JP2019077378A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】体格が小柄の乗員に対して、シートベルトによる胸部への荷重を小さくすることができる車両用乗員保護装置を提供する。【解決手段】車両用乗員保護装置10は、ショルダベルト12Aと、ショルダアンカ機構20と、衝突検知手段32と、体格検知手段34と、ジョイント移動手段40とを備えている。ショルダベルト12Aはシートに着座状態の乗員を肩から腰にかけて拘束する。ショルダアンカ機構20は、車室内の側部上方側に設けられ、ショルダベルト12Aを支持するスリップジョイント22を有する。衝突検知手段32は車両の衝突を検知する。体格検知手段34は乗員の着座状態の体格を検知する。ジョイント移動手段40は、体格検知手段34により乗員の体格が一定基準に比し小柄と検知され、衝突検知手段32により衝突が検知されると、車両前方側及び車両下方側の少なくとも一方へスリップジョイント22を移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用乗員保護装置に関する。
下記特許文献1には、シートベルトのアジャスタブルアンカ構造が開示されている。このアジャスタブルアンカ構造では、車両の衝突時に、アジャスタブルアンカに強い引張力が加わると、互いに係合された2つのアンカ部材が車室内側へ変形する。このアンカ部材の変形によって、シートベルトによる乗員の胸部への荷重を低減させることができる。
特開2008−100625号公報
ところで、上記アジャスタブルアンカ構造では、成人男性の普通体格の乗員に比べて、例えば女性、子供等の小柄の体格の乗員の場合には、アジャスタブルアンカに加わる引張力が弱く、アンカ部材の変形が十分に得られない。このため、小柄の体格の乗員に対して、シートベルトによる胸部への荷重を低減させるには改善の余地があった。
本発明は、上記事実を考慮し、車両の衝突の際に、体格が小柄の乗員に対して、シートベルトによる胸部への荷重を小さくすることができる車両用乗員保護装置を提供する。
本発明の実施態様に係る車両用乗員保護装置は、シートに着座状態の乗員を肩から腰にかけて拘束するショルダベルトと、車両の車室内の側部上方側に設けられ、ショルダベルトを支持するスリップジョイントを有するショルダアンカ機構と、車両の衝突を検知する衝突検知手段と、乗員の着座状態の体格を検知する体格検知手段と、体格検知手段により乗員の体格が一定基準に比し小柄と検知され、かつ、衝突検知手段により衝突が検知されると、車両前方側及び車両下方側の少なくとも一方へスリップジョイントを移動させるジョイント移動手段と、を備えている。
上記車両用乗員保護装置は、ショルダベルトと、ショルダアンカ機構と、を備える。ショルダベルトは、シートに着座状態の乗員を肩から腰にかけて拘束する。ショルダアンカ機構は、車両の車室内の側部上方側に設けられ、ショルダベルトを支持するスリップジョイントを有する。
ここで、車両用乗員保護装置は、衝突検知手段と、体格検知手段と、ジョイント移動手段とを更に備える。衝突検知手段では、車両の衝突が検知される。体格検知手段では、乗員の着座状態の体格が検知される。そして、ジョイント移動手段は、体格検知手段により乗員の体格が一定基準に比し小柄と検知され、かつ、衝突検知手段により衝突が検知されると、車両前方側及び車両下方側の少なくとも一方へスリップジョイントを移動させる。
このため、車両の衝突の際に、体格が小柄の乗員に対して、シートベルトの張力を変化させ、この張力を小さくすることができる。
本発明によれば、車両の衝突の際に、体格が小柄の乗員に対して、シートベルトによる胸部への荷重を小さくすることができる車両用乗員保護装置を提供することができる。
(A)は第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置の非作動状態における概略的なシステム構成図、(B)は車両用乗員保護装置の作動状態における要部のシステム構成図である。 (A)は図1(A)に示される車両用乗員保護装置のショルダアンカ機構を車室内において車両幅方向内側から車両幅方向外側へ向かって見た正面図、(B)はショルダアンカ機構を車両後方側から車両前方側へ向かって見た側面図、(C)は(A)に示されるショルダアンカ機構の2C−2C切断線で切った平断面図、(D)は(A)に示されるショルダアンカ機構を車室内の車両後方のやや上方側から見た斜視図である。 (A)は図1(B)に示される車両用乗員保護装置の作動状態におけるショルダアンカ機構の図2(A)に対応する正面図、(B)はショルダアンカ機構の図2(D)に対応する斜視図である。 (A)は図2(B)に示されるショルダアンカ機構の要部を拡大して概略的に示す拡大側面図、(B)はショルダアンカ機構の作動状態における(A)に対応する拡大側面図である。 (A)は普通の体格の乗員に装着状態の図1(A)に示される車両用乗員保護装置の要部を車室内において車両幅方向内側から車両幅方向外側へ向かって見た概略側面図、(B)は小柄の体格の乗員に装着状態の車両用乗員保護装置の要部を示す(A)に対応する概略側面図である。 (A)〜(C)は図5(B)に示される車両用乗員保護装置の非作動状態、作動開始直後の状態、作動開始後の状態のそれぞれにおける概略側面図、(D)〜(F)は比較例に係る車両用乗員保護装置の(A)〜(C)に対応する概略側面図である。 (A)〜(C)は図6(A)〜(C)に対応する車両用乗員保護装置の車両前方側から車両後方側へ向かって見た概略正面図、(D)〜(F)は図6(D)〜(F)に対応する比較例に係る車両用乗員保護装置の概略正面図である。 (A)は本実施の形態に係る車両用乗員保護装置における乗員の胸部移動量と胸部に加わる荷重との関係を示す特性図、(B)は比較例に係る車両用乗員保護装置における乗員の胸部移動量と胸部に加わる荷重との関係を示す特性図である。 (A)は第2実施の形態に係る車両用乗員保護装置の図5(B)に対応する概略側面図、(B)は第2実施の形態の変形例に係る車両用乗員保護装置の(A)に対応する概略側面図である。
[第1実施の形態]
以下、図1〜図8を用いて、本発明の第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置を説明する。ここで、図中、適宜示されている矢印FRは車両用乗員保護装置が適用される車両の車両前方向を示し、矢印INは車両幅方向内側を示し、矢印UPは車両上方向を示している。なお、車両用乗員保護装置の適用方向が本実施の形態により限定されるものではない。
(車両用乗員保護装置の構成)
図1(A)に示されるように、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10は、図示省略の車両としての自動車に適用されている。車両用乗員保護装置10は、シートベルト12と、ショルダアンカ機構20と、衝突検知手段32と、体格検知手段34と、ジョイント移動手段40と、を主要な構成として備えている。
ここでは、シートベルト12に3点式ELR(Emergency Locking Retractor)シートベルトが採用されている。シートベルト12は、ショルダベルト12Aと、ショルダベルト12Aの一端に一体に連結された図示省略のラップベルトとを含んで構成されている。ショルダベルト12Aは、シートベルト12の装着状態では、図5(A)及び図5(B)に示されるように、車両前方側、かつ、車両下方側へ延設され、更に図7(A)に示されるように、車両側部上方側から車両幅方向内側へ延設されている。これにより、ショルダベルト12Aは、シート(図示省略)に着座状態の乗員50を肩52から腰(図示省略)にかけて、又は乗員60を肩52から腰(図示省略)に掛けて拘束する構成とされている。
また、図示を省略するが、ショルダベルト12Aの一端はタングを介してラップベルトの一端に連結され、タングはシートを介して車室フロアに固定されたインナーバックルに装着され、ラップベルトの他端は車室フロアに設けられたアンカに固定されている。
そして、図1(A)に示されるように、ショルダベルト12Aの他端はショルダアンカ機構20のスリップジョイント22を介してリトラクタ14に連結されている。ショルダアンカ機構20は、車両の車室内の側部上方側に配設された固定部位30、例えばBピラー又はCピラーの車室内側に設けられている。ショルダアンカ機構20は、スリップジョイント22と、摺動部24と、摺動ガイド部26とを含んで構成されている。
スリップジョイント22は、Dリング又はスルーアンカとも呼ばれている。スリップジョイント22は、車両側面視において、車両前後方向を長手方向とするスリット22Aを有するD字形状の金属製或いは樹脂製の板材により形成されている。スリット22Aはショルダベルト12Aの他端側を通し、このショルダベルト12Aの他端側はリトラクタ14に連結されている。このため、スリップジョイント22はショルダベルト12Aの他端側を支持する構成とされている。
図1(A)、図2(A)、図2(B)及び図2(D)に示されるように、スリップジョイント22は、車両前後方向中間部であって車両上端部において、連結部28を介して摺動部24の車両下方側の一端部に連結されている。連結部28は軸状とされ、スリップジョイント22は、連結部28を中心として、摺動部24に対して矢印A方向(図2(A)参照)へ往復回動する構成とされている。
