グリシジルオキシアルキル基置換フェニル基(置換されるグリシジルオキシアルキル基の炭素数は4〜9である)、シアノ基置換フェニル基、シアノアルキル基置換フェニル基(置換されるシアノアルキル基の炭素数は2〜7である)を示す。また、nは3〜10000の整数を示す。なお、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよく、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、R及びRの一方又は両方は、フェニル基を含む基であることが好ましく、両方がフェニル基を含む基であることがより好ましい。この場合、ホスファゼン化合物は、リン原子の周囲をフェノキシ基が保護した分子構造を有することとなり、他のリン系難燃剤と比べて優れた耐湿性を得ることができる。
上記一般式(1)において、R及びRで示される置換基として選択し得るアミノ基置換フェニル基とは、ベンゼン環上の任意の炭素原子にアミノ基が1〜5個置換しているものをいう。アミノアルキル基置換フェニル基、ヒドロキシ基置換フェニル基、ヒドロキシアルキル基置換フェニル基、グリシジルオキシ基置換フェニル基、グリシジルオキシアルキル基置換フェニル基、シアノ基置換フェニル基、シアノアルキル基置換フェニル基についても同様である。ベンゼン環の任意の炭素原子にこれらの反応性官能基が置換した構造を有するホスファゼン化合物を用いた場合、封止部の耐クラック性、耐熱性等の物性が向上しやすいため好ましい。また、ベンゼン環の任意の炭素原子にメチル基が置換した構造(アルキルアリール基)を有するホスファゼン化合物は、常温で液状であり、樹脂組成物の含浸性が向上しやすいため好ましい。
ホスファゼン化合物のより具体的な例としては、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン;ヘキサ(メチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、メチルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン、メチルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロホスファゼン混合物(一般式(1)のnが3〜15の混合物)、メチルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換した線状ホスファゼン混合物(一般式(1)のnが平均3000の混合物)等のメチル基を有するホスファゼン化合物;ヘキサ(アミノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(アミノアルキルフェノキシ)シクロトリホスファゼン(例えば、ヘキサ(アミノエチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等)、アミノフェノキシ基及び/又はアミノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン、アミノフェノキシ基及び/又はアミノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロホスファゼン混合物(一般式(1)のnが3〜15の混合物)、アミノフェノキシ基及び/又はアミノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換した線状ホスファゼン混合物(一般式(1)のnが平均3000の混合物)等のアミノ基を有するホスファゼン化合物;ヘキサ(ヒドロキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(ヒドロキシアルキルフェノキシ)シクロトリホスファゼン(例えば、ヘキサ(ヒドロキシエチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等)、ヒドロキシフェノキシ基及び/又はヒドロキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン、ヒドロキシフェノキシ基及び/又はヒドロキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロホスファゼン混合物(一般式(1)のnが3〜15の混合物)、ヒドロキシフェノキシ基及び/又はヒドロキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換した線状ホスファゼン混合物(一般式(1)のnが平均3000の混合物)等のヒドロキシ基を有するホスファゼン化合物;ヘキサ(グリシジルオキシフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(グリシジルオキシアルキルフェノキシ)シクロトリホスファゼン(例えば、ヘキサ(グリシジルオキシエチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等)、グリシジルオキシフェノキシ基及び/又はグリシジルオキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン、グリシジルオキシフェノキシ基及び/又はグリシジルオキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロホスファゼン混合物(一般式(1)のnが3〜15の混合物)、グリシジルオキシフェノキシ基及び/又はグリシジルオキシアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換した線状ホスファゼン混合物(一般式(1)のnが平均3000の混合物)等のグリシジル基を有するホスファゼン化合物;ヘキサ(シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(シアノアルキルフェノキシ)シクロトリホスファゼン(例えば、ヘキサ(シアノエチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等)、シアノフェノキシ基及び/又はシアノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン、シアノフェノキシ基及び/又はシアノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロホスファゼン混合物(一般式(1)のnが3〜15の混合物)、シアノフェノキシ基及び/又はシアノアルキルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換した線状ホスファゼン混合物(一般式(1)のnが平均3000の混合物)等のシアノ基を有するホスファゼン化合物;上記ホスファゼン化合物が重合されたホスファゼン重合体;上記ホスファゼン化合物とエポキシ化合物、フェノール化合物、アミン化合物及び酸無水物から選ばれる少なくとも1種の化合物との反応物;などが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物において用いられるホスファゼン化合物は、含浸性と難燃性とをより高水準で両立させることができると共に、吸水率の低い硬化物を得やすい観点から、リン原子と窒素原子とが二重結合で交互に結合した環状構造を有するシクロホスファゼン化合物を含むことが好ましい。シクロホスファゼン化合物は、一般式(1)中のnが3〜6の整数であるものが好ましい。シクロホスファゼン化合物は、市販品として入手可能であり、例えばFP−100、FP−110、FP−390、FP−300B(以上、株式会社伏見製薬所製、商品名)、SPS−100、SPB−100、SPE−100、SPH−100、SPB−100L(以上、大塚化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物において、ホスファゼン化合物の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として1.0〜20.0質量%であることが好ましく、2.0〜15.0質量%であることがより好ましく、3.0〜10.0質量%であることが更に好ましく、4.0〜8.0質量%であることが更に好ましい。この含有量が1.0質量%以上であると、難燃性と含浸性とをより高水準で両立しやすく、20.0質量%以下であると、封止部の剛性、耐クラック性、耐熱性等の物性を良好なものとしやすい。
本実施形態の樹脂組成物において、熱硬化性成分及び難燃剤(後述する他の難燃剤も含む)の全質量を基準としたリンの含有量は、1.0〜5.0質量%であることが好ましく、1.3〜4.0質量%であることがより好ましく、1.5〜3.0質量%であることが更に好ましい。この含有量が1.0質量%以上であると、より優れた難燃性が得られやすく、5.0質量%以下であると、封止部の剛性、耐クラック性、耐熱性等の物性を良好なものとしやすい。
(その他の難燃剤)
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ホスファゼン化合物以外の他の難燃剤を含有していてもよい。他の難燃剤としては、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機化合物又は無機化合物、アセナフチレン等が挙げられる。他の難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の樹脂組成物において、リン原子を含むリン系難燃剤全量を基準とした上記ホスファゼン化合物の含有量は、難燃性と含浸性及び耐湿性とをより高水準で両立する観点から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。また、リン系難燃剤としてホスファゼン化合物のみを用いてもよい。
