JP2019066089A - 蒸気過熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システム起動の自動化を可能とする蒸気過熱システム1を提供すること。【解決手段】蒸気過熱システム1は、起動指示にしたがって過熱蒸気送気弁47を閉状態にし、少なくとも1台のヒータ20をバイパスさせて、第1の流量の飽和蒸気を過熱蒸気ヘッダ43に供給して過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値になるまで上昇させるバイパス制御部63と、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁を制御する放蒸制御部64と、飽和蒸気をバイパスさせたヒータ20を除く残り全台のヒータ20を暖気運転モードに移行させ、その後飽和蒸気をバイパスさせたヒータ20を暖気運転モードに移行させ、暖気完了したヒータ20を最低燃焼状態で燃焼制御させる暖気運転制御部65と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の蒸気過熱装置を備える蒸気過熱システムに関する。
ボイラ等の蒸気発生装置によって発生させた飽和蒸気をヒータによって過熱し、負荷機器に過熱蒸気を供給する蒸気過熱装置が知られている(特許文献1)。
また、このような蒸気過熱装置を複数台並列に配置し、これらの蒸気過熱装置から供給される過熱蒸気を過熱蒸気ヘッダに集合して、負荷機器に供給する蒸気過熱システムが知られている。このような蒸気過熱システムでは、蒸気過熱装置から供給される過熱蒸気量に対して必要蒸気量(負荷量)が上回ると過熱蒸気ヘッダ圧力が低下し、負荷量が下回ると過熱蒸気ヘッダ圧力が上昇することから、過熱蒸気供給量を維持するために、過熱蒸気ヘッダの圧力を監視し、その圧力を予め設定された目標圧力に保つように制御する。
特開2014−55694号公報
蒸気過熱システムの起動は、初起動(「冷態時起動」ともいう)によって安全が確認された状態を確立した後に、停止状態から過熱蒸気供給可能な状態にするための操作(「システム起動」ともいう)が行われる。蒸気過熱システムの初起動が完了し、燃焼待機状態で停止している場合、システム起動が行なわれる。
冷態時起動は、例えば、発電ユニット停止時に、長期保管とされた蒸気過熱システム1を起動する際の起動形態であって、現場における有人操作(例えば、保管状態の解除、各種弁の操作、電源・運転スイッチオン操作、安全確認等)が必要となる。
システム起動では、飽和蒸気の供給が開始され、安定的な過熱蒸気発生を行うために蒸気過熱システム1の準備が行なわれる。
このような蒸気過熱システムの初起動においては、安全のため、手動による立ち上げが必要であるが、蒸気過熱システムのシステム起動においても一部手動で立ち上げる必要があった。また、立ち上げの際に、要求される温度、圧力に関する過熱蒸気条件に至る前の過熱蒸気あるいは飽和蒸気を一部手動で蒸気過熱システム所掌外に送気する必要があった。
本発明は、複数の蒸気過熱装置を備える蒸気過熱システムにおいて、初起動完了後の燃焼待機状態からの立ち上げの自動化を可能とする蒸気過熱システムを提供することを目的とする。
本発明は、上流側が蒸気発生装置により生成される飽和蒸気を集合させる蒸気ヘッダに接続されるメイン蒸気供給ライン及び該メイン蒸気供給ラインから分岐する複数の分岐蒸気供給ラインを有する蒸気供給ラインと、前記複数の分岐蒸気供給ラインそれぞれに配置される複数の流量調整弁と、前記複数の分岐蒸気供給ラインの下流側にそれぞれ接続され、該分岐蒸気供給ラインから供給される飽和蒸気を過熱する複数の蒸気過熱装置と、上流側がそれぞれ前記複数の蒸気過熱装置に接続され該蒸気過熱装置で過熱された過熱蒸気が流通する複数の過熱蒸気ライン及び該複数の過熱蒸気ラインの下流側が接続され該複数の過熱蒸気ラインを流通した過熱蒸気が集合される過熱蒸気集合ラインを有する過熱蒸気供給ラインと、前記複数の過熱蒸気ラインそれぞれに対応して配置され該過熱蒸気ラインにおける過熱蒸気温度を検出する複数の過熱蒸気温度センサと、前記過熱蒸気集合ラインの下流側に接続される過熱蒸気ヘッダと、上流側が前記過熱蒸気ライン又は前記過熱蒸気ヘッダの所定の位置に接続され、過熱蒸気を放蒸させる放蒸ラインと、前記放蒸ラインに配置される放蒸弁と、上流側が前記過熱蒸気ヘッダに接続され、下流側が負荷機器に接続される過熱蒸気送気ラインと、前記過熱蒸気送気ラインに配置される過熱蒸気送気弁と、前記過熱蒸気ヘッダの内部のヘッダ圧力値である過熱蒸気ヘッダ圧力値を検出するヘッダ圧力センサと、前記複数の蒸気過熱装置を制御する台数制御部と、を備え、前記台数制御部は、起動指示にしたがって前記過熱蒸気送気弁を閉状態にし、少なくとも1台の蒸気過熱装置をバイパスさせて、第1の流量の飽和蒸気を前記過熱蒸気ヘッダに供給して前記過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値になるまで上昇させるバイパス制御部を備える蒸気過熱システムに関する。
また、前記バイパス制御部は、前記分岐蒸気供給ラインに配置された流量調整弁の開度を制御することで、前記蒸気過熱装置をバイパスさせて第1の流量にて前記飽和蒸気を前記過熱蒸気ライン及び前記過熱蒸気集合ラインを介して前記過熱蒸気ヘッダに供給することが好ましい。
また、前記台数制御部は、前記過熱蒸気ヘッダ圧力値が前記目標圧力値を維持するように前記放蒸弁を制御する放蒸制御部をさらに備えることが好ましい。
また、前記台数制御部は、さらに、飽和蒸気をバイパスさせた蒸気過熱装置を除く残り全台の蒸気過熱装置に対して、暖気運転モードに移行させ、その後前記飽和蒸気をバイパスさせた蒸気過熱装置を暖気運転モードに移行させ、暖気完了した前記蒸気過熱装置を最低燃焼状態で燃焼制御させる暖気運転制御部を備えることが好ましい。
また、前記台数制御部は、さらに、運転開始指示に応答して、前記過熱蒸気送気弁を開状態にする運転開始制御部を備え、前記放蒸制御部は、さらに、前記運転開始指示を受けるまで、前記放蒸弁を制御することで、過熱蒸気供給可能な運転準備完了状態を維持することが好ましい。
また、前記運転開始制御部は、さらに、蒸気過熱システムの運転中に、運転待機指示に応答して、前記過熱蒸気送気弁を閉状態にし、前記蒸気過熱装置を前記運転準備完了状態に移行させることが好ましい。
本発明によれば、複数の蒸気過熱装置を備える蒸気過熱システムにおいて、初起動完了後の燃焼待機状態からの立ち上げの自動化を可能とする。
本発明の一実施形態である蒸気過熱システムを概略的に示した図である。 台数制御部の構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態の蒸気過熱システムにおけるシステム起動時から運転停止までの処理フローを示すフローチャートである。 本実施形態の蒸気過熱システムにおけるシステム起動時から運転停止までの処理フローを示すフローチャートである。 本実施形態の蒸気過熱システムにおける通常運転時の処理フローを示すフローチャートである。 本実施形態の蒸気過熱システムにおける通常運転時の処理フローの一部を示すフローチャートである。 本実施形態の蒸気過熱システムにおける運転停止時の処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の蒸気過熱システムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の蒸気過熱システム1は、蒸気発生装置としてのボイラから供給される飽和蒸気を過熱し、負荷機器に供給するシステムである。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
図1に示すように、蒸気過熱システム1は、複数のヒータ20と、蒸気供給ライン10と、燃料供給ライン30と、過熱蒸気供給ライン40と、過熱蒸気ヘッダ43と、ヘッダ圧力センサ52と、ヘッダ温度センサ53と、制御部としての台数制御部60と、を備える。
[ヒータ20について]
ヒータ20は、飽和蒸気を過熱して過熱蒸気を生成するものであり、本実施形態の蒸気過熱システム1では、複数のヒータ20が並列配置される。各ヒータ20は、ガス焚きの燃焼バーナ方式の蒸気過熱装置であり、これらのヒータ20で過熱された過熱蒸気が集合されて負荷機器(図示省略)に供給される。なお、ヒータ20は、ガス焚きの燃焼バーナ方式の蒸気過熱装置に限定されない。ヒータ20は、油焚きの燃焼バーナ方式の蒸気過熱装置でもよい。燃料は限定されない。
ヒータ20の構成について説明する。本実施形態のヒータ20は、筐体25と、蒸気流通パイプ26と、バーナ(図示省略)と、ヒータ制御部21と、を備える。
筐体25は、その内部に蒸気流通パイプ26やバーナ等を収容する。蒸気流通パイプ26は、筐体25の内部にらせん状に形成されて配置される。バーナは、筐体25の上部であって、らせん状に形成される蒸気流通パイプ26の内側の領域に火炎を形成するように配置される。
また、バーナは、パイロットバーナ及びメインバーナによって構成されている。本実施形態では、蒸気流通パイプ26の内側の領域(燃焼室)をプレパージするプレパージ工程、パイロットバーナを着火する着火トライ工程、パイロットバーナのみを燃焼させるパイロットオンリー工程、メインバーナを点火するメイントライ工程等を経て燃焼が開始される。バーナの燃焼によって蒸気流通パイプ26を通過する飽和蒸気が過熱されて過熱蒸気が生成される。
ヒータ制御部21は、着火や燃焼等に関するバーナの制御や燃焼停止をヒータ20ごとに行う。本実施形態の各ヒータ20のヒータ制御部21は、後述する台数制御部60に電気的にそれぞれ接続されている。
