[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいことを示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものとすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロ機1では、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非有利区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうことを防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.ドア監視関連]
続いて、図36~図82を参照して、パチスロ機1の仕様のうち副制御回路および24hドア監視ユニットによるドア監視に関する仕様の一具体例について説明する。以下では、上述した第1の遊技機と異なる構成(例えば追加あるいは変更される構成)について説明する。
(副制御回路)
まず、図36を参照して副制御回路の一例について説明する。図36は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。なお、図36に示す内部構成は、上述した第1の遊技機における副制御回路の詳細な内部構成の一例に過ぎず、これに限るものではない。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202と、表示中継基板205が接続されている。これらロムカートリッジ基板202及び表示中継基板205は、副制御基板72と共に副制御基板ケースに収納されているが、これに限らず、副制御基板ケースとは別体のケースに収容されているものであってもよい。
ロムカートリッジ基板202は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板(図示省略)、通信のデータを管理するための基板である。表示中継基板205は、副制御基板72と、メイン表示装置210・サブ表示装置220(以下ではまとめて表示装置ともいう)とを接続する配線を中継する基板である。
副制御回路200は、主制御回路100と電気的に接続されており、主制御回路100から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路200は、基本的に、サブCPU201、サブRAM203、レンダリングプロセッサ204、描画用RAM206、ドライバ207、サブRTC208を含んで構成されている。本実施形態において、サブRTC208は、計時手段を構成する。
サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板202に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板202は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU201が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、図33で示した電源投入時処理を含むサブ側制御処理や電源遮断時に行われる電源遮断時処理などを実行するためのプログラムが含まれる。また、制御プログラムには、主制御回路100との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて表示装置による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ群等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM203は、サブDRAM(Dynamic Random Access Memory)203aと、サブSRAM(Static Random Access Memory)203bから構成される。サブDRAM203aには、例えば、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路100から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブSRAM203bには、例えば、24hドア監視ユニット61から受信する情報や、電源遮断時におけるサブRTC208から取得した日時情報などの各種情報が記憶される。サブDRAM203aは、各種作業に用いられるRAMであり、サブSRAM203bは、バッテリー接続によりデータのバックアップに用いられるRAMである。サブSRAM203bは、以下ではバックアップメモリともいう場合がある。なお、バックアップメモリは、SRAMに限るものではなく、例えば、バッテリー接続が不要なデバイスであるFRAM(登録商標)(Ferroelectric Random Access Memory)や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリを採用するものであってもよい。
サブCPU201、レンダリングプロセッサ204、描画用RAM(フレームバッファを含む)206及びドライバ207は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を表示装置に表示させる。
また、サブCPU201は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ群等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU201は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群等の光源の点灯及び消灯を制御する。
また、サブRTC(Real Time Clock)208は、パチスロ機1への電源が投入されているか否かにかかわらず、搭載されているバッテリーにより常に日時を計時する計時回路であり、サブCPU201のリクエストに応じて現在日時を示す情報、すなわち年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報を出力する。
(24hドア監視ユニットの構成)
次に、24hドア監視ユニット61について、図37を参照して説明する。図37は、24hドア監視ユニット61の構成例を示すブロック図である。
図37に示すように、24hドア監視ユニット61は、制御LSI300と、RTC(Real Time Clock)301と、バッテリー302と、ROM303と、RAM304と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)305と、を有している。また、24hドア監視ユニット61は、副制御基板72と、ユニット用のドア開閉監視センサ310と、電源装置34と、に電気的に接続されている。
制御LSI300は、24hドア監視ユニット61の動作を制御する。制御LSI300は、制御コントローラ回路306と、シリアル通信回路307と、乱数発生回路308と、I/Oポート回路309と、を有している。
制御コントローラ回路306は、ROM303に格納されているプログラムに従って後述する各種処理を実行する。乱数発生回路308は、フリーランカウンタ(以下、「FRC」と称する場合がある)で構成され、FRCから取得したカウント値を用いて規定の演算を行うことで乱数を発生させる。I/Oポート回路309は、ユニット用のドア開閉監視センサ310に接続されている。ユニット用のドア開閉監視センサ310は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。ユニット用のドア開閉監視センサ310は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視(検出)する。I/Oポート回路309は、ユニット用のドア開閉監視センサ310からの下ドア機構DDの開閉を示す信号を受信する。なお、ユニット用のドア開閉監視センサ310は、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、例えばキャビネットGが中間支持板G1を含んで構成されていない場合などにおいては、上ドア機構UDにも同様のユニット用のドア開閉監視センサを設け、I/Oポート回路309により上ドア機構UDの開閉を示す信号をも受信し、24hドア監視ユニット61は、下ドア機構DDの開閉のみならず上ドア機構UDの開閉をも監視するように構成してもよい。
シリアル通信回路307は、24hドア監視ユニット61に接続されているホスト機器との間でコマンドやデータを送受信する際に用いられる。シリアル通信回路307がホスト機器からコマンドやデータを1バイト受信する毎に、制御LSI300は、後述の受信割込み処理(図54参照)を実行する。
なお、図37では、ホスト機器としての副制御基板72が24hドア監視ユニット61に接続されている例を示している。しかし、24hドア監視ユニットに接続されるホスト機器は、これに限らない。例えば、パチスロ機1の製造時やメンテナンス時に24hドア監視ユニット61の各種設定を行う場合は、ホスト機器として設定機(図示省略)が24hドア監視ユニット61に接続される。この設定機は、不揮発性の記憶装置(ハードディスクなど)と揮発性の記憶装置(RAMなど)を備えている。
バッテリー302は、例えばリチウムイオン二次電池で構成されている。バッテリー302は、パチスロ機1の電源が切られているときに24hドア監視ユニット61の電源として機能する。このため、24hドア監視ユニット61は、パチスロ機1の電源が切られているときも後述の各種処理を行うことが可能となっている。なお、このバッテリー302は、パチスロ機1に電源がONになっているとき(電源投入されているとき)に電源装置34から供給される電力を蓄電する。なお、パチスロ機1の電源が切られている間の電源は、リチウムイオン二次電池に限らず、例えばリチウムイオンポリマー二次電池などの他の種類の二次電池を用いてもよく、また、充電が可能な二次電池に限らず、一次電池(例えば、リチウム電池,アルカリマンガン乾電池)を用いてもよい。
RTC301は計時回路であり、制御LSI300のリクエストに応じて現在日時(日付、時刻など)を示す情報、すなわち年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報を出力する。RTC301は、監視側計時手段を構成する。
EEPROM305は、不揮発性メモリであり、下ドア機構DDの開閉履歴を示す情報(以下、「開閉履歴情報」と称する。)などを記憶する。EEPROM305に記憶する情報及びEEPROM305における情報の格納場所については、後で図38を参照して説明する。
RAM304は、DRAM(Dynamic Random Access memory)で構成され、制御LSI300の作業領域や制御LSI300とホスト機器との通信のバッファ領域として用いられる。RAM304に記憶する情報及びRAM304における情報の格納場所については、後で図39を参照して説明する。
(EEPROMのメモリーマップ)
次に、EEPROM305に記憶する情報及びEEPROM305における情報の格納場所について、図38を参照して説明する。図38は、EEPROM305のメモリーマップであり、EEPROM305における情報の格納場所を概念的に示す図である。図38では、EEPROM305の記憶領域を1バイトずつ区切って示している。このため、図38における1マスは、1バイトの記憶領域を示している。
図38に示すように、先頭から連続する16バイトの領域は、シリアルID格納領域を形成する。シリアルID格納領域には、24hドア監視ユニット61のシリアルIDが記憶される。シリアルIDは、16桁の英数字からなる(例えば、「0123456789ABCDEF」)。すなわち、各バイトには、1文字分の16進数の値が記憶される。
次の連続する16バイトの領域は、秘密鍵格納領域を形成する。秘密鍵格納領域には、秘密鍵が記憶される。秘密鍵は、16桁の英数字からなる(例えば、「SECRETKEY0000000」)。すなわち、各バイトには、1文字分の16進数の値(例えば、文字「S」の場合はASCIIコードの53Hが、文字「0」の場合はASCIIコードの30H)が記憶される。秘密鍵は、制御LSI300が実行する後述の乱数コマンド受信時処理(図58参照)においてパスワードを生成する際に用いられる。すなわち、本実施形態では、EEPROM305は、秘密鍵が格納される秘密鍵格納領域を備える監視側基準データ記憶手段を構成する。
次の連続する5バイトの領域は、予備の領域であり、情報は記憶されない。
次の1バイトの領域は、記録モード格納領域を形成する。記録モード格納領域には、記録モードの種別を示す情報が記憶される。記録モードの種別には、EEPROM305に下ドア機構DDの後述の開閉履歴情報を常時記録させる「常時記録モード」と、記録しない「無記録モード」がある。
次の1バイトの領域は、履歴カウンタ格納領域を形成する。履歴カウンタ格納領域には、履歴カウンタの値が記憶される。履歴カウンタの値は、EEPROM305に記憶されている後述の開閉履歴情報の数を示す値である。本実施形態では、最大128個の開閉履歴情報が記憶可能なので、履歴カウンタの値として、0~128が記憶される。なお、記憶可能な開閉履歴情報の数は、24hドア監視ユニット61に搭載される不揮発性メモリの種類及び記憶容量により、適宜増減する。
次の1バイトの領域は、最新番号格納領域を形成する。最新番号格納領域には、最新の開閉履歴情報が記憶されている後述の開閉履歴格納領域の番号である最新番号が記憶される。
次の連続する1024バイトの領域には、開閉履歴情報が記憶される。開閉履歴情報は、下ドア機構DDが閉止又は開放された年月日及び時間を示す情報である。また、開閉履歴情報は、連続する8バイトの情報からなる。したがって、この連続する1024バイトの領域には、128個の開閉履歴情報が記憶可能となっている。
開閉履歴情報は、監視対象を示す1バイトの監視対象情報(本実施形態では、下ドア機構DD)と、開放(OPEN)か閉止(CLOSE)かを示す1バイトの状態情報と、年、月、日、時、分、そして秒を各バイトで示す連続する6バイトの時間情報からなる。時間情報の各バイトは、年、月、日、時、分、そして秒の下2桁を、16進数の値で示す。
また、この連続する1024バイトとの領域は、1個の開閉履歴情報を記憶する領域毎に、すなわち8バイトずつに区切られている。これら区切られたそれぞれの領域は、開閉履歴情報格納領域を形成し、1~128の番号が付けられている。なお、番号「128」の開閉履歴情報格納領域に開閉履歴情報が記憶された後に記憶される開閉履歴情報は、番号「1」の開閉履歴情報格納領域に上書きされて記憶される。以降、開閉履歴情報は、同様に、番号「2」以降の開閉履歴情報格納領域に上書きされて記憶される。すなわち、本実施形態では、開閉履歴情報を記憶する開閉履歴情報格納領域を備えるEEPROM305は、開閉履歴情報記憶手段を構成する。
次の連続する4バイトの領域は、監視間隔時間格納領域を形成する。監視間隔時間格納領域には、監視間隔時間に対応するカウント数が記憶される。監視間隔時間とは、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶させる間隔である。本実施形態では、分刻みで1分~100分の監視間隔時間が設定可能である。後述するように制御LSI300は、20msec(ミリ秒)ごとに監視間隔カウントを加算し、監視間隔カウントが設定した監視間隔時間に対応するカウント数に達した後に、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶させる。したがって、監視間隔時間に対応するカウント数として、監視間隔時間格納領域には、3000(監視間隔時間1分に対応するカウント数)~300000(監視間隔時間100分に対応するカウント数)が記憶される。なお、この監視間隔時間格納領域には、監視間隔時間に対応するカウント数の16進数の値が記憶される。
次の連続する4バイトの領域は、記録開始時間格納領域を形成する。記録開始時間格納領域には、記録開始時間に対応するカウント数が記憶される。記録開始時間とは、後述の記録開始時間設定処理(図56に示す特権コマンド受信時処理のSA88参照)が行われてから開閉履歴情報の記憶を開始させるまでの時間である。本実施形態では、分刻みで1分~100分の記録開始時間が設定可能である。後述するように制御LSI300は、20msec(ミリ秒)ごとに記録開始時間カウントを加算し、記録開始時間カウントが設定した記録開始時間に対応するカウント数に達した後に、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶させる。したがって、記録開始時間に対応するカウント数として、記録開始時間格納領域には、3000(記録開始時間1分に対応するカウント数)~300000(記録開始時間100分に対応するカウント数)の値が記憶される。なお、記録開始時間格納領域には、記録開始時間に対応するカウント数の16進数の値が記憶される。
なお、図示は省略するが、EEPROM305には、上記の他、各種情報を記憶する格納領域が形成されている。例えば、EEPROM305には、プログラムバージョンが記憶されるプログラムバージョン格納領域が形成されている。プログラムバージョンとは、24hドア監視ユニット61で実行されるプログラムのバージョンである。
(RAMのメモリーマップ)
次に、RAM304に記憶する情報及びRAM304における情報の格納場所については、図39を参照して説明する。図39は、RAM304のメモリーマップであり、RAM304における情報の格納場所を概念的に示す図である。図39では、RAM304の記憶領域を1バイトずつ区切って示している。このため、図39における1マスは、1バイトの記憶領域を示している。
図39に示すように、先頭の1バイトの領域は、出力ポート情報格納領域を形成する。出力ポート情報格納領域には、I/Oポート回路309の出力ポートを介して送信される情報が記憶される。
次の1バイトの領域は、入力ポート情報格納領域を形成する。入力ポート情報格納領域には、後述するポート入力処理(図49参照)において、I/Oポート回路309の入力ポートを介してドア開閉監視センサ310から受信した信号に基いた下ドア機構DDが開放状態か閉止状態かを示す状態情報が記憶される。
次の1バイトの領域には、状態変化フラグ格納領域を形成する。状態変化フラグ格納領域には、状態変化フラグが記憶される。状態変化フラグとは、EEPROM305に開閉履歴情報を格納中か否かを示すフラグである。状態変化フラグは、入力ポート情報格納領域に格納された情報が示す下ドア機構DDの開閉状態とEEPROM305に格納されている最新の開閉履歴情報が示す下ドア機構DDの開閉状態とが一致せず、入力ポート情報格納領域に格納された情報に基づく開閉履歴情報をEEPROM305に格納する場合にONに設定される(後述の図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。また、状態変化フラグは、開閉履歴情報をEEPROM305に格納した後にOFFに設定される(後述の図50に示すドア監視処理のSA34参照)。
次の1バイトの領域は、受信完了フラグ格納領域を形成する。受信完了フラグ格納領域には、受信完了フラグが記憶される。受信完了フラグは、ホスト機器から送信されたコマンド及びそれに付随する情報の受信が完了したか否かを示すフラグである。受信完了フラグは、受信が完了した場合にONに設定され(「1」がセットされ)、受信したコマンドに応じた送信処理(後述の図60の送信処理参照)を行う際にOFFに設定される(クリアされる)。
次の1バイトの領域は、サムカウンタ格納領域を形成する。サムカウンタ格納領域には、サムカウンタが記憶される。サムカウンタは、ホスト機器から送信されたサム値の数を示す。本実施形態では、ホスト機器から送信されるコマンド及びそれに付随する情報に2桁のサム値が含まれている。サム値は、1桁1バイトずつの情報としてホスト機器から送信され、制御LSI300は、各桁のサム値を受信するたびにサムカウンタに1を加算する(後述の図54に示す受信割込み処理のSA68参照)。
次の1バイトの領域は、ETX受信フラグ格納領域を形成する。ETX受信フラグ格納領域には、ETX受信フラグが記憶される。ETX受信フラグは、ホスト機器からETXコマンドを受信したか否かを示すフラグである。ETXコマンドを受信した場合は、ETX受信フラグは、ONに設定される(「1」がセットされる)。
次の1バイトの領域には、ログインフラグ格納領域を形成する。ログインフラグ格納領域には、ログインフラグが記憶される。ログインフラグは、ホスト機器から受信したパスワードと、後述するRAM304のパスワード格納領域に記憶されたパスワードと、が一致するか否かを示すフラグである。ログインフラグは、パスワードが一致する場合に、ONに設定される、すなわち「1」がセットされる(後述の図59に示すログインコマンド受信時処理を参照)。
次の1バイトの領域は、記録許可フラグ格納領域を形成する。記録許可フラグ格納領域には、記録許可フラグが記憶される。記憶許可フラグは、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶可能か否かを示すフラグである。記憶許可フラグは、記録モードが常時記録モードに設定され、且つ、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数以上のとき、すなわちEEPROM305に開閉履歴情報を記録可能な場合にONに設定される。
次の連続する8バイトの領域は、第1検知結果格納領域を形成する。第1検知結果格納領域には、開閉履歴情報が記憶される。開閉履歴情報が第1検知結果格納領域に記憶される態様については、後で図51を参照して説明する。本実施形態において、RAM304に配された第1検知結果格納領域を備え、後述のドア監視状態検知処理(後述の図51参照)を行う24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、開閉状態取得手段を構成する。
次の連続する8バイトの領域は、第2検知結果格納領域を形成する。第2検知結果格納領域には、開閉履歴情報が記憶される。開閉履歴情報が第2検知結果格納領域に記憶される態様については、後で図51を参照して説明する。
次の連続する16バイトの領域は、パスワード格納領域を形成する。パスワード格納領域には、パスワードが記憶される。パスワードは、後述する特権コマンドに係る処理をホスト機器が24hドア監視ユニット61に要求する際に必要となる情報である。また、パスワードは、16桁の英数字からなる。すなわち、各バイトには、1文字分の16進数の値が記憶される。パスワードがパスワード格納領域に記憶される態様については、後で図58を参照して説明する。すなわち、本実施形態では、パスワードが格納されるパスワード格納領域を備えるRAM304は、監視側認証情報記憶手段を構成する。
次の連続する24バイトの領域(SA1~SA24)には、24hドア監視ユニット61からホスト機器に情報を送信する際に、送信に係る情報が一時的に記憶される。すなわち、これら連続する24バイトの領域は、コマンド等を送信するときにバッファとして機能する送信バッファを形成する。
次の連続する24バイトの領域(R1~R24)には、24hドア監視ユニット61がホスト機器から受信したコマンド及びそれに付随する情報が一時的に記憶される。すなわち、これら連続する24バイトの領域は、コマンド等を受信するときにバッファとして機能する受信バッファを形成する。
次の連続する4バイトの領域は、記録開始時間カウンタ格納領域を形成する。記録開始時間カウンタ領域には、後で図48を参照して説明するドア監視ユニットメイン処理のSA8で加算される記録開始時間カウンタの値が記憶される。
次の連続する4バイトの領域は、監視間隔カウンタ格納領域を形成する。監視間隔カウンタ格納領域には、後で図50を参照して説明するドア監視処理のSA24で加算される監視間隔カウンタの値が記憶される。
次の連続する8バイトの領域は、乱数格納領域を形成する。乱数格納領域は、後で図58を参照して説明する乱数コマンド受信時処理のSA121で生成される8桁(16進数)の乱数値が記憶される。すなわち、各バイトには、1桁分の値が記憶される。
なお、図示は省略するが、RAM304には、上記の他、各種情報を記憶する格納領域が形成されている。例えば、RAM304には、受信カウンタ格納領域が形成されている。受信カウンタ格納領域の値は、受信データを記憶させる受信バッファの領域(R1~R24に対応)を示す。
(コマンド)
次に、24hドア監視ユニット61とホスト機器と間の通信で用いられるコマンドについて説明する。本実施形態では、24hドア監視ユニット61とホスト機器と間の通信で用いられるコマンドの種別として、「特権コマンド」と「一般コマンド」がある。特権コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニットに各種設定を要求する際などに用いられる。一般コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニットに情報の送信を要求する際などに用いられる。なお、後述する「特権コマンド」及び「一般コマンド」の24hドア監視ユニット61がホスト機器に送信するアンサでは、各コマンドのIDが、アンサ用のIDとして用いられる、すなわち、コマンドとアンサは、そのIDで一対一の関係が成立する。
(特権コマンド)
まず、図40を参照して特権コマンドについて説明する。図40は、24hドア監視ユニット61とホスト機器との間の通信で用いられる特権コマンドを説明するための図である。
図40に示すように、特権コマンドには、初期化コマンド、時計セットコマンド、監視間隔時間設定コマンド、記録開始時間設定コマンド、モード記録設定コマンド、秘密鍵設定コマンドがある。
(1)初期化コマンド
初期化コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に初期化を要求する際にホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。初期化コマンドのIDは、「SI」である。
初期化コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、当該コマンドを受信した旨を示す初期化アンサをホスト機器に送信する。また、24hドア監視ユニット61は、監視間隔時間設定及び記録開始時間設定を初期化する。具体的には、24hドア監視ユニット61は、EEPROM305に記憶されている監視間隔時間に対応するカウント数及び記録開始時間に対応するカウント数をクリアする。また、RAM304に記憶されている監視間隔カウンタの値及び記録開始時間カウンタの値をクリアする。
(2)時計セットコマンド
時計セットコマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に年、月、日、時、分、秒そして曜日の設定を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。時計セットコマンドのIDは、「ST」である。時計セットコマンドには、ホスト機器が備えるRTCから取得した年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報が付随する。
時計セットコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、当該コマンドを受信した旨を示す日時設定アンサをホスト機器に送信する。また、24hドア監視ユニット61は、時計セットコマンドに付随する年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報に基いて、RTC301の年、月、日、時、分、秒そして曜日を設定する(後述の図56のSA84参照)。このように、24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、監視側計時設定手段を構成する。
(3)監視間隔時間設定コマンド
監視間隔時間設定コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に監視間隔時間の設定を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。監視間隔時間設定コマンドのIDは、「SA」である。監視間隔時間設定コマンドには、監視間隔時間を示す情報(カウント数)が付随する。
監視間隔時間設定コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、当該コマンドを受信した旨を示す監視間隔時間設定アンサをホスト機器に送信する。また、24hドア監視ユニット61は、監視間隔時間設定コマンドに付随する監視間隔時間を示す情報(カウント数)に基いて、監視間隔時間を設定する。具体的には、24hドア監視ユニット61は、受信したカウント数を、EEPROM305における監視間隔時間格納領域に記憶させる。なお、当該領域に既に監視間隔時間に対応するカウント数が記憶されている場合は、今回記憶させる監視間隔時間に対応するカウント数を上書きする。
(4)記録開始時間設定コマンド
記録開始時間設定コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に記録開始時間の設定を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。記録開始時間設定コマンドのIDは、「SB」である。記録開始時間設定コマンドには、記録開始時間を示す情報(カウント数)が付随する。
記録開始時間設定コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、当該コマンドを受信した旨を示す記録開始時間設定アンサをホスト機器に送信する。また、24hドア監視ユニット61は、記録開始時間設定コマンドに付随する記録開始時間を示す情報(カウント数)に基いて、記録開始時間を設定する。具体的には、24hドア監視ユニット61は、受信したカウント数を、EEPROM305における記録開始時間格納領域に記憶させる。なお、当該領域に既に記録開始時間に対応するカウント数が記憶されている場合は、今回記憶させる記録開始時間に対応するカウント数を上書きする。
(5)記録モード設定コマンド
記録モード設定コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に記録モード(「常時記録モード」又は「無記録モード」)の設定を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。記録モード設定コマンドのIDは、「SC」である。記録モード設定コマンドには、記録モードを示す情報が付随する。
記録モード設定コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、当該コマンドを受信した旨を示す記録モード設定アンサをホスト機器に送信する。また、24hドア監視ユニット61は、記録モード設定コマンドに付随する記録モードを示す情報に基いて、記録モードを設定する。具体的には、24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の記録モード格納領域に、開閉履歴情報を常時記録させる「常時記録モード」又は、記録しない「無記録モード」を示す情報を記憶させる。
(6)秘密鍵設定コマンド
秘密鍵設定コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に秘密鍵の設定を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。秘密鍵設定コマンドのIDは、「SW」である。秘密鍵設定コマンドには、16桁の英数字からなる秘密鍵が付随する。
秘密鍵設定コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵を、EEPROM305の秘密鍵格納領域に記憶させる(上書きする)。そして、秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵データとEEPROM305に記憶されている秘密鍵とが一致するか否かの判定に基づいて、設定結果OKかNGか、を示すアンサをホスト機器に送信する。例えば、EEPROM305に障害が発生していて、秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵を、EEPROM305に正常に記憶させることができなかった場合は、秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵とEEPROM305に記憶されていうる秘密鍵とが一致しない。この場合は、設定結果NGの旨のアンサを送信する。
(一般コマンド)
次に、図41を参照して一般コマンドについて説明する。図41は、24hドア監視ユニット61とホスト機器と間の通信で用いられる一般コマンドを説明するための図である。
図41に示すように、一般コマンドには、シリアルIDコマンド、バージョン要求コマンド、乱数コマンド、ログインコマンド、ログアウトコマンド、時計読出コマンド、最新番号コマンド、開閉履歴情報読出コマンド、開閉履歴情報数コマンド、そしてステータス読出コマンドがある。
(1)シリアルIDコマンド
シリアルIDコマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に24hドア監視ユニット61のシリアルIDの送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。シリアルIDコマンドのIDは、「CR」である。
シリアルIDコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305に記憶されているシリアルIDをホスト機器に送信(返信)する。ホスト機器は、シリアルIDを受信すると、受信したシリアルIDと、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されたシリアルIDとを比較する。
(2)バージョン要求コマンド
バージョン要求コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に24hドア監視ユニット61のプログラムバージョンの送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。バージョン要求コマンドのIDは、「CV」である。
バージョン要求コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305に記憶されているプログラムバージョンをホスト機器に送信(返信)する。ホスト機器は、プログラムバージョンを受信すると、受信したプログラムバージョンと、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムバージョンとを比較する。
(3)乱数コマンド
乱数コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に乱数値の送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。乱数コマンドのIDは、「CK」である。
乱数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、乱数発生回路308から取得した値を用いて規定の演算を行い8桁の乱数を発生させ、発生させた乱数値をホスト機器に送信(返信)する。また、24hドア監視ユニット61は、発生させた乱数値を、RAM304の乱数格納領域に記憶させる。
ホスト機器は、乱数値を受信すると、受信した乱数値をホスト機器に設けられた揮発性の記憶装置に記憶させる。
(4)ログインコマンド
ログインコマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に、特権コマンドに基く各種設定を要求できる状態に設定すること、すなわちログインを、要求するときに、ホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。ログインコマンドのIDは、「CI」である。
ログインコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、ログインコマンドに付随する16桁のパスワードと、RAM304のパスワード格納領域に記憶されているパスワードが一致するか否かを判別し、一致する場合はログイン許可(OK)の旨のアンサを送信(返信)する。一方、一致しない場合はログイン不許可(NG)の旨のアンサを送信(返信)する。
(5)ログアウトコマンド
ログアウトコマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に、特権コマンドに基く各種設定を要求できない状態に設定すること、すなわちログアウト、を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。ログアウトコマンドのIDは、「CO」である。
ログアウトコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、ログアウトを行う。具体的には、RAM304のログインフラグをOFFに設定(クリア)する。なお、後述するように、24hドア監視ユニット61は、ログイン状態のときに一般コマンドを受信すると、ログインフラグをOFFに設定(クリア)する(図55のSA77参照)。そして、ログアウトした旨を示すアンサ(ログアウトアンサ)をホスト機器に送信する。
(6)時計読出コマンド
時計読出コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61のRTC301が計時する現在時刻の読出を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。時計読出コマンドのIDは、「CT」である。
時計読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、RTC301が計時する現在時刻(監視側時刻)をホスト機器に送信(返信)する(後述の図62のSA172参照)。このように、24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、監視側時刻送信手段を構成する。また、24hドア監視ユニット61から送信されたRTC301が計時する時刻情報を受信する(後述の図75のSA352参照)ホスト機器、例えば副制御基板72のサブCPU201は、設定側時刻受信手段を構成する。
(7)最新番号コマンド
最新番号コマンドは、ホスト機器が、24hドア監視ユニット61に、最新の開閉履歴情報が記憶されている開閉履歴格納領域の番号である最新番号の送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。最新番号コマンドのIDは、「CN」である。
最新番号コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の最新番号格納領域を参照し、最新番号をホスト機器に送信(返信)する。最新番号を受信したホスト機器は、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に既に記憶されている最新番号と、受信した最新番号とを比較し、これらが一致しない場合、受信した最新番号を不揮発性の記憶装置に記憶させる(上書きする)。
(8)開閉履歴情報読出コマンド
開閉履歴情報読出コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に記憶されている開閉履歴情報の送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。開閉履歴情報読出コマンドのIDは、「CB」である。
開閉履歴情報読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、開閉履歴情報読出コマンドに付随する番号に対応するEEPROM305の開閉履歴格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する。開閉履歴情報を受信したホスト機器は、受信した開閉履歴を不揮発性の記憶装置に記憶させる。
(9)開閉履歴情報数コマンド
開閉履歴情報数コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に、24hドア監視ユニット61に記憶されている開閉履歴情報の数の送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。開閉履歴情報数コマンドのIDは、「CC」である。
開閉履歴情報数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の履歴カウンタ格納領域を参照し、履歴カウンタの値をホスト機器に送信(返信)する。履歴カウンタの値を受信したホスト機器は、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に既に記憶されている履歴カウンタの値と、受信した履歴カウンタの値とを比較し、これらが一致しない場合、受信した履歴カウンタの値を不揮発性の記憶装置に記憶させる(上書きする)。
(10)ステータス読出コマンド
ステータス読出コマンドは、ホスト機器が24hドア監視ユニット61に、下ドア機構DDの開閉状態、すなわちステータスの送信を要求するときにホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信されるコマンドである。ステータス読出コマンドのIDは、「CS」である。
ステータス読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する。
なお、一般コマンドの送信に対応して24hドア監視ユニット61から受信した各種情報(シリアルID、プログラムバージョン、乱数値、開閉履歴情報番号、開閉履歴情報、開閉履歴情報数)は、例えば、ホスト機器が副制御基板72の場合は、サブDRAM203aやサブSRAM203bに記憶される。また、ホスト機器が設定機(図示省略)の場合は、設定機が備えるハードディスクやRAMに記憶される。また、受信した各種情報が記憶される記憶装置は、これに限らず、周知の書き換え可能な記憶装置を適宜選択可能である。
(通信フォーマット)
次に、24hドア監視ユニット61とホスト機器と間の通信フォーマットについて、図42を参照して説明する。図42は、24hドア監視ユニット61とホスト機器と間の通信フォーマットを説明するための図であり、Aは通信フォーマットの概要を説明するための図であり、Bは24hドア監視ユニット61からホスト機器へ乱数を送信する際の通信データの態様の一例を示す図である。
図42Aに示すように、本実施形態において、通信データは、ASCIIコードの形式で送信される。通信データの先頭には通信伝文中のテキスト部分の開始を表す制御文字であるSTX(Start of TeXt)が配置される。STXの後方には、通信によって送受信される情報(TEXT)が配置される。TEXTの後方には、通信伝文中のテキスト部分の終了を表す制御文字であるETX(End of TeXt)が配置される。そして、ETXの後方には、TEXTの値の合計値に基く2桁のサム値が配置される。したがって、本実実施形態における通信データは、1バイトのSTX,0~20バイト(送受信される情報によって異なる)のTEXT、1バイトのETX、2バイトのサム値からなる。
