JP2001313054A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
小型化を図ることが可能な燃料電池システムを提供す
る。 【解決手段】 水素と酸素とを化学反応させて電力を得
る燃料電池1と、熱媒体を用いて熱交換することにより
燃料電池1を冷却する冷却装置4とを備え、化学反応で
発生する水分の蒸発潜熱により冷却装置4の放熱量を増
大する。化学反応で発生する水分は、冷却装置4に直接
散布、あるいは冷却装置4に送風される空気中に散布し
てもよい。燃料電池1で発生する水分は、気液分離器1
0により水蒸気と水に分離され、この分離された水を散
布に用いる。また、燃料電池1の出力に基づいて散布の
制御を行う制御装置12を備えている。
Description
率を向上を図る燃料電池システムに関する。
反応を利用して発電を行う燃料電池を備えた燃料電池シ
ステムが知られている。燃料電池では、発電時の化学反
応により水分および熱が発生する。燃料は発電効率のた
め定温(80℃程度)に維持する必要があり、発電時に
発生する熱のほとんどを、水等の熱媒体を介してラジエ
ータ(空冷式の冷却装置)により大気に放出している。
池システムでは内燃機関に比較して発熱量が小さく、冷
却水温度と外気温度との気水温度差が50%程度低下す
るため、ラジエータによる冷却には不利である。そこ
で、ラジエータの冷却性能を確保するためにはラジエー
タの性能を向上させる必要がある。一般的なラジエータ
の性能は、ラジエータ自身の体格およびファンの送風量
によってほぼ決定する。このため、通常ラジエータ能力
を向上させるには、ラジエータの体格を大きくするか、
あるいはファンの送風量を増大させる必要がある。
源として適用する場合には、車両に搭載可能な空間サイ
ズは限定されるためラジエータ小型化の要求があり、ラ
ジエータの体格を大きくすることは困難である。さらに
ファン能力を増大させるためには大電力が必要であると
いった問題がある。
冷却性能を向上させ、冷却装置の小型化を図ることが可
能な燃料電池システムを提供すること目的とする。
膜が一対の電極で挟まれたセルが多数組み合わされて構
成されており、発電の際には、水素と酸素との化学反応
のために電解質膜を常に水分を含んだ状態にしておく必
要がある。そこで、従来の燃料電池システムでは、発電
時に発生する水分の一部を、加湿器を介して燃料電池に
供給される空気あるいは水素を加湿して電解質膜の加湿
に利用するものが提案されており、残りの水分は系外に
排出される。
なって系外に排出される水分が存在することに着目し、
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
水素と酸素とを化学反応させて電力を得る燃料電池
(1)と、熱媒体を用いて熱交換することにより燃料電
池(1)を冷却する冷却装置(4)とを備え、化学反応
で発生する水分の蒸発潜熱により冷却装置(4)を冷却
することを特徴としている。
発電時に発生する水分を最大限に有効利用して、冷却装
置(4)での放熱量を増大させ、冷却装置(4)の冷却
性能を向上させることができる。これにより、従来のよ
うに冷却装置(4)を空冷だけで冷却を行う場合より、
冷却装置(4)に必要とされる冷却能力を低減できる。
従って、大電力を必要とすることなく冷却装置(4)の
冷却性能を確保しつつ、冷却装置(4)を小型化するこ
とが可能となり、燃料電池システム全体の効率を向上さ
せることができる。
に、化学反応で発生する水分を冷却装置(4)に直接散
布することができ、また、請求項3に記載の発明のよう
に、化学反応で発生する水分を冷却装置(4)に送風さ
れる空気中に散布することができる。
池(1)の出力に基づいて散布の制御を行う制御装置
(12)を備えることを特徴としている。
性に応じて適切に冷却を行うことができる。また、燃料
電池(1)の出力として、熱媒体の燃料電池(1)の出
口温度や燃料電池(1)の発電量等を用いることができ
る。
