(1)概要
本実施形態に係る実装装置1の概要について、図1〜図2Bを参照して説明する。図2Aは、後述するカバーモジュール14(図1参照)を外した状態の実装装置1の斜視図である。図2Bは、図2Aの領域A1の概略拡大図である。また、実装装置1には、冷却水の循環用のパイプ、電力供給用のケーブル及び空圧(正圧及び真空を含む)供給用のパイプ等が接続されるが、これらの図示を適宜省略する。
実装装置1は、例えば、工場、研究所、事務所、店舗及び教育施設等の施設において、電子機器、自動車、衣料品、食料品、医薬品及び工芸品等の種々の製品の製造に用いられる。本実施形態では、実装装置1が、工場での電子機器の製造に用いられ、第2対象物に対して第1対象物を実装する作業を行う場合について説明する。
一般的な電子機器は、例えば、電源回路及び制御回路等の各種の回路ブロックを有している。これらの回路ブロックの製造にあたっては、一例として、はんだ塗布工程、実装工程、及びはんだ付け工程が、この順で行われる。はんだ塗布工程では、基板(プリント配線板)にクリーム状はんだが塗布(又は印刷)される。実装工程では、基板に部品(電子部品)が実装(搭載)される。はんだ付け工程では、例えば、部品が実装された状態の基板を、リフロー炉にて加熱することにより、クリーム状はんだを溶かしてはんだ付けが行われる。実装装置1は、実装工程において、第2対象物である基板B1(以下、「第2対象物B1」ともいう)に対して、第1対象物である部品P1(以下、「第1対象物P1」ともいう)を実装する作業を行う。本実施形態では一例として、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)による部品P1の実装に、実装装置1が用いられる場合について説明する。ただし、この例に限らず、挿入実装技術(IMT:Insertion Mount Technology)による部品P1の実装に、実装装置1が用いられてもよい。
本実施形態に係る実装装置1は、制御モジュール11と、保持モジュール12と、作業モジュール13と、を備えている。保持モジュール12は、第2対象物B1を保持する。作業モジュール13は、第2対象物(基板)B1に対する作業を実行する。制御モジュール11は、保持モジュール12及び作業モジュール13を制御する機能を有している。すなわち、実装装置1は、機能別にモジュール化された、制御モジュール11、保持モジュール12及び作業モジュール13を含む少なくとも3つのモジュールを備えている。実装装置1が備える少なくとも3つのモジュールの各々は、異なる機能を有する複数種類のモジュールの中から、実装装置1として必要な機能に合わせて適宜選択される。
本実施形態では、実装装置1は、第2対象物である基板B1に対する部品P1の実装作業を行うので、保持モジュール12は、基板B1を保持する機能を有する。より具体的には、保持モジュール12は、第2対象物である基板B1を、実装装置1の外部から実装装置1の内部空間へ搬送し、作業が完了した基板B1を実装装置1の内部空間から実装装置1の外部へ搬送する搬送装置である。この保持モジュール12は、少なくとも基板B1に対する作業(部品P1の実装)中においては、実装装置1の内部空間にて基板B1を保持する。また、作業モジュール13は、基板B1に対して部品P1を実装する作業を実行する。つまり、作業モジュール13は、第1対象物である部品P1を捕捉し、捕捉した部品P1を基板B1上へ移動させ、基板B1上で部品P1を解放(捕捉を解除)することにより、基板B1に部品P1を実装(搭載)するピックアンドプレース装置である。
また、本実施形態に係る実装装置1は、制御モジュール11、保持モジュール12及び作業モジュール13に加えて、カバーモジュール14、供給モジュール15及び信号灯16(図1参照)を更に備えている。本実施形態では、制御モジュール11が最下段となり、制御モジュール11の上に、保持モジュール12、作業モジュール13及びカバーモジュール14が、この順で積み重なるように制御モジュール11に組み合わされている。供給モジュール15は、制御モジュール11及び保持モジュール12に跨って形成された凹所17内に収容されている。
カバーモジュール14について詳しくは後述するが、カバーモジュール14は、制御モジュール11に対して直列に接続される複数のモジュールのうち、動力の供給路において最下流となるモジュールに接続される終端モジュールである。供給モジュール15は、作業モジュール13に対して第1対象物(部品P1)を供給する。つまり、作業モジュール13は、供給モジュール15から部品P1の供給を受け、この部品P1を、保持モジュール12が保持する基板B1に実装する。信号灯16は、カバーモジュール14に取り付けられている。信号灯16は、実装装置1の動作状態に応じて、その表示態様(例えば発光色)を変化させることにより、実装装置1の動作状態を視覚化する。
ところで、上述の特許文献1に記載の部品実装装置は、部品認識用カメラと基板認識用カメラとを備えており、これらのカメラによって、基板、及び実装ヘッドにて保持された状態の電子部品を認識することができる。これに対して、基板、実装ヘッドにて保持された状態の電子部品、及び基板へ実装された状態の電子部品を1つのカメラで認識できる部品実装装置が望まれている。
本実施形態に係る実装装置1は、第2対象物、捕捉部にて捕捉された状態の第1対象物、及び第2対象物へ実装された状態の第1対象物を1つの撮像装置で認識することができるように、以下の構成を備えている。