摺動部24は、図2(A)、図2(B)及び図2(D)に示されるように、車両上下方向を長手方向とする金属製又は樹脂製の成型板材により形成されている。図2(C)に示されるように、摺動部24は、突出部位24Cと、一対のフランジ24Dとを有し、車両平面視においてハット形状に形成され、剛性を高めている。
詳しく説明すると、摺動部24の突出部位24Cは、車両前後方向中間部位を車両幅方向内側へ突出させて形成されている。一対のうちの一方のフランジ24Dは突出部位24Cの車両前方側端部から車両前方側へ折曲げられて形成され、他方のフランジ24Dは突出部位24Cの車両後方側端部から車両後方側へ折曲げられて形成されている。
さらに、摺動部24では、特に図3(A)に示されるように、スリップジョイント22との連結側となる車両下方側の一端部24Aの車両前後方向の幅寸法W3が、車両上方側の他端部24Bの同一方向の幅寸法W4に比し、若干小さく設定されている。つまり、摺動部24は、車両側面視において、一端部24Aから他端部24Bにわたって幅寸法が広がるテーパ形状に形成されている。
摺動ガイド部26は、図2(A)〜図2(D)、特に図2(C)に示されるように、車両上下方向を長手方向とする金属製又は樹脂製の成型板材により形成されている。詳しく説明すると、摺動ガイド部26は、摺動部24の一対のフランジ24Dを覆い、かつ、摺動部24の車両幅方向外側を覆う、車両平面視においてC字形状に形成されている。
さらに、摺動ガイド部26は、特に図2(A)に示されるように、スリップジョイント22側となる車両下方側の一端部26Aの車両前後方向の幅寸法W1が、車両上方側の他端部26Bの同一方向の幅寸法W2に比し、若干小さく設定されている。つまり、摺動ガイド部26は、車両側面視において、一端部26Aから他端部26Bにわたって幅寸法が広がり、かつ、摺動部24よりも一回り大きいテーパ形状に形成されている。
車両用乗員保護装置10の非作動状態において、図1(A)及び図2(A)〜図2(D)に示されるように、ショルダアンカ機構20では、摺動ガイド部26の内部に摺動部24が収納されている。また、車両用乗員保護装置10の作動状態においては、図1(B)、図3(A)及び図3(B)に示されるように、収納位置から作動位置まで、摺動ガイド部26にガイドされて摺動部24が車両前方側、かつ、車両下方側へ摺動(スライド)する構成とされている。
上記の通り、摺動部24及び摺動ガイド部26はテーパ形状に形成され、摺動ガイド部26に比し摺動部24は一回り小さい形状に構成されている。このため、収納位置から作動位置に至る過程において、摺動部24と摺動ガイド部26との間に摩擦抵抗(こじり荷重)が発生し、作動位置に近づくに従って摩擦抵抗は増大する。
図1(A)に戻って、衝突検知手段32では、少なくとも車両のフルラップ前面衝突、オフセット前面衝突又は後面衝突が検知される。この検知された情報は伝送路38へ出力される。
体格検知手段34は、図4(A)に概略的に示されるように、固定部位30に配設され、ショルダアンカ機構20のスリップジョイント22と摺動部24とを連結する連結部28に連結されている。体格検知手段34では、連結部28を介してスリップジョイント22の回転角度が検出される。体格検知手段34として、角度センサ、位置センサ等を実用的に使用することができる。
ここで、図5(A)には、シートに着座状態の乗員50に対して、シートベルト12を装着した状態が示されている。乗員50は、一定基準となる、普通の体格を持つ成人男性の乗員である。乗員50の肩52から胸部54を介して腰(図示省略)にわたってショルダベルト12Aが装着されると、ショルダベルト12Aは車両前方側へ引っ張られる。このため、水平方向に対してショルダベルト12Aがなす角度はθa1、垂直方向に対してショルダベルト12Aがなす角度はθa2とされる。角度θa1と角度θa2との合計は90度である。ショルダベルト12Aを支持するスリップジョイント22は、ショルダベルト12Aが引っ張られた結果、車両前方側(矢印A方向)へ回転する。垂直方向を基準として、スリップジョイント22は角度θaだけ車両前方側へ時計回りに回転し、この角度θaは連結部28を介して体格検知手段34により検知される。
