以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3内には、発射装置(図示せず)により発射された遊技球が流下可能な遊技領域5が表面に区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠3の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の上部の左右両側には、効果音を発する上スピーカ11を備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を配置している。そして、透明部材保持枠8の一側縁(図1中、右側縁)には、パチンコ遊技機1の機種名やメーカー名を表記する等して装飾を施した保持枠突出部8aを前方へ突設し、隣の席から当該パチンコ遊技機1の遊技進行が覗き見られることを保持枠突出部8aにより抑制するように構成されている。また、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、発射装置を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、下皿ユニット14の左右両側方には、効果音を発する下スピーカ16を備え、上皿ユニット13の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備えている。
遊技盤6は、図2に示すように、遊技板19の表面に複数のサイドケース20を枠状に連結した状態で止着して遊技領域5を区画形成し、遊技領域5の中央部分にセンターケース23を配設し、該センターケース23の一側方(図2中、左側方)には普図始動ゲート24を配設し、遊技球の普図始動ゲート24への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、センターケース23の下方には、上側の第1始動入賞口26と下側の第2始動入賞口27とが上下に並んで備えられた始動入賞ユニット28を配設し、第2始動入賞口27には普通電動役物(開閉部材)27aを備え、普図変動表示ゲームの結果に応じて普通電動役物27aを開閉可能としている。そして、第1始動入賞口26への遊技球の入賞を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口27への遊技球の入賞を始動条件として特図2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技球が第1始動入賞口26へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数(本実施形態では4つ)まで記憶して保留する。また、特図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞口27へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された上限数(本実施形態では4つ)まで記憶して保留する。なお、各始動記憶を記憶するパチンコ遊技機1の制御系統については、後で詳細に説明する。
さらに、始動入賞ユニット28の左右両側方には一般入賞口31をそれぞれ配置し、始動入賞ユニット28の下方には大入賞ユニット32を配設し、大入賞ユニット32の左右方向の中央部分には開閉可能な大入賞口33を備え、該大入賞口33の左右両側方には一般入賞口34をそれぞれ備えている。そして、大入賞ユニット32の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口38を開設し、遊技領域5のうち遊技用部材の取付部分を除いた箇所には風車や複数の障害釘(いずれも図示せず)を植設している。そして、サイドケース20の一側の下部(図2中、右下部)には一括表示装置39を備え、該一括表示装置39において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)、遊技状態の表示等を行うように構成されている。
センターケース23は、該センターケース23の基部となる枠状のケースベース44を備え、該ケースベース44の中央部分にはケース窓部45を開設している。また、ケースベース44の上辺部の前面には、センターケース23の前方へ向けて突出した庇状の鎧部46をセンターケース23の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置し、ケースベース44の下辺部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部47を配置している。そして、センターケース23の後方には、演出表示を前面の表示部50aで実行可能な表示装置50を配置して前記表示部50aをケース窓部45から前方の遊技者側へ臨ませ、表示装置50の上方および側方(図2中、右側方)には、表示装置50よりもひと回り小さい装飾表示器51をそれぞれ配置している。さらに、図3に示すように、表示装置50の表示部50aの下端部寄りには横長な始動記憶表示領域55を設定し、該始動記憶表示領域55の一側(図3中、左側)には特図1待機保留表示領域56を設定し、他側(図3中、右側)には特図2待機保留表示領域57を設定し、中央部には消化保留表示領域58を設定している。
そして、特図1待機保留表示領域56には、特図1変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図1始動記憶に対応する特図1待機記憶表示m1を所定個数(本実施形態では4個)まで横に並べて表示可能とし、特図2待機保留表示領域57には、特図2変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図2始動記憶に対応する特図2待機記憶表示m2を所定個数(本実施形態では4個)まで横に並べて表示可能とし、消化保留表示領域58には、特図1変動表示ゲームの実行が開始された特図1始動記憶、または特図2変動表示ゲームの実行が開始された特図2始動記憶のいずれかに対応する消化記憶表示mfを1個表示可能としている。なお、特図1待機保留表示領域56内に表示される特図1待機記憶表示m1、および特図2待機保留表示領域57内に表示される特図2待機記憶表示m2は、先に保留された順に消化保留表示領域58寄りから詰めて並ぶ状態で表示される。
始動記憶表示領域55で表示される記憶表示(特図1待機記憶表示m1,特図2待機記憶表示m2,消化記憶表示mf)は、図4に示すように、複数種類(本実施形態では8種類)の表示態様で表示されるように設定されており、この表示態様を異ならせることにより、当該記憶表示に対応する特図変動表示ゲームの結果を事前に予告する保留変化予告(詳しくは、特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別態様)になる可能性があること、または大当りになることを事前に予告する演出)ができるように構成されている。
具体的に説明すると、記憶表示は、白色円形で表示される通常保留表示と、着色円形(緑色円形、赤色円形、虹色円形)で表示される信頼度予告保留表示とが属する通常系表示、二重円内に「SP」または「SP3」の文字を記載して表示される発展先予告保留表示と、特定のマークと文字(「突」または「確」)とで表示される当り種別予告保留表示とが属する特殊系表示のいずれかで表示されるように設定されている。ここで、通常保留表示は予告演出を実行していない状態である。また、信頼度予告保留表示は、対応する特図変動表示ゲームの結果態様が大当り(特別結果態様)となる可能性がある旨を予告する演出状態の表示であり、大当りとなる(特別遊技状態が発生する)可能性の信頼度が緑色、赤色、虹色の順で高くなるように設定されている。
さらに、発展先予告保留表示は、ノーマルリーチやロングリーチといった変動パターンよりも大当り(特別結果態様)となる信頼度(期待度)が高く設定されたSPリーチの変動パターンで変動表示ゲームを実行して大当りとなる可能性がある旨を予告する演出状態の表示であり、二重円内の文字が「SP」であればSP1リーチ、SP2リーチまたはSP3リーチの変動パターンが実行されて大当りとなる可能性がある旨を予告し、「SP3」であればSP3リーチの変動パターンが実行されて大当りとなる可能性がある旨を予告する。さらに、当り種別予告保留表示は、SP4リーチ(大当り確定)の変動パターンで変動表示ゲームを実行して大当りとなる旨を予告する状態であり、「突」の文字が記載された表示態様であれば2R(ラウンド)確変の大当りが発生する旨を予告し、「確」の文字が記載された表示態様であれば15R確変の大当りが発生する旨を予告する。なお、本実施形態においては、SPリーチ変動パターンがSP1〜4リーチの4種類に分けて設定されており、大当りとなる可能性の信頼度がSP1、SP2、SP3、SP4の順で高くなるように設定されている。
また、始動記憶表示領域55の前方には、該始動記憶表示領域55(表示装置50)に表示されている記憶表示を所定の態様で装飾することが可能な保留演出ユニット(記憶装飾手段)61を備えている。保留演出ユニット61は、図3〜図6に示すように、消化保留表示領域58の前方に位置する消化保留演出部(消化記憶装飾部)62と、特図1待機保留表示領域56の前方に位置する第1待機保留演出部(第1待機記憶装飾部)63と、特図2待機保留表示領域57の前方に位置する第2待機保留演出部(第2待機記憶装飾部)64とを備えて構成されており、各保留演出部62,63,64には、記憶表示を装飾するための透明な導光部材(消化導光部材67、第1待機導光部材68、第2待機導光部材69)をそれぞれ備えている。
消化保留演出部62は、当該消化保留演出部62の基部となる矩形状のケース部材71(フロントケース71a,リアケース71b)を備え、該ケース部材71内には回転軸部72を表示部50aと直交する姿勢で延在し、該回転軸部72には透明な円板状の消化導光部材(導光板)67を表示装置50の表示部50aに沿って延在する姿勢で軸着し、消化導光部材67が回転軸部72を中心にして回転可能であり、且つ消化導光部材67の上部がケース部材71から上方へ突出して消化保留表示領域58の前方に配置されるように構成されている。さらに、消化導光部材67の中心部の前側には、当該消化導光部材67と共回りする回転ギア73を備え、フロントケース71a内に収納された消化導光駆動モータ(変移駆動部)74の出力軸と回転ギア73とを駆動ギア75を介して噛合し、消化導光駆動モータ74を駆動することにより消化導光部材67が回転(変移動作)して、消化保留表示領域58の記憶表示の前方に位置する箇所(言い換えると、消化導光部材67の上部に位置する箇所)が変化するように構成されている。
そして、図7に示すように、消化導光部材67の前面のうち回転軸部72の周りに同位相ずつずれた位置には、光を消化導光部材67の前方へ反射可能な透明薄膜を配置(詳しくは貼付)して、消化記憶表示mfを装飾可能な4箇所の消化発光領域78(円環状の第1消化発光領域78a,矩形枠状の第2消化発光領域78b,正六角形枠状の第3消化発光領域78c,直線が内在する円環状の第4消化発光領域78d)を消化保留表示領域58と前後に並んで配置され得る状態で形成している。また、各消化発光領域78内には、消化導光部材67を通して後方の消化保留表示領域58を透視可能とする透視窓部80を設定し、第1消化発光領域78a〜第3消化発光領域78cにおいては透視窓部80から消化記憶表示mfの全体を前方へ臨ませ、第4消化発光領域78dにおいては、透視窓部80から前方へ臨む消化記憶表示mfの一部が第4消化発光領域78dの一部(直線で形成された中央部分)で覆われるように構成されている。なお、消化導光部材67の前面または後面もしくは前後両面にレンズカットやパターン印刷やレーザーカットを施して発光領域を形成してもよい。
