JP2019065635A - 制振建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計自由度が高くて振動制御も容易に行える制振建物を提供する。【解決手段】内部に上下方向に延びるボイド空間Sを有する建物1と、ボイド空間Sに設けられ、建物1とは振動特性が異なるコア構造物2と、が備えられ、コア構造物2と建物1とが、少なくとも水平方向の振動を減衰する制振装置3で接続されている制振建物Bであって、コア構造物2として、上方側4aが建物1に固定され、下方側4bが建物1に固定されていない上方固定コア構造物4が備えられ、上方固定コア構造物4の少なくとも下方側4bと建物1とが、制振装置3にて接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、内部に上下方向に延びるボイド空間を有する建物と、前記ボイド空間に設けられ、前記建物とは振動特性が異なるコア構造物と、が備えられ、前記コア構造物と前記建物とが、少なくとも水平方向の振動を減衰する制振装置で接続されている制振建物に関する。
上記のような制振建物は、建物とそれとは振動特性が異なるコア構造物との間での振動特性の差により、地震時に建物とコア構造物との間に変位差や速度差を生じさせ、その変位差や速度差を利用し、建物とコア構造物とを接続する制振装置にて建物の振動を減衰することで、建物の振動制御を行っている。
そして、従来、このような制振建物において、ボイド空間に設けられるコア構造物として、下方側が建物に固定され、上方側が建物に固定されていない下方固定コア構造物が備えられ、下方固定コア構造物の上方側と建物とが制振装置にて接続されたものが知られている(下記特許文献1の図1(b)参照)。
また、タイプは異なるが、ボイド空間における下方固定コア構造物の直上方に、上方側が建物に固定され、下方側が建物に固定されていない上方固定コア構造物が更に備えられ、下方固定コア構造物と上方固定コア構造物とが水平方向の振動を減衰する制振装置にて接続された制振建物も知られている(下記特許文献1の図4(d)参照)。
このタイプの制振建物は、地震時において、ボイド空間に設けられた下方固定コア構造物と上方固定コア構造物との間で生じる水平方向の変位差や速度差を利用し、下方固定コア構造物と上方固定コア構造物とを接続する制振装置にて建物の振動を減衰することで、建物の振動制御を行っている。
特開2016−113748号公報
前者の制振建物では、下方固定コア構造物と建物とを制振装置にて直接接続して建物の振動制御を行うが、所望の制振性能を有する制振建物を構成するためには、ボイド空間の下端部から上方に延びる状態で好適に構築される下方固定コア構造物が所望の振動特性を有するように、下方固定コア構造物の高さを必要分だけ確保しなければならない。
そのため、建物側で比較的利用し易いボイド空間の下方側の空間が下方固定コア構造物の設置空間となりがちであり、ボイド空間の下方側の空間を商業用途等に建物側で利用したい等の建築的な要求に対応するのが難しいという不都合がある。
また、後者の制振建物では、制振装置が、下方固定コア構造物と上方固定コア構造物とを接続するものであり、振動を減衰させる対象である建物には直接接続されていないので、地震時における建物の振動の減衰作用が間接的なものとなり、その分、建物の振動制御が難しいという不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、設計自由度が高くて振動制御も容易に行える制振建物を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、内部に上下方向に延びるボイド空間を有する建物と、
前記ボイド空間に設けられ、前記建物とは振動特性が異なるコア構造物と、が備えられ、
前記コア構造物と前記建物とが、少なくとも水平方向の振動を減衰する制振装置で接続されている制振建物であって、
前記コア構造物として、上方側が前記建物に固定され、下方側が前記建物に固定されていない上方固定コア構造物が備えられ、
前記上方固定コア構造物の少なくとも下方側と前記建物とが、前記制振装置にて接続されている点にある。
本構成によれば、制振装置にて建物と接続されるコア構造物が、上方側が建物に固定され、下方側が建物に固定されていない上方固定コア構造物であるので、上方固定コア構造物をボイド空間の上方側に設けて所望の制振性能を有する制振建物を構成することができる。よって、ボイド空間の下方側の空間を商業用途等に建物側で利用したい等の建築的な要求にも対応することが可能となり、制振建物としての設計自由度を高めることができる。
