JP2019056796A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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崇 宮田
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Abstract

【課題】LDD構造でトランジスターの大きさを小さくすることができる電気光学装置を提供する。【解決手段】電気泳動装置1は画素8に、P型の第1P型トランジスター55と、N型の第1N型トランジスターとを有するメモリー回路を備え、第1P型トランジスター55の第1半導体層67は、第1ゲート電極31aと重なる第1チャネル領域28aと、第2ゲート電極31bと重なる第2チャネル領域28bと、第1高濃度P型領域73と第1チャネル領域28aとの間に第1低濃度P型領域76と、第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に第2低濃度P型領域77と、を有し、第1低濃度P型領域76の長さは、第2低濃度P型領域77の長さよりも長い。【選択図】図11

Description

本発明は、電気光学装置および電子機器に関するものである。
電荷を有する粒子が分散媒中を移動する電気光学装置としての電気泳動装置が電子機器に設置されて広く用いられている。電気泳動装置は画面のちらつきが少ないので、電子書籍を閲覧する表示装置等に用いられている。この電気泳動装置が特許文献1に開示されている。それによると、電気泳動装置は電極が配置された一対の基板を備えている。そして、電極間には着色帯電粒子を含む分散媒が配置されている。基板の間には格子状にセルが配置されている。
電気泳動装置は画素毎にメモリー回路を備えている。そして、メモリー回路はトランジスターを組み合わせた回路になっている。トランジスターは10V以上の電圧で動作するようにダブルゲート構造になっている。ダブルゲート構造は電界効果トランジスターを直列に接続した形態であり、ゲート電極が2つ配置されている。
そして、トランジスターでは、リーク電流を低下させるためにLDD(lightly doped drain)構造を採用している。LDD構造ではシリコン(半導体層)に不純物をドープする濃度が高い高濃度不純物領域と低い低濃度不純物領域とが配置される。
トランジスターの半導体層は、高濃度不純物領域、低濃度不純物領域、チャネル領域、低濃度不純物領域、高濃度不純物領域の順に並ぶ配置になっている。そして、チャネル領域に絶縁膜を介してゲート電極が配置されている。低濃度不純物領域は高濃度不純物領域より電気抵抗が大きい。そして、ゲート電極と高濃度不純物領域との間に電圧が加わるときには、低濃度不純物領域が抵抗として作用する。その結果、ゲート電極に高い電位が印加されてもトランジスターは破壊され難くなっている。
特開2009−180815号公報
トランジスターをLDD構造にすることにより、トランジスターの信頼性が向上する。高濃度不純物領域とチャネル領域との間に低濃度不純物領域が配置されるので、低濃度不純物領域が占める領域によりトランジスターの大きさが大きくなる。そこで、LDD構造でトランジスターの大きさを小さくすることができる電気光学装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる電気光学装置であって、画素に、第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有するメモリー回路を備え、前記第1トランジスターの第1半導体層は、第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域と、第2ゲート電極と重なる第2チャネル領域と、第1高濃度不純物領域と前記第1チャネル領域との間の第1低濃度不純物領域と、前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間の第2低濃度不純物領域と、を有し、前記第1低濃度不純物領域の長さは、前記第2低濃度不純物領域の長さよりも長いことを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置はメモリー回路を備えている。そして、メモリー回路は第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有する。第1導電型と第2導電型とは異なる導電型である。第1トランジスター及び第2トランジスターは、例えば、薄膜トランジスター(TFT)であり、一方がP型チャネル領域を有し他方はN型チャネル領域を有する。これらのトランジスターを組み合わせてメモリー回路を構成することができる。
第1トランジスターが備える半導体層を第1半導体層とする。第1トランジスターは第1ゲート電極及び第2ゲート電極を備えたダブルゲート型である。第1半導体層は、第1高濃度不純物(Source/Drain)領域、第1低濃度不純物領域、第1チャネル領域、第2低濃度不純物領域、第2チャネル領域を備えている。
第1チャネル領域は第1ゲート電極と重なっている。第2チャネル領域は第2ゲート電極と重なっている。第1高濃度不純物領域と第1チャネル領域との間に第1低濃度不純物領域が配置されている。そして、第1チャネル領域と第2チャネル領域との間には第2低濃度不純物領域が配置されている。従って、第1半導体層は、第1高濃度不純物領域、第1低濃度不純物領域、第1チャネル領域、第2低濃度不純物領域、第2チャネル領域がこの順に並んでいる。
第1低濃度不純物領域及び第2低濃度不純物領域は、第1高濃度不純物領域より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1トランジスターに高い電圧が繰り返して加わるとき、第1ゲート電極と外側第1高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1トランジスターでは第1ゲート電極と第1高濃度不純物領域との間に第1低濃度不純物領域が配置されている。この為、第1ゲート電極と第1高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第2低濃度不純物領域の長さは第1低濃度不純物領域の長さより短い。従って、第2低濃度不純物領域と第1低濃度不純物領域との長さが同じときに比べて、第1トランジスターの大きさを小さくすることができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる電気光学装置において、前記第2トランジスターの第2半導体層は、第3ゲート電極と重なる第3チャネル領域と、第4ゲート電極と重なる第4チャネル領域と、第2高濃度不純物領域と前記第3チャネル領域との間の第3低濃度不純物領域と、前記第3チャネル領域と前記第4チャネル領域との間の第4低濃度不純物領域と、を有し、前記第3低濃度不純物領域の長さは、前記第4低濃度不純物領域の長さと同じ長さであることを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置は第2トランジスターを備えている。第2トランジスターは第2導電型であり、N型と言われる。第2トランジスターが備える半導体層を第2半導体層とする。第2半導体層は第3ゲート電極及び第4ゲート電極を備えたダブルゲート型である。第2半導体層は、第2高濃度不純物(Source/Drain)領域、第3低濃度不純物領域、第3チャネル領域、第4低濃度不純物領域、第4チャネル領域を備えている。
第3チャネル領域は第3ゲート電極と重なっている。第4チャネル領域は第4ゲート電極と重なっている。第2高濃度不純物領域と第3チャネル領域との間に第3低濃度不純物領域が配置されている。そして、第3チャネル領域と第4チャネル領域との間には第4低濃度不純物領域が配置されている。従って、第2半導体層は、第2高濃度不純物領域、第3低濃度不純物領域、第3チャネル領域、第4低濃度不純物領域、第4チャネル領域がこの順に並んでいる。
第3低濃度不純物領域及び第4低濃度不純物領域は、第2高濃度不純物領域より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第2トランジスターに高い電圧が繰り返して加わるとき、第3ゲート電極と第2高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わる。しかし、第2トランジスターでは第3ゲート電極と第2高濃度不純物領域との間に第3低濃度不純物領域が配置されている。この為、第3ゲート電極と第2高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
第2トランジスターはN型である。このとき、第3低濃度不純物領域の長さと第4低濃度不純物領域の長さとが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第3低濃度不純物領域の長さと第4低濃度不純物領域の長さとが同じ長さである為、一方を長くするときに比べて、第2トランジスターの大きさを小さくすることができる。
[適用例3]
本適用例にかかる電気光学装置であって、画素に、第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有するメモリー回路を備え、前記第1トランジスターの第1半導体層は、第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域と、第2ゲート電極と重なる第2チャネル領域と、第1高濃度不純物領域と前記第1チャネル領域との間の第1低濃度不純物領域と、第2高濃度不純物領域と前記第2チャネル領域との間の第2低濃度不純物領域と、を有し、前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有していないことを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置はメモリー回路を備えている。そして、メモリー回路は第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有する。第1導電型と第2導電型とは異なる導電型である。第1トランジスター及び第2トランジスターは、例えば、薄膜トランジスター(TFT)であり、一方がP型チャネル領域を有し他方はN型チャネル領域を有する。これらのトランジスターを組み合わせてメモリー回路を構成することができる。
第1トランジスターが備える半導体層を第1半導体層とする。第1トランジスターは第1ゲート電極及び第2ゲート電極を備えたダブルゲート型である。第1半導体層は、第1高濃度不純物(Source/Drain)領域、第1低濃度不純物領域、第1チャネル領域、第2低濃度不純物領域、第2チャネル領域を備えている。
第1高濃度不純物領域は第1チャネル領域を挟んで配置されている。第1チャネル領域を挟む2つの第1高濃度不純物領域のうち第1チャネル領域及び第2チャネル領域の間に位置しない方の第1高濃度不純物領域を外側第1高濃度不純物領域とする。また、第2高濃度不純物領域は第2チャネル領域を挟んで配置されている。第2チャネル領域を挟む2つの第2高濃度不純物領域のうち第1チャネル領域及び第2チャネル領域の間に位置しない方の第2高濃度不純物領域を外側第2高濃度不純物領域とする。
第1低濃度不純物領域及び第2低濃度不純物領域は、第1高濃度不純物領域及び第2高濃度不純物領域より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1トランジスターに高い電圧が繰り返して加わるとき、第1ゲート電極と外側第1高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わり、第2ゲート電極と外側第2高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1トランジスターでは第1ゲート電極と外側第1高濃度不純物領域との間に第1低濃度不純物領域が配置されている。この為、第1ゲート電極と外側第1高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第2ゲート電極と第2高濃度不純物領域との間には第2低濃度不純物領域が配置されている。この為、第2ゲート電極と第2高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第1チャネル領域と第2チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第1チャネル領域と第2チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第1トランジスターの大きさを小さくすることができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる電気光学装置において、前記画素に、スイッチ回路を備え、前記スイッチ回路は、第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有し、前記第3トランジスターの第3半導体層は、第5ゲート電極と重なる第5チャネル領域と、第6ゲート電極と重なる第6チャネル領域と、第3高濃度不純物領域と前記第5チャネル領域との間の第5低濃度不純物領域と、前記第5チャネル領域と前記第6チャネル領域との間の第6低濃度不純物領域と、を有し、前記第5低濃度不純物領域の長さは、前記第6低濃度不純物領域の長さよりも長いことを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置はスイッチ回路を備えている。そして、スイッチ回路は第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有する。これらのトランジスターを組み合わせてスイッチ回路を構成することができる。
第3トランジスターが備える半導体層を第3半導体層とする。第3トランジスターは第5ゲート電極及び第6ゲート電極を備えたダブルゲート型である。第3半導体層は、第3高濃度不純物(Source/Drain)領域、第5低濃度不純物領域、第5チャネル領域、第6低濃度不純物領域、第6チャネル領域を備えている。
第5チャネル領域は第5ゲート電極と重なっている。第6チャネル領域は第6ゲート電極と重なっている。第3高濃度不純物領域と第5チャネル領域との間に第5低濃度不純物領域が配置されている。そして、第5チャネル領域と第6チャネル領域との間には第6低濃度不純物領域が配置されている。従って、第3半導体層は、第3高濃度不純物領域、第5低濃度不純物領域、第5チャネル領域、第6低濃度不純物領域がこの順に並んでいる。
