JP2019075048A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のデバイス間で通信線を共用し、チップセレクト(CS)信号にて通信相手を切り替える通信装置において、CS信号線の短絡を正確に検出できるようにする。【解決手段】複数の外部デバイスとのデータ通信に共用される通信端子と、複数の外部デバイスに対しそれぞれCS信号を出力する複数のチップセレクト端子と、複数のチップセレクト端子の一つからCS信号を出力することにより、外部デバイスの一つを通信対象として選択し、選択した外部デバイスとの間でデータ通信を行う制御部を備える。制御部は、複数のチップセレクト端子と複数の外部デバイスとをそれぞれ接続するCS信号線の電圧変化を監視することで、CS信号線の短絡故障を判断する。【選択図】図1

Description

本開示は、通信相手となる複数のデバイス間でデータ通信用の通信線を共用し、通信時にはチップセレクト信号にて通信相手を切り替える通信装置に関する。
従来、マイコンやASIC等の複数のデバイスを備え、その複数のデバイスがデータ通信を行うことで、協調動作するよう構成された通信システムが知られている。
この種の通信システムは、例えば、特許文献1に記載のように、マスタとなるマイコンと、スレーブとなる複数のデバイスとが、共通の通信線を介して接続され、マイコンが、チップセレクト信号にて通信相手を選択するように構成される。
つまり、この通信システムにおいては、図14に例示するように、マイコン2のシリアル通信用の出力端子SO及び入力端子SIと、第1、第2デバイス4,6のシリアル通信用の入力端子SI及び出力端子SOとが、それぞれ、共通の通信線を介して接続される。
また、マイコン2には、第1,第2デバイス4,6に対応したチップセレクト端子CS0,CS1が設けられている。そして、マイコン2は、チップセレクト端子CS0,CS1の1つからチップセレクト信号を出力することで、通信相手となるデバイスを選択する。
なお、以下の説明において、チップセレクト信号を、CS信号といい、その信号を伝送するのに用いられるチップセレクト信号線を、CS信号線という。
特開2005−196486号公報
ところで、上記従来の通信システムでは、マイコン2が通信相手となるデバイスを選択する際、対象となるチップセレクト端子CS0又はCS1の出力レベルを、非アクティブからアクティブへと切り替えることで、チップセレクト信号を出力する。
このため、図14に×印で示すように、マイコン2のチップセレクト端子CS0,CS1に接続されたCS信号線の1つが短絡すると、データ通信を正常に実施できなくなることがある。
つまり、マイコン2と第1デバイス4との間のCS信号線が短絡して、アクティブレベルに固定された場合、マイコン2が第2デバイス6を選択して、データ通信を開始すると、第2デバイス6だけでなく第1デバイス4もデータ送信できるようになる。
この結果、マイコン2が外部デバイスから受信するデータが干渉したり、意図しないデバイスへ制御コマンドが送信されてしまい、正常なデータ通信を実施できなくなる。なお、この問題は、2つのCS信号線同士が短絡した場合にも、同様に発生する。
一方、マイコンとデバイスとの間で生じた通信不良は、パリティチェック等の周知のエラー検出方法を利用することで検知できる。しかし、この種のエラー検出方法では、複数デバイスの送信内容が一致するような場合には、通信不良を検出することができない。
そして、このように通信不良を検出できない場合には、誤ったデバイスにデータが送信されてしまい、そのデバイスが誤動作することがある。また、パリティチェック等で通信不良を検出できたとしても、通信不良が発生したデバイスを特定できない、という問題もある。
また、通信不良の検出に、マイコンの出力フィードバック機能を利用し、チップセレクト端子の状態を監視することも考えられる。しかし、図14に示すように、マイコン2の出力フィードバック機能では、マイコン2側の出力抵抗Rを挟んで、外部デバイス側のCS信号線が短絡した場合には、異常を検知することができない。
本開示の一局面は、通信相手となる複数のデバイス間でデータ通信用の通信線を共用し、CS信号にて通信相手を切り替える通信装置において、実際に通信を行うことなく、CS信号線の短絡故障を正確に検出できるようにすることが望ましい。
本開示の一局面の通信装置においては、複数の外部デバイスとのデータ通信に共用される通信端子(SO,SI)と、複数の外部デバイスに対しそれぞれチップセレクト信号を出力する複数のチップセレクト端子(CS0,CS1,…)と、外部デバイスとの間でデータ通信を行う制御部(20)と、を備える。
