以下、本開示に係る照明装置の実施の形態を、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、本開示に係る照明装置に制限を加える意図はない。
なお、下記に開示される実施の形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成についての重複する説明を、省略する場合がある。これは、説明が不必要に冗長になるのを避けることで、当業者の理解を容易にするためである。
(実施の形態)
[LEDランプ]
実施の形態に係るLEDランプの全体構成について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るLEDランプの外観斜視図である。図2は、実施の形態に係るLEDランプの分解斜視図である。図3は、実施の形態に係るLEDランプの断面図である。図4は、実施の形態に係るLEDランプの一部拡大断面図である。なお、図1、図2及び図3においてLEDランプ10の中心を通るように描かれた一点鎖線は、LEDランプ10の中心軸であるランプ軸Jである。ランプ軸Jは、LEDモジュール20、筐体30、グローブ40及び光学部材50の各中心軸と一致している。なお、図3において、駆動回路80は省略している。また、図4は、図3の二点鎖線で囲んだ部分Aの拡大図である。
LEDランプ10は、図1〜図3に示すように、LEDモジュール20と、筐体30と、グローブ40と、光学部材50と、脱離防止部材60と、駆動回路80と、口金90と、を備える。
以下、LEDランプ10の詳細な構成について説明する。
[LEDモジュール]
LEDモジュール20は、所定の波長の光を出射する発光モジュールであり、例えば白色光を出射するように構成されている。LEDモジュール20は、筐体30の開口部31を覆うように筐体30にねじ94で固定されている。つまり、LEDモジュール20は、LEDランプ10の光源であり、筐体30とグローブ40とで構成される外郭11内に設置されている。
LEDモジュール20は、図2及び図3示すように、基板21と、発光素子22と、コネクタ端子23とによって構成されている。発光素子22及びコネクタ端子23は、基板21に配置されている。
基板21は、発光素子22を実装するための実装基板であり、発光素子22が実装される第1の面21aと、第1の面21aとは反対側の第2の面21bとを有する。本実施の形態では、基板21の形状は、平面視において略円形の板状である。なお、基板21の形状は、略円形に限定するものではなく、矩形状などの多角形であってもよい。また、基板21としては、例えば、アルミニウム又は銅などの金属材料からなる基板に絶縁皮膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナなどのセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板などが用いられる。一般的に、エネルギー変換効率や寿命を考慮すると、LEDである発光素子22から効率よく熱を逃がす必要がある。よって、発光素子22で発生する熱の放熱の観点では、これらの中で熱伝導率が最も高いメタルベース基板を用いるのがよい。
基板21の周縁部には、図2に示すように、切欠部21cが設けられている。切欠部21cは、光学部材50の位置決めに用いられる。そして、切欠部21cには、ねじカバー70がはめ込まれる。本実施の形態では、2つの切欠部21cが基板21の周縁部の対向する位置に設けられているが、これに限定されない。切欠部21cは少なくとも2つあればよく、3つ以上の切欠部21cを設ける構成としてもよい。
また、本実施の形態では、基板21の周縁部に切欠部21cを設ける構成としたが、周縁部に開口を設ける構成としてもよい。また、本実施の形態では、発光素子22を実装する基板は基板21の1枚のみであるがこれに限定されない。例えば、基板21の第2の面21b側にさらに別の基板を設ける構成としてもよい。この場合、基板21と、基板21の第2の面21b側に設けた基板とは、放熱シリコーンなどの放熱性及び熱伝導性の高い材料を介して連結されることが好ましい。この構成によれば、さらに発光素子22から発生する熱を効率よく逃がすことができる。
発光素子22は、基板21の第1の面21a上に配置されている。本実施の形態では、18個の発光素子22が実装されているが、発光素子22の実装数はこれに限定するものではない。
本実施の形態における発光素子22は、個々にパッケージ化されたSMD(Surface Mount Device)型のLED素子である。発光素子22は、図3に示すように、パッケージ22aと、パッケージ内に実装されたLEDチップ22bと、LEDチップ22bを封止する封止部材22cとを有する。
