(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域10が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板2Aと、該盤面板2Aの背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材2Bと、から構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLED(light emitting diode)などからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
尚、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。尚、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。尚、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
尚、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。尚、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。尚、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリア5Hが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。表示エリア5Hには、実行が保留されている第1特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示され、実行が保留されている第2特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって第1突出位置となる閉鎖状態と退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動板が第1突出位置となることにより、当該可動板が遊技領域10側に突出し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動板が遊技盤2側に退避する退避位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2とその背面側に設けられる画像表示装置5との間には、後述する第1導光板装置500及び第2導光板装置600と、演出に応じて動作する可動演出装置400とからなる演出ユニット300が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。尚、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、普通可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
尚、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
尚、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。尚、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。尚、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
尚、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。尚、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動演出装置400の可動体の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。尚、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。尚、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。尚、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
また、CPU103は、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動演出装置400の可動体の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、第1導光板装置500や第2導光板装置600の第1導光板LED##や第2導光板LED##を発光させる信号を供給したり、可動演出装置400の可動体を動作させる信号を当該可動演出装置400の可動体又は当該可動演出装置400の可動体を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
尚、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動演出装置400の可動体の制御(可動演出装置400の可動体を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
(主基板11で制御される遊技の進行)
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。尚、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。尚、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。
尚、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ということがある。また、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ということがある。また、「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ということがある。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。
尚、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
尚、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
(演出制御基板12で制御される遊技の進行)
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、飾り図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が飾り図柄の可変表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、本実施の形態では、上記予告を含む各種演出として、可動演出装置400の可動体による可動体演出やスピーカ8L,8R、及び遊技効果ランプ9による複合演出を実行可能とされている。尚、これら各種演出は、例えば、可変表示中における所定タイミングや、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングで実行される。本実施の形態では、スーパーリーチの実行時に可動演出装置400を用いた演出が実行される(詳しくは後述する)。
(演出ユニット300)
次に、演出ユニット300の詳細について、図3に基づいて説明する。図3は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。尚、以下の説明においては、遊技者が位置する方向をパチンコ遊技機1の前方とし、その反対の方向を後方とする。また、パチンコ遊技機1の前方に位置する遊技者からみて上下左右の方向を基準として説明する。
図3に示すように、演出ユニット300は、第1導光板装置500と、第1導光板装置500に対し背面側に離れた位置に配置される第2導光板装置600と、第1導光板装置500と第2導光板装置600との間に配置される可動演出装置400と、から主に構成され、これら第1導光板装置500、第2導光板装置600及び可動演出装置400は、図示しない取付枠等を介して一体化された状態で、遊技盤2と画像表示装置5との間に配設されている。
(第1導光板装置500及び第2導光板装置600)
次に、第1導光板装置500の構造について、図4〜図12に基づいて説明する。図4は、第1導光板装置を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、第1導光板装置を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、(A)は第1導光板装置の左辺部を示す背面図、(B)は第1導光板と凹凸部との関係を示す断面図である。図7は、第1導光板と第1導光板LEDとを示す正面図である。図8は、図7のA−A断面図である。図9は、(A)は図7のB−B断面図、(B)は図7のC−C断面図である。図10は、(A)は第1導光板の通常時、(B)は第1導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。図11は、(A)は第1導光板における第1演出表示パターンと第2演出表示パターン、(B)は第2導光板における第1演出表示パターンと第2演出表示パターンを示す図である。図12は、(A)は第1演出表示パターンを演出表示した状態、(B)は第2演出表示パターンを演出表示した状態を示す説明図である。
尚、第2導光板装置600は、表示可能な画像が異なるだけで、構成はほぼ第1導光板装置500と同様であるため、第1導光板装置500について説明し、必要な部材には第1導光板装置500の各部の符号に「100」を加算した符号を付すことで詳細な説明は省略する。
図4及び図5に示すように、第1導光板装置500は、第1導光板511と、第1導光板511を前後から挟むように保持する前保持部材503及び後保持部材505と、発光手段である第1導光板LED600Aが背面に複数設けられたLED基板601A及び発光手段である第1導光板LED600Bが背面に複数設けられたLED基板601Bと、から主に構成される。
