JP2019066024A - ピストンリング - Google Patents
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Abstract
【課題】より高温で且つ境界潤滑となりやすい過酷な環境で使用することが可能な、耐摩耗性、耐スカッフ性及び耐剥離性に優れた硬質皮膜を被覆したピストンリングを提供する。【解決手段】外周摺動面に被覆した硬質皮膜が、Cr、Cu及びNを主成分とし、1000 HV0.2以上の硬さと、2000 MPa以下の圧縮残留応力を有するようにする。【選択図】図1
Description
本発明は、自動車エンジン用ピストンリングに関し、特に、耐摩耗性、耐スカッフ性及び耐剥離性に優れた硬質皮膜を被覆したピストンリングに関する。
近年、ピストンリングは、エンジンの高出力化や排気ガス規制対応に伴う燃焼温度の高温化や面圧負荷の増大、また、低粘度潤滑油の採用、バイオエタノール等の燃料の多様化、さらには、高圧燃料噴射等により、その使用環境は、より高温で且つ境界潤滑となりやすい過酷な環境になってきている。こうした中、耐スカッフ性及び耐摩耗性に最も優れた皮膜として知られている炭素(C)を固溶した窒化クロム(CrCN)皮膜被覆ピストンリングや、窒化クロム/窒化チタン(CrN/TiN)積層皮膜被覆ピストンリングでも、微小クラックや欠けの発生を含む皮膜剥離の問題により、十分な性能を発揮できない情況が散見されるようになってきている。
特許文献1は、CrN/TiN積層皮膜の改善に関し、CrN/TiN積層皮膜中にCrNの標準生成自由エネルギーより大きな窒化物標準生成自由エネルギーをもつCo、Ni、Cuのような金属層を応力緩和層として存在させて、皮膜の耐剥離性の向上を図ることを教示している。
一方、炭素(C)を固溶した窒化クロム(CrCN)を開示する特許文献2は、炭素(C)が新たな結晶成長の基点になり、組織の微細化に貢献していることを教示している。またこのCrCN皮膜は、CrN(111)組織係数で0.4〜2.0の結晶配向を示している。
さらに、皮膜の耐剥離性に関し、特許文献3は皮膜面に平行にCrN(111)面を優先配向させることが好ましいと教示する一方、特許文献4〜6は皮膜面に平行にCrN(200)面を優先配向させることが好ましいと教示しており、これらの先行技術からは、CrN皮膜の結晶方位を特定の結晶面に優先配向させるだけでは、皮膜の耐剥離性が向上するとはいえない情況にあることも理解できる。
したがって、応力緩和層や組織の微細化、あるいは皮膜の配向性等、硬質皮膜の好ましい構造について総合的な検討がさらに求められている。
本発明は、より高温で且つ境界潤滑となりやすい過酷な環境で使用することが可能な、耐摩耗性、耐スカッフ性及び耐剥離性に優れた硬質皮膜を被覆したピストンリングを提供することを課題とする。
本発明者は、硬質皮膜被覆ピストンリングにおける微小クラックや欠けの発生を含む皮膜剥離の問題について鋭意研究した結果、それらがシリンダボアとピストリング外周面の摺動抵抗に起因して生じており、ピストンリング母材との界面からの大規模な剥離よりも、むしろ皮膜中に存在している比較的粗大な結晶の脱落による小規模な剥離が、重要な役割を演じていることを発見した。さらに、本発明者は、Cr-Cu合金カソードを使用した所定のN2分圧下でのイオンプレーティングにより、CrNとCuが超微細に混合した組織を有する耐剥離性に優れた硬質皮膜を得て、本発明に想到した。
すなわち、本発明のピストンリングは、外周摺動面に硬質皮膜が被覆されたピストンリングであって、前記硬質皮膜がCr、Cu及びNを主成分とし、1000 HV0.2以上の硬さと、2000 MPa以下の圧縮残留応力を有することを特徴とする。
前記硬質皮膜はCrN相及びCu相を含むことが好ましい。前記Cuの含有量は1〜20原子%であることが好ましい。
前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrNの結晶子サイズは30 nm以下であることが好ましい。
前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrN(200)の組織係数は1.6〜3.5であることが好ましい。またCrN(111)の組織係数は0.05〜1.0であることが好ましい。さらにCrN(220)の組織係数は0.02〜0.2であることが好ましい。
前記硬質皮膜はさらにドロップレットを含むことができる。前記硬質皮膜の被覆面に垂直な断面に観察される前記ドロップレットを基点として結晶成長したCrNの結晶粒の長さは5 μm以下であることが好ましい。
本発明のピストンリングを製造する方法は、前記硬質皮膜がアークイオンプレーティングにより形成されることが好ましい。
