JP2019051629A - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱エネルギーの作用によりインクを吐出する場合に、インクの吐出よれを抑制できるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 熱エネルギーの作用により記録ヘッドから水性インクを吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクが、銀粒子を含有し、寿命時間10m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、50mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
金属粒子を含有するインクは、用いる金属粒子の特徴を利用して、電気回路の形成に使用されてきたが、近年では、クリスマスカードなどのメタリック感を表現する用途にも、使用されるようになってきている。特に、画像の装飾性を高めるために、メタリック感のある画像(以下、「メタリック画像」と記載)を記録することが求められている。メタリック画像を記録するために、銀粒子を含有するインクが提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開2012−87217号公報 特開2003−292836号公報
本発明者らは、特許文献1及び2に記載されているインクを、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドに適用して検討を行った。特に、画像を連続して記録する場合、吐出口からインクを繰り返し吐出するため、これまで以上にインクの吐出よれを抑制する必要があるが、特許文献1及び2に記載のインクを用いても、そのレベルは不十分だった。
したがって、本発明の目的は、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する場合に、インクの吐出よれを抑制できるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット記録方法を使用するインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、熱エネルギーの作用により記録ヘッドから水性インクを吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクが、銀粒子を含有し、寿命時間10m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、50mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録方法に関する。
また、本発明は、熱エネルギーの作用により水性インクを吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、前記水性インクが、銀粒子を含有し、寿命時間10m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、50mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録装置に関する。
本発明によれば、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する場合に、インクの吐出よれを抑制できるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す模式図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)は記録ヘッドの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に述べる。本発明においては、以下、水性インクは、「インク」と記載することがある。各種の物性値は、特に断りのない限り、温度25℃における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を表すものとする。
本発明のインクジェット記録方法では、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する。より詳細に説明すると、記録ヘッドは、記録ヘッドの有する発熱部から発生する熱エネルギーの作用により、発熱部の近くに存在しているインクを発泡させることで、インクを吐出する。
しかし、特許文献1及び2に記載のインクを、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドに適用して、画像を連続して記録する場合、インクの吐出よれを抑制できなかった。具体的には、特許文献1及び2に記載のインクを、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドに適用して、A4サイズのベタ画像を10枚程度記録した。その後、さらに同様の画像を1枚記録し、その画像を目視で観察したところ、記録媒体にインクが付着していない部分が白いスジとなっていた。これにより、インクの吐出よれが生じていることがわかった。本発明者らは、インクの吐出よれを抑制できない要因について、検討を行った。
インクを吐出する際に、銀粒子を含有するインクが発熱部に接すると、インク中の銀粒子が発熱部に付着する。画像を連続して記録する場合、吐出口からインクを繰り返し吐出するため、インク中の銀粒子が発熱部に堆積してしまう。
一般に、カーボンブラックや有機顔料などの色材と比べて、銀粒子は非常に高い熱伝導性を有する。そのため、発熱部から発生する熱エネルギーの量が同じであっても、カーボンブラックや有機顔料が堆積した発熱部と比べて、銀粒子が堆積した発熱部は、インクに熱を伝えやすく、発熱部の近くに存在しているインクの発泡が大きくなる。これにより、吐出口からインクが溢れることで、吐出口面にインクが付着する。さらに、付着したインクから水分が蒸発していくと、インク中の成分が強固に付着する。その結果、次に吐出するインクが吐出口面に付着したインクに引っ張られるため、インクの吐出よれを抑制できない。このように、インクの吐出よれは、銀粒子を含有するインクを用いる場合に生じる特有の課題である。
