JP2019071373A - 熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents

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武士 物種
川瀬 祐介
Yusuke Kawase
祐介 川瀬
春彦 南竹
Haruhiko Minamitake
春彦 南竹
和徳 金田
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和徳 金田
晃司 浅間
Koji Asama
晃司 浅間
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Hiroaki Tatsumi
裕章 巽
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Abstract

【課題】本発明は、被処理物に熱的損傷を与えずその深い領域まで熱処理を行うことを目的とする。【解決手段】本発明に係る熱処理方法は、(a)半導体からなる被処理物5を昇温する熱処理を行う工程と、(b)工程(a)の後に被処理物5を降温する工程と、を備え、工程(a)と工程(b)を複数回繰り返すことにより被処理物5に第1の特性を与える熱処理方法であって、工程(a)における被処理物5の到達温度は、被処理物5が1回の昇温により第1の特性を得る際の被処理物5の到達温度よりも低い。【選択図】図1

Description

この発明は、被処理物の熱処理に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体基板を所望の深さまで熱処理する場合がある。例えば、特許文献1では電力のスイッチングに用いられる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)の製造方法が開示されている。これによると、導電性の半導体基板の表面には、拡散領域、電極および絶縁膜が形成され、裏面には拡散領域が形成される。半導体基板の表面において、拡散領域はベース領域およびエミッタ領域等であり、電極はエミッタ電極およびゲート電極等であり、絶縁膜はゲート絶縁膜および層間絶縁膜等である。半導体基板の裏面において、拡散領域はフィールドストップ層およびコレクタ層等である。
ここで、フィールドストップ層およびコレクタ層ではイオン注入等によって不純物原子がドープされており、ドープされた領域をほぼ一定温度以上に昇温する熱処理が必要である。しかし、半導体基板の表面には、先述の拡散領域、電極および絶縁膜が形成されているため、半導体基板の裏面の熱処理時の熱が熱伝導により表面まで伝わるとこれらの機能が失われる。そのため、半導体基板の裏面の熱処理は局所加熱で行われる必要がある。
局所加熱に関して、例えば特許文献2では、レーザをシリコン基板の表面に照射することで、シリコン基板の表面のみを昇温させるレーザアニール法が提案されている。しかし、IGBTでは裏面の拡散領域の厚みによってその特性が変わり、一般には厚みが大きいほど耐圧特性が大きくなる。
そこで、特許文献3では2つの波長の異なるレーザを用いることで、基板表面から所望の深さの領域を所望の温度に昇温させる方法が提案されている。しかし、近年は半導体基板の薄板化が進んでいるため、レーザによる局所加熱でも基板表面が昇温してしまい、回路への熱ダメージが発生する。このためには時間的に短時間の入熱が必要となり、前述の特許文献2ではテーブルを高速回転することで局所的かつ短時間入熱を可能にしている。
特開2013−59856号公報 特開2013−074246号公報 特許第4117020号公報
半導体装置の特性は、不純物の活性化領域の厚みが大きくなるほど向上する。しかし、半導体基板にレーザを照射すると、照射面のみが昇温するため、深い領域を昇温し活性化させることが難しい。
特許文献3のように減衰長の大きい波長のレーザを使用すれば、レーザのエネルギーを内部に届けることができるため、深い領域を昇温することができる。しかし、照射面でのエネルギーが最も大きいというレーザの特性上、照射面の温度が最も高くなる。照射面が融点に達するとその結晶構造や形状が乱れるため、半導体としての電気特性が大きく変化し半導体製品として使えなくなる。
このため、たとえ減衰長の大きいレーザを使用したとしても、照射面の温度を融点以下に保つという条件に制約され、深い領域を昇温することは難しい。
