JP2019072889A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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大岳 加藤
弾塚 俊光
Toshimitsu Danzuka
俊光 弾塚
横澤 琢
Migaku Yokozawa
琢 横澤
晶子 愛知
Akiko Aichi
晶子 愛知
心 現田
Shin Genta
心 現田
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一樹 成實
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Abstract

【課題】 記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、また回復動作を行う際に必要以上にユーザーを待たせることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる。【解決手段】 本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドの吐出性能を回復する回復動作を行う回復手段と、記録ヘッドの吐出性能を確認する確認動作を行う確認手段と、回復動作により記録ヘッドから排出された廃インクを収容する廃インク収容容器と、回復命令を受信すると回復動作を実行する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、制御手段は、回復命令を受信したとき、廃インク収容容器の空き容量が第1の閾値より少ない場合は回復動作を実行せずに確認動作を実行することを特徴とする。【選択図】 図7

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、廃インクタンク(廃インク収容容器)が満杯になる直前に、通常時よりも廃インク量を減らしてインクを排出する廃インク低減動作モードに切り替え可能な技術が開示されている。当該技術によれば、通常時よりも廃インクタンクの交換時期を遅らせることができる。
また、特許文献2には、回復処理を実施する前に、記録ヘッドの予備吐出により上昇した記録ヘッドの温度から回復処理の必要性を判定する処理を行い、回復処理が必要だと判定された場合に回復処理を実施する技術が開示されている。当該技術によれば、回復処理が必要と判定された場合にのみ回復処理を行うため、廃インク量を低減しつつ、回復処理を適切なタイミングで行うことができる。
特開2008−238614号公報 特開2008−188839号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、廃インク低減動作モードにおいて予備吐出量や吸引量を通常時よりも減らして回復動作を行うため、回復動作によって記録ヘッドの吐出性能が十分に回復せず、記録ヘッドの吐出性能が低下するおそれがある。
また、特許文献2に記載の技術では、回復処理(回復動作)を行う前に常に回復処理の必要性を判定する処理を行うため、回復処理を行うまでに時間を要してしまい、ユーザーを待たせてしまうおそれがある。
本発明は、記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、また回復動作を行う際に必要以上にユーザーを待たせることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの吐出性能を回復する回復動作を行う回復手段と、前記記録ヘッドの吐出性能を確認する確認動作を行う確認手段と、前記回復動作により前記記録ヘッドから排出された廃インクを収容する廃インク収容容器と、回復命令を受信すると前記回復動作を実行する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記制御手段は、前記回復命令を受信したとき、前記廃インク収容容器の空き容量が第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、また回復動作を行う際に必要以上にユーザーを待たせることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる技術が提供される。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す模式図である。 第1実施形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る記録ヘッドの構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る廃インク収容容器を示す断面模式図である。 第1実施形態における吸引回復シーケンスのフローチャートを示す図である。 第1実施形態における記録命令受信時のシーケンスのフローチャートを示す図である。 第1実施形態におけるクリーニング要否確認シーケンスのフローチャートを示す図である。 第1実施形態における吐出性能確認シーケンスのフローチャートを示す図である。 第1実施形態における吐出性能確認動作のフローチャートを示す図である。 第1実施形態における吐出性能確認動作における予備吐出累積発数と閾値温度との関係を示す図である。 第2実施形態におけるスタンバイ時クリーニング確認シーケンスのフローチャートを示す図である。 第3実施形態におけるクリーニング要否確認シーケンスのフローチャートを示す図である。 第4実施形態における記録命令受信時のシーケンスのフローチャートを示す図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置について詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置(記録装置)を示す模式図である。本実施形態に係る記録装置1は、記録媒体を搬送する搬送ユニット(不図示)と、搬送ユニットにより搬送される記録媒体に画像を記録する記録部とを有する。本実施形態に係る記録装置は、所謂シリアル型のインクジェット記録装置である。