前保持部材503は、非透光性を有する(不透明な)合成樹脂により、板状の上辺部503H及び左右の側辺部503L,503Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部503Hの背面左右側には、第1導光板511を前保持部材503に対する取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス551と第2位置決め用ボス552とがそれぞれ突設されている。また、左の側辺部503Lの背面下位置には、第1導光板511を前保持部材503に対する取付位置に保持する際の位置決め用の第3位置決め用ボス542が突設されている。また、上辺部503H及び側辺部503L,503Rの各々の背面には、後保持部材505を取付けるための複数のネジN1が螺入される保持枠用ボス545が突設されている。この前保持部材503は、図示しないネジにより遊技盤2のスペーサ部材2Bの背面に取付けることで遊技盤2の背面側に取付けられる。
上辺部503H及び側辺部503L,503Rの各々の背面には、内側辺に沿って内壁部548が立設されている。図6に示すように、これら内壁部548のうち左右の側辺部503L,503Rの内壁部548の後端縁部には、凹部549Bが長手方向に向けて所定間隔ごとに形成されており、これにより左右の内壁部548の後端縁部は、凹部549Bと凸部549Aとからなる凹凸部549として形成されている。凹凸部549は、後述するように第1導光板511が後保持部材505により取付位置に保持された状態において、第1導光板511の前面における左側部に対向するように設けられている。
LED基板601Aは、前保持部材503の左の側辺部503Lの背面に上下方向に延設され、複数のネジN2により側辺部503Lの背面に固定されている。LED基板601Aの背面には、第1導光板511の左端面512Lに向けて光を照射する複数の第1導光板LED600Aが、LED基板601Aの右側辺に沿うように上下方向に複数列設されている。
第1導光板511の左端面512Lと第1導光板LED600Aとの間には、第1導光板LED600Aから入射された光を第1導光板511の左端面512Lに向けて集光する第1集光レンズ519Aが配設されている。
第1集光レンズ519Aは、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂等の透光性を有する(透明な)合成樹脂材により長板状に形成されている。具体的には、第1集光レンズ519Aの右辺部には、正面視で第1導光板511側に膨出する略半円形状の複数の凸部590が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部590は、第1導光板LED600Aの各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板511の左端面512Lに対向する対向端面は、正面視において導光板側に向けて突出するように湾曲して形成され光を出射する出射面(レンズ面)を構成している。尚、複数の凸部590は、第1導光板LED600Aの各々に一対一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部590が複数設けられていてもよい。
第1集光レンズ519Aの前面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fがそれぞれ前方に向けて突出するように形成され、集光レンズ位置決め用ボス593FはLED基板601Aに複数形成された位置決め孔595Aに挿入される(図5、図8参照)。また、第1集光レンズ519Aの背面における集光レンズ位置決め用ボス593Fに対応する位置には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bがそれぞれ後方に向けて突出するように形成され、集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に複数形成された位置決め孔596Aに挿入される(図5、図8参照)。
LED基板601Bは、前保持部材503の上辺部503Hの背面に左右方向に延設され、複数のネジN3により上辺部503Hの背面に固定されている。LED基板601Bの背面には、第1導光板511の上端面512Hに向けて光を照射する複数の第1導光板LED600Bが、LED基板601Bの下辺に沿うように左右方向に複数列設されている。
第1導光板511の上端面512Hと第1導光板LED600Bとの間には、第1導光板LED600Bから入射された光を第1導光板511の上端面512Hに向けて集光する第1集光レンズ519Bが配設されている。
第1集光レンズ519Aは、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂等の透光性を有する(透明な)合成樹脂材により長板状に形成されている。具体的には、第1集光レンズ519Aの下辺部には、正面視で第1導光板511側に膨出する略半円形状の複数の凸部590が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部590は、第1導光板LED600Bの各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板511の上端面512Hに対向する対向端面は、正面視において導光板側に向けて突出するように湾曲して形成され光を出射する出射面(レンズ面)を構成している。尚、複数の凸部590は、第1導光板LED600Bの各々に一対一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部590が複数設けられていてもよい。
第1集光レンズ519Aの前面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fがそれぞれ前方に向けて突出するように形成され、集光レンズ位置決め用ボス593FはLED基板601Bに複数形成された位置決め孔595Bに挿入される(図5、図8参照)。また、第1集光レンズ519Aの背面における集光レンズ位置決め用ボス593Fに対応する位置には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bがそれぞれ後方に向けて突出するように形成され、集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に複数形成された位置決め孔596Bに挿入される(図5参照)。
後保持部材505は、非透光性を有する(不透明な)合成樹脂により、板状の上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部505Hの前面には、前保持部材503の第1位置決め用ボス551が嵌合する第1位置決め孔580と、第2位置決め用ボス552が嵌合する第2位置決め孔583と、が設けられている。尚、上辺部503H及び側辺部505L,505Rの各々の背面には、前保持部材503の各保持枠用ボス545に螺入するネジN1の取付孔546が設けられている。
上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rの背面には、背面側に向けて突出する凸条506H,506L,506Rが、上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rの内側辺に沿うように直線状に延設されており、第1導光板511が前保持部材503と後保持部材505により取付位置に保持された状態において、第1導光板511の背面側部に対向するように設けられている。
第1導光板511は、透明なアクリル樹脂板により、背面に位置する画像表示装置5の表示画面のほぼ全域を被覆可能な大きさ(例えば、画像表示装置5の表示画面より大きい)に形成されており、第1位置決め用ボス551を挿通可能な第1孔部511Aと、第2位置決め用ボス552を挿通可能な第2孔部511Bと、第3位置決め用ボス542が挿通可能な第3孔部511Cと、を備える。
図7に示すように、第1導光板511(及び第2導光板611)は、所定の板厚寸法{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面512H及び下端面は左右方向に延設される平坦面からなり、左右側端面は上下方向に延設される平坦面からなり、画像表示装置5の表示画面の前方を被覆可能な略四角形状とされている。
第1導光板511は、アクリル樹脂材により板厚寸法が約2.5mmの透明板からなり、遊技盤2を構成する透明な合成樹脂材からなる盤面板の板厚寸法(例えば、約10mm)に比べて肉薄であるため、後述するように、パチンコ遊技機1に組付けられた状態において、パチンコ遊技機1の内部の温度変化により伸び縮みが発生することがある。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側はガラス扉枠50により閉鎖され、背面側はカバー体(図示略)により閉鎖されており、これらガラス扉枠50とカバー体とにより閉鎖された内部空間には、液晶表示器等からなる画像表示装置5や、制御基板、LED、駆動源(モータやソレノイド)といった多数の熱源が設けられている。特に本実施の形態では、第1導光板装置500と第2導光板装置600との間に、可動体402を駆動させるためのリフト用駆動モータ416が配置される構造とされている。よって、パチンコ遊技機1の稼働時の内部温度は非稼働時に比べて高くなるため、画像表示装置5とガラス窓50aとの間に設けられる第1導光板511は、例えば、約40度の温度変化により最大で約1.6mmの伸び縮みが生じる。
具体的には、例えば第1導光板511の場合、反り公差(平面度交差)は約3〜6mm程度とされているため、例えば、第1導光板装置500を遊技盤2の背面に取付けた状態において、前側の遊技盤2との離間寸法及び後側の画像表示装置5や他の部材との離間寸法は6mmを超えた寸法とすることが好ましい。
