JP2019073799A - 溶湯温度補正装置、溶湯温度補正方法、及び溶湯の製造方法 - Google Patents

溶湯温度補正装置、溶湯温度補正方法、及び溶湯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吹錬処理中の溶湯の温度計測値を精度よく補正可能な溶湯温度補正装置及び溶湯温度補正方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る溶湯温度補正装置は、吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算する温度誤差計算部と、過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中のチャージにおける吹錬処理開始時からの溶湯の温度上昇量を計算する温度誤差推定部と、温度誤差推定部によって推定された途中温度誤差、又は、温度誤差推定部によって計算された溶湯の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を補正する温度補正処理部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼業の精錬設備において吹錬処理中の溶湯の温度計測値を補正する溶湯温度補正装置、溶湯温度補正方法、及び溶湯の製造方法に関するものである。
製鉄所では、高炉において鉄鉱石を溶解した後、精錬設備において溶湯の成分濃度及び温度を調整する。精錬設備には、予備処理設備、転炉、及び二次精錬設備と処理目的に応じて様々なものがある。例えば精錬設備の代表格である転炉では、炉内に酸素を吹き込むことによって溶湯中の不純物の除去及び昇温を行う吹錬処理を実行し、吹錬処理後の溶湯の成分濃度及び温度が指定された範囲内に収まるように制御が行われる。しかしながら、溶湯中の酸化反応は激しく、溶湯が高温になるため、溶湯中の成分濃度や温度を時々刻々計測することは困難である。
このため、現実の操業では、吹錬処理中の溶湯をサンプリングし、サンプリングによって得られた溶湯の成分濃度や温度の情報及び反応モデル式に基づいて吹錬処理終了までの吹錬処理制御の計算を行っている。例えば特許文献1には、サンプリングした溶湯温度とサンプリング以後の溶湯昇温モデル式とに基づいて送酸量や冷却材投入量を計算する方法が記載されている。また、特許文献2には、サンプリングした溶湯温度と排ガス情報(排ガスの流量や成分)とに基づいて酸化反応量を推定して溶湯温度をリアルタイムで推定する方法が記載されている。
特開平2−115314号公報 特開平2−19412号公報 特許第5854171号公報 特開2017−089001号公報
特許文献1や特許文献2に記載されている方法は、サンプリングした溶湯温度が正確に計測されていることを前提としている。しかしながら、一般に、吹錬処理中の溶湯から温度計測のために採取されるサンプルは溶湯のごく一部であることから、吹錬処理中に溶湯が不均一な状態になっている場合、サンプリングした溶湯温度に誤差が含まれている可能性が高い。結果、サンプリングした溶湯温度と反応モデル式とに基づいて計算を行っても吹錬処理制御の精度が悪化し、成分濃度及び温度が所望の範囲内にある溶湯を歩留まりよく製造できない可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、吹錬処理中の溶湯の温度計測値を精度よく補正可能な溶湯温度補正装置及び溶湯温度補正方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、成分濃度及び温度が所望の範囲内にある溶湯を歩留まりよく製造可能な溶湯の製造方法を提供することにある。
本発明に係る溶湯温度補正装置は、精錬設備における吹錬処理中及び吹錬処理後の溶湯の成分濃度及び温度の計測値、前記精錬設備から排出された排ガスの流量及び該排ガス中の成分濃度の計測結果、前記精錬設備の炉内への酸素の供給量、吹錬処理前の溶湯の重量、成分濃度、及び温度の計測値、及び吹錬処理中に投入された副原料の重量を含む入力情報を用いた炭素及び酸素の収支計算に基づいて、過去チャージについて吹錬処理中に生成される反応熱量の時系列情報を計算する生成熱計算部と、吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と前記反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算する温度誤差計算部と、過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中のチャージにおける吹錬処理開始時からの溶湯の温度上昇量を計算する温度誤差推定部と、前記温度誤差推定部によって推定された途中温度誤差、又は、前記温度誤差推定部によって計算された溶湯の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を補正する温度補正処理部と、を備える。
なお、前記温度誤差推定部は、過去チャージの途中温度誤差に基づいてパラメータを決定した回帰式を用いて前記途中温度誤差を推定する、又は、前記回帰式を用いて前記溶湯の温度上昇量を計算するとよい。