搬送ユニットは搬送ローラ対を備えている。搬送ローラ対は、下方をプラテンに支持された記録媒体13を間欠的に搬送する。記録部は、インクを吐出する複数の吐出口を有する記録ヘッド3を着脱自在に搭載するキャリッジ2を備えている。キャリッジ2は、記録媒体の搬送方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に沿って配置されたガイド軸5に沿って移動可能に支持される。またキャリッジ2は、ガイド軸5と略平行に移動する不図示の無端ベルトによって固定されている。無端ベルトは、キャリッジモータ(CRモータ)の駆動力によって往復運動し、それによってキャリッジ2をX方向に往復移動させる。このようにキャリッジ2は、記録ヘッド3を搭載し、X方向に移動可能に構成されている。なお本実施形態に係る記録装置は、比較的大判サイズの記録媒体(例えばA1サイズ)に対しても記録を行えるよう、X方向におけるサイズを大型化した構成となっている。
記録ヘッド3は、柔軟な材料で形成された供給チューブ(インク流路)4を介して、インク供給システム8に接続されている。インク供給システム8は、キャリッジ2がX方向に移動している間にも、記録ヘッド3へインクを供給することができる。また、供給チューブ4は、X方向に略平行な区間を有するように配置されている。
インク供給システム8は、記録装置1内の所定の位置に保持固定されている。インク供給システム8は、インクタンク9と、中空管11と、バッファ室12とを備えている。インクタンク9は、記録ヘッド3へ供給されるインクを内部に収容する。インクタンク9は、記録装置1に対して着脱自在に搭載される。インクタンク9は、中空管11を介して、供給チューブ4と接続される。また、供給チューブ4には、インクタンク9から記録ヘッド3へのインクの供給が可能な開状態と、インクタンク9から記録ヘッド3へのインクの供給を遮断した閉状態とに切り替え可能な開閉弁14が設けられている。インク供給システム8は、開閉弁14が開状態のときに、インクタンク9内のインクを中空管11及び供給チューブ4を介して記録ヘッド3へ供給する。
またインクタンク9は、細管によりバッファ室12と接続されている。インクタンク9とバッファ室12の接続位置は、インクタンク9の下方である。バッファ室12には、大気開放された大気連通管が形成されている。インクタンク9の内圧は、大気と連通したバッファ室を介して大気圧とバランスを保っている。また、バッファ室12は、記録ヘッド3の吐出口面よりも下方において大気と連通しており、記録ヘッド3内の圧力を大気圧に対して負圧に保っている。なおバッファ室12とインクタンク9とを接続する細管は、インクタンク9とバッファ室12とを連通しつつ、インクタンク9内のインクの蒸発は最小限にすべく、十分狭い流路で構成されている。
さらに記録装置1は、記録ヘッドの吐出性能を回復するための回復処理装置(回復処理ユニット)を備えている。回復処理装置7は、記録ヘッドの吐出口面を覆うことが可能なキャップ(キャッピング機構)10と、記録ヘッドの吐出口からキャップ10を介してインク吸引可能な吸引ポンプ(ポンプ機構)6とを有している。本実施形態では、後述するように、記録ヘッド3の吐出口面には6色の吐出口列が設けられており、1つのキャップにより3色の吐出口列を覆うように構成されている。すなわち、1つの記録ヘッド3に対して2つのキャップにより吐出口面を覆うように構成されている。回復処理装置7は、キャップ10が記録ヘッドの吐出口面を覆った状態で吸引ポンプ6を駆動することにより、キャップ10の内部を負圧にして、記録ヘッドからインクを吸引する吸引回復動作を行うことができる。吸引回復動作により吸引されたインクは、吸引ポンプ6に接続された排出チューブ16を介して、廃インク収容容器15へ排出される。また、回復処理装置7は、記録ヘッドの吐出口面を払拭して清掃するワイピング動作を行う不図示のワイパ(ワイピング機構)を有している。回復処理装置7は、回復命令を受信したときにこれらの吸引回復動作やワイピング動作などを行う。
図2は、本実施形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。100は主制御部である。主制御部100は、演算、制御、判断、設定などの処理動作を実行するCPU101と、CPU101によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM102とを有している。また主制御部100は、インクの吐出/非吐出を表す2値の記録データを格納するバッファ及びCPU101による処理のワークエリア等として用いられるRAM103を有している。また主制御部100は、廃インク量に関する情報などを保存・管理する不揮発性メモリ120を有している。また主制御部100は、入出力ポート104を有している。
入出力ポート104には、搬送ユニットを駆動する搬送モータ(LFモータ)113、キャリッジを駆動するキャリッジモータ(CRモータ)114、記録ヘッド3、回復処理装置7のそれぞれの駆動回路105、106、107、108が接続されている。さらに入出力ポート104には、記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度センサ112、キャリッジ2に固定されたエンコーダセンサ111、記録装置1が設置された環境の温度・湿度を測定する温湿度センサ109などのセンサ類が接続されている。また入出力ポート104には、インターフェース回路110を介して、ホストコンピュータ115が接続される。
さらに入出力ポート104には、回復処理カウンタ116、予備吐出カウンタ117、フチ無しインクカウンタ118、吐出ドットカウンタ119が接続されている。回復処理カウンタ116は、回復処理装置により記録ヘッド3から排出された廃インク量をカウントする。予備吐出カウンタ117は、記録動作中に行われた予備吐出による廃インク量をカウントする。フチ無しインクカウンタ118は、フチ無し記録を行った場合に記録媒体の外側の領域に吐出されたインク量をカウントする。吐出ドットカウンタ119は、記録動作中に吐出されたインク量をカウントする。これらのカウンタによるカウント結果より、廃インク収容容器に収容された廃インク量や廃インク収容容器の空き容量などが算出され、不揮発性メモリ120に保存される。
