JP2019071117A - 物体位置検出装置及び物体位置検出プログラム - Google Patents

物体位置検出装置及び物体位置検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】周囲環境に対するロバスト性を高めつつ、運転者の死角領域を含めて、車両の周囲における物体の位置を検出する。【解決手段】取得部720が、移動体に搭載されたレーザーレーダ910を利用して得られた移動体の周囲情報である射出光の射出方向(αi,βj)に対応する光路長rij、道路反射鏡の地図上の中心位置Nを含む道路反射鏡情報、及び、移動体の地図上の位置情報を取得する。そして、抽出部730が、取得された道路反射鏡情報、及び、移動体の地図上の位置情報に基づいて、取得された光路長rijの中から、道路反射鏡を経由して取得された光路長を抽出した後、当該抽出された光路長に対応する物体反射位置を算出する。【選択図】 図11

Description

本発明は、物体位置検出装置及び物体位置検出プログラム、並びに、当該物体位置検出プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、車両等の移動体の安全な走行を支援するための様々な技術が提案されている。こうした技術の中に、道路反射鏡に映った像から死角物体と自車との衝突の可能性を評価する技術がある(引用文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。この従来例1の技術では、道路反射鏡を画像認識によって認識し、道路反射鏡に映った周囲像に基づいて死角物体を検出する。そして、検出された死角物体と自車との衝突の可能性を評価する。
また、死角物体と自車との衝突の可能性を評価する技術ではないが、進行方向における道路反射鏡の存在を判定する技術がある(引用文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。この従来例2の技術では、自車の進行方向へ照射光を射出する。そして、反射光に反映された画像を撮像し、撮像結果に基づいて、道路反射鏡の存在を判定する。
特開2006−199055号公報 特開2007−279958号公報
上述した従来例1の技術では、周囲光の下での撮影を前提としている。このため、昼間や夜間といった周囲環境の変化に対するロバスト性が低い。
また、上述した従来例2の技術では、自車の進行方向における道路反射鏡の存在を判定するのみである。この結果、死角物体と自車との衝突の可能性を評価するといった高度な走行支援は、運転者に委ねられることになる。
このため、道路反射鏡を利用しつつ、周囲環境の変化に対するロバスト性が高く、かつ、高度な走行支援を行うことができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
請求項1に記載の発明は、移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置であって、道路反射鏡の位置情報を含む道路反射鏡情報を取得する取得部と;前記レーザーレーダからの射出光が、前記道路反射鏡に入射する場合と前記道路反射鏡に入射しない場合とで、異なる演算処理により前記物体の位置情報を算出する算出部と;を備えることを特徴とする物体位置検出装置である。
請求項2に記載の発明は、移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置が有するコンピュータに、道路反射鏡の位置情報を含む道路反射鏡情報を取得する取得手順と;前記レーザーレーダからの射出光が、前記道路反射鏡に入射する場合と前記道路反射鏡に入射しない場合とで、異なる演算処理により前記物体の位置情報を算出する算出手順と;を実行させることを特徴とする物体位置検出プログラムである。
請求項3に記載の発明は、移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項2に記載の物体位置検出プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の一実施形態の走行支援装置の配置位置を説明するための図である。 レーザーレーダ座標系L(1)を説明するための図である。 レーザーレーダからの射出光の射出方向を説明するための図である。 道路反射鏡を介する射出光の光路を説明するための図である。 道路反射鏡の設置方位角及び設置俯角を説明するための図(その1)である。 道路反射鏡の設置方位角及び設置俯角を説明するための図(その2)である。 道路反射鏡を介して到達した位置の算出方法を説明するための図である。 レーザーレーダ座標系L(1)から座標系L(4)への座標変換を説明するための図である。 道路反射鏡に到達する射出光を説明するための図である。 道路反射鏡に到達する射出方向を説明するための図である。 一実施形態に係る走行支援装置の構成を説明するためのブロック図である。 一実施例に係る走行支援装置の構成を説明するためのブロック図である。 図12の処理ユニットによる走行支援処理を説明するためのフローチャートである。 図13における反射鏡無処理を説明するためのフローチャートである。 図13における反射鏡有処理を説明するためのフローチャートである。 図15における物体反射位置T(1)の算出処理を説明するためのフローチャートである。 図13における障害物特定処理を説明するためのフローチャートである。 図13における衝突危険度の評価処理を説明するためのフローチャートである。 通常提示情報の表示例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、一実施形態に係る走行支援装置700は、車両等の路上を走行する移動体MVに配置される。そして、走行支援装置700は、レーザーレーダ(「ライダー」、「レーザスキャナ」又は「レーザレンジファインダ」とも呼ばれる)910及び道路反射鏡(カーブミラー)LMを利用して、死角に存在する障害物OBJを特定する。
なお、図1(A)には、移動体MVの上方からの視図が示され、また、図1(B)には、移動体MVの左方からの視図が示されている。
ここで、レーザーレーダ910は、移動体MVに搭載され、外部へレーザ光を射出する、そして、レーザーレーダ910は、物体で反射され、レーザーレーダ910から当該物体までの経路を逆に辿ってレーザーレーダ910に戻ってきたレーザ光の射出時刻から到着時刻までの時間に基づいて、レーザーレーダ910から当該物体までに辿った光路長を計測する。なお、本実施形態では、レーザーレーダ910は、路面からの高さが「H」の位置に配置されるようになっている。
また、道路反射鏡LMは、球面鏡であり、入射した光を反射する。この道路反射鏡LMは、カーブを描く道路や交差点において、建物などの存在により死角となる方向の様子を手前から目視できるよう設置されている。このため、レーザーレーダ910から射出されたレーザ光は、図1(A),(B)により総合的に示されるように、移動体MVの運転者にとって死角となる領域に到達するようになっている。
[死角に存在する障害物の特定の原理]
まず、本実施形態における死角に存在する障害物(以下、「死角障害物」と呼ぶ)の特定の原理について説明する。
(1)レーザーレーダ座標系L(1)について
レーザーレーダ座標系L(1)(以下、「座標系L(1)」と呼ぶ)は、レーザーレーダ910に固有の座標系として定義される。この座標系L(1)は、図2に示されるように、レーザーレーダ910の中心位置を原点Oとし、移動体MVの前方向をX(1)方向としている。また、この座標系L(1)は、移動体MVの前方向と直行する左横方向をY(1)方向とし、X(1)方向及びY(1)方向に直交する移動体MVの上方向をZ(1)方向としている。
座標系L(1)における、位置Pの座標値(X(1) P,Y(1) P,Z(1) P)は、原点Oから位置Pまでの距離r、方位角α及び俯角βにより、次の(1)〜(3)式のように表される。
(1) P=r・cosα・cosβ …(1)
(1) P=r・sinα・cosβ …(2)
(1) P=−r・sinβ …(3)
なお、地球上の位置を表すために使用される本実施形態における地図座標系L(0)は、平面直角座標系等の座標値(X, Y)と標高値(Z)とを用いて定義される。そして、移動体MVの地図座標系L(0)における現在位置、及び、移動体MVの現在位置における道路の傾斜方向及び傾斜角が分れば、地図座標系L(0)と座標系L(1)との相互間の座標変換ができる。