また、前記温度誤差計算部は、吹錬処理の開始時から吹錬処理中の溶湯の温度を計測する時点までの生成熱積算値と吹錬処理の開始時から吹錬処理が完了した溶湯の温度を計測する時点までの生成熱積算値との比が、吹錬処理の開始時から吹錬処理中の溶湯の温度を計測する時点までの溶湯の温度の上昇量と吹錬処理の開始時から吹錬処理が完了した溶湯の温度を計測する時点までの溶湯の温度の上昇量との比が一致するように、吹錬処理中の溶湯の温度を推定するとよい。
本発明に係る溶湯温度補正方法は、精錬設備における吹錬処理中及び吹錬処理後の溶湯の成分濃度及び温度の計測値、前記精錬設備から排出された排ガスの流量及び該排ガス中の成分濃度の計測結果、前記精錬設備の炉内への酸素の供給量、吹錬処理前の溶湯の重量、成分濃度、及び温度の計測値、及び吹錬処理中に投入された副原料の重量を含む入力情報を用いた炭素及び酸素の収支計算に基づいて、過去チャージについて吹錬処理中に生成される反応熱量の時系列情報を計算する生成熱計算ステップと、吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と前記反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算する温度誤差計算ステップと、過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中のチャージにおける吹錬処理開始時からの溶湯の温度上昇量を計算する温度誤差推定ステップと、前記温度誤差推定ステップにおいて推定された途中温度誤差、又は、前記温度誤差推定ステップにおいて計算された溶湯の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を補正する温度補正処理ステップと、を含む。
本発明に係る溶湯の製造方法は、本発明に係る溶湯温度補正方法によって補正された吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を用いて吹錬処理を制御することによって溶湯を製造するステップを含む。
本発明に係る溶湯温度補正装置及び溶湯温度補正方法によれば、吹錬処理中の溶湯の温度計測値を精度よく補正することができる。また、本発明に係る溶湯の製造方法によれば、成分濃度及び温度が所望の範囲内にある溶湯を歩留まりよく製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置の構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す演算処理部による演算処理の内容を説明するためのブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態である過去チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。 図4は、関数Gの特性曲線の一例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施形態である現在チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、本発明の第2の実施形態である現在チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置の構成及びその動作について説明する。
〔溶湯温度濃度補正装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置1は、鉄鋼業の精錬設備2で吹錬処理されている溶湯101の温度計測値を補正する装置である。ここで、精錬設備2は、転炉100、ランス102、及び、ダクト104を備えている。転炉100内の溶湯(溶鋼)101上にはランス102が配置されている。ランス102の先端から下方の溶湯101に向けて高圧酸素が噴出される。この高圧酸素によって溶湯101内の不純物が酸化されてスラグ103内に取り込まれる(吹錬処理)。転炉100の上部には、排ガス導煙用のダクト104が設置されている。
ダクト104の内部には、排ガス検出部105が配置されている。排ガス検出部105は、吹錬処理に伴い排出される排ガスの流量及び排ガス中の成分(例えば、CO,CO,O等)を検出する。排ガス検出部105は、例えばダクト104内に設けられたオリフィスの前後の差圧に基づいてダクト104内の排ガスの流量を計測する。また、排ガス検出部105は、排ガス中の各成分の濃度[%]を計測する。排ガスの流量及び成分濃度は、例えば数秒周期で計測される。排ガス検出部105の検出結果を示す信号は制御端末10に送られる。
転炉100内の溶湯101には、転炉100の底部に形成されている通気孔106を介して撹拌ガスが吹き込まれる。撹拌ガスは、Ar等の不活性ガスである。吹き込まれた撹拌ガスは、溶湯101を撹拌し、高圧酸素と溶湯101との反応を促進する。流量計107は、転炉100に吹き込まれる撹拌ガスの流量を計測する。吹錬処理開始直前及び吹錬処理後には、溶湯101の温度及び成分濃度の分析が行われる。また、溶湯101の温度及び成分濃度は、吹錬処理途中で一度又は複数回計測され、計測された温度及び成分濃度に基づいて計測時点以降の高圧酸素の供給量(送酸量)及び速度(送酸速度)や撹拌ガスの流量(撹拌ガス流量)等が決められる。
