JP2019076989A - 皮剥き刃 - Google Patents

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Hirotaka Ichijo
浩孝 一條
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眞邦 穴田
勝一 笹原
Katsuichi Sasahara
勝一 笹原
孝弘 狩野
Takahiro Kano
孝弘 狩野
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Abstract

【課題】 様々な大きさや形状の果菜の皮剥きを確実に行うことができ、かつ、欠損し難い構造を備えた皮剥き刃を提供する。【解決手段】 本体の正面に円孤状に切削された刃42を隣位の刃42との間に刃筋部43を形成しつつ等間隔に複数個配列させて刃部41を形成し、各刃42間のピッチは1mm以上3mm未満、各刃42の切削面からなる凹部頂点はR1.0mm以上R3.0mm以下のR形状、刃筋部43の凸部頂点はR0.1mm以上0.5mm以下のR形状、刃筋部43からなる刃42の先端はR0.1mm以上R0.5mm以下とする。【選択図】 図1

Description

本発明は皮剥き刃であって、特に、多種の果菜の皮剥きを大量に実行する皮剥き装置への搭載に好適な皮剥き刃に関する。
従来より、果菜の加工処理時における表皮の皮剥き工程において、高速・簡便にその加工処理を行うべく、様々な構成の皮剥き装置が使用されている。
そして、出願人は、効率よく果菜の表皮を剥くための装置として、保持部を構成する固定針を果菜に突き刺して前記果菜を保持し、前記保持部に設けた回転軸をモータで回転駆動させるとともに、ピーラ状の皮剥き刃を前記回転軸方向に移動させながら削取する皮部分にあてがって皮を剥くように構成された装置を開発している(特許文献1参照)。
特開2016−096744号公報
このような果菜の皮剥き装置においては、搭載された皮剥き刃の良否や皮剥き対象の果菜との適否が、例えば剥き残しが発生や果菜の表皮に刃が引っかからずに空滑りするなどして、皮剥き作業進行や仕上がり具合に大きな影響を与えることは想像に難くない。
また、果菜の皮剥き装置においては、皮剥き刃が作業途中に欠損するような事態は完全に回避する必要がある。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、様々な大きさや形状の果菜に対する刃の最初の食い込みがよく、かつ、食い込み後は果菜の果肉等との摩擦抵抗が少なく、譬え、刃部の延在方向に対して斜め方向に移動させるピーリング(斜行ピーリング)であっても皮剥きを確実に行うことができ、そして、欠損し難い構造を備えた皮剥き刃を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の皮剥き刃は、正面視および背面視において略長方形状とされた板状部材からなり、皮剥き対象の果菜の表面に当接させる刃が形成された刃部を有する本体を備え、前記刃部の延出方向における前記本体の両端には皮剥き刃支承部材の係合部と係合させる刃側係合部が形成された皮剥き刃であって、前記本体は、面内略中央に長さ方向へ延出する開口部を介して刃部領域とガイド部領域が形成されているとともに、前記刃部領域とガイド部領域を近接させるように正面側へ幅方向を屈曲させて形成され、前記刃部領域の前記開口部端は前記刃部とされており、前記刃部は、前記本体の正面に刃端部を前記開口部から刃部領域内へ向かう円孤状に切削された刃が隣位の刃との間に刃筋部を形成しつつ等間隔に複数個配列させて形成されており、前記各刃間のピッチは、1mm以上3mm未満、前記各刃の切削面からなる凹部頂点は、R1.0mm以上R3.0mm以下のR形状、前記刃筋部の凸部頂点は、R0.1mm以上R0.5mm以下のR形状、そして、前記刃筋部からなる刃の先端は、R0.1mm以上R0.5mm以下であることを特徴とする。
なお、前記各刃間のピッチは1.8mm、前記各刃の切削面からなる凹部頂点はR1.9mmのR形状、前記刃筋部の凸部頂点はR0.2mm、そして、前記刃筋部からなる刃の先端はR0.2mmが理想値である。