ヒータ制御部21は、台数制御部60からの制御信号に基づいて、ヒータ20の燃焼制御の開始、又はヒータ20の燃焼停止を制御する。また、ヒータ制御部21は、台数制御部60からの制御信号に基づいて、過熱蒸気の目標温度及び要求される過熱蒸気量(以下「必要蒸気量」ともいう)を設定する。
ヒータ制御部21は、必要蒸気量に基づいて流量調整弁14の開度を調整する。
このように、台数制御部60は、ヒータ20が必要蒸気量を生成するように、ヒータ制御部21を介して、流量調整弁14の開度を調整する。
ヒータ制御部21は、過熱蒸気温度センサ51により検出される過熱蒸気検出温度が目標温度を維持するように、バーナの燃焼量を制御する。ヒータ20によって過熱される過熱蒸気の過熱蒸気温度は、各ヒータ側で個別に比例制御される。
なお、ヒータ制御部21に係る制御の詳細については、台数制御部60による運転制御の説明と併せて後述する。
[蒸気供給ライン10]
蒸気供給ライン10は、飽和蒸気をヒータ20に供給する供給経路である。本実施形態の蒸気供給ライン10は、メイン蒸気供給ライン11と、該メイン蒸気供給ライン11から分岐する複数の分岐蒸気供給ライン12と、を備える。
[蒸気発生装置としてのボイラ]
メイン蒸気供給ライン11は、蒸気発生装置としてのボイラ(図示省略)に接続されている。本実施形態のメイン蒸気供給ライン11は、ボイラで生成された飽和蒸気が集合する飽和蒸気ヘッダ(図示省略)を介してボイラに接続されている。飽和蒸気ヘッダに集合した飽和蒸気は、このメイン蒸気供給ライン11を通じて複数に分岐する分岐蒸気供給ライン12にそれぞれ送られる。
なお、蒸気発生装置としてのボイラにおいて、飽和蒸気ヘッダの内部のヘッダ圧力値である飽和蒸気ヘッダ圧力値は、予め設定された目標圧力値(以下、「飽和蒸気ヘッダ目標圧力値」という)を維持するように制御される。
分岐蒸気供給ライン12は、その上流側の端部がメイン蒸気供給ライン11に接続されるとともに、その下流側の端部がヒータ20の蒸気流通パイプ26の上流側端部に接続される。分岐蒸気供給ライン12は、ヒータ20の台数に応じて複数分岐している。メイン蒸気供給ライン11を通じて送られた飽和蒸気は、分岐蒸気供給ライン12を通じて各ヒータ20に供給される。
また、本実施形態の分岐蒸気供給ライン12には、蒸気流量計13と、流量調整弁14と、ドレンライン15と、スチームトラップ16と、ドレン排出弁17と、が配置される。
蒸気流量計13は、分岐蒸気供給ライン12のそれぞれに配置され、分岐蒸気供給ライン12を流れる蒸気の流量を測定する。蒸気流量計13の測定情報は、直接又はヒータ制御部21を介して台数制御部60に送信される。
流量調整弁14は、分岐蒸気供給ライン12における蒸気流量計13の下流側にそれぞれ配置される。流量調整弁14は、分岐蒸気供給ライン12を流れる蒸気の流量を調整可能に構成される電動式の流量調整弁である。前述したように、流量調整弁14は、台数制御部60により、ヒータ制御部21を介して制御される。
流量調整弁14は、例えばメインモータバルブ(図示省略)と暖気用モータバルブ(図示省略)を含むように構成してもよい。
ドレンライン15は、その上流側の端部が分岐蒸気供給ライン12における流量調整弁14の下流側にそれぞれ接続される。ドレンライン15の下流側は、2つに分岐している。
スチームトラップ16は、ドレンライン15のそれぞれに配置される。ドレンは、スチームトラップ16で分離され、回収される。
ドレン排出弁17は、ドレンライン15のそれぞれに、スチームトラップ16と並列に配置される。ドレン排出弁17は、例えば、開閉制御可能な電磁弁により構成される。
なお、ドレン排出弁17によりヒータ20の起動時の初期ドレンを排出させることができる。
[燃料供給ライン30]
燃料供給ライン30は、燃料ガスをヒータ20に供給する燃料ガス供給経路である。本実施形態の燃料供給ライン30は、メイン燃料供給ライン31と、メイン燃料供給ライン31から分岐する複数の分岐燃料供給ライン32と、を備える。
メイン燃料供給ライン31は、その上流側の端部が燃料ガス供給源(図示省略)に接続される。燃料ガス供給源から供給された燃料ガスは、メイン燃料供給ライン31を通じて複数に分岐する分岐燃料供給ライン32にそれぞれ送られる。
分岐燃料供給ライン32は、その上流側の端部がメイン燃料供給ライン31に接続されるとともに、その下流側の端部がヒータ20に接続される。分岐燃料供給ライン32は、ヒータ20の台数に応じて複数分岐している。メイン燃料供給ライン31を通じて送られた燃料ガスは、分岐燃料供給ライン32を通じて各ヒータ20に供給される。
また、本実施形態の分岐燃料供給ライン32には、燃料調整弁33が配置される。燃料調整弁33は、分岐燃料供給ライン32を流れる燃料ガスの流量を調整可能に構成される電動弁である。
[過熱蒸気供給ライン40]
過熱蒸気供給ライン40は、ヒータ20によって過熱された過熱蒸気を負荷機器に供給するための供給経路である。本実施形態の過熱蒸気供給ライン40は、複数の過熱蒸気ライン41と、該過熱蒸気ライン41が接続される過熱蒸気集合ライン42と、を備える。
過熱蒸気ライン41は、その上流側の端部がヒータ20の蒸気流通パイプ26の下流側の端部に接続される。また、過熱蒸気ライン41の下流側の端部は、過熱蒸気集合ライン42に接続される。ヒータ20で過熱された過熱蒸気は、この過熱蒸気ライン41を通じて過熱蒸気集合ライン42に送られる。また、過熱蒸気ライン41には、逆止弁等が配置されておらず、過熱蒸気が双方向に移動可能になっている。
過熱蒸気ライン41には、過熱蒸気温度センサ51が配置される。過熱蒸気温度センサ51は、複数の過熱蒸気ライン41のそれぞれに対応して配置され、ヒータ20によって過熱された過熱蒸気の温度を測定する。過熱蒸気温度センサ51の測定情報は、ヒータ制御部21に送信される。
過熱蒸気温度センサ51は、例えば過熱蒸気ライン41又は蒸気過熱装置であるヒータ20に配置することができる。
過熱蒸気集合ライン42は、その下流側の端部が過熱蒸気ヘッダ43に接続される。また、過熱蒸気集合ライン42についても、逆止弁等が配置されておらず、過熱蒸気が双方向に移動可能になっている。
過熱蒸気ヘッダ43は、過熱蒸気供給ライン40を通じて各ヒータ20で過熱された過熱蒸気を集合し、負荷機器(図示省略)に供給する。
ヘッダ圧力センサ52は、過熱蒸気ヘッダ43の内部の圧力を測定する。ヘッダ温度センサ53は、過熱蒸気ヘッダ43の内部の温度を測定する。これらの測定情報は、台数制御部60に送信される。ヘッダ圧力センサ52により検出される過熱蒸気ヘッダ43の内部の圧力値を過熱蒸気ヘッダ圧力値という。なお、過熱蒸気ヘッダ43の近傍の過熱蒸気集合ライン42の内部の圧力値を過熱蒸気ヘッダ圧力値の代わりに用いてもよい。このように、過熱蒸気ヘッダ圧力値と実質的に同じ圧力値となる過熱蒸気ヘッダ43の近傍の内部の圧力値を過熱蒸気ヘッダ圧力値の代わりに用いてもよい。
なお、蒸気過熱システム1において、過熱蒸気ヘッダ圧力値は、予め設定された目標圧力値を維持するように、台数制御部60により制御される。以下、特に断らない限り、目標圧力値は、過熱蒸気ヘッダ圧力値に係る目標圧力値を意味する。
[過熱蒸気放蒸ライン44]
過熱蒸気放蒸ライン44は、その上流側が過熱蒸気ライン41又は過熱蒸気ヘッダ43の所定の位置に接続される。過熱蒸気放蒸ライン44は、過熱蒸気を放蒸させる放蒸経路である。過熱蒸気放蒸ライン44には、放蒸弁45が配置される。
放蒸弁45は、過熱蒸気放蒸ライン44の下流側に配置される。放蒸弁45は、過熱蒸気ライン41又は過熱蒸気ヘッダ43から放蒸させる過熱蒸気の流量を調整可能に構成される電動弁、又はエア駆動弁等である。なお、複数の過熱蒸気放蒸ライン44に開閉弁を設けて、過熱蒸気放蒸ライン44の開閉により、過熱蒸気の流量を調整してもよい。
放蒸制御方式として、放蒸弁45の弁開度に基づいて過熱蒸気ヘッダ圧力を調整することで過熱蒸気を放蒸させる連続制御方式を適用することができる。また、放蒸弁45を例えば開閉弁として、放蒸弁45の開時間とその頻度に基づいて過熱蒸気ヘッダ圧力を調整することで過熱蒸気を放蒸させる間欠制御方式を適用してもよい。
[過熱蒸気送気ライン46]
過熱蒸気送気ライン46は、上流側が過熱蒸気ヘッダ43に接続されるとともに、その下流側が負荷機器(図示省略)に接続される。過熱蒸気送気ライン46は、過熱蒸気を負荷機器(図示省略)に供給する供給経路である。過熱蒸気送気ライン46には、過熱蒸気送気弁47が配置される。
過熱蒸気送気弁47は、過熱蒸気送気ライン46の下流側に配置される。過熱蒸気送気弁47は、過熱蒸気ヘッダ43から負荷機器(図示省略)に供給する過熱蒸気の流量を調整可能に構成される電動弁、又はエア駆動弁等である。
次に、複数のヒータ20を制御する蒸気過熱システム1の制御部としての台数制御部60について説明する。台数制御部60は、複数のヒータ20の燃焼制御や、流量調整弁14、放蒸弁45、過熱蒸気送気弁47等の弁の開閉制御等を行う。
図2は、台数制御部60の構成を示すブロック図である。図2に示すように、台数制御部60は、台数設定部61と、準備開始制御部62と、バイパス制御部63と、放蒸制御部64と、暖気運転制御部65と、運転開始制御部66と、最小燃焼台数設定部67と、燃焼制御部68と、停止制御部69と、を備える。
[システム起動]
台数制御部60の各機能部について説明する前に、蒸気過熱システム1のシステム起動について説明する。
各機器(蒸気発生装置としてのボイラシステム及び蒸気過熱装置(ヒータ))の燃焼待機状態(電源オン状態)において、台数制御盤(又は中央監視制御盤)の運転準備スイッチボタンが押されることで、蒸気過熱システム1はシステム起動を開始し、運転準備モードに移行する。
なお、負荷機器(図示省略)の使用する過熱蒸気の最大蒸気要求量を合計した最大蒸気要求量が予め設定されており、システム起動時に最大蒸気要求量を賄えるヒータ20の台数が設定され、例えば優先順位等に基づいて、過熱を行うヒータ(以下「燃焼制御対象ヒータ」という)が設定される。