制御部は、複数のチップセレクト端子の一つからチップセレクト信号を出力することにより、チップセレクト信号出力先の外部デバイスを通信対象として選択し、その選択した外部デバイスとの間で通信端子を介してデータ通信を行うように構成されている。
そして、制御部は、複数のチップセレクト端子と複数の外部デバイスとをそれぞれ接続する複数のチップセレクト信号線の電圧変化を監視することで、チップセレクト信号線の短絡故障を判定する。
つまり、本開示の通信装置によれば、CS信号線が短絡してアクティブレベルに固定された場合や、複数のCS信号線同士が短絡した場合等、CS信号線が短絡故障したときには、制御部によりその旨を正確に検知することができる。
従って、チップセレクト信号線の短絡故障によって、制御部から外部デバイスに不要なデータが送信されたり、外部デバイスからの受信データが破壊される、といった通信不良が発生するのを抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態のECUの構成を表すブロック図である。 第1実施形態のマイコンにて実行されるシステム確認処理を表すフローチャートである。 第1実施形態のマイコンにて実行される監視処理を表すフローチャートである。 第2実施形態のECUの構成を表すブロック図である。 第2実施形態のマイコンにて実行されるシステム確認処理を表すフローチャートである。 第2実施形態のマイコンにて実行される監視処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の変形例1のECUの構成を表すブロック図である。 第2実施形態の変形例2のECUの構成を表すブロック図である。 第3実施形態のECUの構成を表すブロック図である。 第3実施形態のマイコンにて実行されるシステム確認処理を表すフローチャートである。 第3実施形態のマイコンにて実行される監視処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の変形例のECUの構成を表すブロック図である。 第4実施形態のECUの構成を表すブロック図である。 従来の通信システムの構成を表すブロック図である。
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
なお、以下に説明する実施形態では、本開示の技術を車両制御用の電子制御装置(ECU)に適用した場合について説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のECU10には、スロットル制御IC12、入力IC14、及びマイコン20が備えられている。
ここで、スロットル制御IC12は、エンジンのスロットルバルブをモータ等のアクチュエータを介して開閉するよう構成された電子スロットル8を駆動制御するためのデバイスである。
また、入力IC14は、エンジン制御のためのセンサやスイッチ類からの入力信号を取り込むためのデバイスである。
また、マイコン20は、入力IC14からの入力信号に基づき、スロットルバルブの目標開度を求め、スロットルバルブが目標開度となるように、スロットル制御IC12を介して電子スロットル8を駆動制御するためのデバイスである。
なお、マイコン20は、本開示の通信装置に相当するものであり、マイコン20を構成するCPUが後述の処理を実行することで、本開示の制御部としての機能が実現される。
このため、マイコン20と、マイコン20の外部デバイスであるスロットル制御IC12及び入力IC14とは、シリアル通信を行う通信機能を備える。そして、スロットル制御IC12及び入力IC14は、共通の通信線を介して、マイコン20に接続されている。
つまり、マイコン20には、図14に示したマイコン2と同様、シリアル通信用の通信端子として、出力端子SO及び入力端子SIが備えられている。そして、この出力端子SO及び入力端子SIは、それぞれ、スロットル制御IC12及び入力IC14に設けられたシリアル通信用の入力端子SI及び出力端子SOに、共通の通信線を介して接続されている。
また、マイコン20には、スロットル制御IC12及び入力IC14に対応したチップセレクト端子CS0,CS1が設けられている。チップセレクト端子CS0,CS1は、それぞれ、チップセレクト信号の伝送線であるCS信号線を介して、スロットル制御IC12及び入力IC14のチップセレクト端子CSに接続されている。