本発明のピストンリングは、Cu相自体が軟質な特性を有するにもかかわらず、超微細なCrN/Cu複合組織からなる硬質皮膜が高い硬さと適度な残留圧縮応力を有しており、より高温で且つ境界潤滑となりやすい過酷な環境で使用しても、優れた耐摩耗性、耐スカッフ性及び耐皮膜剥離性を示すことができる。また、結晶配向もCrN(200)が優先するものの、CrN(111)もある程度バランス良く存在させれば、さらに優れた耐皮膜剥離性と耐摩耗性を示すことができる。また、この超微細CrN/Cu複合組織はイオンプレーティング時の負のバイアス電圧の印加により安定的に形成され、たとえドロップレットが形成されたとしても、ドロップレットを起点として結晶成長するCrNの結晶粒も小さく抑えることができ、結晶粒の脱落による摩耗や剥離を抑えることが可能になる。
本発明のピストンリングは、外周摺動面に硬質皮膜が被覆されたピストンリングであって、前記硬質皮膜がCr、Cu及びNを主成分とし、1000 HV0.2以上の硬さと2000 MPa以下の圧縮残留応力を有することを特徴とする。本発明では、硬質皮膜はCrN相及びCu相を含むことが好ましい。但し、CrN結晶はCuを置換型に固溶しうるので、Cu含有量が固溶限以下であれば硬質皮膜はCrN相のみから構成される。また、硬質皮膜の硬さが1000 HV0.2未満では、被覆面に垂直なクラックが発生して好ましくない。高硬度側は、好ましくは1600 HV0.2未満とする。硬さの範囲としては1000 HV0.2〜1500 HV0.2がより好ましく、1000 HV0.2〜1400 HV0.2がさらに好ましい。また、皮膜の圧縮残留応力が2000 MPa(-2000 MPaの残留応力)を超えると、皮膜剥離が発生しピストンリングの皮膜としては使用できなくなる。圧縮残留応力の下限としては、好ましくは300 MPa(-300 MPaの残留応力)以上とする。圧縮残留応力の範囲としては400〜1600 MPa(-400〜-1600 MPaの残留応力)がより好ましく、500〜1400 MPa(-500〜-1400 MPaの残留応力)がさらに好ましい。
CrN皮膜はCuを複合することによって微細化され、Cuの含有量としては1〜20原子%であることが好ましく、2〜14原子%であることがより好ましく、2〜7原子%であることがさらに好ましい。また、CrN/Cu複合組織の微細化の程度は、X線回折データから得られるCrNの結晶子サイズによって表すことができ、CrNの結晶子サイズは30 nm以下であることが好ましく、25 nm以下であることがより好ましく、15 nm以下であることがさらに好ましい。
また、CrN相の結晶配向は、X線回折データから得られる特定の結晶面の組織係数によって評価できる。本発明では、CrN(200)の組織係数は1.6〜3.5であることが好ましく、CrN(111)の組織係数は0.05〜1.0であることが好ましく、CrN(220)の組織係数は0.02〜0.2であることが好ましい。ここで、組織係数(Texture Coefficient、以下「T.C.」ともいう。)は、一般に、
T.C. = [I(hkl)/I0(hkl)]/[Σ{I(hkl)/I0(hkl)}/n] ... (1)
により定義される。I(hkl)は測定された(hkl)面のX線回折強度(測定されたX線回折強度の最大のものを100として換算している)、I0(hkl)はJCPDSファイルに記載されている標準X線回折強度である。
T.C. = [I(hkl)/I0(hkl)]/[Σ{I(hkl)/I0(hkl)}/n] ... (1)
により定義される。I(hkl)は測定された(hkl)面のX線回折強度(測定されたX線回折強度の最大のものを100として換算している)、I0(hkl)はJCPDSファイルに記載されている標準X線回折強度である。
組織係数(T.C.)は、1より大きければ大きいほど配向の程度が強くなり、1より小さければ小さいほど配向の程度が弱くなることを意味している。一つの面の組織係数(T.C.)が1のとき、残りの二つの面に対し、配向の程度は強くも弱くもないことを意味している。本発明では、CrN(200)が優先するものの、CrN(200)への配向が強すぎることのないよう、CrN(200)の組織係数は3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。また、CrN(111)の組織係数は、CrN(200)と配向の程度のバランスを取るため、0.2以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。