本発明者らは、インクの吐出よれを抑制するためには、インクが吐出する際に、たとえインクの発泡が大きくなったとしても、吐出口面でインクを広がりにくくすることが重要であると考えた。そこで、インクの発泡から吐出までに要する時間が数m秒であるので、精度よく測定可能であるごく短い寿命時間として、10m秒でのインクの動的表面張力に着目した。
寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力を高くすると、吐出口から吐出するインクの表面にその表面積を小さくするような張力が働くため、インクが吐出しても、吐出口面でインクが広がりにくい。吐出口からインクが吐出しても、吐出口面でインクが広がりにくいため、吐出口面へのインクの付着を抑制でき、インクの吐出よれを抑制できる。本発明者らの検討の結果、寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力を50mN/m以上とすることで、インクの吐出よれを抑制できることがわかった。
特許文献1及び2に記載のインクのように、寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力が50mN/m未満であると、インクの表面にその表面積を小さくするような張力が働きにくく、吐出口面でインクが広がりやすい。吐出口からインクが吐出すると、吐出口面でインクが広がりやすいため、吐出口面にインクが付着して、インクの吐出よれを抑制できない。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する。記録ヘッドの吐出口径(μm)は、10μm以上50μm以下であることが好ましい。ここで、吐出口径とは、吐出口の直径のことである。さらに、記録ヘッドから吐出するインク1滴あたりの吐出体積(pL)は、4pL以上20pL以下であることが好ましい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
<水性インク>
水性インクは、銀粒子を含有する。さらに、寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力(mN/m)は、50mN/m以上である。以下、水性インクを構成する成分について説明する。
(銀粒子)
通常、銀の融点は温度962℃であるが、数nm〜数百nmの粒径を有する銀粒子の融点は、通常の銀の融点より下がることが知られている。銀粒子の表面に存在している銀原子は、内部の金属結合の束縛が弱く活性度がある。数nm〜数百nmの粒径を有する銀粒子は、その粒子を構成する全銀原子数に対して、表面に存在する銀原子の割合が多い。つまり、粒径の小さい銀粒子は活性度の高い銀原子の割合が高いため、他の銀粒子が近接すると、他の銀粒子と融着し、銀粒子の間で金属結合を形成する。
一般に、電気回路の形成に銀粒子を用いる場合、銀粒子を含有するインクを基板に付与して、温度200℃以上温度300℃以下の高温で加熱することで、銀粒子を融着させる。しかし、浸透性を有する記録媒体に画像を記録する場合、液体成分の浸透により、銀粒子が近接するため、記録媒体の加熱は不要である。銀粒子が融着して、記録媒体に銀層を形成することで、画像の光沢性が得られる。
銀粒子は、銀原子で構成されている。銀粒子は、銀原子以外にも、他の金属原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子などを含んで構成されていてもよいが、銀粒子中の銀原子の割合(%)は、50.00質量%以上であることが好ましい。
銀粒子の製造方法としては、例えば、銀の塊をボールミルやジェットミルなどの粉砕機で粉砕する方法(粉砕法)、銀イオン又は銀錯体を還元剤により還元して凝集させる方法(還元法)などが挙げられる。本発明においては、銀粒子の粒径制御のしやすさ、及び銀粒子の分散安定性の観点から、銀粒子を還元法により製造することが好ましい。
[銀粒子の体積基準の累積50%粒径(D50)]
銀粒子の体積基準の累積50%粒径とは、粒径積算曲線において、測定された銀粒子の総体積を基準として小粒径側から積算して50%となった際の粒子直径のことである。銀粒子の体積基準の累積50%粒径(nm)は、インクの保存安定性や画像の光沢性の観点から、1nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。D50は動的光散乱法で測定する。
[銀粒子の分散方法]
銀粒子の分散方法としては、分散剤として界面活性剤を用いる界面活性剤分散タイプ、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプなどが挙げられる。勿論、インクにおいては、分散方法が異なる銀粒子を併用することも可能である。
界面活性剤分散タイプにおいて分散剤として用いる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系化合物、シリコーン系化合物などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリンなどが挙げられる。
樹脂分散タイプにおいて分散剤として用いる樹脂(樹脂分散剤)は、親水性部位と疎水性部位を共に有することが好ましい。樹脂としては、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系高分子化合物などが挙げられる。
樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上100,000以下であることが好ましく、3,000以上50,000以下であることがさらに好ましい。
なかでも、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する場合、発熱部に銀粒子が付着すると、熱によりコゲが発生しやすい。コゲの発生を抑制するために、分散剤として界面活性剤よりも樹脂を用いることが好ましい。インクは、銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有することが好ましい。