そして、マイコン20は、チップセレクト端子CS0,CS1の一つを、非アクティブレベルであるハイレベルから、アクティブレベルであるローレベルに切り替えることで、対応するCS信号線にチップセレクト信号を出力し、通信相手となるデバイスを選択する。
また、マイコン20と、外部デバイスであるスロットル制御IC12及び入力IC14とを接続するCS信号線において、マイコン20側の出力抵抗Rよりも外部デバイス側は、マイコン20のループバック端子LPB0,LPB1に接続されている。
このため、マイコン20は、ループバック端子LPB0,LPB1の電圧を監視することで、チップセレクト端子CS0,CS1からのCS信号の出力に応じて、CS信号線の電圧レベルが正常に変化したか否か、つまり、CS信号線が正常か否か、を判断できる。
次に、このようにCS信号線が正常か否かを判断するために、マイコン20において実行されるシステム確認処理及び監視処理について、図2及び図3に示すフローチャートに沿って説明する。
図2に示すシステム確認処理は、ECU10への電源投入に伴いマイコン20が起動されてから、マイコン20が通信を開始する前に、マイコン20のCPUにて実行される処理である。
なお、このシステム確認処理は、マイコン20の起動直後だけでなく、マイコン20の処理負荷が低下して通信が実施されないときにも、実行するようにしてもよい。
図2に示すように、システム確認処理が開始されると、まずS110にて、CSn端子から所定パルス幅のパルス信号を出力させることで、CSn端子の電圧を非アクティブからアクティブ、アクティブから非アクティブへと変化させる。
なお、CSn端子は、複数のチップセレクト端子のうち、n番目のチップセレクト端子を表している。また、nは値0を初期値とする。このため、システム確認処理の開始直後には、チップセレクト端子CS0がハイレベルからローレベルに切り替えられる。
そして、続くS120では、S110にてチップセレクト端子CSnからパルス信号を出力させることにより、チップセレクト端子CSnに対応するループバック端子LPBnの電圧が変化したか否かを判断する。
S120にて、ループバック端子LPBnの電圧は変化していないと判断されると、チップセレクト端子CSnに接続されたCS信号線が短絡故障していると判断して、S150に移行する。
そして、S150では、S120にて判定したCS信号線が短絡故障していることを、ECU10内若しくは外部の制御システムに通知し、当該システム確認処理を終了する。
一方、S120にて、ループバック端子LPBnの電圧は変化したと判断されると、チップセレクト端子CSnに接続されたCS信号線は正常であると判断して、S130に移行し、nの値をインクリメントすることで、対象となるCS信号線を切り替える。
そして、続くS140では、例えば、nの値が最大値に達したか否かを判断することにより、全てのCS信号線に対し、電圧変化の確認が終了したか否かを判断し、全てのCS信号線に対し電圧変化の確認が終了していなければ、S110に移行する。また、全てのCS信号線に対し電圧変化の確認が終了していれば、当該システム確認処理を終了する。
次に、図3に示す監視処理は、マイコン20の通常動作中に、所定時間毎の割り込み処理として、ループバック端子LPBn毎に実行される処理である。なお、この監視処理は、マイコン20の通常動作中に周期的に実施できればよく、例えば、一定周期で実行されるタスクにおいて、実施するようにしてもよい。
図3に示すように、監視処理では、まずS210にて、現在、ループバック端子LPBnの電圧を監視中であるか否かを判断し、監視中でなければ、S220に移行し、監視中であれば、S240に移行する。
S220では、ループバック端子LPBnの監視時間を計時する経過時間カウンタを初期化し、続くS230にて、ループバック端子LPBnの電圧変化検出を有効化し、当該監視処理を終了する。
なお、S220にて初期化される経過時間カウンタは、ループバック端子LPBnの監視時間を計時して、その監視時間が、ループバック端子LPBnが接続されたCS信号線による最大通信間隔よりも長い所定時間に達したことを検出するのに用いられる。
また、S210では、S230にてループバック端子LPBnの電圧変化検出が有効化されているときに、ループバック端子LPBnを監視中であると判断し、電圧変化検出が無効化されているときに、ループバック端子LPBnの監視は終了していると判断する。
