JP2019065594A - 柱梁接合部の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる柱梁接合部の補強構造を提供する。【解決手段】補強金物は、略H形断面を有し、かつ上下一対の補強フランジ10a,10aと、当該一対の補強フランジを連結する補強ウエブ10bとを備え、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分に、補強金物10が補強ウエブ10bを梁ウエブ1bの面外方向に向けて挿入され、上下一対の補強フランジ10a,10aが、それぞれ梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに当該梁フランジ1a,1aにボルト接合され、補強ウエブ10bの一端部が梁ウエブ1bに当接されているので、柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる【選択図】図1
Description
本発明は、柱梁接合部の補強構造に関する。
住宅等に用いられる鉄骨プレハブ構造では、通し梁として水平方向に配置されたH形鋼の上方および下方の鉛直方向に柱がつながる柱梁接合部において、梁フランジおよび梁ウエブの変形を抑制するための補強が設けられることが多い。この補強構造として、梁の腹部にスチフナを溶接する構造が一般的であるが、スチフナの溶接にかかる加工手間が大きい、プレめっき材では溶接後の防錆処理にも手間がかかる、また、スチフナによる梁フランジの変形抑制には限界がある、といった課題がある。
この課題に対し、溶接を用いない補強構造の例として特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の補強構造では、管柱を接続する横架材の腹材の両側にコ字状に形成した接続具を設け、この接続具のフランジに形成された接続孔を介してボルトにて管柱と横架材とを接続している。また、コ字状の接続具には上下のフランジとウエブとに三辺が溶接接合された縦片が設けられ、この縦片に形成された連結孔を介して別の横架材を接続している。
特許文献1に記載の補強構造では、管柱を接続する横架材の腹材の両側にコ字状に形成した接続具を設け、この接続具のフランジに形成された接続孔を介してボルトにて管柱と横架材とを接続している。また、コ字状の接続具には上下のフランジとウエブとに三辺が溶接接合された縦片が設けられ、この縦片に形成された連結孔を介して別の横架材を接続している。
また、特許文献2に記載の補強構造では、柱と梁とが接合される鉄骨架構において、上下フランジとウエブとを有する梁の柱接合部に梁補剛ユニットを設けている。この梁補剛ユニットのユニット本体は、梁の上下各フランジの内側にそれぞれ接合される上下水平補剛プレートと、これらの水平補剛プレートを結合して梁のウエブ側面に当接しうる垂直補剛プレートとにより溝形状に形成され、このユニット本体の内側に、梁の上下それぞれに接合される柱の幅に対応した位置に少なくとも2本のリブが立設されている。
そして、このユニット本体が梁の上フランジと下フランジとの間に嵌め込まれるとともに、上下水平補剛プレートがそれぞれ梁の上下各フランジに接合されて、梁の柱接合部を補強している。
そして、このユニット本体が梁の上フランジと下フランジとの間に嵌め込まれるとともに、上下水平補剛プレートがそれぞれ梁の上下各フランジに接合されて、梁の柱接合部を補強している。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来の補強構造では、接続具がコ字状に形成されており、上下のフランジの一辺がその全長わたりウエブに接続されているので、上下のフランジの一辺間の距離が横架材の上下のフランジ間の距離より少しでも長いと、当該接続具を横架材の腹材に設置(挿入)するのが困難になる。このため、接続具に高い寸法精度が要求され、接続具の製作負荷が大きく、また、接続具を設置する際の施工誤差管理の手間も大きい。さらに、コ字状の接続具の上下のフランジとウエブとに縦片の三辺が溶接接合されているため、溶接の手間もかかる。
また、特許文献2に記載の従来の補強構造では、梁のウエブの両側面を当該両側面側に配置された2つの梁補剛ユニットのそれぞれの垂直補剛プレートで補剛して柱梁接合部を構成しているので、柱梁接合部のパネルゾーンは剛性が過大となり、変形が抑制される。したがって、柱梁接合部が変形性能を発揮できなくなるため、柱や梁に変形および損傷が集中してしまう。
また、特許文献1の場合と同様に、梁補剛ユニットがコ字状に形成されているので、当該梁補剛ユニットを梁に設置(挿入)するのが困難になる。このため、梁補剛ユニットに高い寸法精度が要求され、梁補剛ユニットの製作負荷が大きく、また、梁補剛ユニットを設置する際の施工誤差管理の手間も大きい。さらにコ字状の梁補剛ユニットの上下のフランジとウエブとにリブの三辺が溶接接合されているため、溶接の手間もかかる。
