JP2019067566A - 二次電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池の組電池を備えた二次電池システムにおいて、組電池の容量を適切に回復させる。【解決手段】組電池40は、複数のセル41を含み、各セル41は、負極にシリコン酸化物(SiOx)を含有するリチウムイオン二次電池である。拘束部材Bは、組電池40を拘束することで組電池40に拘束圧Pを印加するように構成される。アクチュエータ45は、拘束部材Bの拘束圧Pを調整するように構成される。ECU100は、組電池40の満充電容量Cがしきい値容量THよりも低下した場合に、負極電位V2が所定の電位範囲R内にあるときには、組電池40の満充電容量Cがしきい値容量THよりも高い場合と比べて、拘束圧Pが増加するようにアクチュエータ45を制御する。電位範囲Rは、金属リチウム電位を基準とした負極電位V2が0.3V以上かつ0.9V以下の範囲である。【選択図】図6

Description

本開示は、二次電池システムに関し、より特定的には、負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムに関する。
近年、リチウムイオン二次電池の組電池が搭載された電動車両(ハイブリッド車、電気自動車など)の普及が進んでいる。一般に、充放電を行なったり時間が経過したりすることでリチウムイオン二次電池は劣化し、リチウムイオン二次電池の満充電容量(以下、「容量」と略す場合がある)が低下する。そうすると、組電池に蓄えられた電力を用いて電動車両が走行可能な距離(いわゆるEV走行可能距離)が短くなってしまう。よって、低下した容量を回復したり容量低下を緩和したりするための技術が提案されている。
多くの組電池は、積層された複数のセルが、その外側から拘束部材により拘束されることで構成されている。この拘束部材による拘束圧の大きさが組電池の劣化の進行度合い(より具体的には、組電池の容量低下量)に影響することが知られている。たとえば特開2013−161543号公報(特許文献1)は、拘束部材による拘束圧の大きさを制御する制御装置および制御方法を開示する。拘束圧の大きさを適切に制御することで、組電池の容量を回復することができる(たとえば特許文献1の図4および図5を参照)。
特開2013−161543号公報
従来、リチウムイオン二次電池の典型的な負極活物質は黒鉛(グラファイト)であった。しかし、近年では、シリコン酸化物(SiOx)の負極活物質としての採用が検討されている。シリコン酸化物を採用することで組電池の満充電容量を増加させることができるためである。
負極活物質としてシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池では、拘束圧を増加させるだけでは容量を適切に回復させることができない場合がある。より詳細に説明すると、本発明者らは、後述する評価試験の結果から、リチウムイオン二次電池の負極電位が適切な電位範囲外である場合には、負極電位が当該電位範囲内である場合と比べて、負極材料の劣化または容量回復量の低下が起こり、容量を適切に回復することができないことを見出した。
特許文献1に開示の制御手法では、負極にシリコン酸化物を含有するか否かが特に記載されておらず、それゆえに負極電位も考慮されていない点において改善の余地が存在する。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池の組電池を備えた二次電池システムにおいて、組電池の容量を適切に回復させることが可能な技術を提供することである。
本開示のある局面に従う二次電池システムは、組電池と、拘束部材と、駆動装置と、制御装置とを備える。組電池は、複数のセルを含む。複数のセルの各々は、負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池である。拘束部材は、組電池を拘束することで組電池に拘束圧を印加するように構成される。駆動装置は、前記拘束部材の拘束圧を調整するように構成される。制御装置は、駆動装置を制御する。制御装置は、組電池の容量が基準値よりも低下した場合に、負極の電位が所定の電位範囲内にあるときには、組電池の容量が基準値よりも高い場合と比べて、拘束圧が増加するように駆動装置を制御する。所定の電位範囲は、金属リチウム電位を基準とした負極の電位が0.3V以上かつ0.9V以下の範囲である。
上記構成によれば、負極電位を0.3V以上かつ0.9V以下の特定の電位範囲内に限定することで、拘束圧の増加による組電池の容量回復量を大きくすることができる(詳細は後述)。また、負極電位が当該電位範囲の上限値よりも高い場合に生じる負極材料の劣化(保護層の分解)も抑制することができる。したがって、組電池の容量を適切に回復させることができる。
本開示によれば、負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池の組電池を備えた二次電池システムにおいて、組電池の容量を適切に回復させることができる。
