JP2019071497A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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倫章 村上
Tomoaki Murakami
倫章 村上
岡 徹
Toru Oka
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Abstract

【課題】半導体装置において、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現する。【解決手段】半導体装置は、窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層と;オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって半導体層の上に形成され、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜と;酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって第1の絶縁膜の上に形成され、酸化物から主に成り、第1の絶縁膜より低い濃度で炭素(C)を含有する第2のゲート絶縁膜と;第2のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体装置(半導体デバイス、半導体素子)としては、窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体を用いたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)が知られている。このようなGaN系のMOSFETは、GaNから主になる半導体層と、半導体層の上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とを備える。MOSFETでは、チャネル移動度を十分に確保するとともに、ゲートリーク電流を抑制することが求められる。ここで、チャネル移動度は、半導体層のチャネル領域を移動するキャリアの移動しやすさであり、ゲートリーク電流は、半導体層からゲート絶縁膜を越えてゲート電極へと流れる電流である。
特許文献1には、GaN系のMOSFETにおいて、ゲート絶縁膜の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制するために、シリコン窒化物から成る第1のゲート絶縁膜の上に、酸化物から成る第2のゲート絶縁膜を形成する技術が記載されている。特許文献1には、第1のゲート絶縁膜を形成する方法として、触媒化学気相成長法(Cat−CVD:Catalytic Chemical Vapor Deposition)が記載されている。
特許文献2には、GaN系の高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)においてゲートリーク電流を抑制するために、ゲート絶縁膜である上部絶縁膜と下部絶縁膜との間にp型半導体である酸化物膜を形成する技術が記載されている。特許文献2には、上部絶縁膜および下部絶縁膜を形成する方法として、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、プラズマ化学気相成長(PlasmaCVD:Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition)、および、スパッタリング(Sputtering)が記載されている。
特開2008−103408号公報 特開2013−74069号公報
特許文献1の技術では、ゲート絶縁膜の膜質を向上させるためにALDを用いてゲート絶縁膜を形成する場合、ALDによって窒化物膜を形成するには、酸化物膜を形成するよりも大きなプラズマエネルギーが必要になるため、かえってチャネル移動度を低下させてしまうという課題があった。また、特許文献2の技術では、上部絶縁膜と下部絶縁膜との間にp型半導体を形成するため、ゲート絶縁膜の構造および製造工程が複雑になるという課題があった。そのため、GaN系のMOSFETにおいて、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる技術が望まれていた。そのほか、半導体装置およびその製造方法においては、微細化、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上、耐久性の向上などが望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、半導体装置が提供される。この半導体装置は、窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層と;オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記半導体層の上に形成され、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜と;酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記第1の絶縁膜の上に形成され、酸化物から主に成り、前記第1の絶縁膜より低い濃度で炭素(C)を含有する第2のゲート絶縁膜と;前記第2のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とを備える。この形態によれば、第1のゲート絶縁膜によって第2のゲート絶縁膜の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制できるとともに、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流を抑制できる。したがって、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる。
(2)上記形態の半導体装置において、前記第2のゲート絶縁膜の炭素濃度は、1×1019原子/cm未満であってもよい。この形態によれば、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流を十分に抑制できる。
(3)上記形態の半導体装置において、前記第1のゲート絶縁膜の厚さは、2nm以上20nm以下であってもよい。この形態によれば、第1のゲート絶縁膜の膜厚が不足することに起因するチャネル移動度の低下を防止するとともに、第1のゲート絶縁膜の膜厚が過剰になることに起因するゲートリーク電流の増加を抑制することができる。
(4)上記形態の半導体装置において、前記第2のゲート絶縁膜は、前記第1のゲート絶縁膜より厚くてもよい。この形態によれば、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流をいっそう抑制できる。
(5)上記形態の半導体装置において、前記半導体層は、前記半導体層の厚さ方向に落ち込んだ溝部を有し、前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜は、前記溝部の外側から内側にわたって形成されていてもよい。この形態によれば、溝部に形成された第1および第2のゲート絶縁膜によって、チャネル移動度の低下を抑制するとともにゲートリーク電流を抑制することができる。
(6)上記形態の半導体装置において、前記第1のゲート絶縁膜の主成分は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)および酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれかであり、前記第2のゲート絶縁膜の主成分は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)および酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれかであってもよい。この形態によれば、第1および第2のゲート絶縁膜を容易に実現できる。
