JP2019069222A - 吸収性物品の個包装体、及び個包装体の製造方法 - Google Patents

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Toshihisa Hayashi
俊久 林
隆宏 植田
Takahiro Ueda
隆宏 植田
あゆみ 盛岡
Ayumi Morioka
あゆみ 盛岡
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Taro Iritono
太朗 入戸野
ベイベイ スー
Beibei Su
ベイベイ スー
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Abstract

【課題】揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる吸収性物品の個包装体を提供すること。【解決手段】長手方向L及び幅方向Wを有し且つ長手方向Lに折り畳まれた吸収性物品2と、収納空間3に吸収性物品2を収納する包装体4とを含む、吸収性物品の個包装体1であって、包装体4が、包装シート5を、吸収性物品2と一緒に1以上の折軸を基点に折り畳むことにより収納空間3を形成するとともに、折り畳まれた包装シート5を、長手方向Lの両側部において、長手方向Lにシールすることにより形成された、一対のシール領域6を有し、一対のシール領域6のそれぞれが、長手方向Lに間欠的に配置された、複数のシール部7を含み、包装シート5が、所定の酸素透過度を有し、そして包装体4が、収納空間3に、揮発性成分と、揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液を含むことを特徴とする個包装体1。【選択図】図1

Description

本開示は、吸収性物品の個包装体、及び吸収性物品の個包装体の製造方法に関する。
生理用ナプキン、パンティーライナー、紙オムツ等の吸収性物品を、1つずつ包装シートで包むことにより個包装化された、吸収性物品の個包装体が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。吸収性物品を個包装化することにより、吸収性物品を1つずつ、簡易に且つ衛生的に持ち運ぶことができる。
また、揮発性物質を含む、吸収性物品の個包装体が知られている。例えば、特許文献3では、包装シートが、中間層として、揮発性物質の透過性の低いバリア層を含むことにより、個包装体が保持する揮発性物質の揮発が抑制される。
特開平9−10257号公報 特開平9−10258号公報 特表2007−525245号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の吸収性物品の個包装体では、包装体の気密性が不十分であり、吸収性物品が香料等の揮発性成分を含む場合には、保管中に揮発性成分が揮発し、使用時に揮発性成分の効能がなくなるか、又は低下する。
特許文献3に記載の吸収性物品の個包装体では、包装体の気密性が高く、揮発性成分が揮発しにくいが、シール部分においてバリア層同士が融着し、個包装体の開封性に劣ることが多かった。
従って、本開示は、揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる吸収性物品の個包装体を提供することを目的とする。
本開示者らは、長手方向及び幅方向を有し且つ当該長手方向に折り畳まれた吸収性物品と、収納空間を備え、上記収納空間に上記吸収性物品を収納する包装体とを含む、吸収性物品の個包装体であって、上記包装体が、上記包装体を構成する包装シートを、上記吸収性物品と一緒に1以上の折軸を基点に折り畳むことにより上記収納空間を形成するとともに、折り畳まれた上記包装シートを、上記長手方向の両側部において、上記長手方向にシールすることにより形成された、一対のシール領域を有し、上記一対のシール領域のそれぞれが、上記長手方向に間欠的に配置された、複数のシール部を含み、上記包装シートが、23℃において、100cc/m2/day/atm以下の厚さ方向の酸素透過度を有し、そして上記包装体が、上記収納空間に、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液を含むことを特徴とする個包装体を見出した。
本開示の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる。
図1は、第1実施形態に従う吸収性物品の個包装体1の斜視図である。 図2は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の一部開封状態を示す図である。 図3は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の展開図である。 図4は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の部分拡大図である。 図5は、図1のV−V端面における端面図である。 図6は、図1のV−V端面における部分端面図である。 図7は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の部分拡大図である。 図8は、第2実施形態に従う個包装体1を説明するための図である。 図9は、第3実施形態に従う個包装体1を説明するための図である。 図10は、シール領域の剥離強度の測定方法を説明するための図である。
[定義]
・「軟化点」及び「融点」
本明細書において、「軟化点」及び「融点」は、それぞれ、示差走査熱量分析計において、昇温速度10℃/分で、固体状から液状に変化する吸熱挙動を測定する際の、「吸熱開始温度」及び「ピークトップ温度」を意味する。
・「長手方向」及び「幅方向」
本明細書において、「長手方向」及び「幅方向」は、それぞれ、吸収性物品の長手方向及び幅方向を意味する。
本開示の吸収性物品は、以下の態様に関する。
[態様1]
長手方向及び幅方向を有し且つ当該長手方向に折り畳まれた吸収性物品と、収納空間を備え、上記収納空間に上記吸収性物品を収納する包装体とを含む、吸収性物品の個包装体であって、
上記包装体が、上記包装体を構成する包装シートを、上記吸収性物品と一緒に1以上の折軸を基点に折り畳むことにより上記収納空間を形成するとともに、折り畳まれた上記包装シートを、上記長手方向の両側部において、上記長手方向にシールすることにより形成された、一対のシール領域を有し、