また、蒸気発生装置としてのボイラにおける飽和蒸気ヘッダ目標圧力値、及び蒸気過熱システム1における過熱蒸気ヘッダ圧力値の目標圧力値がそれぞれ予め設定されている。蒸気発生装置としてのボイラは稼働後、飽和蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された飽和蒸気ヘッダ目標圧力値を維持するように制御される。同様に、蒸気過熱システム1は稼働後、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように制御される。
過熱蒸気ヘッダ圧力値の目標圧力値は、飽和蒸気ヘッダ目標圧力値より小さな値となるように、所定の差圧を設けて設定されることが好ましい。詳細については、後述する。
また、差圧に換えて、ヒータ20に供給される飽和蒸気流量に係る所定の流量値を設定し、ヒータ20に供給される飽和蒸気流量が、所定の流量値以上になるように制御されてもよい。
[運転準備モード]
運転準備モードとは、ボイラを燃焼させることで飽和蒸気を生成させて、当該飽和蒸気をヒータ20に流入させ、まず、過熱蒸気ヘッダ圧力がヒータ20の燃焼可能圧力(以下「ヒータ燃焼可能圧力」ともいう)となるまで飽和蒸気を過熱蒸気ヘッダ43に供給し、その後ヒータ20に燃焼許可を指令して燃焼させることで過熱蒸気を生成し、過熱蒸気が安定し、負荷機器側に送気可能な状態となるまでの動作モードを意味する。なお、運転準備モードの間、過熱蒸気送気ライン46に配置された過熱蒸気送気弁47を閉状態にすることで、飽和蒸気又は生成された過熱蒸気が負荷機器側に送気されないように制御される。
運転準備モードは、バイパス段階と、暖気運転段階と、運転準備完了段階と、から構成される。
[バイパス段階]
バイパス段階とは、各ヒータ20の暖気運転開始前に、所定の台数(1台又は複数台)の燃焼待機状態のヒータ20(以下「バイパスヒータ」という)を介して、飽和蒸気を過熱蒸気ヘッダ43に供給することで、過熱蒸気ヘッダ圧力値がヒータ20の燃焼可能圧力値に到達させる段階を意味する。
ここで、バイパスとは、燃焼待機状態のバイパスヒータ20に対応する流量調整弁14(例えば、メインモータバルブ又は暖気用モータバルブ)を開とすることで、予め設定された第1の流量(「バイパス流量」ともいう)の飽和蒸気を筐体25の内部に配置された蒸気流通パイプ26を経由させて、過熱蒸気ライン41を介して過熱蒸気ヘッダ43に流入させる形態を意味する。この際、当該バイパスヒータ20は燃焼待機状態であることから、飽和蒸気は過熱されずに過熱蒸気ヘッダ43に流入する。なお、バイパスヒータの台数は、オペレータの指示により変更してもよい。また、バイパスヒータは、優先順位が下位のヒータ20が選択されることが好ましい。
バイパス段階において、バイパスヒータ20を経由して過熱蒸気集合ライン42に流入した飽和蒸気は一部、他の過熱蒸気ライン41を逆流して他のヒータ20に流入する。これにより、他の過熱蒸気ライン41を逆流した飽和蒸気は、他の燃焼制御対象ヒータを温めることができるとともに、スチームトラップ16を介してドレン抜きを行う。そうすることで、ウータハンマー現象を低減させることができる。
また、バイパス段階において過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値(ヒータ20の燃焼可能圧力値)に達した後、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように、過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45が制御される。
[暖気運転段階]
バイパス段階時において所定の条件(例えば、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上になった条件)を満たすと、バイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(以下「非バイパスヒータ」ともいう)に対して、1台ずつ(例えば時間間隔を設けて)燃焼許可を指令して、暖気運転に移行させる。そして、全ての非バイパスヒータの暖気が完了すると、次に、バイパスヒータ20に対して順次燃焼許可を指令して、暖気運転に移行させて、バイパスヒータ20の暖気を全て完了させる。
なお、暖機運転段階のバイパス段階時における所定条件は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上になった条件としたが、飽和蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上になった条件としてもよいし、両方の条件を満たすことを条件としてもよい。
また、全ての非バイパスヒータの暖気の完了を待つのではなく、予め設定される所定間隔で、非バイパスヒータ及びバイパスヒータの暖気を開始するようにしてもよい。なお、所定間隔は、一定の値でもよい。また、所定間隔が一定値でなく、長くなっていくように設定してもよい。逆に、所定間隔が一定値でなく、短くなっていくようにしてもよい。
このように暖気運転段階とは、所定の条件を満たすことで、非バイパスヒータに対して燃焼許可を指令して暖気運転に移行させてから、全ての非バイパスヒータの暖気が完了し、その後バイパスヒータ20に対して燃焼許可を指令して暖気運転に移行させてから、全てのバイパスヒータの暖気が完了するまでの段階を意味する。
暖気とは、蒸気過熱装置であるヒータ20及びそれを含む蒸気過熱システム1において、ヒータ20の燃焼開始後、当該ヒータ20により過熱蒸気を供給する前に、蒸気を所定の温度まで加熱し暖めることを意味する。また、暖気準備として蒸気により配管や伝熱管等を暖めること等を行うことから、暖気は、一般的な用語としての暖機の意味を含む。
そして、暖気運転とは、暖気運転対象となるヒータ20(「暖気運転ヒータ」という)に対応する流量調整弁14を開とすることで、予め設定された第2の流量(以下「暖気運転流量」ともいう)の飽和蒸気を暖気運転ヒータ20に供給するとともに、過熱蒸気温度センサ51により検出される過熱蒸気検出温度が所定温度になるようにバーナの燃焼量を制御する運転を意味する。
[燃焼許可指令]
ここで、台数制御部60が、蒸気過熱装置としてのヒータ20に対して燃焼許可を指令することができる条件について説明する。バイパス段階において、飽和蒸気ヘッダと過熱蒸気ヘッダ43とが同時に昇圧されると、過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45の制御により放蒸が開始されるまでの間、飽和蒸気ヘッダ圧力と過熱蒸気ヘッダ圧力との差圧が小さい状態になる。このように、飽和蒸気ヘッダ圧力と過熱蒸気ヘッダ圧力との差圧が小さい状態でヒータ20の燃焼を開始させた場合、蒸気流量が小さくヒータが過熱し異常停止する懸念がある。
このため、ヒータ20の燃焼を開始させる(すなわちヒータ20に対して燃焼許可指令をする)ためには、例えば、過熱蒸気ヘッダ圧力値が飽和蒸気ヘッダ目標圧力値よりも所定の差圧分小さな値となるようにする必要がある。
例えば、蒸気過熱装置としてのヒータ20の使用蒸気圧力範囲を1.50MPa〜1.65MPa、蒸気発生装置としてのボイラの常用使用圧力範囲を1.37MPa〜1.98MPa、蒸気過熱装置1の運転開始に必要な飽和蒸気ヘッダ圧力値と過熱蒸気ヘッダ圧力値の差圧を0.15MPaとした場合、飽和蒸気ヘッダ目標圧力値を1.90MPa、過熱蒸気ヘッダ圧力値の目標圧力値を1.65MPaに設定して、所定の差圧(0.25MPa)を設けることができる。
そうすると、バイパス段階において、飽和蒸気ヘッダ圧力値は蒸気ボイラの台数制御装置により制御され、目標圧力値1.90MPaを維持し、過熱蒸気ヘッダ圧力値は台数制御部60により放蒸制御されることで目標圧力値1.65MPaを維持することができる。そこで、飽和蒸気ヘッダ圧力値が1.90MPa以上、かつ過熱蒸気ヘッダ圧力値が1.65MPa以上の条件を満たしたときに、燃焼制御対象ヒータ20に対して燃焼許可を指令するように、燃焼許可条件を設定することができる。そうすると、例えば1台のヒータ20に対して燃焼許可を指令した以降、飽和蒸気ヘッダ圧力値及び過熱蒸気ヘッダ圧力値はそれぞれ設定された目標圧力値を維持するように制御されることから、必要な差圧を確保させることができる。
以上の説明では、簡単のために、目標圧力値と燃焼許可の設定圧力値(ヒータ燃焼可能圧力値)とを同じ値にすることで燃焼許可を指令することができる条件を説明したが、これに限定されない。必要な差圧が取れる状況を維持することができるならば、燃焼許可の設定圧力値(ヒータ燃焼可能圧力値)を目標圧力値よりも小さい値にしてもよい。また、差圧に替えて最低の蒸気流量を確保するようにしてもよい。
暖気が完了したヒータ20は、台数制御部60からの指示により、最低燃焼状態に移行され、過熱蒸気供給可能な状態を維持させることができる。
ここで、最低燃焼状態とは、ヒータ20に供給される飽和蒸気の流量を予め設定された最低流量(以下「最低蒸気流量」ともいう)とし、過熱蒸気検出温度が所定温度になるように燃焼量(燃焼率)を制御する燃焼状態を意味する。最低蒸気流量は例えば最大蒸気流量値の33%としてもよいが、これに限定されない。
また、ヒータ20に供給される飽和蒸気の流量を固定にするのに替えて、ヒータ20の燃焼率を予め設定された最低燃焼率に固定し、過熱蒸気検出温度が所定温度になるようにヒータ20に供給される飽和蒸気の流量を制御する燃焼状態を最低燃焼状態としてもよい。最低燃焼率は例えば最大燃焼の33%としてもよいが、これに限定されない。
以下の説明において、特に断らない限り、最低燃焼状態は、前述のいずれのケースでもよいものとする。