本実施形態に係る実装装置1は、図3A〜図5Bに示すように、第1対象物P1を捕捉する捕捉部70によって捕捉された第1対象物P1を、所定位置に位置決めされた第2対象物B1に実装する実装装置である。実装装置1は、捕捉部70と、1つの撮像装置91と、撮像領域選択機構92と、を備えている。撮像領域選択機構92は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を含む複数の撮像領域を撮像装置91で撮像可能にする。第1撮像領域は、第2対象物B1に設けられて第2対象物B1を認識するための認識マークM1を被写体に含む領域である。第2撮像領域は、捕捉部70にて捕捉された状態の第1対象物P1を被写体に含む領域である。第3撮像領域は、第2対象物B1へ実装された状態の第1対象物P1を被写体に含む領域である。
このように、本実施形態に係る実装装置1は撮像領域選択機構92を備えているので、第2対象物B1、捕捉部70にて捕捉された状態の第1対象物P1、及び第2対象物B1へ実装された状態の第1対象物P1を1つの撮像装置91で認識することができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る実装装置1の詳細について、図1〜図3Bを参照して説明する。
以下では、実装装置1の内部空間を第2対象物である基板B1が搬送される方向を「X軸方向」とし、水平面内でX軸方向と直交する方向を「Y軸方向」とし、鉛直方向に沿う方向を「Z軸方向」として説明する。つまり、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向である。さらに、Z軸方向の正の向きと負の向きとを区別する場合には、図1に示す矢印の向きを基準にし、Z軸方向の正の向きを「上方」、Z軸方向の負の向きを「下方」として説明する。同様に、X軸方向の正の向きと負の向きとを区別する場合には、X軸方向の正の向きを「右方」、X軸方向の負の向きを「左方」として説明する。同様に、Y軸方向の正の向きと負の向きとを区別する場合には、Y軸方向の正の向きを「後方」、Y軸方向の負の向きを「前方」として説明する。図面中の「X軸方向」、「Y軸方向」、及び「Z軸方向」を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。ただし、これらの方向は実装装置1の使用時の方向を限定する趣旨ではなく、例えば、X軸方向及びY軸方向が水平面に対して多少傾斜した状態で、実装装置1が使用されていてもよい。
(2.1)全体構成
本実施形態に係る実装装置1は、上述したように、制御モジュール11と、保持モジュール12と、作業モジュール13と、カバーモジュール14と、供給モジュール15と、信号灯16と、を備えている。また、本実施形態に係る実装装置1は、撮像システム9を更に備えている。
制御モジュール11、保持モジュール12、作業モジュール13及びカバーモジュール14は、制御モジュール11を最下段として、保持モジュール12、作業モジュール13及びカバーモジュール14が、この順でZ軸方向に積み重ねられている。制御モジュール11及び保持モジュール12の前面には、制御モジュール11及び保持モジュール12に跨って凹所17が形成されている。凹所17は、前方に開放されている。供給モジュール15は、この凹所17内に収容されている。信号灯16は、作業モジュール13及びカバーモジュール14の前面に、作業モジュール13及びカバーモジュール14に跨るように固定されている。
この実装装置1においては、図2Aに示すように、作業モジュール13からカバーモジュール14を物理的に分離(取り外し)可能である。図2Aの例では、カバーモジュール14が信号灯16ごと取り外された状態を示している。また、制御モジュール11と、保持モジュール12と、作業モジュール13と、供給モジュール15とは、物理的に分離可能である。すなわち、実装装置1は、物理的に分離可能な制御モジュール11、保持モジュール12、作業モジュール13、カバーモジュール14及び供給モジュール15の複数(ここでは5つ)のモジュールが、組み合されて構成されている。
実装装置1は、図1に示すように、これら複数のモジュールが組み合わされた状態では、複数のモジュールを一体化された1台の装置として取り扱うことが可能である。この状態において、実装装置1は、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向の寸法が略同程度となることで、略立方体状となる。この立方体の寸法は、一例として、1辺が500mm以上1000mm以下の寸法、より好ましくは1辺が600mm程度の寸法に設定される。この程度の寸法であれば、卓上設置型の装置として用いることができ、例えば、研究所、事務所、店舗及び教育施設等の、工場以外の施設に設置することも容易になる。また、実装装置1から見て、例えば、上方に生じる空きスペースに、他の装置を配置すること等も可能である。
実装装置1は、制御モジュール11と、保持モジュール12、作業モジュール13及び供給モジュール15の各々との間で、双方向に通信可能に構成されている。これにより、物理的に分離可能な複数のモジュールが連携して、1つの実装装置1として動作可能である。さらに、実装装置1は、制御モジュール11にて、実装装置1以外の各種の設備機器又は通信端末等とも通信可能に構成されている。
また、実装装置1は、動力の供給源となる電源、正圧源及び真空源には、全て制御モジュール11にて接続される。すなわち、実装装置1は、各部位の動力を制御モジュール11にて一旦取得し、制御モジュール11から、制御モジュール11以外のモジュールへ振り分けるように構成されている。