パッケージ22aは、白色樹脂からなる樹脂成形品又は白色セラミックからなるセラミック成形品であり、逆台形状の凹部を有する。凹部の内側面は傾斜しており、LEDチップ22bからの光を上方に反射させるように構成されている。
LEDチップ22bは、パッケージ22aの凹部の底面に実装されている。LEDチップ22bは、所定の直流電流により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発光する。LEDチップ22bは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
封止部材22cは、主として透光性材料からなる。LEDチップ22bから発せられた光の波長を所定の波長へと変換する必要がある場合には、透光性材料に光の波長を変換する波長変換材料が混入される。透光性材料としては、例えばシリコーン樹脂を用いることができる。また、波長変換材料としては、例えば蛍光体粒子を用いることができる。
本実施の形態では、青色光を出射するLEDチップ22bと、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体粒子が混入された透光性材料で形成された封止部材22cとが採用されている。この構成では、まず、LEDチップ22bから出射された青色光の一部が封止部材22cによって黄色光に波長変換される。そして、この黄色光と、黄色光に変換されなかった青色光との混色により生成される白色光が発光素子22から出射される。
さらに、発光素子22は、例えば、紫外線発光の半導体発光素子と三原色(赤色、緑色、青色)に発光する蛍光体粒子とを組み合わせたものでもよい。さらに、波長変換材料として半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
コネクタ端子23は、基板21の第1の面21aの中央部に設けられている。コネクタ端子23は、駆動回路80と電気的に接続しており、駆動回路80から供給される電力を受電する。本実施の形態では、コネクタ端子23は、駆動回路80から直流電力を受電して、受電した直流電力を発光素子22に供給する。なお、図示していないが、基板21の第1の面21aには、コネクタ端子23と発光素子22とを電気的に接続するための金属配線が形成されている。
[筐体]
筐体30は、図2及び図3に示すように、グローブ40側に設けられた開口部31と、口金90側に設けられた開口部32を有している。また、筐体30は、グローブ40側から口金90側へ向けて縮径したテーパ筒状をしている。
筐体30は、LEDランプ10の外郭11の一部を構成する外郭部材である。また、上述したように、LEDモジュール20が開口部31を覆うように筐体30に固定されている。つまり、筐体30は、LEDモジュール20の固定部材でもある。図2に示すように、開口部31の周縁にLEDモジュール20の基板21を固定するための固定部33が設けられている。固定部33は、基板21を設置する設置面33aを有しており、設置面33aと、基板21の第2の面21bとは面接触している。さらに、固定部33は、筐体30の内面に沿って開口部31から開口部32に向かって延伸するリブ34を有する。本実施の形態では、2つのリブ34が開口部31の周方向に沿って対向する位置に設けられている。
リブ34には、ランプ軸J方向に延伸するねじ穴34aが設けられている。ねじ穴34aには、ねじ94がねじ込まれている。これにより、基板21は、筐体30に固定される。
上述したように、筐体30とLEDモジュール20とは、固定部33において面接触している。そのため、筐体30は、LEDモジュール20で発生する熱を放熱する放熱部材としても機能する。したがって、筐体30は、LEDモジュール20で発生する熱を効率よく放熱させるために、金属材料又は高熱伝導性の樹脂材料など、熱伝導率の高い材料で構成されるとよい。本実施の形態では、筐体30は金属材料であり、金属材料としては、例えば、Al、Ag、Au、Ni、Rh、Pd、Cu、またはそれらの内の2以上からなる合金などが考えられる。また、樹脂材料としては、例えばPBT(PolyButylene Terephtalate)などが考えられる。
また、筐体30は、例えばPBTなどの絶縁性を有する樹脂材料からなる回路ケース36を有している。回路ケース36は、駆動回路80を保持しており、詳細については後述する。
[グローブ]
グローブ40は、透光性材料からなり、筐体30側に開口45が形成されたネック部41及び開口45の径よりも内径の大きい膨出部44を有する。つまり、図3に示すように、ネック部41の内径Bがグローブ40の最大径Dよりも小さく、膨出部44から開口側端部42に向かうにつれ、径が小さくなっている。また、グローブ40は、グローブ40の中心軸で回転してなる中空の回転体であり、ネック部41が絞られているとも言える。グローブ40は、筐体30の開口部31側に取り付けられる。本実施の形態では、グローブ40の開口側端部42が、筐体30と基板21とで形成される溝部35内に配置されている。溝部35に接着剤37を充填することで、グローブ40と筐体30とが固着されている。つまり、グローブ40は、筐体30と同様、LEDランプ10の外郭11の一部を構成する外郭部材である。なお、接着剤37としては、例えば、シリコーン樹脂などがあげられる。