さらに、半導体基板のレーザ照射面と反対側の面の温度が上昇すると、当該面における回路および樹脂テープなどが損傷するため、一定の厚み以下の半導体基板にはレーザアニール処理を行うことが出来ないという問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためのもので、被処理物に熱的損傷を与えずその深い領域まで熱処理を行うことを目的とする。
本発明に係る熱処理方法は、(a)半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を行う工程と、(b)工程(a)の後に被処理物を降温する工程と、を備え、工程(a)と工程(b)を複数回繰り返すことにより被処理物に第1の特性を与える熱処理方法であって、工程(a)における被処理物の到達温度は、被処理物が1回の昇温により第1の特性を得る際の被処理物の到達温度よりも低い。
本発明に係る熱処理装置は、半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を複数回繰り返すことにより、被処理物に第1の特性を付与する熱処理装置であって、熱処理における被処理物の到達温度は、被処理物が1回の昇温により第1の特性を得る際の到達温度よりも低い。
本発明に係る熱処理方法は、(a)半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を行う工程と、(b)工程(a)の後に被処理物を降温する工程と、を備え、工程(a)と工程(b)を複数回繰り返すことにより被処理物に第1の特性を与える熱処理方法であって、工程(a)における被処理物の到達温度は、被処理物が1回の昇温により第1の特性を得る際の被処理物の到達温度よりも低い。従って、本発明に係る熱処理方法によれば、被処理物に熱的損傷を与えることなく深い領域まで熱処理を行うことができる。
本発明に係る熱処理装置は、半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を複数回繰り返すことにより、被処理物に第1の特性を付与する熱処理装置であって、熱処理における被処理物の到達温度は、被処理物が1回の昇温により第1の特性を得る際の到達温度よりも低い。従って、本発明に係る熱処理方法によれば、被処理物に熱的損傷を与えることなく深い領域まで熱処理を行うことができる。
レーザの照射回数と活性化率との関係を示す図である。 実施の形態1のレーザ装置の構成を示す図である。 実施の形態1のレーザ装置の構成を示す図である。 実施の形態1のレーザ装置の構成を示す図である。 実施の形態1のレーザ装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例に係るレーザ装置の構成を示す図である。
<A.実施の形態1>
<A−1.概要>
不純物領域の活性化とは、不純物領域がP型接合またはN型接合のように機能することである。出願人は、不純物領域の活性化の有無は最高到達温度のみで決まるのではなく、繰り返し昇温がおこると低温でも活性化が生じるという現象を発見した。
図1は、レーザの照射回数と活性化率との関係を示している。図1の横軸は被処理物の深さ、縦軸は活性化率を示している。図1の実線は1回目の照射による結果を示している。このときの活性化率は70%程度であり、従来であれば、入熱不足であると考えてレーザ出力を上げるところである。しかし、1回目と同じ出力および照射条件で2回目の照射を行うと活性化率が90%に上昇した。さらに同一条件で照射を繰り返すと、4回目には活性化率が十分といえる95%以上に到達した。
つまり、不純物領域を1回の昇温で十分に活性化できる温度(第2温度)よりも低い温度(第1温度)への昇温を複数回繰り返すことで、十分に不純物領域を活性化することが可能である。たとえば、不純物領域を1回の昇温で十分に活性化できる温度(第2温度)を100とすると、理論上は70の温度(第1温度)への昇温を4回繰り返すことで、十分に不純物領域を活性化することが可能である。
出願人はこの現象を利用し、従来行われてきたレーザアニールの温度よりも低い温度に到達するよう繰り返しレーザを照射することで、深い領域まで活性化することを可能とした。
通常、シリコン基板にレーザアニールを行う場合、シリコン基板の表面温度が融点近くまで上昇させるため、溶融または熱応力による欠陥が発生する。しかし、低温でレーザを繰り返し照射する場合、そのような欠陥は発生しない。
また、深い位置まで活性化を起こすには、深い位置での昇温を大きくするため投入エネルギーを増やす必要がある。しかし、投入エネルギーを増加させると、当然最表面の昇温が生じ、溶融が発生し、熱応力も大きくなる。さらに、半導体基板が薄くなるほど、レーザ照射される側と反対側の昇温が大きくなり、半導体基板自体または保護フィルムなどの周辺部品への熱ダメージが生じる。