しかも、上方固定コア構造物の下方側は、建物に対する固定端(上端)から離れた位置にあるため、地震動が作用した場合の建物との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。よって、このように建物との変位差や速度差の大きい上方固定コア構造物の下方側と、振動を減衰させる対象である建物とを制振装置にて接続することで、建物の振動を効率的に減衰させることができ、建物の振動制御を容易に行うことができる。また、建物の躯体に作用する鉛直荷重は上層階側ほど小さくなることから、建物は上層階側ほど剛性が低くなる傾向にある。そのため、建物よりも剛性の高い上方固定コア構造物をボイド空間の上方側に設ければ、建物と上方固定コア構造物との振動特性の差に伴う変位差や速度差を一層大きく確保することができ、その一層大きな変位差や速度差を利用して制振装置にて建物の振動を効率的に減衰することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記コア構造物として、下方側が前記建物に固定され、上方側が前記建物に固定されていない下方固定コア構造物が更に備えられ、
前記上方固定構造物と前記下方固定コア構造物とは、前記ボイド空間の上方側に前記上方固定コア構造物が位置し、前記ボイド空間の下方側に前記下方固定コア構造物が位置する配置状態で設けられ、
前記下方固定コア構造物の少なくとも上方側と前記建物とが、前記制振装置にて接続されている点にある。
本構成によれば、ボイド空間における上方固定コア構造物の直下の空間を利用して、建物とは振動特性が異なる下方固定コア構造物を設けることができる。そして、建物との変位差や速度差の大きい下方固定コア構造物の下方側と、振動を減衰させる対象である建物とを制振装置にて接続することで、建物の振動を更に効率的に減衰させることができる。
しかも、ボイド空間における上方固定コア構造物と下方固定コア構造物の剛性や設置高さ範囲を適切に設定することで、上方固定コア構造物の振動特性と下方固定コア構造物の振動特性を建物に応じて適切に組み合わせて、建物の多種多様な振動特性に対応することができ、建物に応じた適切な制振性能を得ることができる。
更に、上方固定コア構造部と下方固定コア構造部の上下境界部付近に制振装置を集約させることができ、そのようにすることで制振装置のメンテナンス性も向上させることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記上方固定コア構造物の下方側と前記下方固定コア構造物の上方側とが、前記制振装置にて接続されている点にある。
本構成によれば、上方固定コア構造物の下方側と下方固定コア構造物の上方側との変位差や速度差を利用し、制振装置にて建物の振動を更に減衰することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記上方固定コア構造物の上方側が、前記建物の複数階層に亘って前記建物の躯体に接合されている点にある。
本構成によれば、振動時の固定端となる上方固定コア構造物の上方側を建物の複数階層分の躯体に接合することで、振動時における上方固定コア構造物の固定端を適切に拘束して固定端の回転や揺動を抑制することができ、上方固定コア構造物と建物との振動特性の差を利用した制振装置による制振効果を適切に得ることができる。
本発明の第5特徴構成は、前記上方固定コア構造物を前記建物にて上方側から支持するように構成されている点にある。
本構成によれば、上方固定コア構造物を建物にて上方側から支持するので、上方固定コア構造物と制振装置とによる制振効果を得ながら、ボイド空間における上方固定コア構造物の下方側の空間の設計自由度を向上させることができる。
また、建物にて上方側から支持され、上方側を固定端として振動する上方側固定コア構造物が錘となるので、建物の揺れに同調して揺れる振り子の重り反力又はバネ反力を利用して建物の振動を減少させるTMD(チューンド・マス・ダンパー)のような制振効果も期待することができ、一層制振性能の高い制振建物を構成することができる。
制振建物の平常時の状態を模式的に示す断面図 制振建物に設計時に想定した地震動が作用した状態を模式的に示す断面図 制振建物に設計時の想定を超える地震動が作用した状態を模式的に示す断面図 制振建物の別実施形態を示す説明図
本発明に係る制振建物の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は制振建物Bの平常時の状態を示し、図2は制振建物Bに設計時に想定した地震動が作用した状態を示している。
図1に示すように、この制振建物Bには、内部に上下方向に延びるボイド空間Sを有する建物1と、ボイド空間Sに設けられ、建物1よりも剛性が高くて建物1とは振動特性が異なるコア構造物2と、コア構造物2と建物1とを接続して建物1の水平方向の振動を減衰する制振装置3と、が備えられている。制振装置3としては、建物1の振動エネルギーに減衰力を付与可能な各種の構造を適宜に用いることができ、図示の例では、オイルダンパー等の粘弾性ダンパー3aを用いている。なお、粘弾性ダンパー3aとしては、複数個を連結した構造の減衰力の大きなものを好適に用いることができる。