(2)レーザ光の射出方向について
図3(A),(B)には、レーザーレーダ910から射出されるレーザ光(以下、「射出光」とも記す)の座標系L(1)における射出方位角及び射出俯角が示されている。
図3(A)に示されるように、射出光の射出方位角αi(i=nMIN,…,0,…,nMAX)は、変化ステップ角を「Δα」として、次の(4)式により表される。
αi=i・Δα …(4)
なお、本実施形態では、変化ステップ角Δα=0.9°、定数nMIN=−1999、定数nMAX=2000を採用している。
また、図3(B)に示されるように、射出光の射出俯角βj(j=mMIN,…,0,…,mMAX)は、変化ステップ角を「Δβ」として、次の(5)式に表される。
βj=j・Δβ …(5)
なお、本実施形態では、変化ステップ角Δβ=0.42°、定数mMIN=−31、定数mMAX=32を採用している。
(3)レーザーレーダ910から死角障害物までの光路について
図4には、レーザーレーダ910から射出された射出光が、道路反射鏡LMにおける位置M(以下、「鏡反射位置M」と呼ぶ)で反射され、障害物OBJにおける反射位置T(以下、「物体反射位置T」と呼ぶ)に到達した場合の当該射出光の光路が示されている。この光路を辿って障害物OBJ上の物体反射位置Tに到達した射出光は、拡散反射等される。そして、拡散反射等された射出光の一部が、当該光路を逆に辿って、レーザーレーダ910に戻る。
レーザーレーダ910は、戻ってきた射出光の射出時刻から到着時刻までの時間に基づいて、レーザーレーダ910から当該障害物OBJまでに辿った光路の光路長rを計測する。ここで、光路長rは、レーザーレーダ910から道路反射鏡LMにおける鏡反射位置Mまでの距離r1と、当該鏡反射位置Mから障害物OBJにおける物体反射位置Tまでの距離r2との和となっている。また、物体反射位置Tは、レーザーレーダ910の中心位置(以下、「原点O」と呼ぶ)と鏡反射位置Mとを結ぶ直線と、道路反射鏡LMの曲率中心Cと鏡反射位置Mを結ぶ直線とにより定まる平面上にある。
なお、拡散反射等される位置は、障害物上の位置とは限らず、路面上の位置である場合もある。また、拡散反射等を行う障害物は、地図情報に登録されている建物等の場合もあるし、地図情報に登録されていない物体である場合もある。さらに、障害物は、静止している静的障害物である場合もあるし、動いている動的障害物である場合もある。
(4)道路反射鏡LMについて
道路反射鏡LMは、図4に示されるように、曲率中心C、曲率半径ρ、中心位置Nの球面鏡である。ここで中心位置Nは既知であり、地図座標系L(0)における座標位置として、予め登録可能な情報である。かかる地図座標系L(0)における中心位置Nの座標値(X(0) N,Y(0) N,Z(0) N)が予め登録されていれば、この登録情報を参照して、座標系L(1)における道路反射鏡LMの中心位置Nを算出することができる。なお、道路反射鏡LMの鏡径Dは、既知の物理量であり、予め登録可能な情報である。
以下、座標系L(1)における中心位置Nの座標値を(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)と記すものとする。また、座標系L(q)における任意の位置Fを「位置F(q)」とも記すものとする。
図5には、本実施形態の場合における座標系L(1)における道路反射鏡LMの設置方位角ψ(1)及び設置俯角θ(1)が示されている。かかる設置方位角ψ(1)及び設置俯角θ(1)の定義に際しては、曲率中心C(1)を原点とし、X(1)軸と平行なX(1)’軸、Y(1)軸と平行なY(1)’軸及びZ(1)軸と平行なZ(1)’軸により定義される座標系L(1)’を設定する。そして、座標系L(1)’における中心位置N(1)の座標値(X(1)N,Y(1)N,Z(1)N)を、次の(6)〜(8)式のように極座標形式で表した場合に登場する角度ψ(1),θ(1)として、座標系L(1)における道路反射鏡LMの設置方位角ψ(1)及び設置俯角θ(1)が定義される。
(1)N=ρ・cosψ(1)・cosθ(1) …(6)
(1)N=ρ・sinψ(1)・cosθ(1) …(7)
(1)N=−ρ・sinθ(1) …(8)
なお、図5における位置Q(1)’は、座標系L(1)’において座標値(X(1)N,Y(1)N,0)の位置となっている。
すなわち、設置方位角ψ(1)は、図6(A)に示されるように、(X(1)N−Y(1)N)面において、X(1)’軸と、曲率中心C(1)と位置Q(1)’とを結ぶ線分とが成す角度として定義されている。また、設置俯角θ(1)は、図6(B)に示されるように、Z(1)’軸及び中心位置N(1)を含む平面において、Z(1)’軸と、曲率中心C(1)と中心位置N(1)とを結ぶ線分とが成す角度から90度を差し引いた角度として定義されている。
ところで、地図座標系L(0)における道路反射鏡LMの設置方位角ψ(0)及び設置俯角θ(0)は、既知の物理量であり、予め登録可能な情報である。そして、地図座標系L(0)における道路反射鏡LMの設置方位角ψ(0)及び設置俯角θ(0)が登録されていれば、これらの登録情報を参照して、図5及び図6に示される座標系L(1)における道路反射鏡LMの設置方位角ψ(1)及び設置俯角θ(1)を算出することができる。
以下においては、中心位置N(0)、曲率半径ρ、道路反射鏡LMの鏡径D、並びに、設置方位角ψ(0)及び設置俯角θ(0)を「道路反射鏡情報」と呼ぶものとする。
なお、図4〜図6に示されている曲率中心Cの座標系L(1)における座標値(X(1) C,Y(1) C,Z(1) C)は、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)、設置方位角ψ(1)及び設置俯角θ(1)に基づいて、次の(9)〜(11)式を利用して算出できる。
(1) C=X(1) N−ρ・cosθ(1)・cosψ(1) …(9)
(1) C=Y(1) N−ρ・cosθ(1)・sinψ(1) …(10)
(1) C=Z(1) N+ρ・sinθ(1) …(11)
(5)物体反射位置Tの算出について
上述したように、物体反射位置Tは、レーザーレーダ910の位置(以下、「原点O」と呼ぶ)と鏡反射位置Mとを結ぶ直線と、曲率中心Cと鏡反射位置Mを結ぶ直線とにより定まる平面上にある。そこで、当該平面において、原点Oを原点とするとともに、原点Oから鏡反射位置Mへ向かう方向をX(4)方向とし、X(4)方向と直交する当該平面と平行な方向をY(4)方向とする座標系L(4)を定義する。
かかる座標系L(4)を用いると、曲率中心C(4)、鏡反射位置M(4)及び物体反射位置T(4)は、図7に示される通りとなる。これは、道路反射鏡LMに入射する光は、鏡反射位置M(4)近傍において、鏡反射位置M(4)での法線方向に対して、入射角度と対称な角度方向に反射されるからである。
なお、図7においては、曲率中心C(4)と鏡反射位置M(4)とを通る直線で表わされる法線方向に対して、原点からX(4)軸に沿って鏡反射位置M(4)に到達する光の入射角度を、角度aと表している。かかる角度aは、後述するように、鏡反射位置M(4)に到達した射出光の射出方位角αi及び射出俯角βj、並びに、曲率中心C(1)の座標値(又は、曲率中心C(4)の座標値)に基づいて算出可能となっている。
図7を参照して分るように、座標系L(4)における鏡反射位置M(4)の座標値は、(r1,0,0)である。また、座標系L(4)における曲率中心C(4)の座標値(X(4) C,Y(4) C,Z(4) C)は、次の(12)〜(14)式で表される通りとなる。
(4) C=r1+ρ・cos(a) …(12)
(4) C=ρ・sin(a) …(13)
(4) C=0 …(14)
また、座標系L(4)における物体反射位置T(4)(X(4) T,Y(4) T,Z(4) T)は、次の(15)〜(17)式で表される通りとなる。
(4) T=r1+(r−r1)・cos(π−2a) …(15)
(4) T=−(r−r1)・sin(π−2a) …(16)
(4) T=0 …(17)
