JP2019079650A - 車両用燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を冷却する為の冷却装置に散布される水の不足を抑制し、燃料電池の出力低下を防止可能な車両用燃料電池システムを提供する。【解決手段】車両用燃料電池システム1は、ラジエータ21に散布ノズル37から水を散布してラジエータ21の冷却性能を向上させて燃料電池10を冷却し、燃料電池10の出力を制御する。予測発熱量特定部40aは、ナビゲーション装置50からの外部情報を用いて、目的地までの走行期間中における予測発熱量Hを特定する。必要水量特定部40bは外部情報を用いて、走行期間中における散布必要水量Qrを特定する。散布可能水量特定部40cは、貯留量センサ42等を用いて走行期間中における散布可能水量Qsを特定する。散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合、節水散布モードを設定し、散布量調整部40dで定めた節水散布量Wcでラジエータ21に水を散布する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される車両用燃料電池システムに関する。
従来、車両に適用される燃料電池システムに関する発明として、特許文献1に記載された発明が知られている。特許文献1に記載された発明では、燃料電池は、車両の走行用動力源として用いられており、燃料電池の電気化学反応で発生した水を気液分離器によって回収して、回収した水をポンプでラジエータに散布することで、水の蒸発潜熱を用いてラジエータの冷却性能を向上させている。
そして、特許文献1に記載された発明では、外部情報提供手段にて提供された外部情報からラジエータを通過する冷却水の温度(即ち、熱媒体の温度)を予測し、予測した冷却水の温度が高いほど、ラジエータに散布される水の量を増加させている。外部情報から予測される冷却水の温度は、車両の走行に伴う負荷及び燃料電池における発熱量に強い相関を有している。この為、特許文献1に記載された発明では、車両の走行負荷が増大する程に、ラジエータの冷却性能を向上させている。
特開2002−343396号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明の場合、車両の走行負荷が増大して燃料電池が高温となった状態が継続すると、ラジエータに散布される水の量が増加する為、ラジエータに散布する為の水が不足する場合が想定される。
ラジエータに散布する水がなくなった場合、ラジエータによる冷却能力が不足してしまう為、燃料電池の温度が急激に上昇し、燃料電池の大幅な出力低下を起こしてしまう。そして、燃料電池の出力低下が生じた場合、車両の走行速度の急変等が生じることが想定される。
本発明は、これらの点に鑑みてなされており、燃料電池を冷却する為の冷却装置に散布される水の不足を抑制し、燃料電池の出力低下を防止可能な車両用燃料電池システムを提供することを目的とする。
車両(C)の走行用動力源として配置され、酸素と水素とを電気化学反応させて電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、
車両の走行負荷に応じて発熱する燃料電池を、熱媒体と熱交換させて冷却する冷却装置(21)と、
燃料電池における電気化学反応により生じた水を回収する水分回収部(30)と、
水分回収部で回収した水を貯留する貯留部(31)と、
貯留部に貯留された水を前記冷却装置に対して散布する散布部(36、37)と、
熱媒体の温度に影響を与える外部情報を提供する外部情報提供部(50)と、
外部情報提供部によって提供された外部情報を用いて、車両の走行期間中における前記燃料電池の発熱量を予測した予測発熱量(H)を特定する予測発熱量特定部(40a)と、
予測発熱量で発熱する燃料電池を冷却装置で冷却する為に、散布部での散布に必要な水の必要水量(Qr)を、外部情報提供部にて提供された外部情報を用いて特定する必要水量特定部(40b)と、
車両の走行期間中に燃料電池にて生じる水の水量と、貯留部に貯留されている水の水量とを含む散布可能水量(Qs)を特定する散布可能水量特定部(40c)と、
必要水量が散布可能水量よりも大きい場合に、散布部から散布される水の散布量を、前記必要水量が散布可能水量よりも大きくない場合の標準散布量(Ws)よりも少なくなるように調整する散布量調整部(40d)と、を有する。
当該車両用燃料電池システムによれば、必要水量特定部で特定された必要水量が散布可能水量特定部により特定された散布可能水量よりも大きい場合には、散布量調整部によって、標準散布量よりも少ない水量に調整して、散布部による冷却装置に対する水の散布を行うことができる。
即ち、当該車両用燃料電池システムによれば、燃料電池について若干の出力低下を許容することで、散布可能水量分の水を有効に活用して水の散布期間を長期化でき、燃料電池の出力低下の幅を小さくすることができる。
又、当該車両用燃料電池システムによれば、電気化学反応による熱に起因する燃料電池の急激な出力低下を防止することができるので、当該燃料電池にて作動する機器及び装置の作動状態の急変を防止し、車両の利便性の向上に貢献することができる。
尚、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る車両用燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る車両用燃料電池システムのブロック図である。 制御装置が実行する制御処理のフローチャートである。 第1実施形態にて流量調整係数を決定する際に参照される制御マップの説明図である。 第1実施形態における節水散布モードと比較例における電池出力等の時間変化を示す説明図である。 第2実施形態にて流量調整係数を決定する際に参照される制御マップの説明図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の実施形態において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1は、燃料電池10を走行用動力源として搭載した燃料電池車両Cに適用されており、走行用電動モータやバッテリ等の電気機器(図示せず)に対し、燃料電池10で発電された電力を供給するように構成されている。
又、当該燃料電池車両Cには、図1に示すように、ナビゲーション装置50が搭載されている。当該ナビゲーション装置50は、ナビゲーション制御部、GPS受信機等を備えた位置検出部、地図データを入力する地図データ入力部、地図データ等を表示する表示部等を有している。
そして、第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1は、水素と酸素との化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10(FCスタック)を有している。当該燃料電池10は、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)であり、多数のセルを組み合わせて構成されている。各セルは、電解質膜を一対の電極で挟み込んで形成されている。