また、特許文献1の場合と同様に、梁補剛ユニットがコ字状に形成されているので、当該梁補剛ユニットを梁に設置(挿入)するのが困難になる。このため、梁補剛ユニットに高い寸法精度が要求され、梁補剛ユニットの製作負荷が大きく、また、梁補剛ユニットを設置する際の施工誤差管理の手間も大きい。さらにコ字状の梁補剛ユニットの上下のフランジとウエブとにリブの三辺が溶接接合されているため、溶接の手間もかかる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、H形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる柱梁接合部の補強構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の柱梁接合部の補強構造は、H形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部を補強金物によって補強する柱梁接合部の補強構造であって、
前記補強金物は、略H形断面を有し、かつ上下一対の補強フランジと、当該一対の補強フランジを連結する補強ウエブとを備え、
前記梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分に、前記補強金物が前記補強ウエブを前記梁ウエブの面外方向に向けて挿入され、
上下一対の前記補強フランジが、それぞれ前記梁の上下一対の梁フランジの内面に当接されるとともに当該梁フランジに止着材によって接合され、
前記補強ウエブの一端部が前記梁ウエブに当接されていることを特徴とする。
前記補強金物は、略H形断面を有し、かつ上下一対の補強フランジと、当該一対の補強フランジを連結する補強ウエブとを備え、
前記梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分に、前記補強金物が前記補強ウエブを前記梁ウエブの面外方向に向けて挿入され、
上下一対の前記補強フランジが、それぞれ前記梁の上下一対の梁フランジの内面に当接されるとともに当該梁フランジに止着材によって接合され、
前記補強ウエブの一端部が前記梁ウエブに当接されていることを特徴とする。
ここで、前記止着材としてはボルトやネジ(例えばドリルネジ)が好適に挙げられるが、これに限ることなく、補強フランジを梁フランジの内面に溶接以外の手段で接合できる部材であればよい。
また、梁は柱の上端部間に架け渡される通常の梁の他、基礎に設置されかつ柱の下端部が接合される床梁を含む。
また、梁は柱の上端部間に架け渡される通常の梁の他、基礎に設置されかつ柱の下端部が接合される床梁を含む。
本発明においては、略H形断面の補強金物の上下の補強フランジは、補強ウエブで連結されているので、相互の変形が抑制される。
そして、柱から梁に入力する引張力に対して、梁フランジが面外に変形しようとするが、この変形に対し、補強金物の補強フランジの曲げ抵抗で補剛する。
一方、柱から梁に入力する圧縮力に対して、梁ウエブが面外にはらみ出して座屈しようとするが、この変形に対し、補強金物の補強ウエブの一端部が梁ウエブに当接されることで、梁ウエブの面外変形を抑制して座屈を補剛する。さらに、補強ウエブそのものが柱から梁に入力する圧縮力に対して抵抗する効果も得られる。
また、補強金物は、上下一対の補強フランジが、それぞれ梁の上下一対の梁フランジの内面に当接されるとともに当該梁フランジにボルトやネジ等の止着材によって接合されることによって、梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分に固定されている。
したがって、H形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる。
そして、柱から梁に入力する引張力に対して、梁フランジが面外に変形しようとするが、この変形に対し、補強金物の補強フランジの曲げ抵抗で補剛する。
一方、柱から梁に入力する圧縮力に対して、梁ウエブが面外にはらみ出して座屈しようとするが、この変形に対し、補強金物の補強ウエブの一端部が梁ウエブに当接されることで、梁ウエブの面外変形を抑制して座屈を補剛する。さらに、補強ウエブそのものが柱から梁に入力する圧縮力に対して抵抗する効果も得られる。
また、補強金物は、上下一対の補強フランジが、それぞれ梁の上下一対の梁フランジの内面に当接されるとともに当該梁フランジにボルトやネジ等の止着材によって接合されることによって、梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分に固定されている。
したがって、H形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる。
また、補強金物の上下の補強フランジは、当該補強フランジの中央部に設けられた補強ウエブのみで接続されているため、上下の補強フランジは弾性変形により相対位置を微調整できる。これより、補強金物を、梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分(梁の腹部)に容易に設置(挿入)できる。したがって、補強金物に高い寸法精度が要求されることもないので、補強金物の製作負荷も小さく、また、補強金物を設置する際の施工誤差管理の手間も小さい。
また、補強金物は、柱梁接合部のパネルゾーンの変形を抑制しないので、柱や梁に変形および損傷が集中することを避けられる。
また、補強金物は、柱梁接合部のパネルゾーンの変形を抑制しないので、柱や梁に変形および損傷が集中することを避けられる。
また、本発明の前記構成において、前記補強フランジの一端部よりも前記補強ウエブの一端部が前記梁ウエブ側に突出していてもよい。
