JP2019073000A - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱されたインクを記録ヘッドから吐出する場合に、インクの吐出安定性に優れるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】 加熱された水性インクを記録ヘッドから吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクが、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
金属粒子を含有するインクは、用いる金属粒子の特徴を利用して、電気回路の形成に使用されてきたが、近年では、クリスマスカードなどのメタリック感を表現する用途にも、使用されるようになってきている。このような用途では、電気回路で必要とされる導電性ではなく、装飾性の高いメタリック感のある画像(以下、「メタリック画像」と記載)を記録することが求められている。メタリック画像を記録するために、銀粒子を含有するインクが提案されている(特許文献1参照)。さらに、インクを、加熱した状態で記録ヘッドから吐出させるインクジェット記録方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2009−269935号公報 特開平2−198845号公報
本発明者らは、特許文献1に記載されているインクを、加熱した状態で記録ヘッドから吐出させる検討を行ったところ、インクの吐出安定性が得られない場合があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、加熱されたインクを記録ヘッドから吐出する場合に、インクの吐出安定性に優れるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット記録方法を使用するインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、加熱された水性インクを記録ヘッドから吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクが、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録方法に関する。
また、本発明は、水性インク、前記水性インクを吐出するための記録ヘッド、及び前記記録ヘッド内の前記水性インクを加熱する手段を備えたインクジェット記録装置であって、前記水性インクが、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録装置に関する。
本発明によれば、加熱されたインクを記録ヘッドから吐出する場合に、インクの吐出安定性に優れるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す模式図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)は記録ヘッドの斜視図である。さらに、(c)は記録ヘッドの記録媒体との対向面に設けられた記録素子基板をXY平面に対して垂直に交差する方向から見た平面図、(d)は(c)に示す記録素子基板のうち、1つの記録素子基板を拡大した図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に述べる。本発明においては、以下、水性インクは、「インク」と記載することがある。各種の物性値は、特に断りのない限り、温度25℃、1気圧における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を表すものとする。
有機顔料などの色材を含有するインクと比べて、銀粒子を含有するインクを用いる場合、これまで以上にインクの吐出安定性を向上させる必要がある。その理由は、以下の通りである。色材を含有するインクを用いて形成される画像と比べて、銀粒子を含有するインクを用いて形成される画像は、画像の明るさを示す輝度が高い。そのため、画像においてインクが吐出されない部分が存在すると、画像の欠陥として認識されやすい。そこで、銀粒子を含有するインクを安定に吐出するために、インクを加熱して、インクの粘度を下げることが重要となる。
しかし、本発明者らの検討の結果、銀粒子を含有するインクを加熱して、その加熱した状態のインクを用いて画像を連続して記録すると、インクの吐出安定性が得られないことが判明した。より詳細に説明すると、画像を連続して記録する際に、ある1つの吐出口からインクを連続して吐出させた後に、それに隣接する吐出口からインクを吐出させようとすると、インクが吐出しにくくなることがわかった。吐出しにくくなった吐出口を光学顕微鏡で観察したところ、吐出口の近傍に銀粒子が付着し、付着した銀粒子により吐出口が塞がれていることがわかった。この理由について、本発明者らは以下のように推測している。
通常、銀の融点は温度962℃であるが、数nm〜数十nmの粒径を有する銀粒子の融点は、通常の銀の融点より下がることが知られている。銀粒子の表面に存在している銀原子は、内部の金属結合の束縛が弱く活性度が高い。数nm〜数十nmの粒径を有する銀粒子は、その粒子を構成する全銀原子数に対して、表面に存在する銀原子の割合が多い。つまり、粒径の小さい銀粒子は活性度の高い銀原子の割合が高いため、他の銀粒子が近接すると、他の銀粒子と融着し、銀粒子の間で金属結合を形成する。