溶湯温度補正装置1が適用される吹錬制御システムは、制御端末10、溶湯温度補正装置1、及び表示装置(CRT)20を主な構成要素として備えている。制御端末10は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置によって構成され、溶湯101の成分濃度及び温度が所望の範囲内になるように送酸量、送酸速度、及び撹拌ガス流量を制御すると共に、送酸量、送酸速度、及び撹拌ガス流量の実績値のデータを収集する。
溶湯温度補正装置1は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置によって構成されている。溶湯温度補正装置1は、入力装置11、実績データベース(実績DB)12、演算処理部13、及び出力装置14を備えている。
入力装置11は、精錬設備2に関する各種の計測結果及び実績情報が入力される入力用インターフェースである。入力装置11には、キーボード、マウス、ポインティングディバイス、データ受信装置、及びグラフィカルユーザインターフェース(GUI)等がある。入力装置11は、実績データやモデルパラメータ設定値等を外部から受け取り、その情報の実績DB12への書き込みや演算処理部13への送信を行う。入力装置11には、精錬設備2における吹錬処理開始前、吹錬処理中、及び吹錬処理後の少なくともいずれか一つの溶湯101の温度及び成分濃度についての計測結果が入力される。溶湯101の温度及び成分濃度についての計測結果は、例えばオペレータによる手入力や記録媒体からの読み込み入力等によって入力装置11に入力される。また、入力装置11には、制御端末10から実績情報が入力される。この実績情報には、排ガス検出部105によって計測された排ガスの流量及び排ガスの成分濃度についての情報、送酸量及び送酸速度の情報、撹拌ガス流量の情報、原料(主原料、副原料)投入量の情報、及び溶湯101の温度情報等が含まれる。
演算処理部13は、CPU等の演算処理装置であり、溶湯温度補正装置1全体の動作を制御する。ここで、図2を参照して、演算処理部13による演算処理の内容について説明する。図2は、演算処理部13による演算処理の内容を説明するためのブロック図である。図2に示すように、演算処理部13は、吹錬処理が終了したチャージ(過去チャージ)の温度計測値の補正計算を行う過去チャージ補正モジュール13aと、現在吹錬処理を行っているチャージの吹錬処理中の温度計測値を補正する現在チャージ補正モジュール13bと、を備えている。
過去チャージ補正モジュール13aは、1つのチャージの吹錬処理が終了した時点又は吹錬処理が終了したチャージの送酸量情報、排ガス情報、投入副原料情報、吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯101及びスラグ103の成分濃度の計測結果、吹錬処理前、吹錬処理途中、及び吹錬処理後の溶湯101の温度の計測結果が実績DB12に保存された時点で起動し、熱収支計算に基づいて過去チャージの温度計測値の誤差を計算して実績DB12に保存する。過去チャージ補正モジュール13aは、物理モデルに基づいて吹錬処理の開始から終了までの生成熱(反応熱量)の時系列情報を計算する生成熱計算部13a1と、計算された生成熱の時系列情報に基づいて過去チャージにおける吹錬処理途中の温度計測値の誤差を計算する温度誤差計算部13a2と、を備えている。
一方、現在チャージ補正モジュール13bは、現在吹錬処理を行っているチャージにおいて吹錬処理途中の溶湯温度が計測されたタイミングで起動し、過去チャージの温度誤差計算結果と実績情報、及び現在吹錬処理を実行しているチャージの実績情報に基づいて現在吹錬処理を実行しているチャージの吹錬処理途中の溶湯温度を補正する。現在チャージ補正モジュール13bは、過去チャージと現在吹錬処理を行っているチャージとのデータを用いた計算により現在吹錬処理を実行しているチャージの吹錬処理途中における溶湯101の温度誤差を推定する温度誤差推定部13b1と、推定された温度誤差を用いて吹錬処理途中の溶湯101の温度計測値を補正する温度補正処理部13b2と、を備えている。
溶湯温度補正装置1で補正された溶湯101の温度計測値は、実績DB12及び制御端末10に送信され、吹錬処理途中温度計測時点以降に必要な酸素量計算、冷却材計算、又はリアルタイムの溶湯状態推定(溶湯温度、溶湯中成分濃度)等で用いられる。
出力装置14は、演算処理部13による補正結果を出力する。出力装置14は、制御端末10及び表示装置20とそれぞれ接続されており、制御端末10及び表示装置20に対して補正結果を出力する。制御端末10は、出力装置14から送られる補正結果に基づいて送酸量や送酸速度、撹拌ガス流量等の操作量を調節することにより、溶湯101中の成分濃度及び溶湯101の温度を所望の範囲内に調整する。また、表示装置(CRT)20は、出力装置14から送られる補正結果を画面等の表示部にチャート表示する。
このような構成を有する溶湯温度補正装置1は、以下に示す過去チャージ補正処理及び現在チャージ補正処理を実行することにより、吹錬処理中の溶湯101の温度計測値を精度よく補正する。以下、図3〜図5を参照して、過去チャージ補正処理及び現在チャージ補正処理を実行する際の溶湯温度補正装置1の動作について説明する。
〔過去チャージ補正処理〕