撮像システム9は、第2対象物である基板B1の正規位置に第1対象物である部品P1を取り付けるために、基板B1及び部品P1を認識するためのシステムである。この撮像システム9は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を含む複数の撮像領域を撮像可能に構成されている。ここでいう「第1撮像領域」は、第2対象物である基板B1を認識するための認識マークM1(図3A参照)を被写体に含む領域である。本実施形態では、認識マークM1は、基板B1の上面(表面)に設けられている。また、ここでいう「第2撮像領域」は、捕捉部70にて捕捉された状態の第1対象物である部品P1を被写体に含む領域である。さらに、ここでいう「第3撮像領域」は、第2対象物である基板B1へ実装された状態の第1対象物である部品P1を被写体に含む領域である。この撮像システム9によれば、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を1つの撮像装置91(後述する)で撮像可能である。言い換えると、この撮像システム9によれば、第2対象物である部品B1、捕捉部70にて捕捉された状態の第1対象物である部品P1、及び基板B1へ実装された状態の部品P1を1つの撮像装置91で認識することができる。
(2.2)制御モジュール
制御モジュール11は、図2Aに示すように、筐体110を有している。
筐体110は、Z軸方向の一方から見た平面視が略正方形状であって、Z軸方向に扁平な直方体状に形成されている。筐体110の前面には、Y軸方向の正の向きに窪んだ第1凹所171が形成されている。第1凹所171は、上方に開放されている。第1凹所171は、後述する第2凹所172と共に、供給モジュール15を収容するための凹所17を構成する。
なお、筐体110の前面には、操作部114が配置されている。操作部114は、例えば、電源スイッチ、運転/停止スイッチ、緊急スイッチ等を含んでいる。
(2.3)保持モジュール
保持モジュール12は、図2Aに示すように、筐体120と、第1駆動機構と、を有している。
筐体120は、Z軸方向の一方から見た平面視が、制御モジュール11の筐体110と同様の略正方形状であって、Z軸方向に扁平な直方体状に形成されている。筐体120の前面には、Y軸方向の正の向きに窪んだ第2凹所172が形成されている。第2凹所172は、下方に開放されている。また、筐体120は、X軸方向の両端面に、X軸方向に貫通する一対の基板通過孔125を有している。これにより、筐体120の内部空間には、一対の基板通過孔125を通してX軸方向の両側からアクセス可能となる。
第1駆動機構は、第2対象物である基板B1を保持するための機構である。本実施形態では、第1駆動機構は、基板B1をX軸方向に沿って搬送する機能を有している。具体的には、第1駆動機構は、例えば、ベルトコンベヤ等である。第1駆動機構は、基板B1を、一対の基板通過孔125のうちの一方の基板通過孔125から筐体120内に導入し、X軸方向に沿って搬送して、他方の基板通過孔125から排出する。第1駆動機構は、基板B1への部品P1の実装が完了するまでは、筐体120内の実装スペースに基板B1を停止させる。
(2.4)作業モジュール
作業モジュール13は、筐体130と、第2駆動機構134と、を有している。
筐体130は、Z軸方向の一方から見た平面視が、制御モジュール11の筐体110と同様の略正方形状であって、Z軸方向に扁平な直方体状に形成されている。
第2駆動機構134は、第1対象物である部品P1を、第2対象物である基板B1に実装するための機構である。第2駆動機構134は、実装ヘッドユニット56と、X軸移動装置4と、Y軸移動装置3と、を有している。実装ヘッドユニット56は、部品P1を捕捉する捕捉部70と、捕捉部70を移動させるためのアクチュエータ6と、を含んでいる。本実施形態に係る実装装置1は、実装ヘッドユニット56に、捕捉部70及びアクチュエータ6を複数(図2Aの例では2つ)ずつ含んでいる。これにより、実装ヘッドユニット56では、複数(図2Aの例では2つ)の部品P1を同時に捕捉可能である。
捕捉部70は、例えば、吸着ノズルである。捕捉部70は、部品P1を捕捉(保持)する捕捉状態と、部品P1を解放(捕捉を解除)する解放状態と、を切替可能である。ただし、捕捉部70は、吸着ノズルに限らず、例えば、ロボットハンドのように部品P1を挟む(摘む)ことによって捕捉(保持)する構成でもよい。アクチュエータ6は、捕捉部70をZ軸方向に直進移動させる。さらに、アクチュエータ6は、捕捉部70をZ軸方向に沿った軸線を中心とする回転方向(以下、「θ方向」という)に回転移動させる。X軸移動装置4は、実装ヘッドユニット56をX軸方向に直進移動させる。Y軸移動装置3は、実装ヘッドユニット56をY軸方向に直進移動させる。これにより、第2駆動機構134は、捕捉部70を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθ方向に移動させることが可能である。
本実施形態では一例として、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向への捕捉部70の移動に関しては、第2駆動機構134は、リニアモータで発生する駆動力にて駆動する。θ方向への捕捉部70の移動に関しては、第2駆動機構134は、回転型モータで発生する駆動力にて駆動する。捕捉部70による部品P1の捕捉に関しては、第2駆動機構134は、動力としての空圧(真空)の供給を受けて動作する。つまり、第2駆動機構134は、捕捉部70に繋がる空圧(真空)の供給路上のバルブを開閉することによって、捕捉部70の捕捉状態と、解放状態と、を切り替える。
