JP2020016815A - 電気泳動装置、電子機器及び電気泳動装置の製造方法 - Google Patents

電気泳動装置、電子機器及び電気泳動装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性良く製造できる構造の電気泳動装置を提供する。【解決手段】電気泳動装置1は電気泳動層4と画素電極32との間に設けられた第1金属層34と、ボンディングワイヤー10と接続端子35との間に設けられ第1金属層34と同一材料で構成される第2金属層37と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電気泳動装置、電子機器及び電気泳動装置の製造方法に関するものである。
表示装置である電気泳動装置が広く活用されている。電気泳動装置は画面のちらつきが少なく、利用者の目が疲れ難いという利点がある。この電気泳動装置の構造が特許文献1に開示されている。それによると、電気泳動装置は素子基板上に駆動層が形成されている。駆動層にはスイッチング素子であるTFT素子(Thin Film Transistor)と画素電極が形成されている。スイッチング素子は画素電極の電圧を切り替える。駆動層に重ねて電気泳動シートが配置されている。電気泳動シートは多数の電気泳動粒子を有し、電気泳動粒子は液相分散媒中を移動する。電気泳動粒子には白色の粒子と黒色の粒子とが存在する。そして、白色の粒子と黒色の粒子とはそれぞれ異なる極に帯電されている。液相分散媒中の電位差により電気泳動粒子が電気泳動する。
電気泳動シート上には対向電極が形成されている。対向電極は共通電極ともいう。そして、画素電極と共通電極との電極間に電圧を印加するとき、電気泳動粒子に電気的な引力及び斥力が作用して、電気泳動粒子が泳動して分離する。スイッチング素子が画素毎に共通電極と画素電極間の電圧を切り替える。そして、画素毎に各電極の電圧を制御することにより各画素の表示色を制御する。その結果、所定のパターンの画像を形成することができる。
素子基板上には接続端子としての第2の層の上に第2金属層としての第1の層が積層されており、2つの層が電極パッドとして機能する。電極パッドは複数配列して形成され、電極パッドには配線としてのワイヤーボンディングが電気的に接続される。ワイヤーボンディングは電極パッドの配列のピッチが100μm程度であっても接続できる。従って、電極パッドが占める面積を小さくできるので、電気泳動装置を小型にすることができる。
特開2015−161700号公報
特許文献1では画素電極にチタンまたは窒化チタンを用いている。そして、第2の層には画素電極と同じ材質が用いられている。第1の層にはアルミニウム合金が用いられている。画素電極上に金属膜である第1金属層を配置すると電気泳動シートに第1金属層を密着させることができるので、電気泳動シートに電場を品質良く形成することができる。
このように、画素電極上に第1金属層が配置され、接続端子上に第2金属層が配置された電気泳動装置は品質良く電気泳動粒子を駆動することができる。しかし、このような第1金属層及び第2金属層を備え、生産性良く製造できる構造の電気泳動装置がこれまで存在していなかった。
本願の電気泳動装置では、電気泳動層と画素電極との間に設けられた第1金属層と、配線と接続端子との間に設けられ前記第1金属層と同一材料で構成される第2金属層と、を備えることを特徴とする。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極の端部を覆うとともに前記接続端子の端部を覆う絶縁膜を備えることが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されていることが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で構成されることが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極は金属の第1下層膜上にアルミニウムの第1上層膜が積層され、前記接続端子は金属の第2下層膜上にアルミニウムの第2上層膜が積層されていることが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層はニッケルの第1本体層上に金の第1表面層が積層され、前記第2金属層はニッケルの第2本体層上に金の第2表面層が積層されていることが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極の前記第1下層膜及び前記接続端子の前記第2下層膜は、モリブデンまたはチタンを含むことが好ましい。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層は、画素ごとに互いに離間して設けられていることが好ましい。
本願の電子機器は、上記に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする。
本願の電気泳動装置の製造方法では、画素電極上に第1金属層を形成する工程と、接続端子上に第2金属層を形成する工程と、を備え、前記第1金属層と前記第2金属層とは同一材料で同時に形成されることを特徴とする。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記画素電極の端部と前記接続端子の端部とを覆うように絶縁膜を形成する工程を備えることが好ましい。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されることが好ましい。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で同時に形成されることが好ましい。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記第1金属層を画素ごとに互いに離間して形成し、前記第1金属層に重ねて電気泳動層を配置し、しかる後に、前記第1金属層と前記電気泳動層との間に生じる気泡を前記画素から除去することが好ましい。
第1の実施形態にかかわる電気泳動装置の実装例を説明するための概略斜視図。 電気泳動装置の実装例を説明するための模式側面図。 電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 第1実装端子の構造を示す要部模式断面図。 画素電極の構造を示す要部模式断面図。 電気泳動装置の電気制御ブロック図。 電気泳動装置の製造方法のフローチャート。 電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわる電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 第3の実施形態にかかわる電子ブックの構造を示す概略斜視図。 腕時計の構造を示す概略斜視図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、電気泳動装置と、この電気泳動装置の製造方法との特徴的な例について、図に従って説明する。第1の実施形態にかかわる電気泳動装置について図1〜図7に従って説明する。図1は、電気泳動装置の実装例を説明するための概略斜視図である。図2は電気泳動装置の実装例を説明するための模式側面図である。図1及び図2に示すように、電気泳動装置1は素子基板2及び対向基板3を備えている。電気泳動装置1は反射型の表示装置である。素子基板2にはTFT素子が2次元マトリックス状に配置されている。
対向基板3は素子基板2と対向して配置されている板である。そして、素子基板2と対向基板3との間には電気泳動層4が配置されている。尚、本実施形態では、素子基板2及び対向基板3は双方とも方形であるが、この形状に限定されるものではない。
電気泳動層4は、2次元マトリックス状に区画された複数の領域を有している。複数の領域のそれぞれが画素として機能する。そして、2次元マトリックス状に配列された複数の画素により表示領域5が構成されている。素子基板2は4辺の内の1辺側が対向基板3よりも長くなっている。素子基板2が対向基板3より長くなっている方向を−Y方向とする。対向基板3の厚み方向をZ方向とする。そして、素子基板2に対して対向基板3が位置する方向を+Z方向とする。対向基板3の基板上面3aにおいて、Y方向と直交する方向をX方向とする。X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交する方向になっている。電気泳動装置1は基板上面3a側から画像が見られる構造になっている。
+Z方向側から見た平面視において、対向基板3からはみ出る素子基板2の部分には複数の第1実装端子6が配置されている。第1実装端子6はX方向に配列している。TFT素子と第1実装端子6とは配線により電気的に接続されている。