次に、S240では、S220にて初期化された経過時間カウンタにより所定の監視時間が経過したことが検出されるまでの間に、ループバック端子LPBnの電圧が変化したか否かを判断する。
そして、S240にて、ループバック端子LPBnの電圧が変化したと判断されると、S250に移行して、ループバック端子LPBnに接続されたCS信号線は正常であると判断して、その旨をECU10内若しくは外部の制御システムに通知する。また、S250では、ループバック端子LPBnの電圧変化検出を無効化し、当該監視処理を終了する。
一方、S240にて、所定の監視時間が経過しているにもかかわらず、ループバック端子LPBnの電圧は変化していないと判断されると、ループバック端子LPBnに接続されたCS信号線が短絡故障したと判断して、S260に移行する。
そして、S260では、ループバック端子LPBnに接続されたCS信号線が短絡故障していることを、ECU10内若しくは外部の制御システムに通知し、当該システム確認処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のECU10においては、通信装置としてのマイコン20が、マスタとなって、スレーブであるスロットル制御IC12及び入力IC14との間で、共通の通信線を利用してシリアル通信する。このため、マイコン20と、スロットル制御IC12及び入力IC14とは、それぞれ、CS信号伝送用のCS信号線を介して接続されている。
そして、本実施形態では、マイコン20が、通信開始前にシステム確認処理を行い、通常動作時に定期的に監視処理を行うことで、チップセレクト端子CS0,CS2に接続されたCS信号線のレベルが、短絡等によって変化しなくなったことを検出する。
このため、CS信号線の一つがCS信号出力時のアクティブレベルに固定されたり、複数のCS信号線同士が短絡したりすることにより、正常なデータ通信が実施できなくなった際には、その旨を検知して、エンジン制御系に通知することができる。
[第2実施形態]
図4に示すように、本実施形態のECU10には、第1実施形態のスロットル制御IC12、入力IC14、及びマイコン20に加えて、車両の動力源となるモータを制御するための第1モータ制御IC16及び第2モータ制御IC18が備えられている。
そして、第1モータ制御IC16及び第2モータ制御IC18の入力端子SI及び出力端子SOは、スロットル制御IC12及び入力IC14と同様、共通の通信線を介して、マイコン20の出力端子SO及び入力端子SIに接続されている。
また、マイコン20には、第1モータ制御IC16及び第2モータ制御IC18のチップセレクト端子CSに対し、それぞれ、CS信号線を介してCS信号を出力するためのチップセレクト端子CS2,CS3が備えられている。
このように構成された本実施形態のECU10においては、第1実施形態に比べて、マイコンに設けられるチップセレクト端子CS0〜CS3が多くなる。このため、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されるCS信号線の電圧変化を監視するために、第1実施形態と同様に、そのCS信号線をマイコン20のループバック端子LPBに接続するようにすると、ループバック端子LPBの数が増加して、マイコン20の大型化を招く。
そこで、本実施形態では、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されるCS信号線には、マルチプレクサ22を接続し、マルチプレクサ22を介して、複数のCS信号線の一つをマイコン20のループバック端子LPBに選択的に接続できるように構成されている。
つまり、このようにマルチプレクサ22を設けることで、マイコン20の端子数を少なくして、マイコン20の小型化、延いては、低コスト化を図るようにしている。
また、本実施形態では、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されるCS信号線が正常か否かを判断するには、各CS信号線の電圧変化を、マルチプレクサ22を介して監視する必要がある。このため、マイコン20は、システム確認処理及び監視処理を、それぞれ、図5及び図6に示す手順で実施するように構成される。
すなわち、図5に示すように、システム確認処理においては、まずS100にて、チップセレクト端子CS0〜CS3のうち、最初のチップセレクト端子CS0に接続されたCS信号線を選択するように、マルチプレクサ22を切り替え、S110に移行する。