なお、図42Aに示す通信フォーマットは、ホスト機器から24hドア監視ユニット61へコマンドを送信する際だけでなく、ホスト機器から送信されたコマンドに応じて24hドア監視ユニット61がホスト機器へ返信するアンサにおいても用いられる。例えば、ホスト機器から送信された乱数コマンド(CK)に応じて24hドア監視ユニット61がホスト機器へ返信するアンサの例を図42B(24hドア監視ユニット61が「12345678」の乱数を生成した場合の例)に示す。図42Bに示すように、このアンサは、先頭にSTX(02H)に対応するASCIIコードが配置され、STXの後方には、乱数コマンドのアンサであることを示す乱数コマンドのID「CK」に対応するASCIIコードが配置される。また、その後方には、乱数の値である「12345678」に対応する8桁のASCIIコードが配置され、その後方には、ETX(03H)に対応するASCIIコード、そしてサム値に対応するASCIIコードが配置される。
(シーケンス)
次に、シーケンスについて、図43を参照して、説明する。図43は、ホスト機器が有しているシーケンステーブルの一例を示す図である。
シーケンステーブルは、ホスト機器の不揮発性の記憶装置、例えばホスト機器が副制御基板72の場合はロムカートリッジ基板202に、また、ホスト機器が設定機(図示省略)の場合は、ハードディスクに記憶されている。
シーケンステーブルは、複数のシーケンスを規定している。シーケンスは、少なくとも一つの一般コマンド又は特権コマンドからなる。ホスト機器が行う所定の処理において、シーケンスが実行されると、シーケンスを構成するコマンドがホスト機器から24hドア監視ユニット61に送信される。シーケンステーブルは、シーケンスを構成するコマンドが複数ある場合は、コマンドの送信順も規定する。なお、いずれのシーケンスにおいても、ホスト機器は、シーケンスにおける後順のコマンドを、前順のコマンドに対応するアンサや情報を24hドア監視ユニット61から受信した後に、送信する。
図43に示すように、シーケンステーブルには、シーケンスとして、起動シーケンス、第1状態検知シーケンス、履歴取得シーケンス、全履歴取得シーケンス、初期化シーケンス、時計セットシーケンス、監視間隔時間設定シーケンス、記録開始時間設定シーケンスが規定されている。また、記録モード設定シーケンス、秘密鍵設定シーケンス、一括設定シーケンス、第2状態検知シーケンスが規定されている。
シーケンステーブルの「Step」列には、シーケンスを構成するコマンドの送信順序が規定されている。また、「check」列がONになっているコマンドは、当該コマンドの送信後に、「条件」列に規定されている内容に応じた処理が行われることを示している。
(1)起動シーケンス
まず、起動シーケンスについて説明する。起動シーケンスは、バージョン要求コマンド(CV)、シリアルIDコマンド(CR)、ステータス読出コマンド(CS)からなる。ホスト機器は、起動シーケンスの実行時に、バージョン要求コマンド(CV)、シリアルIDコマンド(CR)、ステータス読出コマンド(CS)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
(2)第1状態検知シーケンス
第1状態検知シーケンスは、ステータス読出コマンド(CS)、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)からなる。ホスト機器は、第1状態検知シーケンスの実行時に、ステータス読出コマンド(CS)、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
また、ホスト機器は、最新番号コマンド(CN)の送信後、受信した最新番号と、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置が記憶する最新番号が一致しない場合、すなわち最新番号に変化があれば、後述の履歴取得シーケンスを実行する。
(3)履歴取得シーケンス
履歴取得シーケンスは、開閉履歴情報読出コマンド(CB)からなり、履歴取得シーケンスの実行時に、ホスト機器は、開閉履歴情報読出コマンド(CB)を24hドア監視ユニット61に送信する。なお、この開閉履歴情報読出コマンドには、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されている最新番号が付随する。
(4)全履歴取得シーケンス
全履歴取得シーケンスは、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)、開閉履歴情報読出コマンド(CB)からなる。ホスト機器は、第1状態検知シーケンスの実行時に、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)、開閉履歴情報読出コマンド(CB)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
ホスト機器は、最新番号コマンドを送信した後、受信した最新番号及び履歴カウンタの値と、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置が記憶する最新番号及び履歴カウンタの値が一致しない場合、受信した最新番号と履歴カウンタの値に基いて、開閉履歴情報を取得する先の開閉履歴情報格納領域の番号を特定する。このとき、履歴カウンタの値が「60」で、最新番号が「60」の場合は、開閉履歴情報を取得する先の開閉履歴情報格納領域の番号として、「1~60」を特定する。また、履歴カウンタの値が「128」のときは、最新番号の値に関わらず、開閉履歴情報を取得する先の開閉履歴情報格納領域の番号として、「1~128」を特定する。
そして、ホスト機器は、特定した開閉履歴情報格納領域の番号が付された開閉履歴情報格納領域の全てから開閉履歴情報を取得するまで、開閉履歴情報読出コマンド(CB)の送信を繰り返す(ループする)。
なお、受信した最新番号と履歴カウンタの値と、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置が記憶する最新番号と履歴カウンタの値の比較の結果、これらが一致する場合は、開閉履歴情報を取得する開閉履歴情報格納領域の番号の特定及び開閉履歴情報読出コマンド(CB)の送信を行うことなく、全履歴取得シーケンスに係るコマンドの送信処理を終了する。
(5)初期化シーケンス
初期化シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、初期化コマンド(SI)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、初期化シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、初期化コマンド(SI)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の初期化コマンド(SI)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、初期化シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(6)時計セットシーケンス
時計セットシーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、時計セットコマンド(ST)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、時計セットシーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、時計セットコマンド(ST)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の時計セットコマンド(ST)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、時計セットシーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(7)監視間隔時間設定シーケンス
監視間隔時間設定シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、監視間隔時間設定コマンド(SA)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、監視間隔時間設定シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、監視間隔時間設定コマンド(SA)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の監視間隔時間設定コマンド(SA)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、監視間隔時間設定シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(8)記録開始時間設定シーケンス
記録開始時間設定シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、記録開始時間設定コマンド(SB)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、記録開始時間設定シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、記録開始時間設定コマンド(SB)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の記録開始時間設定コマンド(SB)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、記録開始時間設定シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(9)記録モード設定シーケンス
記録モード設定シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、記録モード設定シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、記録モード設定シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(10)秘密鍵設定シーケンス
秘密鍵設定シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、秘密鍵設定コマンド(SW)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、秘密鍵設定シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、秘密鍵コマンド(SW)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の秘密鍵設定コマンド(SW)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、秘密鍵設定シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(11)一括設定シーケンス
一括設定シーケンスは、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、監視間隔時間設定コマンド(SA)、記録開始時間設定コマンド(SB)、記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)からなる。ホスト機器は、一括設定シーケンスの実行時に、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、監視間隔時間設定コマンド(SA)、記録開始時間設定コマンド(SB)、記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する。
ホスト機器がログインコマンド(CI)を送信後、24hドア監視ユニット61からログイン不許可(NG)の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、後順の監視間隔時間設定コマンド(SA)、記録開始時間設定コマンド(SB)、記録モード設定コマンド(SC)、ログアウトコマンド(CO)の送信を行わず、一括設定シーケンスを構成するコマンドの送信処理を終了する。
(12)第2状態検知シーケンス
第2状態検知シーケンスは、ステータス読出コマンド(CS)、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)、時計読出コマンド(CT)からなる。ホスト機器は、第2状態検知シーケンスの実行時に、ステータス読出コマンド(CS)、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)、時計読出コマンド(CT)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
(秘密鍵設定時の処理)
次に、ホスト機器と24hドア監視ユニット61が行う処理の一例として、秘密鍵設定時の処理を、図44を参照して説明する。なお、以下の説明では、初期値の秘密鍵を変更する場合の秘密鍵設定時の処理について説明する。図44は、秘密鍵設定時の処理について説明するための図である。
この処理において、ホスト機器は、シーケンステーブルを参照し、秘密鍵シーケンスを実行し、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、秘密鍵設定コマンド(SW)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
まず、ホスト機器は、乱数コマンド(CK)を24hドア監視ユニット61に送信する(C11)。乱数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、乱数を発生させ、発生させた乱数値をホスト機器に送信(返信)する(C12:乱数アンサ)。
また、24hドア監視ユニット61は、発生させた乱数値を、RAM304の乱数格納領域に記憶させる。また、24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の秘密鍵格納領域から初期値の秘密鍵を読み出し、読み出した秘密鍵とRAM304の乱数格納領域に記憶させた乱数値とを用いて、所定の演算を行ってパスワードを生成する。そして、生成したパスワードをRAM304のパスワード格納領域に記憶させる。
一方、ホスト機器は、24hドア監視ユニット61から乱数値を受信すると、受信した乱数値を揮発性の記憶装置に記憶させる。また、ホスト機器は、不揮発性の記憶装置から初期値の秘密鍵を読み出す。なお、ホスト機器の不揮発性の記憶装置には、EEPROM305に記憶されていた初期値の秘密鍵と同じ秘密鍵が予め記憶されている。ホスト機器は、読み出した秘密鍵と揮発性の記憶装置に記憶させた乱数値とを用いて、所定の演算を行ってパスワードを生成する。そして、生成したパスワードを揮発性の記憶装置に記憶させる。
次に、ホスト機器は、ログインコマンド(CI)を24hドア監視ユニット61に送信する(C13)。ログインコマンドには、ホスト機器が生成し、揮発性の記憶装置に記憶させたパスワードが付随している。
ログインコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、ログインコマンドに付随するパスワードと、RAM304のパスワード格納領域に記憶されているパスワードが一致するか否かを判別し、一致する場合はログイン許可(OK)の旨、一致しない場合はログイン不許可(NG)の旨のアンサを送信(返信)する(C14)。
24hドア監視ユニット61からログイン不許可の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、第1警告表示処理を行う。ホスト機器は、第1警告表示処理において、ホスト機器が有する表示装置にログイン不許可の旨を示す画面を表示させる。例えば、ホスト機器が副制御基板72の場合は、表示装置に図46に示すように、画面の中央に「監視ユニットにログインできません。」というメッセージが配置された警告画面を表示する。また、この警告画面の下部には、「監視ユニットの状態を確認してください。尚、監視ユニットの設定は1時間行えません。」というメッセージが配置されている。なお、24hドア監視ユニット61からの情報に基づく画面(図46や後述する画面を含む)を表示する表示装置としては、タッチパネルを有するサブ表示装置220を用いる例について説明するが、これに限らず、メイン表示装置210を用いるものであってもよく、双方を用いるものであってもよい。
24hドア監視ユニット61からログイン許可の旨のアンサを受信した場合、ホスト機器は、秘密鍵設定コマンド(SW)を24hドア監視ユニット61に送信する。秘密鍵設定コマンドには、変更に係る秘密鍵が付随する。なお、変更に係る秘密鍵は、ホスト機器が自動的に生成してもよいし、ホスト機器の入力操作部(図示省略)を操作者に操作させて入力させてもよく、また、予めホスト機器の不揮発性の記憶装置に記憶しておいてもよい。
秘密鍵設定コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵を、EEPROM305の秘密鍵格納領域に記憶させる(上書きする)。そして、上述の設定結果OKかNGか、を示すアンサをホスト機器に送信する(C16)。
次に、ホスト機器は、ログアウトコマンド(CO)を24hドア監視ユニット61に送信する(C17)。ログアウトコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、ログアウトを行う。そして、ログアウトした旨を示すログアウトアンサをホスト機器に送信する(C18)。
なお、本実施形態において、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)の順で送信する他のシーケンス(具体的には、初期化シーケンス、時計セットシーケンス、監視間隔時間設定シーケンス、記録開始時間設定シーケンス、記録モード設定シーケンス、一括設定シーケンス)の実行時における、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)に係る処理の内容は共通である。
また、上記では、初期値の秘密鍵を変更する場合の秘密鍵設定時の処理について説明したが、既に初期値から変更された秘密鍵を変更する場合の秘密鍵設定時の処理も、パスワードの作成に用いられる秘密鍵が初期値から変更された秘密鍵を用いる以外は、上記と同様である。
(起動時~監視中の処理)
次に、ホスト機器と24hドア監視ユニット61が行う処理の他の例として、ホスト機器の起動時からホスト機器が下ドア機構DDの開閉状態を監視しているときの処理を、図45を参照して説明する。図45は、起動時~監視中の処理について説明するための図である。
この処理の冒頭において、ホスト機器は、シーケンステーブルを参照し、起動シーケンスを実行し、バージョン要求コマンド(CV)、シリアルIDコマンド(CR)、ステータス読出コマンド(CS)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
まず、ホスト機器は、バージョン要求コマンド(CV)を24hドア監視ユニット61に送信する(C21)。バージョン要求コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305に記憶されているプログラムバージョンをホスト機器に送信(返信)する(C22:バージョンアンサ)。
ホスト機器は、プログラムバージョンを受信すると、受信したプログラムバージョンと、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムバージョンとを比較する。そして、一致しない場合は、第2警告表示処理を行う。ホスト機器は、第2警告表示処理において、ホスト機器が有する表示装置にログイン不許可の旨を示す画面を表示させる。例えば、ホスト機器が副制御基板72の場合は、表示装置に、画面の中央に「プログラムバージョンが異なります」というメッセージが配置された警告画面(図示省略)を表示する。
また、ホスト機器は、プログラムバージョンを受信すると、シリアルIDコマンド(CR)を24hドア監視ユニット61に送信する(C23)。シリアルIDコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305に記憶されているシリアルIDをホスト機器に送信(返信)する(C24:シリアルIDアンサ)。
ホスト機器は、シリアルIDを受信すると、受信したシリアルIDと、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されたシリアルIDとを比較する。そして、一致しない場合は、第3警告表示処理を行う。ホスト機器は、第3警告表示処理において、24h監視ドア監視ユニットが交換された旨を示す画面を表示させる。例えば、ホスト機器が副制御基板72の場合は、表示装置に、図47に示すように画面の中央に「監視ユニットが交換されました。」というメッセージが配置された警告画面を表示する。また、この警告画面の下部には、ホスト機器の記憶装置に記憶されているシリアルIDが「OLD UNIT SERIAL ID」として表示され、受信したシリアルIDが「NEW UNIT SERIAL ID」として表示される。
また、ホスト機器は、シリアルIDを受信すると、ステータス読出コマンド(CS)を24hドア監視ユニット61に送信する(C25)。ステータス読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する(C26:ステータスアンサ)。
起動シーケンスに係るコマンドの送信が終了すると、ホスト機器は、シーケンステーブルを参照し、全履歴取得シーケンスを実行し、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)、開閉履歴情報読出コマンド(CB)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。
まず、ホスト機器は、開閉履歴情報数コマンド(CC)を送信する(C27)。開閉履歴情報数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、履歴カウンタの値をホスト機器に送信する(C28:開閉履歴情報数アンサ)。
次いで、ホスト機器は、最新番号コマンド(CN)を送信する(C29)。最新番号コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、最新番号をホスト機器に送信する(C28:最新番号アンサ)。
ホスト機器は、受信した最新番号と履歴カウンタの値を、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置が記憶する最新番号と履歴カウンタの値と比較する。比較の結果、差異がある場合は、最新番号と履歴カウンタの値に基いて、開閉履歴情報を取得する先の開閉履歴情報格納領域の番号を特定する。そして、ホスト機器は、特定した開閉履歴情報格納領域の番号が付された開閉履歴情報格納領域を指定した開閉履歴情報読出コマンド(CB)を送信する(C31)。
開閉履歴情報読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、読出コマンドに付随する番号に対応する開閉履歴格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する(C32:開閉履歴情報読出アンサ)。
なお、C31及びC32は、特定した開閉履歴情報格納領域の番号が付された開閉履歴情報格納領域の全てから開閉履歴情報を取得するまで繰り返される。
全履歴取得シーケンスに係るコマンドの送信が終了すると、ホスト機器は、シーケンステーブルを参照し、第1状態検知シーケンスを実行し、ステータス読出コマンド(CS)、開閉履歴情報数コマンド(CC)、最新番号コマンド(CN)の順で、コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。なお、以降、第1状態検知シーケンスは、所定の間隔、本実施形態では500msec毎に実行される。
まず、ホスト機器は、ステータス読出コマンド(CS)を、24hドア監視ユニット61に送信する(C33)。ステータス読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する(C34:ステータスアンサ)。
受信した開閉履歴情報が、下ドア機構DDの開放状態を示している場合、ホスト機器は、ホスト機器に接続された表示装置(ホスト機器が副制御基板72の場合はサブ表示装置220等)に下ドア機構DDが開放状態である旨を示す画面(図示省略)を表示させる(ドアオープン表示)。
次いで、ホスト機器は、開閉履歴情報数コマンド(CC)を、24hドア監視ユニット61に送信する(C35)。開閉履歴情報数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の履歴カウンタ格納領域を参照し、履歴カウンタの値をホスト機器に送信(返信)する(C35:開閉履歴情報数アンサ)。履歴カウンタの値を受信したホスト機器は、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に既に記憶されている履歴カウンタの値と、受信した履歴カウンタの値とを比較し、これらが一致しない場合、受信した履歴カウンタの値を不揮発性の記憶装置に記憶させる(上書きする)。
次いで、ホスト機器は、最新番号コマンド(CN)を、24hドア監視ユニット61に送信する(C37)。最新番号コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、EEPROM305の最新番号格納領域を参照し、最新番号をホスト機器に送信(返信)する(C38:最新番号アンサ)。最新番号を受信したホスト機器は、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に既に記憶されている最新番号と、受信した最新番号とを比較し、これらが一致しない場合、受信した最新番号を不揮発性の記憶装置に記憶させる(上書きする)。
また、ホスト機器は、受信した最新番号と、不揮発性の記憶装置が記憶する最新番号が一致しない場合、履歴取得シーケンスを実行する。
ホスト機器は、履歴取得シーケンスを実行し、開閉履歴情報読出コマンド(CB)を24hドア監視ユニット61に送信する。なお、この開閉履歴情報読出コマンドには、ホスト機器が有する不揮発性の記憶装置に記憶されている最新番号が付随する。
開閉履歴情報読出コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、開閉履歴情報読出コマンドに付随する番号に対応する開閉履歴格納領域に記憶されている開閉履歴情報をホスト機器に送信(返信)する(C40:開閉履歴情報読出アンサ)。そして、開閉履歴情報を受信したホスト機器は、受信した開閉履歴を不揮発性の記憶装置に記憶させる。
(24hドア監視ユニットの制御LSI300が行う処理)
次に、24hドア監視ユニット61の制御LSI300が行う各種処理について、図48~図62を参照して説明する。
(1)ドア監視ユニットメイン処理
まず、制御LSI300が行うドア監視ユニットメイン処理について、図48を参照して説明する。図48は、本実施形態におけるドア監視ユニットメイン処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視ユニットメイン処理において、制御LSI300は、まず、初期化処理を行う(SA1)。初期化処理において、制御LSI300は、EEPROM305に記憶されている監視間隔時間に対応するカウント数及び記録開始時間に対応するカウント数をクリアする。また、RAM304に記憶されている監視間隔カウンタの値及び記録開始時間カウンタの値をクリアする。
次いで、制御LSI300は、ポート入力処理を行う(SA2)。ポート入力処理において、制御LSI300は、下ドア機構DDが開放状態か閉止状態かを示す情報をI/Oポート回路309の入力ポートから取得し、取得した情報をRAM304に記憶する。ポート入力処理の具体的な内容は、後で図49を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、ドア監視処理を行う(SA3)。ドア監視処理では、制御LSI300は、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶させる。ドア監視処理の具体的な内容は、後で図50を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、受信処理を行う(SA4)。受信処理では、制御LSI300は、後述する受信割込み処理(図54参照)でホスト機器から受信したコマンドに応じた各種処理を行う。受信処理の具体的な内容は、後で図55を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、送信処理を行う(SA5)。送信処理では、制御LSI300は、ホスト機器に各種アンサを送信する。送信処理の具体的な内容は、後で図60を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、周期ウェイト処理を行う(SA6)。周期ウェイト処理では、制御LSI300は、前回の周期ウェイト処理から20msec経過したか否かを判別し、経過していない場合は経過するまで、次の処理(SA7)への移行を保留し、経過してから処理をSA7に移行させる。このため、制御LSI300が実行する各種処理における各種カウンタに1を加算する処理は、20msec毎に1回実行されることになる。なお、制御LSI300が実行する各種処理における各種カウンタに1を加算する処理には、ドア監視ユニットメイン処理の後述するSA8、後述するドア監視処理(図50参照)のSA24がある。
次いで、制御LSI300は、RAM304の記録開始時間カウンタ格納領域及びEEPROM305の記録開始時間格納領域を参照し、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数未満か否かを判別する(SA7)。SA7において、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数未満でないと判別したとき(SA7がNO判定の場合)、制御LSI300は、処理をSA2に移行し、SA2以降の処理を繰り返す。
一方、SA7において、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数未満と判別したとき(SA7がYES判定の場合)、制御LSI300は、記録開始時間カウンタの値に1を加算する(SA8)。その後、制御LSI300は、処理をSA2に移行し、SA2以降の処理を繰り返す。
(2)ポート入力処理
次に、ドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA2におけるポート入力処理について、図49を参照して説明する。図49は、本実施形態におけるポート入力処理の例を示すフローチャートである。
ポート入力処理において、制御LSI300は、まず、下ドア機構DDが開放状態か閉止状態かを示す状態情報(ユニット用のドア開閉監視センサ310からの情報)をI/Oポート回路309の入力ポートから取得する(SA11)。
次いで、制御LSI300は、取得した状態情報をRAM304の入力ポート情報格納領域に保存する(SA12)。そして、制御LSI300は、ポート入力処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA3に戻す。
(3)ドア監視処理
次に、ドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA3におけるドア監視処理について、図50を参照して説明する。図50は、本実施形態におけるドア監視処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視処理において、制御LSI300は、まず、ドア監視状態検知処理を行う(SA21)。ドア監視状態検知処理において、制御LSI300は、RAM304の入力ポート情報格納領域に記憶されている状態情報を第1検知結果格納領域や第2検知結果格納領域に記憶させる。ドア監視状態検知処理の具体的な内容は、後で図51を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、ドア監視記録判定処理を行う(SA22)。ドア監視記録判定処理において、制御LSI300は、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶可能か否かを判定し、記録可能と判定する場合は、記録許可フラグをONに設定する(「1」をセットする)。一方、記録可能でないと判定する場合は、記録許可フラグをOFFに設定する(クリアする)。ドア監視記録判定処理の具体的な内容は、後で図52を参照して説明する。
次いで、制御LSI300は、記録許可フラグがONに設定されているか(「1」がセットされているか)否か、を判別する(SA23)。SA23において、記録許可フラグがOFFに設定されていると判別したとき(SA23がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA4に戻す。
一方、SA23において、記録許可フラグがONに設定されていると判別したとき(SA23がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の監視間隔カウンタ格納領域に記憶されている監視間隔カウンタの値に1を加算する(SA24)。
次いで、制御LSI300は、RAM304の監視間隔カウンタの値が、EEPROM305の監視間隔時間格納領域に記憶されている監視間隔時間に対応するカウント数以上か否かを判別する(SA25)。SA25において、監視間隔カウンタの値が監視間隔時間に対応するカウント数未満と判別したとき(SA25がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA4に戻す。
一方、SA25において、監視間隔カウンタの値が監視間隔時間に対応するカウント数以上と判別したとき(SA25がYES判定の場合)、制御LSI300は、監視間隔カウンタに0をセット(クリア)する(SA26)。
次いで、制御LSI300は、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA27)。状態変化フラグは、後述のドア監視状態検知処理(図51参照)のSA46でONに設定される。SA27において、状態変化フラグがOFFに設定されていると判別したとき(SA27がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA4に戻す。
一方、SA27において、状態変化フラグがONに設定されていると判別したとき(SA27がYES判定の場合)、制御LSI300は、EEPROM305の最新番号格納領域に記憶されている最新番号が128以上か否かを判別する(SA28)。
SA27において、EEPROM305の最新番号格納領域に記憶されている最新番号が128以上であると判別したとき(SA28がYES判定の場合)、制御LSI300は、EEPROM305の最新番号格納領域に最新番号として「1」をセットする(SA29)。そして、制御LSI300は、処理をSA31に移行する。
SA27において、EEPROM305の最新番号格納領域に記憶されている最新番号が128未満であると判別したとき(SA28がNO判定の場合)、制御LSI300は、EEPROM305の最新番号格納領域の値に「1」を加算する(SA30)。そして、制御LSI300は、処理をSA31に移行する。
SA31の処理において、制御LSI300は、EEPROM305の履歴カウンタ格納領域に記憶されている履歴カウンタが128未満か否かを判別する(SA31)。SA31の処理において、履歴カウンタが128未満と判別したとき(SA31がYES判定の場合)、制御LSI300は、履歴カウンタに1を加算する(SA32)。そして、制御LSI300は、処理をSA33に移行する。
一方、SA31の処理において、履歴カウンタが128未満でない判別したとき(SA31がNO判定の場合)、制御LSI300は、処理をSA33に移行する。
SA33の処理において、制御LSI300は、EEPROM305の最新番号格納領域に記憶されている最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に、RAM304の第2検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報を記憶させる。
次いで、制御LSI300は、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグをOFFに設定する(SA34)。そして、制御LSI300は、ドア監視処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA4に戻す。
(4)ドア監視状態検知処理
次に、ドア監視処理(図50参照)のSA21におけるドア監視状態検知処理について、図51を参照して説明する。図51は、本実施形態におけるドア監視状態検知処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視状態検知処理において、制御LSI300は、まず、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報における状態情報(開放か閉止かを示す情報)と、RAM304の入力ポート情報格納領域に記憶されている状態情報と、が異なるか否かを判別する(SA41)。
SA41において、第1検知結果格納領域の状態情報と、入力ポート情報格納領域の状態情報と、が異ならない(一致する)と判別したとき(SA41がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視状態検知処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA22に戻す。
SA41において、第1検知結果格納領域の状態情報と、入力ポート情報格納領域の状態情報と、が異なると判別したとき(SA41がYES判定の場合)、制御LSI300は、RTC301から現在時刻の日時情報を取得し、取得した日時情報と入力ポート情報格納領域の状態情報からなる開閉履歴情報を第1検知結果格納領域に記憶させる(SA42)。
次いで、制御LSI300は、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがOFFに設定されているか否かを判別する(SA43)。SA43において、状態変化フラグがOFFに設定されていないと判別したとき(SA43がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視状態検知処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA22に戻す。
一方、SA43において、状態変化フラグがOFFに設定されていると判別したとき(SA43がYES判定の場合)、制御LSI300は、EEPROM305の最新番号格納領域に記憶されている最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶されている開閉履歴情報の状態情報と、入力ポート情報格納領域の状態情報と、が異なるか否かを判別する(SA44)。
SA44の処理に置いて、最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶されている開閉履歴情報の状態情報と、入力ポート情報格納領域の状態情報と、が異ならない(一致する)と判別したとき(SA44がNO判定の場合)、制御LSI300は、ドア監視状態検知処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA22に戻す。
一方、SA44の処理に置いて、最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶されている開閉履歴情報の状態情報と、入力ポート情報格納領域の状態情報と、が異なると判別したとき(SA44がYES判定の場合)、制御LSI300は、RTC301から現在時刻の日時情報を取得し、取得した日時情報と入力ポート情報格納領域の状態情報からなる開閉履歴情報を第2検知結果格納領域に記憶させる(SA45)。
次いで、制御LSI300は、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグをONに設定する(SA46)。そして、制御LSI300は、ドア監視状態検知処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA22に戻す。
(5)ドア監視記録判定処理
次に、ドア監視処理(図50参照)のSA22におけるドア監視記録判定処理について、図52を参照して説明する。図52は、本実施形態におけるドア監視記録判定処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視記録判定処理において、制御LSI300は、まず、EEPROM305の記録モード格納領域を参照し、記録モードが常時記録モードに設定されているか否かを判別する(SA51)。SA51の処理において、記録モードが常時記録モードに設定されていないと判別したとき(SA51がNO判定の場合)、制御LSI300は、処理を後述のSA54に移行する。
SA51の処理において、記録モードが常時記録モードに設定されていると判別したとき(SA51がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の記録開始時間カウンタ格納領域及びEEPROM305の記録開始時間格納領域を参照し、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数以上か否かを判別する(SA52)。SA52において、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数以上でないと判別したとき(SA52がNO判定の場合)、制御LSI300は、処理を後述のSA54に移行する。
SA52において、記録開始時間カウンタの値が記録開始時間に対応するカウント数以上であると判別したとき(SA52がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の記録許可フラグ格納領域に記憶されている記録許可フラグをONに設定する(SA53)。そして、制御LSI300は、ドア監視記録判定処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA23に戻す。
SA54において、制御LSI300は、RAM304の記録許可フラグ格納領域に記憶されている記録許可フラグをOFFに設定する(SA54)。そして、制御LSI300は、ドア監視記録判定処理を終了し、処理をドア監視処理(図50参照)のSA23に戻す。
ここで、図48~図52の処理の結果、ドア開閉監視センサ310からの信号の出力タイミングと、第1検知結果格納領域に開閉履歴情報を記憶させるタイミングと、第2検知結果格納領域に開閉履歴情報を記憶させるタイミングと、について図53を参照して説明する。図53は、第1検知結果格納領域及び第2検知結果格納領域に開閉履歴情報を記憶するタイミングを示すタイミングチャートである。
図53では、予め設定されている記録開始時間が経過した後の状態を示している。また図53における縦実線は、RAM304の第2検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報がEEPROM305の開閉履歴情報格納領域に記憶されるタイミング(図50に示すドア監視処理のSA33の実行タイミング)を示している。したがって、縦実線の間隔は、監視間隔時間を示している。
図53におけるt0の時点は、下ドア機構DDが閉止されている状態がしばらく続き、第2検知結果格納領域に格納されている閉止状態を示す開閉履歴情報がEEPROM305の開閉履歴格納領域に記憶された時点を示している。
