JP2019073732A - 食品加工設備及び/又は調理設備の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
Description
工程1:下記硬質表面用液体洗浄剤組成物を水により2〜200倍の希釈倍率で、予め希釈し、及び/又は、希釈しながら、ハンドスプレーヤーを用いて泡状に噴射し、食品加工設備及び/又は調理設備に付着させる工程
[硬質表面用液体洗浄剤組成物]
(A)アミンオキサイド(以下、(A)成分という)、(B)総炭素数11以上21以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸又はその塩(以下、(B)成分という)、及び水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、0.4以上55以下である。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(A)成分であるアミンオキサイドと、(B)成分である総炭素数11〜21の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸又はその塩とを特定量比含有することにより、濯ぎ性、泡の安定性に優れるだけでなく、濯ぎ時にカルシウム塩が析出して機器に付着することを抑制することができる。この沈殿物が生じない理由は必ずしも定かではないが、(B)成分のカルボン酸がカルシウム塩となった場合でも、(A)成分のアミンオキサイドにより、微分散されて、沈殿が生じないためであると推定される。
本発明の(A)成分は、アミンオキサイドである。
アミンオキサイドとしては、炭素数8以上22以下の炭化水素基、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を有するアミンオキサイドが好ましく、中でも一般式(a1)で表される化合物がより好ましい。
(1)ココアルキルアミンオキサイド、カプリルジメチルアミンオキサイド、カプリンジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド等のアルキル(炭素数8以上22以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド、
(2)ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の脂肪酸(炭素数8以上22以下)アミドプロピルジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイドが挙げられ、洗浄力の観点から(1)アルキル(炭素数8以上22以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイドがより好ましい。
本発明の(B)成分は、総炭素数11以上21以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸である。
(B)成分のカルボン酸は、析出物の抑制の観点から、モノカルボン酸が好ましい。
鎖式分岐炭化水素基は、析出物の抑制の観点から、カルボン酸に結合している炭素原子が第2級炭素原子であることが好ましい。
鎖式分岐炭化水素基のうち、カルボン酸に結合している炭素原子から数えて炭素数が最も大きい炭化水素鎖を主鎖とし、主鎖から分岐して結合している炭化水素鎖を側鎖とする。
1.最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が大きい方を主鎖とする。
2.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が同じである場合は、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が多い方を主鎖とする。
3.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が同じである場合は、カルボン酸の酸素原子に結合している炭素原子から数えて、カルボン酸の酸素原子により近い炭素原子に側鎖を有する方を主鎖とする。
4.次に、カルボン酸の酸素原子に最も近い、側鎖を有する炭素原子の位置が同じ場合は、カルボン酸の酸素原子に最も近い側鎖の炭素原子数が多い方を主鎖とする。
なお、2つ以上の最長炭化水素鎖が、同一の対称構造を有する場合は、どちらを主鎖としてもよい。
本発明において、側鎖を構成する炭素数の合計とは、主鎖以外の全側鎖の炭素数を合計したものであり、側鎖が複数ある場合は、それら全側鎖の炭素数の合計である。
本発明において、側鎖の数とは、主鎖から分岐する側鎖の数であり、側鎖が、更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していても側鎖の数としては変わらない。
本発明において、分岐炭素の数とは、鎖式分岐炭化水素基中の第3級炭素原子と第4級炭素原子の数の合計である。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、殺菌効果の観点から、(C)成分として、酸化性ハロゲン酸又はその塩を含有することができる。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、洗浄性の観点から、アルカリ性であることが好ましく、(D)成分として、アルカリ剤を配合することが好ましい。アルカリ剤としては、アルカリ金属の水酸化物や、アルカリ金属の珪酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられ、アルカリ金属の珪酸塩としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、具体的には、メタ珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、3号珪酸ナトリウム、4号珪酸ナトリウム、1K珪酸カリウム、2K珪酸カリウムが挙げられる。
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(D)成分を、(D)成分の種類にもよるが、洗浄力向上の観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下含有する。(D)成分は、純分換算量である。
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(A)成分〜(D)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩、メタクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩、及びジイソブチレン−マレイン酸共重合体又はその塩等の汚れの再付着防止剤;EDTA,MGDA、クエン酸等のキレート剤;溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、漂白活性化剤などの他の成分を配合することができる。
本発明において、用語「食品加工設備及び/又は調理設備」とは、食品加工工場において、食品を加工する際及び/又は調理する際に用いられる機器及び設備を意味する。かかる機器としては、例えば、ネットコンベアやフリーザー、スライサー、精米機などが挙げられる。また、かかる設備としては、例えば、床、壁、作業台などが挙げられる。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、前記本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬質表面に接触させる、硬質表面の洗浄方法である。
