JP2019070174A - 接合用ペースト及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

接合用ペースト及びそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材を高い接合強度で接合することが可能な接合用ペーストを提供すること。【解決手段】表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、Sn含有率が40〜75at%の第一のBi−Sn合金粒子と、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子と、Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種のZn系粒子と、有機溶媒と、を含有し、全金属粒子に対して、前記第一のBi−Sn合金粒子の含有量が10〜20質量%であり、前記第二のBi−Sn合金粒子含有量が5〜15質量%であり、前記Zn系粒子の含有量が15〜25質量%である、ことを特徴とする接合用ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、接合用ペースト及びそれを用いた半導体装置に関し、より詳しくは、Bi−Sn合金粒子を含有する接合用ペースト及びそれを用いた半導体装置に関する。
半導体素子の電極接合などにおいては、従来、Sn−Pb系はんだが用いられていたが、近年、環境保全の観点から、鉛フリーはんだといった新規な接合材料が求められている。また、半導体素子の接合技術においては、半導体素子への負荷を低減するために、低温での接合が可能な材料が求められている。さらに、Ag、Cu、Niなどの金属微粒子は、粒径がナノメートルサイズまで小さくなると、その融点よりはるかに低い温度で焼結させることが可能となるため、半導体素子の低温接合などへの応用が期待されている。
しかしながら、このような金属微粒子は、表面が高活性であり、凝集しやすいため、通常、界面活性剤やポリマーなどで被覆して分散安定性を確保している。このため、このような金属微粒子を用いて半導体素子の接合を行う際に加熱処理を施すと、金属微粒子が焼結するとともに界面活性剤やポリマーなどの被膜が分解され、ガスが発生し、金属微粒子間に空隙が生じる。その結果、無加圧や低温では焼結組織が密にならず、十分に高い接合強度が得られなかった。
一方、特開2015−986号公報(特許文献1)には、不可避不純物を除いてSn−Bi合金及びCu及びZnで構成され、Sn−Bi合金の含有率、Cuの含有率、及びZnの含有率が所定の関係を満たす接合材料が記載されており、この接合材料を用いることにより、固相温度が200℃以下の低融点相を短時間で消失させることができ、高い耐熱性を有する接合構造を提供できることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の接合材料を用いて接合すると、Sn−Bi合金が溶融する際に、SnとCuとの間で優先的に化学反応が起こり、金属間化合物が生成したり、ボイドが生成したりするため、接合界面において十分な接合強度が得られないという問題があった。
また、特開2017−101313号公報(特許文献2)には、第1金属微粒子(例えば、Cu微粒子)と、この第1金属微粒子の表面に配置され、加熱により前記表面から脱離することが可能な有機被膜とを備える表面被覆金属微粒子、及び、前記第1金属微粒子表面からの前記有機被膜の脱離開始温度より低い液相生成温度を有し、かつ、前記第1金属微粒子に含まれる金属との反応により金属間化合物を形成することが可能な金属を含む第2金属粒子を含有する接合材料が記載されており、この接合材料においては、前記第1金属微粒子の表面が有機被膜で覆われているため、前記脱離開始温度未満の温度での加熱では、前記第1金属と前記第2金属との反応が抑制され、前記脱離開始温度以上の温度での加熱では、前記有機被膜が脱離し、前記第1金属と前記第2金属とが反応して金属間化合物が生成するため、接合強度に優れた接合層が形成されることが記載されている。
特開2015−986号公報 特開2017−101313号公報
しかしながら、特許文献2に記載の接合材料として、例えば、前記第1金属微粒子がCu微粒子であり、前記第2金属粒子がBi−Sn合金粒子である接合材料を用いた場合であっても、前記Bi−Sn合金粒子が融解して液相が形成される際に、CuとSnとの反応が十分に抑制されずに進行し、液相中のBi−Sn合金の組成が変化(Snの割合が減少)する場合があり、その結果、前記Bi−Sn合金からなる液相は、流動性の低下により濡れ性が低下し、さらに、Biが濃化して界面付近に偏析するため、高い接合強度を有する接合層が得られないという問題があることを本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、金属部材を高い接合強度で接合することが可能な接合用ペースト、及びそれを用いて接合された半導体素子と半導体用基板とを備える半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属部材を接合する際に、表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、Sn含有率が40〜75at%の第一のBi−Sn合金粒子と、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子と、Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種のZn系粒子と、有機溶媒とを含有し、全金属粒子に対して、前記第一のBi−Sn合金粒子の含有量が10〜20質量%であり、前記第二のBi−Sn合金粒子含有量が5〜15質量%であり、前記Zn系粒子の含有量が15〜25質量%である、接合用ペーストを用いることによって、金属部材を高い接合強度で接合できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の接合用ペーストは、表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、Sn含有率が40〜75at%の第一のBi−Sn合金粒子と、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子と、Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種のZn系粒子と、有機溶媒と、を含有し、
