以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるヘッドレストシステムを示す図である。
図1に示すヘッドレストシステム1は、車両CRの搭乗者が座る後部座席CR1、助手席CR2、及び運転席CR3それぞれに取り付けられて搭乗者の頭部を受けるヘッドレスト11,11’に設けられた後述の複数の動作機構を動作させるシステムである。ここで、本実施形態では、後部座席CR1及び助手席CR2には互いに同等なヘッドレスト11が設けられている。一方、運転席CR3には、後部座席CR1や助手席CR2のヘッドレスト11に比べて、運転に支障を来さない程度に、動作機構の種類が抑えられたヘッドレスト11’が設けられている。
また、このヘッドレストシステム1は、各ヘッドレスト11,11’における動作機構の制御が、車両CRのエンジンルームに設けられたECU(Electronic Control Unit)12とドライバ13によって行われる。ECU12は、動作機構を動作させるための各種判断処理を行ない、ドライバ13は、動作機構や後述する各種センサ等の検知機器を駆動する働きを担っている。
以下、このヘッドレストシステム1について、後部座席CR1のヘッドレスト11を例に挙げて説明を進める。
図2は、図1に示されている後部座席のヘッドレストを示す模式的な斜視図であり、図3は、図1に示されているヘッドレストシステムの模式的なブロック図である。
本実施形態では、後部座席CR1は、2座席が一体となっており、各後部座席CR1に1つずつヘッドレスト11が取り付けられている。
まず、このヘッドレスト11には、ヘッドレスト移動機構111、アイマスクセット機構112、サンバイザーセット機構113、ヘッドホンセット機構114、送風機構115、マッサージ機構116、及び経口品ケースセット機構117が設けられている。
ヘッドレスト移動機構111は、搭乗者から見て後方側へとヘッドレスト11を倒す機構である。アイマスクセット機構112は、搭乗者の目を過度な光から保護する保護部材としてのアイマスクを、ヘッドレスト11における収納位置から搭乗者による使用可能位置にセットする機構である。サンバイザーセット機構113は、同様の保護部材としてのサンバイザーを、ヘッドレスト11における収納位置から搭乗者による使用可能位置にセットする機構である。送風機構115は、ヘッドレストに設けられて風を送る機構である。マッサージ機構116は、搭乗者をマッサージする機構である。経口品ケースセット機構117は、経口品を収納する経口品ケースを、ヘッドレスト11における収納位置から搭乗者による経口品の取出しが可能な取出し可能位置にセットする機構である。
本実施形態では、図1に示されている後部座席CR1及び助手席CR2には、これらの動作機構の全てが搭載されたヘッドレスト11が取り付けられている。一方で、運転席CR3には、アイマスクセット機構112、サンバイザーセット機構113、及び経口品ケースセット機構117を除いた動作機構が搭載されたヘッドレスト11’が取り付けられている。
また、ヘッドレスト11には、圧力センサ118a、光センサ118b、ケーブル接続端子118c、温度センサ118d、及び湿度センサ118eが設けられている。
圧力センサ118aは、ヘッドレスト11において搭乗者の頭部を受ける前面に掛かる押圧力を計測する検知機器である。光センサ118bは、ヘッドレスト11の近傍における光量を計測する検知機器である。ケーブル接続端子118cは、スマートホン等の音楽再生装置から延出した接続ケーブルのオス端子が接続されるメス端子である。ケーブル接続端子118cは、ヘッドホンセット機構114におけるヘッドホンスピーカへの音楽再生装置の接続口となっている。本実施形態では、このケーブル接続端子118cが、ヘッドホンスピーカへの音楽再生装置の接続を検知するための検知機器の役割を担っている。また、温度センサ118dは、ヘッドレスト11の近傍における温度を計測する検知機器であり、湿度センサ118eは、ヘッドレスト11の近傍における湿度を計測する検知機器である。
エンジンルームに設けられるECU12には、時刻を計測する検知機器としてのタイマ121と、各種検知機器での検知結果に基づいて、上述した各種動作機構を動作させるための複数のトリガ事象の発生を判定する判定部122と、を備えている。
本実施形態では、ヘッドレスト11における圧力センサ118a、光センサ118b、ケーブル接続端子118c、温度センサ118d、及び湿度センサ118eと、ECU12におけるタイマ121及び判定部122と、によって検知部118が構築される。
検知部118は、圧力センサ118a、光センサ118b、ケーブル接続端子118c、温度センサ118d、湿度センサ118e、及びタイマ121を用い、判定部122での判定によって複数のトリガ事象を検知する。本実施形態では、この検知部118によって、圧力事象、光量事象、接続事象、温度事象、湿度事象、及び時刻事象が検知される。
圧力事象は、圧力センサ118aで計測される押圧力が所定の圧力閾値を超える事象であり、判定部122は、圧力センサ118aの計測結果と圧力閾値との比較により圧力事象の発生有無を判定する。光量事象は、光センサ118bで計測される光量が所定の光量閾値を超える事象である。判定部122は、光センサ118bの計測結果と光量閾値との比較により光量事象の発生有無を判定する。接続事象は、ケーブル接続端子118cに音声再生装置からの接続ケーブルが接続される事象である。判定部122は、ケーブル接続端子118cに対する端子接続の有無に基づいて接続事象の発生有無を判定する。温度事象は、温度センサ118dで計測される温度が所定の温度閾値以上となる事象である。判定部122は、温度センサ118dの計測結果と温度閾値との比較により温度事象の発生有無を判定する。湿度事象は、湿度センサ118eで計測される湿度が所定の湿度閾値以上となる事象である。判定部122は、湿度センサ118eの計測結果と湿度閾値との比較により湿度事象の発生有無を判定する。時刻事象は、タイマ121で計測される時刻が所定の設定時刻に達する事象である。判定部122は、タイマ121の計測結果と設定時刻との比較により時刻事象の発生有無を判定する。
本実施形態では、これら複数のトリガ事象に対して、ヘッドレスト11における上述した複数の動作機構が、一対一と、一対多と、多対一と、多対多と、のうちの何れかの対応関係を用いて次のように対応付けられている。
まず、圧力事象に対しては、ヘッドレスト移動機構111とマッサージ機構116との2つの動作機構が一対多の対応関係で対応付けられている。光量事象に対してはアイマスクセット機構112とサンバイザーセット機構113との2つの動作機構が一対多の対応関係で対応付けられている。接続事象に対してはヘッドホンセット機構が一対一の対応関係で対応付けられている。温度事象及び湿度事象の2つのトリガ事象に対しては送風機構115が多対一の対応関係で対応付けられている。そして、時刻事象に対しては経口品ケースセット機構117が一対一の対応関係で対応付けられている。これらの対応関係は対応テーブル124aにまとめられて、ECU12の記憶部124に記憶されている。
また、ECU12には、検知部118での検知結果に基づいて複数の動作機構の動作を制御する制御部123が設けられている。制御部123は、検知部118で少なくとも1つのトリガ事象が検知されると、このトリガ事象に対応付けられている少なくとも1つの動作機構を動作させる。具体的には、上記の対応テーブル124aを参照し、検知部118で検知されたトリガ事象に対応付けられている動作機構を動作させる。
ここで、本実施形態では、対応テーブル124aにおいて一対多で対応付けられている対応関係について、以下に説明する初期設定を行うための初期設定入力部119が、ヘッドレスト11に設けられている。初期設定入力部119は、搭乗者等の設定操作を受けて次のような初期設定を行う。
まず、圧力事象に対しては、ヘッドレスト移動機構111及びマッサージ機構116の2つの動作機構が対応付けられている。初期設定入力部119では、圧力事象が検知された場合に、これら2つの動作機構を2つとも動作させるか、何れか一方の動作機構のみを動作させるかの設定が行われる。また、光量事象に対しては、アイマスクセット機構112及びサンバイザーセット機構113の2つの動作機構のうちの何れを動作させるかの設定が行われる。
また、本実施形態では、ECU12の判定部122や制御部123と、上記の各検知機器、上記の各動作機構、及び初期設定入力部119との情報や指示のやりとりがドライバ13を介して行われる。ドライバ13は、各検知機器及び初期設定入力部119から延出するハーネスの端部に設けられた小型ECU入力部131と、各動作機構から延出するハーネスの端部に設けられた小型ECU出力部132と、を備えている。
小型ECU入力部131は、各検知機器及び初期設定入力部119の駆動や、各検知機器での計測結果や初期設定入力部119での設定内容のECU12への伝達等の処理を行う小型のECUである。小型ECU出力部132は、ECU12からの指示を受けて各動作機構を駆動する小型のECUである。小型ECU入力部131及び小型ECU出力部132は、ECU12から延出する各種ハーネスに接続されている。小型ECU入力部131や小型ECU出力部132とECU12との情報や指示のやりとりは、車載通信規格の一種であるCXPI(Clock Extension Peripheral Interface)に則った通信で行われる。
尚、上述した小型ECU入力部131や小型ECU出力部132は、ここでは特定はしないが、例えば、ハーネスの端部に設けられ、CPU等の制御部や各種回路基板を実装したコネクタ等であってもよい。
以下、ヘッドレスト11の各動作機構の動作について順次に説明する。
図4は、ヘッドレスト移動機構の動作を示す斜視図であり、図5は、ヘッドレスト移動機構の動作を示す側面図である。
ヘッドレスト11は、内蔵されたヘッドレスト移動機構111を介して座席の背部の上辺に取り付けられている。また、ヘッドレスト11において頭部を受ける前面に圧力センサ118aが埋設されている。このヘッドレスト移動機構111は、上記の初期設定入力部119によって、圧力事象に対して動作させるように設定されている場合に動作する機構である。本実施形態では、初期設定入力部119において、圧力事象に対してヘッドレスト移動機構111のみを動作させるように設定することも可能である。あるいは、後述のマッサージ機構116と共にヘッドレスト移動機構111を動作させるように設定することも可能となっている。