グローブ40は、本実施の形態では、透光性材料であるガラス材料で構成されている。なお、グローブ40は、透光性材料である樹脂材料で構成されていてもよい。そして、グローブ40の内面40aには、LEDモジュール20から光学部材50を介して出射される光を拡散させるための拡散処理が施されている。具体的には、シリカや炭酸カルシウムなどの拡散材を含有する樹脂や白色顔料などがグローブ40の内面40aに塗布されている。LEDモジュール20から光学部材50を介して出射された光は、グローブ40の内面40aに入射する。グローブ40の内面40aに入射した光は、グローブ40を透過し、グローブ40の外部へと取り出される。この際、グローブ40の内面40aは拡散処理されているため、グローブ40の内面40aに入射した光は、拡散されながらグローブ40の外部へ取り出される。つまり、グローブ40は、LEDモジュール20から出射される光の配光角を大きくしている。
なお、グローブ40に拡散処理を施さずに、内部のLEDモジュール20が視認できるようにグローブ40を透明にしてもよい。なお、本実施の形態では、グローブ40の形状は一般電球形状であるA形のバルブを模した形状であるがこれに限定されない。例えば、グローブ40の形状は、一般電球形状であるG形であってもよい。
[光学部材]
光学部材50は、LEDモジュール20から出射される光の配光を制御するレンズであり、例えば透光性を有する樹脂材料で構成されている。樹脂材料としては、例えば、PMMAやPCなどが挙げられる。
光学部材50は、図2に示すように、LEDモジュール20に対向するレンズ部51と、レンズ部51を基板21に取り付け、固定するための取付部52とを有する。
レンズ部51は、LEDモジュール20から出射される光を所望の配光にするための形状となっている。レンズ部51は、例えば、LEDモジュール20からの出射された光を透過、屈折及び反射などすることによって、LEDランプ10から出射される光の配光角を大きくしている。具体的には、LEDモジュール20から出射される光の一部は、レンズ部51を透過する。また、LEDモジュール20から出射される光の一部は、レンズ部51で屈折及び反射され、LEDランプ10の側方や、後方(口金90方向)に出射される。
取付部52は、L字状に形成されており、基板21の切欠部21cに引っかかる構成になっている。つまり、取付部52は、レンズ部51の基板21に対する位置決めの機能を有している。取付部52は、図2に示すように、基板21とねじカバー70に挟まれた状態でねじ94により筐体30に固定される。なお、光学部材50は基板21に固定された状態において、発光素子22には接触していない。
[脱離防止部材]
脱離防止部材60は、グローブ40内において筐体30に固定され、グローブ40の筐体30からの脱離を防止している。本実施の形態では、脱離防止部材60は2つある。それぞれの脱離防止部材60は、ねじカバー70とねじ94とで挟まれた状態で切欠部21cの位置で筐体30に固定されている。つまり、ねじカバー70は、脱離防止部材60を取り付ける台であり、LEDモジュール20及び光学部材50を筐体30に固定する固定台でもある。なお、脱離防止部材60とねじ94との間には、スプリングワッシャー95とワッシャー96とが挟まれている。スプリングワッシャー95は、ねじ94の緩み防止のために使用されている。また、ワッシャー96は、ねじ94の締め付け面積増加のために使用されている。
図5は、実施の形態に係る脱離防止部材の斜視図である。
脱離防止部材60は、図5に示すように、長方形の板状の部材を折り曲げ加工して形成されており、付勢部61と対向部62とを有する。脱離防止部材60は、金属材料又は樹脂材料などで構成されるとよい。本実施の形態では、脱離防止部材60は金属材料であり、例えばSUS(Steel Use Stainless)などがある。また、樹脂材料としてはPBTなどが考えられる。なお、付勢部61と対向部62とは、一体として構成されていてもよいし、別々に構成されていてもよい。
付勢部61は、対向部62の径方向内側への移動を規制する。なお、本実施の形態において、径方向とはランプ軸Jに対して直交し、かつランプ軸Jに向かう方向を言う。付勢部61は、図5に示すように、屈曲点61cで折り曲げられており、固定部63と屈曲部64とを含む。つまり、固定部63と屈曲部64とは同一平面上にない。