全金属粒子に対して、前記第一のBi−Sn合金粒子の含有量が10〜20質量%であり、前記第二のBi−Sn合金粒子含有量が5〜15質量%であり、前記Zn系粒子の含有量が15〜25質量%である、
ことを特徴とするものである。
このような本発明の接合用ペーストにおいては、前記第一のBi−Sn合金粒子の液相線温度が150℃以下であることが好ましく、前記第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度が170〜220℃であることが好ましく、全ての金属粒子の粒子径が10nm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の半導体装置は、半導体素子、半導体用基板、及び前記本発明の接合用ペーストにより形成され、前記半導体素子と前記半導体用基板とを接合している接合層を備えていることを特徴とするものである。
なお、本発明における「液相線温度」は、Bi−Sn合金の平衡状態図(例えば、Springer Materials Databaseに収録されたもの)において、Bi−Sn合金の所定の組成における液相線上の温度である。
また、本発明の接合用ペーストによって高い接合強度が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の接合用ペーストを用いて形成した接合用ペースト層を加熱すると、第一のBi−Sn合金粒子が融解して液相が形成される。このとき、特許文献2に記載の接合材料と同様に、CuとSnとの反応が十分に抑制されずに進行して液相中のBi−Sn合金の組成が変化(Snの割合が減少)する。しかしながら、本発明の接合用ペーストには、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子が含まれているため、この第二のBi−Sn合金粒子からBi−Sn合金からなる液相にSnが補填され、液相中のBi−Sn合金の組成が維持される。その結果、前記Bi−Sn合金からなる液相は、流動性の低下が抑制されることにより接合時の濡れ性が維持され、さらに、Biの濃化による界面付近への偏析も抑制されるため、高い接合強度を有する接合層が得られると推察される。また、本発明の接合用ペーストには、Zn系粒子が含まれており、このZn系粒子がBi−Sn合金の融点を低下させるため、接合時の濡れ性が向上し、高い接合強度を有する接合層が得られると推察される。
本発明によれば、金属部材を高い接合強度で接合することが可能な接合用ペースト、及びそれを用いて接合された半導体素子と半導体用基板とを備える半導体装置を提供することが可能となる。
Bi−Sn合金の平衡状態図である。 本発明の接合用ペーストを用いた接合方法における温度プロファイルの一例を示すグラフである。 本発明の半導体装置の一実施態様の縦断面を示す模式図である。 実施例及び比較例で作製した接合体(半導体装置)の縦断面を示す模式図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の接合用ペーストについて説明する。本発明の接合用ペーストは、表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、Sn含有率が40〜75at%の第一のBi−Sn合金粒子と、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子と、Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種のZn系粒子と、有機溶媒と、を含有するものである。表面に有機被膜を有するCuナノ粒子に、第一のBi−Sn合金粒子と第二のBi−Sn合金粒子とを併用して添加し、さらに、前記Zn系粒子を添加することによって、接合強度が向上する。また、導電性や熱伝導性、耐熱性も向上する傾向にある。
(表面に有機被膜を有するCuナノ粒子)
本発明に用いられる表面に有機被膜を有するCuナノ粒子(以下、単に「有機被膜を有するCuナノ粒子」ともいう)は、Cuナノ粒子と、このCuナノ粒子の表面に配置された有機被膜とを備えるものである。
本発明にかかるCuナノ粒子においては、粒子径が10nm〜1μmの範囲内にあることが好ましく、50〜300nmの範囲内にあることがより好ましい。Cuナノ粒子の粒子径が前記下限未満になると、Cuナノ粒子が酸化されやすく、接合に不向きとなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、Cu粒子同士の焼結が進行しにくくなるため、接合強度が低くなる傾向にある。なお、Cuナノ粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。