次に、以上の構成のインクジェット記録装置において実行される記録動作について説明する。ホストコンピュータ115からインターフェース回路110を介して記録データを含む記録命令を受信すると、その記録データはRAM103のバッファに展開される。次に、搬送ユニットが作動し、記録媒体13を記録ヘッド3と対向する位置へ搬送する。記録媒体13は、搬送ユニットにより記録ヘッド3と対向する位置において間欠的に搬送される。記録媒体13の搬送の停止中に、キャリッジ2はガイド軸5に沿ってX方向に移動する。このキャリッジ2が移動している間に、記録ヘッド3からインクが吐出され、記録媒体13に1バンド分の画像が記録される。次に記録媒体13は、搬送ユニットによりY方向に1バンド分だけ搬送される。このような所定量ずつの搬送動作と1バンド分の記録動作とを交互に繰り返すことによって、記録媒体13全体に画像が形成される。なお、キャリッジ2の位置は、キャリッジ2の移動に伴ってエンコーダセンサ111から出力されるパルス信号を主制御部100でカウントすることにより検出される。すなわち、エンコーダセンサ111は、X方向に沿って配置された不図示のエンコーダフィルムに一定の間隔で形成された検出部を検出することによってパルス信号を主制御部100へ出力する。主制御部100は、このパルス信号をカウントすることによりキャリッジ2の位置を検出する。キャリッジ2のホームポジション及びその他の位置への移動は、エンコーダセンサ111からの信号に基づいて行われる。
次に、本実施形態に係る記録ヘッドの構成について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る記録ヘッドの構成を示す模式図である。記録ヘッド3は、複数の吐出口3aが形成された吐出口面(吐出口形成面)3bを有する。また記録ヘッド3には、個々の吐出口3aに対応して複数の液路(不図示)と当該複数の液路にインクを供給する共通液室(不図示)とが形成されている。吐出口面3bには、同色のインクを吐出する吐出口3aがY方向に1200dpi(ドット/インチ)の密度で、1280個配列された吐出口列が形成されている。また、記録動作の高速化・高精細化のため、同一のインクを吐出する吐出口列がそれぞれ2つ並んで形成されている。記録ヘッド3の各液路には、インクを吐出口3aから吐出させるための吐出エネルギーを発生させるエネルギー発生素子が配置されている。本実施形態では、このエネルギー発生素子として、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、その圧力によってインクを吐出させる電気熱変換体が用いられている。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、エネルギー発生素子として電気機械変換素子を用いることも可能である。
各吐出口列のY方向における端部付近には、ヘッド温度センサ(温度センサ)112が設けられている。これらのヘッド温度センサ112により各色、各吐出口列の温度を測定することができる。なお、吐出口3aと液路とを含めてノズルとも称する。また、キャリッジ2に搭載される記録ヘッド3には、それぞれ異なる色材を含有したインクを収容したインクタンクよりインクが供給される。本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ブラックの色材を含有するインクを収容したインクタンクがそれぞれ記録装置に装着されている。そして、各インクタンクからそれぞれ対応する記録ヘッド3の液室へ供給チューブ4を介してインクが供給される。
次に、本実施形態に係る廃インク収容容器について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る廃インク収容容器を示す断面模式図である。廃インク収容容器15は、上部に開口部18が設けられている。吸引ポンプ6によって吸引されたインクは、排出チューブ16内を通り、開口部18を経由して廃インク収容容器15へ排出される。廃インク収容容器15に排出されたインクは、廃インク収容容器15の内部に設けられた吸収体(廃インク吸収体)17へ導かれる。吸収体としては、高分子吸収体、多孔質体、積層紙などが用いられるが、吸収能力があれば良く特に限定するものではない。廃インク収容容器15は記録装置1に対して着脱可能な構成となっている。廃インク収容容器15は、吸収体に廃インクを吸収させて収容することで、廃インク収容容器15の取り外しの際に傾けた場合でも、廃インクが容器外に流れ出すのを防止している。なお、廃インク収容容器15に収容された廃インクは、時間と共に、開口部18からインクの揮発成分が蒸発し、廃インク収容容器15に収容されたインク量は減少していく。廃インク収容容器からのインクの揮発成分の蒸発量や蒸発速度は、開口部18の大きさ、廃インク収容容器15や吸収体17の形状などによって異なる。
次に本実施形態において実行される吸引回復動作(単に吸引動作、回復動作、クリーニング動作とも称する)について詳細に説明する。記録ヘッド3内に所定量以上の空気が溜まると、正常にインクを吐出することができなくなる。記録ヘッド3内に空気が溜まる要因として、記録動作において吐出口からインクを吐出する際に空気が記録ヘッド3内に入り込む場合がある。また、記録装置1が放置されている場合において放置時間が所定時間以上経過することで供給チューブ4から混入した空気が記録ヘッド3内に入り込む場合がある。このようにして記録ヘッド3内に溜まった空気を排出するため、以下の吸引回復シーケンスが実行される。