(7)本発明の一形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層の上に、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜を、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し;前記第1の絶縁膜の上に、酸化物から主に成る第2のゲート絶縁膜を、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し;前記第2のゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する。この形態によれば、第1のゲート絶縁膜によって第2のゲート絶縁膜の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制できるとともに、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流を抑制できる。したがって、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる。
(8)上記形態における半導体装置の製造方法において、2nm以上20nm以下の膜厚で前記第1のゲート絶縁膜を形成してもよい。この形態によれば、第1のゲート絶縁膜の膜厚が不足することに起因するチャネル移動度の低下を防止するとともに、第1のゲート絶縁膜の膜厚が過剰になることに起因するゲートリーク電流の増加を抑制することができる。
(9)上記形態における半導体装置の製造方法において、前記第2のゲート絶縁膜を前記第1のゲート絶縁膜より厚く形成してもよい。この形態によれば、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流をいっそう抑制できる。
(10)上記形態における半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜を形成する前に、前記半導体層の厚さ方向に落ち込んだ溝部を前記半導体層に形成し、前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜を、前記溝部の外側から内側にわたって形成してもよい。この形態によれば、溝部に形成された第1および第2のゲート絶縁膜によって、チャネル移動度の低下を抑制するとともにゲートリーク電流を抑制することができる。
(11)上記形態における半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜を形成する前に、前記半導体層の表面をウェットエッチングによって処理してもよい。この形態によれば、第1のゲート絶縁膜を形成する前に形成された半導体層の損傷を除去できる。したがって、半導体層におけるチャネル移動度を向上させることができる。
(12)上記形態における半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜を形成する際、前記半導体層の温度を200℃以上600℃以下に維持してもよい。この形態によれば、第1および第2のゲート絶縁膜を形成する際の温度不足に起因するゲートリーク電流の増加を抑制するとともに、第1および第2のゲート絶縁膜を形成する際の温度過剰に起因する第1および第2のゲート絶縁膜における膜質の低下を抑制することができる。
(13)上記形態における半導体装置の製造方法において、2原子%以上30原子%以下のオゾンを含有する酸化剤を用いた原子層堆積法によって前記第1のゲート絶縁膜を形成してもよい。この形態によれば、オゾン不足に起因する第1のゲート絶縁膜の形成不良を防止するとともに、オゾン過剰に起因する第1のゲート絶縁膜における膜質の低下を抑制することができる。
(14)上記形態における半導体装置の製造方法において、200W以上2000W以下の高周波電源による酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記第2のゲート絶縁膜を形成してもよい。この形態によれば、高周波電源の電力不足に起因するゲートリーク電流の増加を防止するとともに、高周波電源の電力過剰に起因する第2のゲート絶縁膜における膜質の低下を抑制することができる。
(15)上記形態における半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜に対して300℃以上900℃以下でアニール処理を行ってもよい。この形態によれば、不十分なアニール処理によって第1および第2の絶縁膜に残留する炭素に起因するゲートリーク電流の増加を防止するとともに、過剰なアニール処理による第1および第2の絶縁膜の変質に起因するゲートリーク電流の増加を防止することができる。
本発明は、半導体装置およびその製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、上記形態の半導体装置が組み込まれた電気機器、上記形態の半導体装置を製造する製造装置などの形態で実現することができる。
本願発明の半導体装置およびその製造方法によれば、第1のゲート絶縁膜によって第2のゲート絶縁膜の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制できるとともに、第2のゲート絶縁膜によってゲートリーク電流を抑制できる。したがって、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる。
第1実施形態における半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 第1実施形態における半導体装置の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態における半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 第2実施形態における半導体装置の製造方法を示す工程図である。 第1評価試験に用いた半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 第1評価試験におけるキャリア移動度に関する評価結果を示すグラフである。 第1評価試験におけるゲートリーク電流に関する評価結果を示すグラフである。 第2評価試験に用いた試料の構成を模式的に示す断面図である。 第2評価試験におけるアニール処理前の元素分析結果を示すグラフである。 第2評価試験におけるアニール処理後の元素分析結果を示すグラフである。
A.第1実施形態
A−1.半導体装置の構成
図1は、第1実施形態における半導体装置100の構成を模式的に示す断面図である。半導体装置100は、窒化ガリウム(GaN)を用いて形成されたGaN系の半導体装置である。本実施形態では、半導体装置100は、横型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。本実施形態では、半導体装置100は、電力制御に用いられ、パワーデバイスとも呼ばれる。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸のうち、X軸は、図1の紙面左から紙面右に向かう軸である。+X軸方向は、紙面右に向かう方向であり、−X軸方向は、紙面左に向かう方向である。図1のXYZ軸のうち、Y軸は、図1の紙面手前から紙面奥に向かう軸である。+Y軸方向は、紙面奥に向かう方向であり、−Y軸方向は、紙面手前に向かう方向である。図1のXYZ軸のうち、Z軸は、図1の紙面下から紙面上に向かう軸である。+Z軸方向は、紙面上に向かう方向であり、−Z軸方向は、紙面下に向かう方向である。
半導体装置100は、基板110と、バッファ層111と、半導体層114と、半導体層116と、半導体層117と、半導体層118とを備える。半導体装置100は、更に、ゲート絶縁膜130と、ソース電極141と、ゲート電極142と、ドレイン電極143とを備える。
半導体装置100の基板110は、X軸およびY軸に沿って広がる板状を成す。本実施形態では、基板110は、ケイ素(Si)から主に成る。
半導体装置100のバッファ層111は、基板110の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。バッファ層111は、基板110と半導体層114との間に介在する。バッファ層111は、エピタキシャル成長(結晶成長)によって基板110の上に形成された層である。本実施形態では、バッファ層111は、基板110の上に形成された窒化アルミニウム(AlN)から主に成るアンドープ層と、その層の上に形成された窒化ガリウム(GaN)から主に成るアンドープ層とを備える。