t1の時点において、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが開放状態である旨を示す状態情報が出力されると、t2の時点で、第1検知結果格納領域に、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。また、同様に、t2の時点で、第2検知結果格納領域に、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA45参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。
なお、t1とt2との間隔は、ドア監視状態検知処理のSA42及びSA45の処理が20msec毎に実行されることに起因するタイムラグである。すなわち、このタイムラグの最大値は、最大で20msecとなる。なお、後述するt3とt4との間隔、t6とt7との間隔、t8とt9との間隔、t11とt12との間隔、t14とt15との間隔も同様のタイムラグを示している。
t3の時点で、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが閉止状態である旨を示す状態情報が出力されると、t4の時点で、第1検知結果格納領域に、閉止状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。
一方、t4の時点では、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定されている(図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。このため、t3の時点で出力された状態情報に基く開閉履歴情報は、第2検知結果格納領域には、記憶されない(図51に示すドア監視状態検知処理のSA43)。すなわち、第2検知結果格納領域に開放状態を示す開閉履歴情報が記憶されている状態が維持される。
t0の時点から開始間隔時間が経過したt5の時点で、第2検知結果格納領域に記憶されている開放状態を示す開閉履歴情報がEEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶される(図50に示すドア監視処理のSA33参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがOFFに設定される(図50に示すドア監視処理のSA34参照)。
t6の時点で、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが開放状態である旨を示す状態情報が出力されると、t7の時点で、第1検知結果格納領域に、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。
一方、t7の時点において、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグはOFFに設定されているが、EEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域には、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶されている。このため、t6の時点で出力された状態情報に基く開閉履歴情報は、第2検知結果格納領域には、記憶されない(図51に示すドア監視状態検知処理のSA44)。すなわち、第2検知結果格納領域に開放状態を示す開閉履歴情報が記憶されている状態が維持される。
t8の時点で、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが閉止状態である旨を示す状態情報が出力されると、t9の時点で、第1検知結果格納領域に、閉止状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。
また、t9の時点では、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグはOFFに設定され、且つ、EEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域には、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶されている。このため、t8の時点で出力された状態情報に基く開閉履歴情報が、第2検知結果格納領域に、記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA45)。すなわち、第2検知結果格納領域に閉止状態を示す開閉履歴情報が記憶される。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。
t5の時点から開始間隔時間が経過したt10の時点で、第2検知結果格納領域に記憶されている閉止状態を示す開閉履歴情報がEEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶される(図50に示すドア監視処理のSA33参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがOFFに設定される(図50に示すドア監視処理のSA34参照)。
t11の時点において、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが開放状態である旨を示す状態情報が出力されると、t12の時点で、第1検知結果格納領域に、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。また、同様に、t12の時点で、第2検知結果格納領域に、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA45参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。
t11の時点から開始間隔時間が経過したt13の時点で、第2検知結果格納領域に記憶されている開放状態を示す開閉履歴情報がEEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶される(図50に示すドア監視処理のSA33参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがOFFに設定される(図50に示すドア監視処理のSA34参照)。
t14の時点で、ドア開閉監視センサ310から下ドア機構DDが閉止状態である旨を示す状態情報が出力されると、t15の時点で、第1検知結果格納領域に、閉止状態を示す開閉履歴情報が記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA42参照)。
また、t14の時点では、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグはOFFに設定され、且つ、EEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域には、開放状態を示す開閉履歴情報が記憶されている。このため、t14の時点で出力された状態情報に基く開閉履歴情報が、第2検知結果格納領域に、記憶される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA45)。すなわち、第2検知結果格納領域に閉止状態を示す開閉履歴情報が記憶される。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがONに設定される(図51に示すドア監視状態検知処理のSA46参照)。
t13の時点から開始間隔時間が経過したt16の時点で、第2検知結果格納領域に記憶されている閉止状態を示す開閉履歴情報がEEPROM305の最新番号が付された開閉履歴情報格納領域に記憶される(図50に示すドア監視処理のSA33参照)。また、RAM304の状態変化フラグ格納領域に記憶されている状態変化フラグがOFFに設定される(図50に示すドア監視処理のSA34参照)。
(6)受信割込み処理
次に、制御LSI300のシリアル通信回路307がホスト機器からコマンドやデータを1バイト受信する毎に、制御LSI300が実行する受信割込み処理について、図54を参照して説明する。図54は、本実施形態における受信割込み処理の例を示すフローチャートである。
受信割込み処理において、制御LSI300は、まず、受信したデータが「STX」であるか否かを判別する(SA61)。SA61において、受信したデータが「STX」であると判別したとき(SA61がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の受信バッファ及び受信カウンタ格納領域に記憶されている受信カウンタの値に「1」を設定し、且つ、RAM304のETX受信フラグ格納領域に記憶しているETX受信フラグをOFFに設定する(SA62)。そして、制御LSI300は、受信割込み処理を終了する。
一方、SA61において、受信したデータが「STX」でないと判別したとき(SA61がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信カウンタ格納領域に記憶されている受信カウンタの値に対応する受信バッファに受信したデータを記憶させる(SA63)。
次いで、制御LSI300は、受信カウンタの値に1を加算する(SA64)。
次いで、制御LSI300は、受信データが「ETX」であるか否かを判別する(SA65)。SA65において、受信データが「ETX」であると判別したとき(SA65がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のETX受信フラグ格納領域に記憶されているETX受信フラグをONに設定する。また、RAM304のサムカウンタの値をクリアする(SA66)。そして、制御LSI300は、受信割込み処理を終了する。
一方、SA65において、受信データが「ETX」でないと判別したとき(SA65がNO判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のETX受信フラグ格納領域に記憶されているETX受信フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA67)。SA67において、ETX受信フラグがONに設定されていないと判別したとき(SA67がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信割込み処理を終了する。
SA67において、ETX受信フラグがONに設定されていると判別したとき(SA67がYES判定の場合)、サムカウンタの値に1を加算する(SA68)。
次いで、制御LSI300は、サムカウンタの値が2であるか否かを判別する(SA69)。SA69において、サムカウンタの値が2でないと判別したとき(SA69がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信割込み処理を終了する。一方、SA69において、サムカウンタの値が2であると判別したとき(SA69がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の受信完了フラグ格納領域に記憶されている受信完了フラグをONに設定し(SA70)、受信割込み処理を終了する。
(7)受信処理
次に、ドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA4における受信処理について、図55を参照して説明する。図55は、本実施形態における受信処理の例を示すフローチャートである。
受信処理において、制御LSI300は、まず、RAM304の受信完了フラグ格納領域に記憶されている受信完了フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA71)。SA71において、受信完了フラグがONに設定されていないと判別したとき(SA71がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5に戻す。
一方、SA71において、受信完了フラグがONに設定されていると判別したとき(SA71がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の受信バッファを参照し、受信したサム値と受信したデータとが整合しているか否かを判定する整合性判定処理を行う(SA72)。具体的には、整合性判定処理では、RAM304の受信バッファに保存されている受信データ(図42A参照)の「STX」を除く「ETX」までの1バイト単位で受信データを順次加算して1バイトのサム値を算出し、算出結果をASCIIコードに変換することで、2バイトのサム値を生成し、生成したサム値と、受信バッファに保存されているサム値(図42AのSAM(ASCII)2Byte)とを照合することで、受信したデータが整合しているか否かを判定する。なお、整合性判定処理の具体例として、加算によりサム値を算出する例を説明したが、これに限らず、例えば、減算又は排他的論理和によりサム値を算出してもよい。また、サム値を算出することに代えて、受信バッファに保存されているサム値をASCIIコードからバイナリコードに変換することで、サム値の判定を行ってもよい。
次いで、制御LSI300は、SA72の整合性判定処理の結果、受信したサム値と受信したデータとが整合していると判定したか、すなわち、整合性判定処理の結果がOKであるか否かを判別する(SA73)。SA73において、整合性判定処理の結果がOKでないと判別したとき(SA73がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5に戻す。
一方、SA73において、整合性判定処理の結果がOKであると判別したとき(SA73がYES判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドは特権コマンドかであるか否かを判別する(SA74)。具体的には、制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに特権コマンドのID(図40に示すSI,ST,SA,SB,SC,SWのいずれか)が含まれている場合は、受信コマンドは特権コマンドであると判別し、含まれていない場合は、特権コマンドでないと判別する。
SA74において、受信コマンドは特権コマンドでないと判別したとき(SA74がNO判定の場合)、制御LSI300は、処理を後述のSA77に以降する。一方、SA74において、受信コマンドは特権コマンドであると判別したとき(SA74がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のログインフラグ格納領域に記憶されているログインフラグがONに設定されているか否かを判別する(SA75)。
SA75において、ログインフラグがONに設定されていないと判別したとき(SA75がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5に戻す。
一方、SA75において、ログインフラグがONに設定されていると判別したとき(SA75がYES判定の場合)、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を行う(SA76)。特権コマンド受信時処理において、制御LSI300は、受信した特権コマンドに応じた各種処理を行う。特権コマンド受信時処理の具体的な内容は、後で図56を参照して説明する。特権コマンド受信時処理の後、制御LSI300は、受信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5に戻す。
ここで、SA74の処理の説明に戻って、受信コマンドは特権コマンドでないと判別したとき(SA74がNO判定の場合)、制御LSI300は、ログインフラグをOFFに設定する(SA77)。
次いで、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を行う(SA78)。一般コマンド受信時処理において、制御LSI300は、受信した一般コマンドに応じた各種処理を行う。一般コマンド受信時処理の具体的な内容は、後で図58を参照して説明する。一般コマンド受信時処理の後、制御LSI300は、受信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5に戻す。
(8)特権コマンド受信時処理
次に、受信処理(図55参照)のSA76における特権コマンド受信時処理について、図56を参照して説明する。図56は、本実施形態における特権コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。
特権コマンド受信時処理において、制御LSI300は、まず、受信した特権コマンドが初期化コマンドであるか否かを判別する(SA81)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに初期化コマンドのIDである「SI」が含まれている場合は、特権コマンドが初期化コマンドであると判別し、「SI」が含まれていない場合は、初期化コマンドでないと判別する。
SA81において、受信した特権コマンドが初期化コマンドであると判別したとき(SA81がYES判定の場合)、制御LSI300は、初期化処理を行う(SA82)。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA81において、受信した特権コマンドが初期化コマンドでないと判別したとき(SA81がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが時計セットコマンドであるか否かを判別する(SA83)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに初期化コマンドのIDである「ST」が含まれている場合は、特権コマンドが時計セットコマンドであると判別し、「ST」が含まれていない場合は、時計セットコマンドでないと判別する。
SA83において、受信した特権コマンドが時計セットコマンドであると判別したとき(SA81がYES判定の場合)、制御LSI300は、RTC設定処理を行う(SA84)。すなわち、RAM304の受信バッファから時計セットコマンドに付随する、年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報を取得し、取得した情報に基づいてRTC301を設定する。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA83において、受信した特権コマンドが時計セットコマンドでないと判別したとき(SA83がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが監視間隔時間設定コマンドであるか否かを判別する(SA85)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに監視間隔時間設定コマンドのIDである「SA」が含まれている場合は、特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドであると判別し、「SA」が含まれていない場合は、監視間隔時間設定コマンドでないと判別する。
SA85において、受信した特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドであると判別したとき(SA85がYES判定の場合)、制御LSI300は、監視間隔時間設定処理を行う(SA86)。すなわち、RAM304の受信バッファから監視間隔時間設定コマンドに付随する監視間隔時間を示す情報(カウント数)を取得し、EEPROM305の監視間隔時間格納領域に記憶させる。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA85において、受信した特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドでないと判別したとき(SA85がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが記録開始時間設定コマンドであるか否かを判別する(SA87)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに記録開始時間設定コマンドのIDである「SB」が含まれている場合は、特権コマンドが記録開始時間設定コマンドであると判別し、「SB」が含まれていない場合は、記録開始時間設定コマンドでないと判別する。
SA87において、受信した特権コマンドが記録開始時間設定コマンドであると判別したとき(SA87がYES判定の場合)、制御LSI300は、記録開始時間設定処理を行う(SA88)。すなわち、RAM304の受信バッファから記録開始時間設定コマンドに付随する記録開始時間を示す情報(カウント数)を取得し、EEPROM305の記録開始時間格納領域に記憶させる。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA87において、受信した特権コマンドが記録開始時間設定コマンドでないと判別したとき(SA87がNO判定の場合)、制御LSI300は、記録モード設定コマンドであるか否かを判別する(SA89)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに記録モード設定コマンドのIDである「SC」が含まれている場合は、特権コマンドが記録モード設定コマンドであると判別し、「SC」が含まれていない場合は、記録モード設定コマンドでないと判別する。
SA89において、受信した特権コマンドが記録モード設定コマンドであると判別したとき(SA89がYES判定の場合)、制御LSI300は、記録モード設定処理を行う(SA90)。すなわち、RAM304の受信バッファから記録モード設定コマンドに付随する記録モードを示す情報を取得し、EEPROM305の記録モード格納領域に記憶させる。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA89において、受信した特権コマンドが記録モード設定コマンドでないと判別したとき(SA89がNO判定の場合)、制御LSI300は、秘密鍵設定コマンドであるか否かを判別する(SA91)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに秘密鍵設定コマンドのIDである「SW」が含まれている場合は、特権コマンドが秘密鍵設定コマンドであると判別し、「SW」が含まれていない場合は、秘密鍵設定コマンドでないと判別する。
SA91において、受信した特権コマンドが秘密鍵設定コマンドであると判別したとき(SA89がYES判定の場合)、制御LSI300は、秘密鍵設定処理を行う(SA92)。すなわち、RAM304の受信バッファから秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵を取得し、EEPROM305の秘密鍵格納領域に記憶させる。その後、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA91において、受信した特権コマンドが秘密鍵設定コマンドでないと判別したとき(SA91がNO判定の場合)、制御LSI300は、特権コマンド受信時処理を終了する。
(9)一般コマンド受信時処理
次に、受信処理(図55参照)のSA78における一般コマンド受信時処理について、図57を参照して説明する。図57は、本実施形態における一般コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。
一般コマンド受信時処理において、制御LSI300は、まず、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドであるか否かを判別する(SA101)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータにシリアルIDコマンドのIDである「CR」が含まれている場合は、一般コマンドがシリアルIDコマンドであると判別し、「CR」が含まれていない場合は、シリアルIDコマンドでないと判別する。
SA101において、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドであると判別したとき(SA101がYES判定の場合)、制御LSI300は、シリアルIDコマンド受信時処理を行う(SA102)。この処理で、制御LSI300は、EEPROM305のシリアルID格納領域に記憶されているシリアルIDを取得する。その後、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA101において、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドでないと判別したとき(SA101がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがバージョン要求コマンドであるか否かを判別する(SA103)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータにバージョン要求コマンドのIDである「CV」が含まれている場合は、一般コマンドがバージョン要求コマンドであると判別し、「CV」が含まれていない場合は、バージョン要求コマンドでないと判別する。
SA103において、受信した一般コマンドがバージョン要求コマンドであると判別したとき(SA103がYES判定の場合)、制御LSI300は、バージョン要求コマンド受信時処理を行う(SA104)。この処理で、制御LSI300は、EEPROM305のバージョン格納領域に記憶されているプログラムバージョンを取得する。その後、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA103において、受信した一般コマンドがバージョン要求コマンドでないと判別したとき(SA103がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが乱数コマンドであるか否かを判別する(SA105)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに乱数コマンドのIDである「CK」が含まれている場合は、一般コマンドが乱数コマンドであると判別し、「CK」が含まれていない場合は、乱数コマンドでないと判別する。
SA105において、受信した一般コマンドが乱数コマンドであると判別したとき(SA105がYES判定の場合)、制御LSI300は、乱数コマンド受信時処理を行う(SA106)。この処理で、制御LSI300は、乱数を発生させ、また、パスワードを生成する。乱数コマンド受信時処理の具体的な内容は、後で図58を参照して説明する。乱数コマンド受信時処理の後、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA105において、受信した一般コマンドが乱数コマンドでないと判別したとき(SA105がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがログインコマンドであるか否かを判別する(SA107)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータにログインコマンドのIDである「CI」が含まれている場合は、一般コマンドがログインコマンドであると判別し、「CI」が含まれていない場合は、ログインコマンドでないと判別する。
SA107において、受信した一般コマンドがログインコマンドであると判別したとき(SA107がYES判定の場合)、制御LSI300は、ログインコマンド受信時処理を行う(SA108)。この処理で、制御LSI300は、ログインコマンドに付随するパスワードとRAM304のパスワード記憶領域に記憶されているパスワードが一致するかを判定し、一致するときは特権コマンドに基く各種設定を要求できる状態に設定する(ログインフラグをONに設定する)。ログインコマンド受信時処理の具体的な内容は、後で図59を参照して説明する。その後、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA107において、受信した一般コマンドがログインコマンドでないと判別したとき(SA107がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがログアウトコマンドであるか否かを判別する(SA109)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータにログアウトコマンドのIDである「CO」が含まれている場合は、一般コマンドがログアウトコマンドであると判別し、「CO」が含まれていない場合は、ログアウトコマンドでないと判別する。
SA109において、受信した一般コマンドがログアウトコマンドであると判別したとき(SA109がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のログインフラグ格納領域に記憶されているログインフラグをOFFに設定するログアウトコマンド受信時処理を行う(SA110)。その後、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA109において、受信した一般コマンドがログアウトコマンドでないと判別したとき(SA109がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが時計読出コマンドであるか否かを判別する(SA111)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに時計読出コマンドのIDである「CT」が含まれている場合は、一般コマンドが時計読出コマンドであると判別し、「CT」が含まれていない場合は、時計読出コマンドでないと判別する。
SA111において、受信した一般コマンドが時計読出コマンドであると判別したとき(SA111がYES判定の場合)、制御LSI300は、時計読出コマンド受信時処理を行う(SA112)。この処理で、制御LSI300は、RTC301が計時する現在時刻を取得する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA111において、受信した一般コマンドが時計読出コマンドでないと判別したとき(SA111がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが最新番号コマンドであるか否かを判別する(SA113)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに最新番号コマンドのIDである「CN」が含まれている場合は、一般コマンドが最新番号コマンドであると判別し、「CN」が含まれていない場合は、最新番号コマンドでないと判別する。
SA113において、受信した一般コマンドが最新番号コマンドであると判別したとき(SA113がYES判定の場合)、制御LSI300は、最新番号コマンド受信時処理を行う(SA114)。この処理で、制御LSI300は、RAM304の最新番号格納領域を参照し、最新番号格納領域に記憶されている最新番号を取得する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA113において、受信した一般コマンドが最新番号コマンドでないと判別したとき(SA113がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであるか否かを判別する(SA115)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに開閉履歴情報読出コマンドのIDである「CB」が含まれている場合は、一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであると判別し、「CB」が含まれていない場合は、開閉履歴情報読出コマンドでないと判別する。
SA115において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであると判別したとき(SA115がYES判定の場合)、制御LSI300は、開閉履歴情報読出コマンド受信時処理を行う(SA116)。この処理で、制御LSI300は、開閉履歴情報読出コマンドに付随する番号に対応するEEPROM305の開閉履歴格納領域に記憶されている開閉履歴情報を取得する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA115において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドでないと判別したとき(SA115がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが開閉履歴情報数コマンドであるか否かを判別する(SA117)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに開閉履歴情報数コマンドのIDである「CC」が含まれている場合は、一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドであると判別し、「CC」が含まれていない場合は、開閉履歴情報数コマンドでないと判別する。
SA117において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドであると判別したとき(SA117がYES判定の場合)、制御LSI300は、開閉履歴情報数コマンド受信時処理を行う(SA118)。この処理で、制御LSI300は、EEPROM305の履歴カウンタ記憶領域に記憶されている履歴カウンタの値を取得する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA117において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドでないと判別したとき(SA117がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがステータス読出コマンドであるか否かを判別する(SA119)。制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータにステータス読出コマンドのIDである「CS」が含まれている場合は、一般コマンドがステータス読出コマンドであると判別し、「CS」が含まれていない場合は、ステータス読出コマンドでないと判別する。
SA119において、受信した一般コマンドがステータス読出コマンドであると判別したとき(SA119がYES判定の場合)、制御LSI300は、ステータス読出コマンド受信時処理を行う(SA120)。この処理で、制御LSI300は、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報を取得する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、受信した一般コマンドがステータス読出コマンドでないと判別したとき(SA119がNO判定の場合)、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
(10)乱数コマンド受信時処理
次に、一般コマンド受信時処理(図57参照)のSA106における乱数コマンド受信時処理について、図58を参照して説明する。図58は、本実施形態における乱数コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。
乱数コマンド受信時処理において、制御LSI300は、まず、乱数発生回路308に乱数を発生させ、発生させた乱数をRAM304の乱数格納領域に記憶させる(SA121)。具体的には、乱数発生回路308であるFRCのカウント値を取得し、式1の演算を行って乱数を発生させる。
乱数=カウント値×カウント値+カウント値・・・式1
式1の演算により算出された乱数は、ASCIIコードに変換され、RAM304の乱数格納領域に記憶される。SA121の処理を行う制御LSI300は、特定情報発生手段を構成する。
次いで、制御LSI300は、EEPROM305の秘密鍵格納領域に記憶されている秘密鍵を取得する(SA122)。次いで、制御LSI300は、RAM304の乱数格納領域の乱数と、SA122で取得した秘密鍵を用いて、パスワードを生成するパスワード生成処理を行う(SA123)。具体的には、制御LSI300は、16バイトの秘密鍵と8バイトの乱数を基にパスワードとしてのハッシュ値を算出する(例えば、MD5,SHA-0,SHA-1,SHA-2,SHA-3等)。SA123の処理を行う制御LSI300は、監視側認証情報生成手段を構成する。
次いで、制御LSI300は、生成したパスワードをEEPROM305のパスワード格納領域に記憶させる(SA124)。そして、制御LSI300は、乱数コマンド受信時処理を終了する。
(11)ログインコマンド受信時処理
次に、一般コマンド受信時処理(図57参照)のSA108におけるログインコマンド受信時処理について、図59を参照して説明する。図59は、本実施形態におけるログインコマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。
ログインコマンド受信時処理において、制御LSI300は、ログイン不許可タイマは計測中か否かを判別する(SA131)。ここで、ログイン不許可タイマとは、ログインを許可しない状態が維持する時間を計測するタイマである。ログイン不許可タイマの計測は、不正ログインを防止するために、後述のSA134の処理でパスワードが一致しないと判別した場合に、開始される。なお、本実施形態において、ログイン不許可タイマの計測は、RTC301を用いて行われ、長さは1時間に設定されている。具体的には、制御LSI300は、計測を開始した時刻をRAM304に記憶させ、SA131の処理において、RTC301から取得した現在時刻と、計測を開始した時刻との差が、1時間未満の場合に、ログイン不許可タイマは計測中であると判別する。一方、制御LSI300は、RTC301から取得した現在時刻と、計測を開始した時刻との差が、1時間以上の場合に、ログイン不許可タイマは計測中でないと判別する。
SA131において、ログイン不許可タイマは計測中であると判別したとき(SA131がYES判定の場合)、制御LSI300は、ログインコマンド受信時処理を終了する。一方、SA131において、ログイン不許可タイマは計測中でないと判別したとき(SA131がNO判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の受信バッファからホスト機器から受信したパスワードを取得する(SA132)。
次いで、制御LSI300は、SA132で取得したパスワードとEEPROM305のパスワード格納領域に記憶されているパスワードとを比較する(SA133)。次いで、制御LSI300は、SA133の比較の結果、これらのパスワードが一致するか否かを判別する(SA134)。SA134の処理を行う制御LSI300は、認証情報判定手段を構成する。
SA134において、これらのパスワードが一致すると判別するとき(SA134がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のログインフラグ格納領域に記憶されているログインフラグをONに設定する(SA135)。その後、制御LSI300は、ログインコマンド受信時処理を終了する。
SA134において、これらのパスワードが一致しないと判別するとき(SA134がNO判定の場合)、制御LSI300は、ログイン不許可タイマの計測を開始する(SA136)。その後、制御LSI300は、ログインコマンド受信時処理を終了する。
(12)送信処理
次に、ドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA5における送信処理について、図60を参照して説明する。図60は本実施形態における送信処理の例を示すフローチャートである。
送信処理において、制御LSI300は、まず、RAM304の受信完了フラグ格納領域に記憶されている受信完了フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA141)。SA141において、受信完了フラグがONでないと判別したとき(SA141がNO判定の場合)、制御LSI300は、送信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA6に戻す。
一方、SA141において、受信完了フラグがONに設定されていると判別したとき(SA141がYES判定の場合)。制御LSI300は、受信完了フラグをOFFに設定する(SA142)。
次いで、制御LSI300は、受信コマンドは特権コマンドかであるか否かを判別する(SA143)。具体的には、制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに特権コマンドのID(図40に示すSI,ST,SA,SB,SC,SWのいずれか)が含まれている場合は、受信コマンドは特権コマンドであると判別し、含まれていない場合は、特権コマンドでないと判別する。
SA143において、受信コマンドは特権コマンドであると判別したとき(SA143がYES判定の場合)、制御LSI300は、特権アンサ送信処理を行う(SA144)。特権アンサ送信処理において、制御LSI300は、受信した特権コマンドに応じた各種送信処理を行う。特権アンサ送信処理の具体的な内容は、後で図61を参照して説明する。その後、制御LSI300は、送信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA6に戻す。
SA143において、受信コマンドは特権コマンドでないと判別したとき(SA143がNO判定の場合)、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を行う(SA145)。一般アンサ送信処理において、制御LSI300は、受信した一般コマンドに応じた各種送信処理を行う。一般アンサ送信処理の具体的な内容は、後で図62を参照して説明する。その後、制御LSI300は、送信処理を終了し、処理をドア監視ユニットメイン処理(図48参照)のSA6に戻す。
(13)特権アンサ送信処理
次に、送信処理(図59参照)のSA144における特権アンサ送信処理について、図61を参照して説明する。図61は本実施形態における特権アンサ送信処理の例を示すフローチャートである。
特権アンサ送信処理において、制御LSI300は、まず、受信したコマンドが秘密鍵設定コマンドであるか否かを判別する(SA151)。制御LSI300は、RAM304の受信バッファを参照し、受信したデータに秘密鍵設定コマンドのIDである「SW」が含まれている場合は、特権コマンドが秘密鍵設定コマンドであると判別し、「SW」が含まれていない場合は、秘密鍵設定コマンドでないと判別する。
SA151において、受信したコマンドが秘密鍵設定コマンドでないと判別したとき(SA151がNO判定の場合)、制御LSI300は、後述のSA155の処理を行う。一方、SA151において、受信したコマンドが秘密鍵設定コマンドであると判別したとき(SA151がYES判定の場合)、制御LSI300は、受信バッファに記憶されている秘密鍵、すなわち受信した秘密鍵設定コマンドに付随する秘密鍵と、EEPROM305の秘密鍵格納領域に記憶されている秘密鍵とが一致するか否かを判別する(SA152)。
SA152の処理において両者が一致すると判別したとき(SA152がYES判定の場合)、設定結果OKの旨のアンサをホスト機器に送信する送信処理を行う(SA153)。そして、制御LSI300は、特権アンサ送信処理を終了する。
