JP2019081136A - 不織布への塗工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を不織布に塗工する不織布への塗工方法において、塗工液の裏抜けに起因するピンホール等の欠陥の発生を、多量の廃棄物を生じさせることなく、高度に回避できる塗工方法を提供することにある。【解決手段】塗工液を付与された不織布が、表面にはっ水剤が付着している、表面が繊維質からなる搬送ロールにより搬送される不織布への塗工方法を用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、不織布への塗工方法に関する。
不織布を基材とし、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工して機能性を付与することが行われている。例えば、基材となる不織布に、不揮発分である樹脂、無機粒子、有機粒子等を媒体である水、有機溶媒に分散又は溶解させた塗工液を塗工して、リチウムイオン電池用セパレータ、ろ過膜等が製造されている。リチウムイオン電池用セパレータにおいては、非発電要素であるセパレータが電池内で占める体積の割合を減らすため、厚さ30μm以下という薄いセパレータが求められている。ろ過膜においては、ろ過性能を向上させるために、同体積のモジュール内により大面積のろ過膜を収納できることが望ましく、薄くすることが求められている。
リチウムイオン電池用セパレータ、ろ過膜等の製品の厚さを薄くするためには、基材として薄い不織布を使用する必要がある。厚み30μm以下といった薄い不織布を基材として使用する場合、「塗工液の裏抜け」、すなわち、塗工液が不織布の反対面に滲み出す現象に起因し、種々の問題が発生する。具体的には、滲み出した塗工液により不織布が搬送ロールや搬送支持体に粘着して搬送が困難になる問題、不織布への塗工液付与量が部分的に不足してピンホール等の欠陥を生じる問題、搬送ロールや搬送支持体に一旦転写した塗工液やその乾固物が不織布に再転写して塗工均一性が低下する問題等が発生する。特に、リチウムイオン電池用セパレータ、ろ過膜等においては、ポア径等の物性が均一であることが求められるため、ピンホール等の塗工欠陥の発生や塗工均一性の低下は、性能を低下させる深刻な問題である。
塗工液の裏抜け(以下、「塗工液の裏抜け」を「裏抜け」と記す場合がある)に伴うこれら諸問題を解決するために、以下のような技術が提案されている。例えば、不織布と、塗工液を塗工してなる塗工層を、搬送支持体と積層し、乾燥後に搬送支持体を剥離して製品を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。搬送支持体としては、裏抜けが発生しない、緻密な紙や樹脂フィルムが開示されている。また、2層の不織布を積層し、双方の不織布に塗工液を含浸し、片面から塗工液を凝固させた後、2層の不織布を剥離してその一方を製品として得る方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、これらの方法には、使用後の搬送支持体や一方の不織布を廃棄することから、コストが高くなるのみならず、大量の廃棄物が生じる等の問題があった。
また、塗工液を付与した後の不織布を特定のロールを用いて搬送することによって、裏抜けに伴う面質の悪化を回避する方法も提案されている(例えば、特許文献6〜8参照)。しかし、これらの方法では、基材として非常に薄い不織布を用いた場合等に、ピンホール等の欠点が発生する場合があり、その効果には未だ改善の余地がある。
特定の物性の不織布を使用する方法(例えば、特許文献9参照)、特定の物性の塗工液を使用する方法(例えば、特許文献10及び11参照)によって、裏抜けを回避する方法も提案されている。しかし、これらの方法では、不織布や塗工液の選択の幅が狭いために、製品性能やコストの観点から最適な不織布や塗工液が選択できなくなる場合があった。とりわけ、裏抜けが少ない不織布は、必然的に液体や気体の透過性が低い不織布となってしまうため、リチウムイオン電池用セパレータやろ過膜と言った、物質やイオンの透過を目的とした製品においては、著しい制約となる場合が多い。
本発明の課題は、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を不織布に塗工する不織布への塗工方法において、塗工液の裏抜けに起因するピンホール等の欠陥の発生を、高度に回避できる塗工方法を提供することにある。
(1)塗工液を付与された不織布ウェブが搬送ロールにより支持されて搬送される不織布への塗工方法であって、該搬送ロールの表面が繊維質からなり、更にはっ水剤が付着していることを特徴とする不織布への塗工方法。