第5低濃度不純物領域及び第6低濃度不純物領域は、第3高濃度不純物領域より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第3トランジスターに高い電圧が繰り返して加わるとき、第5ゲート電極と第3高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わる。しかし、第3トランジスターでは第5ゲート電極と第3高濃度不純物領域との間に第5低濃度不純物領域が配置されている。この為、第5ゲート電極と第3高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第6低濃度不純物領域の長さは第5低濃度不純物領域の長さより短い。従って、第6低濃度不純物領域と第5低濃度不純物領域との長さが同じときに比べて、第3トランジスターの大きさを小さくすることができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる電気光学装置において、前記画素に、スイッチ回路を備え、前記スイッチ回路は、第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有し、前記第3トランジスターの第3半導体層は、第5ゲート電極と重なる第5チャネル領域と、第6ゲート電極と重なる第6チャネル領域と、第3高濃度不純物領域と前記第5チャネル領域との間の第5低濃度不純物領域と、第4高濃度不純物領域と前記第6チャネル領域との間の第7低濃度不純物領域と、を有し、前記第5チャネル領域と前記第6チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有していないことを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置はスイッチ回路を備えている。そして、スイッチ回路は第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有する。これらのトランジスターを組み合わせてスイッチ回路を構成することができる。
第3トランジスターが備える半導体層を第3半導体層とする。第3半導体層は第5ゲート電極及び第6ゲート電極を備えたダブルゲート型である。第3半導体層は、第3高濃度不純物領域、第5低濃度不純物領域、第5チャネル領域、第4高濃度不純物領域、第7低濃度不純物領域、第6チャネル領域を備えている。
第3高濃度不純物領域は第5チャネル領域を挟んで配置されている。第5チャネル領域を挟む2つの第3高濃度不純物領域のうち第5チャネル領域及び第6チャネル領域の間に位置しない方の第3高濃度不純物領域を外側第3高濃度不純物領域とする。また、第4高濃度不純物領域は第6チャネル領域を挟んで配置されている。第6チャネル領域を挟む2つの第4高濃度不純物領域のうち第5チャネル領域及び第6チャネル領域の間に位置しない方の第4高濃度不純物領域を外側第4高濃度不純物領域とする。
第5低濃度不純物領域及び第7低濃度不純物領域は、第3高濃度不純物領域及び第4高濃度不純物領域より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第3トランジスターに高い電圧が繰り返して加わるとき、第5ゲート電極と外側第3高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わり、第6ゲート電極と外側第4高濃度不純物領域との間に電圧負荷が加わる。しかし、第3トランジスターでは第5ゲート電極と外側第3高濃度不純物領域との間に第5低濃度不純物領域が配置されている。この為、第5ゲート電極と外側第3高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第6ゲート電極と第4高濃度不純物領域との間には第7低濃度不純物領域が配置されている。この為、第6ゲート電極と第4高濃度不純物領域との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第5チャネル領域と第6チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第5チャネル領域と第6チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第3トランジスターの大きさを小さくすることができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる電気光学装置において、第1方向に延在する半導体層を有する画素スイッチング用トランジスターを備え、前記第1トランジスターの前記第1半導体層、前記第2トランジスターの第2半導体層、前記第3トランジスターの前記第3半導体層及び前記第4トランジスターの第4半導体層は、それぞれ前記第1方向に延在する部分を有することを特徴とする。
本適用例によれば、電気光学装置は、第1トランジスター及び第2トランジスターに加えて画素スイッチング用トランジスターを備えている。そして、各トランジスターは第1方向に延在して配置されている。例えば、電気光学装置に用いられるトランジスターの半導体層は、アモルファスシリコン膜を、エキシマレーザー等の熱処理を行って形成されたポリシリコン膜を含む。この熱処理の過程で結晶方向が一定の方向に揃う。このため、半導体層を同じ方向に揃えることによりトランジスター特性がばらつくことを抑制することができる。
[適用例7]
上記適用例にかかる電気光学装置において、前記第1低濃度不純物領域の長さは1μm以上2μm以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1低濃度不純物領域の長さは1μm以上2μm以下である。第1低濃度不純物領域の長さが1μm以上のとき、トランジスター長期信頼性を高くできる。第1低濃度不純物領域の長さが2μm以下のとき、トランジスターをON状態にしたときの電流が低下することを抑制できる。
[適用例8]
本適用例にかかる電子機器であって、上記のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は上記に記載の電気光学装置を備えている。上記に記載の電気光学装置は電圧負荷による劣化が抑制され、さらに、小さいトランジスターで構成されている。従って、電子機器は電圧負荷による劣化が抑制され、さらに、小さいトランジスターで構成された装置とすることができる。
第1の実施形態にかかわる電気泳動装置の構造を示す概略斜視図。 電気泳動装置の構造を示す模式平面図。 電気泳動装置の構造を示す部分概略分解斜視図。 電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 画素と隔壁との関係を説明するための要部模式平面図。 電気泳動装置の電気制御ブロック図。 電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 電気泳動装置の構造を示す模式側断面図。 画素回路の回路構成を示す回路図。 画素回路の配置を示すレイアウト図。 第1P型トランジスター及び第2P型トランジスターの要部模式側断面図。 第1N型トランジスター及び第2N型トランジスターの要部模式側断面図。 第3P型トランジスター及び第4P型トランジスターの要部模式側断面図。 第3N型トランジスター及び第4N型トランジスターの要部模式側断面図。 LDD長さに対するトランジスターの動作判定を示す図。 画素のサイズとトランジスターのサイズとの関係を示す図。 電気泳動装置の素子層の製造方法のフローチャート。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわる第1P型トランジスター及び第2P型トランジスターの要部模式側断面図。 第1N型トランジスター及び第2N型トランジスターの要部模式側断面図。 第3P型トランジスター及び第4P型トランジスターの要部模式側断面図。 第3N型トランジスター及び第4N型トランジスターの要部模式側断面図。 第3の実施形態にかかわる電子ブックの構造を示す概略斜視図。 腕時計の構造を示す概略斜視図。
本実施形態では、電気泳動装置と、この電気泳動装置を製造する特徴的な例について、図に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわる電気泳動装置について図1〜図16に従って説明する。図1は、電気泳動装置の構造を示す概略斜視図であり、図2は電気泳動装置の構造を示す模式平面図である。
図1に示すように、電気光学装置としての電気泳動装置1は第1基板2と第2基板3とが重なった構造になっている。第1基板2及び第2基板3の厚み方向をZ方向とし、第1基板2の側面に沿う方向をX方向及びY方向とする。+Z方向側に第2基板3が位置する。観察者が電気泳動装置1を見るときには+Z方向側から見ることとする。第2基板3の+Z方向側の面が画像を表示する画像表示面3aである。第1基板2は第2基板3より−Y方向に長い形状になっている。第1基板2の−Y方向側では+Z方向側の面にフレキシブル基板4が配置されている。フレキシブル基板4は図示しない駆動回路に電気的に接続され、フレキシブル基板4を介して電源と駆動信号が供給される。
図2に示すように、電気泳動装置1は第1基板2と第2基板3との間に隔壁5が配置されている。隔壁5は格子状の形状を有し画素領域6を区画する。隔壁5の寸法は特に限定されないが、本実施形態では、例えば、幅が3〜5μm、高さが20〜40μmになっている。
図中画素領域6は図を見易くするためにX方向に15個、Y方向に10個並べて配置されている。画素領域6の個数は特に限定されないが本実施形態では、例えば、X方向に320個、Y方向に250個並べて配置されている。画素領域6の大きさは特に限定されないが本実施形態では、例えば、X方向の長さが50〜100μm、Y方向の長さが50〜100μmになっている。電気泳動装置1の大きさも特に限定されないが本実施形態では、例えば、第1基板2はX方向の長さが30〜50mmであり、Y方向の長さが20〜40mmになっている。
第1基板2には各画素領域6に画素回路7が配置されている。画素回路7はスイッチング素子を含み、画素領域6に印加される電圧を切り替える。画素回路7は各画素領域6にあるので画素回路7の個数は画素領域6の個数と同じ個数になっている。そして、画像表示面3aに所定の画像を表示するときには1つの画素領域6が1つの画素8になる。第1基板2の+Z方向側の面には第2基板3とフレキシブル基板4との間に信号分配部9が配置されている。信号分配部9は画素回路7に出力する信号を供給する。
図3は電気泳動装置の構造を示す部分概略分解斜視図であり、電気泳動装置1の一部分をZ方向に分解した図である。図3に示すように、第1基板2は第1基材10を有する。第1基材10の材質には、ガラス、プラスチック、セラミック、シリコン等を用いることができる。第1基材10は+Z方向から見える画像表示面3aの反対側に配置されるため不透明な材質でもよい。本実施形態では、例えば、第1基材10の材質にガラスを用いている。
第1基材10上には素子層11が配置されている。素子層11には画素回路7及び画素回路7に電気信号を供給する配線等が配置されている。画素回路7は複数のTFT(Thin Film Transistor)素子等で構成されている。素子層11の上には有機樹脂膜12が配置され、有機樹脂膜12の上には窒化珪素膜13及び画素電極14がこの順に重ねて配置されている。有機樹脂膜12及び窒化珪素膜13により絶縁膜15が構成されている。
絶縁膜15は、有機樹脂膜12と有機樹脂膜12上に積層された窒化珪素膜13とを有している。そして、画素電極14は窒化珪素膜13と接するように形成されている。絶縁膜15は素子層11と画素電極14とを絶縁する層である。有機樹脂膜12は膜厚を厚くすることができるので素子層11の+Z方向側の面に凹凸があっても画素電極14側の面を平坦にすることができる。有機樹脂膜12は素子層11の凹凸を画素領域6に反映させないための平坦化層の機能を有する。そして、窒化珪素膜13は緻密な膜であり物質を通過させ難い機能を有している。従って、窒化珪素膜13上に液体を配置するときにも、窒化珪素膜13を通過して液体を劣化される成分が有機樹脂膜12から液体中に溶け出すことを抑制することができる。
素子層11には配線34や電極が配置され、配線34は画素電極14と電気的に接続されている。画素電極14は画素領域6毎に配置されている。第1基材10、素子層11、有機樹脂膜12、窒化珪素膜13及び画素電極14等により第1基板2が構成されている。
素子層11に形成されるトランジスターの半導体層は、半導体が形成できる材質であれば良く特に限定されず、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素、等を用いることができる。また、有機樹脂膜12の材質は絶縁性があり成形しやすい材質であれば良く特に限定されず、樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、有機樹脂膜12の材質にはポジ型の感光性アクリル樹脂を用いている。ポジ型にすることにより容易に画素電極14をドレイン電極33と電気的に接続するための貫通孔を形成することができる。
画素電極14の材質は通電性のある材質であれば良く特に限定されず、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀、ITO(インジウム錫酸化物)等の金属や合金の他、銅箔上にニッケル膜や金膜を積層した物、アルミニウム箔上にニッケル膜や金膜を積層した物を用いることができる。本実施形態では、例えば、画素電極14の材質はアルミ合金になっている。
窒化珪素膜13及び有機樹脂膜12上には隔壁5が配置され、隔壁5によって区画された画素領域6には電気泳動分散液16が充填されている。そして、隔壁5は画素8を区画するように設けられている。隔壁5の材質は適切な強度があり形成しやすく、電気泳動分散液16に溶出しない材質であれば良く特に限定されない。ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料に架橋剤を加えた材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、隔壁5の材料にはネガ型の感光性エポキシ樹脂を用いている。ネガ型にすることにより凸形状を容易に形成することができる。