SA152の処理において両者が一致しないと判別したとき(SA152がNO判定の場合)、設定結果NGの旨のアンサをホスト機器に送信する送信処理を行う(SA154)。そして、制御LSI300は、特権アンサ送信処理を終了する。
ここで、SA151の説明に戻って、受信したコマンドが秘密鍵設定コマンドでないと判別したとき(SA151がNO判定の場合)、制御LSI300は、RAM304の受信バッファを参照し、受信した特権コマンドを特定する(SA155)。
次いで、制御LSI300は、SA155で特定したコマンドに対応するアンサをホスト機器に送信する送信処理(SA156)を行う。そして、制御LSI300は、特権アンサ送信処理を終了する。なお、SA153,SA154においては、受信した特権コマンドのIDに対応するアンサ用のIDに「設定結果OK」か「設定結果NG」の情報が付随したアンサがホスト機器に送信される。しかし、SA156では、アンサ用のIDに付随させる情報がないため、受信した特権コマンドのIDに対応するアンサ用のIDのみがアンサとしてホスト機器に送信される。
(14)一般アンサ送信処理
次に、送信処理(図60参照)のSA145における一般アンサ送信処理について、図62を参照して説明する。図62は本実施形態における一般アンサ送信処理の例を示すフローチャートである。
一般コマンド受信時処理において、制御LSI300は、まず、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドであるか否かを判別する(SA161)。SA161において、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドであると判別したとき(SA161がYES判定の場合)、制御LSI300は、シリアルIDコマンド受信時処理(図57のSA102)で取得したシリアルIDをホスト機器に送信するアンサ送信処理(シリアルID)を行う(SA162)。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA161において、受信した一般コマンドがシリアルIDコマンドでないと判別したとき(SA161がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがバージョン要求コマンドであるか否かを判別する(SA163)。SA163において、受信した一般コマンドがバージョン要求コマンドであると判別したとき(SA163がYES判定の場合)、制御LSI300は、バージョン要求コマンド受信時処理(図57のSA104参照)で取得したプログラムバージョンをホスト機器に送信するアンサ送信処理(バージョン)を行う(SA164)。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA163において、受信した一般コマンドがバージョン要求コマンドでないと判別したとき(SA163がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが乱数コマンドであるか否かを判別する(SA165)。制御LSI300は、SA165において、受信した一般コマンドが乱数コマンドであると判別したとき(SA165がYES判定の場合)、制御LSI300は、乱数コマンド受信時処理(図58参照)で発生させ、RAM304の乱数格納領域に記憶させた乱数をホスト機器に送信するアンサ送信処理(乱数)を行う(SA166)。SA166の処理を行う制御LSI300は、特定情報送信手段を構成する。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA165において、受信した一般コマンドが乱数コマンドでないと判別したとき(SA165がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがログインコマンドであるか否かを判別する(SA167)。SA167において、受信した一般コマンドがログインコマンドであると判別したとき(SA167がYES判定の場合)、制御LSI300は、RAM304のログインフラグ格納領域を参照し、ログインコマンド受信時処理(図59参照)で設定されたログインフラグの状態(ON又はOFF)を示す情報をホスト機器に送信するアンサ送信処理(ログインフラグの状態)を行う(SA168)。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA167において、受信した一般コマンドがログインコマンドでないと判別したとき(SA167がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがログアウトコマンドであるか否かを判別する(SA169)。SA169において、受信した一般コマンドがログアウトコマンドであると判別したとき、制御LSI300は、RAM304のログインフラグ格納領域を参照し、ログアウトコマンド受信時処理(図57のSA110参照)で設定されたログインフラグの状態(OFF)を示す情報をホスト機器に送信するアンサ送信処理(ログインフラグの状態)を行う(SA170)。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA169において、受信した一般コマンドがログアウトコマンドでないと判別したとき(SA169がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが時計読出コマンドであるか否かを判別する(SA171)。SA171において、受信した一般コマンドが時計読出コマンドであると判別したとき(SA171がYES判定の場合)、制御LSI300は、時計読出コマンド受信時処理(図57のSA112)で取得した現在時刻をホスト機器に送信するアンサ送信処理(RTC)を行う(SA172)。その後、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA171において、受信した一般コマンドが時計読出コマンドでないと判別したとき(SA171がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが最新番号コマンドであるか否かを判別する(SA173)。SA173において、受信した一般コマンドが最新番号コマンドであると判別したとき(SA173がYES判定の場合)、制御LSI300は、最新番号コマンド受信時処理(図57のSA114)で取得した最新番号をホスト機器に送信するアンサ送信処理(最新番号)を行う(SA174)。そして、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA173において、受信した一般コマンドが最新番号コマンドでないと判別したとき(SA172がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであるか否かを判別する(SA175)。SA175において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであると判別したとき(SA175がYES判定の場合)、制御LSI300は、開閉履歴情報読出コマンド受信時処理(図57のSA116参照)で取得した、開閉履歴情報読出コマンドに付随する番号に対応するEEPROM305の開閉履歴格納領域に記憶されている開閉履歴情報を、ホスト機器に送信するアンサ送信処理(開閉履歴情報)を行う(SA176)。そして、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA175において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドでないと判別したとき(SA175がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドが開閉履歴情報数コマンドであるか否かを判別する(SA177)。SA177において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドであると判別したとき(SA177がYES判定の場合)、制御LSI300は、開閉履歴情報数コマンド受信時処理(図57のSA118)で取得した履歴カウンタの値をホスト機器に送信するアンサ送信処理(開閉履歴情報数)を行う(SA178)。そして、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、SA177において、受信した一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドでないと判別したとき(SA177がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信コマンドがステータス読出コマンドであるか否かを判別する(SA179)。SA179において、受信した一般コマンドがステータス読出コマンドであると判別したとき(SA179がYES判定の場合)、制御LSI300は、ステータス読出コマンド受信時処理(図57のSA120)で取得したRAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報を、ホスト機器に送信するアンサ送信処理(ステータス)を行う(SA180)。そして、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
一方、受信した一般コマンドがステータス読出コマンドでないと判別したとき(SA179がNO判定の場合)、制御LSI300は、一般アンサ送信処理を終了する。
なお、一般アンサ送信処理における受信したコマンドの種別を判別する処理(SA161,SA163,SA165,SA167,SA169,SA171,SA173,SA175,SA177,SA179)において、制御LSI300は、受信バッファを参照し、受信したデータに含まれているコマンドのIDに基づいてコマンドの種別を判別する。
なお、一般アンサ送信処理におけるアンサ送信処理(SA162,SA164,SA166,SA168,SA170,SA172,SA174,SA176,SA178,SA180)では、受信した一般コマンドのIDに対応するアンサ用のIDに、各種情報(図62のSA162,SA164,SA166,SA168,SA170,SA172,SA174,SA176,SA178,SA180にかっこ書きで示した情報)が付随したアンサがホスト機器に送信される。
(ホスト機器が行う処理)
次に、ホスト機器が行う各種処理について、ホスト機器の一例である副制御基板72が備えるサブCPU201が行う処理を例に、図63~図78を参照して、説明する。
ここで、サブSRAM203bには、EEPROM305と同様の、シリアルID格納領域、秘密鍵格納領域、履歴カウンタ格納領域、最新番号格納領域、128個の開閉履歴情報格納領域、プログラムバージョン格納領域が形成されている。サブSRAM203bのシリアルID格納領域には、予め24hドア監視ユニット61のシリアルIDが記憶されている。サブSRAM203bの秘密鍵格納領域には、24hドア監視ユニット61のEEPROM305が記憶している秘密鍵と同じ秘密鍵が記憶されている。また、プログラムバージョン格納領域には、予め24hドア監視ユニット61で実行されるプログラムのバージョンが記憶されている。また、履歴カウンタ格納領域、最新番号格納領域、128個の開閉履歴情報格納領域には、24hドア監視ユニット61から受信した履歴カウンタの値、最新番号、開閉履歴情報が記憶される。サブSRAM203bは、設定側記憶手段を構成する。
また、サブDRAM203aには、RAM304と同様の、受信完了フラグ格納領域、サムカウンタ格納領域、ETX受信フラグ格納領域、受信カウンタ格納領域と同様のサブ受信完了フラグ格納領域、サブサムカウンタ格納領域、サブETX受信フラグ格納領域、サブ受信カウンタ格納領域が形成されている。また、サブDRAM203aには、RAM304と同様の、パスワード格納領域、送信バッファ、受信バッファが形成されている。また、サブDRAM203aには、24hドア監視ユニット61から送信されたステータスコマンドのアンサに付随する開閉履歴情報を格納するステータス格納領域が形成されている。また、サブDRAM203aには、後述のドア監視タスク(図68参照)のSA232で1が加算される第1ドア監視カウンタの値が記憶される第1ドア監視カウンタ格納領域と、同タスクのSA235で1が加算される第2ドア監視カウンタの値が記憶される第2ドア監視カウンタ格納領域が形成されている。また、サブDRAM203aには、後述する特権フラグ格納領域が形成されている。なお、サブDRAM203aは、設定側認証情報記憶手段を構成する。
(1)ホールメニュータスク
まず、サブCPU201が行うホールメニュータスクについて、図63を参照して説明する。図63は、本実施形態におけるホールメニュータスクの例を示すフローチャートである。
ホールメニュータスクは、パチスロ機1の設定を変更する際又はパチスロ機1の設定を確認する際に使用するホールメニューを制御するタスクである。ホールメニュータスクは、サブCPU201によって、サブ側の電源投入時処理が行われた後において、所定の周期(本実施形態では所定時間、例えば33msec)毎に行われる。
まず、サブCPU201は、設定キーはオフからオンになったか否かを判別する(SA201)。この処理では、設定用鍵型スイッチ52が操作されたことによってメインCPU101から送信される設定変更開始コマンドをサブCPU201が受信すると、サブCPU201は、設定キーはオフからオンになったと判別する。
SA102において、設定キーはオフからオンになっていないと判別したとき(SA102がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA101の処理を再度行う。すなわち、サブCPU201は、設定キーはオフからオンになったと判別するまでSA201の処理を繰り返す。
SA201において、設定キーはオフからオンになったと判別したとき(SA201がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置(本実施形態においてはサブ表示装置220)にホールメニュー画面(図示省略)を表示するホールメニュー表示処理を行う(SA202)。サブCPU201は、ホールメニュー画面に、選択可能なホールメニューである[時刻設定]、[トータルメダル情報]、[設定変更・確認履歴]、[エラー情報履歴]、[監視履歴]、[警告表示設定]、[報知設定]、「メンテナンス」各々に対応するアイコンを表示する。なお、ホールメニューにおいては、図64等で示す事項以外にも、例えば、上述した省電力モード設定、打ち止め設定、および、自動精算設定などについても選択して決定することができる。
各種情報・設定の確認や各種設定の変更を行うために、操作者は、ホールメニュー画面に含まれるアイコンに対してタッチ操作することにより、ホールメニュー画面に表示されているホールメニューの内、一つのホールメニューを選択する。なお、表示装置としてメイン表示装置210を用いる場合には、例えば、サブ表示装置220に選択用アイコン(例えば、十字キー)および決定用アイコンなどを表示し、当該アイコンへの操作により選択決定するようにしてもよく、また、演出用ボタン10aへの操作により選択対象を1つずつ移動させて演出用ボタン10bへの操作により選択決定するようにしてもよく、演出用ボタン群としてジョグダイヤルや十字キーなどの操作部を設けて、当該操作部への操作により選択決定するようにしてもよい。
SA202のホールメニュー表示処理後、サブCPU201は、ホールメニュー処理を行う(SA203)。この処理では、サブCPU201は、選択されたホールメニューに応じた処理を行う。ホールメニュー処理の具体的な内容については、後で図64を参照して説明する。
次に、サブCPU201は、設定キーはオフになったか否かを判別する(SA204)。この処理では、設定用鍵型スイッチ52が操作されたことによってメインCPU101から送信される設定変更終了コマンドをサブCPU201が受信すると、サブCPU201は、設定キーはオンからオフになったと判別する。
SA204において、設定キーはオンからオフになっていないと判別したとき(SA204がNO判定の場合)、サブCPU201は、処理をSA203に戻す。
SA204において、設定キーはオンからオフになったと判別したとき(SA204がYES判定の場合)、サブCPU201は、ホールメニュー処理(SA203)において、設定変更が行われたか否かを判別する(SA205)。
SA205において、設定変更が行われたと判別したとき(SA205がYES判定の場合)、サブCPU201は、設定変更に伴う各種初期化を行う設定変更初期化処理を行い(SA206)、処理をSA207に移す。一方、SA205において、設定変更が行われていないと判別したとき(SA205がNO判定の場合)、サブCPU201は、処理をSA207に移す。
SA207において、サブCPU201は、遊技画面復帰表示処理を行う(SA207)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、パチスロ機1が所定期間操作されなかった場合に表示する初期映像を表示する。そして、サブCPU201は、SA207の処理後、処理をSA201に移す。
(2)ホールメニュー処理
次に、図64を参照して、ホールメニュータスク(図63参照)におけるホールメニュー処理(SA203)について説明する。図64は、本実施形態におけるホールメニュー処理の例を示すフローチャートである。
ホールメニュー処理において、サブCPU201は、まず、操作者からの操作に基づいて各種情報・設定の確認や各種設定の変更を行う対象であるホールメニューを選択するホールメニュー選択処理を行う(SA211)。
次に、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[時刻設定]か否かを判別する(SA212)。SA212において、選択したホールメニューが[時刻設定]であると判別した場合(SA212がYES判定の場合)、サブCPU201は、時刻設定処理を行う(SA213)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に時刻設定画面(図示省略)を表示し、操作者に設定されている時刻の確認及び変更を可能とする。
SA211で選択したホールメニューが[時刻設定]でないと判別した場合(SA212がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[トータルメダル情報]か否かを判別する(SA214)。選択したホールメニューが[トータルメダル情報]であると判別した場合(SA214がYES判定の場合)、サブCPU201は、トータルメダル情報処理を行う(SA215)。この処理では、サブCPU201は、表示装置にトータルメダル情報画面(図示省略)を表示し、操作者にトータルメダル情報の確認を可能とする。
SA211で選択したホールメニューが[トータルメダル情報]でないと判別した場合(SA214がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[設定変更・確認]か否かを判別する(SA216)。選択したホールメニューが[設定変更・確認]であると判別した場合(SA216がYES判定の場合)、サブCPU201は、設定変更・確認処理を行う(SA217)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に設定変更・確認画面(図示省略)を表示し、操作者に設定の確認及び変更を可能とする。
SA211で選択したホールメニューが[設定変更・確認]でないと判別した場合(SA216がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[エラー情報履歴]か否かを判別する(SA218)。選択したホールメニューが[エラー情報履歴]であると判別した場合(SA218がYES判定の場合)、サブCPU201は、エラー情報履歴処理を行う(SA219)。この処理では、サブCPU201は、表示装置にエラー情報履歴画面(図示省略)を表示し、操作者にエラー情報履歴の確認や変更を可能とする。
SA211で選択したホールメニューが[エラー情報履歴]でないと判別した場合(SA218がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[監視履歴]か否かを判別する(SA220)。選択したホールメニューが[監視履歴]であると判別した場合(SA220がYES判定の場合)、サブCPU201は、監視履歴処理を行う(SA221)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に、下ドア機構DDの開閉履歴情報を示す監視履歴画面を表示し、操作者に監視履歴の確認を可能とする。監視履歴画面の具体的な内容は、後で図65を参照して説明する。
SA221で選択したホールメニューが[監視履歴]でないと判別した場合(SA220がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[警告表示設定]か否かを判別する(SA222)。選択したホールメニューが[警告表示設定]であると判別した場合(SA222がYES判定の場合)、サブCPU201は、警告表示設定処理を行う(SA223)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に警告表示設定画面を表示し、操作者に警告表示設定の確認及び変更を可能とする。警告表示設定の具体的な内容は、後で図66を参照して説明する。SA223の処理を行うサブCPU201は、期間設定手段を構成する。
SA211で選択したホールメニューが[警告表示設定]でないと判別した場合(SA222がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[報知設定]か否かを判別する(SA224)。選択したホールメニューが[報知設定]であると判別した場合(SA224がYES判定の場合)、サブCPU201は、報知設定処理を行う(SA225)。この処理では、サブCPU201は、表示装置に報知設定画面(図示省略)を表示し、操作者に報知設定の確認及び変更を可能とする。
SA211で選択したホールメニューが[報知設定]でないと判別した場合(SA224がNO判定の場合)、サブCPU201は、SA211で選択したホールメニューは[メンテナンス]か否かを判別する(SA226)。選択したホールメニューが[メンテナンス]であると判別した場合(SA226がYES判定の場合)、サブCPU201は、メンテナンス処理を行う(SA227)。
SA211で選択したホールメニューが[メンテナンス]でないと判別した場合(SA226がNO判定の場合)、サブCPU201は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図63参照)のSA204に戻す。
また、SA215、SA217、SA219、SA221、SA223、SA225、SA227の処理後、サブCPU201は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図63参照)のSA204に戻す。
次に、サブCPU201がホールメニュー処理の監視履歴処理(図64のSA221)で表示装置に表示する監視履歴画面について、図65を参照して説明する。図65は、本実施形態における監視履歴画面の例を示す図である。
図65に示すように、監視履歴画面の略中央には、監視履歴表が配置されている。監視履歴表は、サブSRAM203bに記憶されている開閉履歴情報の一覧表である。監視履歴表では、10個の開閉履歴情報が表示可能である。
図65に示す監視履歴画面には、サブSRAM203bが記憶する最新10個の開閉履歴情報が表示されているが、当該監視履歴画面に対して上下方向へのスワイプ操作によりサブSRAM203bが記憶する他の開閉履歴情報を表示可能であり、最新10個の開閉履歴情報が表示されている監視履歴画面においては下方向へのスワイプ操作により最新10個の開閉履歴情報よりも前の開閉履歴情報を表示させることができる。なお、監視履歴画面に表示する開閉履歴情報の数は適宜設定可能である。
また、監視履歴画面の上方には、24hドア監視ユニット61のステータス情報(「UNIT STATUS」)、シリアルID(「UNIT SERIAL」)、プログラムバージョン(「UNIT VERSION」)が表示されている。これらの情報は、サブCPU201が、後述のドア監視タスク(図68参照)で起動シーケンスを実行し、24hドア監視ユニット61から取得するステータス情報、シリアルID、プログラムバージョンが表示される。また、監視履歴画面の左下部には、「戻る」に対応するアイコンが表示されており、当該アイコンが選択されると監視履歴画面の表示を終了してホールメニューを選択する画面に戻る。
次に、サブCPU201がホールメニュー処理の警告表示設定処理(図64のSA223)の具体的な内容を、図66を参照して説明する。図66は、本実施形態における警告表示設定画面の例を示す図である。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、指定時間、例えばパチスロ機1の電源がOFFになっている間に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報を、パチスロ機1の起動時(電源投入時)に表示する警告表示を行う。警告表示設定では、この指定時間と、警告表示を行う時間(表示時間)を設定する。なお、警告表示時に表示装置に表示される警告表示画面の具体的な内容は、後で図67を参照して説明する。
上述のように、ホールメニュー処理の警告表示設定処理(図64のSA223)において、サブCPU201は、図66に示す警告表示設定画面を表示する。警告表示設定画面の上方には、「ここで設定した指定時間の監視履歴が起動時に警告表示されます。」という文字列が表示される。また、警告表示設定画面の略中央には、初期値又は前回設定した表示時間と指定時間が表示されている。
図66に示すように、表示時間は、1秒~99分59秒の範囲で、設定可能となっている。表示時間は、4桁(分2桁、秒2桁)で表示されている。操作者は、例えば、設定したい桁をタッチ操作する。これにより、0~9までの数字を含むテンキー画像が表示されて当該数字へのタッチ操作により当該桁の数値を選択可能となる。このように、設定したい桁に対して、タッチ操作して数値を選択することにより、表示時間を変更させる。
また、図66に示すように、指定時間の開始時間及び終了時間が、それぞれ4桁(時2桁、分2桁で表示)で表示されている。操作者は、表示時間の変更操作と同様に、変更したい桁に対して、タッチ操作して表示されるテンキー画像から数値を選択することにより、指定時間の開始時間及び終了時間を変更させる。
警告表示設定画面の左下部には、「保存」に対応するアイコンと、「戻る」に対応するアイコンとが表示されている。「保存」に対応するアイコンが選択されると、サブCPU201は、警告表示設定画面に表示されている表示時間並びに指定時間の開始時間及び終了時間をサブSRAM203bに記憶させる。また、サブCPU201は、「保存」あるいは「戻る」に対応するアイコンが選択されたときに、警告表示設定画面の表示を終了させる。
次に、警告表示時に表示装置に表示される警告表示画面について、図67を参照して説明する。図67は、本実施形態における警告表示画面の例を示す図である。
図67に示すように、警告表示画面には、警告表示設定処理で設定した指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報が表示される。また、警告表示画面の左下部には、「終了」に対応するアイコンが表示されている。
サブCPU201は、パチスロ機1の起動時にサブ側の電源投入時処理を行い、その後に実行が開始される後述のドア監視タスク(図68参照)において、全履歴取得シーケンスが実行された後に、サブSRAM203bを参照し、記憶されている開閉履歴情報から、時間情報が指定時間内の開閉履歴情報を取得(抽出)し、表示装置に取得した開閉履歴情報を示す警告表示画面を表示させる。サブCPU201は、警告表示画面を表示させた後、定期的にサブRTC208から現在時刻を取得し、警告表示画面を表示させてからの経過時間がサブSRAM203bに記憶されている表示時間に達した時や、「終了」に対応するアイコンが選択された時に、警告表示画面の表示を終了させる。なお、起動時に全履歴取得シーケンスを実行し、開閉履歴情報を取得するサブCPU201は、開閉履歴取得手段を構成する。また、サブSRAM203bに記憶されている開閉履歴情報から、時間情報が指定時間内の開閉履歴情報を取得(抽出)するサブCPU201は、開閉履歴抽出手段を構成する。
なお、サブSRAM203bに時間情報が指定時間内の開閉履歴情報がない場合は、開閉履歴情報がない警告表示画面が表示装置に表示される。この場合は、当該警告表示画面を視た者は、指定時間内に下ドア機構DDの開閉がなかったことを把握できる。
(3)ドア監視タスク
次に、図68を参照して、ドア監視タスクについて説明する。図68は、本実施形態におけるドア監視タスクの例を示すフローチャートである。
ドア監視タスクは、パチスロ機1の起動時であってサブ側の電源投入時処理が行われた後に実行が開始される。ドア監視タスクにおいて、サブCPU201は、まず、上述の起動シーケンスと、全履歴取得シーケンスを実行対象のシーケンスとしてセットする(SA231)。
次いで、サブCPU201は、第1ドア監視カウンタを1加算する(SA232)。第1ドア監視カウンタの値は、サブDRAM203aの第1ドア監視カウンタ格納領域に記憶される。
次いで、サブCPU201、第1ドア監視カウンタの値が25以上か否かを判別する(SA233)。SA233において、サブCPU201が、第1ドア監視カウンタの値が25以上でないと判別したとき(SA233がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のSA240の処理を行う。一方、SA233において、第1ドア監視カウンタの値が25以上であると判別したとき(SA233がYES判定の場合)、サブCPU201は、第1ドア監視カウンタをクリアする(SA234)。
次いで、サブCPU201は、第2ドア監視カウンタを1加算する(SA235)。第2ドア監視カウンタの値は、サブDRAM203aの第2ドア監視カウンタ格納領域に記憶される。
次いで、サブCPU201、第2ドア監視カウンタの値が7200以上か否かを判別する(SA236)。SA236において、サブCPU201が、第2ドア監視カウンタの値が7200以上であると判別したとき(SA236がYES判定の場合)、サブCPU201は、実行対象のシーケンスとして、第2状態検知シーケンスをセットする(SA237)。すなわち、SA231の処理で起動シーケンスと全履歴取得シーケンスにセットした実行対象のシーケンスを、第2状態検知シーケンスに変更する。
次いで、サブCPU201は、第2ドア監視カウンタの値をクリアする(SA238)。そして、サブCPU201は、後述のSA240の処理を行う。
一方、SA236において、第2ドア監視カウンタの値が7200以上でないと判別したとき(SA236がNO判定の場合)、サブCPU201は、実行対象のシーケンスとして、第1状態検知シーケンスをセットする(SA239)。すなわち、SA231の処理で起動シーケンスと全履歴取得シーケンスにセットした実行対象のシーケンスを、第1状態検知シーケンスに変更する。そして、サブCPU201は、後述のSA240の処理を行う。
SA240において、サブCPU201は、シーケンス制御処理を行う(SA280)。この処理において、サブCPU201は、SA231(図43のNo1とNo4)、SA237(図43のNo2、条件によりNo3まで)又はSA239(図43のNo12)において実行対象としてセットしたシーケンスを実行する。
次に、サブCPU201は、リクエストがあるか否かを判別する(SA241)。リクエストとは、サブCPU201が24hドア監視ユニット61に所定の動作を要求することであり、所定の契機(所定期間の経過など)や操作者からの入力に基づいて発生する。サブCPU201は、リクエストが発生すると、発生したリクエストに応じた特権コマンド又は一般コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。SA241において、リクエストがないと判別したとき(SA241がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のSA243の処理を行う。
一方、SA241において、リクエストがあると判別したとき(SA241がYES判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視送信処理を行う(SA242)。ドア監視送信処理の具体的な内容については、後で図69を参照して説明する。そして、サブCPU201は、後述のSA243の処理を行う。
SA243において、サブCPU201は、ドア監視受信処理を行う(SA243)。ドア監視受信処理において、サブCPU201は、24hドア監視ユニット61からアンサを受信する。ドア監視受信処理の具体的な内容については、後で図73を参照して説明する。
SA243の後、サブCPU201は、処理をSA232に戻す。以降、サブCPU201は、SA232~SA243の処理を20msec毎に繰り返す。したがって、本実施形態において、第1ドア監視カウンタが25以上になるのは、500msecである。このため、サブCPU201は、500msec毎に第1状態検知シーケンスを実行する。ただし、500msecの周期のタイミングであっても、第2状態検知シーケンスを実行するときは、第1状態検知シーケンスは行わない。
また、本実施形態において、500msec毎に1加算される第2ドア監視カウンタが7200以上になるのは、3600000msec(1時間)である。このため、サブCPU201は、1時間毎に第2状態検知シーケンスを実行する。なお、SA233で第1ドア監視カウンタと比較する値及びSA237で第2ドア監視カウンタと比較する値は、適宜設定可能である。すなわち、第1状態検知シーケンス及び第2状態検知シーケンスの実行する周期は適宜設定可能である。
次に、ドア監視タスクのドア監視送信処理(図68のSA242)の具体的な内容を、図69を参照して説明する。図69は、本実施形態におけるドア監視送信処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視送信処理において、サブCPU201は、リクエストは特権コマンドであるか否かを判別する(SA251)。すなわち所定の契機(所定期間の経過など)や操作者からの入力に基づいて発生したリクエストが特権コマンドに係るリクエストであるか否かを判別する。
SA251において、リクエストは特権コマンドでないと判別したとき(SA251がNO判定の場合)、サブCPU201は、後述のSA254の処理を行う。一方、SA251において、リクエストは特権コマンドであると判別したとき(SA251がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aの特権フラグ格納領域に記憶されている特権フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA252)。特権フラグは、サブCPU201が24hドア監視ユニット61からログイン許可(OK)の旨のアンサを受信した場合に、後述のログイン受信時処理(図77参照)において、ONに設定される。
SA252において、特権フラグがONに設定されていないと判別したとき(SA252がNO判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視送信処理を終了する。一方、SA252において、特権フラグがONに設定されていると判別したとき(SA252がYES判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視特権コマンド送信処理を行う(SA253)。この処理で、サブCPU201は、各種特権コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。ドア監視特権コマンド送信処理の具体的内容については、後で図70を参照して説明する。
ここで、SA251の処理の説明に戻って、リクエストは特権コマンドでないと判別したとき(SA251がNO判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視一般コマンド送信処理を行う(SA254)。この処理で、サブCPU201は、各種一般コマンドを24hドア監視ユニット61に送信する。ドア監視一般コマンド送信処理の具体的内容については、後で図71を参照して説明する。
(4)ドア監視特権コマンド送信処理
次に、サブCPU201がドア監視送信処理のドア監視特権コマンド送信処理(図69のSA253)の具体的な内容を、図70を参照して説明する。図70は、本実施形態におけるドア監視特権コマンド送信処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視特権コマンド送信処理において、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが初期化コマンドであるか否かを判別する(SA261)。SA261において、リクエストに係る特権コマンドが初期化コマンドであると判別したとき(SA261がYES判定の場合)、サブCPU201は、初期化コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(初期化)を行う(SA262)。
一方、SA261において、リクエストに係る特権コマンドが初期化コマンドでないと判別したとき(SA261がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが時計セットコマンドであるか否かを判別する(SA263)。SA263において、リクエストに係る特権コマンドが時計セットコマンドであると判別したとき(SA263がYES判定の場合)、サブCPU201は、時計セットコマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(RTC)を行う(SA264)。なお、この時計セットコマンドには、サブRTC208が計時する時刻(設定側時刻)を示す時刻情報である年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報(設定側時刻情報)が付随する。なお、サブRTC208が計時する時刻は、例えば、操作者からの入力に基づいて(例えば、ホスト機器が副制御回路200であれば、ホールメニュー処理の時刻設定処理(図64のSA213))で変更可能である。
一方、SA263において、リクエストに係る特権コマンドが時計セットコマンドでないと判別したとき(SA263がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドであるか否かを判別する(SA265)。SA265において、リクエストに係る特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドであると判別したとき(SA265がYES判定の場合)、サブCPU201は、監視間隔時間設定コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(間隔時間)を行う(SA266)。なお、この監視間隔時間設定コマンドには、例えば、操作者からの入力に基づくカウント数が付随する。
一方、SA265において、リクエストに係る特権コマンドが監視間隔時間設定コマンドでないと判別したとき(SA265がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが記録開始時間設定コマンドであるか否かを判別する(SA267)。SA267において、リクエストに係る特権コマンドが記録開始時間設定コマンドであると判別したとき(SA267がYES判定の場合)、サブCPU201は、記録開始時間設定コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(開始時間)を行う(SA268)。なお、この記録開始時間設定コマンドには、例えば、操作者からの入力に基づくカウント数が付随する。
一方、SA267において、リクエストに係る特権コマンドが記録開始時間設定コマンドでないと判別したとき(SA267がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが記録モード設定コマンドであるか否かを判別する(SA269)。SA269において、リクエストに係る特権コマンドが記録モード設定コマンドであると判別したとき(SA269がYES判定の場合)、サブCPU201は、記録モード設定コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(記録設定)を行う(SA270)。なお、この記録モード設定コマンドには、例えば、操作者からの入力に基づく記録モードの種別(「常時記録モード」、「無記録モード」)を示す情報が付随する。
一方、SA269において、リクエストに係る特権コマンドが記録モード設定コマンドでないと判別したとき(SA269がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る特権コマンドが秘密鍵設定コマンドであるか否かを判別する(SA271)。SA271において、リクエストに係る特権コマンドが秘密鍵設定コマンドであると判別したとき(SA271がYES判定の場合)、サブCPU201は、秘密鍵設定コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(秘密鍵)を行う(SA272)。なお、この秘密鍵設定コマンドには、設定に係る秘密鍵が付随する。そして、サブCPU201は、ドア監視特権コマンドを終了し、処理をドア監視タスク(図68参照)のSA243に戻す。
また、SA262、SA264、SA266、SA268、SA270、SA272、SA227の処理後、サブCPU201は、ドア監視特権コマンドを終了し、処理をドア監視タスク(図68参照)のSA243に戻す。
(5)ドア監視一般コマンド送信処理
次に、サブCPU201がドア監視送信処理のドア監視一般コマンド送信処理(図69のSA254)の具体的な内容を、図71を参照して説明する。図71は、本実施形態におけるドア監視一般コマンド送信処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視一般コマンド送信処理において、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドがシリアルIDコマンドであるか否かを判別する(SA281)。SA281において、リクエストに係る一般コマンドがシリアルIDコマンドであると判別したとき(SA281がYES判定の場合)、サブCPU201は、シリアルIDコマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(シリアルID)を行う(SA282)。
一方、SA281において、リクエストに係る一般コマンドがシリアルIDコマンドでないと判別したとき(SA281がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドがバージョン要求コマンドであるか否かを判別する(SA283)。SA283において、リクエストに係る一般コマンドがバージョン要求コマンドであると判別したとき(SA283がYES判定の場合)、サブCPU201は、バージョン要求コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(バージョン要求)を行う(SA284)。