また、本発明にかかる有機被膜は、第一のBi−Sn合金粒子を融解させて液相を形成する際にCuとSnとの反応及びCuの酸化を抑制するとともに、Cuナノ粒子の凝集を抑制する機能を備えるものである。また、この有機被膜は、Cuナノ粒子を焼結させる際に、この焼結を阻害しないように、例えば、150〜300℃(より好ましくは、200〜250℃)の温度での加熱により脱離することが可能なものであることが好ましい。有機被膜がCuナノ粒子から脱離する温度が前記下限未満になると、第一のBi−Sn合金粒子が融解する前に有機被膜がCuナノ粒子から脱離するため、Bi−Sn合金からなる液相が形成される前にCuナノ粒子が焼結する場合があり、他方、有機被膜がCuナノ粒子から脱離する温度が前記上限を超えると、接合時の加熱温度(有機被膜を脱離させ、Cuナノ粒子を焼結させるために加熱する際の温度)を高温にする必要があり、例えば、信頼性の高い半導体装置を製造することが困難となる場合がある。なお、有機被膜がCuナノ粒子から脱離する温度は、有機被膜を有するCuナノ粒子について、ArやN等の不活性ガス雰囲気下で熱重量分析を行うことによって測定することができる。
このような有機被膜としては、例えば、脂肪酸(好ましくは炭素数8〜18、より好ましくは炭素数8〜16、特に好ましくは炭素数8〜14)及び脂肪族アミン(好ましくは炭素数8〜18、より好ましくは炭素数8〜16、特に好ましくは炭素数8〜14)を含有する有機被膜が挙げられる。このような有機被膜における脂肪族アミンと脂肪酸とのモル比(脂肪族アミン/脂肪酸)としては、0.001/1〜2/1が好ましく、0.001/1〜0.15/1がより好ましく、0.001/1〜0.1/1が特に好ましい。脂肪族アミンの割合が前記下限未満になると、Cuナノ粒子の表面に有機被膜が安定に存在せず、Cuナノ粒子が凝集しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、有機被膜を脱離させるために前記上限を超える温度での加熱が必要になる傾向にある。
このような本発明に用いられる有機被膜を有するCuナノ粒子は、例えば、特開2012−46779号公報に記載の方法、すなわち、Cu塩であってアルコール系溶媒に不溶なものを、アルコール系溶媒中、脂肪酸及び脂肪族アミンの共存下で、還元せしめることによってCuナノ粒子を生成させ、かつ、このCuナノ粒子の表面に前記脂肪酸及び前記脂肪族アミンを含有する有機被膜を形成させる方法によって調製することができる。
(第一のBi−Sn合金粒子)
本発明に用いられる第一のBi−Sn合金粒子は、Sn含有率が40〜75at%のBi−Sn合金粒子である。このようなSn含有率を有する第一のBi−Sn合金粒子を用いることによって、低い温度(例えば、有機被膜がCuナノ粒子から脱離しない温度)で第一のBi−Sn合金粒子を融解してBi−Sn合金からなる液相を形成することが可能となる。また、Cuナノ粒子が焼結する前にBi−Sn合金からなる液相が形成されるため、前記液相中にCuナノ粒子が均一に分散され、接合用ペースト層内においてCuナノ粒子の焼結を均一に行うことができ、高い接合強度を有する接合層が得られる。一方、Sn含有率が前記下限未満になる、或いは前記上限を超えると、第一のBi−Sn合金粒子を融解させるために、より高温で加熱する必要があり、その結果、第一のBi−Sn合金粒子が融解する前に有機被膜がCuナノ粒子から脱離するため、Bi−Sn合金からなる液相が形成される前にCuナノ粒子が焼結し、Cuナノ粒子が前記液相中に均一に分散されず、接合強度が低くなる傾向にある。また、より低い温度で第一のBi−Sn合金粒子を融解することができるという観点から、第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率としては、50〜65at%が好ましい。
また、本発明に用いられる第一のBi−Sn合金粒子においては、液相線温度が150℃以下であることが好ましい。液相線温度が150℃以下になると、低い温度(例えば、有機被膜がCuナノ粒子から脱離しない温度)で第一のBi−Sn合金粒子を融解してBi−Sn合金からなる液相を形成することが可能となる。また、Cuナノ粒子が焼結する前にBi−Sn合金からなる液相が形成されるため、前記液相中にCuナノ粒子が均一に分散され、接合用ペースト層内においてCuナノ粒子の焼結を均一に行うことができ、高い接合強度を有する接合層が得られる。一方、液相線温度が前記上限を超えると、第一のBi−Sn合金粒子を融解させるために、より高温で加熱する必要があり、その結果、第一のBi−Sn合金粒子が融解する前に有機被膜がCuナノ粒子から脱離するため、Bi−Sn合金からなる液相が形成される前にCuナノ粒子が焼結し、Cuナノ粒子が前記液相中に均一に分散されず、接合強度が低くなる傾向にある。なお、Bi−Sn合金粒子の液相線温度は、Bi−Sn合金の平衡状態図(図1)から求めることができ、Bi−Sn合金の所定の組成における液相線上の温度である。
このような第一のBi−Sn合金粒子の粒子径としては、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。第一のBi−Sn合金粒子の粒子径が前記下限未満になると、第一のBi−Sn合金粒子が酸化されやすく、接合強度が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合用ペーストの印刷性や塗工性が低下する傾向にある。なお、第一のBi−Sn合金粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。
(第二のBi−Sn合金粒子)
本発明に用いられる第二のBi−Sn合金粒子は、前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有するBi−Sn合金粒子である。このようなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子を用いることによって、第一のBi−Sn合金粒子が融解する際に、Cuナノ粒子のCuと第一のBi−Sn合金粒子のSnとが反応して、Bi−Sn合金からなる液相中の組成が変化(Snの割合が減少)した場合であっても、この第二のBi−Sn合金粒子から前記液相中にSnが補填されるため、液相中のBi−Sn合金の組成が維持される。その結果、前記Bi−Sn合金からなる液相は、流動性の低下が抑制されることにより接合時の濡れ性が維持され、さらに、Biの濃化による界面付近への偏析も抑制されるため、高い接合強度を有する接合層が得られる。