また、本発明の皮剥き刃は、前記本体の屈曲の角度は30°であることを特徴とする。
さらに、前記皮剥き刃支承部材は、皮剥き対象の果菜を保持した保持部に設けた回転軸を回転駆動させる果菜回転手段と、ピーラを前記回転軸方向に移動させながら前記果菜の削取する表皮部分に当接させるピーラ駆動手段とを備えた皮剥き装置における前記ピーラの皮剥き刃支承部であることを特徴とする。
このように構成された本発明は、様々な種類、大きさ、形状の果菜への食いつきが良く、空滑りが無く、譬え、刃部の延在方向に対して斜め方向に移動させる斜行ピーリングであっても皮剥きを確実に行うことができ、刃こぼれもしにくく、耐久性が向上し、皮剥き刃の交換作業などの頻度も激減させることができる。
さらには、皮剥き対象の果菜に適した皮剥き刃を用いることにより、皮剥きの仕上がり具合を極めて良好なものとすることができるという効果を得ることができる。
本発明の実施形態の皮剥き刃の構造を示す全体斜視図 図1の皮剥き刃の(1)正面図、(2)上面図、(3)下面図、(4)A−A断面図、(5)B−B断面図、(6)要部(C部)拡大図 本発明の皮剥き刃を用いる実施例としての皮剥き装置の構成を示す全体斜視図
以下、本発明に係る皮剥き刃1の実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。
本発明の皮剥き刃1は、正面視および背面視においての略長方形状(長さ方向約90mm×幅方向約20mm)とされた板状部材からなり、皮剥き対象の果菜の表面に当接させる刃が形成された刃部41を有する本体2を備えている。
本体2の面内略中央には、長さ方向へ延出し、後述する曲げの塑性変形の影響をなくすために逃げ穴として機能する開口部3が形成されており、その開口部3を介して図1において上下に刃部領域4とガイド部領域5とが形成されている。そして、本体2は、刃部領域4とガイド部領域5とを互いの背面側を近接させるように、幅方向を開口部3を利用して約30°屈曲させて形成されている。
刃部領域4の開口部端は前記刃部41とされている。刃部41には、刃端部を開口部3から刃部領域4内へ向かう円孤状に切削された刃42が、隣位の刃42との間に刃筋部43を形成しつつ等間隔に複数個配列させて形成されており、各刃42は、本体2における正面に、背面側から正面側へ向けて傾斜し当該本体2の板状部材の肉厚を削ぐようにして形成されている。なお、各刃42や各刃筋部43は刃部41の延出方向に直交させて形成されている。
本発明の皮剥き刃1において、各刃42の間のピッチは1mm以上3mm未満(望ましくは、1.8mm)、各刃42の切削面からなる凹部頂点は、R1.0mm以上R3.0mm以下のR形状(望ましくは、R1.9mmのR形状)、刃筋部43の凸部頂点は、R0.1mm以上R0.5mm以下のR形状(望ましくは、R0.2mmのR形状)、そして、刃筋部43からなる刃42の先端は、R0.1mm以上R0.5以mm下のR形状(望ましくは、R0.2mmのR形状)または正面視楕円形状に形成されており、開口部側視認の刃部41の形状、すなわち、本体2の刃部41の断面形状を波型(ジグザグ状ではない)に形成されている。
このように、本体2の正面の刃部41をR状に形成された凹部頂点と凸部頂点を連続させて繋げた波型に形成することで、皮剥き刃1は、刃部41の延在方向に対して直交する方向に移動させるピーリング(直行ピーリング)は勿論のこと、刃部41の延在方向に対して斜め方向に移動させる斜行ピーリングであっても、果菜との接触抵抗が小さくなり、良好な皮剥きを行うことができる。
なお、各刃42間のピッチを上記数値範囲に形成した理由は、各刃42間のピッチが1mm未満であると細かすぎて直刃42の刃を有する従来のピーラ等を用いた場合と結果的に変わりなく、3mm以上であれば果菜に当接する刃42の数や刃筋部43の数が少なくなり、果菜への食い込みも浅くなり、やはり、本発明のような波型の刃42とした場合の効果が実感できにくいためである。