なお、暖気運転段階において、過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定の目標圧力値を維持するように、過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45が制御される。
[運転準備完了段階]
運転準備完了段階とは、全ての燃焼制御対象ヒータ20が暖気を完了して、最低燃焼状態に移行し、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するとともに、過熱蒸気ヘッダ検出温度が所定温度を一定時間維持したことを検知した場合を意味する。
運転準備完了段階に達した場合、例えば、台数制御盤(及び中央監視制御盤)においてランプを点灯させるようにしてもよい。そうすることで、運転者は、蒸気過熱システム1が運転準備完了段階(過熱蒸気供給可能な状態)にあることを確認することができる。なお、ランプを点灯させることに限定しない。例えば、マイクによる音声、表示装置による表示等任意の手段により過熱蒸気供給可能となったことを運転者に知らせるようにしてもよい。
なお、運転準備完了段階において、過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定の目標圧力値を維持するように、過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45が制御される。
[運転モード]
運転モードとは、過熱蒸気送気弁47を開として、過熱蒸気を負荷機器に供給する動作モードを意味する。
[運転準備モードから運転モードへの移行]
蒸気過熱システム1が運転準備完了状態から通常運転に移行するに際して、過熱蒸気送気弁47は、時間をかけて全閉から全開に移行するように制御される。また、過熱蒸気送気弁47が開となり、過熱蒸気ヘッダ圧力値が下がることで、放蒸弁45が閉になるように制御され、放蒸弁45が全閉になるか、又は過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定の値を下回った場合に、台数制御部60は、ヒータ20が必要蒸気量を生成するように、流量調整弁14の開度を調整する。なお、前述したとおり、ヒータ制御部21は、過熱蒸気検出温度が目標温度を維持するように、バーナの燃焼量を制御する。
これにより、蒸気過熱システム1は、必要な過熱蒸気量が負荷機器に供給されるように制御される。
[運転準備モード及び運転モード時における目標圧力]
運転準備モードにおいて設定される目標圧力は通常運転時の目標圧力よりも高い圧力とすることが好ましい。さらに、運転準備モードにおいて設定される目標圧力は、燃焼制御対象ヒータを最低燃焼状態で燃焼制御させるとき(「低燃待機時」ともいう)に、放蒸制御部64が放蒸弁45を制御して放蒸する際の設定された目標圧力(「放蒸圧力」ともいう)よりも高い圧力とするようにしてもよい。
より具体的には、これらの圧力は以下の関係になるように設定することができる。
通常運転時の目標圧力≦低燃待機時の放蒸圧力≦運転準備モード時の目標圧力。
このように、運転準備モード時の目標圧力値を高く設定することで、過熱蒸気送気弁47が開かれたときの圧力低下を抑制することができる。
以上を前提として、台数制御部60の備える各機能部(台数設定部61、準備開始制御部62、バイパス制御部63、放蒸制御部64、暖気運転制御部65、運転開始制御部66、最小燃焼台数設定部67、燃焼制御部68、及び停止制御部69)について説明する。
台数制御部60は、予め入力される最大蒸気要求量に応じて制御対象として設定される全てのヒータ20のうち、少なくとも最小燃焼台数のヒータ20を常に最低燃焼状態以上で燃焼制御する。このため、まず最大蒸気要求量について説明する。
[最大蒸気要求量について]
最大蒸気要求量とは、負荷機器(図示省略)の使用する過熱蒸気の最大蒸気要求量を合計した蒸気量を意味する。
[台数設定部61]
台数設定部61は、例えば、台数制御盤から予め入力される最大蒸気要求量に応じて(過熱を行う)制御対象とするヒータ20の台数を設定する。ここで、最大蒸気要求量とは、負荷機器(図示省略)の使用する過熱蒸気の最大蒸気要求量を合計した蒸気量を意味する。
具体的には、台数設定部61は、最大蒸気要求量を、制御対象として設定される各ヒータ20の最大出力蒸気量を合計した合計蒸気量により賄えるようにヒータ20の台数を設定する。
例えば、最大蒸気使用量を12tとし、各ヒータ20の最大出力蒸気量を1.5tとした場合、台数設定部61は、制御対象とするヒータ20の台数を8台と設定する。
こうすることで、制御対象とするヒータ20の台数を適宜最適な台数にすることができる。特に、複数の過熱蒸気使用設備に対して同時に過熱蒸気を供給するような場合に有効となる。また、過熱蒸気使用設備の定期保守とか長期停止等で最大蒸気要求量が少なくなると見積もる場合において、制御対象とするヒータ20の台数を少なくすることができ、必要以上のヒータ20を稼働させないように最適化することができる。
[準備開始制御部62]
準備開始制御部62は、例えば、運転準備ボタンの押下によるシステム起動の指示にしたがって、蒸気発生装置としてのボイラシステム(図示省略)に対して、待機解除信号を送信することにより、各ボイラを起動して飽和蒸気を発生させて、蒸気過熱システム1を運転準備モードに移行させる。同時に、準備開始制御部62は、過熱蒸気送気ライン46に配置された過熱蒸気送気弁47を閉にした状態で、飽和蒸気が負荷機器側に送気されないようにする。
[バイパス制御部63]
バイパス制御部63は、優先順位の低い燃焼制御対象ヒータ20を所定台数(1台又は複数台)選択してバイパスヒータとする。なお、バイパス制御部63は、ヒータ20の優先順位を、積算運転時間の短いものほど高い優先順位を設定し、こうして設定した優先順位の低い方から順に所定台数をバイパスヒータとして選択するようにしてもよい。
バイパス制御部63は、バイパスヒータに対して、当該ヒータ20に予め設定された第1の流量(「バイパス流量」)にて飽和蒸気を供給するように、分岐蒸気供給ライン12に配置された流量調整弁14を制御する。そうすることで、飽和蒸気を、過熱蒸気ライン41及び過熱蒸気集合ライン42を介して、過熱蒸気ヘッダ43に供給する。
第1の流量の飽和蒸気がバイパスヒータを介して過熱蒸気ヘッダ43に供給することで、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値になるまで上昇させる。
このように、バイパス制御部63により、過熱蒸気送気弁47を閉にした状態で、飽和蒸気をヒータ20内をバイパスさせて過熱蒸気ヘッダ43に供給し、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値になるまで上昇させることにより、ヒータ20の入口側(蒸気ヘッダ(図示省略))と出口側(過熱蒸気ヘッダ43)の差圧が大き過ぎることで発生する、過熱蒸気量の変動や不安定化を防止することができる。
また、前述したように、他の過熱蒸気ライン41を逆流した飽和蒸気は、他の燃焼制御対象ヒータを温めることができるとともに、スチームトラップ16を介してドレン抜きを行う。そうすることで、ウータハンマー現象を低減させることができる。
[放蒸制御部64]
放蒸制御部64は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、適宜過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45の開度を制御する(以下、「放蒸制御」ともいう)。
より具体的には、放蒸制御部64は、バイパス段階において過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値に達した後、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、過熱蒸気放蒸ライン44に配置される放蒸弁45の開度を制御する。
また、放蒸制御部64は、暖気運転段階において、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように放蒸弁45の開度を制御する。
また、放蒸制御部64は、運転準備完了段階においても、運転指示を受けるまで、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように放蒸弁45を制御する。
また、放蒸制御部64は、暖気運転段階において、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように放蒸弁45の開度を制御する。
また、放蒸制御部64は、運転準備完了段階において、運転指示を受けるまで、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように放蒸弁45を制御する。
また、放蒸制御部64は、通常運転時において、例えば、最小燃焼台数のヒータ20が最低燃焼状態で燃焼している状態で、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を超える場合、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁45の開度を制御する(以下、「放蒸制御」という)ことができる。このように、最小燃焼台数のヒータ20が最低燃焼状態で燃焼している状態においては、過熱蒸気の一部(最低燃焼状態で生成される過熱蒸気量から必要蒸気量を差し引いた蒸気量)を過熱蒸気放蒸ライン44を介して放蒸させることにより、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持することができる。