さらに、図8に示すように、消化導光部材67の後面の中央部分(回転中心部)には発光収容凹部82を前方へ凹ませて形成し、リアケース71bに装着された消化発光基板83上に実装された消化発光部材(フルカラーLED)84を発光収容凹部82内へ臨ませている。そして、消化発光部材84が消化導光部材67の内部に光を照射すれば、発光収容凹部82の上方に位置する消化発光領域78を発光させること(詳しくは、消化発光部材84からの光を消化発光領域78に照射して消化導光部材67の前方へ反射させること)ができ、この消化発光領域78の後方に位置する消化保留表示領域58内の消化記憶表示mfを装飾することができるように構成されている。なお、発光収容凹部82においては、消化発光部材84と各消化発光領域78との間に位置する内壁面を受光面85として光軸に直交する平面に形成し(図7(b)参照)、受光面85から進入した消化発光部材84の光が拡散し難い状態で消化発光領域78へ到達し得るように構成されている。また、消化保留演出部62においては、フロントケース71a内に設けられた検出センサ86が駆動ギア75上の検出センサ87を検出することにより、第1消化発光領域78aがケース部材71から露出して消化保留表示領域58の前方に位置する状態(常態)を認識可能としている。
そして、消化保留表示領域58の前方に位置する消化発光領域78においては、図9に示すように、非発光とすることで消化記憶表示mfの装飾演出を実行しない一方、複数種の発光態様(例えば、点灯、点滅、輝度の高低、発光色の組み合わせ)で発光することで消化記憶表示mfの装飾演出(消化保留演出)を実行するように設定されている。さらに、装飾演出が実行された場合には、装飾演出の態様(消化発光領域78の発光態様)により、消化記憶表示mfの表示態様で表現された予告内容の実現がどの程度期待できるものであるのかを予告するように設定されている。具体的に説明すると、非発光の場合には後方の記憶表示の予告内容の実現期待度は示されない。また、第1消化発光領域78aが青色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が5%の予告演出となり、第1消化発光領域78aが黄色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が10%の予告演出となり、第2消化発光領域78bが青色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が15%の予告演出となり、第2消化発光領域78bが黄色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が20%の予告演出となる。さらに、第3消化発光領域78cが黄色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が25%の予告演出となり、第3消化発光領域78cが赤色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が30%の予告演出となり、第4消化発光領域78dが黄色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が35%の予告演出となり、第4消化発光領域78dが赤色発光で装飾演出を行う場合には実現期待度が40%の予告演出となる。
第1待機保留演出部63は、図5および図6に示すように、ケース部材71の左側(特図1待機保留表示領域56側)から延在する第1待機導光ホルダー91に透明な横向き短冊形状の第1待機導光部材68を表示装置50の表示部50aに沿って延在する姿勢で保持している。また、該第1待機導光部材68の前面には、光を第1待機導光部材68の前方へ反射可能な透明薄膜を配置(詳しくは貼付)して、特図1待機記憶表示m1を装飾可能な複数の待機発光領域(4箇所の円環状の第1待機発光領域92)を横に並べて形成し、各第1待機発光領域92が後方の特図1待機保留表示領域56内の特図1待機記憶表示m1と前後に並ぶように構成されている。そして、各第1待機発光領域92内には、第1待機導光部材68を通して後方の特図1待機保留表示領域56を透視可能とする透視窓部93を設定し、該透視窓部93から特図1待機記憶表示m1の全体または一部を前方へ臨ませる(視認可能とする)ように構成されている。なお、第1待機導光部材68の前面または後面もしくは前後両面にレンズカットやパターン印刷やレーザーカットを施して第1待機発光領域92を形成してもよい。
さらに、第1待機導光ホルダー91のうち第1待機導光部材68の下方には第1待機発光基板94を第1基板支承部95に支承された状態で備え、該第1待機発光基板94の上面のうち各第1待機発光領域92の直下に位置する箇所には第1待機発光部材(フルカラーLED)96をそれぞれ実装している。そして、第1待機発光部材96が第1待機導光部材68の内部に光を照射すれば、当該第1待機発光部材96の直上に位置する第1待機発光領域92を発光させること(詳しくは、第1待機発光部材96からの光を第1待機発光領域92に照射して第1待機導光部材68の前方へ反射させること)ができ、第1待機発光領域92の後方に位置する特図1待機保留表示領域56内の特図1待機記憶表示m1を装飾することができるように構成されている。
第2待機保留演出部64は、図5および図6に示すように、ケース部材71の右側(特図2待機保留表示領域57側)から延在する第2待機導光ホルダー101に透明な横向き短冊形状の第2待機導光部材69を表示装置50の表示部50aに沿って延在する姿勢で保持している。また、該第2待機導光部材69の前面には、光を第2待機導光部材69の前方へ反射可能な透明薄膜を配置(詳しくは貼付)して、特図2待機記憶表示m2を装飾可能な複数の待機発光領域(4箇所の円環状の第2待機発光領域102)を横に並べて形成し、各第2待機発光領域102が後方の特図2待機保留表示領域57内の特図2待機記憶表示m2と前後に並ぶように構成されている。そして、各第2待機発光領域102内には、第2待機導光部材69を通して後方の特図2待機保留表示領域57を透視可能とする透視窓部103を設定し、該透視窓部103から特図2待機記憶表示m2の全体または一部を前方へ臨ませる(視認可能とする)ように構成されている。なお、第2待機導光部材69の前面または後面もしくは前後両面にレンズカットやパターン印刷やレーザーカットを施して第2待機発光領域102を形成してもよい。
さらに、第2待機導光ホルダー101のうち第2待機導光部材69の下方には第2待機発光基板104を第2基板支承部105に支承された状態で備え、該第2待機発光基板104の上面のうち各第2待機発光領域102の直下に位置する箇所には第2待機発光部材(フルカラーLED)106をそれぞれ実装している。そして、第2待機発光部材106が第2待機導光部材69の内部に光を照射すれば、当該第2待機発光部材106の直上に位置する第2待機発光領域102を発光させること(詳しくは、第2待機発光部材106からの光を第2待機発光領域102に照射して第2待機導光部材69の前方へ反射させること)ができ、この第2待機発光領域102の後方に位置する特図2待機保留表示領域57内の特図2待機記憶表示m2を装飾することができるように構成されている。
このような構成の第1待機発光領域92および第2待機発光領域102においては、図10に示すように、非発光とすることで後方の待機記憶表示m1,m2の装飾演出を実行しない一方、複数種の発光態様(例えば、点灯、点滅、輝度の高低、発光色の組み合わせ)で発光することで後方の待機記憶表示m1,m2の装飾演出(待機保留演出)を実行するように設定されている。さらに、装飾演出(待機保留演出)が実行された場合には、装飾演出の態様(待機発光領域92,102の発光態様)により、待機記憶表示m1,m2の表示態様が変化する旨、または変化の可能性がある旨を予告するように設定されている。具体的に説明すると、非発光の場合には後方の待機記憶表示m1,m2の表示態様が変化しない旨を予告し、また、白色発光の場合には後方の待機記憶表示m1,m2の表示態様が変化し得る旨を予告し、青色発光の場合には後方の待機記憶表示m1,m2の表示態様が変化する旨を予告する。さらに、黄色発光の場合には後方の待機記憶表示m1,m2の表示態様が現状よりも遊技者に有利な内容(大当りの可能性の信頼度が高まること、あるいは大当りになることが予告される内容)を示す表示態様に変化する旨を予告する。
なお、図10において示される待機発光領域92,102による待機記憶表示m1,m2の予告演出のうち、白色発光または青色発光により予告される内容は、待機記憶表示m1,m2の表示態様が現状よりも遊技者に有利な内容に変化(ランクアップ)する旨に限らず、不利な内容に変化(ランクダウン)する旨であってもよい。ここで、「遊技者に有利な内容に変化」とは、大当りの可能性の信頼度が現状よりも高い表示態様に変化すること、あるいは大当りの可能性がある旨の表示態様から大当りになる旨の表示態様に変化することであり、「遊技者に不利な内容に変化」とは、大当りの可能性の信頼度が低くなること、あるいは大当りになる旨の表示態様から大当りの可能性がある旨の表示態様に変化することである。
また、本実施形態においては、図3に示すように、各導光部材67,68,69が表示装置50から前方に離間して配置されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、各導光部材を表示装置50に近接あるいは当接させれば、遊技者から記憶表示と該記憶表示を装飾する発光領域78,92,102とがずれて見えることを抑制することができて好適である。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置110、および該遊技制御装置110を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置110は、図11に示すように、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から構成されている。そして、各種検出装置(ゲートスイッチ112、入賞口スイッチ113、大入賞口スイッチ114、第1始動口スイッチ115、第2始動口スイッチ116、盤電波センサ118、磁気センサ119、保持枠(ガラス枠)開放検出スイッチ120、前面枠(本体枠)開放検出スイッチ121、電源装置122等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当たり状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置125や払出制御装置126の他、大入賞口33を開閉するための大入賞口ソレノイド127、普通電動役物27aを開閉するための普電ソレノイド128、一括表示装置39、外部情報端子129等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。なお、前記した特図1始動記憶および特図2始動記憶は、始動記憶手段として機能する遊技制御装置110に記憶される。