座標系L(1)から座標系L(4)へは、図8に示されるように、座標系L(1)(X(1),Y(1),Z(1))から座標系L(2)(X(2),Y(2),Z(2))への変換、座標系L(2)(X(2),Y(2),Z(2))から座標系L(3)(X(3),Y(3),Z(3))への変換、及び、座標系L(3)(X(3),Y(3),Z(3))から座標系L(4)(X(4),Y(4),Z(4))への変換を順次行うことにより、変換することができる。ここで、座標系L(1)から座標系L(2)への変換は、Z(1)軸を回転中心軸として射出方位角αiだけ回転する回転変換である。また、座標系L(2)から座標系L(3)への変換は、Y(2)軸を回転中心軸として射出俯角βjだけ回転する回転変換である。
さらに、座標系L(3)から座標系L(4)への変換は、X(3)軸を回転中心軸として角度γだけ回転する回転変換である。ここで、角度γは、後述するように、鏡反射位置Mに到達した射出光の射出方位角αi及び射出俯角βj、並びに、曲率中心C(1)の座標値(又は、曲率中心C(4)の座標値)に基づいて算出可能となっている。
このため、座標系L(4)(X(4),Y(4),Z(4))から座標系L(1)(X(1),Y(1),Z(1))への変換は、次の(18)式を利用して行うことができる。
Figure 2019071117
この(18)式において、座標値(X(1),Y(1),Z(1))を上述した座標系L(1)における曲率中心C(1)(X(1) C,Y(1) C,Z(1) C)とし、座標値(X(4),Y(4),Z(4))を上述した座標系L(4)における曲率中心C(4)(X(4) C,Y(4) C,Z(4) C)とすると、距離r1、角度a及び角度γを3個の未知数とする3個の方程式が得られる。こうして得られる3個の方程式を連立方程式として解くことにより、距離r1、角度a及び角度γを、予め登録可能な道路反射鏡情報、計測可能な距離r及び射出光の射出方位角αi及び射出俯角βjを用いて表すことができる。
こうして求められた距離r1、角度a及び角度γを採用したうえで、(18)式における座標値(X(4),Y(4),Z(4))を上述した座標系L(4)における物体反射位置T(4)の座標値(X(4) T,Y(4) T,Z(4) T)とすることにより、上述した座標系L(1)における物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)を、予め登録可能な道路反射鏡情報、レーザーレーダにより計測される距離r及び射出光の射出方位角αi及び射出俯角βjを用いて算出することができる。ここで、曲率中心C(1)の座標値(又は、曲率中心C(4)の座標値)を中間で算出しておくと、物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)の算出を簡素化できる。
なお、道路反射鏡LMにより反射されなかった射出光に関する座標系L(1)における物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)は、次の(19)〜(21)式を利用して算出することができる。
(1) T=r・cosαi・cosβj …(19)
(1) T=r・sinαi・cosβj …(20)
(1) T=−r・sinβj …(21)
(6)道路反射鏡LMにより反射される射出光の判別について
物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)を適切に算出するためには、上述した(18)式による物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)を算出するべきか、上述した(19)〜(21)式により物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)を算出すべきかを判断することが必要となる。このためには、レーザーレーダ910から射出方向(αi,βj)へ射出された射出光が道路反射鏡LMにより反射されるか否かを判別することが必要となる。
なお、図9(A)に示される位置N(1) 1は、レーザーレーダ910から道路反射鏡LMを見た場合における最も右側の位置N(1) 1である。そして、座標系L(1)における位置N(1) 1(X(1) N1,Y(1) N1,Z(1) N1)は、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)、鏡径D及び設置方位角ψ(1)を用いて、次の(22)〜(24)式を利用して算出することができる。
(1) N1=X(1) N−(D/2)・sinψ(1) …(22)
(1) N1=Y(1) N+(D/2)・cosψ(1) …(23)
(1) N1=Z(1) N …(24)
また、図9(A)に示される位置N(1) 2は、レーザーレーダ910から道路反射鏡LMを見た場合における最も左側の位置N(1) 2である。そして、座標系L(1)における位置N(1) 2(X(1) N2,Y(1) N2,Z(1) N2)は、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)、鏡径D及び設置方位角ψ(1)を用いて、次の(25)〜(27)式を利用して算出することができる。
(1) N2=X(1) N+(D/2)・sinψ(1) …(25)
(1) N2=Y(1) N−(D/2)・cosψ(1) …(26)
(1) N2=Z(1) N …(27)
さらに、図9(B)に示される位置N(1) 3は、レーザーレーダ910から道路反射鏡LMを見た場合における最も上側の位置である。そして、座標系L(1)における位置N(1) 3(X(1) N3,Y(1) N3,Z(1) N3)は、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)、鏡径D及び設置俯角θ(1)を用いて、次の(28)〜(30)式を利用して算出することができる。
(1) N3=X(1) N−(D/2)・sinθ(1) …(28)
(1) N3=Y(1) N …(29)
(1) N3=Z(1) N+(D/2)・cosθ(1) …(30)
また、図9(B)に示される位置N(1) 4は、レーザーレーダ910から道路反射鏡LMを見た場合における最も下側の位置である。そして、座標系L(1)における位置N(1) 4(X(1) N4,Y(1) N4,Z(1) N4)は、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)、鏡径D及び設置俯角θ(1)を用いて、次の(31)〜(33)式を利用して算出することができる。
(1) N4=X(1) N+(D/2)・sinθ(1) …(31)
(1) N4=Y(1) N …(32)
(1) N4=Z(1) N−(D/2)・cosθ(1) …(33)
上述した射出光が道路反射鏡LMにより反射されるか否かの判別に際しては、まず、図9(A)に示される最大反射方位角αMAX、中心反射方位角αN及び最小反射方位角αMIN、並びに、図9(B)に示される最大反射俯角βMAX、中心反射俯角βN及び最小反射俯角βMINを算出する。なお、実際の場面においては、レーザーレーダ910と道路反射鏡LMとの距離は、道路反射鏡の曲率半径ρよりも十分に長いので、次の(34),(35)式が成立するようになっている。
αN≒(αMAX+αMIN)/2 …(34)
βN≒(βMAX+βMIN)/2 …(35)
さて、最小反射方位角αMIN、中心反射方位角αN及び最大反射方位角αMAXは、上述した座標系L(1)における位置N(1) 1(X(1) N1,Y(1) N1,Z(1) N1)、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)及び位置N(1) 2(X(1) N2,Y(1) N2,Z(1) N2)に基づいて、次の(36)〜(38)式を利用して算出することができる。
αMIN=tan-1[(Y(1) N−(D/2)・cosψ(1))/(X(1) N+(D/2)・sinψ(1))] …(36)
αN=tan-1[Y(1) N/X(1) N] …(37)
αMAX=tan-1[(Y(1) N+(D/2)・cosψ(1))/(X(1) N−(D/2)・sinψ(1))] …(38)
また、最小反射俯角βMIN、中心反射俯角βN及び最大反射俯角βMAXは、上述した座標系L(1)における位置N(1) 3(X(1) N3,Y(1) N3,Z(1) N3)、中心位置N(1)(X(1) N,Y(1) N,Z(1) N)及び位置N(1) 4(X(1) N4,Y(1) N4,Z(1) N4)に基づいて、次の(39)〜(41)式を利用して算出することができる。