S110では、マルチプレクサ22に選択させたCS信号線に対応したチップセレクト端子CSnから所定パルス幅のパルス信号を出力させることで、CSn端子の電圧を非アクティブからアクティブ、アクティブから非アクティブへと変化させる。
そして、その後は、上記実施形態と同様に、S120以降の処理を実行することで、全てのチップセレクト端子CSnに接続されたCS信号線が短絡故障しているか否かを判断する。そして、CS信号線が短絡故障していると判断すると、S150にて、その旨を制御システムに通知する。
また、チップセレクト端子CSnに接続されたCS信号線は全て正常であると判断した際には、当該システム確認処理を終了し、その後の通常動作時に、監視処理を実施する。
この監視処理は、第1実施形態の監視処理と同様、所定時間毎の割り込み処理、若しくは、一定周期で実行されるタスクとして、周期的に実行される。そして、本実施形態の監視処理では、ループバック端子LPBを介して電圧変化を監視するCS信号線を順に切り替えることで、各チップセレクト端子CSnに接続されたCS信号線が正常であるか否かを、順に判定する。
つまり、図6に示すように、本実施形態の監視処理は、基本的には、図3に示した第1実施形態の監視処理と同様の手順で実行されるが、S250の処理を実行した後、S270にて、マルチプレクサ22にて選択されるCS信号線を次のCS信号線に切り替える。
この結果、マルチプレクサ22を介してループバック端子LPBに接続されるCS信号線が、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されたCS信号線の何れかに順に切り替えられることになり、これによって、全てのCS信号線が正常であるか否かが判定されることになる。
従って、本実施形態のECU10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例1]
なお、車両制御用のECU10においては、図7に示す変形例1のように、マイコン20に接続される外部デバイスが、第1入力IC13と第2入力IC15、第1モータ制御IC16と第2モータ制御IC18、というようにグループ分けられることがある。
そして、このように外部デバイスをグループ分けした場合には、図7に示すように、各グループのデバイス毎に、共通の通信線が設けられ、マイコン20には、各グループ用の出力端子SO1,SO2及び入力端子SI1,SI1が設けられる。
このようにECU10が構成されている場合であっても、図4に示したECU10と同様にマルチプレクサ22を設けて、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されたCS信号線の電圧変化を監視することにより、CS信号線の短絡故障を正確に検出できる。
[変形例2]
また、マイコン20に対する外部デバイスを複数にグループ分けする場合、エンジン制御用のスロットル制御IC12と入力IC14、モータ制御用の第1モータ制御IC16と第2モータ制御IC18、というようにグループ分けされることも考えられる。
そして、このように外部デバイスを制御種別に応じてグループ分けした際には、制御用のマイコン20も、マイコン20Aとマイコン20Bとにグループ分けされ、各マイコン20A,20Bが、対応する外部デバイスに接続されることもある。
このようにECU10が構成されている場合であっても、全てのCS信号線に接続されたマルチプレクサ24を設け、マルチプレクサ24を介して、一方のマイコン20Bのループバック端子LPBにCS信号線を順次選択的に接続するようにするとよい。
つまり、このようにすれば、マイコン20Aと20Bとの協調動作により、図5及び図6に示したシステム確認処理及び監視処理を実行することで、全てのCS信号線の短絡故障を正確に判定することができるようになる。
なお、図8において、マルチプレクサ24は、バス25を介してマイコン20Bとの間でデータ通信することで、選択するCS信号線を切り替えるように構成されている。
[第3実施形態]
図9に示すように、本実施形態のECU10には、スロットル制御IC12、入力IC14、モータ制御IC17、及び、マイコン20が備えられている。
そして、スロットル制御IC12、入力IC14及びモータ制御IC17の入力端子SI及び出力端子SOは、共通の通信線を介して、マイコン20の出力端子SO及び入力端子SIに接続されている。
また、マイコン20には、スロットル制御IC12、入力IC14及びモータ制御IC17のチップセレクト端子CSに対し、それぞれ、CS信号線を介してCS信号を出力するためのチップセレクト端子CS0,CS1,CS2が備えられている。