演出制御装置125は、図12に示すように、演出制御を司るCPU(1stCPU125a,2ndCPU125b)、演出制御のための制御プログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、演出制御時のワークエリアとして利用されるVRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置110からの制御信号、遊技演出ボタン17に設けられた演出ボタンスイッチ131からの信号、各演出用役物装置に設けられたセンサからの信号等に基づいて、各演出用役物装置の演出動作を制御する。詳しくは、表示装置50の表示部50aの表示、上スピーカ11や下スピーカ16からの効果音出力、遊技盤6に設けられた盤装飾装置133(装飾表示器51等)の発光や透明部材保持枠8に設けられたLED等の枠装飾装置134の発光、遊技盤6に設けられた盤演出装置135(保留演出ユニット61等)や透明部材保持枠8に設けられた演出部材(図示せず)を駆動するモータ等の枠演出装置136の駆動を制御する。なお、前記した始動記憶表示領域55への記憶表示の表示は、記憶表示手段として機能する演出制御装置125によって実行される。
次に、パチンコ遊技機1の作用、特に保留演出ユニット61の作用について説明する。
遊技領域5を流下する遊技球が始動入賞ユニット28(第1始動入賞口26,第2始動入賞口27)へ入賞したことに基づいて特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)が実行され、この特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果態様)であった場合には、遊技制御装置110が特別遊技状態(大当り状態)を発生させ、演出制御装置125が遊技制御装置110からのコマンドに基づいてファンファーレ処理を行い、さらには、複数回のラウンドの進行に伴う大入賞口33の開閉処理を実行する。
そして、特図変動表示ゲームの実行中に遊技球が始動入賞ユニットに入賞したことにより、この入賞に基づく各特図変動表示ゲームの始動が保留されると、始動記憶表示領域55に表示される記憶表示の表示態様を異ならせたり、さらには保留演出ユニット61が記憶表示を装飾したりすることにより、該記憶表示(始動記憶)に対応する特図変動表示ゲームの結果を事前(ゲーム開始前、あるいはゲーム進行途中)に予告する予告演出を実行し得る。具体的に説明すると、例えば、図13(a)に示すように、遊技制御装置110が特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームあるいは特図2変動表示ゲーム)を実行しており、且つ特図1変動表示ゲームの実行を1個保留している場合には、演出制御装置125が記憶表示手段として機能して、実行中の特図変動表示ゲームに対応する消化記憶表示mfを消化保留表示領域58に表示し、特図1待機保留表示領域56には1個の特図1待機記憶表示m1を表示する。
そして、図13(b)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームが終了(変動停止)すると、演出制御装置125が記憶表示消滅手段として機能して、消化記憶表示mfを消化保留表示領域58から消滅(消去)させる。なお、消化記憶表示mfの消滅は、特図変動表示ゲームが開始してから所定時間が経過したり、あるいは特図変動表示ゲームにおいてリーチ演出が発生したりしたら実行されるように設定してもよい。要は、始動記憶表示領域55に出現した記憶表示を当該記憶表示に対応する始動記憶の消尽に対応して消滅するように設定すればよい。そして、第1始動入賞口26に遊技球が新たに入賞すると、始動記憶手段として機能する遊技制御装置110がこの入賞に基づく特図1始動記憶を記憶するとともに、記憶表示手段として機能する演出制御装置125が、新たな特図1始動記憶に対応する特図1待機記憶表示m1を所定の表示態様(図13(b)においては白色の通常保留表示)で特図1待機保留表示領域56に表示して保留変化予告を実行する。このとき、遊技制御装置110が結果判定手段(事前判定手段、開始時判定手段)としても機能して、新たな特図1始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの実行結果(特別結果となるか否かや確率変動状態を発生させるか否かや変動パターンの種類など)を事前(変動表示ゲームの開始以前、変動表示ゲームの開始時)に判定する。また、演出制御装置125が発光態様決定手段として機能して、遊技制御装置110における判定結果に基づき、特図1待機記憶表示m1の前方に位置する第1待機発光領域92の発光態様を特図1変動表示ゲームが大当り(特別結果、特別結果態様)となる期待度に応じて複数の中から決定し、さらには予告演出手段として機能して、決定された発光態様で第1待機発光領域92が発光するように第1待機保留演出部63を作動させ、特図1待機記憶表示m1に対する予告演出を実行する。図13(b)および(c)においては、第1待機発光領域92を発光させる発光態様を白色発光に決定し、この決定した白色発光となるように第1待機発光領域92を発光させている。また、当該第1待機発光領域92の透視窓部93から特図1待機記憶表示m1を臨ませ、特図1待機記憶表示m1の表示態様が今後変化し得ることを予告する演出を実行している。
遊技が進行し、先に保留されていた特図1始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームが開始される際には、図13(c)および(d)に示すように、記憶表示手段として機能する演出制御装置125が、この特図1始動記憶に対応する特図1待機記憶表示m1を特図1待機保留表示領域56から消去する(消滅させる)一方、消化保留表示領域58には、実行が開始された特図1変動表示ゲームに対応する消化記憶表示mfを表示して、記憶表示が特図1待機保留表示領域56から消化保留表示領域58へ移動したかのような演出を行う。さらに、保留状態が継続している特図1始動記憶に対応する特図1待機記憶表示m1を消化保留表示領域58寄り(図13(d)中、右寄り)に詰めて特図1待機保留表示領域56内に表示し直す。このとき、結果判定手段(ここでは事前判定手段)として機能する遊技制御装置110により判定された結果に基づき、演出制御装置125が特図1待機記憶表示m1の表示態様を変化させたり維持したりする。図13(d)においては、特図1待機記憶表示m1を白色から緑色に表示し直して、当該特図1待機記憶表示m1に対応する特図1変動表示ゲームの結果が大当りになる可能性がある旨を予告している。
さらに、図13(e)に示すように、実行中の特図1変動表示ゲームが終了(変動停止)すると、演出制御装置125が消化記憶表示mfを消化保留表示領域58から消去する。そして、次に保留されていた特図1始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームが開始される際には、図13(f)および(g)に示すように、記憶表示手段として機能する演出制御装置125が、この特図1始動記憶に対応する特図1待機記憶表示m1を特図1待機保留表示領域56から消去する一方、消化保留表示領域58には、実行が開始された特図1変動表示ゲームに対応する消化記憶表示mfを表示して、記憶表示が特図1待機保留表示領域56から消化保留表示領域58へ移動したかのような演出を行う。
また、演出制御装置125が発光領域決定手段として機能して、遊技制御装置110が既に判定した特図1変動表示ゲームの実行結果に基づき、消化記憶表示mfを装飾するための消化発光領域78の種類を決定する。そして、演出制御装置125が駆動部作動手段として機能して消化導光駆動モータ74を駆動して、遊技制御装置110により決定された消化発光領域78を消化記憶表示mfの前方に臨ませ、さらには予告演出手段として機能して、決定された消化発光領域78が発光するように消化保留演出部62を作動(具体的には消化発光領域78を発光)させ、消化記憶表示mfに対する予告演出を実行する。図13(g)においては、消化導光部材67が回転して第2消化発光領域78bが消化保留表示領域58の前方に位置して透視窓部80から消化記憶表示mfを臨ませ、さらには、消化発光部材84により第2消化発光領域78bが青色発光している。したがって、実行中の特図1変動表示ゲームの結果が15%の期待度で大当りとなる旨が予告されている。なお、図13(e)〜(g)においては、前回の特図変動表示ゲームの実行中に発生した第1始動入賞口26への入賞に基づき、特図1待機記憶表示m1が新たに表示されている。また、消化発光領域78による予告演出の実行タイミングは、消化保留表示領域58を装飾することができればどのように設定してもよい。例えば、消化記憶表示mfの消化保留表示領域58への表示開始時でもよいし、表示開始から所定時間経過後でもよいし、消化記憶表示mfに対応する特図変動表示ゲームにおいてリーチ演出が開始されたときでもよいし、それらの複数のタイミングであってもよい。
このようにして、パチンコ遊技機1では、始動記憶(待機始動記憶,消化始動記憶)に対応する特図変動表示ゲームの実行結果の判定内容に基づき、保留演出ユニット61を作動させて予告演出を実行するので、演出効果の高い予告演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を効果的に高めることが可能となる。また、発光部材(第1待機発光部材96,第2待機発光部材106,消化発光部材84)によって発光領域(第1待機発光領域92,第2待機発光領域102,消化発光領域78)を発光させることで予告演出を実行するので、遊技者に対するアピール力の高い予告演出を行うことが可能となる。さらに、待機発光領域92,102においては待機記憶表示m1,m2の全体を透視可能な状態で当該待機記憶表示m1,m2を装飾し、消化発光領域78においては、消化記憶表示mfの少なくとも一部を透視可能な状態で当該消化記憶表示mfを装飾するので、待機記憶表示m1,m2または消化記憶表示mfを遊技者に見せつつ装飾することができ、予告演出の演出効果が向上する。
また、消化保留演出部62においては、特図変動表示ゲームが特別結果(大当り)となる期待度に応じて、消化記憶表示mfを装飾する消化発光領域78およびその発光態様を複数の中から決定して発光することにより予告演出を実行するので、消化発光領域78およびその発光態様によって特図変動表示ゲームが大当りとなる期待度を遊技者に知らしめることができる。そして、決定された消化発光領域78を消化導光部材67の回転により消化記憶表示mfの前方へ配置するので、消化記憶表示mfの前方に臨む消化発光領域78が変化することで装飾演出の演出効果を効果的に高めることができる。
さらに、保留演出ユニット61は、待機記憶表示m1,m2を装飾するための待機保留演出部63,64と、消化記憶表示mfを装飾するための消化保留演出部62とを備えて構成されているので、消化記憶表示mfや待機記憶表示m1,m2を装飾演出することにより、実行予定の特図変動表示ゲームの結果や実行中の特図変動表示ゲームの結果を効果的に予告することが可能となる。なお、消化記憶表示mfに対する予告演出(装飾演出)は、事前判定手段の判定結果に基づいて決定されてもよいし、開始時判定手段の判定結果に基づいて決定されてもよいし、それら両方の判定結果に基づいて決定されてもよい。