一方、図5(B)には、シートに着座状態の乗員60に対して、シートベルト12を装着した状態が示されている。乗員60は、例えば女性、子供等であって、乗員50(一定基準)に比し小柄の乗員である。乗員60の肩62から胸部64を介して腰(図示省略)にわたってショルダベルト12Aが装着されると、ショルダベルト12Aは乗員50が装着される場合に比し車両後方側へ位置する。このため、水平方向に対してショルダベルト12Aがなす角度は角度θa1よりも大きいθb1とされ、垂直方向に対してショルダベルト12Aがなす角度は角度θa2よりも小さいθb2とされる。スリップジョイント22は、ショルダベルト12Aが車両後方側へ位置する結果、車両後方側へ回転する。垂直方向を基準とすると、スリップジョイント22は角度θaよりも小さい角度θbだけ車両前方側(矢印A方向)へ時計回りに回転し、この角度θbは連結部28を介して体格検知手段34により検知される。図1(A)に示されるように、体格検知手段34により検知された角度θa、角度θbのそれぞれの情報は伝送路38に出力される。
図1(A)に示されるように、ジョイント移動手段40は、摺動部24及び摺動ガイド部26を含むショルダアンカ機構20と、スライドロック機構36と、演算手段42とを含んで構成されている。
ショルダアンカ機構20は、図1〜図3を用いて説明した通り、摺動ガイド部26に対して摺動部24を車両前方側、かつ、車両下方側へ摺動させて移動可能に構成されている。
スライドロック機構36は、図4(B)に示されるように、固定部位30に凹設され、ショルダアンカ機構20の連結部28の端部を回転自在に保持するロック保持部30Aを備えている。乗員50或いは乗員60がシートベルト12を装着している状態、ここでは車両用乗員保護装置10が非作動状態では、ロック保持部30Aに連結部28がロック(係止)されている。
一方、車両用乗員保護装置10が作動状態とされたとき、ロック保持部30Aから連結部28が車両幅方向内側へ移動し(矢印B方向へ押し出され)、ロックが解除される。車両用乗員保護装置10の作動状態の詳細については後述する。ロックが解除されると、ショルダアンカ機構20において、摺動ガイド部26にガイドされて摺動部24が車両前方側、かつ、車両下方側へ摺動する。スライドロック機構36は、例えば電磁ソレノイドを含んで構成されている。
図1(A)に示される演算手段42は、伝送路38に接続され、衝突検知手段32から出力される衝突検知の情報と、体格検知手段34から出力される主に乗員60の体格の情報とを取得する。演算手段42は、取得した情報に基づいて、「車両の衝突」が検知され、かつ、「小柄の体格の乗員60」が検知されたとき、スライドロック機構36を作動させて、ロック保持部30Aによる連結部28のロックを解除する。
(本実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10は、図1(A)に示されるように、ショルダベルト12Aと、ショルダアンカ機構20と、を備える。ショルダベルト12Aは、図5(A)に示されるようにシートに着座状態の乗員50を肩52から腰にかけて、又は図5(B)に示されるように乗員60を肩62から腰にかけて拘束する。ショルダアンカ機構20は、車両の車室内の側部上方側において固定部位30に設けられ、ショルダベルト12Aを支持するスリップジョイント22を有する。
ここで、車両用乗員保護装置10は、図1(A)に示されるように、衝突検知手段32と、体格検知手段34と、ジョイント移動手段40とを更に備える。衝突検知手段32では、車両の衝突が検知される。体格検知手段34では、乗員50又は乗員60の着座状態の体格が検知される。そして、ジョイント移動手段40は、体格検知手段34により乗員60の体格が一定基準に比し(乗員50の普通の体格に比し)小柄と検知され、かつ、衝突検知手段32により衝突が検知されると、車両前方側、かつ、車両下方側へショルダアンカ機構20のスリップジョイント22を移動させる。
図6(D)は、比較例に係る車両用乗員保護装置が使用された場合における、車両のフルラップ前面衝突前の体格が小柄の乗員60を車両幅方向内側から見た概略側面図である。また、図6(E)は衝突直後の乗員60の概略側面図、図6(F)は衝突後の最大移動状態における乗員60の概略側面図である。図7(D)〜図7(F)は、乗員60を車両前方側から見た図6(D)〜図6(F)のそれぞれに対応させた概略正面図である。比較例に係る車両用乗員保護装置では、ショルダアンカ機構70は、ショルダベルト12Aを支持するスリップジョイント72と、このスリップジョイント72に連結されたジョイント支持部74とを備えている。ジョイント支持部74は固定部位30に固定され、スリップジョイント72は車両前方側、かつ、車両下方側へ移動しない構成とされている。
一方、図8(B)は比較例に係る車両用乗員保護装置が使用された場合における、フルラップ前面衝突による乗員の胸部移動量と胸部に加わる荷重との関係を示す。データD2は乗員60の胸部64の移動量と胸部64に加わる荷重とを示している。