半導体装置100の半導体層114は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るp型半導体層である。半導体層114は、バッファ層111の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層114は、エピタキシャル成長によってバッファ層111の上に形成された層である。本実施形態では、半導体層114は、マグネシウム(Mg)をアクセプタとして含有する。
半導体装置100の半導体層116は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層116は、半導体層114の+Z軸方向側の一部に対するイオン注入によって形成された領域である。本実施形態では、半導体層116は、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置100の半導体層117は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層117は、半導体層114の+Z軸方向側の一部に対するイオン注入によって形成された領域である。本実施形態では、半導体層117は、半導体層116より+X軸方向側に位置し、半導体層116と半導体層117との間には、半導体層114が介在する。本実施形態では、半導体層117は、半導体層116,118より低い濃度で、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置100の半導体層118は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層118は、半導体層116と同様に、半導体層114の+Z軸方向側の一部に対するイオン注入によって形成された領域である。本実施形態では、半導体層118は、半導体層117の+X軸方向側に隣接する。本実施形態では、半導体層118は、半導体層116と同等の濃度で、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置100のゲート絶縁膜130は、電気絶縁性を有する膜である。ゲート絶縁膜130は、半導体層114,116,117,118の各半導体層における+Z軸方向側の界面を覆う。ゲート絶縁膜130は、第1のゲート絶縁膜131と、第2のゲート絶縁膜132とを備える。
第1のゲート絶縁膜131は、電気絶縁性を有し、酸化物から主に成る絶縁膜である。本実施形態では、第1のゲート絶縁膜131の主成分は、二酸化ケイ素(SiO)である。第1のゲート絶縁膜131は、半導体層114,116,117,118の各半導体層の上に、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)によって形成された膜である。第1のゲート絶縁膜131は、第2のゲート絶縁膜132より高い濃度で炭素(C)を含有する。
第1のゲート絶縁膜131の厚さ(Z軸方向の長さ)は、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現する観点から、2nm(ナノメートル)以上20nm以下であることが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、第1のゲート絶縁膜131の厚さが2nm未満では、キャリア移動度が低下する傾向があり、第1のゲート絶縁膜131の厚さが20nm超過では、ゲートリーク電流が増加する傾向があった。
第2のゲート絶縁膜132は、電気絶縁性を有し、酸化物から主に成る絶縁膜である。本実施形態では、第2のゲート絶縁膜132の主成分は、第1のゲート絶縁膜131と同様に、二酸化ケイ素(SiO)である。第2のゲート絶縁膜132は、第1のゲート絶縁膜131の上に、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。
第2のゲート絶縁膜132は、第1のゲート絶縁膜131より低い濃度で炭素(C)を含有する。第2のゲート絶縁膜132によってゲートリーク電流を十分に抑制する観点から、第2のゲート絶縁膜132における炭素濃度は、1×1019原子/cm未満であることが好ましい。本実施形態では、ゲート絶縁膜130における炭素(C)の平均濃度は、第1のゲート絶縁膜131では約4×1019原子/cmであり、第2のゲート絶縁膜132では約3×1018原子/cmである。
第2のゲート絶縁膜132の厚さ(Z軸方向の長さ)は、ゲートリーク電流の低減を実現する観点から、第1のゲート絶縁膜131より厚いことが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、第2のゲート絶縁膜132の厚さは、第1のゲート絶縁膜131の4倍以上であることがさらに好ましく、9倍以上であることがいっそう好ましい。
ゲート絶縁膜130は、コンタクトホール121と、コンタクトホール123とを有する。コンタクトホール121は、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を貫通して半導体層116に至る貫通孔である。コンタクトホール123は、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を貫通して半導体層118に至る貫通孔である。本実施形態では、コンタクトホール121,123は、ゲート絶縁膜130に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置100のソース電極141は、コンタクトホール121に形成された電極である。ソース電極141は、半導体層116に対してオーミック接触する。本実施形態では、ソース電極141は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
半導体装置100のゲート電極142は、ソース電極141とドレイン電極143との間におけるゲート絶縁膜130の上に形成された電極である。ゲート電極142は、半導体層116と半導体層117との間に挟まれた半導体層114の領域に対して+Z軸方向側に位置する。本実施形態では、ゲート電極142は、アルミニウム(Al)から主に成る。ゲート電極142に電圧が印加された場合、半導体層116と半導体層117との間に挟まれた半導体層114の領域に反転層が形成され、この反転層がチャネルとして機能することによって、ソース電極141とドレイン電極143との間に導通経路が形成される。
半導体装置100のドレイン電極143は、コンタクトホール123に形成された電極である。ドレイン電極143は、半導体層118に対してオーミック接触する。本実施形態では、ドレイン電極143は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
A−2.半導体装置の製造方法
図2は、第1実施形態における半導体装置100の製造方法を示す工程図である。まず、製造者は、エピタキシャル成長によって、基板110の上にバッファ層111を形成し、その後、バッファ層111の上に半導体層114を形成する(工程P110)。
基板110上に半導体層114を形成した後(工程P110)、製造者は、半導体層114に対してイオン注入を行うことによって、半導体層116,117,118を形成する(工程P120)。他の実施形態では、製造者は、不純物拡散および選択再成長などの他の方法を用いて、半導体層116,117,118の少なくとも1つの半導体層を形成してもよい。
イオン注入を行った後(工程P120)、製造者は、ウェットエッチングによって半導体層114,116,117,118の各表面を処理する(工程P140)。これによって、イオン注入(工程P120)によって形成された各半導体層の損傷を除去できる。本実施形態では、製造者は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:Tetramethylammonium hydroxide)をエッチング液として用いる。他の実施形態では、製造者は、ウェットエッチング(工程P140)を省略してもよい。