(2.5)その他のモジュール
カバーモジュール14は、図1に示すように、枠体140と、扉体141と、を有している。
枠体140は、Z軸方向の一方から見た平面視が、制御モジュール11の筐体110と同様の略正方形状であって、Z軸方向に扁平な形状に形成されている。枠体140は、Z軸方向に貫通する貫通部を有している。扉体141は、貫通部を塞ぐ閉位置と、貫通部を開放する開位置との間で移動可能なように、枠体140に対して開閉可能に保持されている。これにより、扉体141が開位置にある状態では、枠体140の貫通部を通して、作業モジュール13の内部にアクセス可能となる。
供給モジュール15は、図1及び図2Aに示すように、本体部150と、フィーダカセット154と、を有している。
フィーダカセット154は、複数の部品P1を保持したテープリールを内蔵しており、内部でテープリールを回転させて、順次、部品P1を供給する。このフィーダカセット154は、部品P1が取り出された後のテープを巻き取る機構を有している。フィーダカセット154は、例えば、内蔵している部品P1の種類ごとに設けられる。
本体部150は、少なくとも1つのフィーダカセット154を装着可能である。本体部150は、少なくとも1つのフィーダカセット154が装着された状態で、制御モジュール11の第1凹所171及び保持モジュール12の第2凹所172にて構成される凹所17に収容される。図1及び図2Aにおいては、本体部150に対してフィーダカセット154が1つだけ装着されている例を示しているが、本体部150には同時に複数のフィーダカセット154が装着可能である。
信号灯16は、図1に示すように、複数の発光部161を有している。複数の発光部161は、実装装置1の動作状態に応じて、それぞれ緑色、黄色及び赤色に発光する。
(2.6)撮像システム
撮像システム9は、図3A及び図3Bに示すように、1つの撮像装置91と、撮像領域選択機構92と、を有している。また、撮像領域選択機構92は、光学要素921と、第1光源922Aと、第2光源922Bと、第3光源922Cと、を有している。なお、以下の説明において、第1光源922A、第2光源922B及び第3光源922Cを特に区別しない場合には、第1光源922A、第2光源922B及び第3光源922Cの各々を「光源922」ともいう。
撮像装置91は、例えば動画を撮像するカメラである。さらに、撮像装置91は、例えばカラー画像を撮像するカメラである。なお、撮像装置91は、静止画を撮像するカメラであってもよいし、モノクロ画像を撮像するカメラであってもよい。
光学要素921は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域の各々から入射する被写体の像を撮像装置91へ出力するように構成されている。光学要素921は、図3A及び図3Bに示すように、第1反射部921Aと、第2反射部921Bと、第3反射部921Cと、第4反射部921Dと、第5反射部921Eと、第6反射部921Fと、を含む。言い換えると、光学要素921は、複数の撮像領域のうち撮像装置91で撮像する撮像領域から入射する被写体の像を撮像装置91へ反射させる反射部を含む。第1反射部921A、第2反射部921B、第3反射部921C、第5反射部921E及び第6反射部921Fは、例えばハーフミラー(ビームスプリッター)であり、入射する光の一部を反射する反射機能と、残りの一部を透過する透過機能と、を有している。第4反射部921Dは、例えばミラーであり、入射するすべての光を反射する反射機能を有している。
第1反射部921A及び第2反射部921Bは、図3Bに示すように、紙面において右方にいくほど斜め上向きに傾斜するように形成されている。これらの第1反射部921A及び第2反射部921Bは、上下方向(Z軸方向)において撮像装置91と基板B1の認識マークM1との間に配置される。第3反射部921C及び第5反射部921Eは、図3Bに示すように、紙面において左方にいくほど斜め上向きに傾斜するように形成されている。これらの第3反射部921C及び第5反射部921Eは、上下方向においてアクチュエータ6(捕捉部70)と基板B1における部品実装位置との間に配置される。なお、光学要素921の形状、各反射部の傾斜角度及び屈折率等は、撮像装置91、アクチュエータ6及び基板B1の位置関係に応じて適宜設定される。
第1光源922Aは、例えば円環状に形成されたリング照明であり、保持モジュール12にて保持された状態の基板B1における認識マークM1と対向する位置に配置されている。そして、第1光源922Aは、撮像装置91で第1撮像領域を撮像する際に点灯する。第2光源922Bは、第1光源922Aと同様にリング照明であり、捕捉部70にて捕捉された状態の部品P1と対向するように配置されている。そして、第2光源922Bは、撮像装置91で第2撮像領域を撮像する際に点灯する。第3光源922Cは、第1光源922Aと同様にリング照明であり、基板B1に実装された状態の部品P1と対向するように配置されている。そして、第3光源922Cは、撮像装置91で第3撮像領域を撮像する際に点灯する。第1光源922A、第2光源922B及び第3光源922Cの各々は、上述の制御モジュール11からの制御信号に従って点灯する。