応で発生する水分を水蒸気と水に分離する気液分離器
(10)を備え、気液分離器(10)にて分離される水
を散布に用いることを特徴としている。
しておくことができ、冷却装置(4)の冷却のため緊急
に大量の水が必要な場合でも対応できる。また、気液分
離器(10)に貯蔵されている水は、凝縮により低温状
態で生成されるので、熱媒体との温度差が広がり、効果
的に冷却装置(4)を冷却できる。
池(1)は電解質膜を備え、気液分離器(10)にて分
離される水蒸気は、電解質膜の加湿に用いられることを
特徴としている。これにより、燃料電池(1)で生成さ
れる水分をより効果的に利用することができる。
素とを化学反応させて電力を得る燃料電池(21)と、
熱媒体を用いて熱交換することにより燃料電池(21)
を冷却する冷却装置(24)と、高温高圧の冷媒を冷却
する高圧側熱交換器(29)を有する車内空調用の冷凍
サイクル装置とを備え、冷却装置(24)あるいは高圧
側熱交換器(29)の少なくとも一方に対し、化学反応
で発生する水分を散布して水分の蒸発潜熱により冷却す
ることを特徴としている。
した生成水を、燃料電池(21)を冷却する冷却装置
(24)の冷却のみならず、車室内の空調に用いられる
熱交換器(29)の冷却にも利用して冷凍サイクルの効
率を向上させることができる。
の温度(Tw)が所定温度(Ta)を超えている場合に
は、冷却装置(24)に水分を散布し、熱媒体の温度
(Tw)が所定温度(Ta)を超えていない場合であっ
て、冷凍サイクル装置が作動しているときには、高圧側
熱交換器(29)に水分を散布することを特徴としてい
る。このように、車両走行に必要な燃料電池の冷却を優
先することで、車両走行能力を確保することができる。
置(24)は送風用ファン(25)を備えており、熱媒
体の温度(Tw)が所定温度(Ta)を超えていない場
合であって、かつ、冷凍サイクル装置が作動していない
場合において、送風用ファン(25)が作動していると
きには、冷却装置(24)に水分を散布することを特徴
としている。これにより、冷却装置(24)の冷却能力
を向上させて、ファン(25)の消費電力を低減させる
ことができる。
冷却装置(24)に水分を散布した場合に水分が残留す
るときには、冷却装置(24)および高圧側熱交換器
(29)に同時に水分を散布するようにしてもよい。
サイクル装置の冷媒の蒸発潜熱により車室内に送風され
る空気を冷却する蒸発器(38)を備え、蒸発器(3
8)により冷却された空気から発生する凝縮水を回収
し、化学反応により生じた水分に加えることを特徴とし
ている。
加えて、空調装置の作動に伴って発生する生成水を回収
して有効利用することができる。
は、散布に加えて、燃料電池(21)に供給される水素
あるいは酸素の少なくとも一方の加湿に用いられること
を特徴としている。これにより、燃料電池(21)内部
の電解質膜を湿潤状態に保つことができる。
反応で発生する水分を水蒸気と水に分離し、分離した水
を貯蔵する気液分離器(42)を備え、気液分離器(4
2)には、貯蔵水を散布に用いるための散布用通路(3
2、33)と、貯蔵水を加湿に用いるための加湿用通路
(31)とが接続されており、散布用通路(32、3
3)は、加湿用通路(31)より上方に接続されている
ことを特徴としている。
接続された部位より下方に存在する水は、冷却装置(2
4)等への散布には使用することができない。従って、
より優先順位の高い水素等の加湿用に、常に水を確保し
ておくことができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
適用した第1実施形態を図1に基づいて説明する。本実
施形態の燃料電池システムは、燃料電池を電源として走
行する電気自動車(燃料電池車両)に適用したものであ
る。
システムは、水素と酸素との化学反応を利用して電力を
発生する燃料電池(FCスタック)1を備えている。本
実施形態の燃料電池1は固体高分子電解質型燃料電池を
用いており、電解質膜が一対の電極で挟まれたセルが多