図6(D)〜図6(F)、図7(D)〜図7(F)及び図8(B)に示されるように、体格が小柄な乗員60では、体重が軽く、リトラクタ14によるフォースリミッタが作動したとしても、衝突直後から最大胸部移動量まで、胸部64に大きな荷重が加わる。このため、図6(F)及び図7(F)に示されるように、乗員60の胸部64の負担が大きく、又乗員60の首の負担が大きい。
一方、図6(A)は、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10が適用された場合における、車両のフララップ前面衝突前(非作動状態)の体格が小柄の乗員60の図6(D)に対応する概略側面図である。また、図6(B)は図6(E)に対応する乗員60の概略側面図、図6(C)は図6(F)に対応する乗員60の概略側面図である。また、図7(A)〜図7(C)は図7(D)〜図7(F)のそれぞれに対応する乗員60の概略正面図である。
さらに、図8(A)は本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10が適用された場合における、衝突による乗員の胸部移動量と胸部に加わる荷重との関係を示す。データD1は乗員60の胸部64の移動量と胸部64に加わる荷重とを示している。
図6(A)〜図6(C)、図7(A)〜図7(C)及び図8(A)に示されるように、体格が小柄な乗員60では、衝突直後に車両用乗員保護装置10が作動する。ショルダアンカ機構20の摺動部24は、ジョイント移動手段40の作動により、摺動ガイド部26に沿って摺動し、移動する。これにより、体重が軽い体格が小柄の乗員60に対して、データD2の最大荷重に至る前にシートベルト12に加わる荷重が緩み、シートベルト12の張力を変化させ、張力を十分に小さくすることができる。つまり、乗員60の胸部64の移動量が大きく、胸部64に生じる荷重が小さくなる。このため、図6(C)及び図7(C)に示されるように、乗員60の胸部64の負担が小さく、又乗員60の首の負担が小さくなる。
さらに、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、図2(A)及び図3(A)に示されるように、ショルダアンカ機構20の摺動部24及び摺動ガイド部26がテーパ形状とされている。これにより、摺動ガイド部26に沿って摺動部24が摺動する際に摺動ガイド部26と摺動部24との間に摩擦抵抗(こじり荷重)が発生する。
このため、図8(A)に破線により示されるデータD3のように、急激な荷重の抜けによって乗員60を拘束できないことが無くなる。つまり、データD1に示されるように、乗員60の胸部64の移動量が十分に確保され、胸部64に生じる荷重が分散されて、乗員60をしっかりと拘束することができる。
従って、本実施の形態によれば、車両の衝突の際に、体格が小柄の乗員60に対して、シートベルト12による胸部64への荷重を小さくすることができる車両用乗員保護装置10を提供することができる。
また、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、図1(A)に示されるように、ショルダベルト12Aを支持するスリップジョイント22を有するショルダアンカ機構20を用いてシートベルト12の張力が調整されている。例えば、リトラクタ14においてシートベルト12の張力を調整する場合には、リトラクタ14からスリップジョイント22まで距離があり、更にスリップジョイント22とシートベルト12との摩擦が発生する。このため、張力の調整に時間がかかる場合がある。車両用乗員保護装置10では、ショルダアンカ機構20においてシートベルト12の張力が調整されているので、衝突直後に素早く張力を調整することができる。
さらに、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、図6(A)〜図6(C)及び図7(A)〜図7(C)に示されるように、ショルダアンカ機構20の摺動部24が車両前方側、かつ、車両下方側へ摺動して移動する構成とされている。例えば、比較例として摺動部が車両幅方向内側へ移動する構成とされた場合には、乗員60の頸部付近がシートベルト12により圧迫される可能性がある。従って、車両用乗員保護装置10では、乗員60の適切な拘束を実現することができる。
[第2実施の形態]