電気泳動装置1は回路基板7上に配置されている。他にも回路基板7上には電気泳動装置1を駆動する回路素子8が配置されている。他にも回路基板7上には複数の第2実装端子9が配置されている。第2実装端子9も第1実装端子6と同様にX方向に配列している。第1実装端子6のピッチと第2実装端子9のピッチとは同じ長さになっている。
そして、各第1実装端子6と各第2実装端子9とはそれぞれ配線としてのボンディングワイヤー10により電気的に接続されている。第2実装端子9と回路素子8とは回路基板7に配置された配線により電気的に接続されている。回路素子8は駆動信号を出力する。この駆動信号は第2実装端子9、ボンディングワイヤー10、第1実装端子6を経由して各画素のTFT素子に入力される。
図3及び図4は電気泳動装置の構造を示す模式側断面図である。図3は電気泳動装置1の−Y方向側の場所における側断面図である。図4は電気泳動装置1の中程の場所における側断面図である。図3及び図4に示すように、素子基板2は第1基材11を有する。第1基材11の材質には、ガラス、プラスチック、セラミック、シリコン等を用いることができる。第1基材11は基板上面3aの反対側に配置されるため不透明な材質でもよい。本実施形態では、例えば、第1基材11の材質にガラスを用いている。
第1基材11上には素子層12が配置されている。素子層12では第1基材11上に第1絶縁膜13が配置されている。第1絶縁膜13は酸化シリコンや窒化シリコン等を用いることができる。第1基材11の絶縁性が高く第1基材11にナトリウムの含有量が少ないときには第1絶縁膜13を省略しても良い。第1絶縁膜13上には画素回路14及び画素回路14に電気信号を供給する配線等が配置されている。画素回路14は画素毎に複数のTFT素子15を備えている。図中には各画素における複数のTFT素子15の中の1つが描かれている。
TFT素子15には島状の半導体層16が配置されている。半導体層16には第1ソース・ドレイン領域17、チャネル形成領域18、第2ソース・ドレイン領域21がこの順に並んで形成されている。半導体層16上にはゲート絶縁膜22が配置されている。そして、ゲート絶縁膜22上にはチャネル形成領域18と対向する場所にゲート電極23が配置されている。
半導体層16の第1ソース・ドレイン領域17には第1ソース・ドレイン電極24が電気的に接続されている。第1ソース・ドレイン電極24には第1配線25が電気的に接続されている。第2ソース・ドレイン領域21と電気的に接続して第2ソース・ドレイン電極26が配置されている。第2ソース・ドレイン電極26には第2配線27が電気的に接続されている。ゲート電極23には図示しない配線が電気的に接続されている。
ゲート電極23及びゲート絶縁膜22と重ねて第2絶縁膜28が配置されている。第2絶縁膜28は酸化シリコンや窒化シリコンで構成されている。第1配線25及び第2配線27は第2絶縁膜28の+Z方向側の面に配置されている。第1ソース・ドレイン電極24及び第2ソース・ドレイン電極26が配置された場所には第2絶縁膜28にコンタクトホールが形成されている。そして、第1ソース・ドレイン電極24は第1コンタクトホール28aを通って第1配線25と電気的に接続している。第2ソース・ドレイン電極26も第2コンタクトホール28bを通って第2配線27と電気的に接続している。
第1実装端子6が配置されている場所では第2絶縁膜28上に第3配線29が配置されている。第3配線29はいずれかの画素回路14等と電気的に接続されている。
第2絶縁膜28と第1ソース・ドレイン電極24、第1配線25、第2ソース・ドレイン電極26、第2配線27及び第3配線29とを覆って第3絶縁膜30が配置されている。第3絶縁膜30は膜厚800nm程度の窒化シリコン膜である。
第3絶縁膜30の上には第4絶縁膜31が配置されている。第4絶縁膜31は有機樹脂の膜であり、本実施形態では例えば、第4絶縁膜31にアクリル樹脂を用いている。第4絶縁膜31は平坦化膜とも言われ、+Z側の面を平坦にする。
表示領域5では第4絶縁膜31の上に画素電極32が配置されている。画素電極32は金属を含み導電性を有している。画素電極32は第1下層膜32a及び第1上層膜32bを有している。画素電極32の第1下層膜32aの材質にはモリブデン、チタン、モリブデンとアルミニウムとの合金等を用いることができる。本実施形態では例えば、画素電極32はモリブデンの膜である第1下層膜32aとアルミニウムの膜である第1上層膜32bとで構成されている。詳しくは、第4絶縁膜31の上に膜厚が約30nmの第1下層膜32aが配置されている。そして、第1下層膜32aの上に膜厚が約500nmの第1上層膜32bが配置されている。このように、画素電極32は金属の第1下層膜32a上にアルミニウムの第1上層膜32bが積層されている。
モリブデン、チタン、モリブデンとアルミニウムとの合金等はアルミニウムとの親和性が良い。従って、第1下層膜32aの上に品質良く第1上層膜32bを積層させることができる。そして、第1上層膜32bを第1下層膜32aから剥がれにくくすることができる。
画素電極32は画素5a毎に配置されている。そして、隣合う画素電極32の間には絶縁膜としての画素枠部33が配置されている。画素5aが2次元マトリックス状に配置されているので、画素枠部33は格子状に配置されている。画素枠部33の材質は絶縁性があれば良く、樹脂材料等の有機材料でも良く、酸化シリコンや窒化シリコン等の無機材料でも良い。本実施形態では例えば、画素枠部33の材質にアクリル樹脂を用いている。画素枠部33の厚みは100nm〜1.5μmの範囲に設定される。
第4絶縁膜31及び第3絶縁膜30には第3コンタクトホール31aが形成されている。そして、画素電極32は第3コンタクトホール31aを通って第2配線27と電気的に接続している。従って、画素電極32に印加される電圧はTFT素子15により切替えられる。
画素電極32に重ねて第1金属層34が配置されている。第1金属層34は、画素5aごとに互いに離間して設けられている。第1金属層34は第1本体層34aと第1本体層34aを覆う第1表面層34bとで構成されている。隣り合う第1金属層34の間は溝34cが配置されている。第1本体層34aの材質はニッケルである。第1本体層34aの厚みは5μm以上30μm以下が好ましく、本実施形態では例えば、第1本体層34aの厚みは約7μmになっている。第1金属層34はめっき処理により形成される膜である。第1金属層34の厚みが30μmを超えるとめっき処理にかかる時間が長くなるので生産性が低下する。
アルミニウムの上にはニッケルのめっきを安定して行うことができる。従って、第1本体層34aを品質良く配置することができる。
第1表面層34bの材質は金である。第1表面層34bの厚みは特に限定されないが、本実施形態では例えば、0.1μm〜0.9μmになっている。このように、第1金属層34はニッケルの第1本体層34a上に金の第1表面層34bが積層されている。
第1実装端子6が配置されている場所では第4絶縁膜31及び第3絶縁膜30に第4コンタクトホール31bが形成されている。第4コンタクトホール31bにより第3配線29の一部と第2絶縁膜28の一部が露出している。そして、露出した第3配線29及び第2絶縁膜28に重ねて接続端子35が配置されている。
接続端子35は第2下層膜35a及び第2上層膜35bを有している。接続端子35の材質にモリブデン、チタン、モリブデンとアルミニウムとの合金等を用いることができる。本実施形態では例えば、接続端子35はモリブデンの膜である第2下層膜35aとアルミニウムの膜である第2上層膜35bとで構成されている。詳しくは、第2絶縁膜28及び第3配線29の上に膜厚が約30nmの第2下層膜35aが配置されている。そして、第2下層膜35aの上に膜厚が約500nmの第2上層膜35bが配置されている。このように、接続端子35は金属の第2下層膜35a上にアルミニウムの第2上層膜35bが積層されている。
モリブデン、チタン、モリブデンとアルミニウムとの合金等はアルミニウムとの親和性が良い。従って、第2下層膜35aの上に品質良く第2上層膜35bを積層させることができる。そして、第2上層膜35bを第2下層膜35aから剥がれにくくすることができる。
画素電極32と接続端子35とは同一材料で構成されている。従って、画素電極32と接続端子35とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、画素電極32と接続端子35とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、画素電極32と接続端子35とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。
接続端子35の周囲には絶縁膜としての第5絶縁膜36が配置されている。第5絶縁膜36は画素電極32と接続端子35との間にも配置されている。第5絶縁膜36と画素枠部33とは同じ絶縁膜である。従って、第5絶縁膜36の材質は画素枠部33の材質と同じ材質であり、本実施形態では例えば、第5絶縁膜36及び画素枠部33の材質にアクリル樹脂を用いている。