脱離防止部材60は、固定部63を介してねじカバー70に固定される。固定部63には開口部61aと開口部61bとが設けられている。開口部61aは、ねじ94を貫通させるために設けられており、開口部61bは、脱離防止部材60をねじカバー70に装着する際の位置決めのために設けられている。なお、本実施の形態では、固定部63の短手方向の長さは、屈曲部64の短手方向の長さより長いがこれに限定されない。例えば、固定部63の短手方向の長さが屈曲部64の短手方向の長さより短くてもよく、等しくてもよい。
対向部62は、開口45よりも径方向外側においてグローブ40の内面40aと対向している。また、対向部62は、屈曲部64に延設されており、グローブ40が筐体30から脱離する方向に湾曲した湾曲部65を含む。つまり、対向部62におけるグローブ40の内面40aと対向する対向面62aは、グローブ40の内面40aに沿って、グローブ40が筐体30から脱離する方向に曲率を有している(図4に示す対向面62aの曲率)。なお、ここでいうグローブ40が筐体30から脱離する方向とは、ランプ軸Jに沿う方向である。また、本実施の形態では、対向面62aは、グローブ40が筐体30から脱離する方向に曲率を有しているがこれに限定されない。例えば、対向面62aは、グローブ40の開口45の周方向に沿う方向に曲率を有していてもよい(図6Aに示す対向面62aの曲率)。なお、ここでいうグローブ40の開口45の周方向に沿う方向に曲率を有する、とは、対向するグローブ40の内面40aに沿って、内面側に突出した曲率を有することである。また、対向面62aは、ランプ軸Jに沿う方向とグローブ40の開口45の周方向に沿う方向に曲率を有していてもよい。
さらに、対向面62aには、先端がR形状に形成された突起部66が設けられている。ここでいうR形状とは、曲面を有していることである。つまり突起部66は曲面を有している。ここで、突起部66の先端のグローブ40が筐体30から脱離する方向の曲率(図4に示す突起部66の曲率)は、対向面62aのグローブ40が筐体30から脱離する方向の曲率よりも小さいことが好ましい。言い換えると、突起部66の先端のランプ軸Jに沿う方向の曲率は、対向面62aのランプ軸Jに沿う方向の曲率よりも小さいことが好ましい。また、突起部66のランプ軸Jに沿う方向の曲率は、グローブ40の開口側端部42のランプ軸Jに沿う方向の曲率よりも小さいことが好ましい。なお、突起部66の曲面は、ランプ軸Jに沿う方向に曲率を有していてもよいし、グローブ40の開口45の周方向に沿う方向に曲率(図6Aに示す突起部66の曲率)を有していてもよい。また、突起部66の曲面は、ランプ軸Jに沿う方向とグローブ40の開口45の周方向に沿う方向とに曲率を有していてもよい。
図6Aは、実施の形態に係る脱離防止部材を筐体に固定した状態を示す上面図である。図6Bは、実施の形態に係る脱離防止部材を筐体に固定した状態を示す斜視図である。ここで、図6Aにおける上下方向を径方向、上側を径方向外周側、下側を径方向内周側、左右方向を周方向と称する。
ねじカバー70は、図6BにおけるE方向から見てT字形状の略柱状体である。ねじカバー70には開口部71が設けられている。開口部71は、図6Aに示すように、第1の面70aの径方向外周側の中央に設けられており、第1の面70aから第2の面70bまで貫通している。また、ねじカバー70は、凸部72とボス73とを有する。
凸部72は、第1の面70aの径方向内周側の中央に設けられており、脱離防止部材60の開口部61bが嵌るように構成されている。
ボス73は、開口部71を挟んで両側の端部に設けられている。本実施の形態では、ボス73は2つあるが、これに限定されない。例えば、ボス73は、固定部63の周縁を覆うように構成されていてもよい。
図6A、図6Bに示すように、脱離防止部材60は、ねじカバー70に取り付けられた状態において、凸部72によって径方向の動きが制限され、ボス73によって周方向の動きが制限される。つまり、凸部72とボス73とは、脱離防止部材60のねじカバー70への位置決めの機能を有する。この構成によれば、脱離防止部材60の開口部61aと、ねじカバー70の開口部71の開口の位置がずれない。そのため、作業者は、容易にねじ94を開口部61a、開口部71を貫通させ、脱離防止部材60とねじカバー70とを筐体30に固定することができる。
なお、本実施の形態では、開口部61bは円形であるが、多角形であってもよい。開口部61bが多角形であれば、ボス73が無くとも、脱離防止部材60の径方向及び周方向の動きを制限することができる。
[駆動回路]
駆動回路80は、LEDモジュール20を点灯させるためのものであって、回路基板81と、回路基板81に実装された複数の電子部品82とを有している。なお、図面では一部の電子部品のみ符号を付している。
回路基板81は、両面に銅箔などの金属配線が形成されたプリント回路基板である。回路基板81に実装された複数の電子部品82は、回路基板81に形成された金属配線によって互いに電気的に接続されている。