一般に、電気回路の形成に銀粒子を用いる場合、銀粒子を含有するインクを基板に付与して、温度200℃〜温度300℃程度の高温で加熱する。これにより、インク中の液体成分が蒸発して減少することで、隣接する銀粒子が融着する。しかし、このように高温での加熱を行わなくても、銀粒子の周りに液体成分が少なく、銀粒子が密集している状況では、銀粒子が融着することが知られている。銀粒子を含有するインクを、インク受容層を有する記録媒体に付与する場合、インク中の液体成分はインク受容層に浸透するものの、インク中の銀粒子はインク受容層に浸透せずに、記録媒体の表面近くに留まる。記録媒体の表面近くに留まった銀粒子は、その周りに液体成分が少なく密集するため、融着しやすい。
インクジェット用インクに用いられる有機顔料などの色材の比重と比べて、銀粒子の比重は、非常に大きい。また、一般に、インクジェット方式によりインクを吐出するためには、インクの粘度を数mPa・s程度とする必要がある。銀粒子を含有するインクを吐出口から連続して吐出する場合、銀粒子の比重が大きいこととインクの粘度が低いことから、銀粒子が重力方向に沈降しやすい。記録ヘッドは、重力方向に開口しているため、銀粒子が沈降すると、吐出口の近傍に銀粒子が隣接した状態で付着し、銀粒子が融着しやすい状態となる。ここで、「銀粒子が隣接した状態で付着する」とは、吐出口の近傍に銀粒子が弱く付き、溜まっていることを示している。特に、インクを連続して吐出させる吐出口では、吐出口の近傍に付着した銀粒子が吐出のエネルギーにより吐出口外に排出されるものの、使用しない吐出口からは、付着した銀粒子が排出されない。そのため、使用しない吐出口の近傍では、沈降した銀粒子が隣接した状態で付着するため、銀粒子が融着しやすい状態となりうる。
加熱していないインクを用いる場合、使用しない吐出口の近傍に、銀粒子が隣接した状態で付着するものの、付着した銀粒子の融着は生じにくい。しかし、加熱されたインクを用いる場合、使用しない吐出口の近傍に、銀粒子が隣接した状態で付着するとともに、付着した銀粒子の融着は促進される。その理由は、以下の通りである。そもそも、インクジェット方式によりインクを吐出するために、インクの粘度は数mPa・s程度である。このインクを加熱すると、インクの粘度はさらに低くなるため、銀粒子が重力方向に速やかに沈降する。さらに、加熱した状態のインクを用いると、吐出口からインク中の液体成分が蒸発しやすく、沈降した銀粒子がより隣接した状態で、吐出口の近傍に付着する。これにより、吐出口の近傍での銀粒子の融着が促進され、融着した銀粒子により吐出口が塞がれることで、インクの吐出安定性が得られなかったと考えられる。
特に、使用しなかった吐出口のうち、インクを連続して吐出させた吐出口と隣接する吐出口では、インクを連続して吐出する吐出口でのインクの温度上昇に伴い、隣接する吐出口のインクの温度も上昇する。これにより、吐出口からインク中の液体成分がより蒸発しやすいため、銀粒子の融着がさらに促進され、インクの吐出安定性が得られなかったと考えられる。すなわち、インクの吐出安定性は、銀粒子を含有するインクを加熱して吐出する場合に特有に生ずる課題である。
そこで、本発明者らは、インクの吐出安定性を得るために、銀粒子の沈降を抑制すること、そして沈降したとしても付着しにくいことが重要であると考え、銀粒子の体積基準の累積90%粒径に着目した。ここで、ストークスの式(V={g(ρ−ρ)d}/18μ)について、説明する。Vは沈降速度(cm/s)、gは重力加速度(980.7cm/s)、ρは粒子の密度(g/cm)、ρは分散媒の密度(g/cm)を表す。また、dは粒径(cm)、μは分散媒の粘度(g/cm・s)を表す。ストークスの式より、粒子の沈降速度Vは、粒径の2乗に比例して大きくなる。つまり、銀粒子は、粒径が大きいほど沈降しやすい。この沈降しやすい、大きな粒径を有する銀粒子が含まれるような指標を用いる必要があり、本発明では、小粒径側から積算して90%となった際の粒子直径である累積90%粒径に着目した。なお、累積分布において大きい側の10%の粒径を有する銀粒子は、粒径が大きいものの頻度が少ないので、インクの吐出安定性に与える影響は小さい。
体積基準の累積90%粒径を小さくすれば、銀粒子の沈降速度は小さくなる。さらに、体積基準の累積90%粒径を小さくすることで、吐出口の近傍に銀粒子が沈降しても、インクの対流により、吐出口の近傍に銀粒子が留まらずに移動するため、銀粒子が付着しにくいことがわかった。そもそも、吐出口の近傍に銀粒子が付着しにくいため、融着した銀粒子により吐出口が塞がれにくく、インクの吐出安定性が得られる。本発明者らの検討の結果、銀粒子の体積基準の累積90%粒径を60nm以下とすることで、インクの吐出安定性が得られることがわかった。
<インクジェット記録方法>
本発明において、水性インクが加熱されることとは、水性インクが常温(温度25℃)を超えて温められることを意味する。記録ヘッドから吐出される水性インクの温度が50℃以上であると、吐出口の近傍での銀粒子の融着がより促進されるため、インクの吐出安定性という課題が生じやすい。また、水性インクの温度は、温度70℃以下に加熱された状態で吐出されることが好ましい。本発明のインクジェット記録方法は、加熱された水性インクを記録ヘッドから吐出して、記録媒体に画像を記録する。インクを吐出する方式としては、熱エネルギーを付与する方式や力学的エネルギーを付与する方式などが挙げられる。なかでも、インクを吐出する方式は、熱エネルギーを付与する方式であることが好ましい。