このような第二のBi−Sn合金粒子のSn含有率としては、80〜98at%が好ましく、90〜95at%がより好ましい。このようなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子は、第一のBi−Sn合金粒子に比べて液相線温度が高いため、第一のBi−Sn合金粒子が融解して形成された液相へのSnの供給源としてより確実に機能することができる。一方、第二のBi−Sn合金粒子のSn含有率が前記下限未満になると、第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度が第一のBi−Sn合金粒子と同程度になるため、第一のBi−Sn合金粒子と同時に融解してBi−Sn合金からなる液相を形成しやすく、Snの供給源として十分に機能しない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、液相が粒子内部で生成しにくいため、第一のBi−Sn合金粒子が融解して形成された液相へのSnの供給が速やかに行われない傾向にある。
また、本発明に用いられる第二のBi−Sn合金粒子においては、液相線温度が170〜220℃以下であることが好ましく、180〜200℃であることがより好ましい。第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度が前記下限未満になると、第一のBi−Sn合金粒子と同時に融解してBi−Sn合金からなる液相を形成しやすく、Snの供給源として十分に機能しない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、液相が粒子内部で生成しにくいため、第一のBi−Sn合金粒子が融解して形成された液相へのSnの供給が速やかに行われない傾向にある。なお、Bi−Sn合金粒子の液相線温度は、Bi−Sn合金の平衡状態図(図1)から求めることができ、Bi−Sn合金の所定の組成における液相線上の温度である。
このような第二のBi−Sn合金粒子の粒子径としては、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。第二のBi−Sn合金粒子の粒子径が前記下限未満になると、第二のBi−Sn合金粒子が酸化されやすく、接合強度が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合用ペーストの印刷性や塗工性が低下する傾向にある。なお、第二のBi−Sn合金粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。
(Zn系粒子)
本発明に用いられるZn系粒子は、Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子である。このようなZn系粒子を用いることによって、Bi−Sn合金の融点を低下させることができ、液相化したBi−Sn合金を接合層内部で流動化させる機能を有するものである。前記Zn合金としては、例えば、Zn−Al−Cu−Mg(ザマック)、Zn−Cu合金、Zn−Sn合金等が挙げられる。
このようなZn系粒子の粒子径としては、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。Zn系粒子の粒子径が前記下限未満になると、Zn系粒子が酸化されやすく、接合強度が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合用ペーストの印刷性や塗工性が低下する傾向にある。なお、Zn系粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。
(有機溶媒)
本発明に用いられる有機溶媒としては、従来の接合用ペーストに用いられるものを採用することができるが、印刷性や塗工性の観点から、高沸点溶媒が好ましく、中でも、α−テルピネオール等のモノテルペンアルコール、1−デカノール、グリセリン等の脂肪族アルコールがより好ましい。
〔接合用ペースト〕
本発明の接合用ペーストは、表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、第一のBi−Sn合金粒子と、第二のBi−Sn合金粒子と、前記Zn系粒子と、前記有機溶媒とを含有するものである。
第一のBi−Sn合金粒子の含有量は、全金属粒子の含有量に対して、10〜20質量%である。第一のBi−Sn合金粒子の含有量が前記下限未満になると、接合時の濡れ性が低下し、接合強度が低くなり、他方、前記上限を超えると、Biが偏析して接合強度が低くなる。
第二のBi−Sn合金粒子の含有量は、全金属粒子の含有量に対して、5〜15質量%である。第二のBi−Sn合金粒子の含有量が前記下限未満になると、減少したSnを十分に補填することができず、接合強度の低下を抑制することが困難となり、他方、前記上限を超えると、接合層中に多量のボイドが発生し、接合強度が低くなる。
前記Zn系粒子の含有量は、全金属粒子の含有量に対して、15〜20質量%である。Zn系粒子の含有量が前記下限未満になると、Bi−Sn合金の融点を十分に低下させることができず、低温での接合が困難となり、他方、前記上限を超えると、接合層が脆くなり、接合強度が低くなる。