ここで、本実施形態では、撮像装置91及び撮像領域選択機構92(光学要素921)は、上述した実装ヘッドユニット56に固定されている。また、本実施形態では、撮像領域選択機構92は、複数の光源922を更に有している。すなわち、本実施形態に係る撮像システム9では、複数の光源922のうち点灯させる光源922を切り替えることで、複数の撮像領域を1つの撮像装置91で撮像可能に構成されている。なお、撮像システム9の動作については、「(3.2)撮像システムの動作」の欄で詳細に説明する。
(3)動作
(3.1)基本動作
本実施形態に係る実装装置1は、基本的には以下のような動作で、第2対象物である基板B1に対して第1対象物である部品P1の実装作業を行う。
すなわち、保持モジュール12は、基板B1を実装装置1の外部から実装装置1の内部空間へX軸方向に沿って搬送し、実装装置1の内部空間にて基板B1を保持する。
また、作業モジュール13は、供給モジュール15から供給される部品P1を捕捉部70(図2B参照)にて捕捉する。作業モジュール13は、部品P1を捕捉した捕捉部70をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させ、基板B1上の所定位置で捕捉部70による部品P1の捕捉を解除することにより、基板B1に部品P1を実装(搭載)する。さらに、作業モジュール13は、θ方向に捕捉部70を回転させることで、水平面(X−Y平面)内での部品P1の向きを変えることができる。
基板B1への部品P1の実装が完了すれば、保持モジュール12は、基板B1を実装装置1の内部空間から実装装置1の外部へ搬送(排出)する。
(3.2)撮像システムの動作
次に、撮像システム9の動作について、図3A〜図5Bを参照して説明する。なお、図3A及び図4Aでは、撮像装置91とアクチュエータ6とが前後方向(紙面に垂直な方向)において重なっているため、アクチュエータ6(捕捉部70を含む)の図示を省略している。また、図3A〜図5Bでは、アクチュエータ6が1つの場合を例示している。
まず、撮像装置91で第1撮像領域を撮像する場合について、図3A及び図3Bを参照して説明する。この場合、アクチュエータ6は、X軸移動装置4にて左右方向に移動し、かつY軸移動装置3にて前後方向に移動することで、前方から見て撮像装置91と重なった状態にある。
制御モジュール11は、撮像装置91に第1撮像領域を撮像させるために、第1光源922Aに制御信号を出力して第1光源922Aを点灯させる。このとき、第2光源922B及び第3光源922Cは消灯している。これにより、撮像装置91側(上方)から見て、第1反射部921A及び第2反射部921Bを介して、基板B1上の認識マークM1を含む第1撮像領域が認識可能となる。具体的には、第1撮像領域からの被写体(認識マークM1)の像が第2反射部921Bにおいて屈折し、光学要素921内を通った後、第1反射部921Aにおいて屈折する。これにより、第1撮像領域からの被写体の像は、鉛直上向きとなり、上方に位置する撮像装置91へ入射する。
次に、撮像装置91で第2撮像領域を撮像する場合について、図4A及び図4Bを参照して説明する。この場合においても、アクチュエータ6は、X軸移動装置4にて左右方向に移動し、かつY軸移動装置3にて前後方向に移動することで、前方から見て撮像装置91と重なった状態にある。
制御モジュール11は、撮像装置91に第2撮像領域を撮像させるために、第2光源922Bに制御信号を出力して第2光源922Bを点灯させる。このとき、第1光源922A及び第3光源922Cは消灯している。これにより、撮像装置91側から見て、第1反射部921A及び第3反射部921Cを介して、捕捉部70にて捕捉された状態の部品P1(第1対象物)を含む第2撮像領域が認識可能となる。具体的には、第2撮像領域からの被写体(部品P1)の像が第3反射部921Cにおいて後向きに反射した後、第1反射部921Aにおいて上向きに反射する。これにより、第2撮像領域からの被写体の像は、鉛直上向きとなり、上方に位置する撮像装置91へ入射する。この場合、水平面(Z軸方向と直交する平面)に対する第1反射部921A及び第3反射部921Cの傾斜角度は45度であることが好ましい。
さらに、撮像装置91で第3撮像領域を撮像する場合について、図5A及び図5Bを参照して説明する。この場合、アクチュエータ6は、X軸移動装置4にて左右方向に移動し、かつY軸移動装置3にて前後方向に移動することで、撮像装置91の前方かつ右方に移動した状態にある。
制御モジュール11は、撮像装置91に第3撮像領域を撮像させるために、第3光源922Cに制御信号を出力して第3光源922Cを点灯させる。このとき、第1光源922A及び第2光源922Bは消灯している。これにより、撮像装置91側から見て、第1反射部921A、第3反射部921C、第4反射部921D、第5反射部921E及び第6反射部921Fを介して、基板B1に実装された状態の部品P1を含む第3撮像領域が認識可能となる。具体的には、第3撮像領域からの被写体(部品P1)の像が第5反射部921E及び第6反射部921Fにおいて屈折し、光学要素921内を通過した後、第3反射部921C及び第4反射部921Dにおいて反射する。第4反射部921Dにおいて反射した被写体の像は、第3反射部921Cにおいて屈折した後、第1反射部921Aにおいて上向きに反射する。これにより、第3撮像領域からの被写体の像は、鉛直上向きとなり、上方に位置する撮像装置91へ入射する。
ここにおいて、実装装置1は、撮像装置91で第3撮像領域を撮像する場合、第6反射部921Fによって斜め左方向から部品P1を撮像するように構成されている(図5A参照)。そのため、基板B1に部品P1を実装する前では、基板B1上のランド位置、はんだ位置を認識することができ、その結果、X軸方向及びY軸方向の微少補正を行うことが可能であり、実装精度を向上させることができる。また、部品P1の実装後では、部品P1の実装位置を認識することができ、その結果、実装後において実装不良等を検出することができると共に、実装不良等の原因解析に利用することもできる。