本実施の形態に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。 組電池および拘束部材の構成をより詳細に示す図である。 各セルの構成をより詳細に説明するための図である。 容量回復制御の評価試験の結果を説明するための図である。 図4に示した評価試験の条件および結果をまとめた図である。 本実施の形態における容量回復制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本実施の形態に係る二次電池システムが電気自動車に搭載された構成を例に説明する。しかし、本実施の形態に係る二次電池システムは、電気自動車に限らず、組電池が搭載される車両全般(ハイブリッド車、燃料電池車など)に適用可能である。また、本実施の形態に係る二次電池システムの用途は車両用に限定されず、定置用であってもよい。
[実施の形態]
<電気自動車の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。図1を参照して、車両1は、電気自動車であって、インレット10と、電力変換装置20と、充電リレー(CHR:Charge Relay)30と、組電池40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、電力制御装置(PCU:Power Control Unit)60と、モータジェネレータ(MGで示す)70と、駆動輪80と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
図1には、車両外部の充電装置9から供給される電力により、車両1に搭載された組電池40の充電(いわゆる外部充電)が行なわれる構成が示されている。充電装置9と電力変換装置20とは、充電ケーブル8およびインレット10を介して電気的に接続されている。
電力変換装置20は、たとえばAC/DCコンバータ(図示せず)を含んで構成され、充電装置9の系統電源91から供給される交流電力を直流電力に変換して充電リレー30に出力する。
充電リレー30は、電力変換装置20と組電池40とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。充電リレー30は、ECU100からの制御信号に応答して開放/閉成される。これにより、電力変換装置20と組電池40との間での電力の供給と遮断とが切り替えられる。
組電池40は、各々がリチウムイオン二次電池である複数のセル41(図2および図3参照)を含んで構成される。組電池40は、モータジェネレータ70を駆動するための電力を蓄え、PCU60を通じてモータジェネレータ70へ電力を供給する。また、組電池40は、外部充電時には電力変換装置20を介して供給された電力により充電される。さらに、組電池40は、モータジェネレータ70の発電時にもPCU60を通じて発電電力を受けて充電される。
組電池40には監視ユニット401が設けられている。監視ユニット401は、電圧センサと、電流センサと、温度センサ(いずれも図示せず)とを含む。電圧センサは組電池40の電圧VBを検出する。電流センサは組電池40に入出力される電流IBを検出する。温度センサは組電池40の温度TBを検出する。各センサは、その検出結果を示す信号をECU100に出力する。
なお、実際には、組電池40に含まれるセル41毎の電圧、あるいは、複数のセル41が並列接続されたブロック(図示せず)毎の電圧が電圧センサにより監視される。温度センサについても同様に、複数のセルまたはブロック毎に設けられる。しかし、本実施の形態では、組電池40に含まれるセル数またはセル間の接続関係は問わない。したがって、以下では説明の簡略化のため、電圧および温度の監視単位として、セルまたはブロックに代えて組電池40を用いて説明する。
また、組電池40には、組電池40に拘束圧Pを印加するための拘束部材Bが設けられている。拘束部材Bについては図2にて詳細に説明する。
SMR50は、組電池40とPCU60とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR50は、ECU100からの制御信号に応答して開放/閉成される。これにより、組電池40とPCU60との間の導通および遮断が切り替えられる。
PCU60は、ECU100からの制御信号に従って、組電池40とモータジェネレータ70との間で双方向の電力変換を実行する。PCU60は、インバータと、インバータに供給される直流電圧を組電池40の出力電圧以上に昇圧するコンバータ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
