JP2018085789A - 二次電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムにおいて、正極電位を高精度に推定することによって、リチウムイオン二次電池の劣化を防止する。
【解決手段】二次電池システム2は、リチウムイオンを含む電解液に含浸された電極体150を含むセル110を備える。電極体150は、負極170が正極160と対向する領域である対向部Aと、負極170が正極160と対向していない領域である非対向部Bとを含む。ECU300は、電圧センサ101による検出値を用いて対向部AのSOCを算出し、対向部Aと非対向部Bとの間でのリチウムの移動量を示すマップMPと、対向部AのSOCとから、非対向部BのSOCを算出し、非対向部BのSOCから非対向部Bにリチウムが含まれることによる正極電位V1の変化量ΔV1を算出し、変化量ΔV1から算出される正極電位V1がしきい値電位Vth以上である場合にはセル110を放電させる。
【選択図】図7

Description

本開示は二次電池システムに関し、より特定的には、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムに関する。
リチウム二次電池を備えた二次電池システムにおいて、電圧センサにより検出された電圧に基づく様々な充放電制御が提案されている。たとえば特開2015−192561号公報(特許文献1)に開示された電池制御システムによれば、電圧センサによって検出された電圧が所定の上限電圧を超えたときに二次電池の充電が停止され、速やかに放電が開始される。これにより、負極で析出し始めた金属リチウムを再溶解させ、金属リチウムの固定化を防止することができる。
特開2015−192561号公報 特開2016−138833号公報 特開2010−268642号公報
リチウムイオン二次電池では、正極単体の電位(正極電位)が過度に上昇した場合に、正極から金属リチウムが電解液中に溶出し得る。電解液中に溶出したリチウムイオンは、負極へと移動し、負極にて金属リチウムとして析出することで、リチウムイオン二次電池の劣化が進行する可能性がある。
しかしながら、たとえば特許文献1においては、電圧センサにより検出可能である、二次電池の電圧(正極と負極との間の電位差)しか考慮されておらず、正極電位の変化については何ら考慮されていない。
特に、本発明者は、リチウムイオン二次電池の捲回あるいは積層された電極体が、負極が正極と対向する領域である「対向部」と、負極が正極と対向していない領域である「非対向部」とを含む場合に、非対向部にリチウムが含まれることによる正極の電位変化量を考慮することが望ましい点に着目した。一方、特許文献1には、対向部および非対向部についても特に考慮されていない。これらの点において、特許文献1に開示の電池制御システムには改善の余地が存在する。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムにおいて、正極電位を高精度に推定することによって、リチウムイオン二次電池の劣化を防止する技術を提供することである。
本開示のある局面に従う二次電池システムは、リチウムイオンを含む電解液に含浸された電極体を含む二次電池と、二次電池の電圧を検出する電圧センサと、電圧センサによる検出値を用いて二次電池の充放電を制御する制御装置とを備える。電極体は、負極が正極と対向する領域である対向部と、負極が正極と対向していない領域である非対向部とを含む。制御装置は、(1)電圧センサによる検出値を用いて対向部のSOC(State Of Charge)を算出し、(2)対向部と非対向部との間でのリチウムの移動量を示すデータと、対向部のSOCとから、非対向部のSOCを算出し、(3)非対向部のSOCから、非対向部にリチウムが含まれることによる正極の電位変化量を算出し、(4)電位変化量から算出される正極の電位がしきい値以上である場合には、二次電池を放電させる。
上記構成によれば、非対向部のSOCから、非対向部にリチウムが含まれることによる正極の電位変化量が算出される。このように、非対向部にリチウムが含まれることによる正極の電位変化量を考慮することによって、正極電位を高精度に推定することが可能になる。さらに、正極の電位変化量から算出される正極電位がしきい値以上である場合には、二次電池が放電される。これにより、正極電位をしきい値未満に維持し、正極からの金属リチウムの溶出を抑制することができるので、二次電池の劣化を防止することができる。
本開示によれば、リチウムイオン二次電池を備えた二次電池システムにおいて、正極電位を高精度に推定することによって、リチウムイオン二次電池の劣化を防止することができる。
本実施の形態に係る二次電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 蓄電装置の構成をより詳細に示す図である。 電極体の展開図である。 電極体の外観図である。 電極体の端部の構成をより詳細に説明するための図である。 正極における金属リチウムの溶出メカニズムを模式的に説明するための図である。 本実施の形態における蓄電装置の放電制御を説明するためのフローチャートである。 非対向部BのSOCを推定するためのマップの一例を説明するための図である。 正極電位の算出手法の一例を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下に説明する実施の形態では、本開示に係る二次電池システムがハイブリッド車両に搭載される構成を例に説明する。しかし、本開示に係る二次電池システムが搭載可能な車両はハイブリッド車両に限定されず、電気自動車または燃料自動車であってもよい。また、本開示に係る二次電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、定置用であってもよい。