このような構成によれば、補強フランジの一端部よりも補強ウエブの一端部が梁ウエブ側に突出しているので、補強ウエブの一端部を梁ウエブに当接することによって、補強フランジの一端部と梁ウエブとの間に所定の隙間を設けることができる。したがって、この隙間に梁のフィレット部(梁フランジと梁ウェブの交差部)が配置されることによって、当該フィレット部と補強フランジとの干渉を避けることができる。また、当該干渉を避けたうえで、補強ウエブの一端部を梁ウエブに隙間なく確実に当接できるので、梁ウエブの座屈抑制の効果を高めることができる。
また、本発明の前記構成において、前記補強フランジの厚さが前記梁のフィレット部の高さ寸法より厚くなっていてもよい。
このような構成によれば、補強フランジの厚さが梁のフィレット部の高さ寸法より厚くなっているので、補強ウエブの上縁および下縁は、それぞれ上下のフィレット部より梁ウエブの上下方向中央部側に配置される。したがって、補強ウエブの一端部をフィレット部に干渉させることなく、梁ウエブに当接できるので、梁ウエブの座屈抑制の効果を高めることができる。
また、本発明の前記構成において、前記補強ウエブの一端部に、当該一端部から前記梁ウエブに沿って延出する延出部が設けられていてもよい。
このような構成によれば、補強ウエブの一端部に、当該一端部から梁ウエブに沿って延出する延出部が設けられているので、補強ウエブの他端部に連結した直交梁から入力する曲げに対する補強金物の抵抗を高めることができる。また、補強ウエブの一端部に延出部を設けることで、柱から梁に入力する圧縮力に対して、補強ウエブの座屈に対する抵抗を高めることもできる。
本発明によればH形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物によって容易かつ確実に補強できる。
以下、図面を参照して本発明に係る柱梁接合部の補強構造の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図、(d)は(c)の要部の拡大図である。
本実施の形態では、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強している。
なお、梁1の上下の梁フランジ1aと梁ウエブ1bとの接続部にはフィレット部1cが設けられている。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図、(d)は(c)の要部の拡大図である。
本実施の形態では、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強している。
なお、梁1の上下の梁フランジ1aと梁ウエブ1bとの接続部にはフィレット部1cが設けられている。
すなわちまず、図1(a)および(b)に示すように、柱梁接合部において、梁1の上側の梁フランジ1aの上面と下側の梁フランジ1aの下面とにはそれぞれ接合部材11が設けられている。接合部材11は、矩形板状の上下の板材11a,11aと、当該板材11a,11aを連結する断面十字形の連結材11bとから構成されている。なお、このような接合部材11を梁1に固定する構造は後述する。
補強金物10は、鋼製でかつ略H形断面を有しており、上下一対の補強フランジ10a,10aと、当該一対の補強フランジ10a,10aを連結する補強ウエブ10bとを備え、上下の補強フランジ10aと補強ウエブ10bとの接続部にはそれぞれフィレット部10cが設けられている。また、補強フランジ10aの厚さは例えば6.0〜16.0mmに設定され、補強ウエブ10bの厚さは例えば4.5mm〜16.0mm程度に設定され、それぞれの厚さは、適宜、必要な性能に応じて設定されている。
このような補強金物10は、図1(c)に示すように、梁1の梁ウエブ1bを挟んで前後方向(図1(a)において紙面と直交する方向、図1(b)において左右方向)に一対配置されている。
また、補強金物10は、断面略H形断面を有する鋼製の部材をそのフランジと直交する鉛直面で所定長さに切断することによって、当該部材から容易に得ることができる。
このような補強金物10は、図1(c)に示すように、梁1の梁ウエブ1bを挟んで前後方向(図1(a)において紙面と直交する方向、図1(b)において左右方向)に一対配置されている。
また、補強金物10は、断面略H形断面を有する鋼製の部材をそのフランジと直交する鉛直面で所定長さに切断することによって、当該部材から容易に得ることができる。
図1(c)に示すように、補強金物10の長さ(補強ウエブ10bと平行な方向の長さ)L1は、梁1の梁フランジ1aの幅寸法をL、梁1の梁ウエブの厚みをtwとすると、(L―tw)/2より短くなっている。したがって、補強金物10を梁1の梁ウエブ1bの両側に配置した状態において、補強金物10の他端部は梁フランジ1aの長手方向に沿う縁部より内側に配置されている。つまり、補強金物10の他端部は梁1からその幅方向(梁ウエブ1bに直交する方向)に突出しておらず、梁1の腹部内に収められている。
また、図1(b)および(c)に示すように、補強フランジ10aの一端部10aeよりも補強ウエブ10bの一端部10beが所定寸法だけ突出しており、補強ウエブ10bの他端部10bfは補強フランジ10aの他端部10afと面一となっている。図1(d)に示すように、補強ウエブ10bの一端部10beの突出長さL2は、梁1のフィレット部1cの梁ウエブ1bの表面からの突出長さLcより長くなっている。
