JP2019070732A - 電気泳動装置及び電子機器 - Google Patents
電気泳動装置及び電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019070732A JP2019070732A JP2017196622A JP2017196622A JP2019070732A JP 2019070732 A JP2019070732 A JP 2019070732A JP 2017196622 A JP2017196622 A JP 2017196622A JP 2017196622 A JP2017196622 A JP 2017196622A JP 2019070732 A JP2019070732 A JP 2019070732A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- substrate
- partition
- film
- electrophoresis apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Abstract
【課題】電気泳動分散液を挟む一対の基板が離れることを防止することができる電気泳動装置を提供する。【解決手段】電気泳動装置1は第1基板2及び第2基板3の基板間に、隣り合う画素8間に設けられた隔壁5を備え、隔壁5内に弾性を有する粒子44が配置されている。そして、粒子44は気体が内在する多孔質になっている。【選択図】図9
Description
本発明は、電気泳動装置及び電子機器に関するものである。
表示装置の1種類である電気泳動装置が広く活用されている。電気泳動装置は画面のちらつきが少なく、利用者の目が疲れ難いという利点がある。この電気泳動装置の構造が特許文献1に開示されている。それによると、電気泳動装置は基板間に隔壁を備えている。隔壁は格子状に配列された画素を区画する。そして、各画素にはシリコーンオイルが充填されている。一対の基板は最外周で接着されている。
シリコーンオイルには電気泳動粒子が分散している。電気泳動粒子は黒色の粒子と白色の粒子とで構成され、それぞれ異なる極に帯電されている。一対の基板には電極が設置されている。そして、電極間に電圧を印加するとき、電気泳動粒子に電気的な引力及び斥力が作用して、電気泳動粒子が分離する。画素毎に各電極の電圧を制御することにより各画素の表示色を制御する。その結果、所定のパターンの画像を形成することができる。
特許文献1の電気泳動装置に設置されたシリコーンオイルの熱膨張係数は0.001/Kである。従って、温度が20度変化するときシリコーンオイルが2%増加する。このとき、シリコーンオイルの圧力が増加するので、一対の基板を離す向きの力が作用する。この圧力により基板間距離が長くなると、電気泳動粒子に加わる電気力が減少するので、電気泳動粒子の動きが遅くなる。さらに、基板間距離が長くなるとき隔壁と基板との間に隙間ができるので、この隙間を通って電気泳動粒子が移動する。このとき、画素毎の黒粒子と白粒子との比率が変わるため、コントラストの特性が変化する。そこで、一対の基板が離れることを防止することができる電気泳動装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる電気泳動装置であって、一対の基板間に、隣り合う画素間に設けられた隔壁を備え、前記隔壁内に、弾性を有する粒子が配置されていることを特徴とする。
本適用例にかかる電気泳動装置であって、一対の基板間に、隣り合う画素間に設けられた隔壁を備え、前記隔壁内に、弾性を有する粒子が配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、電気泳動装置は一対の基板を備えている。この基板間には複数の画素が配置されている。そして、隣り合う画素間に隔壁が設けられている。そして、隔壁内には弾性を有する粒子が配置されている。画素には液体が充填されており、液体は温度が高くなると膨張する。そして、基板及び隔壁に加わる圧力が大きくなる。このとき、隔壁内に配置された粒子が収縮する。その結果、一対の基板に加わる圧力が低下する為、一対の基板が離れることを抑制することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記粒子は、気体が内在する多孔質であることを特徴とする。
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記粒子は、気体が内在する多孔質であることを特徴とする。
本適用例によれば、粒子は、気体が内在する多孔質である。気体は圧力に反比例して体積が減少する。従って、粒子は確実に弾性を有することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記粒子の縦弾性係数は前記隔壁の縦弾性係数よりも小さいことを特徴とする。
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記粒子の縦弾性係数は前記隔壁の縦弾性係数よりも小さいことを特徴とする。
本適用例によれば、粒子の縦弾性係数は隔壁の縦弾性係数よりも小さい。このとき、隔壁は基板間距離を維持する。そして、隔壁に加わる圧力が増加するとき、隔壁の厚みを減少させることができる。その結果、液体が膨張するときに圧力が上昇することを緩和することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記隔壁の材質はエポキシ樹脂であり、前記粒子の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とする。
上記適用例にかかる電気泳動装置において、前記隔壁の材質はエポキシ樹脂であり、前記粒子の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、隔壁の材質はエポキシ樹脂である。そして、粒子の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含む。エポキシ樹脂の縦弾性係数は2400MPaである。天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン酸ポリエチレンの各縦弾性係数は40MPa以下である。従って、粒子の縦弾性係数を隔壁の縦弾性係数よりも小さくすることができる。
[適用例5]
本適用例にかかる電子機器であって、上記に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする。
本適用例にかかる電子機器であって、上記に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は上記に記載の電気泳動装置を備えている。上記に記載の電気泳動装置は温度が上昇しても一対の基板が離れることを抑制できる。従って、電子機器は温度が上昇しても一対の基板が離れることを抑制できる電気泳動装置を備えた装置とすることができる。