本実施形態の樹脂組成物において、難燃剤全量を基準とした上記ホスファゼン化合物の含有量は、難燃性と含浸性とをより高水準で両立する観点から、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、難燃剤としてホスファゼン化合物のみを用いてもよい。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上述した硬化性成分及び難燃剤とは異なる添加剤を含有することができる。添加剤としては、フィラー、消泡剤、カップリング剤、反応希釈剤、可撓性付与剤、顔料、着色剤、溶剤等が挙げられる。
フィラーの構成材料としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ウォラストナイト、アエロジル、アルミナ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、チタンホワイト、窒化珪素、炭化珪素、黒鉛、メラミンシアヌレート等が挙げられる。シリカとしては、結晶シリカ、溶融シリカ等が挙げられる。フィラーは、吸水率の低い硬化物を得やすい観点から、シリカ及び水酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、シリカを含むことがより好ましい。
なお、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、並びに、メラミンシアヌレートなどの上記フィラーの一部の材料は、難燃剤としての機能を有する場合があるが、本明細書においてはフィラーに分類する。これらの難燃剤としての機能を有するフィラーは、難燃性向上の観点から好ましい。
フィラーの粒径は、樹脂組成物の粘度の過剰な上昇が抑制されて樹脂組成物の取り扱いが容易である(作業性を確保しやすい)観点から、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、10μm以上が特に好ましい。フィラーの粒径は、微細な隙間への含浸性に優れる樹脂組成物を得やすい観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。これらの観点から、フィラーの粒径は、2〜30μmが好ましい。フィラーの粒径は、レーザー回折粒度分布計(例えば、株式会社堀場製作所製、商品名:LA920)により測定することができる。フィラーの平均粒径についても、これらの各範囲であることが好ましい。
フィラーの含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤等の溶剤を除く)を基準として下記の範囲が好ましい。フィラーの含有量は、硬化物の優れた強度が得られやすい観点、及び、硬化物の透湿性が低く、硬化物により素子を封止した際に素子の劣化を防ぎやすい観点から、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。フィラーの含有量は、樹脂組成物の粘度の過剰な上昇が抑制されて樹脂組成物の取り扱いが容易である(作業性を確保しやすい)観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、フィラーの含有量は、30〜80質量%が好ましい。
(粘度)
B型粘度計を用いて40℃、60rpmの条件で測定した場合の樹脂組成物の粘度は、微細な隙間に樹脂組成物を含浸する場合に優れた含浸性が得られる観点から、5.0Pa・s以下であり、3.0Pa・s以下が好ましく、2.0Pa・s以下がより好ましい。上記粘度は、例えば、1.0Pa・s以上であってよい。
上記粘度の調整方法は特に限定されないが、難燃剤としてホスファゼン化合物を用いること、及び、その含有量を増やすことにより、樹脂組成物の低粘度化を図ることができる。また、フィラーを添加する場合において、フィラーの平均粒径を最適化すること、すなわち、フィラーの平均粒径を上述した好ましい範囲とすることにより、樹脂組成物の低粘度化を図ることができる。加えて、フィラーの平均粒径を上述した好ましい範囲とすることにより、特にモールドコイルの微細なコイル巻き線間への含浸性を向上させることができる。フィラーの平均粒径が小さいほど、微細なコイル巻き線間への含浸性を向上できる傾向がある。また、フィラーの含有量を上述した好ましい範囲とすることにより、樹脂組成物の低粘度化を図ることができる。