窒化珪素膜13の材質は絶縁性があり有機樹脂膜12を電気泳動分散液16に溶出させない材質に換えても良く特に限定されない。窒化珪素膜13は有機樹脂膜12が電気泳動分散液16に溶出することを防止する。これにより、電気泳動分散液16が変質することを防止し、有機樹脂膜12が劣化することを防止する。
電気泳動分散液16には白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18が含まれ、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18が分散媒21に分散している。白色荷電粒子17の材料は、白色で帯電可能であり微細な粒子に形成可能であれば良く特に限定されない。白色荷電粒子17の材料は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子、高分子、コロイドを用いることができる。本実施形態では、例えば、白色荷電粒子17は二酸化チタンの粒子を正に帯電させて用いている。
黒色荷電粒子18の材料は、黒色で帯電可能であり微細な粒子に形成可能であれば良く特に限定されない。黒色荷電粒子18の材料は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、酸窒化チタン等の黒色顔料からなる粒子、高分子、コロイドを用いることができる。本実施形態では、例えば、黒色荷電粒子18は酸窒化チタンを負に帯電させて用いている。白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18にはこれらの粒子に必要に応じて電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の帯電制御剤を用いることができる。他にも、白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18にはチタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等が添加されてもよい。
分散媒21は流動性があって変質し難い材質であれば良く特に限定されない。分散媒21の材質には水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素を用いることができる。他にも分散媒21の材質にはベンゼン、トルエン、キシレン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素を用いることができる。長鎖アルキル基を有するベンゼン類にはヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等を用いることができる。他にも分散媒21としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。他にも、分散媒21の材質には油類やシリコーンオイルを用いることができる。これらの物質は単独または混合物として用いることができ、さらに、カルボン酸塩のような界面活性剤等を配合してもよい。
隔壁5及び電気泳動分散液16上には第2基板3が配置されている。第2基板3は第2基材22を有する。第2基材22上には共通電極23が配置され、共通電極23上には電気泳動分散液16を封止する透明な封止層24が配置されている。共通電極23は複数の画素領域6に渡って配置される共通電極である。従って、共通電極23は複数の画素電極14と対向する。第2基板3は、封止層24側が隔壁5と接するように配置される。さらに、封止層24は隔壁5と共通電極23とを絶縁する機能を備えている。
第2基材22の材質は光透過性、強度及び絶縁性があれば良く特に限定されない。第2基材22の材質にガラスや樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、例えば、第2基材22の材質にガラス板を用いている。
共通電極23は、透明導電膜であれば良く特に限定されない。例えば、共通電極23にはMgAg、IGO(Indium−gallium oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ICO(Indium−cerium oxide)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、共通電極23にITOを用いている。
封止層24の材質は隔壁5と接合が可能であり、光透過性があって絶縁性を有する材質であれば良く特に限定されない。例えば、封止層24の材質にはNBA(アクリルニトリリル・ブタジエンゴム)、イソブレン、ブタジエン、クロロプレン、スチレン・ブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等が用いることができる。他にも、封止層24の材質にはポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ゼラチン、フェノール樹脂、ビニル樹脂等が用いることができる。本実施形態では、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂やエポキシ樹脂を用いている。
さらに、封止層24には電気泳動分散液16を変質させない非極性の膜を配置するのがこのましい。この膜の材質にはPVA(ポリビニルアルコール)、ポリスチレン及びポリプロピレンを用いることができる。
図4は電気泳動装置の構造を示す模式側断面図である。図4に示すように、電気泳動装置1は画素電極14と共通電極23との間に電圧を印加して用いられる。そして、電気泳動装置1は画素電極14と共通電極23との間で電圧を切り替えて用いられる。
図示しない制御装置が画素電極14に対して共通電極23を低い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負に帯電しているので、黒色荷電粒子18は画素電極14に誘引される。白色荷電粒子17は正に帯電しているので、白色荷電粒子17は共通電極23に誘引される。その結果、第1基板2には黒色荷電粒子18が集合し、第2基板3には白色荷電粒子17が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して白色荷電粒子17を見ることができる。従って、画素領域6では白色の表示となる。
素子層11には画素回路7が配置されている。画素回路7は複数のトランジスター25を備えている。図中には複数のトランジスター25の中の1つが描かれている。トランジスター25は半導体層26を有し、半導体層26にはソース領域27、チャネル形成領域28、ドレイン領域29、ソース領域27、チャネル形成領域28、ドレイン領域29がこの順に並んで形成されている。半導体層26上にはゲート絶縁膜30が配置され、ゲート絶縁膜30上にはゲート電極31が配置されている。1つのトランジスター25に2つのゲート電極31が配置されているので、トランジスター25はダブルゲートトランジスターの形態になっている。
半導体層26の端側のソース領域27にはソース電極32が電気的に接続され、ソース電極32は配線34が電気的に接続されている。ドレイン領域29と電気的に接続してドレイン電極33が配置されている。図に示すように画素回路7中のトランジスター25の幾つかはドレイン電極33と電気的に接続して画素電極14が配置されている。したがって、トランジスター25は画素電極14と電気的に接続されている。ゲート電極31には図示しない配線が電気的に接続されている。
隔壁5の主な材質はエポキシ系樹脂であり、有機樹脂膜12の主な材質はアクリル樹脂である。そして、有機樹脂膜12と隔壁5との一部が接合している。有機樹脂膜12上に窒化珪素膜13が位置し、窒化珪素膜13上に隔壁5が位置する。画素電極14は、金属を含み、画素電極14は窒化珪素膜13と接するように形成されている。金属は通電性を有している。従って、画素電極14は電気泳動分散液16に電気的作用を及ぼすことができる。窒化珪素膜13には開口部13aが配置されている。開口部13aでは隔壁5と有機樹脂膜12が接合している。隔壁5と有機樹脂膜12は接合し易いので隔壁5は有機樹脂膜12と強固に接している。
図5は画素と隔壁との関係を説明するための要部模式平面図であり、第1基板2を画像表示面3a側から見た図である。図中隔壁5は想像線にて記載されている。図5に示すように、第1基板2は1つの画素8に対応して1つの画素電極14を備えている。そして、隔壁5は、1つの画素8に対して画素電極14を囲んで配置されている。第1基板2の厚み方向からみた平面視で画素電極14は四角形である。
図6は電気泳動装置の電気制御ブロック図である。図6に示すように、電気泳動装置1は制御装置36と電気的に接続して用いられる。制御装置36は入力部37を備え、入力部37は電気泳動装置1に表示する画像を示す画像信号を出力する装置に電気的に接続されている。そして、入力部37は画像信号を入力する。入力部37は制御部38と電気的に接続されている。そして、制御部38は記憶部41、第1波形形成部42、第2波形形成部43及び信号分配部9と電気的に接続されている。
制御部38は第1波形形成部42、第2波形形成部43及び信号分配部9を制御する部位である。記憶部41は画像信号の他、画像信号から電気泳動装置1に出力する信号を形成するときに用いる情報を記憶する。第1波形形成部42はフレキシブル基板4、信号分配部9を介して画素回路7と電気的に接続され、画素回路7に画素毎のデータ信号を出力する。画素回路7は画素電極14と電気的に接続され、データ信号に対応する電圧波形を画素電極14に出力する。第2波形形成部43はフレキシブル基板4を介して共通電極23と電気的に接続され、共通電極23に電圧波形を出力する。
信号分配部9は画素回路7に駆動信号を分配し画素電極14に出力する電圧波形を切り替える。さらに、信号分配部9は共通電極23に出力する電圧波形を分配する。
図7及び図8は電気泳動装置の構造を示す模式側断面図である。図7に示すように、画素電極14に対して共通電極23を低い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負の電圧に帯電しているので、黒色荷電粒子18は画素電極14に誘引される。白色荷電粒子17は正の電圧に帯電しているので、白色荷電粒子17は共通電極23に誘引される。その結果、第1基板2には黒色荷電粒子18が集合し、第2基板3には白色荷電粒子17が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して白色荷電粒子17を見ることができる。従って、画素領域6では白色の表示となる。
図8に示すように、画素電極14に対して共通電極23を高い電位にする。このとき黒色荷電粒子18は負に帯電しているので、黒色荷電粒子18は共通電極23に誘引される。白色荷電粒子17は正に帯電しているので、白色荷電粒子17は画素電極14に誘引される。その結果、第1基板2には白色荷電粒子17が集合し、第2基板3には黒色荷電粒子18が集合する。第2基板3側から電気泳動装置1を見るとき第2基板3を通して黒色荷電粒子18を見ることができる。従って、画素領域6では黒色の表示となる。
図9は画素回路の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、画素回路7は画素8内に配置され、画素スイッチング素子44、メモリー回路45、スイッチ回路としての第1スイッチ回路46、スイッチ回路としての第2スイッチ回路47、画素電極14及び共通電極23を備えている。図中左上側に画素スイッチング素子44が配置されている。図中左下側にメモリー回路45が配置されている。図中右側に第1スイッチ回路46、第2スイッチ回路47、画素電極14及び共通電極23が配置されている。尚、メモリー回路45はラッチ回路ともいわれる。第1スイッチ回路46及び第2スイッチ回路47は電位制御用スイッチ回路であり、トランスミッションゲートともいわれる。
画素スイッチング素子44は、電界効果型のN型トランジスターである。画素スイッチング素子44は図中左側にソース端子があり、右側にドレイン端子がある。画素スイッチング素子44のゲート端子には走査線48が電気的に接続され、ソース端子にはデータ線49が電気的に接続されている。そして、画素スイッチング素子44のドレイン端子にはメモリー回路45の入力端子45aが電気的に接続されている。
メモリー回路45は、転送インバーター50と帰還インバーター51とを有している。転送インバーター50と帰還インバーター51とによりSRAM(Static Random Access Memory)セルに相当する回路を構成している。
転送インバーター50の出力端子50bは帰還インバーター51の入力端子51aに電気的に接続されており、帰還インバーター51の出力端子51bは転送インバーター50の入力端子50aに電気的に接続されている。すなわち、転送インバーター50と帰還インバーター51とは、互いの入力端子に他方の出力端子を電気的に接続したループ構造になっている。また、転送インバーター50の入力端子50a及び帰還インバーター51の出力端子51bはメモリー回路45の入力端子45aになっており、転送インバーター50の出力端子50b及び帰還インバーター51の入力端子51aがメモリー回路45の出力端子45bになっている。メモリー回路45の高電位電源端子45cは高電位電源線52に電気的に接続され、低電位電源端子45dは低電位電源線53に電気的に接続されている。高電位電源線52と低電位電源線53とは各画素8の境に沿っており互いに交差して配置されている。
転送インバーター50は、第2導電型の第2トランジスターとしての第1N型トランジスター54と第1導電型の第1トランジスターとしての第1P型トランジスター55とを有している。第1N型トランジスター54は図中下側にソース端子があり、上側にドレイン端子がある。第1P型トランジスター55は図中上側にソース端子があり、下側にドレイン端子がある。
第1N型トランジスター54及び第1P型トランジスター55のゲート端子は、転送インバーター50の入力端子50aを介してメモリー回路45の入力端子45aに電気的に接続されている。第1N型トランジスター54のソース端子は低電位電源端子45dを介して低電位電源線53に電気的に接続されている。第1N型トランジスター54のドレイン端子は転送インバーター50の出力端子50b及びメモリー回路45の出力端子45bに電気的に接続されている。第1P型トランジスター55のソース端子は高電位電源端子45cを介して高電位電源線52に電気的に接続されている。第1P型トランジスター55のドレイン端子は転送インバーター50の出力端子50b及びメモリー回路45の出力端子45bに電気的に接続されている。