一方、SA283において、リクエストに係る一般コマンドがバージョン要求コマンドでないと判別したとき(SA283がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドが乱数コマンドであるか否かを判別する(SA285)。SA285において、リクエストに係る一般コマンドが乱数コマンドであると判別したとき(SA285がYES判定の場合)、サブCPU201は、乱数コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(乱数)を行う(SA286)。
一方、SA285において、リクエストに係る一般コマンドが乱数コマンドでないと判別したとき(SA285がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドがログインコマンドであるか否かを判別する(SA287)。SA287において、リクエストに係る一般コマンドがログインコマンドであると判別したとき(SA287がYES判定の場合)、サブCPU201は、ログインコマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(ログイン)を行う(SA288)。なお、このログインコマンドには、例えば、後述の乱数受信時処理(図76)において生成され、パスワード格納領域に保存されたパスワードが付随する。SA288の処理を行うサブCPU201は、認証情報送信手段を構成する。
一方、SA287において、リクエストに係る一般コマンドがログインコマンドでないと判別したとき(SA287がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドがログアウトコマンドであるか否かを判別する(SA289)。SA289において、リクエストに係る一般コマンドがログアウトコマンドであると判別したとき(SA289がYES判定の場合)、サブCPU201は、ログアウトコマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(ログアウト)を行う(SA290)。
一方、SA289において、リクエストに係る一般コマンドがログアウトコマンドでないと判別したとき(SA289がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドが時計読出コマンドであるか否かを判別する(SA291)。SA291において、リクエストに係る一般コマンドが時計読出コマンドであると判別したとき(SA291がYES判定の場合)、サブCPU201は、時計読出コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(時計読出)を行う(SA292)。
一方、SA291において、リクエストに係る一般コマンドが時計読出コマンドでないと判別したとき(SA291がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドが最新番号コマンドであるか否かを判別する(SA293)。SA293において、リクエストに係る一般コマンドが最新番号コマンドであると判別したとき(SA293がYES判定の場合)、サブCPU201は、最新番号コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(最新番号)を行う(SA294)。
一方、SA293において、リクエストに係る一般コマンドが最新番号コマンドでないと判別したとき(SA293がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであるか否かを判別する(SA295)。SA295において、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドであると判別したとき(SA295がYES判定の場合)、サブCPU201は、開閉履歴情報読出コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(履歴情報読出)を行う(SA296)。なお、この開閉履歴情報読出コマンドには、開閉履歴情報を読出す先の開閉履歴情報格納領域の番号を示す情報が付随する。
一方、SA295において、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報読出コマンドでないと判別したとき(SA295がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドであるか否かを判別する(SA297)。SA297において、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドであると判別したとき(SA297がYES判定の場合)、サブCPU201は、開閉履歴情報数コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(開閉履歴情報数)を行う(SA298)。
一方、SA297において、リクエストに係る一般コマンドが開閉履歴情報数コマンドでないと判別したとき(SA297がNO判定の場合)、サブCPU201は、リクエストに係る一般コマンドがステータス読出コマンドであるか否かを判別する(SA299)。SA299において、リクエストに係る一般コマンドがステータス読出コマンドであると判別したとき(SA299がYES判定の場合)、サブCPU201は、ステータス読出コマンドを24hドア監視ユニット61に送信するドア監視コマンド送信処理(ステータス読出)を行う(SA300)。そして、サブCPU201は、ドア監視一般コマンドを終了し、処理をドア監視タスク(図68参照)のSA243に戻す。
また、SA282、SA284、SA286、SA288、SA290、SA292、SA294、SA296、SA298、SA300の処理後、サブCPU201は、ドア監視一般コマンドを終了し、処理をドア監視タスク(図68参照)のSA243に戻す。
(6)ドア監視受信割込み処理
次に、サブCPU201が、24hドア監視ユニット61からコマンドやデータを1バイト受信する毎に、実行するドア監視受信割込み処理について、図72を参照して説明する。図72は、本実施形態におけるドア監視受信割込み処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視受信割込み処理において、サブCPU201は、まず、受信したデータが「STX」であるか否かを判別する(SA301)。SA301において、受信したデータが「STX」であると判別したとき(SA301がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aのサブ受信バッファ及びサブ受信カウンタ格納領域に記憶されている受信カウンタの値に「1」を設定し、且つ、サブDRAM203aのサブETX受信フラグ格納領域に記憶しているサブETX受信フラグをOFFに設定する(SA302)。そして、サブCPU201は、ドア監視受信割込み処理を終了する。
一方、SA301において、受信したデータが「STX」でないと判別したとき(SA301がNO判定の場合)、サブCPU201は、サブ受信カウンタ格納領域に記憶されているサブ受信カウンタの値に対応するサブ受信バッファに受信したデータを記憶させる(SA303)。
次いで、サブCPU201は、サブ受信カウンタの値に1を加算する(SA304)。次いで、サブCPU201は、受信データが「ETX」であるか否かを判別する(SA305)。SA305において、受信データが「ETX」であると判別したとき(SA305がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aのサブETX受信フラグ格納領域に記憶されているサブETX受信フラグをONに設定する。また、サブDRAM203aのサブサムカウンタの値をクリアする(SA306)。そして、サブCPU201は、ドア監視受信割込み処理を終了する。
一方、SA305において、受信データが「ETX」でないと判別したとき(SA305がNO判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aのサブETX受信フラグ格納領域に記憶されているサブETX受信フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA307)。SA307において、サブETX受信フラグがONに設定されていると判別したとき(SA307がYES判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視受信割込み処理を終了する。
SA307において、サブETX受信フラグがONに設定されていないと判別したとき(SA307がNO判定の場合)、サブサムカウンタの値に1を加算する(SA308)。
次いで、サブCPU201は、サブサムカウンタの値が2であるか否かを判別する(SA309)。SA309において、サブサムカウンタの値が2でないと判別したとき(SA309がNO判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視受信割込み処理を終了する。一方、SA309において、サブサムカウンタの値が2であると判別したとき(SA309がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aのサブ受信完了フラグ格納領域に記憶されているサブ受信完了フラグをONに設定し(SA301)、ドア監視受信割込み処理を終了する。
(7)ドア監視受信処理
次に、ドア監視タスク(図68参照)のSA243におけるドア監視受信処理について、図73を参照して説明する。図73は、本実施形態におけるドア監視受信処理の例を示すフローチャートである。
ドア監視受信処理において、サブCPU201は、まず、サブDRAM203aのサブ受信完了フラグ格納領域に記憶されているサブ受信完了フラグがONに設定されているか否かを判別する(SA311)。SA3111において、サブ受信完了フラグがONに設定されていないと判別したとき(SA311がNO判定の場合)、サブCPU201は、ドア監視受信処理を終了し、処理をドア監視タスク(図68参照)のSA232に戻す。
一方、SA311において、サブ受信完了フラグがONに設定されていると判別したとき(SA311がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブ受信完了フラグをOFFに設定する(SA312)。
次いで、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を行う(SA313)。特権アンサ受信処理では、サブCPU201は、送信した特権コマンドへの返信として24hドア監視ユニット61から受信したアンサに対応した各種処理を行う。特権アンサ受信処理の具体的な内容は、後で図74を参照して説明する。
次いで、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を行う(SA314)。一般アンサ受信処理では、サブCPU201は、送信した一般コマンドへの返信として24hドア監視ユニット61から受信したアンサに対応した各種処理を行う。一般アンサ受信処理の具体的な内容は、後で図75を参照して説明する。そして、サブCPU201は、ドア監視受信処理を終了する。
(8)特権アンサ受信処理
次に、ドア監視受信処理(図73参照)のSA313における特権アンサ受信処理について、図74を参照して説明する。図74は、本実施形態における特権アンサ受信処理の例を示すフローチャートである。
特権アンサ受信処理において、サブCPU201は、まず、受信したアンサが初期化コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA321)。SA321において、受信したアンサが初期化コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA321がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認する初期化受信時処理を行う(SA322)。その後、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA321において、受信したアンサが初期化コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA321がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが時計セットコマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA323)。SA323において、受信したアンサが時計セットコマンドに対するアンサであると判別したとき(SA323がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認する時計セット受信時処理を行う(SA324)。その後、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA323において、受信したアンサが時計セットコマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA323がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが監視間隔時間設定コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA325)。SA325において、受信したアンサが監視間隔時間設定コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA325がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認する監視間隔時間設定受信時処理を行う(SA326)。その後、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA325において、受信したアンサが監視間隔時間設定コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA325がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが記録開始時間設定コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA327)。SA327において、受信したアンサが記録開始時間設定コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA327がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認する記録開始時間設定受信時処理を行う(SA328)。その後、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA327において、受信した記録開始時間設定コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA327がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが記録モード設定コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA329)。SA329において、受信したアンサが記録モード設定コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA329がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認する記録モード設定受信時処理を行う(SA330)。その後、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA329において、受信した記録モード設定コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA329がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが秘密鍵設定コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA331)。SA331において、受信したアンサが秘密鍵設定コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA331がNO判定の場合)、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA331において、受信したアンサが秘密鍵設定コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA331がYES判定の場合)、サブCPU201は、アンサ内容を確認し、設定結果がNGであるか否かを判別する(SA332)。SA332において、設定結果がNGでないと判別したとき(SA332がNO判定の場合)、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
一方、SA332において、設定結果がNGであると判別したとき(SA332がYES判定の場合)、サブCPU201は、表示装置に秘密鍵を設定できなかった旨を示す画面である設定NG画面の表示を要求し(SA333)、表示装置に該設定NG画面を表示させる。そして、サブCPU201は、特権アンサ受信処理を終了する。
なお、特権アンサ受信処理における受信したアンサの種別を判別する処理(SA321,SA323,SA325,SA327,SA329,SA331)において、サブCPU201は、サブDRAM203aの受信バッファを参照し、受信したデータ(アンサ)に含まれているコマンドのID(図40参照)に基づいてアンサの種別を判別する。
(9)一般アンサ受信処理
次に、ドア監視受信処理(図73参照)のSA314における一般アンサ受信処理について、図75を参照して説明する。図75は、本実施形態における一般アンサ受信処理の例を示すフローチャートである。
一般アンサ受信処理において、サブCPU201は、まず、受信したアンサがシリアルIDコマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA341)。SA341において、受信したアンサがシリアルIDコマンドに対するアンサであると判別したとき(SA341がYES判定の場合)、サブCPU201は、シリアルID受信時処理を行う(SA342)。この処理で、サブCPU201は、サブSRAM203bのシリアルID格納領域に記憶されているシリアルIDと、受信したアンサに付随するシリアルIDとを比較し、一致しない場合は、図47に示す警告画面を表示装置に表示する第3警告表示処理を行う。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA341において、受信したアンサがシリアルIDコマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA341がNO判定の場合)、制御LSI300は、受信したアンサがバージョン要求コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA343)。SA343において、受信したアンサがバージョン要求コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA343がYES判定の場合)、制御LSI300は、バージョン受信時処理を行う(SA344)。この処理で、サブCPU201は、サブSRAM203bのバージョン格納領域に記憶されているプログラムバージョンと、受信したアンサに付随するプログラムバージョンとを比較し、一致しない場合は、上述の第2警告表示処理を行う。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA343において、受信したアンサがバージョン要求コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA343がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信アンサが乱数コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA345)。SA345において、受信したアンサが乱数コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA345がYES判定の場合)、サブCPU201は、乱数受信時処理を行う(SA346)。乱数受信時処理の具体的内容については、後で図76を参照して説明する。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA345において、受信したアンサが乱数コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA345がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサがログインコマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA347)。SA347において、受信したアンサがログインコマンドに対するアンサであると判別したとき(SA347がYES判定の場合)、サブCPU201は、ログイン受信時処理を行う(SA348)。ログイン受信時処理の具体的内容については、後で図77を参照して説明する。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA347において、受信したアンサがログインコマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA347がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサがログアウトコマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA349)。SA349において、受信したアンサがログアウトコマンドに対するアンサであると判別したとき(SA349がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aの特権フラグ格納領域に記憶されている特権フラグをOFFに設定する(SA350)。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA349において、受信したアンサがログアウトコマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA349がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが時計読出コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA351)。SA351において、受信したアンサが時計読出コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA351がYES判定の場合)、サブCPU201は、時計読出受信時処理を行う(SA352)。時計読出受信時処理の具体的内容については、後で図78を参照して説明する。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA351において、受信したアンサが時計読出コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA351がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが最新番号コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA353)。SA353において、受信したアンサが最新番号コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA353がYES判定の場合)、サブCPU201は、最新番号受信時処理を行う(SA354)。この処理で、サブCPU201は、サブSRAM203bの最新番号格納領域に、アンサに付随する最新番号を記憶(上書き)する。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA353において、受信したアンサが最新番号コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA353がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが開閉履歴情報読出コマンドに対するであるか否かを判別する(SA355)。サブCPU201は、SA355において、受信したアンサが開閉履歴情報読出コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA355がYES判定の場合)、サブCPU201は、開閉履歴情報受信時処理を行う(SA356)。この処理で、サブCPU201は、アンサに付随する開閉履歴情報を、サブSRAM203bの開閉履歴格納領域に記憶させる。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA355において、受信したアンサが開閉履歴情報読出コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA355がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサが開閉履歴情報数コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA357)。SA357において、受信したアンサが開閉履歴情報数コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA357がYES判定の場合)、サブCPU201は、開閉履歴情報数受信時処理を行う(SA358)。この処理で、サブCPU201は、アンサに付随する開閉履歴情報数を記憶させる。そして、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
一方、SA357において、受信したアンサが開閉履歴情報数コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA357がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したアンサがステータス読出コマンドに対するアンサであるか否かを判別する(SA359)。SA359において、受信したアンサがステータス読出コマンドに対するアンサであると判別したとき(SA359がYES判定の場合)、ステータス受信時処理を行う(SA360)。この処理で、サブCPU201は、アンサに付随する開閉履歴情報をサブDRAM203aのステータス格納領域に記憶させ、開閉履歴情報のドア開閉状態がOPENの場合、ドア開放状態の報知が行われていないときには、ドア開放状態である旨の報知(例えば、表示装置の表示部に「ドアが開いています」の表示、及び、スピーカの全て又はいずれかのスピーカから警告音を出音)を行う。開閉履歴情報のドア開閉状態がCLOSEの場合、ドア開放状態の報知が行われている場合には、ドア開放状態の報知を終了する。ステータス読出コマンド受信時処理を行うサブCPU201は、ステータス取得手段を構成する。そして、制御LSI300は、一般コマンド受信時処理を終了する。
一方、SA359において、受信したアンサがステータス読出コマンドに対するアンサでないと判別したとき(SA359がNO判定の場合)、サブCPU201は、一般アンサ受信処理を終了する。
(10)乱数受信時処理
次に、一般アンサ受信処理(図75参照)のSA346における乱数受信時処理について、図76を参照して説明する。図76は、本実施形態における乱数受信時処理の例を示すフローチャートである。
乱数受信時処理において、サブCPU201は、サブSRAM203bの秘密鍵格納領域に記憶されている秘密鍵を取得する(SA361)。
次いで、サブCPU201は、サブDRAM203aの受信バッファから24hドア監視ユニット61から受信した乱数を取得する(SA362)。
次いで、サブCPU201は、取得した乱数と秘密鍵を用いて、パスワードを生成するパスワード生成処理を行う(SA363)。なお、この処理において、サブCPU201は、上述の制御LSI300が実行する乱数コマンド受信時処理(図58参照)のSA123と同様の方法(計算)でパスワードを生成する。SA363の処理を行うサブCPU201は、設定側認証情報生成手段を構成する。
次いで、サブCPU201は、生成したパスワードをサブSRAM203bのパスワード格納領域に記憶させる(SA364)。そして、サブCPU201は、乱数受信時処理を終了する。
(11)ログイン受信時処理
次に、一般アンサ受信処理(図75参照)のSA348におけるログイン受信時処理について、図77を参照して説明する。図77は、本実施形態におけるログイン受信時処理の例を示すフローチャートである。
ログイン時処理において、サブCPU201は、サブDRAM203aの受信バッファからログインコマンドに対するアンサを取得する(SA371)。
次いで、サブCPU201は、取得したアンサの内容がログイン許可(OK)であるか否かを判別する(SA372)。SA372の処理において、取得したアンサの内容がログイン許可(OK)であると判別したとき(SA372がYES判定の場合)、サブCPU201は、サブDRAM203aの特権フラグ格納領域に記憶されている特権フラグをONに設定する(SA373)。そして、サブCPU201は、ログイン受信時処理を終了する。
一方、SA372において、取得したアンサの内容がログイン許可(OK)でないと判別したとき(SA372がNO判定の場合)、サブCPU201は、特権フラグをOFFに設定する(SA374)。そして、サブCPU201は、ログイン受信時処理を終了する。なお、この場合、サブCPU201は、表示装置に図46に示す警告画面を表示させる。
(12)時計読出受信時処理
次に、一般アンサ受信処理(図75参照)のSA352における時計読出受信時処理について、図78を参照して説明する。図78は、本実施形態における時計読出受信時処理の例を示すフローチャートである。
時計読出時処理において、サブCPU201は、サブDRAM203aの受信バッファを参照し、時計読出コマンドのアンサに付随する時刻情報(日時データ)と、副制御基板72のサブRTC208から取得した時刻情報とを比較し、差分が所定時間(本実施形態では3分)以上あるか否かを判別する(SA381)。なお、本実施形態では、上記所定時間を3分と設定した態様を説明したが、この所定時間は任意に設定可能である。
SA381において、差分が3分以上あると判別したとき(SA381がYES判定の場合)、サブCPU201は、時計セットシーケンスを実行する(SA382)。そして、サブCPU201は、時計読出受信時処理を終了する。なお、SA381の判別の結果、SA382で時計セットシーケンスを実行し、当該シーケンス内でサブRTC208が計時する時刻(日時)を示す時刻情報を24hドア監視ユニット61へ送信するサブCPU201は、設定側時刻送信手段を構成する。
SA381において、差分が3分以上でないと判別したとき(SA381がNO判定の場合)サブCPU201は、時計読出受信時処理を終了する。
(13)電断期間に基づく警告報知
上述したパチスロ機1のような遊技機では、バッテリーを有する24hドア監視ユニットを搭載することにより、電源供給中のみならず電源供給の停止中(「電断中」、及び、「電断期間」とも称する)においても前扉の開閉を監視可能とし、副制御回路によって、24hドア監視ユニット61の監視結果(電断時の監視結果を含む)として開閉情報を報知可能であり(図65参照)、さらには指定時間内の開閉情報をも報知可能である(図67参照)。
しかし、電断期間が長期間に亘る場合には、バッテリーが蓄電している電力を消耗してしまい、24hドア監視ユニット61による監視が不可能となる。現に製造メーカの都合や遊技機の配送・設置などの作業が生じることなどに起因して、例えば、受注台数によって工場で遊技機を製造するため1台目から最終台数目までに要する期間や、工場にて遊技機を製造・出荷してからホールに設置されるまでの間や、あるホールに設置されている遊技機を撤去して他のホールに移設するまでの間などにおいて、電断期間が長期間に亘ってしまうケースが発生し得る。その結果、バッテリー切れのため24hドア監視ユニットによる監視が不可能となるとともに、そのようなタイミングを狙って不正行為が行われてしまう虞があるところ、ホールの操作者(店員・管理者)などは24hドア監視ユニットによる監視が不可能となっていたことを把握できず、このような不正行為が看過されてしまう可能性を生じさせてしまうなどといった課題が生じる。
このような課題を考慮し、本実施形態におけるパチスロ機1では、電源投入時において、電断期間が所定期間(閾値)を超えているときに警告報知(特定報知の一例)を行う。これにより、バッテリー切れにより24hドア監視ユニット61による監視ができていない可能性を示唆することにより、電源投入した操作者に対してパチスロ機1の筐体内の目視確認などを操作者に促すことにより、電断期間中における不正行為が看過されてしまうことを抑止でき、不正行為による被害の発生を最小限に抑えることができる。以下では、パチスロ機1における電断期間に基づく警告報知に関する技術内容について説明する。
パチスロ機1におけるサブCPU201は、電源が遮断(断絶)されるときに電源遮断時処理を行い、電源が投入されたときに電源投入時処理(図33のS302参照)を行う。なお、電源が遮断されるときとは、例えば電源装置34からの供給電圧が所定の電断値以下となるときなどであり、電源が投入されたときとは、例えば電源装置34からの供給電圧が所定の投入値以上となるときなどである。電源遮断時処理および電源投入時処理には、電断期間に基づく警告報知を行うための処理が含まれる。以下では、電源遮断時処理および電源投入時処理のうち、電断期間に基づく警告報知を行うための処理について説明する。
まず、図79を参照して、電源遮断時処理のうち電断期間に基づく警告報知を行うための処理について説明する。図79は、電源遮断時処理のうち電断期間に基づく警告報知を行うための処理の手順の一例を示すフローチャートである。
電源遮断時において、サブCPU201は、サブRTC208から現在の日時(例えば、年/月/日 時:分:秒)を取得し、当該日時を特定するための日時情報をバックアップ日時としてバックアップメモリ(サブSRAM203b)に保存する(SA400)。これにより、次回電源が投入されたときに電源遮断時の日時を特定して電断期間を算出可能となる。
続いて、サブCPU201は、バックアップメモリのサム値を作成(算出)し、バックアップメモリの予め定められているサム値格納領域に当該サム値を保存する(S401)。サム値としては、例えば、遊技情報や、各種履歴情報、各種設定情報などに対して、SA400で保存されたバックアップ日時を加えた判定値が作成される。なお、遊技情報は、例えば、遊技状態や、演出状態、実行中の演出データなどを特定するための情報を含む。各種履歴情報は、例えば、エラーの発生履歴や、監視履歴画面(図65参照)の監視履歴、警告表示画面(図67参照)の開閉履歴や、設定変更・設定確認の履歴などを特定するための情報を含む。各種設定情報は、例えば、ホールメニューにおける省電力モード設定(例えば、エコモード、音量、発光量など)での設定状態などを特定するための情報を含む。
次に、図80~図82を参照して、電源投入時処理のうち電断期間に基づく警告報知を行うための処理および警告報知画面例について説明する。図80は、電源投入時処理のうち電断期間に基づき警告報知を行うための電源OFF経過時間処理の手順の一例を示すフローチャートである。図81は、電断期間に基づく警告報知画面の例を示す図である。図82は、電源投入時処理のうち電断期間に基づく警告報知を終了させるまでの警告報知中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
電源投入時処理においては、例えば電源投入時における初期化処理や図79のSA401で保存されたサム値を用いたバックアップデータの正否判定処理などの電源投入時に必要な各種処理を行った後に、図80に示す電源OFF経過時間処理を1回だけ行う。一方、図82に示す警告報知中処理は、電源投入時処理において、例えば図80に示す電源OFF経過時間処理が行われた後において実行される処理であり、警告報知中においては当該警告報知が終了するまで繰り返し実行される。なお、図63で示したホールメニュータスクおよび図68で示したドア監視タスクなどの処理や、図65~図67で示した画面などを表示するための処理は、前述したとおり、電源投入時処理(図80および図82を含む各種処理)が行われた後に実行可能となる。
電源投入時において、サブCPU201は、バックアップメモリに保存されているバックアップ日時を取得するための処理を行い(SA410)、バックアップ日時がある(つまり保存されてあり取得できる)か否かを判定する(SA411)。バックアップ日時があると判定されなかったときには、電源OFF経過時間処理を終了する。例えば、工場などにて遊技機完成時に行われる通電試験で初めて電源投入された場合などには、一度も電源遮断が発生しておらずバックアップ日時が存在しないこととなる。また、バックアップ日時が存在しない場合には、例えば、正常な日時情報(年(西暦)であれば例えば「2000~2099」の範囲内、月/日 時:分:秒についても実際に取り得る値の範囲内)ではない情報が記憶されている場合(例えば、初期値として正常ではない情報が記憶されている場合やバックアップエラーなどにより正常ではない情報が記憶されている場合など)も該当する。
一方、SA411においてバックアップ日時があると判定されたときには、サブCPU201は、サブRTC208から現在の日時を取得する(SA412)。続いて、サブCPU201は、SA412で取得した現在の日時からバックアップ日時を差し引いた値(電断期間、日時差分)を特定し、特定された値が閾値よりも大きい(超えている)か否かを判定する(SA413)。閾値は、例えば、30日(=720時間)に相当する値が定められている。このため、SA413では電断期間が30日を超えているか否かが判定されることとなる。なお、閾値は、30日に相当する値に限らず、バッテリー302の蓄電容量に応じた値であって、例えばバッテリー302がフル充電された状態で当該バッテリー302のみ(電源投入されることなく)で24hドア監視ユニット61を稼働し得る時間として実証試験等により検証された時間(日数)を基準として定められる値であればよく、検証された時間(日数)の平均値よりも短い時間(日数)に相当する値などであってもよい。
SA412で取得した現在の日時からバックアップ日時を差し引いた値が閾値よりも大きいと判定されなかったときには、サブRTC208は、電源OFF経過時間処理を終了する。これにより、電断期間が閾値(例えば、30日)を超えていなければ、バッテリー切れになっておらず24hドア監視ユニット61による監視ができていたものとみなして、警告報知が行われることはない。その結果、警告報知が必要以上に過度に行われてしまうことを防止でき、警告報知の精度を高めることにより当該警告報知が行われたときの操作者の警戒感や注意力をより一層高めることができる。
一方、SA412で取得した現在の日時からバックアップ日時を差し引いた値が閾値よりも大きいと判定されたときには、サブRTC208は、警告画像の報知設定を行い(SA414)、警告音の報知設定を行い(SA415)、警告ランプの報知設定を行い(SA416)、電源OFF経過時間処理を終了する。これらの報知設定が行われることにより、表示装置において警告報知画面が表示され、LED群において警告発光パターンでの発光制御が行われ、スピーカ群において警告音の出力制御が行われる。
警告報知画面では、図81に示すように、略中央に警告メッセージの画像が表示される。警告メッセージの画像には、「24hドア監視ユニットで扉の開閉の監視ができない期間が発生した可能性があります。」といった監視できていない可能性を示唆する示唆メッセージの示唆画像と、「遊技機内部を確認してください。」といった操作者に遊技機内部の確認を促す促進メッセージ(警告メッセージともいえる)の促進画像とが含まれている。これにより、24hドア監視ユニット61による監視ができていない可能性があることを操作者が把握でき、操作者の警戒感や注意力を高めることができ、パチスロ機1の筐体内において不正行為が行われていないかといった確認を促すことができる。その結果、電断期間中における不正行為が看過されてしまうことを抑止でき、不正行為による被害の発生を最小限に抑えることができる。
また、警告報知は、警告報知画面を表示することに加えて、LED群を警告発光パターンで発光させ、スピーカ群から警告音を出力(出音)させることにより行われる。このため、警告画像の表示のみを行うものと比較して、電源を投入した操作者に緊迫感・緊張感を抱かせて、当該操作者の警戒感や注意力をより一層高めることができ、パチスロ機1の筐体内において不正行為が行われていないかといった確認をより確実に促すことができる。LED群についての警告発光パターン(例えば、点灯・点滅間隔、発光色、輝度など)は、所定のエラー(例えば、電源投入時エラー、RAM異常など)発生時と同じパターンであり、例えば赤色でエコモードの設定状態にかかわらず最大輝度・所定の点滅間隔にて発光させるパターンなどである。また、スピーカ群から出力する警告音のパターン(例えば、音の種類、音量など)は、所定のエラー(例えば、電源投入時エラー、RAM異常など)発生時と同じパターンであり、例えば所定種類の音をエコモードや音量の設定状態にかかわらず最大音量にて出力させるパターンなどである。
なお、LED群についての警告態様の点灯制御のパターンおよびスピーカ群から出力する警告音のパターンは、各々、前述したものに限らず、例えば、エラー発生時のいずれとも異なる警告時専用のパターンであってもよい。また、本実施形態における警告報知としては、警告画像、警告音、および、警告ランプによる報知が行われる例について説明したが、これに限らず、いずれか一つのみ(例えば、警告画像の表示のみ)により報知が行われるものであってもよく、任意の2つ(例えば、警告画像の表示と警告音の出力など)により報知が行われるものであってもよい。また、警告報知画面は、サブ表示装置220を用いて表示される例について説明したが、これに限らず、メイン表示装置210を用いて表示されるものであってもよく、サブ表示装置220およびメイン表示装置210の双方を用いて表示されるものであってもよい。
次に、図82を参照して警告報知中処理について説明する。まず、サブCPU201は、警告報知中であるか否かを判定する(SA420)。警告報知中であると判定されなかったときには、警告報知中処理を終了する。なお、電源投入時処理においては、SA420にて警告報知中であると判定されずに警告報知中処理を終了したときにその旨を記憶(所定フラグをセットなど)し、以降において警告報知中処理を繰り返し行わないようにしてもよい。
一方、警告報知中であると判定されたときには、サブCPU201は、SA421~SA425において警告報知の終了条件が成立しているか否かを判定する。まず、サブCPU201は、設定変更や設定確認を示すコマンドを受信したか否かを判定する(SA421)。設定変更や設定確認を示すコマンドは、例えば、設定変更あるいは設定確認の開始時あるいは終了時に主制御基板71側から送信されるコマンド(例えば、初期化コマンドなど)である。なお、設定変更や設定確認を示すコマンドは、設定変更あるいは設定確認の開始か終了かを特定するためのパラメータ(情報)を含む。本実施形態のSA421において受信したと判定する対象となるコマンドは、例えば、設定変更や設定確認を示すコマンドのうち、設定変更あるいは設定確認の終了を示すコマンドとする。なお、SA421において受信したと判定する対象となるコマンドは、これに限らず、設定変更あるいは設定確認の開始を示すコマンドであってもよく、設定変更あるいは設定確認の開始を示すコマンドおよび設定変更あるいは設定確認の終了を示すコマンドのいずれであってもよい。