βMIN=tan-1[(Z(1) N+(D/2)・cosθ(1))/(X(1) N−(D/2)・sinθ(1))] …(39)
βN=tan-1[Z(1) N/X(1) N] …(40)
βMAX=tan-1[(Z(1) N−(D/2)・cosθ(1))/(Z(1) N+(D/2)・sinθ(1))] …(41)
そして、レーザーレーダ910から射出方向(αi,βj)へ射出された射出光が道路反射鏡LMにより反射されるためには、射出方向(αi,βj)が、図10に示される楕円領域内にあることが条件となる。この条件を射出方向(αi,βj)が満たすか否かは、次の(42)式を満たすか否かを判定することにより判別することができる。
Figure 2019071117
(7)物体反射位置Tが路面上の位置か否かの判別について
上述したように、レーザーレーダ910は、路面からの高さが「H」の位置に搭載されるようになっている。このため、算出された物体反射位置T(1)(X(1) T,Y(1) T,Z(1) T)におけるZ(1)座標値Z(1) Tがほぼ「−H」である場合に、その物体反射位置が路面上の位置である判断することができる。すなわち、次の(43)式を満たす場合に、物体反射位置Tが路面上の位置であると判別するようにすることができる。
|Z(1) T+H|<δ …(43)
(8)障害物の特定について
上述したように算出される射出方向(αi,βj)ごとの地図座標系L(0)における物体反射位置(以下、「物体反射位置T(0) ij」ともいう)の点の空間分布に基づいて、路面上の物体反射位置を除きつつ、クラスタリング処理等を行うことにより、障害物の中心位置が特定できる。そして、地図座標系L(0)における特定された障害物の中心位置の時間的変化の有無により、静的障害物と動的障害物とが類別される。ここで、動的障害物については、その中心位置の地図座標系L(0)における中心位置の時間的変化から、移動速度及び移動方向を特定することができる。
[走行支援装置700の構成]
次に、本実施形態に係る走行支援装置700の構成について説明する。
図11には、走行支援装置700の構成がブロック図にて示されている。この図11に示されるように、走行支援装置700には、上述したレーザーレーダ910に加えて、走行情報供給部930及び提示部950が接続されている。
上記のレーザーレーダ910は、射出方向(αi,βj)ごとに、レーザーレーダ910から物体反射位置までの光路長(以下、「光路長rij」ともいう;光路長rijは、いずれの座標系においても同一値である)を逐次計測する。こうして計測された光路長rijは、走行支援装置700へ逐次送られる。
上記の走行情報供給部930は、地図座標系L(0)における移動体MVの現在位置、走行方向及び走行速度を検出する。走行情報供給部930による検出結果は、走行支援装置700へ逐次送られる。
また、走行情報供給部930は、移動体MVの走行予定経路を保持している。そして、走行情報供給部930は、移動体MVの走行予定経路が更新されるたびに、新たな走行予定経路を走行支援装置700へ送る。
上記の提示部950は、表示部、音出力部等を備えて構成されている。そして、提示部950は、走行支援装置700から送られた提示情報に従って、画像表示、音声出力等を行う。
図11に示されるように、走行支援装置700は、記憶部710と、取得部720とを備えている。また、走行支援装置700は、抽出部730と、特定部740とを備えている。
上記の記憶部710には、様々な情報が記録される。こうした情報には、地図情報、道路反射鏡情報、レーザーレーダ910の路面からの高さHを含む移動体MVにおけるレーザーレーダ910の搭載位置情報(以下、単に「搭載位置情報」ともいう)等が含まれている。この記憶部710には、取得部720及び特定部740がアクセス可能となっている。
地図情報には、道路の形状をリンクやノード(交差点等)で表す道路形状データ、道路周辺の建物形状等を表す道路周辺データが含まれている。また、地図情報には、道路勾配、道路幅、信号の有無等が含まれている。
道路反射鏡情報には、上述したように、地図座標系L(0)における道路反射鏡LMの中心位置N(0)が含まれている。また、道路反射鏡情報には、曲率半径ρ、並びに、道路反射鏡LMの鏡径D、地図座標系L(0)における設置方位角ψ(0)及び設置俯角θ(0)が含まれている。
上記の取得部720は、レーザーレーダ910から送られた光路長rijを取得する。こうして取得された光路長rijは、抽出部730へ送られる。
また、取得部720は、走行情報供給部930から送られた移動体MVの現在位置、走行方向及び走行速度、並びに、移動体MVの走行予定経路を取得する。こうして取得された移動体MVの現在位置及び走行方向は、抽出部730及び特定部740へ送られる。また、取得された移動体MVの走行速度及び走行予定経路は、特定部740へ送られる。
また、取得部720は、搭載位置情報、並びに、移動体MVの現在位置の周辺の地図情報及び道路反射鏡情報を記憶部710から取得する。こうして取得された搭載位置情報、地図情報における走行中の道路勾配(以下、「道路勾配情報」という)及び道路反射鏡情報は、抽出部730へ送られる。また、取得された地図情報は、特定部740へ送られる。
上記の抽出部730は、取得部720から送られた移動体MVの現在位置、走行方向、道路勾配情報、道路反射鏡情報、搭載位置情報及び光路長rijを受ける。そして、抽出部730は、取得部720から送られた情報に基づいて、新たな光路長rijを受けるたびに、物体反射位置T(1) ijを算出した後、物体反射位置T(0) ijを算出する。こうして算出された物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijは、特定部740へ送られる。
なお、抽出部730が実行する抽出処理の詳細については、後述する。
上記の特定部740は、取得部720から送られた移動体MVの現在位置、走行方向、走行速度及び走行予定経路、地図情報、並びに、抽出部730から送られた物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijを受ける。引き続き、特定部740は、物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijに基づいて障害物の位置及び移動速度を特定する。
次に、特定部740は、特定された障害物を静的障害物と動的障害物とに分類する。そして、静的障害物に分類された障害物が地図情報に登録されていない場合には、当該障害物を地図情報に追加する。この後、特定部740は、特定された障害物に関する提示情報を生成し、生成された提示情報を提示部950へ送る。この結果、障害物に関する情報が、利用者に提示される。
また、特定部740は、動的障害物に分類された障害物と移動体MVとの衝突の危険度を評価する。そして、危険度が高い場合には、特定部740は、その旨を提示するための提示情報を生成して、生成された提示情報を提示部950へ送る。この結果、衝突に危険度が高いことが、利用者に提示される。
なお、特定部740が実行する特定処理の詳細については、後述する。
[走行支援装置700の動作]
次に、上記のように構成された走行支援装置700の動作について、抽出部730による抽出処理、及び、特定部740による特定処理に主に着目して説明する。
前提として、レーザーレーダ910は動作を開始しており、レーザーレーダ910からは、計測された光路長rijが、走行支援装置700の取得部720へ逐次送られているものとする。また、走行情報供給部930は動作を開始しており、走行情報供給部930は、検出された座標系L(0)における移動体MVの現在位置、走行方向及び走行速度を取得部720へ逐次送るとともに、最新の移動体MVの走行予定経路を取得部720へ送っているものとする。
取得部720は、光路長rij、座標系L(0)における移動体MVの現在位置、走行方向及び走行速度、並びに、移動体MVの走行予定経路を受ける。引き続き、取得部720は、搭載位置情報、移動体MVの現在位置の周辺の地図情報及び道路反射鏡情報を記憶部710から取得する。
そして、取得部720は、搭載位置情報、座標系L(0)における移動体MVの現在位置、走行方向及び道路勾配情報、並びに、道路反射鏡情報及び光路長rijを抽出部730へ送る。また、取得部720は、座標系L(0)における移動体MVの現在位置、走行方向、走行速度及び走行予定経路、並びに、地図情報を特定部740へ送る。