回路基板81には、出力端子83と入力端子84が設けられている。出力端子83は、基板21に設けられたコネクタ端子23と電気的に接続されている。入力端子84は一対のリード線であり、回路基板81と電気的に接続されている。一対のリード線は、一端が回路基板81に電気的に接続され、他端が口金90に電気的に接続されている。なお、回路基板81は、片面のみに金属配線が形成されたプリント回路基板であってもよい。
電子部品82は、LEDモジュール20を点灯させるための回路素子である。回路素子として、例えば、電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、抵抗器、ダイオード、集積回路などがある。
駆動回路80は、上述したように、絶縁樹脂材料からなる回路ケース36内に収容されている。これにより、駆動回路80は、絶縁性が確保されている。回路ケース36の内面には、凸部36aが設けられている。回路基板81は、凸部36aで形成されるスリットにスライド挿入され、凸部36aに係止されることで回路ケース36に保持される。
また、回路基板81は、図2に示すように、その主面がランプ軸Jと平行な姿勢で配置されている。この構成によれば、回路ケース36内に駆動回路80をよりコンパクトに収容することができる。さらに、駆動回路80は、熱に弱い電子部品がLEDモジュール20から遠い位置、つまり口金90側に位置するように配置されている。この構成によれば、熱に弱い電子部品がLEDモジュール20で発生する熱によって熱破壊され難い。なお、LEDモジュール20の発光状態を制御するために、駆動回路80には、調光回路や調光回路などの光制御回路、又は、無線通信回路などが組み合わされていてもよい。
[口金]
口金90は、LEDランプ10が照明器具に取り付けられた際に照明器具のソケットから電力を受けるための部材である。口金90の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態ではエジソンタイプであるE17口金が使用されている。口金90は、略円筒形状であって外周面が雄ネジとなっているシェル部91と、シェル部91に絶縁部92を介して装着されたアイレット部93とを備える。シェル部91と筐体30との間には絶縁部材が介在している。
[効果]
次に、本実施の形態におけるLEDランプ10の特徴となる構成と作用効果について説明する。
一般的に、LEDランプ10に代表される、光源にLEDを用いた照明装置は長寿命である。そのため、使用期間中において、筐体30とグローブ40を固着している接着剤37はLEDランプ10のオン、オフに伴うヒートショックにさらされる。また、LEDランプ10は、高温、高湿などの想定外に環境負荷が高い場所で使用される場合もある。そのため、筐体30とグローブ40とを固着している接着剤37の固着力は場合により弱まる可能性が考えられる。そして、固着力が弱まったことで、接着剤37が筐体30とグローブ40の少なくとも一方から剥離し、グローブ40が筐体30から脱離する場合が考えられる。
図3に示すように、本実施の形態では、グローブ40を筐体30に取り付けた状態において、脱離防止部材60がグローブ40の開口側端部42の内周面42aよりも外側に位置している。さらに詳しく言うと、対向部62が開口45よりも径方向外側に位置している。なお、ここで言う外側とは、ランプ軸Jからより遠い位置にあることを意味する。さらに、本実施の形態では、脱離防止部材60は複数あるので、ランプ軸J上の点を中心とし、複数の脱離防止部材60が内接する円の直径Cは、グローブ40のネック部41の内径Bよりも大きい。
この構成によれば、仮に接着剤37が筐体30とグローブ40の少なくとも一方から剥離して、グローブ40が筐体30から脱離する方向に移動した場合、脱離防止部材60が、グローブ40によりグローブ40が筐体30から脱離する方向に付勢される。特に、脱離防止部材60の対向部62が、グローブ40の開口側端部42付近の内周面42aに付勢される。なお、この際、付勢部61が対向部62の径方向内側(図6A及び図6Bの矢印の方向)への移動を規制している。
そのため、接着剤37が筐体30とグローブ40の少なくとも一方から剥離しても、脱離防止部材60により、グローブ40は筐体30から脱離しない。これは、グローブ40が、接着剤37により筐体30に固着されていることに加え、複数の脱離防止部材60により構造的に筐体30に固定されているからである。つまり、本実施の形態に係るLEDランプ10は、グローブ40と筐体30とを接着剤37のみで固着する場合に比べて、グローブ40と筐体30との固定に対する信頼性が高いといえる。なお、接着剤37が筐体30とグローブ40の少なくとも一方から剥離して、グローブ40が筐体30から脱離する方向に移動した場合、脱離防止部材60にはグローブ40の重さそのものがかかる。よって、脱離防止部材60には、グローブ40の重さそのものがかかり続けてもその状態を維持できる脱離防止部材を採用することが好ましい。脱離防止部材60の特性は、例えば、使用する脱離防止部材の数、脱離防止部材の大きさ、グローブ40の重さなどを考慮して決定されるが、詳細については省略する。