数組み合わされて構成されている。この燃料電池1は、
走行用電動モータやバッテリ等の電気機器(図示せず)
に電力を供給するものである。
(酸素)が供給され、水素通路3を介して水素が供給さ
れるように構成されている。発電時の化学反応のために
電解質膜を水分を含んだ状態にしておく必要があるた
め、本実施形態では、図示しない加湿器等により予め加
湿された空気が燃料電池1に供給され、燃料電池1内の
電解質が加湿されるように構成されている。
り水分および熱が発生する。燃料電池1は発電効率のた
めに運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必
要があり、燃料電池システムには燃料電池1で発生した
熱を系外に放出するための冷却装置としてのラジエータ
4が設けられている。燃料電池1を通過した熱媒体(例
えば冷却水等の流体)は熱媒体流路6を介してラジエー
タ4に循環し、ここで外気(大気)と熱交換され冷却さ
れる。ラジエータ4はファン5を備えており、これによ
り送風が行われラジエータ4の熱交換を補助する。
場合にラジエータ4をバイパスさせるバイパス流路6a
が設けられている。この冷却水のバイパス流路6aへの
切り替えは、三方切替弁7により行われる。また、熱媒
体流路6には、冷却水を循環させるためのウォータポン
プ8が設けられている。熱媒体流路6における燃料電池
1出口側には、冷却水温度を検出する温度センサ9が設
けられている。
は、燃料電池1から空気に含まれた状態で空気通路2を
介して排出される。そこで、本実施形態の燃料電池シス
テムには、空気通路2における燃料電池1の下流側に、
発電の際に発生した水分を水蒸気および水に分離する気
液分離器10が設けられている。気液分離器10で分離
された水蒸気は系外に排出される。気液分離器10で分
離された水は、凝縮により温度が下げられた状態で気液
分離器10内に一旦貯えられ、その後、散布用流路11
を介してラジエータ4に散布(供給)される。散布用通
路11には、水を散布用通路11に供給するためのウォ
ータポンプ12と、散布用通路11を流れる水の流量を
制御するための散布用弁13が設けられている。
池1の出力に基づいて燃料電池1の冷却制御を行う制御
装置14を備えている。燃料電池1の出力変化に伴い燃
料電池1の発熱量が変化するので、本実施形態では燃料
電池1の出力として、燃料電池1の温度(発熱量)に対
応した冷却水の燃料電池1出口温度を用いている。従っ
て制御装置14は、温度センサ9からの温度信号に基づ
いて三方切替弁7、ウォータポンプ12、散布用弁13
の制御を行う。これにより、熱媒体流路6において冷却
水がバイパス流路6aに流れる量や気液分離器10に貯
蔵された水のラジエータ4への散布量を調整する。
動を図1、図2に基づいて説明する。まず、図示しない
加熱手段により燃料電池1を発電可能温度まで加熱した
後、水素、空気の供給を開始する。これにより燃料電池
1では発電が開始される。この発電時の化学反応により
燃料電池1では水分と熱が発生する。水分は空気通路2
を介して空気に含まれた状態で燃料電池1から排出され
た後、気液分離器10で水蒸気と水に分離される。水蒸
気は系外に排出され、水は気液分離器10で貯蔵され
る。燃料電池1で発生した熱は、以下の冷却制御により
大気中に放出される。
ムの冷却制御について図2のフローチャートに基づいて
説明する。まず、車両が停止しているか否か判定する
(S100)。車両が停止している場合には、燃料電池
1の冷却は不要であり終了する(S110)。車両が停
止していない場合には、燃料電池1の冷却が必要か否か
を判定する(S120)。具体的には、制御装置14に
おいて、温度センサ9で検出した冷却水温度Twが、冷
却の必要な所定温度Ts(例えば90℃)以上であるか
否かを判定する。冷却が不要であれば(Tw<Ts)、
制御装置14からの信号によって、冷却水が熱媒体流路
6中バイパス通路6aを流れるように三方弁7が切り替
えられ(図1中矢印A)、冷却水はラジエータ4をバイ
