JP2019070197A - 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム - Google Patents

膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2019070197A
JP2019070197A JP2018235458A JP2018235458A JP2019070197A JP 2019070197 A JP2019070197 A JP 2019070197A JP 2018235458 A JP2018235458 A JP 2018235458A JP 2018235458 A JP2018235458 A JP 2018235458A JP 2019070197 A JP2019070197 A JP 2019070197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
film thickness
mist
calculation method
thickness calculation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018235458A
Other languages
English (en)
Inventor
敏幸 川原村
Toshiyuki Kawaramura
敏幸 川原村
真也 織田
Shinya Oda
真也 織田
俊実 人羅
Toshimi Hitora
俊実 人羅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Flosfia Inc
Kochi Prefectural University Corp
Original Assignee
Flosfia Inc
Kochi Prefectural University Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Flosfia Inc, Kochi Prefectural University Corp filed Critical Flosfia Inc
Priority to JP2018235458A priority Critical patent/JP2019070197A/ja
Publication of JP2019070197A publication Critical patent/JP2019070197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

【課題】ミストCVDにも適用可能な精度の高い膜厚算出方法を提供する。【解決手段】ミストまたは液滴の消滅時間(τe)、特にライデンフロスト状態のミストまたは液滴の消滅時間を用いて、原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を、キャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで該基体上で該ミストまたは該液滴を反応させてなる膜の膜厚を算出する膜厚算出方法、その方法を用いる成膜装置、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な膜厚算出方法、成膜装置およびプログラムに関する。
多くの機能性薄膜がデバイスに使用されている。これら機能性薄膜は、スパッタリング、蒸着などの真空プロセスによって作製されてきた。このような真空プロセスは、真空状態を維持するために多くのエネルギーを消費する。しかしながら、ある半導体プラントの電力単位では、22%以上の電力が真空ポンプを動作させるためだけに使用されていることが報告されている。これは、機能性薄膜の作製を従来の真空プロセスから非真空プロセスに変換することで環境負荷を劇的に低減できることを意味する。
さらに、非真空プロセスを用いることにより、真空プロセスを用いた場合に比べて、環境負荷低減の他に、低コスト、システム構造の単純化、メンテナンスの容易性など多くの有利な点が存在する。従って、真空プロセスから非真空プロセスへ変換することは非常に有益である。
しかしながら、非真空プロセスはプロセスが常圧で行われることを意味し、それゆえに高品質で均一な薄膜を得るためには、前駆物質流体と雰囲気温度を注意深く制御する必要がある。よって、高度に制御可能な技術が求められており、この観点に基づいて、本発明者らは、薄膜の成膜のためのミスト状原料を用いた新規な非真空作製法であるミスト化学気相成長(CVD)法を開発している(特許文献1)。
ミストCVDは、例えば非特許文献1に記載されているが、オープンエアーの常圧下における機能性薄膜の作製技術の一つである。ミストCVDシステムでは供給ユニットと反応ユニットの2つのパートがある。供給ユニットは溶液タンクと超音波トランスデューサーからなり、反応ユニットは反応チャンバ及びヒーターからなる。
まず、タンク中に前駆物質溶液を準備し、供給ユニットにて超音波トランスデューサーによって前駆物質溶液をミスト化する。これによりミスト液滴が形成され、このミスト液滴はキャリアガス及び希釈ガスによって供給ユニットから反応ユニットへ運ばれる。反応ユニット中の原料が熱分解及び反応することによって薄膜が作製される。
ミストCVDにおいて解決が難しい問題の一つとして、膜厚の測定が挙げられる。従来、所望の膜厚を得るためには、ある成膜条件によって作製した薄膜の膜厚を実測して、次いで所望の膜厚に近づけるために成膜条件を変更して再度成膜を行い、これを繰り返すという作業が必要であった。そのため、所望の膜厚の薄膜を得るためには、時間と手間がかかるという問題があった。
また、従来、成膜には厚みの管理が求められており、膜厚の算出方法について各種検討がなされている。例えば、特許文献2には、電着塗膜の膜厚算出方法が記載されている。特許文献3には、乾燥工程におけるポリマー塗膜の膜厚などと膜の状態を予測するシミュレーション方法が記載されている。特許文献4には、微粒子含有塗膜の膜厚を算出する方法が記載されている。
しかしながら、ミストCVDは、厚みの管理が難しく、従来の膜厚算出方法も適用困難であり、そのため、ミストCVDに適用可能な膜厚の算出方法が待ち望まれていた。
特開2011−181784号公報 特開2002−327294号公報 特開2009−233663号公報 特開2011−251262号公報
T. Kawaharamura, H. Nishinaka, and S. Fujita, "Growth of Crystalline Zinc Oxide Thin Films by Fine-Channel-Mist Chemical Vapor Deposition", Jpn. J. Appl. Phys. Vol.47 pp.4669-4675 (2008) B.S. Gottfried and K.J. Bell, I & EC Fundamentals 5, 561 (1966).