インクは、銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有し、樹脂分散剤の含有量(質量%)は、銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.05倍以上1.00倍以下であることが好ましい。前記比率が0.05倍未満であると、銀粒子に対して樹脂分散剤が少ないため、記録ヘッドの有する発熱部に付着する銀粒子が多くなり、インクに熱をより伝えやすい。これにより、インクの発泡がより大きくなり、吐出口面でインクが広がりやすく、インクの吐出よれを十分に抑制できない場合がある。前記比率が1.00倍を超えると、銀粒子に対して樹脂分散剤が多すぎるため、銀粒子と銀粒子が近づきにくくなり、銀粒子と銀粒子が融着しにくくなる。これにより、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。前記比率は、0.05倍以上0.50倍以下であることがより好ましく、0.05倍以上0.20倍以下であることがさらに好ましい。
銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.00質量%以上15.00質量%以下である。前記含有量が2.00質量%未満であると、銀粒子が少なすぎるため、記録媒体に銀膜を形成しにくく、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。前記含有量が15.00質量%を超えると、銀粒子が多すぎるため、記録ヘッドの有する発熱部に付着する銀粒子が多くなり、インクに熱をより伝えやすい。これにより、インクの発泡がより大きくなり、吐出口面でインクが広がりやすく、インクの吐出よれを十分に抑制できない場合がある。銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、6.00質量%以上12.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(界面活性剤)
インクは、銀粒子の分散剤として用い得る界面活性剤とは別に、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。界面活性剤は、上述の銀粒子の分散剤としての界面活性剤で挙げたものから選択できる。なかでも、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が12以上18以下であるものを用いることが好ましく、アルキル基がラウリル基、セチル基、又はオレイル基であることがさらに好ましい。
界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上0.75質量%以下であることが好ましい。前記含有量が0.05質量%未満であると、後述する寿命時間10,000m秒でのインクの動的表面張力が下がりにくくなる。そのため、記録媒体に付着したインクが広がらず、インク中の液体成分が記録媒体に速やかに浸透しにくくなる。これにより、銀粒子と銀粒子が融着しにくくなり、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。前記含有量が0.75質量%を超えると、寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力が下がりやすくなるため、吐出口面でインクが広がりやすくなり、吐出口面にインクが付着して、インクの吐出よれを十分に抑制できない場合がある。界面活性剤の含有量(質量%)は、0.05質量%以上0.35質量%以下であることがさらに好ましい。
界面活性剤の含有量(質量%)は、銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.076倍以下であることが好ましい。前記比率が0.076倍を超えると、銀粒子に対して界面活性剤が多いため、記録媒体にインクが付着してインク中の液体成分が浸透しても、銀粒子と銀粒子の間に界面活性剤が存在しやすい。これにより、銀粒子と銀粒子が融着しにくくなり、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。前記比率は、0.005倍以上であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤は、特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。また、インク中の、水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が3.00質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が十分に得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が50.00質量%超であると、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の成分)
インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの温度25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、インクには、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
インクの動的表面張力は、最大泡圧法により測定する。この方法では、測定対象の液体中にプローブ(細管)を浸し、その先端部分から押し出された気泡を放出するのに必要な最大圧力を測定して、表面張力を求める。また、寿命時間とは、プローブの先端部分から気泡が形成される際の、気泡が離れた後に新しい表面が形成されてから最大泡圧時(気泡の曲率半径とプローブの先端部分の半径が等しくなったとき)までの時間を意味する。