燃料電池10には、空気通路11を介して、酸素を含む空気が供給される。この空気通路11には、図示しないエアポンプが配置されており、エアポンプの作動によって空気を圧送して、燃料電池10に供給することができる。又、燃料電池10には、水素通路12を介して水素が供給される。
そして、燃料電池10では、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。従って、当該燃料電池10は、本発明における燃料電池として機能する。
(負極側)H→2H+2e
(正極側)2H+1/2O+2e→H
この電気化学反応に用いられなかった未反応の酸素及び水素は、排気ガス及び排気水素として燃料電池10から排出される。水素通路12における燃料電池10の下流側には、排出弁13が配置されている。当該排出弁13は、燃料電池10の電解質膜を透過した水素系の窒素や水を排出する際に開弁される。
そして、当該燃料電池10における電気化学反応の為には、燃料電池10内の電解質膜は、水分を含んだ湿潤状態となっている必要がある。この為、当該車両用燃料電池システム1は、詳細な説明は省略するが、空気及び水素を加湿して燃料電池10に供給することで、燃料電池10内の電解質膜を加湿するように構成されている。
又、燃料電池10では、発電の際の電気化学反応により熱及び水分が発生する。当該燃料電池10の発電効率を考慮すると、燃料電池10は、車両用燃料電池システム1が作動している間、一定温度(例えば80℃程度)に維持されている必要がある。又、燃料電池10内部の電解質膜は、所定の許容上限温度を超えると、高温により破壊されてしまう。この為、燃料電池10の温度が許容温度以下となるようにしておく必要がある。
図1に示すように、車両用燃料電池システム1には、冷却水回路が配置されており、熱媒体としての冷却水を用いて、燃料電池10を冷却して当該燃料電池10の温度を制御している。この熱媒体である冷却水としては、低温時における凍結を防止する為に、例えば、エチレングリコールと水の混合溶液を用いることができる。
当該冷却水回路は、冷却水流路20と、ラジエータ21と、ウォータポンプ22と、送風ファン25とを有して構成されており、燃料電池10とラジエータ21の間で冷却水を循環させることで、燃料電池10で発生した熱を系外へ放出するように構成されている。
ラジエータ21は、燃料電池10で発生した熱を系外に放熱するように構成された熱交換器である。当該車両用燃料電池システム1においては、冷却水回路の冷却水は、燃料電池10を流れる過程で、電気化学反応で発生した熱を吸熱して流出し、冷却水流路20を介して、ラジエータ21へ流入する。
ラジエータ21では、冷却水と空気との熱交換が行われ、冷却水の熱が空気に放熱される。その後、冷却水は、ラジエータ21から燃料電池10へ向かって流れ、冷却水回路の冷却水流路20を循環する。
即ち、ラジエータ21は、熱媒体としての冷却水との熱交換によって、燃料電池10の電気化学反応で生じた熱を放熱して、燃料電池10を冷却している。従って、当該ラジエータ21は、本発明における冷却装置として機能する。
又、当該ラジエータ21の車両後方側には、送風ファン25が配置されている。送風ファン25は、ラジエータ21における熱交換対象である空気をラジエータ21に送風することで、ラジエータ21における冷却水の熱交換を補助している。
ウォータポンプ22は、燃料電池10とラジエータ21を含む循環径路としての冷却水流路20に配置されており、冷却水を圧送することで、冷却水流路20内において冷却水を循環させている。
そして、冷却水回路には、流路切替弁23及びバイパス流路24が配置されている。当該バイパス流路24は、ラジエータ21をバイパスさせて循環させる為の流路であり、冷却水流路20にてラジエータ21に並列に接続されている。
流路切替弁23は、燃料電池10の流出側における冷却水流路20にて、バイパス流路24への分岐部分に配置されており、三方弁によって構成されている。当該流路切替弁23は、その作動によって、冷却水回路における冷却水の流れをラジエータ21側又はバイパス流路24側に切り替えることができる。
尚、当該車両用燃料電池システム1では、冷却水回路における冷却水の温度制御は、ウォータポンプ22による流量制御、ラジエータ21とバイパス流路24への流量配分制御、送風ファン25の送風量制御によって行われる。
当該車両用燃料電池システム1において、燃料電池10による発電の際に発生した水分は、燃料電池10から空気通路11を介して、空気に含まれた状態で排出される。この為、空気通路11における燃料電池10の下流側には、気液分離器30が配置されている。
当該気液分離器30は、燃料電池10での発電の際に発生した水分を、空気通路11から排出された空気と共に回収し、水蒸気と水に分離する。そして、気液分離器30で分離された水蒸気は、車両用燃料電池システム1の外部に排出される。
一方、気液分離器30で分離された水は、凝縮により温度が下げられた状態で気液分離器30の内部に形成された貯留部31に一旦貯留される。即ち、気液分離器30は、本発明における水分回収部として機能し、貯留部31は、本発明における貯留部として機能する。
尚、図示は省略するが、当該気液分離器30には、貯留部31に対して水を補給する為の補給用流路が接続されている。従って、燃料電池車両Cの乗員は、燃料電池車両Cの外部から当該補給用流路を介して、貯留部31に水を補給することも可能である。
当該車両用燃料電池システム1において、気液分離器30の貯留部31に貯留された水は、後述するようにラジエータ21の冷却に用いられる。気液分離器30における貯留部31の下部には、散布用流路35が接続されている。図1に示すように、当該散布用流路35は、貯留部31に貯留された水が流れる流路であり、貯留部31の下部からラジエータ21の送風方向上流側(即ち、車両前方側)まで伸びている。
ラジエータ21の送風方向上流側に位置する散布用流路35の端部には、散布ノズル37が接続されている。散布用流路35を流れた水は、当該散布ノズル37からラジエータ21の表面に対して霧状に散布(噴射)される。
そして、散布用流路35における貯留部31と散布ノズル37の間には、散布用ポンプ36が配置されている。散布用ポンプ36は、貯留部31の内部の水を散布ノズル37へ圧送するウォータポンプである。
従って、当該車両用燃料電池システム1においては、散布用ポンプ36を作動させることによって、気液分離器30の貯留部31に貯留されている水を散布ノズル37へ圧送することができ、散布ノズル37からラジエータ21の表面に散布することができる。従って、散布用ポンプ36、散布ノズル37は、本発明における散布部として機能する。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1は、制御装置40を有している。当該制御装置40は、車両用燃料電池システム1を構成する各制御対象機器の作動を制御する制御部である。当該制御装置40は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。