パスする(S130)。
s)、冷却水がラジエータ4に流れるように三方弁7が
切り替えられ(図1中矢印B)、ラジエータ4による冷
却水の冷却が行われる(S140)。ここで、燃料電池
1の冷却がさらに必要か否か判定する(S150)。こ
こではラジエータ4のよる冷却のみで充分な冷却が得ら
れるか否かを判定する。
>Ts)、すなわちラジエータ4のみによる冷却では不
充分と判定された場合には、気液分離器10に貯蔵され
た水がラジエータ4に散布される(S160)。具体的
には、制御装置14では温度センサ9からの温度信号に
より必要散布量を算出し、これに基づいてウォータポン
プ12および散布用弁13を作動させ、これによりラジ
エータ4への散布(供給)が行われる。これにより、散
布された水の蒸発潜熱(吸熱)によってラジエータ4の
放熱能力を向上させ、効果的に冷却水の温度を低下させ
る。
る水は凝縮により低温状態で生成されており、このよう
な低温の水をラジエータ4に散布することで冷却水との
温度差が広がり、効果的に冷却水の冷却を行うことがで
きる。また、気液分離器10内に水を貯蔵しておくこと
で、冷却のため緊急に大量の水が必要な場合でも対応で
きる。
布用通路11を介してラジエータ4に散布する際、水が
ラジエータ4にて蒸発することにより蒸発潜熱によりラ
ジエータ4の放熱能力を向上させ、効果的に冷却水の温
度を低下させればよく、水滴状態でラジエータ4本体に
散布する場合、あるいは霧状にしてラジエータ4本体に
散布(噴霧)する場合等、種々の散布方法を用いること
ができる。さらに、水をラジエータ4本体に直接散布す
るのではなく、ノズルやインジェクタ等によりラジエー
タ4に送風される空気中に散布して、送風空気を冷却し
てもよい。この場合には、冷却された空気がラジエータ
4に送風され、ラジエータ4の放熱効率が向上する。
では、燃料電池1の出力に応じて、すなわち燃料電池1
の冷却の必要性に応じて(1)ラジエータ4を使用しな
い場合、(2)ラジエータ4が空冷のみで冷却を行う場
合、(3)ラジエータ4が空冷と水の蒸発潜熱による冷
却を行う場合のいずれかに切り替える制御が可能となっ
ている。
れば、燃料電池1で発電時に発生する水分をラジエータ
4に散布することで、発電時に発生する水分を最大限に
有効利用して、ラジエータ4での放熱量を増大できる。
これにより、従来のようにラジエータ4を空冷だけで冷
却を行う場合より、ラジエータ4に必要とされる冷却能
力を低減できる。従って、大電力を必要とすることなく
ラジエータ4の冷却性能を確保しつつ、ラジエータ4を
小型化することが可能となり、燃料電池システム全体の
効率を向上させることができる。
形態の燃料電池システムを図3に基づいて説明する。本
第2実施形態の燃料電池システムは、上記第1実施形態
に比較して、空気通路2に全熱交換器15と、全熱交換
器15に空気を供給するポンプ16が追加されたもので
ある。上記第1実施形態と同様の部分については同一の
符号を付して説明を省略する。
電池システムでは、空気通路2に全熱交換器15が設け
られている。空気通路2は、燃料電池1の上流側および
下流側において全熱交換器15を通過するように構成さ
れている。
液分離器10にて水蒸気と水に分離され、水は上記第1
実施形態と同様に散布によるラジエータ4の冷却に利用
される。一方、気液分離器10にて分離された水蒸気
は、空気通路2を介して全熱交換器15に流れ、ここで
燃料電池1に供給される空気の加湿に利用される。この
とき、全熱交換器15では、供給空気の温度を若干高く
することにより、水蒸気を多く含むことができるように
している。加湿された空気が燃料電池1に供給されるこ
とにより、燃料電池1内の電解質を加湿することができ
る。
の構成によれば、燃料電池1にて発電時に発生した水分
を気液分離器10で水蒸気と水に分離した後、上記第1
実施形態のように水をラジエータ4の冷却に用い、さら
に水蒸気を供給空気の加湿に用いる。従って、本第2実
施形態では、燃料電池1で生成される水分をより効果的