このような本発明の接合用ペーストにおいては、全ての金属粒子の粒子径が10nm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。金属粒子の粒子径が前記下限未満になると、金属粒子が酸化されやすく、接合強度が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合用ペーストの印刷性や塗工性が低下する傾向にある。
(第三の金属粒子)
また、本発明の接合用ペーストにおいては、Cuナノ粒子、第一のBi−Sn合金粒子及び第二のBi−Sn合金粒子とは異なる金属を含む第三の金属粒子を更に含有していてもよい。これにより、200℃以上の高温に曝された場合でも高い接合強度を有する接合層を形成することが可能となる。なお、本発明の接合用ペーストが第三の金属粒子を更に含有することによって、高温に曝された場合でも高い接合強度を有する接合層を形成することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、有機被膜を有するCuナノ粒子、第一のBi−Sn合金粒子及び第二のBi−Sn合金粒子を含有する接合用ペーストに第三の金属粒子を添加すると、第三の金属粒子が、Bi−Sn合金のBiを捕捉して金属部材と接合層との間へのBiの偏析を抑制するため、Biが接合層内に均一に分散して存在し、その結果、接合層が高温に曝された場合でも、Biの拡散や機械的な脆さに起因する接合層の劣化が起こりにくくなり、高い接合強度を有する接合層が形成されると推察される。
このような第三の金属粒子の粒子径は1nm〜100μmの範囲内にあることが好ましい。前記下限未満の粒子径を有する金属粒子を得ることが困難であり、他方、前記上限を超える粒子径を有する第三の金属粒子を用いると、接合用ペーストの印刷性や塗工性が低下する傾向にある。なお、第三の金属粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。
このような第三の金属粒子の含有量としては、全金属粒子に対して0.01〜20質量が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。第三の金属粒子の含有量が前記下限未満になると、高温に曝された場合の接合層の接合強度の低下を十分に抑制できない場合があり、他方、前記上限を超えると、接合強度が低下する傾向にある。
また、このような第三の金属粒子を構成する金属としては、Ni、Ag、Zn、Al、Ptが好ましく、Ag、Niがより好ましい。これらの金属は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、2種以上の金属を使用する場合、第三の金属粒子としては、2種以上の金属の合金からなるものであってもよいし、2種以上の金属粒子の混合物であってもよい。
〔接合方法〕
本発明の接合用ペーストは、例えば、以下の金属部材の接合に適用することができる。すなわち、先ず、第一の金属部材と、第二の金属部材と、前記第一の金属部材及び第二の金属部材の表面に接触している、前記本発明の接合用ペーストを用いて形成された接合用ペースト層とを備える積層体を形成する。次に、接合用ペースト層を加熱して第一のBi−Sn合金からなる液相を形成せしめ、さらに、前記液相を含有する接合用ペースト層を加熱して、Cuナノ粒子を焼結せしめるとともに、CuとSnとを反応させて金属間化合物を生成せしめて接合層を形成せしめる。これにより、第一の金属部材と第二の金属部材とを接合層を介して高い接合強度で接合せしめることができる。
このような金属部材の接合において、前記積層体を形成する方法としては特に制限はないが、例えば、第一の金属部材の表面に本発明の接合用ペーストを印刷又は塗工し、形成した接合用ペースト層の表面に第二の金属部材を配置する方法;第一の金属部材の表面に本発明の接合用ペーストを用いて成形したシート(以下、「接合用シート」という。)を積層し、この接合用シートの表面に第二の金属部材を積層する方法;接合用シートを第一の金属部材及び第二の金属部材で挟持する方法等が挙げられる。
第一の金属部材としては、表面が金属のものであれば特に制限はないが、例えば、Cu板(例えば、半導体用基板)、表面に金属を貼り付けたセラミック板、Cu合金やNi合金等の合金板が挙げられる。また、第二の金属部材としては、表面が金属のものであれば特に制限はないが、例えば、半導体素子(Siチップ、SiCチップ、GaNチップ)、金属板(Cu板、Ni板、Al板)が挙げられる。
また、第一の金属部材の表面の接合用ペースト層が接触している領域及び第二の金属部材の表面の接合用ペースト層が接触している領域のうちの少なくとも一方には、Bi及びSnのうちの少なくとも一方との反応により金属間化合物(好ましくは、融点が250℃以上の金属間化合物)を生成することが可能な金属が含まれていることが好ましい。これにより、第一の金属部材や第二の金属部材と接合層との接合強度が向上し、さらに、融点が250℃以上の金属間化合物を生成し得る金属を含む場合には、接合層の耐熱性も向上する傾向にある。このようなBi及びSnのうちの少なくとも一方との反応により金属間化合物を生成することが可能な金属としては、Au、Ag、Cu、Niが挙げられる。このような金属は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、2種以上の金属を使用する場合、合金を形成していてもよい。
また、前記金属部材の接合において、接合用ペースト層の加熱条件としては特に制限はないが、例えば、第一の金属部材/接合用ペースト層/第二の金属部材からなる前記積層体を、図2に示す温度プロファイルに従って加熱して、先ず、Bi−Sn合金からなる液相を形成させ、次いで、Cuナノ粒子を焼結させるとともに、CuとSnとを反応させて金属間化合物を生成させることが好ましい。これにより、高い接合強度を有する接合層(より好ましくは、導電性、熱伝導性にも優れた接合層)を形成することができる。
