JP2012225981A - 電気泳動表示装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気泳動表示装置において、隣り合う画素電極間のリーク電流を低減する。
【解決手段】電気泳動表示装置は、複数の画素電極(21)と、複数の画素電極に対向する対向電極(22)と、複数の画素電極と対向電極との間に設けられた電気泳動粒子を含む電気泳動素子(23)と、複数の画素電極のうち隣り合う画素電極の少なくとも一方の画素電極における対向電極側の面に、少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように設けられた絶縁膜(310)とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】電気泳動表示装置は、複数の画素電極(21)と、複数の画素電極に対向する対向電極(22)と、複数の画素電極と対向電極との間に設けられた電気泳動粒子を含む電気泳動素子(23)と、複数の画素電極のうち隣り合う画素電極の少なくとも一方の画素電極における対向電極側の面に、少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように設けられた絶縁膜(310)とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、電気泳動表示装置及び電子機器の技術分野に関する。
この種の電気泳動表示装置は、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟んで対向する画素電極及び対向電極間に電圧を印加して、例えば黒色粒子及び白色粒子等の電気泳動粒子を移動させることで表示部に画像を表示する(例えば特許文献1及び2参照)。電気泳動素子は、例えば、複数の電気泳動粒子を夫々含む複数のマイクロカプセルから構成され、画素電極及び対向電極間に、樹脂等からなる接着剤によって固定される。なお、対向電極は、共通電極と呼ばれることもある。例えば特許文献1には、隣り合う画素電極の間の領域に絶縁層を形成することにより、隣り合う画素電極間に接着剤を介して流れるリーク電流を抑える技術が開示されている。
一方、この種の電気泳動表示装置では、表示部に表示されている画像を書き換える際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分に対応する画素のみの画素電極及び対向電極間に電圧を印加することにより、画像を部分的に書き換える駆動方法(以下「部分書き換え駆動」と適宜称する)が採用されることがある。このような部分書き換え駆動が採用された電気泳動表示装置では、例えば、表示部に表示される画像のうち黒色で表示される黒画像部分と白色で表示される白画像部分との境界部が滲んだように表示されてしまうおそれがある、言い換えれば、黒画像部分の輪郭部が白画像部分側に広がったように(或いは膨らんだように)表示されてしまうおそれがあることが知られている(例えば特許文献2参照)。このような境界部の滲みが発生すると、黒画像部分に対応する画素のみに電圧を印加することにより、表示部に表示される画像を全白画像に書き換えた場合、境界部の滲みが残像として残ってしまう、言い換えれば、表示されていた黒画像部分の輪郭部に沿った残像が発生してしまうおそれがある。なお、以下では、このような輪郭部に沿った残像が発生する現象、或いは、このような輪郭部に沿った残像そのものを「輪郭残像」と適宜称する。例えば特許文献2には、表示部に表示された画像を部分書き換え駆動により全白画像に書き換える(即ち、黒画像部分を消去する)際、黒画像部分に対応する画素に加えて、黒画像部分の輪郭部に対応する画素と隣り合って配置され白色を表示する画素にも電圧を印加することにより、輪郭残像を消去する技術が開示されている。
前述した例えば特許文献2に開示された技術によれば、輪郭残像を消去できるが、前述したような境界部の滲みの発生を抑制できないという技術的問題点がある。ここで、本願発明者らの研究によれば、前述したような境界部の滲みは、隣り合う画素電極間に接着剤を介して流れるリーク電流に起因して生じることが判明している。しかしながら、例えば特許文献1に開示された技術によれば、境界部の滲みを低減するのに十分なほどにはリーク電流を低減できないおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、隣り合う画素電極間のリーク電流を低減可能であり、高品質な画像を表示可能な電気泳動表示装置及びこのような電気泳動表示装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気泳動表示装置は上記課題を解決するために、複数の画素電極と、該複数の画素電極に対向する対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に設けられた電気泳動粒子を含む電気泳動素子と、前記複数の画素電極のうち隣り合う画素電極の少なくとも一方の画素電極における前記対向電極側の面に、前記少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように設けられた絶縁膜とを備える。
本発明に係る電気泳動表示装置によれば、その動作時には、画素毎に設けられた画素電極と複数の画素に共通して設けられた対向電極との間に挟持された電気泳動素子に、画像信号に応じた電圧が印加されることによって、複数の画素からなる表示部に画像が表示される。より具体的には、例えばマイクロカプセルである電気泳動素子の内部には、電気泳動粒子として、例えば、負に帯電された複数の白色粒子と正に帯電された複数の黒色粒子とが含まれている。画素電極及び対向電極間に印加される電圧に応じて、負に帯電された複数の白色粒子及び正に帯電された複数の黒色粒子のうち一方が画素電極側に移動(即ち、泳動)し、他方が対向電極側に移動することにより、対向電極側に画像が表示される。なお、電気泳動素子は、画素電極及び対向電極間に例えば樹脂からなるバインダーや接着剤によって固定される。