上記一対のシール領域のそれぞれが、上記長手方向に間欠的に配置された、複数のシール部を含み、
上記包装シートが、23℃において、100cc/m2/day/atm以下の厚さ方向の酸素透過度を有し、そして
上記包装体が、上記収納空間に、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液を含む、
ことを特徴とする、上記個包装体。
態様1の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる効果を有する。
[態様2]
上記一対のシール領域のそれぞれにおいて、上記複数のシール部が、3mm以下の、上記長手方向の間隔で配置されている、態様1に記載の個包装体。
態様2の吸収性物品の個包装体では、複数のシール部が長手方向に所定の間隔で配置されており、本開示の個包装体が、吸収性物品の長手方向に圧縮する力を受けた際に、一対のシール領域のシールされていない非シール部において、収納空間と、個包装体の外部とを連結する通気路が形成されにくい。従って、態様2の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様3]
上記一対のシール領域のそれぞれが、上記長手方向に沿って、上記複数のシール部が間欠的に配置された、複数のシール線を備え、上記複数のシール線が、0.2〜3mmの、上記幅方向の間隔で配置されている、態様1又は2に記載の個包装体。
態様3の吸収性物品の個包装体では、複数のシール線が、吸収性物品の幅方向に所定の間隔で配置されているため、個包装体が力を受けた際等に、一対のシール領域の非シール部において、上述の通気路が形成されにくい。また、複数のシール線の間にも、通気路が形成されにくい。従って、態様3の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様4]
上記薬液が、25℃において、60mN/m以下の表面張力を有する、態様1〜3のいずれか一項に記載の個包装体。
態様4の吸収性物品の個包装体では、収納空間に含まれる薬液が所定の表面張力を有するため、薬液の、包装体の内面に対する濡れ性に優れる。その結果、薬液が、互いに向かい合う包装体(包装シート)の内面を連結させる連結液として作用し、収納空間の気密性が高まる。また、薬液が、一対のシール領域において、シールされていない非シール部の空隙を埋めるシール液として作用し、個包装体が力を受けた際等に、上述の通気路が形成されにくくなる。従って、態様4の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様5]
上記包装シートが、上記長手方向において、24〜85mmの剛軟度を有する、態様1〜4のいずれか一項に記載の個包装体。
態様5の吸収性物品の個包装体は、上記長手方向に、所定の剛軟度を有する。その結果、個包装体が、吸収性物品の長手方向に圧縮された場合に、一対のシール領域の非シール部において、上述の通気路が形成されにくくなる。従って、態様5の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様6]
上記薬液が、互いに向かい合う包装体の2つの内面を連結している、態様1〜5のいずれか一項に記載の個包装体。
態様6の吸収性物品の個包装体では、薬液が、互いに向かい合う包装体の2つの内面を連結しているので、収納空間の気密性が高まる。従って、態様6の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様7]
上記薬液が、上記一対のシール領域に存在する、態様1〜6のいずれか一項に記載の個包装体。
態様7の吸収性物品の個包装体では、薬液が一対のシール領域に存在し、非シール部の空隙を埋めるシール液として作用する。従って、態様7の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。
[態様8]
上記包装シートが、上記包装体の内面を形成する融着層と、上記融着層の融点よりも高い融点を有する気密層とを含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の個包装体。
態様8の吸収性物品の個包装体では、所定の気密層が、包装シートの厚さ方向の気密性を保持し、そして融着層が一対のシール領域において、シール部を形成しうる。従って、従って、態様8の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分の揮発させにくい。
[態様9]
上記包装シートが、上記1以上の折軸により2以上のシート片に区画され、上記一対のシール領域のそれぞれにおいて、お互いに隣接する2つの上記シート片の融着層同士が融着しているが、お互いに隣接する2つの上記シート片の気密層同士が融着していない、態様8に記載の個包装体。
態様9の吸収性物品の個包装体では、異なる2つのシート片において、融着層同士が融着しているが、融着層の融点よりも高い融点を有する気密層同士が融着していない。従って、態様9の吸収性物品の個包装体は、開封性に優れる効果を有する。
[態様10]
上記一対のシール領域のそれぞれにおいて、お互いに隣接し且つ融着している2つの上記シート片の融着層同士の剥離力が、お互いに隣接する2つの上記シート片のそれぞれにおける、上記融着層及び上記気密層の間の剥離力よりも小さい、態様9に記載の個包装体。
態様10の吸収性物品の個包装体では、開封時に、融着層及び気密層の間で層間剥離が生じにくく、そして2つの融着層の間で層間剥離が生じやすい。従って、態様10の吸収性物品の個包装体は、剥離した部分の美観に優れる効果を有する。
[態様11]
上記融着層が、ポリオレフィン系ポリマーであり、上記気密層が、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルアルコール、及びナイロンから成る群から選択される、態様8〜10のいずれか一項に記載の個包装体。
態様11の吸収性物品の個包装体では、融着層と、気密層とが、所定の素材から形成されている。従って、態様11の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる効果を有する。
[態様12]
上記気密層の軟化点が、上記融着層の軟化点よりも10〜50℃高く、上記一対のシール領域が、上記融着層の軟化点超且つ上記気密層の軟化点未満の温度で、上記包装シートをシールすることにより形成された、態様8〜11のいずれか一項に記載の個包装体。
