JP2021167374A - インクジェット用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印刷時における吐出安定性に優れるインクジェット用インクを提供する。【解決手段】インクジェット用インクは、顔料と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、炭素原子数3以上6以下の特定アルカンジオールとを含有する。前記アセチレングリコール界面活性剤の含有割合は、0.5質量%以上2.0質量%以下である。前記特定アルカンジオールの含有割合は、20.0質量%以上40.0質量%以下である。前記特定アルカンジオールは、1,3−プロパンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含むとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット用インクに関する。
インクジェット用インクには、吐出安定性に優れることが要求されている。特に、高速印刷が可能なインクジェット記録装置に用いるインクジェット用インクは、高速印刷時における吐出安定性に優れることが要求されている。
このような要求に対して、例えば、インクジェット用インクの動的表面張力を特定範囲に調整することが提案されている。具体的には、特許文献1には、表面寿命10ミリ秒での動的表面張力、及び表面寿命100ミリ秒での動的表面張力がそれぞれ特定範囲であるインクジェット用インクが提案されている。特許文献2には、表面寿命50ミリ秒での動的表面張力が特定範囲であるインクジェット用インクが提案されている。
特開2003−231838号公報 特開2016−175988号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載のインクジェット用インクによっても、高速印刷時における吐出安定性の要求を十分に満たすことは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速印刷時における吐出安定性に優れるインクジェット用インクを提供することである。
本発明に係るインクジェット用インクは、顔料と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、炭素原子数3以上6以下の特定アルカンジオールとを含有する。前記アセチレングリコール界面活性剤の含有割合は、0.5質量%以上2.0質量%以下である。前記特定アルカンジオールの含有割合は、20.0質量%以上40.0質量%以下である。
本発明に係るインクジェット用インクは、高速印刷時における吐出安定性に優れる。
最大泡圧法によるインクの動的表面張力の測定において、動的表面張力と表面寿命との関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下において、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、動的光散乱式粒径分布測定装置(シスメックス株式会社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて測定された値である。
本明細書では、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本明細書において、動的表面張力及び静的表面張力は、何れも温度25℃で測定された値を示す。本明細書において、動的表面張力は、実施例に記載の方法又はこれに準ずる方法により測定できる。
<インク>
以下、本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクと記載することがある)を説明する。本発明のインクは、顔料と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、炭素原子数3以上6以下の特定アルカンジオールとを含有する。アセチレングリコール界面活性剤の含有割合は、0.5質量%以上2.0質量%以下である。特定アルカンジオールの含有割合は、20.0質量%以上40.0質量%以下である。
本発明のインクは、上述の構成を備えることにより、高速印刷時(例えば、駆動周波数が18kHz以上であるピエゾ式記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置を用いた印刷時)における吐出安定性に優れる。なお、本発明のインクは、通常速度での印刷時においても優れた吐出安定性を発揮する。そのため、本発明のインクは、通常速度での印刷時においても好適である。
本発明のインクが上述の構成を備えることにより上述の効果を奏する理由は以下の通りであると推察される。高速印刷時において優れた吐出安定性を発揮するためには、インクは、ノズルから吐出された直後(例えば、吐出後1ミリ秒後以内)においては、動的表面張力が高く、液滴としてまとまり易い性質を有することが要求される。一方、インクは、ノズルから吐出されて記録媒体に着弾した後(例えば、吐出後10ミリ秒以降)においては、動的表面張力が低く、記録媒体に濡れ広がり易い性質を有することが要求される。以上から、本発明者は、高速印刷時において優れた吐出安定性を発揮するためには、インクは、動的表面張力が迅速に低下することが望ましいと判断した。そして、本発明者は、最大泡圧法による動的表面張力の測定において求められる緩和時間τが短いインクは、上述の要求を満たすと判断した。以下、緩和時間τについて説明する。
