JP2019080802A - 軟便用吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】軟便の漏れを適切に防止することができ、かつ、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収体30は、股部b又は前部aの股部b近傍から、後部cにかけて、幅方向略中央部に長手方向に沿って、少なくとも一本の第1スリット溝31を有し、さらに、幅方向に沿って、第1スリット溝31に略直交する複数の第2スリット溝32を有し、軟便用吸収性物品1は、トップシート20の一部に、第1スリット溝31と高さ方向に重複せず、かつ、平面視において、第1スリット溝31の幅方向両外側で第2スリット溝32と略直交するように設けられた、少なくとも二本の略帯状の開孔領域50を有し、トップシート20は、第1スリット溝31に追従して接合しており、第2スリット溝32に追従しない、軟便用吸収性物品を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、軟便の漏れを適切に防止することができ、かつ、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる軟便用吸収性物品に関する。
一般的に大人用紙おむつには、テープ止めタイプ、パンツタイプ等があり、これらの紙おむつは使用者の排泄における介護の必要度に応じて適宜選択されて使用される。これらの吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。このような構成を採用することにより、尿等の体液は、吸収性物品のトップシートを透過して吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。
ところで、テープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつ(以下、紙おむつと称する)は、それ自体を単独で使用する場合と、その内側に尿取りパッドを併用する場合があるが、現在は、尿取りパッドと併用し、尿取りパッドを、トップシート上に重ねて使用する場合がほとんどである。これは、紙おむつ1枚当たりのコストが高いためで、紙おむつに比して安価な尿取りパッドで排泄物を吸収して保持した後、尿取りパッドのみを交換することで、排泄後においても、よりコストの高い紙おむつを交換せずに済み、経済的に低いコストで吸収性物品を使用できるためである。
ここで、尿取りパッドは、尿量に応じて様々なサイズや形状があり、排泄された尿を確実に吸収して漏れを防止することができる。しかしながら、軟便、水様便、下痢便(以下、軟便と称する)に対しては、吸収性が不十分であり、軟便が尿取りパッド及び紙おむつの外部に漏れることがあったため、軟便の漏れを防止することを目的とした吸収性物品について検討がなされている。
軟便の漏れを防止することを目的とした吸収性物品としては、例えば、特許文献1では、トップシートから吸収体までを厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、吸収体とバックシートとの間に、不織布又は発泡体からなり、かつ、身体側に凹凸構造が形成されている拡散層を有し、該拡散層が該貫通孔の底部をなし、該底部が身体側において露出している、吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも股間部の前端よりも後側の範囲内における、立体ギャザーの突出部位より側方に延在する部分に、表面側から見てカップ状に窪んだカップ部が設けられている、ことを特徴とするパッドタイプ使い捨ておむつが開示されている。
また、特許文献3には、トップシートの上面に、トップシート側から順に便受け下シート及び便受けシートをさらに備え、便受け下シートの軟便透過速度Vが便受けシートの軟便透過速度Vよりも大きい吸収性物品が開示されている。
さらに、特許文献4には、臀部当接部に排泄物を収納保持する便ポケットを設けて成る使い捨ての吸収性物品において、便ポケットの開孔部をメッシュシートにより被覆するとともに、該メッシュシートの少なくとも排尿部を含む中間領域に親水剤塗布による表面処理が施されていることを特徴とする吸収性物品が開示されている。
特開2016−112232号公報 特開2014−45980号公報 特開2009−22460号公報 特開2007−90056号公報
しかしながら、特許文献1から特許文献4に記載の吸収性物品においても、多量の軟便が排泄された場合には、軟便が漏れる場合があり、軟便の漏れを十分に抑制できるものではなかった。また、軟便の排泄後において、肌に多量の軟便が接触し、不快感が生じる場合が多かった。したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、軟便の漏れを適切に防止することができ、かつ、軟便の排泄後における不快感が抑制された吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、吸収体に複数のスリット溝を設け、さらに、トップシートの一部に所定の開孔領域を設けることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を有する軟便用吸収性物品であって、軟便用吸収性物品は、長手方向において、前部、股部及び後部に区分され、前記吸収体は、前記股部又は前記前部の前記股部近傍から、前記後部にかけて、幅方向略中央部に長手方向に沿って、少なくとも一本の第1スリット溝を有し、さらに、幅方向に沿って、前記第1スリット溝に略直交する複数の第2スリット溝を有し、前記軟便用吸収性物品は、前記トップシートの一部に、前記第1スリット溝と高さ方向に重複せず、かつ、平面視において、前記第1スリット溝の幅方向両外側で前記第2スリット溝と略直交するように設けられた、少なくとも二本の略帯状の開孔領域を有し、前記トップシートは、前記第1スリット溝に追従して接合しており、前記トップシートは、前記第2スリット溝に追従しない、軟便用吸収性物品である