接続端子35に重ねて第2金属層37が配置されている。第2金属層37は第2本体層37aと第2本体層37aを覆う第2表面層37bとで構成されている。第2本体層37aの材質はニッケルである。第2本体層37aの厚みは5μm以上30μm以下が好ましく、本実施形態では例えば、第2本体層37aの厚みは約7μmになっている。第2本体層37aはめっき処理により形成される膜である。第2本体層37aの厚みが30μmを超えるとめっき処理にかかる時間が長くなるので生産性が低下する。
アルミニウムの上にはニッケルのめっきを安定して行うことができる。従って、第2本体層37aを品質良く配置することができる。
第2表面層37bの材質は金である。第2表面層37bの厚みは特に限定されないが、本実施形態では例えば、0.1μm〜0.9μmになっている。第2表面層37bもめっき処理により形成される膜である。このように、第2金属層37はニッケルの第2本体層37a上に金の第2表面層37bが積層されている。
第2金属層37はニッケルの第2本体層37a上に金の第2表面層37bが積層されている。金はボンディングワイヤー10との電気的な接触抵抗を低くすることができる。また、接続端子35にボンディングワイヤー10を設置する加工を行うとき、接続端子35が受ける衝撃をニッケルの第2本体層37aが吸収するので、接続端子35が衝撃を受けて剥離することを抑制できる。
第2金属層37は第1金属層34と同一材料で構成される。従って、第1金属層34と第2金属層37とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、第1金属層34と第2金属層37とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、第1金属層34と第2金属層37とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
第1金属層34及び第2金属層37はそれぞれめっき処理により形成される。めっき処理はスパッタリング法等の物理気相堆積法に比べて短時間で厚い膜を成膜することができる。従って、生産性良く第1金属層34及び第2金属層37を形成することができる。
第1実装端子6にはボンディングワイヤー10が設置される。ボンディングワイヤー10はワイヤー10aとワイヤー先端10bとで構成される。第1実装端子6にワイヤー先端10bを固定するとき、ワイヤーボンディング装置が用いられる。ワイヤーボンディング装置は注射針のようなキャピラリーを備え、キャピラリーを移動させる。ワイヤーボンディング装置のキャピラリーがワイヤー先端10bを第1実装端子6に押圧した状態で、キャピラリーがワイヤー先端10bに超音波を加える。このとき、ワイヤー先端10bが第1実装端子6に融着する。
ボンディングワイヤー10と接続端子35との間には第2金属層37が設けられている。第2金属層37はボンディングワイヤー10を電気的に接続させるのに適した層である。このとき、第2金属層37が超音波を吸収するのでワイヤー先端10bを品質良く第2金属層37に接合することができる。そして、ワイヤー先端10bを第2金属層37から剥がれ難くすることができる。さらに、第2金属層37が超音波を吸収するので第1実装端子6が素子基板2から剥がれることを低減できる。
表示領域5では第1金属層34の上に電気泳動層4が配置されている。従って、第1金属層34は電気泳動層4と画素電極32との間に設けられている。電気泳動層4はマイクロカプセル38とマイクロカプセル38を固定する固定部材39とで構成されている。固定部材39の材質は樹脂であり、マイクロカプセル38を接着して固定する機能を有する。電気泳動層4と第1金属層34との間には第1接着層40が配置され、第1接着層40が電気泳動層4と第1金属層34とを接着する。
電気泳動層4の上には共通電極41、支持シート42、第2接着層44及び対向基板3が配置されている。支持シート42の−Z方向側の面に共通電極41が形成されている。そして、共通電極41の−Z方向側の面に電気泳動層4が配置されている。支持シート42の材質は光透過性があり電気泳動層4を支持できれば良く特に限定されず、各種樹脂シートやゴムシートが用いられている。本実施形態では、例えば、支持シート42の材質にエチレン・プロピレンゴムのシートを用いている。
電気泳動層4の外周には対向基板3の外縁に沿ってシール材43が配置されている。シール材43はZ方向側から見て平面視で表示領域5を囲むように環状に配置されている。そして、素子基板2と対向基板3とは、シール材43を介して対向して配置されている。そして、素子基板2、対向基板3及びシール材43とで構成される空間内に電気泳動層4が配置されている。シール材43は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂等の接着剤からなる。そして、シール材43は素子基板2と対向基板3とを接着固定している。さらに、支持シート42と対向基板3との間には第2接着層44が配置されている。第2接着層44は接着剤が固化した層である。第2接着層44は対向基板3を支持シート42に接着固定している。
共通電極41は対向基板3と同様に光透過性を有する透明導電膜が用いられている。共通電極41の材質にはITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium−zinc oxide)、ZnO(Zinc oxide)、IGZO(Indium−gallium−zinc oxide)、SnOx(酸化錫)、IGO(Indium−gallium oxide)、ICO(Indium−cerium oxide)を用いることができる。本実施形態では、例えば、共通電極41の材質にITOを用いている。
共通電極41は画素電極32とは異なり、表示領域5の略全域に、区画されずに形成されている。したがって、共通電極41は、表示領域5に配置された総ての画素5aにおける共通の電極として機能する。画素電極32は画素5a毎に形成され、画素回路14により個別に制御可能である。従って、電気泳動装置1は各々の画素5a毎に画素電極32と共通電極41との間に任意の電圧を印加できる。
そして、電気泳動層4は画素電極32と電気的に接続する第1金属層34と共通電極41との間に配置されている。従って、電気泳動層4は各々の画素5a毎に任意の電圧が印加される。電気泳動層4と画素電極32との間に第1金属層34が設けられている。第1金属層34には画素電極32から電位が印加されて電気泳動層4に電場を形成する。
電気泳動層4の固定部材39は接着性を有するシート状の基材である。固定部材39の片方の面にマイクロカプセル38が単層かつできるだけ隙間が生じないように敷き詰められている。そして、第1接着層40により固定部材39の他方の面が素子基板2上の第1金属層34に貼り付けられている。固定部材39には電解質が含まれている。
マイクロカプセル38は直径が略30μm〜75μmである。マイクロカプセル38は第1金属層34と共通電極41との間でZ方向には1層に配列している。そして、マイクロカプセル38はX方向及びY方向では互いに接するように配置されている。したがって、マイクロカプセル38の直径は第1金属層34と共通電極41との間の寸法と略同一である。そして各々の第1金属層34上には、略同一の数のマイクロカプセル38が配置されている。
マイクロカプセル38は、複数の黒色粒子45、複数の白色粒子46及び分散媒47が封入された球状体である。黒色粒子45は黒色の電気泳動粒子である。白色粒子46は白色の電気泳動粒子である。そして、マイクロカプセル38の外殻をなす壁膜は、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等の透光性を持つ高分子樹脂等を用いて形成されている。
分散媒47には水、アルコール系溶媒、エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、長鎖アルキル基を有するベンゼン類、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩、シリコーンオイル等の油類を単独または混合物として用いられている。
黒色粒子45は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子である。白色粒子46は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子である。粒子は高分子あるいはコロイドである。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加しても良い。
そして、黒色粒子45と白色粒子46は互いに反対の電位を有するように帯電されて用いられる。黒色粒子45が正に帯電されて用いられる場合、白色粒子46は負に帯電されて用いられる。そして、かかる電位の違いを利用し、画素5a毎に第1金属層34と共通電極41との間に電圧を印加することで表示領域5に画像を形成できる。