インクは、画像データに基づく吐出の前に、サブヒータを用いて加熱したり、画像データに基づく吐出中に、吐出ヒータを用いて加熱したりすることができる。さらに、熱エネルギーを付与する方式でインクを吐出する場合、放熱板を有さない記録ヘッドを用いたり、インクの吐出周波数を高くしたりすることでも、インクを加熱できる。放熱板を有さない記録ヘッドを用いると、放熱しにくい構成の記録ヘッドであるため、インクが加熱されやすい。さらに、インクの吐出周波数は、記録ヘッドが1秒間にインクを吐出する回数であり、インクの吐出周波数が高いほどインクが加熱されやすい。なかでも、インクは、画像データに基づく吐出の前に、サブヒータを用いて加熱することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法により記録される画像は、銀色であることが好ましい。ここで、銀色とは、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbについて、−10<a<10、及び−10<b<10を満たすことである。a及びbが上記範囲を満たすと、画像が銀色であると認識できる。なお、a及びbは、分光光度計を用いて測定できる。
以下、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例として、熱エネルギーによりインクを吐出し、記録ヘッド内に、画像データに基づく吐出の前にインクを加熱する手段を有するインクジェット記録装置の説明をする。図1は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。さらに、(c)は記録ヘッドの記録媒体との対向面に設けられた記録素子基板をXY平面に対して垂直に交差する方向から見た平面図、(d)は(c)に示す6つの記録素子基板のうち、1つの記録素子基板を拡大した透視図である。
インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
記録ヘッド38は、6枚の記録素子基板6を具備しており、6種類のインクを吐出する。記録素子基板6には、複数の吐出口30がY方向に配列することで形成される吐出口列51(図1(b)、(c)では簡略のため1本の線で表記)を有する。さらに、記録素子近傍のインクを加熱するための熱エネルギーを発生する加熱素子50が吐出口列51の周囲を取り囲むようにして一続きの部材(たとえば、アルミニウム)で形成されている。記録素子基板6には、記録素子近傍の温度を測定するための温度検知センサ(検出素子)20が複数設けられている。インクを吐出する際に、インクが加熱素子により温度50℃以上に加熱されると、使用しない吐出口の近傍に融着した銀粒子により吐出口が塞がれ、インクが吐出しにくいという課題がより生じやすくなる。インクの温度が50℃である場合、インク中の液体成分の蒸発速度(相対湿度が50%の場合)は、インクの温度が25℃である場合と比べて、約4倍となる。そのような場合でも、本発明の構成を採用することで、インクの吐出安定性を向上できる。
さらに、インクを吐出する吐出口の直径が50μm以下であると、使用しない吐出口の近傍に融着した銀粒子により吐出口が塞がれ、インクが吐出しにくいという課題がより生じやすくなる。吐出口からの液体成分の蒸発は、吐出口の直径が小さいほど、インクに熱が伝わりやすいため、速くなる。吐出口からの液体成分の蒸発は、吐出口の外側で速く、吐出口の中央に向かうにつれて、遅くなる。吐出口の直径が小さい、つまり吐出口の開口面積が小さいと、吐出口の外側と中央で蒸発速度の差が小さくなるため、単位面積当たりの蒸発速度が大きくなる。これにより、吐出口からのインクの液体成分の蒸発量が多くなり、使用しない吐出口での銀粒子の融着が促進され、吐出口が塞がれることによりインクが吐出しにくいという課題が生じやすくなる。そのような場合でも、本発明の構成を採用することで、インクの吐出安定性を向上できる。前記直径は、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
吐出口の直径(μm)は、銀粒子の体積基準の累積90%粒径(nm)に対する比率(倍)で、30倍以上であることが好ましい。本発明において、銀粒子の体積基準の累積90%粒径は、60nm以下である。累積分布において大きい側の10%の粒径を有する銀粒子は、絶対量が少ないものの粒径が60nmよりも大きくてもよい。銀粒子を含有するインクを吐出口から連続して吐出する場合は、粒径の大きい銀粒子が吐出口に供給される絶対量が少ないため、その銀粒子の影響は小さい。しかし、銀粒子を含有するインクを吐出口からさらに連続して吐出すると、粒径の大きい銀粒子が吐出口に供給される絶対量は少ないものの、粒径の大きい銀粒子が吐出口に供給され続けることで、吐出口の近傍に付着する粒径の大きい銀粒子は累積されていく。前記累積90%粒径に対して吐出口の直径が30倍未満であると、吐出口の直径が小さすぎるため、粒径の大きい銀粒子が吐出口に付着すると、吐出口が塞がれて、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。前記比率は50倍以上であることがさらに好ましく、1200倍以下であることが好ましい。
<水性インク>
水性インクは、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有する。以下、水性インクを構成する成分について説明する。
(銀粒子)
銀粒子は、銀原子で構成されている。銀粒子は、銀原子以外にも、他の金属原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子などを含んで構成されていてもよいが、銀粒子中の銀原子の割合(%)は、50.00質量%以上であることが好ましい。