次に、保留演出ユニット61による予告演出に関し、演出制御装置125にて行われる制御について説明する。前述したように演出制御装置125は、1stCPU(主制御用マイコン)125aと、当該1stCPU125aの制御下で映像制御を行う2ndCPU(映像制御用マイコン)125bとを備えている。そして、1stCPU125aによる制御処理は、主に、図14に示す1stメイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)に行われる図15に示す割込み処理とからなる。
まず、1stメイン処理について説明する。この1stメイン処理においては、図14に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS1)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップS2)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップS3)、割込みを許可する(ステップS4)。
この1stメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watch dog timer)をクリアし(ステップS5)、遊技演出ボタン17の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップS6)を行う。次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップS7)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置110から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、盤装飾装置133、枠装飾装置134、盤演出装置135、枠演出装置136等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップS8)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置50および装飾表示器51での表示やスピーカ11,16からの音声の出力、装飾装置133,134のLEDの発光、演出装置135,136の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップS12〜S14)において制御を行う。なお、テストモードはパチンコ遊技機1の電源遮断で終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップS9)、パチンコ遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理(ステップS10)、2ndCPU125bに出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップS11)を行う。次いで、スピーカ11,16からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップS12)、盤装飾装置133、枠装飾装置134のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップS13)、盤演出装置135、枠演出装置136のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップS14)を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS15)を行い、WDTをクリアする処理(ステップS5)に戻る。
次に、割込み処理について説明する。この割込み処理においては、図15に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS21)を行う。次いで、演出制御装置125に入力される信号を処理する入力処理(ステップS22)、演出制御装置125から出力する信号を処理する出力処理(ステップS23)を行う。次いで、遊技制御装置110から演出制御装置125へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS24)を行って、割込み処理を終了する。
演出制御装置125の2ndCPU125bは、図16に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、図16に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップS31)を行い、RAMを0クリアして(ステップS32)、RAMの初期値を設定する(ステップS33)。次いで、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップS34)を行い、各種割込みを許可する(ステップS35)。次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップS36)を行い、画面描画を許可する(ステップS37)。
この2ndメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップS38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップS39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップS39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップS39;Yes)、WDT(watch dog timer)をクリアする(ステップS40)。
次いで、受信コマンドチェック処理(ステップS41)を行う。この受信コマンドチェック処理では、1stCPU125aから送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップS42)を行う。この2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置50等に表示する処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップS43)を行う。この背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップS44)を行う。その後、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置50に表示される記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップS45)を行う。この保留表示処理では、始動記憶領域(消化始動記憶領域、待機始動記憶領域)に記憶された事前演出情報に基づき、記憶表示の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出、変動中演出)の表示に関する処理も行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップS46)を行う。この客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップS47)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップS38)に戻る。
次に、前述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップS9)の詳細について説明する。図17に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置125の1stCPU125aは、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51で、テストモード中であると判定した場合(ステップS51;Yes)には、1stシーン制御処理を終了する。一方、ステップS51で、テストモード中でないと判定した場合(ステップS51;No)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS52)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置110から演出制御装置125に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当りファンファーレコマンド、大入賞口開放n回目コマンド、インターバルコマンド等)である。
ステップS52で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップS52;Yes)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップS53)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップS54;Yes)には、受信コマンドをセーブし(ステップS55)、演出リクエストフラグをセットして(ステップS56)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップS57)を行う。
一方、ステップS52でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS52;No)や、ステップS54で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップS54;No)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップS57)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップS57)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップS58)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップS59)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップS60)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップS61)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置110から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップS62)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理である大当りファンファーレ処理(ステップS63)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップS64)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップS65)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップS66)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップS57)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップS67)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップS68)を行う。