しかし、低温で短時間に繰り返し昇温をさせることで不純物領域を活性化させる方法によれば、深い位置の不純物領域を活性化させる場合でもレーザ照射面の昇温を抑制することができる。そのため、レーザ照射面の溶融を抑制し、発生する熱応力を小さくすることができる。また、基板のレーザ照射面と反対側の面の回路の昇温も抑制されるため、薄い半導体基板に対してもレーザアニール処理が可能となる。
<A−2.構成>
図2は、実施の形態1の熱処理装置であるレーザ装置の構成図である。レーザ装置は、レーザ発振機1、走査機構2、回転台3、駆動機構4、制御装置6および出力測定機7を備えている。レーザ発振機1から出力されたレーザ光はファイバーコア10により走査機構2に入力される。回転台3は、複数の被処理物5を載置する載置面を有し、載置面の法線を軸として回転する。駆動機構4は、走査機構2を回転台3の載置面の上方で回転中心から外周、あるいは外周から回転中心に向かって移動させる。制御装置6は、回転台3と駆動機構4を制御する。出力測定機7はレーザ発振機1の出力をモニタリングしており、レーザ発振機1の出力は出力測定機7の測定結果に応じて調整される。なお、図2では1組のレーザ発振機1、走査機構2および駆動機構4が示されているが、実際にはこれらの組が複数設けられる。例えば、複数のレーザ発振機1が回転台3の載置面の上方に同心円状に配置される。そして、走査機構2および駆動機構4が各レーザ発振機1に応じて複数設けられる。
図3は、実施の形態1のレーザ装置を回転台3の載置面の方向から視た図である。回転台3の載置面には複数の被処理物5が同心円状に配置されている。
被処理物5には、表面から数〜十数μmにわたり不純物がイオン注入されたシリコンウエハが想定される。なお、レーザ装置の使用用途が、熱によって結晶配列を変えることで目的とする特性を得るアニール処理であれば、シリコンウエハ以外の半導体ウエハも被処理物5として用いることができる。
レーザ発振機1にはファイバー伝送型のLDレーザ、固体レーザ、気体レーザ、ファイバーレーザおよび半導体レーザのいずれを用いても良い。但し、ファイバー伝送型のLDレーザを用いる場合には、光学系の構成を簡素にすることができるという利点がある。また、レーザ発振機1の発振方式は、連続発振型およびパルス発振型のいずれであっても良い。
図4は、実施の形態1のレーザ装置の構成図であり、走査機構2の詳細を示している。走査機構2は、コリメーションレンズ21、スキャンミラー22、対物レンズ23を備えており、このうちコリメーションレンズ21および対物レンズ23は光学系である。レーザ発振機1から出力されたレーザ光はファイバーコア10によりコリメーションレンズ21に入射し平行光となる。コリメーションレンズ21を通過したレーザ光は、スキャンミラー22によって高速走査される。スキャンミラー22によって高速走査されたレーザ光は、対物レンズ23によって集光され、被処理物5に照射される。
複数のスキャンミラー22が同調して高速に駆動されることにより、レーザ光のスキャンミラー22における反射角度および対物レンズ23への入射位置が高速に変化する。fθレンズのような焦点距離が固定されるレンズを対物レンズ23に採用することで、被処理物5の表面にレーザ光を集光させることができる。すなわち、レーザ光は被処理物5の表面に集光した状態で、スキャンミラー22の駆動に伴い高速に走査される。レーザ光の走査速度はスキャンミラー22の駆動周波数により制御され、走査範囲はスキャンミラー22の稼働範囲で制御される。
次に、レーザの照射方法について説明する。レーザは、被処理物5に対する単位時間かつ単位体積あたりの入熱量であるパワー密度を走査機構2による走査速度で除した値が被処理物5の全面でほぼ一定となるように照射される。すなわち、レーザの出力Wをレーザの照射面積Sと走査速度Vで除した値W/(S×V)が被処理物5の全面でほぼ一定となるようにする。ここで、回転台3の回転速度と駆動機構4の移動速度は走査機構2の走査速度に比べて十分に小さいため、無視できる。
走査機構2は、繰り返しあらゆる方向にレーザを走査できる。例えば、走査機構2はウエハの半径方向に高速に繰り返し走査を行う。例えば、繰り返し周波数を1kHz、走査速度を10000mm/s、走査の振幅を50mmとする。そして、回転台3を一定速度で回しながら、被処理物5の全面にレーザが照射されるよう、駆動機構4が走査機構2を回転台中心まで移動させる。回転台3の回転速度と走査機構2の移動速度は、被処理物5の一点に着目した際に、当該一点での繰り返し照射回数と照射時間とに基づき決定される。