さらに、本発明のピストンリングに被覆される硬質皮膜はドロップレット(金属Cr)を含むことができる。本来ドロップレットは存在しないことが好ましいが、ドロップレットが存在したとしても、それは微細であり、微細なドロップレットを起点として結晶成長するCrNの結晶粒も小さく抑えられる。結晶成長したCrN結晶粒の長さは5 μm以下であることが好ましく、3 μm以下であることがより好ましい。それでも、ドロップレットのない領域のCrNの結晶子サイズが数10 nmのオーダーであることを考慮すると、ドロップレットから結晶成長する化合物は、異常成長した化合物ということができる。
なお、本発明では、硬質皮膜と母材との間に、その密着性を改善するための金属層を形成してもよい。
本発明では、Cr、Cu及びNを主成分とする硬質皮膜はアークイオンプレーティングにより形成する。アークイオンプレーティングは、真空容器中に窒素(N2)ガスを導入し、蒸発源のCr-Cu合金カソード(ターゲット)表面にアークを発生させ、Cr-Cu合金を瞬時に溶解、窒素プラズマ(N*)中でイオン化させ、ピストンリングに印加した負のバイアス電圧によってCr3+イオン、Cu2+イオン、あるいはN*と反応したCrNを、被覆面に引き込むことにより薄膜を形成する方法である。本発明では、Cu2+イオンの存在がCrNの結晶成長を攪乱し、微細なCrNの結晶子を形成する。
硬質皮膜の結晶組織は、アークイオンプレーティング成膜条件の雰囲気圧とバイアス電圧により調整可能であり、例えば、雰囲気圧を高くしバイアス電圧を低くするとポーラスな柱状組織が得られ、逆に、雰囲気圧を低くしバイアス電圧を高くすると緻密な粒状組織が得られるといわれている。しかし、アークイオンプレーティングの成膜環境は非常に複雑であり、一概にそういえないのが現実である。例えば、アークイオンプレーティング装置を変更すれば、同じアーク電流、雰囲気圧、バイアス電圧を選択したとしても、同じ組織が得られる保証が全くないのが実情である。もちろん、基材の材質、結晶構造、温度、表面状態等も関係するが、装置の構造(被処理物、蒸発源の配置構造等)も比較的大きな影響を及ぼしており、成膜条件は装置毎に設定されなければならない。
実施例1
SUS440B相当材の線材から呼称径(d)96 mm、径方向厚さ(a1)3.8 mm、軸方向幅(h1)2.5 mmの矩形断面で、外周面をバレルフェイス形状としたピストンリングを作製し、このピストンリングを40本重ね、外周面をショットブラストによりRzjisで0.8〜1.5 μmの表面粗さに調整し、アークイオンプレーティング装置(神戸製鋼所製AIP-3012)内にセットした。蒸発源カソードとしては、密着性改善のための金属層形成のための純度99.9%のCrと、硬質皮膜形成のための純度99.9%のCr-20 at.% Cu合金を使用した。ピストンリングをセットしたテーブルを3 rpmの回転速度で回転させながら、装置内を5×10-2 Paまで真空排気した後、Arガスを1.0 Paまで導入、-750Vのバイアス電圧を印加してボンバードメント処理によりピストンリング外周面を清浄化した。Arガスは99.99%の純度のものを用いた。金属Crカソードのアーク電流を150 A、バイアス電圧0 Vにして、密着性改善を目的とした金属Cr層を10分間成膜し、その後、純度99.999%のN2ガスを1.5 Paまで導入し、Cr-20 at.%Cu合金カソードのアーク電流を150 A、ピストンリングに印加するバイアス電圧を-15 Vにして、Cr-Cu-N皮膜の成膜を120分行った。得られたCr-Cu-N皮膜被覆ピストンリングは、次の各種測定に供した。
SUS440B相当材の線材から呼称径(d)96 mm、径方向厚さ(a1)3.8 mm、軸方向幅(h1)2.5 mmの矩形断面で、外周面をバレルフェイス形状としたピストンリングを作製し、このピストンリングを40本重ね、外周面をショットブラストによりRzjisで0.8〜1.5 μmの表面粗さに調整し、アークイオンプレーティング装置(神戸製鋼所製AIP-3012)内にセットした。蒸発源カソードとしては、密着性改善のための金属層形成のための純度99.9%のCrと、硬質皮膜形成のための純度99.9%のCr-20 at.% Cu合金を使用した。ピストンリングをセットしたテーブルを3 rpmの回転速度で回転させながら、装置内を5×10-2 Paまで真空排気した後、Arガスを1.0 Paまで導入、-750Vのバイアス電圧を印加してボンバードメント処理によりピストンリング外周面を清浄化した。Arガスは99.99%の純度のものを用いた。金属Crカソードのアーク電流を150 A、バイアス電圧0 Vにして、密着性改善を目的とした金属Cr層を10分間成膜し、その後、純度99.999%のN2ガスを1.5 Paまで導入し、Cr-20 at.%Cu合金カソードのアーク電流を150 A、ピストンリングに印加するバイアス電圧を-15 Vにして、Cr-Cu-N皮膜の成膜を120分行った。得られたCr-Cu-N皮膜被覆ピストンリングは、次の各種測定に供した。
[1] 断面観察