なお、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するために、後述の燃焼制御部68による、燃焼制御対象ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を連続的に制御することに基づく飽和蒸気量の流量制御(以下「流量制御」という)がある。
燃焼制御部68による流量制御から放蒸制御部64による放蒸制御への移行、又は放蒸制御部64による放蒸制御から燃焼制御部68による流量制御への移行の詳細については、後述する。
[暖気運転制御部65]
バイパス段階において、所定の条件を満たすと、例えば過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値(ヒータ燃焼可能圧力値)に到達後、暖気運転制御部65は、過熱蒸気送気弁47を閉状態にした状態で、バイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(非バイパスヒータ)に対して、同時又は所定の時間差を設けて第2の流量(暖気運転流量)にて飽和蒸気を供給するように(それぞれのヒータ制御部21を介して)流量調整弁14の開度を制御し、暖気運転モードに移行させる。
なお、暖気運転制御部65は、バイパスヒータ20の暖気移行の優先順位を下げる。そうすることで、バイパスヒータ20は、非バイパスヒータ20の暖気運転移行完了後に暖気運転モードに移行するように制御される。なお、暖気運転制御部65は、バイパスヒータ20を暖気運転移行させることにより、バイパス制御を完了させる。
暖気運転制御部65により、暖気運転モードに移行した非バイパスヒータ20に対して、ドレン排出弁17を介してドレン抜きと暖気燃焼の制御がなされる。
非バイパスヒータ20又はバイパスヒータ20の暖気が完了すると、暖気運転制御部65は、当該暖気完了した非バイパスヒータ20又はバイパスヒータ20をそれぞれ最低燃状態で燃焼制御させる。このように、燃焼制御対象ヒータを最低燃焼状態で燃焼制御させることを低燃待機という。
なお、暖気運転段階においては、過熱蒸気送気弁47は閉状態を維持することで、暖気完了したヒータの生成する過熱蒸気は負荷機器に供給されないように制御される。
[運転開始制御部66]
運転開始制御部66は、所定の条件を満たしていることを検知した場合に、蒸気過熱システム1が負荷機器に対して過熱蒸気供給可能な運転準備完了状態になったと判定し、例えば、台数制御盤(及び/又は中央監視制御盤)においてランプを点灯させることができる。そうすることで、運転者は、蒸気過熱システム1が運転準備完了状態になったことを確認することができる。ここで、所定の条件とは、例えば、全ての運転可能な燃焼制御対象ヒータ20が暖気を完了し、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持し、過熱蒸気ヘッダ検出温度が所定温度を一定時間維持する条件としてもよい。
なお、運転開始制御部66は、蒸気過熱システム1が運転準備完了状態になったと判定した場合に、台数制御盤(及び/又は中央監視制御盤)においてランプを点灯させることに限定しない。例えば、マイクによる音声、表示装置による表示等任意の手段により過熱蒸気供給可能となったことを運転者に知らせるようにしてもよい。
運転開始制御部66は、運転者による運転指示(例えば、運転スイッチボタンの押下)に応答して、蒸気過熱システム1を運転モードに移行させる。
より具体的には、運転開始制御部66は、運転者による本運転の指示(例えば、本運転スイッチの押下)に応答して、過熱蒸気送気弁47を時間をかけて全閉状態から徐々に開となり、全開状態に移行させ、全開となると、全開状態を保持するように制御される。
なお、過熱蒸気送気弁47を時間をかけて全閉状態から全開状態に移行させることで、過熱蒸気ヘッダ圧力値が徐々に下がると、放蒸制御部64により放蒸弁45が閉になるように制御される。
その後、放蒸弁45が全閉になるか、又は過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定の値を下回った場合に、台数制御部60は、ヒータ20が必要蒸気量を生成するように、流量調整弁14の開度を調整する。なお、前述したとおり、ヒータ制御部21は、過熱蒸気検出温度が目標温度を維持するように、バーナの燃焼量を制御する。
これにより、以降、蒸気過熱システム1は、必要な過熱蒸気量が負荷機器に供給されるように制御される。
このように、予め余裕をもって蒸気過熱システム1を起動することができるとともに、運転開始まで全ての燃焼制御対象ヒータ20を停止させることなく運転準備完了状態で待機させることができることから、短時間で運転準備完了状態から運転状態に移行することができる。
[運転準備完了状態への移行]
運転開始制御部66は、さらに、蒸気過熱システム1の運転中に、運転待機指示(例えば、運転準備ボタンの押下)があった場合、過熱蒸気送気弁47を閉状態にし、蒸気過熱システム1を運転準備完了状態に移行させることができる。
そうすることで、蒸気過熱システム1の運転開始が早すぎた場合であっても、運転準備完了状態に戻ることで、燃焼制御対象ヒータ20を停止させることなく、過熱蒸気生成状態を維持し、過熱蒸気が必要となった場合にいつでも過熱蒸気を提供することができる。
[最小燃焼台数設定部67]
最小燃焼台数設定部67は、台数設定部61により設定された制御対象とする蒸気過熱装置の台数以下の台数を要求負荷が減少した場合であっても常に燃焼させる最小燃焼台数として設定する。なお、最小燃焼台数を台数設定部61により設定された台数と同じ台数に設定してもよい。
前述したとおり、負荷変動に対しては、台数設定部61により設定された制御対象とするヒータ20の台数が全て最低燃焼状態で燃焼している場合、追従性が比較的高いと言える。ただし、負荷変動がそれほど大きくないと予想される場合には、最低燃焼状態で燃焼するヒータ20の台数が最小燃焼台数以上であれば、実用上は問題とならない負荷追従性を確保することができる。
例えば、負荷追従できる最小燃焼台数を台数設定部61により設定された制御対象台数の半分以上とすることができる。
[燃焼制御部68]
燃焼制御部68は、通常運転時において、台数設定部61により過熱を行うヒータに設定された燃焼制御対象ヒータ20に対して、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を保つように、ヒータ制御部21を介して各ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を連続的に制御(流量制御)する。
これは、ヒータ20から供給される過熱蒸気量に対し、必要蒸気量(負荷量)が上回ると過熱蒸気ヘッダ圧力値が低下し、必要蒸気量(負荷量)が下回ると過熱蒸気ヘッダ圧力値が上昇する現象を利用する制御である。すなわち、過熱蒸気ヘッダ圧力値を一定に保つ制御を行うことで、過熱蒸気の負荷量に対し適切な過熱蒸気供給量を維持することができる。
より具体的には、燃焼制御部68は過熱蒸気ヘッダ圧力値(又は過熱蒸気ヘッダ圧力値と実質的に同一の値をとる過熱蒸気ヘッダ43の近傍の内部の圧力値)が予め設定された目標圧力値を保つように、必要蒸気量を算出する。
燃焼制御部68は、算出した必要蒸気量に基づいて、各燃焼制御対象ヒータ20の蒸気発生量が同じになるように、各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量を算出する。燃焼制御部68は、算出した燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量に基づいて、ヒータ制御部21を介して、各ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を連続的に制御する。
なお、前述したように、各ヒータ20の燃焼量(燃焼率)については、過熱蒸気温度センサ51により検出される過熱蒸気検出温度が目標温度を維持するように、各ヒータ制御部21により、個別に比例制御される。なお、各ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度及び各ヒータ20の燃焼量(燃焼率)については、それぞれ必要蒸気発生量及び目標温度を維持することができるようにPID制御(P制御又はPI制御)するように構成してもよい。
[流量制御から放蒸制御への移行について]
前述したように、台数制御部60は、予め設定される最大蒸気要求量に応じて制御対象ヒータとして設定される全てのヒータ20のうち、少なくとも最小燃焼台数のヒータ20を常に最低燃焼状態以上で燃焼制御するように構成される。以下、最小燃焼台数のヒータ20を最低燃焼状態で燃焼制御させたときに生成される過熱蒸気量を最小過熱蒸気流量という。
上述したように、燃焼制御部68は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を保つように、算出される必要蒸気量を発生させるために、各ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を制御する。燃焼制御部68は、負荷機器に供給される過熱蒸気の送気流量が最小過熱蒸気流量に達すると、仮に必要蒸気量が最小過熱蒸気流量よりも小さい場合であっても、最小過熱蒸気流量で固定するように、各ヒータ20に対応する流量を制御する。
その後、所定の条件を満たすと、放蒸制御部64は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁45を制御する放蒸制御に移行する。具体的には、放蒸制御部64は、放蒸弁45を介して過熱蒸気量の一部を放蒸することで、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように制御する。