インクが吐出しても、吐出口面でインクを広がりにくくするためには、インクの発泡から吐出までの数m秒でのインクの動的表面張力が重要となり、誤差を含まずに測定可能であるごく短い寿命時間として、10m秒でのインクの動的表面張力に着目した。10m秒でのインクの動的表面張力は、50mN/m以上であり、60mN/m以下であることが好ましい。
さらに、記録媒体にインクが付着して、インク中の液体成分を記録媒体に速やかに浸透させるためには、インクの発泡からの時間の経過に伴い、インクの動的表面張力を低下させる必要がある。インク中の液体成分を記録媒体に速やかに浸透させるためには、記録媒体にインクが付着した後のインクの広がりやすさが重要になる。そのため、記録媒体にインクが付着してからインクの動的表面張力が安定な値となる寿命時間として、10,000m秒でのインクの動的表面張力に着目した。寿命時間10,000m秒でのインクの動的表面張力(mN/m)は、40mN/m以下であることが好ましい。これにより、記録媒体に付着したインクが記録媒体で広がりやすいため、インク中の液体成分が速やかに浸透して、銀粒子と銀粒子の融着を促進させ、画像の光沢性が向上する。寿命時間10,000m秒でのインクの動的表面張力が40mN/mを超えると、記録媒体に付着したインクが記録媒体で広がりにくい。これにより、インク中の液体成分が浸透しにくくなり、銀粒子と銀粒子が融着しにくくなるため、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。
本発明では、インクを吐出する際の吐出口面へのインクの広がりにくさや、記録媒体にインクが付着した後の記録媒体でのインクの広がりやすさを特定すべく、最大泡圧法により測定される「動的表面張力」を用いる。ウィルヘルミー法(プレート法)などにより測定される「静的表面張力」ではない。これは、記録ヘッドからインクが吐出されて、吐出されたインクが記録媒体に付着するような、界面が大きく動いている状況におけるインクの挙動と精度よく整合するためである。インクの動的表面張力は、インク中の界面活性剤の種類や含有量、水溶性有機溶剤の種類や含有量を適宜決定することで、調整できる。
インクの温度25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上5mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上4mPa・s以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」、及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<銀粒子の分散液の調製>
(銀粒子の分散液A)
0.054mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液、及び1.70g/Lのアクリル系樹脂1(DISPERBYK−190、ビックケミー製)を含む液体を、0.054mol/Lの硝酸銀水溶液に添加し、10分間撹拌した。この混合物に、4.60mol/Lのホルムアルデヒド水溶液を、撹拌しながら添加し、温度60℃に加熱して30分間維持した後、冷却した。その後、分画分子量30,000ダルトンの膜を用いて限外ろ過して、銀粒子の分散液A(銀粒子の含有量が20.00%、樹脂の含有量が2.00%)を得た。
(銀粒子の分散液B)
樹脂1を含む液体の量を0.70g/Lに変更したこと以外は、銀粒子の分散液Aと同様の方法で、銀粒子の分散液B(銀粒子の含有量が20.00%、樹脂の含有量が0.80%)を得た。
(銀粒子の分散液C)
樹脂1を含む液体の量を0.80g/Lに変更したこと以外は、銀粒子の分散液Aと同様の方法で、銀粒子の分散液C(銀粒子の含有量が20.00%、樹脂の含有量が1.00%)を得た。
(銀粒子の分散液D)
樹脂1を含む液体の量を16.60g/Lに変更したこと以外は、銀粒子の分散液Aと同様の方法で、銀粒子の分散液D(銀粒子の含有量が20.00%、樹脂の含有量が20.00%)を得た。
(銀粒子の分散液E)
樹脂1を含む液体の量を18.30g/Lに変更したこと以外は、銀粒子の分散液Aと同様の方法で、銀粒子の分散液E(銀粒子の含有量が20.00%、樹脂の含有量が22.00%)を得た。
(銀粒子の分散液F)
特開2004−285106号公報の実施例2−2の調製方法の記載に準じて、銀粒子の分散液F(銀粒子の含有量が20.00%、界面活性剤の含有量が2.00%)を得た。
<銀粒子を含む液体の調製>
0.25mol/Lの硫酸鉄(II)七水和物(和光純薬工業製)、及び0.50mol/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業製)を含む水溶液500mLに、0.83mol/Lの硝酸銀水溶液(和光純薬工業製)100mLを3秒間かけて添加した。この溶液を温度20℃で30秒間、300rpmで撹拌した。得られた溶液を3,000rpmで遠心分離し、回収した固形分を水に分散させることで、銀粒子を含む液体(銀粒子の含有量が20.00%)を得た。
<カーボンブラックの分散液の調製>
カーボンブラック(MA−100、三菱化学製)20.00%、樹脂2を含む液体50.00%、及び水30.00%を混合した。樹脂2を含む液体は、常法で製造されたスチレン−アクリル酸共重合体を、共重合体の酸価と等モル量の水酸化ナトリウムで中和し、樹脂2の含有量が20.00%の液体である。この混合物を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率が80.00%であるビーズミル(LMZ2、アシザワファインテック製)に入れ、1,800rpmで5時間分散した。その後、5,000rpmで30分間遠心分離を行うことで、凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、カーボンブラックの分散液(カーボンブラックの含有量が20.00%、樹脂2の含有量が10.00%)を得た。
<インクの調製>