制御装置40の入力側には、図2に示すように、水温センサ41と、貯留量センサ42と、外気温センサ43と、車速センサ44とが接続されている。水温センサ41は、冷却水流路20における燃料電池10の出口側に配置されており、燃料電池10の出口側から流出する冷却水温度を検出する。
貯留量センサ42は、気液分離器30における貯留部31の内部に配置されており、気液分離器30の貯留部31内に貯留された水の水位に従って、貯留部31内における水の貯留量を検出する。
又、外気温センサ43は、燃料電池車両Cに対する外気温を検出する為の外気温検出部である。そして、車速センサ44は、燃料電池車両Cの走行速度を検出する走行速度検出部である。当該車速センサ44は、本発明における走行速度取得部として機能する。従って、制御装置40は、燃料電池10の出口側における冷却水温度、貯留部31内の水の貯留量、燃料電池車両Cにおける外気温や走行速度を取得することができる。
尚、図示は省略するが、制御装置40の入力側には、操作パネルが接続されている。操作パネルは、燃料電池車両Cの車室内前部の計器盤付近に配置されており、複数の操作スイッチを有している。従って、制御装置40には、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
そして、制御装置40の出力側には、車両用燃料電池システム1における各制御対象機器が接続されている。この制御対象機器には、ラジエータ21と、流路切替弁23と、送風ファン25と、散布用ポンプ36と、ディスプレイ45等が含まれている。
制御対象機器であるディスプレイ45は、車室内前部の計器盤付近に配置されており、いわゆる液晶ディスプレイによって構成されている。当該ディスプレイ45は、制御装置40による制御信号に従って種々の情報を表示する。従って、ディスプレイ45は、本発明における報知部として機能する。
従って、制御装置40は、当該制御装置40のROMに記憶されている制御プログラムに基づいて、車両用燃料電池システム1の作動を制御することができる。そして、制御装置40のROMには、図3に示すラジエータ21に対する水の散布に関する制御プログラムや、図4に示す流量調整係数Aに関する制御マップも記憶されている。この制御プログラム等の内容については後述する。
図2に示すように、制御装置40の入力側には、ナビゲーション装置50が接続されている。上述したように、ナビゲーション装置50によれば、地図データから目的地に至るまでの地形情報(距離、標高、高速道路の有無等)を得ることができる。地形情報に含まれる距離と標高は、道路勾配に関する情報を構成し、これらから目的地に至るまでの道路勾配を求めることができる。
これらの情報は、燃料電池10を冷却するための冷却水の温度に影響を与える要因として用いられる。具体的には、燃料電池車両Cでは、道路勾配が急な場合や高速走行の場合に高負荷運転となって燃料電池10の発熱量が増大し、冷却水温度が上昇する。従って、当該ナビゲーション装置50は、冷却水温度に影響を与える各種外部情報を提供する外部情報提供部として機能する。
尚、当該制御装置40では、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されているが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
例えば、制御装置40のうち、ナビゲーション装置50から提供された外部情報や各種センサの検出結果等に基づいて、後述する予測発熱量Hを特定する為の構成は予測発熱量特定部40aであり、後述する散布必要水量Qrを特定するための構成は必要水量特定部40bである。
そして、制御装置40のうち、後述する散布可能水量Qsを特定する為の構成は散布可能水量特定部40cであり、後述する節水散布量Wcを特定する為の構成は散布量調整部40dである。
続いて、第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1において、ラジエータ21に対する水の散布に関する制御処理の内容について、図面を参照しつつ説明する。車両用燃料電池システム1の作動が開始されると、制御装置40は、図3に示す制御プログラムをROMから読み出して、CPUによって実行する。
尚、この制御処理に関する説明において、当該制御プログラムの実行に先んじて、ナビゲーション装置50における目的地(行き先)の設定や、当該目的地までの走行経路の選択等の処理は完了しているものとする。この目的地までの走行経路を燃料電池車両Cが走行する期間は、本発明における走行期間に相当する。
そして、車両用燃料電池システム1の作動が開始されると、先ず、燃料電池10が図示しない加熱手段によって発電可能温度まで加熱される。燃料電池10が発電可能温度になると、空気通路11を介して、燃料電池10に酸素を含む空気の供給が開始される。同時に、水素通路12を介して。燃料電池10に対する水素の供給が開始される。これにより、燃料電池10における発電が開始される。
この発電時における電気化学反応によって燃料電池10では水分と熱が発生する。水分は空気通路11を介して空気に含まれた状態で燃料電池10から排出された後、気液分離器30で水蒸気と水に分離される。水蒸気は気液分離器30から車両用燃料電池システム1の外部に排出され、回収された水は気液分離器30の貯留部31内部に貯留される。燃料電池10で発生した熱は、冷却水流路20内の冷却水を介して、ラジエータ21から空気中に放出される。
図3に示すように、ステップS1では、外部情報がナビゲーション装置50から提供される。ナビゲーション装置50から提供される外部情報には、設定されている目的及び走行経路に加えて、走行経路に関する地理情報も含まれている。
ステップS2に移行すると、水温センサ41によって検出された冷却水温度と、外気温センサ43によって検出された外気温が制御装置40に入力される。
そして、ステップS3では、ナビゲーション装置50から提供された外部情報として提供された走行経路の地理情報に基づいて、目的地までの走行経路における道路の勾配、高速道路の有無等が特定される。特定された内容に従って、目的地までの走行経路を走行する際の燃料電池車両Cの走行負荷が算出される
続くステップS4においては、ステップS3で算出された走行負荷に基づいて、当該走行経路を走行した場合における燃料電池10の予測発熱量Hが算出され、当該予測発熱量Hが走行期間中の予測発熱量として特定される。
走行負荷が大きい程、燃料電池10による発電が必要となる為、予測発熱量Hは、走行負荷の増大に伴って増大する。このステップS4を実行する際の制御装置40は、予測発熱量特定部40aとして機能しており、本発明における予測発熱量特定部に相当する。
ステップS5に移行すると、ステップS4までに取得した各種情報から、散布必要水量Qrが算出される。散布必要水量Qrは、燃料電池車両Cの走行期間中に、燃料電池10の温度を所定範囲内に維持する為に、ラジエータ21に散布される水の必要量を示す。具体的には、散布必要水量Qrは、ラジエータ21による放熱可能量と予測発熱量Hとの差から算出される。