本発明は、ミストCVDにも適用可能な精度の高い膜厚算出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ミストまたは液滴の消滅時間(τ)を用いて、ミストCVDで得られる膜の膜厚を算出すると、驚くべきことに、算出された膜厚の精度が極めて高いことを知見し、上記した従来の問題を一挙に解決できることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を、キャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで該基体上で該ミストまたは該液滴を反応させてなる膜の膜厚を算出する膜厚算出方法であって、前記算出に、前記ミストまたは前記液滴の消滅時間(τ)を用いることを特徴とする膜厚算出方法。
[2] 前記消滅時間(τ)が、ライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間である前記[1]記載の膜厚算出方法。
[3] 前記膜厚を、下記数式を用いて算出する前記[2]記載の膜厚算出方法。
[式中、dは膜厚(m)、αは補正係数、ηは反応効率、Cは前記原料溶液における原料濃度(mol/m)、Mは原料供給重量(kg)、ρは原料溶液の密度(kg/m)、xは量論係数、Sは形状係数、Wは前記ミストまたは前記液滴を基体に搬送させる際の装置幅(m)、vは前記ミストまたは前記液滴の流速(m/s)、τはライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間(s)、ρは前記膜の膜密度(kg/m)、Mwsは前記膜の分子量(kg/mol)をそれぞれ表す。]
[4] 前記消滅時間(τ)が下記数式で表される前記[3]記載の膜厚算出方法。
[式中、ΔT=T−Tであり、Tは前記基体の設定温度(K)、Tは液体の気化温度(K)、rは前記ミストまたは前記液滴の半径(m)、gは重力(m/s)、kは気体の熱伝導率(W/(m・K))、ρは液体の密度(kg/m)、ρは気体の密度(kg/m)、Dは拡散係数(m/s)、λは液体の気化熱(J/kg)、Cpvは気体の比熱(J/kg・K)、μは気体の粘度(kg/m・s)をそれぞれ表す。]
[5] 前記成膜を、ファインチャネル式ミストCVDにて行う前記[1]〜[4]のいずれかに記載の膜厚算出方法。
[6] 前記成膜を、反応律速状態で行う前記[1]〜[5]のいずれかに記載の膜厚算出方法。
[7] 前記膜が、金属膜または金属酸化膜である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の膜厚算出方法。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の膜厚算出方法を用いて成膜する成膜装置。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の膜厚算出方法をコンピュータに実行させるプログラム。
本発明の膜厚算出方法によれば、従来手法では膜厚の算出が困難であったミストCVDでも膜厚を精度良く算出することができる。
実施例で用いたミストCVD装置の構成図である。 発明の実施の形態における構成を示すブロック図である。 発明の実施の形態における手順を示すフローチャートである。
本発明の膜厚算出方法は、原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を、キャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで該基体上で該ミストまたは該液滴を反応させてなる膜の膜厚を算出する膜厚算出方法であって、前記算出に、前記ミストまたは前記液滴の消滅時間(τ)を用いることを特徴とする。
前記消滅時間(τ)は、前記ミストまたは前記液滴の発生から消滅に至るまでの時間であれば特に限定されないが、本発明においては、ライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間であるのが好ましく、下記数式(1)で表される消滅時間(τ)であるのがより好ましい。なお、下記数式(1)およびライデンフロスト状態については、非特許文献2の記載に準じて算出または参酌することができる。液体や気体の各パラメーターの数値も原料溶液と同じ数値を用いてもよいし、原料溶液に準じる数値や原料溶液と近似の数値を用いてもよい。
[式中、ΔT=Ts−Tであり、Tsは前記基体の設定温度(K)、Tは液体の気化温度(K)、rは前記ミストまたは前記液滴の半径(m)、gは重力(m/s)、kは気体の熱伝導率(W/(m・K))、ρは液体の密度(kg/m)、ρは気体の密度(kg/m)、Dは拡散係数(m/s)、λは液体の気化熱(J/kg)、Cpvは気体の比熱(J/kg・K)、μは気体の粘度(kg/m・s)をそれぞれ表す。]
また、本発明においては、上記式(1)の値と前記昇温時間とを足して、消滅時間(τ)としても用いてもよく、前記昇温時間は蒸発温度まで昇温する時間である。
本発明における膜厚の算出手段は、前記消滅時間(τ)を用いて算出できれば特に限定されないが、本発明においては、下記数式(2)を用いて算出するのが好ましい。