<成形体>
本実施形態に係る成形体は、素子と、素子を封止する封止部と、を備え、封止部が本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む。成形体としては、例えば、コンデンサ(フィルムコンデンサ等)、チップインダクタ、リアクトル、トランス、モールドコイル(イグニッションコイル等)、LSIチップ、ICチップ、センサー(タイヤ空気圧センサー等)、エンジンコントロールユニット(ECU)などの電子部品が挙げられる。
図1は、本実施形態に係る成形体の一例として、フィルムコンデンサを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る成形体の一例として、フィルムコンデンサを示す端面図である。図2の(a)は、図1のIIa−IIa線に沿った端面図である。図2の(b)は、図1のIIb−IIb線に沿った端面図である。
図1及び図2に示すフィルムコンデンサ(成形体)100は、ケース型フィルムコンデンサである。フィルムコンデンサ100は、フィルムコンデンサ素子(フィルムコンデンサ巻回素子)10と、フィルムコンデンサ素子10を収容する素子収容空間20aを有する有底の外装ケース(ケース)20と、素子収容空間20a内においてフィルムコンデンサ素子10を封止する封止部30と、を備える。封止部30は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含む。
フィルムコンデンサ素子10は、例えば、巻回体12と、メタリコン電極14と、リード線16と、を有している。フィルムコンデンサ素子10の製造方法は、例えば、樹脂フィルムに金属蒸着して得られる部材(金属化フィルム)を巻き回して巻回体12を得る工程と、樹脂フィルムの巻回方向に直行する方向における巻回体12の両端面に金属(メタリコン材)を蒸着(メタリコン処理)してメタリコン電極14を得る工程と、メタリコン電極14にリード線16を接続する工程と、を備える。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム等が挙げられる。金属蒸着の金属としては、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。巻回体12は、例えば、略楕円形状の断面を有する筒状体である。メタリコン電極14は、巻回体12の両端面のそれぞれの全面に形成することができる。メタリコン電極14の金属としては、亜鉛、錫、アルミニウム等が挙げられる。リード線16は、例えば、巻回体12の両端面のそれぞれに2本ずつ配置されており、2本のリード線16は、両端面のそれぞれにおいて、端面の長手方向に互いに離れて配置されている。リード線16は、例えば、はんだによりメタリコン電極14に接続されている。
外装ケース20は、例えば、直方体形状を有しており、直方体形状の素子収容空間20aを内部に有している。外装ケース20の上部には、素子収容空間20aと連通する開口部が形成されている。外装ケース20は、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等によって形成されている。フィルムコンデンサ素子10のリード線16は、外装ケース20の開口部の開口方向に伸びており、リード線16の先端側の部分は、素子収容空間20aの外に突出している。
封止部30は、例えば、フィルムコンデンサ素子10の巻回体12の全体が覆われるように(外部に露出しないように)外装ケース20の素子収容空間20a内に充填されている。封止部30内において、フィルムコンデンサ素子10と外装ケース20の底面との間には封止部30が介在しており、フィルムコンデンサ素子10は外装ケース20の底面から離れて配置されている。封止部30内において、フィルムコンデンサ素子10と外装ケース20の側壁との間には封止部30が介在しており、フィルムコンデンサ素子10は外装ケース20の側壁から離れて配置されている。これらのようにフィルムコンデンサ素子10と外装ケース20との間に封止部30が介在している場合、フィルムコンデンサ素子10が封止部30に充分に保護されやすいため、フィルムコンデンサを長寿命化させやすい。
フィルムコンデンサ100においては、その小型化の進行に伴い、フィルムコンデンサ素子10と外装ケース20の側壁との間隔が狭くなりつつある。この間隔が狭いと、樹脂組成物の供給時に、樹脂組成物の含浸が不充分となりやすい。これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物は、微細な隙間に含浸させる際の含浸性に優れているため、フィルムコンデンサ素子10と外装ケース20の側壁との間隔が狭くても、樹脂組成物を外装ケース20の素子収容空間20a内に充分に含浸させることができる。また、フィルムコンデンサ以外の他の電気・電子部品においても、本実施形態に係る樹脂組成物は優れた含浸性を有しているため、微細な隙間に樹脂組成物を含浸させることができる。
