JP2019081743A - 組成物、スプレー、及び、ワイパー - Google Patents

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尚俊 佐藤
寛記 杉浦
Hiroki Sugiura
寛記 杉浦
知昭 吉岡
Tomoaki Yoshioka
知昭 吉岡
三ツ井 哲朗
Tetsuro Mitsui
哲朗 三ツ井
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Abstract

【課題】調製後一定期間保管した後に使用しても、優れた抗ノロウィルス活性を有する組成物の提供を課題とする。また、スプレー、及び、ワイパーの提供も課題とする。【解決手段】フェノール性水酸基を有する化合物と、アルコールを含有する溶媒と、強塩基と、酸化防止剤と、を含有する組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、スプレー、及び、ワイパーに関する。
ノロウィルスは、カリシウィルス科ノロウィルス属に分類されるウイルスであり、食中毒等の原因となる病原体として知られている。ノロウィルスの感染予防用に、抗ノロウィルス活性を有する組成物が開発されている。
特許文献1には、「タンニンを含有するカキノキ属(Diospyros)の植物の抽出物を有効成分とする抗ノロウィルス剤」が記載されている。
国際公開第2008/153077号
本発明者らは、上記抗ノロウィルス剤を調製し、一定期間保管した後に使用したところ、十分な抗ノロウィルス活性が得られないことを知見した。そこで本発明は、調製後一定期間保管した後に使用しても、優れた抗ノロウィルス活性を有する組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、スプレー、及び、ワイパーを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が達成されるのを見出した。
[1] フェノール性水酸基を有する化合物と、アルコールを含有する溶媒と、強塩基と、酸化防止剤と、を含有する組成物。
[2] 溶媒中におけるアルコールの含有量が、溶媒の全体積に対して、30〜100体積%である、[1]の組成物。
[3] アルコールが、炭素数が2以下のアルコール、及び、炭素数3が以上のアルコールの両方を含有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 酸化防止剤が、チオール基を有する化合物を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 酸化防止剤が、ピロン構造を有する化合物を含有する、[1」〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[6] 抗ウイルス用である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] 抗ノロウィルス用である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] スプレー容器と、スプレー容器に収容された[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物と、を有する、スプレー。
[9] 抗ウイルス用である、[8]に記載のスプレー。
[10] 抗ノロウィルス用である、[8]又は[9]に記載のスプレー。
[11] 基布と、基布に含浸された[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物と、を有するワイパー。
[12] 抗ウイルス用である、[11]に記載のワイパー。
[13] 抗ノロウィルス用である、[11]又は[12]に記載のワイパー。
[14] ジェル剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[15] 抗ウイルス用ジェル剤である、[14]に記載の組成物。
[16] 抗ノロウィルス用ジェル剤である、[14]又は[15]に記載の組成物。
[17] 洗浄料である、[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[18] 抗ウイルス用洗浄料である、[17]に記載の組成物。
[19] 抗ノロウィルス用洗浄料である、[17]又は[18]に記載の組成物。
本発明によれば、調製後一定期間保管した後に使用しても、優れた抗ノロウィルス活性(以下、単に「抗ウイルス活性」ともいう。)を有する組成物を提供できる。また、本発明は、スプレー、及び、ワイパーも提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートのいずれか又は双方を包含する概念である。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基及び連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
更に、本明細書中、基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
[組成物]
本発明の実施形態に係る組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルコールを含有する溶媒と、強塩基と、酸化防止剤と、を含有する。
上記組成物が本発明の課題を解決できる機序は必ずしも明らかではないが、後述する実施例に示すとおり、上記のうち、酸化防止剤のみを含有しない比較例1の組成物、アルコールのみを含有しない比較例2の組成物、フェノール性水酸基を有する化合物のみを含有しない比較例3の組成物、及び、強塩基のみを含有しない比較例5の組成物では、いずれも本発明の課題が解決されない。本発明者らは鋭意の検討の結果、上記の各成分を含有する本発明の組成物であれば、驚くべきことに本発明の課題が解決されることを知見し、本発明を完成させたものである。以下では、組成物中の各成分について説明する。
〔フェノール性水酸基を有する化合物〕
上記組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物を含有する。組成物中におけるフェノール性水酸基を有する化合物の含有量としては特に制限されないが、組成物の全質量に対して、500質量ppm以上が好ましく、1000質量ppm以上がより好ましく、3000質量ppm以上が更に好ましい。上限としては特に制限されないが、50000質量ppm以下が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のフェノール性水酸基を有する化合物を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物は、1分子内に1個のフェノール性水酸基を有していればよいが、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、フェノール性水酸基を有する化合物は1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有していることが好ましい。本明細書においてフェノール性水酸基とは、芳香環の水素原子を置換する水酸基を表し、ベンゼン環の水素原子を置換する水酸基が好ましい。なお、本明細書において、ピロン構造を有する化合物は酸化防止剤に該当し、フェノール性水酸基を有する化合物には該当しない。従って、フェノール性水酸基とピロン構造とを有する化合物は、後述する酸化防止剤に該当する。
フェノール性水酸基を有する化合物の形態としては、以下の化合物A〜Dが挙げられる。
<化合物A>
化合物Aは、下記式(1A)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基(以下「式(1A)残基」ともいう)を2個以上有する化合物である。
化合物Aは、複数の式(1A)残基同士が直接結合していてもよく、複数の式(1A)残基が連結基を介して結合していてもよい。
化合物Aが有する2個以上の式(1A)残基は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
化合物Aの分子量は、特に制限されないが、例えば、218〜2000が好ましく、218〜1500がより好ましい。
化合物Aが有する式(1A)残基の数は、例えば、2〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
なお、化合物Aはポリマーであってもよい。
ポリマーである化合物Aは、式(1)残基を含む繰り返し単位を有するのが好ましい。
ポリマーである化合物Aの重量平均分子量は、例えば、1000〜100万が好ましく、5000〜100万がより好ましい。
なお、本明細書において特定化合物がポリマーである場合、重量平均分子量(Mw)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)によるポリスチレン換算値として定義される。
式(1A)中、X11〜X14は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR11=を表す。R11は、水素原子又は置換基を表す。
11〜X14は、−CR11=であるのが好ましい。
11〜X14のうち、少なくとも1個は、R11が水素原子又は水素原子を有する基である−CR11=を表すのが好ましい。
−CR11=が複数存在する場合、複数のR11はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
11で表される置換基としては、例えば、水酸基、アルキル基、アリール基、複素環基(非芳香族複素環及び芳香族複素環等。ヘテロ原子は窒素原子、硫黄原子、又は、酸素原子が好ましい。具体的には、ピリリウム環、ベンゾピリリウム環、及び、クロマノン環等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子等)、ニトロ基、スルホ基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルカリ金属オキシ基(ナトリウムオキシ基、及び、カリウムオキシ基等)、スルホン酸塩基(スルホン酸ナトリウム基等)、糖基、ビニレン基(*−C=C−*)を有する基、エチニレン基(*−C≡C−*)を有する基、エーテル基(*−O−*)を有する基、イミノ基(*−C(=N−*)−*)を有する基、エステル基(*−CO−O−*及び*−O−CO−*)を有する基、カルボニル基(*−CO−*)を有する基、ホスフィンオキシド基(*−P(=O)(−*))を有する基、ホスホン酸エステル基(*−P(=O)(−O−*))を有する基、リン酸エステル基(*−OP(=O)(−O−*))を有する基、スルフィニル基を有する基(*−S(=O)−*)、スルホニル基(*−S(=O)−*)を有する基、アミド基(*−CO−NH−*及び*−NH−CO−*)を有する基、スルホンアミド基(*−SO−NH−*及び*−NH−SO−*)を有する基、アゾ基(*−N=N−*)を有する基、トリアルコキシシリル基(*−Si(ORS1 ))を有する基、アンモニウム基(*−N(−*))を有する基、スルホニウム基(*−S(−*))を有する基、ホスホニウム基(*−P(−*))を有する基、オキソニウム基(*−O(−*))を有する基、カルボニウム基(*−C(−*))を有する基、ハロニウム基(*−X−*;Xはハロゲン原子)を有する基、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
上記*は、結合位置を表す。
上記例示中、RS1はアルキル基を表す。1個の基中にRS1が複数存在する場合、複数のRS1は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
また、置換基は、可能な場合、更に置換基を有していてもよい。
なお、上記アルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数は1〜20が好ましい。
上記アリール基は、炭素数6〜15が好ましく、6がより好ましい。
11は、例えば、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
ハメット置換基定数σは、Chem. Rev.1991、91、p165−195を参考にできる。
なお、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基は、例えば、−CH=CH−CO−O−CHCH(σ=0.03)のように、ビニレン基、エチニレン基、イミノ基、アゾ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基等の共役基を介して、更にハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基が結合しているのも好ましい。
中でもR11は、アリルオキシ基、アリールアゾ基、ヘテロアリールアゾ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキニル基、パーフルオロアルキルオキシ基、パーフルオロアルキル基、−CO−RT1、−CO−O−RT1、−O−CO−RT1、−NH−CO−RT1、−CO−NH−RT1、−SO−NH−RT1、−NH−SO−RT1、−C(=NRT1)RT2、−CH=CH−RT1、及び、−P(=O)RT1T2からなる置換基T群のいずれか、又は、水素原子であるのが好ましい。
置換基T群中、RT1及びRT2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(例えば、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましい))又はエステル基を有する基(例えば、−エステル基−置換基を有していてもよいアルキル基。アルキル基の置換基としては水酸基及び/又はカルボキシ基が好ましい)等)を表す。
なお、RT1とRT2とは互いに結合して環を形成していてもよい。
式(1A)で表される化合物は、R11が置換基T群のいずれかである−CR11=を、少なくとも1個有するのが好ましい。
また、化合物Aは、置換基T群のいずれかであるR11を有する式(1A)残基を少なくとも1個有するのが好ましく、2個以上有するのがより好ましい。化合物A中の全ての式(1A)残基が、置換基T群のいずれかであるR11を有する式(1A)で表される化合物の残基であるのが更に好ましい。
式(1A)中に、−CR11=であるX11〜X14が複数存在する場合、複数のR11はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよく、複数のR11同士(例えば、X11及びX12が−CR11=である場合における隣接するR11同士、X12及びX13が−CR11=である場合における隣接するR11同士、X13及びX14が−CR11=である場合における隣接するR11同士)は、互いに結合して環を形成していてもよい。
複数のR11が互いに結合して形成される環は、芳香族環(例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環)でもよく、非芳香族環(例えば、非芳香族炭化水素環及び非芳香族複素環)でもよい。
また、形成される環に、更に環が縮環した縮環構造を形成していてもよい。
形成される環は、5員環又は6員環の単環又はその組み合わせである多環が好ましく、各環が複素環の場合ヘテロ原子の数は、1〜5が好ましい。
上記複素環のヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及び、ホウ素原子が挙げられる。中でも、窒素原子、硫黄原子、又は、酸素原子が好ましい。
形成される環は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、クロマン環、キノリン環、キノキサリン環、アントラキノン環、3−シクロブテン−1,2−ジオン環、ジヒドロフラン環、クロトノラクトン環、4−シクロペンテン−1,2,3−トリオン環、2,4,6-シクロへプタトリエン−1−オン環、及び、ベンゾキノン環が挙げられる。
このような環が、更に置換基(アルキル基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン酸塩基、アルキルエステルアルキレン基、及び、糖類(例えば、ルチノース等の二糖類)の水酸基から水素原子を1個除いた残基、等。これらの基は可能な場合更に置換基を有していてもよい)を有していてもよい。
また、化合物Aは、式(1A)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基(式(1A)残基)を有するところ、X11〜X14のうち、少なくとも1個は、水素原子を除かれるR11を含む−CR11=を有するのが好ましい。つまり、X11〜X14のうち、少なくとも1個は、R11が水素原子又は水素原子を有する基である−CR11=を表すのが好ましい。
11中の除かれる水素原子が存在していた位置が、式(1A)残基と他の基との結合位置となる。なお、水素原子を除かれるR11が水素原子である場合、R11そのものが除かれる。
水素原子を除かれるR11は、上記置換基T群の中の水素原子を有する基のいずれか、又は、水素原子が好ましく、−CO−O−RT1又は−O−CO−RT1(ただし、これら場合RT1は水素原子又は水素原子を有する置換基である)がより好ましい。
式(1A)残基としては、下記式(1−2A)で表される基が好ましい。
式(1−2A)中、R1−2は、水素原子、水酸基、又は、アルコキシ基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数10〜20が好ましい)を表す。
1−2は、1〜3の整数を表し、1が好ましい。
*は、結合位置を表す。
化合物Aとしては、下記式(1−3A)で表される化合物が好ましい。
式(1−3A)中、R1−2a及びR1−2bは、式(1−2A)中のR1−2と同義である。R1−2a及びR1−2bは、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
1−2a及びL1−2bは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、エーテル基、カルボニル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、チオエーテル基、−SO−、−NR−(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基、又はアルキル基を表す。)、2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及び、アリーレン基)、ヘテロアリーレン基、アゾ基、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
1−2a及びL1−2bは、それぞれ独立に、単結合、エステル基、ビニレン基、又は、これらの組み合わせからなる基(例えば、−ビニレン基−エステル基−)が好ましい。
1−3は、0又は1を表す。
1−3は、2以上の整数を表す。m1−3は、例えば、2〜10が好ましく、2〜6が好ましい。
1−3は、m1−3が2の場合、単結合又は2価の連結基を表し、m1−3が2よりも大きい場合、m1−3価の連結基を表す。
式(1−3A)中、X1−3以外の各基はそれぞれ複数存在し、同一の記号で表される各基は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
中でも、m1−3が2の場合、X1−3は、単結合又は下記式で表される2価の連結基が好ましい。式中Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基が好ましく、アントラセニレン基がより好ましい)を表す。Arはアリーレン基(炭素数1〜20が好ましく、アントラセニレン基がより好ましい)を表す。*は、L1−2a又はL1−2bとの結合位置を表す。