図5は、本実施形態における吸引回復シーケンスのフローチャートを示す図である。まずステップS501では、記録ヘッド3の吐出口面をキャップ10により覆った状態にする(キャッピング)。次にステップS502では、供給チューブ4に設けられた開閉弁14を閉じる。そしてステップS503へ進み、吸引ポンプ6を駆動する。吸引ポンプの駆動時間や駆動速度などの条件は、記録ヘッドの構成や吸引ポンプの構成により最適に決定される。例えば、記録ヘッド3の内部の負圧を最大限に高められるようにポンプを駆動する。ステップS503において、吸引ポンプ6を駆動し所定時間が経過したら吸引ポンプ6の駆動を停止する。このとき、ステップS503における吸引ポンプによる吸引によって、キャップ10内、記録ヘッド3内および記録ヘッド3と開閉弁14の間の供給チューブ4内は負圧が高まった状態にある。次にステップS504へ進み、開閉弁14を開ける。ここで、キャップ10内、記録ヘッド3内および供給チューブ4内の高まった負圧を解消するように、インクタンク9内のインクが供給チューブ4に勢いよく流れ込む。吸引回復シーケンスの実行前に記録ヘッド3内に空気が所定量以上あった場合には、空気はキャップ10から排出され、代わりにこのインクで充填されることになる。
次にステップS505へ進み、キャップ10を開く(キャップオープン)。そしてステップS506へ進み、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインクを除去するため、ワイパにより吐出口面を払拭して清掃するワイピング動作を行う。次にステップS507では、記録ヘッド3の各ノズル内のインクを吐出に適した状態に保つため、キャップ10に対して記録ヘッド3の各吐出口から記録に寄与しないインクを吐出する予備吐出を行う。本実施形態の場合、特に1つのキャップ10で複数色(3色)の吐出口列をキャッピングし、その状態において吸引ポンプ6による吸引を行っているため、キャップ内でインクが混色し、各吐出口列の吐出口に混色インクが入り込むおそれがある。そこで、ステップS507において予備吐出を行い、各吐出口から混色インクを排出するようにしている。次にステップS508へ進み、吸引ポンプ6を駆動する。ここでの吸引ポンプ6による吸引は、キャップ10内に残ったインクを廃インク収容容器15へ排出するための吸引であり、空吸引とも称する。空吸引における吸引ポンプ6の駆動時間などの条件は、キャップ10と廃インク収容容器15との間の流路の形状や容積などに応じて決定される。そして、ステップS509へ進み、キャップ10により記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングし、本吸引回復シーケンスを終了する。
次に本発明の特徴的な制御である、記録命令を受信したときに実行されるシーケンスについて説明する。記録命令には、画像を記録する記録動作を行うための記録データや記録動作を行う前に吸引回復動作を行うための回復命令などが含まれる。図6は、本実施形態における記録命令受信時のシーケンスのフローチャートを示す図である。図6において、まずステップS601で後述するクリーニング要否確認シーケンスを実行する。その後、ステップS602へ進み、入力された記録命令に係る記録データに基づいて記録動作を実行する。
図7は、本実施形態におけるクリーニング要否確認シーケンスのフローチャートを示す図である。まずステップS701では、前回の吸引回復動作を行ってから所定時間以上が経過したか否かを判断する。これにより、次に吸引回復動作を行う必要があるか否かが判断される。本実施形態では、所定時間を40日と設定している。前回の吸引回復動作が行われてから40日が経過すると記録装置1内に約1ccの空気が混入し、記録ヘッド3内に入り込むおそれがある。記録ヘッド3内に1cc以上の空気が入り込むと、記録ヘッド3からインクを正常に吐出できなくなるおそれがある。そこで、前回の吸引回復動作からの経過時間が40日以上である場合には、吸引回復が必要であると判断している。なお、空気の混入具合は、記録装置1の設置場所や温度・湿度、動作条件などにより変わり得るが、最短の場合を想定して40日を閾値として設定している。
ステップS701で前回の吸引回復動作を行ってからの経過時間が所定時間未満であった場合は、吸引回復動作は不要であると判断し、本クリーニング要否確認シーケンスを終了する。一方、ステップS701において、前回の吸引回復動作を行ってからの経過時間が所定時間時間以上であった場合、吸引回復動作が必要であると判断し、ステップS702へ進む。
ステップS702では、廃インク収容容器15に収容可能な廃インク量(廃インク収容容器15の空き容量)が閾値V(cc)以上であるか否かを判断する。閾値Vは、吸引回復動作により排出される廃インク量に相当する量である。具体的には、本実施形態における図5の吸引回復シーケンスにおいて発生する廃インク量は、予備吐出を含め1色あたり約6ccである。本実施形態の記録ヘッドは6色の吐出口列を有しているので、1回の吸引回復動作で発生する廃インク量は約36ccということになる。そこで閾値Vを36ccに設定する。なお本実施形態に係る廃インク収容容器15の廃インク収容容量は1,000ccである。ステップS702において、廃インク収容容器15の空き容量が閾値V以上であった場合、ステップS703へ進み、図5の吸引回復シーケンスを実行する。一方、ステップS702において、廃インク収容容器15の空き容量が閾値V未満であった場合、ステップS704へ進み、吐出性能確認シーケンスを実行する。
図8は、本実施形態における吐出性能確認シーケンスのフローチャートを示す図である。図8において、まずステップS801では、廃インク収容容器15の空き容量が閾値Q(cc)未満であるか否かを判断する。閾値Qは、後述する吐出性能確認動作において排出される廃インク量に相当する量であり、具体的には0.5ccである。ここでは、廃インク収容容器15が、この後に行われる吐出性能確認動作により生じる廃インクを収容可能であるか否かを判断している。廃インク収容容器15の空き容量が閾値Q未満であった場合、ステップS802へ進み、ユーザーに対して廃インク収容容器15の交換を報知する。本実施形態では、記録装置1本体に設けられた表示パネルに廃インク収容容器の交換を促す旨のメッセージを表示する。次に、ステップS803では、ユーザーによる廃インク収容容器の交換がされたか否かを判断する。