銀粒子の製造方法としては、例えば、銀の塊をボールミルやジェットミルなどの粉砕機で粉砕する方法(粉砕法)、銀イオン又は銀錯体を還元剤により還元して凝集させる方法(還元法)などが挙げられる。本発明においては、銀粒子の粒径制御のしやすさ、及び銀粒子の分散安定性の観点から、銀粒子を還元法により製造することが好ましい。
[銀粒子の体積基準の累積90%粒径(D90)]
銀粒子の体積基準の累積90%粒径とは、粒径積算曲線において、測定された銀粒子の総体積を基準として小粒径側から積算して90%となった際の粒子直径のことである。D90は、60nm以下である。D90が60nmを超えると、使用しない吐出口の近傍で銀粒子が付着しやすく、銀粒子が融着して吐出口を塞ぐため、インクの吐出安定性が得られない。さらに、D90を60nm以下とすることで、記録媒体にインクが付着して、インク中の液体成分が浸透することで銀粒子が融着し、より均一な銀膜を形成できるため、画像の光沢性は向上する。D90は、50nm以下であることがより好ましく、また、10nm以上であることが好ましい。
銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)は、25nm以下であることが好ましい。銀粒子に占める粒径の小さな銀粒子の割合が多くなることで、銀粒子が沈降しにくく、使用しない吐出口の近傍で銀粒子が付着しにくい。これにより、そもそも銀粒子が付着しにくいため、吐出口が塞がれにくく、インクの吐出安定性が向上する。D50は、1nm以上であることが好ましい。D50及びD90は、透過電子顕微鏡(TEM)や走査電子顕微鏡(SEM)などにより得られた画像を解析することで、測定できる。
[銀粒子の分散方法]
インクは、銀粒子を分散するための分散剤を含有することが好ましい。使用しない吐出口の近傍で銀粒子が付着しても、銀粒子の周りに分散剤が存在するため、銀粒子が融着しにくい。これにより、吐出口が塞がれにくくなり、インクの吐出安定性が向上する。銀粒子の分散方法としては、分散剤として界面活性剤を用いる界面活性剤分散タイプ、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプなどが挙げられる。勿論、インクにおいては、分散方法が異なる銀粒子を併用することも可能である。
界面活性剤分散タイプにおいて分散剤として用いる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系化合物、シリコーン系化合物などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、ホスファチジルコリンなどが挙げられる。
樹脂分散タイプにおいて分散剤として用いる樹脂(樹脂分散剤)は、親水性部位と疎水性部位を共に有することが好ましい。樹脂としては、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系高分子化合物などが挙げられる。
樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上100,000以下であることが好ましく、3,000以上50,000以下であることがさらに好ましい。
なかでも、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する場合、発熱部に銀粒子が付着すると、熱によりコゲが発生しやすい。コゲの発生を抑制するために、分散剤として界面活性剤よりも樹脂を用いることが好ましい。インクは、銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有することが好ましい。
インクは、銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有し、樹脂分散剤の含有量(質量%)は、銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.8倍以下であることが好ましい。前記比率が0.8倍を超えると、銀粒子に対して樹脂分散剤が多すぎるため、銀粒子と銀粒子が近づきにくくなる。そのため、記録媒体に銀粒子を含有するインクを付与しても、銀粒子と銀粒子が融着しにくくなる。これにより、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。前記比率は、0.02倍以上であることが好ましく、0.2倍以上であることがさらに好ましい。
銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、6.00質量%以下であることが好ましい。前記含有量が6.00質量%を超えると、銀粒子が多すぎるため、沈降した銀粒子が隣接した状態で吐出口の近傍に付着しやすい。これにより、銀粒子が融着して、吐出口が塞がれ、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。前記含有量は、2.00質量%以上であることが好ましい。前記含有量が2.00質量%未満であると、銀粒子が少なすぎるため、記録媒体に銀粒子を含有するインクを付与しても、記録媒体に銀膜が形成されにくく、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。なかでも、前記含有量は、2.50質量%以上であることがさらに好ましい。
(第1水溶性有機溶剤)