1−3が3の場合、X1−3は、下記式で表される3価の連結基のいずれかが好ましい。式中Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、メチル基がより好ましい)を表す。*は、L1−2a又はL1−2bとの結合位置を表す。
1−3が4の場合、X1−3は、下記式で表される4価の連結基が好ましい。*は、L1−2a又はL1−2bとの結合位置を表す。
1−3が5の場合、X1−3は、下記式で表される5価の連結基が好ましい。*は、L1−2a又はL1−2bとの結合位置を表す。
1−3が6の場合、X1−3は、下記式で表される6価の連結基が好ましい。*は、L1−2a又はL1−2bとの結合位置を表す。
化合物Aがポリマーであって、式(1A)残基を含む繰り返し単位を有する場合、化合物Aは、下記式で表される繰り返し単位を有するのが好ましい。
なお、ポリマーは、以下の式で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。
式中、Rxmaは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、メチル基がより好ましい)、又は、パーフルオロアルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい)を表す。
Lxは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、L1−2で表される2価の連結基の定義と同じである。
Xは、式(1A)残基を表す。
<化合物B>
化合物Bは下記式(2B)で表される化合物である。
また、化合物Bは、化合物A以外の化合物である。
具体的には、化合物Bは、式(1A)残基を、2個以上有する形態を含まない。
化合物Bの分子量は110〜2000が好ましく、120〜1500がより好ましい
式(2B)中、X21〜X24は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR21=を表す。
21〜X24は、−CR21=であるのが好ましい。
−CR21=中のR21は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、又は、式(5B)で表わされる基を表す。
−CR21=が複数存在する場合、複数のR21はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
*−L−R2x (5B)
式(5B)中、Lは、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基、又は、下記式(6B)〜(9B)のいずれかで表される2価の連結基を表す。R2xは、水素原子又は置換基を表す。*は、結合位置を表す。式(5B)で表わされる基が複数存在する場合、複数の式(5B)で表わされる基はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
式(6B)〜(9B)中、R2a〜R2dは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。*1は、式(5B)中の*と同一である。*2は、R2xとの結合位置を表す。
式(9B)中、Qは、−CO−、−S(=O)−、−S(=O)−、−O−、−S−、−SiR2e2f−、−NR2g−、−N=CR2h−、−CR2i=N−、−N=N−、又は、−P(=O)R2l−を表す。R2e〜R2lは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
2x及びR2a〜R2jで表される置換基としては、上述のR11で表される置換基の説明において挙げた基が挙げられる。
中でも、R2x及びR2a〜R2jとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアミド基、ニトロアリーレン基、アルキルエステル基、アミノアルキレン基、アルキルアミノアルキレン基、アルカリ金属オキシ基(−ONa及びOK等)、及び、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基部分に水酸基及びカルボキシル基を有するアルキルエステル基)が挙げられる。
式(5B)で表される基は、基中の置換基同士で連結して環を形成していてもよい。
形成される環としては、芳香族環(例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環)でもよく、非芳香族環(例えば、非芳香族炭化水素環及び非芳香族複素環)でもよい。
また、形成される環に、更に環が縮環した縮環構造を形成していてもよい。
形成される環は、5員環又は6員環の単環又はその組み合わせである多環が好ましく、各環が複素環の場合ヘテロ原子の数は、1〜5が好ましい。
上記複素環のヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、又は、酸素原子が好ましい。形成される環の例としては、例えばクロマノン環等が挙げられる。
式(2B)中に、−CR21=であるX21〜X24が複数存在する場合、複数のR21(例えば、X21及びX22が−CR21=である場合における隣接するR21同士、X22及びX23が−CR21=である場合における隣接するR21同士、X23及びX24が−CR21=である場合における隣接するR21同士)は、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(5B)で表わされる基同士で連結して環を形成する態様として、例えば、化合物Bが縮環構造となる態様が挙げられる。
上記縮環構造としては、式(2B)中の隣り合って配置された水酸基を有する環に、芳香族環又は非芳香族環が縮環した構造でもよい。
縮環する環は、R11が互いに結合して形成される環として上述した環が挙げられる。
21は、例えば、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
また、R21は、水素原子又は上述の置換基T群のいずれかであるのが好ましい。
化合物Bは、上述の置換基T群のいずれかであるR21を少なくとも1個有するのが好ましい。
また、X21〜X24のうちの1個が、R21が水酸基である−CR21=であるのも好ましく、X21及びX24の一方が、R21が水酸基である−CR21=であるのも好ましい。
化合物Bとしては、以下の式(2−2B)で表される化合物、又は、式(2−3B)で表される化合物が好ましい。
式(2−2B)中、Rx2−2は水素原子又は水酸基を表す。
2−2は、上述のR21と同義である。R2−2は、ビニレン基を有する基又は置換基T群のいずれかが好ましく、−CO−RT1、−CO−O−RT1、又は、−CO−NH−RT1がより好ましい。
式(2−3B)中、X2−3は−CH=又は窒素原子を表す。
2−3a及びR2−3bは、それぞれ独立に、上述のR21と同義である。R2−3a及びR2−3bは、それぞれ独立に、置換基T群のいずれかが好ましく、−CO−RT1、−CO−O−RT1、又は、−CO−NH−RT1がより好ましい。
また、R2−3a及びR2−3bとは互いに結合して環を形成していてもよい。このように形成される環の例としては、複数のR11が互いに結合して形成される環が同様に挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
<化合物C>
化合物Cは下記式(3C)で表される化合物である。
また、化合物Cは、化合物A及び化合物B以外の化合物である。
化合物Cの分子量は、例えば、110〜2000が好ましく、120〜1500がより好ましい。
式(3C)中、X31〜X34は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR31=を表す。R31は、水酸基以外の置換基又は水素原子を表す。
31〜X34のうち、少なくとも1個は、−CR31=を表すのが好ましい。R31が複数存在する場合、複数のR31はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
31〜X34は、−CR31=であるのが好ましい。
31として、水酸基は除外される。なお、R31で表される置換基が、更に置換基として水酸基を有する形態(例えば、ヒドロキシアルキル基)は除外しない。
31で表される置換基の例としては、上記水酸基以外の、式(1A)におけるR11で表される置換基で説明した基が同様に挙げられる。
式(3C)中に複数の−CR31=が存在する場合、複数のR31は互いに結合して環を形成していてもよい。
環を形成する態様の例としては、R11が互いに結合して環を形成する態様として上述した態様が挙げられる。
31は、例えば、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
また、R31は、水素原子又は上述の置換基T群のいずれかであるのが好ましい。
化合物Cは、上述の置換基T群のいずれかであるR31を少なくとも1個有するのが好ましい。
化合物Cとしては、式(3−2C)で表される化合物が好ましい。
式(3−2C)中、R3−2は、上述のR31と同義である。R3−2は、置換基T群のいずれかが好ましく、−CO−RT1、−CO−O−RT1、又は、−CO−NH−RT1がより好ましい。
<化合物D>
化合物Dは下記式(4D)で表される化合物である。
また、化合物Dは、化合物A〜C以外の化合物である。
化合物Dの分子量は、例えば、110〜2000が好ましく、120〜1500がより好ましい。
式(4D)中、X41及びX42は、それぞれ独立に、−CR41=を表す。R41は、水素原子又は置換基を表す。
−CR41=は2個存在し、2個存在する−CR41=はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
2個のR41のうち、少なくとも一方は置換基を表す。
41で表される置換基としては、式(1A)におけるR11で表される置換基で説明した基が同様に挙げられる。
2個の−CR41=は互いに結合して環を形成していてもよい。
つまり、X41及びX42が−CR41=である場合、隣接する2個のR41は、互いに結合して環を形成していてもよい。
形成される環は式(4D)中のビニレン基を含むが、形成される環は非芳香環に限定される。なお、形成される環(ビニレン基を含む環)に、更に環が縮環している環が存在する場合、上記縮環している環は芳香環であってもよい。
41は、例えば、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
また、R41は、水素原子又は上述の置換基T群のいずれかであるのが好ましい。
化合物Dは、上述の置換基T群のいずれかであるR41を少なくとも1個有するのが好ましい。
化合物Dとしては、式(4−2D)で表される化合物が好ましい。
式(4−2D)中、A4−2は、式中のビニレン基と両端で結合して非芳香環を形成する、アルキレン基を表し、上記アルキレン基中の1個以上のメチレン基は、エ−テル基、カルボニル基、エステル基、又は、チオエーテル基で置換されていてもよい。上記アルキレン基の炭素数は2〜4が好ましい。上記アルキレン基は1個のメチレン基がエーテル基で置換されているのが好ましい。
4−2は、水素原子又は置換基であり、上述のR41と同義である。R4−2は、例えば、置換基T群のいずれか又はアルキル基(好ましくは、2個の水酸基で置換されているアルキル基)が好ましい。
以下に、化合物A〜Dの具体例を示す。
フェノール性水酸基を有する化合物の他の形態としては、以下の化合物Eが挙げられる。
<化合物E>
化合物Eは、以下の式(1E)で表される化合物である。
式(1E)中、R11は、1価の置換基を表す。R11で表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、脂肪族基、アリール基、ヘテロアリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。
上記脂肪族基としては、例えば、直鎖状及び分岐鎖状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルキニル基、並びに炭素数3〜30の脂環式炭化水素基等が挙げられる。なお、上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルキニル基、並びに炭素数3〜30の脂環式炭化水素基は、−CH−がヘテロ原子で置換されていてもよい。ヘテロ原子の種類は特に制限されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子等が挙げられる。なかでも、抗ウイルス活性により優れる点で、−Y−、−N(Ra)−、−C(=Y)−、−CON(Rb)−、−C(=Y)Y−、−SOt−、−SON(Rc)−、又はこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
〜Yは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、及びテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。上記Ra、Rb、及びRcは、各々独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数1〜30のアルキル基としては、炭素数1〜20が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−ヘチルヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコサニル基、エイコサニル、ヘンイコサニル基、ヘネイコサニル基、ドコサニル基、トリコサニル基、トリコサニル基、テトラコサニル基、ペンタコサニル基、ヘキサコサニル基、ヘプタコサニル基、オクタコサニル基、ノナコサニル基、及びトリアコンタニル基等が挙げられる。
上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルケニル基としては、炭素数2〜20が好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、、ノナデセニル基、イコセニル基、エイコセニル基、ヘンイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、デトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、オクタデカトリエニル基、エイコセニル基、ドコセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基、及びオクタジエニル基等が挙げられる。
なお、上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルケニル基において、不飽和結合の位置は制限されず、シス及びトランス異性体のどちらであってもよい。例えば、オクタデセニル基は、オレイル基(cis−9−オクタデセニル基)及びエライジル基(trans−9−オクタデセニル基)を、オクタデカジエニル基は、リノレイル基(cis,cis−9,12−オクタデカジエニル基)及びエライドリノレイル基(trans,trans−9,12−オクタデカジエニル基)を、オクタデカトリエニル基は、リノレニル基(cis,cis,cis−9,12,15−オクタデカトリエニル基)及びエライドレノレニル基(trans,trans,trans−9,12,15−オクタデカトリエニル基)を、ヘキサデセン基は、パルミトレイル基(cis−9−ヘキサデセン基)を含む。
上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数2〜30のアルキニル基としては、炭素数2〜20が好ましい。具体的には、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基、エキコシニル基、ヘンイコシニル基、ヘンエイコシニル基、ドコシニル基、トリコシニル基、テトラコシニル基、ペンタコシニル基、ヘキサコシニル基、ヘプタコシニル基、オクタコシニル基、オクタコシニル基、ノナコシニル基、及びトリアコンチニル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜30の脂環式炭化水素基としては、単環式、多環式、及び架橋環式のいずれであってもよい。脂環式炭化水素基を構成する環の具体例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロへプタジエン、シクロオクタン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロノナン、シクロノネン、シクロデカン、シクロデセン、シクロデカジエン、シクロデカトリエン、シクロウンデカン、シクロドデカン、ビシクロヘプタン、ビシクロヘキサン、ビシクロヘキセン、トリシクロヘキセン、ノルカラン、ノルピナン、ノルボルナン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、トリシクロヘプタン、トリシクロヘプテン、デカリン、及びアダマンタン等が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。
アリール基は、単環構造であっても、2つ以上の環が縮環した縮環構造(縮合環構造)であってもよい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、及びピレニル基等が挙げられ、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記ヘテロアリール基としては、硫黄原子、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含む、単環式又は多環式の環構造を有するヘテロアリール基が挙げられる。
上記ヘテロアリール基中の炭素数は特に制限されないが、3〜18が好ましく、3〜5がより好ましい。
ヘテロアリール基が有するヘテロ原子の数は特に制限されず、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
ヘテロアリール基の環員数は特に制限されないが、3〜8が好ましく、5〜7がより好ましく、5〜6が更に好ましい。
上記ヘテロアリール基としては、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、プテリジニル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ピリミジニル基、キナゾリル基、ピリダジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、及びカルバゾリル基等が挙げられる。
上記アラルキル基としては、上述した上記直鎖状及び分岐鎖状の炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の1つを上述したアリール基又は上述したヘテロアリール基で置き換えた基が挙げられる。アラルキル基としては、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、及びナフチルメチル基等が挙げられる。
上記脂肪族基、上記アリール基、上記ヘテロアリール基、及び上記アラルキル基は、更に置換基を有していてもよい。上記置換基としては特に制限されないが、例えば、後述する置換基群Wに例示されるものが挙げられ、アルキル基(例えば、炭素数1〜12が好ましい。)、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜12が好ましい。)、及び水酸基等が好ましい。
式(1E)中、X11〜X14は、各々独立に、窒素原子、又は−CR12=を表す。