図3では、画素5aが黒色表示となっている場合を示している。黒色表示を行う場合、第1金属層34と共通電極41との間に直流の駆動電圧を印加して、共通電極41を相対的に低電位、第1金属層34を相対的に高電位に保持する。これにより、正に帯電した黒色粒子45が共通電極41に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子46が画素電極32に引き寄せられる。その結果、対向基板3側から画素5aを見ると、画素5aが黒色に見える。
また、白色表示を行う場合、共通電極41が相対的に高電位、第1金属層34が相対的に低電位となるように第1金属層34と共通電極41との間に直流の駆動電圧を印加する。これにより、負に帯電した白色粒子46が共通電極41に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子45が画素電極32に引き寄せられる。その結果、共通電極41側から画素5aを見ると、画素5aが白色に見える。尚、黒色粒子45及び白色粒子46に代えて、例えば赤色、緑色、青色等の顔料を用いた粒子を用いてもよい。かかる構成であれば、カラー表示を行うこともできる。
図5は第1実装端子の構造を示す要部模式断面図である。図5に示すように、第4コンタクトホール31bには接続端子35が配置されている。第4絶縁膜31の+Z方向側の面を第4絶縁膜上面31cとする。接続端子35は第2絶縁膜28及び第3配線29上から第4絶縁膜上面31cまで配置されている。
第4絶縁膜上面31cでは第5絶縁膜36が接続端子35の端部35cを覆っている。接続端子35上に第2金属層37を形成するときに第2金属層37の内部応力が接続端子35に作用する。この内部応力により接続端子35の端部35cが剥がれることを第5絶縁膜36が低減することができる。
図6は画素電極の構造を示す要部模式断面図である。図6に示すように、第3コンタクトホール31aには画素電極32が配置されている。画素電極32は第2配線27上から第4絶縁膜上面31cまで配置されている。
第4絶縁膜上面31cでは画素枠部33が画素電極32の端部32cを覆っている。画素電極32上に第1金属層34を形成するときに第1金属層34の内部応力が画素電極32に作用する。この内部応力により画素電極32の端部32cが剥がれることを画素枠部33が抑制することができる。
図7は電気泳動装置の電気制御ブロック図である。図7に示すように、電気泳動装置1は回路素子8と電気的に接続して用いられる。回路素子8は入力部48を備え、入力部48は電気泳動装置1に表示する画像を示す画像信号を出力する装置と電気的に接続される。そして、入力部48は画像信号を入力する。入力部48は制御部49と電気的に接続されている。そして、制御部49は記憶部50、第1波形形成部51、第2波形形成部52及び信号分配部53と電気的に接続されている。
制御部49は第1波形形成部51、第2波形形成部52及び信号分配部53を制御する部位である。記憶部50は画像信号の他、画像信号から電気泳動装置1に出力する信号を形成するときに用いる情報を記憶する。第1波形形成部51はボンディングワイヤー10、信号分配部53を介して画素回路14と電気的に接続され、画素回路14に画素毎のデータ信号を出力する。画素回路14は画素電極32と電気的に接続され、データ信号に対応する電圧波形を画素電極32に出力する。第2波形形成部52はボンディングワイヤー10及び信号分配部53を介して共通電極41と電気的に接続され、共通電極41に電圧波形を出力する。
信号分配部53は画素回路14に駆動信号を分配し画素電極32に出力する電圧波形を切り替える。さらに、信号分配部53は共通電極41に出力する電圧波形を分配する。
次に上述した電気泳動装置1の製造方法について図8〜図13及び図3にて説明する。図8は、電気泳動装置の製造方法のフローチャートであり、図9〜図13は電気泳動装置の製造方法を説明するための模式図である。図8のフローチャートにおいて、ステップS1は半導体層形成工程に相当する。この工程は、第1基材11上に素子層12及び第4絶縁膜31を形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は画素電極、接続端子形成工程である。この工程は、第4絶縁膜31上に画素電極32及び接続端子35を形成する工程である。次にステップS3に移行する。
ステップS3は絶縁膜形成工程である。この工程は、第4絶縁膜31上に画素枠部33及び第5絶縁膜36を形成する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は第1金属層、第2金属層形成工程である。この工程は、画素電極32上に第1金属層34を形成する工程である。さらに、接続端子35上に第2金属層37を形成する。次にステップS5に移行する。ステップS5は電気泳動層設置工程である。この工程は、第1金属層34上に電気泳動層4を設置する工程である。さらに、電気泳動層4上に対向基板3を設置する。以上の工程により電気泳動装置1が完成する。
次に、図9〜図13及び図3を用いて、図8に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。まず、素子基板2を製造する。図9はステップS1の半導体層形成工程に対応する図である。図9に示すように、第1基材11を用意する。第1基材11は汎用の無アリカリガラスである。第1基材11にはガラス板を所定の厚みに研削及び研磨して表面粗さを小さくした板を用いる。第1基材11上に素子層12を形成する。素子層12の形成方法は公知であるので詳細の説明は省略し、概略の製造方法を説明する。素子層12の形成方法は複数存在し特に限定されない。
まず、第1基材11上に第1絶縁膜13を形成する。CVD法(chemical vapor deposition)によって第1基材11上に酸化シリコンの第1絶縁膜13を形成する。次に、第1絶縁膜13上に、CVD法等によって膜厚50nm程度の非晶質シリコン膜を形成する。その非晶質シリコン膜をレーザー結晶化法等によって結晶化して、多結晶シリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって島状の多結晶シリコン膜である半導体層16を形成する。
次に、半導体層16及び第1絶縁膜13を覆うように、CVD法等によって膜厚100nm程度の酸化シリコンの膜を形成し、ゲート絶縁膜22とする。続いて、スパッタリング法等によって、ゲート絶縁膜22上に膜厚500nm程度のMo膜を形成し、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって島状のゲート電極23を形成する。次に、イオン注入法によって半導体層16に不純物イオンを注入し、第1ソース・ドレイン領域17、第2ソース・ドレイン領域21及びチャネル形成領域18を形成する。続いて、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23を覆うように、膜厚800nm程度の酸化シリコン膜を形成し、第2絶縁膜28とする。
次に、第2絶縁膜28に第1ソース・ドレイン領域17に達する第1コンタクトホール28aと第2ソース・ドレイン領域21に達する第2コンタクトホール28bを形成する。その後、第2絶縁膜28上と第1コンタクトホール28a及び第2コンタクトホール28b内に、スパッタリング法等によって膜厚500nm程度のMo膜を形成し、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングして、第1ソース・ドレイン電極24、第2ソース・ドレイン電極26及び図示しない配線を形成する。
第2絶縁膜28と第1ソース・ドレイン電極24、第2ソース・ドレイン電極26及び配線とを覆うように、膜厚800nm程度の窒化シリコン膜を形成し、第3絶縁膜30とする。フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングして、第3絶縁膜30にコンタクトホールを形成する。尚、ステップS1では画素回路14を構成する複数のTFT素子15が配置される。
次に、第3絶縁膜30上に第4絶縁膜31を設置する。まず、第4絶縁膜31の材料となる樹脂膜を設置する。素子層12の上にアクリル樹脂を溶解した溶液を素子層12上に塗布し乾燥させて固化する。樹脂膜はインクジェット法、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の凸版印刷、グラビア印刷等の凹版印刷等の各種印刷法を用いて設置することができる。他にも、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スリットコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、ディップコート法等を用いても良い。次に、樹脂膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法によってパターニングする。これにより、第4絶縁膜31の外形形状、第3コンタクトホール31a及び第4コンタクトホール31bの形状をパターニングする。樹脂膜は蒸着またはCVD法等の成膜法を用いるときより厚い膜を容易に設置することができる。