モータジェネレータ70は、たとえば永久磁石がロータ(図示せず)に埋設された三相交流回転電機である。モータジェネレータ70は、組電池40からの供給電力を用いて駆動軸を回転させる。また、モータジェネレータ70は回生制動によって発電することも可能である。モータジェネレータ70によって発電された交流電力は、PCU60により直流電力に変換されて組電池40に充電される。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成されている。ECU100は、各センサからの信号の入力ならびにメモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、制御信号を出力するとともに、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。より具体的には、ECU100は、電力変換装置20およびPCU60を制御することにより組電池40の充放電を制御する。また、ECU100は、電圧VB、電流IBおよび温度TBに基づいて組電池40の容量(満充電容量)を算出する。さらに、本実施の形態においてECU100により実行される主要な制御として、組電池40の容量を回復するための容量回復制御が挙げられる。この制御については後に詳細に説明する。
<組電池および拘束部材の構成>
図2は、組電池40および拘束部材Bの構成をより詳細に示す図である。図2を参照して、組電池40は、複数のセル41と、一対のエンドプレート42と、拘束バンド43と、複数のボルト44と、アクチュエータ45と、複数のバスバー46とを含む。
図2では、複数のセル41が積層されることより形成された積層体のうち、積層方向(x軸方向)の一方端が部分的に示されている。積層体の一方端および積層方向の他方端にそれぞれ対向するように、一対のエンドプレート42が配置されている。一対のエンドプレート42は、すべてのセル41を挟み込んだ状態で拘束バンド43によって拘束されている。
また、一対のエンドプレート42は、ボルト44およびナット(図示せず)により互いに締め付けられている。エンドプレート42、拘束バンド43、ボルト44およびナットにより、各セル41には拘束圧P[単位:MPa]が印加されている。
アクチュエータ(駆動装置)45は、ECU100からの制御信号に従ってボルト44の締め付け量を制御することにより、拘束圧Pを調整することが可能に構成されている。より詳細には、拘束圧Pは、圧力センサ(図示せず)をセル41間に設置することにより測定可能である。そのため、ボルト44の締め付け量と拘束圧Pとの相関関係を予め求めておくことにより、所望の拘束圧Pを発生させるための締め付け量を算出することができる。
なお、本実施の形態において、エンドプレート42、拘束バンド43、ボルト44およびナットが本開示に係る「拘束部材」(図2にBで示す)に相当する。また、組電池40、拘束部材B、アクチュエータ45およびECU100が本開示に係る「二次電池システム」(図1にAで示す)に相当する。
各セル41は、正極端子413および負極端子414(図3参照)を有する。あるセルの正極端子413と隣接するセルの負極端子414とは、バスバー46によって締結されるとともに電気的に接続されている。これにより、複数のセル41が直列に接続されている。ただし、複数のセル41が直列に接続された構成は必須ではない。たとえば複数のセル41が並列接続されてブロックが構成され、そのブロック同士が直列接続されて組電池40が構成されていてもよい。
<セル構成>
図3は、各セル41の構成をより詳細に説明するための図である。図3において、セル41は、その内部を透視して示されている。
セル41は、略直方体形状の電池ケース411を有する。電池ケース411の上面は蓋体412によって封じられている。正極端子413および負極端子414の各々の一方端は、蓋体412から外部に突出している。正極端子413および負極端子414の他方端は、電池ケース411内部において、内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ接続されている。
電池ケース411の内部には電極体415が収容されている。電極体415は、正極416と負極417とがセパレータ418を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。電解液(図示せず)は、正極416、負極417、およびセパレータ418等に保持されている。なお、電極体415として捲回体に代えて積層体を採用することも可能である。
<組電池の容量回復制御>
以上のように構成された車両1において、充放電の繰り返しまたは時間の経過に伴い組電池40は劣化し、組電池40の容量が低下する。このような場合に、低下した容量を回復するために、あるいは容量低下を緩和するために、拘束圧Pを増加させることが考えられる(たとえば特許文献1を参照)。この制御を本明細書では「容量回復制御」とも称する。なお、容量回復制御により容量が回復する理由は、拘束圧Pを増加させ、負極内のシリコン酸化物とカーボン材料(グラファイト)との間の距離を短くすることで、正極416と負極417との間に十分な電子パスが確保されるためであると考えられる。
ここで、本発明者らは、負極活物質中にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池では、拘束圧を増加させるだけでは容量を適切に回復させることができない場合がある点に着目した。より詳細に説明すると、本発明者らは、以下の図4および図5に示す容量回復制御の評価試験の結果から、組電池40(より詳細には各セル41)の負極電位V2が適切な電位範囲R外である場合には、負極電位V2が電位範囲R内である場合と比べて、容量回復量の低下または負極材料の劣化が起こり、容量を適切に回復することができないことを見出した。
