JP2019081497A

JP2019081497A - 助手席用エアバッグ装置

Info

Publication number: JP2019081497A
Application number: JP2017210800A
Authority: JP
Inventors: 泰伸山崎; Yasunobu Yamazaki; 大野　光由; Mitsuyoshi Ono; 光由大野; 郁雄山田; Ikuo Yamada
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 2017-10-31
Filing date: 2017-10-31
Publication date: 2019-05-30
Anticipated expiration: 2037-10-31
Also published as: US20190126883A1; US11072305B2; JP6916089B2

Abstract

【課題】車両中央側の側方に展開される部分を有する助手席用エアバッグにおいて、当該部分の圧力差を抑制する。【解決手段】助手席用のエアバッグ１０は、助手席の前方に展開する前方展開部１２と、前方展開部１２と連通し、助手席の車両中央寄りの側方に展開する側方展開部１４と、を備える。側方展開部１４の内部には、展開時に略水平となる配置で水平テザー１８が設けられている。エアバッグ１０に前方から展開用ガスが注入される際に、水平テザー１８は展開用ガスの流れを妨げないため、側方展開部１４内の圧力が均一化されることになる。【選択図】図１

Description

本発明は、助手席用エアバッグ装置に関し、特にエアバッグの構造に関する。

車両において、搭乗者から遠い側の前方側面から荷重が加わった場合（例えば、オブリーク、スモールオーバーラップなど）、搭乗者の頭部が、車両の前方かつ中央側に動くことがある。

下記特許文献１には、車両の助手席用のエアバッグについて記載されている。このエアバッグでは、搭乗者の前方に展開するとともに、車両の中央側の側方にも展開する構造を備えている。

図４は、下記特許文献１を参照して、従来の助手席用エアバッグについて概略的に示した上面図である。エアバッグ１００は、前方に展開される部分１０２と、側方に展開される部分１０４を備えている。側方に展開される部分１０２には、その内部に、テザー１０６が設けられている。テザー１０６は、上下方向かつ左右方向（車幅方向）に拡がる面形状に作られており、側方に展開される部分１０４の内壁面を左右に繋いでいる。

特開２０１７−６５３９５号公報

図４に記載したエアバッグ１００では、前方から展開用ガスが注入されて展開する際に、テザー１０６があるために、前方側の空間１０８と後方側の空間１１０とで、圧力が異なることが考えられる。この場合、テザー１０６が接続された位置１１２付近に搭乗者の頭部が接触した場合に、空間１０８と空間１１０とから異なる大きさの反力を受けることになる。特に、位置１１２では、テザー１０６によって、曲率半径も小さくなっており、反力が小さくなることが考えられる。

本発明の目的は、車両中央側の側方に展開される部分を有する助手席用エアバッグにおいて、当該部分の圧力差を抑制することにある。

実施形態にかかる助手席用エアバッグ装置は、通常時には車両の助手席前方に折り畳み収納され、展開時には展開用ガスが注入されることにより助手席側に向かって展開されるエアバッグと、前記エアバッグに展開用ガスを注入する注入機構と、を備え、前記エアバッグは、助手席の前方に展開する前方展開部と、前記前方展開部と連通し、助手席の車両中央寄りの側方に展開する側方展開部と、を備え、前記側方展開部の内部には、展開時に略水平となる配置でテザーが設けられている、ことを特徴とする。

助手席用のエアバッグは、助手席前方のインストルメントパネルなど、助手席の前方部分に収納されている。そして、加速度センサが所定の加速度を検出するなど、所定の条件を満たす場合に、注入機構から展開用ガスが注入されて、エアバッグは助手席の前方に展開される。

エアバッグは、前方展開部と、側方展開部を備える。前方展開部と側方展開部は連通しており、その境目は必ずしも明確ではないが、ここでは、前方展開部の後面（助手席側の面）を基準として、それよりも後ろ側にある部分を側方展開部と呼ぶことにする。側方展開部が、車両後方側に伸びる長さは特に限定されるものではない。例えば、助手席の搭乗者が座席に着座している状態で、その真横まで延びる形状であってもよし、それよりも短くてもよい。後者の場合には、搭乗者が前方にある程度倒れ込んだ際に、その側方を保護することになる。また、側方展開部の上下方向の長さも特に限定されるものではない。例えば、平均的な身長範囲に属する搭乗者の頭部をカバーすることを前提としたものであってもよいし、上半身全体をカバーすることを前提としたものであってもよい。

テザーは、エアバッグの内壁面と内壁面につながれて、膨張時に、エアバッグの形状を規制する部材である。テザーの形状は特に限定されるものではなく、面形状であってもよいし、細長い紐形状であってもよい。側方展開部の内部には、展開時に略水平となるような配置でテザーが設けられる。ここで略水平とは、水平面を基準として±３０度よりも水平に近い角度をいう。水平に近づけて、±２０度以内、±１０度以内、あるいは、±５度以内に設定するようにしてもよい。このテザーは、基本的には、側方展開部内にのみ配置されるが、例えば、台形形状である場合に、その一部が前方展開部内にまたがるものであってもよい。しかし、その場合にも、主たる範囲（例えばテザーの全体の面積のうち７０％以上、８０％以上、あるいは９０％以上）は、側方展開部に配置される。

エアバッグの側方展開部には、テザーが水平に設けられており、前方から注入される展開用ガスがほぼ均一に充填される。このため、テザーを上下方向に設置していた従来技術に比べて、側方展開部における圧力差を縮小される。

実施形態にかかるエアバッグの概略的な斜視図である。エアバッグの概略的な側面図である。エアバッグと搭乗者についての概略的な上面図である。従来技術に係るエアバッグの概略的な上面図である。