図9を用いて、本発明の第2実施の形態に係る車両用乗員保護装置10を説明する。なお、本実施の形態において、第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置10と同一の構成要素又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図9(A)に示されるように、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、ショルダアンカ機構20のスリップジョイント22の配置位置が、リトラクタ14によりも車両前方側とされている。また、図示を省略するが、ここでは、ショルダアンカ機構20の摺動部24及び摺動ガイド部26が、図2(A)及び図3(A)に示されるテーパ形状ではなく、ストレート形状とされている。車両用乗員保護装置10の上記以外の構成は、第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置10の構成と同一である。
シートベルト12には、スリップジョイント22のスリット22Aを基点として、ショルダベルト12A側に張力Tが発生し、リトラクタ14側にも同一の張力Tが発生する。摺動部24は、摺動ガイド部26にガイドされて作動時に車両前方側、かつ、車両下方側へ摺動して移動するので、摺動方向に荷重(摩擦抵抗又はこじり荷重)F1が発生する。荷重F1は、ショルダベルト12A側に発生する張力Tの摺動部24の移動方向に発生する分力に、リトラクタ14側に発生する張力Tの摺動部24の移動方向に発生する分力を加算した値となる(F1=Tcosθc1+Tcosθc2)。
本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置10により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10では、ショルダアンカ機構20の摺動部24及び摺動ガイド部26をテーパ形状にすることなく、スリップジョイント22とリトラクタ14との配置位置を変更するだけで、荷重F1を発生させることができる。このため、簡易に車両用乗員保護装置10を実現することができる。
(変形例)
図9(B)に示されるように、本実施の形態の変形例に係る車両用乗員保護装置10では、ショルダアンカ機構20の摺動部24の摺動方向が車両下方向とされている。ここでは、摺動部24の摺動方向の延長上にリトラクタ14が配設されている。ショルダアンカ機構20では、摺動部24が摺動して移動する際に、摺動方向に荷重(摩擦抵抗又はこじり荷重)F2が発生する。荷重F2は、ショルダベルト12A側に発生する張力Tの摺動部24の移動方向に発生する分力に、リトラクタ14側に発生する張力Tの摺動部24の移動方向に発生する分力(θ=0)を加算した値である(F2=Tcosθd+T)。
変形例に係る車両用乗員保護装置10では、第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置10により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
また、変形例に係る車両用乗員保護装置10では、ショルダアンカ機構20の摺動部24の摺動方向を車両下方側とするだけで、こじり加重F2を発生させることができる。このため、簡易に車両用乗員保護装置10を実現することができる。
[上記実施の形態の補足説明]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、本発明では、第1実施の形態に係る車両用乗員保護装置において、ショルダアンカ機構の摺動部の移動方向を車両前方側としてもよい。
10 車両用乗員保護装置
12A ショルダベルト
20 ショルダアンカ機構
22 スリップジョイント
32 衝突検知手段
34 体格検知手段
40 ジョイント移動手段

Claims (1)

  1. シートに着座状態の乗員を肩から腰にかけて拘束するショルダベルトと、
    車両の車室内の側部上方側に設けられ、前記ショルダベルトを支持するスリップジョイントを有するショルダアンカ機構と、
    前記車両の衝突を検知する衝突検知手段と、
    前記乗員の着座状態の体格を検知する体格検知手段と、
    前記体格検知手段により前記乗員の体格が一定基準に比し小柄と検知され、かつ、前記衝突検知手段により衝突が検知されると、車両前方側及び車両下方側の少なくとも一方へ前記スリップジョイントを移動させるジョイント移動手段と、
    を備えた車両用乗員保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020213554A1 (ja) 2019-04-15 2020-10-22 株式会社クラレ エチレン-ビニルアルコール共重合体及びそれを用いた水溶液

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