本実施形態では、電気泳動装置と、この電気泳動装置を製造する特徴的な例について、図に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわる電気泳動装置について図1〜図10に従って説明する。図1は、電気泳動装置の構造を示す概略斜視図であり、図2は電気泳動装置の構造を示す模式平面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわる電気泳動装置について図1〜図10に従って説明する。図1は、電気泳動装置の構造を示す概略斜視図であり、図2は電気泳動装置の構造を示す模式平面図である。
図1に示すように、電気泳動装置1は基板としての第1基板2と基板としての第2基板3とが重なった構造になっている。第1基板2及び第2基板3の厚み方向をZ方向とし、第1基板2の側面に沿う方向をX方向及びY方向とする。+Z方向側に第2基板3が位置する。観察者が電気泳動装置1を見るときには+Z方向側から見ることとする。第2基板3の+Z方向側の面が画像を表示する画像表示面3aである。第1基板2は第2基板3より−Y方向に長い形状になっている。第1基板2の−Y方向側では+Z方向側の面にフレキシブル基板4が配置されている。フレキシブル基板4は図示しない駆動回路に電気的に接続され、フレキシブル基板4を介して電源と駆動信号が供給される。
図2に示すように、電気泳動装置1は第1基板2と第2基板3との間に隔壁5が配置されている。隔壁5は格子状の形状を有し画素領域6を区画する。隔壁5の寸法は特に限定されないが、本実施形態では、例えば、幅が3〜5μm、高さが20〜40μmになっている。
図中画素領域6は図を見易くするためにX方向に15個、Y方向に10個並べて配置されている。画素領域6の個数は特に限定されないが本実施形態では、例えば、X方向に320個、Y方向に250個並べて配置されている。画素領域6の大きさは特に限定されないが本実施形態では、例えば、X方向の長さが50〜100μm、Y方向の長さが50〜100μmになっている。電気泳動装置1の大きさも特に限定されないが本実施形態では、例えば、第1基板2はX方向の長さが30〜50mmであり、Y方向の長さが20〜40mmになっている。
第1基板2には各画素領域6に画素回路7が配置されている。画素回路7はスイッチングを行う回路を含み画素領域6に印加される電圧を切り替える。画素回路7は各画素領域6にあるので画素回路7の個数は画素領域6の個数と同じ個数になっている。そして、画像表示面3aに所定の画像を表示するときには1つの画素領域6が1つの画素8になる。第1基板2の+Z方向側の面には第2基板3とフレキシブル基板4との間に信号分配部9が配置されている。信号分配部9は画素回路7に出力する信号を供給する。
図3は電気泳動装置の構造を示す部分概略分解斜視図であり、電気泳動装置1の一部分をZ方向に分解した図である。図3に示すように、第1基板2は第1基材10を有する。第1基材10の材質には、ガラス、プラスチック、セラミック、シリコン等を用いることができる。第1基材10は+Z方向から見える画像表示面3aの反対側に配置されるため不透明な材質でもよい。本実施形態では、例えば、第1基材10の材質にガラスを用いている。
第1基材10上には素子層11が配置されている。素子層11には画素回路7及び画素回路7に電気信号を供給する配線等が配置されている。画素回路7は複数のTFT(Thin Film Transistor)素子等で構成されている。素子層11の上には有機樹脂膜12が配置され、有機樹脂膜12の上には窒化珪素膜13及び画素電極14がこの順に重ねて配置されている。有機樹脂膜12及び窒化珪素膜13により絶縁膜15が構成されている。
絶縁膜15は、有機樹脂膜12と有機樹脂膜12上に積層された窒化珪素膜13とを有している。そして、画素電極14は窒化珪素膜13と接するように形成されている。絶縁膜15は素子層11と画素電極14とを絶縁する層である。有機樹脂膜12は膜厚を厚くすることができるので素子層11の+Z方向側の面に凹凸があっても画素電極14側の面を平坦にすることができる。有機樹脂膜12は素子層11の凹凸を画素領域6に反映させないための平坦化の機能を有する。そして、窒化珪素膜13は緻密な膜であり物質を通過させ難い機能を有している。従って、窒化珪素膜13上に液体を配置するときにも、窒化珪素膜13を通過して液体を劣化される成分が有機樹脂膜12から液体中に溶け出すことを抑制することができる。
素子層11には配線34が配置されている。画素電極14は画素領域6毎に配置されている。第1基材10、素子層11、有機樹脂膜12、窒化珪素膜13及び画素電極14等により第1基板2が構成されている。
素子層11に形成されるトランジスターの半導体層の材質は半導体が形成できる材質であれば良く特に限定されず、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素、等を用いることができる。有機樹脂膜12の材質は絶縁性があり成形しやすい材質であれば良く特に限定されず、樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、有機樹脂膜12の材質にはポジ型の感光性アクリル樹脂を用いている。ポジ型にすることにより容易に画素電極14をドレイン電極33と電気的に接続するための貫通孔を形成することができる。
画素電極14の材質は通電性のある材質であれば良く特に限定されず、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀、ITO(インジウム錫酸化物)等の金属や合金の他、銅箔上にニッケル膜や金膜を積層した物、アルミニウム箔上にニッケル膜や金膜を積層した物を用いることができる。本実施形態では、例えば、画素電極14の材質はアルミ合金になっている。
窒化珪素膜13及び有機樹脂膜12上には隔壁5が配置され、隔壁5によって区画された画素領域6には液体としての電気泳動分散液16が充填されている。そして、隔壁5は画素8を区画するように設けられている。隔壁5の材質は適切な強度があり形成しやすく、電気泳動分散液16に溶出しない材質であれば良く特に限定されない。ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料に架橋剤を加えた材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、隔壁5の材料にはネガ型の感光性エポキシ樹脂を用いている。ネガ型にすることにより凸形状を容易に形成することができる。
窒化珪素膜13の材質は絶縁性があり有機樹脂膜12を電気泳動分散液16に溶出させない材質に換えても良く特に限定されない。窒化珪素膜13は有機樹脂膜12が電気泳動分散液16に溶出することを防止する。これにより、電気泳動分散液16が変質することを防止し、有機樹脂膜12が劣化することを防止する。
電気泳動分散液16には白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18が含まれ、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18が分散媒21に分散している。白色荷電粒子17の材料は、白色で帯電可能であり微細な粒子に形成可能であれば良く特に限定されない。白色荷電粒子17の材料は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子、高分子、コロイドを用いることができる。本実施形態では、例えば、白色荷電粒子17は二酸化チタンの粒子を正に帯電させて用いている。