ここで、所定の条件は、例えば、負荷機器に供給される過熱蒸気の送気流量(例えば、過熱蒸気送気ライン46に設けられた過熱蒸気流量計(図示せず)の流量、または飽和蒸気流量計13の合計値)が所定流量以下の状態であって、かつ最小燃焼台数のヒータ20が最低燃焼状態で燃焼制御される状態(例えば、ヒータ20の燃焼率が予め設定された最低燃焼率を指令された状態)が予め設定された所定時間継続する条件とすることが好ましい。
仮に、流量制御から放蒸制御への移行条件に過熱蒸気の送気流量値に係る条件が含まれない場合、負荷蒸気量>最小過熱蒸気流量の変化であっても、過熱蒸気送気流量(負荷蒸気量)が急激に減少することで過熱蒸気ヘッダ圧力が上昇し、放蒸制御部64が放蒸制御を開始すると共に燃焼制御部68が飽和蒸気流量を絞る制御を行う可能性がある。そうすると、過熱蒸気ヘッダ圧力が大きく変動し、流量制御と放蒸制御を繰り返す状態になる恐れがある。
このような事態を避けるために、流量制御から放蒸制御への移行条件として、過熱蒸気の送気流量値に係る条件を含ませることで、より安定した流量制御から放蒸制御への切替え(移行)を行うことができる。
[放蒸制御から流量制御への移行について]
前述したように、流量制御から放蒸制御への移行がなされた場合、燃焼制御部68は、各ヒータ20を最低燃焼状態(例えば、ヒータ20の燃焼率が予め設定された最低燃焼率を指令された状態)で燃焼制御する。他方、放蒸制御部64は、例えば、最小燃焼台数のヒータ20が最低燃焼状態で燃焼している状態で、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を超える場合、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁45の開度を制御する。
放蒸制御部64は、放蒸弁45の開度に基づき放蒸制御を実行している場合に、放蒸弁45の閉状態が予め設定された所定時間継続した場合、又は過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された所定圧力値(「第1の圧力値」ともいう)より低下した場合、放蒸弁45による放蒸制御を停止する。なお、第1の圧力値は、放蒸制御における目標圧力値よりも低く設定することが望ましい。
そうすることで、放蒸制御部64は、放蒸弁45による放蒸制御を実行中に、例えば、負荷機器に供給される過熱蒸気の送気量が急激に増加し、過熱蒸気ヘッダ圧力が急低下した場合などに、直ちに放蒸制御を停止することができる。そして、燃焼制御部68は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように、必要蒸気発生量に基づいて、各ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を連続的に制御する。こうして、より安定した放蒸制御から流量制御への切替え(移行)を行うことができる。
以上のように、蒸気過熱システム1においては、燃焼制御部68は、少なくとも最小燃焼台数の燃焼制御対象ヒータ20を常に最低燃焼率以上の燃焼負荷率で燃焼制御させ、前述したように所定の条件を満たすと、放蒸制御部64が、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁45の開度を制御する。その後、例えば、必要蒸気量が増加して、放蒸弁45の閉状態が予め設定された所定時間継続した場合、又は過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された所定圧力値(第1の圧力値)より低下した場合に放蒸制御を停止し、燃焼制御部68による流量制御に移行する。これにより、より安定的に、負荷に追従することができる。
[停止制御部69]
最後に、ボイラの燃焼及び燃焼制御対象ヒータ20の燃焼を停止させる際の停止制御について説明する。
例えば、台数制御盤(及び中央監視制御盤)の停止ボタンが運転者により押下されることで、停止制御部69は、例えば待機信号を送信することにより燃焼状態の燃焼制御対象ヒータ20を燃焼停止させるとともに、例えば待機信号をボイラシステムの台数制御装置(図示せず)に送信することにより各ボイラの燃焼を停止させ、過熱蒸気送気弁47を閉状態にするように制御する。
より具体的には、通常停止の場合、停止制御部69は、停止ボタンが押下されることで先ずヒータ20の燃焼を停止させ、過熱蒸気送気弁47に対する閉状態の制御指令が所定時間継続して出力される。なお、過熱蒸気送気弁47の閉状態とは、実質的に蒸気の送気が無い状態を意味し、過熱蒸気ヘッダ圧力にほとんど影響を及ぼさない程度の過熱蒸気送気弁47の開状態を含む。
なお、停止制御部69は、停止ボタンが押下されることで、ヒータ20の燃焼を停止させる換わりに、燃焼中のヒータ20を最小燃焼状態に固定するようにしてもよい。その後、停止制御部69は、過熱蒸気流量が所定流量以下となった場合に全ての燃焼中のヒータ20の燃焼を停止させ、過熱蒸気送気弁47を閉じるようにしてもよい。
その後、停止制御部69は、過熱蒸気ヘッダ圧力に基づいて、放蒸弁45の開度を制御する放蒸制御を行い、過熱蒸気ヘッダ圧力が所定圧力を下回ると放蒸を停止する。なお、停止制御部69によりシステム内に残っている蒸気の排出を促すために、ヒータ燃焼停止時の放蒸制御の目標圧力、制御パラメータ、或いはヒータ燃焼停止後に放蒸弁開状態を維持する時間等の設定値を予め設定してもよい。
なお、停止制御部69は、所定の台数(1台又は複数台)のヒータ20(バイパスヒータ)を介して、飽和蒸気を過熱蒸気ヘッダ43に供給させることで、蒸気発生装置としてのボイラシステムにおける飽和蒸気を抜くように制御する。停止制御部69は、蒸気発生装置としてのボイラシステムにおける飽和蒸気を抜くことで、飽和蒸気がドレン化することによるウータハンマーの多発化を防ぐことができる。
緊急停止の場合は、停止制御部69は、停止操作により燃焼状態の燃焼制御対象ヒータ20を燃焼停止させ、直ちに過熱蒸気送気弁47を閉じるとともに放蒸弁45の開度を開放する。
[動作説明]
次に、複数のヒータ20を備える蒸気過熱システム1における台数制御部60による制御の一連の流れについて図3〜図7を参照しながら説明する。図3はシステム起動時の処理フローを示すフローチャートである。図4は運転準備完了状態から運転状態への移行及び運転状態から運転準備完了状態への移行に係る処理フローを示す図である。図5は通常運転時の処理フローを示すフローチャートである。図6は、図5における通常運転時の処理フロー中の一部を示すフローチャートである。図7は運転停止(通常停止)時の処理フローを示すフローチャートである。
なお、この処理フローでは、予め、台数設定部61により、燃焼制御対象ヒータ20の台数が設定されているものとする。また、最小燃焼台数設定部67により、燃焼制御対象ヒータ20の最小燃焼台数が設定されているものとする。また、第1の流量、第2の流量、過熱蒸気ヘッダ43内の目標圧力値、所定温度等について、予め設定されているものとする。
[システム起動時の処理フロー]
図3を参照すると、ステップST1において、台数制御部60(準備開始制御部62)は、システム起動の指示にしたがって、過熱蒸気送気弁47を閉状態にする。
ステップST2において、台数制御部60(準備開始制御部62)は、飽和蒸気を生成するボイラシステムに対して、待機解除信号を送信することにより、各ボイラを起動させる。
ステップST3において、台数制御部60(バイパス制御部63)は、所定のバイパス台数(1台又は複数台)のヒータ20(バイパスヒータ)に対して、予め設定された第1の流量(バイパス流量)にて飽和蒸気を供給するように、分岐蒸気供給ライン12に配置された流量調整弁14を制御する。
ステップST4において、台数制御部60(暖気運転制御部65)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上となったか否かを判定する。過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上となった場合(Yes)、ステップST5に移る。過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値以上となっていない場合(No)、ステップST4に戻る。
ステップST5において、台数制御部(放蒸制御部64)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、放蒸弁45を制御する。
なお、ステップST6以降についても、台数制御部(放蒸制御部64)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、放蒸弁45を制御するものとする。
ステップST6において、台数制御部(暖気運転制御部65)は、バイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(非バイパスヒータ)に対して、同時又は所定の時間差を設けて第2の流量(暖気運転流量)にて飽和蒸気を供給するように流量調整弁14を制御し、暖気運転モードに移行させる。より具体的には、台数制御部(暖気運転制御部65)は、暖気運転モードに移行した非バイパスヒータ20に対して、ドレン排出弁17を介してのドレン抜きと暖気燃焼の制御をさせる。
ステップST7において、台数制御部(暖気運転制御部65)は、暖気運転モードに移行した非バイパスヒータ20の暖気が完了すると、最低燃焼状態で燃焼制御させる。