一方、第1導光板装置500(及び第2導光板装置600)は、第1導光板511は、周縁の一部が前保持部材503及び後保持部材505により前後から挟持された状態で遊技盤2の背面側に取付けられる構造であるため、製造上の寸法公差や組付誤差によるアセンブリの歪みなどで前保持部材503及び後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞があるばかりか、上記したような温度変化による伸び縮みにより前保持部材503及び後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞がある。
よって、本実施の形態の第1導光板装置500は、以下に説明するように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化や、製造上の寸法公差や組付誤差に対応できるように、第1導光板511は、前保持部材503及び後保持部材505に対し所定の隙間(クリアランス)をもって取付けられている。
図7〜図10に示すように、第1導光板511における左上部には、前保持部材503の背面左上側に突設された第1位置決め用ボス551が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部511Aが形成されている。また、第1導光板511における右上部には、前保持部材503の背面右上側に突設された第2位置決め用ボス552が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部511Bが形成されている。第2孔部511Bは左右方向に向けて延設される長孔にて構成されている。また、第1導光板511における左下部には、前保持部材503の背面左下側に突設された第3位置決め用ボス542が挿入可能な第2挿入部としての第3孔部511Cが形成されている。第3孔部511Cは上下方向に向けて延設される長孔にて構成されている。
図10に示すように、第1孔部511Aは、該第1孔部511Aの中心と第3孔部511Cの中心とを通る直線LN2が、左端面512L(第1導光板511の左辺)に沿う直線LN1に対し平行をなすとともに、第1孔部511Aの中心と第2孔部511Bの中心とを通る直線LN4が、上端面512H(第1導光板511の上辺)に沿う直線LN3に対し平行をなすように、左端面512L及び上端面512Hの近傍位置(角部)に形成されている。
詳しくは、直線LN1と直線LN2との離間寸法L20、直線LN3と直線LN4との離間寸法L21は、第1導光板511の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L20,L21>L15×2)。つまり、第1孔部511Aと第3孔部511Cとは、左端面512L(第1導光板511の左側辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されており、第2孔部511Bは、上端面512H(第1導光板511の上辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
このように第1孔部511Aと第2孔部511Bと第3孔部511Cとは、左端面512L及び上端面512H、つまり、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図9(A)に示すように、第1孔部511Aの直径L1は、第1位置決め用ボス551の直径L2よりも若干長寸とされているが(L1>L2)、第1孔部511Aに第1位置決め用ボス551が挿入された状態において、第1孔部511Aと第1位置決め用ボス551との間に左右上下方向の隙間S1(L1−L2)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス551は第1孔部511Aに嵌合される。
図9(B)に示すように、第2孔部511Bの左右寸法L3Aは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも長寸とされ(L3A>L4)、第2孔部511Bの上下寸法L3Bは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも若干長寸とされている(L3B>L4)。よって、第2孔部511Bに第2位置決め用ボス552が挿入された状態において、第2孔部511Bと第2位置決め用ボス552との間に左右方向の隙間S2(L3A−L4)が生じるが、上下方向の隙間S3(L3B−L4)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S2は、隙間S1よりも大きい(S2(L3A−L4)>S1(L1−L2))。また、隙間S1と隙間S3とはほぼ同寸とされている(S1(L1−L2)=S3(L3B−L4))。つまり、第2孔部511Bは、第2位置決め用ボス552に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
また、図9(C)に示すように、第3孔部511Cの上下寸法L6は、第3位置決め用ボス542の直径L5Aよりも長寸とされ(L6>L5A)、第3孔部511Cの左右寸法L5Bは、第3位置決め用ボス542の直径L5Aよりも若干長寸とされている(L5B>L5A)。よって、第3孔部511Cに第3位置決め用ボス542が挿入された状態において、第3孔部511Cと第3位置決め用ボス542との間に上下方向の隙間S4(L6−L5A)が生じるが、左右方向の隙間S5(L5B−L5A)がほぼ生じない。
上下方向の隙間S4は、隙間S5よりも大きい(S4(L6−L5A)>S5(L5B−L5A))。また、隙間S1と隙間S5とはほぼ同寸とされている(S1(L1−L2)=S5(L5B−L5A))。つまり、第3孔部511Cは、第3位置決め用ボス542に対する第1導光板511の上下方向への移動を許容し、左右方向への移動を許容しない。
また、第1位置決め用ボス551の直径L2と第2位置決め用ボス552の直径L4とはほぼ同寸とされており(L2=L4)、第3位置決め用ボス542の直径L6は、第1位置決め用ボス551の直径L2及び第2位置決め用ボス552の直径L4よりも小さい。尚、本実施の形態では、第1位置決め用ボス551の直径と第2位置決め用ボス552の直径とは同寸とされているが、異なっていてもよい。
図8に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とにより前後から挟みこむように保持した状態において、第1導光板511と前保持部材503との間に隙間S20が設けられる。この隙間S20は、第1導光板511の全面に亘って形成されており、いずれの箇所においても第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm〜8mm程度)とされている(S20<L15)。このように、隙間S20は、最も前後幅が小さい箇所が約0.2mm程度であるため、第1導光板511が前後に移動する幅は極めて小さい。
次に、図10に基づいて、第1導光板511の熱膨張について説明する。第1導光板511は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなるため、前述したように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化に応じて伸び縮みが生じる。
本実施の形態では、例えば、図10に示すように、第1導光板511における第1孔部511A(第1導光板511の左上側)から対向する角部(第1導光板511の右下側)までの離間寸法は約442mmであり、この場合、製造上の寸法公差は±0.6mm程度となり、40度の温度変化に対し最大で約1.6mm程度の伸びが発生する。よって、第1導光板511における第1孔部511Aと該第1孔部511Aと対向する角部の位置が固定されていると、温度変化により約16.3mm程度の不可逆的な反りが発生することがある。
図10(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とにより保持した状態において、第1孔部511Aには第1位置決め用ボス551が嵌合され、第2孔部511Bの左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス552が挿入され、第3孔部511Cの上下方向の略中央位置には第3位置決め用ボス542が挿入されている。
図10(B)に示すように、第1導光板511が熱膨張する場合、第1導光板511は、前保持部材503と後保持部材505に対し相対移動することになるが、第1孔部511Aが前保持部材503に形成された第1位置決め用ボス551に嵌合されていることで、第1孔部511Aを基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。尚、第1導光板511における第1孔部511Aと対向する角部の位置は固定されていないため、第1孔部511Aを基準とする斜め右下方向への伸びは許容されることになる。
ここで、第1孔部511A及び第3孔部511Cは、第1導光板LED600Aの出射面(右面)から出射される光が入射される左端面512Lの近傍に設けられており、また、第1位置決め用ボス551との左右方向の隙間S1及び第3位置決め用ボス542との左右方向の隙間S5は小さいため、第1孔部511A及び第2孔部511Bから左方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の左側が左方の第1導光板LED600A側に伸長することで、第1導光板LED600Aとの離間寸法が上下方向の一の位置(例えば、上側位置)と他の位置(例えば、下側位置)との間で異なること、つまり、第1導光板LED600Aの出射面(左面)と第1導光板511の左端面512Lとの位置関係がずれてしまったり、左端面512Lが第1導光板LED600Aに接触するなどして、第1導光板LED600Aが傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第3位置決め用ボス542と第3孔部511Cとの隙間S4が隙間S1よりも大きいことで、第1導光板511の第1孔部511Aを基準とする下方向への伸びは許容されるため、図10(B)に示すように、第3孔部511Cが第3位置決め用ボス542に対し下側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を前取付位置に位置決めするための第3位置決め用ボス542を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