図3は、本発明の一実施形態である過去チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、溶湯温度補正装置1が起動されたタイミングで開始となり、過去チャージ補正処理はステップS1の処理に進む。なお、本実施形態は、吹錬処理途中の溶湯101の温度計測を1回だけ行う操業に本発明を適用したものである。但し、本発明は本実施形態に限定されることはなく、吹錬処理途中の溶湯101の温度計測を複数回行う操業に対しても適用可能である。
ステップS1の処理では、生成熱計算部13a1が、吹錬処理が終了したチャージ(最新チャージ)の実績データ(吹錬処理前後及び吹錬処理途中の溶湯101の成分濃度及び温度の情報、吹錬処理中の排ガス情報、各種操作量等)が実績DB12に送信されて保存されたか否かを判別する。判別の結果、実績データが保存された場合(ステップS1:Yes)、生成熱計算部13a1は、過去チャージ補正処理をステップS2の処理に進める。一方、実績データが保存されていない場合には(ステップS1:No)、生成熱計算部13a1は、所定時間が経過した後、再度ステップS1の処理を実行する。
ステップS2の処理では、生成熱計算部13a1が、実績DB12から最新チャージの実績データを読み込む。これにより、ステップS2の処理は完了し、過去チャージ補正処理はステップS3の処理に進む。
ここで、ステップS2の処理において生成熱計算部13a1が読み込む実績データの例を以下に示す。
(a)溶湯・スラグ情報
(a−1)初期溶湯温度(単位:℃):T
(a−2)初期溶湯中C濃度(単位:%):x
(a−3)初期溶湯中Si濃度(単位:%):xSi
(a−4)初期溶湯中Mn濃度(単位:%):xMn
(a−5)初期溶湯中P濃度(単位:%):x
(a−6)初期溶湯中O濃度(単位:%):x
(a−7)吹錬処理後溶湯温度(単位:℃):T
(a−8)吹錬処理後溶湯中C濃度(単位:%):x
(a−9)吹錬処理後溶湯中Si濃度(単位:%):xSi
(a−10)吹錬処理後溶湯中Mn濃度(単位:%):xMn
(a−11)吹錬処理後溶湯中P濃度(単位:%):x
(a−12)吹錬処理後溶湯中O濃度(単位:%):x
(a−13)吹錬処理後スラグ中FeO重量割合(単位:%):xFeO
(a−14)吹錬処理後スラグ重量(単位:ton):wslag
(a−15)初期溶湯重量(単位:ton):wpig
(a−16)初期投入スクラップ重量(単位:ton):wSC
(a−17)吹錬処理途中溶湯温度(単位:℃):T
(a−18)吹錬処理途中C濃度(単位:%):x
(a−19)吹錬処理途中O濃度:x
なお、上記計測値については、例えば特許文献4に記載の技術等によって補正した値を用いてもよい。また、吹錬処理の初期にスクラップ投入がある場合、(a−1)初期溶銑温度Tとスクラップの温度とが大きく乖離している場合があるので、その場合には初期溶湯温度についてはスクラップと溶湯が同じ温度になったときの温度を計算して置き換えるとよい。
(b)排ガス情報
排ガス流量・分析情報は一定周期で収集されている。本実施形態では簡単のため、1秒周期で排ガス計測・分析情報が収集されているものとする。排ガス流量・分析情報には例えば以下のものがある。なお、以下では各情報の収集時刻をtとしている。排ガス情報については、例えば特許文献3に記載の技術等によって補正した値を用いてもよい。
(b−1)排ガス流量(単位:Nm/Hr):V off
(b−2)排ガス分析CO濃度(単位:%):X CO
(b−3)排ガス分析CO濃度(単位:%):X CO2
(b−4)排ガス分析O濃度(単位:%):X O2
(b−5)排ガス分析Ar濃度(単位:%):X Ar
(b−6)排ガス分析N濃度(単位:%):X N2
(c)操作量情報
(c−1)上吹酸素流量(単位:Nm/Hr):V O−in
(c−2)底吹ガス流量(単位:Nm/Hr):V stir
(c−3)副原料投入量(単位:kg):ω
ここで、副原料投入量ω は時刻t−1から時刻tまでの間に投入された副原料重量を意味しており、添え字jは副原料の銘柄を示している。副原料の銘柄jに含まれる成分に関しては以下のパラメータが設定される。なお、ρ は溶湯101中のC,Si,Mn,Pの酸化に寄与できる酸素重量の割合を示し、ηは副原料銘柄jの1kgあたりの溶解熱を示す。また、副原料投入量ω についても、例えば特許文献3に記載の技術等によって補正した値を使ってもよい。
(d−1)酸素重量割合(単位:%):ρ
(d−2)副原料冷却効果(単位:kcal/kg):η
ステップS3の処理では、生成熱計算部13a1が、ステップS2の処理において読み込んだ実績データを用いて、最新チャージの吹錬処理の開始時刻から終了時刻までの間の炉内反応に関連する熱量を計算する。具体的には、生成熱計算部13a1は、最新チャージの吹錬処理の開始時刻から終了時刻までの間の溶湯中成分の酸化反応熱量、スクラップ及び副原料の融解熱量、及び排ガス等で炉外に出て行った熱量を計算する。
ここで、溶湯中成分の酸化反応熱量は例えば以下に示す要領で計算できる。すなわち、溶湯101中の炭素(C)の酸化量は、排ガス中に含まれるCO及びCOの量から推定できる。詳しくは、転炉内で単位時間に酸化された炭素量であるΔC(kg/sec)は以下に示す数式(1)により計算できる。
Figure 2019073799
また、溶湯101中のSi,Mn,Pの酸化量は酸化物がスラグ内に取り込まれるため、スラグ中の成分を分析すれば知ることができる。リアルタイムでスラグ成分分析を行うことが難しい場合には、物理モデルを使用して酸化量を推定する。本実施形態では、簡略に送酸流量及び初期溶湯中成分濃度によって酸化量が決まるモデル式を採用し、成分(Si,Mn,P)毎にモデル式のパラメータを設定する。詳しくは、各成分の酸化量をΔSi,ΔMn,ΔP(いずれも単位はkg/sec)として、以下に示す数式(2)〜(4)で表すことができる。