なかでも、抗ウイルス活性が高い点で、X11〜X14は、いずれもが−CR12=を表すか、又は、1つ若しくは2つが窒素原子を表し、それ以外が−CR12=を表すことが好ましく、いずれもが−CR12=を表すことがより好ましい。
12は、水素原子、又は、水素基以外の1価の置換基を表す。
12で表される水素基以外の1価の置換基としては、水酸基以外であれば特に制限されず、例えば、後述する置換基群Wに例示されるもの(ただし、水酸基を除く)が挙げられる。R12で表される水素基以外の1価の置換基としては、アルキル基(例えば、炭素数1〜12が好ましい。)、アルケニル基(例えば、炭素数2〜12が好ましい。)、アルキニル基(例えば、炭素数2〜12が好ましい。)、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜12が好ましい。)、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミド基、及びスルホンアミド基等が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子がより好ましい。
12としては、なかでも、水素原子が好ましい。
なお、式(1)中、R12が複数ある場合、複数のR12は同一であっても、異なっていてもよい。
(置換基群W)
例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、及びトリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、及びビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。ヘテロアリール基を含む)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシルチオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基及びその他の公知の置換基が挙げられる。
また、これらの置換基群Wで挙げた各基は、上記の置換基群Wに例示される基が更に置換していてもよい。例えば、アルキル基にハロゲン原子が置換していてもよい。
11及びX12が−CR12=を表す場合、X11中のR12とX12中のR12とが連結して、芳香族性の環又は非芳香族性の環を形成してもよい。
13及びX14が−CR12=を表す場合、X13中のR12とX14中のR12とが連結して、芳香族性の環又は非芳香族性の環を形成してもよい。
12及びX14の少なくとも一方が−CR12=を表す場合、X12中のR12及びX14中のR12の一方とR11とが連結して、非芳香族性の環を形成してもよい。
上記非芳香族性の環としては、例えば、ラクトン環が挙げられる。
上記芳香族性の環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ナフタレン環状、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、及びベンゾイミダゾール環等が挙げられる。
以下に、式(1E)で表される化合物を例示するが、本発明はこれに制限されない。
また、フェノール性水酸基を有する化合物の他の形態としては、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香族環基として、式(1F)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基のみを有する化合物(以下、「化合物F」ともいう)、及び、式(1G)で表される化合物(以下、「化合物G」ともいう)が挙げられる。
<化合物F>
化合物Fは、2個以上の水酸基が置換している芳香族環基として、式(1F)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基(以下「式(1F)残基」ともいう)のみを有する化合物である。
化合物Aは、少なくとも1個の、式(1F)残基を有する。
化合物Aは、化合物中に式(1F)残基を1個のみ有していてもよく、2個以上有していてもよい。
化合物Fが式(1F)残基を2個以上有する場合、化合物Fは、式(1F)残基同士が直接結合していてもよく、複数の式(1F)残基が連結基を介して結合していてもよい。
なお、化合物Fはポリマーであっても、ポリマーでなくてもよい。
ポリマーではない化合物Fの分子量は、例えば、110〜2000が好ましく、120〜1500がより好ましい。
ポリマーではない化合物Fが有する式(1F)残基の合計数は、例えば、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
ポリマーである化合物Fは、式(1F)残基を含む繰り返し単位を有するのが好ましい。ポリマーである化合物Fの重量平均分子量は、例えば、1000〜100万が好ましく、5000〜100万がより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)によるポリスチレン換算値として定義される。
化合物Fが2個以上の式(1F)残基を有する場合、複数の式(1F)残基はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
式(1F)中、X11は、−C(OH)=、窒素原子、又は、−CR11=を表す。
12〜X14は、それぞれ独立に、−CR11=又は窒素原子を表す。
11は、水酸基以外の置換基又は水素原子を表す。
11は、−C(OH)=又は−CR11=であるのが好ましく、−C(OH)=であるのがより好ましい。
12〜X14は、−CR11=であるのが好ましい。
−CR11=が複数存在する場合、複数のR11はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
なお、本明細書において、「水酸基以外の置換基」とは、「−OH」以外の置換基でありさえすればよく、置換基内に含まれる置換基として水酸基が含まれていてもよい。例えば、R11で表される「水酸基以外の置換基」は、−CH(OH)であってもよい。
11で表される水酸基以外の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基(非芳香族複素環及び芳香族複素環等。ヘテロ原子は窒素原子、硫黄原子、又は、酸素原子が好ましい。具体的には、ピリリウム環、ベンゾピリリウム環、クロマノン環、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、シンノリル基、及び、プテリジル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子等)、ニトロ基、スルホ基、リン酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルカリ金属オキシ基(ナトリウムオキシ基及びカリウムオキシ基等)、スルホン酸塩基(スルホン酸ナトリウム基等)、糖基、ビニレン基(*−C=C−*)を有する基、エチニレン基(*−C≡C−*)を有する基、エーテル基(*−O−*)を有する基、チオエーテル基(*−S−*)を有する基、イミノ基(*−C(=N−*)−*)を有する基、エステル基(*−CO−O−*及び*−O−CO−*)を有する基、カルボニル基(*−CO−*)を有する基、ホスフィンオキシド基(*−P(=O)(−*))を有する基、ホスホン酸エステル基(*−P(=O)(−O−*))を有する基、リン酸エステル基(*−OP(=O)(−O−*))を有する基、スルフィニル基(*−S(=O)−*)を有する基、スルホニル基(*−SO−*)を有する基、アミド基(*−CO−N(−*)及び*−N(−*)−CO−*)を有する基、スルホンアミド基(*−SO−N(−*)及び*−N(−*)−SO−*)を有する基、アゾ基(*−N=N−*)を有する基、トリアルコキシシリル基(*−Si(ORS1 ))を有する基、アンモニウム基(*−N(−*))を有する基、スルホニウム基(*−S(−*))を有する基、ホスホニウム基(*−P(−*))を有する基、オキソニウム基(*−O(−*))を有する基、カルボニウム基(*−C(−*))を有する基、ハロニウム基(*−X−*;Xはハロゲン原子)を有する基、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
上記*は、結合位置を表す。
上記例示中、RS1はアルキル基を表す。1個の基中にRS1が複数存在する場合、複数のRS1は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
例示中の、イオン性基を有する基に対する対イオンに特に制限はなく、ハロゲン化物イオン等が挙げられる。
また、置換基は、可能な場合、更に置換基(特に制限はなく、水酸基であってもよい)を有していてもよい。
なお、上記例示中のアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数は1〜20が好ましい。
上記例示中のアリール基は、炭素数6〜15が好ましく、6〜10がより好ましく、
6が更に好ましい。
中でも、R11は、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基が好ましい。
ハメット置換基定数σは、Chem. Rev.1991、91、p165−195を参考にできる。
ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基の例としては、以下に示す置換基T群に属する基が挙げられる。つまり、R11は、水素原子又は置換基T群のいずれかであるのが好ましい。
(置換基T群)
置換基Tとしては、例えば、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、リン酸基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルキルオキシ基、アルカンスルホニル基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニル基、アリールスルホニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、アリールアゾ基、ヘテロアリールアゾ基、トリアルコキシシリル基、−CO−RS2、−O−CO−RS2、−CO−NRS2 、−SO−NRS2 、−NRS2(SOS2)、−N(SOS2、−SO−NRS2 、−C(=NRS2)RS2、−P(=O)(ORS2 )、−C≡CRS3、−NS2 、−SS2 、−PS2 、−OS2 、−CS2 、−XS2、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、シンノリル基、又は、プテリジル基であって、式中の芳香環に対して、σ>0となる位置で結合している基)、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
置換基T群中、RS2は水素原子又は置換基を表し、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基が好ましい。を表す。ただし、上記RS2で表される置換基は、結合する基のσを0以下にはしない。1個の基中にRS2が複数存在する場合、複数のRS2は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
置換基T群中、RS3は水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。1個の基中にRS3が複数存在する場合、複数のRS3は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
又はメット置換基定数σが0よりも大きい置換基は、例えば、−CH=CH−C(=O)−O−CHCH(σ=0.03)のように、ビニレン基、エチニレン基、イミノ基、アゾ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基等の共役基を介して、更にハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基(例えば置換基T群のいずれか)が結合しているのも好ましい。
なお、上記の置換基T群に属する基にアルキル基が含まれる場合、直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数は1〜20が好ましい。
置換基T群に属する基にアリール基が含まれる場合、炭素数6〜15が好ましく、6〜10がより好ましく、6が更に好ましい。
これらの基が更に置換基を有することができる場合、置換基(水酸基又はR11で表される置換基の例として置換基T群以前に挙げた基等)を有していてもよい。
置換基T群の中でも、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS2 、−SO−NRS2 、アシル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアゾ基、ヘテロアリールアゾ基、シアノ基、ホルミル基、又は、カルボキシル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS2 、アリールアゾ基、又は、カルボキシル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS2 、アリールアゾ基、又は、カルボキシル基が更に好ましい。
式(1F)中のX11〜X14の少なくとも1個が−CR11=であって、これらの−CR11=中、少なくとも1個のR11が、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
式(1F)中のX11〜X14の少なくとも1個が、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるR11を有する−CR11=を表すのがより好ましい。
また、式(1F)中の全てのR11で表される、水酸基以外の置換基が、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基であるのが好ましい。
また、1個の式(1F)で表される化合物中に複数のR11が存在する場合、複数のR11同士(例えば、X11及びX13が−CR11=である場合における隣接するR11同士、X11及びX14が−CR11=である場合における隣接するR11同士)は、互いに連結して環を形成していてもよい。
このようにして形成される環は、芳香環(例えば、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環)でもよく、非芳香環(例えば、非芳香族炭化水素環及び非芳香族複素環)でもよい。
また、形成される環は、単環でもよく、多環でもよい。
形成される環は、5員環もしくは6員環の単環、又は、その組み合わせである多環が好ましく、各環が複素環の場合ヘテロ原子の数は、1〜5が好ましい。
上記複素環のヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及び、ホウ素原子が挙げられる。中でも、窒素原子、硫黄原子、又は、酸素原子が好ましい。
このように形成された環は式中の芳香環と縮環して縮環構造を形成する。
このようにして式(1F)で表される化合物が形成する縮環構造としては、例えば、式中される芳香環に2個の水酸基が互いにメタ位の配置で結合する、アントラキノン環、ベンゾピリリウム環、キサントン環、クロマノン環、及び、キノリン環が挙げられる。
また、ウスニン酸及びベルゲニン等も縮環構造を形成した式(1F)で表される化合物として使用できる。
なお、形成される環は、本発明の要件に反しない限りで、更に置換基(R11で表される置換基の例として挙げた基等)を有していてもよい。
中でも、式(1F)で表される化合物は、式(P)で表される化合物であるのが好ましい。
式(P)中、RP1は、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基を表す。
P1は、−C(OH)=、窒素原子、又は、−CRP2=を表す。
P2〜XP3は、それぞれ独立に、窒素原子、又は、−CRP2=を表す。
P2は、水酸基以外の置換基又は水素原子を表し、上述のR11と同義である。RP2は、例えば、R11がとり得る基として説明した基(例えば、水素原子、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基、アルキル基、及び、アルコキシ基)が同様に挙げられ、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基が好ましい。
P1が、−CRP2=を表す場合、RP2とRP1とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、RP2同士が互いに結合して環を形成していてもよく、例えば、XP1及びXP3が−CRP2=を表す場合、2個のRP2が互いに結合して環を形成していてもよい。環を形成する態様の例としては、式(1F)で複数のR11同士が互いに結合して環を形成する態様が同様に挙げられる。
ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基の内容は上述の通りであり、例えば、置換基T群のいずれかが挙げられる。
中でも、式(1F)で表される化合物は、式(3F)で表される化合物であるのがより好ましい。
式(3F)中、R31は、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基を表す。
31は、−C(OH)=、窒素原子、又は、−CR32=を表す。
32〜X33は、それぞれ独立に、窒素原子、又は、−CR32=を表す。
32は、水素原子又はハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基を表す。
31とR32とは互いに結合して環を形成していてもよい。例えば、X31が、−CR32=を表す場合、このR32とR31とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、R32同士が互いに結合して環を形成していてもよく、例えば、X31及びX33が−CR32=を表す場合、2個のR32が互いに連結して環を形成してもよい。環を形成する態様の例としては、式(1F)で複数のR11が互いに結合して環を形成する態様が同様に挙げられる。
また、式(1F)で表される化合物は、式(1F)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基(式(1F)残基)となるので、X11〜X14のうち、少なくとも1個は、水素原子を除かれるR11を有する−CR11=であるのが好ましい。つまり、X11〜X14のうち、少なくとも1個は、R11が水素原子又は水素原子を有する基である−CR11=を表すのが好ましい。言い換えると、化合物Aにおいて、式(1F)で表される化合物は、式中の芳香環に直結する水酸基の他に、水素原子を1個以上有する化合物であるのが好ましい。この点は、上述の式(P)及び(3F)についても同様である。
化合物F中、「式(1F)残基」が結合する「式(1F)残基以外の基」に特に制限はなく、水素原子であってもよい。
ただし、式(1F)中の、水素原子を除かれるR11を有する−CR11=が、−CH=である場合において、この−CH=から除かれた水素原子が存在していた箇所に結合する「式(1F)残基以外の基」は、水酸基(−OH)以外であるのが好ましい。
また、化合物Fが式(1F)残基を1個だけ有する場合、式(1F)で表される化合物は、水素原子を除かれるR11を有する−CR11=(好ましくは−CH=)を、1個だけ有するのが好ましい。