1導光板LED600Aから左端面512Lへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1孔部511A及び第2孔部511Bは、第1導光板LED600Bの出射面(下面)から出射される光が入射される上端面512Hの近傍に設けられており、また、第1位置決め用ボス551との上下方向の隙間S1及び第2位置決め用ボス552との上下方向の隙間S3は小さいため、第1孔部511A及び第2孔部511Bから上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の上部が上方の第1導光板LED600B側に伸長することで、第1導光板LED600Bとの離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なること、つまり、第1導光板LED600Bの出射面(下面)と第1導光板511の上端面512Hとの位置関係がずれてしまったり、上端面512Hが第1導光板LED600Bに接触するなどして、第1導光板LED600Bが傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス552と第2孔部511Bとの隙間S2が隙間S1よりも大きいことで、第1孔部511Aを基準とする右方向への伸びは許容されるため、図10(B)に示すように、第2孔部511Bが第2位置決め用ボス552に対し右側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を前取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス552を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1導光板LED600Bから上端面512Hへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
尚、図10では、第1導光板511が熱膨張した場合について説明したが、例えば、冬季における製造時、保管時、遊技場の非営業時などにおいてパチンコ遊技機1の内部温度が低下して第1導光板511が収縮した場合にあっては、特に図示はしないが、第1孔部511Aを基準として放射状に収縮、つまり、第1導光板511の周縁部が第1孔部511Aに向けて移動するように収縮する。
このような場合でも、第2孔部511Bの長手方向の略中央位置に第2位置決め用ボス552が挿入され、また、第3孔部511Cの略中央位置に第3位置決め用ボス542が挿入されることで、第2位置決め用ボス552及び第3位置決め用ボス542に対する第2孔部511B及び第3孔部511Cの第1孔部511A側への移動が許容されるため、第2位置決め用ボス552及び第3位置決め用ボス542の破損が防止される。
また、図6に示すように、第1導光板511(第2導光板611)の背面における周縁近傍位置には、第1導光板511の製造時において、成型品である第1導光板511を図示しないエジャクタピン(押出ピンともいう)により金型から押出して取出す際に形成される複数のエジェクタピン跡650が形成されている。エジェクタピン跡650は、第1導光板511を金型から取出す際にエジャクタピンにより押圧されることにより形成される凸部(例えば、突出寸法約0.1mm程度)であり、注視しないと視認が困難な程度のものである。特に第1導光板511の周縁における各孔部の近傍には、取出し時の破損を防止するために2箇所ずつ形成されている。
図6(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503と後保持部材505とで保持した状態において、凹凸部549は、第1導光板511の背面に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。詳しくは、第1導光板511が前保持部材503と後保持部材505とにより保持された状態において、第1導光板511の左側辺に形成された各エジェクタピン跡650は、凹凸部549よりも内側、つまり、周縁から離れた位置に形成されているため、エジェクタピン跡650が凸部549Aと接触することにより第1導光板511の表面に傷が付くことが抑制されている。
以上のように、第1導光板511を取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503、後保持部材505を備え、保持体は、第1導光板511を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように取付位置に保持可能であり、第1導光板511を保持した状態において該第1導光板511と対向する位置に凹凸部549が設けられ、凹凸部549は、第1導光板511を前保持部材503、後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。
(第1導光板及び第2導光板)
図11(A)に示すように、第1導光板511の背面には、第1導光板LED600Aからの光を反射して前面から出射させるための反射部597A,597Bと、第1導光板LED600Bからの光を反射して前面から出射させるための反射部597Cと、がそれぞれ形成されている。反射部597Aは、後述するスーパーリーチ演出において表示される「宝箱」がキャラクタCにより破壊され開封されたときに飛散する複数の「星」を発光表示可能な態様に配置され、反射部597Bは、「宝箱」がキャラクタCにより破壊され開封されたときに飛散する複数の「コイン」を発光表示可能な態様に配置されている。また、反射部597Cは、所定のキャラクタCを発光表示可能な態様に配置されている。
図11(B)に示すように、第2導光板611の背面には、第2導光板LED700Aからの光を反射して前面から出射させるための反射部697A,697Bと、第2導光板LED700Bからの光を反射して前面から出射させるための反射部697Cと、がそれぞれ形成されている。反射部697Aは、後述するスーパーリーチ演出において表示される「宝箱」がキャラクタCにより破壊され開封されたときに飛散する複数の「星」を発光表示可能な態様に配置され、反射部697Bは、「宝箱」がキャラクタCにより破壊され開封されたときに飛散する複数の「コイン」を発光表示可能な態様に配置され、反射部597Cは、「激熱!」なる文字を発光表示可能な態様に配置されている。
また、第1導光板511の反射部597Aにより発光表示される複数の「星」や、反射部597Bにより発光表示される複数の「コイン」といった第1演出表示パターンと、第2導光板611の反射部697Aにより発光表示される複数の「星」や、反射部697Bにより発光表示される複数の「コイン」といった第2演出表示パターンとは、類似する演出表示パターンとされている。
詳しくは、第1演出表示パターンと第2演出表示パターンとは、表示情報の種別(「星」や「コイン」)は同じであるが、大きさや向きが異なるパターンとされている。本実施の形態では、第2演出表示パターンとしての「星」や「コイン」は、第1演出表示パターンの「星」や「コイン」よりも大きい態様とされている。
本実施の形態では、第2演出表示パターンは、第1演出表示パターンと同形、相似形、異なる視点で見た状態を表したもの、形状は異なる(例えば、一部が切り欠かれているなど)が同じ種別のもの等が含まれる。
また、第2導光板611の複数の反射部697Aのうち、反射部697Aaは、画像表示装置5の表示領域から外側にかかるように配置されているため、画像表示装置5の表示領域の外側に位置する部分が切り欠かれている。また、反射部697Ab及び反射部697Baは、後述する可動体402が演出位置に移動したときに該可動体402に一部が重畳するように配置されているため、可動体402に重畳する部分が切り欠かれている。
これら反射部597A,597B,697A,697Bは、特に詳細な図示はしないが、第1導光板511や第2導光板611の内部を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより第1導光板511や第2導光板611の背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
尚、本実施の形態では、反射部597A,597B,697A,697Bを光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部597A,597B,697A,697Bの断面形状を略半円形状等、光を前方に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。尚、図11において、各反射部597A,597B,697A,697Bは実線で囲んで「星」や「コイン」や「キャラクタ」や「文字」等を表現しているが、実際には実線はなく、上記ドット等の集まりにより文字が形成されている。
また、本実施の形態では、図12(A)で示すように、第1導光板LED600A(第2導光板LED700A)からの光のみが反射部597A,597Bにて前方に反射して「星」を示す演出表示パターンZA1や「コイン」を示す演出表示パターンZB1が発光表示され、図12(B)で示すように、第1導光板LED600Bからの光のみが反射部597Cにて前方に反射してキャラクタCを示す演出表示パターンZC1が発光表示されるようになっている。尚、特に図示しないが、第2導光板611の場合、第2導光板LED700Aからの光のみが反射部697A,697Bにて前方に反射して「星」を示す演出表示パターンZA2や「コイン」を示す演出表示パターンZB2が発光表示され、第2導光板LED700Bからの光のみが反射部697Cにて前方に反射して「激熱!」を示す演出表示パターンZC2(図示略)が発光表示されるようになっている。
つまり、第1導光板511と第2導光板611の少なくとも一方は、後述する可動体402の落下動作に連動した連動演出表示として行う演出表示(例えば、演出表示パターンZA1,ZB1,ZA2,ZB2の表示)とは別の演出表示(例えば、演出表示パターンZC1,ZC2の表示)を行うことが可能である。