こうして、取得部720から抽出部730へ送られた情報に基づいて、抽出部730は抽出処理を行って物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijを算出し、算出結果を特定部740へ送る。また、取得部720から特定部740へ送られた情報、及び、抽出部730から送られた物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijに基づいて、特定部740は特定処理を行う。
<抽出部730による抽出処理>
次に、抽出部730による抽出処理を説明する。
かかる抽出処理に際して、抽出部730は、搭載位置情報、移動体MVの現在位置及び走行方向、並びに、道路勾配情報に基づいて、上述した座標系L(1)を設定する。引き続き、抽出部730は、道路反射鏡情報を参照して、移動体の周辺に道路反射鏡が存在するか否かを判定する。
道路反射鏡が周辺に存在しない場合には、抽出部730は、全ての光路長rijについて、上述した(19)〜(21)式により物体反射位置T(1) ijを算出する。引き続き、抽出部730は、物体反射位置T(1) ijを物体反射位置T(0) ijへ変換する。そして、抽出部730は、物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijを特定部740へ送る。
道路反射鏡が周辺に存在する場合には、抽出部730は、まず、道路反射鏡情報における中心位置N(0)、反射方位角ψ(0)及び反射俯角θ(0)を、中心位置N(1)、反射方位角ψ(1)及び反射俯角θ(1)へ変換する。引き続き、抽出部730は、射出方向(αi,βj)の射出光のそれぞれに対して、道路反射鏡により反射されるか否かを、(42)式の条件を満たすか否かにより判定する。
次に、道路反射鏡により反射される射出光に対応する光路長rijについては、上述した(18)式により物体反射位置T(1) ijを算出する。一方、道路反射鏡により反射さない射出光に対応する光路長rijについては、(19)〜(21)式により物体反射位置T(1) ijを算出する。
次いで、抽出部730は、物体反射位置T(1) ijを物体反射位置T(0) ijへ変換する。そして、抽出部730は、物体反射位置T(0) ij及び物体反射位置T(1) ijを特定部740へ送る。
<特定部740による特定処理>
次に、特定部740による特定処理を説明する。
かかる特定処理に際して、特定部740は、まず、物体反射位置T(1) ijの中における(43)式の条件を満たす物体反射位置に対応する座標系L(0)の位置を、物体反射位置T(0) ijの中から除去する。引き続き、特定部740は、物体反射位置T(0) ijの中から、地図情報に登録されている建物形状等の外面上の点を除去し、新たな障害物位置を抽出する。
次に、特定部740は、抽出された障害物位置の点群に対してクラスタリング処理を行って、障害物の特定を行うとともに、その中心位置を特定する。引き続き、特定部740は、最近のクラスタリング処理の結果を参照して、障害物の移動速度及び移動方向を特定する。
次いで、特定部740は、特定された移動速度に基づいて、特定された障害物を、静的障害物又は動的障害物に分類する。引き続き、特定部740は、静的障害物に分類された障害物の情報を記憶部710内の地図情報に追加する。そして、特定部740は、特定された障害物の情報、及び、地図情報に基づいて、障害物情報を提示するための通常提示情報を生成し、生成された通常提示情報を提示部へ送る。この結果、障害物全般に関する情報が、利用者に提示される。
次に、特定部740は、動的障害物の移動速度及び移動方向、並びに、移動体MVの現在位置、移動速度及び走行予定経路に基づいて、移動体MVと動的障害物との衝突危険度を評価する。この評価により、衝突危険度が低いとはいえない動的障害物が存在する場合には、当該動的障害物を指定した警告提示情報を生成し、生成された警告提示情報を提示部950へ送る。この結果、衝突に関する警告の情報が利用者に提示される。
以上説明したように、本実施形態では、取得部720が、移動体MVに搭載されたレーザーレーダ910を利用して得られた移動体MVの周囲情報である光路長rij、道路反射鏡LMの地図上の中心位置N(0)を含む道路反射鏡情報、及び、移動体MVの地図上の位置情報を取得する。そして、抽出部730が、取得された道路反射鏡情報、及び、移動体MVの地図上の位置情報に基づいて、取得された光路長rijの中から、道路反射鏡LMを経由して取得された光路長を抽出した後、当該抽出された光路長に対応する物体反射位置を算出する。
したがって、本実施形態によれば、外光などの周囲環境条件に対して高いロバスト性を持ちながら、運転者の死角における周囲情報を高精度に得ることができ、ひいては、高度な走行支援を行うことができる。
また、本実施形態では、抽出部730による抽出結果と地図情報とに基づいて、特定部740が、移動体MVの移動に対する地図情報に含まれていない障害物を特定する。このため、運転者の死角に存在する障害物を特定することができる。
また、本実施形態では、特定部740が、特定された障害物を静的障害物と動的障害物とに分類し、静的障害物の情報を地図情報に追加する。このため、地図情報を適切に更新することができる。
また、本実施形態では、取得部720が、移動体MVの走行速度及び走行予定経路を更に取得する。そして、特定部740が、動的障害物の移動方向及び移動速度の特定を行い、特定された移動方向及び移動速度、並びに、移動体MVの走行速度及び走行予定経路に基づいて、移動体MVと動的障害物との衝突の危険度を評価する。このため、利用者に対して高度な走行支援を行うことができる。
[実施形態の変形]
上記の実施形態に対しては、様々な変形を行うことができる。
例えば、上記の実施形態におけるレーザーレーダ910の射出光の射出方向(αi,βj)の変化範囲及び変化ステップ量は例示であり、射出方向の変化範囲及び変化ステップ量は、物体反射位置を算出すべき領域、及び、算出された物体反射位置の許容精度に対応していれば、任意の変化範囲及び変化ステップ量とすることができる。
また、上記の実施形態では、特定された動的障害物の移動方向及び移動速度を利用して、移動体と動的障害物との衝突危険度を評価するようにした。これに対し、動的障害物の移動方向に代えて、動的障害物の移動方向及び地図情報に基づいて推定される動的障害物の移動経路を採用して、移動体と動的障害物との衝突危険度を評価するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、走行情報供給部930及び提示部950が、走行支援装置700の外部に配置される構成とした。これに対し、外部に走行情報供給部930又は提示部950として利用できる装置がない場合には、走行支援装置700が、走行情報供給部又は提示部を備える構成としてもよい。
なお、上記の実施形態の走行支援装置を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上述した走行支援装置による処理を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を、図12〜図19を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、上述した実施形態の記載を含めて、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図12には、一実施例に係る走行支援装置100の構成がブロック図にて示されている。この走行支援装置100は、上述した一実施形態の走行支援装置700(図11参照)の一態様となっている。
図12に示されるように、走行支援装置100は、道路上を走行する移動体MVとしての車両CR内に配置される。そして、本実施例では、車両CRには、上述したレーザーレーダ910と同様に構成されたレーザーレーダ210と、ナビゲーション装置230と音出力ユニット251と、表示ユニット256とを備えている。
なお、レーザーレーダ210は、レーザーレーダ910の場合と同様に、路面からの高さHの位置に搭載されている。
上記のナビゲーション装置230は、座標系L(0)における車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度を検出する。そして、ナビゲーション装置230は、車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度が検出されるたびに、検出結果を走行支援装置100へ逐次送る。