<成形体の製造方法>
本実施形態に係る成形体の製造方法においては、本実施形態に係る樹脂組成物を注型して成形体を得る。本実施形態に係る成形体の製造方法は、例えば、硬化性の封止材として、本実施形態に係る樹脂組成物を型部材(鋳型、枠体)に供給する樹脂供給工程と、樹脂組成物を硬化し成形体を得る硬化工程と、をこの順に備えている。成形方法としては、真空注型、射出成形、インサート成形、押出成形、トランスファー成形等が挙げられる。
本実施形態に係る成形体の製造方法の一例として、本実施形態に係るフィルムコンデンサの製造方法においては、本実施形態に係る樹脂組成物を注型して、フィルムコンデンサ素子を封止する封止部を備えたフィルムコンデンサを得る。本実施形態に係るフィルムコンデンサの製造方法は、例えば、硬化性の封止材として、本実施形態に係る樹脂組成物を外装ケース(ケース)の素子収容空間に供給する樹脂供給工程と、樹脂組成物を硬化する硬化工程と、をこの順に備えている。
樹脂供給工程では、フィルムコンデンサ素子が収容された素子収容空間内に、本実施形態に係る樹脂組成物(硬化性の封止材)を供給する。樹脂供給工程は、例えば、真空下、温度20〜90℃の条件で行うことができる。樹脂供給工程では、例えば、樹脂組成物の供給に伴い、浮力によってフィルムコンデンサ素子が樹脂組成物の液面に浮き上がることにより、フィルムコンデンサ素子と外装ケースの底面との間に樹脂組成物が介在してもよい。
硬化工程では、素子収容空間内に供給された樹脂組成物を硬化して硬化物を得る。硬化工程では、例えば、熱硬化性の樹脂組成物を加熱して硬化物を得る。樹脂組成物の硬化温度は、110℃以下であることが好ましい。硬化工程は、例えば、85〜105℃、3〜8時間の条件で行うことができる。複数の条件を組み合わせてもよく、一の温度で加熱した後に他の温度(例えば、上記一の温度よりも高温)で加熱してもよい。
本実施形態に係るフィルムコンデンサの製造方法では、樹脂供給工程と硬化工程とを繰り返し行ってもよい。例えば、フィルムコンデンサ素子の巻回体の底部が浸漬されるまで樹脂組成物を素子収容空間内に供給した後に樹脂組成物を硬化させ、さらに、樹脂組成物を素子収容空間内に供給した後に樹脂組成物を硬化させてもよい。すなわち、フィルムコンデンサ素子の巻回体の全体が覆われるまで、樹脂組成物の供給及び硬化は複数回行われてもよい。フィルムコンデンサ素子の巻回体の底部が浸漬されるまで樹脂組成物を素子収容空間内に供給した後に樹脂組成物を硬化させることにより、その後の樹脂組成物の供給の際に、浮力によってフィルムコンデンサ素子が樹脂組成物の液面に浮き上がることを抑制することができる。
本実施形態に係るフィルムコンデンサの製造方法は、樹脂供給工程の前に、フィルムコンデンサ素子を素子収容空間内に配置する素子配置工程を備えていてもよい。また、本実施形態に係るフィルムコンデンサの製造方法では、素子収容空間内に樹脂組成物を供給した後にフィルムコンデンサ素子を素子収容空間内に配置してもよい。
図3は、本実施形態に係る成形体の製造方法の一例として、フィルムコンデンサの製造方法を示す斜視図である。まず、図3の(a)に示すように、素子配置工程において、フィルムコンデンサ素子10を外装ケース20の素子収容空間20a内に配置する。次に、図3の(b)に示すように、樹脂供給工程において、硬化性の封止材として樹脂組成物30aを素子収容空間20a内に供給する。これにより、図3の(c)に示すように、樹脂組成物30aが素子収容空間20a内に充填される。そして、硬化工程において、素子収容空間20a内の樹脂組成物30aを硬化して硬化物を得ることにより、図1及び図2に示すフィルムコンデンサ100を得ることができる。
<モールドコイル>
本実施形態に係るモールドコイルは、コイルと、コイルを封止する封止部と、を備え、封止部が本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む。
図4は、本実施形態に係るモールドコイルの一例として、イグニッションコイルを示す模式断面図である。なお、図4では、図を見やすくするため、一部を除きハッチングは省略した。図4に示すイグニッションコイル200は、磁性体の中心コア41、外部コア42、一次ボビン43、一次コイル44、二次ボビン45、二次コイル46、端子47、端子48、ハウジング(ケース)49、及び、封止部50を備える。イグニッションコイル200は、点火タイミング制御回路部品(図示せず)を備えていてもよい。