態様12の吸収性物品の個包装体では、融着層の軟化点が、気密層の軟化点よりも所定の温度だけ低く、そして一対のシール領域が、融着層の軟化点超且つ気密層の軟化点未満の温度で形成されている。従って、態様12の吸収性物品の個包装体は、開封性に優れる効果を有する。
[態様13]
上記一対のシール領域のそれぞれが、25mm当たり10.0N以下の剥離強度を有する、態様1〜12のいずれか一項に記載の個包装体。
態様13の個包装体では、一対のシール領域のそれぞれが、所定の剥離強度を有する。従って、従って、態様13の吸収性物品の個包装体は、開封性に優れる効果を有する。
[態様14]
上記包装体の内面が、コロナ処理又はプラズマ処理されている、態様1〜13のいずれか一項に記載の個包装体。
態様14の吸収性物品の個包装体では、包装体(包装シート)の内面がコロナ処理又はプラズマ処理されているので、薬液の、包装体の内面に対する濡れ性が向上し、薬液が、上述の連結液及びシール液として作用しやすくなる。従って、態様14の吸収性物品の個包装体は、揮発性成分を揮発させにくい効果を有する。態様14のさらなる効果については、後述する。
[態様15]
態様1〜14のいずれか一項に記載の個包装体の製造方法であって、
上記包装シートを、上記吸収性物品及び上記薬液と一緒に、1以上の折軸を基点に折り畳み、上記収納空間を形成するステップ、及び
折り畳まれた上記包装シートを、上記長手方向の両側部において、上記融着層の軟化点超且つ上記気密層の軟化点未満の温度でシールすることにより、折り畳まれた上記包装シートに、一対のシール領域を形成するステップ、
を含む、上記製造方法。
態様15の製造方法により製造された個包装体は、揮発性成分を揮発させにくく、そして開封性に優れる効果を有する。
本開示の吸収性物品の個包装体について、以下、詳細に説明する。
図1〜図5は、本開示の実施形態の1つ(第1実施形態)に従う、吸収性物品の個包装体1を説明するための図である。なお、本明細書では、「吸収性物品の個包装体」を、単に『個包装体』と称する場合がある。
具体的には、図1は、第1実施形態に従う個包装体1の斜視図であり、図2は、第1実施形態に従う個包装体1の一部開封状態を示す図であり、図3は、第1実施形態に従う個包装体1の展開図であり、図4は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の部分拡大図であり、そして図5は、図1のV−V端面における端面図である。なお、図5において、複数のシール部7''は、理解のしやすさの観点から、その一部のみが示されている。
第1実施形態に従う個包装体1は、長手方向L及び幅方向Wを有し且つ長手方向Lに折り畳まれた吸収性物品2と、収納空間3を備え、収納空間3に吸収性物品2を収納する包装体4とを含む。
包装体4は、包装体4を構成する包装シート5を、吸収性物品2と一緒に、2つの折軸F1及び折軸F2を基点に折り畳むことにより収納空間3を形成するとともに、折り畳まれた包装シート5を、長手方向Lの両側部において、長手方向Lにシールすることにより形成された、一対のシール領域6(6'及び6'')を有する。
包装体4は、三折り(具体的には、巻三折り)の折り畳み構造を有する。2つの折軸F1及び折軸F2のそれぞれは、吸収性物品2の幅方向Wと平行である。吸収性物品2もまた、2つの折軸F1及び折軸F2を基点に折り畳まれ、三折り(具体的には、巻三折り)折り畳み構造を有する。
一対のシール領域6'及び6''は、それぞれ、長手方向Lに間欠的に配置された、複数のシール部7'及び7''を含む。
図4に示されるように、シール領域6'は、長手方向Lに沿って、複数のシール部7'が間欠的に配置された、複数のシール線SL1〜SL4を備え、複数のシール線SL1〜SL4が、幅方向の間隔IWをあけて配置されている。図4には示されていないが、シール領域6''も同様である。
図4に示されるように、シール領域6'において、複数のシール部7'は、長手方向L及び幅方向Wに等間隔に配置されており、そして複数のシール部7'は、長手方向の間隔ILをあけて配置されている。図4には示されていないが、シール領域6''も同様である。
包装シート5は、包装体4の内面11を形成する融着層13と、融着層13の融点よりも高い融点を有する気密層14と、包装体4の外面12を形成する融着層15との3層構造を有する。気密層14の融点は、融着層13及び融着層15のそれぞれの融点よりも高い。
包装シート5では、融着層13及び融着層15のそれぞれが、気密層14より厚い。それにより、シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、異なる2つのシート片の気密層14同士が融着しにくくなり、個包装体1が開封性に優れる。
一対のシール領域6(6'及び6'')のそれぞれは、25mm当たり10.0N以下の剥離強度を有する。
包装シート5は、一方の方向に長い縦長の形状を有し、包装シート5の長手方向が、吸収性物品2の長手方向Lと一致している。包装シート5は、(i)個包装体1を開封するためのタブ8を有する、包装シート5の長手方向の一方の端縁21と、折軸F1とにより区画される第1シート片23、(ii)折軸F1と、折軸F2とにより区画される第2シート片24、及び(iii)折軸F2と、包装シート5の長手方向の他方の端縁22とにより区画される第3シート片25から成る。
シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、第1シート片23の融着層13が、隣接するシート片の融着層、すなわち、第2シート片24の融着層13及び第3シート片25の融着層15と融着している。また、第2シート片24の融着層13が、第3シート片25の融着層13と融着している。
シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、第1シート片23の気密層14が、隣接するシート片の気密層、すなわち、第2シート片24の気密層14及び第3シート片25の気密層14と融着していない。また、第2シート片24の気密層14が、第3シート片25の気密層14と融着していない。それにより、個包装体1が開封性に優れる。なお、シール領域(6'及び6'')の、シールされていない非シール部においても、同様である。