インクは、温度25℃、1気圧における沸点が180℃以上の第1水溶性有機溶剤を含有するとともに、第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、2.5倍以上であることが好ましい。加熱されたインクを用いる場合、沸点が180℃以上の第1水溶性有機溶剤をインクに含有させることで、吐出口からの液体成分の蒸発を抑制できる。これにより、吐出口の近傍に付着した銀粒子の融着が促進されず、吐出口が塞がれにくいため、インクの吐出安定性が向上する。前記比率が2.5倍未満であると、銀粒子に対して第1水溶性有機溶剤が少ないため、吐出口からの液体成分の蒸発を抑制できず、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。前記比率は、4.5倍以下であることが好ましい。
第1水溶性有機溶剤の具体例としては、グリセリン(290℃)、トリエチレングリコール(287℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(189℃)、エチレングリコール(187℃)などが挙げられる(括弧内の数値は、温度25℃、1気圧における沸点を表す)。第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、15.00質量%以上であることが好ましい。前記含有量は、25.00質量%以下であることが好ましい。
(アルカノールアミン)
インクは、アルカノールアミンを含有することが好ましい。アルカノールアミンは、アルカン骨格にヒドロキシ基とアミノ基を有する化合物のことである。インク中で銀粒子表面は、プラスに帯電しやすい。アルカノールアミンの有するアミノ基の窒素原子は、非共有電子対を有するため、プラスに帯電した銀粒子表面に引き寄せられる。これにより、銀粒子表面が中和され、銀粒子表面の反応性を抑制できる。さらに、アルカノールアミンの有するヒドロキシ基は、インク中の水となじみやすいため、銀粒子を安定に分散させることが可能となる。これにより、吐出口の近傍に付着した銀粒子の融着が促進されず、吐出口が塞がれにくいため、インクの吐出安定性が向上する。また、インクは、通常アルカリ性である。アルカノールアミンの有するアミノ基の窒素原子は、インク中に存在する水素イオンを引き寄せることで、インクをアルカリ性に保つことができる。
アルカノールアミンとしては、アルカン骨格の炭素数が1以上3以下であることが好ましい。アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。なかでも、アルカノールアミンは、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのヒドロキシ基を3つ有するアルカノールアミンであることが好ましい。インク中のアルカノールアミンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。
(水性媒体)
インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、必要に応じて使用する第1水溶性有機溶剤に加えて、それ以外の水溶性有機溶剤(その他の水溶性有機溶剤)を併用することができる。その他の水溶性有機溶剤は、特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。これらのその他の水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。なお、吐出口での急激な蒸発による瞬間的な銀粒子の濃度の上昇を避けるために、沸点が80℃以下の水溶性有機溶剤は、10.00質量%以下であることが好ましく、0.00質量%であることがさらに好ましい。
インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上88.00質量%以下であることが好ましい。また、インク中の、水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、20.00質量%以上50.00質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が10.00質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が十分に得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が50.00質量%超であると、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の成分)
インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの温度25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、インクには、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
インクの温度25℃における粘度(mPa・s)は、3.5mPa・s以下であることが好ましい。前記粘度が3.5mPa・sを超えると、インクを吐出口から繰り返し吐出する際に、吐出口へのインクの供給が不十分となり、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。前記粘度は、2.0mPa・s以上であることが好ましい。また、インクの温度25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤や水溶性有機溶剤などの含有量や種類を変更することで、適宜調整できる。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」、及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<銀粒子の分散液の調製>