図1は、最大泡圧法によるインクの動的表面張力の測定において、動的表面張力(γ)と表面寿命tとの関係の一例を示す。インクの動的表面張力(γ)は、表面寿命tの増大に伴って減少する。表面寿命0.01ミリ秒での動的表面張力(γ0)は、界面形成直後のインクの動的表面張力(γ)である。動的表面張力(γ0)は、インクから界面活性剤を除去することで得られる組成物の表面張力に相当する。表面寿命1000ミリ秒での動的表面張力(γeq)は、動的表面張力(γ)が平衡状態になった状態におけるインクの動的表面張力(γ)である。動的表面張力(γeq)は、インクの静的表面張力に相当する。緩和時間τは、動的表面張力(γ0)及び動的表面張力(γeq)の中間の動的表面張力(即ち、(γ0+γeq)/2)における表面寿命tである。緩和時間τは、その値が短いほど、インクの動的表面張力(γ)が迅速に低下することを示す。
なお、最大泡圧法によるインクの動的表面張力(γ)の測定では、表面寿命tが極端に短い場合(例えば、表面寿命tが10ミリ秒以内である場合)、動的表面張力(γ)を測定することが困難である。そのため、極端に短い表面寿命tにおけるインクの動的表面張力(γ)については、実測する代わりに、以下の方法で求めてもよい。まず、測定可能な表面寿命t(例えば、10ミリ秒以上1000ミリ秒以下)におけるインクの動的表面張力(γ)を測定する。次に、下記数式(I)が成立するように、極端に短い表面寿命t(例えば、0.01ミリ秒以上10ミリ秒未満)における動的表面張力(γ)を、最小二乗法によりフィッティングする。これにより、極端に短い表面寿命tにおけるインクの動的表面張力(γ)を求めることができる。
γ(t)=γeq+(γ0−γeq)/{1+(t/τ)k}・・・(I)
(数式(I)中、tは、表面寿命[ミリ秒]である。γ(t)は、表面寿命t[ミリ秒]における動的表面張力[mN/m]である。γ0は、表面寿命0.01ミリ秒における動的表面張力[mN/m]である。γeqは、表面寿命1000ミリ秒における動的表面張力[mN/m]である。緩和時間τは、γ(t)=(γ0+γeq)/2における表面寿命t[ミリ秒]である。kは、定数である)
そして、本発明者は、インクにアセチレングリコール界面活性剤を特定量添加することで、インクの緩和時間τを短くできることを見出した。また、本発明者は、表面張力が過度に高くない特定アルカンジオールを溶媒として用いることで、インクの緩和時間τを更に短くできることを見出した。本発明は、以上の知見に基づくものである。即ち、本発明のインクは、アセチレングリコール界面活性剤を特定量含有し、かつ特定アルカンジオールを特定量含有するため、緩和時間τが短い。詳しくは、本発明のインクは、上述の数式(I)において、緩和時間τが10ミリ秒未満となる傾向がある。そのため、本発明のインクは、高速印刷時における吐出安定性に優れる。
[緩和時間τ]
本発明のインクにおいて、上述の緩和時間τとしては、10ミリ秒未満が好ましく、5ミリ秒未満がより好ましい。上述の緩和時間τを10ミリ秒未満とすることで、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
[表面張力]
本発明のインクの表面寿命0.01ミリ秒における動的表面張力(γ0)としては、40.0mN/m以上50.0mN/m以下が好ましく、44.0mN/m以上46.0mN/m以下がより好ましい。本発明のインクの動的表面張力(γ0)を40.0mN/m以上50.0mN/m以下とすることで、高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
本発明のインクの表面寿命1ミリ秒における動的表面張力(γ1ms)としては、35.0mN/m以上が好ましく、38.0mN/m以上47.0mN/m以下がより好ましく、40.0mN/m以上45.0mN/m以下が更に好ましい。本発明のインクの動的表面張力(γ1ms)を35.0mN/m以上とすることで、高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
本発明のインクの表面寿命1000ミリ秒における動的表面張力(γeq)としては、30.0mN/m以上40.0mN/m以下が好ましく、32.0mN/m以上38.0mN/m以下がより好ましい。本発明のインクの動的表面張力(γeq)を30.0mN/m以上40.0mN/m以下とすることで、記録媒体に対する濡れ広がり性を向上できる。
以下、本発明のインクについて、更に詳細に説明する。なお、以下に説明する各成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[顔料]
本発明のインクにおいて、顔料は、例えば、溶媒に分散する粒子(以下、顔料粒子と記載することがある)として存在する。顔料粒子のD50としては、30nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上130nm以下がより好ましい。
顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、及び193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、及び71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122及び202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、及び33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
本発明のインクにおける顔料の含有割合としては、0.3質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。顔料の含有割合を0.3質量%以上とすることで、形成される画像の耐擦過性を向上できる。顔料の含有割合を5.0質量%以下とすることで、本発明のインクの流動性を向上できる。