[式中、dは膜厚(m)、αは補正係数、ηは反応効率、Cは前記原料溶液における原料濃度(mol/m)、Mは原料供給重量(kg)、ρは原料溶液の密度(kg/m)、xは量論係数、Sは形状係数、Wは前記ミストまたは前記液滴を基体に搬送させる際の装置幅(m)、vは前記ミストまたは前記液滴の流速(m/s)、τはライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間(s)、ρは前記膜の膜密度(kg/m)、Mwsは前記膜の分子量(kg/mol)をそれぞれ表す。なお、前記補正係数は、例えばミストCVDにより成膜して、膜厚を実測することで較正することができ、昇温時間の影響等も盛り込んでもよい。また、前記反応効率は、ミストCVDだけでなく、さらに気相反応が生じる場合などにおける基体表面に成膜できる確率をいう。]
本発明で膜厚が算出される膜は、原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を、キャリアガスでもって基体まで搬送し、ついで該基体上で該ミストまたは該液滴を反応させてなる膜である。
本発明では、ミストCVDを用いて、基体上に成膜する。前記ミストCVDでは、前記原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、生成されるミストまたは液滴をキャリアガスによって前記基体に供給し(ミスト・液滴供給工程)、供給されたミストまたは液滴を反応させて、前記基体上に成膜する(成膜工程)。本発明においては、前記ミストCVDがファインチャネル式であるのが好ましい。
前記霧化・液滴化工程は、原料溶液を調整し、前記原料溶液を霧化または液滴化してミストを発生させる。前記金属の配合割合は、特に限定されないが、原料溶液全体に対して、0.0001mol/L〜20mol/Lが好ましく、0.001mol/L〜2mol/Lであるのがより好ましい。
本工程では、前記原料溶液を霧化または液滴化してミストまたは液滴を発生させる。霧化または液滴化手段は、前記原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の霧化手段または液滴化手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段であるのが好ましい。前記ミストまたは前記液滴は、初速度がゼロで、空中に浮遊するものが好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮かびガスとして搬送することが可能なミストであるのがより好ましい。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
前記キャリアガス供給工程では、キャリアガスを前記ミストまたは前記液滴に供給する。キャリアガスの種類としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、キャリアガス濃度を変化させた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。
ミスト供給工程では、前記キャリアガスによって前記ミストまたは前記液滴を基体へ供給する。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、反応炉内での線速(より具体的には、反応炉は高温になっており、環境に依存して変化してしまうため、室温を仮定して換算される線速)で、0.1m/s〜100m/sが好ましく、1m/s〜10m/sがより好ましい。
成膜工程では、前記ミストまたは前記液滴を反応させて、前記基体表面の一部または全部に成膜する。前記反応は、前記ミストまたは前記液滴から膜が形成される反応であれば特に限定されないが、本発明においては、熱反応が好ましい。前記熱反応は、熱でもって前記ミストまたは前記液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度以下が好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが蒸発温度の計算が簡単になる等の点で好ましい。なお、真空の場合には、蒸発温度を下げることができる。
(原料溶液)
原料溶液は、霧化または液滴化が可能な材料を含んでいれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよいが、本発明においては、金属または金属化合物であるのが好ましく、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。
前記原料溶液は、上記金属を霧化できるものであれば特に限定されないが、前記原料溶液として、前記金属を錯体または塩の形態で有機溶媒または水に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、有機金属塩(例えば金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属クエン酸塩等)、硫化金属塩、硝化金属塩、リン酸化金属塩、ハロゲン化金属塩(例えば塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等)などが挙げられる。