黒色荷電粒子18の材料は、黒色で帯電可能であり微細な粒子に形成可能であれば良く特に限定されない。黒色荷電粒子18の材料は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、酸窒化チタン等の黒色顔料からなる粒子、高分子、コロイドを用いることができる。本実施形態では、例えば、黒色荷電粒子18は酸窒化チタンを負に帯電させて用いている。白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18にはこれらの粒子に必要に応じて電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の帯電制御剤を用いることができる。他にも、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18にはチタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等が添加されてもよい。
分散媒21は流動性があって変質し難い材質であれば良く特に限定されない。分散媒21の材質には水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素を用いることができる。他にも分散媒21の材質にはベンゼン、トルエン、キシレン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素を用いることができる。長鎖アルキル基を有するベンゼン類にはヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等を用いることができる。他にも分散媒21としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。他にも、分散媒21の材質には油類やシリコーンオイルを用いることができる。これらの物質は単独または混合物として用いることができ、さらに、カルボン酸塩のような界面活性剤等を配合してもよい。
隔壁5及び電気泳動分散液16上には第2基板3が配置されている。第2基板3は第2基材22を有する。第2基材22上には共通電極23が配置され、共通電極23上には電気泳動分散液16を封止する透明な封止層24が配置されている。共通電極23は複数の画素領域6に渡って配置される共通電極である。従って、共通電極23は複数の画素電極14と対向する。第2基板3は、封止層24側が隔壁5と接合するように配置される。さらに、封止層24は隔壁5と共通電極23とを絶縁する機能を備えている。隔壁5は、封止層24に押し込まれるように配置されている。すなわち、封止層24の隔壁5の頂部と接する領域は、それ以外の領域(例えば電気泳動分散液16と接する領域)よりも第2基材22側に位置している。
第2基材22の材質は光透過性、強度及び絶縁性があれば良く特に限定されない。第2基材22の材質にガラスや樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、第2基材22の材質にガラス板を用いている。
共通電極23は、透明導電膜であれば良く特に限定されない。例えば、共通電極23にはMgAg、IGO(Indium−gallium oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ICO(Indium−cerium oxide)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、共通電極23にITOを用いている。
封止層24の材質は隔壁5と接合が可能であり、光透過性があって絶縁性を有する材質であれば良く特に限定されない。例えば、封止層24の材質にはNBA(アクリルニトリリル・ブタジエンゴム)、イソブレン、ブタジエン、クロロプレン、スチレン・ブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等が用いることができる。他にも、封止層24の材質にはポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ゼラチン、フェノール樹脂、ビニル樹脂等が用いることができる。本実施形態では、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂やエポキシ樹脂を用いている。
さらに、封止層24には電気泳動分散液16を変質させない非極性の膜を配置するのがこのましい。この膜の材質にはPVA(ポリビニルアルコール)、ポリスチレン及びポリプロピレンを用いることができる。このように、電気泳動装置1は第1基板2及び第2基板3の一対の基板間に隔壁5が設けられた構造になっている。
図4は電気泳動装置の構造を示す模式側断面図である。図4に示すように、電気泳動装置1は画素電極14と共通電極23との間に電圧を印加して用いられる。そして、電気泳動装置1は画素電極14と共通電極23との間で電圧を切り替えて用いられる。
図示しない制御装置が画素電極14に対して共通電極23を低い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負に帯電しているので、黒色荷電粒子18は画素電極14に誘引される。白色荷電粒子17は正に帯電しているので、白色荷電粒子17は共通電極23に誘引される。その結果、第1基板2には黒色荷電粒子18が集合し、第2基板3には白色荷電粒子17が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して白色荷電粒子17を見ることができる。従って、画素領域6では白色の表示となる。
素子層11には画素回路7が配置されている。画素回路7は複数のトランジスター25を備えている。図中には複数のトランジスター25の中の1つが描かれている。トランジスター25は半導体層26を有し、半導体層26にはソース領域27、チャネル形成領域28、ドレイン領域29、ソース領域27、チャネル形成領域28、ドレイン領域29がこの順に並んで形成されている。半導体層26上にはゲート絶縁膜30が配置され、ゲート絶縁膜30上にはゲート電極31が配置されている。1つのトランジスター25に2つのゲート電極31が配置されているので、トランジスター25はダブルゲートトランジスターの形態になっている。
半導体層26の端側のソース領域27にはソース電極32が電気的に接続され、ソース電極32には配線34が電気的に接続されている。ドレイン領域29と電気的に接続してドレイン電極33が配置されている。図に示すように、幾つかのトランジスター25は画素電極14と電気的に接続されている。ゲート電極31には図示しない配線が電気的に接続されている。
隔壁5の主な材質はエポキシ系樹脂であり、有機樹脂膜12の主な材質はアクリル樹脂である。そして、有機樹脂膜12と隔壁5との一部が接合している。有機樹脂膜12上に窒化珪素膜13が位置し、窒化珪素膜13上に隔壁5が位置する。画素電極14は、金属を含み、画素電極14は窒化珪素膜13と接するように形成されている。金属は通電性を有している。従って、画素電極14は電気泳動分散液16に電気的作用を及ぼすことができる。