図10はステップS2の画素電極、接続端子形成工程に対応する図である。図10に示すように、ステップS2において第4絶縁膜31上、第3コンタクトホール31a及び第4コンタクトホール31b内に、スパッタリング法等の成膜法を用いて膜厚30nm程度のモリブデン膜を形成する。さらに、スパッタリング法等の成膜法を用いて膜厚500nm程度のモリブデン膜に重ねてアルミニウム膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってモリブデン膜及びアルミニウム膜をエッチングして画素電極32及び接続端子35を形成する。画素枠部33を設置する予定の場所では第4絶縁膜31を露出させる。エッチング法は特に限定されないが本実施形態ではドライエッチング法を用いた。
ステップS2では画素電極32と接続端子35とは同一材料で同時に形成される。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、画素電極32と接続端子35とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
図11はステップS3の絶縁膜形成工程に対応する図である。図11に示すように、ステップS3において、第4絶縁膜31が露出する開口31d上に画素枠部33を形成する。さらに、表示領域5の−Y方向側で第4絶縁膜31が露出する場所に第5絶縁膜36を形成する。まず、画素電極32上に画素枠部33及び第5絶縁膜36の材料となる感光性樹脂材料を塗布する。感光性樹脂材料はアクリル樹脂を溶解した溶液に感光性の添加物を加えた液体である。
感光性樹脂材料の塗布方法はオフセット印刷、スクリーン印刷、凸版印刷等の各種印刷法を用いて設置することができる。他にも、スピンコート法やロールコート法等のコート法を用いても良い。続いて、感光性樹脂材料を加熱乾燥して固化する。次に、感光性樹脂材料をフォトリソグラフィー法によってパターニングしエッチングして画素枠部33及び第5絶縁膜36を成形する。画素枠部33及び第5絶縁膜36は画素電極32の端部32cと接続端子35の端部35cとを覆うように形成される。
画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ材質の絶縁膜である。従って、画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ工程で形成できる。画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とを別の工程で配置するときに比べて工程数を減らすことができる。その結果、生産性良く電気泳動装置1を製造することができる。
画素枠部33及び第5絶縁膜36は第4絶縁膜31と接合される。画素枠部33、第5絶縁膜36及び第4絶縁膜31はともに樹脂材料で形成されるので強固に接合させることができる。従って、画素電極32の端部32c及び接続端子35の端部35cを確実に固定することができる。
図12はステップS4の第1金属層、第2金属層形成工程に対応する図である。図12に示すように、ステップS4において、画素電極32上に第1金属層34を形成する。さらに、接続端子35上に第2金属層37を形成する。第1金属層34の第1本体層34a及び第2金属層37の第2本体層37aの形成方法は無電解めっき法を用いてニッケルのめっきを行う。画素電極32の第1上層膜32b及び接続端子35の第2上層膜35bの材質はアルミニウムである。アルミニウムの表面には酸化膜ができやすい。アルミニウム専用のエッチング剤を用いてアルミニウムの表面にできている酸化膜や変質層を除去する。
次に、画素電極32及び接続端子35が形成された第1基材11をめっき浴に浸漬して加熱する。画素電極32の第1上層膜32b及び接続端子35の第2上層膜35bはアルミニウムが含まれているのでニッケルがめっきされる。画素電極32及び接続端子35以外は画素枠部33や第5絶縁膜36等の樹脂材料におおわれているのでニッケルがめっきされない。従って、めっき浴に浸漬しても第1金属層34の第1本体層34a及び第2金属層37の第2本体層37aのみ形成される。
次に、第1金属層34の第1本体層34aに重ねて第1表面層34bを形成し、第2金属層37の第2本体層37aに重ねて第2表面層37bを形成する。第1表面層34b及び第2表面層37bの形成方法は無電解めっき法を用いて金のめっきを行う。第1本体層34a及び第2本体層37aが形成された第1基材11をめっき浴に浸漬して加熱する。金はニッケルに比べてイオン化傾向が小さい。従って、第1本体層34a及び第2本体層37aのニッケルと金とが置換されて金の第1表面層34b及び第2表面層37bが形成される。
本工程では画素電極32上に第1金属層34を形成する工程と、接続端子35上に第2金属層37を形成する工程と、が含まれる。そして、第1金属層34と第2金属層37とは同一材料で同時に形成されている。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、第1金属層34と第2金属層37とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
尚、ステップS1の半導体層形成工程〜ステップS4の第1金属層、第2金属層形成工程までは第1基材11上に複数の電気泳動装置1に対向する素子を形成するのが好ましい。そして、第1基材11上に第1金属層34及び第2金属層37を形成した後で、各電気泳動装置1に対応する形状にダイシングして分割する。
図13はステップS5の電気泳動層設置工程に対応する図である。図13に示すように、ステップS5において、第1金属層34上に電気泳動層4を設置する。黒色粒子45及び白色粒子46を分散媒47に投入して攪拌する。この操作により分散媒47に黒色粒子45及び白色粒子46が分散する。そして、分散媒47をマイクロカプセル38に注入して封止する。
支持シート42上に共通電極41を形成する。共通電極41はITOの膜であり、スパッタリング法を用いて形成する。次に、マイクロカプセル38、固定部材39及び溶媒を混合して共通電極41上に塗布する。塗布方法には各種のコート法や印刷法を用いることができる。次に、乾燥させて溶媒の量を調整する。以上の工程により、支持シート42上に共通電極41及び電気泳動層4が配置される。
続いて、電気泳動層4が配置された支持シート42に接着剤を塗布して第1金属層34上に配置する。そして、支持シート42を素子基板2に押圧する。このとき、減圧雰囲気において支持シート42を第1金属層34上に配置するのが好ましい。第1金属層34と電気泳動層4との間に気泡54が生じるのを低減することができる。さらに、加熱することにより、気体を分散させて気泡54が生じるのを低減することができる。
第1金属層34は画素5aごとに互いに離間して形成されている。そして、第1金属層34に重ねて電気泳動層4を配置し、しかる後に、第1金属層34と電気泳動層4との間に生じる気泡54を画素5aから除去する。気泡54の移動方法は支持シート42をZ方向側から押しながら支持シート42に沿って気泡54を移動する。そして、気泡54が溝34cに到達すると、気泡54は溝34cに入る。この操作により気泡54を画素5aから除外させることができる。
第1金属層34は、画素5aごとに互いに離間して設けられている。このとき、画素5a間に溝34cができる。第1金属層34の上に電気泳動層4を設置するとき、第1金属層34と電気泳動層4との間に気泡54ができることがある。このとき、気泡54を溝34cに移動させて気泡54を溝34cに収納することができる。従って、気泡54が表示内容を見難くすることがない為、表示品質を向上することができる。
画素5aから気泡54を除去した後で、支持シート42を第1基材11に押圧しながら加熱する。加熱により固定部材39が固化して電気泳動層4は第1金属層34に接着される。接着剤は固化して第1接着層40になる。