また、前記原料溶液には、ハロゲン化水素酸や酸化剤等の添加剤を混合してもよい。前記ハロゲン化水素酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸などが挙げられるが、中でも、臭化水素酸またはヨウ化水素酸が好ましい。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素(H)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ベンゾイル(CCO)等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過塩素酸、硝酸、オゾン水、過酢酸やニトロベンゼン等の有機過酸化物などが挙げられる。
前記原料溶液には、ドーパントが含まれていてもよい。前記ドーパントは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはp型ドーパントなどが挙げられる。ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm〜1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよい。また、さらに、本発明によれば、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。
(基体)
前記基体は、前記膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
本発明においては、上記膜厚算出方法をプログラムとして用いてコンピュータに実行させることができる。前記プログラムは、上記膜厚算出方法を用いれば特に限定されず、公知の手段を用いて作成されてよい。
以下、前記プログラムをコンピュータに実行させる態様につき、図面を用いて説明するが、本発明はこれら図面に限定されるものではない。
図2は、本発明の実施の一態様を示すブロック図である。入力部111は演算部112と接続されている。演算部112は、CPUを備えており、入力部111、一時メモリ113、記憶装置114、数式データマスタ115および表示部116と接続されている。入力部111は、例えば、キーボード等からなり、文字や数値等を入力できるように構成されている。また、入力部は計測装置と直接または間接的に接続されていて、計測値がパラメーターの数値として入力されるように構成されていてもよい。一時メモリ113は、入力された条件等を一時的に記憶する。記憶装置114は、プログラムを使用するに際して、所定の情報を記憶する。数式データマスタ115には、上記数式(1)や(2)等の数式が格納されている。演算部112では、入力部111で入力された条件を、数式データマスタ115に格納されている数式にあてはめ、膜厚を算出する。
図3は、本発明のプログラムの実行手順を示すフローチャートである。まず、所定の各パラメーターにつき、各条件を入力する(201)。入力された条件が不適合である場合には、エラーとなり、入力をし直す。条件が入力されると、入力された条件は一時メモリに一時的に記憶される(202)。そして、数式データの各パラメーターを数字に変換し(203)、前記膜厚算出方法の数式にあてはめて膜厚を算出する(204)。このとき、算出結果が、例えば負の値等の場合には、エラーとなり、再度、入力からやり直す。算出結果が正常である場合には、算出結果を表示する(205)。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例において用いられる全ての係数に関しては、以下の実施例に限らず、温度依存のデータを用いてもよいし、また、エッチングや再蒸発が生じてもよい系においては、温度に依存した係数を入れることもできる。また、境界層厚を利用した式を用いてもよい。本発明においては、系によって、適宜に選択することができる。
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置を説明する。図1のミストCVD装置は、供給部10と、ファインチャネル構造を有する反応部11とからなり、供給部10には、超音波振動子1、容器2、キャリアガス供給手段から供給されるキャリアガス3の流量を調節する流量調節弁3a、および希釈ガス供給手段から供給される希釈ガス4の流量を調節する流量調節弁4aが備え付けられている。また、反応部11には、オゾン供給手段から供給されるオゾン5の流量を調節する流量調節弁5a、供給部10から供給されるミストを混合するミスト混合部6、ヒーター7および基板8が備え付けられている。
上記CVD装置を用いて、基板上に、Al膜を成膜した。なお、原料として、アルミニウム・アセチルアセトナートを用いた。溶媒として、水・アルコールの混合溶媒を用いた。成膜するにあたり、上記数式(1)および下記表1〜3の物性値を用いて、消滅時間(τ)を算出した。
算出した消滅時間(τ)、上記式(2)および下記表4の各値を用いて、膜厚(d)を算出した。結果は、1.11×10−7mであった。なお、補正係数は、成膜効率を含めて検量して予め設定した値であり、量論係数は、アルミニウム・アセチルアセトナートから酸化アルミニウム(Al)へのAlの量論係数を示す。
また、得られたAl膜の膜厚を、干渉式膜厚計を用いて計測した。計測値は、1.13×10−7mであった。参考までに、本発明の膜厚算出方法で算出された計算値と、前記計測値とを合わせて、下記表5に示す。表5からも明らかなとおり、本発明の膜厚算出方法は、算出された膜厚の精度が非常に高いことがわかる。