ここで、レーザの走査速度が高速であるほど、レーザ照射による熱の影響を受ける範囲が小さくなるため、被処理物5のレーザ照射面と反対側の面における上昇温度が低くなる。また、レーザ光のビーム径を小さくすれば、同じ最高到達温度に対する総入熱量を小さくできるため、これもまた、被処理物5のレーザ照射面と反対側の面における上昇温度の低下に貢献する。すなわち、走査速度を速く、かつビーム径を小さくすることにより、被処理物5への熱的ダメージが低減される。これにより、薄板基板などの薄い被処理物5も用いることができる。
図3に示したように、複数の被処理物5を一つの回転台3に搭載し、回転台3を回転させることが、走査速度を上げる上で合理的である。回転台3の載置面の外周における周速度は200から800mm/min、レーザ光のビーム出力は10Wから80W、ビーム径は直径50μmから300μm程度が適当である。回転台3に載置する被処理物5の数を多くするほど、一度に処理できる数が増え効率が良くなるが、回転台3の半径が大きくなるため遠心力が増して振動が発生し剛性に問題が生じる。このため、周速度を200から800mm/minにする場合、回転台3に載置する被処理物5は5枚から9枚ほどが適当である。
図4に示すように、ビーム形状測定機8によりレーザのビーム形状をモニタリングし、ビーム径をほぼ一定に保つ。熱処理中に、ビームスプリッター等を用いて一部のビームを取り出し、モニタリングすることもできる。しかし、通常、ビーム径は急激に変化しないため、図4に示すように被処理物5から反れた位置にビーム形状測定機8を設置し、熱処理前にビーム径の確認を行えばよい。
以上の構成により、被処理物5の処理面の全面においてパワー密度が同一となり、被処理物5の任意はある一定の温度に繰り返し昇温する。ここで、繰り返し照射による前後の照射位置における昇温の影響が心配される。しかし、半導体材料は基本的に熱伝導率が高く瞬時に熱が拡散するため、ビーム径の10から20倍ほど照射位置から離れれば、熱が拡散し、相互のレーザによる温度場の影響を受けない。従って、例えばビーム径を100μmとすると、走査機構2による走査の振幅が2mm以上であれば良い。これにより、被処理物5の任意の個所において繰り返し照射されるレーザビームの各回は温度場として完全に独立となる。その結果、被処理物5の任意の箇所は、走査機構2が回転台3の中心から外周、あるいは外周から中心に向かって移動する1サイクルの間に、走査機構2による繰り返し走査の回数だけ同一の温度に繰り返し昇温する。
なお、繰り返しの昇温とは、被処理物5がピーク温度まで昇温した後、一旦降温し、その後再びピーク温度まで昇温することをいう。すなわち、実施の形態1の熱処理方法では、(a)被処理物5を昇温する熱処理を行う工程と、(b)工程(a)の後に被処理物5を降温する工程と、を複数回繰り返すことにより被処理物5に所望の第1の特性を与える。工程(b)で被処理物5が降温する際の下がり幅はいくらでもよい。このため、走査機構2による繰り返し走査の振幅は特に大きくなくてよく、その下限は上述のビーム径に基づく値以外には特に定められない。
<A−3.動作>
図5は、実施の形態1における熱処理方法のフローを示している。まず、走査機構2が始動し、駆動周波数を所望の値に調整する(ステップS1)。次に、駆動機構4が始動し、走査機構2を回転台3の外周から中心または中心から外周へ移動する(ステップS2)。それと同時に、回転台3が始動し回転を始める(ステップS3)。ステップS2,3において、走査機構2の位置と回転台3の回転速度は、照射位置における周速度がほぼ一定となるよう制御装置6により制御される。制御装置6は、上記の条件を満たすように、走査機構2の位置と回転台3の回転位置とを常にフィードバックしながら、照射位置における周速度がほぼ一定となるようにフィード制御を行うことができる。あるいは、走査機構2による走査軌跡が予め定まるため、走査軌跡上の各位置における周速度がほぼ一定となるための、回転台3の回転速度および走査機構2の位置は一意に求められる。従って、制御装置6はフィードフォワード制御を行っても良い。
上述の、照射位置における周速度をほぼ一定とするための制御装置6による制御が完了してから、あるいはそれと同時に、レーザ発振機1がオンになり(ステップS4)、被処理物5にレーザが照射される。
走査機構2が所望の照射面積を走査し終わると、レーザ発振機1がオフになる(ステップS5)。そして、走査機構2、回転台3、駆動機構4が停止し(ステップS6)、処理が終了する。