このように、本実施形態に係る実装装置1によれば、撮像領域選択機構92を備えているので、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を含む複数の撮像領域を1つの撮像装置91で撮像することができる。言い換えると、実装装置1によれば、基板B1(第2対象物)、捕捉部70にて捕捉された状態の部品P1(第1対象物)、及び基板B1へ実装された状態の部品P1を1つの撮像装置91で認識することができる。
なお、本実施形態では、第2反射部921B、第5反射部921E及び第反射部921Fは、被写体の像の屈折のみを行っているため、屈折率を考慮した場合にはガラス等で形成されていることが好ましい。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(4.1)第1変形例
上述の実施形態では、撮像装置91及び光学要素921が実装ヘッドユニット56に固定されている場合を例として説明したが、撮像装置91及び光学要素921は移動可能に実装ヘッドユニット56に取り付けられていてもよい。以下、第1変形例に係る実装装置1Aについて、図6A〜図8Bを参照して説明する。
(4.1.1)構成
まず、第1変形例に係る実装装置1Aの構成について、図6A及び図6Bを参照して説明する。
第1変形例に係る実装装置1Aは、上述の制御モジュール11と、保持モジュール12と、作業モジュール13と、カバーモジュール14と、供給モジュール15と、信号灯16と、撮像システム9Aと、を備えている。なお、撮像システム9A以外の構成については上述の実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
撮像システム9Aは、図6A及び図6Bに示すように、1つの撮像装置91と、撮像領域選択機構92と、を有している。また、撮像領域選択機構92は、第1移動機構923と、第2移動機構924と、光学要素925と、光源926と、を有している。
第1移動機構923は、実装ヘッドユニット56に対して撮像装置91をX軸方向に移動させるための機構である。第1移動機構923は、X軸方向に伸びる第1移動軸923Aと、第1モータ923Bと、を含む。第1モータ923Bは、制御モジュール11からの駆動信号に従って第1方向又は第1方向と反対の第2方向に回転することで、第1移動軸923Aに沿って撮像装置91をX軸方向に移動させる。ここで、第1変形例に係る実装装置1Aは、図6Aに示すように、複数(図6Aでは4つ)のアクチュエータ6を備えている。言い換えると、実装装置1Aは、一方向(X軸方向)に並べて配置される複数の捕捉部70を備えている。そして、第1移動機構923は、複数の捕捉部70の配列方向(X軸方向)に撮像装置91を移動させる。
第2移動機構924は、実装ヘッドユニット56に対して光学要素925をX軸方向に移動させるための機構である。第2移動機構924は、X軸方向に伸びる第2移動軸924Aと、第2モータ924Bと、を含む。第2モータ924Bは、制御モジュール11からの駆動信号に従って第1方向又は第1方向と反対の第2方向に回転することで、第2移動軸924Aに沿って光学要素925をX軸方向に移動させる。言い換えると、第2移動機構924は、複数の捕捉部70の配列方向(X軸方向)に光学要素925を移動させる。
光学要素925は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域のうち少なくとも1つの撮像領域から入射する被写体の像を撮像装置91へ出力するように構成されている。光学要素925は、図6A及び図6Bに示すように、第1反射部925Aと、第2反射部925Bと、第3反射部925Cと、第4反射部925Dと、第5反射部925Eと、を含む。第1反射部925A、第2反射部925B、第5反射部925Eは、例えばハーフミラーであり、第3反射部925C及び第4反射部925Dは、例えばミラーである。
光源926は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を撮像装置91で撮像する際に、制御モジュール11からの制御信号に従って点灯するように構成されている。
ここで、撮像領域選択機構92は、複数の捕捉部70の配列方向(X軸方向)における撮像装置91の位置と光学要素925の位置とをそれぞれ調節することで、撮像装置91で撮像する撮像領域を選択するように構成されている。第1変形例では、撮像領域選択機構92は、上記配列方向における撮像装置91の位置と光学要素925の位置とを調節することで、第1撮像領域、第2撮像領域又は第3撮像領域を選択する。
(4.1.2)撮像システムの動作
次に、第1変形例に係る撮像システム9Aの動作について、図6A〜図8Bを参照して説明する。
まず、撮像装置91で第1撮像領域を撮像する場合について、図6A及び図6Bを参照して説明する。
制御モジュール11は、第1モータ923Bに制御信号を出力して撮像装置91を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち一番右端に位置するアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に撮像装置91を移動させる(図6A参照)。また、制御モジュール11は、第2モータ924Bに制御信号を出力して光学要素925を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち右側から2番目及び3番目のアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に光学要素925を移動させる。すなわち、この場合には、光学要素925は、撮像装置91の左側に位置している(図6A参照)。