(2)該はっ水剤を連続的に付着させる、(1)の不織布への塗工方法。
不織布への塗工方法(1)〜(2)により、ピンホール等の欠陥を生じさせることなく、塗工層を形成することができる。
本発明は、不織布への塗工方法(以下、単に「塗工方法」と記す場合がある)である。より詳しくは、不織布に、不揮発分を媒体に分散又は溶解させた塗工液を塗工するための方法である。
本発明は、当該塗工液を付与された不織布が、搬送ロールにより支持されて搬送される不織布への塗工方法において、搬送ロールの表面が繊維質からなり、更にはっ水剤が付着していることを技術的特徴とする。
本発明において、搬送ロールとは、塗工に用いる装置中において、不織布の走行方向を決めたり、不織布の走行を安定したりするために用いるロールである。本発明に用いる搬送ロールは、その表面が繊維質からなる。本発明に用いる搬送ロールは、その表面以外の部分が繊維質からなることは必要でなく、むしろ必要な剛性を有する観点から、金属、繊維強化プラスチック等の芯材と、表面の繊維層からなる構造が好ましい。本発明において、繊維質とは、繊維の間隙に空気を保持した繊維の集合体であることを言い、具体的には、織物、編物;織物や編物を基材とし、該基材に繊維を植え込んだもの;芯材の表面に繊維を接着したもの;不織布等の素材を指す。一方で、例えば繊維強化プラスチックは、繊維を含むものの、繊維の間隙がマトリクス樹脂で充填され、ここに空気を保持していないから、本発明における繊維質には当たらない。
本発明に用いる搬送ロールは、更に、その表面にはっ水剤が付着している。搬送ロールの表面が繊維質からなり、更にはっ水剤が付着していると言う技術的特徴により、以下の有利な効果が得られる。すなわち、裏抜けした塗工液が、搬送ロールに転写しない。これによって、不織布が搬送ロールに粘着して、搬送が不安定になることがない。また、得られた塗工層にピンホール等の欠陥も生じない。更に、搬送ロールに転写した塗工液が不織布に再転写して、塗工層が不均一になることも無い。これらの効果が得られる理由は、搬送ロールの表面が繊維質であることにより、繊維の間隙に空気を保持することと、はっ水剤の付与により、繊維表面の微視的な接触角が大きくなることの、相乗効果によるものと考えられる。
本発明において好ましく用いられるはっ水剤は、非親水性の液体である。非親水性の液体であるはっ水剤は、耐久性に劣る一方で、直ちに安定したはっ水性が得られることから、本発明の効果を好ましく得ることができる。非親水性の液体であるはっ水剤の例としては、流動パラフィン、鉱油等の炭化水素類;グリセリンの脂肪酸エステル;脂肪酸及びその塩、ジメチルシリコーン等のシリコーン油;パーフルオロポリエーテル重合体等のフッ素油等が例示される。一方、衣料等の繊維製品にはっ水性を付与するために好適に用いられる樹脂性のはっ水剤は、耐久性に優れる反面、安定したはっ水性を得るためには加熱等の処理を要する。このことから、本発明において、樹脂性のはっ水剤も使用できるものの、工程内で搬送支持体に付着させる場合に用いるはっ水剤としては、非親水性の液体であるはっ水剤の方が好適である。
本発明において、はっ水剤は連続的に搬送ロールに付着させることが好ましい。はっ水剤を断続的に付着させた場合、搬送ロールのはっ水性に変動が生じ、安定した塗工が困難になる場合があるからである。ここで連続的に付着させるとは、搬送ロールのはっ水性が、本発明の効果が生じ難くなる程度まで低下することの無いよう、はっ水剤を継続反復して付着させることである。本発明の効果が生じているのであれば、短時間の中断を含んでいても良い。通常、はっ水剤を付着させる間隔は、長くても1分以内とすることが好ましく、30秒以内とすることが更に好ましい。
表面が繊維質でない搬送ロール、例えば金属、繊維強化プラスチック等からなる搬送ロールを用い、搬送ロールの表面にはっ水剤を付着させても、本発明の効果を得ることはできない。これは、表面が繊維質でない搬送ロールは、表面に空気を保持しないため、前記の相乗効果が得られないためと考えられる。また、表面が繊維質である搬送ロールを用いても、表面にはっ水剤を付着させなければ、本発明の効果を得ることはできない。これは、はっ水剤を付着させなければ、繊維表面の微視的な接触角が小さく、前記の相乗効果が得られないためと考えられる。
本発明において、表面が繊維質からなる搬送ロールは、不織布に塗工液が付与されて後、塗工液の媒体の少なくとも一部が乾燥により除去され、塗工液の流動性が著しく低下するまでの間に、不織布に接触する搬送ロールとして使用される。