以上のように本実施の形態では、レーザ出力はほぼ一定であり、全ての走査機構2が同時に回転台3の外周から回転中心、または回転中心から外周に移動し、照射位置における周速度がほぼ一定となるよう照射位置に応じて回転台3の回転速度が制御される。これにより、被処理物5に繰り返し同一の温度プロファイルを与えることができる。また、1回のレーザ照射による被処理物5の到達温度は、1回のレーザ照射により被処理物5が第1の特性を得る、すなわち不純物領域が活性化する際の被処理物5の到達温度より低くなるように、レーザ出力が調整される。従って、被処理物5のレーザ照射面または反対側の面の温度上昇を抑制し、これらの面への熱ダメージを抑制しつつ、深い位置まで効率よくアニール処理を行うことができる。
<A−4.変形例>
図2,3,4では、駆動機構4を走査機構2に対して設けたが、回転台3に対して設けても良い。図6は、回転台3に対して駆動機構が備えられた変形例のレーザ装置の構成を示す図である。図6では、説明の簡単化のため走査機構2、回転台3および駆動機構のみを図示している。このレーザ装置では、回転台3に対して駆動機構41,42が設けられる。駆動機構41は、回転台3を図6の紙面の左右方向に移動させる機構であり、駆動機構42は、回転台3を図6の紙面の上下方向に移動させる機構である。回転台3の移動と共に、被処理物5が移動することにより、被処理物5の全面に走査機構2からレーザが走査される。光学系が複雑な構成である場合、光学系を移動することにより微妙なズレが生じ、レーザの強度分布であるビームプロファイルが変化することがある。しかし、変形例1のレーザ装置では光学系を移動させないため、上記のようなビームプロファイルの変化を避けることができる。
また、図2,3,4,6に示したレーザ装置の構成は一例に過ぎない。レーザ装置は、レーザ光と被処理物を相対的に移動させ、1サイクルの処理で繰り返し被処理物に温度上昇を与えられる構成を有していれば良い。
<A−5.効果>
実施の形態1の熱処理方法は、(a)半導体からなる被処理物5を昇温する熱処理を行う工程と、(b)工程(a)の後に被処理物5を降温する工程と、を備え、工程(a)と工程(b)を複数回繰り返すことにより被処理物5に第1の特性を与える。そして、工程(a)における被処理物5の到達温度は、被処理物5が1回の温度上昇により第1の特性を得る際の到達温度よりも低い。従って、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで熱処理を行うことができる。
また、複数回の工程(a)において被処理物5の到達温度が同一であっても良い。この場合でも、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで熱処理を行うことができる。
また、実施の形態1の熱処理方法において熱処理がレーザアニール処理であれば、被処理物5のレーザ照射面またはレーザ照射面と反対側の面の温度を上昇させることなく、被処理物5の深い領域まで活性化を行うことができる。従って、被処理物5のレーザ照射面における溶融又は熱応力による欠陥を抑制することができる。また、被処理物5が半導体基板である場合には、半導体基板のレーザ照射面と反対側の面に構成された電極等の構成にダメージを与えることなく、活性化を行うことができる。従って、薄板基板などの薄い被処理物5に対してもレーザアニール処理を行うことができる。また、複数の波長のレーザを必要としないため、簡単な構成の装置を用いて熱処理を行うことができる。
また、実施の形態1の熱処理方法によれば、被処理物5に対してレーザ光を局所的に繰り返し走査することにより、工程(a)、(b)を複数回繰り返す。このような方法により、被処理物5を低温で繰り返し熱処理することが出来るため、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで活性化させることが可能である。
実施の形態1の熱処理装置は、半導体からなる被処理物5を昇温する熱処理を複数回繰り返すことにより、被処理物5に第1の特性を付与する熱処理装置であって、熱処理における被処理物5の到達温度は、被処理物5が1回の昇温により第1の特性を得る際の到達温度よりも低い。従って、実施の形態1の熱処理装置によれば、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで熱処理を行うことができる。
実施の形態1の熱処理装置による複数回の熱処理において、被処理物5の到達温度は同一であっても良い。この場合でも実施の形態1の熱処理装置によれば、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで熱処理を行うことができる。