さらに、図1(b)に示すように、補強フランジ10aの厚さtは、梁1のフィレット部1cの高さ寸法tcより厚くなっている。なお、フィレット部1cの高さ寸法tcは、3.0mm〜8.0mmに設定されている。
また、図1(b)および(c)に示すように、補強フランジ10aの一端部10aeよりも補強ウエブ10bの一端部10beが所定寸法だけ突出しており、補強ウエブ10bの他端部10bfは補強フランジ10aの他端部10afと面一となっている。図1(d)に示すように、補強ウエブ10bの一端部10beの突出長さL2は、梁1のフィレット部1cの梁ウエブ1bの表面からの突出長さLcより長くなっている。
さらに、図1(b)に示すように、補強フランジ10aの厚さtは、梁1のフィレット部1cの高さ寸法tcより厚くなっている。なお、フィレット部1cの高さ寸法tcは、3.0mm〜8.0mmに設定されている。
そして、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に、補強金物10がその補強ウエブ10bを梁ウエブ1bの面外方向に向けて挿入されている。つまり、補強金物10は、その補強ウエブ10bを梁1の梁ウエブ1bと直交するようにして梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に挿入されている。
この状態において、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beは梁1の梁ウエブ1bに溶接やボルトで接合されることなく当接されている。
また、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、それぞれ梁1の上下の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに、当該梁フランジ1a,1aにボルト接合されている。
すなわち、補強フランジ10aと梁フランジ1aと接合部材11の梁フランジ1aに当接している板材11aとにはボルト15aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト15aが挿通されたうえで、このボルト15aにナット15bが螺合されて締め付けられている。これによって、補強金物10および接合部材11が梁1に固定されている。なお、接合部材11の梁フランジ1aの当接していない他方の板材11aには柱2が接合固定されている。
この状態において、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beは梁1の梁ウエブ1bに溶接やボルトで接合されることなく当接されている。
また、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、それぞれ梁1の上下の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに、当該梁フランジ1a,1aにボルト接合されている。
すなわち、補強フランジ10aと梁フランジ1aと接合部材11の梁フランジ1aに当接している板材11aとにはボルト15aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト15aが挿通されたうえで、このボルト15aにナット15bが螺合されて締め付けられている。これによって、補強金物10および接合部材11が梁1に固定されている。なお、接合部材11の梁フランジ1aの当接していない他方の板材11aには柱2が接合固定されている。
このような柱梁接合部の補強構造では、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、補強ウエブ10bで連結されているので、相互の変形が抑制される。
そして、柱2から梁1に入力する引張力に対して、梁フランジ1aが面外に変形しようとするが、この変形に対し、補強金物10の補強フランジ10aの曲げ抵抗で補剛する。
一方、柱2から梁1に入力する圧縮力に対して、梁ウエブ1bが面外にはらみ出して座屈しようとするが、この変形に対し、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beが梁ウエブ1bに当接されることで、梁ウエブ1bの面外変形を抑制して座屈を補剛する。さらに、補強ウエブ10bそのものが柱2から梁1に入力する圧縮力に対して抵抗する効果も得られる。
また、補強金物10は、上下一対の補強フランジ10a,10aが、それぞれ梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに当該梁フランジ1aにボルト接合されることによって、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に固定されている。
したがって、H形断面を有する梁1と柱2とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物10によって容易かつ確実に補強できる。
そして、柱2から梁1に入力する引張力に対して、梁フランジ1aが面外に変形しようとするが、この変形に対し、補強金物10の補強フランジ10aの曲げ抵抗で補剛する。