化合物Fが式(1F)残基を1個だけ有する場合で、かつ、式(1F)中の、水素原子を除かれるR11を有する−CR11=が、−CH=である場合において、この−CH=から除かれた水素原子が存在していた箇所に結合する「式(1F)残基以外の基」の具体例としては、上述のR11が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、このような「式(1F)残基以外の基」と、式(1F)中に存在する他のR11とは、互いに結合して環を形成していてもよい。環を形成する態様の例としては、式(1F)で複数のR11同士が互いに結合して環を形成する態様が同様に挙げられる。
化合物Fが式(1F)残基を1個だけ有する場合、化合物Fとしては式(Q1)で表される化合物が好ましい。
q1は、−C(OH)=、窒素原子、又は、−CRq1=を表す。Xq2〜Xq4は、それぞれ独立に、−CRq1=又は窒素原子を表す。
q1は、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外の置換基又は水素原子を表す。
上記2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基の定義は、後段で詳述する。
q1としては、水素原子、又はR11で表される水酸基以外の置換基として挙げた置換基(ただし、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外の基を除く)が挙げられ、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外のハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基又は水素原子が好ましい。
q1としては、後述する置換基S群からなる置換基又は水素原子が好ましい。
(置換基S群)
置換基Sとしては、例えば、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、リン酸基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルキルオキシ基、アルカンスルホニル基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニル基、アリールスルホニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、アリールアゾ基、ヘテロアリールアゾ基、トリアルコキシシリル基、−CO−RS4、−O−CO−RS4、−CO−NRS4 、−SO−NRS4 、−NRS4(SOS4)、−N(SOS4、−SO−NRS4 、−C(=NRS4)RS4、−P(=O)(ORS4 )、−C≡CRS4、−NS4 、−SS4 、−PS4 、−OS4 、−CS4 、−XS4、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、シンノリル基、又は、プテリジル基であって、式中の芳香環に対して、σ>0となる位置で結合している基)、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
置換基S群中、RS4は水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。1個の基中にRS4が複数存在する場合、複数のRS4は、それぞれ同一でもよく異なっていてもよい。
なお、上記の置換基S群に属する基にアルキル基が含まれる場合、直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数は1〜20が好ましい。
置換基S群に属する基にアリール基が含まれる場合、炭素数6〜15が好ましく、6〜10がより好ましく、6が更に好ましい。
これらの基が更に置換基を有することができる場合、置換基(水酸基又はR11で表される置換基の例として置換基T群以前に挙げた基等であって2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外の基を除く基)を有していてもよい。
置換基S群の中でも、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS4 、−SO−NRS4 、アシル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアゾ基、、ヘテロアリールアゾ基、シアノ基、ホルミル基、又は、カルボキシル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS4 、アリールアゾ基、又は、カルボキシル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、−CO−NRS4 、アリールアゾ基、又は、カルボキシル基が更に好ましい。
−CRq1=が複数存在する場合、複数のRq1はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。複数のRq1同士は互いに結合して環を形成していてもよい。
形成される環の種類としては、上述した式(1E)中の複数のR11同士が互いに連結して形成する環にて説明した環が挙げられる。
上述の2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基とは、1価の基でもよく、2価以上の基であってもよい。上記6員環の芳香環基を構成する環としては、6員環の芳香族炭化水素環及び6員環の芳香族複素環が挙げられる。2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環を、基の一部分として含む基も、上記2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基に該当する。
式(Q1)で表される化合物としては、式(Q2)で表される化合物が好ましい。
式(Q2)中、Rq21は、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外のハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基又は水素原子を表す。
q21としては、置換基S群からなる置換基又は水素原子が好ましい。置換基S群の定義及び好適態様は、上述した通りである。
q21は、−C(OH)=、窒素原子、又は、−CRq22=を表す。
q22〜Xq23は、それぞれ独立に、窒素原子、又は、−CRq22=を表す。
q22は、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外の置換基又は水素原子を表し、上述のRq1と同義である。中でも、Rq22としては、水酸基及び2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基以外のハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基又は水素原子が好ましく、置換基S群からなる置換基又は水素原子がより好ましい。置換基S群の定義及び好適態様は、上述した通りである。
q21が、−CRq22=を表す場合、Rq22とRq21とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、Rq22同士が互いに結合して環を形成していてもよく、例えば、Xq21及びXq23が−CRq22=を表す場合、2個のRq22が互いに結合して環を形成していてもよい。形成される環の種類としては、上述した式(1F)中の複数のR11同士が互いに連結して形成する環にて説明した環が挙げられる。
化合物Fが、式(1F)残基をm個有する場合、化合物Aが有する、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基の数はm個であるのが好ましい。なお、mは、正の整数を意図する。
化合物Fが式(1F)残基を2個以上有する場合、式(1F)残基としては、下記式(1−2F)で表される基が好ましい。
式(1−2F)中、X1−2は−CR1−2=、窒素原子、又はC(OH)=を表す。
1−2は、式(1F)中のR11と同義である。
*は、結合位置を表す。
化合物Fが式(1F)残基を2個以上有する場合、化合物Fとしては、以下の式(A1F)で表される化合物が好ましい。
式(A1F)中、X1−2は、式(1−2F)中のX1−2と同義である。
1−2は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、エーテル基、カルボニル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、チオエーテル基、−SO−、−NR−(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。)、2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及び、アリーレン基)、ヘテロアリーレン基、アゾ基、及び、これらを組み合わせた基が挙げられる。
なかでも、L1−2は、単結合、エステル基(好ましくは、−CO−O−で表され、基中の炭素原子が式中の芳香環に直接結合するエステル基)、又は、アミド基(好ましくは、−CO−NH−で表され、基中の炭素原子が式中の芳香環に直接結合するアミド基)が好ましい。
z1は、2以上の整数を表す。
z1、例えば、2〜10が好ましい。
z1が2の場合、Zは単結合又は2価の連結基を表し、mz1が2よりも大きい場合、Zはmz1価の連結基を表す。
中でも、mz1が2の場合、Zは、単結合又は下記式で表される2価の連結基が好ましい。式中Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましい)を表す。Arはアリーレン基(炭素数1〜20が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基が好ましく、アントラセニレン基がより好ましい)を表す。*は、L1−2との結合位置を表す。
z1が3の場合、Zは、下記式で表される3価の連結基のいずれかが好ましい。式中Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、メチル基がより好ましい)を表す。*は、L1−2との結合位置を表す。
z1が4の場合、Zは、下記式で表される4価の連結基のいずれかが好ましい。*は、L1−2との結合位置を表す。
z1が5の場合、Zは、下記式で表される5価の連結基が好ましい。*は、L1−2との結合位置を表す。
z1が6の場合、Zは、下記式で表される6価の連結基が好ましい。*は、L1−2との結合位置を表す。
化合物Fがポリマーであって、式(1F)残基を含む繰り返し単位を有する場合、化合物Fは、下記式で表される繰り返し単位を有するのが好ましい。
なお、ポリマーは、以下の式で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。
式中、Rxmaは、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、メチル基がより好ましい)、又は、パーフルオロアルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を有していてもよい。炭素数1〜20が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい)を表す。
Lxは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、L1−2で表される2価の連結基の定義と同じである。
Xは、式(1F)残基を表す。
上述の通り、化合物Fは、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基として、式(1F)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基のみを有する。
つまり、化合物Fは、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基として、そのうちのいずれもの水酸基がほかの全ての水酸基に対して互いにメタ位で配置されている6員環の芳香環基のみを有する。
言い換えると、化合物Aは、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基であって、そのうちの2個の水酸基が互いにオルト位又はパラ位で配置されている6員環の芳香環基を有さない。
上記6員環の芳香環基は、多環基に含まれた形態の6員環の芳香環基も包含することを意図し、例えば、化合物Aは、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、又は、1,2,4−トリヒドロキシナフタレン、から水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個以上除いた残基を有さない。
2個の水酸基が互いにオルト位又はパラ位で配置されている6員環の芳香環基が、酸化によりキノン体となるのに対して、2個の水酸基が互いメタ位で配置されている6員環の芳香環基(式(1F)残基)は、水酸基の配置上キノン体を形成しにくいため、2個の水酸基が互いにオルト位又はパラ位で配置されている6員環の芳香環基と比べて化学的に安定である。そのため、化合物Fが、2個以上の水酸基が置換している6員環の芳香環基として、式(1F)残基のみを有することで、組成物の保存安定性が改善されている。2個の水酸基が互いメタ位で配置されている6員環の芳香環基(式(1F)残基)に、ハメット置換基定数σが0よりも大きい置換基を導入することで、組成物の保存安定性は更に改善される。
<化合物G>
化合物Gは、式(2G)で表される化合物である。化合物Gも水酸基がいずれもメタ位の位置で配置されている6員環の芳香環基であるため、化学的に安定で、保存安定性に優れる。
以下に、化合物F及び化合物Gを例示するが、上記化合物は以下に制限されない。
上記化合物中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Gluはグルコース残基を表す。
フェノール性水酸基を有する化合物の他の形態としては、以下の、式(1H)で表される化合物、化合物(2Ai)、及び、式(3J)で表される化合物が挙げられる。
<式(1H)で表される化合物>
上記式(1H)中、X11は、窒素原子、又は−CR11=を表す。
上記R11は、水素原子、又は水酸基及びアルコキシカルボニル基を除く1価の置換基を表す。
11で表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、下記に示す置換基群T2に例示されるもの(但し、水酸基、及びアルコキシカルボニル基を除く)が挙げられる。
(置換基群T2)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26のアリール基)、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリール基である。少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5又は6員環のヘテロアリール基がより好ましい。ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、シンノリル基、及びプテリジル基等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールオキシ基)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリールオキシ基である。少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5又は6員環のヘテロアリールオキシ基がより好ましい。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20のアルキルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26のアリールチオ基)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリールチオ基である。少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5又は6員環のチオヘテロアリール基がより好ましい。)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜25のアラルキル基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、又は、アリールアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、及びアニリノ等)、水酸基、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、パーフルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基)、パーフルオロアリール基(好ましくは炭素数6〜26のパーフルオロアリール基)、パーフルオロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基)、アルコキシカルボニル基(−CO111)、アシル基(−COR112)、アシルオキシ基(−OCOR113)、スルホンアミド基(−SONR114115)、ホスホン酸エステル基(−PO(OR116)(OH)、又は−PO(OR117)、トリアルコキシシリル基(−Si(OR118)、アミド基(−CONR119120、−NR121COR122)、アンモニウム基(−N123 )、スルホニウム基(−S124125)、ホスホニウム基(−P126127)、オキソニウム基(−O128129)、カルボニウム基(−C130131)、及びハロニウム基(−X132:Xは、ハロゲン原子を表す。)、イミノ基(−C=NR133)、アルカンスルホニル基(−SO134)、アルカンスルホニルオキシ基(−OSO135)、アルカンスルフィニル基(−SOR136)、アリール若しくはヘテロアリールスルホニル基(−SOAr)、アリール若しくはヘテロアリールスルホニルオキシ基(−OSOAr)、アリール若しくはヘテロアリールスルフィニル(−OSOAr)、及び、アリール若しくはヘテロアリールアゾ基(−N=N−Ar)等が挙げられる。
上記R111〜R118は、各々独立して、1価の置換基を表す。R111〜R118で表される1価の置換基としては、具体的には、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26のアリール基)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリール基である。少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5又は6員環のヘテロアリール基がより好ましい。)が好ましい。
上記R119〜R133は、各々独立して、水素原子、又は1価の置換基を表す。
119〜R133で表される1価の置換基としては、具体的には、上記R111〜R118で表される1価の置換基として例示したものが挙げられる。
上記R134〜R136は、各々独立して、脂肪族炭化水素基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)を表す。
上記Arは、アリール基(好ましくは炭素数6〜26のアリール基)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリール基である。少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5又は6員環のヘテロアリール基がより好ましい。)を表す。
また、これらの置換基群T2、R119〜R133、R134〜R136、及びArで挙げた各基は、上記の置換基群T2に例示される基が更に置換していてもよい。
また、上記置換基が酸性基又は塩基性基のときはその塩を形成していてもよい。