ステップS803において廃インク収容容器の交換がされたと判断された場合、またはステップS801において廃インク収容容器の空き容量が閾値Q以上であった場合、ステップS804へ進み、吐出性能確認動作を実行する。吐出性能確認動作の内容の詳細については後述するが、吐出性能確認動作は、記録ヘッドの吐出性能が通常時と比較して低下しているか否か(記録ヘッドの吐出性能が正常か否か)を確認するものである。この吐出性能確認動作では前述したように約0.5ccの廃インクが発生するため、この吐出性能確認動作を実行するには、廃インク収容容器が少なくとも閾値Q以上の廃インクを収容可能な状態である必要がある。ステップS804で吐出性能確認動作を実行した後は、次のステップS805へ進む。ステップS805では、吐出性能確認動作の結果、記録ヘッドの吐出性能が低下していたか否かを判断する。ステップS805において記録ヘッドの吐出性能が低下していない(記録ヘッドの吐出性能が正常である)と判断された場合、本吐出性能確認シーケンスを終了する。一方、ステップS805において記録ヘッドの吐出性能が低下している(記録ヘッドの吐出性能が正常でない)と判断された場合、ステップS806へ進む。ステップS806では、廃インク収容容器15の空き容量が閾値V(cc)以上であるか否かを判断する。閾値Vは、前述したように、吸引回復動作により排出される廃インク量に相当する量であり、36ccである。ステップS806で廃インク収容容器の空き容量が閾値V未満であった場合、ステップS807へ進む。ここで、ステップS805において記録ヘッドの吐出性能は低下していると判断されているため、吸引回復シーケンスを実行して記録ヘッドの吐出性能を回復する必要がある。しかし、現在の廃インク収容容器では吸引回復シーケンスにより発生する廃インクを収容できない状態になっている。そこで、ステップS807では、廃インク収容容器の交換をユーザーに報知する。具体的には、記録装置1本体に設けられた表示パネルに廃インク収容容器の交換を促す旨のメッセージを表示する。
ステップS808において廃インク収容容器の交換がされたと判断された場合、またはステップS806において廃インク収容容器の空き容量が閾値V以上であった場合、ステップS809へ進み、図5の吸引回復シーケンスを実行する。ステップS809で吸引回復シーケンスを実行した後、本吐出性能確認シーケンスを終了する。
次に、図8のステップS804で実行する吐出性能確認動作について詳細に説明する。図9は、本実施形態における吐出性能確認動作のフローチャートを示す図である。ここでは、記録ヘッド3に形成された6つの吐出口列のうち、シアンインクを吐出する吐出口列の吐出口についての吐出性能を確認する例について説明するが、他色のインクの吐出口についても同様である。
図9において、まずステップS901では、ヘッド温度センサ112により測定された記録ヘッド3の温度に関する情報を取得する。ここでは、予備吐出動作を行う前の温度T0を取得する。次にステップS902へ進み、キャップ10に対し吐出口から記録に寄与しないインクを吐出する予備吐出動作(吐出動作)を行う。1回の予備吐出動作では、1つの吐出口あたり5kHzの吐出周波数で500発のインク滴を吐出する。次にステップS903では、ヘッド温度センサ112により上記の予備吐出動作を行った後の温度T1を取得する。次にステップS904へ進み、ステップS903で取得した温度T1とステップS901で取得した温度T0との差分温度ΔT、すなわち{T1−T0}を計算し、予め設定された閾値温度ΔTthとの比較を行う。閾値温度ΔTthは、記録ヘッドに不吐出が発生しているか否かを判断するための閾値である。詳細は後述する。ステップS904では、差分温度ΔTが閾値温度ΔTth未満であるか否かを判断する。差分温度ΔTが閾値温度ΔTth未満であれば、ステップS905へ進む。ステップS905では、ステップS902の予備吐出動作が予め定めた所定回数実施されたか否かを判断する。本実施形態では、ステップS902の予備吐出動作を10回繰り返し行うように設定されている。ステップS905で予備吐出動作が10回実施されていなかった場合、ステップS902へ戻り、再度の予備吐出動作を行う。ここで、再度ステップS903で温度T1を取得し、再度ステップS904で差分温度ΔT{=T1−T0}を計算して差分温度ΔTと閾値温度ΔTthとの比較を行うが、ここでの閾値温度ΔTthは予備吐出動作を行う毎に値が異なるように設定されている。
図10に、予備吐出累積発数と閾値温度との関係を示す。図10に示すように、1回目の予備吐出動作からのインク滴の累積発数(吐出数)が多くなるほど、閾値温度ΔTthは高い値に設定される。本実施形態においては、1回の予備吐出動作において吐出周波数5kHzで500発のインク滴が吐出されるため、1回目の予備吐出動作では閾値温度ΔTthは12(度)に設定される。そして、2回目の予備吐出動作では、累積発数は1000発となるため、閾値温度ΔTthは15(度)に設定される。以降、3回目、4回目の予備吐出動作では、閾値温度ΔTthは17(度)、19(度)と設定されていく。なお、図10の閾値温度ΔTthはシアンを対象として設定された数値であるが、インクの種類や記録ヘッドの構造等を考慮して、色毎に最適な数値を設定しても良い。
図9の説明に戻る。ステップS904において、このように差分温度ΔTと閾値温度ΔTthとを比較し、差分温度ΔTが閾値温度ΔTth以上となった場合、ステップS907へ進む。ここで、差分温度ΔTが閾値温度ΔTth以上となったとき、記録ヘッドの吐出性能が低下していることを示している。これは、記録ヘッド3内に気泡が蓄積すると、予備吐出動作においてインクが吐出されない不吐出が発生する。すると、インクを吐出するために記録ヘッド3に入力されたエネルギーと比較して、インクの吐出によって消費されるエネルギーが小さくなる。結果、記録ヘッド3の差分温度ΔTが上昇する。つまり、差分温度ΔTが閾値温度ΔTth以上になっているとき、記録ヘッドに不吐出が発生している、すなわち記録ヘッドの吐出性能が低下していると判断される。そこで、ステップS907では、記録ヘッドの吐出性能が低下していると判断して、本吐出性能確認動作を終了する。