また、マイコン20には、これらチップセレクト端子CS0,CS1,CS2に接続された3本のCS信号線の電圧変化を監視するために、ループバック端子LPBが一つ設けられている。
そして、このループバック端子LPBには、3本のCS信号線のうち、2本のCS信号線が同時にアクティブレベルであるローレベルになったことを検出する論理回路30が設けられている。
この論理回路30は、3本のCS信号線のうち、チップセレクト端子CS0とCS1、CS1とCS2、CS2とCS0、というように、2本ずつ組み合わされる合計3組のCS信号線に接続される3つのNOR回路32,34,36を備える。
そして、この3つのNOR回路32,34,36の出力には、OR回路38が接続され、このOR回路38の出力が、マイコン20のループバック端子LPBに接続されている。
このため、ループバック端子LPBは、3本のCS信号線のうち、少なくとも2本のCS信号線が同時にアクティブレベルであるローレベルになったときに、ハイレベルとなる。
そこで、本実施形態のマイコン20は、起動時及び通常動作時に、図10及び図11に示す手順でシステム確認処理及び監視処理を実施することで、論理回路30若しくはCS信号線の故障を判定する。
すなわち、図10に示すように、システム確認処理においては、まずS300にて、3本のCS信号線のうち、2本のCS信号線同士が短絡する場合の3つの組み合わせを、CS0とCS1、CS1とCS2、CS2とCS0、というように定義する。
そして、続くS310では、その定義した組み合わせのn番目の組み合わせのチップセレクト端子をアクティブにする。なお、nの初期値は1であり、S310では、1番目から3番目までの組み合わせを順次選択することで、チップセレクト端子CS0とCS1、CS1とCS2、若しくは、CS2とCS0を、非アクティブ状態からアクティブ状態であるローレベルへと切り替える。
この切り替えにより、3つのNOR回路32,34,36のうち、何れかの出力がローレベルからハイレベルに変化し、ループバック端子LPBの電圧レベルも同様に変化する。
このため、続くS320では、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化したか否かを判断する。そして、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化していない場合には、CS信号線が短絡故障しているか、或いは、論理回路30が故障していると判断して、S350に移行し、その旨を制御システムに通知した後、当該システム確認処理を終了する。
また、S320にて、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化したと判断された場合には、論理回路30は正常に機能しているので、S330に移行する。
そして、S330では、S310にてアクティブにしたn番目の組み合わせのチップセレクト端子を非アクティブにし、次に選択すべきチップセレクト端子の組み合わせの番号nをインクリメントした後、S340に移行する。
S340では、例えば、nが値4に達し、全てのCS信号線に対する確認処理が完了したか否かを判断し、全てのCS信号線に対する確認処理が完了していれば、当該システム確認処理を終了し、そうでなければ、S310に移行する。
次に、図11に示す本実施形態の監視処理は、上記実施形態の監視処理と同様、所定時間毎の割り込み処理、若しくは、一定周期で実行されるタスクとして、周期的に実行される。そして、本実施形態では、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化したか否かを判断することで、故障判定を行う。
つまり、本実施形態では、CS信号線が短絡してアクティブ状態になるか、或いは、CS信号線同士が短絡したときに、論理回路30の出力、延いては、ループバック端子LPBの電圧レベルが、ローレベルからハイレベルに変化する。
このため、監視処理では、S410にて、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化したか否かを判断する。そして、電圧レベルが変化していなければ、CS信号線は短絡故障しておらず、正常であると判断して、S420にて、その旨を制御システムに通知し、当該監視処理を終了する。