包装シート5は、融着層13及び気密層14の間の接着層(図示せず)と、気密層14及び融着層15の間の接着層(図示せず)とを有する。シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、第1シート片23の融着層13と、第2シート片24の融着層13との間の剥離力が、第1シート片23の融着層13及び気密層14の間の剥離力より小さく、そして第2シート片24の融着層13及び気密層14の間の剥離力より小さい。それにより、個包装体1を開封した際、2つのシート片の融着層13同士の間で剥離が生じ、シール領域6(6'及び6'')の剥離面が美観に優れる。
また、シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、第1シート片23の融着層13と、第3シート片25の融着層15との間の剥離力が、第1シート片23の融着層13及び気密層14の間の剥離力より小さく、そして第3シート片25の融着層15及び気密層14の間の剥離力より小さい。それにより、個包装体1を開封した際、2つのシート片の融着層13及び融着層15の間で剥離が生じ、シール領域6(6'及び6'')の剥離面が美観に優れる。
また、シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び7'')において、第2シート片24の融着層13と、第3シート片25の融着層13との間の剥離力が、第2シート片24の融着層13及び気密層14の間の剥離力より小さく、そして第3シート片25の融着層13及び気密層14の間の剥離力より小さい。それにより、個包装体1を開封した際、2つのシート片の融着層同士の間で剥離が生じ、シール領域6(6'及び6'')の剥離面が美観に優れる。
図6は、図1のV−V端面における部分端面図であり、個包装体1が、吸収性物品2の長手方向Lに圧縮する力が加えられた場合を示す図である。図6に示されるように、シール領域6''は、長手方向Lにおいて、間隔ILで配置された複数のシール部を含むため、個包装体1が、吸収性物品2の長手方向Lに圧縮されると、シール部7'が形成されていない非シール部27において、第1シート片23と、第2シート片24との間に、収納空間(図示せず)と、個包装体1の外部とを連結する通気路28が形成される場合がある。従って、間隔ILは、所定の範囲にあることが好ましい。
なお、図6では、融着層13、気密層14及び融着層15は、区別されていない。
図7は、図1に示される吸収性物品の個包装体1の部分拡大図であり、収納空間3内の薬液31を説明するための図である。包装体4は、収納空間3に、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液31を含む。薬液31は、包装体4の内面11に対し、所定の表面張力等を有し、包装体4の内面11にて拡がる傾向がある。図7に示されるように、薬液31が、第1シート片23と、第2シート片24との間で、それらを連結する連結液32として作用し、個包装体1の収納空間3の気密性が高まる。
また、薬液31は、一対のシール領域6(6')において、複数のシール部7(7')の間、すなわち、非シール部27(27')において、そして第1シート片23と、第2シート片24との間に侵入する傾向がある。その結果、薬液31が、複数のシール部7(7')の間で、シール液33として作用し、個包装体1の収納空間3の気密性が高まる。
薬液31がシール液33として作用するため、図6に示されるように、個包装体1が、吸収性物品2の長手方向Lに圧縮され、非シール部27に通気路28が形成されうる場合であっても、シール液33としての薬液31が、通気路28を満たし、薬液31に含まれる揮発性成分が、収納空間3から揮発しにくい。
第1実施形態に従う個包装体1は、揮発性成分の揮発を抑制するために、第1シート片23の第3シート片25と接する面の、一方の端縁21よりの部分に、吸収性物品2の幅方向Wに延びる粘着部16を有する。粘着部16は、一対のシール領域6'及び6''を越えて連続して配置されており、第1のシート片23を、第3のシート片25に固定し、揮発性成分の揮発を抑制する。
第1実施形態に従う個包装体1において、吸収性物品2は、エンボス部17等を有するが、吸収性物品2の構造については、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態に従う個包装体1では、包装体4を構成する包装シート5が、包装体4の内側から順に、融着層13、気密層14及び融着層15の3層の積層構造を有するが、本開示の個包装体では、包装シートは、3層の積層構造に限定されず、任意の積層構造を含む。
本開示の別の実施形態(第2実施形態)では、包装シートが、融着層と、気密層との2層の積層構造を有する。図8は、第2実施形態に従う個包装体1を説明するための図であり、図1のV−V端面に相当する端面図である。なお、第2実施形態に従う個包装体1の斜視図は、図1と同様であるので、その斜視図を省略し、必要に応じて図1を参照する。なお、図8においても、複数のシール部7''は、理解のしやすさの観点から、その一部のみが示されている。
第2実施形態に従う個包装体1では、包装体4が、包装シート5を、吸収性物品(図示せず)と一緒に、2つの折軸F1及び折軸F2、並びに折軸F2よりも、包装シート5の他方の端縁22よりに配置された折軸F3を基点に折り畳むことにより形成された、四折り(具体的には巻四折り)の折り畳み構造を有する。また、図示されていないが、吸収性物品は、第1実施形態と同様に、折軸F1及び折軸F2を基点に折り畳むことにより形成された、三折り(具体的には巻三折り)の折り畳み構造を有する。なお、3つの折軸F1,折軸F2及び折軸F3は、吸収性物品の幅方向Wと平行である。
包装シート5は、(i)包装シート5の長手方向の一方の端縁21と、折軸F1とにより区画される第1シート片23、(ii)折軸F1と、折軸F2とにより区画される第2シート片24、(iii)折軸F2と、折軸F3とにより区画される第3シート片25、及び(iv)折軸F3と、包装シート5の長手方向の他方の端縁22とにより区画される第4シート片26から成る。
シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び5'')において、第1シート片23の融着層13が、隣接するシート片の融着層、すなわち、第2シート片24の融着層13及び第4シート片26の融着層13と融着している。また、第2シート片24の融着層13が、第3シート片25の融着層13と融着している。それにより、揮発性成分の揮発が抑制される。