制御モジュール11は、光源926を点灯させて、撮像装置91に第1撮像領域を撮像させる。この場合、第1撮像領域からの被写体(認識マークM1)の像は、図6A及び図6Bに示すように、撮像装置91へ直接入射する。
次に、撮像装置91で第2撮像領域を撮像する場合について、図7A及び図7Bを参照して説明する。
制御モジュール11は、第1モータ923Bに制御信号を出力して撮像装置91を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち一番右端に位置するアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に撮像装置91を移動させる(図7A参照)。また、制御モジュール11は、第2モータ924Bに制御信号を出力して光学要素925を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち一番右端に位置するアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に光学要素925を移動させる(図7A参照)。
制御モジュール11は、光源926を点灯させて、撮像装置91に第2撮像領域を撮像させる。この場合、第2撮像領域からの被写体(部品P1)の像は、第2反射部925Bにおいて後向きに反射した後、第1反射部925Aにおいて上向きに反射する。その結果、第2撮像領域からの被写体の像は、光学要素925を介して撮像装置91に入射する(図7B参照)。
さらに、撮像装置91で第3撮像領域を撮像する場合について、図8A及び図8Bを参照して説明する。
制御モジュール11は、第1モータ923Bに制御信号を出力して撮像装置91を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち右側から2番目のアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に撮像装置91を移動させる(図8A参照)。また、制御モジュール11は、第2モータ924Bに制御信号を出力して光学要素925を移動させる。この場合、制御モジュール11は、複数のアクチュエータ6のうち右側から2番目及び3番目のアクチュエータ6と前後方向において重なる位置に光学要素925を移動させる(図8A参照)。
制御モジュール11は、光源926を点灯させて、撮像装置91に第3撮像領域を撮像させる。この場合、第3撮像領域からの被写体(部品P1)の像は、第5反射部925Eにおいて屈折した後、光学要素925内を通り、第4反射部925D及び第3反射部925Cにおいて反射する。第3反射部925Cにおいて反射した被写体の像は、第2反射部925Bにおいて屈折した後、第1反射部925Aにおいて上向きに反射する。その結果、第3撮像領域からの被写体の像は、光学要素925を介して撮像装置91に入射する(図8B参照)。
第1変形例においても、実装装置1Aは、撮像装置91で第3撮像領域を撮像する場合、第5反射部925Eによって斜め左方向から部品P1を撮像するように構成されている(図8A参照)。そのため、基板B1に部品P1を実装する前では、基板B1上のランド位置、はんだ位置を認識することができ、その結果、X軸方向及びY軸方向の微少補正を行うことが可能であり、実装精度を向上させることができる。また、部品P1の実装後では、部品P1の実装位置を認識することができ、その結果、実装後において実装不良等を検出することができると共に、実装不良等の原因解析に利用することもできる。
(4.2)その他の変形例
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
実装装置1,1Aは、工場に限らず、研究所、事務所、店舗及び教育施設等の施設で用いられてもよい。特に、実装装置1,1Aが、例えば、一辺1000mm以下程度の比較的小型なサイズである場合には、研究所等の実装装置1,1Aのための設置スペースを確保しにくい施設であっても、容易に設置可能となる。このような施設に設置されることで、実装装置1,1Aは、例えば、多品種少量生産の製品、又は試作品の製造にも利用可能である。
捕捉部70及びアクチュエータ6の個数は、それぞれ、1つ、2つ又は4つに限らず、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。すなわち、捕捉部70及びアクチュエータ6の個数は、上述の実施形態及び第1変形例に限定されない。また、捕捉部70は、一方向(X軸方向)に並べて配置されていなくてもよく、例えば円環状に並べて配置されていてもよい。
上述した実装装置1,1Aにおける各部の形状及び寸法は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
上述の実施形態では、撮像装置91で撮像させる撮像領域に応じて、点灯させる光源922を切り替える場合について説明したが、例えば、発光色によって識別するように構成されていてもよい。例えば、第1撮像領域を撮像する際に点灯させる第1光源922Aを赤色、第2撮像領域を撮像する際に点灯させる第2光源922Bを緑色、第3撮像領域を撮像する際に点灯させる第3光源922Cを青色とした場合には、第1〜3撮像領域を識別可能である。