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の軟便用吸収性物品であって、前記第1スリット溝の、幅方向の寸法が5mm以上20mm以下であり、長手方向の寸法が20mm以上500mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の軟便用吸収性物品であって、前記第2スリット溝の、幅方向の寸法が20mm以上120mm以下であり、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の軟便用吸収性物品であって、前記開孔領域における、各開孔の開孔面積が2mm以上50mm以下であり、当該領域の開孔率が10%以上60%以下であり、開孔領域の、長手方向の寸法が100mm以上800mm以下であり、幅方向の寸法が20mm以上60mm以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の軟便用吸収性物品であって、前記第1スリット溝と前記第2スリット溝は、前記吸収体を貫通しており、さらに、前記吸収体とバックシートとの間に、第2吸収体を有することを特徴とするものである。
本発明の軟便用吸収性物品において、吸収体は、股部又は前部の股部近傍から、後部にかけて、幅方向略中央部に長手方向に沿って、少なくとも一本の第1スリット溝を有し、さらに、幅方向に沿って、第1スリット溝に略直交する複数の第2スリット溝を有し、軟便用吸収性物品は、トップシートの一部に、第1スリット溝と高さ方向に重複せず、かつ、平面視において、第1スリット溝の幅方向両外側で第2スリット溝と略直交するように設けられた、少なくとも二本の略帯状の開孔領域を有するため、軟便の漏れを適切に防止することができ、かつ、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる。
本発明の軟便用吸収性物品の平面図である。 図1のX−X断面図である。 図1のX−X断面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のY−Y断面図である。 軟便用吸収性物品が第2吸収体を有する場合の、図1のX−X断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明の全体を通して、同じ要素には同じ符号を付している。
本明細書の説明において、軟便用吸収性物品1の着用時とは、軟便用吸収性物品1の装着時及び装着後の少なくとも一方をいう。軟便用吸収性物品1の長手方向とは、着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中Yで表す方向である。一方、軟便用吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中Xで表す方向である。さらに、身体側表面とは、吸収体30等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、衣類側表面とは、吸収体30等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。また、軟便用吸収性物品1について、長手方向に、前部a、股部b及び後部cに略三等分して区分した。
<軟便用吸収性物品>
図1は、本発明の軟便用吸収性物品1の平面図であり、図2は、図1のX−X断面図であり、図3は、図1のX−X断面図であり、図4は、図1のY−Y断面図であり、図5は、図1のY−Y断面図である。
本発明の軟便用吸収性物品1は、図1から図6示すように、液透過性のトップシート20と、液不透過性のバックシート40と、トップシート20及びバックシート40の間に配置された吸収体30と、を有する。本発明の軟便用吸収性物品1は、単独で吸収性物品として用いることもできるが、紙おむつや大型の尿取りパッドに重ねて用いることもできる。
また、軟便用吸収性物品1の形状は、特に限定されないが、図1に示すような略長方形や、図1に示すような長手方向中央部の幅方向側端部に括れを有する形状や、略長方形状であってもよい。軟便用吸収性物品1の長手方向の寸法は、100mm以上800mm以下であり、幅方向の寸法は、60mm以上300mm以下であることが好ましい。軟便用吸収性物品1の長手方向及び幅方向の寸法をこのような範囲にすることにより、軟便用吸収性物品1を単独で吸収性物品として用いる場合や他の吸収性物品と重ねて使用する場合等、目的に合わせて適切な寸法の軟便用吸収性物品1を提供することができる。また、他の吸収性物品と重ねて使用する場合には、着用する吸収性物品の態様、大きさ、形状に合わせて、軟便の漏れを適切に防止できる軟便用吸収性物品1を提供することができる。
[吸収体]
吸収体30は、吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(Super Absorbent
Polymer、SAPとも称される)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティッシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体30の吸収性繊維量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m以上800g/m以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体30の高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体30のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、50g/m以上500g/m以下の坪量とすることが好ましい。また、吸収速度及び吸収量の観点から、吸収体30の重量に対する高吸収性ポリマーの重量は、15質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