帰還インバーター51は、第2導電型の第2トランジスターとしての第2N型トランジスター56と第1導電型の第1トランジスターとしての第2P型トランジスター57とを有している。第2N型トランジスター56は図中下側にソース端子があり、上側にドレイン端子がある。第2P型トランジスター57は図中上側にソース端子があり、下側にドレイン端子がある。
第2N型トランジスター56及び第2P型トランジスター57のゲート端子は、帰還インバーター51の入力端子51a、転送インバーター50の出力端子50b及びメモリー回路45の出力端子45bに電気的に接続されている。第2N型トランジスター56のソース端子は低電位電源端子45dを介して低電位電源線53に電気的に接続されている。第2N型トランジスター56のドレイン端子は入力端子45a、帰還インバーター51の出力端子51b及び転送インバーター50の入力端子50aに電気的に接続されている。第2P型トランジスター57のソース端子は高電位電源端子45cを介して高電位電源線52に電気的に接続されている。第2P型トランジスター57のドレイン端子は入力端子45a、帰還インバーター51の出力端子51b及び転送インバーター50の入力端子50aに電気的に接続されている。
第1スイッチ回路46は、電界効果型の第1導電型の第3トランジスターとしての第3P型トランジスター58と電界効果型の第2導電型の第4トランジスターとしての第3N型トランジスター61とを備えている。第3P型トランジスター58のソース端子と第3N型トランジスター61のソース端子とが第1制御線62に電気的に接続されている。第3P型トランジスター58のドレイン端子と第3N型トランジスター61のドレイン端子とが画素電極14に電気的に接続されている。第3P型トランジスター58のゲート端子はメモリー回路45の入力端子45aに電気的に接続され、第3N型トランジスター61のゲート端子はメモリー回路45の出力端子45bに電気的に接続されている。
第2スイッチ回路47は、電界効果型の第1導電型の第3トランジスターとしての第4P型トランジスター63と電界効果型の第2導電型の第4トランジスターとしての第4N型トランジスター64とを備えている。第4P型トランジスター63のソース端子と第4N型トランジスター64のソース端子とが第2制御線65に電気的に接続されている。第4P型トランジスター63のドレイン端子と第4N型トランジスター64のドレイン端子とが画素電極14に電気的に接続されている。第3P型トランジスター58、第3N型トランジスター61、第4P型トランジスター63及び第4N型トランジスター64は画素8に出力する電圧を切り替える画素スイッチング用トランジスターとなっている。
また、第4P型トランジスター63のゲート端子は、第1スイッチ回路46の第3N型トランジスター61のゲート端子とともに、メモリー回路45の出力端子45bに電気的に接続されている。第4N型トランジスター64のゲート端子は、第1スイッチ回路46の第3P型トランジスター58のゲート端子とともに、メモリー回路45の入力端子45aに接続されている。また、第1制御線62と第2制御線65とは各画素8の境に沿っており互いに交差して配置されている。
次に、画素回路7の動作を説明する。データ線49から画素スイッチング素子44を介してメモリー回路45の入力端子45aにローレベルの画像データが入力される。すると、メモリー回路45の出力端子45bからハイレベルの画像データが出力される。そして、第1スイッチ回路46を構成する第3P型トランジスター58及び第3N型トランジスター61のみがオンになる。これにより、画素電極14は第1制御線62と電気的に接続される。
次に、データ線49から画素スイッチング素子44を介してメモリー回路45の入力端子45aにハイレベルの画像データが入力される。すると、メモリー回路45の出力端子45bからローレベルの画像データが出力される。そして、第2スイッチ回路47を構成する第4P型トランジスター63及び第4N型トランジスター64のみがオンになる。これにより、画素電極14は第2制御線65に電気的に接続される。
画素スイッチング素子44がオフのとき、メモリー回路45は出力端子45bのレベルを維持する。従って、画素電極14が第1制御線62に電気的に接続されているときはその状態を維持する。画素電極14が第2制御線65に電気的に接続されているときはその状態を維持する。
図10は画素回路の配置を示すレイアウト図である。図10において、図中左上側に画素スイッチング素子44が配置されている。図中右上側に第1スイッチ回路46及び第2スイッチ回路47が配置されている。図中下側にメモリー回路45が配置されている。
画素スイッチング素子44は半導体層26を備えている。半導体層26が延在するX方向を第1方向66とする。画素スイッチング素子44は半導体層26のX方向側にソース電極32が配置され、半導体層26の−X方向側にドレイン電極33が配置されている。ソース電極32とドレイン電極33との間にはゲート電極31が2つ配置されている。
メモリー回路45の第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57には半導体層26である第1半導体層67が配置されている。メモリー回路45の第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56には半導体層26である第2半導体層68が配置されている。第1スイッチ回路46の第3P型トランジスター58及び第2スイッチ回路47の第4P型トランジスター63には半導体層26である第3半導体層69が配置されている。第1スイッチ回路46の第3N型トランジスター61及び第2スイッチ回路47の第4N型トランジスター64には半導体層26である第4半導体層70が配置されている。
第1半導体層67、第2半導体層68、第3半導体層69及び第4半導体層70はそれぞれ第1方向66に延在する部分を2つ有している。そして、各半導体層26は第1方向66に延在する部分と対向する場所にゲート電極が配置されている。各半導体層26は2つの第1方向66に延在する部分が−X方向側または+X方向側で電気的に接続している。そして、各半導体層26の両端に電極が電気的に接続されている。
各トランジスター25は第1方向66に延在して配置されている。トランジスター25の半導体層26は、アモルファスシリコン膜を、エキシマレーザー等の熱処理を行って形成されたポリシリコン膜を含む。この熱処理の過程で結晶方向が一定の方向に揃う。このため、半導体層26を同じ方向に揃えることによりトランジスター特性がばらつくことを抑制することができる。
図11は第1P型トランジスター及び第2P型トランジスターの要部模式側断面図である。第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57はメモリー回路45に設置されたトランジスター25である。図11に示すように、第1基材10上にはシリコン酸化膜の下地保護膜71が配置されている。下地保護膜71上には半導体層26である第1半導体層67が配置されている。第1半導体層67の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30はシリコン酸化膜または窒化膜である。
ゲート絶縁膜30上には2つのゲート電極31が配置されている。ゲート電極31の一方を第1ゲート電極31aとし、他方を第2ゲート電極31bとする。第1ゲート電極31aと第2ゲート電極31bとは配線により電気的に接続されているので同電位になっている。第1半導体層67はZ方向から見て、第1ゲート電極31aと重なる第1チャネル領域28aと、第2ゲート電極31bと重なる第2チャネル領域28bとを有している。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。層間絶縁膜72は窒化シリコンの膜である。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。ソース電極32は高電位電源端子45cと電気的に接続する。第1P型トランジスター55ではドレイン電極33は出力端子45bと電気的に接続する。第2P型トランジスター57ではドレイン電極33は入力端子45aと電気的に接続する。
第1半導体層67はZ方向から見てソース電極32と重なる第1高濃度不純物領域としての第1高濃度P型領域73とドレイン電極33と重なる第2高濃度不純物領域としての第2高濃度P型領域74を有している。さらに、第1半導体層67は第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に第3高濃度P型領域75を有している。
さらに、第1半導体層67は第1高濃度P型領域73と第1チャネル領域28aとの間に第1低濃度不純物領域としての第1低濃度P型領域76を有している。第1高濃度P型領域73及び第1低濃度P型領域76によりソース領域27が構成されている。さらに、第1半導体層67は第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に第2低濃度不純物領域としての第2低濃度P型領域77を有している。そして、第1低濃度P型領域76の長さを示す第1長さ78は、第2低濃度P型領域77の長さを示す第2長さ81よりも長くなっている。
第1半導体層67は、第1高濃度P型領域73、第1低濃度P型領域76、第1チャネル領域28a、第2低濃度P型領域77がこの順に並んでいる。第1低濃度P型領域76及び第2低濃度P型領域77は、第1高濃度P型領域73より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1P型トランジスター55に高い電圧が繰り返して加わるとき、第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57では第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間に第1低濃度P型領域76が配置されている。この為、第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第2長さ81は第1長さ78の長さより短い。従って、第2長さ81と第1長さ78とが同じときに比べて、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57の大きさを小さくすることができる。
さらに、第1半導体層67は第2高濃度P型領域74と第2チャネル領域28bとの間に第3低濃度P型領域82を有している。第2高濃度P型領域74及び第3低濃度P型領域82によりドレイン領域29が構成されている。さらに、第1半導体層67は第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に第4低濃度P型領域83を有している。そして、第3低濃度P型領域82の長さを示す第3長さ84は、第4低濃度P型領域83の長さを示す第4長さ85よりも長くなっている。
これにより、第2ゲート電極31bと第2高濃度P型領域74との間では電圧負荷による劣化が抑制される。そして、第4長さ85は第3長さ84より短い。従って、第4長さ85と第3長さ84とが同じときに比べて、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57の大きさを小さくすることができる。
図12は第1N型トランジスター及び第2N型トランジスターの要部模式側断面図である。第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56はメモリー回路45に配置されたトランジスター25である。図12に示すように、第1基材10上にはシリコン酸化膜の下地保護膜71が配置されている。下地保護膜71上には半導体層26である第2半導体層68が配置されている。第2半導体層68の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。
ゲート絶縁膜30上には2つのゲート電極31が配置されている。ゲート電極31の一方を第3ゲート電極31cとし、他方を第4ゲート電極31dとする。第3ゲート電極31cと第4ゲート電極31dとは配線により電気的に接続されているので同電位になっている。第2半導体層68はZ方向から見て、第3ゲート電極31cと重なる第3チャネル領域28cと、第4ゲート電極31dと重なる第4チャネル領域28dとを有している。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第2半導体層68はZ方向から見てソース電極32と重なる第2高濃度不純物領域としての第1高濃度N型領域86とドレイン電極33と重なる第2高濃度N型領域87を有している。さらに、第2半導体層68は第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に第3高濃度N型領域88を有している。
さらに、第2半導体層68は第1高濃度N型領域86と第3チャネル領域28cとの間に第3低濃度不純物領域としての第1低濃度N型領域89を有している。第1高濃度N型領域86及び第1低濃度N型領域89によりソース領域27が構成されている。さらに、第2半導体層68は第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に第4低濃度不純物領域としての第2低濃度N型領域90を有している。そして、第1低濃度N型領域89の長さを示す第5長さ91は、第2低濃度N型領域90の長さを示す第6長さ92と同じ長さになっている。
第2半導体層68は、第1高濃度N型領域86、第1低濃度N型領域89、第3チャネル領域28c、第2低濃度N型領域90がこの順に並んでいる。第1低濃度N型領域89及び第2低濃度N型領域90は、第1高濃度N型領域86より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56に高い電圧が繰り返して加わるとき、第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56では第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間に第1低濃度N型領域89が配置されている。この為、第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56はN型である。このとき、第5長さ91と第6長さ92とが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第5長さ91と第6長さ92とが等しい為、一方を長くするときに比べて、第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56の大きさを小さくすることができる。