このような導光構造としては、例えば、第1導光板511を複数枚(2枚)の合成樹脂板を前後に層状に重ね合わせることにより構成し、第1層の背面に反射部597A,597Bを設けるとともに第2層の背面に反射部597Cを設け、第1導光板LED600Aからの光を第1層の端面に入射可能とし、第1導光板LED600Bからの光を第2層の端面に入射可能とすることで、図12(A)(B)に示すように、光の入射方向を異ならせることにより異なる画像を表示可能としてもよい。
また、本実施の形態では、第1導光板511や第2導光板611により表示可能とする演出表示パターン(表示情報)として文字や絵柄が例示されているが、これら以外にも、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としてもよい。また、第1導光板511や第2導光板611は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくてもよく、例えば着色されていてもよいし、半透明とされていてもよい。
(可動演出装置400)
次に、可動演出装置400について、図13〜図16に基づいて説明する。図13は、駆動初期状態であるときの可動演出装置を示す正面図である。図14は、図13のE−E断面図である。図15は、可動体の落下状況を示す説明図である。図16は、可動体が復帰する状況を示す説明図である。
図13〜図16に示すように、可動演出装置400は、遊技盤2の背面と画像表示装置5との間に配置され、画像表示装置5の上辺及び左右側辺に沿って配置される下向き略コ字形をなすベース部材401と、画像表示装置5の表示画面上方の待機位置(原点位置、図3参照)と該待機位置よりも下方であり画像表示装置5の表示画面の略中央前面の演出位置(図15の実線で示す位置参照)との間で上下方向に移動(動作)可能に設けられた可動体402と、可動体402を上方へ移動させるためのリフト手段403と、可動体402の待機位置からの落下を規制するための規制部材404と、規制部材404が可動体402の待機位置から演出位置への移動(落下)を規制する規制状態と該規制を解除する解除状態とに変化させる規制手段405と、を備える。
可動体402は、所定の重量を有し、正面視略横長長方形をなす直方体にて構成される演出部410と、演出部410の左右側に設けられたガイド部411L,411Rと、演出部410とガイド部411L,411Rとを連結する連結棒413と、有する。ガイド部411L,411Rには、上下方向に貫通する貫通孔409(図14参照)が形成され、該貫通孔409には、ベース部材401の左右側辺部それぞれの前面に固設された上下方向を向くガイド棒412L,412Rが挿通されていることで、可動体402は、ガイド棒412L,412Rにより待機位置と演出位置との間で上下方向に移動案内されるようになっている。可動体402の前面には、キャラクタCが小槌を叩く絵柄が表示されており、内部に設けられた演出用LED(図示略)により発光するようになっている。
右側のガイド部411Rの右側面には、規制部材404が当接可能な被当接部314Rが突設されている。被当接部314Rは、正面視略三角形状をなし、下面(被当接面)は略水平に設けられ平坦面状に形成され、外側面は下方から上方に向けて内側に傾斜する傾斜面とされている。
リフト手段403は、可動体402とは別個に設けられ、該可動体402を演出位置から待機位置へ移動させる移動体415と、移動体415を上下方向に移動させるリフト用駆動モータ416と、該リフト用駆動モータ416の駆動軸に固着される駆動ギヤ417と、ベース部材401の前面に突設された前後方向を向く回転軸418aを中心として回転可能に設けられ、駆動ギヤ417に噛合するピニオンギヤ418と、を有する。
移動体415は、遊技盤2の後方に配置されていることにより遊技者から視認不能な部材であって、右側のガイド部411Rの下面に当接可能な当接部420と、該当接部420の右側面の上下方向に延設されるラックギヤ421とからなる。ラックギヤ421の背面にはガイド軸423a,423bが突設されており、該ガイド軸423a,423bがベース部材401の右側辺部の前面に設けられた上下方向を向くガイド溝422内に挿入されることで、移動体415は、ガイド溝422に沿って上下方向に移動案内される。尚、移動体415は、ガイド棒412Rの前方において当接部420がガイド棒412Rに接触しない位置に設けられている。
また、移動体415は、可動体402が待機位置にて落下が規制されたときにガイド部411Rの下面に当接部420の上面が当接する位置よりもやや上方の上昇位置と、可動体402が演出位置にあるときに当接部420がガイド部411Rよりもやや下方に位置する待機位置(初期位置)と、の間で移動可能に設けられている。そして、ラックギヤ421にピニオンギヤ418が噛合されていることで、リフト用駆動モータ416により駆動ギヤ417を第2方向(例えば、正面視反時計回り方向)に回転させるとピニオンギヤ418が第1方向(例えば、正面視時計回り方向)に回転して移動体415が上昇し、駆動ギヤ417を第1方向(例えば、正面視時計回り方向)に回転させるとピニオンギヤ418が第2方向(例えば、正面視反時計回り方向)に回転して移動体415が下降する。
このように構成された移動体415は、原点位置である待機位置において演出位置にある可動体402に接触しないようになっており、上昇することで演出位置において可動体402のガイド部411Rの下面に当接することで可動体402を押し上げることができるようになっている。
図13に示すように、規制手段405は、ベース部材401の右辺部の前面上部に固設されたソレノイド430からなる。ソレノイド430は、図14に示すように、本体部430aと、該本体部430aに対し出退可能に設けられ、先端に規制部材404が取り付けられたプランジャ430bと、オフ(非励磁)状態においてプランジャ430bを突出方向に付勢する圧縮バネ430cと、を有する。
ソレノイド430は、規制部材404を、待機位置にて可動体402における被当接部314Rの下面に当接して該待機位置から演出位置への移動を規制する規制位置(図13)と、該規制位置から右方に退避することで規制を解除する解除位置(図15参照)との間で左右方向に向けて略水平に移動させることが可能であり、解除位置において規制部材404は被当接部314Rに当接しない。また、可動演出装置400は、待機位置において移動体415を検出可能な移動体初期位置検出用センサ(図示略)を備える(図2参照)。
次に、各部の動作態様について説明する。図13に示すように、可動体402は、駆動初期状態では待機位置において規制部材404により該待機位置からの落下が規制され、移動体415は待機位置(初期位置)に位置している。また、ソレノイド430はオフ状態(非励磁状態)であり、規制手段405は規制状態とされている。
図15に示すように、演出制御用CPU120は、可動体402を落下させるとき、ソレノイド430をオン状態(励磁状態)として規制手段405を解除状態に変化させる。これにより、規制部材404が規制位置から水平移動して解除位置へ移動するため、可動体402を落下方向と反対側の上方向に動作、つまり浮上させることなく瞬時に自重により落下させることができる。
待機位置から落下した可動体402は、ガイド棒412L,412Rに沿って落下し、ガイド棒412L,412Rの下端に設けられた緩衝部材にガイド部411L,411Rが当接して移動が規制されることで演出位置にて停止する(図15実線位置参照)。
また、図16に示すように、演出制御用CPU120は、演出位置に停止した可動体402を待機位置へ移動するとき、リフト用駆動モータ416により移動体415を待機位置から上昇位置へ向けて移動させる。これにより、移動体415の当接部420がガイド部411Rの下面に当接して可動体402を上方に押し上げていく。尚、可動体402が上昇しているときに被当接部414L,414Rが規制部材404に当接すると、規制部材404が圧縮バネの付勢力に抗して規制位置から解除位置側に押し込まれ、被当接部414L,414Rが通過した後に圧縮バネの付勢力により規制位置に復帰する。
特に移動体415が上昇位置まで移動した場合、被当接部314Rの下面が規制部材404の上面より僅かに上方に位置することで、規制部材404は圧縮バネ430cの付勢力によって解除位置から規制位置に復帰する。その後、演出制御用CPU120がリフト用駆動モータ416をオフ状態にすると、可動体402の荷重がリフト用駆動モータ416の負荷を上回っていることで、可動体402は自重により僅かに落下して規制部材404に当接し、待機位置にて落下が規制される。
このように構成された可動演出装置400では、可動体402を初期位置である待機位置から該待機位置よりも下方の演出位置まで自重により落下させることが可能であり、待機位置から演出位置まで落下させた後は、リフト手段403により可動体402を初期位置である待機位置に復帰させることができるようになっている。また、可動体402を待機位置まで復帰させた後は、リフト用駆動モータ416により移動体415を上昇位置から待機位置へ移動させて図13に示す初期状態に復帰させ、次回の落下に備えるようにしている。
(第1導光板装置500と第2導光板装置600と可動演出装置400との位置関係)
次に、第1導光板装置500と第2導光板装置600と可動演出装置400との位置関係について、図17及び図18に基づいて説明する。図17は、(A)は第1導光板、第2導光板、可動体、遊技盤、画像表示装置との位置関係を示す概略平面図、(B)は(A)の(B)は(A)のF−F断面図である。図18は、(A)は第1導光板、(B)は第2導光板、(C)は第1導光板と第2導光板とが重畳した状態、(D)は可動体及び画像表示装置が重畳した状態を示す説明図である。図19は、(E)は第1導光板、第2導光板、可動体、画像表示装置が重畳した状態を示す説明図である。尚、図17において、第1導光板装置500及び第2導光板装置600については第1導光板511、第2導光板611のみを図示し、可動演出装置400については可動体402のみを図示している。
図17(A)(B)に示すように、第1導光板511は、遊技盤2の背面における開口2cに対応する位置に、盤面板2Aに対し略平行をなすように遊技盤2に近接して配置されている。尚、本実施の形態では、第1導光板511は遊技盤2のスペーサ部材2Bの背面に近接して配置されているが、スペーサ部材2Bの背面に当接させた状態で配置されていてもよい。