ラジエータ21による放熱可能量は、予測発熱量Hから算出される燃料電池10の冷却に必要な冷却水の循環流量、走行経路における車速予測値から算出されるラジエータ21を通過する風速、ステップS2で取得した外気温、冷却水温から算出される。散布必要水量Qrは、ラジエータ21による放熱可能量と予測発熱量Hとの差によって特定される。従って、このステップS5を実行する際の制御装置40は、必要水量特定部40bとして機能しており、本発明における必要水量特定部に相当する。
続くステップS6では、散布可能水量Qsが算出される。散布可能水量Qsは燃料電池車両Cの走行期間中において、貯留部31からラジエータ21に散布可能な水の量を意味する。当該散布可能水量Qsは、貯留部31における残水量と生成水量の和によって算出される。
具体的には、残水量は、貯留量センサ42の検出結果によって特定される。そして、生成水量は、電気化学反応で生成される生成水の量である為、予測発熱量Hに対応する燃料電池10の発電量から特定される。散布可能水量Qsは、残水量と走行期間中の生成水量によって特定される。従って、ステップS6を実行する際の制御装置40は、散布可能水量特定部40cとして機能しており、本発明における散布可能水量特定部に相当する。
ステップS7に移行すると、ステップS5で特定された散布必要水量QrがステップS6で特定された散布可能水量Qsより大きいか否かの判断が行われる。即ち、燃料電池車両Cの走行期間の間、燃料電池10の出力を低下させることなく、ラジエータ21に対する水の散布を継続できるか否かが判断されている。
散布必要水量Qrが散布可能水量Qs以下であると判断された場合には、燃料電池車両Cの走行期間の間、燃料電池10の出力を低下させることなく、ラジエータ21に対する水の散布を継続できるので、ステップS8に移行する。
一方、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsより大きい場合には、燃料電池車両Cの走行期間の間、燃料電池10の出力を低下させることなく、ラジエータ21に対する水の散布を継続できない為、ステップS9に移行する。
ステップS8においては、今回の走行期間におけるラジエータ21への水の散布モードを標準散布モードに設定する。標準散布モードでは、予め定められた標準散布量Wsで、散布ノズル37からラジエータ21に対して水を散布するモードである。
標準散布量Wsは、散布必要水量Qrに従って定められた水量であり、燃料電池10の出力低下を起こすことなく、走行期間中において、水をラジエータ21の表面に対して継続して散布可能な水量である。
一方、ステップS9では、ディスプレイ45にて注意喚起表示が行われる。この注意喚起表示は、燃料電池車両Cの走行期間の間、燃料電池10の出力を低下させることなく、ラジエータ21に対する水の散布を継続できない為、燃料電池10の出力が低下することを示唆する表示である。
尚、第1実施形態における注意喚起表示には、後述する節水散布モードで、ラジエータ21に対する水の散布が行われている旨のメッセージ、節水散布モードにより燃料電池10の出力が低下する旨のメッセージ、ラジエータ21に散布する為の水の補給を要請するメッセージ等が含まれている。このステップS9におけるディスプレイ45は、本発明における報知部として機能する。
続くステップS10においては、走行期間中における散布可能水量Qsの水を有効に活用する為に、流量調整係数Aを特定して、ラジエータ21に対して散布する水の量を調整する。当該流量調整係数Aは、所定の数値範囲(即ち、0<A<1)内の値を示す為、この流量調整係数Aを乗算することで、ラジエータ21に散布される水が少なくなるように調整できる。
具体的に説明すると、流量調整係数Aは、燃料電池車両Cの走行期間中に散布可能水量Qsの水を使い切ることがないように、走行期間中における水の総散布量が散布可能水量Qsと等しくなるように定められる。換言すると、流量調整係数Aは、燃料電池車両Cの走行期間中において、ラジエータ21に対する水の散布を継続して実行できるように定められる。
当該流量調整係数Aの特定は、ステップS4で特定した予測発熱量Hと、ROMに記憶されている流量調整係数Aに係る制御マップを参照して行われる。図4に示すように、流量調整係数Aに係る制御マップは、流量調整係数Aに対して予測発熱量Hを対応付けて構成されている。
そして、流量調整係数Aに係る制御マップでは、予測発熱量Hが小さいほど、流量調整係数Aが小さな値を示し、予測発熱量Hが大きい程、流量調整係数Aが大きな値を示す(即ち、1に近づく)ように関連付けられている。
ここで、燃料電池10においては、燃料電池10における発熱量が小さいときは、当該燃料電池10の温度が高くなった場合であっても、燃料電池10における発電効率に与える影響は小さいことが知られている。
従って、流量調整係数Aに係る制御マップにて、図4に示すように予測発熱量Hと流量調整係数Aを対応付けることで、燃料電池10における発電効率の影響を小さく抑えると同時に、散布可能水量Qsの水を有効に活用可能な流量調整係数Aを特定することができる。
ステップS11に移行すると、今回の走行期間におけるラジエータ21への水の散布モードを節水散布モードに設定する。節水散布モードでは、上述した標準散布モードよりも少ない水の量で、ラジエータ21に対する水の散布が行われる。
節水散布モードでは、節水散布量Wcで、散布ノズル37からラジエータ21に対する水の散布が行われる。この節水散布量Wcは、標準散布量Wsに対して、ステップS10で特定された流量調整係数Aを乗算して定められる。当該流量調整係数Aは必ず1よりも小さな値を示す為、節水散布量Wcは必ず標準散布量Wsよりも小さくなる。
図4に示すように、流量調整係数Aは、予測発熱量Hが小さいほど1よりも小さく、予測発熱量Hが高いほど1に近づくように定められている。従って、節水散布量Wcは、予測発熱量Hが高いほど、標準散布量Wsに対する差が小さくなるように調整される。
従って、節水散布モードでは、ラジエータ21に散布する水の量を節約し、散布可能水量Qsの水を有効に活用して走行期間の間、ラジエータ21に対する散布を継続することができる。上述したステップS10、ステップS11を実行する際の制御装置40は、散布量調整部40dとして機能しており、本発明における散布量調整部に相当する。
そして、ステップS12に移行すると、水温センサ41で取得された冷却水温度が予め定められた基準水温以上であるか否かが判断される。この基準水温は、燃料電池10における発電に伴って燃料電池10が高温状態となっている場合の冷却水温度を示しており、例えば、90℃である。
つまり、ステップS12では、水温センサ41からの冷却水温度を介して、燃料電池10の温度状態を判定している。冷却水温度が基準水温以上である場合はステップS13に進み、冷却水温度が基準水温以上でない場合はステップS14に移行する。