すなわち、先ず、接合用ペースト層を、第一のBi−Sn合金粒子の液相線温度以上かつ有機被膜がCuナノ粒子から脱離しない温度で加熱する。これにより、Cuナノ粒子が焼結する前に、第一のBi−Sn合金粒子が融解されてBi−Sn合金からなる液相が形成される。このとき、Cuナノ粒子は、表面が有機被膜によって覆われているため、前記液相中で凝集しにくく、Bi−Sn合金からなる液相中に有機被膜を有するCuナノ粒子が均一に分散している接合用ペースト層が形成される。なお、このようにして形成された接合用ペースト層においては、Cuナノ粒子のCuとBi−Sn合金からなる液相中のSnとの反応が十分に抑制されずに進行して前記液相中のBi−Sn合金の組成が変化(Snの割合が減少)するが、本発明の接合用ペーストを用いることによって、第二のBi−Sn合金粒子から前記液相にSnが補填されるため、液相中のBi−Sn合金の組成は維持される。その結果、前記Bi−Sn合金からなる液相は、流動性の低下が抑制されることにより接合時の濡れ性が維持され、さらに、Biの濃化による界面付近への偏析も抑制されるため、高い接合強度を有する接合層が得られる。また、第二のB8i−Sn合金粒子の内部に液相が生成し、第一のBi−Sn合金粒子が融解されて形成した前記液相に第二のBi−Sn合金粒子からSnがより確実に補填されるという観点から、第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度より25℃低い温度(第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度−25℃)以上かつ有機被膜がCuナノ粒子から脱離しない温度で接合用ペースト層を加熱することが好ましい。
次に、このようにして形成したBi−Sn合金からなる液相を含有する接合用ペースト層を、有機被膜がCuナノ粒子から脱離する温度で加熱する。これにより、Cuナノ粒子の表面から有機被膜が脱離して、Cuナノ粒子が焼結するとともに、CuとSnとが反応して金属間化合物が生成する。接合用ペースト層においては、Bi−Sn合金からなる液相中にCuナノ粒子が均一に分散しているため、Cuナノ粒子の焼結や金属間化合物の生成が接合用ペースト層内で均一に起こり、高い接合強度を有する接合層(より好ましくは、導電性、熱伝導性にも優れた接合層)を形成することができる。また、接合用ペースト層に第三の金属粒子が含まれている場合には、200℃以上の高温に曝された場合でも高い接合強度を有する接合層が形成される。これは、第三の金属粒子が、Biを捕捉して金属部材と接合層との間へのBiの偏析を抑制するため、Biが均一に分散している接合用ペースト層が形成され、高温に曝された場合でも、Biの拡散や機械的な脆さに起因する接合層の劣化が起こりにくくなるためと推察される。
また、第一の金属部材及び第二部材のうちの少なくとも一方として、表面の接合用ペースト層との接触領域にBi及びSnのうちの少なくとも一方との反応により金属間化合物を形成することが可能な金属を含むものを使用した場合には、この加熱処理によって、前記接触領域に含まれる前記金属とBi及びSnのうちの少なくとも一方とが反応して更に金属間化合物が生成し、接合強度が更に向上した接合層が形成される。
第一のBi−Sn合金粒子の液相線温度(好ましくは、第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度より25℃低い温度(第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度−25℃))以上かつ有機被膜がCuナノ粒子から脱離しない温度での加熱処理と、有機被膜がCuナノ粒子から脱離する温度での加熱処理とは、それぞれの加熱処理での温度を一定に保って段階的(例えば、2段階)に行なってもよいし、連続的に温度上昇させて連続的に行なってもよい。
〔半導体装置〕
次に、本発明の半導体装置について説明する。本発明の半導体装置は、半導体素子、半導体用基板、及び前記本発明の接合用ペーストにより形成され、前記半導体素子と前記半導体用基板とを接合している接合層を備えるものである。図3には、本発明の半導体装置の一例を示す。1はSiCチップ、2は配線板、3はリードフレーム、4はボンディングワイヤ、5は接合層を示す。このような半導体装置は、上述した接合方法において、第一の金属部材として半導体用基板、第二の金属部材として半導体素子を用いることによって製造することができる。このようにして製造される本発明の半導体装置は、半導体素子と半導体用基板との間の接合強度に優れている。特に、半導体素子及び半導体用基板のうちの少なくとも一方(好ましくは、両方)として、表面の前記接合層との接触領域に、Bi及びSnのうちの少なくとも一方と反応して金属間化合物を形成することが可能な金属を含むものを使用した場合には、半導体素子と半導体用基板との間の接合強度が更に向上した半導体装置を製造することができる。また、半導体素子及び半導体用基板のうちの少なくとも一方(好ましくは、両方)として、表面の前記接合層との接触領域に、Bi及びSnのうちの少なくとも一方と反応して融点が250℃以上の金属間化合物を形成することが可能な金属を含むものを使用した場合には、耐熱性が更に優れた半導体装置を製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、Bi−Sn合金の液相線温度及び接合強度は以下の方法により求めた。また、表面に有機被膜を有するCuナノ粒子は伊香の方法により調製した。
(1)液相線温度
Springer Materials Databaseに収録されているBi−Sn合金の平衡状態図において、Bi−Sn合金の所定の組成における液相線上の温度を液相線温度とした。
(2)接合強度
ツール高さ:Cu板のAg層表面から50μm、せん断速度:50μm/秒の条件で、SiCチップにせん断ツールを当ててせん断試験を行い、SiCチップの接合面積あたりのせん断強度を求め、これを接合強度とした。