図5に示されているように、座席に座る搭乗者Yが楽な姿勢をとろうとして頭部を後方に反らせると、ヘッドレスト11において頭部を受ける前面に掛かる押圧力が上昇する。この押圧力の上昇が圧力センサ118aで計測され、その計測結果が所定の圧力閾値を超えると、ECU12の判定部122において圧力事象が発生した旨の判定が下される。すると、制御部123が、上記の対応テーブル124a及び初期設定の内容を確認し、圧力事象に対してヘッドレスト移動機構111を動作させるように設定されているか否かを判定する。そして、ヘッドレスト移動機構111を動作させるように設定されている場合、制御部123が、ヘッドレスト移動機構111を動作させるようにドライバ13におけるヘッドレスト移動機構111の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がヘッドレスト移動機構111を駆動し、ヘッドレスト移動機構111が、搭乗者Yから見て後方側へと矢印D11方向にヘッドレスト11を倒す。
その後、搭乗者Yが頭を起こして圧力センサ118aで計測される押圧力が低下し、圧力閾値を下回ると、制御部123は、ヘッドレスト11を元の位置に戻すべく、ヘッドレスト移動機構111を逆方向に動作させるように指示を出す。この指示を受けて、小型ECU出力部132がヘッドレスト移動機構111を駆動し、ヘッドレスト移動機構111がヘッドレスト11を元の位置まで前方側へと起こす。
尚、本実施形態では、本発明にいうヘッドレスト移動機構の一例として、ヘッドレスト11を後方に倒すヘッドレスト移動機構111が例示されている。しかしながら、本発明にいうヘッドレスト移動機構はこれに限るものではない。本発明にいうヘッドレスト移動機構は、例えばヘッドレストを後方にスライド移動させるもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいうヘッドレスト移動機構の一例として、搭乗者Yが頭を起こしたときに自動的にヘッドレスト11を元の位置まで前方側へと起こすヘッドレスト移動機構111が例示されている。しかしながら、本発明にいうヘッドレスト移動機構はこれに限るものではない。本発明にいうヘッドレスト移動機構は、例えばヘッドレスト11を元の位置まで前方側へと起こす動作については、搭乗者が手動操作で行うもの等であってもよい。
図6は、アイマスクセット機構の動作を示す斜視図である。
アイマスクセット機構112は、上記の初期設定入力部119によって、光量事象に対して動作させるように設定されている場合に動作する機構である。アイマスクセット機構112は、柔軟な帯布で構成されたアイマスク112aと、そのアイマスク112aの端部安全フック112a−1が係止固定される固定部112bと、を備えている。また、ヘッドレスト11において頭部を受ける前面には、搭乗者の目を相互間に挟む2箇所の位置の一方に、アイマスク112aの端部安全フック112a−1の突出口112cが設けられ、他方に、固定部112bが設けられている。また、ヘッドレスト11の前面における頂部に光センサ118bが設けられている。
例えば車両前方からの日光の差込み等により、光センサ118bで計測される光量が上昇して光量閾値を超えると、ECU12の判定部122において光量事象が発生した旨の判定が下される。すると、制御部123が、上記の対応テーブル124a及び初期設定の内容を確認し、光量事象に対してアイマスクセット機構112とサンバイザーセット機構113との何れを動作させるように設定されているか判定する。そして、アイマスクセット機構112を動作させるように設定されている場合、アイマスクセット機構112を動作させるようにドライバ13におけるアイマスクセット機構112の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がアイマスクセット機構112を駆動し、アイマスクセット機構112が、アイマスク112aの端部安全フック112a−1を突出口112cから矢印D12方向に所定量だけ突出させる。このときの突出量は、搭乗者Yが端部安全フック112a−1を掴める程度の突出量であり、このように端部安全フック112a−1が突出したアイマスク112aの位置が、アイマスク112aの使用可能位置となっている。他方で、端部安全フック112a−1が突出口112cの内部に埋没したアイマスク112aの位置が、ヘッドレスト11におけるアイマスク112aの収納位置となっている。
上記の収納位置から使用可能位置へとアイマスク112aがセットされると、搭乗者Yは、端部安全フック112a−1を掴んで両目が隠れるように矢印D13方向に引き出し、端部安全フック112a−1を固定部112bに固定する。