以下に図面を参照して実施形態について説明を行う。

図１は、実施形態にかかる助手席用のエアバッグ１０の概略的な斜視図である。左下の座標は、車両の搭乗者の視点における前後、左右、上下の各方向を示している。

エアバッグ１０は、搭乗者からみて運転席が左側にある車両におけるものである。すなわち、助手席は、車両の右側にある。エアバッグ１０は、通常は収納部２２に収納されているが、所定の条件を満たした場合には、展開用ガスが充填されて展開される。図１では、展開された状態におけるエアバッグ１０を示している。

エアバッグ１０は、可撓性を有したシート状の素材を袋状に加工して形成されたものである。助手席の前方に拡がる前方展開部１２と、車両の中央側に拡がる側方展開部１４を備えている。エアバッグ１０の内部には、複数のテザーと呼ばれる部材が設けられている。テザーは、エアバッグ１０の内壁面間に設けられて、エアバッグ１０の展開形状を規制するものである。テザーが全く設けられていない場合、エアバッグ１０は体積を最大化するように球形に近い形に膨張しようとする。これに対し、テザーを設けた場合には、内壁面間の距離がテザーによって規制されるため、意図した形状に展開させることが可能となる。

図１には、側方展開部１４に設けた水平テザー１８を示している。水平テザー１８は、平面形状部材によって作られている。そして、側方展開部１４における助手席側の側面１４ａの内壁と、中央側の側面１４ｂの内壁とに取り付けられている。水平テザー１８は、エアバッグ１０の展開時には、ほぼ水平状態となるように配置されている。

図２は、運転席側からエアバッグ１０をみた側面図である。図２には、フロントガラス２６の断面と、インストルメントパネル２０の断面も示されている。また、インストルメントパネル２０の内部に設けられた収納部２２には、通常時に折り畳み収納されているエアバッグ１０ａが示されている。そして、エアバッグ１０ａの背後には、展開用ガスの注入機構をなすインフレータ２４が設けられている。

エアバッグ１０は、インフレータ２４から展開用ガスの注入を受けて、インストルメントパネル２０とフロントガラス２６に接触しつつ、助手席の前方に展開される。図示したように、側方展開部１４には、ほぼ水平に水平テザー１８が設けられている。

続いて、図３を参照して、エアバッグ１０の展開時における搭乗者の動作について説明する。図３は、エアバッグ１０とその周囲について示した概略的な上面図である。図３には、通常における助手席の搭乗者３０ａと、エアバッグ１０の展開時における搭乗者３０も示している。エアバッグ１０の前方展開部１２は、通常時における搭乗者３０ａの前方に展開されており、側方展開部１４は搭乗者３０ａの前方かつ左側に展開されている。

例えば、車両の運転席側の前方側面から荷重が加わったことでエアバッグ１０が展開する場合（例えば、オブリーク、スモールオーバーラップなど）、その荷重の方向によっては、搭乗者３０ａは車両の前方かつ中央側に移動する。図３の搭乗者３０は、側方展開部１４に今まさに接触しようとしているところである。この場合、図４に示した例とは異なり、側方展開部１４は、全体がほぼ同じ圧力で展開している。すなわち、水平テザー１８は、前方から送られてきた展開用ガスの動きをほとんど邪魔しないため、展開用ガスが側方展開部１４内でほぼ均一に分布して、均一な圧力を作り出している。この結果、搭乗者３０は、側方展開部１４から均一な反力を受けながら、側方展開部１４に接触していくことができる。

以上においては、側方展開部１４には、水平テザー１８を１枚だけ設置するものとして説明を行った。しかし、水平テザー１８を異なる高さに２枚あるいは３枚以上設置するようにしてもよい。

また、ここでは、平面形状の水平テザー１８を用いたが、細長い紐形状のテザーを用いることも可能である。紐形状のテザーは、側方展開部の両側面１４ａ、１４ｂの内壁に水平に取り付けられて、取り付け点同士の距離を規制することになる。紐形状のテザーを複数設けることで、平面形状のテザーを１枚または複数枚設ける場合と類似した効果を得られることがある。紐形状のテザーを水平に設ける場合には、さらに側方展開部１４の上下の内壁面を結ぶ紐形状のテザーを設けるようにしてもよい。

前方展開部１２にも、通常は、１乃至２以上のテザーが設けられる。これらは、本実施形態と両立できるものである。ただし、側方展開部１４に水平テザー１８を設ける場合において、水平テザー１８の上方または下方の空間に展開用ガスが入りにくいようにテザーを設けることは避けるほうがよい。前方展開部１２から側方展開部１４へは十分な連通性が確保されることで、側方展開部１４をほぼ均一に展開することが可能となるためである。

以上に示した実施形態は、本発明を実施する態様を例示したものであり、本発明は、これ以外にも様々な態様で実施可能である。

１０、１０ａエアバッグ、１２前方展開部、１４側方展開部、１４ａ、１４ｂ側面、１８水平テザー、２０インストルメントパネル、２２収納部、２４インフレータ、２６フロントガラス、３０、３０ａ搭乗者、１００エアバッグ、１０２、１０４部分、１０６テザー、１０８、１１０空間、１１２位置。

Claims

通常時には車両の助手席前方に折り畳み収納され、展開時には展開用ガスが注入されることにより助手席側に向かって展開されるエアバッグと、
前記エアバッグに展開用ガスを注入する注入機構と、
を備え、
前記エアバッグは、助手席の前方に展開する前方展開部と、前記前方展開部と連通し、助手席の車両中央寄りの側方に展開する側方展開部と、を備え、
前記側方展開部の内部には、展開時に略水平となる配置でテザーが設けられている、ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。