さらに、第2半導体層68は第2高濃度N型領域87と第4チャネル領域28dとの間に第3低濃度N型領域93を有している。第2高濃度N型領域87及び第3低濃度N型領域93によりドレイン領域29が構成されている。さらに、第2半導体層68は第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に第4低濃度N型領域94を有している。そして、第3低濃度N型領域93の長さを示す第7長さ95は、第4低濃度N型領域94の長さを示す第8長さ96と同じ長さになっている。
第7長さ95と第8長さ96とが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第7長さ95と第8長さ96とが等しい為、一方を長くするときに比べて、第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56の大きさを小さくすることができる。
図13は第3P型トランジスター及び第4P型トランジスターの要部模式側断面図である。第3P型トランジスター58は第1スイッチ回路46に配置されたトランジスター25である。第4P型トランジスター63は第2スイッチ回路47に配置されたトランジスター25である。図13に示すように、第1基材10上にはシリコン酸化膜の下地保護膜71が配置されている。下地保護膜71上には半導体層26である第3半導体層69が配置されている。第3半導体層69の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30はシリコン酸化膜または窒化膜である。
ゲート絶縁膜30上には2つのゲート電極31が配置されている。ゲート電極31の一方を第5ゲート電極31eとし、他方を第6ゲート電極31fとする。第5ゲート電極31eと第6ゲート電極31fとは配線により電気的に接続されているので同電位になっている。第3半導体層69はZ方向から見て、第5ゲート電極31eと重なる第5チャネル領域28eと、第6ゲート電極31fと重なる第6チャネル領域28fとを有している。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。第3P型トランジスター58のソース電極32は第1制御線62と電気的に接続する。第3P型トランジスター58のドレイン電極33は画素電極14と電気的に接続する。第4P型トランジスター63ではソース電極32は第2制御線65と電気的に接続する。第4P型トランジスター63ではドレイン電極33は画素電極14と電気的に接続する。
第3半導体層69はZ方向から見てソース電極32と重なる第3高濃度不純物領域としての第4高濃度P型領域97とドレイン電極33と重なる第4高濃度不純物領域としての第5高濃度P型領域98を有している。さらに、第3半導体層69は第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に第6高濃度P型領域101を有している。
さらに、第3半導体層69は第4高濃度P型領域97と第5チャネル領域28eとの間に第5低濃度不純物領域としての第5低濃度P型領域102を有している。第4高濃度P型領域97及び第5低濃度P型領域102によりソース領域27が構成されている。さらに、第3半導体層69は第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に第6低濃度不純物領域としての第6低濃度P型領域103を有している。そして、第5低濃度P型領域102の長さを示す第9長さ104は、第6低濃度P型領域103の長さを示す第10長さ105よりも長くなっている。
第3半導体層69は、第4高濃度P型領域97、第5低濃度P型領域102、第5チャネル領域28e、第6低濃度P型領域103がこの順に並んでいる。第5低濃度P型領域102及び第6低濃度P型領域103は、第4高濃度P型領域97より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第3P型トランジスター58及び第4P型トランジスター63に高い電圧が繰り返して加わるとき、第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間に電圧負荷が加わる。しかし、第3P型トランジスター58及び第4P型トランジスター63では第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間に第5低濃度P型領域102が配置されている。この為、第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第10長さ105は第9長さ104より短い。従って、第10長さ105と第9長さ104とが同じときに比べて、第3P型トランジスター58及び第4P型トランジスター63の大きさを小さくすることができる。
さらに、第3半導体層69は第5高濃度P型領域98と第6チャネル領域28fとの間に第7低濃度P型領域106を有している。第5高濃度P型領域98及び第7低濃度P型領域106によりドレイン領域29が構成されている。さらに、第3半導体層69は第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に第8低濃度P型領域107を有している。そして、第7低濃度P型領域106の長さを示す第11長さ108は、第8低濃度P型領域107の長さを示す第12長さ109よりも長くなっている。
これにより、第6ゲート電極31fと第5高濃度P型領域98との間では電圧負荷による劣化が抑制される。そして、第12長さ109は第11長さ108より短い。従って、第12長さ109と第11長さ108とが同じときに比べて、第3P型トランジスター58及び第4P型トランジスター63の大きさを小さくすることができる。
図14は第3N型トランジスター及び第4N型トランジスターの要部模式側断面図である。第3N型トランジスター61は第1スイッチ回路46に配置されたトランジスター25である。第4N型トランジスター64は第2スイッチ回路47に配置されたトランジスター25である。図14に示すように、第1基材10上にはシリコン酸化膜の下地保護膜71が配置されている。下地保護膜71上には半導体層26である第4半導体層70が配置されている。第4半導体層70の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。
ゲート絶縁膜30上には2つのゲート電極31が配置されている。ゲート電極31の一方を第7ゲート電極31gとし、他方を第8ゲート電極31hとする。第7ゲート電極31gと第8ゲート電極31hとは配線により電気的に接続されているので同電位になっている。第4半導体層70はZ方向から見て、第7ゲート電極31gと重なる第7チャネル領域28gと、第8ゲート電極31hと重なる第8チャネル領域28hとを有している。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第4半導体層70はZ方向から見てソース電極32と重なる第4高濃度N型領域110とドレイン電極33と重なる第5高濃度N型領域111を有している。さらに、第4半導体層70は第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に第6高濃度N型領域112を有している。
さらに、第4半導体層70は第4高濃度N型領域110と第7チャネル領域28gとの間に第5低濃度N型領域113を有している。第4高濃度N型領域110及び第5低濃度N型領域113によりソース領域27が構成されている。さらに、第4半導体層70は第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に第6低濃度N型領域114を有している。そして、第5低濃度N型領域113の長さを示す第13長さ115は、第6低濃度N型領域114の長さを示す第14長さ116と等しくなっている。
第4半導体層70は、第4高濃度N型領域110、第5低濃度N型領域113、第7チャネル領域28g、第6低濃度N型領域114がこの順に並んでいる。第5低濃度N型領域113及び第6低濃度N型領域114は、第4高濃度N型領域110より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第3N型トランジスター61及び第4N型トランジスター64に高い電圧が繰り返して加わるとき、第7ゲート電極31gと第4高濃度N型領域110との間に電圧負荷が加わる。しかし、第3N型トランジスター61及び第4N型トランジスター64では第7ゲート電極31gと第4高濃度N型領域110との間に第5低濃度N型領域113が配置されている。この為、第7ゲート電極31gと第4高濃度N型領域110との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
第3N型トランジスター61及び第4N型トランジスター64はN型である。このとき、第13長さ115と第14長さ116とが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第13長さ115と第14長さ116とが等しい為、一方を長くするときに比べて、第3N型トランジスター61及び第4N型トランジスター64の大きさを小さくすることができる。
さらに、第4半導体層70は第5高濃度N型領域111と第8チャネル領域28hとの間に第7低濃度N型領域117を有している。第5高濃度N型領域111及び第7低濃度N型領域117によりドレイン領域29が構成されている。さらに、第4半導体層70は第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に第8低濃度N型領域118を有している。そして、第7低濃度N型領域117の長さを示す第15長さ121は、第8低濃度N型領域118の長さを示す第16長さ122と等しくなっている。
第15長さ121と第16長さ122とが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第15長さ121と第16長さ122とが等しい為、一方を長くするときに比べて、第3N型トランジスター61及び第4N型トランジスター64の大きさを小さくすることができる。
図15はLDD長さに対するトランジスターの動作判定を示す図である。図15に示す表における“LDD長さ”の列は第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57における第1長さ78もしくは第3長さ84を示す。または、第3P型トランジスター58及び第4P型トランジスター63における第9長さ104もしくは第11長さ108を示す。つまり、“LDD長さ”の列は低濃度P型領域の長さを示す。
“ON電流”の列はトランジスターをON状態にしたときの電流が低下する状況を判定した結果を示す。低濃度P型領域が配置されていないときに比べて、電流が1/10未満に低下するときを“×”とする。低濃度P型領域が配置されていないときに比べて、電流が1/10以上のときには“○”とする。電流が1/10未満に低下するときにはトランジスターの性能が低いので利用するのが難しい。そして、“LDD長さ”が2μm以下のとき“○”になっている。この結果から、低濃度P型領域の長さは2μm以下にするのが好ましい。
“OFF電流”の列はトランジスターをOFF状態にしたときの電流が上昇する状況を判定した結果を示す。ゲート電圧を変化させたときにトランジスターに流れる電流が最も低下するときの電流値を基準電流値とする。そして、トランジスターをOFFにする電圧の範囲に設定された所定の判定電圧をゲート電極に印加したときに流れる電流値と基準電流値との比をOFF電流比とする。例えば、ゲート電圧が0Vにおける電流値を基準電流値とし、ゲート電圧が3Vにおける電流値を基準電流値で除算した値をOFF電流比とする。
OFF電流比が10倍以上になるときを“×”とする。OFF電流比が10倍未満のときには“○”とする。OFF電流比が10倍以上に上昇するときにはトランジスターの性能が低いので利用するのが難しい。そして、“LDD長さ”が0.5μm以上のとき“○”になっている。この結果から、低濃度P型領域の長さは0.5μm以上にするのが好ましい。
“信頼性”の列は信頼性テストの判定結果を示す。トランジスターが配置された基板を約200℃の雰囲気に約10分間約20ボルトの電圧を印加する。その後でトランジスターをON状態にしたときの電流が低下する状況を判定した結果が“信頼性”の列に示されている。低濃度P型領域が配置されていないときに比べて、トランジスターをON状態にしたときの電流が1/10未満に低下するときを“×”とする。低濃度P型領域が設置されていないときに比べて、電流が1/10以上のときには“○”とする。電流が1/10未満に低下するときにはトランジスターの性能が低いので利用するのが難しい。そして、“LDD長さ”が1μm以上のとき“○”になっている。この結果から、低濃度P型領域の長さは1μm以上にするのが好ましい。以上の結果から第1低濃度P型領域76を含む低濃度P型領域の長さは1μm以上2μm以下が好ましい。第1低濃度P型領域76の長さが1μm以上のとき、トランジスターの長期信頼性を高くできる。第1低濃度P型領域76の長さが2μm以下のとき、トランジスターをON状態にしたときの電流が低下することを抑制できる。
図16は画素のサイズとトランジスターのサイズとの関係を示す図である。図16に示す表において、呼称の“dpi”はdots per inchの略であり、解像度を示す単位である。“dpi”は1インチの幅の中にどれだけの画素8を配置できるかを表す。1インチの幅の中の画素数が多くなると画素辺長さが短くなる。画素辺長さは画素を正方形としたときの辺の長さを示す。そして、画素辺長さが短くなると1つのトランジスターの長さを短くする必要がある。例えば、呼称400dpiのときにはトランジスターの長さを7μmにする必要がある。
ダブルゲートトランジスターでは1つのトランジスターにチャネル領域を2カ所、高濃度不純物領域を3カ所、低濃度不純物領域を2カ所〜4カ所配置する必要がある。従って、トランジスターの長さを7μm以下にするときには、低濃度P型領域の長さを短くする必要が生じる。さらに、呼称500dpi及び呼称600dpiのときには、さらに、トランジスターの長さを短くする必要がある。このとき、低濃度P型領域の長さを短くすることにより、トランジスターの長さを短くできるので、電気泳動装置1の解像度を高くすることができる。