ウェットエッチングを行った後(工程P140)、製造者は、半導体層114,116,117,118の各半導体層の上に、オゾン(O)を酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)によって、第1のゲート絶縁膜131を形成する(工程P152)。本実施形態では、製造者は、半導体層114,116,117,118の各半導体層の上に、第1のゲート絶縁膜131として二酸化ケイ素(SiO)を堆積させる。キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現する観点から、第1のゲート絶縁膜131の厚さは、2nm以上20nm以下であることが好ましい。
本実施形態では、オゾン(O)を酸化剤として用いたALD(工程P152)において、製造者は、製造途中の半導体装置100を反応室に配置した後、第1のゲート絶縁膜131が所望の厚さになるまで、次の工程a1〜a4を繰り返す。
(工程a1)反応室に原料ガスを投入
(工程a2)反応室から原料ガスをパージ
(工程a3)反応室に酸化剤としてオゾン(O)を投入
(工程a4)反応室からオゾンをパージ
オゾン(O)を酸化剤として用いたALD(工程P152)において、酸化剤のオゾン濃度は、2原子%以上30原子%以下であることが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、オゾン濃度が2原子%未満である場合、成膜が不安定となる傾向があり、オゾン濃度が30原子%超過である場合、膜厚が不均一になる傾向があった。本実施形態では、酸化剤のオゾン濃度は、8原子%である。
第1のゲート絶縁膜131を形成した後(工程P152)、製造者は、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって、第1のゲート絶縁膜131の上に第2のゲート絶縁膜132を形成する(工程P154)。本実施形態では、製造者は、第1のゲート絶縁膜131の上に、第2のゲート絶縁膜132として二酸化ケイ素(SiO)を堆積させる。ゲートリーク電流の低減を実現する観点から、第2のゲート絶縁膜132の厚さは、第1のゲート絶縁膜131より厚いことが好ましく、第1のゲート絶縁膜131の4倍以上であることがさらに好ましく、9倍以上であることがいっそう好ましい。
本実施形態では、酸素プラズマを酸化剤として用いたALD(工程P154)において、製造者は、オゾン(O)を酸化剤として用いたALD(工程P152)に引き続き、第2のゲート絶縁膜132が所望の厚さになるまで、次の工程b1〜b5を繰り返す。
(工程b1)反応室に原料ガスを投入
(工程b2)反応室から原料ガスをパージ
(工程b3)反応室に酸化剤として酸素(O)を投入
(工程b4)高周波電源によって反応室内にプラズマを生成
(工程b5)反応室から酸素をパージ
酸素プラズマを酸化剤として用いたALD(工程P154)において、プラズマを発生させる高周波電源の電力は、200W(ワット)以上2000W以下であることが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、高周波電源の電力が200W未満である場合、ゲートリーク電流が増加する傾向があり、高周波電源の電力が2000W超過である場合、膜厚が不均一になる傾向があった。本実施形態では、高周波電源の電力は、500Wである。
酸素プラズマを用いたALD(工程P154)の酸化力は、オゾンを用いたALD(工程P152)より強力である。そのため、酸素プラズマを用いたALD(工程P154)の成膜率は、オゾンを用いたALD(工程P152)より高い。そのため、大気中から第2のゲート絶縁膜132に取り込まれる炭素(C)の量は、第1のゲート絶縁膜131より少なくなると考えられる。本実施形態では、オゾンを用いたALD(工程P152)の成膜率は、約3.3×10−2nm/サイクルであり、酸素プラズマを用いたALD(工程P154)の成膜率は、約6.6×10−2nm/サイクルである。本実施形態では、オゾンを用いたALD(工程P152)による炭素濃度は、約8.0×1021原子/cmであり、酸素プラズマを用いたALD(工程P154)による炭素濃度は、約1.0×1021原子/cmである。
第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を形成する際(工程P152,P154)、半導体層114,116,117,118の各半導体層の温度を200℃以上600℃以下に維持することが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、各半導体層の温度が200℃未満である場合、ゲートリーク電流が増加する傾向があり、各半導体層の温度が600℃超過である場合、成膜途中に原料が分解するため膜厚が不均一になる傾向があった。本実施形態では、製造者は、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を形成する際(工程P152,P154)、製造途中の半導体装置100を載置するステージ(台)の温度を350℃に調整することによって、半導体層114,116,117,118の各半導体層の温度を350℃に維持する。
第2のゲート絶縁膜132を形成した後(工程P154)、製造者は、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132に対してアニール処理(熱処理)を行う(工程P158)。第2のゲート絶縁膜132によってゲートリーク電流を十分に抑制する観点から、アニール処理(工程P158)では、第2のゲート絶縁膜132における炭素濃度を1×1019原子/cm未満にすることが好ましい。本実施形態では、アニール処理(工程P158)によって、第1のゲート絶縁膜131における炭素濃度は、約4×1019原子/cmになり、第2のゲート絶縁膜132における炭素濃度は、約3×1018原子/cmになる。
本実施形態では、アニール処理(工程P158)の温度は、300℃以上900℃以下であることが好ましい。発明者が実施した評価試験によれば、アニール処理(工程P158)の温度が300℃未満である場合、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132に残留する炭素に起因してゲートリーク電流が増加する傾向があり、アニール処理(工程P158)の温度が900℃超過である場合、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132の変質に起因してゲートリーク電流が増加する傾向があった。
アニール処理(工程P158)を行った後、製造者は、ソース電極141と、ゲート電極142と、ドレイン電極143とを形成する(工程P180)。本実施形態では、製造者は、コンタクトホール121,123にソース電極141およびドレイン電極143を形成した後、第2のゲート絶縁膜132の上にゲート電極142を形成する。製造者は、各電極に対してアニール処理(熱処理)を行う。これらの工程を経て、半導体装置100が完成する。
以上説明した第1実施形態によれば、第1のゲート絶縁膜131によって第2のゲート絶縁膜132の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制できるとともに、第2のゲート絶縁膜132によってゲートリーク電流を抑制できる。したがって、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる。
また、第1のゲート絶縁膜131の厚さが2nm以上20nm以下である場合、第1のゲート絶縁膜131の膜厚が不足することに起因するチャネル移動度の低下を防止するとともに、第1のゲート絶縁膜131の膜厚が過剰になることに起因するゲートリーク電流の増加を抑制することができる。
また、第2のゲート絶縁膜132が第1のゲート絶縁膜131より厚い場合、第2のゲート絶縁膜132によってゲートリーク電流をいっそう抑制できる。
また、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132の主成分が二酸化ケイ素(SiO)であるため、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を容易に実現できる。
また、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132を形成する際(工程P152,P154)、半導体層114,116,117,118の温度を200℃以上600℃以下に維持することによって、温度不足に起因するゲートリーク電流の増加を抑制するとともに、温度過剰に起因する第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132における膜質の低下を抑制することができる。