ステップS13では、ステップS8又はステップS11で設定された散布モードに従って、散布用ポンプ36を作動させる。これにより、気液分離器30内の貯留部31に貯留された水が、設定された散布モードに対応する量でラジエータ21に対して散布される。
具体的には、標準散布モードが設定されている場合には、標準散布量Wsでラジエータ21に水を散布するように、散布用ポンプ36の作動が制御される。一方、節水散布モードが設定されている場合は、標準散布量Wsよりも少ない節水散布量Wcでラジエータ21に水を散布するように、散布用ポンプ36の作動が制御される。
一方、ステップS14においては、冷却水温度が基準水温以上でなく、燃料電池10が高温状態ではない為、散布用ポンプ36の作動を停止する。これにより、散布ノズル37からラジエータ21に対する水の散布は停止される。尚、この場合、車両用燃料電池システム1が作動していれば、燃料電池10における電気化学反応が行われる為、生成水が貯留部31の内部に貯留されていく。
そして、ステップS15においては、車両用燃料電池システム1の作動を停止するか否かが判断される。この判断処理は、例えば、車両用燃料電池システム1の作動停止に関する操作が行われたか否かに基づいて判断される。作動停止に関する操作には、例えば、電気自動車(燃料電池車両)に対するキーオフ操作が含まれる。
車両用燃料電池システム1の作動を停止させる場合には、この制御プログラムの実行を終了する。一方、車両用燃料電池システム1の作動を停止させない場合には、ステップS2に戻り、上述した各ステップを実行する。
当該車両用燃料電池システム1によれば、図3に示す制御プログラムによる制御処理を実行することで、燃料電池10が高温状態である場合には、散布ノズル37からラジエータ21に対して、貯留部31内の水を散布することができる。
これにより、ラジエータ21に散布された水の蒸発潜熱(吸熱)によって、ラジエータ21の冷却性能を向上させることができるので、効果的に冷却水流路20を循環する冷却水の温度を低下させることができる。
図1に示すように、冷却水流路20は、燃料電池10とラジエータ21を循環するように構成されている為、冷却水の温度を低下させることで、燃料電池10を冷却して燃料電池10の温度を適切に調整することができる。
そして、燃料電池10の温度は、電解質膜の状況や電気化学反応の反応速度等に影響を及ぼすので、燃料電池10の出力に影響を与える。つまり、当該車両用燃料電池システム1は、散布可能水量Qsの状況に応じてラジエータ21に対する水の散布量を制御することで、燃料電池10の温度を適切に調整できる。これにより、当該車両用燃料電池システム1は、当該燃料電池10の出力を状況に応じて適切に制御することができる。
具体的には、標準散布モードでは、ラジエータ21に対する水の散布が標準散布量Wsとなるように行われる為、このラジエータ21の冷却性能を充分に発揮させることができる。
これにより、冷却水を介して燃料電池10が十分に冷却されることになる為、当該車両用燃料電池システム1は、燃料電池10の出力を確実に確保することができ、例えば、燃料電池車両Cの走行速度を確保することができる。
散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも多い場合に行われる節水散布モードにおいては、ラジエータ21に対する水の散布が節水散布量Wcとなるように行われる。節水散布量Wcは、標準散布量Wsに対して流量調整係数A(0<A<1)を乗算して求められる為、標準散布量Wsよりも少なく、目的地までの走行期間中に散布を継続可能な量になる。
従って、節水散布モードでは、散布可能水量Qsの水を有効に活用して、ラジエータ21に対する水の散布期間を、走行期間のあいだ水を散布することができるように長期化することができる。
又、節水散布量Wcは、散布可能水量Qs、予測発熱量Hの大きさに対応する流量調整係数Aに従って調整されている為、当該節水散布モードでは、散布可能水量Qs、散布必要水量Qrや予測発熱量Hの状況に応じて、ラジエータ21の冷却性能を適切に制限し、燃料電池10の出力を制限することができる。
即ち、当該車両用燃料電池システム1は、節水散布モードで水の散布を行うことで、散布可能水量Qsや予測発熱量Hの状況に応じて、燃料電池10の出力を適切に制限することで、目的地までの走行期間中における急激な出力低下を防止することができる。これらの点については、後に詳細に説明する。
続いて、第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1における節水散布モードの効果について、図5を参照しつつ比較例との差を用いて説明する。図5は、節水散布モード及び比較例における散布量等の或る時間t0からの時間変化を示している。
具体的には、図5は、ラジエータ21に対する水の散布量、水温センサ41で検知される冷却水温、燃料電池10の電池出力、燃料電池車両Cの走行速度に関する時間変化を示している。図5における実線は、節水散布モードにおける各要素の時間変化を示し、破線は比較例における各要素の時間変化を示している。
尚、図5における比較例について説明する。当該比較例では、車両用燃料電池システム1において、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きいにもかかわらず、予め定められている標準散布量Wsで水を散布する場合である。この為、この場合の冷却水温も基準水温よりも高い状態にある。
先ず、比較例における各要素の時間変化について説明する。時間t0においては、燃料電池10における電気化学反応が行われている為、燃料電池10では熱が生じている。図5において破線で示すように、当該比較例の場合、時間t0から標準散布量Wsでラジエータ21に対する水の散布が行われる。散布された水の蒸発潜熱によって、ラジエータ21の冷却性能が向上する。
従って、冷却水流路20を流れる冷却水温は、時間t0からの時間経過に伴って、燃料電池10の電気化学反応による熱量と、標準散布量Wsで水が散布されたラジエータ21の冷却性能が釣り合う冷却水温Twsを示す。
又、比較例においては、標準散布量Wsでラジエータ21に水が散布されている間、燃料電池10の電池出力は電池出力Osを示す。そして、当該燃料電池10の出力によって駆動する燃料電池車両Cの走行速度は、時間t0から時間が経過するに伴って上昇していき、走行速度Vsとなる。
その後、当該比較例においては、ラジエータ21に対して標準散布量Wsで水が散布されている場合には、冷却水温Tws、電池出力Os、走行速度Vsで安定した状態が維持される。
ここで、当該比較例では、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい状態にある為、目的地への走行期間中(即ち、目的地への走行経路の途中)に、貯留部31内部の水が0になってしまう。貯留部31内部の水を使い切った時間を時間teとする。これにより、比較例におけるラジエータ21に対する水の散布量は、時間teにて、標準散布量Wsから0となり、以後、0のままを示す。