次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップS69)を行う。次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを2ndCPU125bに送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップS70)、左打ちを行うべき通常遊技状態中にゲートスイッチ112からの検出信号を受信した場合に、右打ちされていることを遊技者に警告する右打ち警告コマンド受信処理(ステップS71)を行って、1stシーン制御処理を終了する。
次に、事前判定コマンド受信処理(ステップS69)について説明する。
事前判定コマンド受信処理においては、図18に示すように、まず事前判定コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップS81)、受信していれば、非電サポ中(電サポ状態以外の遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS82)。非電サポ中である場合には、受信している事前判定コマンドが特図1変動表示ゲームのものであるか否かを判定し(ステップS83)、非電サポ中ではない(すなわち電サポ状態である)場合には、受信している事前判定コマンドが特図2変動表示ゲームのものであるか否かを判定する(ステップS84)。ステップS83において事前判定コマンドが特図1変動表示ゲームのものであるとき、あるいはステップS84において事前判定コマンドが特図2変動表示ゲームのものであるときには、保留演出設定処理(ステップS85)および連続予告設定処理(ステップS86)を実行して事前判定コマンド受信処理を終了する。なお、ステップS86における連続予告設定処理では、関連性のある特殊演出を複数回の飾り特図変動表示ゲームの実行に跨って行う演出(連続表示演出)や、特殊な背景表示を複数回の飾り特図変動表示ゲームの実行に跨って行う演出(モード演出)を選択的に設定する。また、ステップS81において事前判定コマンドを受信していない場合、ステップS83において事前判定コマンドが特図1変動表示ゲームのものではない場合、ステップS84において事前判定コマンドが特図1変動表示ゲームのものではない場合には、直ちに事前判定コマンド受信処理を終了する。
なお、上記事前判定コマンド受信処理においては、非電サポ中では特図1変動表示ゲームの記憶表示のみに対して先読み演出(保留演出設定処理(ステップS85)および連続予告設定処理(ステップS86))を実行し、電サポ中では特図2変動表示ゲームの記憶表示のみに対して先読み演出を実行するが、本発明はこれに限定されない。例えば、特図1変動表示ゲームの始動記憶および特図2変動表示ゲームの始動記憶を入賞順(記憶した順)に消化(ゲーム実行)する場合には、いずれの始動記憶に対応する記憶表示に対して先読み演出を実行してもよい。
ステップS85の保留演出設定処理においては、図19に示すように、まず事前判定結果(事前判定コマンドの内容)が大当りか否かを判定し(ステップS91)、大当りであれば、図20(a)に示す保留変化予告決定テーブル1(大当り用のテーブル)に基づき保留変化予告の内容(記憶表示の表示態様)を決定し(ステップS92)、大当りでなければ、図20(b)に示す保留変化予告決定テーブル2(ハズレ用のテーブル)に基づき保留変化予告の内容(記憶表示の表示態様)を決定する(ステップS93)。
ここで、保留変化予告決定テーブルにおいては、実行される飾り特図変動表示ゲームの変動パターンに対応して記憶表示の表示態様の種類およびその表示確率を設定している。例えば、保留変化予告決定テーブル1においては、ノーマル/ロングリーチの変動パターンが実行される予定の記憶表示に対して、白色発光が50%の確率で選択され、緑色発光が50%の確率で選択される。また、保留変化予告決定テーブル2においては、リーチ演出なしのノーマル変動パターンが実行される予定の記憶表示では、白色発光が98%の確率で選択され、緑色発光が2%の確率で選択される。なお、保留変化予告決定テーブル2はハズレ用のテーブルであるため、大当りとなる旨を予告する当り種別予告保留表示は設定されていない。
ステップS92およびステップS93の終了後、保留変化予告を実行するか否かを判定し(ステップS94)、実行する場合は、保留表示態様(予告演出実行時の記憶表示の表示態様)に対応する保留変化タイミング決定テーブル(図21参照)を選択してセットし(ステップS95)、記憶されている始動記憶の数(保留数)に基づき保留変化タイミング(パターン)を決定する(ステップS96)。そして、記憶表示の変化を始動入賞後に行うか否かを判定し(ステップS97)、始動入賞後に行う場合には、変化後の記憶表示が特殊系であるか否かを判定する(ステップS98)。
なお、ステップS95およびステップS96においては、例えば、緑色発光により記憶表示の予告演出を実行する場合には、図21(a)で示される緑色発光用の決定テーブルを選択し、さらには、既に記憶表示が2つ表示されていて3つめの記憶表示に対する予告演出を実行する場合(保留数が3つ場合)には、予告演出を施す記憶表示を始動入賞時(待機保留表示領域56,57への表示開始時)のタイミングで緑色発光させることが40%の確率で選択され、先に表示された記憶表示の1つ目が消去(消化)されるときのタイミングで緑色発光させることが30%の確率で選択され、先に表示された記憶表示の2つ目が消去(消化)されるときのタイミングで緑色発光させることが20%の確率で選択され、先に表示された記憶表示の1つ目が消去(消化)されるときのタイミングで緑色発光させることが30%の確率で選択され、予告演出を施す記憶表示が消化保留表示領域58に表示し直されるタイミングで緑色発光させることが10%の確率で選択される。
ステップS94において保留変化予告を実行しない場合、およびステップS97において始動入賞後に記憶表示の変化を行わないと判定された場合には、図22(a)に示す待機保留演出決定テーブル1に基づいて、待機保留演出部により実行する待機保留演出の内容を非発光(選択確率98%)または白色発光(選択確率2%)のいずれかに決定する(ステップS99)。また、ステップS98において変化後の記憶表示が特殊系ではない(すなわち通常系である)と判定された場合には、図22(b)に示す待機保留演出決定テーブル2に基づいて待機保留演出の内容を非発光(選択確率70%)、白色発光(選択確率20%)、青色発光(選択確率10%)のいずれかに決定し(ステップS100)、特殊系であると判定された場合には、図22(c)に示す待機保留演出決定テーブル3に基づいて待機保留演出の内容を青色発光(選択確率80%)または黄色発光(選択確率20%)のいずれかに決定する(ステップS101)。
ステップS99またはステップS100またはステップS101の終了後、遊技状態を大当り状態とするか否かを判定し(ステップS102)、大当り状態の場合には、待機保留演出部が待機記憶表示m1,m2を装飾して予告演出(待機保留演出)を実行するか否かを判定し(ステップS103)、実行しない場合には消化保留演出部62による予告演出の実行を高確率で決定する(ステップS104)。また、ステップS102において大当り状態としない場合、またはステップS103において待機保留演出を実行する場合には、消化保留演出部62による予告演出の実行を低確率で決定する(ステップS105)。ステップS104またはステップS105の終了後、消化保留演出部62が消化記憶表示mfを装飾して予告演出(消化保留演出)を実行するか否かを判定し(ステップS106)、実行する場合には、事前判定結果に基づき消化発光領域78の種類および発光色を決定する(ステップS107)。そして、ステップS106において消化保留演出を実行しないと判定した場合、またはステップS107の実行後には、決定された各種保留演出の情報を演出制御装置125内の保留記憶領域にセットし(ステップS108)、保留演出設定処理を終了する。
ところで、上記第1実施形態においては、保留演出ユニット61の第1待機導光部材68および第2待機導光部材69を常時表示装置50の前方に重ねて位置させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図23に示す第1変形例では、基本的な構成は第1実施形態と同じであるが、主に第1待機導光部材68および第2待機導光部材69を上下移動可能とした点で異なる。また、第1変形例では、始動入賞ユニット28を設けず、その代わりに大入賞ユニット32の左端部に第1始動入賞口26を備えて遊技領域5の左右方向の中央部に配置し、大入賞ユニット32の右側方に第2始動入賞口27を配置し、該第2始動入賞口27の上方に普図始動ゲート24を配置している。
保留演出ユニット61について具体的に説明すると、図24(a)に示すように、ケース部材71内に内蔵される位置移動機構(位置移動手段)138により、第1待機導光ホルダー91または第2待機導光ホルダー101を上下方向へ移動可能としている。そして、第1待機導光部材68においては、特図1待機保留表示領域56(特図1待機記憶表示m1)の前方に臨む第1位置(上死点)と、特図1待機保留表示領域56(特図1待機記憶表示m1)の前方から下方へ外れる第2位置(下死点)との間で移動可能とし、第2待機導光部材69においては、特図2待機保留表示領域57(特図2待機記憶表示m2)の前方に臨む第2位置(上死点)と、特図2待機保留表示領域57(特図2待機記憶表示m2)の前方から下方へ外れる第2位置(下死点)との間で移動可能としている。
このような構成の保留演出ユニット61を備えた遊技盤6においては、図24(b)に示すように、表示装置50において飾り特図変動表示ゲーム(図柄の変動)が実行されている場合には、第1待機導光部材68および第2待機導光部材69を第1位置に配置し、特図1待機保留表示領域56に表示されている特図1待機記憶表示m1、または特図2待機保留表示領域57に表示されている特図2待機記憶表示m2に対して予告演出を行えるように設定する。そして、表示装置50において特定の演出、例えば、飾り特図変動表示ゲームの実行中に特定のリーチ演出(例えば、図24(c)に示すSPリーチ演出)を表示したり、あるいは大当り状態発生中に大当り演出を表示したりする場合には、表示装置50が待機保留表示領域56,57を非表示または縮小表示するなどして、特定の演出が表示される面積を拡大し、さらに、保留演出ユニット61の位置移動機構138が第1待機導光部材68および第2待機導光部材69をそれぞれ第1位置から第2位置へ移動させ、特定の演出の表示拡大部分(待機保留表示領域56,57に設定されていた箇所)を前方に露出させる。これにより、表示装置50に表示されている特定の演出の視認が待機導光部材68,69によって阻害される不都合を抑制することができる。また、特定の演出が特定リーチ演出や大当り演出であれば、特定リーチ演出や大当り演出を遊技者にしっかりと視認させることができ、遊技の興趣が減衰することを防止可能となる。