Figure 2019073799
Figure 2019073799
Figure 2019073799
なお、数式(2)〜(4)の右辺のFSi,FMn,Fは関数を意味しており、引数である括弧内の第1項は吹錬処理開始時刻、第2項は現在時刻、第3項は送酸量の合計値、第4項は投入された副原料中酸素量の合計値を表している。本来各成分の酸化量は合計値だけではなく供給酸素量の変化にも影響を受けるが、ここでは簡単のため供給酸素量の合計値を引数として用いている。また上記成分以外に主成分の鉄も酸化される。この値は供給された酸素量から上記他成分の酸化に使われた酸素量を引いた値分の酸素が全て鉄の酸化に寄与したものと仮定して以下に示す数式(5)により計算することができる。
Figure 2019073799
上記数式(5)の右辺第1項目は供給された上吹酸素量、第2項目は副原料中の酸素量、第3項目以降が鉄以外の酸化に使われた酸素量を意味する。数式(5)中のパラメータK,KSi,KMn,Kはそれぞれ、各成分の酸化量を“酸化に使われた酸素量”に変換するための係数である。これらの係数は計測情報を引数とする関数で決定してもよいし、簡単のため固定値にしてもよい。これにより、溶湯中成分の酸化反応熱量は以下に示す数式(6)により表すことができる。
Figure 2019073799
なお、数式(6)中のパラメータH,HSi,HMn,Hはそれぞれ、C,Si,Mn,Pの酸化量を熱量(Kcal/sec)に換算するためのパラメータを示し、パラメータHFeはFeの酸化に使われた酸素量を熱量(Kcal/sec)に換算するためのパラメータを示す。
次にスクラップ及び副原料の融解熱量であるが、これは吹錬処理開始前に炉内に装入されるスクラップ及び吹錬処理中に投入される副原料が溶湯101中で溶解する際に奪われる熱量を意味する。これについても以下の数式(7)に示す物理モデルを使用して計算する。
Figure 2019073799
数式(7)は時刻tにおける副原料jの溶解熱(Kcal/sec)を示しており、数式(7)のΣ記号中のGは投入した副原料の溶解速度(kg/sec)を計算するための関数であり、具体的には時刻τに投入された重量(副原料投入量)ωτ の副原料(銘柄j)の時刻tでの溶解速度(kg/sec)が計算される。図4に関数Gの特性曲線の一例を示す。図4に示すように、溶解が進むにつれて溶解速度も低減していくような関数Gが設定される。なお、この関数Gを時刻tについて積分した値は、投入した副原料投入量ω に一致する。ここで、溶解速度は溶湯温度にも影響されるが、本実施形態では簡単のため投入からの経過時間と投入量で決まる関数を用いている。吹錬処理開始前に炉内に装入するスクラップについても同様の関数を定義する。スクラップ及び副原料の融解熱量は以下に示す数式(8)にまとめられる。なお、数式(8)において、q SCはスクラップの溶解熱(Kcal/sec)を意味している。
Figure 2019073799
最後に排ガス等で炉外に出て行った熱量であるが、炉内反応で生成された熱量のうち一部は排ガスと共に炉外へ排出される。ここでは、この熱量は(排ガス温度は一定と仮定し)成分毎に排ガス流量に比例するものとして、成分毎の出て行った熱量を計算する。以下、この熱量をQ (Kcal/sec)とする。
溶湯中成分の酸化反応熱量、スクラップ及び副原料の融解熱量、及び排ガス等で炉外に出て行った熱量を用いて炉内の温度上昇のために与えられる熱量をまとめると、以下の数式(9)に示す時系列熱量Q TOTALのようになる。但し、ここでは炉体から奪われる熱は考慮していない。
Figure 2019073799
ステップS4の処理では、温度誤差計算部13a2が、ステップS3の処理において計算された時系列熱量Q TOTAL(t=t,…,t)に基づいて吹錬処理途中の温度計測時点での溶湯温度の誤差を計算する。ここで、tは吹錬処理終了時刻を意味する。具体的には、まず、温度誤差計算部13a2は、時系列熱量Q TOTAL(t=t,…,t)を積算した値を以下に示す数式(10)に従って計算する。
Figure 2019073799
次に、温度誤差計算部13a2は、以下に示す2つの比(i),(ii)が等しいものと仮定する。
(i)吹錬処理開始時刻tから吹錬処理途中温度計測時刻tまでの積算熱量と吹錬処理開始時刻tから吹錬処理終了時刻tまでの積算熱量との比
(ii)吹錬処理開始時刻tから吹錬処理途中温度計測時刻tまでに上昇した温度と、吹錬処理開始時刻tから吹錬処理終了時刻tまでに上昇した温度との比
上記の仮定が成り立つ場合には、以下に示す数式(11)が成立する。
Figure 2019073799
ここで、数式(11)において、T ,T ,T はそれぞれ、吹錬処理開始時点、吹錬処理途中温度計測時点、及び吹錬処理終了時点での溶湯温度の真値を意味する。
この数式(11)から吹錬処理途中温度(吹錬処理途中計測時点の温度)は以下に示す数式(12)で示すことができる。
Figure 2019073799