化合物、置換基、及び連結基等が、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、又はアルキニレン基等を含むとき、これらは直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。
なお、R11が、上記置換基群T2中に例示される水酸基及びアルコキシカルボニル基を表す場合はない。しかし、上記置換基群T2中に例示される水酸基及びアルコキシカルボニル基が、上記置換基群T2に例示される置換基から水素原子を一個以上除いた残基と結合して置換基を形成する場合、上記置換基は、R11で表される置換基として許容される。
上記式(1H)中のR11で表される1価の置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基)、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシ基若しくはその塩、リン酸基若しくはその塩、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましい。)、アセタール基、ニトロ基、又はアリール若しくはヘテロアリールアゾ基(−N=N−Ar)が好ましい。
これらの基は、更に、上述した置換基群T2に例示される基で置換されていてもよい。なお、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール若しくはヘテロアリールアゾ基が置換基を有する場合、置換基としては、具体的には、水酸基、及びアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基)、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシ基若しくはその塩、リン酸基若しくはその塩、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基)、及びハロゲン原子等が挙げられる。
上記X12〜X15は、各々独立に、窒素原子、又は−CR12=を表す。
上記R12は、水素原子、又は水酸基を除く1価の置換基を表す。
12で表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、上述した置換基群T2に例示されるもの(但し、水酸基を除く)が挙げられる。
上記式(1H)中のR12で表される1価の置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基)、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシ基若しくはその塩、リン酸基若しくはその塩、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましい。)、アセタール基、ニトロ基、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基)、又はアリール若しくはヘテロアリールアゾ基(−N=N−Ar)が好ましい。
これらの基は、更に、上述した置換基群T2に例示される基で置換されていてもよい。なお、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール若しくはヘテロアリールアゾ基が置換基を有する場合、置換基としては、具体的には、水酸基(フェノール性水酸基は除く)、及びアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基)、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシ基若しくはその塩、リン酸基若しくはその塩、及びハロゲン原子等が挙げられる。
なお、X13又はX14が−CR12=を表す場合、R12はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
なお、式(1H)において、複数のR12同士、並びに、R11及びR12は、互いに連結して環構造を形成してもよい。複数のR12同士、又は、R11及びR12が互いに連結して環構造を形成する場合、上記環構造は、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよい。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
ヘテロ原子の種類は特に制限されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子等が挙げられる。なかでも、抗ウイルス活性により優れる点で、−Y−、−N(Ra)−、−C(=Y)−、−CON(Rb)−、−C(=Y)Y−、−SOt−、−SON(Rc)−、又はこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
〜Yは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、及びテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。上記Ra、Rb、及びRcは、各々独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は炭素数2〜13のヘテロアリール基を表す。
また、複数のR12同士、又は、R11及びR12が互いに連結して環構造を形成する場合、上記環構造は、更に置換基(例えば置換基群T2で例示したもの)を有していてもよい。
また、式(1H)において、R12が複数存在する場合、各々同一であっても、異なっていてもよい。
式(1H)で表される化合物は、なかでも、抗ウイルス活性が高い点で、X11が−CR11=を表し、且つ、X12〜X15がいずれも−CR12=を表すか、又は、X11〜X15のうち1つ若しくは2つが窒素原子を表し、それ以外が−CR11=又は−CR12=を表すことが好ましい。
また、式(1H)で表される化合物は、フェノール性水酸基を1つのみ含む化合物であることが好ましい。
<化合物(2Ai)>
化合物(2Ai)は、下記式(2i)で表される化合物中の、水酸基中の水素原子以外の水素原子を1個又は2個除いた残基(以下、「式(2i)残基」ともいう。)を2個以上含む化合物が該当する。
化合物(2Ai)は、複数の式(2i)残基同士が直接結合した構造であってもよいし、複数の式(2i)残基が連結基を介して結合した構造であってもよい。また、化合物(2Ai)中に存在する複数の式(2i)残基は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
化合物(2Ai)中、式(2i)残基の数は、特に制限されないが、2〜10000個が好ましい。
化合物(2Ai)の分子量(分子量分布を有する場合には重量平均分子量)は特に制限されないが、例えば、185〜100万であり、185〜50万が好ましい。なお、化合物(2Ai)がポリマーである場合、重量平均分子量(Mw)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)によるポリスチレン換算値として定義される。
以下に、まず、式(2i)残基について説明する。
上記式(2i)中、X21は、窒素原子、又は−CR21=を表す。R21は、水素原子、又は水酸基を除く1価の置換基を表す。
21で表される1価の置換基としては特に制限されないが、
例えば、上述した置換基群Tに例示されるもの(但し、水酸基を除く)が挙げられる。
22〜X25は、各々独立に、窒素原子、又は−CR22=を表す。R22は、水素原子、又は水酸基を除く1価の置換基を表す。
22で表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、上述した置換基群Tに例示されるもの(但し、水酸基を除く)が挙げられる。
なお、式(2i)において、複数のR22同士、並びに、R21及びR22は、互いに連結して環構造を形成してもよい。複数のR22同士、又は、R21及びR22が互いに連結して環構造を形成する場合、上記環構造は、芳香族環であっても、非芳香族環であってもよい。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
ヘテロ原子の種類は特に制限されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子等が挙げられる。
また、式(2i)において、R22が複数存在する場合、各々同一であっても、異なっていてもよい。
式(2i)で表される化合物は、なかでも、抗ウイルス活性が高い点で、X21が−CR21=を表し、且つ、X22〜X25がいずれも−CR22=を表すか、又は、X21〜X25のうち1つ若しくは2つが窒素原子を表し、それ以外が−CR21=又は−CR22=を表すことが好ましい。
上記式(2i)で表される化合物は、式中に明示される水酸基中の水素原子以外の水素原子が1個又は2個除かれることにより残基を形成する。言い換えると、上記式(2i)で表される化合物は、X21〜X25のうち1個又は2個が−CH=を表すか、又は、X21〜X25のうち1個又は2個が、水素原子を有する基である−CR21=若しくは−CR22=を表す。つまり、上記式(2i)で表される化合物は、上記1個又は2個の水素原子が除かれることにより残基を形成する。
上記式(2i)で表される化合物は、
・X21〜X25のうち少なくとも1個又は2個が−CH=を表し、且つ、上述した1個又は2個の−CH=中の水素原子が除かれることにより残基を形成するか、
・X21が−CR21=、X22が−CR22=を表し、且つ、上記R21及び上記R22が互いに連結して形成される環構造上の水素原子が1個又は2個除かれることにより残基を形成するか、
・X22及びX23がいずれも−CR22=を表し、且つ、これら2個のR22が互いに連結して形成される環構造上の水素原子が1個又は2個除かれることにより残基を形成することが好ましい。
なかでも、上記式(2i)で表される化合物は、X21〜X25のうち少なくとも1個又は2個が−CH=を表し、且つ、上述した1個又は2個の−CH=中の水素原子が除かれることにより残基を形成することがより好ましい。
なお、式(2i)において、抗ウイルス性がより優れる点で、配糖体でないことが好ましい。
次に、化合物(2Ai)について説明する。
上述のとおり、化合物(2Ai)は、複数の式(2i)残基同士が直接結合した構造であってもよいし、複数の式(2i)残基が連結基を介して結合した構造であってもよい。
化合物(2Ai)は、複数の式(2i)残基が連結基を介して結合した構造である場合、下記式(2A−1i)で表される化合物、下記式(2A−2i)で表される化合物、下記式(2A−3i)で表される化合物、又は、下記式(2A−4i)で表される繰り返し単位を含むポリマーが好ましい。
(下記式(2A−1i)で表される化合物)
上記式(2A−1i)中、Y21は、下記式(2−1i)で表される基、下記式(2−2i)で表される基、又は下記式(2−3i)で表される基を表す。なお、下記式(2−1i)で表される基、下記式(2−2i)で表される基、及び下記式(2−3i)で表される基は、上記式(2i)で表される化合物から形成される残基であって、X21〜X25のうち少なくとも1個が−CH=を表し、且つ、1個の上記−CH=中の水素原子が除かれて形成される残基に該当する。
なお、上記式式(2−1i)で表される基、上記式(2−2i)で表される基、及び上記式(2−3i)で表される基中、X21〜X25は、上述した式(2i)中のX21〜X25と同義である。
上記式(2A−1i)中、M21は、p価の連結基を表す。つまり、式(2A−1i)は、上記式(2−1i)で表される基、上記式(2−2i)で表される基、又は上記式(2−3i)で表される基をp個有する化合物に該当する。
pは、2以上の整数を表し、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。
21で表される連結基としては特に制限されないが、例えば下記に示す連結基が挙げられる。
・2価の連結基
21で表される2価の連結基は特に制限されないが、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素環基であってもよい。2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素環基としては、炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜20)であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO−、−NR−、−CO−、−(C=O)O−及びこれらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。ここで、Rは、水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アリール基(好ましくは炭素数1〜16)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜13)を表す。
なお、上記複素環及びヘテロアリール基としては、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を環構造内に有する5〜7員環であることが好ましく、5〜6員環がより好ましい。
上述した2価の連結基は、更に置換されていてもよい。置換基としては特に制限されないが、上記置換基群Tで例示されるものが挙げられる。
・3価以上の連結基
21で表される3価以上の連結基は特に制限されないが、例えば、炭素原子、珪素原子、窒素原子、p価の脂肪族炭化水素環、p価の芳香族炭化水素環、又はp価の複素環が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素環に含まれる炭素数は、3〜15が好ましく、3〜10がより好ましく、5〜10が更に好ましい。
上記芳香族炭化水素環に含まれる炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が更に好ましい。
上記複素環としては、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を環構造内に有する5〜7員環であることが好ましく、5〜6員環がより好ましい。
21で表される3価以上の連結基としては、具体的には、下記式(M1)〜式(M11)で表される基が挙げられる。
なお、下記式(M1)〜式(M11)中、L24〜L69は、各々独立に、単結合、又は2価の連結基を表す。L24〜L69で表される2価の連結基としては特に制限されないが、例えば、上述したM21で表される2価の連結基と同様のものが挙げられる。
は、1価の置換基を表す。Rで表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、上述した置換基群Tに例示されるものが挙げられる。
qは、1〜3の整数を表し、1又は2がより好ましい。
*は、上述したY21との連結位置を表す。
(下記式(2A−2i)で表される化合物)
上記式(2A−2i)中、Y22及びY23は、上記式(2A−1i)中のY21と同義である。
21及びL22は、単結合、又は2価の連結基を表す。L21及びL22で表される2価の連結基としては、上記式(2A−1i)中のM21で表される2価の連結基と同義である。L21及びL22としては、2価の連結基が好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。
21は、上記式(2i)で表される化合物から形成される残基であり、X21〜X25のうち2個が少なくとも−CH=を表し、且つ、2個の上記−CH=中の水素原子が除かれて形成される残基であることが好ましい。Z21で表される残基としては、例えば、下記式(2−4i)で表される基が挙げられる。
なお、上記式式(2−4i)で表される基中、X21、X22、及びX25は、上述した式(2i)中のX21〜X25と同義である。
rは、1〜6の整数を表す。rとしては、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
(下記式(2A−3i)で表される化合物)
上記式(2A−3i)中、Z22は、上記式(2A−2i)中のZ21と同義であり、好適態様も同じである。
23は、単結合、又は2価の連結基を表す。L23で表される2価の連結基としては、上記式(2A−1i)中のM21で表される2価の連結基と同義である。L23としては、2価の連結基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
sは、1〜6の整数を表す。rとしては、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
(下記式(2A−4i)で表される繰り返し単位を含むポリマー)
上記式(2A−4i)中、R23〜R25は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
24は、上記式(2A−1i)中のY21と同義である。
72は、単結合、又は2価の連結基を表す。L72で表される2価の連結基としては、上記式(2A−1i)中のM21で表される2価の連結基と同義である。L72としては、単結合、−CO−、−CONR−、−O−、炭素数1〜10のアルキレン基、及びこれらの基を組み合わせた2価の連結基好ましく、単結合、−CO−、−CONR−、−O−、又は炭素数1〜3のアルキレン基、及びこれらの基を組み合わせた2価の連結基がより好ましい。上記Rは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜13)を表す。なお、上記ヘテロアリール基としては、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を環構造内に有する5〜7員環であることが好ましく、5〜6員環がより好ましい。
上述した2価の連結基は、更に置換されていてもよい。置換基としては特に制限されないが、上記置換基群T2で例示されるものが挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、以下の化合物も挙げられる。なお、下記例示化合物中、n及びmは、モル比率を表す。

〔溶媒〕
上記組成物はアルコールを含有する溶媒を含有する。組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の固形分が、組成物全質量に対して、0.01〜99.5質量%となるよう調製されることが好ましく、0.1〜90質量%がより好ましく。0.2〜50質量%が更に好ましく、0.2〜20質量%が特に好ましく、0.2〜5質量%が最も好ましい。
<アルコール>
溶媒は、アルコールを含有する。アルコールの含有量は、抗ウイルス活性により優れる点で、溶媒の全体積に対して、30〜100体積%が好ましく、40〜100体積%がより好ましく、60〜100体積%以上が更に好ましく、70〜100体積%が特に好ましい。アルコールは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のアルコールを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、本明細書において、アルコールとは、アルコール性水酸基を有する化合物を意味し、フェノール性水酸基を有する化合物は含まれないものとする。