に利用することができる。
形態を図4、図5に基づいて説明する。本第3実施形態
の燃料電池システムは、燃料電池にて発電時に発生する
水分を、燃料電池の冷却に用いられるラジエータに加え
て、車室内の空調に用いられるコンデンサの冷却にも用
いている。本第3実施形態の燃料電池システムは、燃料
電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)
に適用したものである。
ムの全体構成を示している。図4に示すように、本第3
実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素との化学反
応を利用して電力を発生する燃料電池(FCスタック)
21を備えている。燃料電池21には、空気通路22を
介して空気(酸素)が供給され、水素通路23を介して
水素が供給される。
却するためのラジエータ24が設けられている。ラジエ
ータ24は送風冷却用ファン25を備えており、ファン
25の周囲はファンシュラウド26が設けられている。
燃料電池21には熱媒体流路27を介して熱媒体(例え
ば冷却水等の流体)が循環する。熱媒体流路27には、
冷却水を循環させるためのウォータポンプ28が設けら
れている。
ムは、車室内の空調装置(エアコンディショナ)に用い
られる冷凍サイクル装置を備えている。冷凍サイクル装
置は、冷媒が循環する冷媒通路、冷媒の圧縮吐出を行う
コンプレッサ、コンプレッサから吐出された高圧冷媒を
凝縮するコンデンサ、コンデンサで凝縮した冷媒を減圧
する減圧装置、減圧装置で減圧した低圧冷媒を蒸発させ
るエバポレータ等よりなる周知の冷凍サイクルから構成
されている。コンデンサ29は、高温高圧の冷媒ガスの
熱を大気中に放出して、冷媒ガスを凝縮液化させるため
の高圧側熱交換器である。なお、冷凍サイクル装置は、
コンデンサ29を除いて図示を省略している。
側には、発電の際に発生して空気に含まれた状態で排出
される生成水を、水蒸気および水に分離する気液分離器
30が設けられている。気液分離器30で分離された水
蒸気は系外に排出され、分離された水は気液分離器30
内に貯えられる。気液分離器30内に貯蔵された水は、
燃料電池21内への水分補給と、ラジエータ24および
コンデンサ29の冷却に用いられる。
湿用通路31を介して空気通路22および水素通路23
に供給される。これにより、予め加湿された空気および
水素が燃料電池21に供給され、燃料電池21内の電解
質が加湿される。
は、散布用通路32、33を介してノズル36、37よ
りラジエータ24およびコンデンサ29に散布(供給)
される。ノズル36、37は、ラジエータ24等の風上
(車両前方側)に配置されている。散布された水の蒸発
潜熱により、ラジエータ24およびコンデンサ29は冷
却される。散布用通路32、33には、水をラジエータ
24等に供給するためのウォータポンプ34、35が設
けられている。
種制御を行う図示しない制御装置を備えている。制御装
置は、燃料電池21に循環する冷却水の温度、ラジエー
タファン作動状態、冷凍サイクル装置作動状態等に基づ
いて、ラジエータ24あるいはコンデンサ29に対する
水分の散布を制御する。
30に分離貯蔵された燃料電池20の生成水の利用方法
について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ップS200)。次に、冷却水温度Twが目標温度Ta
を超えているか否かを判定する(ステップS210)。
この結果、Tw>Taである場合には、ラジエータ用ポ
ンプ34を作動させ、ラジエータ24に生成水を散布
(噴射)する(ステップS220)。散布された水の蒸
発潜熱によりラジエータ24の温度を低下させることが
でき、ラジエータ24の冷却能力を向上させることがで
きる。
ない場合には、空調装置が作動しているか否か、すなわ
ち冷凍サイクル装置が作動しているか否かを判定する
(ステップS230)。この結果、空調装置が作動して
いる場合には、コンデンサ用ポンプ35を作動させ、コ