さらに、吹錬処理開始時点の溶湯温度計測値と吹錬処理終了時点の溶湯温度計測値の計測誤差が小さく真値と同じとみなすことができると仮定すると、すなわちT =T、且つ、T =Tであると仮定すると、吹錬処理途中温度の真値は以下に示す数式(13)で計算できる。これにより、ステップS4の処理は終了し、過去チャージ補正処理はステップS5の処理に進む。
Figure 2019073799
ステップS5の処理では、温度誤差計算部13a2が、吹錬処理途中で計測した溶湯温度の実測値の誤差T−T を計算し、計算された誤差T−T を実績DB12に送信して保存する。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連の過去チャージ補正処理は終了する。
〔現在チャージ補正処理〕
次に、図5及び図6を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態である現在チャージ補正処理の流れについて説明する。
[第1の実施形態]
まず、図5を参照して、本発明の第1の実施形態である現在チャージ補正処理の流れについて説明する。図5は、本発明の第1の実施形態である現在チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、吹錬処理中チャージにおいて吹錬処理途中サンプリングの温度及び成分濃度の計測が完了し、溶湯温度補正装置1が吹錬処理途中サンプリングの温度及び成分濃度の情報を受信したタイミングで開始となり、現在チャージ補正処理はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、温度誤差推定部13b1が、吹錬処理中チャージの操業情報及び処理関連情報を取得する。これにより、ステップS11の処理は完了し、現在チャージ補正処理はステップS12の処理に進む。
ここで、ステップS11の処理において取得する操業情報の例を以下に示す。
(e)操業情報
(e−1)初期溶銑情報(溶銑成分、溶銑温度等)
(e−2)制御情報(上吹酸素流量パターン、ランス高さパターン、底吹きガス流量パターン、目標温度、目標成分濃度)
(e−3)吹錬処理中計測情報(排ガス流量・成分情報、吹錬処理途中温度、吹錬処理途中成分)
また、ステップS11の処理において取得する処理関連情報の例を以下に示す。
(f)処理関連情報
(f−1)吹錬処理前の処理についての情報(予備処理の有無、予備処理を行った設備等の情報)
(f−2)炉体に関する情報(耐火物を張り替えた時期に関する情報)
(f−3)初期溶湯の計測作業に関する情報(計測設備、計測〜吹錬処理開始の予定時間)
ステップS12の処理では、温度誤差推定部13b1が、過去チャージに関する情報を実績DB12から抽出する。抽出する情報としては、過去チャージの操業情報、処理関連情報、及び過去チャージ補正モジュール13aの計算結果(温度誤差情報、吹錬処理途中積算熱量Sts TOTAL、吹錬処理終了時積算熱量Stf TOTAL)等である。これにより、ステップS12の処理は完了し、現在チャージ補正処理はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、温度誤差推定部13b1が、操業情報及び処理関連情報の中からいくつか選ばれた項目について、吹錬処理中チャージとそれぞれの過去チャージ情報との差を計算し、その重み付き二乗和平方根を計算する。選ばれた情報が操作量パターン等の時系列情報である場合には、パターン形状の差異等を数値化したものを用いればよい。そして、温度誤差推定部13b1は、過去チャージkに関する二乗和平方根値dに対して重み係数w=f(d)を計算する。なお、fは単調減少関数であり、wは吹錬処理中チャージと過去チャージkとが似ている(各項目の差が0に近い)場合に大きな値をとる。これにより、ステップS13の処理は完了し、現在チャージ補正処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、温度誤差推定部13b1が、ステップS13の処理において計算された重み係数wをつけた回帰計算を行って回帰式を導出した後、導出した回帰式を用いて吹錬処理中チャージの吹錬処理途中温度の補正量を算出する。以下、回帰計算の説明変数を初期溶湯中炭素濃度x (k)、吹錬処理途中サンプリング時の炭素濃度x (k)、初期溶湯温度T(k)、吹錬処理途中サンプリング時溶湯温度計測値T(k)、吹錬処理途中サンプリング時スラグ量推定値wslag (k)、及び吹錬処理開始から吹錬処理途中サンプリング時までの送酸量VO2−total (k)の6変数とした場合の回帰計算について説明する。
Figure 2019073799
この場合、回帰計算では、上記数式(14)を最小化する回帰パラメータa,a,a,a,a,a,aを導出する。ここで、βは過去チャージkの温度誤差を意味する。この回帰計算は逆行列計算により容易に実行できる。回帰計算で得られた回帰パラメータa,a,a,a,a,a,aを用いて吹錬処理中チャージの吹錬処理途中サンプリング時の溶湯温度誤差(補正量)を計算する。吹錬処理中チャージの初期溶湯中炭素濃度、吹錬処理途中サンプリング時の炭素濃度、初期溶湯温度、吹錬処理途中サンプリング時溶湯温度計測値、吹錬処理途中サンプリング時スラグ量推定値、及び吹錬処理開始から吹錬処理途中サンプリング時までの送酸量をそれぞれ、x (next)、吹錬処理途中サンプリング時の炭素濃度x (next)、初期溶湯温度T(next)、吹錬処理途中サンプリング時溶湯温度計測値T(next)、吹錬処理途中サンプリング時スラグ量推定値wslag (next)、及び吹錬処理開始から吹錬処理途中サンプリング時までの送酸量VO2−total (next)とすると、補正量βnextは以下に示す数式(15)の計算で得られる。これにより、ステップS14の処理は完了し、現在チャージ補正処理はステップS15の処理に進む。