次に上述した電気泳動装置1の製造方法について図17〜図30にて説明する。電気泳動装置1には複数のトランジスターが配置されている。その中で第1N型トランジスター54及び第1P型トランジスター55の製造方法について説明する。他のトランジスターも製造方法は同じ方法または類似の方法で製造可能であり説明を省略する。
図17は、電気泳動装置の素子層の製造方法のフローチャートであり、図18〜図30は電気泳動装置の素子層の製造方法を説明するための模式図である。電気泳動装置の製造方法のうち素子層11以外を製造する工程の製造方法は公知であり説明を省略する。図17のフローチャートにおいて、ステップS1は第1絶縁膜設置工程に相当する。この工程は、第1基材10上に下地保護膜71を設置する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は半導体層設置工程である。この工程は、下地保護膜71上に半導体層26を設置する工程である。次にステップS3に移行する。
ステップS3は第2絶縁膜設置工程である。この工程は、半導体層26上にゲート絶縁膜30を設置する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4はゲート電極設置工程である。この工程は、ゲート絶縁膜30上にゲート電極31を設置する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5はドープ工程である。この工程は、半導体層26に不純物イオンを設置する工程である。次にステップS6に移行する。
ステップS6は第3絶縁膜設置工程である。この工程は、ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上に層間絶縁膜72を設置する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は電極設置工程である。この工程は、ソース電極32及びドレイン電極33を設置する工程である。以上の工程により電気泳動装置1の素子層11を製造する工程を終了する。
次に、図18〜図30を用いて、図17に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図18及び図19はステップS1の第1絶縁膜設置工程に対応する図である。図18に示すように、操作者は第1基材10を用意する。第1基材10にはガラス板を所定の厚みに研削及び研磨して表面粗さを小さくした板を用いる。
図19に示すように、次に、操作者は第1基材10上に下地保護膜71を設置する。第1基材10に対してTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガス等を原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約2000〜5000オングストロームのシリコン酸化膜からなる下地保護膜71を形成する。
図20はステップS2の半導体層設置工程に対応する図である。図20に示すように、ステップS2において、半導体層26を設置する。第1基材10の温度を350℃に加熱して、下地保護膜71の表面にプラズマCVD法により厚さが約300〜700オングストロームのアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜を形成する。次にアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜に対して、レーザーアニールまたは固相成長法等の結晶化工程を行い、半導体膜をポリシリコン膜にまで結晶化する。レーザーアニール法では、たとえば、エキシマレーザーのビーム長が400mmのラインビームを用いる。エキシマレーザーの出力強度は特に限定されないが、本実施形態では例えば、200mJ/cm2である。ラインビームについてはその幅方向におけるレーザー強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査していく。次に、操作者はフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてポリシリコン膜をパターニングして島状の半導体層26を形成する。
図21はステップS3の第2絶縁膜設置工程に対応する図である。図21に示すように、ステップS3において、ゲート絶縁膜30を設置する。下地保護膜71及び半導体層26の表面に対して、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガス等を原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約600〜1500オングストロームのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜30を形成する。他にもゲート絶縁膜30をシリコン窒化膜で形成しても良い。
図22はステップS4のゲート電極設置工程に対応する図である。図22に示すように、ステップS4において、ゲート絶縁膜30上にゲート電極31を設置する。スパッタ法を用いて、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン等を含む金属膜からなる導電膜を形成する。次に、操作者はフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて導電膜をパターニングし、ゲート電極31を形成する。第1P型トランジスター55を設置する場所ではゲート電極31の一方が第1ゲート電極31aになり他方が第2ゲート電極31bになる。第1N型トランジスター54を設置する場所ではゲート電極31の一方が第3ゲート電極31cになり他方が第4ゲート電極31dになる。
図23〜図26はステップS5のドープ工程に対応する図である。ステップS5において、まず、P型トランジスターに不純物を導入する。そのために、第1N型トランジスター54を設置する場所の半導体層26をレジストマスクで覆う。詳しくは、ゲート絶縁膜30上にレジスト膜を設置してフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてレジストマスクを形成する。
図23に示すように、次に、約1013cm-2のドーズ量でボロンイオンを打ち込む。ゲート電極31がマスクになるので、半導体層26にはゲート電極31に対して自己整合的に不純物濃度が約1018cm-3の低濃度P型領域123が形成される。低濃度P型領域123の一部が第1低濃度P型領域76、第2低濃度P型領域77、第3低濃度P型領域82及び第4低濃度P型領域83になる。そして、不純物が導入されなかった部分が第1チャネル領域28a及び第2チャネル領域28bのチャネル形成領域28となる。続いて、レジストマスクを除去する。
次に、N型トランジスターに不純物を導入する。そのために、第1P型トランジスター55を設置する場所の半導体層26をレジストマスクで覆う。詳しくは、ゲート絶縁膜30上にレジスト膜を設置してフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてレジストマスクを形成する。
図24に示すように、次に、約1013cm-2のドーズ量でリンイオンを打ち込む。ゲート電極31がマスクになるので、半導体層26にはゲート電極31に対して自己整合的に不純物濃度が約1018cm-3の低濃度N型領域124が形成される。尚、不純物が導入されなかった部分が第3チャネル領域28c及び第4チャネル領域28dのチャネル形成領域28となる。次に、レジストマスクを除去する。
図25に示すように、第1P型トランジスター55の第1低濃度P型領域76、第2低濃度P型領域77、第3低濃度P型領域82及び第4低濃度P型領域83を設置する場所を覆ってレジストマスク125を設置する。さらに、第1N型トランジスター54を設置する場所の半導体層26をレジストマスク125で覆う。詳しくは、ゲート絶縁膜30上にレジスト膜を設置してフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてレジストマスク125を形成する。
次に、低濃度P型領域123に約1015cm-2のドーズ量でボロンイオンを打ち込で、不純物濃度が約1020cm-3の第1高濃度P型領域73、第2高濃度P型領域74及び第3高濃度P型領域75を形成する。低濃度P型領域123のうちレジストマスク125で覆われていた部分は、第1低濃度P型領域76、第2低濃度P型領域77、第3低濃度P型領域82及び第4低濃度P型領域83になる。以上の工程により第1半導体層67が完成する。
図26に示すように、第1N型トランジスター54の第1低濃度N型領域89、第2低濃度N型領域90、第3低濃度N型領域93及び第4低濃度N型領域94を設置する場所を覆ってレジストマスク125を設置する。さらに、第1P型トランジスター55を設置した場所をレジストマスク125で覆う。このために、ゲート絶縁膜30上にレジスト膜を設置してフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてレジストマスク125を形成する。
次に、低濃度N型領域124に約1015cm-2のドーズ量でリンイオンを打ち込んで、不純物濃度が約1020cm-3の第1高濃度N型領域86、第2高濃度N型領域87及び第3高濃度N型領域88を形成する。低濃度N型領域124のうち、レジストマスク125で覆われていた部分は、第1低濃度N型領域89、第2低濃度N型領域90、第3低濃度N型領域93及び第4低濃度N型領域94になる。以上の工程により第2半導体層68が完成する。
図27及び図28はステップS6の第3絶縁膜設置工程に対応する図である。図27及び図28に示すように、ステップS6において、ゲート絶縁膜30及びゲート電極31に重ねて層間絶縁膜72を設置する。層間絶縁膜72の設置方法には各種のコート法や印刷法を用いることができる。具体的には例えば、スピンコート、ディップコート、ロールコート、バーコート等のコート法を用いることができる。他にも、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷法を用いても良い。層間絶縁膜72の材料を塗布して乾燥させる。その後、活性化のためのアニールを行う。
図29及び図30はステップS7の電極設置工程に対応する図である。図29及び図30に示すように、ステップS7において、ソース電極32及びドレイン電極33を設置する。層間絶縁膜72は感光性の樹脂材料で形成されている。まず、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて貫通穴を形成する。次に、ソース電極32及びドレイン電極33を設置する。スパッタリング法等の成膜法を用いて膜厚500nm程度の金属膜を形成する。さらに、操作者はフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって金属膜をエッチングしてソース電極32及びドレイン電極33を形成する。以上の工程により電気泳動装置1の素子層11が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、電気泳動装置1はメモリー回路45を備えている。そして、メモリー回路45はP型の第1P型トランジスター55、第2P型トランジスター57及びN型の第1N型トランジスター54、第2N型トランジスター56を有する。P型とN型とは異なる導電型である。第1P型トランジスター55、第2P型トランジスター57、N型の第1N型トランジスター54、第2N型トランジスター56は、薄膜トランジスター(TFT)である。P型のトランジスターがP型チャネル領域を有しN型のトランジスターはN型チャネル領域を有する。これらのトランジスターを組み合わせてメモリー回路45が構成されている。
第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57は第1半導体層67を備える。第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57は第1ゲート電極31a及び第2ゲート電極31bを備えたダブルゲート型である。第1半導体層67は、第1高濃度P型領域73、第1低濃度P型領域76、第1チャネル領域28a、第2低濃度P型領域77を備えている。
第1チャネル領域28aはZ方向から見て第1ゲート電極31aと重なっている。第2チャネル領域28bは第2ゲート電極31bと重なっている。第1高濃度P型領域73と第1ゲート電極31aとの間に第1低濃度P型領域76が配置されている。そして、第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間には第2低濃度P型領域77が配置されている。従って、第1半導体層67は、第1高濃度P型領域73、第1低濃度P型領域76、第1チャネル領域28a、第2低濃度P型領域77がこの順に並んでいる。
第1低濃度P型領域76及び第2低濃度P型領域77は、第1高濃度P型領域73より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57に高い電圧が繰り返して加わるとき、第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57では第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間に第1低濃度P型領域76が配置されている。この為、第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第2低濃度P型領域77の長さである第2長さ81は第1低濃度P型領域76の長さである第1長さ78より短い。従って、第2長さ81と第1長さ78が同じときに比べて、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57の大きさを小さくすることができる。
(2)本実施形態によれば、電気泳動装置1は第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56を備えている。第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56はN型である。第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56は第2半導体層68を備える。第1N型トランジスター54及び第2N型トランジスター56は第3ゲート電極31c及び第4ゲート電極31dを備えたダブルゲート型である。第2半導体層68は、第1高濃度N型領域86、第1低濃度N型領域89、第3チャネル領域28c、第2低濃度N型領域90を備えている。