また、ナビゲーション装置230は、利用者による指令に従って、車両CRの走行予定経路を設定する。そして、ナビゲーション装置230は、車両CRの走行予定経路が更新されるたびに、新たな走行予定経路を走行支援装置100へ送る。
すなわち、ナビゲーション装置230は、上述した走行情報供給部930の機能を果たすようになっている。
上記の音出力ユニット251は、スピーカを備えて構成されている。この音出力ユニット251は、走行支援装置100から送られた音声データに対応する音声を出力する。
上記の表示ユニット256は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成されている。この表示ユニット256は、走行支援装置100から送られた表示データに対応する画像を表示する。
なお、本実施例では、音出力ユニット251と表示ユニット256とにより、上述した提示部950が構成されるようになっている。
[走行支援装置100の構成]
次に、走行支援装置100の構成について説明する。
図12に示されるように、走行支援装置100は、処理ユニット110を備えている。また、走行支援装置100は、記憶ユニット120を備えている。
上記の処理ユニット110は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理ユニット110が様々なプログラムを実行することにより、走行支援装置100としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した実施形態における取得部720、抽出部730及び特定部740としての機能も含まれている。
なお、処理ユニット110が実行するプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
上記の記憶ユニット120は、不揮発性の記憶装置を備えて構成されている。この記憶ユニット120には、処理ユニット110がアクセス可能となっている。
記憶ユニット120には、走行支援装置100において利用される様々な情報が記憶される。こうした記憶ユニット120に記憶される情報には、地図情報、上述した実施形態の場合と同様の道路反射鏡情報、レーザーレーダ210の路面からの高さHを含む車両CRにおけるレーザーレーダ210の搭載位置情報(以下、単に「搭載位置情報」ともいう)が含まれている。また、記憶ユニット120に記憶される情報には、座標系L(0)における車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度、並びに、走行予定経路、及び、レーザーレーダ210から送られた光路長rijが含まれている。
なお、本実施例では、地図情報には、道路の形状をリンクやノード(交差点等)で表す道路形状データ、道路周辺の建物形状等を表す道路周辺データ、及び、道路勾配、道路幅、信号の有無等が含まれる一般地図情報が含まれている。また、地図情報には、静的障害物上の位置が点として表現され、後述するように利用される局所点群地図情報(LPGM)が含まれている。
また、本実施例では、光路長rijが記憶される領域は、トグルバッファ構成とされている。このトグルバッファ構成における1つのバッファ領域の大きさは、レーザーレーダ210からの射出光の射出方向(αi,βj)における(i,j)の組み合わせ(以下、「組(i,j)」と呼ぶ)の総数に対応する光路長rijを記憶する大きさとなっている。
なお、処理ユニット110は、レーザーレーダ210から送られた光路長rijを受けるたびに、当該光路長rijを、順次、一方のバッファ領域に格納する。そして、当該一方のバッファ領域が最近の光路長rijでフルになると、レーザーレーダ210から送られた光路長rijの他方バッファ領域への格納を開始する。ここで、トグルバッファ構成における1つのバッファ領域への光路長rijの格納開始から当該1つのバッファがフルになるまでの時間は、走行支援の観点からは十分に短い時間となっている。
また、処理ユニット110は、車両CRの現在位置、走行方向、走行速度又は走行予定経路を新たに受けるたびに、記憶ユニット120内の車両CRの現在位置、走行方向、走行速度又は走行予定経路を新たな車両CRの現在位置、走行方向、走行速度又は走行予定経路に更新する。
[走行支援装置100の動作]
次に、上記のように構成された走行支援装置100の動作について、処理ユニット110が実行する走行支援処理に主に着目して説明する。
前提として、レーザーレーダ210は動作を開始しており、レーザーレーダ210からは、計測された光路長rijが、走行支援装置100の処理ユニット110へ逐次送られているものとする。また、ナビゲーション装置230は動作を開始しており、検出された座標系L(0)における車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度が処理ユニット110へ逐次送られるとともに、最新の車両CRの走行予定経路が処理ユニット110へ送られているものとする。
上述したように、処理ユニット110は、レーザーレーダ210から送られた光路長rijを受けるたびに、当該光路長rijを、順次、一方のバッファ領域に格納する。そして、当該一方のバッファ領域が最近の光路長rijでフルになると、レーザーレーダ210から送られた光路長rijの他方バッファ領域への格納を開始する。また、処理ユニット110は、ナビゲーション装置230から送られた座標系L(0)における車両CRの現在位置、走行方向若しくは走行速度、又は、走行予定経路を新たに受けるたびに、記憶ユニット120内の車両CRの現在位置、走行方向、走行速度又は走行予定経路を新たな車両CRの現在位置、走行方向、走行速度又は走行予定経路に更新する。そして、こうしたデータ収集処理と並行して、走行支援処理を実行する。
かかる走行支援処理に際しては、図13に示されるように、処理ユニット110は、まず、ステップS10において、それまでバッファリングに使用していたバッファ領域がフルとなったか否かを判定する。ステップS10における判定の結果が否定的であった場合(ステップS10:N)には、ステップS10の処理が繰り返される。
ステップS10における判定の結果が肯定的となると(ステップS10:Y)、処理はステップS11へ進む。そして、処理ユニット110は、記憶ユニット120内の情報を適宜参照しつつ、直前までバッファリングに使用していたバッファ領域(以下、「選択バッファ領域」という)に記憶されている光路長rijに基づいて、以下のステップS11〜S18の処理を実行する。
ステップS11では、処理ユニット110が、搭載位置情報、車両CRの現在位置及び走行方向、並びに、道路勾配情報を記憶ユニット120から読み取る。引き続き、ステップS12において、処理ユニット110は、読み取られた車両CRの現在位置及び走行方向、並びに、道路勾配情報に基づいて、上述した座標系L(1)を設定する。
次に、ステップS13において、処理ユニット110は、記憶ユニット120内の道路反射鏡情報を参照して、車両CRの周辺に道路反射鏡が存在するか否かを判定する。ステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS14へ進む。
ステップS14では、処理ユニット110が、後述する反射鏡無処理を行い、座標系L(1)における物体反射位置T(1) ijを算出する。この反射鏡無処理が終了すると、処理は、後述するステップS16へ進む。
ステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)には、処理はステップS15へ進む。このステップS15では、処理ユニット110が、後述する反射鏡有処理を行い、座標系L(1)における物体反射位置T(1) ijを算出する。この反射鏡有処理が終了すると、処理はステップS16へ進む。
ステップS16では、処理ユニット110が、物体反射位置T(1) ijを、地図座標系L(0)における物体反射位置T(0) ijへ変換する。そして、処理はステップS17へ進む。
ステップS17では、処理ユニット110が、物体反射位置T(0) ijに基づいて、後述する障害物特定処理を行う。引き続き、ステップS18において、処理ユニット110が、ステップS17において動的障害物に分類された障害物と車両CRとの衝突危険度の評価処理を行う。