設定変更や設定確認を示すコマンドを受信したと判定されなかったときには、サブCPU201は、予め定められた報知時間が経過して警告報知のタイムアウトが成立したか否かを判定する(SA422)。報知時間としては、例えば5分が定められているが、これに限るものではない。
警告報知のタイムアウトが成立したと判定されなかったときには、サブCPU201は、キーリセット操作があったか否かを判定する(SA423)。キーリセット操作とは、例えば、下ドア機構DDに搭載されている施錠機構15の鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回して所定時間(例えば3秒間)に亘ってホールドする操作である。キーリセット操作があったか否かは、主制御基板71側から送信されるコマンドのうち主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(入力ポートへの入力状態)を示す入力状態コマンド(図32のS202等参照)に基づき判定される。主制御基板71に接続されるセンサには、施錠機構15の鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回したことを検出可能なセンサが含まれており、入力状態コマンドには、当該センサの入力状態に対応するパラメータ(情報)が含まれている。SA423では、入力状態コマンドに基づき施錠機構15の鍵穴にドアキーを挿入して左に回されている状態であり、かつ、その状態が所定時間(例えば3秒間)に亘って維持されたと判定されることにより、キーリセット操作があったと判定する。
キーリセット操作があったと判定されなかったときには、サブCPU201は、リセットスイッチ53への押下操作があったか否かを判定する(SA424)。リセットスイッチ53への押下操作があったか否かは、主制御基板71側から送信されるコマンドのうち入力状態コマンド(図32のS202等参照)に基づき判定される。主制御基板71に接続されるスイッチには、リセットスイッチ53が含まれており、入力状態コマンドには、当該リセットスイッチ53の入力状態に対応するパラメータ(情報)が含まれている。SA424では、入力状態コマンドに基づきリセットスイッチ53が押下された状態となったと判定されることにより、リセットスイッチ53への押下操作があったと判定する。
リセットスイッチ53への押下操作があったと判定されなかったときには、サブCPU201は、ベットコマンドを受信したか否かを判定する(SA425)。ベットコマンドは、例えば、ベットスイッチ6Sによりベット操作が検出されたときや、メダルセンサ31Sにより投入されたメダルが検出されたとき、リプレイ役に入賞したときなどに主制御基板71側から送信されるコマンド(メダル投入コマンドともいう)である。なお、警告報知中処理が電源投入時に行われる処理であることから、SA425では、実質的に、ベットスイッチ6Sによりベット操作が検出されたか、メダルセンサ31Sによりメダルが検出されたことによるベットコマンドを受信したか否かが判定されることとなる。
ベットコマンドを受信したと判定されなかったときには、警告報知の終了条件のいずれも成立していないため、警告報知中処理を終了する。なお、電源投入時処理では、少なくとも警告報知中においては当該警告報知が終了するまで警告報知中処理を繰り返し行う。また、電源投入時処理では、警告報知中処理が終了してから次に警告報知中処理を行うまでの間などにおいて、例えば主制御基板71からのコマンドを受信するための処理や、警告報知のタイムアウト判定に用いるタイマの計時処理などを行う。
一方、SA421~SA425のいずれかにおいて警告報知の終了条件が成立していると判定されたときには、サブCPU201は、警告画像の終了設定を行い(SA426)、警告音の終了設定を行い(SA427)、警告ランプの終了設定を行い(SA428)、警告報知中処理を終了する。これらの終了設定が行われることにより、表示装置における警告報知画面の表示、LED群における警告発光パターンでの発光制御、および、スピーカ群における警告音の出力制御が終了する。電源投入時において電断期間に基づく警告報知が行われなかったか、あるいは、警告報知が行われた後において当該警告報知が終了したことにより、電源投入時処理は終了可能となる。上述したとおり電源投入時処理が終了した後においては、図63で示したホールメニュータスクおよび図68で示したドア監視タスクなどの処理や、図65~図67で示した画面などを表示するための処理が実行可能となる。
(ドア監視関連による作用)
(1)第1の作用
本実施形態のパチスロ機1では、図80に示すように、電源投入時において特定された電断期間が閾値を超えているときに、電断期間に基づく警告報知が行われる。これにより、電源投入した操作者に対して、電断期間が閾値を超えていることから24hドア監視ユニット61が稼働しておらず下ドア機構DDの開閉の監視ができていない期間が発生している可能性が示唆されることにより、操作者の警戒感や注意力を高めることができパチスロ機1内部の確認などを促すことできる。その結果、電断期間中における不正行為が看過されてしまうことを抑止でき、不正行為による被害の発生を最小限に抑えることができる。
また、パチスロ機1における電断期間に基づく警告報知では、図81に示すように、「遊技機内部を確認してください。」といった促進メッセージの画像が表示される。これにより、操作者の視覚を通して遊技機内部の確認を直接的に促すことができる。
また、パチスロ機1における電断期間に基づく警告報知では、図80のSA415に示すように、促進メッセージの画像表示に加えて聴覚を通して警告音を聞かせることができる。このため、操作者の警戒感や注意力をより一層高めることができ、パチスロ機1内部の確認をより確実に促すことができる。
また、パチスロ機1における電断期間に基づく警告報知では、図80のSA416に示すように、促進メッセージの画像表示に加えて警告発光パターンによる発光を視認させることができる。このため、操作者の警戒感や注意力をより一層高めることができ、パチスロ機1内部の確認をより確実に促すことができる。
また、図80のSA413における判定基準となる閾値は、バッテリー302の蓄電容量に応じた値であって、バッテリー302がフル充電された状態で当該バッテリー302のみ(電源投入されることなく)で24hドア監視ユニット61を稼働し得る時間として実証試験等により検証された時間(日数)を基準にして定められる値である。このため、バッテリー302により十分稼働できており監視できている可能性が高いときにまで警告報知が過度に行われることを防止でき、警告報知の精度を高めることにより当該警告報知が行われたときの操作者の警戒感や注意力をより一層高めることができる。
また、本実施形態のパチスロ機1における電源投入時においては、監視結果のうち、図67で示すように指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報が報知されるところ、電断期間が閾値を超えており電断期間に基づく警告報知が行われる場合には、指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報の報知よりも先に電断期間に基づく警告報知が優先して行われる。このため、電断期間に基づく警告報知が操作者に見逃されてしまうことを極力回避できる。
また、電断期間に基づく警告報知の終了条件は、図82に示されるように、パチスロ機1内部に設けられており、下ドア機構DDが開いている状態において操作可能となる設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53などへの操作に応じて成立する条件を含む。これにより、電断期間に基づく警告報知が行われたときに操作者に対してパチスロ機1の内部を確認させ、異常がなければその流れで、同じく内部に設けられている設定用鍵型スイッチ52あるいはリセットスイッチ53を操作させて警告報知を終了させるといったように、遊技機の内部確認および警告報知終了のための作業効率を高めることができる。
(2)第2の作用
本実施形態のパチスロ機1では、図43及び図44に示すように、24hドア監視ユニット61の各種設定を行うための各種シーケンス(図43のNo5~11のシーケンス)が実行されると、ホスト機器である副制御基板72は、24hドア監視ユニット61に乱数コマンド(CK)を送信する。なお、各種設定を行うための各種シーケンス(図43のNo5~11のシーケンス)を実行する際の副制御基板72(副制御回路200)のサブCPU201は、設定手段を構成する。
乱数コマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、乱数を発生させ(図58のSA121参照)、発生させた乱数値を副制御基板72に送信する(図62のSA166参照)。また、24hドア監視ユニット61は、EEPROM305から秘密鍵を読み出し、読み出した秘密鍵と副制御基板72に送信した乱数値とを用いて、所定の演算を行ってパスワードを生成する。
また、24hドア監視ユニット61から乱数値を受信した副制御基板72は、サブSRAM203bに記憶されている秘密鍵と受信した乱数値とを用いて、所定の演算を行ってパスワードを生成する(図76のSA363参照)。
次に、副制御基板72は、24hドア監視ユニット61に生成したパスワードが付随するログインコマンド(CI)を送信する(図71のSA288参照)。ログインコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、副制御基板72から受信したパスワードと、自身が生成したパスワードとが一致するか否かを判別する(図59のSA133.SA134参照)。一致すると判別したとき、24hドア監視ユニット61は、特権コマンドに基く各種設定を要求できる状態(以下、「ログイン状態」と称する場合がある)に設定される(図59のSA135参照)。
一方、副制御基板72から受信したパスワードと、自身が生成したパスワードとが一致しないと判別したとき(図59のSA134がNO判定の場合)、24hドア監視ユニット61はログイン状態に設定されない。また、サブCPU201は、各種シーケンスにおいてログインコマンドに続くコマンドを送信することなく各種シーケンスを終了する(図68のSA240のシーケンス制御処理において、各種シーケンスを終了することで、リクエストが発生しないためSA241がNO判定となる)。なお、このようにパスワードの一致/不一致に基づいて、ログイン状態に設定する24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、認証情報状態設定手段を構成する。
以上のように、24hドア監視ユニット61の各種設定を行うための各種シーケンスが実行される度に、24hドア監視ユニット61をログイン状態にするためのパスワードが副制御基板72と24hドア監視ユニット61において秘密鍵と乱数を用いて生成される。したがって、生成されるパスワードは、毎回異なるパスワードとなる。したがって、副制御基板72と24hドア監視ユニット61間の通信内容を解析することにより、そのときのパスワードが判明しても、以後、そのパスワードを用いて、24hドア監視ユニット61をログイン状態に設定することはできない。このように、24hドア監視ユニット61への不正なアクセスを防止することができる。このため、24hドア監視ユニット61の設定の不正な変更や記憶している情報の不正な改ざんや消去を防止することができる。
また、24hドア監視ユニット61が他の24hドア監視ユニットに付け替えられた場合で、当該他の24hドア監視ユニットが記憶する秘密鍵と24hドア監視ユニット61が記憶する秘密鍵が異なる場合は、副制御基板72と付け替えられた24hドア監視ユニットのそれぞれで生成されるパスワードは、同じ乱数を用いても異なるものとなる。本実施形態では、副制御基板72は、24hドア監視ユニットからログイン不許可の旨のアンサを受信した場合、表示装置に図46に示すような警告画面を表示する。このため、24hドア監視ユニット61の付け替えが発生したことを容易に把握することができる。
(3)第3の作用
本実施形態のパチスロ機1では、パチスロ機1の起動時に、警告表示画面(図67参照)を表示装置に表示することで、指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉に係る開閉履歴情報を表示する警告表示を行う。また、指定時間は、警告表示設定画面(図66参照)を介して任意に設定可能である。したがって、開閉履歴情報を視る者が注目している開閉履歴情報を見落としてしまうことを防止することができる。
(4)第4の作用
本実施形態のパチスロ機1では、上述のように、制御LSI300は、ドア監視ユニットメイン処理(図48)を20msec周期で実行する。したがって、制御LSI300は、ドア監視ユニットメイン処理のSA2のポート入力処理(図49参照)における各処理及びSA3のドア監視処理(図50参照)における各処理を20msec周期で実行する。したがって、ドア開閉監視センサ310が下ドア機構DDの開閉を検知してから、ドア開閉監視センサ310からの信号に基く下ドア機構DDの開閉状態を示す状態情報が、24hドア監視ユニット61のRAM304における入力ポート情報格納領域に記憶され(図49のSA11参照)、また、その状態情報に基づく開閉履歴情報が第1検知結果格納領域に記憶されるまでのタイムラグは、最大で20msecに過ぎない。
また、サブCPU201は、500msec毎に第1状態検知シーケンスを実行してステータス読出コマンドを送信し(図43のNo2及び図68のSA239参照)、24hドア監視ユニット61からステータス読出コマンドのアンサとして、RAM304の第1検知結果格納領域に記憶されている開閉履歴情報を取得する。そして、取得した開閉履歴情報が、下ドア機構DDの開放状態を示している場合、サブCPU201は、表示装置に下ドア機構DDが開放状態である旨を示す画面(図示は省略するが、例えば表示装置の略中央に「ドアが開いています」というメッセージ)を表示させる。したがって、下ドア機構DDの開閉状態を適切に把握することができる。
また、開閉履歴情報をEEPROM305に記憶させる間隔である監視間隔時間を分刻みで1分~100分の間で設定可能である。したがって、例えば、チャタリングによる誤検出に基く開閉履歴情報などをEEPROM305に記録することがない。このため、EEPROM305に記憶される開閉履歴情報がすぐに記憶可能な上限数に達してしまうことを防止することができる。したがって、開閉履歴情報を適切に記憶させることができる。
(5)第5の作用
本実施形態のパチスロ機1では、サブCPU201は、所定時間(本実施形態では1時間)毎に第2状態検知シーケンスを実行し、時計読出コマンド(CT)を24hドア監視ユニット61に送信する(図43参照)。そして、サブCPU201は、時計読出コマンドのアンサを24hドア監視ユニット61から受信すると、図78に示す時計読出受信時処理を行う(図75のSA352参照)。
時計読出受信時処理において、サブCPU201は、時計読出コマンドのアンサに付随する時刻情報(日時データ)と、副制御基板72のサブRTC208から取得した時刻情報とを比較し、差分が所定時間(本実施形態では3分)以上あるか否かを判別する(図78のSA381)。そして、差分が3分以上あると判別したとき(図78のSA381がYES判定の場合)サブCPU201は、時計セットシーケンス(図43のNo6参照)を実行する(図78のSA382)。
時計セットシーケンスを実行すると、サブCPU201は、乱数コマンド(CK)、ログインコマンド(CI)、時計セットコマンド(ST)、ログアウトコマンド(CO)の順でコマンドを送信する(図43参照)。ログインコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、ログインコマンドに付随するパスワードと、RAM304のパスワード格納領域に記憶されているパスワードが一致するか否かを判別し、一致する場合はログイン許可(OK)の旨、一致しない場合はログイン不許可(NG)の旨のアンサを送信(返信)する。なお、時計セットシーケンスの実行時においてサブSRAM203bに記憶されているパスワードが付随するログインコマンド(CI)を送信するサブCPU201は、設定側認証情報送信手段を構成する。また、ログインコマンドに付随するパスワードと、RAM304のパスワード格納領域に記憶されているパスワードが一致するか否かを判別する24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、認証情報判別手段を構成する。また、上記判別の結果が一致する場合は特権コマンドに基く各種設定を要求できるログイン状態に設定し、一致しない場合はログイン状態に設定しない24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、認証状態許容手段を構成する。また、上記判別結果をホスト機器に送信する24hドア監視ユニット61の制御LSI300は、認証結果通知手段を構成する。
そして、サブCPU201は、24hドア監視ユニット61からログイン不許可の旨のアンサを受信した場合、表示装置に図46に示すように、画面の中央に「監視ユニットにログインできません。」というメッセージが配置された警告画面を表示させる。また、サブCPU201は、ログインコマンドの後順のコマンドを送信することなく時計セットシーケンスを終了する。なお、上記警告画面を表示装置に表示させるサブCPU201は、報知要求手段を構成する。
一方、サブCPU201は、24hドア監視ユニット61からログイン許可の旨のアンサを受信した場合、サブRTC208から取得した年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報が付随する時計セットコマンド(ST)を24hドア監視ユニット61に送信する。時計セットコマンドを受信した24hドア監視ユニット61は、時計セットコマンドに付随する年、月、日、時、分、秒そして曜日を示す情報に基いて、RTC301の年、月、日、時、分、秒そして曜日を設定する。
ここで、24hドア監視ユニット61が他の24hドア監視ユニットと付け替えられ、当該他の24hドア監視ユニットが記憶する秘密鍵と24hドア監視ユニット61が記憶する秘密鍵が異なる場合は、時計セットシーケンスにおけるログインコマンドに対するアンサとして、ログイン不許可(NG)の旨のアンサが送信される(図62のSA168参照)。そして、表示装置に図46に示すような警告画面が表示される。したがって、定期的に行われる第2状態検知シーケンスに起因して、24hドア監視ユニット61の付け替えを定期的に検査でき、且つ、また、24hドア監視ユニット61が付け替えられたことを容易に把握することができる。
また、両RTC208,301が計時する現在時刻に誤差が生じることを抑制することができる。
(ドア監視関連についての変形例)
上述した実施形態では、図80に示す電源OFF経過時間処理および図82に示す警告報知中処理を、電源投入時処理中において実行する例について説明したが、電源投入時に実行するものであればこれに限らず、電源投入時処理が終了した後であって、例えば、図63のホールメニュータスクにてSA201の処理よりも前のタイミングで実行するものであってもよく、また、図68のドア監視タスクにてSA231の処理よりも前のタイミングで実行するものであってもよい。
上述した実施形態における図79の電源遮断時処理のうち電断期間に基づく警告報知を行うための処理および図80に示す電源OFF経過時間処理では、サブRTC208から現在の日時を取得する例について説明したが、これに限らず、例えば、24hドア監視ユニット61に対して時計読出コマンドを送信することにより、24hドア監視ユニット61のRTC301が計時する日時を取得するようにしてもよい。
上述した実施形態では、図81に示すように電断期間に基づく警告報知画面(特定報知の一例)として、示唆メッセージの画像と、促進メッセージ(警告メッセージ)の画像とを表示する例について説明した。しかし、電断期間に基づく警告報知画面は、これに限らず、例えば、示唆メッセージの画像のみを表示するものであってもよく、促進メッセージの画像のみを表示するものであってもよく、これらに替えてあるいは加えて、遊技機内部の確認を促すためのイメージ画像(例えば、所定のキャラクタが遊技機内部を隅々までチェックしている動画像など)を表示するものであってもよい。また、電断期間に基づく警告報知画面では、これらの画像などに加えて、例えば、警告報知を終了させるための操作(警告報知の終了条件)を説明するための画像を表示するものであってもよい。
上述した実施形態では、電断期間に基づく警告報知の終了条件として図82のSA421~SA425を例示した。しかし、電断期間に基づく警告報知の終了条件は、これに限らず、図82のSA421~SA425のうちの一部の条件(例えば、SA421のみ、SA421およびSA423など)が定められているものであってもよく、遊技機内部に設けられており前扉が開いている状態において操作可能となる特定の操作部(例えば、設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53など)への操作に応じて成立する条件のみが定められているものであってもよく、これらの条件に替えてあるいは加えて、図82のSA421~SA425とは異なる条件(例えば、監視対象である扉(下ドア機構DD)の開閉有り、スタートレバー7への開始操作有りなど)が定められているものであってもよい。
上述した実施形態における図82のSA421では、設定変更や設定確認を示すコマンド(初期化コマンドなど)を受信したか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、入力状態コマンド(図32のS202等参照)から特定される設定用鍵型スイッチ52の入力状態に基づいて判定するようにしてもよい。また、図82のSA425では、ベットコマンドを受信したか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、入力状態コマンド(図32のS202等参照)から特定されるベットスイッチ6Sおよびメダルセンサ31Sの入力状態に基づいて判定するようにしてもよい。
上述した実施形態では、図80のSA413における閾値として、バッテリー302の蓄電容量に応じた値が定められる例について説明したが、これに限らず、バッテリー302の蓄電容量にかかわらない日数(例えば、バッテリーの蓄電容量にかかわらず一律20日等)に相当する値が定められているものであってもよい。なお、一律の日数としては、例えば、不正行為を十分行うことが可能であると想定される日数であってもよく、ホールにおける通常営業時において一般的に電断期間として発生し得ない日数(例えば、ホールが7連休となる可能性が低い場合には7日など)であってもよい。また、図80のSA413では、現在の日時からバックアップ日時を差し引いた値が閾値よりも大きいか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、現在の日時のうちの日(年/月/日)から、バックアップ日時のうちの日(年/月/日)を差し引いた値(つまり日数のみに基づく値)が閾値よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。
上述した実施形態では、電断期間を、電源遮断時においてサブRTC208から取得した日時を保存し、電源投入時においてサブRTC208から取得した日時との差分に基づいて特定する例について説明した。しかし、電断期間の特定方法は、これに限らず、例えば、電源遮断時に所定のタイマの計時(所定のタイマの計時は電源遮断中においても継続して行われるものとする)をスタートさせて、電源投入時に当該所定のタイマの値に基づいて電断期間を特定するようにしてもよい。
上述した実施形態における電源投入時においては、電断期間が閾値を超えており電断期間に基づく警告報知が行われる場合に、図67で示した指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報の報知よりも先に電断期間に基づく警告報知が優先して行われる例について説明した。しかし、これに限らず、指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報の報知と、電断期間に基づく警告報知とを同時に行うものであってもよく、また、指定時間内に発生した下ドア機構DDの開閉を示す開閉履歴情報の報知を行った後に電断期間に基づく警告報知を行うものであってもよい。
上述した実施形態では、図80のSA411においてバックアップ日時があると判定されなかったときには報知を何ら行わない例について説明したが、これに限らず、例えば、「バックアップ日時が存在しないため、電断期間の判定ができていません」といった旨の画像を表示するなどの所定の報知を行うものであってもよい。これにより、電源を投入した操作者に対して、電断期間を判定できていないため閾値を超えている可能性がゼロとはいえないことが示唆されることにより、操作者の警戒感や注意力を高めることができ遊技機内部の確認などを促すことできる。その結果、電断期間中における不正行為が看過されてしまうことを抑止でき、不正行為による被害の発生を最小限に抑えることができる。なお、所定の報知は、警告報知と同じであってもよく、警告報知の内容を含むものであってもよい。所定の報知は、例えば、「バックアップ日時が存在しないため、電断期間の判定ができておらず、24hドア監視ユニットで扉の開閉の監視ができない期間が発生している可能性があります。」といった監視できていない可能性を示唆する示唆メッセージと、「遊技機内部を念のため確認してください。」といった操作者に確認を促す促進メッセージとを含むものであってもよく、示唆メッセージおよび促進メッセージのいずれか一方のみを含むものであってもよい。なお、所定の報知の終了条件は、警告報知の終了条件と同じ条件が定められているものであってもよく、一部の条件が定められているものであってもよく、これらの条件に替えてあるいは加えて、警告報知の終了条件とは異なる条件が定められているものであってもよい。
上述した実施形態では、電源投入時において図80のSA413において現在の日時からバックアップ日時を差し引いた値が閾値よりも大きいと判定されたときに電断期間に基づく警告報知を行う例について説明したが、これに加えて、例えば、電断期間に基づく警告報知が行われた実行履歴情報(例えば、警告報知が行われた旨、およびその日時を含む)を保存し、電源投入されたときには特定される電断期間にかかわらず実行履歴情報に基づいて警告報知が行われた実行履歴を表示可能とするようにしてもよい。表示可能とする実行履歴は、保存されているすべての実行履歴を含むものであってもよく、最新の実行履歴のみを含むものであってもよい。これにより、例えば不正行為を行った者がその際に電源投入までして電断期間に基づく警告報知を済ませてしまった場合であっても、その後、ホールなどに設置されて電源投入されたときに警告報知の実行履歴が表示される。その結果、正常であれば電源投入されているはずがない日時(例えば、工場出荷からホール到着までの間など)に警告報知が行われているか否かを操作者が判断することが可能となり、正常であれば電源投入されているはずがない日時に警告報知が行われている場合に遊技機内部の確認などを促すことできる。その結果、電断期間中における不正行為が看過されてしまうことを抑止でき、不正行為による被害の発生を最小限に抑えることができる。なお、実行履歴情報に基づく警告報知の実行履歴は、電源投入されたときに限らず、これに替えてあるいは加えて、例えば、ホールメニューにおいて監視履歴が選択されることにより表示される監視履歴画面において表示されるようにしてもよい(図64のSA220やSA221参照)。
上記実施形態では、本発明を適用した遊技機としてパチスロ機1を例に挙げて説明した。しかし、本発明を適用可能な遊技機はパチスロに限らず、例えば、「パチンコ」と呼ばれる遊技機やスロットマシンがある。
また、本実施形態では、ホスト機器が行う各種処理について、ホスト機器の一例である副制御基板72のサブCPU201が行う処理を例に説明した。しかし、ホスト機器としてパチスロ機1の製造時やメンテナンス時に24hドア監視ユニット61の各種設定を行う設定機(図示省略)を接続させた場合は、この設定機の処理装置に、上記のサブCPU201が行う処理を行わせてもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態における説明が第2実施形態においても当てはまる部分については、説明を繰り返さない。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第2実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第2実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第2実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<前面扉>
図83および図84は、ドア機構Dが有する一部の構成を説明するための図であり、図83は、ドア機構Dが有する一部の構成の正面図であり、図84は、ドア機構Dが有する一部の構成の正面斜視図である。ドア機構Dは、図1等に示したキャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。本実施形態においては、前面扉が1つのドア機構Dにより構成される例について説明する。
図83および図84では、ドア機構Dが有する構成のうちの、略四角形の枠状に形成されたドアフレーム225に取り付けられた上部発光演出装置230、演出表示窓D1、ナビランプ装置231、メイン表示窓4、左サイド演出装置232、右サイド演出装置233、およびサブ演出表示部22が示されている。
ドアフレーム225は、上端位置において左右方向に延びる上フレーム部225aと、下端位置において左右方向に延びる下フレーム部225eと、上フレーム部225aおよび下フレーム部225eの右端部間を上下方向に延びる右フレーム部225bと、上フレーム部225aおよび下フレーム部225eの左端部間を上下方向に延びる左フレーム部225cとを有している。また、上フレーム部225aと下フレーム部225eとの間に位置して左フレーム部225cから右フレーム部225bに掛け渡される仕切り部225dを有している。これにより、ドアフレーム225内の領域が、仕切り部225dを境界として上方領域と下方領域とに区画される。
演出表示窓D1は、ドアフレーム225内の上方領域に配置され、メイン表示窓4は、ドアフレーム225内の下方領域に配置されている。演出表示窓D1は、例えば、樹脂製の透明パネル(後述する透光板1045)として構成され、その背面側に設けられたメイン表示装置210(メイン演出表示部21)を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に取り付けられているリールユニットRUを構成するリール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。
上フレーム部225aは、前後方向に適当な厚みを有する略直方体状に形成されており、上フレーム部225aの上面(天面)は、ドア本体225の体裁面を形成する。上フレーム部225aの上面には、格子状の吸気口921aと、光照射部905を露出させるための貫通孔921bとが形成されている。吸気口921aには、後述するダクトユニット912の吸気用開口部1113(図95参照)が対向する。光照射部905は、光の点灯、消灯、色によって表した遊技状態等の情報を、遊技機外に配置された受信部(例えば、デジタルサイネージの受信部)に送信する。
上部発光演出装置230は、上フレーム部225aの前面に取り付けられている。上部発光演出装置230は、ランプ(発光手段、発光体)として例えばフルカラーLEDを複数備えており、フルカラーLEDの発光態様(点灯、点滅、消灯、輝度、発光色など)が、遊技の進行に応じた発光態様となるようにサブCPU201によって制御されることにより、遊技の進行に応じた光演出を行うことができる。なお、上部発光演出装置230の詳細については後述する。
ナビランプ装置231は、仕切り部225dおよび下フレーム部225eの前面に取り付けられている。ナビランプ装置231は、メイン表示窓4から視認可能となるリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応する位置にランプ231L、231C、231Rを有している。ナビランプ装置231は、AT中などにおいて、遊技者に対して有利な停止操作態様となるランプを点灯あるいは点滅などさせることにより、有利な停止操作態様を報知(例えば、押し順ナビ等)できる。
左サイド演出装置232およびサブ演出表示部22は、左フレーム部225cの前面に取り付けられている。左サイド演出装置232は、仕切り部225dの位置よりも上方側に配置され、サブ演出表示部22は、仕切り部225dの位置よりも下方側に配置されている。左サイド演出装置232は、上部に設けられた透音孔232aと、下部に設けられた左サイド発光演出装置232bとを有している。透音孔232aは、その後面側に取付けられたスピーカから出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって出力する。左サイド発光演出装置232bは、例えばフルカラーLEDを複数備えており、フルカラーLEDの発光態様(点灯、点滅、消灯、輝度、発光色など)が、遊技の進行に応じた発光態様となるようにサブCPU201によって制御されることにより、遊技の進行に応じた光演出を行うことができる。サブ演出表示部22は、サブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。
右サイド演出装置233は、右フレーム部225bの前面に取り付けられている。右サイド演出装置233は、上部に設けられた透音孔233aと、下部に設けられた右サイド発光演出装置233b、233cとを有している。透音孔233aは、その後面側に取付けられたスピーカから出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって出力する。右サイド発光演出装置233b、233cは、例えばフルカラーLEDを複数備えており、フルカラーLEDの発光態様(点灯、点滅、消灯、輝度、発光色など)が、遊技の進行に応じた発光態様となるようにサブCPU201によって制御されることにより、遊技の進行に応じた光演出を行うことができる。
なお、図83および図84には示していないが、メイン表示窓4よりも下方位置には、第1実施形態において説明した要素(例えば、MAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9、演出用ボタン10a、メダル投入口5、腰部パネル13、メダル受皿12、メダル払出口11、透音孔24a,24b(スピーカ35a,35b))などが配置されているものとする。
また、本実施形態においては、前面扉が1つのドア機構Dにより構成される例について説明するが、これに限らず、第1実施形態において例示したように、上ドア機構UDおよび下ドア機構DDなどのように複数のドア機構により構成されるものであってもよい。
<上部発光演出装置>
(概略構成)
図85~図88を参照して、上部発光演出装置230の概略構成について説明する。図85(a)~(c)はそれぞれ、上部発光演出装置230全体の正面図、上面図、および底面図を示している。図86は、上部発光演出装置230の構成部品を示す図であり、図86(a)は、右側方から見た分解斜視図であり、図86(b)は、後方から見た分解斜視図であり、図86(c)は、上方から見た分解上面図である。図87は、上部発光演出装置230の断面図であり、図85(a)に示すx-x線で切断した断面を示す。図88(a)~(c)は、上部発光演出装置230の構成部品ごとの断面図である。
上部発光演出装置230は、主に、上部フレーム部225aに固定されるカバーユニット240と、カバーユニット240の後面側に取り付けられる内部ユニット260および後面ユニット250とで構成されている。カバーユニット240は、上部発光演出装置230の外郭を形成している。
(後面ユニットの構成)
図86~図89を参照して後面ユニット250の構成例について説明する。図89は、後面ユニット250の分解斜視図である。後面ユニット250は、カバーユニット240の後面側において取り付け固定される固定部材251と、固定部材251の前面に沿って略垂直に配置された基板252と、基板252の前面に重なるように配置された略U字状(コの字状)断面の嵌合部材253とで構成されている。
固定部材251の上端部および下端部にはそれぞれ、前方側に向かってフランジ状に突出する係合部251aおよび係合部251bが設けられている。基板252には、上下2段に複数のLED(例えば、フルカラーLED)が設けられている。すなわち、基板252の上段に、複数のLED252aが左右方向に沿って互いに間隔をあけて並べて配置され、基板252の下段に、複数のLED252bが左右方向に沿って互いに間隔をあけて並べて配置されている。なお、左右方向は、幅方向ともいう。基板252は、固定部材251の上端部と下端部との間に設けられた基板取付部に配置されている。
嵌合部材253は、複数のLED252a,252bから前方へ照射される光を遮らない(複数のLED252a,252bの前方に重ならない)ように、基板252の上下方向中央位置に固定される。後面ユニット250は、図88(c)に示されるように、基板252を固定部材251の基板取付部に配置させ、前方から嵌合部材253で挟み込み、固定部材251の後方から嵌合部材253に対して螺合することにより一体となる。固定部材251に対して嵌合部材253が固定されることにより上方領域と下方領域とを分断(区画)して、複数のLED252aからの光が嵌合部材253の下方に進入することや、複数のLED252bからの光が嵌合部材253の上方に進入することを防止できる。
一体となった後面ユニット250は、図87に示されるように、嵌合部材253の上壁253aおよび下壁253bの先端部が、内部ユニット260の後述のケース部材261の後端面全域と当接するように取り付けられる。これにより、複数のLED252a,252bから照射される光が内部ユニット260内に進入することを防止できる。
(内部ユニットの構成)
図86~図88および図90を参照して内部ユニット260の構成例について説明する。図90は、内部ユニット260の構成要素を示す分解斜視図であり、図90(a)が右前方から見た分解斜視図であり、図90(b)が上方から見た分解斜視図である。
図90に示すように、内部ユニット260は、幅方向(左右方向)に延び、前後方向に貫通する収容空間261aを有するケース部材261と、収容空間261aの後方側に配置され、ケース部材261に設けられている取付部に取り付けられる発光部材262と、収容空間261aに前方から挿入して収容される導光部材263と、導光部材263を前方から覆うように当該導光部材263に取り付けられるレンズ(以下「中央レンズ」という)264とを含む。
(発光部材)
発光部材262は、幅方向に沿って延びる基板262a、262bと、基板262dに設けられた多数の発光体262c(例えば、フルカラーLED)とで構成されている。多数の発光体262cは、幅方向に沿って一定間隔で並べて設けられている。図88(b)に示されるように、発光部材262は、ケース部材261の後端部に設けられている取付部に、収容空間261aを後方から塞ぐように配置されている。本実施形態では、発光部材262は、ケース部材261の下方後端に形成された後述する位置決め突起261g,261hと、ケース部材261の上方後端に形成された段差部261iとにより構成される取付部に載置された状態で位置決めされ、後方からケース部材261に対して螺合されることにより、ケース部材261の後面に固定される。
発光部材262の基板262a、262bは、図90(b)に示されるように、上方から見てV字状に配置される。ケース部材261に設けられている位置決め突起261g,261hと段差部261iとの位置関係から、発光部材262の基板262a,262bは、鈍角で交差しており、交差角度θは、たとえば120°以上170°以下である例を示しているが、これに限らず、直線上に配置されるものであってもよい。
複数の発光体262cは、基板262a、262bに、正面から見て幅方向に沿って一列に並べて配置されている。複数の発光体262cの多くは直線上に(略水平方向に)整列して配置され、基板262aの左端部および基板262bの右端部に位置する数個の発光体262cは、端縁側ほど上方位置となるよう緩やかな曲線状(左端部側は左上がり曲線状、右端部側は右上がり曲線状)に配置されている。
(導光部材)
導光部材260の構成例については、図91をさらに参照して説明する。図91(a)は、取り付け状態における発光部材262と導光部材263との配置関係を示す上面図であり、図91(b)は、その部分拡大図である。図91(c)は、導光部材を垂直方向(縦方向)で切った縦断面図であり、図91(d)は、導光部材の一部を水平方向(横方向)で切った横断面図である。導光部材263の材質は、アクリル樹脂であるが、これに限らず、ポリカーボネートや、ガラス、ポリスチレン、ウレタンなどであってもよい。
導光部材263は、正面から見て複数の発光体262cの整列方向に沿って幅方向に延びており、複数の発光体262cに対面する入射面263a(図91(b)において点線で示す面)と、当該入射面263aから入射した光を前方に向けて出射する出射面263bとを有している。入射面263aおよび出射面263bは、いずれも、典型的には垂直で、互いに略対面かつ略平行となるように形成されているが、これに限らず、垂直方向に対して斜めに傾斜するように形成されているものや、互いに非対面となるように形成されているもの、傾斜角度が互いに異なる(略平行とはならない)ように形成されているものなどであってもよい。
導光部材263には、入射面263a側(導光部材263の後端面)から出射面263b側(前方)に向かって延びる複数のスリット263c(切れ目、溝ともいう)が設けられている。スリット263cは、導光部材263の長手方向(対面する発光部材262の長手方向)に直交(交差)する縦スリットであり、典型的には略垂直に延びている。そのため、入射面263aは、導光部材263の長手方向(対面する発光部材262の長手方向)に沿って複数のピース状の入射面266pに分割されている。すなわち、導光部材263は、幅方向一端から他端まで連続して延び、前端面が出射面263bを構成する一つの帯状部分(以下「出射部」という)265と、複数のスリット263cで区切られ、後端面が入射面266pを構成する複数のブロック状部分(以下「入射部」という)266とで構成され、櫛のような形状に形成されている。なお、スリットは、導光部材263の長手方向に直交(交差)する縦スリットであるものに限らず、例えば導光部材263の長手方向に対して斜めに交差するスリットなどであってもよい。
入射面263a全体としては、図91(a)および図91(b)に示されるように、発光部材262と平行に延在しており、上方から見てV字状に設けられている。一方、出射面263bは、上方から見て発光部材262のV字形状に沿うように滑らかな湾曲面となっている。具体的には、出射面263bは、幅方向中央部に位置する円弧状部分265aと、円弧状部分の幅方向両端に連なって前方に反り返る反り返り部分265bとを有している。