シール領域6(6'及び6'')のシール部7(7'及び5'')において、第1シート片23の気密層14が、隣接するシート片の気密層、すなわち、第2シート片24の気密層14及び第4シート片26の気密層14と融着していない。また、第2シート片24の気密層14が、第3シート片25の気密層14と融着していない。それにより、個包装体1が開封性に優れる。
図9は、本開示の別の実施形態(第3実施形態)に従う吸収性物品の個包装体1を説明するための図であり、図1の部分拡大図に相当する。一対のシール領域6における、複数のシール部7の配置以外は、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
第3実施形態では、シール領域6(6')は、長手方向Lに沿って、複数のシール部7(7')が、間隔IL0で配置された、複数のシール線SL1を備えている。同様に、シール領域6(6')は、長手方向Lに沿って、複数のシール部7(7')が、間隔IL0で配置された、複数のシール線SL2〜SL4を備えている。
複数のシール線SL1〜SL4は、複数のシール部7(7')が、幅方向Wに重複しないように配置されており、複数のシール線SL1〜SL4の全体として、複数のシール部7(7')が、間隔IL0よりも狭い、長手方向の間隔IL1を有しており、個包装体1が、長手方向Lに圧縮された場合であっても、通気路が形成されにくい。
本開示の個包装体では、一対のシール領域のそれぞれが、25mmあたり、好ましくは10.0N以下、より好ましくは9.0N以下、そしてさらに好ましくは8.0N以下の剥離強度を有する。それにより、本開示の個包装体が開封性に優れる。
本開示の個包装体では、剥離強度は、以下の通り測定される。
(1)20℃の恒温室に、インストロン社製型式5564試験機と、測定すべき個包装体を準備し、24時間静置する。
(2)図10(a)に示されるように、試験すべき個包装体1の包装体4から、試験用試料41を切り出す。試験用試料41は、シール領域の延びる方向の長さ(吸収性物品の長手方向Lの長さ)が25mmとなるように切り出される。なお、包装体の構造に起因する場合等、試験用試料を、シール領域の延びる方向に25mmの長さで切り出すことが難しい場合には、任意の長さで試験用試料を切り出し、後に、25mm当たりの剥離強度に換算する。
また、試験用試料41において、シール領域の延びる方向と直交する方向の長さ(吸収性物品の幅方向Wの長さ)は、上記試験機の治具(チャック間距離:20mm)にセットできる長さであればよく、例えば、30mmが挙げられる。
(3)試験用試料41の2つの自由端42及び43を、上記試験機の治具に、チャック間距離:20mmでセットし、300mm/分の速度で、シール領域のシール部が完全に剥離するまで剥離試験(いわゆる、T型剥離試験)を行う。
(4)上記剥離試験における最大強度(N)を、剥離強度(N)として採用する。
(5)上記剥離試験を、異なる試験用試料で計10回繰り返し、その平均値を採用する。
本開示の個包装体では、一対のシール領域のそれぞれにおいて、複数のシール部が、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、そしてさらに好ましくは1mm以下の、吸収性物品の長手方向の間隔で配置される。そうすることにより、上述の通気路が形成されにくくなり、そして非シール部に、薬液が侵入しやすくなる。一対のシール領域が、複数のシール線を備える場合には、上記間隔の下限は、0mmである。
本開示の個包装体において、一対のシール領域のそれぞれが、単一のシール線を備える場合には、複数のシール部は、製造の観点から、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そしてさらに好ましくは0.4mm以上の、吸収性物品の長手方向の間隔で配置される。
本開示の個包装体の一対のシール領域のそれぞれは、シール領域の面積に基づいて、複数のシール部を、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、そしてさらに好ましくは30%以下の面積率で有する。個包装体の開封性の観点からである。
また、本開示の個包装体の一対のシール領域のそれぞれは、シール領域の面積に基づいて、複数のシール部を、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上、そしてさらに好ましくは10%以上の面積率で有する。揮発性成分の揮発させにくさの観点からである。
本開示の個包装体において、一対のシール領域のそれぞれの幅、すなわち、吸収性物品の幅方向の長さは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、そしてさらに好ましくは3mm以上である。揮発性成分の揮発させにくさの観点からである。
本開示の個包装体において、一対のシール領域のそれぞれの幅は、好ましくは8mm以下、より好ましくは7mm以下、そしてさらに好ましくは6mm以下である。個包装体の開封性を保持する観点からである。
本開示の個包装体において、包装シートが、吸収性物品の長手方向において、好ましくは24mm以上、より好ましくは27mm以上、そしてさらに好ましくは30mm以上の剛軟度を有する。それにより、個包装体に、吸収性物品の長手方向に圧縮する力が加えられた場合に、一対のシール領域において、上述の通気路が形成されにくくなる。本開示の個包装体において、包装シートが有するべき剛軟度の上限は、通気路の観点からは、特に制限がないが、取り扱いやすさを考慮すると、好ましくは85mmである。
上記剛軟度は、JIS L 1096:2010 8.21.1 A法(45°カンチレバー法)に準拠し、幅25mm×長さ150mmの試料で測定する。また、上記剛軟度は、異なる試料において、一方の面を上として5回、そして他方の面を上として5回測定し、その平均値を採用する。
本開示の個包装体において、包装体を構成する包装シートは、任意の層構造、例えば、第1実施形態に示されるような3層構造、第2実施形態に示されるような2層構造等を有することができるが、融着層と、融着層よりも融点の高い気密層とを含むことが好ましい。
本開示の個包装体において、気密層は融着層よりも高い融点を有することが好ましく、気密層は、融着層よりも、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃、そしてさらに好ましくは45〜75℃高い融点を有する。そうすることにより、包装シートの、お互いに隣接する2つのシート片の気密層同士を融着させない一方で、お互いに隣接する2つのシート片の融着層同士を融着させることができ、本開示の個包装体が開封性に優れる。