顔料粒子は、顔料のみを含んでいてもよい。また、顔料粒子は、顔料及び樹脂を含んでいてもよい。顔料及び樹脂を含む顔料粒子としては、例えば、顔料を含む顔料コアと、顔料コアの表面を被覆する樹脂(以下、分散樹脂と記載することがある)とを含有する顔料粒子が挙げられる。分散樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン及びビニルナフタレンのうち少なくとも1種のモノマーと、(メタ)アクリル酸及びマレイン酸のうち少なくとも1種のモノマーとの共重合体が挙げられる。
本発明のインクが分散樹脂を含有する場合、本発明のインクにおいて、分散樹脂の含有量としては、顔料100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下が好ましく、30質量部以上50質量部以下がより好ましい。分散樹脂の含有量を10質量部以上とすることで、顔料粒子の分散性を向上できる。分散樹脂の含有量を100質量部以下とすることで、ノズル詰まりの発生を抑制できる。
[水]
本発明のインクにおける水の含有割合としては、5.0質量%以上40.0質量%以下が好ましく、15.0質量%以上30.0質量%以下がより好ましい。
[アセチレングリコール界面活性剤]
アセチレングリコール界面活性剤は、本発明のインクの緩和時間τを低減する。アセチレングリコール界面活性剤としては、例えば、アセチレンジオール及びアセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。アセチレンジオールとしては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール及び2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールが挙げられる。アセチレングリコール界面活性剤としては、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
市販のアセチレングリコール界面活性剤としては、例えば、日信化学工業社製「オルフィン(登録商標)E1010」、「オルフィン(登録商標)STG」、「オルフィン(登録商標)Y」、「サーフィノール(登録商標)82」、「サーフィノール(登録商標)104」、「サーフィノール(登録商標)420」、「サーフィノール(登録商標)440」、「サーフィノール(登録商標)465」、「サーフィノール(登録商標)485」及び「サーフィノール(登録商標)TG」が挙げられる。アセチレングリコール界面活性剤としては、「サーフィノール(登録商標)420」又は「サーフィノール(登録商標)440」が好ましい。
本発明のインクにおけるアセチレングリコール界面活性剤の含有割合としては、0.5質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以上1.2質量%以下がより好ましい。アセチレングリコール界面活性剤の含有割合を0.5質量%以上2.0質量%以下とすることで、本発明のインクの緩和時間τをより低減できる。その結果、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
[特定アルカンジオール]
特定アルカンジオールは、本発明のインクの溶媒の表面張力を比較的高くすることで、本発明のインクの緩和時間τを低減する。本発明のインクは、2種以上(特に、2種)の特定アルカンジオールを含有することが好ましい。
特定アルカンジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。特定アルカンジオールとしては、1,3−プロパンジオール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールが好ましい。1,3−プロパンジオールは、本発明のインクにおける顔料の分散性を向上させる。また、3−メチル−1,5−ペンタンジオールは、本発明のインクが吐出された記録媒体がカールすることを抑制する。そのため、特定アルカンジオールは、1,3−プロパンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含むことが好ましい。
本発明のインクにおける特定アルカンジオールの含有割合としては、20.0質量%以上40.0質量%以下であり、27.0質量%以上35.0質量%以下が好ましい。特定アルカンジオールの含有割合を20.0質量%以上40.0質量%以下とすることで、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
特定アルカンジオールが1,3−プロパンジオールを含有する場合、本発明のインクにおける1,3−プロパンジオールの含有割合としては、8.0質量%以上18.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以上13.0質量%以下がより好ましい。1,3−プロパンジオールの含有割合を8.0質量%以上18.0質量%以下とすることで、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
特定アルカンジオールが3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含有する場合、本発明のインクにおける3−メチル−1,5−ペンタンジオールの含有割合としては、15.0質量%以上22.0質量%以下が好ましく、18.0質量%以上22.0質量%以下がより好ましい。3−メチル−1,5−ペンタンジオールの含有割合を15.0質量%以上22.0質量%以下とすることで、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