図3に示すように、第5絶縁膜36上にシール材43を配置する。シール材43は接着剤からなる。シール材43の配置方法にはスクリーン印刷やオフセット印刷等の各種の印刷方法を用いることができる。次に、支持シート42上に粘性の低い接着剤を塗布する。続いて、支持シート42及びシール材43に重ねて対向基板3を配置する。次に、シール材43及び接着剤が熱硬化性の接着剤であるときには加熱してシール材43及び接着剤を固化する。シール材43及び接着剤が紫外線硬化性の接着剤であるときには紫外線を照射してシール材43及び接着剤を固化する。支持シート42と対向基板3との間の接着剤が固化して第2接着層44になる。以上の工程により対向基板3が素子基板2に接着固定されて電気泳動装置1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、電気泳動層4と画素電極32との間に第1金属層34が設けられている。第1金属層34には画素電極32から電位が印加されて電気泳動層4に電場を形成する。そして、ボンディングワイヤー10と接続端子35との間に第2金属層37が設けられている。第2金属層37はボンディングワイヤー10を電気的に接続させるのに適した層であり、電気泳動装置1とボンディングワイヤー10とを電気的に品質良く接続する。そして、第1金属層34と第2金属層37とは同一材料で構成されている。
従って、第1金属層34と第2金属層37とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、第1金属層34と第2金属層37とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、第1金属層34と第2金属層37とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
(2)本実施形態によれば、画素枠部33が画素電極32の端部32cを覆う。さらに、第5絶縁膜36が接続端子35の端部35cを覆う。画素電極32上に第1金属層34を形成するときに第1金属層34の内部応力により画素電極32の端部32cが剥がれることを画素枠部33が低減することができる。同様に、接続端子35上に第2金属層37を形成するときに第2金属層37の内部応力により接続端子35の端部35cが剥がれることを第5絶縁膜36が低減することができる。そして、画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ絶縁膜である。従って、画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ工程で形成できる。画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とを別の工程で配置するときに比べて工程数を減らすことができる。その結果、生産性良く電気泳動装置1を製造することができる。
(3)本実施形態によれば、第1金属層34及び第2金属層37はそれぞれめっき処理により形成されている。めっき処理はスパッタリング法等の物理気相堆積法に比べて短時間で厚い膜を成膜することができる。従って、生産性良く第1金属層34及び第2金属層37を形成することができる。
(4)本実施形態によれば、画素電極32と接続端子35とは同一材料で構成されている。従って、画素電極32と接続端子35とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、画素電極32と接続端子35とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、画素電極32と接続端子35とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。
(5)本実施形態によれば、第1金属層34は、画素5aごとに互いに離間して設けられている。このとき、画素5a間に溝34cができる。第1金属層34の上に電気泳動層4を設置するとき、第1金属層34と電気泳動層4との間に気泡54ができることがある。このとき、気泡54を溝34cに移動させて気泡54を溝34cに収納することができる。従って、気泡54が表示内容を見難くすることがない為、表示品質を向上することができる。
(6)本実施形態によれば、画素電極32上に第1金属層34が形成され、接続端子35上に第2金属層37が形成されている。そして、第1金属層34と第2金属層37とは同一材料で同時に形成されている。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、第1金属層34と第2金属層37とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
(7)本実施形態によれば、画素枠部33が画素電極32の端部32cを覆う。さらに、第5絶縁膜36は接続端子35の端部35cを覆う。画素電極32上に第1金属層34を形成するときに第1金属層34の内部応力により画素電極32の端部32cが剥がれることを画素枠部33が低減することができる。同様に、接続端子35上に第2金属層37を形成するときに第2金属層37の内部応力により接続端子35の端部35cが剥がれることを第5絶縁膜36が低減することができる。そして、画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ材質の絶縁膜である。従って、画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とは同じ工程で形成できる。画素電極32の端部32cを覆う画素枠部33と接続端子35の端部35cを覆う第5絶縁膜36とを別の工程で配置するときに比べて工程数を減らすことができる。その結果、生産性良く電気泳動装置1を製造することができる。
(8)本実施形態によれば、第1基材11上に画素電極32が形成され、第1基材11上に接続端子35が形成されている。そして、ステップS2では画素電極32と接続端子35とは同一材料で同時に形成される。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、画素電極32と接続端子35とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置1を生産性良く製造することができる。
(9)本実施形態によれば、第1金属層34の上に電気泳動層4を設置している。このとき、第1金属層34と電気泳動層4との間に気泡54ができることがある。第1金属層34は、画素5aごとに互いに離間して形成されている。このとき、画素5a間に溝34cができる。そして、気泡54を溝34cに移動させて気泡54を溝34cに収納している。従って、気泡54が表示内容を見難くすることがない為、表示品質を向上することができる。
(第2の実施形態)
次に、電気泳動装置の一実施形態について図14の電気泳動装置の構造を示す模式側断面図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図3及び図4に示した電気泳動層4の形態が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図14に示すように電気泳動装置56は素子基板2を備えている。素子基板2は第1の実施形態の電気泳動装置1における素子基板2と同じ構成になっている。素子基板2上には第1接着層57を介して電気泳動層58が配置されている。そして、電気泳動層58上には第2接着層59を介して対向基板3が配置されている。
第1接着層57及び第2接着層59は接着剤が固化した層である。第1接着層57は素子基板2と電気泳動層58とを接着固定する。第2接着層59は電気泳動層58と対向基板3とを接着固定する。
電気泳動層58は第1支持シート60、第2支持シート61及び隔壁62を備えている。そして、第1支持シート60及び第2支持シート61が隔壁62を挟む構造になっている。隔壁62はZ方向から見た形状が格子状になっている。第1支持シート60、第2支持シート61及び隔壁62に囲まれた空間が閉空間になっている。この閉空間をマイクロセル63とする。電気泳動層58にはマイクロセル63が2次元マトリックス状に複数配置されている。
マイクロセル63には黒色粒子45、白色粒子46及び分散媒47が配置されている。そして、マイクロセル63はマイクロカプセル38と同様の機能を有する。第2支持シート61の+Z方向側の面には共通電極64が配置されている。
電気泳動装置56は電気泳動装置1と同じ素子基板2を備えている為、第1の実施形態における効果(1)〜効果(9)と同じ効果を有している。
(第3の実施形態)
次に、電気泳動装置1または電気泳動装置56を搭載した電子機器の一実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15は電子ブックの構造を示す概略斜視図であり、図16は腕時計の構造を示す概略斜視図である。図15に示すように、電子機器としての電子ブック70は板状のケース71を有する。ケース71には蝶番72を介して蓋部73が設置されている。さらに、ケース71には操作ボタン74と表示部75とが設置されている。操作者は操作ボタン74を操作して表示部75に表示する内容を操作することができる。