ステップST8において、台数制御部60(暖気運転制御部65)は、暖気運転モードに移行した全ての非バイパスヒータ20が暖気完了したか否かを判定する。全ての非バイパスヒータ20が暖気完了した場合(Yes)、ステップST9に移る。全ての非バイパスヒータ20が暖気完了していない場合(No)、ステップST6に戻る。
ステップST9において、台数制御部60(暖気運転制御部65)は、バイパスヒータ20に対して、同時又は所定の時間差を設けて第2の流量(暖気運転流量)にて飽和蒸気を供給するように流量調整弁14を制御し、暖気運転モードに移行させる。より具体的には、台数制御部(暖気運転制御部65)は、暖気運転モードに移行したバイパスヒータ20に対して、ドレン排出弁17を介してのドレン抜きと暖気燃焼の制御をさせる。
ステップST10において、台数制御部60(暖気運転制御部65)は、暖気運転モードに移行したバイパスヒータ20が暖気完了したか否かを判定する。バイパスヒータ20が暖気完了した場合(Yes)、ステップST11に移る。バイパスヒータ20が暖気完了していない場合(No)、ステップST9に戻る。
図4を参照すると、ステップST11において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、所定の条件を満たしているか否かを判定する。所定の条件を満たしている場合(Yes)、ステップST12に移る。所定の条件を満たしていない場合(No)、ステップST11に戻る。
ステップST12において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、運転準備完了状態になったことを、例えば台数制御盤(及び/又は中央監視制御盤)においてランプを点灯させることにより運転者に報知する。
ステップST13において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、運転者による運転指示(例えば、運転スイッチボタンの押下)がなされたか否かを判定する。運転指示がなされた場合(Yes)、ステップST14に移る。運転指示がなされていない場合(No)、ステップST13に戻る。
ステップST14において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、蒸気過熱システム1を運転モードに移行させる。より具体的には、台数制御部60(運転開始制御部66)は、過熱蒸気送気弁47を閉状態から開状態にすることで、負荷機器に対して過熱蒸気の供給を開始する。
ステップST15において、台数制御部60は、通常運転を行う。なお、通常運転時の詳細な処理フローについては、後述する。
ステップST16において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、運転待機指示(例えば、運転準備ボタンの押下)がなされたか否かを判定する。運転待機指示がなされた場合(Yes)、ステップST17に移る。運転待機指示がなされていない場合(No)、ステップST15に戻る。
ステップ17において、台数制御部60(運転開始制御部66)は、過熱蒸気送気弁47を閉状態にする。
ステップ18において、蒸気過熱システム1を運転準備完了状態に移行させる。その後、ステップST13に移る。
[通常運転時の処理フロー]
次に、図4のステップ15における通常運転時における詳細な処理フローについて、図5を参照しながら、説明する。以下の処理フローにおいては、最小燃焼台数は台数設定部61により設定される制御対象とするヒータ20の台数に等しくなるように設定されているものとする。なお、最小燃焼台数が、台数設定部61により設定される制御対象とするヒータ20の台数よりも小さな値に設定される場合の処理フローについては後述する。
図5を参照すると、ステップST21において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定の圧力値を保つように、必要蒸気量を算出する。
ステップST22において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、算出した必要蒸気量に基づいて、各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量を算出する。
ステップST23において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量が、最低燃焼状態で生成される蒸気量以上か否かを検出する。最低燃焼状態で生成される蒸気量以上の場合(Yes)、ステップST25に移る。下回る場合、ステップST24に移る。
ステップST24において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、各燃焼制御対象ヒータ20を最低燃焼状態で燃焼させた状態で、台数制御部(放蒸制御部64)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、放蒸弁45を制御する。その後、ステップST21に移る。
ステップST25において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、放蒸弁45が開状態か否かを判定する。放蒸弁45が開状態の場合(Yes)、ステップST26に移る。放蒸弁45が閉状態の場合(No)、ステップST27に移る。
ステップST26において、台数制御部(放蒸制御部64)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、放蒸弁45を制御する。その後、ステップST21に移る。
ステップST27において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、算出した燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量に基づいて、ヒータ制御部21を介して各燃焼制御対象ヒータ20に対応する流量調整弁14の開度を連続的に制御するとともに、ヒータ20の燃焼量を制御する。その後、ステップST21に移る。
以上、通常運転時の処理フローについて説明したが、前述のステップST23では、各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量が最低燃焼状態で生成される蒸気量以上か否かを検出し、最低燃焼状態で生成される蒸気量以上の場合(Yes)、ステップST25に移るようにしたが、それに換えて各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量が所定蒸気量以上であるか否かを検出し、最低燃焼状態で生成される蒸気量以上の場合(Yes)、ステップST25に移るようにしてもよい。また、前述のステップST23において、各燃焼制御対象ヒータ20の必要蒸気発生量が最低燃焼状態で生成される蒸気量以上であってかつ所定蒸気量以上であるか否かを検出し、最低燃焼状態で生成される蒸気量以上であってかつ所定蒸気量以上の場合(Yes)、ステップ25に移るようにしてもよい。
[減台制御について]
最小燃焼台数が、台数設定部61により設定される制御対象とするヒータ20の台数よりも小さな値に設定される場合の処理フローについて、図6を参照しながら説明する。図6は、図5に記載したステップST24に替えて行われる処理フローを示す。
先ず、ステップST24−1において、燃焼中のヒータ20の台数が最小燃焼台数を超えているか否かを判定する。燃焼中のヒータ20の台数が最小燃焼台数を超えていない(すなわち、等しい)場合には、ステップST24−2に移る。燃焼中のヒータ20の台数が最小燃焼台数を超えている場合には、ステップST24−3に移る。
ステップST24−2において、台数制御部60(燃焼制御部68)は、各燃焼制御対象ヒータ20を最低燃焼状態で燃焼させた状態で、台数制御部(放蒸制御部64)は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値を維持するように、放蒸弁45を制御する。その後、ステップST21に戻る。
ステップST24−3において、燃焼中のヒータ20が最低燃焼状態で燃焼する状態が、予め設定された所定時間継続したか否かを検知する。所定時間継続した場合には、ステップST24−4に移る。所定時間継続していない場合には、ステップST21に戻る。
ステップST24−4において、台数制御部60は、燃焼中のヒータ20を1台選択し、燃焼停止させる制御(「減台制御」ともいう)を行う。その後、ステップST21に戻る。
以上のように、台数制御部60(燃焼制御部68)は、最小燃焼台数が台数設定部61により設定された制御対象とするヒータ20の台数よりも小さな値に設定されている場合、燃焼台数が最小燃焼台数より大きいときは減台制御を行い、燃焼台数が最小燃焼台数に等しいときは放蒸弁45の制御を行う。
[運転停止時の処理フロー]
図7を参照すると、ステップST31において、台数制御部60(停止制御部69)は、運転者による運転停止指示がなされたか否かを検出する。運転停止指示を検出した場合(Yes)、ステップST32に移る。運転停止指示を検知しない場合(No)、ステップST31に戻る。
ステップST32において、台数制御部60(停止制御部69)は、燃焼状態の燃焼制御対象ヒータ20を燃焼停止させ、過熱蒸気送気弁47を閉状態とし、各ボイラの燃焼を停止させ、放蒸弁45の開度を制御する放蒸制御を行う。
ステップST33において、過熱蒸気ヘッダ圧力値が所定圧力値を下回ったか否かを判定する。下回った場合(Yes)、ステップST34に移る。下回っていない場合(No)、ステップST33に戻る。
ステップST34において、台数制御部60(停止制御部69)は、放蒸を停止する。