一次コイル44は、例えば直径0.5mm程度のエナメル線を200回程度、二次コイル46は、例えば直径0.05mm程度のエナメル細線を20000回程度、それぞれボビン43,45に巻線したものである。一次コイル44はバッテリーに接続され直流電流が流れるが、点火タイミング調整電子回路部品及びパワースイッチにより流れる電流を断続させて磁束を変化させ、自己誘導作用により一次電圧を得るようになっている。イグニッションコイル200は、この一次電圧を一次コイル44と二次コイル46の相互誘導作用により20〜40kVの高電圧を発生させることにより、端子に接続した点火プラグに火花放電を起こさせるものである。
ケース49は、例えばポリフェニレンスルファイド(PPS)等によって形成されている。ボビン43,45は、例えば変性ポリフェニレンオキサイド(PPO)等によって形成されている。
封止部50は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含み、ケース49内部のコア41、一次ボビン43、一次コイル44、二次ボビン45及び二次コイル46を封止している。封止部50は、一次コイル44及び二次コイル46の微細なコイル巻き線間にも充填されている。
イグニッションコイル200においては、微細なコイル巻き線間に樹脂組成物を充分に含浸させることが難しいが、本実施形態に係る樹脂組成物は、微細な隙間に含浸させる際の含浸性に優れているため、樹脂組成物を微細なコイル巻き線間に充分に含浸させることができる。また、イグニッションコイル以外の他のモールドコイルにおいても、本実施形態に係る樹脂組成物は優れた含浸性を有しているため、微細なコイル巻き線間(例えば、コイル間ギャップが4μ程度であっても)に樹脂組成物を充分に含浸させることができる。樹脂組成物がフィラーを含有する場合、当該樹脂組成物を微細なコイル巻き線間に含浸させる際に、フィラーはコイル巻き線間に含浸されなくてもよい。すなわち、コイル巻き線間には、樹脂組成物のうち、少なくとも液状の樹脂成分が含浸されていればよい。なお、含浸性が不充分な樹脂組成物の場合、液状の樹脂成分がコイル巻き線間に充分に含浸する前にフィラーが表層で詰まってしまい、含浸が不充分になるという問題が生じやすい。これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物は、フィラーを含有する場合であっても詰まりを生じることなく、微細なコイル巻き線間に充分に含浸させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、微細な隙間に含浸させる際の含浸性に優れているため、微細なコイル巻き線間に樹脂組成物を含浸する必要があるイグニッションコイル等のモールドコイルにおける注型用途(コイルモールド用)に特に好適である。
<モールドコイルの製造方法>
本実施形態に係るモールドコイルの製造方法においては、本実施形態に係る樹脂組成物を注型して、コイルを封止する封止部を備えたモールドコイルを得る。本実施形態に係るモールドコイルの製造方法は、例えば、硬化性の封止材として、本実施形態に係る樹脂組成物を型部材(鋳型、枠体)に供給する樹脂供給工程と、樹脂組成物を硬化し封止部を形成する硬化工程と、をこの順に備えている。成形方法としては、真空注入成形法、加圧注入成形法、含浸成形法、RTM成形法、ディッピング、プレス成形法、射出成形法、トランスファー成形法などが挙げられる。
本実施形態に係るモールドコイルの製造方法の一例として、本実施形態に係るイグニッションコイルの製造方法においては、本実施形態に係る樹脂組成物を注型して、コイル44,46を封止する封止部50を備えたイグニッションコイル200を得る。本実施形態に係るイグニッションコイルの製造方法は、例えば、硬化性の封止材として、本実施形態に係る樹脂組成物をケース49の内部に供給する樹脂供給工程と、樹脂組成物を硬化する硬化工程と、をこの順に備えている。
樹脂供給工程では、ケース49にコア41,42、ボビン43,45、コイル44,46、端子47,48等を組み込んだ組立品におけるケース49内部に、本実施形態に係る樹脂組成物(硬化性の封止材)を供給する。樹脂供給工程は、例えば、真空下、温度20〜90℃の条件で行うことができる。
硬化工程では、素子収容空間内に供給された樹脂組成物を硬化して硬化物を得る。硬化工程では、例えば、熱硬化性の樹脂組成物を加熱して硬化物を得る。樹脂組成物の硬化温度は、150℃以下であることが好ましい。硬化工程は、例えば、80〜145℃、3〜8時間の条件で行うことができる。複数の条件を組み合わせてもよく、一の温度で加熱した後に他の温度(例えば、上記一の温度よりも高温)で加熱してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、フィルムコンデンサにおいて、封止部に封止されるフィルムコンデンサ素子は、一つであってもよく、複数であってもよい。