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE-SEM、日本電子製JSM-7100F)による実施例1のCr-Cu-N皮膜断面写真を図1に示す。緻密なCr-Cu-N皮膜(1)が母材(3)上に密着性改善のための金属Cr層(2)を挟んで形成されていることが観察された。
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE-SEM、日本電子製JSM-7100F)による実施例1のCr-Cu-N皮膜断面写真を図1に示す。緻密なCr-Cu-N皮膜(1)が母材(3)上に密着性改善のための金属Cr層(2)を挟んで形成されていることが観察された。
[2] 膜厚測定
Cr-Cu-N皮膜の膜厚測定は、被覆面に垂直に鏡面研磨したピストンリング断面について、ビッカース硬さ試験機(アカシ製MVK-H1)のCCD画像とマイクロメータを用いて、Cr-Cu-N皮膜の金属Cr層との界面から表面までの長さを3か所測定し、その平均値を膜厚とした。実施例1の膜厚は15.0 μmであった。
Cr-Cu-N皮膜の膜厚測定は、被覆面に垂直に鏡面研磨したピストンリング断面について、ビッカース硬さ試験機(アカシ製MVK-H1)のCCD画像とマイクロメータを用いて、Cr-Cu-N皮膜の金属Cr層との界面から表面までの長さを3か所測定し、その平均値を膜厚とした。実施例1の膜厚は15.0 μmであった。
[3] 硬さ測定
Cr-Cu-N皮膜の硬さ試験は、被覆面に平行な鏡面研磨した表面について、マイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製HM-200)を使用し、試験力1.961 Nで行った。実施例1の皮膜硬さは1261 HV0.2であった。
Cr-Cu-N皮膜の硬さ試験は、被覆面に平行な鏡面研磨した表面について、マイクロビッカース硬さ試験機(ミツトヨ製HM-200)を使用し、試験力1.961 Nで行った。実施例1の皮膜硬さは1261 HV0.2であった。
[4] 残留応力測定
被膜の残留応力σは、微小部X線残留応力測定装置(リガク製PSPC微小部応力測定装置)を使用し、
σ = K・∂(2θ)/∂(sin2ψ) … (2)
の関係が成り立つことから、回折角2θとsin2ψ(ψは試料面法線方向と回折面法線方向との角度)の直線の傾きを利用して求めた。ここで、Kは応力定数(ヤング率、ポアソン比、無歪状態における反射角θから求められる)で、-762 MPaを使用した。測定は、Cr管球、電圧35 kV、電流40 mA、コリメータ1 mm、ψとして6点(0、18、27、33、39、45 deg.)、測定時間90秒、回折角CrN(311)、2θ = 132.86°の条件で、並傾法により行った。実施例1の残留応力は、-1680 MPaの大きさの圧縮応力であった。
被膜の残留応力σは、微小部X線残留応力測定装置(リガク製PSPC微小部応力測定装置)を使用し、
σ = K・∂(2θ)/∂(sin2ψ) … (2)
の関係が成り立つことから、回折角2θとsin2ψ(ψは試料面法線方向と回折面法線方向との角度)の直線の傾きを利用して求めた。ここで、Kは応力定数(ヤング率、ポアソン比、無歪状態における反射角θから求められる)で、-762 MPaを使用した。測定は、Cr管球、電圧35 kV、電流40 mA、コリメータ1 mm、ψとして6点(0、18、27、33、39、45 deg.)、測定時間90秒、回折角CrN(311)、2θ = 132.86°の条件で、並傾法により行った。実施例1の残留応力は、-1680 MPaの大きさの圧縮応力であった。
[5] Cu含有量
皮膜中のCu含有量は、電子線マイクロアナライザ(日本電子製JXA-8100)の波長分散型X線分光装置(WDS:Wavelength Dispersive x-ray Spectroscopy)を用いた定量分析により測定した。測定条件は、加速電圧15 kV、照射電流5.0×10-8 A、ビーム径10 μmで、標準試料(100% Cu)を用いた補正法で行った。実施例1のCu含有量は4.8 at.%であった。
皮膜中のCu含有量は、電子線マイクロアナライザ(日本電子製JXA-8100)の波長分散型X線分光装置(WDS:Wavelength Dispersive x-ray Spectroscopy)を用いた定量分析により測定した。測定条件は、加速電圧15 kV、照射電流5.0×10-8 A、ビーム径10 μmで、標準試料(100% Cu)を用いた補正法で行った。実施例1のCu含有量は4.8 at.%であった。
[6] X線回折測定