図5は画素と隔壁との関係を説明するための要部模式平面図であり、第1基板2を画像表示面3a側から見た図である。図中隔壁5は想像線にて記載されている。図5に示すように、第1基板2は1つの画素8に対応して1つの画素電極14を備えている。そして、隔壁5は、1つの画素8に対して画素電極14を囲んで配置されている。そして、この隔壁5は隣り合う画素8間に設けられている。第1基板2の厚み方向からみた平面視で画素電極14は四角形である。
図6は電気泳動装置の電気制御ブロック図である。図6に示すように、電気泳動装置1は制御装置36と電気的に接続して用いられる。制御装置36は入力部37を備え、入力部37は電気泳動装置1に表示する画像を示す画像信号を出力する装置に電気的に接続されている。そして、入力部37は画像信号を入力する。入力部37は制御部38と電気的に接続されている。そして、制御部38は記憶部41、第1波形形成部42、第2波形形成部43及び信号分配部9と電気的に接続されている。
制御部38は第1波形形成部42、第2波形形成部43及び信号分配部9を制御する部位である。記憶部41は画像信号の他、画像信号から電気泳動装置1に出力する信号を形成するときに用いる情報を記憶する。第1波形形成部42はフレキシブル基板4、信号分配部9を介して画素回路7と電気的に接続され、画素回路7に画素毎のデータ信号を出力する。画素回路7は画素電極14と電気的に接続され、データ信号に対応する電圧波形を画素電極14に出力する。第2波形形成部43はフレキシブル基板4を介して共通電極23と電気的に接続され、共通電極23に電圧波形を出力する。
信号分配部9は画素回路7に駆動信号を分配し画素電極14に出力する電圧波形を切り替える。さらに、信号分配部9は共通電極23に出力する電圧波形を分配する。
図7及び図8は電気泳動装置の構造を示す模式側断面図である。図7に示すように、画素電極14に対して共通電極23を低い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負に帯電しているので、黒色荷電粒子18は画素電極14に誘引される。白色荷電粒子17は正に帯電しているので、白色荷電粒子17は共通電極23に誘引される。その結果、第1基板2には黒色荷電粒子18が集合し、第2基板3には白色荷電粒子17が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して白色荷電粒子17を見ることができる。従って、画素領域6では白色の表示となる。
図8に示すように、画素電極14に対して共通電極23を高い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負に帯電しているので、黒色荷電粒子18は共通電極23に誘引される。白色荷電粒子17は正に帯電しているので、白色荷電粒子17は画素電極14に誘引される。その結果、第1基板2には白色荷電粒子17が集合し、第2基板3には黒色荷電粒子18が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して黒色荷電粒子18を見ることができる。従って、画素領域6では黒色の表示となる。
図9及び図10は隔壁の構造を示す腰部模式断面図である。図9は電気泳動分散液16が膨張してない状態を示し、図10は電気泳動分散液16が膨張している状態を示している。図9に示すように、隔壁5内に、弾性を有する粒子44が配置されている。そして、粒子44は、気体が内在する多孔質である。粒子44の大きさは隔壁5の厚みより小さいのが好ましい。粒子44を隔壁5の内部に収めることができる。
図10に示すように、画素8には電気泳動分散液16が充填されており、電気泳動分散液16は温度が高くなると膨張する。そして、第1基板2及び第2基板3に加わる圧力が大きくなる。このとき、隔壁5内に配置された粒子44が収縮する。その結果、第1基板2及び第2基板3が離れることを抑制することができる。
第1基板2及び第2基板3が離れるとき、画素電極14と共通電極23との距離が離れる。そして、画素電極14と共通電極23との間の電場が弱くなるので、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18を移動させる力が弱くなる。本実施形態の電気泳動装置1では第1基板2及び第2基板3が離れることが抑制されるため、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18が移動し難くなることを抑制できる。従って、電気泳動装置1は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる。
粒子44は、気体が内在する多孔質である。気体は圧力に反比例して体積が減少する。従って、粒子44は確実に弾性を有することができる。また、気体はばねとして機能するので、圧力が上がると収縮し圧力が元の状態に戻ると体積が元に戻る。
粒子44の材質は縦弾性係数が隔壁5の縦弾性係数よりも小さい材質になっているのが好ましい。このとき、隔壁5は第1基板2と第2基板3との基板間距離を維持する。そして、隔壁5に加わる圧力が増加するとき、粒子44が収縮するので隔壁5の厚みを減少させることができる。
粒子44の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含むことが好ましい。エポキシ樹脂の線膨張係数は2400MPaである。天然ゴムの線膨張係数は30MPa以下である。スチレンブタジエンゴムの線膨張係数は30MPa以下である。クロロプレンゴムの線膨張係数は39MPa以下である。クロロスルホン酸ポリエチレンの線膨張係数は20MPa以下である。従って、粒子44の縦弾性係数を隔壁5の縦弾性係数よりも小さくすることができる。
次に上述した電気泳動装置1の製造方法について図11〜図20にて説明する。図11は、電気泳動装置の製造方法のフローチャートであり、図12〜図20は電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図である。図11のフローチャートにおいて、ステップS1は上部電極設置工程に相当する。この工程は、第2基材22上に共通電極23及び封止層24を設置する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は素子設置工程である。この工程は、第1基材10上に素子層11を設置する工程である。次にステップS3に移行する。
ステップS3は有機樹脂膜設置工程である。この工程は、素子層11上に有機樹脂膜12を設置する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は窒化珪素膜設置工程である。この工程は、有機樹脂膜12上に窒化珪素膜13を設置する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は下部電極設置工程である。この工程は、窒化珪素膜13上に画素電極14を設置する工程である。次にステップS6に移行する。