[実施の形態]
<車両構成>
図1は、本実施の形態に係る二次電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、二次電池システム2と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10,20と、動力分割機構30と、エンジン40と、駆動輪50とを備える。二次電池システム2は、蓄電装置100と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)150と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)200と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10,20の各々は三相交流回転電機である。モータジェネレータ10は、動力分割機構30を介してエンジン40のクランク軸に連結される。モータジェネレータ10は、エンジン40を始動させる際には蓄電装置100の電力を用いてエンジン40のクランク軸を回転させる。また、モータジェネレータ10はエンジン40の動力を用いて発電することも可能である。モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて蓄電装置100に充電される。また、モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、モータジェネレータ20に供給される場合もある。
モータジェネレータ20は、蓄電装置100からの電力およびモータジェネレータ10により発電された電力のうちの少なくとも一方を用いて駆動軸を回転させる。また、モータジェネレータ20は回生制動によって発電することも可能である。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて蓄電装置100に充電される。
動力分割機構30は、たとえば遊星歯車機構であり、エンジン40のクランク軸、モータジェネレータ10の回転軸、および駆動軸の三要素を機械的に連結する。エンジン40は、ガソリンエンジン等の内燃機関であり、ECU300からの制御信号に応じて車両1が走行するための駆動力を発生する。
PCU200は、いずれも図示しないが、インバータと、コンバータとを含む。インバータは、一般的な三相インバータである。コンバータは、昇圧動作時には蓄電装置100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。コンバータは、降圧動作時にはインバータから供給された電圧を降圧して蓄電装置100を充電する。SMR150は、蓄電装置100とPCU200とを結ぶ電流経路に電気的に接続される。SMR150がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、蓄電装置100とPCU200との間で電力の授受が行なわれ得る。
蓄電装置100は、リチウムイオン二次電池を含み、再充電が可能に構成された直流電源である。蓄電装置100の構成については図2〜図5にて詳細に説明する。蓄電装置100には、電圧センサ101と、電流センサ102と、温度センサ103とが設けられる。電圧センサ101は、蓄電装置100(より具体的には各セル110)の電圧Vbを検出する。電流センサ102は、蓄電装置100に入出力される電流Ibを検出する。温度センサ103は、蓄電装置100(より具体的には、複数のセル110を含む電池ブロック)の温度Tbを検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。ECU300は、各センサによる検出結果に基づいて蓄電装置100のSOC(State Of Charge)を算出する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、入出力バッファ(図示せず)とを含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な制御として蓄電装置100の充放電制御が挙げられるが、この充放電制御については後に詳細に説明する。
<蓄電装置の構成>
図2は、蓄電装置100の構成をより詳細に示す図である。蓄電装置100は、複数のセル110と、一対のエンドプレート120と、拘束バンド130と、複数のバスバー140とを含む。
複数のセル110の各々は、たとえば扁平角型の形状を有する。複数のセル110は、最も面積が大きい側面(図中zx平面に平行な面)が互いに距離を隔てて対向するように積層される。図2では、複数のセル110を積層して構成される積層体のうち、積層方向(y方向)の一方端が部分的に示されている。この積層方向における一方端および他方端にそれぞれ対向するように、一対のエンドプレート120(図2では一方のみを示す)が配置される。拘束バンド130は、すべてのセル110を挟み込んだ状態である一対のエンドプレート120を拘束する。