本開示の個包装体において、気密層は融着層よりも高い軟化点を有することが好ましく、気密層は、融着層よりも、より好ましくは10〜50℃、そしてさらに好ましくは20〜40℃高い軟化点を有する。そうすることにより、包装シートの、2つのシート片の気密層同士を融着させない一方で、包装シートの、お互いに隣接する2つのシート片の融着層同士を融着させることができ、本開示の個包装体が開封性に優れる。
本開示の個包装体において、包装シートは、揮発性成分の揮発を抑制する観点から、包装シートの厚さ方向に関して気密性を有することが好ましい。上記気密性の観点からは、上記包装シートは、23℃において、好ましくは100cc/m2/day/atm以下、より好ましくは60cc/m2/day/atm以下、さらに好ましくは40cc/m2/day/atm以下、そしてさらにいっそう好ましくは30cc/m2/day/atm以下の、厚さ方向の酸素透過度を有する。
上記酸素透過度は、クーロメトリック法に従い、23℃,0%RHの条件下で測定される。
上記包装シートにおいて、気密層の素材は、厚さ方向の気密性を保持できるものであれば、当技術分野で公知の素材を制限なく採用することができ、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、例えば、塩化ビニリデンメチルアクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ナイロン、例えば、ナイロン6、アルミ箔、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート等)上にアルミナ、シリカ等が蒸着されたものが挙げられる。
上記包装シートにおいて、融着層の素材は、シール領域及びシール部を形成できるものであれば、当技術分野で公知の素材を制限なく採用することができ、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
本開示の個包装体では、一対のシール領域のそれぞれにおいて、お互いに隣接する2つのシート片の融着層の一方又は両方が、コロナ処理又はプラズマ処理(以下、「コロナ処理等」と称する)されていてもよい。
コロナ処理等を行うことにより、融着層の表面に、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の極性基が形成され、融着層の極性が高くなる。その結果、お互いに隣接する2つのシート片の融着層(包装体の内面同士)の極性基同士が引き合い、それらの貼付性が向上し、収納空間の気密性が向上する。また、コロナ処理等がシール領域に行われている場合には、シール領域の非シール部において、お互いに隣接する2つのシート片の融着層(包装体の内面同士)の貼付性が向上し、非シール部に、上述の通気路が形成されにくい。
また、コロナ処理等を行うことにより、薬液の、融着層の表面(包装体の内面)に対する濡れ性が向上する。コロナ処理等が、シール領域に行われている場合には、シール領域の非シール部に薬液が浸透し、薬液が、上述のシール液として機能しやすくなり、本開示の個包装体において、揮発性成分が揮発しにくくなる。
さらに、コロナ処理等を行うことにより、シール領域の剥離強度を調整することができる。例えば、お互いに隣接する2つのシート片において、一方のシート片の融着層の融着すべき面にコロナ処理等を行った後、シール領域を形成することにより、シール領域の剥離強度を下げることができる。
本開示の個包装体では、一対のシール領域は、揮発性成分の揮発を抑制できるものであれば特に制限されず、当技術分野で公知の形態が含まれる。一対のシール領域は、例えば、第1実施形態及び第2実施形態のように、お互いに隣接する2つのシート片の融着層同士を融着させることにより形成されてもよく、そしてお互いに隣接する2つのシート片同士を、接着剤等により接着させることにより形成されてもよい。
本開示の個包装体において、一対のシール領域のシール部が、包装シートの、お互いに隣接する2つのシート片の融着層同士を融着させることにより形成されている場合には、一対のシール領域のシール部において、お互いに隣接する2つのシート片の気密層同士が融着していないことが好ましい。気密層は融着層よりも高い融点を有するので、気密層同士が融着すると、シール領域の剥離強度が高くなり、個包装体を開封しにくくなる傾向があるからである。
本開示の個包装体の包装シートにおいて、融着層の厚さが、気密層の厚さよりも厚いことが好ましい。お互いに隣接する2つのシート片の気密層同士の融着が抑制され、個包装体が開封性に優れるからである。
上記厚さは、包装シートの断面を顕微鏡で観察することにより測定される。
本開示の個包装体では、一対のシール領域のシール部のそれぞれにおいて、お互いに隣接する2つのシート片の融着層同士の剥離力が、2つのシート片のそれぞれにおける、融着層及び気密層の間の剥離力よりも小さいことが好ましい。個包装体を開封する際に、2つのシート片がそれらの融着層の間で剥離するため、剥離面の美観に優れるからである。そうでない場合には、個包装体を開封する際に、シート片の融着層及び気密層の間で剥離が生じ、剥離面が毛羽立ち、美観に劣る傾向がある。
なお、融着層及び気密層の間の剥離力は、例えば、それらの間に接着剤層を配置し、接着剤の種類を選択すること等により調整することができる。上記接着剤層を形成しうる接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤等が挙げられる。
本開示の個包装体において、収納空間に含まれる薬液は、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む。
上記揮発性成分としては、冷感成分、例えば、皮膚の神経にある受容体活性化チャネル(TRPM8)に作用するもの、例えば、メントール(例えば、l−メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル)、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例えば、ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。また、上記冷感成分としては、気化熱により周囲の温度を下げるもの、例えば、アルコール、例えば、メタノール及びエタノールが挙げられる。