また、200W以上2000W以下の高周波電源による酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって第2のゲート絶縁膜132を形成する場合(工程P154)、高周波電源の電力不足に起因するゲートリーク電流の増加を防止するとともに、高周波電源の電力過剰に起因する第2のゲート絶縁膜132における膜質の低下を抑制することができる。
また、第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132に対して300℃以上900℃以下でアニール処理(工程P158)を行うことによって、不十分なアニール処理によって第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132に残留する炭素に起因するゲートリーク電流の増加を防止するとともに、過剰なアニール処理による第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132の変質に起因するゲートリーク電流の増加を防止することができる。
B.第2実施形態
B−1.半導体装置の構成
図3は、第2実施形態における半導体装置200の構成を模式的に示す断面図である。半導体装置200は、窒化ガリウム(GaN)を用いて形成されたGaN系の半導体装置である。本実施形態では、半導体装置200は、縦型トレンチMOSFETである。本実施形態では、半導体装置200は、電力制御に用いられ、パワーデバイスとも呼ばれる。図3には、図1と同様に、XYZ軸が図示されている。
半導体装置200は、基板210と、半導体層212と、半導体層214と、半導体層216とを備える。半導体装置200は、これらの半導体層212,214,216に形成された構造として、トレンチ222と、リセス224とを有する。半導体装置200は、更に、ゲート絶縁膜230と、ソース電極241と、ゲート電極242と、ドレイン電極243と、ボディ電極244とを備える。本実施形態では、半導体装置200の構造は、トレンチ222を中心に+X軸方向側と−X軸方向側とで線対称である。
半導体装置200の基板210は、X軸およびY軸に沿って広がる板状を成す。基板210は、窒化ガリウム(GaN)から主に成る。本実施形態では、基板210は、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置200の半導体層212は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層212は、基板210の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層212は、エピタキシャル成長によって基板210の上に形成された層である。本実施形態では、半導体層212は、基板210より低い濃度でケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置200の半導体層214は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るp型半導体層である。半導体層214は、半導体層212の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層214は、エピタキシャル成長によって半導体層212の上に形成された層である。本実施形態では、半導体層214は、マグネシウム(Mg)をアクセプタとして含有する。
半導体装置200の半導体層216は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層216は、半導体層214の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層216は、エピタキシャル成長によって半導体層214の上に形成された層である。本実施形態では、半導体層216は、半導体層212より高い濃度でケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置200のトレンチ222は、半導体層212,214,216に形成され、半導体層212,214,216の厚さ方向(−Z軸方向)に落ち込んだ溝部である。トレンチ222は、半導体層216の+Z軸方向側から半導体層214を貫通し半導体層212に至る。本実施形態では、トレンチ222は、半導体層212,214,216に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置200のゲート絶縁膜230は、電気絶縁性を有する膜である。ゲート絶縁膜230は、トレンチ222の外側から内側にわたって形成されている。ゲート絶縁膜230は、トレンチ222を画定する半導体層212,214,216の各界面と、半導体層216における+Z軸方向側の界面とを覆う。ゲート絶縁膜230は、第1のゲート絶縁膜231と、第2のゲート絶縁膜232とを備える。
第1のゲート絶縁膜231は、半導体層212,214,216の上に形成されている点を除き、第1実施形態における第1のゲート絶縁膜131と同様である。第1のゲート絶縁膜231は、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。
第2のゲート絶縁膜232は、第1のゲート絶縁膜231の上に形成されている点を除き、第1実施形態における第2のゲート絶縁膜132と同様である。第2のゲート絶縁膜232は、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。
ゲート絶縁膜230は、コンタクトホール221を有する。コンタクトホール221は、第1のゲート絶縁膜231および第2のゲート絶縁膜232を貫通して半導体層216に至る貫通孔である。本実施形態では、コンタクトホール221は、トレンチ222より+X軸方向側および−X軸方向側の2箇所に形成されている。本実施形態では、コンタクトホール221は、ゲート絶縁膜230に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置200のリセス224は、第1のゲート絶縁膜231、第2のゲート絶縁膜232および半導体層216を貫通して半導体層214に至るまで落ち込んだ凹部である。本実施形態では、リセス224は、トレンチ222を中心として2つのコンタクトホール221より外側の2箇所に形成されている。本実施形態では、リセス224は、ゲート絶縁膜230および半導体層214,216に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置200のソース電極241は、コンタクトホール221に形成された電極である。ソース電極241は、半導体層216に対してオーミック接触する。本実施形態では、ソース電極241は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
半導体装置200のゲート電極242は、ゲート絶縁膜230を介してトレンチ222に形成された電極である。本実施形態では、ゲート電極242は、アルミニウム(Al)から主に成る。ゲート電極242に電圧が印加された場合、半導体層214に反転層が形成され、この反転層がチャネルとして機能することによって、ソース電極241とドレイン電極243との間に導通経路が形成される。
半導体装置200のドレイン電極243は、基板210の−Z軸方向側の界面に形成された電極である。ドレイン電極243は、基板210に対してオーミック接触する。本実施形態では、ドレイン電極243は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
半導体装置200のボディ電極244は、リセス224に形成された電極である。ボディ電極244は、半導体層214にオーミック接触する。本実施形態では、ボディ電極244は、パラジウム(Pd)から成る層に金(Au)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
B−2.半導体装置の製造方法
図4は、第2実施形態における半導体装置200の製造方法を示す工程図である。まず、製造者は、エピタキシャル成長によって、基板210の上に半導体層212,214,216を順に形成する(工程P210)。