各セル110は正極端子および負極端子を有し、その正極端子が隣接するセルの負極端子と対向するように配置されている。あるセルの正極端子と隣接するセルの負極端子とは、ボルトおよびナット(いずれも図示せず)を用いてバスバー140によって締結されることにより電気的に接続されている。これにより、バッテリ100内において複数のセル110は互いに直列に接続されている。各セル110の内部には電極体150(図3参照)が収容されている。
図3は、電極体150の展開図である。図4は、電極体150の外観図である。図3および図4を参照して、電極体150は、正極160と、負極170と、セパレータ180とを含む。
図3に示すように、正極160と負極170とセパレータ180とが積層されて積層体が形成されている。さらに、図4の矢印ARに示すように、積層体をx軸周りに巻くことによって捲回体が形成されている。x方向は各層の面内方向であり、y方向は各層の積層方向である。なお、電極体150を捲回体として形成することは必須ではなく、電極体150は積層体であってもよい。
正極160は、正極集電箔162と、正極集電箔162の表面に形成された正極活物質層(正極合材)164とを含む。正極活物質層164は、正極活物質と、導電材と、バインダ(いずれも図示せず)とを含む。
正極活物質は、好ましくは非水電解液二次電池の正極活物質として従来公知の材料からなる。正極活物質としては、たとえば一般式LiNiCoMn(0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)で表される化合物、一般式LiNiCoMnで表される化合物においてNi組成aが大きな化合物、一般式Li(NiCoAl)O(0<d<1、0<e<1、0<f<1、d+e+f=1)で表される化合物、オリビン型結晶構造を有するリチウム複合酸化物(たとえば一般式LiFePO(0≦x<1)で表される化合物)、または、スピネル型結晶構造を有するリチウム複合酸化物(たとえば一般式LiMn(0≦y<1)で表される化合物)等を用いることができる。導電剤は、非水電解液二次電池の正極活物質層に含まれる導電剤として従来公知の材料からなり、たとえばアセチレンブラック等の炭素材料である。バインダは、非水電解液二次電池の正極活物質層に含まれる結着剤として従来公知の材料からなり、たとえばPVdF(polyvinylidene difluoride)である。
同様に、負極170は、負極集電箔172と、負極集電箔172の表面に形成された負極活物質層(負極合材)174とを含む。負極活物質層174は、負極活物質と、導電材と、バインダ(いずれも図示せず)とを含む。
負極活物質は、非水電解液二次電池の負極活物質として従来公知の材料からなる。負極活物質としては、たとえば天然黒鉛を核材とする材料、ソフトカーボン、ハードカーボン、またはチタン酸リチウム等を用いることができる。バインダは、非水電解液二次電池の負極活物質層に含まれる結着剤として従来公知の材料からなり、たとえばSBR(styrene-butadiene rubber)である。
セパレータ180は、正極160と負極170との間に設けられる。セパレータ180は、多孔質ポリオレフィン系樹脂(たとえばポリプロピレン)からなる樹脂層である。
電解液は、有機溶媒と、リチウム塩と、添加剤とを含む。有機溶媒としては、たとえばDMC(dimethyl carbonate)と、EMC(ethyl methyl carbonate)と、EC(ethylene carbonate)との混合溶媒が用いられる。リチウム塩としては、たとえばLiPFが用いられる。添加剤としては、たとえばLiBOB(lithium bis(oxalate)borate)またはLi[PF(C]が用いられる。
図5は、電極体150の端部の構成をより詳細に説明するための図である。以下では、負極170(負極集電箔172および負極活物質層174)が、セパレータ180を介して正極160(正極集電箔162および正極活物質層164)と対向するように設けられた領域を「対向部」Aとも称する。一方、負極170は設けられているものの、それに対向するように正極160が設けられていない領域を「非対向部」Bとも称する。
図6は、正極160における金属リチウムの溶出メカニズムを模式的に説明するための図である。図6(A)〜図6(D)において、横軸は、負極170の位置xを示す。図中左側が対向部Aであり、図中右側が非対向部Bである。縦軸は、上から順に、各位置xでの負極活物質内のリチウムイオン量および正極電位V1を示す。なお、以下では理解を容易にするために、特定のセル110の充放電制御について代表的に説明するが、充放電の制御単位は複数のセル110を含む電池スタックであってもよいし、蓄電装置100全体であってもよい。
図6(A)は、セル110の初期状態(たとえば製造直後の状態)を表す。初期状態では、対向部Aと非対向部Bとの間でのリチウム(リチウムイオン)の濃度差が大きい。そのため、図6(B)に示すように、対向部Aに含まれるリチウムの一部が非対向部Bに移動(拡散)する。
セル110の放電が行なわれると、非対向部Bへ移行したリチウムは残ったままである一方で、対向部Aに存在するリチウムは、正極160へと戻る。リチウムが正極160へと戻ることで、図6(C)に示すように、図6(B)に示した状態と比べて、正極電位V1が低下する。これに対し、非対向部B寄りの対向部Aの正極電位V1は、リチウムが戻ってこない分、対向部A内部の正極電位V1よりも高くなる。