ケース71の内部には、制御部76と表示部75を駆動する信号駆動部77が設置されている。制御部76は信号駆動部77に表示データを出力するとともに、当該表示データをデータ信号に変換するときのタイミング信号も出力する。信号駆動部77は表示データからデータ信号を生成し表示部75に出力する。また、制御部76は、信号駆動部77が出力するデータ信号に同期させた表示制御信号を表示部75に出力する。表示部75は内部に信号分配回路を有する。表示部75は入力される表示制御信号及びデータ信号から電気泳動表示に必要な信号を生成する。そして、制御部76が表示部75に出力した表示データに従って表示部75は表示を行う事ができる。尚、操作ボタン74による操作者の操作は、適時信号化され制御部76に伝達され、制御部76の出力信号に反映される。
電子ブック70は表示部75を備えている。この表示部75には上記の電気泳動装置1または電気泳動装置56が用いられている。上記の電気泳動装置1及び電気泳動装置56は、第1金属層34と第2金属層37とが同じ材料で構成されている。そして、第1金属層34と第2金属層37とが同一工程で同じ装置を用いて製造されている。従って、電気泳動装置1及び電気泳動装置56は生産性良く製造することができる。その結果、電子ブック70は生産性良く製造できる電気泳動装置を備えた機器とすることができる。
図16に示すように、電子機器としての腕時計80は板状のケース81を有する。ケース81はバンド82を備え、操作者はバンド82を腕に巻いて腕時計80を腕に固定することができる。ケース81には操作ボタン83と表示部84とが設置されている。操作者は操作ボタン83を操作して表示部84に表示する内容を操作することができる。
ケース81の内部には腕時計80を制御する制御部85と表示部84を駆動する信号駆動部86とが設置されている。制御部85は信号駆動部86に表示データと必要なタイミング信号を出力する。尚、当該必要なタイミング信号の中には制御部85から表示部84に直接出力される信号があってもよい。信号駆動部86は表示に必要な信号を表示部84に出力することで、表示部84に表示データに対応する内容を表示させることができる。
腕時計80は表示部84を備えている。この表示部84には上記の電気泳動装置1または電気泳動装置56が用いられている。上記の電気泳動装置1及び電気泳動装置56は、第1金属層34と第2金属層37とが同じ材料で構成されている。そして、第1金属層34と第2金属層37とが同一工程で同じ装置を用いて製造されている。従って、電気泳動装置1及び電気泳動装置56は生産性良く製造することができる。その結果、腕時計80は生産性良く製造できる電気泳動装置を備えた機器とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、図7に示すように、信号分配部53が電気泳動装置1に配置されていた。回路素子8は信号分配部53の機能を備えてもよい。他にも、回路素子8を電気泳動装置1に配置しても良い。そして、回路基板7には外部機器と接続するための端子群を配置しても良い。このように、回路構成を変更しても素子基板2では第1金属層34と第2金属層37とが同じ材料で構成されている為、電気泳動装置を生産性良く製造することができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、第1実装端子6と第2実装端子9とがボンディングワイヤー10により電気的に接続されていた。他にも、第1実装端子6と第2実装端子9とがフレキシブル基板により電気的に接続される構造にしても良い。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、ボンディングワイヤー10を設置する前に素子基板2上に対向基板3を接着固定した。他にも、素子基板2を回路基板7に接着固定し、ボンディングワイヤー10にて第1実装端子6と第2実装端子9とを電気的に接続した後で素子基板2上に対向基板3を接着固定しても良い。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
電気泳動装置は、電気泳動層と画素電極との間に設けられた第1金属層と、配線と接続端子との間に設けられ前記第1金属層と同一材料で構成される第2金属層と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、電気泳動層と画素電極との間に第1金属層が設けられている。第1金属層には画素電極から電位が印加されて電気泳動層に電場を形成する。そして、配線と接続端子との間に第2金属層が設けられている。第2金属層は配線を電気的に接続させるのに適した層であり、電気泳動装置と配線とを電気的に品質良く接続する。そして、第1金属層と第2金属層とは同一材料で構成されている。
従って、第1金属層と第2金属層とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、第1金属層と第2金属層とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、第1金属層及び第2金属層の成膜及びパターニングを同時に行うことができる。このとき、第1金属層と第2金属層とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置を生産性良く製造することができる。
上記の電気泳動装置は、前記画素電極の端部を覆うとともに前記接続端子の端部を覆う絶縁膜を備えることが好ましい。
この構成によれば、絶縁膜が画素電極の端部を覆う。さらに、絶縁膜は接続端子の端部を覆う。画素電極上に第1金属層を形成するときに第1金属層の内部応力により画素電極の端部が剥がれることを絶縁膜が抑制することができる。同様に、接続端子上に第2金属層を形成するときに第2金属層の内部応力により接続端子の端部が剥がれることを絶縁膜が抑制することができる。そして、画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とは同じ絶縁膜である。従って、画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とは同じ工程で形成できる。画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とを別の工程で配置するときに比べて工程数を減らすことができる。その結果、生産性良く電気泳動装置を製造することができる。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1金属層及び第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されている。めっき処理はスパッタリング法等の物理気相堆積法に比べて短時間で厚い膜を成膜することができる。従って、生産性良く第1金属層及び第2金属層を形成することができる。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で構成されることが好ましい。
この構成によれば、画素電極と接続端子とは同一材料で構成されている。従って、画素電極と接続端子とを別途他の材料を用いることなく構成することができる。また、画素電極と接続端子とを同一工程で同じ装置を用いて製造することができる。つまり、画素電極及び接続端子の成膜及びパターニングを同時に行うことができる。このとき、画素電極と接続端子とをそれぞれ別の工程で製造するときに比べて成膜工程とパターニング工程の数を減らすことができる。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極は金属の第1下層膜上にアルミニウムの第1上層膜が積層され、前記接続端子は金属の第2下層膜上にアルミニウムの第2上層膜が積層されていることが好ましい。
この構成によれば、画素電極では金属の第1下層膜上にアルミニウムの第1上層膜が積層されている。そして、第1上層膜の上にニッケルの第1本体層が配置されている。接続端子では金属の第2下層膜上にアルミニウムの第2上層膜が積層されている。そして、第2上層膜の上にニッケルの第2本体層が配置されている。アルミニウムの上にはニッケルのめっきを安定して行うことができる。従って、第1本体層及び第2本体層を品質良く配置することができる。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層はニッケルの第1本体層上に金の第1表面層が積層され、前記第2金属層はニッケルの第2本体層上に金の第2表面層が積層されていることが好ましい。
この構成によれば、第2金属層はニッケルの第2本体層上に金の第2表面層が積層されている。金は各種金属との電気的な接触抵抗を低くすることができる。また、接続端子に配線を設置する加工を行うとき、接続端子が受ける衝撃をニッケルの第2本体層が衝撃を吸収するので、接続端子が衝撃を受けて剥離することを抑制できる。
上記の電気泳動装置では、前記画素電極の前記第1下層膜及び前記接続端子の前記第2下層膜は、モリブデンまたはチタンを含むことが好ましい。