その後、車両前方からの日光の差込み等が減少し、もはやアイマスク112aは不要と搭乗者Yが考えたときには、搭乗者Yが手動操作によってアイマスク112aを収納位置へと戻すように構成されている。まず、搭乗者Yは、ボタン操作等により端部安全フック112a−1を固定部112bから外す。ここで、アイマスク112aは、使用中に搭乗者Yの目に負担を掛けない程度の弱い力で、突出口112cの内部へと引き込む方向に付勢されている。搭乗者Yが端部安全フック112a−1を固定部112bから外すと、この付勢力によりアイマスク112aが引き込まれる。このときの引込みは、搭乗者Yがアイマスク112aを引き出す前の端部安全フック112a−1が所定量だけ突出した状態で止まる。その後は、搭乗者Yが端部安全フック112a−1を突出口112cの内部へと押し込むことで、アイマスク112aが収納位置に戻される。
図7は、サンバイザーセット機構の動作を示す斜視図である。
サンバイザーセット機構113も、上記の初期設定入力部119によって、光量事象に対して動作させるように設定されている場合に動作する機構である。サンバイザーセット機構113は、半透光樹脂で構成されたサンバイザー113aを備えている。サンバイザー113aは、左右方向D14に延びる回動軸113aの回りに、ヘッドレスト11の後方側の収納位置と、搭乗者Yの頭部を覆って過度な光から目を保護する使用可能位置と、の間で矢印D15方向に回動可能に取り付けられている。
例えば車両前方からの日光の差込み等により、光センサ118bで計測される光量が上昇して光量閾値を超えると、ECU12の判定部122において光量事象が発生した旨の判定が下される。すると、制御部123が、上記の対応テーブル124a及び初期設定の内容を確認し、光量事象に対してサンバイザーセット機構113とサンバイザーセット機構113との何れを動作させるように設定されているか判定する。そして、サンバイザーセット機構113を動作させるように設定されている場合、サンバイザーセット機構113を動作させるようにドライバ13におけるサンバイザーセット機構113の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がサンバイザーセット機構113を駆動し、サンバイザーセット機構113が、サンバイザー113aを矢印D151方向に回動させて使用可能位置にセットする。
その後、車両前方からの日光の差込み等が減少し、もはやサンバイザー113aは不要と搭乗者Yが考えたときには、搭乗者Yが手動操作によってサンバイザー113aを収納位置へと戻すように構成されている。サンバイザー113aは、搭乗者Yによって押し上げられて収納位置に戻される。
尚、本実施形態では、本発明にいう保護部材セット機構の一例として、サンバイザー113aを搭乗者Yの頭部を覆う位置にセットするサンバイザーセット機構113と共に、次のようなアイマスクセット機構112が例示されている。即ち、アイマスクセット機構112は、サンバイザーセット機構113とは異なり、アイマスク112aの端部安全フック112a−1を搭乗者Yが掴める程度の位置まで突出させるものとなっている。しかしながら、本発明にいう保護部材セット機構はこれらに限るものではない。本発明にいう保護部材セット機構は、アイマスクセット機構を設けるに当たっても、自動的にアイマスクを搭乗者の目を覆う位置にセットするもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいう保護部材セット機構の一例として、アイマスク112aやサンバイザー113aを搭乗者Yが手動操作で収納位置へと戻すアイマスクセット機構112やサンバイザーセット機構113が例示されている。しかしながら、本発明にいう保護部材セット機構は、これらに限るものではなく、アイマスクやサンバイザー等といった保護部材の収納位置への戻しについても自動的に行なうもの等であってもよい。
例えば、サンバイザー113aの自動収納を一例として挙げる場合、次のような構成が考えられる。まず、サンバイザー113aを収納位置に手動で戻すか自動で戻すが初期設定入力部119で搭乗者が設定するように構成しておいてもよい。この場合、初期設定入力部119で自動戻しに設定されているときに次のような処理が行われる。即ち、光センサ118bで計測される光量が減少して光量閾値を下回ると、制御部123がサンバイザー113aは不要と判断する。そして、制御部123が、サンバイザーセット機構113にサンバイザー113aを収納位置に戻させるように、ドライバ13におけるサンバイザーセット機構113の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がサンバイザーセット機構113を駆動し、サンバイザーセット機構113が、サンバイザー113aを矢印D152方向に回動させて収納位置に戻す。
図8は、ヘッドホンセット機構の動作を示す斜視図である。
ヘッドホンセット機構114は、左右一対のヘッドホンスピーカ114aを備えている。また、ヘッドレスト11の前面には、搭乗者の頭部を相互間に挟む2箇所に、ヘッドホンスピーカ114aの突出口114bが設けられている。また、スマートホン等の音楽再生装置MP11から延出した接続ケーブルMP12のオス端子MP12aが接続されるケーブル接続端子118cが、ヘッドレスト11の側面に設けられている。ケーブル接続端子118cは、ヘッドレスト11の内部でヘッドホンスピーカ114aに接続されている。