本発明では特に、複数の画素電極のうち隣り合う画素電極の少なくとも一方の画素電極における対向電極側の面に、少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように絶縁膜が設けられている。典型的には、絶縁膜は、複数の画素電極の全てに設けられており、画素電極の一部を夫々露出させる複数の開口部を有している。
よって、例えば少なくとも一方の画素電極における対向電極側の面に絶縁膜が設けられていない場合と比較して、少なくとも一方の画素電極が、例えば複数の画素電極を覆うように設けられた接着剤と接触する面積を低減できる。言い換えれば、少なくとも一方の画素電極における対向電極側の面におけるリーク電流が発生し得る領域を絶縁膜によって狭くすることができる。したがって、例えば複数の画素電極を覆うように設けられた接着剤を介して、隣り合う画素電極間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。これにより、例えば、前述したような境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。この結果、高品質な画像を表示することが可能となる。
なお、絶縁膜は、隣り合う画素電極の両方の画素電極に設けられてもよいし、隣り合う画素電極の一方の画素電極に設けられ、他方の画素電極に設けられなくてもよい。隣り合う画素電極の一方の画素電極にのみ絶縁膜が設けられる場合にも、一方の画素電極が例えば複数の画素電極を覆うように設けられた接着剤と接触する面積を絶縁膜によって低減できるので、例えば複数の画素電極を覆うように設けられた接着剤を介して、隣り合う画素電極間にリーク電流が発生してしまうことを確実に低減できる。
更に、本発明では、絶縁膜は、少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように、言い換えれば、少なくとも一方の画素電極の一部が対向電極側に露出するように設けられているので、画素電極及び対向電極間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
以上説明したように、本発明に係る電気泳動表示装置によれば、隣り合う画素電極間のリーク電流を低減できる。これにより、例えば、前述したような境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。更に、画素電極及び対向電極間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。これらの結果、高品質な画像を表示することが可能となる。
本発明に係る電気泳動表示装置の一態様では、前記絶縁膜は、前記少なくとも一方の画素電極を部分的に覆う本体部と、該本体部から前記隣り合う画素電極間に延在する延在部とを有する。
この態様によれば、絶縁膜の延在部が、隣り合う画素電極間に設けられているので、隣り合う画素電極間のリーク電流の発生をより確実に低減できる。
本発明に係る電気泳動表示装置の他の態様では、前記絶縁膜は、前記少なくとも一方の画素電極の一部を夫々露出させる複数の開口部を有する。
この態様によれば、隣り合う画素電極間のリーク電流の発生をより確実に低減できるとともに、画素電極及び対向電極間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
本発明に係る電気泳動表示装置の他の態様では、前記複数の画素電極と前記電気泳動素子との間に設けられた接着剤を備える。
この態様によれば、電気泳動素子を複数の画素電極に接着剤によって確実に固定できるとともに、隣り合う画素電極間に接着剤を介して流れるリーク電流を低減できる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気泳動表示装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像を表示することが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図4を参照して説明する。
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図4を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路60は、コントローラー10による制御下で、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
データ線駆動回路70は、コントローラー10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnに、画像信号に応じたデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VH(例えば+15ボルト)又は低電位VL(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。なお、後述するように、本実施形態では、前述した部分書き換え駆動が採用されている。
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
なお、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
図2は、画素20の電気的な構成を示す等価回路図である。
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
次に、電気泳動表示装置1の表示部3の具体的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、電気泳動表示装置1の表示部3の部分断面図である。なお、図3には、後述する図4のA−A’線断面に対応する表示部3の一部が示されている。また、図3においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極21と対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、接着層31は本発明に係る「接着剤」の一例である。また、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