フィルムコンデンサの封止部内において、フィルムコンデンサ素子と外装ケースの底面との間に封止部が介在することなく、フィルムコンデンサ素子が外装ケースの底面に接していてもよい。封止部内において、フィルムコンデンサ素子と外装ケースの側壁との間に封止部が介在することなく、フィルムコンデンサ素子が外装ケースの側壁に接していてもよい。
フィルムコンデンサ素子は、フィルムで形成されたフィルム本体(コンデンサ本体、フィルム素子本体)を有していればよく、特に限定されない。例えば、フィルムコンデンサ素子は、フィルムの巻回体(フィルムを巻き回して形成されたフィルム構造体)に代えて、フィルムの積層体(フィルムを積層して形成されたフィルム構造体)を有していてもよい。フィルム本体としては、金属化フィルムの巻回体又は積層体を用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5及び比較例1〜4]
<樹脂組成物の調製>
表1に示す下記成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で混合することにより樹脂組成物を調製した。
(熱硬化性樹脂)
R−139S:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学株式会社製、商品名:エポミックR−139S
JER834:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社製、商品名:JER834
(硬化剤)
酸無水物:3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成株式会社社製、商品名:HN−2000
(硬化促進剤)
塩化ベンザルコニウム:日油株式会社製、商品名:M2−100R
(フィラー)
結晶シリカ:フミテック株式会社製、商品名:HC−15、平均粒径:12.8μm
結晶シリカ:シベルコ・ジャパン株式会社製、商品名:CA0040、平均粒径:3.65μm
水酸化アルミニウム:日本軽金属株式会社製、商品名:AL−B143、平均粒径:5μm
(難燃剤)
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン:大塚化学株式会社製、商品名:SPB−100、リン含有量:13.4質量%
ヒドロキシフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン:大塚化学株式会社製、商品名:SPH−100、リン含有量:12.5質量%
メチルフェノキシ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン(液状):大塚化学株式会社製、商品名:SPB−100L、リン含有量:12.8質量%
リン酸エステル:株式会社ADEKA製、商品名:FP−2500S、リン含有量:18.5質量%(16〜21質量%)
ポリリン酸アンモニウム:クラリアントケミカルズ株式会社製、商品名:Exolit AP462、リン含有量:30質量%(29〜31質量%)
(その他の添加剤)
消泡剤:シリコーン系消泡剤、信越化学工業株式会社製、商品名:KS−603
カップリング剤:エポキシ基含有シランカップリング剤、ダウコーニング社製、商品名:OFS−6040
着色剤:カーボンブラック、三菱ケミカル株式会社製、商品名:MA100
<リン含有量>
難燃剤のリン含有量、及び、その配合量に基づき、熱硬化性成分(熱硬化性樹脂及び硬化剤)及び難燃剤の全質量を基準としたリン含有量を算出した。結果を表1に示す。
<物性測定>
上記樹脂組成物を用いて下記の物性測定を行った。物性測定は、上述の硬化剤と他成分とを混合した後、速やかに行った。物性測定の結果を表1に示す。
(吸水率)
直径60mmのアルミニウムシャーレ内に上記樹脂組成物を20g注入した。次に、上記樹脂組成物を105℃で8時間熱硬化させて硬化物を得た後、上記硬化物の質量を測定した。続いて、121℃、100%RH、2atmの条件で上記硬化物に37時間吸水させた後、上記硬化物の質量を測定した。下記式により硬化物の吸水率を算出した。
吸水率(質量%)=(吸水後の質量−吸水前の質量)/吸水前の質量
(粘度)
B型回転粘度計(TOKIMEC社製、商品名:BL)を用いて、温度40℃、回転数60rpm(60回転)の条件における上記樹脂組成物の粘度を測定した。温度は、恒温槽(ヤマト科学株式会社製、商品名:BF600)を用いて調整した。
(難燃性)