Figure 2019073799
ステップS15の処理では、温度補正処理部13b2が、ステップS14の処理において計算された補正量βnextを用いて吹錬処理途中溶湯温度計測値を補正する。補正式を以下の数式(16)に示す。以後、補正後の吹錬処理途中溶湯温度T (next)(吹錬処理途中温度補正値)は制御端末及び実績DB12に送信される。制御端末10は、補正後の吹錬処理途中溶湯温度T (next)に基づいて、吹錬処理途中サンプリング以降で必要な送酸量及び副原料投入量を計算する。また、排ガス情報に基づいた物質・熱収支計算により吹錬処理中の溶湯中温度推移を計算する際の吹錬処理途中温度情報として補正後の吹錬処理途中溶湯温度T (next)は用いられる。吹錬処理途中溶湯温度の補正によって各計算の精度は向上し、過剰な送酸量や副原料投入量を抑えることが可能になり生産コストが大幅に削減される。これにより、ステップS15の処理は完了し、一連の現在チャージ補正処理は終了する。
Figure 2019073799
[第2の実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施形態である現在チャージ補正処理の流れについて説明する。図6は、本発明の第2の実施形態である現在チャージ補正処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、吹錬処理中チャージにおいて吹錬処理途中サンプリングの温度及び成分濃度の計測が完了し、溶湯温度補正装置1が吹錬処理途中サンプリングの温度及び成分濃度の情報を受信したタイミングで開始となり、現在チャージ補正処理はステップS21の処理に進む。なお、図6に示すステップS21〜S23の処理は、図5に示すステップS11〜S13の処理と同じ内容であるので、以下ではその説明を省略し、ステップS24の処理から説明を始める。
ステップS24の処理では、温度誤差推定部13b1が、ステップS23の処理において計算された重み係数wをつけた回帰計算を行って回帰式を導出した後、導出した回帰式を用いて吹錬処理中チャージの吹錬処理開始時から吹錬処理途中サンプリング時までの溶湯101の温度上昇量(補正量)を算出する。
以下、回帰計算の説明変数を、吹錬処理開始時から吹錬処理途中サンプリング時までの発生熱量計算値Sts TOTAL(k)、初期溶湯温度T(k)、吹錬処理途中サンプリング時溶湯温度計測値T(k)、吹錬処理途中サンプリング時スラグ量推定値wslag (k)、及び直前チャージの出鋼完了時刻から吹錬処理開始時刻までの時間間隔τinterval(k)の5変数とした場合の回帰計算について説明する。
この場合、回帰計算では、温度誤差推定部13b1は、以下に示す数式(17)の値を最小化する回帰パラメータb,b,b,b,b,bを導出する。ここで、ΔTは、過去チャージkの吹錬処理開始時から吹錬処理途中サンプリング時までの溶湯101の温度上昇量を示し、補正された途中温度T (k)から初期溶湯温度T(k)を減算することによって計算される。この回帰計算は逆行列計算によって容易に実行することができる。回帰パラメータb,b,b,b,b,bを導出すると、温度誤差推定部13b1は、回帰パラメータを用いて吹錬処理中チャージの吹錬処理開始時から吹錬処理途中サンプリング時までの溶湯101の温度上昇量を計算する。
Figure 2019073799
吹錬処理開始時から吹錬処理途中サンプリング時までの発生熱量計算値、初期溶湯温度、吹錬処理途中サンプリング時溶湯温度計測値、吹錬処理途中サンプリング時スラグ量推定値、及び直前チャージの出鋼完了時刻から吹錬処理開始時刻までの時間間隔をそれぞれ、Sts TOTAL(next)、T(next)、T(next)、wslag (next)、及びτinterval(next)とすると、補正量βnextは以下に示す数式(18)を計算することにより得られる。これにより、ステップS24の処理は完了し、現在チャージ補正処理はステップS25の処理に進む。ステップS25の処理は図5に示すステップS15の処理と同じ内容であるので、その説明は省略する。
Figure 2019073799
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である溶湯温度補正装置1では、生成熱計算部13a1が、吹錬処理中及び吹錬処理後の溶湯101の成分濃度及び温度の計測値、精錬設備から排出された排ガスの流量及び排ガス中の成分濃度の計測結果、精錬設備2の炉内への酸素の供給量、吹錬処理前の溶湯101の重量、成分濃度、及び温度の計測値、及び吹錬処理中に投入された副原料の重量を含む入力情報を用いた炭素及び酸素の収支計算に基づいて、過去チャージについて吹錬処理中に生成される反応熱量の時系列情報を計算し、温度誤差計算部13a2が、吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯101の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯101の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算し、温度誤差推定部13b1が、過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中チャージの吹錬処理開始時からの溶湯101の温度上昇量を計算し、温度補正処理部13b2が、温度誤差推定部13b1によって推定された途中温度誤差、又は、温度誤差推定部13b1によって計算された溶湯101の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯101の温度の計測値を補正する。