マイクロカプセル80は、被膜の内部に分散媒と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜内)に分散させる媒質である。分散媒としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒には、界面活性剤が配合されてもよい。
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒中を移動することができる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
図3において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
本実施形態では、前述した部分書き換え駆動が採用されている。即ち、本実施形態では、表示部3に表示された画像(黒色及び白色の2階調からなる2階調画像)を書き換える場合、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20については、画素電極21にデータ電位として高電位VHが供給され、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20については、画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、階調を変化させない(即ち、階調を黒色又は白色のまま維持すべき)画素20については、画素電極21にデータ電位として基準電位GNDが供給される。これにより、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20では、表示面側(即ち、対向電極22側)に黒色粒子83が集まって黒色が表示され、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20では、表示面側に白色粒子82が集まって白色が表示され、階調を変化させない画素20では、白色粒子82及び黒色粒子83はほとんど或いは全く移動せず、階調が黒色又は白色のまま維持される。
図3において、本実施形態では特に、画素電極21における対向電極22側の面に、絶縁材料からなる絶縁膜310が、画素電極21を部分的に覆うように設けられている。絶縁膜310を構成する絶縁材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などの樹脂や、酸化シリコン(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4、SiNx)、アルミナ(Al2O3)などの無機材料を用いることができる。
図4は、絶縁膜310の構成を示す平面図である。
図3及び図4において、絶縁膜310は、画素電極21と接着層31(図3参照)との間に、画素電極21を部分的に覆うように設けられている。より具体的には、絶縁膜310は、表示部3にマトリクス状に設けられた複数の画素電極21の全てに設けられており、画素電極21を夫々露出させる複数の開口部319を有している。複数の開口部319は、絶縁膜310のうち画素電極21に重なる部分ごとに、マトリクス状に配列されている。絶縁膜310は、画素電極21を部分的に覆う本体部311と、この本体部311から、隣り合う画素電極21間の領域R1(以下、「画素電極間領域R1」と適宜称する)に延在する延在部312とを有している。即ち、絶縁膜310は、画素電極21上に設けられた本体部311と、画素電極間領域R1に設けられた延在部312とを有している。
よって、例えば画素電極21における対向電極22側の面に絶縁膜310が設けられていない場合と比較して、画素電極21が、接着層31と接触する面積を低減できる。言い換えれば、画素電極21における対向電極22側の面における、隣り合う画素電極21間でリーク電流が発生し得る領域を絶縁膜310によって狭くすることができる。したがって、接着層31を介して、隣り合う画素電極21間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。これにより、例えば、前述したような境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
更に、絶縁膜310は、画素電極21を部分的に覆うように設けられているので、言い換えれば、画素電極21の一部を露出させる複数の開口部319を有しているので、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
なお、画素電極21における対向電極22側の面の全体に対する、画素電極21における対向電極22側の面のうち絶縁膜310が重なる部分の割合(即ち、画素電極21の全体の面積に対する、画素電極21のうち絶縁膜310によって覆われている部分の面積の割合)は、例えば、25〜75パーセントの範囲内であることが好ましい。この場合には、隣り合う画素電極21間のリーク電流の発生を確実に低減できるとともに、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。前述の割合が、25パーセントよりも低い場合には、隣り合う画素電極21間に発生するリーク電流が、黒画像部分と白画像部分との境界部の滲みが視認される程度にまで大きくなってしまうおそれがある。他方、前述の割合が、75パーセントよりも高い場合には、画素電極21及び対向電極22間に印加すべき電圧を十分に印加することができず、表示すべき階調が表示できなくなってしまうおそれがある。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、隣り合う画素電極21間のリーク電流を低減できる。これにより、例えば、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。更に、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。これらの結果、高品質な画像を表示することが可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電気泳動表示装置について、図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る電気泳動表示装置について、図5を参照して説明する。