一方、ステップS904において、所定回数の予備吐出動作を行った後のいずれの差分温度ΔTも閾値温度ΔTth未満であった場合、ステップS906へ進み、記録ヘッドの吐出性能は低下していないと判断する。差分温度ΔTが、閾値温度ΔTth未満であった場合には、記録ヘッド3内に蓄積した気泡による影響は小さいものと推定される。すなわち、インクの吐出によって記録ヘッド内のエネルギーが十分に消費されているため、インクの不吐出によって記録ヘッドの差分温度ΔTが必要以上に大きくなってはいないと判断される。そこで、ステップS907では、記録ヘッドの吐出性能は低下してないと判断して、本吐出性能確認動作を終了する。
以上、本実施形態では、記録動作を行う前に、前回の吸引回復動作から所定時間以上が経過しており、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作で発生する廃インク量より少ない場合でも、直ぐには廃インク収容容器の交換を報知しない。まずは記録ヘッドの吐出性能が低下しているか否かを判断し、記録ヘッドの吐出性能が低下していると判断された場合に廃インク収容容器の交換を報知し、廃インク収容容器の交換がされたら吸引回復動作を行う。一方、記録ヘッドの吐出性能が低下していないと判断された場合は、吸引回復動作を行わずに記録動作が可能である。一般的に、吸引回復動作で発生する廃インク量よりも、記録動作で発生する廃インク量の方が少ない。この場合、廃インク収容容器には、吸引回復動作で発生する廃インクは収容できないが、記録動作で発生する廃インクを収容することはできることから、廃インク収容容器を収容可能な限界値に近づけて使用することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、廃インク収容容器を効率よく使用することができる。
また、本実施形態で説明した吐出性能確認シーケンスは、吸引回復動作ほどではないもののインクの消費を伴い、また記録動作前のクリーニングにおいてユーザーを待たせてしまいスループットを低下させるおそれがある。そのため、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作で発生する廃インク量より多い場合は、そのまま確認動作を行わずに吸引回復動作を行うことが好ましい。そして、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作で発生する廃インク量より少ない場合に、吸引回復動作を行わずに確認動作を行うこととする。
なお、本実施形態では、記録ヘッドの吐出性能を確認する方法として、予備吐出動作を行う前後の温度をヘッド温度センサにより測定する方法を用いたが、本発明はこれに限定されず、他の方法により記録ヘッドの吐出性能を確認しても良い。例えば、発光素子と受光素子とから構成された光学センサを用いて、インク滴の吐出・不吐出を検知する方法を用いても良い。
以上、本実施形態によれば、記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、また記録動作の際に必要以上にユーザーを待たせることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る記録装置と同じ構成についてはその説明を省略する。第1実施形態では、記録動作を実行する前におけるクリーニング動作の要否を判断する構成であった。第2実施形態では、記録装置のスタンバイ状態におけるクリーニング動作の要否を判断する構成について説明する。
記録装置に電源が入っているが記録動作を行っていない状態をいわゆるスタンバイ状態と称している。そして、スタンバイ状態において、記録装置は所定の時間間隔ごとに回復命令を指示し、スタンバイ時クリーニング確認シーケンスを実行する。
図11は、本実施形態におけるスタンバイ時クリーニング確認シーケンスのフローチャートを示す図である。図11において、まずステップS1101では、前回のクリーニング要否確認シーケンスを実行してからの経過時間Tstが予め定められた所定時間Tα以上であるか否かを判断する。経過時間Tstが所定時間Tα未満であった場合、本スタンバイ時クリーニング確認シーケンスを終了し、スタンバイ状態に戻る。経過時間Tstが所定時間Tα以上であった場合、ステップS1102へ進み、クリーニング要否確認シーケンスを実行する。クリーニング要否確認シーケンスは、第1実施形態において図7を用いて説明したものと同様であるため、ここではその説明を省略する。クリーニング要否確認シーケンスを実行した後、ステップS1103へ進み、経過時間Tstを0にリセットして、本スタンバイ時クリーニング確認シーケンスを終了する。
なお、本実施形態では、記録装置は所定の時間間隔ごとに回復命令を指示する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、予め定めた時刻に従って回復命令を指示し、前述したスタンバイ時クリーニング確認シーケンスを実行する形態としても良い。
以上、本実施形態によれば、スタンバイ状態のときにクリーニング要否確認シーケンスを実行する。クリーニング要否確認シーケンスでは、吸引回復動作が必要と判断され、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作で排出される廃インク量よりも多い場合は、吸引回復動作を実行する。一方、吸引回復動作が必要と判断されたが、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作で排出される廃インク量よりも少ない場合は、吸引回復動作を実行せず、吐出性能確認動作を実行する。そして、吐出性能確認動作により記録ヘッドの吐出性能が低下していると判断した場合に、廃インク収容容器の交換をユーザーに報知し、廃インク収容容器が交換されたら吸引回復動作を実行する。