この構成によれば、画素電極の第1下層膜及び接続端子の第2下層膜は、モリブデンまたはチタンを含んでいる。モリブデン、チタン、モリブデンとアルミニウムとの合金等はアルミニウムとの親和性が良い。従って、第1下層膜の上に品質良く第1上層膜を積層させることができる。そして、第1上層膜を第1下層膜から剥がれにくくすることができる。同様に、第2下層膜の上に品質良く第2上層膜を積層させることができる。そして、第2上層膜を第2下層膜から剥がれにくくすることができる。
上記の電気泳動装置では、前記第1金属層は、画素ごとに互いに離間して設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1金属層は、画素ごとに互いに離間して設けられている。このとき、画素間に溝ができる。第1金属層の上に電気泳動層を設置するとき、第1金属層と電気泳動層との間に気泡ができることがある。このとき、気泡を溝に移動させて気泡を溝に収納することができる。従って、気泡が表示内容を見難くすることがない為、表示品質を向上することができる。
電子機器は、上記に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、電子機器は上記に記載の電気泳動装置を備えている。上記に記載の電気泳動装置は生産性良く製造することができる。従って、電子機器は生産性良く製造できる電気泳動装置を備えた機器とすることができる。
電気泳動装置の製造方法では、画素電極上に第1金属層を形成する工程と、接続端子上に第2金属層を形成する工程と、を備え、前記第1金属層と前記第2金属層とは同一材料で同時に形成されることを特徴とする。
この構成によれば、画素電極上に第1金属層が形成され、接続端子上に第2金属層が形成されている。そして、第1金属層と第2金属層とは同一材料で同時に形成されている。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、第1金属層と第2金属層とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置を生産性良く製造することができる。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記画素電極の端部と前記接続端子の端部とを覆うように絶縁膜を形成する工程を備えることが好ましい。
この構成によれば、絶縁膜が画素電極の端部を覆う。さらに、絶縁膜は接続端子の端部を覆う。画素電極上に第1金属層を形成するときに第1金属層の内部応力により画素電極の端部が剥がれることを絶縁膜が抑制することができる。同様に、接続端子上に第2金属層を形成するときに第2金属層の内部応力により接続端子の端部が剥がれることを絶縁膜が抑制することができる。そして、画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とは同じ絶縁膜である。従って、画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とは同じ工程で形成できる。画素電極の端部を覆う絶縁膜と接続端子の端部を覆う絶縁膜とを別の工程で配置するときに比べて工程数を減らすことができる。その結果、生産性良く電気泳動装置を製造することができる。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されることが好ましい。
この構成によれば、第1金属層及び第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されている。めっき処理はスパッタリング法等の物理気相堆積法に比べて短時間で厚い膜を成膜することができる。従って、生産性良く第1金属層及び第2金属層を形成することができる。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で同時に形成されることが好ましい。
この構成によれば、画素電極と接続端子とは同時に形成されている。つまり、成膜とパターニングとを行うことができる。このとき、画素電極と接続端子とをそれぞれ別に製造するときに比べて成膜とパターニングの数を減らすことができる。その結果、電気泳動装置を生産性良く製造することができる。
上記の電気泳動装置の製造方法では、前記第1金属層を画素ごとに互いに離間して形成し、前記第1金属層に重ねて電気泳動層を配置し、しかる後に、前記第1金属層と前記電気泳動層との間に生じる気泡を前記画素から除去することが好ましい。
この構成によれば、第1金属層の上に電気泳動層が設置されている。このとき、第1金属層と電気泳動層との間に気泡ができることがある。第1金属層は、画素ごとに互いに離間して形成されている。このとき、画素間に溝ができる。そして、気泡を溝に移動させて気泡を溝に収納している。従って、気泡が表示内容を見難くすることがない為、表示品質を向上することができる。
1,56…電気泳動装置、4,58…電気泳動層、5a…画素、10…配線としてのボンディングワイヤー、32…画素電極、33…絶縁膜としての画素枠部、34…第1金属層、35…接続端子、36…絶縁膜としての第5絶縁膜、37…第2金属層、70…電子機器としての電子ブック、80…電子機器としての腕時計。

Claims (14)

  1. 電気泳動層と画素電極との間に設けられた第1金属層と、
    配線と接続端子との間に設けられ前記第1金属層と同一材料で構成される第2金属層と、を備えることを特徴とする電気泳動装置。
  2. 請求項1に記載の電気泳動装置であって、
    前記画素電極の端部を覆うとともに前記接続端子の端部を覆う絶縁膜を備えることを特徴とする電気泳動装置。
  3. 請求項1または2に記載の電気泳動装置であって、
    前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されていることを特徴とする電気泳動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気泳動装置であって、
    前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で構成されることを特徴とする電気泳動装置。
  5. 請求項4に記載の電気泳動装置であって、
    前記画素電極は金属の第1下層膜上にアルミニウムの第1上層膜が積層され、
    前記接続端子は金属の第2下層膜上にアルミニウムの第2上層膜が積層されていることを特徴とする電気泳動装置。
  6. 請求項4または5に記載の電気泳動装置であって、
    前記第1金属層はニッケルの第1本体層上に金の第1表面層が積層され、
    前記第2金属層はニッケルの第2本体層上に金の第2表面層が積層されていることを特徴とする電気泳動装置。
  7. 請求項5に記載の電気泳動装置であって、
    前記画素電極の前記第1下層膜及び前記接続端子の前記第2下層膜は、モリブデンまたはチタンを含むことを特徴とする電気泳動装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気泳動装置であって、
    前記第1金属層は、画素ごとに互いに離間して設けられていることを特徴とする電気泳動装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気泳動装置を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 画素電極上に第1金属層を形成する工程と、
    接続端子上に第2金属層を形成する工程と、を備え、
    前記第1金属層と前記第2金属層とは同一材料で同時に形成されることを特徴とする電気泳動装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の電気泳動装置の製造方法であって、
    前記画素電極の端部と前記接続端子の端部とを覆うように絶縁膜を形成する工程を備えることを特徴とする電気泳動装置の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の電気泳動装置の製造方法であって、
    前記第1金属層及び前記第2金属層はそれぞれめっき処理により形成されることを特徴とする電気泳動装置の製造方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の電気泳動装置の製造方法であって、
    前記画素電極と前記接続端子とは同一材料で同時に形成されることを特徴とする電気泳動装置の製造方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか一項に記載の電気泳動装置の製造方法であって、
    前記第1金属層を画素ごとに互いに離間して形成し、
    前記第1金属層に重ねて電気泳動層を配置し、しかる後に、前記第1金属層と前記電気泳動層との間に生じる気泡を前記画素から除去することを特徴とする電気泳動装置の製造方法。
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