ステップS6は隔壁設置工程である。この工程は、第1基板2上に隔壁5を設置する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は分散液充填工程である。この工程は、画素領域6に電気泳動分散液16を充填する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS8は基板組立工程である。この工程は、隔壁5と第2基板3とを接着する工程である。以上の工程により電気泳動装置1が完成する。
次に、図12〜図20を用いて、図11に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。まず、第2基板3を製造する。図12はステップS1の上部電極設置工程に対応する図である。図12に示すように、第2基材22を用意する。第2基材22にはガラス板を所定の厚みに研削及び研磨して表面粗さを小さくした板を用いる。次に、第2基材22上に共通電極23を配置する。スパッタリング法等の成膜法を用いて膜厚100nm程度のITO膜を第2基材22上に形成する。次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってITO膜をパターニングして、共通電極23を形成する。
次に、共通電極23上に封止層24を設置する。封止層24はインクジェット法、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の凸版印刷、グラビア印刷等の凹版印刷等の各種印刷法を用いて設置することができる。他にも、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スリットコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、ディップコート法等を用いても良い。
続いて、第1基板2を製造する。図13はステップS2の素子設置工程に対応する図である。図13に示すように、ステップS2において、第1基材10を用意する。第1基材10もガラス板を所定の厚みに研削及び研磨して表面粗さを小さくした板を用いる。第1基材10上に素子層11を形成する。素子層11の形成方法は公知であるので詳細の説明は省略し、概略の製造方法を説明する。素子層11の形成方法は複数存在し特に限定されない。
まず、CVD法(chemical vapor deposition)によって第1基材10上にSiO2の下地絶縁膜45を形成する。次に、下地絶縁膜45上に、CVD法等によって膜厚50nm程度の非晶質シリコン膜を形成する。その非晶質シリコン膜をレーザー結晶化法等によって結晶化して、多結晶シリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって島状の多結晶シリコン膜である半導体層26を形成する。
次に、半導体層26及び下地絶縁膜45を覆うように、CVD法等によって膜厚100nm程度のSiO2の膜を形成し、ゲート絶縁膜30とする。スパッタリング法等によって、ゲート絶縁膜30上に膜厚500nm程度のMo膜を形成し、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって島状のゲート電極31を形成する。イオン注入法によって半導体層26に不純物イオンを注入し、ソース領域27、ドレイン領域29及びチャネル形成領域28を形成する。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31を覆うように、膜厚800nm程度のSiO2膜を形成し、第1層間絶縁膜46とする。
次に、第1層間絶縁膜46にソース領域27に達するコンタクトホールとドレイン領域29に達するコンタクトホールを形成する。その後、第1層間絶縁膜46上とコンタクトホール及びコンタクトホール内に、スパッタリング法等によって膜厚500nm程度のMo膜を形成し、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングして、ソース電極32、ドレイン電極33及び図示しない配線を形成する。
第1層間絶縁膜46とソース電極32、ドレイン電極33及び配線とを覆うように、膜厚800nm程度のSi3N4膜を形成し、第2層間絶縁膜47とする。フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングして、第2層間絶縁膜47にコンタクトホールを形成する。尚、ステップS2では画素回路7を構成する複数のトランジスター25が配置される。
図14はステップS3の有機樹脂膜設置工程に対応する図である。図14に示すように、ステップS3において、第2層間絶縁膜47上に有機樹脂膜12を設置する。まず、有機樹脂膜12の材料となる樹脂膜を設置する。素子層11の上にアクリル樹脂を溶解した溶液を素子層11上に塗布し乾燥させて固化する。樹脂膜はインクジェット法、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の凸版印刷、グラビア印刷等の凹版印刷等の各種印刷法を用いて設置することができる。他にも、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スリットコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、ディップコート法等を用いても良い。次に、樹脂膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングする。これにより、有機樹脂膜12の外形形状及び貫通孔12aの形状をパターニングする。続いて、エッチング液を用いて有機樹脂膜12をエッチングして貫通孔12aを形成する。樹脂膜は蒸着またはCVD法等の成膜法を用いるときより厚い膜を容易に設置することができる。
図15及び図16はステップS4の窒化珪素膜設置工程に対応する図である。図15に示すように、ステップS4において、有機樹脂膜12上と貫通孔12a内に蒸着またはCVD法等の成膜法を用いて膜厚500nm程度の窒化珪素べた膜13bを形成する。べた膜はパターニングしていない膜を示す。次に、図16に示すように、窒化珪素べた膜13bをパターニング及びエッチングして窒化珪素膜13を形成する。貫通孔12aではドレイン電極33を露出させる。さらに、隔壁5を設置する場所に開口13aを形成する。エッチング法は特に限定されないが本実施形態ではドライエッチング法を用いた。窒化珪素膜13は蒸着またはCVD法等の成膜法を用いているので緻密な組織の膜になっている。
図17はステップS5の下部電極設置工程に対応する図である。図17に示すように、ステップS5において有機樹脂膜12、窒化珪素膜13上及び貫通孔12a内に、スパッタリング法等の成膜法を用いて膜厚500nm程度のアルミ合金膜を形成する。さらに、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってアルミ合金膜をエッチングして画素電極14を形成する。隔壁5を設置する予定の場所では窒化珪素膜13及び開口13aを露出させる。エッチング法は特に限定されないが本実施形態ではドライエッチング法を用いた。
図18はステップS6の隔壁設置工程に対応する図である。図18に示すように、ステップS6において、有機樹脂膜12が露出する開口13a及び窒化珪素膜13上に隔壁5を設置する。まず、画素電極14上に隔壁5の材料となる感光性樹脂材料を塗布する。感光性樹脂材料には粒子44が含まれている。