搭乗者Yが接続ケーブルMP12の一方のオス端子MP12aをケーブル接続端子118cに接続し、もう一方のオス端子MP12bを音楽再生装置MP11に接続すると、ECU12の判定部122において接続事象が発生した旨の判定が下される。すると、制御部123が、上記の対応テーブル124aを確認し、接続事象に対応付けられているヘッドホンセット機構114を動作させるようにドライバ13におけるヘッドホンセット機構114の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がヘッドホンセット機構114を駆動し、ヘッドホンセット機構114が、ヘッドホンスピーカ114aを矢印D16方向に突出口114bから突出させて使用可能位置にセットする。この使用可能位置に対し、突出前で突出口114bの内部に埋没した位置が、ヘッドホンスピーカ114aの収納位置に相当する。
搭乗者Yは、突出してきたヘッドホンスピーカ114aを上下方向D17に動かして、ヘッドホンスピーカ114aの位置を自分の耳に合った位置に調節する。そして、搭乗者Yが音楽を再生するべく音楽再生装置MP11を操作するとヘッドホンスピーカ114aから再生音が放出される。
その後、音楽鑑賞が終了し、もはやヘッドホンスピーカ114aは不要と搭乗者Yが考えたときには、搭乗者Yが手動操作によってヘッドホンスピーカ114aを収納位置へと戻すように構成されている。まず、搭乗者Yは、接続ケーブルMP12をケーブル接続端子118cから外し、必要であれば音楽再生装置MP11からも外す。そして、ヘッドホンスピーカ114aは、搭乗者Yによって押し込まれて突出口114bの内部に埋没させられて収納位置に戻される。
尚、本実施形態では、本発明にいうヘッドホンセット機構の一例として、左右一対のヘッドホンスピーカ114aを突出させ、その後は、搭乗者Yが、ヘッドホンスピーカ114aの位置を調節するヘッドホンセット機構114が例示されている。しかしながら、本発明にいうヘッドホンセット機構はこれに限るものではない。本発明にいうヘッドホンセット機構は、例えばヘッドホンスピーカを搭乗者の耳に合った位置まで自動的に移動させるもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいうヘッドホンセット機構の一例として、ヘッドホンスピーカ114aの収納位置への戻しについては搭乗者Yが手動操作で行うヘッドホンセット機構114が例示されている。しかしながら、本発明にいうヘッドホンセット機構はこれに限るものではない。本発明にいうヘッドホンセット機構は、例えばヘッドホンスピーカの収納位置への戻しについても自動的に行なうもの等であってもよい。
図9は、送風機構の動作を示す斜視図である。
送風機構115は、ヘッドレスト11の前面における頂部近傍と、左右の側面から前面にかけての合計で3箇所に設けられた送風口115aを備えている。この送風口115aから送り出す風の生成には、車両CRに搭載されているエアコンディショナが利用される。ヘッドレスト11の内部には、エアコンディショナの風の一部を3箇所の送風口115aへと送るための送風路が形成されている。また、この送風機構115では、エアコンディショナが、後述するようにECU12の制御部123からの支持を受けて、適宜に温風や冷風を送出するようになっている。
この送風機構115による送風、また、送出する風を温風とするか冷風とするかを決定するために、ヘッドレスト11の側面には温度センサ118dが設けられ、前面には湿度センサ118eが設けられている。
例えば、車両CRの内部温度が上昇すると、その温度上昇が温度センサ118dで計測され、その計測結果が所定の温度閾値を超えると、ECU12の判定部122において温度事象が発生した旨の判定が下される。また、例えば雨で頭髪が濡れていたり、あるいはプール帰りで頭髪が濡れていたりした搭乗者Yが、その頭部をヘッドレスト11に凭せ掛けると湿度センサ118eで計測される湿度が上昇する。その計測結果が所定の湿度閾値を超えると、ECU12の判定部122において湿度事象が発生した旨の判定が下される。
上述したように対応テーブル124aでは、温度事象及び湿度事象の2つのトリガ事象に対して、送風機構115が対応付けられている。制御部123は、湿度事象にみが検知された場合には、ドライバ13における送風機構115の小型ECU出力部132に温風を送出するように指示を出す。他方、温度事象のみが検知された場合、温度事象と湿度事象との両方が検知された場合には、送風機構115の小型ECU出力部132に冷風を送出するように指示を出す。その結果、小型ECU出力部132が送風機構115を駆動し、送風機構115が、各指示に応じて温風又は冷風を3箇所の送風口115aから送出する。