第1導光板511の背面側には、可動体402が該第1導光板511の背面に接触しないように離れた位置にて、上下方向に移動可能に設けられている。また、可動体402の背面側には、第2導光板611が可動体402に接触しないように離れた位置において第1導光板511と略平行をなすように設けられている。このように可動体402は、遊技者側から見たときに前側の第1導光板511と後側の第2導光板611との間において上下方向に移動可能となるように設けられている。言い換えると、可動体402は、第1導光板511と第2導光板611との間である特定位置(演出位置)に動作可能である。
また、第2導光板611の背面側には、画像表示装置5が第2導光板611の背面に対し離れた位置に、第2導光板611に対し表示画面が略平行をなすように配置されている。尚、本実施の形態では、画像表示装置5は第2導光板611の背面に対し離れた位置に配置されているが、第2導光板611の背面に表示画面を当接させた状態で配置されていてもよい。
第1導光板511と第2導光板611とは、互いに前後に離れて配置され、遊技者側である前側から見たときに重畳しており、盤面板2Aに形成された開口2c及び盤面板2Aを介して遊技者側から視認可能とされている。また、画像表示装置5は、盤面板2Aに形成された開口2c及び盤面板2Aと、第1導光板511及び第2導光板611を通して遊技者側から視認可能とされている。
図18(A)に示す第1導光板511の反射部597A,597Bと、図18(B)に示す第2導光板611の反射部697A,697Bとは、図18(C)に示すように、第1導光板511と第2導光板611とを前後に重畳して配置したときに、一部を除き大半が前後に重ならないように配置されている。よって、反射部597A,597Bにより表示される「星」や「コイン」の演出表示パターンZA1,ZB1と、反射部697A,697Bにより表示される「星」や「コイン」の演出表示パターンZA2,ZB2とが前方から第1導光板511を通して視認可能となる。
また、図18(C)に示す第1導光板511と第2導光板611との間に、図18(D)に示すように演出位置に移動した可動体402を配置するとともに、第2導光板611の背面側に図18(D)に示す画像表示装置5を配置し、第1導光板LED600A,600B及び第2導光板LED700A,700Bを点灯させることで、図19(E)に示すように、第1導光板511に表示される演出表示パターンZA1,ZB1と、第2導光板611に表示される演出表示パターンZA2,ZB2と、可動体402のキャラクタCと、画像表示装置5により表示される「宝箱」を示す画像Z5及びエフェクト画像Z6とが遊技者側から視認可能となる。
具体的には、図19(E)に示すように、可動体402に表示されたキャラクタCが、画像表示装置5に表示された「宝箱」を示す画像Z5を小槌で打ち砕くことにより、その衝撃を示す「星」の演出表示パターンZA1,ZA2や、「宝箱」に収納されていた「コイン」の表示パターンZA2,ZB2が周囲に飛散している演出表示が行われる。つまり、第1導光板511と第2導光板611とで、可動体402の落下動作に連動した連動演出表示を行うことが可能とされている。
また、本実施の形態では、「星」や「コイン」を示す演出表示パターンZA1,ZB1,ZA2,ZB2が、「宝箱」を示す画像Z5の周囲に表示されるようになっているため、遊技者側から視たときに、「星」や「コイン」が上下左右に飛散しているように見えるだけでなく、第1導光板511の演出表示パターンZA1,ZB1は可動体402よりも前側に表示され、第2導光板611の演出表示パターンZA2,ZB2は可動体402よりも後側に表示されていることで、「星」や「コイン」が前後方向にも飛散しているように見えるため、より立体感がある演出表示が可能となる。
特に、例えば、可動体402の前側に配置される第1導光板511に表示される複数の演出表示パターンZA1,ZB1は、遊技者側から視たときに可動体402の左上角部の前側に重畳して表示される演出表示パターンZB1と、可動体402の右辺の前側に重畳して表示される演出表示パターンZA1とを含むことにより、より立体感を与えることができる。尚、図19(E)においては、可動体402の前側に重畳して表示される演出表示パターンZA1,ZB1を通して可動体402を視認困難な態様で表現されているが、可動体402を視認可能とされていてもよい。
また、画像表示装置5の前側に配置される第1導光板511に表示される複数の演出表示パターンZA1,ZB1は、遊技者側から視たときに画像表示装置5の表示領域と該表示領域の外側の領域とに跨るように配置される演出表示パターンZA1,ZB1とを含むことにより、画像表示装置5に表示された画像が周囲に飛び出して表示されているように見せることができるため、より立体感を与えることができる。尚、図19(E)においては、画像表示装置5の表示領域と該表示領域の外側の領域とに跨るように配置される演出表示パターンZA1,ZB1を通して画像表示装置5の表示枠を視認困難な態様で表現されているが、画像表示装置5の表示枠を視認可能とされていてもよい。
また、可動体402の後側に配置される第2導光板611に表示される複数の演出表示パターンZA2,ZB2は、遊技者側から視たときに可動体402の左下辺部に切欠部が隣接する演出表示パターンZA2bを含むことにより、演出表示パターンZA2bにより表示される「星」が可動体402の後側に配置されているように見せることができるので、より奥行き感を与えることができる。
また、可動体402の後側に配置される第2導光板611に表示される複数の演出表示パターンZA2,ZB2は、遊技者側から視たときに画像Z5の左下角部に切欠部が隣接する演出表示パターンZB2aを含むことにより、演出表示パターンZB2aにより表示される「コイン」が画像表示装置5の後側に配置されているように見せることができるので、より奥行き感を与えることができる。
また、可動体402の後側に配置される第2導光板611に表示される複数の演出表示パターンZA2,ZB2は、遊技者側から視たときに画像表示装置5の表示領域の左辺上部に切欠部が隣接する演出表示パターンZA2aを含むことにより、演出表示パターンZA2aにより表示される「星」が画像表示装置5の表示領域に配置されているように見せることができるので、より奥行き感を与えることができる。尚、可動体402が非透過性部材からなる場合は、演出表示パターンZA2aのように切欠部を設けず、可動体402の背面に重畳させるだけでもよい。
(演出ユニットを用いた演出動作例)
次に、演出ユニット300を用いた演出動作例について、図20に基づいて説明する。図20は、(A)〜(E)は演出ユニットを用いた演出動作例を示す説明図である。
本実施の形態では、演出制御用CPU120は、大当りのスーパーリーチ変動パターンに基づく可変表示にて実行されるスーパーリーチ演出において、大当りが確定となる決め演出を実行可能である。
詳しくは、演出制御用CPU120は、図20(A)に示すように、スーパーリーチ演出における所定のタイミングで、画像表示装置5にて破壊されていない「宝箱」の画像Z5Aを表示するとともに、「宝箱を開けろ!」なる文字演出表示パターンZ10を表示して、可動体402に表示されたキャラクタCが「宝箱」の画像Z5Aを破壊すれば大当りになることを遊技者に報知した後、図20(B)に示すように、スティックコントローラ31A及び「引け!」なる文字からなる演出表示パターンZ11を表示して、スティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進演出を開始する。
そして、図20(C)に示すように、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aの操作を検出したタイミングまたはスティックコントローラ31Aの操作を検出することなく操作有効期間が経過したタイミングで、可動体402を待機位置から演出位置まで落下させ、画像表示装置5にて表示している「宝箱」の画像Z5Aを破壊された画像Z5Bに切り替えるとともにエフェクト画像Z6を表示し、第1導光板LED600A,600B及び第2導光板LED700A,700Bを点灯させることにより演出表示パターンZA1,ZB1,ZA2,ZB2を表示させる。さらに、可動体402に内蔵された演出用LEDを点灯させる。
これにより、可動体402のキャラクタCが画像表示装置5に表示された「宝箱」を示す画像Z5を小槌で打ち砕くことにより、その衝撃を示す「星」の演出表示パターンZA1,ZA2や、「宝箱」に収納されていた「コイン」の表示パターンZA2,ZB2が周囲に飛散している演出表示が行われる。つまり、第1導光板511と第2導光板611と画像表示装置5とで、可動体402の落下動作に連動した連動演出表示を行うことが可能とされている。
尚、第1導光板LED600A,600B及び第2導光板LED700A,700Bの点灯態様は種々に変形可能であり、例えば、第1導光板LED600A,600B及び第2導光板LED700A,700Bを複数色(例えば、7色など)に変化させたり、点滅態様としたり、「星」や「コイン」が可動体402を中心として周囲に飛散して見えるように、LEDを可動体402から周囲に向けて順に点灯させたりしてもよい。
さらに、第1導光板LED600A,600B及び第2導光板LED700A,700Bの点灯とともに、画像表示装置5において、宝箱から周囲に向けて流れるようなエフェクト画像Z6を表示すれば、「星」や「コイン」が可動体402を中心として周囲に飛散しているように見せることが可能となる。
次いで、図20(D)に示すように、可動体402を上方に移動させて待機位置に復帰させ、画像表示装置5により破壊した画像Z5Bと「成功!」なる文字画像Z12を表示した後、図20(E)に示すように、図柄を揃えて表示することにより大当りになったことを報知する。
(擬似導光板表示)
次に、図21を用いて、擬似導光板演出における表示例を、導光板演出の表示例と比較しながら説明する。図21は、(A)〜(C)は導光板演出の表示例、(D)〜(F)は擬似導光板演出の表示例を示す説明図である。