X線回折強度は、被覆面に平行な鏡面研磨した表面について、リガク製X線回折装置SmartLabを用いて、管電圧40 kV、管電流30 mAのCu-Kα線を使用して2θがCrNの(111)面、(200)面及び(220)面の回折線位置をカバーする2θ = 35〜70°の範囲で測定した。図2に得られたX線回折パターンを示す。図2のX線回折パターンから、Cr-Cu-N皮膜はCrNを含むことが明らかであった。(200)の回折強度が最も強く、(111)及び(220)の回折強度は極僅かであった。また、Cuは明瞭な回折ピークを示さなかった。
X線回折強度は、被覆面に平行な鏡面研磨した表面について、リガク製X線回折装置SmartLabを用いて、管電圧40 kV、管電流30 mAのCu-Kα線を使用して2θがCrNの(111)面、(200)面及び(220)面の回折線位置をカバーする2θ = 35〜70°の範囲で測定した。図2に得られたX線回折パターンを示す。図2のX線回折パターンから、Cr-Cu-N皮膜はCrNを含むことが明らかであった。(200)の回折強度が最も強く、(111)及び(220)の回折強度は極僅かであった。また、Cuは明瞭な回折ピークを示さなかった。
[6-1] 結晶子サイズ
CrNの結晶子サイズDhklは、CrN(200)面にて、次のScherrerの式を用いて算出した。
Dhkl = Kλ/βcosθ … (3)
ここで、KはScherrerの定数で0.94、λはX線の波長(Cu:1.5406 Å)、βは半値全幅(FWHM)、θはBragg角である。実施例1のCrNの結晶子サイズは12.1 nmであった。
CrNの結晶子サイズDhklは、CrN(200)面にて、次のScherrerの式を用いて算出した。
Dhkl = Kλ/βcosθ … (3)
ここで、KはScherrerの定数で0.94、λはX線の波長(Cu:1.5406 Å)、βは半値全幅(FWHM)、θはBragg角である。実施例1のCrNの結晶子サイズは12.1 nmであった。
[6-2] 組織係数
組織係数T.C.は、段落19に示した式(1)により求められるが、本発明では、簡単のため、(111)、(200)、(220)の3種類の(hkl)面のみのX線回折強度を用いて定義した。すなわち、
T.C. = [I(hkl)/I0(hkl)]/[{I(111)/I0(111)+I(200)/I0(200)+I(220)/I0(220)}/3] … (4)
と定義した。ちなみに、I0(111)は80、I0(200)は100、I0(220)は80である。実施例1において、CrNの(111)面、(200)面及び(220)面の回折強度のうちの最大強度を100として、(111)面、(200)面及び(220)面の各回折強度を換算し、式(4)により各結晶面の組織係数を求めた。各結晶面の強度比は(111):(200):(220) = 6.2:100:2.7で、(200)面の組織係数は2.70、(111)面の組織係数は0.21、(220)の組織係数は0.09であった。
組織係数T.C.は、段落19に示した式(1)により求められるが、本発明では、簡単のため、(111)、(200)、(220)の3種類の(hkl)面のみのX線回折強度を用いて定義した。すなわち、
T.C. = [I(hkl)/I0(hkl)]/[{I(111)/I0(111)+I(200)/I0(200)+I(220)/I0(220)}/3] … (4)
と定義した。ちなみに、I0(111)は80、I0(200)は100、I0(220)は80である。実施例1において、CrNの(111)面、(200)面及び(220)面の回折強度のうちの最大強度を100として、(111)面、(200)面及び(220)面の各回折強度を換算し、式(4)により各結晶面の組織係数を求めた。各結晶面の強度比は(111):(200):(220) = 6.2:100:2.7で、(200)面の組織係数は2.70、(111)面の組織係数は0.21、(220)の組織係数は0.09であった。
[7] 転動すべり疲労試験
実機試験での皮膜脱落を再現可能とする評価として、転動すべり疲労試験を行った。図3に試験機の概要を示すが、転動すべり疲労試験では、回転するドラム(12)と摺動する試験片(11)(Cr-Cu-N皮膜被覆ピストンリング切断片)に、繰り返し荷重が加えられ、比較的短時間で皮膜の脱落が再現される。皮膜の脱落は、同一潤滑条件下においては、摩擦係数と荷重(最大ヘルツ応力)と繰り返し回数に依存する。試験条件は次のとおりである。
試験荷重:20〜50 N、サインカーブ(50 Hz)、
相手材(ドラム):直径80 mmのSUJ2熱処理材、
摺動速度:正転逆転パターン運転
(正転:30秒で0 m/sec→10 m/sec [10秒保持] 30秒で10 m/sec→0 m/sec
に減速、逆転:30秒で0 m/sec→10 m/sec [10秒保持] 30秒で10m/sec→
0 m/secに減速)、
潤滑油:ベースオイル(30秒に1回、0.1 cc滴下)、
温度:ドラム表面温度80℃、
時間:試験パターンを5サイクル。