本発明の膜厚算出方法は、膜厚に関するあらゆる分野に用いることができるが、特に、成膜分野における膜厚の管理に有用である。
1 超音波振動子
2 容器
3 キャリアガス
3a 流量調節弁
4 希釈ガス
4a 流量調節弁
5 オゾン
5a 流量調節弁
6 ミスト混合部
7 ヒーター
8 基板
9a 原料溶液
9b ミスト
10 供給部
11 反応部

Claims (9)

  1. 原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を基体上で反応させてなる膜の膜厚を算出する膜厚算出方法であって、前記算出に、前記ミストまたは前記液滴の発生から消滅に至るまでの時間である消滅時間(τと、前記膜厚との関係式を用いることを特徴とする膜厚算出方法。
  2. 前記消滅時間(τ)が、ライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間である請求項1記載の膜厚算出方法。
  3. 前記膜厚を、前記消滅時間(τ )と前記膜厚との関係式として下記数式を用いて算出する請求項2記載の膜厚算出方法。
    [式中、dは膜厚(m)、αは補正係数、ηは反応効率、Cは前記原料溶液における原料濃度(mol/m)、Mは原料供給重量(kg)、ρは原料溶液の密度(kg/m)、xは量論係数、Sは形状係数、Wは前記ミストまたは前記液滴を基体に搬送させる際の装置幅(m)、vは前記ミストまたは前記液滴の流速(m/s)、τはライデンフロスト状態の前記ミストまたは前記液滴の消滅時間(s)、ρは前記膜の膜密度(kg/m)、Mwsは前記膜の分子量(kg/mol)をそれぞれ表す。]
  4. 前記消滅時間(τ)が下記数式で表される請求項3記載の膜厚算出方法。
    [式中、ΔT=T−Tであり、Tは前記基体の設定温度(K)、Tは液体の気化温度(K)、rは前記ミストまたは前記液滴の半径(m)、gは重力(m/s)、kは気体の熱伝導率(W/(m・K))、ρは液体の密度(kg/m)、ρは気体の密度(kg/m)、Dは拡散係数(m/s)、λは液体の気化熱(J/kg)、Cpvは気体の比熱(J/kg・K)、μは気体の粘度(kg/m・s)をそれぞれ表す。]
  5. 前記成膜を、ファインチャネル式ミストCVDにて行う請求項1〜4のいずれかに記載の膜厚算出方法。
  6. 前記成膜を、反応律速状態で行う請求項1〜5のいずれかに記載の膜厚算出方法。
  7. 前記膜が、金属膜または金属酸化膜である請求項1〜6のいずれかに記載の膜厚算出方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の膜厚算出方法を用いて成膜する成膜装置。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の膜厚算出方法をコンピュータに実行させるプログラム。

JP2018235458A 2018-12-17 2018-12-17 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム Pending JP2019070197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018235458A JP2019070197A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018235458A JP2019070197A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015022741A Division JP6547225B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019070197A true JP2019070197A (ja) 2019-05-09

Family

ID=66441129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018235458A Pending JP2019070197A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019070197A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023176770A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 日油株式会社 放熱基板、放熱回路基板、放熱部材、及び放熱基板の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305233A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Shizuo Fujita 成膜用霧化装置
JP2009161805A (ja) * 2007-12-29 2009-07-23 Brother Ind Ltd エアロゾルデポジション法を用いた成膜方法及び成膜装置