吸収体30において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートとしたものであることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体30の形状の安定化の目的から、吸収体30をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティッシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
なお、軟便を適切に吸収できるように、吸収体30の、長手方向の寸法は80mm以上770mm以下であり、幅方向の寸法は55mm以上290mm以下であり、厚みは2mm以上20mm以下であることが好ましい。
(スリット溝)
吸収体30は、図1に示すように、股部b又は前部aの股部b近傍から、後部cにかけて、幅方向略中央部に長手方向に沿って、少なくとも一本の第1スリット溝31を有し、さらに、幅方向に沿って、第1スリット溝31に略直交する複数の第2スリット溝32を有する。また、後述するように、トップシート20は、第1スリット溝31に追従して接合しており、第2スリット溝32に追従しない、構造となっている。そのため、軟便が排泄されると、まず第1スリット溝31に軟便が流入し、その後、軟便が吸収体30及び第1スリット溝31の長手方向に拡散するととともに、第1スリット溝31から分岐する第2スリット溝32にも軟便が拡散し、第1スリット溝31と第2スリット溝32が相乗的に機能することで、軟便の漏れを効果的に防止することができる。第2スリット溝32に拡散した軟便は、軟便用吸収性物品1のトップシートの身体側表面から体重による荷重を受けても、第2スリット溝32の衣類側の吸収体の存在により、軟便の固形分を含め逆戻りを抑制することができ、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる
なお、第1スリット溝31及び第2スリット溝32は、マットカッターによる打ち抜きやエンボス加工、立体積繊加工等により形成することができる。第1スリット溝31の、幅方向の寸法が5mm以上20mm以下であり、長手方向の寸法が20mm以上500mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下であることが好ましく、第2スリット溝32の、幅方向の寸法が20mm以上120mm以下であり、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下であるが好ましい。第1スリット溝31及び第2スリット溝32の寸法及び深さを上記の範囲に調整することで、軟便の流入及び拡散を効果的に向上させ、軟便の漏れを適切に防止することができる。
第1スリット溝31は、上記のとおり、少なくとも一つ設けられており、第1スリット溝31の数は、1個以上5個以下であることが好ましく、1個以上3個以下であることがより好ましい。第1スリット溝31の数が多いほど、軟便の流入及び拡散を向上させることができるが、多すぎると、凹凸により着用感が低下するため、着用感を良好に維持しつつ、軟便の漏れをより効果的に防止するために、第1スリット溝31の数は上記の範囲に調整することが好ましい。また、第1スリット溝31が一つ設けられている場合には、第1スリット溝31が幅方向中心に設けられることが好ましい。
また、第1スリット溝31は、貫通していなくてもよいし、貫通していてもよいが、上記のとおり、吸収体30への軟便の流入及び拡散の役割を担うため、軟便用吸収性物品1に後述する第2吸収体70を設ける場合を除いて、貫通していないことが好ましい。この場合、軟便の流入及び拡散と、吸収体30による吸収性と、のバランスの観点から、第1スリット溝31の深さは、吸収体30の厚みに対して、20%以上80%以下であることが好ましい。
また、第2スリット溝32は、第1スリット溝31に略直交するものであるが、第2スリット溝32は、第1スリット溝31を3等分から9等分できる数及び間隔で設けられていることが好ましい。第2スリット溝32の数及び間隔をこのように調整することにより、第1スリット溝31に流入した軟便が第2スリット溝32に効果的に拡散し、軟便の漏れを抑制することができる。
(第2吸収体)
また、軟便用吸収性物品1は、図6に示すように、第1スリット溝31と第2スリット溝32が、吸収体30を貫通している場合、吸収体30とバックシート40の間に第2吸収体70を有することが好ましい。軟便用吸収性物品1がこのような構造を有することにより、軟便の拡散性及び吸収性が向上し、軟便の漏れを効果的に防止することができる。
第2吸収体70は、吸収体30と同様の基材を用いてよいが、親水性不織布(上層親水性不織布及び下層親水性不織布)の間に高吸収性ポリマーを含む吸水層が挟持された、吸収性シートであってもよい。吸収性シートは、フラッフパルプ等の吸収性繊維を含んでいないため、所定以上の吸収量であっても厚みが薄く、これを用いることにより、軟便用吸収性物品1の厚みを抑えることができる。
吸収性シートが有する吸水層は、高吸収性ポリマー及びホットメルト接着剤を含んでいてもよく、このホットメルト接着剤によって、上記上層親水性不織布、吸水層、及び下層親水性不織布は、相互に接着されていることが好ましい。
吸収性シートに使用される高吸収性ポリマーの中位粒子径は、100μm以上600μm以下が好ましく、200μm以上500μm以下がより好ましい。高吸収性ポリマーの中位粒子径を斯かる数値の範囲内のものとすることにより、流動性の悪い微粉末の使用を避けて、吸収性シートの基本性能を高めつつも、吸収性シートが堅くなることを防ぐとともに、ゴツゴツした感触を低減して、触感を改善することができる。
吸収性シートが含有する高吸収性ポリマーの含有量は、要求される吸収性能に応じて適宜設定することができるが、20g/m以上400g/m以下であることが好ましく、50g/m以上350g/m以下であることがより好ましい。高吸収性ポリマーの含有量を斯かる数値の範囲内のものとすることにより、十分な吸収性能を発揮できる。
高吸収性ポリマーとしては、吸収体30に用いたものと同様のものを用いることができる。