また、グローブ40は、脱離防止部材60で構造的に筐体30に固定されるため、接着剤37の充填量を減らすことができる。本実施の形態では、接着剤37は溝部35の周方向全周にわたって充填されている。これに対し、例えば、接着剤37の充填量を半分にして溝部35の周方向全周にわたって充填することで充填量を減らすことができる。また、接着剤37を溝部35の周方向の数箇所に塗布するなどして充填量を減らしてもよい。
上記では、接着剤37でグローブ40と筐体30を固着させることに加え、脱離防止部材60でグローブ40を構造的に筐体30に固定する場合について述べた。この場合、接着剤37が十分な固着力を有し、筐体30及びグローブ40を固着している状態において、グローブ40の内周面42aと、脱離防止部材60とは、接触していてもよいし、接触していなくてもよい。つまり、脱離防止部材60を通常使用時における筐体30とグローブ40の固定に用いてもよいし、異常発生時における筐体30とグローブ40の固定に用いてもよい。ここでいう通常使用時とは、接着剤37が十分な固着力を有している状態をいう。また、異常発生時とは、接着剤37が筐体30とグローブ40の少なくとも一方から剥離し、グローブ40が筐体30から脱離する状態をいう。
また、通常使用時において、グローブ40の内周面42aと脱離防止部材60とを接触させた場合は、必ずしも接着剤37を用いなくてもよい。接着剤37を用いない場合では、グローブ40を筐体30に取り付けた状態において、脱離防止部材60は、グローブ40が筐体30から脱離する方向に付勢されている。つまり、LEDランプ10の寿命期間にわたって、グローブ40が筐体30から脱離する方向に付勢され続けてもその状態を維持できる脱離防止部材を採用することで、接着剤37を用いなくとも、グローブ40を筐体30に固定することができる。
上記では、グローブ40が筐体30に取り付けられた状態における脱離防止部材60の特徴について説明した。以下ではグローブ40を筐体30に取り付ける際における脱離防止部材60の特徴について図7A及び図7Bを用いて説明する。図7A及び図7Bは、グローブを筐体に取り付ける際の脱離防止部材の動きを説明するための図である。
上記でも述べたとおり、本実施の形態では、グローブ40を筐体30に取り付けた状態において、脱離防止部材60の対向部62がグローブ40の開口45よりも径方向外側に位置している。そのため、図7Aに示すように、グローブ40を筐体30に取り付ける際、グローブ40の開口側端部42が対向部62の湾曲部65、つまり対向面62aに接触する。本実施の形態では、湾曲部65は、C字形状に湾曲しており、湾曲部65の対向面62aに突起部66が設けられている。そして、突起部66の曲率は対向面62aの曲率よりも小さい。また、突起部66の曲率は、グローブ40の開口側端部42の曲率よりも小さい。そのため、図7Aに示す位置からグローブ40を口金90方向(図7Aの矢印方向)に押し込むと、開口側端部42は、湾曲部65の対向面62a及び突起部66の表面をなめるように進みながら対向部62を口金90方向に付勢する。なお、開口側端部42が脱離防止部材60を口金90方向に付勢している際、付勢部61は、対向部62の径方向内側(図7Bの矢印方向)への移動を規制している。
そして、図7Bに示す位置あたりまでグローブ40を押し込むと、脱離防止部材60は、内周面42aに接触しながらもとの位置に戻り、開口側端部42は溝部35内にいたる。ここで、対向面62a及び突起部66は曲率を有しており、開口側端部42及び内周面42aと面で接触する。このため、開口側端部42及び内周面42aにクラックなどの傷がつきにくい。一方、仮に突起部66がなく、湾曲部65が鋭角に屈曲している場合、湾曲部65と開口側端部42及び内周面42aとは、点もしくは線で接触することになる。この場合、開口側端部42及び内周面42aにクラックなどの傷がつき、そのクラックが起点となってグローブ40が割れてしまう場合がある。なお、本実施の形態では、対向面62aに先端がR形状に形成された突起部66を設ける構成としたが、対向面62aが開口側端部42及び内周面42aに傷をつけない、十分な曲率を有していれば、突起部66を設けなくとも同様の効果を得ることができる。
[変形例]
以上、実施の形態に係るLEDランプ10について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれる。