また、各刃42の切削面からなる凹部頂点のR形状を上記数値範囲に形成した理由は、凹部頂点のR形状をR1.0mm未満とすると、前述のような斜行ピーリングの場合に、凹部頂点が抵抗となり、良好な皮剥き作業を阻害する虞があり、R3.0mmより大きければ、やはり、直刃42を用いた場合と効果的に変わりなく、本発明のような波刃42とした場合の効果が実感できにくいためである。
さらに、刃筋部43の凸部頂点のR形状を上記数値範囲に形成した理由も、凹部頂点のR形状を上記数値範囲に形成した理由と同じである。
またさらに、刃筋部43からなる刃42の先端を上記数値範囲に形成した理由は、先端がR0.1mm以下であれば鋭利になりすぎて果菜に必用以上の抵抗力で引っかかるために刃こぼれし易くなり、耐久性が低下する。また、R0.5mmよりも大きくすると、果菜によってはその表皮に対する食い込みが悪くなり、空滑りが生じる可能性があるためである。
そして、本実施形態の皮剥き刃1は、刃部41の延出方向における本体2の両端に、例えば、手動のピーラの把手などの皮剥き刃支承部材10に形成された係合部(不図示)に係合させ、皮剥き刃支承部材10に皮剥き刃1を揺動自在に保持させるための刃側係合部6が形成されている。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態の皮剥き刃1を示しており、刃部41に形成された各刃42間のピッチは1.8mm、各刃42の切削面からなる凹部頂点はR1.9mmのR形状、刃筋部43の凸部頂点はR0.2mmのR形状、そして、刃筋部43からなる刃42の先端はR0.2mmのR形状に形成されている。
また、本体2は、刃部領域4とガイド部領域5を近接させるように幅方向を、開口部3を利用して正面側へ約30°屈曲させて形成されており、開口部端に形成された刃部41を面外へ指向させることにより、皮剥き対象の果菜に対し、適切に刃部41を当接させることが可能に形成されている。
このように構成された皮剥き刃1は、ガイド部領域5を刃部領域4よりも皮剥き刃1の進行方向側に位置させ、皮剥き対象の果菜の表皮に対してその背面を当接させて移動させて用いる。
皮剥き刃1を果菜の表面に当接させつつ移動させる際にガイド部領域5を刃部41に先導させて果菜の表面に当接させることで、刃部41の果菜に対する当接が安定し、表皮のピーリングを略均一な状態で実行できる。
そして、刃部41においては、開口部側最先端に突出する刃筋部43の先端が果菜の表皮に対し刺さるように当接して表皮のピーリングのきっかけを作り、その後の皮剥き刃1の進行により、各刃42を用いて果菜の表皮をピーリングすることができる。
例えば、果菜がオレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類である場合、フラベド(表果皮)の内側にはアルベド(内果皮)という白い海綿状の部分が存在する。柑橘類の皮剥きを行う場合、大概はこのアルベドまでを含んで皮剥きを行い、果肉(果肉が入っている袋部分を含む)を露出させた状態で結果物を得るように行うが、前記アルベドは適当に空気を含む海綿状のものであるため、刃との摩擦抵抗が大きく、剥き残りとなることが多かったが、本実施形態の皮剥き刃1を使用することにより、アルベドをも確実に除去することが可能となる。
このように、本実施形態の皮剥き刃1によれば、様々な大きさや形状の果菜に対する刃42の最初の食い込みがよく、かつ、食い込み後は、波型に形成された刃部41により、果菜の果肉等との摩擦抵抗も少なくなり、斜行ピーリングであっても皮剥きを確実に行うことができる。また、R0.2mmのR形状に形成された刃筋部43からなる刃42の先端は鋭角に過ぎることもなく安全で堅牢であり、欠損し難い。
本発明の皮剥き刃1は、本体2の長さ方向両端に形成された刃側係合部6を、手動のピーラの把手などの皮剥き刃支承部材10に形成された係合部に係合させて用いることは前述の通りであるが、皮剥き刃支承部材10としては、市販されているピーラが有するT字型やI字型の把手に限ること無く、モータ等の駆動手段を備えた皮剥き装置に搭載されたピーラの皮剥き刃支承部10’であってもよい。
皮剥き装置の具体的構成としては、前掲の特開2016−096744号公報に開示された皮剥き装置21を例示することができる。