上記溶媒としては、特に制限がないが、当該溶媒を含む薬液が、後述の表面張力を有するように選択されることが好ましい。
上記溶媒としては、例えば、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート等が挙げられる。
本開示の個包装体では、上記薬液が、25℃において、好ましくは60mN/m以下、より好ましくは50mN/m以下、さらに好ましくは40mN/m以下、そしてさらにいっそう好ましくは30mN以下の表面張力を有する。薬液の、包装体の内面に対する濡れ性の観点からである。
上記表面張力は、ペンダントドロップ法により測定される。上記表面張力を測定するための測定機器としては、協和界面科学社製接触角計 Drop Master500が挙げられる。
上記表面張力を測定するために必要な密度ρは、JIS K 2249−1:2011の「原油及び石油製品−密度の求め方−第1部:振動法」に従って、25℃で測定される。密度の測定機器としては、京都電子工業株式会社のDA−505が挙げられる。
本開示の個包装体では、薬液の、包装体の内面に対する接触角の上限は、25℃において、好ましくは50°、より好ましくは40°、さらに好ましくは30°、そしてさらに好ましくは20°である。薬液の、包装体の内面に対する濡れが向上し、薬液が、上述の連結液、シール液等として機能する観点からである。薬液の、包装体の内面に対する接触角の下限は、特に限定されるものではないが、25℃において、例えば、1°が挙げられる。
上記接触角は、JIS R 3257:1999の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」の6.静滴法に準拠し、滴下1分後の値を採用する。接触角測定装置としては、協和界面科学株式会社製自動接触角計CA−V型が挙げられる。
本開示はまた、吸収性物品の個包装体の製造方法に関する。
本開示の製造方法は、以下のステップを含む。
上記包装シートを、上記吸収性物品及び上記薬液と一緒に、1以上の折軸を基点に折り畳み、収納空間を形成するステップ。
折り畳まれた上記包装シートを、上記長手方向の両側部において、上記融着層の軟化点超且つ上記気密層の軟化点未満の温度でシールすることにより、折り畳まれた上記包装シートに、一対のシール領域を形成するステップ。
本開示の製造方法により製造される吸収性物品の個包装体は、上述の効果を有する。
一対のシール領域を形成するステップは、折り畳まれた上記包装シートを、上記融着層の軟化点超且つ上記気密層の軟化点未満の温度に加熱した、一対のシール用ロールの間を通すことにより形成されうる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[製造例1−1]
吸収性物品を模したろ紙に3.0gの薬液(メントール及び乳酸メンチルを含む)を含浸させ、図1に示されるように、吸収性物品の幅方向の両端部を間欠的にシールすることにより、個包装体No.1−1を製造した。個包装体No.1−1では、一対のシール領域が、吸収性物品の長手方向に、約1.0mmの間隔で配置された、4本のシール線を有し、そして各シール線は、約1.0mmの間隔で配置された、複数のシール部を有していた。各シール部は、約0.5mm×約0.5mmの正方形を有していた。
また、個包装体No.1−1では、包装シートが、包装体の内面を形成する融着層としてのポリエチレン層(厚さ:12μm)と、中間の気密層としてのエチレンビニルアルコールコポリマー層(厚さ:3μm)と、包装体の外面を形成する融着層としてのポリエチレン層(厚さ:12μm)との3層から成る積層フィルムであった。
[製造例1−2]
一対のシール領域のそれぞれを、幅5mm(吸収性物品の幅方向の長さ)の連続的なシール部から形成されるように変更した以外は、製造例1−1と同様にして、個包装体No.1−2を製造した。
[製造例1−3]
包装シートを、ポリエチレン層(厚さ:25μm)の単層フィルムに変更した以外は、製造例1−1と同様にして、個包装体No.1−3を製造した。
[実施例1、並びに比較例1及び2]
40℃75%RHの恒温恒湿室に、個包装体No.1−1〜No.1−3を静置し、質量保持率を4週間追跡した。その結果を表1に示す。
Figure 2019069222
表1から明らかなように、個包装体No.1−1は、個包装体No.1−2と同等の質量保持率を有していた。個包装体No.1−3は、個包装体No.1−1と同様にシールされたにもかかわらず、質量保持率が低かった。包装シートの厚さ方向から薬液が揮発したものと推測される。また、個包装体No.1−1は、個包装体No.1−2よりも開封しやすかった。
試験後の個包装体No.1−1を目視で観察したところ、薬液が、包装体の2つの内面を連結し、そして一対のシール領域に存在することが確認された。薬液が、連結液及びシール液として機能していたことが示唆される。
[製造例2−1]
第1実施形態(図1〜図5)に示される構造を有する個包装体を作成した。具体的には、包装シートNo.2−1を、市販の吸収性物品と一緒に2回折り畳み、第1シート片を第2シート片に粘着部で固定した。次いで、収納空間に、メントール及び乳酸メンチルを含む薬液を添加した。次いで、折り畳まれた包装シートNo.2−1を、吸収性物品の長手方向の両側部において、40℃で0.5秒間シールし、折り畳まれた包装シートNo.1に一対のシール領域を形成し、個包装体No.2−1を形成した。
なお、一対のシール領域は、製造例1−1と同様に形成された。
包装シートNo.2−1は、内側(吸収性物品と接触する側)から、ポリエチレン(PE)層、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)層、及びポリエチレン(PE)層の3層構造を有し、それらの膜厚は、それぞれ、12μm、3μm及び12μmであった。ポリエチレン層と、エチレンビニルアルコールコポリマー層とは、接着層により接着されていた。また、包装シートの膜厚は、27μmであった。
[製造例2−2〜2−7]
シール温度を、表2に示す通りに変更した以外は、製造例2−1に従って、個包装体No.2−2〜No.2−7を製造した。
[実施例2]
個包装体No.2−1〜No.2−7のそれぞれにおいて、シール領域の剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2019069222