一方、柱2から梁1に入力する圧縮力に対して、梁ウエブ1bが面外にはらみ出して座屈しようとするが、この変形に対し、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beが梁ウエブ1bに当接されることで、梁ウエブ1bの面外変形を抑制して座屈を補剛する。さらに、補強ウエブ10bそのものが柱2から梁1に入力する圧縮力に対して抵抗する効果も得られる。
また、補強金物10は、上下一対の補強フランジ10a,10aが、それぞれ梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに当該梁フランジ1aにボルト接合されることによって、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に固定されている。
したがって、H形断面を有する梁1と柱2とを接合してなる柱梁接合部をスチフナの溶接によらず、補強金物10によって容易かつ確実に補強できる。
また、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、当該補強フランジ10a,10aの中央部に設けられた補強ウエブ10bのみで接続されているため、上下の補強フランジ10a,10aは弾性変形により相対位置を微調整できる。これにより、補強金物10を、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に容易に設置(挿入)できる。したがって、補強金物10に高い寸法精度が要求されることもないので、補強金物10の製作負荷も小さく、また、補強金物10を設置する際の施工誤差管理の手間も小さい。
また、補強フランジ10aの一端部10aeよりも補強ウエブ10bの一端部10beが梁ウエブ1b側に突出しているので、補強ウエブ10bの一端部10beを梁ウエブ1bに当接することによって、補強フランジ10aの一端部10aeと梁ウエブ1bとの間に所定の隙間を設けることができる。したがって、この隙間に梁1のフィレット部1cが配置されることによって、当該フィレット部1cと補強フランジ10aとの干渉を避けることができる。また、当該干渉を避けたうえで、補強ウエブ10bの一端部10beを梁ウエブ1bに隙間なく確実に当接できるので、梁ウエブ1bの座屈抑制の効果を高めることができる。
さらに、補強フランジ10aの厚さtが梁1のフィレット部1cの高さ寸法tcより厚くなっているので、補強ウエブ10bの上縁および下縁は、それぞれ上下のフィレット部1cより梁ウエブ1bの上下方向中央部側に配置される。したがって、補強ウエブ10bの一端部を梁1フィレット部1cに干渉させることなく、梁ウエブ1bに当接できるので、梁ウエブ1bの座屈抑制の効果を高めることができる。
なお、補強フランジ10aの厚さtが梁1のフィレット部1cの高さ寸法tcより薄い場合、補強ウエブ10bの一端部10beの上縁角部と下縁角部がそれぞれ上下のフィレット部1c,1cに干渉するので、この干渉を避けるために、補強ウエブ10bの一端部10beの上縁角部と下縁角部に切欠きを形成することによって、補強ウエブ10bの一端部10beを梁ウエブ1bに隙間なく確実に当接できる。このような梁1のフィレット部1cとの干渉を避けるための補強金物10の変形形態については、後述する。
(第2の実施の形態)
図2は第2の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強しているが、当該補強金物10の構成が第1の実施の形態と相違するので、以下ではこの相違点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図2は第2の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強しているが、当該補強金物10の構成が第1の実施の形態と相違するので、以下ではこの相違点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beに、当該一端部から梁ウエブ1bに沿って延出する延出部10dが設けられている。
この延出部10dは、補強ウエブ10bを補強フランジ10aの一端部10aeから大きく突出させるとともに、上述した突出長さL2の部位で補強ウエブ10bを直角に折り曲げ成形することによって、補強ウエブ10bと一体的に形成されている。
延出部10dは梁ウエブ1bに沿って延出し、当該梁ウエブ1bに溶接やボルトで接合することなく当接している。また、延出部10dの長さは補強フランジ10aの長さL3の1/2とほぼ等しい長さとなっている。なお、延出部10dの長さは、適宜、設定することができる。
また、梁ウエブ1bを挟んで前後一対配置されている補強金物10,10では、延出部10d,10dの延出方向が互いに逆となっている。なお、延出方向を揃えて延出部10dで梁ウエブ1bを挟み込むこともでき、これにより延出部10dの長さにわたって梁ウエブ1bの変形を抑制する効果が得られる。
この延出部10dは、補強ウエブ10bを補強フランジ10aの一端部10aeから大きく突出させるとともに、上述した突出長さL2の部位で補強ウエブ10bを直角に折り曲げ成形することによって、補強ウエブ10bと一体的に形成されている。
延出部10dは梁ウエブ1bに沿って延出し、当該梁ウエブ1bに溶接やボルトで接合することなく当接している。また、延出部10dの長さは補強フランジ10aの長さL3の1/2とほぼ等しい長さとなっている。なお、延出部10dの長さは、適宜、設定することができる。