この皮剥き装置21は、図3に示すように、皮剥き対象の果菜を皮剥き可能に支承するワークホルダ22がワーク回転モータ24の駆動により回転自在に配設されたワーク支承部23を備えている。
また、皮剥き装置21は、皮剥き刃1(ピーラ刃)をピーラアーム25の先端に係合・支持するピーラ26を保持し、ピーラ回転モータ27の駆動により回転してピーラ26をワークホルダ22に支承される果菜の外周に沿って移動させるピーラ軸28、及び、ピーラ軸28と同軸配置され、ピーラ26に一端を接続した付勢部材29の他端がピーラ軸上から径方向へ離間させた位置に接続され、シャフト回転モータ30の駆動により回転する中心シャフト31を回転自在に支承するピーラ駆動部32を備えており、ピーラ駆動部32は、ピーラ軸28と中心シャフト31の回転角度差により付勢部材29の緊張状態を調整して皮剥き刃1をピーラ軸28の仮想軸線に対して接離させるように揺動可能に構成されている。
この皮剥き装置21は、柿、りんご、オレンジ、グレープフルーツ、蕪菁などの様々な果物や野菜を皮剥きの対象とし、ワーク支承部23に回転自在に保持された果菜に対し、ピーラ26の皮剥き刃1を当接させ、ワーク回転モータ24等の各モータ27,30を駆動させることにより前述の斜行ピーリングを実行する。
よって、対象とする果菜の表皮の厚さ等により、適宜、皮剥き刃1を選択し、ピーラ26のピーラアーム27に形成された係合部27aに刃側係合部6を係合させて使用することにより、皮剥きの仕上がり具合を極めて良好なものとすることができ、摩擦抵抗を少なくすることで、刃こぼれの発生を抑え、皮剥き刃1の交換作業などの頻度も激減させることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
1 皮剥き刃
2 本体
3 開口部
4 刃部領域
41 刃部
42 刃
43 刃筋部
5 ガイド部領域
6 刃側係合部
10 皮剥き刃支承部材
10’皮剥き刃支承部
21 皮剥き装置
22 ワークホルダ
23 ワーク支承部
24 ワーク回転モータ
25 ピーラアーム
26 ピーラ
27 ピーラ軸回転モータ
28 ピーラ軸
29 付勢部材
30 シャフト回転モータ
31 中心シャフト
32 ピーラ駆動部

Claims (3)

  1. 正面視および背面視において略長方形状とされた板状部材からなり、皮剥き対象の果菜の表面に当接させる刃が形成された刃部を有する本体を備え、前記刃部の延出方向における前記本体の両端には皮剥き刃支承部材の係合部と係合させる刃側係合部が形成された皮剥き刃であって、
    前記本体は、面内略中央に長さ方向へ延出する開口部を介して刃部領域とガイド部領域が形成されているとともに、前記刃部領域とガイド部領域を近接させるように正面側へ幅方向を屈曲させて形成され、前記刃部領域の前記開口部端は前記刃部とされており、
    前記刃部は、前記本体の正面に刃端部を前記開口部から刃部領域内へ向かう円孤状に切削された刃が隣位の刃との間に刃筋部を形成しつつ等間隔に複数個配列させて形成されており、
    前記各刃間のピッチは、1mm以上3mm未満、
    前記各刃の切削面からなる凹部頂点は、R1.0mm以上R3.0mm以下のR形状、
    前記刃筋部の凸部頂点は、R0.1mm以上0.5mm以下のR形状、そして、
    前記刃筋部からなる刃の先端は、R0.1mm以上R0.5mm以下であることを特徴とする皮剥き刃。
  2. 前記本体の屈曲の角度は30°であることを特徴とする請求項1に記載の皮剥き刃。
  3. 前記皮剥き刃支承部材は、
    皮剥き対象の果菜を保持した保持部に設けた回転軸を回転駆動させる果菜回転手段と、
    ピーラを前記回転軸方向に移動させながら前記果菜の削取する表皮部分に当接させるピーラ駆動手段とを備えた皮剥き装置における前記ピーラの皮剥き刃支承部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の皮剥き刃。
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