図1は、本発明に用いられる装置の一例を示す概略図である。不織布は不織布の巻き出し装置1から送り出される。不織布の一面に、塗工液の付与装置2によって塗工液が付与される。乾燥装置3A〜3Cによって、不織布に付与された塗工液から媒体が乾燥除去される。乾燥装置3Aを出た段階で、不織布の裏面は粘着しない程度まで乾燥している。塗工層が設けられた不織布は、巻き取り装置4によってそれぞれ巻き取られる。図1において、符号が付いていないロールが、搬送ロールである。本発明においては、塗工液の付与装置2から乾燥装置3A間の搬送ロール及び乾燥装置3A内の搬送ロールとして、表面が繊維質であり、表面にはっ水剤が付着した搬送ロールを用いる。表面が繊維質であり、表面にはっ水剤が付着した搬送ロールは、搬送ロールの表面に連続的にはっ水剤を付着させる装置を備えることもできる。
図2は、本発明に用いられる、搬送ロールの表面に連続的にはっ水剤を付着させる装置の一例である。はっ水剤は、スプレー装置11から、転写ロール12の表面に噴霧される。転写ロール12と、搬送ロール13は、全幅において接しており、一旦転写ロール12に付着したはっ水剤は、搬送ロール13の表面に転写される。搬送ロール13には、不織布ウェブ14が接している。転写ロール12表面の材質として、繊維質等の、はっ水剤を吸収する材質を用いると、はっ水剤は、転写ロール内で分布が均一化された後、搬送ロール13に転写する。この場合、搬送ロール13へのはっ水剤の付着が、面内分布という観点でも時間的変動という観点でも非常に均一となり好ましい。また、この場合、スプレー装置11から転写ロール12へのはっ水剤の噴霧が断続的であった場合でも、搬送ロール13へのはっ水剤の付着が連続的となるため、極微量のはっ水剤を搬送ロール13に均一に付着させるという点からも好ましい。
本発明において、塗工液の付与装置に特に制限は無い。ただし、余りにも多量の塗工液が裏抜けした場合、本発明によっても裏抜けに起因する悪影響を回避することが困難になることから、多量の塗工液が裏抜けする原因となる厚み方向への動圧が発生しにくい塗工液の付与装置を用いることが好ましい。具体的には、キスタッチグラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の塗工液の付与装置が好ましく用いられる。
本発明において、乾燥装置にも特に制限は無い。不織布の表面に熱風や乾燥空気を吹きつけて乾燥するエアドライヤー、加熱した金属製円筒の表面に不織布を接触させることで加熱乾燥するシリンダードライヤー、赤外線により不織布を加熱する赤外線ドライヤー等の乾燥装置を用いることができる。
本発明において、不織布にも特に制限は無い。ただし、厚い不織布を用いる場合には、塗工液の裏抜けがそもそも生じにくく、本発明の技術を使用する動機に乏しい。逆に、薄い不織布、具体的には、その厚さが30μm以下である不織布を用いる場合には、本発明によって、塗工の均一性を大幅に向上させられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[不織布]
繊度0.1dtex、カット長3mmのポリエチレンテレフタレート主体繊維ステープル70質量部、及び繊度0.2dtex、カット長3mmのポリエチレンテレフタレートバインダー繊維ステープル30質量部からなり、表面温度200℃の熱カレンダーにより強度の付与及び厚み調整を行った、坪量8g/m2、厚み12μmの湿式抄造不織布を用いた。
繊度0.1dtex、カット長3mmのポリエチレンテレフタレート主体繊維ステープル70質量部、及び繊度0.2dtex、カット長3mmのポリエチレンテレフタレートバインダー繊維ステープル30質量部からなり、表面温度200℃の熱カレンダーにより強度の付与及び厚み調整を行った、坪量8g/m2、厚み12μmの湿式抄造不織布を用いた。
[塗工液]
不揮発分の質量構成比が、アルミナ水和物(ベーマイト):アクリル系ポリマーのラテックス:マレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩:1質量%水溶液の粘度が7000mPa・secであるカルボキシメチルセルロース=40.0:2.0:0.4:0.2である、固形分濃度20質量%の塗工液を調製した。
不揮発分の質量構成比が、アルミナ水和物(ベーマイト):アクリル系ポリマーのラテックス:マレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩:1質量%水溶液の粘度が7000mPa・secであるカルボキシメチルセルロース=40.0:2.0:0.4:0.2である、固形分濃度20質量%の塗工液を調製した。
[実施例1]