本発明のインクにおいて、水及び特定アルカンジオールは、溶媒として機能する。本発明のインクは、溶媒として、水及び特定アルカンジオールのみを含有することが好ましい。但し、本発明のインクは、特定アルカンジオール以外の他の水溶性有機溶媒を含有してもよい。他の水溶性有機溶媒としては、例えば、特定アルカンジオール以外のグリコール化合物、多価アルコールのエーテル化合物、ラクタム化合物、含窒素化合物、アセテート化合物、チオジグリコール、グリセリン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。本発明のインクが他の水溶性有機溶媒を含有する場合、本発明のインクにおける他の水溶性有機溶媒の含有割合としては、5.0質量%以下が好ましく、0.0質量%がより好ましい。
[バインダー樹脂粒子]
本発明のインクは、バインダー樹脂粒子を更に含有する事が好ましい。バインダー樹脂粒子は、本発明のインクにおいて、溶媒に分散した状態で存在する。バインダー樹脂粒子は、本発明のインクにより形成される画像においてバインダーとして機能し、記録媒体に対する顔料の定着性を向上させる。
バインダー樹脂粒子は、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、ウレタン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。バインダー樹脂としては、ウレタン−(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
バインダー樹脂粒子におけるバインダー樹脂の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
バインダー樹脂粒子の個数平均粒子径としては、10nm以上500nm以下が好ましく、40nm以上800nm以下がより好ましい。
本発明のインクがバインダー樹脂粒子を含有する場合、本発明のインクにおけるバインダー樹脂粒子の含有割合としては、0.1質量%以上6.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。バインダー樹脂粒子の含有割合を0.1質量%以上とすることで、記録媒体に対する顔料の定着性を向上できる。バインダー樹脂粒子の含有割合を6.0質量%以下とすることで、本発明のインクの高速印刷時における吐出安定性をより向上できる。
[塩基性化合物]
本発明のインクは、必要に応じて、塩基性化合物を含有してもよい。例えば、アルカリ環境下において顔料を良好に分散させる性質を有する分散樹脂を本発明のインクが含有する場合、本発明のインクが塩基性化合物を含有することで、顔料の分散性を向上できる。塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化カルシウム)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム)及びアンモニアが挙げられる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明のインクが塩基性化合物を含有する場合、本発明のインクにおける塩基性化合物の含有割合としては、0.001質量%以上0.100質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.020質量%以下がより好ましい。
[他の成分]
本発明のインクは、必要に応じて、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、アセチレングリコール界面活性剤以外の界面活性剤、及び公知の添加剤(より具体的には、例えば、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤及び防カビ剤)が挙げられる。
[インクの製造方法]
本発明のインクは、例えば、顔料を含む顔料分散液と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、特定アルカンジオールと、必要に応じて添加される他の成分(例えば、バインダー樹脂粒子を含有するバインダー樹脂分散液及び塩基性化合物を含む水溶液)とを攪拌機で均一に混合することにより製造できる。本発明のインクの製造では、各成分を均一に混合した後、フィルター(例えば孔径5μm以下のフィルター)により異物及び粗大粒子を除去してもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。まず、各インクの製造に用いた原料のうち、顔料分散液、バインダー樹脂分散液及び界面活性剤を説明する。
(顔料分散液)
顔料分散液(P−1):オリヱント化学工業株式会社製「BONJET(登録商標)BLACK CW−2」、顔料(Pigment Black 7、15質量%)及び分散樹脂を含有する顔料分散液
顔料分散液(P−2):山陽色素株式会社製「EMACOL(登録商標)SF BLACK AH2186F」、顔料(Pigment Black 7、20質量%)及び分散樹脂を含有する顔料分散液
(バインダー樹脂分散液)
バインダー樹脂分散液:ジャパンコーティングレジン株式会社製「モビニール(登録商標)6763」、ウレタン−(メタ)アクリル樹脂を含むバインダー樹脂粒子を含有するバインダー樹脂分散液、固形分濃度40.0質量%、個数平均粒子径60nm
(界面活性剤)
界面活性剤(S−1):アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)420」、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)
界面活性剤(S−2):アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)440」、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)
界面活性剤(s−3):両親媒性アクリルポリマーを含む界面活性剤(共栄社化学株式会社製「ポリフローKL−850」)
[インクの調製]