その後、湿度センサ118eでの計測湿度は湿度閾値以上であるが温度センサ118dでの計測温度が温度閾値未満となった場合には、小型ECU出力部132を介した制御部123の指示により、送風機構115は、送出する風を冷風から温風に切り換える。そして、計測湿度が湿度閾値未満となった場合には、小型ECU出力部132を介した制御部123の指示により、送風機構115が温風を停止する。また、湿度事象のみの検知で温風が送出されていた場合も、計測湿度が湿度閾値未満となったことを以て送風機構115が温風を停止する。他方、温度事象のみの検知で冷風が送出されていた場合には、計測温度が温度閾値未満となったことを以て送風機構115が冷風を停止する。
尚、本実施形態では、本発明にいう送風機構の一例として、送風口115aから送り出す風の生成に、車両CRに搭載されているエアコンディショナを利用した送風機構115が例示されている。しかしながら、本発明にいう送風機構はこれに限るものではなく、ヘッドレストに内蔵された送風装置を備えたもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいう送風機構の一例として、温風と冷風とを適宜に使い分けて送風する送風機構115が例示されている。しかしながら、本発明にいう送風機構はこれに限るものではなく、一定温度の風を単純に送出するもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいう送風機構の一例として、温度事象と湿度事象との組合せ状況に応じて温風や冷風を適宜に切り換えて送出する送風機構115が例示されている。しかしながら、本発明にいう送風機構はこれに限るものではなく、風の温度については一定温度としつつも、送風量を適宜に切り換えて送出するもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいう送風機構の一例として、温度事象と湿度事象との組合せ状況に応じて自動的に送風を停止する送風機構115が例示されている。しかしながら、本発明にいう送風機構はこれに限るものではなく、送風の停止については搭乗者によるスイッチ操作等を受けて行うもの等であってもよい。
図10は、マッサージ機構の動作を示す斜視図である。
マッサージ機構116は、ヘッドレスト11において頭部を受ける前面下方の内側に、搭乗者Yの首を相互間に挟むように設けられた2つの揉み玉116aを備えている。また、上述したように、ヘッドレスト11の前面に圧力センサ118aが埋設されている。マッサージ機構116は、上記の初期設定入力部119によって、圧力事象に対して動作させるように設定されている場合に動作する機構である。本実施形態では、初期設定入力部119において、圧力事象に対してマッサージ機構116のみを動作させるように設定することも可能である。あるいは、上述したヘッドレスト移動機構111と共にマッサージ機構116を動作させるように設定することも可能となっている。
搭乗者Yが頭部を後方に反らせると、ヘッドレスト11において頭部を受ける前面に掛かる押圧力が上昇する。この押圧力の上昇が圧力センサ118aで計測され、その計測結果が所定の圧力閾値を超えると、ECU12の判定部122において圧力事象が発生した旨の判定が下される。すると、制御部123が、上記の対応テーブル124a及び初期設定の内容を確認し、圧力事象に対してマッサージ機構116を動作させるように設定されているか否かを判定する。そして、マッサージ機構116を動作させるように設定されている場合、制御部123が、マッサージ機構116を動作させるようにドライバ13におけるマッサージ機構116の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132がマッサージ機構116を駆動し、マッサージ機構116が、搭乗者Yの首を相互間に挟むように設けられた2つの揉み玉116aを振動させながら上下左右に一定のリズムで動かす。また、圧力事象に対してヘッドレスト移動機構111も共に動作させるように設定されていた場合には、マッサージ機構116の動作とともに、上述したヘッドレスト移動機構111によるヘッドレスト11の移動も行われる。
その後、マッサージ機構116による揉み玉116aの動きは所定の動作時間に亘って継続され、その動作時間が経過すると自動的に停止する。その状態で、搭乗者Yが一旦頭部を前方に起こした後、再度後方に倒すとマッサージ機構116の動作が再開され上記の動作時間に亘って続けられる。
尚、本実施形態では、本発明にいうマッサージ機構の一例として、揉み玉116aを動かしてマッサージを行うマッサージ機構116が例示されている。しかしながら、本発明にいうマッサージ機構はこれに限るものではない。本発明にいうマッサージ機構は、例えば搭乗者の両肩の上に肩叩き用の振動機を降下させて肩叩きを行うもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいうマッサージ機構の一例として、予め設定された動作時間に亘ってマッサージを行うマッサージ機構116が例示されている。しかしながら、本発明にいうマッサージ機構はこれに限るものではない。本発明にいうマッサージ機構は、例えばマッサージの開始後は搭乗者によるスイッチ操作等の停止指示を受けるまではマッサージを継続し続けるもの等であってもよい。