アルコールとしては特に制限されないが、例えば、炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状、及び環状のアルコール(エーテルアルコールを含む)が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール酢酸モノエステル、グリセリン、n−ブタノール、2−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、ブタン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチルブタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブテノール、3−メチル−3−ブタノール、1−ペンテン−3−オール、n−ヘキサノール、カプリルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、デカノール、リナロール、ゲラニオール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、シトロネロール、テルピネオール、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、及びジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
アルコールは、安全性の観点から食品添加物であることが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール酢酸モノエステル、n−ブタノール、2−ブタノール、ブタン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、2−メチル−1−ブタノール、1−デカノール、1−ペンテン−3−オール、2−エチル1−ヘキサノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブテノール、3−メチル−3−ブタノール、イソアミルアルコール、i−ブタノール、ベンジルアルコール、シトロネロール、テルピネオール、ヒドロキシシトロネラール、又はヒドロキシシトロネラールジメチルアセタールが好ましい。
溶媒は、抗ウイルス活性値のばらつきがより小さくなる点で、アルコールとして、炭素数が2以下のアルコールと炭素数が3以上のアルコールとを含有することが好ましい、言い換えれば、炭素数が2以下のアルコール及び炭素数が3以上のアルコールの両方を含有することが好ましい。
炭素数3が以上のアルコールは、炭素数が2以下のアルコールと比較すると脂溶性が高く、ウイルス自体、及び、ウイルスを含有する有機物(例えば、汚れ等)を除去しやすいと考えられる。このため、組成物が、炭素数が2以下のアルコール及び炭素数が3以上のアルコールの両方を含有する場合、抗ウイルス活性値のばらつきがより小さくなると考えられる。
なお、炭素数が2以下のアルコールと炭素数が3以上のアルコールとを併用する場合、組成物中における炭素数2以下のアルコールの体積に対する炭素数3以上のアルコールの体積の体積比(炭素数3以上のアルコールの体積/炭素数2以下のアルコールの体積)は、0.01〜0.9が好ましく、0.03〜0.5がより好ましく、0.03〜0.4が更に好ましい。
<その他の化合物>
溶媒は、アルコール以外の化合物を含有してもよい。
アルコール以外の化合物としては、水、又は、有機溶媒(アルコールは除く。)が挙げられる。
上記有機溶媒としては特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ベンゼール、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸イソプロピル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸メンチル、酢酸リナリル、酪酸、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸シクロヘキシル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールジメチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−メチルプロパナール、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、3−メチルブタナール、L−ペリルアルデヒド、アセトアルデヒド、アセト酢酸エチル、イソアミルアセテート、イソバレルアルデヒド、イソブタナール、酢酸イソプロピル、イソプロピルミリステレート、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタナール、オクタン酸エチル、オクタナール、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクチルアルデヒド、ギ酸、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、シトラール、シトロネラール、ジイソプロピルエーテル、ジイソプロピルジサルファイド、ジイソプロピルジスルフィド、ジエチルエーテル、ジエチルタートレート、ジエチルピロカーボネート、デカナール、デカン酸エチル、トリアセチン、クエン酸三エチル、トルエン、ノナラクトン、バレルアルデヒド、パラメチルアセトフェノン、パラメトキシベンズアルデヒド、ひまし油、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、ブタナール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン、ヘプタン、ベンズアルデヒド、ユーカリプトール、イオノン、酢酸テルピニル、α−アミルシンナムアルデヒド、臭素化植物油、酢酸、二炭酸ジメチル、乳酸エチル、熱酸化大豆油、熱酸化大豆油とグリセリンのエステル、及び流動パラフィン等が挙げられる。
中でも、安全性上の観点から食品添加物であることが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸イソプロピル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸メンチル、酢酸リナリル、酪酸、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸シクロヘキシル、2−メチルプロパナール、2−メチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール3−メチルブタナール、l−ペリルアルデヒド、アセトアルデヒド、アセト酢酸エチル、イソアミルアセテート、イソバレルアルデヒド、イソブタナール、酢酸イソプロピル、イソプロピルミリステレート、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタナール、オクタン酸、オクタン酸エチル、オクチルアルデヒド、ギ酸、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、シトラール、シトロネラール、ジイソプロピルエーテル、ジイソプロピルジサルファイド、ジイソプロピルジスルフィド、ジエチルエーテル、ジエチルタートレート、ジエチルピロカーボネート、デカナール、デカン酸エチル、トリアセチン、クエン酸三エチル、トルエン、ノナラクトン、バレルアルデヒド、パラメチルアセトフェノン、パラメトキシベンズアルデヒド、ひまし油、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、ブタナール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン、ヘプタン、ベンズアルデヒド、ユーカリプトール、イオノン、酢酸テルピニル、α−アミルシンナムアルデヒド、臭素化植物油、酢酸、二炭酸ジメチル、乳酸エチル、熱酸化大豆油、熱酸化大豆油とグリセリンのエステル、又は流動パラフィンが好ましい。
〔強塩基〕
上記組成物は、強塩基を含有する。組成物中における強塩基の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。強塩基は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の強塩基を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、本明細書において、強塩基とは、金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、及び、ナトリウムエトキシド等)、金属酸化物(例えば、酸化カルシウム、及び、酸化マグネシウムなど)、金属水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アルミニウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ユウロピリウム(II)、及び、水酸化タリウム(I)等)、水酸化4級アンモニウム、有機塩基(グアニジン誘導体、ジアザビシクロウンデセン、及び、ジアザビシクロノネン等)、フォスファゼン塩基、並びに、プロアザフォスファトラン塩基等が挙げられる。
中でも安全性の観点から食品添加物である、ナトリウムメトキシド、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、又は、水酸化ナトリウムが好ましい。
〔酸化防止剤〕
上記組成物は、酸化防止剤を含有する。組成物中における酸化防止剤の含有量としては特に制限されないが、組成物の全質量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.3〜2質量%が更に好ましい。酸化防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の酸化防止剤を併用する場合に、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
酸化防止剤としては特に制限されないが、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、及び、酢酸トコフェロール等のトコフェロール誘導体;BHT(ジブチルヒドロキシトルエン);BHA(ブチルヒドロキシアニソール);フェルラ酸;没食子酸プロピル等の没食子酸誘導体;ビタミンC(アスコルビン酸)、及び、その誘導体;エリソルビン酸、及び、その誘導体;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩;チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩;メタ亜硫酸水素塩;等が挙げられる。
より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、酸化防止剤は、チオール基を有する化合物が含有することが好ましく、チオール基を有する化合物からなることがより好ましい。なお本明細書においてチオール基とは、*−SHで表される基(*は結合位置を表す)を意味する。チオール基を有する化合物は、1分子に付き1個以上のチオール基を有して入れればよい。なお、本明細書において、チオール基を有する化合物は、フェノール性水酸基を有しない化合物を意味し、チオール基とフェノール性水酸基とを有する化合物は、すでに説明したフェノール性水酸基を有する化合物に該当するものとする。
チオール基を有する化合物としては、特に制限されないが、チオール基、及び、置換及び/又は無置換のアミノ基を有する化合物が好ましく、以下の式(A0)で表される部分構造を有する化合物がより好ましい。
式(A0)中、R、及び、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。なお、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点でチオール基を有する化合物としては、(A1)で表される化合物又はその塩が特に好ましい。
式(A1)中、Lは単結合又は2価の連結基であり、2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、及び、置換アルキニレン基等)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、及び、置換アリーレン基)、2価の複素環基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR−、ここでRは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、カルボニル基(−CO−)、及び、これらの組合せ等が挙げられ、なかでも、アルキレン基、カルボニル基、イミノ基、又は、これらの組み合わせが好ましい。
式(A1)中、Rは水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置換基としてはアルキル基が好ましく、アルキル基の炭素数としては特に制限されないが、一般に1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。
式(A1)中、Rは水素原子、又は、式(A2)で表される基を表す。
式(A2)中、*は結合位置を表し、Rは1価の置換基を表し、置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及び、式(A2−1)で表される基が好ましい。また、塩としては特に制限されず、例えば、塩酸塩が好ましい。
式(A2−1)中、L及びRの形態は式(A1)中のL及びRの形態と同様である。
式(A1)で表される化合物又は塩としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、N−アセチル−L−システイン、L−システイン、L−システイン塩酸塩、L−システインメチル塩酸塩、L−システインエチル塩酸塩、D−システイン塩酸塩、D−システインメチル塩酸塩、D−システインエチル塩酸塩、及び、グルタチオン(還元型)等が挙げられる。
また、酸化防止剤の他の形態としては、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、ピロン構造を有する化合物を含有することが好ましく、ピロン構造を有する化合物からなることが好ましい。なお、本明細書において、ピロン構造を有する化合物とは、2−ピロン、及び、4−ピロン、並びに、これらの有する水素原子を引き抜いた基を有する化合物、及び、ピロン構造を含む縮環構造(クマリン環及びクロモン環等)を有する化合物を意味する。なお、本明細書において、ピロン構造を有する化合物は、酸化防止剤に該当し、フェノール性水酸基を有さない化合物には含まれない。ピロン構造とフェノール性水酸基とを有する化合物は、酸化防止剤に該当するものとする。
ピロン構造を有する化合物としては、例えば、以下の(A3−0)又は(A4−0)で表される化合物が挙げられる。
式(A3−0)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよく、式(A4−0)中、RG〜RJはそれぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、ピロン構造を有する化合物は、水酸基を有する化合物が好ましく、具体的には、以下の式(A3)又は式(A4)で表される化合物がより好ましい。
式(A3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、1価の置換基を表し、L及びLはそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の連結基を表す。
及びRの1価の置換基としては、特に制限されないが、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、及び、アミノ基等が挙げられる。
及びLの2価の連結基としては、特に制限されないが、式(A1)のLとして説明した2価の連結基の形態と同様である。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、R及びRはそれぞれ独立に、水酸基、又は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
また、2価の連結基であるL及びLとしては、それぞれ独立に、アルキレン基、イミノ基、又は、これらの組み合わせが好ましく、アルキレン基がより好ましい。
式(A3)で表される化合物の具体例としては、例えば、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン(マルトール)、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロン(エチルマルトール)、3−ヒドロキシ−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−ピロン、及び、コウジ酸等が挙げられる。
式(A4)中、Rは1価の置換基を表す。1価の置換基としては、式(A3)のR及びRの1価の置換基として既に説明した形態と同様である。なかでもより優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、1価の置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
式4で表される化合物の具体例としては、例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−2−ピロン、及び、ヒスピジン(6−(3,4−ジヒドロキシスチリル)−4−ヒドロキシ−2−ピロン)等が挙げられる。
〔その他の成分〕
上記組成物は、本発明の効果を奏する限りにおいて、上記以外の成分を含有してもよい。そのような成分としては特に制限されないが、例えば、殺菌剤、消毒剤、除菌剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤・ゲル化剤、防腐剤、香料、及び、色素等が挙げられる。
<殺菌剤、消毒剤、及び除菌剤>
上記組成物は、殺菌剤、消毒剤、又は、除菌剤(以下、「抗菌剤等」ともいう。)を含有してもよい。
殺菌剤、消毒剤、及び除菌剤としては特に制限されず、例えば、第4級アンモニウム塩、金属を含む抗菌剤、光触媒、アルデヒド系化合物、ヨード系化合物、ピグアニド化合物、及びアクリノール水和物等が挙げられる。
(4級アンモニウム塩)
4級アンモニウム塩としては特に制限されず、例えば、下記式(N1)〜(N4)で表される化合物が挙げられる。
式(N1)中、RN11〜RN14は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又は、ヘテロアリール基を示す。
N11〜RN14で表される脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよい。
また、RN11〜RN14で表される脂肪族炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子の種類は特に制限されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、又は、テルル原子等が挙げられる。なかでも、抗ウイルス活性により優れる点で、−Y−、−N(Ra)−、−C(=Y)−、−CON(Rb)−、−C(=Y)Y−、−SOt−、−SON(Rc)−、又は、これらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
〜Yは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、及び、テルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、又は、硫黄原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。上記Ra、Rb、及び、Rcは、それぞれ独立に、水素原子、又は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