以上、本実施形態によれば、記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、またクリーニング動作に必要以上に時間をかけることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上記実施形態に係る記録装置と同じ構成についてはその説明を省略する。第3実施形態でも、第2実施形態と同様に、記録装置のスタンバイ状態におけるクリーニング動作の要否を判断する構成である。しかしながら、図11のスタンバイ時クリーニング確認シーケンスのステップS1102において実行されるクリーニング要否確認シーケンスの内容が異なる。
図12は、本実施形態におけるクリーニング要否確認シーケンスのフローチャートを示す図である。図12において、クリーニング要否確認シーケンスが実行されると、まずS1202で前回の吸引回復動作を行ってから所定時間以上が経過したか否かを判断し、次の吸引回復動作を行う必要があるか否かが判断される。前回の吸引回復動作を行ってから所定時間以上が経過していなかった場合は、本クリーニング要否確認シーケンスを終了する。一方、前回の吸引回復動作を行ってから所定時間以上が経過していた場合は、ステップS1202へ進む。ステップS1202では、廃インク収容容器の空き容量が閾値V(cc)以上であるか否かを判断する。閾値Vは、第1実施形態で説明したものと同様、吸引回復動作により排出される廃インク量に相当する量である。ステップS1202で廃インク収容容器の空き容量が閾値V以上であった場合、ステップS1204へ進み、吸引回復シーケンスを実行する。吸引回復シーケンスは、第1実施形態において図5を用いて説明したものと同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS1204で吸引回復シーケンスを実行した後、本クリーニング要否確認シーケンスを終了する。一方、ステップS1202で廃インク収容容器の空き容量が閾値V未満であった場合も、そのまま本クリーニング要否確認シーケンスを終了する。
第2実施形態では、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作により排出される廃インク量より少ない場合、吐出性能確認シーケンスを実行していた。一方、本実施形態では、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復動作により排出される廃インク量より少ない場合、吐出性能確認シーケンスを実行しない。
本実施形態では、吐出性能確認シーケンスを実行していないので、第2実施形態と比較して、記録動作開始時に吸引回復が必要となるおそれが高まる。一方、廃インク収容容器は、時間の経過と共に収容された廃インクの揮発成分が蒸発し、廃インク収容容器の空き容量は増えていく。そのため、あるタイミングでは廃インク収容容器の空き容量が吸引回復による廃インク量より少ない場合でも、時間が経過することで、廃インク収容容器の空き容量が吸引回復による廃インク量より多くなる場合がある。このような場合、廃インク収容容器を交換せずに吸引回復を行うことが可能となり、廃インク収容容器をより効率よく使用することができる。
なお、廃インクの揮発成分の蒸発も考慮して廃インク収容容器の空き容量を管理する方法としては、一般に知られた種々の方法を用いることができる。例えば、廃インクが収容された時点からの経過時間やその時々の温度や湿度に応じて蒸発量を算出し、その蒸発量を廃インク量から減算する方法などを採用することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上記実施形態に係る記録装置と同じ構成についてはその説明を省略する。第4実施形態でも、第1実施形態と同様に、記録装置が記録命令を受信したときのクリーニング動作の要否を判断する構成である。しかしながら、記録動作を実行する前にクリーニング要否確認シーケンスを実行するだけでなく、記録命令を実行した後にもクリーニング要否確認シーケンスを事項する点が異なる。
図13は、本実施形態における記録命令受信時のシーケンスのフローチャートを示す図である。図13において、記録データを含む記録命令を受信すると、まずステップS1301でクリーニング要否確認シーケンスを実行する。クリーニング要否確認シーケンスは、第1実施形態において図7を用いて説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
クリーニング要否確認シーケンスが実行された後、ステップS1302へ進み、入力された記録命令に係る記録データに基づいて記録動作を実行する。次に、ステップS1303では、再度のクリーニング要否確認シーケンスを実行する。
本実施形態では、記録動作の開始前だけでなく、記録動作の終了後にもクリーニング要否確認シーケンスを実行している。記録動作の終了後にクリーニング要否確認シーケンスを実行し、必要な場合に吸引回復動作を行うことで、次回の記録動作の開始前に吸引回復が実行される機会を減らすことができ、スループットの低下を抑えることができる。
なお、特に記録動作の終了後のクリーニング要否確認シーケンス(ステップS1304)において、吸引回復動作の必要性の判断は、前回の吸引回復からの各吐出口からの吐出量(吐出発数)から判断しても良い。すなわち、図7のステップS701において、前回の吸引回復からの経過時間が所定時間以上か否かの判断に代えて、またはその判断に加えて、前回の吸引回復からの各吐出口からの吐出量が閾値(所定量)を超えたか否かの判断をしても良い。吐出口からのインクの吐出に伴い、記録ヘッド内に微小な空気が入り込んでいくため、吐出発数を計測し、吐出発数が閾値を超えた場合に吸引回復が必要であると判断することができる。吐出発数の閾値はインクの色などによっても異なってくるが、例えば、吐出口列あたり、4×10E10(発)を閾値として用いることができる。
以上、本実施形態によれば、記録ヘッドの吐出性能を低下させることなく、また次回の記録動作を行う際に必要以上にユーザーを待たせることなく、廃インク収容容器を効率よく使用することができる。
1 記録装置
3 記録ヘッド
7 回復処理装置
15 廃インク収容容器

Claims (16)