なお、保留演出ユニット61は、待機導光部材68,69だけではなく消化導光部材67をも上下移動可能としてもよい。そして、特定の演出が表示装置50にて表示される際には、表示装置50が消化保留表示領域58および待機保留表示領域56,57を非表示または縮小表示するとともに、消化導光部材67および待機導光部材68,69を表示装置50の前方から下方へ外して、特定の演出が表示される面積をさらに拡大できれば、遊技者に特定の演出を一層迫力のある状態で見せることができて好適である。また、表示装置50が消化保留表示領域58のみを非表示または縮小表示するとともに、消化導光部材67の身を表示装置50の前方から外して、特定の演出が表示される面積を拡大するように設定してもよい。
ところで、上記第1実施形態および第1変形例では、消化導光部材67を円板状に構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図25(a)に示すように、消化導光部材67の四隅(詳しくは消化導光部材67のうち消化発光領域78から外れた箇所)を切り欠いて十字形状に形成してもよい。このような形状の消化導光部材67においては、消化保留表示領域58の消化記憶表示mfを装飾しない常態(消化保留演出を実行しない常態)では、図25(b)に示すように、隣り合う消化発光領域78の間の切り欠きから消化記憶表示mfを前方に臨ませる。また、消化記憶表示mfを装飾しない状態(消化保留演出を実行する状態)とする場合には、図25(c)に示すように、消化記憶表示mfの前方に発光状態の消化発光領域78を配置する。このようにして、常態では消化記憶表示mfが消化導光部材67で覆われることを避ける構成を適用すれば、消化保留演出が施されていない消化記憶表示mfをクリアな状態で遊技者に見せることができて好適である。
また、消化記憶表示mfを装飾する消化導光部材67は、複数の消化発光領域78が形成された回転体で構成されることに限定されない。例えば、図26に示すように、一端部に消化発光領域78が形成された短冊平板状の消化導光部材67を遊技盤6の前後方向に並べて備えてもよい。そして、消化保留演出を実行する場合には、選択された消化発光領域78が設けられた消化導光部材67を回動したり(図26(a)参照)、スライドしたり(図26(b)参照)して消化発光領域78を消化保留表示領域58の前方に配置し、該消化保留表示領域58に対応する消化発光部材84により消化保留表示領域58を発光させて消化記憶表示mfを装飾するように構成してもよい。なお、消化発光部材84は、図26(a)に示すように、消化導光部材67の状態変換に拘らず配置状態を維持するように設定してもよいし、あるいは図26(b)に示すように、消化導光部材67の状態変換に伴って移動して、消化導光部材67との相対位置関係を維持するように設定してもよい。
ところで、上記第1実施形態およびその変形例における保留演出ユニット61では、待機保留演出部63,64と消化保留演出部62とを備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、待機保留演出部63,64または消化保留演出部62のいずれかを備え、待機記憶表示m1,m2または消化記憶表示mfのいずれかを装飾して予告演出を行うように設定してもよい。
ところで、上記各実施形態および変形例では、始動記憶表示(特図変動表示ゲームの実行の待機(保留)を示す待機記憶表示m1,m2)を表示装置50の表示部50aに表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図27に示す第2実施形態では、表示装置50の前方に配置された可動演出ユニット140において始動記憶表示を表示するように構成されている。具体的に説明すると、可動演出ユニット140は、表示部50aの前方で回転可能な円板状の回転ベース141を基部として備え、該回転ベース141の外周縁に沿って設けられた円弧状のベースラックギア141aに、ベース回転用モータ(図示せず)の出力軸と共回りする回転用ピニオンギア142を噛合して、ベース回転用モータを駆動することにより回転ベース141を表示部50aの延在方向に沿って回転できるように構成されている。そして、回転ベース141の中央部には矩形状の表示開口部141bを開設し、該表示開口部141bを通して表示部50aを前方の遊技者側から視認可能としている。
また、回転ベース141の前面(遊技者側に位置する表面)には、回転ベース141上を移動可能な複数(本実施形態では4つ)の長尺な可動役物145を表示開口部141bの各辺に沿って延在する姿勢で備え、各可動役物145を当該可動役物145の長手方向とは直交する方向に移動可能であり、且つ回転ベース141と共回り可能としている。そして、表示部50aの上下両側の前方に位置し得る一対の可動役物145の長手方向の一端部同士(図27(a)中、右端部同士)を、役物接続ラックギア147a、役物移動用モータ(図示せず)、該役物移動用モータの出力軸と共回りするピニオンギア147bからなる役物駆動機構147により接続し、該役物駆動機構147に接続された一対の可動役物145が表示開口部141bの中央部へ同時に近づいたり、中央部から同時に離れたりすることができるように構成されている。さらに、表示部50aの左右両側の前方に位置し得る一対の可動役物145の長手方向の一端部同士(図27(a)中、上端部同士)を、役物接続ラックギア148a、役物移動用モータ(図示せず)、該役物移動用モータの出力軸と共回りするピニオンギア148bからなる役物駆動機構148により接続し、該役物駆動機構148に接続された一対の可動役物145が表示開口部141bの中央部へ同時に近づいたり、中央部から同時に離れたりすることができるように構成されている。なお、図27(b)および(d)に示すように、表示部50aの左右両側の前方に位置し得る一対の可動役物145を、表示部50aの上下両側に位置し得る一対の可動役物145よりも前方に配置して、移動時に可動役物145同士が干渉し合う不都合を避けている。
そして、各可動役物145には複数(本実施形態では8個)の発光部材(LED)150を可動役物145の長手方向に並べた状態でそれぞれ備え、各発光部材150を遊技者側に臨ませている。また、表示部50aの下縁部の前方に位置し得る可動役物145においては、長手方向の一側寄り(図27(a)中、左寄り)に特図1待機保留表示領域151を設定するとともに、他側寄り(図27(a)中、右寄り)に特図2待機保留表示領域152を設定している。そして、特図1待機保留表示領域151および特図2待機保留表示領域152内に4つの発光部材150をそれぞれ配置し、発光部材150を発光すること(言い換えると、表示視認部として機能する発光部材150が予め設定された記憶表示態様(発光態様)となること)により始動記憶が記憶されたことを表示するように構成されている。具体的には、特図1待機保留表示領域151内の発光部材150を発光することにより特図1待機記憶表示(特図1変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図1始動記憶に対応する記憶表示)m1を表示し、特図2待機保留表示領域152内の発光部材150を発光することにより特図2待機記憶表示(特図2変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図2始動記憶に対応する記憶表示)m2を表示するように構成されている。
このような構成の可動演出ユニット140においては、遊技の進行に伴う遊技制御装置110および演出制御装置125の制御に基づいて、発光部材150の発光により始動記憶が記憶されたことを表示する記憶表示状態と、回転ベース141を回転したり可動役物145を移動したりする演出実行状態とに変換する。詳しく説明すると、表示部50aにおいて飾り特図変動表示ゲーム(図柄の変動)が実行されている場合には、図27(a)に示すように、可動役物145を表示開口部141bの開口縁に沿って矩形枠状に配置して、特図1待機保留表示領域151および特図2待機保留表示領域152を表示部50aの下縁部に並べて配置する。そして、遊技球の始動入賞口26,27への入賞が生じたならば、入賞に対応する待機保留表示領域151,152内の発光部材150を発光して記憶表示状態とする。
また、表示部50aにおいて特定の演出、例えば、飾り特図変動表示ゲームの実行中に特定のリーチ演出を表示したり、あるいは大当り状態発生中に大当り演出を表示したりする場合には、図27(c)に示すように、可動役物145を表示開口部141bの開口縁よりも中央側にずらして井桁状に配置したり、図27(e)に示すように、可動役物145とともに回転ベース141を回転したりして、可動演出ユニット140を演出実行状態に変換する。さらには、演出実行状態の可動演出ユニット140において、可動役物145の発光部材150を発光して発光装飾を行う。
このようにして可動演出ユニット140を記憶表示状態と演出実行状態とに変換可能とすれば、演出効果の高い記憶表示領域(記憶表示部)を備えることができ、遊技の興趣を効果的に高めることができる。また、記憶表示を表示する構成と、装飾演出を行う構成とを別個に設ける必要がなく、演出効果の高いパチンコ遊技機1を効率よく製造することができる。
なお、可動演出ユニット140の可動役物145の動作に併せて表示部50aにおける表示を変化させてもよい。例えば、可動役物145により囲まれた包囲空間が可動役物145の移動により拡縮することに伴って、表示部50aのうち前記包囲空間から臨む映像を拡縮するようにしてもよい。また、可動演出ユニット140の演出実行状態においては、可動役物145の移動を行わずに回転ベース141の回転のみを実行してもよい。要は、演出実行状態では、回転ベースの回転、または可動役物の移動の少なくともいずれかを行って演出動作を実行すればよい。
さらに、上記第2実施形態においては、表示部50aの下縁部の前方に位置し得る可動役物145に特図1待機保留表示領域151および特図2待機保留表示領域152を設定し、該待機保留表示領域151,152が設定された可動役物145を表示部50aの下縁部の前方に配置した状態で発光部材150を発光することにより始動記憶表示(待機記憶表示m1,m2)を表示するように構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、可動役物145を所定の位置に配置した状態で発光部材150を発光することにより、始動記憶が記憶されたことを表示することができれば、待機保留表示領域をどの可動役物145に設定してもよいし、始動記憶表示を表示する際に可動役物145が配置される位置をどこに設定してもよい。
また、上記第2実施形態では、LEDで構成される発光部材150の発光により始動記憶の有無(記憶表示m1,m2)のみを表示可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、可動役物145の発光部材150をフルカラーLEDや液晶パネル等で構成して、待機保留表示領域151,152に表示される記憶表示m1,m2を上記第1実施形態のように複数種類の表示態様(図4参照)で表示可能としてもよい。そして、この表示態様を異ならせることにより、当該記憶表示に対応する特図変動表示ゲームの結果を事前に予告する保留変化予告(詳しくは、特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別態様)になる可能性があること、または大当りになることを事前に予告する演出)ができるように構成してもよい。