図91(a)に示されるように、複数のスリット263c各々の先端(前方端)から出射面263bまでに相当する出射部265は、幅方向一端から他端まで同じ厚みを有していることが望ましい。つまり、出射部265の奥行寸法Laは、一定であることが望ましい。すなわち、出射部265の奥行寸法Laは、幅方向のいずれの部位(箇所)であっても一定である。換言すれば、出射部265の奥行寸法Laは、いずれの入射部266の前面(前方)であっても他の入射部266の前面(前方)と同じであり、いずれのスリット263cの前面(前方)であっても他のスリット263cの前面(前方)と同じである。なお、出射部265の奥行寸法は、出射面に対して直交する法線方向における厚みをいうが、これに限らず、スリット263cあるいは入射部266が形成されている方向における厚みであってもよい。また、出射部265の奥行寸法Laが一定あるいは同じとは、完全同一であるものに限らず、厳密には微々たる相違があるものの一見して同程度と認識できる略一定となるものなどであってもよい。
各入射部266は、略直方体形状に形成され、出射部265から後方に向かって突き出ている。各入射部266は、発光部材262と直交するように配置されている。そのため、上方から見た場合、図91(a)に示されるように、左側の基板262aに対面する入射部266と、右側の基板262bに対面する入射部266とは、出射部265側に向かって、互いに遠ざかる斜め方向(逆斜め方向)に向けて配置されている。
また、各入射部266は、図91(a)に示されるように、幅方向中央に位置する入射部266cおよび幅方向両端に位置する入射部266eを除き、略同一の幅および高さを有している。各入射部266は、図91(b)に示されるように、発光部材262との間隔が一定となるように配置されている。これにより、各入射部266の入射面266pは、対面する発光体263cとの間に若干の一定の隙間をあけて近接して配置される。その結果、例えば各入射部266が後方へ押し込まれる形で外部からの衝撃や圧力などが加わったとしても、当該衝撃や圧力などを対面する発光体263cに伝達してしまうことがなく、当該発光体263cを破損してしまうことを防止できる。 一方、出射面263bは、円弧状部分265aと反り返り部分265bとを有している。このため、入射部266の奥行寸法(厚み)は、図91(a)などに示されるように一定ではなく、隣り合う入射部266の奥行寸法は少しずつ異なっている。なお、入射部266の奥行寸法は、入射部266が形成されている方向(発光部材262と直交する方向)における厚み(長さ)をいう。
奥行寸法が最も大きい(長い)入射部266は、左右の各円弧状部分265aの中央部よりも若干、入射部266c寄りの部分に位置している。一方、奥行寸法が最も小さい(短い)入射部266は、出射部265の円弧状部分265aと反り返り部分265bとの境界部分に位置している。奥行寸法が最も小さい(短い)入射部266であっても、出射部265の奥行寸法Laよりも大きく(長く)なるように構成されている。すなわち、いずれの入射部266についても、奥行寸法が出射部265の奥行寸法Laよりも大きく(長く)なるように形成されている。換言すれば、いずれのスリット263cについても、奥行寸法が出射部265の奥行寸法Laよりも大きく(長く)なるように形成されている。
一方、複数のスリット263c各々の幅方向の長さ(つまり、隣り合う入射部266の垂直側面間の距離)は、図91(a)などに示されるように、出射部265の奥行寸法Laよりも短くなるように形成されている。つまり、複数のスリット263cのいずれであっても、スリットの幅方向の長さは、出射部265の奥行寸法Laよりも小さく(短く)なるように構成されている。
また、各入射部266は、少なくとも1つの発光体262cに対面している。本実施形態では、各入射部266は、少なくとも2つ(複数)の発光体262cに対面している。つまり、発光体262cと入射部266とが2対1以上の関係となるように、スリット263cが設けられている(あるいは発光体が配置されている)。一方、幅方向中央に位置する入射部266cおよび幅方向両端に位置する入射部266eは、他の入射部266よりも入射面(あるいは出射面)が広い。このため、入射部266cについては4つの発光体262cに対面し、入射部266eについては3つの発光体262cに対面している。
入射部266cおよび入射部266e以外の入射部266についても対面する発光体の数は2つに限らず、3以上であっても、1つであってもよく、いずれの入射部266であるかに応じて対面する発光体数が異なるものであってもよく、例えば、幅方向中央に近い入射部266である程、対面する発光体数が多くなるものや、幅方向両端に近い入射部266である程、対面する発光体数が多くなるものなどであってもよい。
また、各入射部266は、略直方体形状の角部がすべて面取りされており、本実施形態においては丸面となるように面取りされている。図91などにおいて、各入射部266内に描かれている線は、面取りされていることにより表れる稜線を示している。なお、面取りは、丸面にするものに限らず、角面にするものなどであってもよい。
さらに、各入射部266の入射面266pは、非平面形状となるように、例えば屋根形状(山状)に形成されている。具体的には、図91(c)に示されるように、屋根の棟に相当する頂線部266aが導光部材263の長手方向(発光体262cが並べられている方向)に形成されており、当該棟から延びる屋根平面部に相当する平面部として、上方かつ前方側に向けて延びる平面部266bと、下方かつ前方側に向けて延びる平面部266cとが形成されている。このように、各入射部266の入射面266pは、対面する発光体262cからの光を受ける面積を当該入射面266pの手前箇所における断面積よりも広くするために、入射面266pの縁部を面取りしかつ入射面266pを屋根形状に形成する加工が施されることにより、発光体262cからの光が入射面266pから入射しやすくなる。
さらに、各入射部266が出射部265へと連なる連結部の四方(周囲)には、図91(b)~(d)に示されるように、入射部の断面積を徐々に大きく(広く)するように盛り部266dが設けられている。図91(b)では、斜線を付した部分が盛り部266dであることを示している。盛り部266dは、出射部265までの距離が短くなるほど、断面積が徐々に大きくなるように形成されている。盛り部266dにより、極力広い範囲に亘って出射部265へ導光されることとなり、例えば、出射部265のうちのスリット263cの前方部分にも光が導光されやすくなり色むらの発生を防止できる。
また、導光部材263の出射部265は、図91(c)に示されるように、出射面263bの後方位置において上下方向に突出する上下フランジ267を有している。上下フランジ267は、後述するように導光部材263をケース部材261に挿入して収容する際に、ケース部材261の開口前端部と当接することにより、前後方向の位置決めに寄与する。これにより、導光部材263をケース部材261に収容したときには、図88(b)に示されるように、上下フランジ267より前方に位置する出射部265がケース部材261の前端部から飛び出た状態(突出した状態、露出した状態)となる。
(ケース部材)
ケース部材261の構成例については、図92および図93をさらに参照して説明する。図92は、ケース部材261を右前方から見た斜視図である。図93(a)は、発光部材262を取り外した状態で内部ユニット260を斜め上方から見た背面図であり、図93(b)は、その部分拡大図であり、図93(c)は、その部分断面図である。
図90および図92などに示されるように、ケース部材261は幅方向に沿って延び、内部に導光部材263を収容するとともに、後方に発光部材262を固定する。ケース部材261は、前方に設けられている開口から導光部材263を挿入して収容でき、かつ、発光部材262を後方から嵌め込み、取付可能な形状を有している。
図88(b)に示されるように、ケース部材261は、発光部材262および導光部材263が載置される底面部261bと、底面部261bに対面する上面部261cとを有しており、底面部261bと上面部261cとの間に収容空間261aが形成されている。
底面部261bおよび上面部261cの前方端部の間隔、すなわち収容空間261cの前方開口高さは、導光部材263の入射部266の高さよりも大きく、かつ、上下フランジ267の位置における導光部材263の高さ寸法よりも小さい。そのため、導光部材263を収容空間261cに前方から挿入した場合、底面部261bおよび上面部261cの前端面に上下フランジ267が当接して止まる(それ以上の挿入を許容しない、阻止する)。これにより、導光部材263の前後方向位置を精度良く位置決めでき、図91(b)に示すように各入射面266pが発光体262cと近接して対面する位置に配置でき、組み付け作業の効率を高めることができる。導光部材263は、収容空間261cの所定位置に配置されることにより、スリット部分(スリットの長さ分)が収容空間261cに収容される一方で、上下フランジ267の後端面よりも前方部分に相当する出射部265がケース部材261から露出した状態となる。
また、底面部261bおよび上面部261cの前端部には、後述するカバーユニット240のトップフレーム241の後端部を受け入れる凹部261d、261eが設けられている。また、上面部261cの凹部261eには、図92に示されるように、少なくとも一部分において、後述するカバーユニット240のトップフレーム241の後端部に設けられている係合部を前方から差し込み固定するための差し込み凹部261e’が形成されている。差し込み凹部261e’には、非係合部が設けられている。
また、底面部261bおよび上面部261cの少なくとも一方には、導光部材263の入射部266の幅方向位置を位置決めするための複数の位置決め突起が設けられている。本実施形態では、図93(b)などに示されるように、底面部261bに、位置決め突起261gが設けられている。位置決め突起261gは、所定のスリット263cに対応して、当該所定のスリット263cに入り込むような位置に設けられている。
図93(c)は、図93(a)に示すc-cに沿う断面図である。位置決め突起261gは、図93(c)に示すように、導光部材263を収容空間261aの所定位置に収容した状態において、所定のスリット263cに入り込む状態となるように形成されている。位置決め突起261gは、スリット263cに入り込む高さであって、仮に入射部266の後端(入射面)が当接した場合には後方へ進入させない高さを有している。位置決め突起261gの側面は、スリット263cを介して隣り合う入射部266のいずれかあるいは双方の垂直方向に延びる側面と当接するものであってもよい。
位置決め突起261gが設けられる所定のスリット263cは、図93に示されるように、幅方向中央に位置する入射部266cと隣り合う入射部266との間のスリット263cや、当該スリット263cから所定数毎(たとえば6つ置き)のスリットなどが該当する。このように、所定のスリット263cには、少なくとも幅方向中央に位置する入射部266cと隣り合う入射部266との間のスリット263cが含まれる。
また、位置決め突起261gは、その後端部がケース部材261の後端よりも所定距離(例えば、発光部材262の基板の厚みよりも大きい長さ)だけ手前となる位置まで延設されている。また、底面部261bの後端には、複数の位置決め突起261hが設けられるとともに、上面部261cの後端には、図87に示されるように、段差部261iが設けられている。複数の位置決め突起261hの後端部は、ケース部材261の後端よりも所定距離手前となる位置に設けられており、また、段差部261iの段差面は、ケース部材261の後端よりも所定距離手前となる位置に設けられている。このため、前述したとおり、発光部材262は、位置決め突起261g、位置決め突起261h、および、段差部261iにより接した状態で載置することにより位置決めされて、ケース部材261の後端に固定される。複数の位置決め突起261gは、導光部材263の入射部266の幅方向位置を位置決めする機能を有するとともに、発光部材262の位置決め・載置・固定するための機能をも有している。なお、複数の位置決め突起261hは、発光部材262の位置決め・載置・固定するための機能のみならず、導光部材263の入射部266の幅方向位置を位置決めする機能を有するように、複数の位置決め突起261gと同様の形状とし、所定のスリット263cに入り込むような位置に設けるようにしてもよい。
(中央レンズ)
中央レンズ264は、前後方向に厚みを有しており、導光部材263の出射部265を覆うように配置される。中央レンズ264は、前後方向に厚みを有しており、導光部材263の出射部265を覆うように配置される。図88(b)に示されるように、中央レンズ264の後端部は、中央に窪みを有する取付面264aを有しており、この取付面264aを、導光部材263の出射部265に嵌め合わせることにより、中央レンズ264が導光部材263の前面において固定される。中央レンズ264が導光部材263に固定された状態において、中央レンズ264の取付面264aと導光部材263の出射面263aとは密着して配置されている。
また、中央レンズ264の取付面264aは、出射面263aの上端から上下フランジ267の上端までの面と密着し、かつ、出射面263aの下端から上下フランジ267の下端までの面と密着するように形成されている。このため、取り付け状態において、導光部材263の出射面263aのみならず、上下フランジ267の下端および上端に至るまでの面と密着して配置されている。中央レンズ264の高さは、導光部材263の上下フランジ267の上端から下端までの高さと略同一となるように形成されている。中央レンズ264は、導光部材263と密着して固定された状態で後述するトップフレーム241に取り付けられる。
中央レンズ264は、例えば、透光性を有する部材から構成されており、乳白色を有している。このため、完全に透明なレンズを採用した場合よりも、さらに光り分けの度合いおよび粒感軽減の度合いを高めることができ、滑らかな演出を提供可能となる。
(カバーユニットの構成)
図86~図88および図94を参照してカバーユニット240の構成例について説明する。図94は、カバーユニット240の構成要素を示す分解斜視図であり、図94(a)が斜め前方から見た図であり、図94(b)が斜め後方から見た図である。
カバーユニット240は、中央レンズ264を収容するトップフレーム241と、トップフレーム241の上部に配置される上側レンズ部242と、トップフレーム241の下部に配置される下側レンズ部243とを含む。トップフレーム241の表面は、メッキ加工されている。
上側レンズ部242は、二重構造となっており、アウターレンズ242aおよびインナーレンズ242bにより構成されている。下側レンズ部243も同様に、二重構造となっており、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243bにより構成されている。アウターレンズ242a、243a、インナーレンズ242b、243bは、いずれも、中央レンズ264とは異なり、無色または有色のクリアな透明レンズである。このため、アウターレンズ242a、243a、インナーレンズ242b、243bを介した光演出により遊技の興趣を向上させつつも、中央レンズ264における滑らかな光演出をより一層際立たせることができ、注目度合いを向上させることができる。
トップフレーム241は、前面において中央レンズ264前面の形状と略合致する開口244を有し、当該開口244の上端を形成する上端フレーム245aと、開口244の下端を形成する下端フレーム245bと、上端フレーム245aと下端フレーム245bとを左端上面において接続するとともに開口244の左上方端を形成する左端フレーム245cと、上端フレーム245aと下端フレーム245bとを右端上面において接続するとともに開口244の右上方端を形成する右端フレーム245dとを含む。
開口244のうち上端フレーム245aと下端フレーム245bとにより形成される開口からは、中央レンズ264の前面が臨む。一方、開口244のうち左端フレーム245cおよび右端フレーム245d各々により形成される開口からは、中央レンズ264の断面(上端面、図90(b)における264b、264c)を臨ませることとなる。具体的に、左端フレーム245cおよび右端フレーム245d各々には、図85(b)や図94に示すように、前端部の幅方向中央位置に開口244の左上方端および右上方端を構成する開口244a、244bが形成されており、中央レンズ264の断面(上端面264b、264c)が臨むように構成されている。また、左端フレーム245cおよび右端フレーム245dには、各々、前方に位置するほど深さが深くなる(フレーム部材の厚みを薄くする)ような凹部245j、245kが、後方から開口244a、244bに向けて形成されている。
また、上端フレーム245aおよび下端フレーム245b各々の後面には、図87、図88(a)に示されるように、後方に延びる上面部245eと、下面部245fとが設けられている。上面部245eおよび下面部245fの後方部分は、ケース部材261を組み付ける際、ケース部材261の前端部に設けられている凹部261d、261eに挿入される。また、上面部245eの後端部には、図94(b)に示されるように、係合部245gが設けられている。これにより、上面部245eおよび下面部245fの後方部分を各々凹部261d、261eに挿入することにより、上面部245eに形成されている係合部245gも差し込み凹部261e’に挿入され、所定位置まで挿入されることにより差し込み凹部261e’内の非係合部と係合する。その結果、トップフレーム241にケース部材261が固定されて、上端フレーム245a、下端フレーム245b、上面部245e、下面部245f、および、ケース部材261の前端部により形成される収容部246に、中央レンズ264などが収容される。なお、トップフレーム241には、係合部245gのみならず、ケース部材261の後面からトップフレーム241に対して螺合されることによっても、ケース部材261がトップフレーム241の後方において固定される。
収容部246は、開口244を除き、上端フレーム245a、下端フレーム245b、上面部245e、下面部245f、および、ケース部材261の前端部により、光が収容部246の外部に漏れないように構成されている。このため、発光体262cからの光を効率よく導光部材263および中央レンズ264を介して開口244から照射できる。
また、中央レンズ264前面の上端および下端には、図87に示されるように、各々、凹部が形成されている。上端フレーム245aおよび下端フレーム245bは、中央レンズ264前面の当該凹部を覆って、中央レンズ264の前面を面落ちさせるように配置されている。さらに、中央レンズ264は、上端フレーム245aの表面および下端フレーム245bの表面のいずれよりも面落ちするように配置されているともいえる。すなわち、開口244から臨む中央レンズ264の前面は、上端フレーム245aの表面(前面)の延長線上(図87の点線a参照)よりも後方となり、かつ、下端フレーム245bの表面の延長線上(図87の点線b参照)よりも後方となるように、面落ちして配置されている。なお、面落ちは、これらに限らず、例えば、中央レンズ264の前面が上端フレーム245aの前端部よりも後方となるように面落ちしているものであってもよく、また、中央レンズ264の前面が上端フレーム245aおよび下端フレーム245b各々の前端部の双方よりも後方となるように面落ちしているものなどであってもよい。
また、トップフレーム241には、図87および図94に示されるように、左端フレーム245cの右端部から、上端フレーム245aの上方後端部、右端フレーム245dの左端部に亘って、掛合部245hが形成されている。これに対応して、上側レンズ部242を構成するアウターレンズ242aには、左端部から前面下端部および右端部に亘って掛合部245hに掛り合う被掛合部242cが形成されている。これにより、上側レンズ部242を構成するアウターレンズ242aについては、掛合部245hと被掛合部242cとが掛かり合うようにして、トップフレーム241の上部開口に固定される。上側レンズ部242を構成するインナーレンズ242bについては、その前方下端部がアウターレンズ242aの被掛合部242cの後面とケース部材261の上面部261cの前端部とにより挟み込まれるようにして固定される。
一方、アウターレンズ242aの後方部分には、上フレーム部225aの前端部と固定部材251の係合部251aとの間に係合させるための係合片が形成されている。また、インナーレンズ242bの後方部分には、アウターレンズ242aの後方部分の下面と、ケース部材261との間に係合させるための係合片が形成されている。これにより、アウターレンズ242aおよびインナーレンズ242b各々の係合片が対応する位置に係合するようにして、トップフレーム241を上フレーム部225aに固定することにより、アウターレンズ242aおよびインナーレンズ242bが固定される。これにより、後面ユニット250が有する複数のLED252aからの光を、アウターレンズ242aおよびインナーレンズ242bを介して、トップフレーム241の上部開口から照射できる。
また、トップフレーム241には、図87および図94に示されるように、下端フレーム245bの下方後端部に亘って掛合部245iが形成されている。これに対応して、下側レンズ部243を構成するアウターレンズ243aには、前方上端部に亘って掛合部245iに掛り合う被掛合部243cが形成されている。これにより、下側レンズ部243を構成するアウターレンズ243aについては、掛合部245iと被掛合部243cとが掛かり合うようにして、トップフレーム241の下部開口に固定される。下側レンズ部243を構成するインナーレンズ243bについては、その前方上端部がアウターレンズ243aの被掛合部243cとケース部材261の底面部261bの前端部とにより挟み込まれるようにして固定される。
一方、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243bの後方部分には、固定部材251の係合部251bに係合させるための係合片が形成されている。これにより、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243b各々の係合片が係合部251bに係合するようにして、後面ユニット250をトップフレーム241に固定することにより、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243bが固定される。これにより、後面ユニット250が有する複数のLED252bからの光を、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243bを介して、トップフレーム241の下部開口から照射できる。
(上部発光演出装置230による作用効果・変形例について)
(1) 前述した上部発光演出装置230を備えるパチスロ機1によれば、図91に示されるように、スリット263cにより複数に分割されて形成される各入射面266pに入射した光を、出射面263bのうちの各入射面266pに対応(対向・対面)する領域に集中して到達させることができる。これにより、例えば、隣り合う第1の入射面266pと第2の入射面266pとに対して異なる色の光を入射させた場合などにおいて、出射面263bのうちの第1の入射面266pに対応する領域(例えば第1の入射面266pに対向する領域を含む)と第2の入射面266pに対応する領域(例えば第2の入射面266pに対向する領域を含む)とで光り分けを可能とする。一方、出射面263bは、連続した一つの部材であるため、粒感を抱かせずに一体感のある光演出を行うことができる。
さらに、各入射部266が出射部265へと連なる連結部の四方(周囲)には、図91(b)~(d)に示されるように、入射部の断面積を徐々に大きく(広く)するように盛り部266dが設けられているために、出射面263bにおける光の連続性を向上でき一体感をより強く抱かせることができる。また、導光部材263は、複数の入射面266pを有するものの、部材としては一つの部材であるため、組み付けを簡易化できる。なお、一つの導光部材263に対してスリットが多数設けられている例について説明したが、スリットの数は、2以上であればよい。
(2) 図91に示されるように、導光部材263は、スリット263cにより区切られた複数の入射部266を有し、当該入射部266の後端部である入射面266pの角が面取りされている。これにより、入射面266pの表面積が広くなり、対面する発光体262cからの光を集光(導光部材263に入射)させる効果(集光効果、入射効果)を高めることができる。
また、入射面266pは、図91(d)で示したように、平面ではなく屋根形状(山状)となるように形成されている。すなわち、各入射部266の入射面266pには、対面する発光体262cからの光を受ける面積を当該入射面266pの手前箇所における断面積よりも広くするために、入射面266pの縁部を面取りしかつ入射面266pを屋根形状に形成する加工が施されている。これにより、入射面266pの表面積がより広くなり、対面する発光体262cからの光を集光させる効果を高めることができる。本実施形態においては、対面する発光体262cからの光を受ける面積を広くするための加工として、入射面266pの縁部の面取りすることと、入射面266pを屋根形状に形成することを例示したが、いずれか一方だけ施されているものでもよく、また、光を受ける面積を広くするための加工であればこれらに限るものではない。例えば、入射面266pは、屋根形状(山状)に限らず、略中央を頂点とする四角錐形状となるものや、ラウンド加工が施されて中央が円弧状に盛り上がる(アールが付いた)ラウンド形状となるもの、ローレット加工が施されて表面が微小な凹凸状となるものなどであってもよい。これに対して、出射面263bについては、平面となるように形成されている。これにより、中央レンズ264の取付面264aと密着し易くなる。
(3) 分割された各入射面266pには、図91(b)に示されるとおり、2以上の発光体262cと対面するように、スリット263cおよび発光体262cが設けられている。これにより、各入射面266pから入射される光量を確保でき、その結果、出射面263bにおけるむらの発生を抑制できる。
図91に示すように、2以上の発光体262cは、各入射面266pに対して、垂直方向(あるいは出射面263bの幅が短い方向)ではなく、水平方向(あるいは出射面263bの長手方向)に並べて配置されている。このため、出射面263bの長手方向におけるむらの発生を効率的に抑制できる。
(4) 複数のスリット263cのいずれにおいても、スリット263cの先端から出射面263bまでの距離は一定である(例えば、図91(b)の出射部265の奥行寸法Laは一定)。これにより、出射面263bにおける光り分けと粒感軽減の度合いを出射面263bの全面において一定化・均一化でき、光演出の質を向上できる。
なお、一定となる出射部265の奥行寸法Laは、スリット263cの先端から出射面263bまでの距離の他に、例えば、導光部材263の上下フランジ267の後端面側から出射面263bまでの長さや、導光部材263を収容空間261cの所定位置に収容・配置させた場合に収容空間261c(あるいはケース部材261)から露出する出射部265の厚み、各入射部266が出射部265に連なる箇所から出射面263bまでの長さなどとも言い換えることができる。
(5) 複数の入射部266のうち、奥行寸法が最も小さい(短い)入射部266は、図91(a)で示した、出射部265の円弧状部分265aと反り返り部分265bとの境界部分に位置している。このため、スリットの長さが最も短いスリットは、出射部265の円弧状部分265aと反り返り部分265bとの境界部分に形成されているスリットである。ここで、図91(a)に示されるように、スリットの長さが最も短いスリットでも、一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも長くなるように形成されている。つまり、複数のスリット263cのいずれであっても、その長さは、一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも大きく(長く)なるように構成されている。これにより、出射面263bにおける光り分けの度合いを高めることができる。
本実施形態では、スリットの長さが、一定となる出射部265の奥行寸法Laの少なくとも約2倍以上の長さとなる例を示しているが、スリットの長さが一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも長いものであればこれに限らず、スリットの長さが、一定となる出射部265の奥行寸法Laの1.2倍となるものであってもよく、また、3倍以上となるものであってもよい。なお、スリットの長さとは、当該スリットにより形成される入射部266の奥行方向(前後方向)の長さや、ケース部材261の収容空間261aに収容される導光部材263の長さなどとも言い換えることができる。
一方、複数のスリット263c各々の幅方向の長さ(つまり、隣り合う入射部266の垂直側面間の距離)は、図91(a)などに示されるように、一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも短くなるように形成されている。つまり、複数のスリット263cのいずれであっても、スリットの幅方向の長さは、一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも小さく(短く)なるように構成されている。これにより、出射面263bにおいて粒感を抱かせずに一体感のある光演出を行うことができる。本実施形態では、スリットの幅方向の長さが、一定となる出射部265の奥行寸法Laの約1/3の長さとなる例を示しているが、スリットの幅方向の長さが一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも短いものであればよい。
複数のスリット263c各々の幅方向の長さと、出射部265の奥行寸法Laとの大小関係は、光り分けの度合いおよび粒感軽減の度合いに影響し、例えば出射部265の奥行寸法Laに対してスリット263c各々の幅方向の長さの比率を上げ過ぎると、光り分けの度合いを高める一方で出射面263のうちのスリット263cの前方部分の光が弱く感じられて粒感を抱かせる度合いを高めてしまい、逆に、出射部265の奥行寸法Laに対してスリット263c各々の幅方向の長さの比率を下げ過ぎると、粒感を抱かせる度合いを低くできるものの、光り分けの度合いを低下させてしまう虞がある。このような観点から、光り分けの度合いおよび粒感を抱かせる度合いを程よく保ち、一体感のある光演出を行うために、スリットの幅方向の長さは、一定となる出射部265の奥行寸法Laの例えば1/4~3/5の範囲内となるものであればよく、当該範囲内のうち1/3~1/2の範囲内となるものが望ましい。
なお、複数のスリット263c各々の幅方向の長さと、出射部265の奥行寸法Laとが、光り分けの度合いおよび粒感を抱かせる度合いを程よく保ち一体感のある光演出を行うことができる大小関係であり、光り分けのために入射面263aに対して複数のスリットが形成されているものであれば、当該スリットの奥行方向の長さが一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも必ず長くなるものに限らず、出射部265の奥行寸法Laよりも短くなるスリットが含まれているものであってもよく、また、すべてのスリットが出射部265の奥行寸法Laよりも短くなるように形成されているものであってもよい。
また、複数のスリット263c各々の奥行方向の長さと、出射部265の奥行寸法Laとが、光り分けの度合いおよび粒感を抱かせる度合いを程よく保ち一体感のある光演出を行うことができる大小関係であり、光り分けのために入射面263aに対して複数のスリットが形成されているものであれば、当該スリットの幅方向の長さが一定となる出射部265の奥行寸法Laよりも必ず短くなるものに限らず、出射部265の奥行寸法Laよりも長くなるスリットが含まれているものであってもよく、また、すべてのスリットが出射部265の奥行寸法Laよりも長くなるように形成されているものであってもよい。
(6) 図93に示すように、ケース部材261には、所定のスリットに入り込む位置決め突起261gが設けられている。位置決め突起261gは、導光部材263を前後方向に貫通する収容空間261aの前方の開口から挿入した場合に、分割された各入射面266pが発光体262cと対面するように、複数のスリット263cのうちの少なくとも一部に対応する位置に設けられている。この位置決め突起261gによりスリット263cを幅方向(左右方向)において位置決めできるとともに、収容時における導光部材263の変形を防止しつつ剛性を担保できる。
位置決め突起261gは、図93(c)に示すように、所定のスリットの後方位置に設けられており、スリットの後方部分にしか入り込まない例について説明したが、これに限らず、所定のスリットの奥行方向における中間位置に設けられているものであってもよく、所定のスリットの先端位置に設けられているものであってもよい。また、位置決め突起261gは、スリットの奥行方向における中間位置から後方位置に亘って設けられているものであってもよく、所定のスリットの先端位置から後方位置に亘って設けられているものであってもよい。また、位置決め突起261gは、所定のスリット263cに対応して設けられているものに限らず、すべてのスリット263cに対応して設けられるものであってもよい。また、位置決め突起261gは、底面部261bに設けられているものに限らず、上面部261cに設けられているものであってよく、また、底面部261bおよび上面部261cの双方に設けられているものであってもよい。さらに、位置決め突起261gを底面部261bおよび上面部261cの双方に設ける場合には、位置決め突起261gが所定数のスリット毎に上下交互に設けられるもの(例えば、底面部261bに設けられた位置決め突起261gの次の位置決め突起261gは上面部261cに設けられる等)であってもよく、位置決め突起261gが上面部261cおよび底面部261bの双方において1スリット飛ばしではあるが上下交互に設けられることにより実質的にすべてのスリット263cに対応して位置決め突起261gが設けられるものであってもよく、同じスリット263cに対して底面部261bおよび上面部261cの双方に位置決め突起261gが設けられるものなどであってもよい。
(7) 導光部材263には、上下フランジ267が設けられ、ケース部材261には、底面部261bおよび上面部261cが設けられている。これにより、導光部材263を収容空間261cに前方から挿入した場合、底面部261bおよび上面部261cの前端面に上下フランジ267が当接して所定位置で止める(固定する)。つまり、底面部261b、上面部261c、および、上下フランジ267は、導光部材263の前後方向位置を精度良く位置決めでき、図91(b)に示すように各入射面266pが発光体262cと近接して対面する位置までの挿入を許容する位置決め手段といえる。これにより、導光部材263を所定位置まで挿入して位置決めでき、組み付け時の作業効率を高めることができる。
本実施形態では、位置決め手段として、ケース部材261の底面部261b、上面部261cと、導光部材263の上下フランジ267とを例示したが、これに限るものではない。例えば、各入射部266の出射部265へと連なる連結部の高さを収容空間261cの前方開口高さと一致させることにより、導光部材263を収容空間261cに前方から挿入した場合、導光部材263の入射部266の底面部および上面部が各々底面部261bおよび上面部261cに当接(嵌合)して所定位置(底面部261bおよび上面部261cの前端面に上下フランジ267が当接する位置)で止まる(位置決めされる)ように構成されているものであってもよい。この場合においても導光部材263が上下フランジ267を有しているものであってもよいが、これに限らず、導光部材263が上下フランジ267を有していないものであってもよい。また、前述したように、位置決め突起261gを所定のスリットの先端位置に設けて、当該位置決め突起261gにより、左右方向のみならず前後方向の位置決めを可能とするものであってもよい。
(8) 図88(b)などに示されるように、中央レンズ264は、取付面264aを出射面263bに密着させて、当該出射面263bを覆うように取り付けられる。これにより、中央レンズ264と出射面263bとの間における乱反射を抑制でき、光演出の質を向上できる。
なお、密着とは、取付面264aと出射面263b等との間において生じ得る光の乱反射により光演出の質を低下させてしまうことがない程度に接しているものであればよく、完全に密着しているものや、光演出の質を低下させない程度の若干の隙間が生じるものをも包含する。また、中央レンズ264は、滑らかな演出を提供するために、透光性を有する部材から構成されており、乳白色を有している例について説明したが、滑らかな演出を提供できるものであればこれに限るものではない。
(9) ケース部材261の収容空間261cの後方には、突起261g,261h、段差部261iが設けられている。突起261g,261h、段差部261iは、発光部材262を取り付けた場合に、各発光体262cを分割された各入射面266pと近接させて対面させるための取付部を構成する。これにより、複数の発光体262cの組み付け時の作業効率を高めることができる。また、各発光体262cを各入射面266pと近接させて対面させることにより、隣接する入射面263a(本来意図した入射面266pとは異なる入射面266p)に光が入射されることを防止でき、出射面263bにおける光り分けの度合いを高めることができる。さらに、発光部材262は、導光部材263を収容するケース部材261に取り付けられるため、例えば、他の部材(後面ユニット250など)に取り付ける場合と比較して、発光体262cと導光部材263の入射面266pとを正確に精度よく対面させることができずにずれてしまうといった不具合の発生を未然に防止できる。
なお、本実施形態では、入射面266pと、対面する発光体262cとの間に隙間を設けて近接するように両者を配置させる例について説明したが、より集光量を重視する場合にはこれに限らず、入射面266pおよび対面する発光体263c各々を接触あるいは密着するように配置されるようにしてもよい。
(10) 発光体262cとは別の発光体である複数のLED252a、252bは、ケース部材261の後方に配置される後面ユニット250の固定部材251の上端部と下端部との間に設けられた基板取付部に取り付けられる。基板取付部は、ケース部材261固定部材251を挟んでケース部材261と対向する位置に設けられているため、ケース部材261と近接する領域に設けられているといえる。また、上部発光演出装置230は、出射面263bを覆う中央レンズ264とは別に、複数のLED252a、252bからの光を外部に発散させるためのアウターレンズ242aおよびインナーレンズ242b、アウターレンズ243aおよびインナーレンズ243bを有している。つまり、発光体262cとは別の複数のLED252a、252bがケース部材261とは異なる後面ユニット250に取り付けられるとともに、複数のLED252a、252bに対応するレンズ部材が複数の発光体262cに対応する中央レンズ264とは別個に設けられている。これにより、導光部材263の出射面263bにおける光り分けなどに別のLED252a、252bなどからの光が影響を及ぼすことを防止できる。また、発光体262cと、LED252a、252bとの取付箇所が分散されるため、熱対策を兼ねることができる。
(11) 中央レンズ264の外縁を囲うように配置されるトップフレーム241は、メッキ加工されている。また、中央レンズ264は、図87に示されるように、トップフレーム241の前面よりも面落ちするように配置される。これにより、外乱光など本来意図していない光が中央レンズ264に入射して発光させてしまい見栄えが悪くなることや、光演出の質を低下させてしまうことを抑制できる。
(12) 入射部266cについては、他の入射部と比較して導光部材263の幅方向中心に位置することにより、組み付け時などに負荷などが加わりやすい。一方、光演出を行うに際して、中央部分を境界にして、入射部266cの左半分と右半分とで異なる色やパターンで発光させる可能性は低い。このため、中央に位置する入射部266cについては、スリット263cが設けられていない。これにより、スリット263cが設けられている場合と比較して、組み付け時などにおいて入射部266cに負荷が加わったとして破損し難くすることができ、導光部材263の強度を高めることができる。
また、他の入射部266よりも入射面が広い入射部266cの両側方に形成されるスリット263cには、位置決め突起261gが設けられている。また、位置決め突起261gは、スリット263cに入り込む高さではあるが、仮に入射部266の後端(入射面)が当接した場合には後方へ進入させない高さを有している。このため、例えば横方向に入射部266一つ分ずれて挿入されようとしている場合などには、他の入射部266よりも横方向に長い入射部266cの後面に当接してそれ以上後方に挿入できない。その結果、左右方向にずれたまま無理矢理挿入しようとして導光部材263を破損させてしまうことなどを防止できる。
(13) トップフレーム241の左端フレーム245cおよび右端フレーム245dには、図85等に示すように、各々、前方に位置するほど深さが深くなるような凹部245j、245kが、後方から開口244a、244bに向けて形成されており、当該開口244a、244bから中央レンズ264の断面(上端面264b、264c)が臨むように構成されている。これにより、パチスロ機1(上部発光演出装置230)を正面からみたときにトップフレーム241によって中央レンズ264の上端面264b、264cまできっちりと区画されて覆われてしまうことにより見栄えが悪くなることを防止でき、美観を遊技者に抱かせることができる。
(14) 上部発光演出装置230によれば、特に中央レンズ264における光演出として、光り分けの度合いおよび粒感軽減の度合いを高めつつ滑らかな演出を提供可能となる。
中央レンズ264における光演出としては、例えば、まず中央位置の入射部266cに光を入射し、その後時間の経過(例えば0.2秒ごと)に応じて一つずつ左右側の隣の入射部266に光を入射するように制御することにより、中央から左右に光が広がり、最終的にすべてが光るような演出を行うようにしてもよい。また、すべてが光るような演出を行った後に、幅方向両端に位置する入射部266eへの光の入射を終了し、その後時間の経過(例えば0.2秒ごと)に応じて一つずつ中央側の隣の入射部266への光の入射を終了するように制御することにより、左右から中央に向けて徐々に光が消えていくような演出を行うようにしてもよい。
また、中央レンズ264における光演出としては、例えば、まず中央位置の入射部266cに光を入射し、その後時間の経過(例えば0.2秒ごと)に応じて光りを入射する入射部266を一つずつ左右側の隣の入射部266に切り替えるように制御することにより、中央から左右に光が移動するような演出を行うようにしてもよい。また、幅方向両端に位置する入射部266eに切り替えられた後においては、一つずつ中央側の隣の入射部266に切り替えるように制御することにより、左右から中央に光が移動するような演出を行うようにしてもよい。
また、中央レンズ264における光演出としては、炎が渦巻くような演出を行うようにしてもよい。具体的には、中央位置の入射部266cを中心として、入射部266cの周辺の数個(2~4)の入射部266を用いて、時間の経過に応じて黄色の光が中央から左右に広がり左右から中央に狭くなる演出を繰り返すとともに、当該演出に連動させて、黄色の光を入射している入射部266の左右側の周辺の数個(2~4)の入射部266を用いて橙色の光が左右に揺らぎ、かつ、橙色の光を入射している入射部266の左右側の周辺の数個(2~4)の入射部266を用いて赤色の光が左右に揺らぐような演出を行うようにしてもよい。また、所定タイミングにおいて、黄色の光が爆発するように、黄色の光が中央から左右に光が広がり、瞬間的にすべてが黄色に光るような演出(爆発演出)を行った後、上記のように黄色、橙色、および、赤色の光が左右に揺らぐような演出に戻すようにしてもよい。
中央レンズ264における光演出としては、これに限るものではないが、前述したとおり、複数の入射部266が形成されている導光部材263を用いていることにより、上記のような各入射部266単位で異なる光りを入射するようにしても、出射面263b側において細かく反映させることができるため、光り分けを可能とするとともに、粒感を抱かせずに一体感のある光演出を行うことができる。なお、上側レンズ部242および下側レンズ部243における光演出は、中央レンズ264における光演出に連動した態様(例えば、中央レンズ264にすべてが光るような演出や、爆発演出などが行われたタイミングなど)で行われるものであってもよく、中央レンズ264における光演出とは別個の態様で行われるものであってもよい。