すなわち、本発明の硬質表面の洗浄方法では、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物を用いる。該組成物の好ましい態様は、前記した本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物と同じである。
工程1:前記硬質表面用液体洗浄剤組成物を水により2〜200倍(好ましくは5〜200倍)の希釈倍率で、予め希釈し、及び/又は、希釈しながら、泡状に噴射し、食品加工設備及び/又は調理設備に付着させる工程
工程2:泡を一定の時間保持する工程
工程3:食品加工設備及び/又は調理設備を水で濯ぐ工程
ここで、希釈に使用される水としては、一般に、水道水のような、硬度成分を含有する水であることが想定される。希釈に使用される水の硬度は、発泡洗浄時における泡安定性の観点から、0.1〜30°dHの範囲にあることが好ましく、0.1〜20°dHの範囲にあることがより好ましく、0.1〜15°dHの範囲にあることが更に好ましく、0.1〜12°dHの範囲にあることがより更に好ましく、0.1〜8°dHの範囲にあることがより更に好ましく、0.1〜4°dHの範囲にあることがより更に好ましい。
表1の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水に(A)成分と、(B)成分又は(B’)成分と、(C)成分を添加し、室温(25℃)で溶解させた後、(D)成分を添加してpH(25℃)を調整した。なお、表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。また(B)成分は酸換算としての量に基づく質量%であり、(C)成分はナトリウム塩としての量に基づく質量%を示している。
(A)成分
・ココアルキルアミンオキシド:東邦化学工業(株)製、一般式(a1)において、R1aは、炭素数8〜18の炭化水素基、R2a及びR3aはメチル基、m=0かつp=0の化合物
・イソステアリン酸:製品名「イソステアリン酸」、日産化学工業(株)製、下記一般式(b1)で表される脂肪酸
・イソステアリン酸T:製品名「イソステアリン酸T」、日産化学工業(株)製、下記一般式(b2−1)で表される脂肪酸と下記一般式(b2−2)で表される脂肪酸の混合物・イソステアリン酸N:製品名「イソステアリン酸N」、日産化学工業(株)製、下記一般式(b3)で表される脂肪酸
・イソパルミチン酸:製品名「イソパルミチン酸」、日産化学工業(株)製、下記一般式(b4)で表される脂肪酸
・イソアラキン酸:製品名「イソアラキン酸」、日産化学工業(株)製、下記一般式(b5)で表される脂肪酸
・ラウリン酸:花王(株)製
・ミリスチン酸:花王(株)製
・ステアリン酸:花王(株)製
・LAS:アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王(株)製・DDAC:ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、花王(株)製
・次亜塩素酸ナトリウム:東ソー(株)製
(D)成分
・水酸化ナトリウム:東亜合成(株)製
調製した各硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬度10°dHの水で希釈して、2質量%の水溶液を作製した。
希釈して、5分間静置した本溶液(50g)を、あらかじめ質量を測定したメンブレンフィルター(5μOmniporeTM)で減圧濾過をし、メンブレンフィルターを1昼夜放置することで乾燥させ、再び質量を測定し、下記式より析出物量(mg)を算出した。
析出物量=(フィルター乾燥後の質量)−(フィルターの初期質量)
調製した各硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬度4°dHの水で希釈して、5質量%の水溶液を作製した。
希釈した本溶液をハンドフォーマー容器(吉野製作所(株)製)に投入した。ハンドフォーマーで、メスシリンダーの底に3gの泡を投下し、直ぐに泡体積を測定した。30分間放置し、30分後再び泡体積を測定した。下記式より、泡体積の変化割合を求め、泡安定性(%)の評価結果とした。値が大きいほど泡安定性に優れていることが言える。なお本評価は溶液温度が室温(25℃)で行った。
泡安定性(%)=30分後の泡量(ml)×100/初期の泡量(ml)
調製した各硬質表面用液体洗浄剤組成物を、硬度4°dHの水で希釈して、5質量%の水溶液を作製した。
希釈した本溶液を前記ハンドフォーマー容器に投入した。ハンドフォーマーで、メスシリンダーの底に3gの泡を投下し、直ぐに泡体積(初期の泡体積)(mL)を測定した。測定30秒後、硬度4°dHの水100mLをシャワー状にして水面に投下(2秒)し、引き続き繰り返して、合計で200mL投下した時の泡体積(終了時の泡体積)(mL)を測定し、下記式より、すすぎ率(%)を求めた。すすぎ率の値が高いほど、すすぎ性に優れていることが言える。なおすすぎ率の値が負である場合、水の投下により増泡していることを意味する。
すすぎ率(%)=[1−〔200mL投下した時(終了時)の泡体積(mL)/初期の泡体積(mL)〕]×100
※2:一般式(b2−1)ので表される脂肪酸の側鎖の合計炭素数が8、一般式(b2−2)ので表される脂肪酸の側鎖の合計炭素数が6であることを示す。
※3:「濁り有り」は、希釈時に、濁りが大きく生じ、他の実施例、比較例と比べて明らかに析出が多いと判断した為、析出物の測定を行わなかった。
Claims (4)
- 下記工程1を含む食品加工設備及び/又は調理設備の洗浄方法。
工程1:下記硬質表面用液体洗浄剤組成物を水により2〜200倍の希釈倍率で、予め希釈し、及び/又は、希釈しながら、ハンドスプレーヤーを用いて泡状に噴射し、食品加工設備及び/又は調理設備に付着させる工程
[硬質表面用液体洗浄剤組成物]
(A)アミンオキサイド(以下、(A)成分という)、(B)総炭素数11以上21以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸又はその塩(以下、(B)成分という)、及び水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物であって、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、0.4以上55以下である、硬質表面用液体洗浄剤組成物。 - ハンドスプレーヤーがトリガースプレーヤー又はフォーマースプレーヤーである、請求項1記載の食品加工設備及び/又は調理設備の洗浄方法。
- 工程1における発泡倍率(泡の体積(mL)/泡の重量(g)の比)が2〜30倍である、請求項1又は2に記載の食品加工設備及び/又は調理設備の洗浄方法。
- 更に工程2及び工程3を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品加工設備及び/又は調理設備の洗浄方法。
工程2:泡を一定の時間保持する工程
工程3:食品加工設備及び/又は調理設備を水で濯ぐ工程
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