図11は、経口品ケースセット機構の動作を示す斜視図である。
経口品ケースセット機構117は、各種菓子類等の嗜好品や、錠剤や散剤包等の薬品等といった経口品を収容する経口品ケース117aと、経口品ケース117aを後述のように移動可能に保持する機構本体117bと、機構ケース117cと、を備えている。経口品ケース117aは、開閉自在の蓋117a−1を有するケースである。機構本体117bは、搭乗者Yから見て前後方向に伸縮可能に構成された板状アームで、その先端に経口品ケース117aが前後方向と交差する方向に回動可能に取り付けられている。機構ケース117cは、ヘッドレスト11の側面に取付けられ、縮められた状態の機構本体117bが、この機構本体117bと一枚板状を成す姿勢となった経口品ケース117aとともに収容されるケースである。この機構ケース117cに収容された経口品ケース117aの位置が、ヘッドレスト11における経口品ケース117aの収容位置に相当する。機構ケース117cの前面には、機構本体117b及び経口品ケース117aが前方に突出するための突出口117c−1が設けられている。
経口品ケースセット機構117は、ECU12のタイマ121での計測時刻が設定時刻に達する時刻事象に対して動作する動作機構である。まず、タイマ121での計測時刻が設定時刻に達すると、判定部122が時刻事象を検知する。すると、制御部123が、対応テーブル124aで時刻事象に対応付けられている経口品ケースセット機構117を動作させるように、ドライバ13における経口品ケースセット機構117の小型ECU出力部132に指示を出す。その結果、小型ECU出力部132が経口品ケースセット機構117を駆動し、経口品ケースセット機構117が、機構本体117b及び経口品ケース117aを突出口117c−1から矢印D18方向に所定量だけ突出させる。このときの突出量は、搭乗者Yが経口品ケース117aを掴める程度の突出量であり、このように機構本体117bと共に突出した経口品ケース117aの位置が、搭乗者Yによる次のような経口品の取出しが可能な取出し可能位置となっている。
経口品ケース117aがこのように取出し可能位置にセットされると、搭乗者Yは、経口品ケース117aを矢印D18方向に更に引出し、経口品ケース117aが自分の前方側に来るように矢印D19方向に回動させる。そして、蓋117a−1を矢印D20方向に開いて、経口品ケース117aから経口品を取り出すこととなる。
ここで、経口品ケースセット機構117を動作させる時刻事象における時刻は、搭乗者Yにより適宜に設定することができる。この設定時刻としては、例えば3時等というように予め決めておいた菓子類等の提供時刻や、医師によって指定された薬品の摂取時刻等が採用される。
経口品の取出し後には、搭乗者Yが手動操作によって経口品ケース117aを機構本体117bと一緒に機構ケース117cに収納するように構成されている。まず、搭乗者Yは経口品ケース117aの蓋117a−1を閉じ、機構本体117bと一枚板状となるように経口品ケース117aを回動する。その後、経口品ケース117a及び機構本体117bを機構ケース117cの突出口117c−1の内部へと押し込む。これにより、経口品ケース117aが機構本体117bと共に収容位置へと戻される。
尚、本実施形態では、本発明にいう経口品ケースセット機構の一例として、搭乗者が更に経口品ケース117aを引き出して経口品を取り出す位置を取出し可能位置としてセットする経口品ケースセット機構117が例示されている。しかしながら、本発明にいう経口品ケースセット機構はこれに限るものではない。本発明にいう経口品ケースセット機構は、例えば経口品が搭乗者の口の前に飛び出すような位置を取出し可能位置として経口品ケースをセットするもの等であってもよい。また、経口品が経口品ケースに溜められた液体状であって、吸い口用のノズルが搭乗者の口の前に延出するような位置を取出し可能位置として経口品ケースをセットするもの等であってもよい。
また、本実施形態では、本発明にいう経口品ケースセット機構の一例として、伸縮可能な機構本体117bの先端に蓋117a−1付きの経口品ケース117aを回動可能に取り付けた形態の経口品ケースセット機構117が例示されている。しかしながら、本発明にいう経口品ケースセット機構はこれに限るものではない。本発明にいう経口品ケースセット機構は、経口品を収納する経口品ケースを、ヘッドレストにおける収納位置から搭乗者による経口品の取出しが可能な取出し可能位置にセットする機構であれば具体的な機構形態を問うものではない。
また、本実施形態では、本発明にいう経口品ケースセット機構の一例として、経口品取出し後の経口品ケース117aの収納位置への戻しが、搭乗者Yの手動操作によって行われる経口品ケースセット機構117が例示されている。しかしながら、本発明にいう経口品ケースセット機構はこれに限るものではない。本発明にいう経口品ケースセット機構は、例えば経口品ケースの戻しについても自動的に行なわれるもの等であってもよい。