また、中央レンズ264における光演出は、パチスロ機1において制御され得る遊技状態に応じた態様で行われることが好ましい。パチスロ機1において制御され得る遊技状態には、例えば、メダル増加の期待値がプラスとなる状態であって遊技者にとって有利な有利状態(いわゆるAT状態やボーナス状態など)や、有利状態に移行しやすいチャンス状態(いわゆるチャンスゾーン(CZ)や高確率ゾーンなど)、有利状態やチャンス状態等のいずれでもない通常状態などが含まれる。
通常状態においては、中央レンズ264における光演出を、他の状態であるときと比較して、おとなしく静かな印象を遊技者に抱かせる態様(例えば、白色の単色で点灯させる態様、単調な点滅態様など)で行うことが好ましい。また、他の光演出部(例えば、上側レンズ部242、下側レンズ部243、左サイド演出装置232、右サイド演出装置23、腰部パネル13など)や音演出部(例えば、スピーカ232a、233a、スピーカ35a,35bなど)における演出についても、通常状態においては、おとなしく静かな印象を遊技者に抱かせる態様で行われることが好ましい。総じて、通常状態中においては、遊技者の期待を過度に煽るような態様で演出が行われることは稀である(あまりない)。ただし、通常状態中であっても、例えばメイン表示装置210やサブ表示装置220などを含む他の演出装置において演出が発生した場合には、中央レンズ264における光演出やその他の演出部における演出を、おとなしく静かな印象を遊技者に抱かせる態様で行うものに限らず、メイン表示装置210等における演出に応じた態様(例えば、遊技者の期待を煽るような態様、派手な色での点灯・点滅、派手な音調の効果音を出力等)で行うようにしてもよい。この場合、中央レンズ264における光演出やその他の演出部における演出の態様を、おとなしく静かな印象を遊技者に抱かせる態様からメイン表示装置210等における演出に応じた態様に切り替えるタイミングは、メイン表示装置210等における演出の種類に応じて、メイン表示装置210等における演出の開始と同じタイミングであってもよく、メイン表示装置210等において演出が開始されてから所定時間(例えば2秒等)経過後のタイミングであってもよく、メイン表示装置210等において演出が開始されるまでのタイミングであってもよい。例えば、メイン表示装置210等において第1演出が行われる場合には、当該第1演出の開始と同じタイミングで中央レンズ264における光演出等の態様を第1演出に応じた態様に切り替え、メイン表示装置210等において第2演出が行われる場合には、当該第2演出が開始されてから所定時間(例えば2秒等)経過後のタイミングで中央レンズ264における光演出等の態様を第2演出に応じた態様に切り替え、メイン表示装置210等において第3演出が行われる場合には、当該第3演出が開始されるまでの所定のタイミングで中央レンズ264における光演出等の態様を第3演出に応じた態様に切り替えるものであってもよい。また、通常状態においては、所定の条件が成立(抽選で当選など)したときなどに、他の演出部ではなく中央レンズ264における光演出の態様により、例えば、遊技者にとって有益な情報を報知するようにしてもよい(例えば、パチスロ機1において設定されている設定値を示唆、有利区間中であるか否かを示唆など)。
CZや高確率ゾーンなどの出玉の増加区間への移行に期待が持てるチャンス状態においては、通常状態と比較して有利状態となり出玉への期待度が高まる状態であることから、中央レンズ264における光演出を、印象的で遊技者を注目させて遊技者の期待を煽る態様(例えば、点滅する態様、多色で発光する態様、賑やかな態様、逆に消灯させて遊技者に違和感を抱かせる態様、通常状態における態様とは異なる態様など)で行うことが好ましい。また、他の光演出部や音演出部においても、チャンス状態においては、印象的で遊技者を注目させて期待を煽る態様で演出が行われることが好ましい。なお、チャンス状態においては、中央レンズ264における光演出や、他の光演出部、音演出部各々における演出の態様により、有利状態に移行される可能性を報知(示唆)するようにしてもよい。また、特定種類のチャンス状態(例えば、複数種類のチャンス状態のうちの特定チャンス状態やプレミア的なチャンス状態など)である場合には、他の光演出部等ではなく中央レンズ264における光演出の態様により有利状態に移行される可能性を報知(示唆)するようにしてもよい。これにより、中央レンズ264における光演出に対する注目度合いを向上させることができる。また、中央レンズ264における光演出等の態様により有利状態に移行される可能性を報知(示唆)するタイミングは、チャンス状態への制御が開始されたタイミングであってもよく、チャンス状態中における所定のタイミング(あるいは所定条件が成立したタイミング)であってもよく、チャンス状態への制御が終了する直前のタイミングであってもよい。また、チャンス状態においては、所定の条件が成立(抽選で当選など)したときなどに、他の演出部ではなく中央レンズ264における光演出の態様により、例えば、遊技者にとって有益な情報を報知するようにしてもよい(例えば、パチスロ機1において設定されている設定値を示唆、有利状態に移行される可能性を示唆など)。
AT状態やボーナス状態などの有利状態においては、通常状態と比較して出玉が増加する状態(増加区間)であることから、中央レンズ264における光演出を、印象的で遊技者を注目させて遊技者の期待を煽る態様(例えば、点滅する態様、多色で発光する態様、賑やかな態様、逆に消灯させて遊技者に違和感を抱かせる態様、少なくとも通常状態における態様とは異なる態様など)で行うことが好ましい。また、他の光演出部や音演出部においても、有利状態においては、印象的で遊技者を注目させて期待を煽る態様で演出が行われることが好ましい。
また、有利状態においては、チャンス状態などと比較して、直接的に遊技者にとって有利となる遊技区間であることから、中央レンズ264を含む各種演出部における演出を、チャンス状態よりも派手で印象的な態様(例えば、強調態様、点滅間隔が短い、発光色が多いなど)で演出を実行することとしてもよい。さらに、有利状態およびチャンス状態のいずれにおいても行われ得る演出(以下、特定演出ともいう)が、有利状態中に行われる場合には、チャンス状態中に行われる場合よりも派手で印象的な態様で当該特定演出が行われるようにしてもよく、逆に、特定演出がチャンス状態中に行われる場合には、有利状態中に行われる場合よりも派手で印象的な態様で当該特定演出が行われるようにして遊技者に違和感を抱かせるようにしてもよい。
また、有利状態においては、チャンス状態などと比較して、長期間に亘り滞在する場合が多いことから、派手で印象的な態様ではあるものの、激しい点滅など遊技者に対して強い刺激などを与える頻度がチャンス状態よりも少なくなるような態様で演出を実行することとしてもよい。さらに、有利状態およびチャンス状態のいずれにおいても行われ得る特定演出が、有利状態中に行われる場合には、チャンス状態中に行われる場合よりも激しい点滅など遊技者に対して強い刺激を与える頻度が少なくなるような態様で当該特定演出が行われるようにしてもよく、逆に、特定演出がチャンス状態中に行われる場合には、有利状態中に行われる場合よりも激しい点滅など遊技者に対して強い刺激を与える頻度が少なくなるような態様で当該特定演出が行われるようにして遊技者に違和感を抱かせるようにしてもよい。
また、有利状態においては、中央レンズ264における光演出や他の光演出部、音演出部各々における演出の態様、あるいは他の光演出部等ではなく中央レンズ264における光演出の態様により、制御されている有利状態に関する有利度合い(例えば、残りATゲーム数、AT継続確率、有利状態におけるメダル払出枚数、有利状態終了後に制御される状態の有利性など)を報知(示唆)するようにしてもよい。これにより、中央レンズ264における光演出に対する注目度合いを向上させることができる。また、中央レンズ264における光演出等の態様により制御されている有利状態に関する有利度合いを報知するするタイミングは、有利状態への制御が開始されたタイミングであってもよく、有利状態中における所定のタイミング(あるいは所定条件が成立したタイミング)であってもよく、有利状態への制御が終了する直前のタイミングであってもよい。また、有利状態においては、所定の条件が成立(抽選で当選など)したときなどに、他の演出部ではなく中央レンズ264における光演出の態様により、例えば、遊技者にとって有益な情報を報知するようにしてもよい(例えば、パチスロ機1において設定されている設定値を示唆、制御されている有利状態に関する有利度合いを報知など)。
以上においては、主として、遊技者により遊技が行われているときの中央レンズ264を含む各種演出部における演出の態様について説明したが、遊技が行われていない、いわゆる客待ち状態においては、稼働(遊技)を促進させるために遊技を訴求する演出(例えば、点滅する態様、多色で発光する態様、目立つ態様など)を行うことが求められる。客待ち状態においては、中央レンズ264における光演出を、メイン表示装置210やサブ表示装置220などを含む他の演出装置において行われる予め定められた遊技促進演出に応じた態様で行うことが好ましく、例えば、第1遊技促進演出中においては当該第1遊技促進演出に応じた制御パターンとなる第1態様で行い、第2遊技促進演出中においては当該第2遊技促進演出に応じた制御パターンとなる第2態様で行うようにしてもよい。また、他の光演出部や音演出部における演出についても、客待ち状態においては、メイン表示装置210などにおける遊技促進演出に応じた態様で行うことが好ましい。
なお、客待ち状態中において演出が行われているときに、遊技者によって遊技が開始された場合には、中央レンズ264を含む各種演出部やメイン表示装置210等を、瞬間的に現在の遊技状態に応じた演出パターン(演出内容)に切り替えるように制御(切替制御)してもよく、また、客待ち状態での演出とクロスフェードするように現在の遊技状態に応じた演出パターンに切り替えるように制御(切替制御)してもよい。客待ち状態中において演出が行われているときに、遊技者によって遊技が開始される場合において中央レンズ264を現在の遊技状態に応じた演出パターン(演出内容)に切り替える切替制御としては、中央レンズ264以外の各種演出部やメイン表示装置210等と同じ切替制御を採用してもよく、中央レンズ264以外の各種演出部やメイン表示装置210等とは異なる切替制御を採用してもよい。
また、パチスロ機1においてエラーが発生して遊技が中止されているエラー状態においては、例えば中央レンズ264における光演出を、遊技者や遊技場の店員に対してエラーが発生していることをわかりやすく伝えることができる態様(例えば、赤色の高速点滅など)で行うことが好ましい。また、他の光演出部や音演出部における演出についても、エラー状態においては、遊技者や遊技場の店員に対してエラーが発生していることをわかりやすく伝えることができる態様で行うことが好ましい。
エラー状態における演出パターン(演出内容)に関しては、演出的な要素は必要ないため、例えば、中央レンズ264を含む各種演出部において一律の演出パターンで演出を行うようにしてもよい。また、他の状態からエラー状態に切り替わる場合、多くのエラーについて、当該エラー発生を報知するための演出は、遊技の進行等に応じた演出よりも優先して行われるため、エラーの発生と同時に速やかに当該エラーに対応する演出パターン(演出内容)に切り替えることが望ましい。エラー状態の発生は、遊技者にとって好ましいものではないため、エラーが解消した場合には速やかにもとの演出パターン(遊技の進行等に応じた演出内容)へと復帰させることが好ましい。ただし、エラー復帰後は、遊技の進行が最低限可能な状態となるものであればよいため、例えばメイン表示装置210やサブ表示装置220、音演出部についてはエラー復帰後速やかにもとの演出パターンを復帰させる一方、中央レンズ264や、上側レンズ部242、下側レンズ部243、左サイド演出装置232、右サイド演出装置23、腰部パネル13などを含む光演出部についてはエラー復帰後から所定期間(例えば、10秒、あるいは1分等)経過するまでエラー状態に対応する演出パターンを継続し、所定期間経過してからもとの演出パターンを復帰させるようにしてもよい。これにより、例えばエラーを誘発させる不正行為等を行う不正遊技者に対しては、発生させたエラーを一瞬で解消させたとしても所定期間経過するまではエラー状態に対応する演出パターンで発光演出が継続するため、警戒感を抱かせることができ、その結果、このような不正行為の抑止力を高めることができる。また、所定期間経過するまで、遊技店の店員に対して遊技者が不正行為を行っている虞がある旨を報知できる。また、遊技が中止されない類のエラーが発生した場合においては、この限りではなく、例えば、エラーの報知はメイン表示装置210やサブ表示装置220、音演出部のいずれかのみで行うものとし、中央レンズ264を含む光演出部ではエラーに対応する演出パターンの発光を行わないものとしてもよい。なお、中央レンズ264を含む光演出部にてエラーに対応する演出を行う場合、当該エラーに対応する演出は、エラー原因が解消されて前面扉が閉状態となったタイミングで終了するものであってもよく、エラー原因が解消されたタイミング(例えば、メダル補助収納庫スイッチ33Sにより一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合の満タンエラー時には、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上でリセット操作がされたタイミング(前面扉は開状態のタイミング)など)で終了するものであってもよい。
(15) 第2実施形態では、出射部に対して入射部が一つの行(一つの列、一方向、水平方向)に複数並んで設けられるようにスリットが形成された導光部材を例示したが、これに限らず、出射部に対して入射部が複数の行(例えば、上下2列など)に並んで複数設けられるように、導光部材に対してスリットが垂直方向のみならず水平方向にも形成されているものであってもよい。具体的には、出射部に対して、縦3行(垂直方向に3個)、横40列(水平方向に40個)となる計120個の入射部が設けられるようにスリットが形成されているものであってもよい。また、出射面については、横長の矩形状となるものに限らず、円形状や、楕円形状、三角形状など、どのような形状となるものであってもよく、形状に合わせてスリットが設けられて入射部が形成されるものであればよい。
(16) 第2実施形態で説明した特徴を有する導光部材は、遊技機筐体の中央上部に配置される発光演出装置において用いられるものに限らず、これに加えてあるいは替えて、遊技機筐体のサイドランプ(例えば、左サイド演出装置232、右サイド演出装置233など)や、演出表示窓D1の周辺を取り囲むように設けた発光演出装置、メイン表示窓4の周辺を取り囲むように設けた発光演出装置、演出表示窓D1とメイン表示窓4との周辺を取り囲むように設けた発光演出装置などにおいて用いられるものであってもよい。周辺を取り囲むとは、例えば、取り囲む対象(例えば、演出表示窓D1など)の上下左右を取り囲むものや、左右を取り囲むもの、上下を取り囲むものなどをいう。また、遊技機筐体に対して左右に設けられた発光演出装置において導光部材を用いる場合において、演出表現を最大限活かすためには、第1実施形態において例示した上下で別個の扉として開閉可能な上下分離型筐体や、第2実施形態において例示した上下一体の扉(1つの扉)となる筐体であっても例えばサイドランプの構造などが上下で非一連の構造となる場合よりも、上下一体の扉(1つの扉)となる筐体において当該筐体の左右各々において上端から下端に亘って一連・ぶち抜きとなる構造を有する発光演出装置が望ましい。以下では、遊技機筐体に対して左右各々に設けられた発光演出装置において導光部材を用いる場合について例示する。
遊技機筐体に対して左右に設けられた発光演出装置において導光部材を用いる場合には、前述したケース部材261に相当するケース部材の長手方向が、垂直方向となるようにして、導光部材の長手方向も垂直方向となるように配置するようにしてもよい。なお、遊技機筐体に対して左右に設けられた発光演出装置において導光部材を用いる場合には、ケース部材261に相当するケース部材を備えるものであればよく、その他の構成(例えば、上側レンズ部242、下側レンズ部243、後面ユニット250など)を省き、ケース部材を介してドアフレーム225に直接配置させて取り付けるものであってもよい。
また、導光部材の長手方向が垂直方向となるように配置した場合における、左右方向(幅方向)における導光部材の出射面の形状は、遊技機筐体の外郭に合わせて略直線化するなどして導光部材の強度・耐性を高めることが望ましい。また、略直線化した面は、真正面に向けられているものであってもよく、その法線が遊技機の正面中央(遊技者)方向となるように中央寄りに向けられているものであってもよい。一方、導光部材の長手方向が垂直方向となるように配置した場合における、前後方向(奥行方向)における導光部材の出射面の形状は、強度に対する問題が発生し難いため、デザインとして様々な形状(例えば、上下方向における中央位置よりも上方向あるいは下方向にいく程、前方に突出するように滑らかな湾曲面となる形状など)を適宜採用してもよい。 また、導光部材の出射部をケース部材から突出させる長さを調整することにより、発光演出を遊技機筐体の前方側からだけではなく、遊技機筐体の側方側(横方向)からも視認可能となるようにしてもよい。この場合、スリットは、遊技機筐体の側方側から視認されない程度の長さとすることにより、サイドランプとしての発光演出装置の美観を損ねることなく発光演出領域を拡大することができる。
また、導光部材の出射部(出射面)の前面には、第2実施形態と同様に、中央レンズ264に相当するレンズが覆うように配置される。また、当該レンズは、導光部材の出射面と密着して配置され、かつ、透光性を有する部材から構成されており、乳白色を有しているものとし、滑らかな演出を実行可能とすることが好ましい。また、導光部材の出射部を遊技機筐体の側方側(横方向)からも視認可能となるように構成する場合、レンズは、導光部材の出射面のみならず、出射面と連なり後方に延びる出射部の側面を密着して覆う形状とすることが好ましい。さらに、サイドランプとしての発光演出装置において、導光部材やケース部材以外の他の構成(例えば、上側レンズ部242、下側レンズ部243、後面ユニット250など)を省く場合には、中央レンズに相当するレンズをアクリル等の強度および透明度が高い外側レンズで覆うようにすることで、中央レンズに相当するレンズを保護することが望ましい。
また、前述したように、出射部に対して入射部が複数の行(例えば、2列)に並んで複数設けられるように、導光部材に対してスリットが垂直方向のみならず水平方向にも形成されている導光部材を、遊技機筐体に対して左右各々に設けられた発光演出装置に採用(導光部材の長手方向が略垂直方向となるように縦にして配置)してもよい。この場合、左右の発光演出装置は、各々、遊技機筐体の上方から下方に亘る一連・ぶち抜きの構造となる遊技機中央側の行と外側の行とを有することとなる。また、この場合においても、遊技機中央側の行と外側の行とを形成する導光部材の出射部をケース部材から突出させる長さを調整することにより、発光演出を遊技機筐体の前方側からだけではなく、遊技機筐体の側方側(横方向)からも視認可能となるようにしてもよい。これにより、遊技機中央側の行に対応する出射面と、外側の行に対応する出射面とで、同じ発光演出を行うのみならず、異なる発光演出を行うことが可能となり、かつ、遊技機前方から見たときには、それぞれの発光演出が共に目に入るので、特に遊技者の興味を引き付けるとともにダイナミックで迫力のある演出を提供できる。なお、遊技機中央側の行に対応する出射面と、外側の行に対応する出射面とは、前方に対して同じ方向を向いているものであってもよく、前方に対して異なる方向を向いているものであってもよい。前方に対して異なる方向を向いているものとしては、例えば、遊技機中央側の行に対応する出射面は遊技機中央寄りに向く一方、外側の行に対応する出射面は若干遊技機外側寄りに向くことで、遊技機中央側の行に対応する出射面の前方端と外側の行に対応する出射面の前方端とが鋭角に交差し、前方に突出している(尖る)ようなものであってもよい。
また、前述したように左右の発光演出装置各々が、上方から下方に亘る一連・ぶち抜きの構造となる遊技機中央側の行と外側の行とを有するように構成した場合、前方から見たときに、遊技機中央側の行に対応する出射面と外側の行に対応する出射面とで意図しないような発光演出の混ざり方をしてしまう虞(一方が他方に影響を与えすぎてしまう虞)がある。このため、遊技機中央側の行と外側の行との間のスリットの長さを、他のスリット(例えば、遊技機中央側(あるいは外側)の行において上下に隣り合う入射部間のスリット)よりも長くしてもよく、例えば遊技機中央側の行と外側の行との間のスリットが出射面の手前ぎりぎりとなる位置(出射面を保持できる程度の厚みを残す位置)まで形成されており、当該スリットの先端から出射面までの長さが前述した奥行寸法Laよりも小さく(短く)なるようにしてもよい。遊技機中央側の行と外側の行との間のスリットは、深く入れても側面側から視認可能とならないため、強度の許す限り深く入れることができる。これにより、遊技機中央側の行に対応する出射面と外側の行に対応する出射面との光り分けの度合いを高めることができる。この場合、遊技機中央側の行に対応する出射面と、外側の行に対応する出射面との光り分けが可能となるため、例えば、遊技機中央側および外側の行のうち、いずれか一方あるいは双方において、上下に隣り合う入射部間のスリットを形成しない(つまり遊技機中央側の行と外側の行との間のスリットのみ形成)か、スリットを形成する間隔(一つの入射部の上下幅)が大きくなるようにしてもよい。
なお、一つの導光部材で遊技機中央側の行と外側の行とを形成するものに限らず、遊技機中央側の行を構成するための導光部材と、外側の行を構成するための導光部材とを配置させることにより、遊技機中央側の行に対応する出射面と外側の行に対応する出射面との光り分けの度合いを高めるものであってもよい。この場合、前方から見たときに、遊技機中央側の行に対応する出射面と、外側の行に対応する出射面との隙間(2つの導光部材同士の隙間)が見えないようにするために、当該2つの出射面を覆うレンズは一体のものとし、2つの導光部材の出射面に対して1つのレンズを各々の出射面と密着するように配置するようにしてもよい。以上においては、左右の発光演出装置各々が、上方から下方に亘る一連・ぶち抜きの構造となる2つの行を有する例について説明したが、行数は2つに限らず3つ以上の行を有するものであってもよい。
<ダクトユニット912の構成>
次に、ダクトユニット912の構成について、図95~図98を参照して説明する。図95は、ダクトユニット912の斜視図である。図96は、ダクトユニット912の背面図である。図97は、図96に示すd-dに沿う断面図である。図98は、貯水部1102の着脱手段を説明するための図であり、図98(a)はダクトユニット912を後方から見た分解斜視図であり、図98(b)は貯水部1102を右前方から見た斜視図である。
ダクトユニット912は、ドアフレーム225の上フレーム部225aの後面側において螺合されて取り付けられている。ダクトユニット912は、吸気口921aから取り込んだ空気を、ドア機構Dの前後方向の後面側に配置された筐体側ダクトに導く。筐体側ダクトに導かれた空気は、照射ユニットB(プロジェクションマッピング装置等)を冷却する。
図95および図96に示すように、ダクトユニット912は、通路部1101と、通路部1101に連通する貯水部1102とを有する。ダクトユニット912は、吸気口921aから筐体内部に入り込む空気を、照射ユニットBの吸気ダクトへ導く。
通路部1101は、左右方向に長い扁平の直方体状に形成されている。通路部1101は、吸気口921aに対向する接続ブロック1111と、接続ブロック1111に連続する排水ブロック1112とを有する。
接続ブロック1111は、通路部1101における左右方向の左側を形成する。接続ブロック1111は、中空の箱状に形成されており、吸気用開口部1113と、ダクト接続口1114を有している。吸気用開口部1113は、上方を向いた開口部であり、吸気口921aに対向する。ダクト接続口1114は、前後方向の後方を向いた開口部であり、照射ユニットBの吸気ダクトに対向する。接続ブロック1111は、吸気用開口部1113を有する吸気口接続部材1123を、通路部1101の下面を形成する下ケース部材1121と通路部1101の蓋を形成する上ケース部材1122各々に設けられた取付部により上下方向から挟み込み、空気や液体が外側に漏れないように組み付けられて形成されている。
吸気用開口部1113は、吸気口921aよりも大きい四角形に設定されている。吸気用開口部1113には、ゴムパッキン1115が取り付けられている。ゴムパッキン1115は、吸気用開口部1113の周囲に沿う四角形の枠状に形成されている。
ゴムパッキン1115は、吸気用開口部1113の周囲と吸気口921aの周囲(上フレーム部225aの内面)との間に圧縮された状態で介在される。これにより、吸気口921aから浸入した液体が、ダクトユニット912の外側に漏れないようにすることができる。すなわち、吸気口921aから浸入した液体は、吸気用開口部1113から接続ブロック1111内に入り込む。また、吸気口921aを通る空気は、吸気用開口部1113から接続ブロック1111内に入り込む。
ダクト接続口1114は、吸気ダクト225の開口部に見合った四角形に設定されている。ダクト接続口1114には、ゴムパッキン1116(図96参照)が取り付けられている。ゴムパッキン1116は、ダクト接続口1114の周囲に沿う四角形の枠状に形成されている。
ゴムパッキン1116は、ダクト接続口1114の周囲と吸気ダクトの開口の周囲との間に圧縮された状態で介在される。これにより、ダクト接続口1114を通る空気が吸気ダクトの外側に漏れないようにすることができ、ダクトユニット912内の空気を効率よく吸気ダクトへ送ることができる。すなわち、ダクト接続口1114を通る空気は、吸気ダクト内に入り込む。
本実施の形態のゴムパッキン1115,1116は、緩衝部材を構成する。なお、吸気用開口部1113と吸気口921aとの間の間隙、及びダクト接続口1114と吸気ダクトとの間の間隙が小さくなるものであれば、ゴムパッキン1115,1116に限らず、他のシール部材を用いてもよい。
排水ブロック1112は、接続ブロック1111に連通する中空の箱状に形成されている。排水ブロック1112は、左右方向に長い直方体であり、左端部が接続ブロック1111に連通している。排水ブロック1112の右端部は、貯水部1102に連通している。図96に示すように、接続ブロック1111の下面は、貯水部1102の上面よりも上方に位置する。排水ブロック1112は、貯水部に向かうにつれて低くなるように傾斜している。そのため、接続ブロック1111内に入り込んだ液体は、排水ブロック1112を流れて貯水部1102へ導かれる。
図97に示すように、通路部1101は、エントランス1131と、第1通路1132と、第2通路1133とが形成されている。エントランス1131は、吸気口接続部材1123の底面であって、上下方向において吸気用開口部1113に対向する。第1通路1132は、エントランス1131から第2通路1133側または排水ブロック1112側までの領域である。また、第2通路1133は、第1通路1132からダクト接続口1114までの領域である。第1通路1132から第2通路1133までの間には、壁部1135が設けられている。壁部1135は、略垂直上向きであって第1通路1132側に反り立つように設けられている。
エントランス1131の底面は、第1通路1132に向かうにつれて低くなるように傾斜している。また、第1通路1132の底面は、排水ブロック1112側方向については当該排水ブロック1112に向かうにつれて低くなるとともに、第2通路1133側方向については第2通路1133に向かうにつれて高くなるように傾斜している。一方、第2通路1133の底面は、略水平となるように形成されている。このため、壁部1135の高さは、排水ブロック1112に向かうにつれて高くなるように形成されている。
また、第1通路1132の底面には、複数のリブ1141が設けられている。複数のリブ1141は、前後方向に適当な間隔を空けて並んでいる。また、複数のリブ1141は、左右方向に延びている。
複数のリブ1141は、下ケース部材1121と一体成型されている。したがって、複数のリブ1141に打ち当たった液体が複数のリブ1141の下をすり抜けることは無い。複数のリブ1141は、吸気用開口部1113から入り込んだ液体を排水ブロック1112側へ導く。複数のリブ1141は、吸気用開口部1113から入り込んだ液体の第2通路1133への進行を妨げる。これにより、徐々に液体の勢いを衰えさせることができる。すなわち、液体が1つ目のリブ1141を乗り越える際に液体の勢いが弱まり、1つ目のリブ1141を乗り越えた液体は、2つ目のリブ1141を乗り越えることが難しくなる。そして、乗り越えるリブ1141が増えるほど、液体の勢いが衰えていく。そのため、液体の第2通路1133への進行を妨げつつ、排水ブロック1112に誘導できる。
また、本実施形態における第1通路1132の底面は、排水ブロック1112側方向については当該排水ブロック1112に向かうにつれて低くするだけでなく、第2通路1133側方向については第2通路1133に向かうにつれて高くなるように傾斜させている。つまり、第2通路1133への進行を妨げる勾配によっても、リブ1141を乗り越えることが困難となる。さらに、第2通路1133の手前側には壁部1135が設けられているため、仮にすべてのリブ1141を乗り越えたとしても、第2通路1133への進行を妨げることができる。これにより、第1通路1132の前後方向に要する長さや、第1通路1132に要する面積、第1通路1132に要するリブの数を抑えることなどが可能となり、省スペース化を図ることができる。
一方、第1通路1132を通る空気は、吸気ダクトを通過して、冷却対象である照射ユニットB(プロジェクションマッピング装置等)に達する。この空気の流れは、照射ユニットBが備える排気ファンによって生じさせる。排気ファンは、吸気口921aからダクトユニット912内部に外気を吸引可能な風量を発生させる。なお、排気ファンに代えて吸気ダクトに吸気ファンを設けてもよく、吸気ダクト及び排気ダクトのそれぞれに吸気ファン及び排気ファンを設けてもよい。また、冷却対象は、プロジェクタ装置に限定されず、発熱するその他の電気部品、電子部品であってもよい。なお、本実施形態におけるパチスロ機1は、冷却に用いられた空気を、筐体外部に排気する排気口が特に設けられていないため筐体内に排気するが、これに限らず、筐体外部に排気する排気口を設けて、冷却に用いられた空気を排気口に送るダクトを配置させて、当該排気口からパチスロ機1の筐体外部に排気するように構成してもよい。
貯水部1102は、上方が開口された中空の箱状に形成されており、排水ブロック1112から流れてきた液体を収容する。図95に示すように、貯水部1102の開口は、排水ブロック1112の右端部に設けられた蓋部1126によって塞がれている。貯水部1102は、透光性を有する樹脂により形成されている。これにより、貯水部1102に収容された液体を貯水部1102の外部から確認することができる。
貯水部1102は、その上部において、排水ブロック1112に対して着脱自在に接続されている。また、貯水部1102は、その下部において、ドアフレーム225の後面側(例えば、ドアフレーム225の後面に取り付けられているスクリーン装置Cを構成するバックパネルの後面など)に着脱自在に接続されている。本実施形態における着脱自在とするための着脱手段としては、工具などを要する(用いる)ことなく着脱可能とするものが望ましい。これにより、ねじを外すなどのパチスロ機1の未承認変更にあたるような行為を伴うことなく、貯水部1102を上ドア本体901及び排水ブロック1112から取り外して、貯水部1102に収容された液体を廃棄することができる。
本実施形態では、貯水部1102の上部の着脱手段として、スライドフック1136および回転ロック部材1137が採用されており、貯水部1102の下部の着脱手段として、ラッチ部材1139が採用されている。
まず、貯水部1102の上部の着脱手段であるスライドフック1136および回転ロック部材1137について説明する。図98に示されるように、スライドフック1136は、貯水部1102の上部右側において下方に突出するように設けられ、断面形状がL字型となる第1掛止部1136aと、貯水部1102の上部左側において左側に突出するように設けられた平板状の第2掛止部1136bと、排水ブロック1112の蓋部1126の右側の前方位置から後方に突出するように設けられた第1被掛止部1136cと、排水ブロック1112の蓋部1126の左側において上方に突出するように設けられた第2被掛止部1136dとにより構成されている。スライドフック1136は、第1掛止部1136aと第1被掛止部1136cとを掛け合い、第2掛止部1136bと第2被掛止部1136dとを掛け合い、貯水部1102を前方(排水ブロック1112側)にスライドさせることにより掛止されることにより、上下方向において固定されるように構成されている。
回転ロック部材1137は、貯水部1102の上部左側に設けられた回転ロック部1137aと、排水ブロック1112の蓋部1126の左側に設けられた突起受入部1137bとにより構成されている。回転ロック部1137aは、その後面に設けられた操作部1138aへの回転操作により、前方に設けられた長板フランジ状の突起部1138bの長手方向の角度を水平方向と垂直方向とに変位可能な部材である。
突起受入部1137bは、水平方向にある突起部1138bを後方から受け入れ可能な開口1138cと、開口1138cの下方に設けられており垂直方向に変位した突起部1138bの後面と当接して後方への移動を阻止する第1壁部材1138dと、開口1138cの上方に設けられており垂直方向に変位した突起部1138bの後面と当接して後方への移動を阻止する第2壁部材1138eとを有している。これにより、貯水部1102の上部は、回転ロック部1137aの突起部1138bを水平方向とし、貯水部1102を前方(排水ブロック1112側)にスライドさせてスライドフック1136によって掛止させて上下方向を固定させた上で、回転ロック部1137aの突起部1138bを垂直方向に変位させることにより前後方向も固定されてロックされる。なお、逆の手順により取り外すことができる。
ラッチ部材1139は、ピン形状であって先端に係合部が設けられた止め部1139aと、止め部1139aの先端を受け入れ可能であって内面に被係合部が設けられている凹部を有する受入部1139bとを有する部材である。ラッチ部材1139は、受入部1139bに対して止め部1139aを挿入することにより固定でき、止め部1139aを引き抜くことにより固定を解除できる。受入部1139bは、貯水部1102の上部を固定した状態において当該貯水部1102の下部に設けられたラッチ部材用貫通孔が配置される位置であって、例えばドアフレーム225の後面側に取り付けられているスクリーン装置Cを構成するバックパネル後面に取り付けられている。よって、貯水部1102の下部は、貯水部1102の上部を固定した状態において、貯水部1102の下部に設けられた貫通孔に対して後面から止め部1139aを挿入することにより固定可能となる。
(ダクトユニット912による作用効果・変形例について)
(1) 本実施形態における第1通路1132の底面は、図97に示すように、排水ブロック1112側方向については当該排水ブロック1112に向かうにつれて低くするだけでなく、第2通路1133側方向については第2通路1133に向かうにつれて高くなるように傾斜させている。つまり、第2通路1133への進行を妨げる勾配によって、リブ1141を乗り越えることが困難となる。さらに、第2通路1133の手前側には壁部1135が設けられている。このため、仮にすべてのリブ1141を乗り越えたとしても、第2通路1133への進行を妨げることができる。これにより、第1通路1132の前後方向に要する長さや、第1通路1132に要する面積、第1通路1132に要するリブの数を抑えることなどが可能となり、省スペース化を図ることができる。
(2) 本実施形態において、貯水部1102を着脱自在とするための着脱手段として、工具などを要する(用いる)ことなく着脱可能とする例について説明した。これにより、ねじを外すなどのパチスロ機1の無承認変更にあたる虞があるような行為を伴うことなく、貯水部1102を上ドア本体901及び排水ブロック1112から取り外して、貯水部1102に収容された液体を廃棄することができる。
また、本実施形態においては、スライドフック1136により上下方向が固定され、回転ロック部材1137により前後方向が固定される例について説明したが、これに限らず、例えば、スライドフック1136のみ採用したものであってもよく、この場合、第1被掛止部1136cと第2被掛止部1136dとの後端上部に突起部を設けて当該突起部により前後方向が固定されるようにしてもよい。また、貯水部1102の着脱手段として、スライドフック1136、回転ロック部材1137、および、ラッチ部材1139などを例示したが、工具などを要する(用いる)ことなく着脱可能とする取付部材であればこれに限るものではなく、例えばレバークリップや、面ファスナー、磁石などであってもよい。また、貯水部1102の着脱手段としては、貯水部1102の上部および下部各々を固定する例について説明したが、これに限らず、例えば、貯水部1102の上部のみ固定するものであってもよく、貯水部1102の中央部において固定するものであってもよい。
<スクリーン装置Cの構成>
次に、プロジェクションマッピング装置を構成するスクリーン装置Cの構造について、図99および図100を参照して説明する。図99(a)は、スクリーン装置Cの斜視図であり、図99(b)は、スクリーン装置Cを右前方から見た分解斜視図である。図100は、図99(a)に示すz-zに沿う断面図である。
図99に示すように、スクリーン装置Cは、ドアフレーム225の後面側において、仕切り部225dよりも上方に区画されている上方領域(演出表示窓D1)を通して前方に臨むように取り付けられている。スクリーン装置Cは、透光板1045と、前面カバー1046と、スクリーンシート1047と、後面カバー1048と、バックパネル1049とを備えている。
透光板1045は、透光性を有するアクリル板等の樹脂又はガラス板等を主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。透光板1045は、中央に位置する平面部1045aと、平面部1045aの四辺の側縁から後方に向けて連続して形成された側面部1045bとを備えている。透光板1045は、ドアフレーム225の後面側に対して螺合されて取り付けられている。
スクリーンシート1047は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、照射ユニットB(プロジェクタ)から照射された照射光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面とを有する。スクリーンシート1047は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
前面カバー1046および後面カバー1048は、スクリーンシート1047を両者の間に挟んで固定して透光板1045の背面側に配置させるための部材である。前面カバー1046は、前後方向に適当な厚みを有する略直方体状の枠体であり、後面からスクリーンシート1047を収容可能な開口1046aが形成されている。また、前面カバー1046の前面四方(四辺)には、枠体中央に向けて延びる部材であって、後面から収容されたスクリーンシート1047の四方縁部を覆って保持するための前面カバー部材1046bが形成されている。
後面カバー1048は、前後方向に適当な厚みを有する略直方体状の枠体であって、前面カバー1046の開口1046aに後方から挿入可能な枠体である。後面カバー1048の前面四方(四辺)には、枠体中央に向けて延びる部材であって、前面カバー1046に収容されたスクリーンシート1047の四方縁部を後面から押さえて保持するための後面カバー部材1048aが形成されている。
スクリーンシート1047は、前面カバー1046の開口1046aから収容され、スクリーンシート1047の四方(四辺)の縁部が後方から後面カバー1048を挿入して前面カバー1046に対して螺合されることにより、前面カバー1046の前面カバー部材1046bと後面カバー1048の後面カバー部材1048aとにより前後方向から挟まれた状態で保持される。スクリーンシート1047と一体となった前面カバー部材1046bおよび後面カバー部材1048aは、透光板1045の後方に配置させて、ドアフレーム225の後面側に対して螺合されて取り付けられている。
バックパネル1049は、左枠体、下枠体、および右枠体を有し、各々から連続する左壁、下壁、および右壁を有しており、照射ユニットBから照射された照射光をスクリーンシート1047に投影可能とする開口が後方および上方に設けられている。バックパネル1049は、後面カバー部材1048aの後方に配置させて、後面カバー部材1048aの後面側に対して螺合されて取り付けられている。
(スクリーン装置Cによる作用効果・変形例について)
(1) 本実施形態のスクリーンシート1047は、ドアフレーム225の後面側に取り付けられた状態において、図100に示すように、透光板1045との間に前面カバー部材1046bの厚み分に相当する隙間1049を介在させて配置される。これにより、スクリーンシートと透光板とを密着させた場合に生じ得るニュートンリングの発生を防止できる。本実施形態における隙間1049は、2mmとなるように設定されているが、これに限らず、例えば透光板1045を通して確認できる映像のクオリティや、前面カバー部材1046bの強度などに応じて0.5mm~5mm程度の範囲内の大きさであればよい。
(2) スクリーンシート1047は、金型を用いて製造するため、一方の表面が滑らかな滑面となり、背面が粗い粗面となるところ、従来においては、ニュートンリングの発生を抑制するために、スクリーンシートの滑面が入射面、粗面が表示面となるように配置されてきたが、表示面が粗面となるため、クオリティの高い映像を映し出すことに限界が生じていた。しかし、本実施形態においては、スクリーンシート1047と透光板1045との間に隙間1049を介在させることによりニュートンリングの発生を防止できる。このため、より好ましくは、スクリーンシートの粗面が入射面、滑面が表示面となるように配置することにより、より綺麗でクオリティの高い映像を表示できるようにしてもよい。
(3) スクリーンシート1047を組み付けるための部材である前面カバー部材1046bの厚みを利用して隙間1049を介在させているため、専用の部材を用いて隙間を介在させるものと比較して、部品点数や組み付け工数を増やすことがない。なお、前面カバー部材1046bの厚みを利用して隙間1049を介在させるものに限らず、例えば、透光板1045と、後面カバー1048とによりスクリーンシート1047を挟み込み固定するものにおいて、透光板1045の後面四方(四辺)に、平面部1045a中央に向けて延びる部材であって、スクリーンシート1047の四方縁部を覆って保持するためのカバー部材(前面カバー部材1046bに相当)を形成することにより、スクリーンシート1047と透光板1045との間にカバー部材の厚み分に相当する隙間を介在させるものであってもよい。また、専用の部材(例えば、前面カバー部材1046bに相当するスペーサー部材)を用いて隙間を介在させるものであってもよい。
(4) 本実施形態においては、スクリーンシート1047の四方縁部が挟み込まれて保持されるため、部分的に挟み込むものと比較して、保持力を向上させ、かつ、部位により隙間にばらつきを生じさせてしまうこと(例えば、四方縁部に近い部分と、中央部分とで、隙間にばらつきを生じさせるなど)を抑制できる。