図1に概略を示す塗工装置によって、前記不織布に、前記塗工液を、媒体(水)を含むWET塗工量が50g/m2となるように塗工した。塗工液の付与装置2としては、ダイコーターを使用した。乾燥装置3Aとしては、有効長30cmの片面エアドライヤーを、不織布の塗工液が付与されていない面に熱風を当てるようにして用い、乾燥装置3B、3Cとしては、有効長30cmの片面エアドライヤーを、不織布の塗工液が付与されている面に熱風を当てるようにして用いた。塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)としては、表面がフェルトで被覆された、アルミニウム合金を芯材とする直径60mmのロールを用いた。当該搬送ロールには、はっ水剤として、鉱油(ISO VG10)を、10m塗工する毎に1回、搬送ロールの表面積に対し0.5g/m2の付着量となるようにスプレーで付着させた。塗工速度は2m/minとした。
図1に概略を示す塗工装置によって、前記不織布に、前記塗工液を、媒体(水)を含むWET塗工量が50g/m2となるように塗工した。塗工液の付与装置2としては、ダイコーターを使用した。乾燥装置3Aとしては、有効長30cmの片面エアドライヤーを、不織布の塗工液が付与されていない面に熱風を当てるようにして用い、乾燥装置3B、3Cとしては、有効長30cmの片面エアドライヤーを、不織布の塗工液が付与されている面に熱風を当てるようにして用いた。塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)としては、表面がフェルトで被覆された、アルミニウム合金を芯材とする直径60mmのロールを用いた。当該搬送ロールには、はっ水剤として、鉱油(ISO VG10)を、10m塗工する毎に1回、搬送ロールの表面積に対し0.5g/m2の付着量となるようにスプレーで付着させた。塗工速度は2m/minとした。
[実施例2]
鉱油に代え、シリコーン油を用いた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
鉱油に代え、シリコーン油を用いた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
[実施例3]
鉱油に代え、フッ素油を用いた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
鉱油に代え、フッ素油を用いた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
[比較例1]
鉱油を用いなかった以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
鉱油を用いなかった以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
[比較例2]
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)として、アルミニウム合金製の金属ロールを用い、フッ素油を付着させなかった以外には、実施例3と同様にして、不織布への塗工を行った。
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)として、アルミニウム合金製の金属ロールを用い、フッ素油を付着させなかった以外には、実施例3と同様にして、不織布への塗工を行った。
[比較例3]
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)として、アルミニウム合金製の金属ロールを用いた以外には、実施例3と同様にして、不織布への塗工を行った。金属ロール表面に、フッ素油を付着させた。
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)として、アルミニウム合金製の金属ロールを用いた以外には、実施例3と同様にして、不織布への塗工を行った。金属ロール表面に、フッ素油を付着させた。
[実施例4]
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)に、図2に概略を示すはっ水剤を連続的に付着させる装置を備え、該装置を用いて鉱油を搬送ロールの表面積に対し0.25g/m2の付着量となるように付着させた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
塗工液の付与装置と、乾燥装置3Bの入り口との間にある各搬送ロール(乾燥装置3A内の搬送ロールを含む)に、図2に概略を示すはっ水剤を連続的に付着させる装置を備え、該装置を用いて鉱油を搬送ロールの表面積に対し0.25g/m2の付着量となるように付着させた以外には、実施例1と同様にして、不織布への塗工を行った。
[実施例5]
鉱油に代え、シリコーン油を用いた以外には、実施例4と同様にして、不織布への塗工を行った。
鉱油に代え、シリコーン油を用いた以外には、実施例4と同様にして、不織布への塗工を行った。
[実施例6]