親水性不織布と高吸収性ポリマーとの接着のために用いることができるホットメルト接着剤としては、融点が100℃から180℃程度の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン系共重合体等の合成ゴム系接着剤、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系接着剤等を使用することができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、溶融状態のホットメルト接着剤をノズルから非接触で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等、公知の方法を使用することができる。
吸収性シートを構成する上層親水性不織布、及び下層親水性不織布は、20g/m以上の、親水性材料から構成された不織布や、親水化処理がなされた不織布を制限なく使用できるが、少なくとも1枚は、親水性が高く、それ自身が保水して一時的に液体を保持するスパンレース不織布であることが好ましく、バックシート側に位置する下層親水性不織布がスパンレース不織布であることが更に好ましい。スパンレース不織布はレーヨンやコットンのセルロース系、及び合成繊維系等の不織布を使用することができ、その坪量は適宜選択できるものの、20g/m以上のものが好ましい。スパンレース不織布以外としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維系からなるエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布を使用することができる。
[開孔シート]
トップシート20の衣類側表面と吸収体30の身体側表面との間には、拡散性を向上させるために、液不透過性であり、かつ、遮水性を有する開孔シートを用いてもよいが、開孔シートは、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。また、開孔シートを、少なくとも後述する開孔領域50と高さ方向に重複する領域に設けることにより、より軟便の拡散性を向上させることができる。さらに、開孔シートにおける各開孔の開孔面積や開孔率を、開孔領域50における各開孔の開孔面積や開孔率と異なるように調整することにより、開孔領域50と開孔シートの各開孔が高さ方向に重複しづらくなり、トップシート20の開孔領域50と開孔シートを通過した軟便の身体側への逆戻りを抑えることができ、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる。このような特性を有する開孔シートの材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。また、開孔シートの坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上50g/m以下であることが好ましい。
[トップシート]
トップシート20は、吸収体30に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体30を挟んで、バックシート40に対向して配置される。トップシート20は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性不織布、開孔ポリエチレンフィルム等の開孔性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成される。なお、トップシート20は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
また、上記のような性質を有する親水性不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維や、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法のほか、スパンレース法やスパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものを用いることができる。
トップシート20の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上200g/m以下であることが好ましい。トップシート20には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を適用してもよい。
トップシート20は、第1スリット溝31に追従して接合しており、トップシート20は、第2スリット溝32に追従しない。このように、トップシート20が第1スリット溝31に追従して接合していることにより、第1スリット溝31により形成される凹部に、軟便が即時に流入し、軟便の排泄後における不快感を抑制することができる。なお、第1スリット溝31とトップシートは、ヒートシール接着又はホットメルト接着剤を用いて接合することができる。
[開孔領域]
軟便用吸収性物品1は、トップシート20の一部に、第1スリット溝31と高さ方向に重複せず、かつ、平面視において、第1スリット溝31の幅方向両外側で第2スリット溝32と略直交するように設けられた、少なくとも二本の略帯状の開孔領域50を有する。軟便用吸収性物品1が、上記のような開孔領域50を有することにより、吸収体30への軟便の拡散性を向上させることができ、軟便の漏れを抑制することができる。なお、開孔領域50は、第1スリット溝31が一つの場合には、図1に示す様に、平面視において、第1スリット溝31を中心線として、第1スリット溝31の幅方向両外側に略対称に各一本ずつ設けられていることが好ましい。また、第1スリット溝31が複数設けられている場合には、平面視において、幅方向両端における第1スリット溝31の幅方向両外側の他に、各第1スリット溝31の間に、一本ずつ、開孔領域50を設けることが好ましい。