その後、セル110の充電が再度行なわれた場合、対向部Aは、図6(A)に示した状態と同等のリチウムイオン量を有する。非対向部B寄りの対向部Aの正極160は、図6(A)と同等のリチウムイオンを放出しなければならないため、対向部A内部と比べて、正極電位V1が高くなる。
負極170側へと移動したリチウムイオンの一部は、負極170において析出する。より詳細には、たとえば、リチウムイオンの一部が黒鉛の層間において金属リチウムになる。あるいは、金属リチウムにより酸化された電解液の分解物により負極170の抵抗が増大し、負極170のうちの抵抗が増大していない部分(抵抗増大量が相対的に小さい部分)に電流が集中する。その結果、負極170において金属リチウムの析出が進み、セル110が劣化する。
上述のメカニズムに従って正極160から金属リチウムが溶出することで、図6(C)および図6(D)に示すように、非対向部Bの正極電位V1が、対向部Aの正極電位V1とは異なる局所的な変化を起こし得る。しかし、たとえば特許文献1のように電圧センサによる検出値を用いる構成では、このような局所的な電位変化を検出することはできない。
そこで、本実施の形態においては、電圧センサ101によるセル110の電圧検出値(電圧Vb)を用いて対向部AのSOCを算出し、対向部AのSOCから非対向部BのSOCを算出し、非対向部BのSOCから正極電位V1の変化量ΔV1(非対向部にリチウムが存在することによる電位変化量)を算出する。そして、正極電位V1を算出し、正極電位V1がしきい値電位Vth以上である場合には、蓄電装置100を放電させることにより正極電位V1を低下させる。これにより、正極160からの金属リチウムの溶出を抑制し、それにより負極170への金属リチウムの析出を抑制することで、セル110の劣化を防止する。以下、この放電制御について詳細に説明する。
<放電制御フロー>
図7は、本実施の形態における蓄電装置100の放電制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、たとえば所定の演算周期毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップ(「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、その一部または全部がECU300内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S10において、ECU300は、電圧センサ101からセル110の電圧Vbを取得する。
S20において、ECU300は、S10にて取得された電圧Vbからセル110における対向部AのSOC(実質的にはセル110全体のSOCとほぼ等しい)を算出する。より具体的には、ECU300のメモリ302には、セル110の電圧(OCV:Open Circuit Voltage)とSOCとの関係を示すマップが記憶されている。ECU300は、たとえば蓄電装置100の充放電が行なわれていないときにセル110の電圧Vbを取得し、上記マップを参照することによって、電圧Vbから対向部AのSOCを算出する。
S30において、ECU300は、S20にて算出した対向部AのSOCから非対向部BのSOCを算出する。非対向部BのSOCの算出には、たとえば下記式(1)が用いられる。式(1)では、図7に示す一連の処理が繰り返し実行される場合に、n(nは自然数)回目の処理にて算出される非対向部BのSOCを「SOC_B(n)」と表す。
SOC_B(n+1)=SOC_B(n)+f(SOC_B(n)) ・・・(1)
式(1)には、SOC_B(n)を引数とする関数fが含まれる。関数fは、各演算周期において対向部Aと非対向部Bとの間での単位時間当たりのリチウムの移動量(リチウムの緩和速度)を表すものである。リチウム量とSOCとの間には対応関係が存在するため、関数fは、各演算周期でのSOCの変化量ΔSOCと言うこともできる。たとえば以下で説明するマップMPを実験またはシミュレーションにより準備することにより、関数fの項(右辺第2項)を算出することができる。
図8は、非対向部BのSOC(SOC_B)を算出するためのマップMPの一例を説明するための図である。図8に示すマップMPでは、n回目の処理にて算出される対向部AのSOCを「SOC_A(n)」と表している。
図8に示すように、(n+1)回目の処理にて非対向部BのSOC(SOC_B(n+1))を算出する際には、n回目(前回)の処理にて算出された対向部AのSOC(SOC_A(n))および非対向部BのSOC(SOC_B(n))が用いられる。なお、SOC_Bの初期値SOC_B(0)は、たとえば0%と設定することができる。
SOC_A(n)とSOC_B(n)とが等しい場合には、リチウムの緩和速度(あるいはリチウムの移動量)は0である。SOC_A(n)がSOC_B(n)よりも高い場合には、緩和速度は正になる。つまり、SOC_B(n+1)は、SOC_B(n)よりも増加する。SOC_A(n)とSOC_B(n)との差(絶対値)が大きいほど、SOC_B(n+1)の増加量は大きくなる。
一方、SOC_A(n)がSOC_B(n)よりも低い場合には、緩和速度は負になる。つまり、SOC_B(n+1)は、SOC_B(n)よりも減少する。SOC_A(n)とSOC_B(n)との差(絶対値)が大きいほど、SOC_B(n+1)の減少量は大きくなる。