また、S410にて、ループバック端子LPBの電圧レベルが変化したと判断されると、S430に移行し、CS信号線が短絡故障したと判断して、その旨を制御システムに通知し、当該監視処理を終了する。
このように、本実施形態では、マイコン20に設けられたチップセレクト端子CS0,CS1,CS2に接続されたCS信号線のうち、2本のCS信号線が同時にアクティブになったことを、論理回路30を用いて検出することで、CS信号線の短絡故障を判定する。
このため、チップセレクト端子CS0,CS1,CS2に接続されたCS信号線のうち、短絡故障したCS信号線を特定することはできないものの、何れかのCS信号線が短絡してデータ通信を正常にできなくなったことを、極めて簡単に検出することができる。
よって、マイコン20の通常動作時には、監視処理によってマイコン20の処理負荷を増加させることなく、CS信号線の短絡故障を検出できるようになり、上記各実施形態に比べて、マイコン20の処理負荷を軽減できる。
また、論理回路30は、NOR回路やOR回路の組み合わせにより簡単に構成できることから、ECU10内に論理回路30を設けることにより、ECU10がコストアップすることも抑制できる。
なお、本実施形態では、論理回路30は、NOR回路とOR回路とを用いて構成するものとしたが、論理回路30の構成は、監視対象となるCS信号線のアクティブレベルや論理回路30から出力させる判定信号の電圧レベルに応じて、適宜設定すればよい。
[変形例]
第3実施形態では、論理回路30は、マイコン20のチップセレクト端子CS0,CS1,CS2に接続された全てのCS信号線の中から、2本のCS信号線の組み合わせを全て選択し、組み合わせ毎に、同時にアクティブとなったか否かを判定するものとした。
しかし、チップセレクト端子CS0,CS1,CS2に接続された全てのCS信号線のうち、特に重要度の高いCS信号線を選択し、そのCS信号線が他のCS信号線と同時にアクティブ状態になったときに、そのCS信号線の短絡故障を判定するようにしてもよい。
例えば、スロットル制御IC12との間のCS信号線が重要である場合には、図12に示すように、そのCS信号線と他のCS信号線との組み合わせを選択する。そして、その選択した組み合わせのCS信号線に対し、NOR回路32、36を接続することで、論理回路30を構成するようにしてもよい。
このようにしても、マイコン20において、図10,図11に示したシステム確認処理及び監視処理を実行することで、スロットル制御IC12との間のCS信号線の短絡故障を検出できるようになる。また、この場合、論理回路30を構成するNOR回路34が不要になるので、論理回路30をより簡単に構成できるようになる。
[第4実施形態]
図13に示すように、本実施形態のECU10には、スロットル制御IC12と、モータ制御IC16とが、それぞれ、2組設けられている。
第1組のスロットル制御IC12A及びモータ制御IC16Aと、第2組のスロットル制御IC12B及びモータ制御IC16Bは、制御対象として、同じ電子スロットル及びモータを駆動制御するためのものである。
つまり、本実施形態のECU10は、これら2系統の制御ICによって、一方の制御系の制御ICが故障しても、電子スロットル及びモータを駆動し、車両を安全に走行させることができるようになっている。
そして、スロットル制御IC12A、12B、及び、モータ制御IC16A,16Bは、制御系A,B毎にグループ分けされ、各グループの制御IC毎に、共通の通信線が設けられている。
また、スロットル制御IC12A、12B及びモータ制御IC16A,16Bには、それぞれ、チップセレクト端子CSとは別に、チップイネーブル端子CEが設けられている。
そして、マイコン20には、これら各制御ICのチップイネーブル端子CEにそれぞれ接続されるチップイネーブル端子CE0,CE1,CE2,CE3が設けられている。
従って、マイコン20は、チップイネーブル端子CE0,CE1,CE2,CE3からの出力をアクティブから非アクティブ或いはその逆方向に切り替えることで、各制御ICの動作を停止させたり、再起動させたりすることができる。
このようにECU10が構成されている場合であっても、第2実施形態のECU10と同様、マルチプレクサ22を設けて、チップセレクト端子CS0〜CS3に接続されたCS信号線の電圧変化を監視することにより、CS信号線の短絡故障を判定できる。