特表2010−507727号公報の実施例2の調製方法の記載に準じて、銀粒子の含有量、及び樹脂分散剤の含有量が表1に記載の値となるように、銀粒子の分散液A〜G、I〜L、及びNを得た。さらに、特開2004−315650号公報の実施例1の調製方法の記載に準じて、銀粒子の含有量、及び樹脂分散剤の含有量が表1に記載の値となるように、銀粒子の分散液H及びMを得た。銀粒子の体積基準の累積50%粒径(D50)、及び体積基準の累積90%粒径(D90)は、表1に記載する。銀粒子の粒径(D90及びD50)は、走査電子顕微鏡(SEM)により得られた画像の解析から測定し、表1に記載する。なお、銀粒子のD50、及びD90は、遠心分離機を用いて、遠心分離の時間、速度、及び分取する区画を変更することで、調整できる。
<銀粒子を含む液体>
0.25mol/Lの硫酸鉄(II)七水和物(和光純薬工業製)、及び0.50mol/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業製)を含む水溶液500mLに、0.83mol/Lの硝酸銀水溶液(和光純薬工業製)100mLを3秒間かけて添加した。この溶液を温度20℃で30秒間、300rpmで撹拌した。得られた溶液を3,000rpmで遠心分離し、回収した固形分を水に分散させることで、銀粒子の含有量が表1に記載の値となる、銀粒子を含む液体を得た。銀粒子の体積基準の累積50%粒径(D50)、及び体積基準の累積90%粒径(D90)は、表1に記載する。なお、銀粒子のD50、及びD90は、遠心分離機を用いて、遠心分離の時間、速度、及び分取する区画を変更することで、調整できる。
<C.I.ピグメントブルー15:3の分散液の調製>
顔料15.00部、樹脂を含む液体30.00部、及びイオン交換水10.00部を混合した。顔料としてはC.I.ピグメントブルー15:3(クロモファイン4927、大日精化工業製)を用いた。樹脂を含む液体としてはスチレン−アクリル酸共重合体(ジョンクリル680、BASF製)を、共重合体の酸価に対して0.85当量の水酸化カリウム水溶液で中和し、樹脂の含有量が30.00%である液体を用いた。この混合物を、粒径0.3mmのジルコニアビーズ85.00部を充填したバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)を用いて、水で冷やしながら3時間分散した。その後、この分散液を遠心分離処理して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行った。前記の方法により、C.I.ピグメントブルー15:3が樹脂によって水中に分散された状態のC.I.ピグメントブルー15:3の分散液1、及び2(顔料の含有量が15.00%、樹脂の含有量が9.00%)を得た。C.I.ピグメントブルー15:3の分散液1中のC.I.ピグメントブルー15:3の体積基準の累積50%粒径(D50)は、38nmであり、体積基準の累積90%粒径(D90)は、65nmであった。さらに、C.I.ピグメントブルー15:3の分散液2中のC.I.ピグメントブルー15:3の体積基準の累積50%粒径(D50)は、22nmであり、体積基準の累積90%粒径(D90)は、45nmであった。なお、C.I.ピグメントブルー15:3のD50、及びD90は、遠心分離機を用いて、遠心分離の時間、速度、及び分取する区画を変更することで、調整できる。
Figure 2019073000
<インクの調製>
表2及び3に記載の各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、インクを調製した。NIKKOL BL9EXは、日光ケミカルズ製のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンラウリルエーテルである。表2及び3の下段には、銀粒子の含有量A(%)、第1水溶性有機溶剤の含有量H(%)、及び銀粒子の含有量Aに対する第1水溶性有機溶剤Hの含有量の質量比率(表2及び3中、H/A(倍)と記載)を記載する。さらに、インクの粘度(mPa・s)を記載する。表2及び3中、括弧内の数値は、沸点の値である。
Figure 2019073000
Figure 2019073000
<評価>
本発明においては、下記の評価の評価基準で、AA、A、又はBを許容できるレベルとし、C、又はDを許容できないレベルとした。表5に評価結果を記載する。実施例、比較例、及び参考例で用いるインク中の銀粒子の粒径(D90及びD50)は、温度25℃及び温度50℃で差がなかった。
(インクの吐出安定性)
上記で得られたインクを、それぞれインクカートリッジに充填し、表4に記載のインクジェット記録装置[1]〜[7]にセットした。表4中、画像データに基づく吐出の前の予備加熱は、インクを吐出するための記録素子近傍に存在する加熱素子による加熱である。画像データに基づく吐出中の加熱は、インクを1回吐出するために、インクを吐出するためのメインヒートパルスの前に、それのみでは吐出しないエネルギー量のプレヒートパルスを印加することによる加熱である。放熱板を有する記録ヘッドを用いると、放熱しやすい構成の記録ヘッドであるため、インクが加熱されにくく、放熱板を有さない記録ヘッドを用いると、放熱しにくい構成の記録ヘッドであるため、インクが加熱されやすい。また、インクの吐出周波数が8kHz以上であると、インクが加熱されやすい。