なお、上記脂肪族炭化水素基がヘテロ原子を含む場合、−CH−がヘテロ原子で置換される。
N11〜RN14で表される脂肪族炭化水素基としては、具体的には、アルキル基(炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がよりしい)、アルケニル基(炭素数2〜30が好ましく、炭素数2〜20がより好ましい)、又はアルキニル基(炭素数2〜30が好ましく、炭素数2〜20がより好ましい)等が挙げられる。なかでも、アルキル基が好ましい。
N11〜RN14で表されるアリール基としては、例えば、上述した式(1A)中のR11で表されるアリール基が挙げられる。
N11〜RN14で表されるアラルキル基としては特に制限されないが、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基が好ましく、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、1−(1−ナフチル)エチル基、トリフェニルメチル基、及び、ピレニルメチル基等が挙げられる。
N11〜RN14で表されるヘテロアリール基としては、例えば、炭素数3〜12のヘテロアリール基が好ましく、例えば、フリル基、チオフリル基、ピリジル基、ピラゾール基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、プリン基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジル基、カルバゾリル基、キノキサリル基、及び、チアジン基等が挙げられる。
N11〜RN14で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、及び、ヘテロアリール基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したR11がなり得る置換基が挙げられる。
は、水酸化物イオン以外の1価のアニオンを表す。
としては、具体的には、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I、Br 、BrCl、I 、IBr 、ClBr、HF 、H 、AuBr 、AuCl 、AuI 、及び、FeCl が挙げられる。)、カルボキシレートアニオン、シアン化物アニオン、スルホンイミドアニオン(N(SOR):Rは、フッ素原子、炭化水素基(例えば、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。)、又は、パーフルオロ炭化水素基(例えば、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基が挙げられる。)である。)、ボロヒドリドアニオン、ジクロロヨウ素酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスファートアニオン、過塩素酸アニオン、硫酸アニオン、硫酸水素アニオン、硝酸アニオン、ジシアナミドアニオン[N(CN)]、アジ化物アニオン(N )、アルカン又はアリールスルホン酸アニオン、パーフルオロアルカン又はアリールスルホン酸アニオン、アルキル又はアリール硫酸エステルアニオン(ROSO :Rは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を表す。)、アルキル又はアリールリン酸エステルアニオン((RO)PO :Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を表す。)、チオシアン化物アニオン(SCN)、トリアセトキシボロヒドリドアニオン、ペルルテナートアニオン(RuO )、Cu(CF 、C(CN) 、及び、CFBF が挙げられる。
以下に、式(N1)で表される化合物を例示する。
式(N2)中、Xは、式(N1)中のXと同義であり、好適態様も同じである。
また、RN21及びRN22は、式(N1)中のRN11〜RN14と同義であり、好適態様も同じである。
N21及びYN22は、それぞれ独立に、−C(RN23−、−NRN24−、−O−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、又は、−SO−を表す。
N23は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、へテロアリール基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1価の有機基を表す。
N24は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、及び、へテロアリール基からなる群より選ばれる1価の有機基を表す。
N23及びRN24で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、及び、ヘテロアリール基は、式(N1)中のRN11〜RN14で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又は、ヘテロアリール基と同義であり、好適態様も同じである。
N23及びRN24で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。
N23及びRN24で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又は、ヘテロアリール基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したR11がなり得る置換基が挙げられる。
なお、YN21又はYN22が、−C(RN23−又はNRN24−を表す場合、RN21で表される1価の有機基は、RN23又はRN24と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
また、RN21及びRN22は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
は、1〜18の整数を表す。
以下に、式(N2)で表される化合物を例示する。
式(N3)中、Xは、式(N1)中のXと同義であり、好適態様も同じである。
また、RN31は、式(N1)中のRN11〜RN14と同義であり、好適態様も同じである。
N31〜YN35は、それぞれ独立に、窒素原子又は=CRN32−を表す。RN32は、水素原子又は1価の置換基を示す。
N32で表される1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、上述したR11がなり得る置換基が挙げられる。
なお、YN31〜YN35のうちの2以上が=CRN32−を表す場合、隣接する炭素原子に置換するRN32同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
また、YN31〜YN35が=CRN32−を表す場合、RN32で表される1価の置換基は、RN31と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
以下に、式(N3)で表される化合物を例示する。
式(N4)中、Xは、式(N1)中のXと同義であり、好適態様も同じである。
また、RN41及びRN42は、式(N1)中のRN11〜RN14と同義であり、好適態様も同じである。
また、YN41〜YN43は、式(N3)のYN31〜YN35と同義であり、好適態様も同じである。
N44は、>NRN41で表される基、硫黄原子、又は、酸素原子を表す。
以下に、式(N4)で表される化合物を例示するが、本発明はこれに制限されない。
(金属を含む抗菌剤)
金属を含む抗菌剤としては特に制限されず、公知のものを使用できる。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、水銀、亜鉛、鉄、鉛、ビスマス、チタン、錫、及びニッケル等が挙げられる。また、金属を含む抗菌剤に含まれる金属の態様は特に限定されず、金属粒子、金属イオン、及び金属塩(金属錯体を含む)等の形態が挙げられる。なかでも、抗菌性がより優れる点で、金属は、金、銀、又は銅が好ましい。
また、金属を含む抗菌剤としては、担体と、担体上に担持された上記金属を含む金属担持担体であってもよい。
担体の種類は特に限定されず、公知の担体を使用できる。担体としては、例えば、無機酸化物(例えば、ゼオライト(結晶性アルミノケイサン塩)、シリカゲル、粘土鉱物等のケイ酸塩、ガラス(水溶性ガラスを含む)、リン酸ジルコニウム、及びリン酸カルシウム等)、活性炭、金属担体、及び有機金属等が挙げられる。
金属を含む抗菌剤としては、抗菌性により優れる点で、銀を含む抗菌剤が好ましい。
銀を含む抗菌剤としては、具体的には、硝酸銀、塩化銀、硫酸銀、乳酸銀、及び酢酸銀等の銀塩;銀アンモニア錯体、銀クロロ錯体、及び銀チオスルファト錯体等の銀錯体;銀粒子;銀イオン;これらを上記担体に担持させた銀担持担体;等が挙げられる。
(光触媒)
光触媒としては、光触媒作用を示すことが知られている物質であれば特に制限されず、例えば、TiO2、SrTiO2、ZnO、CdS、SnO2、及びWO3等が挙げられる。
(アルデヒド系化合物)
アルデヒド系化合物としては特に制限されないが、例えば、グルタラール、フタラール、及びホルマリン等が挙げられる。
(ヨード系化合物)
ヨード系化合物としては特に制限されないが、例えば、ポピドンヨード、及びヨードチンキ等が挙げられる。
(ピグアニド化合物)
ピグアニド化合物としては特に制限されないが、例えば、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、及びクロルヘキシジン酢酸塩等が挙げられる。
上記組成物中における抗菌剤等の含有量としては、特に制限されないが、組成物の全質量に対して、0.1〜10.0質量%が好ましい。抗菌剤等は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の抗菌剤等を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<界面活性剤>
上記組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を含有する組成物を基布に含浸させてワイパーとして使用する場合、拭き残しが少なく、洗浄性により優れる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤(但し、ここでいうイオン性界面活性剤に、4級アンモニウム塩は含まれない)、並びにノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルリン酸塩、及び、コール酸塩(デオキシコール酸ナトリウム等)等のアニオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩等のカチオン性界面活性剤;が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、モノ−,ジ−,若しくはポリグリセリンの脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸モノエステル等のエステル型;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレンアルキルエーテル、及び、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテル型(花王株式会社製、エマルゲンシリーズ等);脂肪酸ポリエチレングリコール、及び、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン等のエステルエーテル型;脂肪酸アルカノールアミド等のアルカノールアミド型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエステル、及びポリエチレングリコールモノステアリルエステル等が挙げられる。
なかでも、安全性の観点から、食品添加物であることが好ましく、界面活性剤としては、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、クエン酸三エチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ヒマワリレシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、キラヤ抽出物、酵素処理レシチン、植物性ステロール、植物レシチン、スフィンゴ脂質、ダイズサポニン、胆汁末、動物性ステロール、分別レシチン、ユッカフォーム抽出物、及び、卵黄レシチン等が挙げられる。
なお、ノニオン系界面活性剤としては、炭素数が、20を超えるものが好ましい。
組成物中の界面活性剤の含有量としては特に制限されないが、組成物の全質量に対して、0.05〜5質量%が好ましい。界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の界面活性剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
上記組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。
紫外線吸収剤としては特に制限されないが、例えば、パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、及びパラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のパラアミノ安息香酸系化合物;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、及びp−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系化合物;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系化合物;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸−2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、並びにシラン誘導体等が挙げられる。
組成物中における紫外線吸収剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましい。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の紫外線吸収剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<保湿剤>
上記組成物は保湿剤を含有してもよい。
保湿剤としては特に制限されず、例えば、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アロエエキス、ゼラチン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、及びホエイ等が挙げられる。
組成物中における保湿剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.05〜5質量%が好ましい。保湿剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の保湿剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<キレート剤>
上記組成物はキレート剤を含有してもよい。
アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族又は脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、リン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤、ジメチルグリオキシム、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸、及びグリオキサール酸等が挙げられる。これらのキレート剤は、それぞれフリーの酸型であっても、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形であってもよい。
アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、グルタミン酸ジ酢酸、アスパラギン酸ジ酢酸、及びこれらの塩類等が挙げられる。
芳香族又は脂肪族カルボン酸系キレート剤としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イタコン酸、アコニット酸、ピルビン酸、アミノ安息香酸(アントラニル酸を含む)、フタル酸、フマル酸、トリメリット酸、没食子酸、ヘキサヒドロフタル酸、及びこれらの塩類等が挙げられる。
アミノ酸系キレート剤としては、例えば、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、メチオニン、及びこれらの塩類等が挙げられる。
ホスホン酸系キレート剤としては、例えば、イミノジメチルホスホン酸、アルキルジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及びこれらの塩類等が挙げられる。
リン酸系キレート剤としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、トリリン酸、及びポリリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸系キレート剤としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、乳酸、及びこれらの塩類等が挙げられる。
高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤としては、例えば、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体、及びこれらの重合体の構成モノマー2種以上からなる共重合体、並びにエポキシコハク酸重合体等が挙げられる。
組成物中におけるキレート剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましい。キレート剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のキレート剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<増粘剤及びゲル化剤>
組成物は増粘剤又はゲル化剤(以下「増粘剤等」ともいう。)を含有してもよい。