以上説明した本実施形態の蒸気過熱システム1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の蒸気過熱システム1の台数制御部60は、起動指示にしたがって過熱蒸気送気弁47を閉状態にした後、少なくとも1台のヒータ20をバイパスさせて、第1の流量の飽和蒸気を過熱蒸気ヘッダ43に供給して過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値になるまで上昇させるバイパス制御部63を備える。
これにより、蒸気過熱装置の蒸気ヘッダに接続される入口側と蒸気過熱装置の過熱蒸気ヘッダ43に接続される出口側の差圧が大き過ぎることで発生する過熱蒸気量の変動や不安定化を防止することが可能となる。
また、バイパス制御部63は、分岐蒸気供給ライン12に配置された流量調整弁14の開度を制御することで、ヒータ20をバイパスさせて第1の流量にて飽和蒸気を過熱蒸気ライン41及び過熱蒸気集合ライン42を介して過熱蒸気ヘッダ43に供給する。
また、台数制御部60は、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持するように放蒸弁45を制御する放蒸制御部64をさらに備えることができる。
これにより、運転準備モード(バイパス段階、暖気運転段階、及び運転準備完了段階)において、過熱蒸気送気弁47を閉状態のまま維持するとともに、過熱蒸気ヘッダ圧力値が目標圧力値を維持することが可能となる。
飽和蒸気をバイパスさせたバイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20を暖気運転モードに移行させ、その後飽和蒸気をバイパスさせたバイパスヒータを暖気運転モードに移行させるとともに、暖気完了したヒータ20を最低燃焼状態で燃焼制御させる暖気運転制御部65を備える。
暖気完了したヒータ20を最低燃焼状態で燃焼制御することにより、蒸気過熱システム1を過熱蒸気供給可能な状態(運転準備完了状態)を維持させることが可能となる。
また、台数制御部60は、さらに、運転開始指示に応答して、過熱蒸気送気弁47を開状態にする運転開始制御部66を備え、放蒸制御部64は、さらに、運転開始指示を受けるまで、放蒸弁45を制御することで、過熱蒸気供給可能な運転準備完了状態を維持する。
こうすることで、予め余裕をもってヒータ20を起動することができ、その後運転開始までヒータ20を停止させることなく運転準備完了状態で待機させることが可能となる。
また、運転開始制御部66は、さらに、蒸気過熱システム1の運転中になされた運転待機指示に応答して、過熱蒸気送気弁47を閉状態にし、蒸気過熱システム1を運転準備完了状態に移行させる。
こうすることで、仮に過熱蒸気送気弁47を早めに開として、蒸気過熱システム1の運転開始が早すぎた場合であっても、運転準備完了状態に戻ることで、蒸気過熱システム1を停止させることなく、過熱蒸気生成可能な状態を維持し、過熱蒸気が必要となった場合にいつでも過熱蒸気を提供することが可能となる。
以上、本発明の蒸気過熱装置の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
[変形例1]
本実施形態の暖気運転段階において、バイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(非バイパスヒータ)を1台ずつ(例えば時間間隔を設けて)暖気運転に移行させて、全ての非バイパスヒータの暖気が完了すると、次に、バイパスヒータ20を順次暖気運転に移行させてバイパスヒータ20の暖気を全て完了させるとしたが、これに限定されない。
例えば、バイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(非バイパスヒータ)を同時に暖気運転に移行してもよいし、またバイパスヒータを除く残り全台の燃焼制御対象ヒータ20(非バイパスヒータ)のうち、1台以上ずつ順次暖気運転に移行するようにしてもよい。また、全ての非バイパスヒータの暖気が完了すると、次に、バイパスヒータ20を同時に暖気運転に移行させてもよいし、また1台以上ずつ順次暖気運転に移行させてバイパスヒータ20の暖気を全て完了させるようにしてもよい。
また、全ての非バイパスヒータの暖気の完了を待つのではなく、予め設定される所定間隔で、非バイパスヒータ及びバイパスヒータの暖気を開始するようにしてもよい。なお、所定間隔は、一定の値でもよい。また、所定間隔が一定値でなく、長くなっていくように設定してもよい。逆に、所定間隔が一定値でなく、短くなっていくようにしてもよい。
[変形例2]
本実施形態において、放蒸制御部64は、放蒸弁45の弁開度に基づいて過熱蒸気ヘッダ圧力を調整することで過熱蒸気を放蒸させる連続制御方式を適用するように構成したが、これに限定されない。放蒸制御部64は、放蒸弁45の開時間とその頻度に基づいて、過熱蒸気ヘッダ圧力を調整することで過熱蒸気を放蒸させる間欠制御方式を適用してもよい。
[変形例3]
本実施形態において、ヒータ20をガス焚きの燃焼バーナ方式を適用したが、これに限定されない。例えば、ハロゲンランプ等の別の手段で加熱を行う構成にしてもよい。
[変形例4]
本実施形態において、台数制御部60は、ヒータ制御部21を介して流量調整弁14を制御しているが、台数制御部60が、流量調整弁14の開度を直接調整するようにしてもよい。
1 蒸気過熱システム
10 蒸気供給ライン
11 メイン蒸気供給ライン
12 分岐蒸気供給ライン
13 蒸気流量計
14 流量調整弁
15 ドレンライン
16 スチームトラップ
17 ドレン排出弁
20 ヒータ(蒸気過熱装置)
21 ヒータ制御部
25 筐体
26 蒸気流通パイプ
30 燃料供給ライン
31 メイン燃料供給ライン
32 分岐燃料供給ライン
33 燃料調整弁
40 過熱蒸気供給ライン
41 過熱蒸気ライン
42 過熱蒸気集合ライン
43 過熱蒸気ヘッダ
44 過熱蒸気放蒸ライン
45 放蒸弁
46 過熱蒸気送気ライン
47 過熱蒸気送気弁
51 過熱蒸気温度センサ
52 ヘッダ圧力センサ
60 台数制御部(制御部)
61 台数設定部
62 準備開始制御部
63 バイパス制御部
64 放蒸制御部
65 暖気運転制御部
66 運転開始制御部

Claims (6)

  1. 上流側が蒸気発生装置により生成される飽和蒸気を集合させる蒸気ヘッダに接続されるメイン蒸気供給ライン及び該メイン蒸気供給ラインから分岐する複数の分岐蒸気供給ラインを有する蒸気供給ラインと、
    前記複数の分岐蒸気供給ラインそれぞれに配置される複数の流量調整弁と、
    前記複数の分岐蒸気供給ラインの下流側にそれぞれ接続され、該分岐蒸気供給ラインから供給される飽和蒸気を過熱する複数の蒸気過熱装置と、
    上流側がそれぞれ前記複数の蒸気過熱装置に接続され該蒸気過熱装置で過熱された過熱蒸気が流通する複数の過熱蒸気ライン及び該複数の過熱蒸気ラインの下流側が接続され該複数の過熱蒸気ラインを流通した過熱蒸気が集合される過熱蒸気集合ラインを有する過熱蒸気供給ラインと、
    前記複数の過熱蒸気ラインそれぞれに対応して配置され該過熱蒸気ラインにおける過熱蒸気温度を検出する複数の過熱蒸気温度センサと、
    前記過熱蒸気集合ラインの下流側に接続される過熱蒸気ヘッダと、
    上流側が前記過熱蒸気ライン又は前記過熱蒸気ヘッダの所定の位置に接続され、過熱蒸気を放蒸させる放蒸ラインと、
    前記放蒸ラインに配置される放蒸弁と、
    上流側が前記過熱蒸気ヘッダに接続され、下流側が負荷機器に接続される過熱蒸気送気ラインと、
    前記過熱蒸気送気ラインに配置される過熱蒸気送気弁と、
    前記過熱蒸気ヘッダの内部のヘッダ圧力値である過熱蒸気ヘッダ圧力値を検出するヘッダ圧力センサと、
    前記複数の蒸気過熱装置を制御する台数制御部と、を備え、
    前記台数制御部は、
    起動指示にしたがって前記過熱蒸気送気弁が閉状態にされた後、少なくとも1台の蒸気過熱装置をバイパスさせて、第1の流量の飽和蒸気を前記過熱蒸気ヘッダに供給して前記過熱蒸気ヘッダ圧力値が予め設定された目標圧力値になるまで上昇させるバイパス制御部を備える蒸気過熱システム。
  2. 前記バイパス制御部は、
    前記分岐蒸気供給ラインに配置された流量調整弁の開度を制御することで、前記蒸気過熱装置をバイパスさせて第1の流量にて前記飽和蒸気を前記過熱蒸気ライン及び前記過熱蒸気集合ラインを介して前記過熱蒸気ヘッダに供給する請求項1に記載の蒸気過熱システム。
  3. 前記台数制御部は、
    前記過熱蒸気ヘッダ圧力値が前記目標圧力値を維持するように前記放蒸弁を制御する放蒸制御部をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の蒸気過熱システム。
  4. 前記台数制御部は、さらに、
    飽和蒸気をバイパスさせた蒸気過熱装置を除く残り全台の蒸気過熱装置に対して、暖気運転モードに移行させ、その後前記飽和蒸気をバイパスさせた蒸気過熱装置を暖気運転モードに移行させ、暖気完了した前記蒸気過熱装置を最低燃焼状態で燃焼制御させる暖気運転制御部を備える請求項3に記載の蒸気過熱システム。
  5. 前記台数制御部は、さらに、
    運転開始指示に応答して、前記過熱蒸気送気弁を開状態にする運転開始制御部を備え、
    前記放蒸制御部は、さらに、
    前記運転開始指示を受けるまで、前記放蒸弁を制御することで、過熱蒸気供給可能な運転準備完了状態を維持する、請求項4に記載の蒸気過熱システム。
  6. 前記運転開始制御部は、さらに、
    蒸気過熱システムの運転中に、運転待機指示に応答して、前記過熱蒸気送気弁を閉状態にし、前記蒸気過熱装置を前記運転準備完了状態に移行させる、請求項5に記載の蒸気過熱システム。
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