また、梁ウエブ1bを挟んで前後一対配置されている補強金物10,10では、延出部10d,10dの延出方向が互いに逆となっている。なお、延出方向を揃えて延出部10dで梁ウエブ1bを挟み込むこともでき、これにより延出部10dの長さにわたって梁ウエブ1bの変形を抑制する効果が得られる。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に効果を得ることができる他、補強ウエブ10bの一端部10beに、当該一端部から梁ウエブ1bに沿って延出する延出部10dが設けられているので、補強ウエブ10bの他端部10bfに直交梁を連結した場合に、当該直交梁から入力する曲げに対する補強金物10の抵抗を高めることができる。また、補強ウエブ10bの一端部10beに延出部10dを設けることで、柱2から梁1に入力する圧縮力に対して、補強ウェブ10bの座屈に対する抵抗を高めることもできる。
(第3の実施の形態)
図3は第3の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強しているともに、補強ウエブ10bの他端部10bfに直交梁20を連結している。したがって、以下ではこの点について説明し、第2の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図3は第3の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、H形断面を有する鋼製の梁1と角形鋼管で形成された柱2とを接合してなる柱梁接合部を補強金物10によって補強しているともに、補強ウエブ10bの他端部10bfに直交梁20を連結している。したがって、以下ではこの点について説明し、第2の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態では、梁1に当該梁1と直交する直交梁20が補強金物10を介して連結されている。
すなわちまず、補強金物10の補強ウエブ10bの他端部10bfは梁1から所定長さだけ突出しており、この突出した部分が突出部10eとされている。
また、直交梁20は断面H形の鋼製の梁であり、その梁成は梁1の梁成と等しくなっている。このような直交梁20は、梁1に対して僅かな隙間をもって直角に配置されており、補強ウエブ10bの突出部10eが直交梁20に挿入されている。
この突出部10eは直交梁20の梁ウエブ20bに当接されたうえで、当該梁ウエブ20bにボルト接合されている。すなわち補強ウエブ10bの突出部10eと梁ウエブ20bとにはボルト21aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト21aが挿通されたうえで、このボルト21aにナット21bが螺合されて締め付けられている。これによって、直交梁20が補強金物10を介して梁1に連結され、直交梁20から補強金物10にせん断力が伝達される。
すなわちまず、補強金物10の補強ウエブ10bの他端部10bfは梁1から所定長さだけ突出しており、この突出した部分が突出部10eとされている。
また、直交梁20は断面H形の鋼製の梁であり、その梁成は梁1の梁成と等しくなっている。このような直交梁20は、梁1に対して僅かな隙間をもって直角に配置されており、補強ウエブ10bの突出部10eが直交梁20に挿入されている。
この突出部10eは直交梁20の梁ウエブ20bに当接されたうえで、当該梁ウエブ20bにボルト接合されている。すなわち補強ウエブ10bの突出部10eと梁ウエブ20bとにはボルト21aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト21aが挿通されたうえで、このボルト21aにナット21bが螺合されて締め付けられている。これによって、直交梁20が補強金物10を介して梁1に連結され、直交梁20から補強金物10にせん断力が伝達される。
なお、直交梁20は梁1の梁ウエブ1bを挟んで左右一対設けられており、一方の直交梁20の梁ウエブ20bが一方の補強金物10の補強ウエブ10bの突出部10eにボルト接合され、他方の直交梁20の梁ウエブ20bが他方の補強金物10の補強ウエブ10bの突出部10eにボルト接合されている。
また、左右一対の補強金物10,10の補強ウエブ10b,10bは一直線上に配置されておらず、梁1の長手方向(図3(b)において上下方向)にずれて配置されている。これによって、補強ウエブ10b,10bから突出する突出部10e,10eの梁ウエブ20b,20bが接合される面同士の間隔は、梁ウエブ20bの厚さと等しくなっている。これによって、左右の直交梁20の梁ウエブ20bは一直線上に配置される、つまり、直交梁20,20が一直線上に配置されている。
また、左右一対の補強金物10,10の補強ウエブ10b,10bは一直線上に配置されておらず、梁1の長手方向(図3(b)において上下方向)にずれて配置されている。これによって、補強ウエブ10b,10bから突出する突出部10e,10eの梁ウエブ20b,20bが接合される面同士の間隔は、梁ウエブ20bの厚さと等しくなっている。これによって、左右の直交梁20の梁ウエブ20bは一直線上に配置される、つまり、直交梁20,20が一直線上に配置されている。
本実施の形態では、補強金物10の補強ウエブ10bは梁1から所定長さだけ突出する突出部10eを有するので、この突出部10eに直交梁20の梁ウエブ20bをボルト接合することによって、直交梁20を梁1に補強金物10を介して確実に連結できるとともに、第2の実施の形態と同様に、直交梁20から入力する曲げに対する補強金物10の抵抗を高めることができる。