ステップS18の処理が終了すると、処理はステップS10に戻る。以後、ステップS10〜S18の処理が繰り返される。
<ステップS14における反射鏡無処理>
次に、ステップS14における反射鏡無処理について説明する。
かかる反射鏡無処理に際しては、図14に示されるように、処理ユニット110は、まず、ステップS21において、最初の組(i,j)を設定する。引き続き、ステップS22において、処理ユニット110は、組(i,j)に対応する光路長rijを、記憶ユニット120内の選択バッファ領域から取得する。そして、ステップS23において、処理ユニット110が、光路長rijに対応する物体反射位置T(1) ijを、上述した(19)〜(21)式を利用して算出する。
次に、ステップS24において、処理ユニット110が、組(i,j)の全てについて物体反射位置T(1) ijを算出したか否かを判定する。ステップS24における判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS25へ進む。
ステップS25では、処理ユニット110が、次の組(i,j)を設定する。そして、処理はステップS22へ戻る。以後、ステップS24における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS22〜S25の処理が繰り返される。
組(i,j)の全てについて物体反射位置T(1) ijが算出され、ステップS24における判定の結果が肯定的となると(ステップS24:Y)、ステップS14の処理が終了する。そして、処理は、上述した図13のステップS16へ進む。
<ステップS15における反射鏡有処理>
次に、ステップS15における反射鏡有処理について説明する。なお、以下においては、車両CRの周辺に存在する道路反射鏡が、道路反射鏡LMの1つのみであった場合を例示して説明する。
かかる反射鏡有処理に際しては、図15に示されるように、まず、ステップS31において、処理ユニット110が、道路反射鏡LMの地図座標系L(0)における中心位置N(0)、反射方位角ψ(0)及び反射俯角θ(0)、並びに、道路反射鏡LMの曲率半径ρ及び鏡径Dを記憶ユニット120内から取得する。引き続き、ステップS32において、処理ユニット110が、中心位置N(0)、反射方位角ψ(0)及び反射俯角θ(0)を、座標系L(1)における中心位置N(1)、反射方位角ψ(1)及び反射俯角θ(1)へ変換する。
次に、ステップS33において、処理ユニット110が、上述した(36)〜(41)式を利用して、最小反射方位角αMIN、中心反射方位角αN及び最大反射方位角αMAX、並びに、最小反射俯角βMIN、中心反射俯角βN及び最大反射俯角βMAXを算出する。引き続き、ステップS34において、処理ユニット110が、後述する物体反射位置T(1) ijの算出処理を行う。
ステップS34の処理が終了すると、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は、図13のステップS16へ進む。
<ステップS34における物体反射位置T(1) ijの算出処理>
次いで、ステップS34における物体反射位置T(1) ijの算出処理について説明する。
かかるステップS34における物体反射位置T(1) ijの算出処理に際しては、図16に示されるように、処理ユニット110が、まず、ステップS41において、最初の組(i,j)を設定する。引き続き、ステップS42において、処理ユニット110が、組(i,j)に対応する光路長rijを、記憶ユニット120内の選択バッファ領域から取得する。
次に、ステップS43において、処理ユニット110が、射出方向(αi,βj)へ射出された射出光は、道路反射鏡LMで反射されるか否かを、上述した(42)式の条件を満たすか否かにより判定する。ステップS43における判定の結果が否定的であった場合(ステップS43:N)には、処理はステップS44へ進む。
ステップS44では、処理ユニット110が、光路長rijに対応する物体反射位置T(1) ijを、(19)〜(21)式を利用して算出する。そして、処理は、後述するステップS47へ進む。
ステップS43における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS43:Y)には、処理はステップS45へ進む。このステップS45では、処理ユニット110が、座標系L(1)における中心位置C(1)を算出する。
次いで、ステップS46において、処理ユニット110が、光路長rijに対応する物体反射位置T(1) ijを、上述した(18)式を利用して算出する。そして、処理はステップS47へ進む。
ステップS47では、処理ユニット110が、組(i,j)の全てについて物体反射位置T(1) ijを算出したか否かを判定する。ステップS47における判定の結果が否定的であった場合(ステップS47:N)には、処理はステップS48へ進む。
ステップS48では、処理ユニット110が、次の組(i,j)を設定する。そして、処理はステップS42へ戻る。以後、ステップS47における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS42〜S48の処理が繰り返される。
組(i,j)の全てについて物体反射位置T(1) ijが算出され、ステップS47における判定の結果が肯定的となると(ステップS47:Y)、ステップS34の処理が終了することにより、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は、図13のステップS16へ進む。
なお、車両CRの周辺に複数の道路反射鏡が存在する場合には、射出方向(αi,βj)へ射出された射出光が、当該複数の道路反射鏡のいずれかで反射されるか否かを判定しつつ、上記のステップS15の処理と同様の処理を行う。
<ステップS17における障害物特定処理>
次いで、ステップS17における障害物特定処理について説明する。
かかる障害物特定処理に際しては、図17に示されるように、処理ユニット110は、まず、ステップS51において、障害物を特定するとともに、特定された障害物の中心位置及び移動速度を特定する。この特定に際して、処理ユニット110は、まず、物体反射位置T(1) ijの中から路面上の位置と推定される(43)式の条件を満たす物体反射位置に対応する座標系L(0)の位置を、物体反射位置T(0) ijの中からを除去する。引き続き、処理ユニット110は、物体反射位置T(0) ijにおける各位置の点の集合である点群の中から、記憶ユニット120内の局所点群地図情報として既に登録されている位置の点を除去し、新たな障害物位置の点群を抽出する。
次に、処理ユニット110は、抽出された障害物位置の点群に対してクラスタリング処理を行って、障害物の特定を行うとともに、その中心位置を特定する。引き続き、処理ユニット110は、最近のクラスタリング処理の結果を参照して、特定された障害物の移動速度及び移動方向を特定する。
こうしてステップS51の処理が終了すると、処理はステップS52へ進む。このステップS52では、処理ユニット110が、以下のステップS53〜S57の処理の対象となる最初の障害物を設定する。
次に、ステップS53において、処理ユニット110が、障害物の移動速度が所定速度VTH未満であるか否かを判定する。ここで、「所定速度VTH」は、障害物が静止しているといえるか否かを判定するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基いて、予め定められる。
ステップS53における判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、処理はステップS54へ進む。このステップS54では、障害物を動的障害物に分類する。そして、処理は、後述するステップS58へ進む。
ステップS53における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、処理はステップS55へ進む。このステップS55では、障害物を静的障害物に分類する。
次いで、ステップS56では、処理ユニット110が、静的障害物の物体反射位置の点群の中に、局所点群地図情報(LPGM)に含まれていない点があるか否かを判定する。ステップS56における判定の結果が否定的であった場合(ステップS56:N)には、処理はステップS58へ進む。