建物1とコア構造物2とでは振動特性が異なるので、地震時において建物1とコア構造物2との間で振動特性の差に伴う変位差や速度差を生じさせることができ、その変位差や速度差を利用して建物1の振動を制振装置3にて減衰させることで建物1の振動制御を行うことができる。
そして、この制振建物Bでは、コア構造物2が上下方向で二つに分割構成され、ボイド空間Sの上方側に配置されて建物1と制振装置3で接続された上方固定コア構造物4と、ボイド空間Sの下方側に配置されて建物1と制振装置3で接続された下方固定コア構造物5とが設けられている。
そのため、ボイド空間Sにおける上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5の剛性や設置高さ範囲を適切に設定することで、上方固定コア構造物4の振動特性と下方固定コア構造物5の振動特性を建物1に応じて適切に組み合わせて、建物1の多種多様な振動特性に対応することができ、建物1に応じた適切な制振性能を得ることができる。
更に、この制振建物Bでは、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5との境界部位付近の空間s1を制振層6とし、その制振層6に制振装置3が集約して配置されている。そのため、制振装置3のメンテナンスを容易に行うことができる。
以下、各部の具体的構成について説明を加える。
前記建物1は、例えば、柱や梁やスラブ等の躯体1Aが鉄筋コンクリートからなる鉄筋コンクリート造の高層の集合住宅として構成されている。なお、建物1の用途は、住宅に限らず、商業等の各種の用途を採用することができる。また、建物1の構造も、鉄筋コンクリート構造に限らず、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の各種の構造を採用することができる。
前記ボイド空間Sは、例えば、建物1の複数階に亘る高さ範囲(上下長さ)で構成され、平面視で建物1の中央側に配置されている。ボイド空間Sの高さ範囲は、図示の例では、1階から最上階寄りの上部階に亘る高さ範囲となっているが、1階から最上階に亘る高さ範囲や1階から上下中間階に亘る高さ範囲等であってもよく、建物1の用途や構造に応じて変更可能である。
上方固定コア構造物4や下方固定コア構造物5は、例えば、外周壁の全てを無開口の壁体で構成する等により、建物1よりも高い剛性を有し、建物1とは振動特性が異なるように構成されている。本実施形態では、上方固定コア構造物4や下方固定コア構造物5が、柱や梁等の躯体が鉄筋コンクリートからなる鉄筋コンクリート造にて構成されているが、建物1と同様、鉄筋コンクリート構造に限らず、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の各種の構造を採用することができる。
上方固定コア構造物4は、上方側4aが建物1の躯体1Aに接合して固定され、下方側4bが建物1の躯体1Aに固定されていない。そのため、上方固定コア構造物4は、地震動が作用した場合には、建物1に対して、上方側4aを固定端側として下方側4bを遊端側とする状態で、建物1とは異なる振動特性にてボイド空間S内で振動する。
そして、上方固定コア構造物4の少なくとも下方側4bと建物1とが、制振装置3にて接続されている。具体的には、上方固定コア構造物4の下方側4bの下端外周部の前後左右の各面と、それら各面に相対向する建物1の躯体1Aとしてのボイド空間Sの区画壁1aの各々とが、複数の粘弾性ダンパー3aにて接続されている。
つまり、上方固定コア構造物4の下方側4bは、建物1に対する固定端(上端)から離れた位置にあるため、図2に示すように、地震動が作用した場合の建物1との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。そのため、建物1との変位差や速度差の大きい上方固定コア構造物4の下方側4bと、振動を減衰させる対象である建物1とを制振装置3にて接続することで、建物1の振動を効率的に減衰させることができ、建物の振動制御を容易に行うことができる。
また、建物1の躯体1Aに作用する鉛直荷重は上層階側ほど小さくなることから、建物1は上層階側ほど剛性が低くなる傾向にある。そのため、建物1よりも剛性の高い上方固定コア構造物4をボイド空間Sの上方側に設ければ、建物1と上方固定コア構造物4との振動特性の差に伴う変位差や速度差を一層大きく確保することができ、その大きな変位差や速度差を利用して制振装置3にて建物1の振動を一層効率的に減衰することができる。
図1に戻り、上方固定コア構造物4の上方側4aは、建物1の複数階層に亘って建物1の躯体1Aに接合されている。図示の例では、上方固定コア構造物4の上方側4aの上端部が、躯体1Aの最上階の屋上スラブに剛接合等の接合形態で接合され、上方固定コア構造物4の上方側4aの外周部が、躯体1Aの最上階よりも下方の複数階(本例では二つの階)の床スラブを貫通する状態で配置されて、複数階の床スラブの開口縁に剛接合等の接合形態で接合されている。