基板210上に半導体層212,214,216を形成した後(工程P210)、製造者は、ドライエッチングによってトレンチ222を形成する(工程P230)。本実施形態では、トレンチ222を形成するドライエッチングは、誘電結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングである。
ドライエッチングを行った後(工程P230)、製造者は、ウェットエッチングによって半導体層212,214,216の各表面を処理する(工程P240)。これによって、ドライエッチング(工程P230)によって形成された各半導体層の損傷を除去できる。本実施形態では、製造者は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)をエッチング液として用いる。他の実施形態では、製造者は、ウェットエッチング(工程P240)を省略してもよい。
ウェットエッチングを行った後(工程P240)、製造者は、第1実施形態における第1のゲート絶縁膜131の形成(工程P152)と同様に、半導体層212,214,216の各半導体層の上に、オゾン(O)を酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって、第1のゲート絶縁膜231を形成する(工程P252)。
第1のゲート絶縁膜231を形成した後(工程P252)、製造者は、第1実施形態における第2のゲート絶縁膜132の形成(工程P154)と同様に、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって、第1のゲート絶縁膜231の上に第2のゲート絶縁膜232を形成する(工程P254)。
第2のゲート絶縁膜232を形成した後(工程P254)、製造者は、第1実施形態におけるアニール処理(工程P158)と同様に、第1のゲート絶縁膜231および第2のゲート絶縁膜232に対してアニール処理(熱処理)を行う(工程P258)。
アニール処理(工程P258)を行った後、製造者は、ソース電極241と、ゲート電極242と、ドレイン電極243と、ボディ電極244とを形成する(工程P280)。本実施形態では、製造者は、コンタクトホール221にソース電極241を形成し、リセス224にボディ電極244を形成し、その後、第2のゲート絶縁膜232の上にゲート電極242を形成する。その後、製造者は、基板210の上にドレイン電極243を形成する。製造者は、各電極に対してアニール処理(熱処理)を行う。これらの工程を経て、半導体装置200が完成する。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1のゲート絶縁膜231によって第2のゲート絶縁膜232の形成に起因するチャネル移動度の低下を抑制できるとともに、第2のゲート絶縁膜232によってゲートリーク電流を抑制できる。したがって、キャリア移動度の向上およびゲートリーク電流の低減を実現できる。また、トレンチ222に形成された第1のゲート絶縁膜231および第2のゲート絶縁膜232によって、チャネル移動度の低下を抑制するとともにゲートリーク電流を抑制することができる。
C.第1評価試験
図5は、第1評価試験に用いた半導体装置300の構成を模式的に示す断面図である。半導体装置300は、窒化ガリウム(GaN)を用いて形成されたGaN系の半導体装置である。半導体装置300の製造方法は、第2実施形態に準ずる。図5には、図1と同様に、XYZ軸が図示されている。
半導体装置300は、半導体層314と、半導体層316とを備える。半導体装置300は、これらの半導体層314,316に形成された構造として、トレンチ322とリセス324とを有する。半導体装置300は、更に、ゲート絶縁膜330と、ソース電極341と、ゲート電極342と、ドレイン電極343と、ボディ電極344とを備える。
半導体装置300の半導体層314は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るp型半導体層である。半導体層314は、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層314は、マグネシウム(Mg)をアクセプタとして含有する。
半導体装置300の半導体層316は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。半導体層316は、半導体層314の+Z軸方向側に位置し、X軸およびY軸に沿って広がる層である。半導体層316は、エピタキシャル成長によって半導体層314の上に形成された層である。半導体層316は、ケイ素(Si)をドナーとして含有する。
半導体装置300のトレンチ322は、半導体層314,316に形成され、半導体層314,316の厚さ方向(−Z軸方向)に落ち込んだ溝部である。トレンチ322は、半導体層316の+Z軸方向側から半導体層314に至る。トレンチ322は、半導体層314,316に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置300のゲート絶縁膜330は、電気絶縁性を有する膜である。ゲート絶縁膜330は、トレンチ322の外側から内側にわたって形成されている。ゲート絶縁膜330は、トレンチ322を画定する半導体層314,316の各界面と、半導体層316における+Z軸方向側の界面の一部とを覆う。ゲート絶縁膜330は、第1のゲート絶縁膜331と、第2のゲート絶縁膜332とを備える。
第1のゲート絶縁膜331は、半導体層314,316の上に形成されている点を除き、第1実施形態における第1のゲート絶縁膜131と同様である。第1のゲート絶縁膜331は、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。
第2のゲート絶縁膜332は、第1のゲート絶縁膜331の上に形成されている点を除き、第1実施形態における第2のゲート絶縁膜132と同様である。第2のゲート絶縁膜332は、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。
半導体装置300のリセス324は、半導体層314,316に形成され、半導体層314,316の厚さ方向(−Z軸方向)に落ち込んだ凹部である。リセス324は、半導体層314,316に対するエッチングによって形成された構造である。
半導体装置300のソース電極341は、トレンチ322より−X軸方向側に位置し、半導体層316およびボディ電極344の上に形成された電極である。ソース電極341は、半導体層316に対してオーミック接触する。ソース電極341は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
半導体装置300のゲート電極342は、ゲート絶縁膜330を介してトレンチ322に形成された電極である。ゲート電極342は、アルミニウム(Al)から主に成る。ゲート電極342に電圧が印加された場合、半導体層314に反転層が形成され、この反転層がチャネルとして機能することによって、ソース電極341とドレイン電極343との間に導通経路が形成される。
半導体装置300のドレイン電極343は、トレンチ322より+X軸方向側に位置し、半導体層316の上に形成された電極である。ドレイン電極343は、半導体層316に対してオーミック接触する。ドレイン電極343は、チタン(Ti)から成る層にアルミニウム(Al)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
半導体装置300のボディ電極344は、リセス324に形成された電極である。ボディ電極344は、半導体層314にオーミック接触する。ボディ電極344は、パラジウム(Pd)から成る層に金(Au)から成る層を積層した後にアニール処理(熱処理)によって合金化した電極である。
図6は、第1評価試験におけるキャリア移動度に関する評価結果を示すグラフである。図7は、第1評価試験におけるゲートリーク電流に関する評価結果を示すグラフである。第1評価試験では、試験者は、第1のゲート絶縁膜331および第2のゲート絶縁膜332の各膜厚が異なる3種類の試料S1,S2,S3,S4を10個ずつ用意した。各試料における膜厚は、次のとおりである。
<試料S1>
第2のゲート絶縁膜332:50nm
第1のゲート絶縁膜331:0nm
<試料S2>
第2のゲート絶縁膜332:40nm
第1のゲート絶縁膜331:10nm