(第4の実施の形態)
図4は第4の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図である。
第1の実施の形態では、梁1に接合部材11を介して角形鋼管で形成された柱2を接合したが、本実施の形態では梁1にH形断面を有する鋼製の柱30を直接接合しているので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
図4は第4の実施の形態の柱梁接合部の補強構造を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図である。
第1の実施の形態では、梁1に接合部材11を介して角形鋼管で形成された柱2を接合したが、本実施の形態では梁1にH形断面を有する鋼製の柱30を直接接合しているので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、図4(a)に示すように、正面視において、補強金物10が左右一対配置されるとともに、図4(b)に示すように、梁ウエブ1bを挟んで前後にも一対配置されているので、柱梁接合部において合計4個の補強金物10が配置されている。
また、第1の実施の形態と同様に、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に、補強金物10がその補強ウエブ10bを梁ウエブ1bの面外方向に向けて挿入されている。つまり、補強金物10は、その補強ウエブ10bを梁1の梁ウエブ1bと直交するようにして梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に挿入されている。また、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beは梁1の梁ウエブ1bに当接されている。
また、第1の実施の形態と同様に、梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に、補強金物10がその補強ウエブ10bを梁ウエブ1bの面外方向に向けて挿入されている。つまり、補強金物10は、その補強ウエブ10bを梁1の梁ウエブ1bと直交するようにして梁1の上下一対の梁フランジ1a,1aと梁ウエブ1bとで囲まれた部分(梁1の腹部)に挿入されている。また、補強金物10の補強ウエブ10bの一端部10beは梁1の梁ウエブ1bに当接されている。
また、柱30は断面H形に形成された柱本体31と、この柱本体31の端部に設けられた矩形板状の固定板32とを備えている。柱本体31は、左右一対の柱フランジ31a,31aと当該柱フランジ31a,31aを連結する柱ウエブ31bとを備えており、柱フランジ31a,31aおよび柱ウエブ31bの端部に固定板32が溶接等によって固定されている。
また、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、それぞれ梁1の上下の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに、当該梁フランジ1a,1aにボルト接合されている。
すなわち、補強フランジ10aと梁フランジ1aと柱30の固定板32とにはボルト15aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト15aが挿通されたうえで、このボルト15aにナット15bが螺合されて締め付けられている。これによって、補強金物10および柱30が梁1に固定されている。
また、左右に離間して配置された補強金物10,10のそれぞれの補強ウエブ10b,10bと、梁1を挟んで上下に配置されている上下の柱30,30の柱フランジ31a,31aとは一直線上に配置されている。
また、補強金物10の上下の補強フランジ10a,10aは、それぞれ梁1の上下の梁フランジ1a,1aの内面に当接されるとともに、当該梁フランジ1a,1aにボルト接合されている。
すなわち、補強フランジ10aと梁フランジ1aと柱30の固定板32とにはボルト15aを挿通する孔が同軸に形成されており、これら孔にボルト15aが挿通されたうえで、このボルト15aにナット15bが螺合されて締め付けられている。これによって、補強金物10および柱30が梁1に固定されている。
また、左右に離間して配置された補強金物10,10のそれぞれの補強ウエブ10b,10bと、梁1を挟んで上下に配置されている上下の柱30,30の柱フランジ31a,31aとは一直線上に配置されている。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果が得られる他、柱梁接合部に合計4つの補強金物10が設けられているので、柱梁接合部をより強固に補強できる。また、補強金物10は、柱梁接合部のパネルゾーン10pの変形を抑制しないので、柱30や梁1に変形および損傷が集中することを避けられる。
また、第1の実施の形態において、補強金物10を図5〜8に示すような形状としてもよい。なお、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図5に示す補強金物10では、補強フランジ10aの厚みtよりも補強ウエブ10bの厚みtbが大きくなっている。厚みtbを大きくすることで補強ウエブ10bの変形を抑制して梁ウエブ1bの座屈補剛の効果を高めることができる。