図5は、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の画素電極21を部分的に覆う絶縁膜320の構成を示す平面図である。なお、図5において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図5において、第2実施形態に係る電気泳動表示装置は、前述した第1実施形態における絶縁膜310に代えて絶縁膜320を備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
本実施形態では、画素電極21における対向電極22側の面に、絶縁材料からなる絶縁膜320が設けられている。絶縁膜320は、画素電極21と接着層31との間に、画素電極21を部分的に覆うように設けられている。より具体的には、絶縁膜320は、表示部3にマトリクス状に設けられた複数の画素電極21の全てに設けられており、画素電極21を夫々露出させる複数の開口部329を有している。開口部329は、画素電極21ごとに複数設けられており、それぞれ画素電極21の中心を取り囲む枠形状を有している。絶縁膜320は、画素電極21を部分的に覆う本体部321と、この本体部321から画素電極間領域R1に延在する延在部322とを有している。即ち、絶縁膜320は、画素電極21上に設けられた本体部321と、画素電極間領域R1に設けられた延在部322とを有している。
よって、例えば画素電極21における対向電極22側の面に絶縁膜320が設けられていない場合と比較して、画素電極21が接着層31と接触する面積を低減でき、接着層31を介して隣り合う画素電極21間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。更に、絶縁膜320は、画素電極21を部分的に覆うように設けられているので、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る電気泳動表示装置について、図6を参照して説明する。
第3実施形態に係る電気泳動表示装置について、図6を参照して説明する。
図6は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の隣り合う画素電極21を覆う絶縁膜330の構成を示す平面図である。なお、図6において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図6において、第3実施形態に係る電気泳動表示装置は、前述した第1実施形態における絶縁膜310に代えて絶縁膜330を備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
本実施形態では、画素電極21における対向電極22側の面に、絶縁材料からなる絶縁膜330が設けられている。絶縁膜330は、画素電極21と接着層31との間に、画素電極21を部分的に覆うように設けられている。より具体的には、絶縁膜330は、表示部3にマトリクス状に設けられた複数の画素電極21の全てに設けられており、画素電極21を夫々露出させる複数の開口部339a及び339bを有している。開口部339aは、隣り合う画素電極21のうち一方の画素電極21Aに対して複数設けられており、データ線50が延在する方向(図中、Y方向)に長い長方形状を有している。開口部339bは、隣り合う画素電極21のうち他方の画素電極21Bに対して複数設けられており、走査線40が延在する方向(図中、X方向)に長い長方形状を有している。即ち、本実施形態では、隣り合う画素電極21Aと画素電極21Bとで異なる平面形状を有する開口部が絶縁膜330に形成されている。絶縁膜330は、画素電極21を部分的に覆う本体部331と、この本体部331から画素電極間領域R1に延在する延在部332とを有している。
よって、画素電極21が接着層31と接触する面積を低減でき、接着層31を介して隣り合う画素電極21間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。更に、絶縁膜330は、画素電極21を部分的に覆うように設けられているので、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る電気泳動表示装置について、図7を参照して説明する。
第4実施形態に係る電気泳動表示装置について、図7を参照して説明する。
図7は、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の画素電極21を部分的に覆う絶縁膜340の構成を示す平面図である。なお、図7において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図7において、第4実施形態に係る電気泳動表示装置は、前述した第1実施形態における絶縁膜310に代えて絶縁膜340を備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
本実施形態では、画素電極21における対向電極22側の面に、絶縁材料からなる絶縁膜340が設けられている。絶縁膜340は、画素電極21と接着層31との間に、画素電極21を部分的に覆うように設けられている。より具体的には、絶縁膜340は、表示部3にマトリクス状に設けられた複数の画素電極21の各々に対して、マトリクス状に配列された複数の膜部分を有している。
よって、例えば画素電極21における対向電極22側の面に絶縁膜340が設けられていない場合と比較して、画素電極21が、接着層31と接触する面積を低減でき、接着層31を介して隣り合う画素電極21間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。更に、絶縁膜340は、画素電極21を部分的に覆うように設けられているので、画素電極21及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る電気泳動表示装置について、図8を参照して説明する。