<試料S3>
第2のゲート絶縁膜332:45nm
第1のゲート絶縁膜331:5nm
<試料S4>
第2のゲート絶縁膜332:0nm
第1のゲート絶縁膜331:50nm
試験者は、試料S1,S2,S3についてキャリア移動度を測定し、図6の評価結果を得た。図6には、キャリア移動度について、試料の種類ごとに、最大値、最低値および平均値が示されている。図6の評価結果によれば、第1のゲート絶縁膜331によってキャリア移動度が向上することが分かる。また、第1のゲート絶縁膜331の膜厚が5nm以上である場合、10cm/V・sを越えるキャリア移動度を確保できることが分かる。
試験者は、試料S2,S3,S4について、ゲートリーク電流が10−6A/cmを超える際の絶縁破壊電圧を測定し、図7の評価結果を得た。図7には、絶縁破壊電圧について、試料の種類ごとに、最大値、最低値および平均値が示されている。絶縁破壊電圧の値は、大きいほどゲートリーク電流が小さくなることを示す。図7の評価試験によれば、第2のゲート絶縁膜332によって絶縁破壊電圧が向上することが分かる。言い換えると、第1のゲート絶縁膜331の上に形成された第2のゲート絶縁膜332によってゲートリーク電流を抑制できることが分かる。また、第2のゲート絶縁膜332の膜厚が5nm以上である場合、6mV/cmを越える絶縁破壊電圧を確保できることが分かる。
D.第2評価試験
図8は、第2評価試験に用いた試料400の構成を模式的に示す断面図である。図8には、図1と同様に、XYZ軸が図示されている。試料400は、基板410と、第1の絶縁膜431と、第2の絶縁膜432とを備える。
試料400の基板410は、X軸およびY軸に沿って広がる板状を成す。基板410は、ケイ素(Si)から主に成る。基板410の厚さ(Z軸方向の長さ)は、約280μm(マイクロメートル)である。
試料400における第1の絶縁膜431は、基板410の上に、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。第1の絶縁膜431は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る。第1の絶縁膜431の厚さ(Z軸方向の長さ)は、100nmである。
試料400における第2の絶縁膜432は、第1の絶縁膜431の上に、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法(ALD)によって形成された膜である。第2の絶縁膜432は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る。第2の絶縁膜432の厚さ(Z軸方向の長さ)は、100nmである。
図9は、第2評価試験におけるアニール処理前の元素分析結果を示すグラフである。図10は、第2評価試験におけるアニール処理後の元素分析結果を示すグラフである。試験者は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)によって、アニール処理前の試料400における第1の絶縁膜431および第2の絶縁膜432を分析し、図9の元素分析結果を得た。試験者は、SIMSによってアニール処理後の試料400における第1の絶縁膜431および第2の絶縁膜432を分析し、図10の元素分析結果を得た。第2評価試験では、アニール温度は700℃であり、アニール処理の時間は30分である。
第1の絶縁膜431の炭素濃度は、アニール処理前に約1×1020原子/cmであり、アニール処理後に約4×1019原子/cmに低下した。第1の絶縁膜431の水素濃度は、アニール処理前に約2×1021原子/cmであり、アニール処理後に約7×1020原子/cmに低下した。
第2の絶縁膜432の炭素濃度は、アニール処理前に約1×1019原子/cmであり、アニール処理後に約3×1018原子/cmに低下した。第2の絶縁膜432の水素濃度は、アニール処理前に約1×1021原子/cmであり、アニール処理後に約5×1020原子/cmに低下した。
第2評価試験の結果によれば、アニール処理の前後において、炭素濃度および水素濃度ともに、第1の絶縁膜431より第2の絶縁膜432の方が低いことが分かる。また、アニール処理によって、第1の絶縁膜431および第2の絶縁膜432ともに、炭素濃度および水素濃度が低下することが分かる。また、アニール処理によって、第1の絶縁膜431では炭素濃度が19乗の桁まで低減し、第2の絶縁膜432では炭素濃度が18乗の桁まで低減することが分かる。このように、第2の絶縁膜432の炭素濃度が第1の絶縁膜431より低いため、第2の絶縁膜432は、第1の絶縁膜431よりゲートリーク電流を抑制できると考えられる。
また、酸素プラズマを用いた第2の絶縁膜432の炭素濃度は、アニール処理前には19乗の桁であったが、アニール処理後には18乗の桁まで低減したため、ゲートリーク電流を抑制可能になった。他方、オゾンを用いた第1の絶縁膜431の炭素濃度は、アニール処理後であっても19乗の桁に留まり、18乗の桁まで低減しなかった。このことから、炭素濃度を19乗の桁未満にまで低減可能な第2の絶縁膜432(酸素プラズマを用いて成膜された絶縁膜)を、第1の絶縁膜431(オゾンを用いて成膜された絶縁膜)の上に積層することによって、ゲートリーク電流を抑制できると考えられる。
E.他の実施形態
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上述の実施形態において、基板の材質は、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、サファイア(Al)および炭化ケイ素(SiC)などのいずれであってもよい。
上述の実施形態において、n型半導体層に含まれるドナーは、ケイ素(Si)に限らず、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)などであってもよい。
上述の実施形態において、p型半導体層に含まれるアクセプタは、マグネシウム(Mg)に限らず、亜鉛(Zn)、炭素(C)などであってもよい。
上述の実施形態において、ゲート絶縁膜の材質は、二酸化ケイ素(SiO)に限らず、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの他の酸化膜であってもよい。上述の実施形態において、第2のゲート絶縁膜は、酸化膜に限らず、酸窒化膜(例えば、SiON、AlON、ZrONなど)、並びに、窒化膜(SiN、AlNなど)であってもよい。
上述の実施形態において、トレンチおよびリセスを形成する手法は、ICPドライエッチングに限らず、電子サイクロトロン共鳴−反応性イオンエッチング(ECR−RIE:Electron Cyclotron Resonance - Reactive Ion Etching)など他のドライエッチングであってもよい。
上述の実施形態において、各電極の材質は、上述の材質に限らず、他の材質であってもよい。
100…半導体装置
110…基板
111…バッファ層
114,116,117,118…半導体層
121,123…コンタクトホール
130…ゲート絶縁膜
131…第1のゲート絶縁膜
132…第2のゲート絶縁膜
141…ソース電極
142…ゲート電極
143…ドレイン電極
200…半導体装置
210…基板
212,214,216…半導体層
221…コンタクトホール
222…トレンチ
224…リセス
230…ゲート絶縁膜
231…第1のゲート絶縁膜
232…第2のゲート絶縁膜
241…ソース電極
242…ゲート電極
243…ドレイン電極
244…ボディ電極
300…半導体装置
314,316…半導体層
322…トレンチ
324…リセス
330…ゲート絶縁膜
331…第1のゲート絶縁膜
332…第2のゲート絶縁膜
341…ソース電極
342…ゲート電極
343…ドレイン電極
344…ボディ電極
400…試料
410…基板
431…第1の絶縁膜
432…第2の絶縁膜
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものである。本発明の第1の態様は、
半導体装置であって、
窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層と、
オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記半導体層の上に形成され、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜と、
酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記第1のゲート絶縁膜の上に形成され、酸化物から主に成りる第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と
を備え、
前記第2のゲート絶縁膜の含有する炭素(C)および水素(H)の濃度は、前記第1のゲート絶縁膜の含有する炭素(C)および水素(H)濃度より低く、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、2nm以上20nm以下であり、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚より4倍以上厚い
半導体装置である。また、本発明の第2の態様は、
半導体装置の製造方法であって、
窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層の上に、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜を、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し、
前記第1のゲート絶縁膜の上に、酸化物から主に成る第2のゲート絶縁膜を、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し、
前記第2のゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成し、
前記第1のゲート絶縁膜を形成する工程では、以下の工程a1〜a4を繰り返し、
(工程a1)反応室に原料ガスを投入
(工程a2)反応室から原料ガスをパージ
(工程a3)反応室に酸化剤としてオゾンを投入
(工程a4)反応室からオゾンをパージ
前記第2のゲート絶縁膜を形成する工程では、以下の工程b1〜b5を繰り返し、
(工程b1)反応室に原料ガスを投入
(工程b2)反応室から原料ガスをパージ
(工程b3)反応室に酸化剤として酸素を投入
(工程b4)高周波電源によって反応室内にプラズマを生成
(工程b5)反応室から酸素をパージ
前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜に対してアニール処理を行って、
前記第2のゲート絶縁膜を、含有する炭素(C)および水素(H)濃度を、前記第1のゲート絶縁膜よりも低く形成し、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚を、2nm以上20nm以下に形成し、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚を、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚より4倍以上厚く形成した
半導体装置の製造方法である。この他、本発明は、以下の形態として実施可能である。

Claims (15)

  1. 半導体装置であって、
    窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層と、
    オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記半導体層の上に形成され、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜と、
    酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記第1の絶縁膜の上に形成され、酸化物から主に成り、前記第1の絶縁膜より低い濃度で炭素(C)を含有する第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と
    を備える半導体装置。
  2. 前記第2のゲート絶縁膜の炭素濃度は、1×1019原子/cm未満である、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1のゲート絶縁膜の厚さは、2nm以上20nm以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2のゲート絶縁膜は、前記第1のゲート絶縁膜より厚い、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記半導体層は、前記半導体層の厚さ方向に落ち込んだ溝部を有し、
    前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜は、前記溝部の外側から内側にわたって形成されている、半導体装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の半導体装置であって、
    前記第1のゲート絶縁膜の主成分は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)および酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれかであり、
    前記第2のゲート絶縁膜の主成分は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)および酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれかである、半導体装置。
  7. 半導体装置の製造方法であって、
    窒化ガリウム(GaN)から主に成る半導体層の上に、酸化物から主に成る第1のゲート絶縁膜を、オゾンを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し、
    前記第1の絶縁膜の上に、酸化物から主に成る第2のゲート絶縁膜を、酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって形成し、
    前記第2のゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する、半導体装置の製造方法。
  8. 2nm以上20nm以下の膜厚で前記第1のゲート絶縁膜を形成する、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2のゲート絶縁膜を前記第1のゲート絶縁膜より厚く形成する、請求項7または請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1のゲート絶縁膜を形成する前に、前記半導体層の厚さ方向に落ち込んだ溝部を前記半導体層に形成し、
    前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜を、前記溝部の外側から内側にわたって形成する、半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1のゲート絶縁膜を形成する前に、前記半導体層の表面をウェットエッチングによって処理する、請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜を形成する際、前記半導体層の温度を200℃以上600℃以下に維持する、請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 2原子%以上30原子%以下のオゾンを含有する酸化剤を用いた原子層堆積法によって前記第1のゲート絶縁膜を形成する、請求項7から請求項12までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 200W以上2000W以下の高周波電源による酸素プラズマを酸化剤として用いた原子層堆積法によって前記第2のゲート絶縁膜を形成する、請求項7から請求項13までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜に対して300℃以上900℃以下でアニール処理を行う、請求項7から請求項14までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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