そこで、本実施の形態においては、負極電位V2を考慮し、負極電位V2が電位範囲R内にある場合に拘束圧Pを増加させる構成を採用する。以下、様々な条件下における評価試験結果(組電池40の容量維持率の測定結果)について説明する。なお、容量維持率とは、劣化前の容量(初期容量)を基準とした劣化後の容量の比率を意味する。
<評価試験>
評価試験にて使用した正極416、負極417、セパレータ418および電解液の構成について詳細に説明する。
正極416の正極活物質としては、平均粒子径が10μmのLiNi1/3Co1/3Mn1/3を使用した。この正極活物質とアセチレンブラックとPVdF(ポリフッ化ビニリデン)との比率が87:10:3になるように調整されたスラリーを準備した。そして、準備したスラリーをアルミニウム箔に塗布した。また、このアルミニウム箔の裏面にもスラリーを塗布することで、両面に電極が塗工された正極板を作製した。
負極417の負極活物質としては、平均粒子径20μmの天然黒鉛と、平均粒子径5μのシリコン酸化物(SiO)との混合物を使用した。結着剤としてはスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)を用い、増粘剤としてはカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた。そして、黒鉛:SiO:SBR:CMC=76:20:2:2の比率で混合してスラリーを調整した。なお、分散媒としては水を用いた。正極板と同様に、スラリーを銅箔の両面に塗布することで負極板を作製した。
上記のように作製された正極板20枚と負極板21枚とを間にセパレータを介して積層し、電極体を形成した。さらに、この電極体を内部正極端子および内部負極端子と電気的に接続するとともに、3辺が熱溶着された、上面視で長方形のラミネート袋に封入した。そして、このラミネート袋に電解液を注液した。電解液としては、体積パーセントの比率sがエチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:4:3である溶媒に対して、リチウム塩(LiPF)が1.0Mとなるように混合したものを用いた。電解液の注液後に、ラミネート袋の4辺のうちの残りの1辺を熱溶着することでラミネート袋を密閉した。これにより、セルが得られた。このセルを金属板(図3には図示しないが、図2に示したエンドプレートに相当)により挟んだ状態にし、その状態を維持することで、セルに拘束圧Pを印加した。
拘束圧Pの印加前あるいは拘束圧Pの変更前に、負極電位V2を様々な値(後述するように0.1V〜1.2V)に設定した。なお、予め測定された電圧VBと負極電位V2との対応関係に基づき、電圧VBを調整することで負極電位V2を所望の値に設定することができる。電圧VBの調整は、1/5Cで定電流充電を行ない、その後、電流値が1/20Cに減少するまで定電圧充電を行なうことにより実施した。
初回の充電は、定電流/定電圧方式とした。詳細には、正極活物質量から見積もられる容量の1/Cの電流値において、電圧VBが4.2Vに達するまで定電流充電を行なった。その後、電流値が1/20Cに達するまで定電圧充電を行なうことで、セルを満充電状態とした。その後、電圧VBが2.5Vまで低下するまで1/5Cの定電流でセルを放電した。そして、満充電状態から放電された電荷量から初期容量を算出した。
セルを25℃環境下の恒温槽(図示せず)に設置し、サイクル試験を行なった。このサイクル試験においては、初期容量の1Cの電流値で、電圧VBが4.2Vから2.5Vに低下するまでセルを放電し、その後、電圧VBが2.5Vから4.2Vに上昇するまでセルを充電した。また、50サイクル毎に、4.2Vと2.5Vとの間で1/5Cの定電流での充放電を行ない、セルの容量を算出した。
1つの具体例として、負極におけるSiO/(SiO+C(黒鉛))の比率が3%以上かつ40%以下の範囲であり、かつ、負極の電極密度が1.3(g/cc)以上かつ1.7(g/cc)以下である場合、適切な電位範囲Rは、0.3V以上かつ0.9V以下(vs.Li/Li)の電位範囲である。
図4は、容量回復制御の評価試験の結果を説明するための図である。図5は、図4に示した評価試験の条件および結果をまとめた図である。
図4には、6つの異なる条件下で実施された評価結果をそれぞれ表す曲線L1〜L6が示されている。図4において、横軸は充放電サイクル数(0サイクル〜350サイクル)を示し、縦軸はセルの容量維持率を示す。図5には、各曲線L1〜L6に対応する条件および結果が示されている。
図5を参照して、曲線L1は、負極電位V2が1.2Vである場合において、拘束圧Pを0.5MPa(メガパスカル),0.6MPa,0.7MPaの順に増加させたときの容量維持率の変化を示す。なお、図4に示すように、最初の100サイクルの期間をT1と記載し、次の150サイクルの期間をT2と記載し、さらにその後の100サイクルの期間をT3と記載している。