ンデンサ29に生成水を散布する(ステップS24
0)。散布された水の蒸発潜熱によりコンデンサ29の
温度を低下させることができ、冷凍サイクルの高圧側の
冷媒ガス圧力を低下させることができる。これにより、
冷凍サイクルの効率(COP)を向上させることがで
き、コンプレッサ消費動力を低減させることができ、車
両燃費を向上させることができる。これは、エアコンの
クールダウン時や夏期等の渋滞走行等のような冷凍サイ
クルの高圧側冷媒ガス圧力が上昇する条件において、特
に有効である。
エータファン25が作動しているか否かを判定する(ス
テップS250)。この結果、ファン25が作動してい
る場合には、ラジエータ用ポンプ34を作動させ、ラジ
エータ24に生成水を散布する(ステップS260)。
これにより、ラジエータ24の冷却能力を向上させるこ
とができるため、ファン25の稼働率を低下させること
ができ、ファン消費電力を低減させることができる。
検出し、燃料電池20を停止させるか否かを判定する
(ステップS270)。この結果、燃料電池20を停止
させる場合には本制御を終了し、停止させない場合には
上記ステップS200に戻り、上記の各ステップを繰り
返し行う。
タ24およびコンデンサ29の冷却能力を向上させるこ
とができる。これにより、ラジエータ24の冷却能力向
上と同時に補機類の消費電力が低減し、車両の燃費を向
上させることができる。また、本第3実施形態では、車
両走行に必要な燃料電池21の冷却装置であるラジエー
タを優先的に冷却することで、車両走行能力を確保して
いる。
形態について図6に基づいて説明する。本第4実施形態
は、上記第3実施形態に比較して、燃料電池の生成水に
加えて車内用空調装置で発生する生成水(凝縮水)を回
収する点が異なるものである。上記第3実施形態と同様
の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
の概略構成を示している。図6に示すように、本第4実
施形態では、冷凍サイクルのエバポレータ38の下方
に、エバポレータ38にて発生する凝縮水を回収するた
めの凝縮水回収トレイ39が設けられている。凝縮水回
収トレイ39は、凝縮水回収配管40により気液分離器
30に接続されている。
装置で低温低圧の状態となった液冷媒を蒸発させること
で、エバポレータ38を通過して車室内に送風される空
気を冷却する。このとき、空気が露点温度以下に冷却さ
れることで、空気中の水分が凝縮してエバポレータ38
の表面に凝縮水が生成する。この凝縮水は、凝縮水回収
トレイ39にて回収され、凝縮水回収配管40を介して
気液分離器30に貯蔵される。
成水に加えて、空調装置の作動に伴って発生する生成水
を回収することができ、ラジエータ24あるいはコンデ
ンサ29に散布して、これらの冷却に利用することがで
きる。
形態について図7に基づいて説明する。本第5実施形態
は、上記第3実施形態に比較して、気液分離器30に貯
蔵された生成水の散布方式が異なるものである。上記第
3実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省
略する。
の全体構成を示している。図7に示すように、気液分離
器30に貯蔵された生成水は、1本の散布用通路32を
介してノズル36、37に供給される。散布用通路32
には、流路内の圧力を調整するプレッシャレギュレータ
41が設けられている。また、それぞれのノズル36、
37には、図示しない制御部によって開閉制御される弁
が設けられている。
以下のように気液分離器30に貯蔵された生成水がラジ
エータ等に散布される。
離器30内の生成水がノズル36、37に圧送される。
このとき、プレッシャレギュレータ41にて水圧が調整
される。そして、ラジエータ24あるいはコンデンサ2
9に対して水の噴射が必要なときに、ノズル36、37
に設けられた弁が開けられ水が噴射(散布)される。
6、37に設けられた弁の開閉により水の噴射制御をす