ステップS56における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS56:Y)には、処理はステップS57へ進む。このステップS57では、処理ユニット110が、局所点群地図情報に含まれていない静的障害物の物体反射位置の点群を、局所点群地図情報に追加する。そして、処理はステップS58へ進む。
ステップS58では、処理ユニット110が、特定された障害物の全てについて、静的障害物又は動的障害物に分類したか否かを判定する。ステップS58の判定の結果が否定的であった場合(ステップS58:N)には、処理はステップS59へ進む。
ステップS59では、処理ユニット110が、次にステップS53〜S57の処理の対象となる障害物を設定する。そして、処理はステップS53へ戻る。以後、ステップS58における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS53〜S59の処理が繰り返される。
特定された障害物の全てについて、静的障害物又は動的障害物への分類が行われ、ステップS58における判定の結果が肯定的となると(ステップS58:Y)、処理はステップS60へ進む。このステップS60では、処理ユニット110が、車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度、動的障害物の中心位置、移動方向及び移動速度、並びに、一般地図情報及び局所点群地図情報に基づいて、通常提示情報を表示ユニット256に表示させるための表示データを生成する。そして、処理ユニット110は、生成された表示データを表示ユニット256へ送る。この結果、表示ユニット256には、車両CRの現在位置、走行方向及び走行速度、動的障害物の中心位置、移動方向及び移動速度、並びに、局所点群地図情報を含む通常提示情報が表示される。
ステップS60の処理が終了すると、ステップS17の処理が終了する。そして、処理は、上述した図13のステップS18へ進む。
<ステップS18における衝突危険度の評価処理>
次いで、ステップS18における衝突危険度の評価処理について説明する。
かかる衝突危険度の評価処理に際しては、図18に示されるように、処理ユニット110は、まず、ステップS61において、動的障害物に分類された障害物があるか否かを判定することにより、動的障害物が抽出されたか否かを判定する。ステップS61における判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、ステップS18の処理が終了する。そして、処理は、上述した図13のステップS10へ戻る。
ステップS61における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS62へ進む。このステップS62では、処理ユニット110が、以下のステップS63の処理の対象となる最初の動的障害物を設定する。
次に、ステップS63において、処理ユニット110が、車両CRの現在位置、走行方向、走行速度及び走行予定経路、並びに、動的障害物の中心位置、移動方向及び移動速度に基づいて、車両CRと動的障害物との衝突危険度を評価する。そして、処理はステップS64へ進む。
ステップS64では、処理ユニット110が、動的障害物の全てについて、衝突危険度を評価したか否かを判定する。ステップS64の判定の結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、処理はステップS65へ進む。
ステップS65では、処理ユニット110が、次にステップS63の処理の対象となる動的障害物を設定する。そして、処理はステップS63へ戻る。以後、ステップS64における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS63〜S65の処理が繰り返される。
動的障害物の全てについて衝突危険度が評価され、ステップS64における判定の結果が肯定的となると(ステップS64:Y)、処理はステップS66へ進む。このステップS66では、処理ユニット110が、衝突危険度が低いとはいえない動的障害物があったか否かを判定する。
ステップS66における判定の結果が否定的であった場合(ステップS66:N)には、ステップS18の処理が終了する。そして、処理は、図13のステップS10へ戻る。
ステップS66における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS66:Y)には、処理はステップS67へ進む。このステップS67では、処理ユニット110が、衝突の危険性を提示する警告提示情報を音出力ユニット251から出力するための音声データを生成する。そして、処理ユニット110は、生成された音声データを音出力ユニット251へ送る。この結果、音出力ユニット251からは、車両CRが動的障害物と衝突する危険があることを示す音声が出力される。
ステップS67の処理が終了すると、ステップS18の処理が終了する。そして、処理は、図13のステップS10へ戻る。
なお、図19(A)に示されるように、車両CRの周囲に道路反射鏡LM、並びに、静的障害物SOB1〜SOB3及び動的障害物DOBが存在する場合の通常提示情報の提示例が、図19(B)に示されている。ここで、図19(B)には、時刻t1、時刻t2(>t1)及び時刻t3(>t2)における通常提示情報の提示例が示されている。
なお、図19(B)では、車両CRの現在位置が「○」で示され、局所点群地図情報における静的障害物SOB1〜SOB3における物体反射位置、及び、動的障害物DOBにおける物体反射位置が「●」で示されている。ここで、動的障害物DOBの物体反射位置は、点線楕円枠で囲まれている。また、車両CRの走行方向及び走行速度が、「○」を始点とする矢印の方向及び長さで示されている。さらに、動的障害物DOBの移動方向及び移動速度が、点線楕円枠を始点とする矢印の方向及び長さで示されている。
以上説明したように、本実施例によれば、上述した実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。
[実施例の変形]
上記の実施例に対しては、上述した実施形態の場合と同様の変形を行うことができる。
また、上記の実施例では、警告提示情報の利用者への提示を、音声のみによる提示とした。これに対し、衝突の危険がある動的障害物の強調表示による提示を、音声による提示に代えて、又は、音声による提示に加えて行うようにしてもよい。
また、上述した図19(B)の表示例に代えて、他の態様で通常提示情報を提示するようにしてもよい。
100 … 走行支援装置(物体位置検出装置)
110 … 処理ユニット(取得部、算出部)
700 … 走行支援装置(物体位置検出装置)
720 … 取得部
730 … 抽出部(算出部)

Claims (3)

  1. 移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置であって、
    道路反射鏡の位置情報を含む道路反射鏡情報を取得する取得部と;
    前記レーザーレーダからの射出光が、前記道路反射鏡に入射する場合と前記道路反射鏡に入射しない場合とで、異なる演算処理により前記物体の位置情報を算出する算出部と;
    を備えることを特徴とする物体位置検出装置。
  2. 移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置が有するコンピュータに、
    道路反射鏡の位置情報を含む道路反射鏡情報を取得する取得手順と;
    前記レーザーレーダからの射出光が、前記道路反射鏡に入射する場合と前記道路反射鏡に入射しない場合とで、異なる演算処理により前記物体の位置情報を算出する算出手順と;
    を実行させることを特徴とする物体位置検出プログラム。
  3. 移動体に搭載されたレーザーレーダを利用して前記移動体の周囲に存在する物体の位置を検出する物体位置検出装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項2に記載の物体位置検出プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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