(1)本実施の形態において、グローブ40は、接着剤37を介して筐体30に固着され、脱離防止部材60で筐体30に固定される構成について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、グローブ40と筐体30に係止構造を設け、グローブ40を筐体30に係止する構成としてもよい。
図8Aは、変形例に係るLEDランプのグローブの斜視図である。図8Bは、変形例に係るLEDランプのグローブの底面図である。図9は、変形例に係るLEDランプの筐体の斜視図である。
グローブ40は、図8A及び図8Bに示すように、開口側端部42の外周面42bに係止部43を有している。図8A及び図8Bでは、2つの係止部43が外周面42bの対向する位置に設けられているが、これに限定されず、少なくとも2つ設けられていればよい。
また、筐体30は、図9に示すように、開口部31側の端部38の内側にグローブ取付部39を有している。グローブ取付部39には、切欠部39aが設けられている。また、切欠部39aの周方向の長さは、係止部43の周方向の長さ以上である。
以上の構成において、グローブ40の筐体30への取付方法について説明する。まず、グローブ40の係止部43の位置と筐体30の切欠部39aの位置を合わせた状態でグローブ40を筐体30に被せる。このとき、切欠部39aの周方向の長さが、係止部43の周方向長さより大きいことが好ましい。この構成によれば、係止部43がグローブ取付部39に接触することなくグローブ40を筐体30に被せることができる。係止部43とグローブ取付部39が接触しないため、グローブ40にクラックが生じることを防止できる。
次に、グローブ40を筐体30に対してランプ軸Jを中心に回転させ、係止部43をグローブ取付部39の口金90側の面に入り込ませる。これにより、グローブ40が筐体30から脱離する方向への移動が制限される。なお、筐体30をグローブ40に対してランプ軸Jを中心に回転させてもよい。
以上が、グローブ40の筐体30への取付方法である。
この構成によれば、グローブ40と筐体30とに係止構造を設けるだけでグローブ40を筐体30に係止することができる。なお、ここでいう係止構造とは、係止部43とランプ取付部39のことである。また、上記構成に加え、接着剤37でグローブ40と筐体30とを固着する構成にしてもよい。接着剤37でグローブ40と筐体30とを固着することで、グローブ40の回転方向への移動が制限される。そのため、より確実にグローブ40を筐体30に係止することができる。グローブ40が筐体30から脱離する方向への移動は係止構造により制限されているので、係止構造を設けていない場合に比べ、使用する接着剤37の量を低減することができる。また、さらに筐体30のグローブ側に脱離防止部材60を設ける構成としてもよい。この構成によれば、より確実にグローブ40を筐体30に取り付けることができる。
(2)本実施の形態において、グローブ40は、グローブ40内において筐体30に固定された脱離防止部材60によって筐体30に固定される構成について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、筐体30の外周側に設けた脱離防止部材によってグローブ40を筐体30に固定する構成としてもよい。具体的には、筐体30とグローブ40とに貫通孔を設け、貫通孔に筐体30の外周側から脱離防止部材を通すことで筐体30とグローブ40とを固定する構成としてもよい。
(3)本実施の形態において、LEDモジュールは、SMD型の構成としたが、本開示はこれに限定されない。例えば、基板上に発光素子としてLEDチップを直接実装したCOB(Chip On Board)型としてもよい。
(4)本実施の形態において、LEDモジュールは、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、本開示はこれに限定されない。例えば、演色性を高めるために、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜてもよい。
(5)本実施の形態において、発光素子としてLEDを例示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、半導体レーザなどの半導体素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機ELなどの固体発光素子を用いてもよい。
(6)本実施の形態において、照明装置の適用例として電球形のLEDランプを例示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、照明装置は、直管形、円環形、扁平形の照明装置であってもよい。
(7)本実施の形態においては、口金がエジソンタイプのE型であることとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、GY、GXなどのGタイプであってもよい。