鉱油に代え、フッ素油を用いた以外には、実施例4と同様にして、不織布への塗工を行った。
鉱油に代え、フッ素油を用いた以外には、実施例4と同様にして、不織布への塗工を行った。
[評価]
塗工後の不織布の100mm×100mmの領域を、解像度600dpiの透過式スキャナでスキャンし、得られた輝度ヒストグラムの最頻値から、5σ以上高い輝度を有するピクセルをピンホールと見なし、その個数により、均一性を判断した。5σ以上高い輝度を有するピクセルが複数個隣接している場合は、1個のピンホールと見なした。ピンホール数が少ない程、均一性の高い塗工になったと判断できる。実施例1〜3、比較例3については、搬送ロールにはっ水剤を付着させた直後に1回目のサンプリングを行い、10m塗工後(搬送ロールに再びはっ水剤を付着させる直前)に、2回目のサンプリングを行った。実施例4〜6、比較例1〜2については、1回目のサンプリングの後、10m塗工したところで、2回目のサンプリングを行った。結果を表1に示す。
塗工後の不織布の100mm×100mmの領域を、解像度600dpiの透過式スキャナでスキャンし、得られた輝度ヒストグラムの最頻値から、5σ以上高い輝度を有するピクセルをピンホールと見なし、その個数により、均一性を判断した。5σ以上高い輝度を有するピクセルが複数個隣接している場合は、1個のピンホールと見なした。ピンホール数が少ない程、均一性の高い塗工になったと判断できる。実施例1〜3、比較例3については、搬送ロールにはっ水剤を付着させた直後に1回目のサンプリングを行い、10m塗工後(搬送ロールに再びはっ水剤を付着させる直前)に、2回目のサンプリングを行った。実施例4〜6、比較例1〜2については、1回目のサンプリングの後、10m塗工したところで、2回目のサンプリングを行った。結果を表1に示す。
搬送ロールとして、表面が繊維質からなり、はっ水剤が付着している搬送ロールを用いた実施例1〜6のピンホール個数が0〜68個であったのに対し、搬送ロールとして、表面が繊維質からなり、はっ水剤が付着していない搬送ロールを用いた比較例1のピンホール個数は135個であり、表面が繊維質でない搬送ロールを用いた比較例2及び3のピンホール個数は552個及び496個であった。表面が繊維質からなり、はっ水剤が付着している搬送ロールを用いることで、ピンホール個数を少なくすることができ、均一性の高い塗工とすることができた。
はっ水剤として連続的に付着させた実施例4〜6のピンホール個数は、同じはっ水剤を非連続的に付着させた実施例1〜3のピンホール個数と比較して少なく、更に良好であった。また、はっ水剤を非連続的に付着させた場合、10m塗工後にピンホールが増加する現象が見られたが、はっ水剤として連続的に付着させた場合、この問題も回避することができた。なお、比較例1において、10m塗工後には、ピンホール個数が急増したが、これは、搬送ロールに大量の塗工液が付着したことが原因と考えられる。
はっ水剤として、鉱油より疎水性の高いシリコーン油を用いた実施例2及び5、更に疎水性の高いフッ素油を用いた実施例3及び6は、鉱油を用いた実施例1及び4と比較して、ピンホール個数が少なく、更に良好であった。
搬送ロールとして表面が繊維質でない搬送ロールを用いた場合、はっ水剤としてフッ素油を付着した比較例3でも、ピンホール個数が496個と、各実施例と比較して多かった。
なお、本実施例では、乾燥装置の有効長の関係で塗工速度が2m/minに制限されているが、塗工液の裏抜けは経時で進む(悪化する)現象であるため、塗工速度が高速になることはむしろ有利であり、有効長の長いエアドライヤーを使用すれば、高速化は容易である。
本発明の不織布への塗工方法は、不織布に各種の塗工液を塗工してなる製品の製造、例えば、不織布に無機粒子を塗工してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造に用いる不織布への塗工方法として好適に使用できる。
1 不織布の巻き出し装置
2 塗工液の付与装置
3A〜3C 乾燥装置
4 不織布の巻き取り装置
11 スプレー装置
12 転写ロール
13 はっ水剤の付与装置を備えた搬送ロール
14 不織布ウェブ
2 塗工液の付与装置
3A〜3C 乾燥装置
4 不織布の巻き取り装置
11 スプレー装置
12 転写ロール
13 はっ水剤の付与装置を備えた搬送ロール
14 不織布ウェブ
Claims (2)
- 塗工液を付与された不織布ウェブが搬送ロールにより支持されて搬送される不織布への塗工方法であって、該搬送ロールの表面が繊維質からなり、更にはっ水剤が付着していることを特徴とする不織布への塗工方法。
- 該はっ水剤を連続的に付着させる、請求項1の不織布への塗工方法。
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