試験結果は、皮膜脱落の有無で判定した。実施例1の転動すべり疲労試験の結果、皮膜脱落は無かった。
実機試験での皮膜脱落を再現可能とする評価として、転動すべり疲労試験を行った。図3に試験機の概要を示すが、転動すべり疲労試験では、回転するドラム(12)と摺動する試験片(11)(Cr-Cu-N皮膜被覆ピストンリング切断片)に、繰り返し荷重が加えられ、比較的短時間で皮膜の脱落が再現される。皮膜の脱落は、同一潤滑条件下においては、摩擦係数と荷重(最大ヘルツ応力)と繰り返し回数に依存する。試験条件は次のとおりである。
試験荷重:20〜50 N、サインカーブ(50 Hz)、
相手材(ドラム):直径80 mmのSUJ2熱処理材、
摺動速度:正転逆転パターン運転
(正転:30秒で0 m/sec→10 m/sec [10秒保持] 30秒で10 m/sec→0 m/sec
に減速、逆転:30秒で0 m/sec→10 m/sec [10秒保持] 30秒で10m/sec→
0 m/secに減速)、
潤滑油:ベースオイル(30秒に1回、0.1 cc滴下)、
温度:ドラム表面温度80℃、
時間:試験パターンを5サイクル。
試験結果は、皮膜脱落の有無で判定した。実施例1の転動すべり疲労試験の結果、皮膜脱落は無かった。
実施例2〜5、比較例1〜2
窒素雰囲気圧及びバイアス電圧の成膜条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同じ条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。得られたCr-Cu-N皮膜被覆ピストンリングを用いて、実施例1と同様に、断面観察、膜厚測定、硬さ測定、残留応力測定、Cu含有量測定、X線回折測定、転動すべり疲労試験を行い、その結果を表2〜表3に示す。表2〜表3には、実施例1の成膜条件及び各種試験の結果も一緒に示す。
窒素雰囲気圧及びバイアス電圧の成膜条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同じ条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。得られたCr-Cu-N皮膜被覆ピストンリングを用いて、実施例1と同様に、断面観察、膜厚測定、硬さ測定、残留応力測定、Cu含有量測定、X線回折測定、転動すべり疲労試験を行い、その結果を表2〜表3に示す。表2〜表3には、実施例1の成膜条件及び各種試験の結果も一緒に示す。
Cu含有量の分析結果は、カソードにCr-20 at.% Cu合金を使用しても、得られたCr-Cu-N皮膜におけるCu含有量は、3.7〜4.8 at.%であることが確認された。Cu含有量は皮膜中のCr含有量に対しても10 at.%以下であり、融点がCrに比べて低いので、飛散・散逸する傾向が大きいものと考えられる。
また、負のバイアス電圧を印加しないと、硬さが低下し、圧縮(負)の残留応力も低めの値となり、皮膜の脱落やクラックは無くても、多めの摩耗量を示していた。図4は、比較例2の皮膜断面のFE-SEM写真であるが、微細なドロップレット(4)が観察され、マクロ的に見ると、ドロップレットから異常粒成長したCrNが存在していた。皮膜硬さが730 HV0.2と低く、負のバイアス電圧が印加されないと多孔質構造になって、多めの摩耗を示したものと考えられた。
実施例6〜7
蒸発源カソードをCr-10 at.% Cu合金に変更した以外は、実施例6は実施例1と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧1.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、実施例7は実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。
蒸発源カソードをCr-10 at.% Cu合金に変更した以外は、実施例6は実施例1と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧1.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、実施例7は実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。
実施例8〜9
蒸発源カソードをCr-30 at.% Cu合金に変更した以外は、実施例8は実施例1と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧1.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、実施例9は実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。