表2より、剥離強度は、ポリエチレン層の軟化点である80℃付近から高くなり、ポリエチレン層同士の融着が進行したことが示唆される。また、剥離強度は、エチレンビニルアルコールコポリマー層の軟化点である110℃付近からさらに高くなる傾向があり、エチレンビニルアルコールコポリマー層同士の融着が進行したことが示唆される。
1 個包装体
2 吸収性物品
3 収納空間
4 包装体
5 包装シート
6 シール領域
7 シール部
8 タブ
11 内面
12 外面
13,15 融着層
14 気密層
16 粘着部
21 一方の端縁
22 他方の端縁
23 第1シート片
24 第2シート片
25 第3シート片
26 第4シート片
27 非シール部
28 通気路
31 薬液
32 連結液
33 シール液
L 長手方向
W 幅方向
1,F2,F3 折軸

Claims (15)

  1. 長手方向及び幅方向を有し且つ当該長手方向に折り畳まれた吸収性物品と、収納空間を備え、前記収納空間に前記吸収性物品を収納する包装体とを含む、吸収性物品の個包装体であって、
    前記包装体が、前記包装体を構成する包装シートを、前記吸収性物品と一緒に1以上の折軸を基点に折り畳むことにより前記収納空間を形成するとともに、折り畳まれた前記包装シートを、前記長手方向の両側部において、前記長手方向にシールすることにより形成された、一対のシール領域を有し、
    前記一対のシール領域のそれぞれが、前記長手方向に間欠的に配置された、複数のシール部を含み、
    前記包装シートが、23℃において、100cc/m2/day/atm以下の厚さ方向の酸素透過度を有し、そして
    前記包装体が、前記収納空間に、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液を含む、
    ことを特徴とする、前記個包装体。
  2. 前記一対のシール領域のそれぞれにおいて、前記複数のシール部が、3mm以下の、前記長手方向の間隔で配置されている、請求項1に記載の個包装体。
  3. 前記一対のシール領域のそれぞれが、前記長手方向に沿って、前記複数のシール部が間欠的に配置された、複数のシール線を備え、前記複数のシール線が、0.2〜3mmの、前記幅方向の間隔で配置されている、請求項1又は2に記載の個包装体。
  4. 前記薬液が、25℃において、60mN/m以下の表面張力を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個包装体。
  5. 前記包装シートが、前記長手方向において、24〜85mmの剛軟度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の個包装体。
  6. 前記薬液が、前記一対のシール領域に存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の個包装体。
  7. 前記包装シートが、前記包装体の内面を形成する融着層と、前記融着層の融点よりも高い融点を有する気密層とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の個包装体。
  8. 前記包装シートが、前記1以上の折軸により2以上のシート片に区画され、前記一対のシール領域のそれぞれにおいて、お互いに隣接する2つの前記シート片の融着層同士が融着しており、そしてお互いに隣接する2つの前記シート片の気密層同士が融着していない、請求項7に記載の個包装体。
  9. 前記一対のシール領域のそれぞれにおいて、お互いに隣接し且つ融着している2つの前記シート片の融着層同士の剥離力が、お互いに隣接する2つの前記シート片のそれぞれにおける、前記融着層及び前記気密層の間の剥離力よりも小さい、請求項8に記載の個包装体。
  10. 前記融着層が、ポリオレフィン系ポリマーであり、前記気密層が、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルアルコール、及びナイロンから成る群から選択される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の個包装体。
  11. 前記気密層の軟化点が、前記融着層の軟化点よりも10〜50℃高く、前記一対のシール領域が、前記融着層の軟化点超且つ前記気密層の軟化点未満の温度で、前記包装シートをシールすることにより形成された、請求項7〜10のいずれか一項に記載の個包装体。
  12. 前記一対のシール領域のそれぞれが、25mm当たり10.0N以下の剥離強度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の個包装体。
  13. 前記包装体の内面が、コロナ処理又はプラズマ処理されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の個包装体。
  14. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の個包装体の製造方法であって、
    前記包装シートを、前記吸収性物品及び前記薬液と一緒に、前記1以上の折軸を基点に折り畳み、前記収納空間を形成するステップ、及び
    折り畳まれた前記包装シートを、前記長手方向の両側部において、前記融着層の軟化点超且つ前記気密層の軟化点未満の温度でシールすることにより、折り畳まれた前記包装シートに、前記一対のシール領域を形成するステップ、
    を含む、前記製造方法。
  15. 長手方向及び幅方向を有し且つ当該長手方向に折り畳まれた吸収性物品と、前記吸収性物品を収納する収納空間及び一対のシール領域を備える包装体とを含む、吸収性物品の個包装体であって、
    前記収納空間が、第1面及び第2面を有する包装シートであって、第1面を前記吸収性物品に接触した状態で、前記吸収性物品と一緒に1以上の折軸を基点に折り畳まれているものにより区画され、
    前記一対のシール領域が、折り畳まれた前記包装シートの、前記長手方向の両側部において、前記長手方向に間欠的に配置された、複数のシール部を含み、
    前記包装シートが、23℃において、100cc/m2/day/atm以下の厚さ方向の酸素透過度を有し、そして
    前記包装体が、前記収納空間に、揮発性成分と、当該揮発性成分を保持する溶媒とを含む薬液を含む、
    ことを特徴とする、前記個包装体。
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