粒子44は多孔質である。多孔質の形成方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、化学反応を利用する化学反応ガス活用法、沸点が低い溶剤を用いる低沸点溶剤活用法、空気を混入させる機械的混入法、含ませた溶剤を除去する溶剤除去法等を用いることができる。
多孔質の材料を粒子状に粉砕する方法も特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、固体に圧縮、衝撃、摩擦等の力を加え、細分化することで固体を粉砕して粉体にする方法を用いることができる。他にも、粒子状の多孔質を形成する方法として、ガスを含む溶湯を急冷凝固させるアトマイズによる生成方法を用いることができる。溶湯に含まれるガスを放出させて多孔質の粒子44にする。形成された粒子44を感光性樹脂材料に投入して撹拌する。
感光性樹脂材料の塗布方法はオフセット印刷、スクリーン印刷、凸版印刷等の各種印刷法を用いて設置することができる。他にも、スピンコート法やロールコート法等のコート法を用いても良い。続いて、感光性樹脂材料を加熱乾燥して固化する。次に、感光性樹脂材料をフォトリソグラフィー法によってパターニングしエッチングして隔壁5を成形する。窒化珪素膜13の開口13aを覆うように樹脂材料の隔壁5を設置する。開口13aでは隔壁5が有機樹脂膜12と接着される。隔壁5及び有機樹脂膜12はともに樹脂材料で形成されるので強固に接着させることができる。
図19はステップS7の分散液充填工程に対応する図である。図19に示すように、ステップS7において、隔壁5が設置された第1基板2を図示しない容器内に設置する。そして、分散媒21に白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18を加えて撹拌し電気泳動分散液16を用意する。次に、ディスペンサーやダイコーター等の供給装置を用いて画素領域6に電気泳動分散液16を供給する。電気泳動分散液16の供給方法は各種印刷法やインクジェット法を用いても良い。
図20はステップS8の基板組立工程に対応する図である。図20に示すように、ステップS8において、隔壁5上に第2基板3を設置する。第1基材10には周囲に枠部48が設置されている。枠部48の材料は隔壁5と同じ材料で形成しても良い。まず、電気泳動分散液16が供給された第1基板2を減圧チャンバー内に設置する。次に、隔壁5上に第2基板3を搭載する。続いて、減圧チャンバー内を減圧し第1基板2に第2基板3を加圧する。この状態を維持しながら封止層24に紫外線を照射する。封止層24は紫外線硬化型であり接着剤としても機能し、隔壁5及び枠部48と第2基板3とが仮固定される。次に、第2基板3が設置された第1基板2を加熱し封止層24を固化することにより第2基板3が隔壁5に固定される。以上の工程により電気泳動装置1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、電気泳動装置1は第1基板2及び第2基板3の一対の基板を備えている。この基板間には複数の画素8が配置されている。そして、隣り合う画素8間に隔壁5が設けられている。そして、隔壁5内には弾性を有する粒子44が配置されている。画素8には電気泳動分散液16が充填されており、電気泳動分散液16は温度が高くなると膨張する。そして、第1基板2及び第2基板3に加わる圧力が大きくなる。このとき、隔壁5内に配置された粒子44が収縮する。その結果、第1基板2と第2基板3とに加わる圧力が低下する為、第1基板2と第2基板3とが離れることを抑制することができる。
(1)本実施形態によれば、電気泳動装置1は第1基板2及び第2基板3の一対の基板を備えている。この基板間には複数の画素8が配置されている。そして、隣り合う画素8間に隔壁5が設けられている。そして、隔壁5内には弾性を有する粒子44が配置されている。画素8には電気泳動分散液16が充填されており、電気泳動分散液16は温度が高くなると膨張する。そして、第1基板2及び第2基板3に加わる圧力が大きくなる。このとき、隔壁5内に配置された粒子44が収縮する。その結果、第1基板2と第2基板3とに加わる圧力が低下する為、第1基板2と第2基板3とが離れることを抑制することができる。
(2)本実施形態によれば、粒子44は、気体が内在する多孔質である。気体は圧力に反比例して体積が減少する。従って、粒子44は確実に弾性を有することができる。
(3)本実施形態によれば、粒子44の縦弾性係数は隔壁5の縦弾性係数よりも小さい。このとき、隔壁5は縦弾性係数が大きいので第1基板2及び第2基板3の基板間距離を維持する。そして、隔壁5に加わる圧力が増加するとき、隔壁5の厚みを減少させることができる。
(4)本実施形態によれば、隔壁5の材質はエポキシ樹脂である。そして、粒子44の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含む。エポキシ樹脂の線膨張係数は2400MPaである。天然ゴムの線膨張係数は30MPa以下である。スチレンブタジエンゴムの線膨張係数は30MPa以下である。クロロプレンゴムの線膨張係数は39MPa以下である。クロロスルホン酸ポリエチレンの線膨張係数は20MPa以下である。従って、粒子44の縦弾性係数を隔壁5の縦弾性係数よりも小さくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、電気泳動装置を搭載した電子機器の一実施形態について図21及び図22を用いて説明する。図21は電子ブックの構造を示す概略斜視図であり、図22は腕時計の構造を示す概略斜視図である。図21に示すように、電子機器としての電子ブック60は板状のケース61を有する。ケース61には蝶番62を介して蓋部63が設置されている。さらに、ケース61には操作ボタン64と表示部65とが設置されている。操作者は操作ボタン64を操作して表示部65に表示する内容を操作することができる。
次に、電気泳動装置を搭載した電子機器の一実施形態について図21及び図22を用いて説明する。図21は電子ブックの構造を示す概略斜視図であり、図22は腕時計の構造を示す概略斜視図である。図21に示すように、電子機器としての電子ブック60は板状のケース61を有する。ケース61には蝶番62を介して蓋部63が設置されている。さらに、ケース61には操作ボタン64と表示部65とが設置されている。操作者は操作ボタン64を操作して表示部65に表示する内容を操作することができる。
ケース61の内部には、制御部66と表示部65を駆動する信号駆動部67が設置されている。制御部66は信号駆動部67に表示データを出力するとともに、当該表示データをデータ信号に変換するときのタイミング信号も出力する。信号駆動部67は表示データからデータ信号を生成し表示部65に出力する。また、制御部66は、信号駆動部67が出力するデータ信号に同期させた表示制御信号を表示部65に出力する。表示部65は内部に信号分配回路を有する。表示部65は入力される表示制御信号及びデータ信号から電気泳動表示に必要な信号を生成する。そして、制御部66が表示部65に出力した表示データに従って表示部65は表示を行う事ができる。尚、操作ボタン64による操作者の操作は、適時信号化され制御部66に伝達され、制御部66の出力信号に反映される。