蒸発源カソードをCr-30 at.% Cu合金に変更した以外は、実施例8は実施例1と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧1.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、実施例9は実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-Cu-N皮膜を成膜した。
比較例3
蒸発源カソードを純度99.9%の金属Crに変更した以外は、実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-N皮膜を成膜した。
蒸発源カソードを純度99.9%の金属Crに変更した以外は、実施例3と同じ条件、すなわち、アーク電流150 A、N2雰囲気圧4.5 Pa、バイアス電圧-15 Vの条件で、ピストンリング外周面にCr-N皮膜を成膜した。
実施例6〜9のCr-Cu-N皮膜被覆ピストンリング及び比較例3のCr-N皮膜被覆ピストンリングを用いて、実施例1と同様に、断面観察、膜厚測定、硬さ測定、残留応力測定、Cu含有量測定、X線回折測定、転動すべり疲労試験を行い、その結果を表4〜表5に示す。
蒸発源カソードにCr-10 at.% Cu合金とCr-30 at.% Cu合金を使用することによって、Cu含有量の多いほどCrN結晶子の大きさが小さくなることが分かった。Cuは軟質な金属であるにもかかわらず、Cuを含む実施例1〜9のCr-Cu-N皮膜は、超微細なCrN結晶により、Cuを含まない比較例3のCrN皮膜よりも高い硬さを示していた。
上記のデータから、Cr-Cu-N皮膜被覆ピストンリングは、皮膜の硬さと残留応力のバランスを取ることによって、実機試験での皮膜脱落を再現可能とする転動すべり疲労試験において、脱落・クラック無し、摩耗少の優れた結果を示すことが確認された。
1 Cr-Cu-N皮膜
2 金属Cr層
3 ピストンリング母材
4 ドロップレット
11 試験片
12 ドラム
2 金属Cr層
3 ピストンリング母材
4 ドロップレット
11 試験片
12 ドラム
Claims (10)
- 外周摺動面に硬質皮膜が被覆されたピストンリングであって、前記硬質皮膜がCr、Cu及びNを主成分とし、1000 HV0.2以上の硬さと、2000 MPa以下の圧縮残留応力を有することを特徴とするピストンリング。
- 請求項1に記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜がCrN相及びCu相を含むことを特徴とするピストンリング。
- 請求項1又は2に記載のピストンリングにおいて、前記Cuの含有量が1〜20原子%であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrNの結晶子サイズが30 nm以下であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrN(200)の組織係数が1.6〜3.5であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項6に記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrN(111)の組織係数が0.05〜1.0であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項5又は6に記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜のX線回折データから得られるCrN(220)の組織係数が0.02〜0.2であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜がさらにCrドロップレットを含むことを特徴とするピストンリング。
- 請求項8に記載のピストンリングにおいて、前記硬質皮膜の被覆面に垂直な断面に観察される前記ドロップレットを基点として結晶成長したCrNの結晶粒の長さが5 μm以下であることを特徴とするピストンリング。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のピストンリングを製造する方法であって、前記硬質皮膜がアークイオンプレーティングにより形成されることを特徴とするピストンリングの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2017
- 2017-10-05 JP JP2017195100A patent/JP2019066024A/ja active Pending
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