以上に説明した本実施形態のヘッドレストシステム1によれば、搭乗者Yの多岐に亘る要望に応えるべくヘッドレスト11に複数の動作機構が設けられている。そして、それら複数の動作機構が、検知部118で検知されるトリガ事象に基づく制御部123での制御下で略自動的に動作する。このように、本実施形態のヘッドレストシステム1によれば、搭乗者Yの多岐に亘る要望に、複雑な操作を必要とせずに応えることができる。
ここで、本実施形態のヘッドレストシステム1では、複数のトリガ事象と複数の動作機構とを対応付ける対応テーブル124aを記憶する記憶部124が設けられている。そして、制御部123は、検知部118で検知されたトリガ事象に、対応テーブル124aで対応付けられている動作機構を動作させる。これによれば、制御部123は、対応テーブル124aを参照することで、複数の動作機構の中から動作させるべき動作機構を容易に抽出することができる。つまり、本実施形態のヘッドレストシステム1によれば、制御部123における処理負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、ヘッドレスト移動機構111、アイマスクセット機構112、サンバイザーセット機構113、ヘッドホンセット機構114、送風機構115、マッサージ機構116、及び経口品ケースセット機構117が設けられている。
この本実施形態のヘッドレストシステム1では、ヘッドレスト移動機構111でヘッドレスト11を倒すことで搭乗者Yに楽な姿勢をとらせることができる。また、アイマスクセット機構112やサンバイザーセット機構113でアイマスク112aやサンバイザー113aを使用可能位置にセットして搭乗者Yの目を過度な光から保護することもできる。また、ヘッドホンセット機構114でヘッドホンスピーカ114aを使用可能位置にセットして搭乗者Yに快適な音楽鑑賞環境を提供することもできる。さらに、送風機構115で風を送って、例えば雨等で濡れた髪の乾燥や発汗時の冷却等の点で搭乗者Yに快適な環境を提供することもでき、マッサージ機構116で搭乗者Yをリラックスさせることもできる。そして、経口品ケースセット機構117で経口品ケース117aを取出し可能位置にセットして搭乗者Yに経口品を提供することもできる。このように、本実施形態のヘッドレストシステム1によれば、車両の搭乗者Yについて想定される様々な要望に広く応えることができる。
また、本実施形態では、各動作機構に対するトリガ事象として、圧力事象、光量事象、音声再生装置MP11の接続事象、温度事象、湿度事象、及び時刻事象が採用されている。本実施形態のヘッドレストシステム1では、圧力事象、光量事象、接続事象、温度事象、湿度事象、時刻事象、といった、搭乗者Yの姿勢や動作や周辺環境が、ヘッドレスト11の動作機構を動作させるためのトリガ事象として採用されている。これにより、搭乗者Yが感じる操作負担を一層抑えて動作機構を動作させることができる。
尚、以上に説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のヘッドレストシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、上述した実施形態では、本発明にいう複数の動作機構の一例として、次のような7種類の動作機構が例示されている。即ち、ヘッドレスト移動機構111、アイマスクセット機構112、サンバイザーセット機構113、ヘッドホンセット機構114、送風機構115、マッサージ機構116、及び経口品ケースセット機構117が例示されている。しかしながら、本発明にいう複数の動作機構はこれらに限るものではない。本発明にいう複数の動作機構は、例えばこれら7種以外の複数の動作機構であってもよく、これら7種の動作機構に他の動作機構を加えた機構群であってもよい。あるいは、本発明にいう複数の動作機構は、例えばこれら7種のうち少なくとも1つの動作機構に、7種以外の他の動作機構を加えた機構群等であってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう複数のトリガ事象の一例として、圧力事象、光量事象、音声再生装置MP11の接続事象、温度事象、湿度事象、及び時刻事象の6種類のトリガ事象が例示されている。しかしながら、本発明にいう複数のトリガ事象はこれらに限るものではない。本発明にいう複数のトリガ事象は、例えばこれら6種以外の複数のトリガ事象であってもよく、これら6種のトリガ事象に他のトリガ事象を加えた事象群であってもよい。あるいは、本発明にいう複数のトリガ事象は、例えばこれら6種のうち少なくとも1つのトリガ事象に、6種以外の他のトリガ事象を加えた事象群等であってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう制御部の一例として、ECU12に設けられた制御部123が例示されている。しかしながら、本発明にいう制御部はこれに限るものではない。本発明にいう制御部は、例えば各動作機構を駆動するための小型ECUに設けられたもの等であってもよく、あるいは、ECUや小型ECUとは別に設けられた制御装置に設けられるもの等であってもよい。