ところで、上記第2実施形態においては、移動可能な可動役物145を表示開口部141bの各辺に沿って備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図28および図29に示す第3実施形態の可動演出ユニット160においては、回転ベース141の表示開口部141bの上下両縁に沿って延在する可動役物を移動可能としている。具体的に説明すると、回転ベース141の前面のうち表示開口部141bの左右両側方には、表示開口部141bの左右両側縁に沿って延在する縦長なベース部材(右側の第1ベース部材161および左側の第2ベース部材162)をそれぞれ備え、両ベース部材161,162の上部同士の間には横長な第1可動役物163を架設し、下部同士の間には横長な第2可動役物164を架設している。そして、第1可動役物163の一側(図29(a)中、左側)を第2ベース部材162へ軸着して上下方向へ回動可能とし、他側(図29(a)中、右側)に突設した第1ガイドピン166を第1ベース部材161に形成された縦向き円弧状の第1回動ガイド溝167へ係合している(図29(c)参照)。さらに、第2可動役物164の他側(図29(a)中、右側)を第1ベース部材161へ軸着して上下方向へ回動可能とし、一側(図29(a)中、左側)に突設した第2ガイドピン168を第2ベース部材162に形成された縦向き円弧状の第2回動ガイド溝169へ係合している(図29(b)参照)。
そして、第1可動役物163においては、第1ガイドピン166が第1回動ガイド溝167の上端に位置すると、この第1可動役物163が表示開口部141bの上縁に平行な演出非実行姿勢となり(図29(a)参照)、第1ガイドピン166が第1回動ガイド溝167の下端に位置すると、第1可動役物163が第2ベース部材162側から第1ベース部材161側に向かって下り傾斜する演出実行姿勢となるように構成されている(図30(a)参照)。また、第2可動役物164においては、第2ガイドピン168が第2回動ガイド溝169の上端に位置すると、第2可動役物164が表示開口部141bの上縁および演出非実行姿勢の第1可動役物163に平行な演出非実行姿勢となり(図29(a)参照)、第2ガイドピン168が第2回動ガイド溝169の下端に位置すると、第2可動役物164が第1ベース部材161側から第2ベース部材162側に向かって下り傾斜する演出実行姿勢となるように構成されている(図30(a)参照)。
さらに、回転ベース141の前面のうち第1ベース部材161を挟んで表示開口部141bとは反対側(図28中、右側)には、第1可動役物163を演出非実行姿勢に保持する第1役物保持機構171と、第1可動役物163を演出実行姿勢から演出非実行姿勢へ復帰させる第1役物復帰機構172とを備え、第2ベース部材162を挟んで表示開口部141bとは反対側(図28中、左側)には、第2可動役物164を演出非実行姿勢に保持する第2役物保持機構173と、第2可動役物164を演出実行姿勢から演出非実行姿勢へ復帰させる第2役物復帰機構174とを備えている。
第1役物保持機構171は、回転ベース141に回動可能な状態で軸着された第1役物保持部材176と、該第1役物保持部材176に接続された第1役物保持駆動モータ(第1役物保持駆動源)177とを備えて構成されている。具体的に説明すると、第1役物保持部材176には、回動軸側から第1可動役物163側へ向けて第1保持アーム176aを延設し、回動軸を挟んで第1保持アーム176aとは反対側には第1保持ギア部176bを形成している。そして、該第1保持ギア部176bには、第1役物保持駆動モータ177の出力軸と共回りする第1駆動ギア177aを噛合し、第1役物保持駆動モータ177を駆動することにより第1役物保持部材176を回動して、第1保持アーム176aが第1可動役物163の自由端部(第1ガイドピン166側(図29(a)中、右側)に位置する端部)の下方に位置したり(図29(c)参照)、第1可動役物163の側方へ外れたり(図30(c)参照)するように構成されている。また、第1役物保持機構171には、第1保持アーム176a(第1役物保持部材176)の状態を検出する第1保持位置検出センサ(図示せず)を備え、第1保持アーム176aが第1可動役物163の下方に位置する状態で第1保持位置検出センサがONになり、第1保持アーム176aが第1可動役物163から側方へ外れると第1保持位置検出センサがOFFになるように設定されている。
第1役物復帰機構172は、第1ベース部材161の長手方向に沿って移動可能な第1役物復帰部材181と、該第1役物復帰部材181に接続された第1役物復帰駆動モータ(第1役物復帰駆動源)182とを備えて構成されている。具体的に説明すると、第1役物復帰部材181には、第1可動役物163の自由端部を係合(載置)可能な第1役物係合部181aと、第1ベース部材161の長手方向に沿って延在する第1復帰ラックギア部181bとを一体的に備えている。そして、該第1復帰ラックギア部181bには、第1役物復帰駆動モータ182の出力軸と共回りする第1復帰ピニオンギア182aを噛合し、第1役物復帰駆動モータ182を駆動することにより第1役物復帰部材181を上死位置(詳しくは、第1役物係合部181aが演出非実行姿勢の第1可動役物163に係合する位置)と、下死位置(詳しくは、第1役物係合部181aが演出実行姿勢の第1可動役物163に係合する位置)との間を移動(昇降)するように構成されている。また、第1役物復帰機構172には、下死位置における第1役物復帰部材181を検出する第1復帰下死検出センサと、上死位置における第1役物復帰部材181を検出する第1復帰上死検出センサとを備えている(いずれも図示せず)。
第2役物保持機構173は、回転ベース141に回動可能な状態で軸着された第2役物保持部材186と、該第2役物保持部材186に接続された第2役物保持駆動モータ(第2役物保持駆動源)187とを備えて構成されている。具体的に説明すると、第2役物保持部材186には、回動軸側から第2可動役物164側へ向けて第2保持アーム186aを延設し、回動軸を挟んで第2保持アーム186aとは反対側には第2保持ギア部186bを形成している。そして、該第2保持ギア部186bには、第2役物保持駆動モータ187の出力軸と共回りする第2駆動ギア187aを噛合し、第2役物保持駆動モータ187を駆動することにより第2役物保持部材186を回動して、第2保持アーム186aが第2可動役物164の自由端部(第2ガイドピン168側(図29(a)中、左側)に位置する端部)の下方に位置したり(図29(b)参照)、第2可動役物164の側方へ外れたり(図30(b)参照)するように構成されている。また、第2役物保持機構173には、第2保持アーム186a(第2役物保持部材186)の状態を検出する第2保持位置検出センサ(図示せず)を備え、第2保持アーム186aが第2可動役物164の下方に位置する状態で第2保持位置検出センサがONになり、第2保持アーム186aが第2可動役物164から側方へ外れると第2保持位置検出センサがOFFになるように設定されている。
第2役物復帰機構174は、第2ベース部材162の長手方向に沿って移動可能な第2役物復帰部材191と、該第2役物復帰部材191に接続された第2役物復帰駆動モータ(第2役物復帰駆動源)192とを備えて構成されている。具体的に説明すると、第2役物復帰部材191には、第2可動役物164の自由端部を係合(載置)可能な第2役物係合部191aと、第2ベース部材162の長手方向に沿って延在する第2復帰ラックギア部191bとを一体的に備えている。そして、該第2復帰ラックギア部191bには、第2役物復帰駆動モータ192の出力軸と共回りする第2復帰ピニオンギア192aを噛合し、第2役物復帰駆動モータ192を駆動することにより第2役物復帰部材191を上死位置(詳しくは、第2役物係合部191aが演出非実行姿勢の第2可動役物164に係合する位置)と、下死位置(詳しくは、第2役物係合部191aが演出実行姿勢の第2可動役物164に係合する位置)との間を移動(昇降)するように構成されている。また、第2役物復帰機構174には、下死位置における第2役物復帰部材191を検出する第2復帰下死検出センサと、上死位置における第2役物復帰部材191を検出する第2復帰上死検出センサとを備えている(いずれも図示せず)。
さらに、第3実施形態においては、可動演出ユニット160の第1可動役物163および第2可動役物164に表示視認部として機能する複数(本実施形態では8箇所)の通光部194を各可動役物163,164の長手方向に並べた状態でそれぞれ開設し、各可動役物163,164の後方に位置する表示部50aの光が通光部194を通して遊技者側から視認できるように構成されている。そして、第2可動役物164のうち第2ベース部材162寄り(図29(a)中、左寄り)に開設された複数(本実施形態では4箇所)の通光部194を特図1保留表示通光部196とする一方、第1ベース部材161寄り(図29(a)中、右寄り)に開設された複数(本実施形態では4箇所)の通光部194を特図2保留表示通光部197としている。
また、図28に示すように、表示部50aのうち各特図1保留表示通光部196の後方に位置する箇所には、特図1保留表示通光部196よりもひと回り広い特図1待機保留表示領域201をそれぞれ設定し、特図1待機保留表示領域201での表示態様(例えば、明るさや表示色)を変化させて特図1保留表示通光部196が予め設定された態様(記憶表示態様)となることにより、特図1待機記憶表示(特図1変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図1始動記憶に対応する記憶表示)を表示するように構成されている。さらに、表示部50aのうち各特図2保留表示通光部197の後方に位置する箇所には、特図2保留表示通光部197よりもひと回り広い特図2待機保留表示領域202をそれぞれ設定し、特図2待機保留表示領域202での表示態様(例えば、明るさや表示色)を変化させて特図2保留表示通光部197が予め設定された態様(記憶表示態様)となることにより、特図2待機記憶表示(特図2変動表示ゲームの実行を待機(保留)している特図2始動記憶に対応する記憶表示)を表示するように構成されている。なお、第3実施形態では、表示部50aが表示開口部141bの回転範囲よりも十分に広く設定されており、回転ベース141の回転に伴って表示開口部141bの姿勢が変化したとしても表示部50aの外縁が表示開口部141bを通して遊技者側から見えることがないように構成されている。
このような構成の可動演出ユニット160においては、遊技の進行に伴う遊技制御装置110および演出制御装置125の制御に基づいて、保留表示通光部196,197にて始動記憶が記憶されたことを表示する記憶表示状態と、可動役物145の姿勢を変化させる演出実行状態とに変換する。詳しく説明すると、表示部50aにおいて飾り特図変動表示ゲーム(図柄の変動)が実行されている場合には、図29(a)に示すように、第1役物復帰機構172の第1役物復帰部材181、および第2役物復帰機構174の第2役物復帰部材191をそれぞれ下死位置に配置しておき、第1可動役物163を第1保持アーム176aにより下方から支持して演出非実行姿勢に設定し、第2可動役物164を第2保持アーム186aにより下方から支持して演出非実行姿勢に設定する。そして、遊技球の始動入賞口26,27への入賞が生じたならば、入賞に対応する待機保留表示領域201,202の表示態様を変化させて保留表示通光部196,197を記憶表示態様とする。なお、表示部50aのうち第1可動役物163よりも上方に位置する箇所の第2ベース部材162側(図29(a)中、左側)には特図1保留数表示部206および特図2保留数表示部207を設定し、第1ベース部材161側(図29(a)中、右側)には特図1第4図柄表示部208および特図2第4図柄表示部209を設定している。特図1保留数表示部206では特図1変動表示ゲームの実行保留数を数値表示し、特図2保留数表示部207では特図2変動表示ゲームの実行保留数を数値表示する。また、特図1第4図柄表示部208では、変動図柄の停止態様と合わせて特図1変動表示ゲームの結果を報知するための特図1第4図柄を表示し、特図2第4図柄表示部209では、変動図柄の停止態様と合わせて特図2変動表示ゲームの結果を報知するための特図2第4図柄を表示する。