より効率的に、軟便の吸収体30への拡散性を向上させる観点から、開孔領域50における、各開孔の開孔面積が2mm以上50mm以下であり、開孔率が10%以上60%以下であり、開孔領域50の、長手方向の寸法が100mm以上800mm以下であり、幅方向の寸法が20mm以上60mm以下であることが好ましい。さらに、より軟便の拡散性を向上させるために、各開孔の開孔面積が5mm以上35mm以下であり、開孔率が15%以上55%以下であることがより好ましい。
[バックシート]
バックシート40には、液不透過性であり、かつ、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート40の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。また、バックシート40の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。
バックシート40の衣類側表面には、装着時のズレを防止するための固定部材を設けていてもよい。固定部材の基材としては、特に限定されないが、メカニカルフックテープ又は粘着剤であることが好ましい。また、固定部材を保護するための剥離シートを有していてもよい。
(立体ギャザー)
本発明の軟便用吸収性物品1は、幅方向の両端部に立体ギャザー60を備えることが好ましい。立体ギャザー60を幅方向の両端部に設けることにより、軟便の幅方向からの漏れを効果的に防止することができる。立体ギャザー60としては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性のシート、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポリエチレンフィルムを用いることができる。これらの基材から適宜選択し、二重に接合したものを用いることもできる。また、立体ギャザー60の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上100g/m以下であることが好ましい。
(伸縮弾性部材)
また、立体ギャザー60は、自由端側及び基端側に少なくとも一本ずつの伸縮弾性部材を長手方向に沿って有することが好ましい。伸縮弾性部材を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー60が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなり、フィット性が向上することで、軟便の漏れを効果的に防止することができるようになる。伸縮弾性部材としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用される。
なお、軟便用吸収性物品1の長手方向両端部においては、立体ギャザー60は、その自由端がトップシート20上に固定されていることが好ましく、このため、立体ギャザー60の内側側面が、トップシート20の身体側表面と接合していることが好ましい。これにより、立体ギャザー60は、長手方向両端部を除く部位のみにおいて起立することとなる。
(軟便用吸収性物品の製造方法)
軟便用吸収性物品1の製造方法としては、バックシート40、第1スリット溝31及び第2スリット溝32を設けた吸収体30、あらかじめ開孔領域50を設けたトップシート20の順に積層し、トップシート20とバックシート40を一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することにより製造することができる。これを長手方向に3つ折りにして折り畳めばよい。また、必要に応じて幅方向の両端部に立体ギャザー60を設けることができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 軟便用吸収性物品
20 トップシート
21 スリット
30 吸収体
31 第1スリット溝
32 第2スリット溝
40 バックシート
50 開孔領域
60 立体ギャザー
70 第2吸収体
a 前部
b 股部
c 後部

Claims (5)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置された吸収体と、を有する軟便用吸収性物品であって、
    軟便用吸収性物品は、長手方向において、前部、股部及び後部に区分され、
    前記吸収体は、前記股部又は前記前部の前記股部近傍から、前記後部にかけて、幅方向略中央部に長手方向に沿って、少なくとも一本の第1スリット溝を有し、さらに、幅方向に沿って、前記第1スリット溝に略直交する複数の第2スリット溝を有し、
    前記軟便用吸収性物品は、前記トップシートの一部に、前記第1スリット溝と高さ方向に重複せず、かつ、平面視において、前記第1スリット溝の幅方向両外側で前記第2スリット溝と略直交するように設けられた、少なくとも二本の略帯状の開孔領域を有し、
    前記トップシートは、前記第1スリット溝に追従して接合しており、
    前記トップシートは、前記第2スリット溝に追従しない、軟便用吸収性物品。
  2. 前記第1スリット溝の、幅方向の寸法が5mm以上20mm以下であり、長手方向の寸法が20mm以上500mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下である、請求項1に記載の軟便用吸収性物品。
  3. 前記第2スリット溝の、幅方向の寸法が20mm以上120mm以下であり、長手方向の寸法が5mm以上30mm以下であり、深さが2mm以上20mm以下である、請求項1又は2に記載の軟便用吸収性物品。
  4. 前記開孔領域における、各開孔の開孔面積が2mm以上50mm以下であり、開孔率が10%以上60%以下であり、開孔領域の、長手方向の寸法が100mm以上800mm以下であり、幅方向の寸法が20mm以上60mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の軟便用吸収性物品。
  5. 前記第1スリット溝と前記第2スリット溝は、前記吸収体を貫通しており、
    さらに、前記吸収体とバックシートとの間に、第2吸収体を有する、請求項1から4のいずれかに記載の軟便用吸収性物品。
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