時間teにて、ラジエータ21に対する水の散布量が0になると、水の蒸発潜熱を利用できなくなる為、ラジエータ21の冷却性能が低下する。これにより、冷却水流路20における冷却水温は、時間teからの時間経過に伴って上昇していき、冷却水温Twsよりも高い冷却水温Twhになってしまう。
この冷却水温が冷却水温Twhに上昇することで、燃料電池10が十分に冷却されず、燃料電池10の温度も上昇する。これにより、燃料電池10における発電効率が低下する為、燃料電池10の電池出力は、時間teからの時間の経過に伴って低下していき、電池出力Osよりも低い電池出力Ohになってしまう。
上述したように、燃料電池車両Cは、燃料電池10を駆動源として走行する為、時間teからの時間経過により、燃料電池10の出力が電池出力Ohまで低下すると、燃料電池車両Cの走行速度も走行速度Vhまで低下する。
図5に示すように、時間teの前後にて、燃料電池車両Cの走行速度は、走行速度Vsから走行速度Vhへと急激に大きく低下してしまう。これにより、当該比較例では、ラジエータ21に散布する水がなくなってしまった場合に、燃料電池10の電池出力の急激な低下が生じ、燃料電池車両Cの動作や状態の急変を招いてしまう。
次に、節水散布モードにおける各要素の時間変化について説明する。図3等を参照して説明したように、散布可能水量Qsが散布必要水量Qrよりも少ない為、節水散布モードが設定される。そして、冷却水温が基準水温よりも高い場合には、節水散布モードにて、ラジエータ21に対して節水散布量Wcの水が散布される。
節水散布量Wcは、標準散布量Wsに対して流量調整係数Aを乗算して算出され、当該流量調整係数Aは、目的地までの走行期間の間、ラジエータ21に対する水の散布を継続することができ、且つ、予測発熱量Hに対応するように定められている。この為、節水散布量Wcは、走行期間の間、水の散布を継続可能で、予測発熱量Hの大きさに対応して定められ、標準散布量Wsより少ない量を示す。
時間t0においては、燃料電池10における電気化学反応が行われている為、上述した比較例の場合と同様に、燃料電池10では熱が生じている。そして、節水散布モードにおいては、図5において実線で示すように、時間t0から節水散布量Wcでラジエータ21に対する水の散布が行われる。
この結果、散布された水の蒸発潜熱によって、ラジエータ21の冷却性能が向上する。従って、冷却水流路20を流れる冷却水温は、時間t0からの時間経過に伴って、燃料電池10の電気化学反応による熱量と、節水散布量Wcで水が散布されたラジエータ21の冷却性能が釣り合う冷却水温Twcを示す。
ここで、節水散布量Wcは、標準散布量Wsよりも少ない為、ラジエータ21の冷却性能の向上度合は、比較例の場合よりも小さくなる。従って、節水散布モードにおける冷却水温は、冷却水温Twcで安定する。図5に示すように、冷却水温Twcは、比較例にて標準散布量Wsで水を散布している場合の冷却水温Twsよりも高い。
そして、節水散布モードにおいては、節水散布量Wcでラジエータ21に対して水が散布されており、冷却水流路20の冷却水温も冷却水温Twcを示す為、燃料電池10の温度も比較例より高い状態となる。
この為、節水散布モードでは、冷却水温が冷却水温Twcになると共に、燃料電池10の電池出力は、電池出力Osから電池出力Ocに低下する。そして、当該燃料電池10の出力によって駆動する燃料電池車両Cの走行速度は、時間t0から時間が経過するに伴って上昇していくが、電池出力が電池出力Ocで安定することに伴って、比較例における走行速度Vsよりも低速な走行速度Vcで安定する。
節水散布モードにおいては、ラジエータ21に対する水の散布量が節水散布量Wcに調整されている為、時間teを経過した場合であっても、節水散布量Wcでの水の散布を継続することができる。
この為、節水散布モードにおいては、時間teの前後で、ラジエータ21の冷却性能が変化することはなく、冷却水流路20の冷却水温も冷却水温Twcを維持している。つまり、冷却水流路20における冷却水温は、冷却水温Twcのままであり、比較例のように冷却水温Twhに上昇することはない。
これにより、節水散布モードにおける燃料電池10の電池出力は、電池出力Ohよりも高い電池出力Ocを維持しており、比較例のように電池出力Ohまで急激に低下することはない。従って、燃料電池10を駆動源として走行する燃料電池車両Cの走行速度は、時間teを経過しても走行速度Vcを維持し、比較例のように走行速度Vhまで急激に低下することはない。
図5に示すように、比較例における燃料電池10の電池出力の変化量は、電池出力Osから電池出力Ohであり、節水散布モードにおける燃料電池10の電池出力の変化量は、電池出力Osから電池出力Ocである。即ち、節水散布モードを採用することによって、散布可能水量Qsが散布必要水量Qrよりも少ない場合に生じる燃料電池10の出力低下量を小さく抑えることができる。
燃料電池車両Cにおいては、燃料電池10の出力は、燃料電池車両Cの走行用駆動源として利用されている為、燃料電池車両Cの車両運動性能や安全性に対して重要な役割を果たす。従って、燃料電池10の電池出力の変化に伴って、燃料電池車両Cにおける走行速度も変化する。
具体的には、比較例における燃料電池車両Cの走行速度の変化量は、走行速度Vsから走行速度Vhであり、節水散布モードにおける燃料電池車両Cの走行速度は、走行速度Vcを維持する。
即ち、車両用燃料電池システム1によれば、節水散布モードにて燃料電池10の出力低下を小さく抑えることで、燃料電池車両Cの車両運動性能や安全性の変化(例えば、走行速度の変化)を小さくすることができる。
又、図3〜図5に示すように、節水散布量Wcは、燃料電池車両Cの走行期間においてラジエータ21に対する水の散布を継続して実行するように定められている為、図5に示す比較例のように、散布可能水量Qsの水を使い切ることはない。従って、当該車両用燃料電池システム1によれば、少なくとも目的地までの走行期間の間は、燃料電池10の急激な出力低下を防止することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る車両用燃料電池システム1によれば、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合には、散布量調整部40dによって、標準散布量Wsよりも少ない節水散布量Wcに調整して、散布ノズル37からラジエータ21に対する水の散布を行うことができる。
即ち、当該車両用燃料電池システム1によれば、燃料電池10が高温状態であり、且つ、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合には、図5に示すように、燃料電池10について若干の出力低下を許容することで、散布可能水量Qs分の水を有効に活用して水の散布期間を長期化することができ、燃料電池10の出力低下の幅を小さくすることができる。
又、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合に、散布する為の水を使い切ってしまうと、燃料電池10を冷却することができず、電気化学反応による熱に起因して、燃料電池の急激な出力低下が生じることが想定される。