まず、導光板演出の具体例について説明する。図21(A)〜(C)は、表示情報としてキャラクタCを表示する導光板演出の具体例を示す説明図である。図21(A)に示すように、画像表示装置5において演出図柄の変動表示が行われている。このとき、演出図柄は小図柄(通常よりも小さい大きさで表示される演出図柄)として表示されているものであるが、これに限るものではなく、通常の大きさの演出図柄が表示されているものであってもよい。そして、導光板演出を行うタイミングとなった場合、図21(B)に示すように、画像表示装置5の表示画像にマスクをかけることにより、導光板演出における表示内容を遊技者に視認させやすくする。その後、図21(C)に示すように、第1導光板LED600Aが発光され、第1導光板511にキャラクタCが表示情報として表示される。このとき、第1導光板511は画像表示装置5よりも遊技者側に設けられているため、小図柄の視認性が第1導光板511の表示により低下することとなる。
次に、擬似導光板演出の具体例について説明する。例えば、図21(D)に示すように、画像表示装置5において演出図柄の変動表示が行われている。このとき、演出図柄は小図柄として表示されているものである。そして、第1擬似導光板演出実行タイミングとなった場合、図21(E)に示すように、画像表示装置5における通常表示層の表示画像にマスクをかけることにより、第1擬似導光板演出における表示内容を遊技者に視認させやすくする。その後、図21(F)に示すように、画像表示装置5にキャラクタCが擬似導光板画像として表示される。このとき、小図柄が表示される特殊表示層は、擬似導光板画像が表示される擬似導光板演出用表示層よりも表示優先度が高いため、擬似導光板画像よりも優先して小図柄が表示されることとなる。従って、小図柄の視認を妨げることなく、導光板演出と類似した擬似導光板演出を実行可能である。また、画像表示装置5における通常演出画像よりも低い解像度を有する画像を擬似導光板画像として表示することにより、より導光板演出との類似性を高めた表示を行うことができる。
このように、所定画像(例えば、演出図柄や背景などの通常演出画像)を表示する所定演出(例えば、変動中演出などの通常演出)の実行中において、所定画像の視認性を低下させた状態(例えば、所定画像にマスクがかけられた状態)で、特定画像(例えば、擬似導光板画像)を所定画像よりも前面側(例えば、通常演出画像を表示する通常表示層よりも表示優先度の高いレイヤーである擬似導光板演出用表示層)に重畳して表示する特定画像演出(例えば、擬似導光板演出)を実行可能であることとした。これにより、興趣を向上させることができる。また、導光板演出と擬似導光板演出とを比較すると、擬似導光板演出では、導光板演出とは異なり小図柄の視認性を低下させることなく、導光板演出と類似した表示を行うことが可能である。さらに、擬似導光板演出においては導光板を備える必要がないため、遊技機の製造コストの増加を防止することができる。
また、図21では、第1導光板511に対応する第1擬似導光板演出を説明したが、第2導光板611に対応する第2擬似導光板演出についても、第1擬似導光板演出と同様の処理を実行することにより、「激熱」なる文字を表示する導光板演出と類似した擬似導光板演出を実行することが可能である。また、特定画像(例えば、擬似導光板画像)は、導光板演出の演出表示パターン(画像)に関連する画像であれば、必ずしも導光板演出の演出表示パターンと同一でなくてもよい(例えば、同一のキャラクタであれば表情や姿勢などの態様が異なっていてもよい)。
また、演出制御用CPU120は、図21(F)に示すように、画像表示装置5にキャラクタCからなる擬似導光板画像を表示する擬似導光板演出を実行した後、第1導光板511による導光板演出と第2導光板611による導光板演出のうちの少なくとも一方を実行可能である。このようにすることで、画像表示装置5により擬似導光板画像が表示された後に、導光板による導光板演出が行われるので、演出効果を好適に高めることができる。
また、擬似導光板演出を実行した後、可動体402を演出位置まで落下させてから、あるいは落下と同時に第1導光板511による導光板演出と第2導光板611による擬似導光板演出のうち少なくとも一方を実行するようにしてもよい。また、擬似導光板画像の表示と導光板演出とを交互に繰返し実行するようにしてもよく、切替の際に可動体402を演出位置まで落下させてもよい。さらに、擬似導光板画像の表示と導光板演出とを交互に繰返す際に、擬似導光板画像の態様を順次変化させる(例えば、キャラクタCの表情を変化させるなど)ようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1にあっては、光が左端面512Lや上端面512Hなどから入射されることにより演出表示を行うことが可能な導光板(例えば、第1導光板511、第2導光板611)と、動作可能な可動体402と、を備え、前記導光板は、第1導光板511と第2導光板611とを有し、可動体402は、第1導光板511と第2導光板611との間である特定位置(例えば、演出位置)に動作可能であることを特徴としている。
このようにすることで、第1導光板511と第2導光板611との間を可動体402が移動したり停止したりすることがあるので、演出効果を高めることができる。
本実施の形態では、第1導光板511は可動体402よりも前側に配置され、第2導光板611は可動体402よりも後側に配置されている。つまり、可動体402よりも前側で演出表示パターンZA1,ZB1が表示され、可動体402よりも後側で演出表示パターンZA2,ZB2が表示されるため、演出表示パターンZA1,ZB1と演出表示パターンZA2,ZB2とを一緒に演出表示した場合に、遊技者側(演出ユニット300の前方)から視たときの前後方向の奥行き感、つまり、立体感を好適に向上させることができる。
また、第1導光板511と第2導光板611とで、可動体402の動作に連動した連動演出表示を行うことが可能である。具体的には、演出制御用CPU120は、可動体402を待機位置から演出位置まで落下させ、該可動体402が演出位置に到達するタイミングで第1導光板LED600A,600Bと第2導光板LED700A,700Bを点灯させることで、可動体402のキャラクタCが画像表示装置5に表示された「宝箱」を示す画像Z5を小槌で打ち砕くことにより、その衝撃を示す「星」の演出表示パターンZA1,ZA2や、「宝箱」に収納されていた「コイン」の表示パターンZA2,ZB2が周囲に飛散している演出表示が行われる。
このように、可動体402の動作に応じて、その前側の演出表示パターンZA1,ZB1と後側の演出表示パターンZA2,ZB2の演出表示を行うことで、奥行き感のある演出表示が可能となるため、演出効果を好適に高めることができる。
また、第1導光板511と第2導光板611の少なくとも一方は、連動演出表示として行う演出表示(例えば、演出表示パターンZA1,ZB1,ZA2,ZB2の表示)とは別の演出表示(例えば、演出表示パターンZC1,ZC2の表示。図11、図12、図21(C)参照)を行うことが可能である。
このようにすることで、導光板を増やすことなく演出表示パターンを増加させることができるので、演出効果を好適に高めることができる。
また、第1導光板511は、演出表示パターンZA1,ZB1を演出表示可能であり、第2導光板611は、第1演出表示パターンと類似した演出表示パターンZA2,ZB2を演出表示可能であり、演出表示パターンZA1,ZB1は演出表示パターンZA2,ZB2よりも大きい。
このようにすることで、第2導光板611よりも遊技者に近い手前側の第1導光板511に表示される演出表示パターンZA1,ZB1が、該演出表示パターンZA1,ZB1と同じ「星」や「コイン」を表す第2導光板611の演出表示パターンZA2,ZB2よりも大きいことで、遠近感を好適に生じさせることができる。尚、本実施の形態では、第1導光板511に表示される演出表示パターンZA1,ZB1が第2導光板611の演出表示パターンZA2,ZB2よりも大きい形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示パターンZA1,ZB1と演出表示パターンZA2,ZB2とは類似した演出表示パターンであれば、大きさは同じでもよいし、演出表示パターンZA1,ZB1が第2導光板611の演出表示パターンZA2,ZB2よりも小さくてもよい。
また、所定画像(例えば、演出図柄や背景などの通常演出画像)を表示する所定演出(例えば、変動中演出などの通常演出)の実行中において、前記所定画像の視認性を低下させた状態(例えば、所定画像にマスクがかけられた状態)で、特定画像(例えば、擬似導光板画像)を前記所定画像よりも前面側(例えば、通常演出画像を表示する通常表示層よりも表示優先度の高いレイヤーである擬似導光板演出用表示層)に重畳して表示する特定画像演出(例えば、擬似導光板演出)を実行可能な画像表示装置5を備え、第1導光板511と第2導光板611の少なくとも一方は、画像表示装置5が前記特定画像演出を実行した後に、前記特定画像に類似した演出表示を行うことが可能である。
このようにすることで、演出効果を好適に高めることができる。詳しくは、導光板の枚数を増加することにより演出表示パターンを増加しなくても、画像表示装置5による擬似導光板画像により演出表示パターンを増加することができるので、コストの低減化を図ることができる。
また、第1導光板511は、画像表示装置5が第1特定画像演出を実行した後に、第1特定画像(例えば、キャラクタCの画像)に類似した演出表示(例えば、キャラクタCの演出表示パターン)を行うことが可能であり、第2導光板611は、画像表示装置5が第2特定画像演出を実行した後に、第2特定画像(例えば、「激熱!」の画像)に類似した演出表示(例えば、「激熱!」の演出表示パターン)を行うことが可能であることで、演出表示パターンをより増加させることができる。
さらに、第1特定画像と第2特定画像とで表示態様(例えば、発光輝度や発光色等)が異なる場合、各々に類似した演出表示パターンの表示態様も異なるようにすることが好ましい。
また、透過性部材からなる盤面板2Aと、可動体として、遊技球が入賞し易い開放状態と入賞不能または入賞困難な閉鎖状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7と、を備える。
このようにすることで、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7の演出効果を高めることができる。この場合、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7の入賞口扉や可動板といった動作可能な可動体の前側となる遊技盤2の前側に第1導光板を配置し、後側となる遊技盤2の背面側に第2導光板を配置することで、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7の開放や閉鎖に応じた演出表示を行うことが可能となる。尚、この場合、第2導光板により表示される演出表示パターンは、第1導光板と透過性を有する遊技盤とを通して遊技者側から視認可能となるため、奥行き感がある演出を実現できる。