さらに、表5に記載の通り、吐出口の直径(μm)を適宜変更したインクジェット記録装置を使用し、表5に記載のインクの温度(℃)となるように、加熱したインクを記録ヘッドから吐出した。1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、11.2ngのインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。これらのインクジェット記録装置を用いて、キヤノン写真用紙(光沢プロ プラチナグレード、キヤノン製)に、記録デューティが100%のベタ画像を記録した。
Figure 2019073000
吐出口の配列方向に対して給紙側の連続した片側半分の吐出口を用いて、記録デューティが100%であるA4サイズのベタ画像を記録した。ベタ画像を5枚、10枚、15枚記録した各時点で、全吐出口を用いてA4サイズのベタ画像を記録して、このベタ画像に不吐出によるスジが発生するかどうかを調べた。
A:15枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジは発生しなかった
B:10枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジは発生せず、15枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジが発生した
C:5枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジは発生せず、10枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジが発生した
D:5枚記録した後のベタ画像において、不吐出によるスジが発生した。
(画像の光沢性)
上記で得られたインクを、それぞれインクカートリッジに充填し、インクジェット記録装置(PIXUS MG3530、キヤノン製)にセットした。1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、11.2ngのインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。インクジェット記録装置を用いて、キヤノン写真用紙(光沢プロ プラチナグレード、キヤノン製)に、記録デューティが100%のA4サイズのベタ画像を記録した。ベタ画像を24時間自然乾燥させた後、JIS Z 8741に基づく20度鏡面光沢度を、光沢計(VG 7000、日本電色工業製)を用いて測定した。以下の評価基準にしたがって評価した。
AA:光沢度が600以上だった
A:光沢度が400以上600未満だった
B:光沢度が400未満だった。
Figure 2019073000

Claims (11)

  1. 加熱された水性インクを記録ヘッドから吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記水性インクが、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記記録ヘッドの吐出口の直径(μm)が、50μm以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記記録ヘッドの吐出口の直径(μm)が、前記銀粒子の体積基準の累積90%粒径(nm)に対する比率(倍)で、30倍以上である請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記記録ヘッドから吐出される前記水性インクの温度が、50℃以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記銀粒子の体積基準の累積90%粒径(nm)が、50nm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)が、25nm以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記銀粒子の含有量(質量%)が、6.00質量%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記水性インクが、前記銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有し、
    前記樹脂分散剤の含有量(質量%)が、前記銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.8倍以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記水性インクが、沸点が180℃以上の第1水溶性有機溶剤を含有し、
    前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が、前記銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、2.5倍以上である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記水性インクが、アルカノールアミンを含有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 水性インク、前記水性インクを吐出するための記録ヘッド、及び前記記録ヘッド内の前記水性インクを加熱する手段を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記水性インクが、体積基準の累積90%粒径(nm)が60nm以下である銀粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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