図6〜8には、補強金物10の補強フランジ10aの一端部10aeに対する補強ウエブ10bの一端部10beの突出に関する変形例を示す。
図6に示すように、補強フランジ10aの厚さtがフィレット部1cの高さ寸法tcよりも大きい場合は、補強フランジ10aの一端部10aeを補強フランジ10aの上面および下面に対して傾斜させた面とすることで、補強フランジ10aとフィレット部1cの干渉を避けながら、補強ウエブ10bを梁ウエブ1bに当接させることができる。
図6に示すように、補強フランジ10aの厚さtがフィレット部1cの高さ寸法tcよりも大きい場合は、補強フランジ10aの一端部10aeを補強フランジ10aの上面および下面に対して傾斜させた面とすることで、補強フランジ10aとフィレット部1cの干渉を避けながら、補強ウエブ10bを梁ウエブ1bに当接させることができる。
また、図7に示すように、補強フランジ10aの厚さtがフィレット部1cの高さ寸法tcよりも小さい場合は、補強フランジ10aの一端部10aeから補強ウエブ10bに連なるように補強フランジ10aの上面および下面に対して傾斜させた面とすることで、補強フランジ10aとフィレット部1cの干渉を避けながら、補強ウエブ10bを梁ウエブ1bに当接させることができる。
さらに、図8に示すように、補強フランジ10aの厚さtがフィレット部1cの高さ寸法tcよりも小さい場合に、補強フランジ10aの一端部10aeは傾斜面とせずに、補強ウエブ10bの上縁部および下縁部において補強ウエブ10bの一端部10beを補強フランジ10aの上面および下面に対して傾斜させた面とすることで、フィレット部1cの干渉を避けながら、補強ウエブ10bを梁ウエブ1bに当接させることもできる。
さらに、図8に示すように、補強フランジ10aの厚さtがフィレット部1cの高さ寸法tcよりも小さい場合に、補強フランジ10aの一端部10aeは傾斜面とせずに、補強ウエブ10bの上縁部および下縁部において補強ウエブ10bの一端部10beを補強フランジ10aの上面および下面に対して傾斜させた面とすることで、フィレット部1cの干渉を避けながら、補強ウエブ10bを梁ウエブ1bに当接させることもできる。
1 梁
1a 梁フランジ
1b 梁ウエブ
2,30 柱
10 補強金物
10a 補強フランジ
10b 補強ウエブ
10c フィレット部
10d 延出部
10e 突出部
10ae 補強フランジの一端部
10af 補強フランジの他端部
10be 補強ウエブの一端部
10bf 補強ウエブの他端部
1a 梁フランジ
1b 梁ウエブ
2,30 柱
10 補強金物
10a 補強フランジ
10b 補強ウエブ
10c フィレット部
10d 延出部
10e 突出部
10ae 補強フランジの一端部
10af 補強フランジの他端部
10be 補強ウエブの一端部
10bf 補強ウエブの他端部
Claims (4)
- H形断面を有する梁と柱とを接合してなる柱梁接合部を補強金物によって補強する柱梁接合部の補強構造であって、
前記補強金物は、略H形断面を有し、かつ上下一対の補強フランジと、当該一対の補強フランジを連結する補強ウエブとを備え、
前記梁の上下一対の梁フランジと梁ウエブとで囲まれた部分に、前記補強金物が前記補強ウエブを前記梁ウエブの面外方向に向けて挿入され、
上下一対の前記補強フランジが、それぞれ前記梁の上下一対の梁フランジの内面に当接されるとともに当該梁フランジに止着材によって接合され、
前記補強ウエブの一端部が前記梁ウエブに当接されていることを特徴とする柱梁接合部の補強構造。 - 前記補強フランジの一端部よりも前記補強ウエブの一端部が前記梁ウエブ側に突出していることを特徴とする請求項1に記載の柱梁接合部の補強構造。
- 前記補強フランジの厚さが前記梁のフィレット部の高さ寸法より厚くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の柱梁接合部の補強構造。
- 前記補強ウエブの一端部に、当該一端部から前記梁ウエブに沿って延出する延出部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の柱梁接合部の補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017192487A JP2019065594A (ja) | 2017-10-02 | 2017-10-02 | 柱梁接合部の補強構造 |
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JP (1) | JP2019065594A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111877569A (zh) * | 2020-07-30 | 2020-11-03 | 中冶(上海)钢结构科技有限公司 | 一种钢结构的装配式柱结构体系及其安装方法 |
-
2017
- 2017-10-02 JP JP2017192487A patent/JP2019065594A/ja not_active Withdrawn
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