また、第1導光板511や第2導光板611が取付けられる被取付部(例えば、前保持部材503、後保持部材505)を備え、前記被取付部は、発光手段(例えば、第1導光板LED600A,600B、第2導光板LED700A,700B)に対する前記導光板の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス(例えば、第1位置決め用ボス551)と第2位置決め用ボス(例えば、第2位置決め用ボス552)とを含む複数の位置決め用ボスを有し、前記導光板は、前記第1位置決め用ボスが挿入可能な第1挿入部(例えば、第1孔部511A)と、前記第2位置決め用ボスが挿入可能な第2挿入部(例えば、第2孔部511B、第3孔部511C)とを含む複数の挿入部を有し、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部とは、前記導光板を前記被取付部に取付けた状態において、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S2、S4)が前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S1)よりも大きく、前記端面(例えば、左端面512L、上端面512H)に平行または略平行な特定方向への前記導光板の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への前記導光板の移動を規制するように設けられる(図10参照)。
このようにすることで、第1導光板511や第2導光板611の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511や第2導光板611を取付位置に保持するための保持体(例えば、前保持部材503、後保持部材505)を備え、前記保持体は、前記導光板を一面(例えば、前面)側と他面(例えば、背面)側とから挟み込むように前記取付位置に保持可能であり、前記導光板を前記保持体により保持した状態において、前記導光板と前記保持体との間に隙間(例えば、隙間S20)が設けられる(図6(B)、図8参照)。
このようにすることで、第1導光板511や第2導光板611の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511や第2導光板611を取付位置に保持するための保持体(例えば、前保持部材503、後保持部材505)を備え、前記保持体は、前記導光板を一面(例えば、前面)側と他面(例えば、背面)側とから挟み込むように前記取付位置に保持可能であり、前記導光板を保持した状態において該導光板と対向する位置に凹凸部(例えば、凹凸部549)が設けられ、前記凹凸部は、前記導光板を前記保持体により保持した状態において、前記導光板に形成されたエジャクタピン跡(例えば、エジェクタピン跡650)と対向しない位置に配置されている(図6(A)参照)。
このようにすることで、第1導光板511や第2導光板611の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、発光手段(例えば、第1導光板LED600A,600B、第2導光板LED700A,700B)から入射された光を前記導光板(例えば、第1導光板511、第2導光板611)に向けて出射する導光部材(例えば、第1集光レンズ519)と、前記導光部材が取付けられる被取付部(例えば、LED基板601A,601Bの背面)と、を備え、前記導光部材には、前記被取付部に取付けられた状態において該被取付部に設けられた挿入部(例えば、位置決め孔595A)に挿入可能な位置決め用ボス(例えば、集光レンズ位置決め用ボス593F)が突出して設けられている(図5、図8参照)。
このようにすることで、集光レンズ位置決め用ボス593Fを位置決め孔595Aに挿入することで第1集光レンズ519の取付位置が決定されるため、第1集光レンズ519を好適に取付けることができる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、第1導光板装置500と第2導光板装置600との間に、可動体402を駆動させるためのリフト用駆動モータ416が配置される構造とされている。より詳しくは、リフト用駆動モータ416の前後に第1導光板511と第2導光板611の右辺部が配置される構造とされているため、リフト用駆動モータ416の熱が第1導光板511や第2導光板611に伝達されやすい構造とされているため、上記のように、熱膨張を許容する構成とすることが好ましい。
さらに、本実施の形態のように、第1導光板装置500と第2導光板装置600との間に可動体402を駆動させるためのリフト用駆動モータ416が配置される構造の場合において、リフト用駆動モータ416等の駆動源は、第1導光板LED600A,600Bや第2導光板LED700A,700Bの配置位置(例えば、前保持部材503や後保持部材505の左辺部や上辺部)と異なる位置(例えば、右辺部、または導光板に対応しない位置など)に配置することが好ましい。このようにすることで、第1導光板511や第2導光板611における第1導光板LED600A,600Bや第2導光板LED700A,700Bの近傍の温度が高まることを回避することができる。
また、本実施の形態のように、第1導光板装置500と第2導光板装置600との間に動作可能な可動体402を配置する場合、第1導光板装置500と第2導光板装置600と可動演出装置400とを、図示しないユニット部材等を用いて一体化することが好ましい。このようにすることで、可動演出装置400に対する第1導光板装置500と第2導光板装置600の位置関係が変化しにくくなるので、製造時の組付精度や振動の発生等により、可動体402が第1導光板LED600A,600Bや第2導光板LED700A,700Bに接触して傷つけてしまうこと等を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、第1導光板511と第2導光板611とは、遊技者側から視たときに前後に重畳するように配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下または左右に重畳するように配置されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1導光板511と第2導光板611と可動体402とを含む演出ユニット300は遊技盤2の背面側に配設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出ユニット300は、例えば、遊技盤2の前方における開口2cに対応する位置や、ガラス扉枠50の左右側辺部や上辺部等に遊技者側から視認可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、演出ユニット300は2枚の第1導光板511及び第2導光板611を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3枚以上の導光板を備えていてもよい。また、この場合、各導光板間に各々可動体が設けられていてもよいし、少なくとも一の導光板間に可動体が設けられていればよい。
また、前記実施の形態では、第1導光板511と第2導光板611との間に、可動体402が待機位置と演出位置との間で移動可能に設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体は、第1導光板511と第2導光板611との間である特定位置に動作可能とされていればよい。つまり、移動範囲の少なくとも一部(通過位置)が第1導光板511と第2導光板611との間に位置するものや、第1導光板511と第2導光板611との間に停止位置が設けられているもの等を含む。
また、前記実施の形態では、待機位置において可動体402の一部のみが第1導光板511と第2導光板611との間に位置しているが、全体が第1導光板511と第2導光板611との間に位置してもよい。逆に、演出位置において可動体402全体が第1導光板511と第2導光板611との間に位置しているが、一部のみが第1導光板511と第2導光板611との間に位置してもよい。
また、前記実施の形態では、可動体は第1導光板511と第2導光板611との間を上下方向に移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右方向や前後方向に移動可能であってもよい。また、動作可能なものであれば、例えば、移動(変位)しなくても回転や振動等の動作が可能な可動体でもよい。さらに、第1導光板511と第2導光板611との間に複数の可動体が動作可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1導光板511と第2導光板611とで、可動体402の動作に連動した連動演出表示を行うことが可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511と第2導光板611とのうちいずれか一方のみが可動体402の動作に連動した連動演出表示を行うものであってもよい。また、各第1導光板511及び第2導光板611は、それぞれ単独で演出表示を実行可能としてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体402は演出用LED(図示略)が内蔵されていることにより、少なくともLED基板に対応する部分は非透過性を有する構造物である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体は、透過性部を有し、該透過性部を通して第2導光板の演出表示パターンが視認可能なものであってもよい。あるいは、可動体自体が、光が端面から入射されることにより演出表示を行うことが可能な導光部材にて構成されていてもよい。さらに、第1導光板や第2導光板が移動可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。