また、表示部50aにおいて特定の演出、例えば、飾り特図変動表示ゲームの実行中に特定のリーチ演出(図29(a)においては、左右両側の図柄がそれぞれ「7」で縮小表示され、中央の図柄が「7」または「8」のいずれかで停止しそうになっている演出)を表示する場合には、各保留数表示部206,207での数値表示を消さずに保留表示通光部196,197の記憶表示態様(すなわち、可動演出ユニット160の記憶表示状態)を解消し、さらに、図30および図32に示すように、第1可動役物163および第2可動役物164を演出非実行姿勢から演出実行姿勢に変換する。具体的に説明すると、第1役物保持機構171においては、第1役物保持駆動モータ177を正転駆動することにより第1保持アーム176aを演出非実行姿勢の第1可動役物163から外す。すると、第1可動役物163の自由端部が自重により下方へ回動して下死位置の第1役物復帰部材181の第1役物係合部181aへ係合(落下)し、第1可動役物163が演出実行姿勢に変換する。さらに、第2役物保持機構173においては、第2役物保持駆動モータ187を正転駆動することにより第2保持アーム186aを演出非実行姿勢の第2可動役物164から外す。すると、第2可動役物164の自由端部が自重により下方へ回動して下死位置の第2役物復帰部材191の第2役物係合部191aへ係合(落下)し、第2可動役物164が演出実行姿勢に変換する。なお、可動役物163,164は、自重により回動させる構成としたが、スプリング等の弾性力(付勢力)を利用して一方向に付勢する構成を採ることもでき、この構成によれば、付勢方向を重力方向に限定されない。
そして、遊技制御装置110が各保持位置検出センサからのOFF信号に基づいて第1可動役物163および第2可動役物164の演出実行姿勢への変換を把握すると、遊技制御装置110から演出制御装置125へ指令信号が送信され、この指令信号に基づいて演出制御装置125が表示部50aに表示されている図柄のデザインを変更する。具体的には、図30(a)に示すように、傾斜した上下の可動役物163,164の間隔が第2ベース部材162側から第1ベース部材161側(図30(a)中、左側から右側)へ向かうにつれて次第に狭くなっている構成を利用して遠近感が表現されると設定し、この遠近感に整合するように図柄を立体的に描画し直す。詳しくは、上下の可動役物163,164の延長線の交点を遠近法の焦点とし、この焦点を基準として図柄を遠近法で立体的に描画し直す。この再描画を行うことにより図柄が正面から横を向くようにして揺れる挙動を遊技者に見せることができる。なお、前記した遠近感では、狭い側(図30(a)中、右側)が広い側(図30(a)中、左側)よりも遠くに位置するが如く見て取れる。そして、この遠近感は、表示部50aの表示を一側から他側に縮尺を変換させると、一層顕著な遠近効果を得ることができる。
さらに、第1可動役物163および第2可動役物164を演出実行姿勢に変換してから所定時間が経過したならば、図31および図32に示すように、第1役物復帰駆動モータ182を正転駆動して第1役物復帰部材181を下死位置から上死位置まで移動することにより、第1可動役物163を演出実行姿勢から演出非実行姿勢に復帰させる。また、第2役物復帰駆動モータ192を正転駆動して第2役物復帰部材191を下死位置から上死位置まで移動することにより、第2可動役物164を演出実行姿勢から演出非実行姿勢に復帰させる。
そして、第1可動役物163が演出非実行姿勢に復帰したならば、第1役物保持駆動モータ177を逆転駆動して第1保持アーム176aを第1可動役物163の下方に移動することにより、第1可動役物163を第1保持アーム176aにより支持して演出非実行姿勢を保持し、さらに、第1役物復帰駆動モータ182を逆転駆動して第1役物復帰部材181を上死位置から下死位置へ戻す。また、第2可動役物164が演出非実行姿勢に復帰したならば、第2役物保持駆動モータ187を逆転駆動して第2保持アーム186aを第2可動役物164の下方に移動することにより、第2可動役物164を第2保持アーム186aにより支持して演出非実行姿勢を保持し、さらに、第2役物復帰駆動モータ192を逆転駆動して第2役物復帰部材191を上死位置から下死位置へ戻す。
このように、第3実施形態の可動演出ユニット160においても記憶表示状態と演出実行状態とに変換可能であるため、演出効果の高い記憶表示領域(記憶表示部)を備えることができ、遊技の興趣を効果的に高めることができる。また、記憶表示を表示する構成と、装飾演出を行う構成とを別個に設ける必要がなく、演出効果の高いパチンコ遊技機1を効率よく製造することができる。
なお、可動演出ユニット160は、演出実行状態においても記憶表示を行うように構成してもよい。例えば、表示部50aにおいて特定の演出(特定リーチ演出等)を表示する場合に、保留表示通光部196,197の記憶表示態様を解消せずに維持し、この状態で第1可動役物163および第2可動役物164を演出非実行姿勢から演出実行姿勢に変換してもよい。このとき、表示部50a上の各待機保留表示領域201,202を各保留表示通光部196,197の移動範囲よりも十分に広く設定すれば、第2可動役物164の姿勢が変換したとしても各保留表示通光部196,197の記憶表示態様が変わってしまう不都合(例えば、待機保留表示領域201,202の境界が保留表示通光部196,197から前方に見えてしまう不都合)を避けることができ、記憶表示を滞りなく引き続き実行できて好適である。また、第2可動役物164による演出動作に伴って記憶表示部も移動するという斬新な装飾演出を行うことができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
そして、可動演出ユニット160の演出実行状態においては、各可動役物163,164の姿勢変換とともに回転ベース141の回転を実行してもよい。例えば、図33から図35に示す可動演出ユニット160の動作においては、表示部50aで表示されるリーチ演出が途中で特定の演出(大当りの発生を遊技者に期待させるかのような演出)に発展したタイミングで回転ベース141を遊技者から見て反時計方向へ回転し、その後に可動役物163,164の姿勢変換を行っている。
具体的に説明すると、まず、表示部50aにおいて開始されたリーチ演出が特定の演出態様に発展(変化)すると、この発展のタイミングでベース回転用モータを正転駆動して回転ベース141を遊技者から見て反時計方向に回転し、表示部50aにおいては、描画中の図柄を回転ベース141の回転に併せて傾けたり、各可動役物163,164の間に位置し続けるように移動したりする。そして、図33および図35に示すように、回転ベース141位置検出センサBにより回転ベース141が最大回転姿勢まで回転したことを検出すると、ベース回転用モータの駆動を停止して回転ベース141の最大回転姿勢を維持する。さらに、この状態で第1役物保持駆動モータ177を正転駆動することにより第1保持アーム176aを外して第1可動役物163を演出非実行姿勢から演出実行姿勢に変換し、第2役物保持駆動モータ187を正転駆動することにより第2保持アーム186aを外して第2可動役物164を演出非実行姿勢から演出実行姿勢に変換する。また、演出実行姿勢へ変換した可動役物163,164の間隔が第2ベース部材162側から第1ベース部材161側へ向かうにつれて次第に狭くなっていることから遠近感が表現されると設定し、この遠近感に整合するように図柄を立体的に描画し直す。詳しくは、上下の可動役物163,164の延長線の交点を遠近法の焦点とし、この焦点を基準として図柄を遠近法で立体的に描画し直す。
そして、可動役物163,164の演出実行姿勢への変換から所定の停止時間が経過したならば、ベース回転用モータを逆転駆動して回転ベース141を遊技者から見て時計方向へ回転する(図34参照)。回転ベース141が回転動作前の常態まで戻って回転ベース位置検出センサにより回転ベース141の常態復帰を検出したならば、各役物復帰駆動モータ182,192および各役物保持駆動モータ177,187を駆動して各可動役物163,164を演出実行姿勢から演出非実行姿勢に戻す。このようにして、可動役物163,164の姿勢変換だけではなく回転ベース141の回転動作も行って可動演出ユニット160の演出実行状態を実現すれば、一層斬新な装飾演出を行うことができ、遊技の興趣の向上を更に期待することができる。なお、図36に示すように、ベース回転モータを逆転駆動している途中で各役物復帰部材181,191を上死位置へ向けて移動し始めて、回転ベース141を常態まで戻す前に各可動役物163,164を演出実行姿勢から演出非実行姿勢へ戻してもよい。
また、可動演出ユニット160を演出実行状態に変換するタイミングが遊技者の操作によって決定されるように構成してもよい。例えば、遊技者が遊技演出ボタン17を操作したことに基づいて可動演出ユニット160を演出実行状態に変換してもよい。なお、遊技演出ボタン17の表面に接触式のタッチセンサや非接触式の近接センサを備え、遊技者が遊技演出ボタン17の表面に手を触れたりかざしたりして操作を行うようにしてもよい。また、リーチ演出を発展表示する表示部50aにおいて、遊技演出ボタン17の操作を遊技者に促す旨が表示され、この表示に従って遊技者が遊技演出ボタン17を操作した場合に可動演出ユニット160を演出実行状態に変換するように設定してもよい。
ところで、上記第3実施形態では、各役物保持機構171,173および各役物復帰機構171,174を適用して各可動役物163,164の姿勢を変換可能としたが、本発明はこれに限定されない。要は、可動役物163,164の姿勢を変換可能であれば、どのような構成を適用してもよい。例えば、モータ(回転駆動源)の出力軸に勾玉形状のカム板を共回り状態で軸着し、カム板を回転することによりカム板の外周面(カム面)と可動役物163,164の一部とを係合したり離間したりして可動役物163,164の姿勢を変換してもよい。
ところで、上記第2実施形態および第3実施形態では、可動演出ユニットに回転ベースを備えたが、本発明はこれに限定されない。要は、可動役物の移動を行って演出動作を実行する状態(演出実行状態)に変換可能であれば、可動演出ユニットに回転ベースを備えていなくてもよい。
また、上記各実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、演出表示を表示部で実行可能な表示装置と、該表示装置よりも遊技者側に配置され、演出動作を実行可能な可動演出ユニットと、始動口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段と、を備え、変動表示ゲームが特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。