JP2013028480A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Kochi Univ Of Technology ドーパントを添加した結晶性の高い導電性α型酸化ガリウム薄膜およびその生成方法
JP2015017027A (ja) * 2013-10-17 2015-01-29 株式会社Flosfia 半導体装置及びその製造方法、並びに結晶及びその製造方法
JP6547225B2 (ja) * 2015-02-06 2019-07-24 高知県公立大学法人 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305233A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Shizuo Fujita 成膜用霧化装置
JP2009161805A (ja) * 2007-12-29 2009-07-23 Brother Ind Ltd エアロゾルデポジション法を用いた成膜方法及び成膜装置
JP2013028480A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Kochi Univ Of Technology ドーパントを添加した結晶性の高い導電性α型酸化ガリウム薄膜およびその生成方法
JP2015017027A (ja) * 2013-10-17 2015-01-29 株式会社Flosfia 半導体装置及びその製造方法、並びに結晶及びその製造方法
JP6547225B2 (ja) * 2015-02-06 2019-07-24 高知県公立大学法人 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023176770A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 日油株式会社 放熱基板、放熱回路基板、放熱部材、及び放熱基板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6547225B2 (ja) 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム
TWI821481B (zh) 氧化鎵膜之製造方法
Nicolay et al. Growth model of MOCVD polycrystalline ZnO
US9279182B2 (en) Apparatus for forming metal oxide film, method for forming metal oxide film, and metal oxide film
JP2014234337A (ja) 酸化物結晶薄膜の製造方法
JP6876893B2 (ja) 酸化イットリウム膜の製造方法
JP2019070197A (ja) 膜厚算出方法、成膜装置およびプログラム
JP2023085279A (ja) 薄膜製造のための化学物質源の統合された合成、送達及び加工のための方法及びシステム
JP2014234344A (ja) 酸化物結晶薄膜の製造方法
Li et al. Layer-by-layer growth of ultralong ZnO vertical wire arrays for enhanced photoelectrocatalytic activity
JP4710002B2 (ja) 膜の製造方法
JP2005209766A (ja) ハフニウム含有酸化膜の製造方法
CN109970353A (zh) 一种促进钙钛矿薄膜结晶可控生长的化学吸附自限制辅助方法
CN105908151B (zh) 一种纳米薄膜的原子层沉积定量建模方法
Ali et al. Influence of nucleation rate on the yield of ZnO nanocrystals prepared by chemical vapor synthesis
Burke et al. Growth and process modeling studies of nickel-catalyzed metalorganic chemical vapor deposition of GaN nanowires
JP2017147231A (ja) 透明導電膜および積層構造体の製造方法
JP2017162816A (ja) 透明導電膜および積層構造体の製造方法
KR102102691B1 (ko) 전이금속칼코겐화합물(tmdc) 박막, 그 제조방법 및 이를 포함하는 디스플레이 소자
JP7065439B2 (ja) 結晶性ZrO2膜の製造方法および結晶性ZrO2膜
JPS62228471A (ja) 堆積膜形成法
JP7066658B2 (ja) 酸化物半導体膜の製造方法
CN107974666A (zh) 一种快速测定时序式ALD制程的ALD-window的方法
JP6876892B2 (ja) 酸化イットリウム膜
Wang et al. Chemical Vapor Deposition and Its Application in VO2 Synthesis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20190903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200310