この点、当該車両用燃料電池システム1によれば、節水散布量Wcでの水の散布を行うことで、燃料電池10の出力低下の変化量を小さく抑えると同時に、急激な変化を抑制することができるので、当該燃料電池10にて作動する機器及び装置の作動状態の急変を防止し、燃料電池車両Cの安全性や利便性の向上に貢献することができる。
又、ステップS10にて、節水散布モードにおける流量調整係数Aを特定する際に、流量調整係数Aは、ナビゲーション装置50からの外部情報により特定される目的地までの走行期間中にて、散布可能水量Qsの範囲内でラジエータ21に対する水の散布を継続するように定められる。
これにより、当該車両用燃料電池システム1によれば、走行期間中にてラジエータ21に散布する為の水を使い切り、燃料電池10の急激な出力低下を起こすことはない。当該車両用燃料電池システム1は、目的地までの走行期間の間、燃料電池10の出力を適切に制御することで、燃料電池車両Cによる快適な走行を実現することができる。
図4に示すように、節水散布モードにおける流量調整係数Aは、予測発熱量Hが大きいほど大きくなり、1に近づくように定められている。これにより、節水散布量Wcは、予測発熱量Hが大きい程、標準散布量Wsとの差が小さくなるように定められる。
ここで、燃料電池10においては、燃料電池10における発熱量が小さいときは、当該燃料電池10の温度が高くなった場合であっても、燃料電池10における発電効率に与える影響は小さいことが知られている。
従って、図4に示すように、予測発熱量Hと流量調整係数Aを対応付けることで、燃料電池10における発電効率の影響を小さく抑えると同時に、散布可能水量Qsの水を有効に活用可能な流量調整係数Aを定めることができる。
そして、当該車両用燃料電池システム1では、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合には、ステップS9において、ディスプレイ45に注意喚起表示が行われる。
この注意喚起表示によって、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsより大きいことが放置される為、乗員は、ラジエータ21に対して散布される水が不足していることを把握することができる。この為、乗員は、目的地に到着した後や目的地までの中間地点における水の補給等の適切な措置を講じることができる。又、節水散布モードによる燃料電池10の出力低下が生じることを把握することができるので、燃料電池車両Cの走行に関する乗員の違和感を払拭することができる。
(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態とは異なる第2実施形態について、図6を参照しつつ説明する。
第2実施形態に係る車両用燃料電池システム1は、第1実施形態と同様に、ナビゲーション装置50が搭載された燃料電池車両Cに適用されている。第2実施形態に係る車両用燃料電池システム1の基本的な構成は、第1実施形態と同様である。従って、これらに関する説明は省略する。
第2実施形態に係る車両用燃料電池システム1の制御処理の内容について説明する。第2実施形態に係る車両用燃料電池システム1の制御処理については、ステップS10で用いる制御マップの内容を除いて、第1実施形態と同様である。従って、以下の説明では、第2実施形態におけるステップS10の処理内容について説明する。
第2実施形態においても、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きい場合に、ステップS9にて、注意喚起表示がディスプレイ45に表示される。その後、節水散布量Wcを定める為の流量調整係数Aが特定される。
第2実施形態に係る流量調整係数Aは、第1実施形態と同様に、燃料電池車両Cの走行期間中に散布可能水量Qsの水を使い切ることがないように、走行期間中における水の総散布量が散布可能水量Qsと等しくなるように定められる。換言すると、流量調整係数Aは、燃料電池車両Cの走行期間中において、ラジエータ21に対する水の散布を継続して実行できるように定められる。
又、第2実施形態に係る流量調整係数Aの特定は、燃料電池車両Cの走行速度と、ROMに記憶されている流量調整係数Aに係る制御マップを参照して行われる。図6に示すように、第2実施形態における流量調整係数Aに係る制御マップは、流量調整係数Aに対して当該燃料電池車両Cの車速偏差Vdを対応付けて構成されている。
当該車速偏差Vdは、予め定められた基準速度と、車速センサ44により取得される燃料電池車両Cの走行速度との偏差を意味する。図6に示すように、当該流量調整係数Aに係る制御マップでは、車速偏差Vdが小さいほど、流量調整係数Aが小さな値を示し、車速偏差Vdが大きい程、流量調整係数Aが大きな値を示す(即ち、1に近づく)ように関連付けられている。
車速偏差Vdが大きい場合、燃料電池10に対する負荷が大きいことを意味する為、燃料電池10の発熱量は大きい。一方、車速偏差Vdが小さい場合は、燃料電池10に対する負荷が小さい為、燃料電池10の発熱量も小さくなる。
上述したように、燃料電池10においては、燃料電池10における発熱量が小さいときは、当該燃料電池10の温度が高くなった場合であっても、燃料電池10における発電効率に与える影響は小さい。
従って、流量調整係数Aに係る制御マップにて、図6に示すように車速偏差Vdと流量調整係数Aを対応付けることで、燃料電池10における発電効率の影響を小さく抑えると同時に、散布可能水量Qsの水を有効に活用可能な流量調整係数Aを特定することができる。こうして、図6に示す制御マップを用いて流量調整係数Aを特定した後、ステップS11に処理を移行する。
以上説明したように、第2実施形態に係る流量調整係数Aは、図6に示すように、車速センサ44で検出される走行速度を用いて特定される車速偏差Vdが大きいほど大きくなり、1に近づくように定められている。これにより、節水散布量Wcは、車速偏差Vdが大きい程、標準散布量Wsとの差が小さくなるように定められる。
ここで、車速偏差Vdが大きい場合とは、燃料電池10に対する負荷が大きく、燃料電池10の発熱量が大きい状況を示す。換言すると、車速偏差Vdが小さい場合、燃料電池10に対する負荷が小さく、燃料電池10の発熱量が小さい場合に相当する。
上述したように、燃料電池10において、燃料電池10の発熱量が小さいときは、当該燃料電池10の温度が高くなった場合であっても、燃料電池10における発電効率に与える影響は小さいことが知られている。
従って、図6に示すように、車速偏差Vdと流量調整係数Aを対応付けることで、燃料電池10における発電効率の影響を小さく抑えると同時に、散布可能水量Qsの水を有効に活用可能な流量調整係数Aを定めることができる。
(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良いし、上述した実施形態を種々変形することも可能である。