上述の実施形態では、基板B1の上面に設けられた認識マークM1によって基板B1を認識しているが、認識マークM1の代わりに基板B1の一部(例えば基板B1の角等)によって基板B1を認識するように構成されていてもよい。
上述の実施形態では、第1対象物が部品P1、第2対象物が基板B1である場合を例として説明したが、第1対象物及び第2対象物は、第2対象物に対して第1対象物を実装するように構成されていれば、部品P1及び基板B1に限定されない。
上述の実施形態では、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を1つの撮像装置91で撮像する場合を例として説明したが、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域が含まれていればよく、4つ以上の撮像領域を撮像装置91で撮像してもよい。
上述の実施形態及び第1変形例では、制御モジュール11が、光源922,926、第1モータ923B及び第2モータ924Bを制御しているが、例えば、作業モジュール13等で制御するように構成されていてもよい。
上述の第1変形例では、第1移動軸923A及び第1モータ923Bにて第1移動機構923が構成され、第2移動軸924A及び第2モータ924Bにて第2移動機構924が構成されている。これに対して、リニアモータが内蔵された第1移動軸923Aにて第1移動機構923が構成され、リニアモータが内蔵された第2移動軸924Aにて第2移動機構924が構成されていてもよい。
(まとめ)
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る実装装置(1,1A)は、第1対象物(P1)を捕捉する捕捉部(70)によって捕捉された第1対象物(P1)を、所定位置に位置決めされた第2対象物(B1)に実装する。実装装置(1,1A)は、捕捉部(70)と、1つの撮像装置(91)と、撮像領域選択機構(92)と、を備える。撮像領域選択機構(92)は、第1撮像領域、第2撮像領域及び第3撮像領域を含む複数の撮像領域を撮像装置(91)で撮像可能にする。第1撮像領域は、第2対象物(B1)に設けられて第2対象物(B1)を認識するための認識マーク(M1)を被写体に含む領域である。第2撮像領域は、捕捉部(70)にて捕捉された状態の第1対象物(P1)を被写体に含む領域である。第3撮像領域は、第2対象物(B1)へ実装された状態の第1対象物(P1)を被写体に含む領域である。
第1の態様によれば、第2対象物(B1)、捕捉部(70)にて捕捉された状態の第1対象物(P1)、及び第2対象物(B1)へ実装された状態の第1対象物(P1)を1つの撮像装置(91)で認識することができる。
第2の態様に係る実装装置(1A)は、第1の態様において、一方向に並べて配置される複数の捕捉部(70)を備える。撮像領域選択機構(92)は、第1移動機構(923)と、光学要素(925)と、第2移動機構(924)と、を有する。第1移動機構(923)は、複数の捕捉部(70)の配列方向に撮像装置(91)を移動させる。光学要素(925)は、複数の撮像領域のうち少なくとも1つの撮像領域から入射する被写体の像を撮像装置(91)へ出力する。第2移動機構(924)は、上記配列方向に光学要素(925)を移動させる。
第2の態様によれば、撮像装置(91)及び光学要素(925)を別々に移動させることができる。
第3の態様に係る実装装置(1A)では、第2の態様において、撮像領域選択機構(92)は、上記配列方向における撮像装置(91)の位置と光学要素(925)の位置とを調節することで、複数の撮像領域のうち撮像装置(91)で撮像する撮像領域を選択する。
第3の態様によれば、撮像装置(91)の位置と光学要素(925)の位置とを調節することで、複数の撮像領域を1つの撮像装置(91)で撮像することができる。
第4の態様に係る実装装置(1)では、第1の態様において、撮像領域選択機構(92)は、複数の撮像領域の各々から入射する被写体の像を撮像装置(91)へ出力する光学要素(921)を有する。撮像装置(91)及び光学要素(921)は固定されている。
第4の態様によれば、撮像装置(91)及び光学要素(921)を移動させるための移動機構が不要であるという利点がある。
第5の態様に係る実装装置(1)では、第4の態様において、撮像領域選択機構(92)は、複数の光源(922)を更に有する。撮像領域選択機構(92)は、複数の撮像領域のうち撮像装置(91)で撮像する撮像領域に応じて、複数の光源(922)のうち点灯させる光源(922)を切り替える。
第5の態様によれば、点灯させる光源(922)を切り替えるだけで複数の撮像領域を1つの撮像装置(91)で撮像することができる。
第6の態様に係る実装装置(1,1A)では、第2〜5のいずれかの態様において、光学要素(921,925)は、反射部(921A〜921F、925A〜925E)を含む。反射部(921A〜921F、925A〜925E)は、複数の撮像領域のうち撮像装置(91)で撮像する撮像領域から入射する被写体の像を撮像装置(91)へ反射する。
第6の態様によれば、反射部(921A〜921F、925A〜925E)によって反射させた被写体の像を撮像装置(91)で撮像することができる。
第2〜6の態様に係る構成については、実装装置(1,1A)の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。