第5実施形態に係る電気泳動表示装置について、図8を参照して説明する。
図8は、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の画素電極21を部分的に覆う絶縁膜350の構成を示す平面図である。なお、図8において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図8において、第5実施形態に係る電気泳動表示装置は、前述した第1実施形態における絶縁膜310に代えて絶縁膜350を備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
本実施形態では、隣り合う画素電極21のうち一方の画素電極21Aのみにおける対向電極22側の面に、絶縁材料からなる絶縁膜350が設けられている。絶縁膜350は、画素電極21と接着層31との間に、一方の画素電極21Aを部分的に覆うように設けられている。絶縁膜350は、隣り合う画素電極21のうち一方の画素電極21Aのみに設けられており、他方の画素電極21Bには設けられていない。絶縁膜350は、一方の画素電極21A上に、走査線40が延びる方向(図中、Y方向)に長い長方形状をそれぞれ有する複数の膜部分を有している。
よって、例えば画素電極21Aにおける対向電極22側の面に絶縁膜350が設けられていない場合と比較して、画素電極21Aが接着層31と接触する面積を低減でき、接着層31を介して隣り合う画素電極21Aと画素電極21Bとの間にリーク電流が発生してしまうことを低減できる。これにより、例えば、背景技術において前述したような表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
更に、絶縁膜350は、画素電極21Aを部分的に覆うように設けられているので、言い換えれば、画素電極21A上に互いに離れた複数の膜部分として設けられているので、画素電極21A及び対向電極22間に画像信号に応じた電圧を確実に印加できる。
<電子機器>
次に、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図9及び図10を参照して説明する。以下では、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
次に、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図9及び図10を参照して説明する。以下では、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
図9は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
図9に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
図10は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
図10に示すように、電子ノート1500は、図9で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
なお、本発明は、電気泳動表示装置のほか、電子粉流体が用いられた表示装置にも適用することが可能である。また、上記実施形態では、白色粒子82が負に帯電し、黒色粒子83が正に帯電している例で説明したが、白色粒子82が正に帯電し、黒色粒子83が負に帯電していてもよい。また、電気泳動素子23は、マイクロカプセル80を有する構成に限られず、隔壁によって仕切られた空間に電気泳動分散媒と電気泳動粒子が含まれる構成であってもよい。
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置、及び該電気泳動表示装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、30…バインダー、31…接着層、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、220…共通電位供給回路、310、320、330、340、350…絶縁膜。
Claims (5)
- 複数の画素電極と、
該複数の画素電極に対向する対向電極と、
前記複数の画素電極と前記対向電極との間に設けられた電気泳動粒子を含む電気泳動素子と、
前記複数の画素電極のうち隣り合う画素電極の少なくとも一方の画素電極における前記対向電極側の面に、前記少なくとも一方の画素電極を部分的に覆うように設けられた絶縁膜と
を備えることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記絶縁膜は、前記少なくとも一方の画素電極を部分的に覆う本体部と、該本体部から前記隣り合う画素電極間に延在する延在部とを有することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
- 前記絶縁膜は、前記少なくとも一方の画素電極の一部を夫々露出させる複数の開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
- 前記複数の画素電極と前記電気泳動素子との間に設けられた接着剤を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011090884A JP2012225981A (ja) | 2011-04-15 | 2011-04-15 | 電気泳動表示装置及び電子機器 |
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---|---|
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ID=47276259
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-
2011
- 2011-04-15 JP JP2011090884A patent/JP2012225981A/ja not_active Withdrawn
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