表1に記載の各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、インクを調製した。NIKKOL BL−9EXは、日光ケミカルズ製のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンラウリルエーテルである。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤であり、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物である。サーフィノール485は、日信化学工業製のノニオン性界面活性剤であり、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物である。インクの動的表面張力は、最大泡圧法を利用した表面張力計(Bubble Pressure Tensiometer BP2 MK2、Kruss製)を用いて、温度25℃の条件で測定した。表1の下段に、寿命時間10m秒でのインクの動的表面張力(mN/m)、寿命時間10,000m秒でのインクの動的表面張力、界面活性剤の含有量(%)、及び銀粒子の含有量(%)を記載する。ここで、界面活性剤の含有量は、添加剤として用いる界面活性剤の含有量のことである。さらに、銀粒子の含有量に対する界面活性剤の含有量の比率(倍)(表中、「界面活性剤の含有量/銀粒子の含有量(倍)」)、銀粒子の含有量に対する樹脂分散剤の含有量の比率(倍)(表中、「樹脂分散剤の含有量/銀粒子の含有量(倍)」)を記載する。
<評価>
本発明においては、下記の評価の評価基準で、A、又はBを許容できるレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果は、表2に記載する。
インクを、それぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(PIXUS MG3630、キヤノン製)にセットした。本実施例において、1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、11.2ngのインク滴を1滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。このインクジェット記録装置を用いて、キヤノン写真用紙・光沢プロ(プラチナグレード、キヤノン製)に、記録デューティが100%のベタ画像を記録した。参考例1のインクは、インクカートリッジに充填し、力学的エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(PX−G930、エプソン製)にセットして、光沢紙(キヤノン写真用紙・光沢 プロ [プラチナグレード];キヤノン製)に、記録デューティが100%のベタ画像を記録した。このベタ画像を用いて、画像の光沢性を評価した。さらに、インクカートリッジ中のインクを使いきるまで、ベタ画像を連続して記録した。画像を1枚記録するたびに、ノズルチェックパターンを記録し、このチェックパターンを用いて、インクの吐出よれを評価した。さらに、インクカートリッジ中のインクを使い切った後の、記録ヘッドの発熱部を光学顕微鏡で観察し、コゲの発生状態を確認した。
(インクの吐出よれ)
A:インクカートリッジ中のインクを使いきるまで、インクの吐出よれは生じなかった
B:インクカートリッジ中のインクを使い切り、記録した最後の画像に、インクの吐出よれが生じた
C:インクカートリッジ中のインクを使いきる前に、インクの吐出よれが生じた
(画像の光沢性)
上記で得られたベタ画像を24時間自然乾燥させた後、JIS Z 8741に基づく20度鏡面光沢度を、光沢計(VG 7000、日本電色工業製)を用いて測定した。以下の評価基準にしたがって評価した。
A:光沢度が700以上だった
B:光沢度が400以上700未満だった
C:光沢度が400未満だった
(コゲの発生)
A:発熱部にコゲが発生していなかった
B:発熱部にコゲが発生していた

Claims (7)

  1. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドから水性インクを吐出して、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記水性インクが、銀粒子を含有し、
    寿命時間10m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、50mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 寿命時間10,000m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、40mN/m以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記水性インクが、さらに界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記界面活性剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.05質量%以上0.75質量%以下である請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記銀粒子の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2.00質量%以上15.00質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記水性インクが、前記銀粒子を分散するための樹脂分散剤を含有し、
    前記樹脂分散剤の含有量(質量%)が、前記銀粒子の含有量(質量%)に対する質量比率(倍)で、0.05倍以上1.00倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 熱エネルギーの作用により水性インクを吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記水性インクが、銀粒子を含有し、
    寿命時間10m秒での前記水性インクの動的表面張力(mN/m)が、50mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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