るので、応答性を向上させることができる。従って、例
えばデューティ比制御により水の噴射制御を行う場合に
適している。
形態について図8に基づいて説明する。本第6実施形態
は、上記第3実施形態に比較して、液器分離器の構成が
異なるものである。上記第3実施形態と同様の部分は同
一の符号を付して説明を省略する。
拡大断面を示している。気液分離器42には、燃料電池
20から排出された排ガスが流入・流出する空気通路2
2が接続されている。また、気液分離器42において水
分が貯蔵される下方側には、気液分離器42に貯蔵され
た水を、空気通路22等に供給する加湿用通路31と、
ラジエータ24等に供給する散布用通路32、33とが
接続されている。散布用通路32、33は、加湿用通路
31に比較して高い位置に接続されている。散布用通路
32、33が接続されている水面レベルが、加湿用貯蔵
水レベル42aとなる。
成水を含んだ排気空気が流入し、排気空気より分離され
た水分が下方に溜まり貯蔵される。この貯蔵された水
は、燃料電池21に供給される空気および水素の加湿
と、ラジエータ24等への噴射に用いられる。このと
き、散布用通路32、33は加湿用通路31より高い位
置に接続されているので、加湿用貯蔵水レベル42aよ
り下に存在する水は、ラジエータ24等への噴射には使
用することができない。これにより、より優先順位の高
い空気等の加湿用に、常に水を確保しておくことができ
る。
施形態では、燃料電池1の出力に対応する冷却水温度T
w(間接的な燃料電池温度)に基づいて制御装置14に
よる冷却制御を行ったが、これに限らず、例えば燃料電
池1の発電量に基づいて冷却制御を行うこともできる。
通路2の燃料電池1下流側に気液分離器10を設け、気
液分離器10にて分離貯蔵された水をラジエータ4の冷
却に用いたが、気液分離器10を省略して、燃料電池1
から排出される水分を含んだ空気を直接ラジエータ4に
散布(供給)するように構成してもよい。このような構
成によっても、上記実施形態と同様に、燃料電池1で発
生した水の蒸発潜熱を利用してラジエータ4の放熱効率
を向上させ、効果的に冷却水の温度を低下させることが
できる。また、この場合には、燃料電池システム全体の
構成を簡素化できる。
エータ24あるいはコンデンサ29に生成水を散布する
のにノズル36、37を用いたが、これに限らず、噴射
する機構を備えていれば任意の装置を用いることができ
る。
サイクルの高圧側の熱交換器としてコンデンサ29を用
いているが、これに限らず、例えばガスクーラ等を用い
てもよい。
エータ24およびコンデンサ29の双方に燃料電池21
の生成水を散布するように構成しているが、これに限ら
ず、いずれか一方にのみ散布するように構成してもよ
い。
的にラジエータ24に生成水を散布し、ラジエータ24
の冷却能力に余裕がある場合にコンデンサ29に生成水
を散布する構成としたが、これに限らず、生成水の量に
余裕がある場合には、ラジエータ24およびコンデンサ
29の双方に同時に生成水を散布するように構成しても
よい。
み気液分離器を設けたが、これに限らず、水素通路の燃
料電池下流側においても同様の気液分離器を設け、燃料
電池から排出される排ガスからも水分を回収するように
構成してもよい。あるいは、単一の気液分離器に空気通
路側の排気と水素通路側の排気を導くように構成しても
よい。
示す模式図である。
ャートである。
示す模式図である。
示す模式図である。
フローチャートである。
示す模式図である。
示す模式図である。
示す模式図である。
水素通路、4、24…冷却装置(ラジエータ)、6、2
7…熱媒体流路、9…温度センサ、10、30、42…
気液分離器、14…制御装置、29…コンデンサ。
Claims (13)
- 【請求項1】 水素と酸素とを化学反応させて電力を得
る燃料電池(1)と、 熱媒体を用いて熱交換することにより前記燃料電池
(1)を冷却する冷却装置(4)とを備え、 前記化学反応で発生する水分の蒸発潜熱により前記冷却
装置(4)を冷却することを特徴とする燃料電池システ