緩和速度とSOCの変化量ΔCとの対応関係を求めておくことにより、マップMPと、対向部AのSOC_A(n)と、非対向部BのSOC_B(n)とから、非対向部BのSOC_B(n+1)を算出することができる。なお、リチウムの緩和速度はセル110の温度Tbに応じて変化するため、図8に示すような関係を温度Tbの所定範囲毎(たとえば数℃毎)に定めることが望ましい。
図7に戻り、S40において、ECU300は、S30にて算出した非対向部BのSOCから、正極電位V1(の変化量ΔV1)を算出する。より詳細には、非対向部Bよりの対向部Aの正極電位V1が算出される(図6(C)および図6(D)参照)。
図9は、正極電位V1の算出手法の一例を説明するための図である。図9において、横軸は、非対向部BのSOCを示す。縦軸は、SOCが100%の場合の正極電位V1を基準とした正極電位V1の変化量ΔV1を示す。
図9に示すように、非対向部BのSOCと、正極電位V1の変化量ΔV1との間には相関関係が存在する。この相関関係は、材料系に応じて異なる(材料の組成および構造に応じて異なる)ので、セル110に用いた材料に応じて適切な相関関係を実験により予め求めておくことができる。この相関関係を参照することで、SOC_B(n+1)から正極電位V1の変化量ΔV1を算出し、それにより正極電位V1を算出することができる。
図7に戻り、S50において、ECU300は、S40にて算出した正極電位V1が所定のしきい値電位Vth以上であるか否かを判定する。しきい値電位Vthは、正極160からの金属リチウムの溶出量をどの程度に抑えたいかに応じて適宜定められる電位である。
正極電位V1がしきい値電位Vth以上である場合(S50においてYES)、ECU300は、セル110の放電制御を実行する(S60)。これにより、正極電位V1がしきい値電位Vth未満となるため、正極160からの金属リチウムの過度の溶出を抑制することができる。
一方、正極電位V1がしきい値電位Vth未満である場合(S50においてNO)には、金属リチウムの溶出を特に考慮しなくてよいとして、ECU300は、S60の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。
以上のように、本実施の形態によれば、図8に示したマップMPを参照することによって非対向部BのSOCが算出され、さらに、図9に示した関係より、非対向部BのSOCから非対向部Bにリチウムが含まれることによる正極電位V1の変化量ΔV1が算出される。このように、非対向部Bにリチウムが含まれることによる変化量ΔV1を考慮することによって、正極電位V1を高精度に推定することが可能になる。さらに、そのように高精度に推定された正極電位V1がしきい値電位Vth以上である場合(図7のS50においてYES)には、蓄電装置100が放電される。これにより、正極電位V1をしきい値電位Vth未満に維持することができるので、正極160からの金属リチウムの溶出、および、それによるセル110の劣化を防止することができる。
<実証実験>
本実施の形態における放電制御(図7参照)の効果を確認するため、6台の車両を準備し、走行試験を実施した。3台の車両は、本実施の形態における放電制御が実行される車両であり、残り3台の車両は、放電制御が実行されない対照実験のための車両である。走行試験後に蓄電装置を取り出し、セルを解体して解析した。その結果、対照実験のための3台の車両に搭載されたセルでは、いずれも金属リチウムの析出が確認された。これに対し、本実施の形態における放電制御が実行された車両に搭載されたセル110においては、金属リチウムは析出しなかった。これにより、本実施の形態における放電制御の有効性が確認されたと言える。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 二次電池システム、10,20 モータジェネレータ、30 動力分割機構、40 エンジン、50 駆動輪、100 蓄電装置、101 電圧センサ、102 電流センサ、103 温度センサ、110 セル、120 エンドプレート、130 拘束バンド、140 バスバー、150 電極体、160 正極、162 正極集電箔、164 正極活物質層、170 負極、172 負極集電箔、174 負極活物質層、180 セパレータ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. リチウムイオンを含む電解液に含浸された電極体を含む二次電池と、
    前記二次電池の電圧を検出する電圧センサと、
    前記電圧センサによる検出値を用いて前記二次電池の充放電を制御する制御装置とを備え、
    前記電極体は、
    負極が正極と対向する領域である対向部と、
    前記負極が前記正極と対向していない領域である非対向部とを含み、
    前記制御装置は、
    前記電圧センサによる検出値を用いて前記対向部のSOC(State Of Charge)を算出し、
    前記対向部と前記非対向部との間でのリチウムの移動量を示すデータと、前記対向部のSOCとから、前記非対向部のSOCを算出し、
    前記非対向部のSOCから、前記非対向部にリチウムが含まれることによる前記正極の電位変化量を算出し、
    前記電位変化量から算出される前記正極の電位がしきい値以上である場合には、前記二次電池を放電させる、二次電池システム。
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