これにより、吹錬処理中の溶湯101の温度計測値を精度よく補正することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 溶湯温度補正装置
2 精錬設備
10 制御端末
11 入力装置
12 実績データベース(実績DB)
13 演算処理部
13a 過去チャージ補正モジュール
13a1 生成熱計算部
13a2 温度誤差計算部
13b 現在チャージ補正モジュール
13b1 温度誤差推定部
13b2 温度補正処理部
14 出力装置
20 表示装置(CRT)
100 転炉
101 溶湯
102 ランス
103 スラグ
104 ダクト
105 排ガス検出部
106 通気孔
107 流量計

Claims (5)

  1. 精錬設備における吹錬処理中及び吹錬処理後の溶湯の成分濃度及び温度の計測値、前記精錬設備から排出された排ガスの流量及び該排ガス中の成分濃度の計測結果、前記精錬設備の炉内への酸素の供給量、吹錬処理前の溶湯の重量、成分濃度、及び温度の計測値、及び吹錬処理中に投入された副原料の重量を含む入力情報を用いた炭素及び酸素の収支計算に基づいて、過去チャージについて吹錬処理中に生成される反応熱量の時系列情報を計算する生成熱計算部と、
    吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と前記反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算する温度誤差計算部と、
    過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中のチャージにおける吹錬処理開始時からの溶湯の温度上昇量を計算する温度誤差推定部と、
    前記温度誤差推定部によって推定された途中温度誤差、又は、前記温度誤差推定部によって計算された溶湯の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を補正する温度補正処理部と、
    を備えることを特徴とする溶湯温度補正装置。
  2. 前記温度誤差推定部は、過去チャージの途中温度誤差に基づいてパラメータを決定した回帰式を用いて前記途中温度誤差を推定する、又は、前記回帰式を用いて前記溶湯の温度上昇量を計算することを特徴とする請求項1に記載の溶湯温度補正装置。
  3. 前記温度誤差計算部は、吹錬処理の開始時から吹錬処理中の溶湯の温度を計測する時点までの生成熱積算値と吹錬処理の開始時から吹錬処理が完了した溶湯の温度を計測する時点までの生成熱積算値との比が、吹錬処理の開始時から吹錬処理中の溶湯の温度を計測する時点までの溶湯の温度の上昇量と吹錬処理の開始時から吹錬処理が完了した溶湯の温度を計測する時点までの溶湯の温度の上昇量との比が一致するように、吹錬処理中の溶湯の温度を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶湯温度補正装置。
  4. 精錬設備における吹錬処理中及び吹錬処理後の溶湯の成分濃度及び温度の計測値、前記精錬設備から排出された排ガスの流量及び該排ガス中の成分濃度の計測結果、前記精錬設備の炉内への酸素の供給量、吹錬処理前の溶湯の重量、成分濃度、及び温度の計測値、及び吹錬処理中に投入された副原料の重量を含む入力情報を用いた炭素及び酸素の収支計算に基づいて、過去チャージについて吹錬処理中に生成される反応熱量の時系列情報を計算する生成熱計算ステップと、
    吹錬処理前及び吹錬処理後の溶湯の温度と前記反応熱量の時系列情報とを用いて、過去チャージについて吹錬処理中の溶湯の温度を推定し、吹錬処理中の溶湯の温度の推定値と計測値との差を途中温度誤差として計算する温度誤差計算ステップと、
    過去チャージの途中温度誤差に基づいて、吹錬処理中のチャージの途中温度誤差を推定する、又は、吹錬処理中のチャージにおける吹錬処理開始時からの溶湯の温度上昇量を計算する温度誤差推定ステップと、
    前記温度誤差推定ステップにおいて推定された途中温度誤差、又は、前記温度誤差推定ステップにおいて計算された溶湯の温度上昇量を用いて吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を補正する温度補正処理部と、
    を含むことを特徴とする溶湯温度補正方法。
  5. 請求項4に記載の溶湯温度補正方法によって補正された吹錬処理中の溶湯の温度の計測値を用いて吹錬処理を制御することによって溶湯を製造するステップを含むことを特徴とする溶湯の製造方法。
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