また、この場合、マイコン20は、グループ毎に制御ICとの間のCS信号線の短絡故障を判定するようにすればよい。そして、CS信号線の短絡故障を判定した際には、マイコン20にて実行されるS150又はS260にて、制御システムに異常を通知する際に、故障判定したCS信号線にて接続されている制御ICのチップイネーブル端子CEを非アクティブにする。この結果、故障判定されたCS信号線に接続されている制御ICにディスエーブル信号が入力されて、制御ICが動作を停止する。
このようにすれば、CS信号線の電圧変化から短絡故障したCS信号線を特定した際、そのCS信号線を介してマイコン20に接続されている制御ICをマイコン20から分離し、他の制御ICの動作に悪影響を与えるのを抑制できる。
なお、本実施形態では、チップイネーブル端子CEを使って、CS信号線が短絡故障した制御ICの動作を停止させるものとしたが、マイコン20は、短絡故障したCS信号線を切断するように構成されていてもよい。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、本開示の技術を車両制御用のECUに適用した場合について説明した。しかし、本開示の技術は、マスタとなるデバイスとスレーブとなる複数のデバイスとが共通の通信線を利用してデータ通信を行う通信システムであれば、上記実施形態と同様に適用できる。
また、上記実施形態では、通信装置は、マイコンにて構成されるものとして説明したが、本開示の技術は、ASIC等、通信機能を有するデバイスであれば、上記実施形態と同様に適用できる。
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
8…電子スロットル、10…ECU、12,12A,12B…スロットル制御IC、13,14,15…入力IC、16,17,18…モータ制御IC、20,20A,20B…マイコン、22,24…マルチプレクサ、25…バス、30…論理回路、32,34,36…NOR回路、38…OR回路、CE0〜CE3…チップイネーブル端子、CS0〜CS3…チップセレクト端子、LPB,LPB0,LPB1…ループバック端子、SI,SI1,SI2…入力端子、SO,SO1,SO2…出力端子。

Claims (5)

  1. 複数の外部デバイスとのデータ通信に共用される通信端子(SO,SI)と、
    前記複数の外部デバイスに対しそれぞれチップセレクト信号を出力する複数のチップセレクト端子(CS0,CS1,…)と、
    前記複数のチップセレクト端子の一つから前記チップセレクト信号を出力することにより、該チップセレクト信号出力先の前記外部デバイスを通信対象として選択し、該選択した前記外部デバイスとの間で前記通信端子を介してデータ通信を行う制御部(20)と、
    を備え、前記制御部は、前記複数のチップセレクト端子と前記複数の外部デバイスとをそれぞれ接続する複数のチップセレクト信号線の電圧変化を監視することで、前記チップセレクト信号線の短絡故障を判定するよう構成されている、通信装置。
  2. 前記複数のチップセレクト信号線の一つを選択して、前記制御部の入力端子に接続するマルチプレクサ(22,24)を備え、
    前記制御部は、前記マルチプレクサが選択する前記チップセレクト信号線を切り替えることで、前記複数のチップセレクト信号線の電圧変化を監視するよう構成されている、請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記制御部は、前記チップセレクト信号線の電圧変化から前記チップセレクト信号線の短絡故障が生じた外部デバイスを特定し、該特定した外部デバイスを、他の外部デバイスとの通信に影響を与えることのないように分離する、よう構成されている、請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記複数のチップセレクト信号線のうち、2つ以上のチップセレクト信号線の電圧が前記チップセレクト信号の出力時のアクティブレベルであるときに、判定信号を出力するよう構成された論理回路(30)を備え、
    前記制御部は、前記論理回路から前記判定信号が出力されると、前記チップセレクト信号線が短絡故障していると判断するよう構成されている、請求項1に記載の通信装置。
  5. 前記論理回路は、前記複数のチップセレクト信号線のうち、予め設定された重要度の高いチップセレクト信号線が、他のチップセレクト信号線の一つと同じ前記アクティブレベルであるとき、前記判定信号を出力するよう構成されている、請求項4に記載の通信装置。
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