下記表1に示す通りの原料を混合した後、得られた混合物を孔径5μmのフィルターでろ過した。これにより、実施例1〜2及び比較例1のインクを得た。なお、下記表1において、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,3−プロパンジオールは、特定アルカンジオールである。
Figure 2021167374
[動的表面張力の測定]
バブルプレッシャー式動的表面張力計(KRUSS社製「BP100」)を用いて、実施例1〜2及び比較例1のインクの動的表面張力を最大泡圧法により計測した。動的表面張力の測定においては、表面寿命10ミリ秒以上1000ミリ秒以下における動的表面張力を実測した。次に、上述の数式(I)が成立するように、表面寿命0.01ミリ秒以上10ミリ秒未満における動的表面張力を最小二乗法によりフィッティングした。これにより、表面寿命0.01ミリ秒における動的表面張力(γ0)と、表面寿命1ミリ秒における動的表面張力(γ1ms)と、表面寿命1000ミリ秒における動的表面張力(γeq)と、緩和時間τとを求めた。測定結果を下記表2に示す。なお、確認のため、各インクの界面活性剤を同量の水で置き換えたサンプル組成物を調整し、その静的表面張力を測定した。サンプル組成物の静的表面張力は、各インクの表面寿命0.01ミリ秒における動的表面張力(γ0)とほぼ同等であった。また、各インクの静的表面張力を測定した。各インクの静的表面張力は、各インクの表面寿命1000ミリ秒における動的表面張力(γeq)とほぼ同等であった。
<評価>
以下の方法により、実施例1〜2及び比較例1のインクの高速印刷時における吐出安定性を評価した。評価結果を下記表2に示す。なお、評価は、温度25℃かつ湿度60%RHの環境下で行った。
[評価機]
評価機として、駆動周波数が18kHzであるピエゾ式記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作機)を使用した。評価機のドット密度は、600dpiであった。
評価機の記録ヘッドに、評価対象となるインク(詳しくは、実施例1〜2及び比較例1のインク)を充填した。その後、記録ヘッドの有するノズルから垂れている余剰のインクを、ワイプブレードによって掻き取った。記録ヘッドと、記録用紙との距離は、1mmに固定した。記録用紙の搬送速度は、846.7mm/秒に設定した。
[吐出安定性]
評価機を用いて、記録用紙(セイコーエプソン株式会社製「エプソン純正写真用紙<光沢>」)にノズル抜けのチェックパターンを形成した。各インクは、ノズル抜けが発生しなかった場合には吐出安定性が良好(A)と判断し、ノズル抜けが発生した場合には吐出安定性が不良(B)と判断した。
Figure 2021167374
実施例1〜2のインクは、顔料と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、炭素原子数3以上6以下の特定アルカンジオールとを含有していた。アセチレングリコール界面活性剤の含有割合は、0.5質量%以上2.0質量%以下であった。特定アルカンジオールの含有割合は、20.0質量%以上40.0質量%以下であった。実施例1〜2のインクは、緩和時間τが10ミリ秒未満であった。実施例1〜2のインクは、高速印刷時における吐出安定性に優れていた。
一方、比較例1のインクは、上述の構成を備えなかった。具体的には、比較例1のインクは、アセチレングリコール界面活性剤を含有していなかった。また、比較例1のインクは、特定アルカンジオールの含有割合が20.0質量%未満であった。その結果、比較例1のインクは、緩和時間τが10.0ミリ秒以上であった。比較例1のインクは、高速印刷時における吐出安定性が良好でなかった。
本発明のインクは、画像を形成するために用いることができる。

Claims (5)

  1. 顔料と、水と、アセチレングリコール界面活性剤と、炭素原子数3以上6以下の特定アルカンジオールとを含有し、
    前記アセチレングリコール界面活性剤の含有割合は、0.5質量%以上2.0質量%以下であり、
    前記特定アルカンジオールの含有割合は、20.0質量%以上40.0質量%以下である、インクジェット用インク。
  2. 前記特定アルカンジオールは、1,3−プロパンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含む、請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記1,3−プロパンジオールの含有割合は、8.0質量%以上18.0質量%以下であり、
    前記3−メチル−1,5−ペンタンジオールの含有割合は、15.0質量%以上22.0質量%以下である、請求項2に記載のインクジェット用インク。
  4. 最大泡圧法による動的表面張力の測定において、下記数式(I)における緩和時間τは、10ミリ秒未満である、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
    γ(t)=γeq+(γ0−γeq)/{1+(t/τ)k}・・・(I)
    (数式(I)中、
    tは、表面寿命[ミリ秒]であり、
    γ(t)は、表面寿命t[ミリ秒]における動的表面張力[mN/m]であり、
    γ0は、表面寿命0.01ミリ秒における動的表面張力[mN/m]であり、
    γeqは、表面寿命1000ミリ秒における動的表面張力[mN/m]であり、
    緩和時間τは、γ(t)=(γ0+γeq)/2における表面寿命t[ミリ秒]であり、
    kは、定数である)
  5. 前記最大泡圧法による動的表面張力の測定において、表面寿命1ミリ秒における動的表面張力(γ1ms)は、35.0mN/m以上である、請求項4に記載のインクジェット用インク。
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