電子ブック60は表示部65を備えている。この表示部65には上記の電気泳動装置1が用いられている。上記の電気泳動装置1は、温度が上昇しても第1基板2と第2基板3とが離れることを抑制することができる。従って、電気泳動装置1は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置である。従って、電子ブック60は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置1を備えた電子機器とすることができる。
図22に示すように、電子機器としての腕時計70は板状のケース71を有する。ケース71はバンド72を備え、操作者はバンド72を腕に巻いて腕時計70を腕に固定することができる。ケース71には操作ボタン73と表示部74とが設置されている。操作者は操作ボタン73を操作して表示部74に表示する内容を操作することができる。
ケース71の内部には腕時計70を制御する制御部75と表示部74に信号を駆動する信号駆動部76が設置されている。制御部75は信号駆動部76に表示データと必要なタイミング信号を出力する。尚、当該必要なタイミング信号の中には制御部75から表示部74に直接出力される信号があってもよい。信号駆動部76は表示に必要な信号を表示部74に出力することで、表示部74に表示データに対応する内容を表示させることができる。
腕時計70は表示部74を備えている。この表示部74には上記の電気泳動装置1が用いられている。上記の電気泳動装置1は、温度が上昇しても第1基板2と第2基板3とが離れることを抑制することができる。従って、電気泳動装置1は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置である。従って、腕時計70は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置1を備えた電子機器とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、電気泳動分散液16に白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18を設置した。白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18に代えて、赤色、緑色、青色等の荷電粒子を用いてもよい。この構成によれば、赤色、緑色、青色等を表示することでカラー表示を行うことができる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、電気泳動分散液16に白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18を設置した。白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18に代えて、赤色、緑色、青色等の荷電粒子を用いてもよい。この構成によれば、赤色、緑色、青色等を表示することでカラー表示を行うことができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、1つの画素領域6に1つの画素電極14が設置された。1つの画素領域6に複数の画素電極14を設置してもよい。表示を細分化することができる。
前記第1の実施形態では、1つの画素領域6に1つの画素電極14が設置された。1つの画素領域6に複数の画素電極14を設置してもよい。表示を細分化することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では白色荷電粒子17を正極に帯電させて、黒色荷電粒子18を負極に帯電させた。白色荷電粒子17を負極に帯電させて、黒色荷電粒子18を正極に帯電させても良い。制御しやすい帯電状態にしてもよい。
前記第1の実施形態では白色荷電粒子17を正極に帯電させて、黒色荷電粒子18を負極に帯電させた。白色荷電粒子17を負極に帯電させて、黒色荷電粒子18を正極に帯電させても良い。制御しやすい帯電状態にしてもよい。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、画素領域6の形状が四角形であった。画素領域6の形状は円形、楕円形、多角形、円弧と直線を含む形状でもよい。このとき、隔壁5は樹脂材料から形成されているので隔壁5の形状は画素領域6の形状に容易に合わせることができる。
前記第1の実施形態では、画素領域6の形状が四角形であった。画素領域6の形状は円形、楕円形、多角形、円弧と直線を含む形状でもよい。このとき、隔壁5は樹脂材料から形成されているので隔壁5の形状は画素領域6の形状に容易に合わせることができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、第1基板2に画素回路7が設置された。第1基板2に画素回路7を設置せずに画素電極14だけが設置された構造にしても良い。そして、直接画素電極14に電圧を印加する駆動回路を設けても良い。第1基板2の構造が簡単になるので、製造しやすくすることができる。
前記第1の実施形態では、第1基板2に画素回路7が設置された。第1基板2に画素回路7を設置せずに画素電極14だけが設置された構造にしても良い。そして、直接画素電極14に電圧を印加する駆動回路を設けても良い。第1基板2の構造が簡単になるので、製造しやすくすることができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態では、粒子44が隔壁5の内部に設置されていた。粒子44は隔壁5の表面に設置されても良い。電気泳動分散液16の圧力が直接粒子44に加わるので、粒子44は電気泳動分散液16の圧力を緩和しやすくすることができる。
前記第1の実施形態では、粒子44が隔壁5の内部に設置されていた。粒子44は隔壁5の表面に設置されても良い。電気泳動分散液16の圧力が直接粒子44に加わるので、粒子44は電気泳動分散液16の圧力を緩和しやすくすることができる。
(変形例7)
前記第1の実施形態では、総ての隔壁5に粒子44が設置された。粒子44は一部の隔壁5に設置されても良い。このとき、粒子44が設置された隔壁5と粒子44が設置されていない隔壁5とを交互に配置しても良い。他にも、粒子44が設置された隔壁5と粒子44が設置されていない隔壁5との割合を所定の比率にしても良い。
前記第1の実施形態では、総ての隔壁5に粒子44が設置された。粒子44は一部の隔壁5に設置されても良い。このとき、粒子44が設置された隔壁5と粒子44が設置されていない隔壁5とを交互に配置しても良い。他にも、粒子44が設置された隔壁5と粒子44が設置されていない隔壁5との割合を所定の比率にしても良い。
(変形例8)
前記第1の実施形態では、粒子44は多孔質であったが、粒子44は内部に気体を有する球状の形態でも良い。他にも、内部に気体を含まない球状の形態でもよい。このときには、粒子44の縦弾性係数が小さい材質を選択するのが好ましい。電気泳動分散液16が膨張したときに収縮させやすくできる。
前記第1の実施形態では、粒子44は多孔質であったが、粒子44は内部に気体を有する球状の形態でも良い。他にも、内部に気体を含まない球状の形態でもよい。このときには、粒子44の縦弾性係数が小さい材質を選択するのが好ましい。電気泳動分散液16が膨張したときに収縮させやすくできる。