実施の形態1の熱処理装置による熱処理がレーザアニール処理であれば、被処理物5のレーザ照射面またはレーザ照射面と反対側の面の温度を上昇させることなく、被処理物5の深い位置に十分な活性化を行うことができる。従って、被処理物5のレーザ照射面における溶融又は熱応力による欠陥を抑制することができる。また、被処理物5が半導体基板である場合には、半導体基板のレーザ照射面と反対側の面に構成された電極等の構成にダメージを与えることなく、活性化を行うことができる。従って、薄板基板などの薄い被処理物5に対してもレーザアニール処理を行うことができる。また、複数の波長のレーザを必要としないため、熱処理装置の構成が簡単なものになる。
実施の形態1の熱処理装置は、被処理物5に対してレーザ光を局所的に繰り返し走査することにより、熱処理を複数回繰り返す。このような方法により、実施の形態1の熱処理装置によれば、被処理物5を低温で繰り返し熱処理することが出来るため、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで活性化させることが可能である。
実施の形態1の熱処理装置は、被処理物5を載置し、載置面の法線を軸に回転する回転台3と、レーザのビーム出力を一定に保ちつつ被処理物5に対し局所的に繰り返し走査する走査機構2と、走査機構2を回転台3の外周から回転中心にかけて、または回転台3の回転中心から外周にかけて移動させる駆動機構4と、を備える。そして、回転台3の回転速度は、レーザの照射位置における被処理物5の周速度が一定に保たれるように決定される。従って、実施の形態1の熱処理装置によれば、被処理物5に溶融または熱応力による欠陥を発生させることなく、被処理物5の深い領域まで活性化させることが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 レーザ発振機、2 走査機構、3 回転台、4,41,42 駆動機構、5 被処理物、6 制御装置、7 出力測定機、8 ビーム形状測定機、10 ファイバーコア、21 コリメーションレンズ、22 スキャンミラー、23 対物レンズ。

Claims (9)

  1. (a)半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を行う工程と、
    (b)前記工程(a)の後に前記被処理物を降温する工程と、
    を備え、
    前記工程(a)と前記工程(b)を複数回繰り返すことにより前記被処理物に第1の特性を与える熱処理方法であって、
    前記工程(a)における前記被処理物の到達温度は、前記被処理物が1回の昇温により前記第1の特性を得る際の前記被処理物の到達温度よりも低い、
    熱処理方法。
  2. 複数回の前記工程(a)において前記被処理物の到達温度は同一である、
    請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記熱処理はレーザアニール処理である、
    請求項1または2に記載の熱処理方法。
  4. 前記被処理物に対してレーザ光を局所的に繰り返し走査することにより、前記工程(a)と前記工程(b)を複数回繰り返す、
    請求項3に記載の熱処理方法。
  5. 半導体からなる被処理物を昇温する熱処理を複数回繰り返すことにより、前記被処理物に第1の特性を付与する熱処理装置であって、
    前記熱処理における前記被処理物の到達温度は、前記被処理物が1回の昇温により前記第1の特性を得る際の到達温度よりも低い、
    熱処理装置。
  6. 複数回の前記熱処理において前記被処理物の到達温度は同一である、
    請求項5に記載の熱処理装置。
  7. 前記熱処理はレーザアニール処理である、
    請求項5または6に記載の熱処理装置。
  8. 前記被処理物に対してレーザ光を局所的に繰り返し走査することにより、前記熱処理を複数回繰り返す、
    請求項7に記載の熱処理装置。
  9. 前記被処理物を載置し、載置面の法線を軸に回転する回転台と、
    前記レーザのビーム出力を一定に保ちつつ前記被処理物に対し局所的に繰り返し走査する走査機構と、
    前記走査機構を前記回転台の外周から回転中心にかけて、または前記回転台の回転中心から外周にかけて移動させる駆動機構と、を備え、
    前記回転台の回転速度は、前記レーザの照射位置における前記被処理物の周速度が一定に保たれるように決定される、
    請求項8に記載の熱処理装置。
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