また、本実施形態では、上方固定コア構造物4の荷重は、建物1の躯体1Aに上方側から支持されている。ちなみに、上方固定コア構造物4とその直下の下方固定コア構造物5との間に水平方向の相対移動を許容しながら鉛直方向の荷重を伝達可能な免震装置等を介在させることで、上方固定コア構造物4の荷重の少なくとも一部を、下方固定コア構造物5を介して建物1の躯体1Aに下方側から支持させることもできる。
下方固定コア構造物5は、例えば、タワーパーキング等の立体駐車場の外周部及び上部囲う構造体として好適に構成することができる。この下方固定コア構造物5は、下方側5bが建物1の躯体1Aに接合して固定され、上方側5aが建物1の躯体1Aに固定されていない。そのため、下方固定コア構造物5は、地震時においては、建物1に対して、下方側5bを固定端側として上方側5aを遊端側とする状態で、建物1とは異なる振動特性にてボイド空間S内で振動する。なお、下方固定コア構造物5は、建物1だけでなく、上側固定コア構造物4とも振動特性が異なるように構成することができる。
そして、下方固定コア構造物5の少なくとも上方側5aと建物1とが、制振装置3にて接続されている。具体的には、下方固定コア構造物5の上方側5aの上端外周部の前後左右の各面と、それら各面に相対向する建物1の躯体1Aとしてのボイド空間Sの区画壁1aの各々とが、複数の粘弾性ダンパー3aにて接続されている。
つまり、下方固定コア構造物5の上方側5aは、建物1に対する固定端(下端)から離れた位置であるため、図2に示すように、地震動が作用した場合に建物1との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。そのため、建物1との変位差や速度差の大きい下方固定コア構造物5の上方側5aと、振動を減衰させる対象である建物1とを制振装置3にて接続することで、建物1の振動を一層効率的に減衰することができる。
図1に戻り、下方固定コア構造物5の下方側5bは、建物1の躯体1Aにおける基礎1bに例えば剛接合等の接合形態で接合されている。ちなみに、下方固定コア構造物5の下方側5bを基礎1b以外に接合する場合には、建物1の複数階層に亘って躯体1Aに接合するのが好ましい。なお、本実施形態では、基礎1bは、制振建物B全体の基礎として構成されている。
更に、この制振建物Bでは、上方固定コア構造物4の下方側4bと下方固定コア構造物5の上方側5aとが、制振装置3にて接続されている。具体的には、上方固定コア構造物4の下方側4bの下面部と下方固定コア構造物5の上方側5aの上面部とが、制振装置3としての粘弾性ダンパー3aにて接続されている。
そのため、図2に示すように、上方固定コア構造物4の下方側4bと下方固定コア構造物5の上方側5aとの変位差や速度差を利用して制振装置3にて建物1の振動を一層減衰することができる。
図3は、制振建物Bに設計時の想定を超える地震動が作用した状態を示している。同図3に示すように、制振建物Bに設計時の想定を超える極めて大きな地震動が作用した場合には、制振装置3にて振動を制御しきれないことも考えられる。
この制振建物Bは、そのような場合でも、建物1よりも剛性の高い上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5が建物1を内部から支える心棒として機能し、仮に制振装置3や建物1に破損が生じた場合でも建物1が倒壊することは阻止することができる。
具体的には、想定震度を超える極めて大きな地震動が作用した場合に、下方固定コア構造物5の上方側5aが建物1の躯体1Aと接触し、下方固定コア構造物5の上方側5aが建物1の躯体1Aと接触することで、建物1のそれ以上の撓み(曲げ)変形を抑制し、建物1が倒壊することは阻止することができる。
〔別実施形態〕
(1)前述の実施形態では、上方固定コア構造物4の直下に下方固定コア構造物5を設ける場合を例に示したが、建物1の下方側の用途等に応じて下方固定コア構造物5は適宜に省略し、その省略部分も建物1として構成してもよい。
(2)前述の実施形態では、コア構造物2を建物1よりも高い剛性で構成する場合を例に示したが、建物1を鉄筋コンクリート構造にて構成することに対してコア構造物2を鉄骨造にて構成する等により、コア構造物2を建物1よりも低い剛性で構成してもよい。
また、コア構造物2として上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5の両方を設ける場合には、例えば、上方固定コア構造物4を建物1よりも高い剛性で構成し、下方固定コア構造物5を建物1よりも低い剛性で構成したり、これとは逆に、上方固定コア構造物4を建物1よりも低い剛性で構成し、下方固定コア構造物5を建物1よりも高い剛性で構成する等、一方を建物1よりも高い剛性で構成し、他方を建物1よりも低い剛性で構成してもよい。