(変形例9)
前記第2の実施形態では電気泳動装置1が設置された電子機器の例として電子ブック60及び腕時計70を示した。他にも、表示装置を備える各種の電子機器の表示装置に電気泳動装置1を用いることができる。このときの電子機器は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置1を備えた電子機器とすることができる。
前記第2の実施形態では電気泳動装置1が設置された電子機器の例として電子ブック60及び腕時計70を示した。他にも、表示装置を備える各種の電子機器の表示装置に電気泳動装置1を用いることができる。このときの電子機器は温度が上昇しても表示の切替速度の低下を抑制できる電気泳動装置1を備えた電子機器とすることができる。
1…電気泳動装置、2…基板としての第1基板、3…基板としての第2基板、5…隔壁、8…画素、16…液体としての電気泳動分散液、44…粒子。
Claims (5)
- 一対の基板間に、
隣り合う画素間に設けられた隔壁を備え、
前記隔壁内に、弾性を有する粒子が配置されていることを特徴とする電気泳動装置。 - 請求項1に記載の電気泳動装置であって、
前記粒子は、気体が内在する多孔質であることを特徴とする電気泳動装置。 - 請求項1または2に記載の電気泳動装置であって、
前記粒子の縦弾性係数は前記隔壁の縦弾性係数よりも小さいことを特徴とする電気泳動装置。 - 請求項3に記載の電気泳動装置であって、
前記隔壁の材質はエポキシ樹脂であり、
前記粒子の材質は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びクロロスルホン酸ポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とする電気泳動装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017196622A JP2019070732A (ja) | 2017-10-10 | 2017-10-10 | 電気泳動装置及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017196622A JP2019070732A (ja) | 2017-10-10 | 2017-10-10 | 電気泳動装置及び電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019070732A true JP2019070732A (ja) | 2019-05-09 |
Family
ID=66441102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017196622A Pending JP2019070732A (ja) | 2017-10-10 | 2017-10-10 | 電気泳動装置及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019070732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023510295A (ja) * | 2020-01-14 | 2023-03-13 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | 光経路制御部材及びこれを含むディスプレイ装置 |
-
2017
- 2017-10-10 JP JP2017196622A patent/JP2019070732A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023510295A (ja) * | 2020-01-14 | 2023-03-13 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | 光経路制御部材及びこれを含むディスプレイ装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4810636B2 (ja) | 表示装置 | |
US8542428B2 (en) | Electropheretic display device and method for manufacturing the same | |
US11657771B2 (en) | Display device substrate, display device, electronic apparatus, and method for manufacturing display device substrate | |
JPWO2011058725A1 (ja) | 表示装置及びその製造方法 | |
CN104871086A (zh) | 具有静粘滞力减少特征的显示设备 | |
JP2023083429A (ja) | 表示装置 | |
JP4623107B2 (ja) | 電気泳動表示装置及び電気泳動表示装置の製造方法 | |
KR20120038226A (ko) | 전기영동 표시장치와 이의 제조방법 | |
JP2019070732A (ja) | 電気泳動装置及び電子機器 | |
EP3056942A1 (en) | Electrophoresis display apparatus, manufacturing method of electrophoresis display apparatus, and electronic device | |
JP7468855B2 (ja) | 表示装置用基板、表示装置、電子機器および表示装置用基板の製造方法 | |
JP6843594B2 (ja) | 電気泳動表示装置および電子機器 | |
JP2023052760A (ja) | 表示装置用基板、表示装置、電子機器および表示装置用基板の製造方法 | |
JP2020016815A (ja) | 電気泳動装置、電子機器及び電気泳動装置の製造方法 | |
JP2019056796A (ja) | 電気光学装置および電子機器 | |
JP2016148794A (ja) | 電気泳動表示装置および電子機器 | |
JP2011150112A (ja) | 電気泳動表示装置 | |
JP2019095636A (ja) | 電気泳動装置および電子機器 | |
JP2019168487A (ja) | 電気泳動装置および電子機器 | |
JP2016145920A (ja) | 電気泳動表示装置、電気泳動表示装置の製造方法および電子機器 | |
KR20120032176A (ko) | 전기영동 표시장치와 이의 제조방법 | |
KR20120131490A (ko) | 전기영동 표시장치의 제조방법 | |
JP2012225981A (ja) | 電気泳動表示装置及び電子機器 | |
JP2012194341A (ja) | 電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20180910 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20190920 |