ム。 - 【請求項2】 前記化学反応で発生する水分を前記冷却
装置(4)に直接散布することを特徴とする請求項1に
記載の燃料電池システム。 - 【請求項3】 前記化学反応で発生する水分を前記冷却
装置(4)に送風される空気中に散布することを特徴と
する請求項1に記載の燃料電池システム。 - 【請求項4】 前記燃料電池(1)の出力に基づいて前
記散布の制御を行う制御装置(12)を備えることを特
徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。 - 【請求項5】 前記化学反応で発生する水分を水蒸気と
水に分離する気液分離器(10)を備え、 前記気液分離器(10)にて分離される水を前記散布に
用いることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1
つに記載の燃料電池システム。 - 【請求項6】 前記燃料電池(1)は電解質膜を備えて
おり、 前記気液分離器(10)にて分離される水蒸気は、前記
電解質膜の加湿に用いられることを特徴とする請求項4
または5に記載の燃料電池システム。 - 【請求項7】 水素と酸素とを化学反応させて電力を得
る燃料電池(21)と、 熱媒体を用いて熱交換することにより前記燃料電池(2
1)を冷却する冷却装置(24)と、 高温高圧の冷媒を冷却する高圧側熱交換器(29)を有
する車内空調用の冷凍サイクル装置とを備え、 前記冷却装置(24)あるいは前記高圧側熱交換器(2
9)の少なくとも一方に対し、前記化学反応で発生する
水分を散布して前記水分の蒸発潜熱により冷却すること
を特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項8】 前記熱媒体の温度(Tw)が所定温度
(Ta)を超えている場合には、前記冷却装置(24)
に前記水分を散布し、前記熱媒体の温度(Tw)が所定
温度(Ta)を超えていない場合であって、前記冷凍サ
イクル装置が作動しているときには、前記高圧側熱交換
器(29)に前記水分を散布することを特徴とする請求
項7に記載の燃料電池システム。 - 【請求項9】 前記冷却装置(24)は送風用ファン
(25)を備えており、前記熱媒体の温度(Tw)が所
定温度(Ta)を超えていない場合であって、かつ、前
記冷凍サイクル装置が作動していない場合において、前
記送風用ファン(25)が作動しているときには、前記
冷却装置(24)に前記水分を散布することを特徴とす
る請求項8に記載の燃料電池システム。 - 【請求項10】 前記冷却装置(24)に前記水分を散
布した場合に前記水分が残留するときには、前記冷却装
置(24)および前記高圧側熱交換器(29)に同時に
前記水分を散布することを特徴とする請求項7に記載の
燃料電池システム - 【請求項11】 前記冷凍サイクル装置の冷媒の蒸発潜
熱により車室内に送風される空気を冷却する蒸発器(3
8)を備え、 前記蒸発器(38)により冷却された空気から発生する
凝縮水を回収し、前記凝縮水を前記化学反応により生じ
た水分に加えることを特徴とする請求項7ないし10の
いずれか1つに燃料電池システム。 - 【請求項12】 前記水分は、前記散布に加えて、前記
燃料電池(21)に供給される水素あるいは酸素の少な
くとも一方の加湿に用いられることを特徴とする請求項
7ないし11のいずれか1つに記載の燃料電池システ
ム。 - 【請求項13】 前記化学反応で発生する水分を水蒸気
と水に分離し、分離した水を貯蔵する気液分離器(4
2)を備え、 前記気液分離器(42)には、前記貯蔵水を前記散布に
用いるための散布用通路(32、33)と、前記貯蔵水
を前記加湿に用いるための加湿用通路(31)とが接続
されており、 前記散布用通路(32、33)は、前記加湿用通路(3
1)より上方に接続されていることを特徴とする請求項
12に記載の燃料電池システム。
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