上記樹脂組成物を105℃で8時間熱硬化させて硬化物を得た後、縦125mm×横13.0mm、厚み5mmの直方体形状に硬化物を加工して試験片を得た。上記試験片を用いて、UL94Vの試験方法に従い難燃性を評価した。UL94Vの判定基準に従い、下部接炎について「V−0」、「V−1」、「V−2」、「V−NOT」の4段階で判定した。「V−0」が最も難燃性が高く、「V−1」、「V−2」及び「V−NOT」の順に難燃性が低下する。
(含浸性)
上記樹脂組成物の微細な隙間への含浸性を、以下の試験方法で評価した。まず、ガラスビーズ(平均粒径:50〜80μm)をφ15mmのポリエチレン製の試験管に充填し、その上に、充分に脱泡した樹脂組成物を注入した。ガラスビーズは試験管の底部から20mmの高さまで充填し、その上に樹脂組成物を20mmの高さで注入した。次いで、10mmHg(1.3kPa)で10分間減圧した後、常圧下、70℃で2時間、90℃で1時間、110℃で0.5時間、及び、145℃で2時間の条件で樹脂組成物を熱硬化させた。熱硬化後、樹脂組成物の硬化物で封止されていないガラスビーズの質量をWとし、はじめに試験管に充填したガラスビーズの全質量をWとして、含浸率(%)を下記式(I)により算出した。
含浸率={1−(W/W)}×100 (I)
算出した含浸率に基づき、以下の基準に基づき、含浸性を評価した。結果を表1に示す。
〇:含浸率が20%以上
△:含浸率が10%以上20%未満
×:含浸率が10%未満
試験管に充填されたガラスビーズ間の隙間はマイクロレベルで極めて狭く、イグニッションコイル等のモールドコイルにおけるコイル巻き線間の隙間に相当し得る。そのため、上記含浸性の評価結果が良好(評価結果が「〇」)であれば、イグニッションコイル等のモールドコイルにおける微細なコイル巻き線間、及び、フィルムコンデンサ等の電子部品における微細な隙間への樹脂組成物の含浸性が良好であると判断することができる。
Figure 2019081832
10…フィルムコンデンサ素子、12…巻回体、14…メタリコン電極、16…リード線、20…外装ケース、20a…素子収容空間、30…封止部、30a…樹脂組成物、41…中心コア、42…外部コア、43…一次ボビン、44…一次コイル、45…二次ボビン、46…二次コイル、47,48…端子、49…ケース、50…封止部、100…フィルムコンデンサ、200…イグニッションコイル。

Claims (12)

  1. 熱硬化性成分と、難燃剤と、を含有し、
    前記難燃剤がホスファゼン化合物を含み、
    B型粘度計を用いて40℃、60rpmの条件で測定した場合の粘度が5.0Pa・s以下である、注型用の樹脂組成物。
  2. 前記ホスファゼン化合物の含有量が、樹脂組成物の全質量を基準として、1.0〜20.0質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性成分及び前記難燃剤の全質量を基準としたリンの含有量が1.0〜5.0質量%である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ホスファゼン化合物が、シクロホスファゼン化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. フィラーを更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記フィラーが、平均粒径30μm以下の無機フィラーを含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記フィラーの含有量が、樹脂組成物の全質量を基準として、30〜80質量%である、5又は6に記載の樹脂組成物。
  8. コイルモールド用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 素子と、前記素子を封止する封止部と、を備え、
    前記封止部が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物又はその硬化物を含む、成形体。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を注型して成形体を得る、成形体の製造方法。
  11. コイルと、前記コイルを封止する封止部と、を備え、
    前記封止部が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物又はその硬化物を含む、モールドコイル。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を注型して、コイルを封止する封止部を備えたモールドコイルを得る、モールドコイルの製造方法。
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