(3)前述の実施形態では、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5との境界近傍部位(制振層6)が、建物1の上下中央付近のやや上方側に設定されている場合を例に示したが、例えば、図4(a)に示すように、建物1の上部付近に設定されていたり、図4(b)に示すように、建物1の下部付近に設定されていてもよく、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5との境界近傍部位(制振層6)は、建物1の振動特性に応じ、建物1に対して所望の制振性能を発揮する適切な位置に設定すればよい。
(4)前述の実施形態では、上方固定コア構造物4の下方側4bと下方固定コア構造物5の上方側5aとが、制振装置3にて接続されている場合を例に示したが、図4(c)に示すように、上方固定コア構造物4の下方側4bと下方固定コア構造物5の上方側5aとを接続する制振装置3は省略してもよい。また、図示は省略するが、上方固定コア構造物4の下方側4bと下方固定コア構造物5の上方側5aとを接続する制振装置3は残しながら、下方固定コア構造物5の上方側5aと建物1の躯体1Aとを接続する制振装置3を省略してもよい。
(5)前述の実施形態では、制振装置3として、オイルダンパー等の粘弾性ダンパー3aを例に示したが、図4(d)に示すように、鋼材製ダンパーや鉛ダンパー等の履歴系ダンパー3bを用いてもよい。また、例えば、上方固定コア構造物4と建物1及び下方固定コア構造物5と建物1は粘弾性ダンパー3aにて接続し、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5とは履歴系ダンパー3bで接続してもよく、これとは逆に、上方固定コア構造物4と建物1及び下方固定コア構造物5と建物1は履歴系ダンパー3bにて接続し、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5とは粘弾性ダンパー3aで接続してもよい。
(6)前述の実施形態では、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5が同一の構造(鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造や鉄骨造)にて構成されている場合を例に示したが、上方固定コア構造物4と下方固定コア構造物5とが異なる構造で構成されていてもよい。
例えば、上方固定コア構造物4が鉄骨造で構成され、下方固定コア構造物5が鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造で構成されていてもよく、場合によっては、上方固定コア構造物4の構造と下方固定コア構造物5の構造とを上記とは逆にして構成されていてよい。
また、上方固定コア構造物4が鉄筋コンクリート構造で構成され、下方固定コア構造物5が鉄骨鉄筋コンクリート構造で構成されていてもよく、場合によっては、上方固定コア構造物4の構造と下方固定コア構造物5の構造とを上記とは逆にして構成されていてよい。
B 制振建物
S ボイド空間
1 建物
1A 躯体
2 コア構造物
3 制振装置
4 上方固定コア構造物
5 下方固定コア構造物
6 制振層

Claims (5)

  1. 内部に上下方向に延びるボイド空間を有する建物と、
    前記ボイド空間に設けられ、前記建物とは振動特性が異なるコア構造物と、が備えられ、
    前記コア構造物と前記建物とが、少なくとも水平方向の振動を減衰する制振装置で接続されている制振建物であって、
    前記コア構造物として、上方側が前記建物に固定され、下方側が前記建物に固定されていない上方固定コア構造物が備えられ、
    前記上方固定コア構造物の少なくとも下方側と前記建物とが、前記制振装置にて接続されている制振建物。
  2. 前記コア構造物として、下方側が前記建物に固定され、上方側が前記建物に固定されていない下方固定コア構造物が更に備えられ、
    前記上方固定構造物と前記下方固定コア構造物とは、前記ボイド空間の上方側に前記上方固定コア構造物が位置し、前記ボイド空間の下方側に前記下方固定コア構造物が位置する配置状態で設けられ、
    前記下方固定コア構造物の少なくとも上方側と前記建物とが、前記制振装置にて接続されている請求項1記載の制振建物。
  3. 前記上方固定コア構造物の下方側と前記下方固定コア構造物の上方側とが、前記制振装置にて接続されている請求項2記載の制振建物。
  4. 前記上方固定コア構造物の上方側が、前記建物の複数階層に亘って前記建物の躯体に接合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振建物。
  5. 前記上方固定コア構造物を前記建物にて上方側から支持するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の制振建物。


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