(調製例1)
表面に有機被膜を有するCuナノ粒子は、特開2012−46779号公報に記載の方法に従って調製した。すなわち、フラスコにエチレングリコール(HO(CHOH)600mlを入れ、これに炭酸銅(CuCO・Cu(OH)・HO)120mmolを添加した。なお、炭酸銅はエチレングリコールにほとんど溶解せずに沈殿した。これに、デカン酸(C19COOH)180mmolおよびデシルアミン(C1021NH)60mmolを添加した後、窒素ガスを1L/minで流しながら、エチレングリコールの沸点で1時間加熱還流させ、表面にデカン酸及びデシルアミンからなる有機被膜を有するCuナノ粒子を得た。この有機被膜を有するCuナノ粒子をヘキサン中に分散させて回収し、アセトンおよびエタノールを順次添加して洗浄した後、遠心分離(3000rpm、20min)により回収し、真空乾燥(35℃、30min)を施した。
得られた有機被膜を有するCuナノ粒子をトルエンに分散させ、この分散液をエラスチックカーボン支持膜(高分子材料膜(15〜20nm厚)+カーボン膜(20〜25nm厚))付きCuマイクログリッド(応研商事(株)製)上に滴下した後、自然乾燥させて観察用試料を作製した。この観察用試料を、透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子(株)製「JEM−2000EX」)を用いて加速電圧200kVで観察した。このTEM観察において、無作為に200個のCuナノ粒子を抽出し、それらの粒子径を測定したところ、50〜300nmの範囲内にあり、その平均粒子径は230nmであった。
また、熱重量分析装置(株式会社リガク製)を用いて、Ar又はNの不活性ガス雰囲気下、室温から500℃まで20℃/分で昇温しながら、得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の熱重量分析(TG分析)を行なった。得られたTG曲線における有機被膜の脱離(分解)に起因する質量減少から、前記有機被膜は210℃以上の温度でCuナノ粒子から脱離することが確認された。
(実施例1)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子と、第一のBi−Sn合金粒子としてSn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(株式会社高純度化学研究所製、液相線温度:139℃、粒子径:38μm未満)と、第二のBi−Sn合金粒子としてSn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(株式会社高純度化学研究所製、液相線温度:220℃、粒子径:38μm未満)と、Zn粒子(株式会社高純度化学研究所製、粒子径:約7μm)とを、各金属粒子の含有量が55質量%、15質量%、10質量%、20質量%となるように混合し、得られた混合金属粒子1gに対して70μlの割合で1−デカノール(和光純薬工業株式会社製)を滴下して撹拌し、1−デカノール中に混合金属粒子を分散させて接合用ペーストを調製した。
次に、表面側からAg層(厚さ:100nm)/Ni層(厚さ:1μm)/Ti層(厚さ:100nm)の構造を有する多層膜を表面に形成したCu板(20mm×20mm×3mm)のAg層表面中央部の所定の領域(5mm×5mm)に、前記接合用ペーストを厚さが100μmとなるように塗布した。得られた接合用ペースト層の上に、表面側からAg層(厚さ:100nm)/Ni層(厚さ:1μm)/Ti層(厚さ:100nm)の構造を有する多層膜を裏面に形成したSiCチップ(5mm×5mm×0.35mm)を、接合用ペースト層とAg層とが接するように積層した。
得られた積層体の接合面に面圧が500kPaとなるように一軸荷重を印加しながら、100vol%H雰囲気中、200℃で20分間及び350℃で5分間の2段階の加熱処理を前記積層体に施して、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。図4中、1はSiCチップ、5は接合層、6はCu板、7はAg層/Ni層/Ti層の構造を有する多層膜を示す。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
第二のBi−Sn合金粒子としてSn含有率が84at%のBi−Sn合金粒子(株式会社高純度化学研究所製、液相線温度:193℃、粒子径:38μm未満)を用いた以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の含有量を60質量%に、Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を5質量%にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の含有量を70質量%に、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)の含有量を30質量%に変更し、Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)及びZn粒子を用いなかった以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の含有量を70質量%に、Sn含有率が84at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を30質量%に変更し、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)及びZn粒子を用いなかった以外は、実施例2と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)の含有量を25質量%に変更し、Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例4)
Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を25質量%に変更し、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例5)
Sn含有率が84at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を25質量%に変更し、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例6)
Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の代わりにSn粒子(アルドリッチ社製、融点:271℃、粒子径:10μm)を10質量%の割合で用いた以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例7)
有機被膜を有するCuナノ粒子の代わりに有機被膜のないCu粒子(株式会社高純度化学研究所製、粒子径:1μm)を55質量%の割合で用いた以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例8)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の含有量を70質量%に、Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を25質量%に、Zn粒子の含有量を5質量%に変更し、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
(比較例9)
調製例1で得られた有機被膜を有するCuナノ粒子の含有量を45質量%に、Sn含有率が94at%のBi−Sn合金粒子(第二のBi−Sn合金粒子)の含有量を25質量%に、Zn粒子の含有量を30質量%に変更し、Sn含有率が57at%のBi−Sn合金粒子(第一のBi−Sn合金粒子)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして接合用ペーストを調製し、図4に示す接合体(半導体装置)を作製した。得られた接合体のSiCチップ1とCu板6との接合強度を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明の接合用ペーストを用いた場合(実施例1〜3)は、本発明にかかる第二のBi−Sn合金粒子及びZn系粒子を含んでいない接合用ペーストを用いた場合(比較例1)、本発明にかかる第一のBi−Sn合金粒子及びZn系粒子を含んでいない接合用ペーストを用いた場合(比較例2)、本発明にかかる第二のBi−Sn合金粒子を含んでいない接合用ペーストを用いた場合(比較例3)、本発明にかかる第一のBi−Sn合金粒子を含んでいない接合用ペーストを用いた場合(比較例4、5)、本発明にかかる第二のBi−Sn合金粒子の代わりにSn粒子を含んでいる接合用ペーストを用いた場合(比較例6)、本発明にかかる有機被膜を有するCuナノ粒子の代わりに有機被膜のないCuナノ粒子含んでいる接合用ペーストを用いた場合(比較例7)、本発明にかかる第一のBi−Sn合金粒子を含んでおらず、かつ、Zn系粒子の含有量が本発明にかかる範囲内にない接合用ペーストを用いた場合(比較例8、9)に比べて、高い接合強度で接合できることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、金属部材を高い接合強度で接合することが可能となる。したがって、本発明の接合用ペーストは、半導体装置を製造する際に、半導体素子と半導体用基板とを高い接合強度で接合することが可能な接合材料等として有用である。
1:SiCチップ
2:配線板
3:リードフレーム
4:ボンディングワイヤ
5:接合層
6:Cu板
7:Ag層/Ni層/Ti層の構造を有する多層膜

Claims (5)

  1. 表面に有機被膜を有するCuナノ粒子と、
    Sn含有率が40〜75at%の第一のBi−Sn合金粒子と、
    前記第一のBi−Sn合金粒子のSn含有率よりも大きなSn含有率を有する第二のBi−Sn合金粒子と、
    Zn粒子及びZn合金粒子からなる群から選択される少なくとも1種のZn系粒子と、
    有機溶媒と、
    を含有し、
    全金属粒子に対して、前記第一のBi−Sn合金粒子の含有量が10〜20質量%であり、前記第二のBi−Sn合金粒子含有量が5〜15質量%であり、前記Zn系粒子の含有量が15〜25質量%である、
    ことを特徴とする接合用ペースト。
  2. 前記第一のBi−Sn合金粒子の液相線温度が150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の接合用ペースト。
  3. 前記第二のBi−Sn合金粒子の液相線温度が170〜220℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合用ペースト。
  4. 全ての金属粒子の粒子径が10nm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の接合用ペースト。
  5. 半導体素子、半導体用基板、及び請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の接合用ペーストにより形成され、前記半導体素子と前記半導体用基板とを接合している接合層を備えていることを特徴とする半導体装置。
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