曲線L2は、負極電位V2が0.9Vである場合に、期間がT1,T2,T3と経過するに従って、拘束圧Pを0.5MPa,0.6MPa,0.7MPaと増加させたときの容量維持率の変化を示す。
曲線L3は、負極電位V2が0.6Vである場合に、期間がT1,T2,T3と経過するに従って、拘束圧Pを0.5MPa,0.6MPa,0.7MPaと増加させたときの容量維持率の変化を示す。
曲線L4は、負極電位V2が0.3Vである場合に、期間がT1,T2,T3と経過するに従って、拘束圧Pを0.5MPa,0.6MPa,0.7MPaと増加させたときの容量維持率の変化を示す。
曲線L5は、負極電位V2が0.1Vである場合に、期間がT1,T2,T3と経過するに従って、拘束圧Pを0.5MPa,0.6MPa,0.7MPaと増加させたときの容量維持率の変化を示す。
曲線L6は、比較例として、負極電位V2を特に設定せず、かつ拘束圧Pを0.5MPaで一定に維持された場合の容量維持率の変化を示す。
図4および図5に示すように、曲線L1〜L6のいずれにおいても充放電サイクル数が増加するに従って組電池40の容量維持率は低下する。しかし、曲線L2〜L4では、曲線L6と比べて、容量維持率が高い。つまり、負極電位V2が電位範囲R内である場合(曲線L2〜L4参照)には、比較例(曲線L6参照)と比べて、容量維持率の低下量が小さく、容量維持率の低下が緩和されている。
これに対し、曲線L1,L5においては、曲線L6と比べて、容量維持率が低くなる。つまり、負極電位V2が電位範囲Rの下限値(0.3V)よりも低い場合(曲線L5参照)または負極電位V2が電位範囲Rの上限値(0.9V)よりも高い場合(曲線L1参照)には、比較例と比べて、容量維持率が低くなる。
このように、負極電位V2を様々な値に設定して評価試験を行なうことにより、適切な電位範囲Rを設定することができる。電位範囲Rの上限値および下限値の設定に際して考慮することが好ましいメカニズムについて以下に説明する。
リチウムの挿入または脱離に伴うシリコン酸化物の体積変化量は、グラファイトの体積変化量よりも大きい。そのため、負極活物質としてシリコン酸化物を採用した場合には、グラファイトを採用した場合と比べて、充放電に伴い、シリコン酸化物とグラファイトとの間(以下、「負極活物質間」とも略す)の空隙の変化量が大きくなる。
負極電位V2が電位範囲Rの下限値(0.3V)よりも低い場合、すなわち、セル電圧が比較的高い場合には、ある程度セルが充電され、負極活物質内に挿入されたリチウム量が多い。そのため、負極板が膨張しており、負極活物質間の空隙が狭い。したがって、拘束圧Pの増加前の時点で、ある程度の電流パスが電極間に形成されている。よって、たとえ拘束圧Pを増加させても容量回復の効果(容量低下の緩和量)が小さいと考えられる。
また、一般に、負極活物質としてシリコン酸化物(SiOx)を含有するリチウムイオン二次電池の初回充電時には、シリコン酸化物からシリコン(Si)とリチウム含有シリコン酸化物(LiSiO)とが生成される。そして、シリコンを取り囲むようにLiSiOからなる保護層が形成される。負極電位V2が電位範囲Rの上限値(0.9V)よりも高い場合には、保護層であるLiSiOが分解されやすい。そのため、負極材料(負極活物質)の劣化が進行して組電池40の寿命が短くなってしまう。
このように、電位範囲Rは、負極活物質間の空隙が適切に確保されており、かつ、負極活物質中に生成されたLiSiOが分解されにくい状態が実現されるように、実験的に求めることが望ましい。
<容量回復制御フロー>
上述した評価試験結果に基づき、本実施の形態における容量回復制御では、負極電位V2が電位範囲R内である場合に、組電池40の容量低下前と比べて、拘束圧Pを増加させる。その一方で、負極電位V2が電位範囲R外である場合には、負極電位V2が電位範囲R内になるように組電池40の充放電を行ない、その後に拘束圧Pを増加させる。
図6は、本実施の形態における容量回復制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定条件が成立する度または所定周期が経過する度にメインルーチンから呼び出されて実行される。また、このフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU100によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU100内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S10において、ECU100は、組電池40の満充電容量Cを算出する。満充電容量Cの算出手法としては公知の各種手法を採用可能である。たとえば、組電池40の充放電前後でSOCを2回推定し、その推定結果であるS1,S2と、充放電電力量ΔAhとを用いることで、下記式(1)に従って満充電容量Cを算出することができる。
C=ΔAh/(S1−S2)×100 ・・・(1)