増粘剤及びゲル化剤としては、例えば、グリセリン、無水マレイン酸・メチルビニルエーテル共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はそれらの誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、えん麦ガム、アカシアガム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、カロブビーンガム、ガティガム、アルギン酸及びその塩(アンモニウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム)、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルブミン、カゼイン、カードラン、βグルカン及びβグルカン誘導体、ローカストビーンガム、ジェランガム、カッシアガム、マンナン、タラガム、トラガントガム、タマリンドガム、デキストラン、ポリデキストロース、α−グルコース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩(カルシウム、ナトリウム)、酵素分解カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル化エピ架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、アミロール、アミロペクチン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、酸化ヒドロキシプロピル化エピ架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アルカリ処理デンプン、酸化ヒドロキシプロピル化エピ架橋デンプン、グリセロール架橋デンプン、酸処理デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、酢酸デンプン、漂白デンプン、酵素処理デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンコハク酸ナトリウム、グルコマンナン、シクロデキストリン、デキストリン、プルラン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ユーケマ、β−1,3−グルカン寒天並びにα−グルコースの誘導体等が挙げられる。
組成物中における増粘剤等の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましい。増粘剤等は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の増粘剤等を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<防腐剤>
上記組成物は防腐剤を含有してもよい。
防腐剤としては特に制限されないが、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、過酸化水素、ギ酸、ギ酸エチル、ジ亜塩素酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ペクチン分解物、ポリリジン、フェノキシエタノール、チラム、チアベンダゾール、イマザリル、ジフェニル、ナタマイシン、フルジオキソニル、アゾキシストロビン、及びティートリー油が挙げられる。
組成物中における防腐剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましい。防腐剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の防腐剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<香料>
上記組成物は、香料を含有してもよい。
香料としては特に制限されないが、例えば、ジャコウ、アカシア油、アニス油、イランイラン油、ジャスミン油、スウィートオレンジ油、スペアミント油、ゼラニウム油、ネロリ油、ハッカ油、ヒノキ油、フェンネル油、ペパーミント油、ベルガモット油、ライム油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズウッド油、アニスアルデヒド、シベトン、ムスコン、及びリモネン等が挙げられる。
組成物中における香料の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.005〜0.5質量%が好ましい。香料は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の香料を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<色素>
上記組成物は、色素を含有してもよい。
色素としては特に制限されないが、例えば、オキアミ色素、オレンジ色素、カオリン、グンジョウ、酸化クロム、酸化鉄、二酸化チタン、及びクロロフィル等が挙げられる。
組成物中における色素の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましい。色素は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の色素を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
〔組成物の製造方法〕
上記組成物は、各成分を、適宜混合することによって調製できる。なお、上記成分の混合の順番は特に制限されない。
〔剤型〕
本発明の組成物の剤型は特に制限されないが、例えば、液剤、ジェル剤、洗浄料、エアゾールスプレー剤、及び、非エアゾールスプレー剤等が挙げられる。
〔組成物の用途〕
上記組成物の用途としては特に制限されない。組成物の用途は、カリシウィルス科、オルトミクソウィルス科、コロナウィルス科、及び、ヘルペスウィルス科等に属するウイルスを不活化する作用を有するため、上記のウイルスに作用させて上記のウイルスの活性を減少させる用途、すなわち抗ウイルス用が好ましい。なお、カリシウィルス科に属するウイルスとしては、ノロウィルス属、サポウィルス属、ラゴウィルス属、ネボウィルス属、及び、ベシウィルス属に属するウイルス等が挙げられ、中でも、組成物は、ノロウィルス属に属するウイルス及びベシウィルス属に属するウイルスに対して良好な不活化効果を発揮する。
上記組成物は、調製後一定期間保管した後に使用しても優れた抗ノロウィルス活性を有する。従って、上記組成物は、抗ノロウィルス用、すなわち、ノロウィルスに作用させ、ノロウィルスの活性を減少させるために使用されるのが好ましい。
上記組成物の使用方法としては特に制限されないが、ノロウィルスが付着、又は、付着するおそれがある箇所に、塗布することができる。組成物を塗布する方法としては特に制限されないが、例えば組成物を上記箇所に噴霧する方法、組成物を含む基布等によって、上記箇所を拭く方法、及び、液体洗浄料である組成物で手指を洗浄する方法等が挙げられる。
[スプレー]
本発明実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、スプレー容器に収容された組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明実施形態に係るスプレーとしては、上記組成物と噴射剤とをスプレー容器に充填した形態が挙げられる。噴射剤としては、特に制限されないが、例えば液化石油ガス等が挙げられる。非エアゾールスプレー容器としては、例えば、ポンプ式、及びトリガー式等の蓄圧式・直圧式のスプレー容器が挙げられる。
上記スプレーは、抗ノロウィルス用、すなわち、ノロウィルスに作用させて、ノロウィルスの活性を減少させるために使用されることが好ましい。
[ワイパー]
本発明の実施形態に係るワイパーは、基布と、基布に含浸された上記組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
上記基布としては、特に制限されず、天然繊維で形成されたものであっても、化学繊維で形成されたものであってもよい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、セルロース、及び、絹等が挙げられる。
化学繊維としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、ポリエチレンテレフタレート及び、ポリクラール等が挙げられる。
これらの基布のうち、組成物を含浸させやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及び、スルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及び、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び、脱脂綿等も使用でき、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下の方法により組成物を調製し、調製した組成物を用いて、抗ウイルス活性を評価した。なお、抗ウイルス活性の評価には、ネコカリシウィルス及びインフルエンザウィルスを使用した。このうち、ネコカリシウィルスは、ノロウィルスに対する薬剤の不活化作用を実証するために用いられることが広く知られている。
(組成物の作製)
ガラス製容器に、タンニン酸(和光純薬製)を90mgとり、エタノール、イソプロパノール、及び、水の混合溶媒30mLに溶解させ、タンニン酸溶液を得た。なお、混合溶媒は、エタノール、イソプロパノール、及び、水のそれぞれの含有量として、エタノールが76.5体積%、イソプロパノールが3.5体積%、水が20体積%となるよう調製した。次に、タンニン酸溶液に、N−アセチル−L−システイン(和光純薬製)を90mg添加し、これを溶解させた後、更に、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を300μL添加し、実施例1の組成物を得た。
また、上記と同様にして、表1に記載した成分を用いて、各実施例及び各比較例の組成物を調製した。調製した組成物は、後述する初期抗ウイルス活性の評価試験に供するとともに、次ぎの保管試験に供した。
(保管試験)
各実施例及び各比較例の組成物を、室温で1ヶ月間静置して、後述する経時後の抗ウイルス活性評価試験に供した。
[初期抗ウイルス活性、及び、経時後の抗ウイルス活性の評価:ネコカリシウィルス]
上記で調製、及び、保管した各実施例及び比較例の組成物の抗ウイルス活性を以下の方法で評価した。
まず、MEM(Minimum Essential Media)培地中でネコカリシウィルス(Feline calicivirus:ATCC VR−782)を培養して得たウイルス液を、上記で作製した組成物に接種した後に、10秒間撹拌し、約25℃で5分間静置した。次に、ウイルス液接種後の組成物の0.1mLを回収し、9.9mLのSCDLP培地(Soybean−Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80、血清を終濃度10%となるように添加したもの)に入れてよく混合し、試験液を得た。次に、寒天培地上で培養したCRFK細胞(猫腎由来株化細胞、ATCC CCL−94)に、上記試験液を0.1mL接種し、37℃で1時間吸着させた。次に、CRFK細胞上の試験液を洗い流し、寒天培地を重層して2〜3日間培養した。培養後、寒天培地上に形成されたプラーク数を計数し、感染価を算出し、これを「組成物の感染価」とした。また、組成物に代えて滅菌済精製水を用いた以外は上記と同様にして作製した検体についても感染価を算出し、これを「対照の感染価」とした。
組成物の抗ウイルス活性値は下記式を用いて算出し、下記基準を用いて計算結果を評価した。結果は、表1の抗ウイルス活性欄の「初期」及び「経時後」に示した。
・抗ウイルス活性値の計算方法
抗ウイルス活性値=A−B
A:対照の感染価の常用対数値、B:組成物の感染価の常用対数値
・抗ウイルス活性の評価基準
A:抗ウイルス活性値が3.0以上だった。
B:抗ウイルス活性値が2.0以上、3.0未満だった。
C:抗ウイルス活性値が1.5以上、2.0未満だった。
D:抗ウイルス活性値が1.5未満だった。
[ウェットワイパー形態での抗ウイルス活性の評価]
表2に記載したとおりの組成となるようにしたこと以外は、実施例1の組成物の調製方法と同様の方法で組成物を調製した。この組成物を室温で1ヶ月間静置して、放置後の組成物を用いて、日本衛生材料工業会が定める「ウェットワイパー類の除菌性能試験方法(平成27年11月16日改定版)」を参考にして、拭き取り試験を実施した。具体的な要領としては、日本衛生材料工業会が定める「ウェットワイパー類の除菌性能試験方法(平成27年11月16日改定版)」に準じて、試験担体(ステンレス板)に上記試験ウイルス液を接種し、これを乾燥後、上記組成物を含浸させた試験布を巻きつけたおもりで拭き取った。次に、上記試験担体(ステンレス板)をMEM液体培地で洗浄し、洗浄後の上記液体培地を回収した。この洗浄及び回収操作を3回繰り返し、3回分の洗浄液をあわせて、検体作成用のウィルス液とした。また、組成物を含浸させた試験布に代えて、滅菌精製水を含浸させた試験布を用いた以外は上記と同様にして、対照検体作成用のウィルス液を得た。
次に、上記検体作成用のウィルス液の0.1mLを回収し、9.9mLのSCDLP培地に入れてよく混合し、試験液を得た。次に、寒天培地上で培養したCRFK細胞に、上記試験液を0.1mL接種し、37℃で1時間吸着させた。次に、CRFK細胞上の試験液を洗い流し、寒天培地を重層して2〜3日間培養した。培養後、寒天培地上に形成されたプラーク数を計数し、感染価を算出し、これを「組成物の感染価」とした。また、検体作成用のウィルス液に代えて対照検体作成用のウィルス液を用いた以外は上記と同様にして作製した検体についても感染価を算出し、これを「対照の感染価」とした。
式2: 抗ウイルス活性値=A−B
上記Aは、対照の感染価の常用対数値を表す。
上記Bは、抗ウイルス用組成物の感染価の常用対数値を表す。
(評価基準)
「A」:抗ウイルス活性値が2.0以上
「B」:抗ウイルス活性値が2.0未満
(ばらつきの評価)
表2に示す各実施例の組成物を各々5ロットずつ作製し、各組成物を室温で1ヶ月間静置して、各々に対して、上記と同様の方法で拭き取り試験を実施した。次いで、ウェットワイパー形態での抗ウイルス活性の評価にて示した方法と同様の方法で抗ウイルス活性値を算出し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
「A」:抗ウイルス活性値の最大値と最小値の差が0.5未満
「B」:抗ウイルス活性値の最大値と最小値の差が0.5以上
[経時後の抗ウイルス活性の評価:インフルエンザウィルス]
表3に示す各実施例の組成物を室温で1ヶ月間静置して、インフルエンザウィルスに対する抗ウイルス活性を以下の方法で評価した。
まず、MEM(Minimum Essential Media)培地中でインフルエンザウィルス(Influenza A virus(H3N2):ATCC VR−1679)を培養して得たウイルス液を、上記で作製した組成物に接種した後に、10秒間撹拌し、約25℃で1分間静置した。次に、ウイルス液接種後の組成物の0.1mLを回収し、9.9mLのSCDLP培地(Soybean−Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80)に入れてよく混合し、試験液を得た。次に、寒天培地上で培養したMDCK細胞(犬腎尿細管上皮由来細胞、ATCC CCL−34)に、上記試験液を0.1mL接種し、34℃で1時間吸着させた。次に、MDCK細胞上の試験液を洗い流し、寒天培地を重層して2〜3日間培養した。培養後、寒天培地上に形成されたプラーク数を計数し、感染価を算出し、これを「組成物の感染価」とした。また、組成物に代えて滅菌済精製水を用いた以外は上記と同様にして作製した検体についても感染価を算出し、これを「対照の感染価」とした。
組成物の抗ウイルス活性値は下記式を用いて算出し、下記基準を用いて計算結果を評価した。結果は、表3に示した。
・抗ウイルス活性値の計算方法
抗ウイルス活性値=A−B
A:対照の感染価の常用対数値、B:組成物の感染価の常用対数値
[経時後の除菌活性の評価:大腸菌・黄色ぶどう球菌]
表4に記載した組成物を室温で1ヶ月間静置して、大腸菌及び黄色ぶどう球菌に対する除菌活性を評価した。試験は、洗剤・石けん公正取引協議会が定める、住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法に準拠して実施した。試験に用いた細菌の菌株は、大腸菌:Escherichia coli NBRC 3972、黄色ぶどう球菌:Staphylococcus aureus NBRC 12732とした。
組成物の除菌活性値は下記式を用いて算出し、下記基準を用いて計算結果を評価した。結果は、表4に示した。
・除菌活性値の計算方法
除菌活性値=A−B
A:対照試料の常用対数値、B:組成物の常用対数値
なお、表1中、「タンニン酸」とあるのは、以下の化合物を意味する。
また、表中、各略号は以下の化合物を表す。
IPA:イソプロパノール
NaOH:1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液
C2以下のアルコール:炭素数が2以下のアルコール
C3以上のアルコール:炭素数が3以上のアルコール
表1に示した結果から、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルコールを含有する溶媒と、強塩基と、酸化防止剤と、を含有する、実施例1〜11の組成物は本発明の効果を有していた。なお、上記のいずれか1つ又はすべてを含有しない比較例1〜5の組成物は本発明の効果を有していなかった。
また、酸化防止剤がチオール基を有する化合物からなる実施例1の組成物は、実施例11の組成物と比較してより優れた本発明の効果を有していた。
また、酸化防止剤がピロン構造を有する化合物からなる実施例10の組成物は、実施例11の組成物と比較してより優れた本発明の効果を有していた。
また、表2に示した結果から、炭素数2以下のアルコールと、炭素数3以上のアルコールとを含有する組成物を用いて作成したウェットワイパーでは、抗ウィルス活性のばらつきがより小さいことがわかった。
また、表3に示した結果から、上記組成物は、一定期間保管後に使用しても、インフルエンザウィルスに対する優れた抗ウィルス活性を有していることがわかった。
また、表4に示した結果から、上記組成物は、除菌活性も有していることがわかった。

Claims (19)

  1. フェノール性水酸基を有する化合物と、アルコールを含有する溶媒と、強塩基と、酸化防止剤と、を含有する組成物。
  2. 前記溶媒中におけるアルコールの含有量が、前記溶媒の全体積に対して、30〜100体積%である、請求項1の組成物。
  3. 前記アルコールが、炭素数が2以下のアルコール、及び、炭素数が3以上のアルコールの両方を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記酸化防止剤が、チオール基を有する化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記酸化防止剤が、ピロン構造を有する化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 抗ウイルス用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 抗ノロウィルス用である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. スプレー容器と、前記スプレー容器に収容された請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物と、を有する、スプレー。
  9. 抗ウイルス用である、請求項8に記載のスプレー。
  10. 抗ノロウィルス用である、請求項8又は9に記載のスプレー。
  11. 基布と、前記基布に含浸された請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物と、を有するワイパー。
  12. 抗ウイルス用である、請求項11に記載のワイパー。
  13. 抗ノロウィルス用である、請求項11又は12に記載のワイパー。
  14. ジェル剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 抗ウイルス用ジェル剤である、請求項14に記載の組成物。
  16. 抗ノロウィルス用ジェル剤である、請求項14又は15に記載の組成物。
  17. 洗浄料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 抗ウイルス用洗浄料である、請求項17に記載の組成物。
  19. 抗ノロウィルス用洗浄料である、請求項17又は18に記載の組成物。
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