第3チャネル領域28cはZ方向から見て第3ゲート電極31cと重なっている。第4チャネル領域28dは第4ゲート電極31dと重なっている。第1高濃度N型領域86と第3チャネル領域28cとの間に第1低濃度N型領域89が配置されている。そして、第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間には第2低濃度N型領域90が配置されている。従って、第2半導体層68は、第1高濃度N型領域86、第1低濃度N型領域89、第3チャネル領域28c、第2低濃度N型領域90がこの順に並んでいる。
第1低濃度N型領域89及び第2低濃度N型領域90は、第1高濃度N型領域86より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第1N型トランジスター54に高い電圧が繰り返して加わるとき、第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間に電圧負荷が加わる。しかし、第1N型トランジスター54では第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間に第1低濃度N型領域89が配置されている。この為、第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
第1N型トランジスター54はN型である。このとき、第1低濃度N型領域89の長さを示す第5長さ91と第2低濃度N型領域90の長さを示す第6長さ92とが等しくても耐久性及び応答性の良いトランジスターにすることができる。そして、第5長さ91と第6長さ92とが等しい為、一方を長くするときに比べて、第1N型トランジスター54の大きさを小さくすることができる。
(3)本実施形態によれば、電気泳動装置1は第1スイッチ回路46及び第2スイッチ回路47を備えている。これらのスイッチ回路はP型の第3P型トランジスター58、第4P型トランジスター63及びN型の第3N型トランジスター61、第4N型トランジスター64を有する。これらのトランジスターを組み合わせてスイッチ回路が構成されている。
第3P型トランジスター58が備える半導体層を第3半導体層69とする。第3P型トランジスター58は第5ゲート電極31e及び第6ゲート電極31fを備えたダブルゲート型である。第3半導体層69は、第4高濃度P型領域97、第5低濃度P型領域102、第5チャネル領域28e、第6低濃度P型領域103を備えている。
第5チャネル領域28eは第5ゲート電極31eと重なっている。第6チャネル領域28fは第6ゲート電極31fと重なっている。第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に第6低濃度P型領域103が配置されている。従って、第3半導体層69は第4高濃度P型領域97、第5低濃度P型領域102、第5チャネル領域28e、第6低濃度P型領域103がこの順に並んでいる。
第5低濃度P型領域102及び第6低濃度P型領域103は、第4高濃度P型領域97より不純物の含有量が少ないので、電気抵抗が大きい。第3P型トランジスター58に高い電圧が繰り返して加わるとき、第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間に電圧負荷が加わる。しかし、第3P型トランジスター58では第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間に第5低濃度P型領域102が配置されている。この為、第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第6低濃度P型領域103の長さを示す第10長さ105は第5低濃度P型領域102の長さを示す第9長さ104より短い。従って、第10長さ105と第9長さ104との長さが同じときに比べて、第3P型トランジスター58の大きさを小さくすることができる。
(4)本実施形態によれば、電気泳動装置1は、第1N型トランジスター54、第1P型トランジスター55、第2N型トランジスター56及び第2P型トランジスター57に加えて画素スイッチング用トランジスターである第3P型トランジスター58、第3N型トランジスター61、第4P型トランジスター63、第4N型トランジスター64及び画素スイッチング素子44を備えている。そして、各トランジスターは第1方向66に延在して配置されている。これらのトランジスターの半導体層26は、アモルファスシリコン膜を、エキシマレーザー等の熱処理を行って形成されたポリシリコン膜を含む。この熱処理の過程で結晶方向が一定の方向に揃う。このため、半導体層26を同じ方向に揃えることによりトランジスター特性がばらつくことを抑制することができる。
(5)本実施形態によれば、第1低濃度P型領域76の長さは1μm以上2μm以下である。第1低濃度P型領域76の長さが1μm以上のとき、第1P型トランジスター55及び第2P型トランジスター57の長期信頼性を高くできる。第1低濃度P型領域76の長さが2μm以下のとき、トランジスターをON状態にしたときの電流が低下することを抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、電気泳動装置の一実施形態について図31〜図34を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、2つのチャネル形成領域28の間に配置された低濃度領域が削除されている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図31は第1P型トランジスター及び第2P型トランジスターの要部模式側断面図である。電気光学装置としての電気泳動装置128は画素129に第1の実施形態におけるメモリー回路45に相当するメモリー回路130を備えている。そして、メモリー回路130には第1の実施形態の第1P型トランジスター55に相当する第1導電型の第1トランジスターとしての第1P型トランジスター131を備え、第1の実施形態の第2P型トランジスター57に相当する第1導電型の第1トランジスターとしての第2P型トランジスター132を備えている。
第1P型トランジスター131及び第2P型トランジスター132では第1基材10上に下地保護膜71が配置されている。そして、下地保護膜71上には半導体層26である第1半導体層133が配置されている。第1半導体層133の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30上には第1ゲート電極31a及び第2ゲート電極31bの2つのゲート電極31が配置されている。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第1P型トランジスター131及び第2P型トランジスター132の第1半導体層133は第1ゲート電極31aと重なる第1チャネル領域28aを有し、第2ゲート電極31bと重なる第2チャネル領域28bを有している。さらに、第1半導体層133は第1高濃度P型領域73と第1チャネル領域28aとの間に第1低濃度P型領域76を有し、第2高濃度P型領域74と第2チャネル領域28bとの間に第2低濃度不純物領域としての第3低濃度P型領域82を有している。そして、第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に低濃度不純物領域を有していない。
第1P型トランジスター131及び第2P型トランジスター132では第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間に第1低濃度P型領域76が配置されている。この為、第1ゲート電極31aと第1高濃度P型領域73との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第2ゲート電極31bと第2高濃度P型領域74との間には第3低濃度P型領域82が配置されている。この為、第2ゲート電極31bと第2高濃度P型領域74との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第1半導体層133は第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第1チャネル領域28aと第2チャネル領域28bとの間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第1P型トランジスター131及び第2P型トランジスター132の大きさを小さくすることができる。
図32は第1N型トランジスター及び第2N型トランジスターの要部模式側断面図である。メモリー回路130は第1の実施形態の第1N型トランジスター54に相当する第1N型トランジスター134を備え、第1の実施形態の第2N型トランジスター56に相当する第2N型トランジスター135を備えている。
第1N型トランジスター134及び第2N型トランジスター135では第1基材10上に下地保護膜71が配置されている。そして、下地保護膜71上には半導体層26である第2半導体層136が配置されている。第2半導体層136の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30上には第3ゲート電極31c及び第4ゲート電極31dの2つのゲート電極31が配置されている。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第1N型トランジスター134及び第2N型トランジスター135の第2半導体層136は第3ゲート電極31cと重なる第3チャネル領域28cを有し、第4ゲート電極31dと重なる第4チャネル領域28dを有している。さらに、第2半導体層136は第1高濃度N型領域86と第3チャネル領域28cとの間に第1低濃度N型領域89を有し、第2高濃度N型領域87と第4チャネル領域28dとの間に第3低濃度N型領域93を有している。そして、第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に低濃度不純物領域を有していない。
第1N型トランジスター134及び第2N型トランジスター135では第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間に第1低濃度N型領域89が配置されている。この為、第3ゲート電極31cと第1高濃度N型領域86との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第4ゲート電極31dと第2高濃度N型領域87との間には第3低濃度N型領域93が配置されている。この為、第4ゲート電極31dと第2高濃度N型領域87との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第2半導体層136は第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第3チャネル領域28cと第4チャネル領域28dとの間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第1N型トランジスター134及び第2N型トランジスター135の大きさを小さくすることができる。
図33は第3P型トランジスター及び第4P型トランジスターの要部模式側断面図である。図33に示すように、電気泳動装置128は画素129に第1の実施形態における第1スイッチ回路46に相当する第1スイッチ回路137を備え、第2スイッチ回路47に相当する第2スイッチ回路138を備えている。そして、第1スイッチ回路137は第1の実施形態の第3P型トランジスター58に相当する第1導電型の第3トランジスターとしての第3P型トランジスター141を備えている。第2スイッチ回路138は第1の実施形態の第4P型トランジスター63に相当する第1導電型の第3トランジスターとしての第4P型トランジスター142を備えている。
第3P型トランジスター141及び第4P型トランジスター142では第1基材10上に下地保護膜71が配置されている。そして、下地保護膜71上には半導体層26である第3半導体層143が配置されている。第3半導体層143の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30上には第5ゲート電極31e及び第6ゲート電極31fの2つのゲート電極31が配置されている。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第3P型トランジスター141及び第4P型トランジスター142の第3半導体層143は第5ゲート電極31eと重なる第5チャネル領域28eを有し、第6ゲート電極31fと重なる第6チャネル領域28fを有している。さらに、第3半導体層143は第4高濃度P型領域97と第5チャネル領域28eとの間に第5低濃度P型領域102を有し、第5高濃度P型領域98と第6チャネル領域28fとの間に第7低濃度不純物領域としての第7低濃度P型領域106を有している。そして、第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に低濃度不純物領域を有していない。
第3P型トランジスター141及び第4P型トランジスター142では第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間に第5低濃度P型領域102が配置されている。この為、第5ゲート電極31eと第4高濃度P型領域97との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第6ゲート電極31fと第5高濃度P型領域98との間には第7低濃度P型領域106が配置されている。この為、第6ゲート電極31fと第5高濃度P型領域98との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第3半導体層143は第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第5チャネル領域28eと第6チャネル領域28fとの間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第3P型トランジスター141及び第4P型トランジスター142の大きさを小さくすることができる。
図34は第3N型トランジスター及び第4N型トランジスターの要部模式側断面図である。図34に示すように、第1スイッチ回路137は第1の実施形態の第3N型トランジスター61に相当する第3N型トランジスター144を備えている。第2スイッチ回路138は第1の実施形態の第4N型トランジスター64に相当する第4N型トランジスター145を備えている。