(1)上述した実施形態においては、ナビゲーション装置50を、本発明における外部情報提供部として用いていたが、この態様に限定されるものではない。熱媒体温度に影響を与える外部情報を提供可能であれば、他の情報源を更に用いることも可能である。
例えば、VICS(登録商標)等を利用して、外部情報として、目的地に至るまでの渋滞情報、天気、湿度、外気温等の各種交通情報、気象情報を得ることができるように構成してもよい。例えば、交通渋滞や気温が高い場合には、ラジエータ21による冷却に不利な条件となることが考えられる。これらの情報を複合的に用いることで、予測発熱量Hをより精度よく算出することができる。
(2)又、上述した実施形態においては、散布必要水量Qr及び散布可能水量Qsを、それぞれ、ステップS5、ステップS6にて算出して特定していたが、外部情報等に基づいて散布必要水量Qr、散布可能水量Qsを特定することができればよい。例えば、各外部情報が関連付けられたデータベースを用いて、該当する散布必要水量Qr、散布可能水量Qsを特定してもよい。
(3)そして、上述した実施形態においては、流量調整係数Aは、図4や図6に示すような制御マップを用いて決定していたが、この態様に限定されるものではない。予測発熱量Hや車速偏差Vdを用いて、流量調整係数Aを算出する構成としても良い。この流量調整係数Aの特定に関しても、他の外部情報を考慮するように構成することも可能である。
(4)又、上述した実施形態では、貯留部31を気液分離器30の一部として構成していたが、この構成に限定されるものではない。例えば、別体に形成された貯留部を気液分離器30の下方に配置し、気液分離器30の下面から貯留部へ生成水を導く接続流路を取り付けた構成とすることも可能である。
貯留部31を気液分離器30と別体とすることによって、貯留部31に対する水の補給を容易に行うことができる。又、貯留部31の配置を工夫することで、貯留部31内の水に対する燃料電池10等による熱の影響を抑えることも可能となる。
(5)そして、上述した実施形態においては、節水散布モード時における流量調整係数Aの特定に際して、目的地までの走行期間中に、散布必要水量Qrの範囲内でラジエータ21に対する水の散布を継続できるように、流量調整係数Aを定めるように構成していたが、節水散布量Wcを標準散布量Wsより少なくすることができれば、この態様に限定されるものではない。
例えば、目的地までの走行期間中に水の散布を継続するように流量調整係数Aを定めた結果、節水散布量Wcが標準散布量Wsよりも極端に少なくなるような場合(例えば、標準散布量Wsの30%以下)には、節水散布量Wcが標準散布量Wsに対して所定の割合となるように流量調整係数Aを定めても良い。又、目的地までの走行期間から、目的地までの走行経路上における所定のランドマークまでの走行期間に変更するように構成してもよい。
(6)又、上述した実施形態においては、ステップS9にて、ディスプレイ45に注意喚起表示を行うように構成していたが、散布必要水量Qrが散布可能水量Qsよりも大きく、ラジエータ21に散布する水が不足することに係る注意喚起を行うことができれば、種々の態様を採用することができる。例えば、カーオーディオ等を用いて音声による注意喚起を行っても良いし、計器盤等に配置された表示灯の点灯によって、注意喚起を行っても良い。
(7)そして、ステップS10における注意喚起表示の内容としては、種々の態様を採用することができる。例えば、散布用の水の補給時期の目安(例えば、走行経路上におけるランドマーク等)を報知しても良い。又、節水散布モード時における燃料電池10の出力低下の度合を報知してもよい。
(8)又、上述した実施形態においては、燃料電池車両Cの走行経路が、ナビゲーション装置50にて予め設定された走行経路から外れた場合、或いは目的地が変更された場合には、最適な制御パターンを再度算出し直すことも可能である。
1 車両用燃料電池システム
10 燃料電池
21 ラジエータ
30 気液分離器
37 散布ノズル
40a 予測発熱量特定部
40b 必要水量特定部
40c 散布可能水量特定部
40d 散布量調整部
50 ナビゲーション装置

Claims (5)

  1. 車両(C)の走行用動力源として配置され、酸素と水素とを電気化学反応させて電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、
    車両の走行負荷に応じて発熱する前記燃料電池を、熱媒体と熱交換させて冷却する冷却装置(21)と、
    前記燃料電池における電気化学反応により生じた水を回収する水分回収部(30)と、
    前記水分回収部で回収した水を貯留する貯留部(31)と、
    前記貯留部に貯留された水を前記冷却装置に対して散布する散布部(36、37)と、
    前記熱媒体の温度に影響を与える外部情報を提供する外部情報提供部(50)と、
    前記外部情報提供部によって提供された前記外部情報を用いて、車両の走行期間中における前記燃料電池の発熱量を予測した予測発熱量(H)を特定する予測発熱量特定部(40a)と、
    前記予測発熱量で発熱する前記燃料電池を前記冷却装置で冷却する為に、前記散布部での散布に必要な水の必要水量(Qr)を、前記外部情報提供部にて提供された前記外部情報を用いて特定する必要水量特定部(40b)と、
    前記車両の走行期間中に前記燃料電池にて生じる水の水量と、前記貯留部に貯留されている水の水量とを含む散布可能水量(Qs)を特定する散布可能水量特定部(40c)と、
    前記必要水量が前記散布可能水量よりも大きい場合に、前記散布部から散布される水の散布量を、前記必要水量が散布可能水量よりも大きくない場合の標準散布量(Ws)よりも少なくなるように調整する散布量調整部(40d)と、を有する車両用燃料電池システム。
  2. 前記散布量調整部は、
    前記必要水量が前記散布可能水量よりも大きい場合に、前記外部情報によって定められる走行期間中にて、前記散布可能水量の範囲内で前記散布部による水の散布を継続するように、前記散布量を調整する請求項1に記載の車両用燃料電池システム。
  3. 前記散布量調整部は、
    前記予測発熱量特定部にて特定された前記燃料電池の予測発熱量が大きい程、前記散布部から散布される水の散布量を、前記標準散布量に対する差が小さくなるように調整する請求項1又は2に記載の車両用燃料電池システム。
  4. 車両の走行速度を取得する走行速度取得部(44)を有し、
    前記散布量調整部は、
    前記走行速度取得部にて取得された前記走行速度と、予め定められた基準速度との偏差(Vd)が大きい程、前記散布部から散布される水の散布量を、前記標準散布量に対する差が小さくなるように調整する請求項1又は2に記載の車両用燃料電池システム。
  5. 前記必要水量が前記散布可能水量よりも大きい場合に、車両の走行期間中における水の散布に必要な水量が不足している旨を報知する報知部(45)を有する請求項1ないし4の何れか1つに記載の車両用燃料電池システム。
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