S20において、ECU100は、S20にて算出された満充電容量Cがしきい値容量TH未満であるか否かを判定する。しきい値容量THとは、満充電容量Cがある程度低下しているため満充電容量Cを回復することが望ましい容量である。しきい値容量THは、事前の実験結果に基づいて予め定められた固定値であってもよいし、車両1の使用態様に応じて適宜定められる可変値であってもよい。満充電容量Cがしきい値容量TH以上である場合(S20においてNO)には、ECU100は、満充電容量Cの回復は特に必要ないとして、以下の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。
満充電容量Cがしきい値容量TH未満である場合(S20においてYES)、ECU100は、処理をS30に進め、組電池40(あるいは代表的ないずれか1つのセル41)の負極電位V2を算出する。負極電位V2は、上述のように、電圧VBと負極電位V2との対応関係を示すマップ(図示せず)をメモリ102に格納しておくことで、電圧VB(監視ユニット401内の電圧センサの検出値)から算出することができる。
S40において、ECU100は、S30にて算出された負極電位V2が電位範囲R内であるか否かを判定する。電位範囲Rとは、金属リチウムの電位を基準として0.3V以上かつ0.9V以内の電位範囲である。
負極電位V2が電位範囲R外である場合(S40においてNO)には、ECU100は、負極電位V2が電位範囲R内となるように組電池40の充放電を制御する(S50)。
より詳細には、負極電位V2が電位範囲Rの上限値(0.9V)よりも高い場合には、ECU100は、負極電位V2が電位範囲Rの上限値以下になるように、組電池40を充電する。たとえば、ECU100は、電力変換装置20を制御することにより、充電装置9から供給される電力を用いて組電池40を充電することができる。
一方、負極電位V2が電位範囲Rの下限値(0.3V)未満である場合には、ECU100は、負極電位V2が電位範囲Rの下限値以上になるように、組電池40に蓄えられた電力を放電させる。たとえば、ECU100は、電力変換装置20を制御することにより、組電池40に蓄えられた電力を充電ケーブル8を介して車両外部の負荷(図示せず)に放電させてもよい。あるいは、ECU100は、車両1が走行中である場合には、PCU60を制御することで組電池40を放電させることも可能である。S50の処理の終了後には処理がS30に戻されるので、負極電位V2が電位範囲R内になるまで組電池40の充放電が適宜行なわれることとなる。
負極電位V2が電位範囲R内になると(S40においてYES)、ECU100は、処理をS60に進め、拘束圧Pを増加させる。増加後の拘束圧Pは、事前実験に基づいて定められる。増加後の拘束圧Pが小さいと、組電池40の容量回復量を十分に大きくすることができない。その一方で、拘束圧Pの増加量を過度に大きく設定すると、セパレータ418が介在しているものの正極416と負極417との短絡が生じてしまう可能性がある。したがって、増加後の拘束圧Pは、正極416と負極417との短絡を防止することができるとともに、組電池40の容量回復量が必要量に達する値(上述の例では0.6MPaまたは0.7MPa)に設定することが好ましい。これにより、一連の処理が終了し、処理がメインルーチンへと戻される。
以上のように、本実施の形態によれば、リチウムイオン二次電池の組電池40の容量回復制御において、負極電位V2が特定の電位範囲R内に設定される。これにより、組電池40の容量回復効果を得つつ、LiSiOの分解に伴う負極材料の劣化を抑制することが可能になる。したがって、組電池40の容量を適切に回復させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 二次電池システム、B 拘束部材、1 車両、8 充電ケーブル、9 充電装置、10 インレット、20 電力変換装置、30 充電リレー、40 組電池、41 セル、42 エンドプレート、43 拘束バンド、44 ボルト、45 アクチュエータ、46 バスバー、50 SMR、60 PCU、70 モータジェネレータ、80 駆動輪、100 ECU、101 CPU、102 メモリ、401 監視ユニット、411 電池ケース、412 蓋体、413 正極端子、414 負極端子、415 電極体、416 正極、417 負極、418 セパレータ。

Claims (1)

  1. 複数のセルを含む組電池と、
    前記組電池を拘束することで前記組電池に拘束圧を印加するように構成された拘束部材と、
    前記拘束部材の拘束圧を調整するように構成された駆動装置と、
    前記駆動装置を制御する制御装置とを備え、
    前記複数のセルの各々は、負極にシリコン酸化物を含有するリチウムイオン二次電池であり、
    前記制御装置は、前記組電池の容量が基準値よりも低下した場合に、前記負極の電位が所定の電位範囲内にあるときには、前記組電池の容量が前記基準値よりも高い場合と比べて、前記拘束圧が増加するように前記駆動装置を制御し、
    前記所定の電位範囲は、金属リチウム電位を基準とした前記負極の電位が0.3V以上かつ0.9V以下の範囲である、二次電池システム。
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