第3N型トランジスター144及び第4N型トランジスター145では第1基材10上に下地保護膜71が配置されている。そして、下地保護膜71上には半導体層26である第4半導体層146が配置されている。第4半導体層146の上にはゲート絶縁膜30が配置されている。ゲート絶縁膜30上には第7ゲート電極31g及び第8ゲート電極31hの2つのゲート電極31が配置されている。ゲート絶縁膜30及びゲート電極31上には層間絶縁膜72が配置されている。そして、ゲート絶縁膜30及び層間絶縁膜72を貫通するソース電極32及びドレイン電極33が配置されている。
第3N型トランジスター144及び第4N型トランジスター145の第4半導体層146は第7ゲート電極31gと重なる第7チャネル領域28gを有し、第8ゲート電極31hと重なる第8チャネル領域28hを有している。さらに、第4半導体層146は第4高濃度N型領域110と第7チャネル領域28gとの間に第5低濃度N型領域113を有し、第5高濃度N型領域111と第8チャネル領域28hとの間に第7低濃度N型領域117を有している。そして、第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に低濃度不純物領域を有していない。
第3N型トランジスター144及び第4N型トランジスター145では第7ゲート電極31gと第4高濃度N型領域110との間に第5低濃度N型領域113が配置されている。この為、第7ゲート電極31gと第4高濃度N型領域110との間では電圧負荷による劣化が抑制される。また、第8ゲート電極31hと第5高濃度N型領域111との間には第7低濃度N型領域117が配置されている。この為、第8ゲート電極31hと第5高濃度N型領域111との間では電圧負荷による劣化が抑制される。
そして、第4半導体層146は第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に低濃度不純物領域を有しない。従って、第7チャネル領域28gと第8チャネル領域28hとの間に低濃度不純物領域を有するときに比べて、第3N型トランジスター144及び第4N型トランジスター145の大きさを小さくすることができる。
(第3の実施形態)
次に、電気泳動装置を搭載した電子機器の一実施形態について図35及び図36を用いて説明する。図35は電子ブックの構造を示す概略斜視図であり、図36は腕時計の構造を示す概略斜視図である。図35に示すように、電子機器としての電子ブック150は板状のケース151を有する。ケース151には蝶番152を介して蓋部153が設置されている。さらに、ケース151には操作ボタン154と表示部155とが設置されている。操作者は操作ボタン154を操作して表示部155に表示する内容を操作することができる。
ケース151の内部には、制御部156と表示部155を駆動する信号駆動部157が設置されている。制御部156は信号駆動部157に表示データを出力するとともに、当該表示データをデータ信号に変換するときのタイミング信号も出力する。信号駆動部157は表示データからデータ信号を生成し表示部155に出力する。また、制御部156は、信号駆動部157が出力するデータ信号に同期させた表示制御信号を表示部155に出力する。表示部155は内部に信号部分配回路を有する。表示部155は入力される表示制御信号及びデータ信号から電気泳動表示に必要な信号を生成する。そして、制御部156が表示部155に出力した表示データに従って表示部155は表示を行う。尚、操作ボタン154による操作者の操作は、適時信号化され制御部156に伝達され、制御部156の出力信号に反映される。
電子ブック150は表示部155を備えている。この表示部155には上記の電気泳動装置1または電気泳動装置128が用いられている。上記の電気泳動装置1または電気泳動装置128は、ゲート電極と高濃度領域との間の電圧負荷による劣化が抑制され、サイズの小さいトランジスターを備えている。従って、電子ブック150は上記の電気泳動装置1または電気泳動装置128を備えるため、ゲート電極と高濃度領域との間の電圧負荷による劣化が抑制され、外形寸法の小さい電気泳動装置を備えた電子機器とすることができる。
図36に示すように、電子機器としての腕時計160は板状のケース161を有する。ケース161はバンド162を備え、操作者はバンド162を腕に巻いて腕時計160を腕に固定することができる。ケース161には操作ボタン163と表示部164とが設置されている。操作者は操作ボタン163を操作して表示部164に表示する内容を操作する。
ケース161の内部には腕時計160を制御する制御部165と表示部164に信号を駆動する信号駆動部166が設置されている。制御部165は信号駆動部166に表示データと必要なタイミング信号を出力する。尚、当該必要なタイミング信号の中には制御部165から表示部164に直接出力される信号があってもよい。信号駆動部166は表示に必要な信号を表示部164に出力することで、表示部164に表示データに対応する内容を表示させる。
腕時計160は表示部164を備えている。この表示部164には上記の電気泳動装置1または電気泳動装置128が用いられている。上記の電気泳動装置1または電気泳動装置128は、電圧負荷による劣化が抑制され、さらに、サイズの小さいトランジスターで構成されている。従って、腕時計160は電圧負荷による劣化が抑制され、さらに、外形寸法の小さい電気泳動装置で構成された装置とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、電気泳動分散液16に白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18を配置した。白色荷電粒子17及び黒色荷電粒子18に代えて、赤色、緑色、青色等の荷電粒子を用いてもよい。この構成によれば、赤色、緑色、青色等を表示することでカラー表示を行うことができる。他にも、電気泳動分散液16に1色の荷電粒子のみを用いてもよい。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、1つの画素領域6に1つの画素電極14が配置された。1つの画素領域6に複数の画素電極14を配置してもよい。表示を細分化することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では白色荷電粒子17を正極に帯電させて、黒色荷電粒子18を負極に帯電させた。白色荷電粒子17を負極に帯電させて、黒色荷電粒子18を正極に帯電させても良い。制御しやすい帯電状態にしてもよい。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、トランジスター25にゲート電極が2つ配置されていた。ゲート電極が3つ以上配置された構成でも良い。このときにも、高濃度不純物領域とチャネル領域との間の低濃度不純物領域を長くして、チャネル領域間の低濃度不純物領域を短くしても良い。また、チャネル領域間の低濃度不純物領域を省略しても良い。この構成にすることにより、電圧負荷による劣化が抑制され、サイズの小さいトランジスターにすることができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、メモリー回路45、第1スイッチ回路46及び第2スイッチ回路47で高濃度不純物領域とチャネル領域との間の低濃度不純物領域を長くして、チャネル領域間の低濃度不純物領域を短くした。他の回路を配置するときにも、トランジスターの構造を同様の構成にしても良い。この構成にすることにより、電圧負荷による劣化が抑制され、小さいトランジスターにすることができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態及び第2の実施形態におけるトランジスターの構造を適用可能な電気光学装置は、電気泳動装置に限定されない。例えば、アクティブ駆動型の有機エレクトロルミネッセンス装置や液晶装置にも適用することができる。
1,128…電気光学装置としての電気泳動装置、8…画素、28a…第1チャネル領域、28b…第2チャネル領域、28c…第3チャネル領域、28d…第4チャネル領域、28e…第5チャネル領域、28f…第6チャネル領域、31a…第1ゲート電極、31b…第2ゲート電極、31c…第3ゲート電極、31d…第4ゲート電極、31e…第5ゲート電極、31f…第6ゲート電極、45…メモリー回路、46…スイッチ回路としての第1スイッチ回路、47…スイッチ回路としての第2スイッチ回路、54…第2導電型の第2トランジスターとしての第1N型トランジスター、55,131…第1導電型の第1トランジスターとしての第1P型トランジスター、56…第2導電型の第2トランジスターとしての第2N型トランジスター、57,132…第1導電型の第1トランジスターとしての第2P型トランジスター、58,141…第1導電型の第3トランジスターとしての第3P型トランジスター、61…第2導電型の第4トランジスターとしての第3N型トランジスター、63,142…第1導電型の第3トランジスターとしての第4P型トランジスター、64…第2導電型の第4トランジスターとしての第4N型トランジスター、66…第1方向、67,133…第1半導体層、68,136…第2半導体層、69,143…第3半導体層、70,146…第4半導体層、73…第1高濃度不純物領域としての第1高濃度P型領域、74…第2高濃度不純物領域としての第2高濃度P型領域、76…第1低濃度不純物領域としての第1低濃度P型領域、77…第2低濃度不純物領域としての第2低濃度P型領域、82…第2低濃度不純物領域としての第3低濃度P型領域、86…第2高濃度不純物領域としての第1高濃度N型領域、89…第3低濃度不純物領域としての第1低濃度N型領域、90…第4低濃度不純物領域としての第2低濃度N型領域、97…第3高濃度不純物領域としての第4高濃度P型領域、98…第4高濃度不純物領域としての第5高濃度P型領域、102…第5低濃度不純物領域としての第5低濃度P型領域、103…第6低濃度不純物領域としての第6低濃度P型領域、106…第7低濃度不純物領域としての第7低濃度P型領域、150…電子機器としての電子ブック、160…電子機器としての腕時計。

Claims (8)

  1. 画素に、
    第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有するメモリー回路を備え、
    前記第1トランジスターの第1半導体層は、第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域と、第2ゲート電極と重なる第2チャネル領域と、第1高濃度不純物領域と前記第1チャネル領域との間の第1低濃度不純物領域と、前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間の第2低濃度不純物領域と、を有し、
    前記第1低濃度不純物領域の長さは、前記第2低濃度不純物領域の長さよりも長いことを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記第2トランジスターの第2半導体層は、第3ゲート電極と重なる第3チャネル領域と、第4ゲート電極と重なる第4チャネル領域と、第2高濃度不純物領域と前記第3チャネル領域との間の第3低濃度不純物領域と、前記第3チャネル領域と前記第4チャネル領域との間の第4低濃度不純物領域と、を有し、
    前記第3低濃度不純物領域の長さは、前記第4低濃度不純物領域の長さと同じ長さであることを特徴とする電気光学装置。
  3. 画素に、
    第1導電型の第1トランジスターと、第2導電型の第2トランジスターとを有するメモリー回路を備え、
    前記第1トランジスターの第1半導体層は、第1ゲート電極と重なる第1チャネル領域と、第2ゲート電極と重なる第2チャネル領域と、第1高濃度不純物領域と前記第1チャネル領域との間の第1低濃度不純物領域と、第2高濃度不純物領域と前記第2チャネル領域との間の第2低濃度不純物領域と、を有し、前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有していないことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1または3に記載の電気光学装置であって、
    前記画素に、スイッチ回路を備え、
    前記スイッチ回路は、第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有し、
    前記第3トランジスターの第3半導体層は、第5ゲート電極と重なる第5チャネル領域と、第6ゲート電極と重なる第6チャネル領域と、第3高濃度不純物領域と前記第5チャネル領域との間の第5低濃度不純物領域と、前記第5チャネル領域と前記第6チャネル領域との間の第6低濃度不純物領域と、を有し、
    前記第5低濃度不純物領域の長さは、前記第6低濃度不純物領域の長さよりも長いことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1または3に記載の電気光学装置であって、
    前記画素に、スイッチ回路を備え、
    前記スイッチ回路は、第1導電型の第3トランジスターと、第2導電型の第4トランジスターとを有し、
    前記第3トランジスターの第3半導体層は、第5ゲート電極と重なる第5チャネル領域と、第6ゲート電極と重なる第6チャネル領域と、第3高濃度不純物領域と前記第5チャネル領域との間の第5低濃度不純物領域と、第4高濃度不純物領域と前記第6チャネル領域との間の第7低濃度不純物領域と、を有し、前記第5チャネル領域と前記第6チャネル領域との間に低濃度不純物領域を有していないことを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項4または5に記載の電気光学装置であって、
    第1方向に延在する半導体層を有する画素スイッチング用トランジスターを備え、
    前記第1トランジスターの前記第1半導体層、前記第2トランジスターの第2半導体層、前記第3トランジスターの前記第3半導体層及び前記第4トランジスターの第4半導体層は、それぞれ前記第1方向に延在する部分を有することを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1低濃度不純物領域の長さは1μm以上2μm以下であることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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