  1. インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの吐出性能を回復する回復動作を行う回復手段と、前記記録ヘッドの吐出性能を確認する確認動作を行う確認手段と、前記回復動作により前記記録ヘッドから排出された廃インクを収容する廃インク収容容器と、回復命令を受信すると前記回復動作を実行する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記回復命令を受信したとき、前記廃インク収容容器の空き容量が第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、前回の回復動作を実行してからの経過時間が所定時間より大きいとき、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より多い場合は前記回復動作を実行し、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドは、記録命令に基づきインクを吐出して画像を記録する記録動作を行い、
    前記制御手段は、前記記録命令があったとき、前記記録動作を実行する前に、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より多い場合は前記回復動作を実行し、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記記録動作を実行した後にも、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より多い場合は前記回復動作を実行し、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より少ない場合に前記確認動作を実行し、該確認動作により前記記録ヘッドの吐出性能が正常であると確認された場合は前記記録動作を実行し、前記確認動作により前記記録ヘッドの吐出性能が正常でないと確認された場合はユーザーに対して前記廃インク収容容器の交換を報知することを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記廃インク収容容器の交換を報知した後に前記廃インク収容容器が交換されたと判断したら前記回復動作を実行することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記確認動作を実行する際、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値より少なかった場合は前記確認動作を実行する前にユーザーに対して前記廃インク収容容器の交換を報知することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第2の閾値は、前記確認動作により排出される廃インク量に相当する量であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記制御手段は、前記廃インク収容容器の交換を報知した後に前記廃インク収容容器が交換されたと判断したら前記確認動作を実行することを特徴とする請求項7または8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記制御手段は、前回の回復動作を実行してからの前記記録ヘッドからの吐出量が所定量より大きいとき、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より多い場合は前記回復動作を実行し、前記廃インク収容容器の空き容量が前記第1の閾値より少ない場合は前記回復動作を実行せずに前記確認動作を実行することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記回復手段は、前記記録ヘッドの吐出口面を覆うキャップと、該キャップが前記吐出口面を覆った状態において前記キャップの内部を負圧にする吸引ポンプとを有し、該吸引ポンプにより前記記録ヘッドからインクを吸引することによって前記回復動作を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録ヘッドは、所定量のインクを吐出する吐出動作を行い、
    前記確認手段は、前記記録ヘッドの温度を測定する温度センサを有し、該温度センサにより前記記録ヘッドの前記吐出動作を行う前の温度と前記記録ヘッドの前記吐出動作を行った後の温度とを測定することによって前記確認動作を行うことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記確認手段は、前記確認動作において、前記記録ヘッドの前記吐出動作を行う前の温度と前記記録ヘッドの前記吐出動作を行った後の温度との差分温度が閾値温度よりも小さい場合に前記記録ヘッドの吐出性能は正常であると判断し、前記差分温度が前記閾値温度よりも大きい場合に前記記録ヘッドの吐出性能は正常でないと判断することを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記廃インク収容容器は、廃インクを吸収する吸収体を有することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記第1の閾値は、前記回復動作により排出される廃インク量に相当する量であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  16. インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの吐出性能を回復する回復動作を行う回復手段と、前記回復動作により前記記録ヘッドから排出された廃インクを収容する廃インク収容容器と、回復命令を受信すると前記回復動作を実行する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記回復命令を受信したとき、前記廃インク収容容器の空き容量が閾値より少ない場合は前記回復動作を実行しないことを特徴とするインクジェット記録装置。
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